JP2003184635A - イオン電流を用いたエンジンの失火検出装置及び該装置に用いられるプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

イオン電流を用いたエンジンの失火検出装置及び該装置に用いられるプログラムを記録した記録媒体

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JP2003184635A
JP2003184635A JP2001388059A JP2001388059A JP2003184635A JP 2003184635 A JP2003184635 A JP 2003184635A JP 2001388059 A JP2001388059 A JP 2001388059A JP 2001388059 A JP2001388059 A JP 2001388059A JP 2003184635 A JP2003184635 A JP 2003184635A
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Hisashi Tanaka
寿 田中
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Fuji Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン運転状態、燃焼に影響を与えるパラ
メータの変化に起因する誤判定を防止して、失火判定精
度を向上する。 【解決手段】 エンジン回転数及びエンジン負荷に基づ
いて基本失火判定レベルを設定し(ステップS10
2)、エンジンの燃焼に影響を与えるパラメータとして
点火時期、空燃比、エンジン冷却水温、燃料噴射量に基
づいて補正係数を設定して、基本失火判定レベルを補正
係数により補正して失火判定レベルを設定する(ステッ
プS103)。そして、この失火判定レベルと検出した
イオン電流値(ステップS101)とを比較して失火を
判定する(ステップS104〜ステップS106)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各気筒内で失火が
生じているか否かを該各気筒内で発生したイオン電流の
検出値に基づいて判断するエンジンの失火検出装置に関
する。
【0002】
【従来技術】排ガス処理に触媒を使用したエンジンで
は、気筒内で失火が生じると、未燃ガスが排出されて触
媒の機能劣化及び排ガスの悪化を引き起こし得る。従っ
て、失火が生じた場合には、運転者に報知したり、失火
回避制御を行いエンジンを保護ため、失火が生じている
か否かの判定は極めて重要となる。
【0003】このような失火判定の1つとして、燃焼時
に各気筒内で発生したイオン電流に基づいて失火を判定
するものがある。この失火判定は、エンジンの回転挙動
を利用する場合と比較して、最近の可変バルブ機構を搭
載したエンジン等において有利とされているが、例えば
点火時にコイルを駆動させるとノイズが発生してイオン
電流の検出値に重畳するおそれがある。このような環境
下では、失火時において失火を検出できなかったり、又
は燃焼を失火と誤判定するといった不都合を有する。
【0004】点火時及びその他の電気的ノイズの重畳に
対する誤判定を防止するため、例えば特開平5−223
002号公報では、例えばエンジン回転数とエンジン負
荷等のエンジン運転状態に応じてイオン電流の検出タイ
ミングおよび比較対象となる設定値を可変させることに
よって、その防止を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、検出さ
れるイオン電流波形は、上述したノイズ重畳の他に、エ
ンジン回転数やエンジン負荷等のエンジン運転状態が変
化し、これによってイオン電流の検出値や発生域が変化
することによっても影響を受ける。すなわち、エンジン
運転状態によっては、検出されるイオン電流波形が大き
くなったり、小さくなったり、ピークが変化する等、イ
オン電流値が変化する。また、エンジン冷却水温、空燃
比、燃料噴射量、点火時期等はエンジンの燃焼状態に影
響し、これらのパラメータが変化するとエンジンの燃焼
状態が変化するため、検出されるイオン電流値が変化す
る。かかる状況下では、精度の高い失火判定を行うこと
が難しい。上記従来技術に示した公開公報では、これに
対する改善については開示がなされていない。
【0006】本発明は、上記事情に鑑み、エンジン運転
状態、燃焼に影響を与えるパラメータの変化に起因する
誤判定を防止して、失火判定精度を向上することが可能
なエンジンの失火検出装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する請求
項1に係る発明は、各気筒内における失火の有無を該各
気筒内で発生するイオン電流により判定するエンジンの
失火検出装置において、各気筒内で発生するイオン電流
を検出するイオン電流検出手段と、エンジン運転状態に
基づいて基本失火判定レベルを設定する基本失火判定レ
ベル設定手段と、エンジンの燃焼に影響を与えるパラメ
ータに基づいて、基本失火判定レベルを補正するための
補正係数を設定する補正係数設定手段と、基本失火判定
レベルを補正係数により補正して失火判定レベルを設定
する失火判定レベル設定手段と、イオン電流検出手段に
より得られたイオン電流値と失火判定レベルとを比較し
て失火を判定する判定手段とを備えるものである。
【0008】すなわち、請求項1記載の発明は、各気筒
における失火を該各気筒内で発生するイオン電流により
判定するに際し、エンジン運転状態に基づいた基本失火
判定レベルを設定すると共に、エンジンの燃焼に影響を
与えるパラメータに基づいて補正係数を設定する。そし
て、検出したイオン電流値と、基本失火判定レベルを補
正係数により補正して設定した失火判定レベルとを比較
し失火を判定する。ここで、エンジン運転状態の変化
や、燃焼に影響を与えるパラメータの変化によって燃焼
状態が変化し、これによりイオン電流値が変化するが、
エンジン運転状態の変化に対応して基本失火判定レベル
を設定すると共に、燃焼に影響を与えるパラメータに基
づいて補正係数を設定し、基本失火判定レベルを補正係
数により補正して失火を判断するための判定閾値として
の失火判定レベルを設定することで、エンジン運転状
態、燃焼に影響を与えるパラメータの変化による燃焼状
態の変化すなわちイオン電流値の変化に対応して的確に
失火判定レベルを設定することができ、エンジン運転状
態、燃焼に影響を与えるパラメータの変化に起因する誤
判定を防止して、失火判定精度を向上することができ
る。
【0009】その際、請求項2に係る発明のように、エ
ンジン回転数とエンジン負荷とに基づいて基本失火判定
レベルを設定し、エンジン冷却水温、空燃比、点火時
期、及び燃料噴射量の少なくとも1つをパラメータとし
て補正係数を設定することが望ましい。
【0010】請求項3記載の記録媒体の発明は、各気筒
内で発生するイオン電流を検出するイオン電流検出手段
と、エンジン運転状態に基づいて基本失火判定レベルを
設定する基本失火判定レベル設定手段と、エンジンの燃
焼に影響を与えるパラメータに基づいて、基本失火判定
レベルを補正するための補正係数を設定する補正係数設
定手段と、基本失火判定レベルを補正係数により補正し
て失火判定レベルを設定する失火判定レベル設定手段
と、イオン電流検出手段により得られたイオン電流値と
失火判定レベルとを比較して失火を判定する判定手段と
して、電子制御装置を機能させるためのプログラムを記
録したことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて詳細に説明する。図1(a)は、イオ
ン電流による失火検出装置を説明するための概略構成
図、図1(b)は電子制御装置20(以下、単に「EC
U」と言う)の概略構成図である。なお、本実施の形態
において、各気筒は同一構成であるため、以下の説明で
はその一つについて行い、他の気筒については省略す
る。
【0012】符号1はエンジンであり、ピストン2、吸
気弁3及び排気弁4等から構成される燃焼室5には、空
気と燃料との混合気が供給される。供給された混合気
は、ピストン2によって圧縮されるとその上死点付近
で、ECU20からのパワートランジスタ27(図2を
参照)を介した点火信号に基づき、シリンダヘッドに取
り付けられた点火プラグ23からの火花放電により着火
され、爆発燃焼を引き起こす。爆発燃焼により、燃焼室
5内では電離作用によるイオンが発生し、イオン電流が
プラグ23を介して検出される。
【0013】これにより、点火プラグ23のギャップ間
を流れるイオン電流をイオン検出ラインL1を介してイ
オン検出回路40により検出し、さらにアナログ信号と
して出力され、後述するECU20のマイクロコンピュ
ータ30(図1(b))に入力される。なお、イオン検
出回路40についてその詳細は後述する。
【0014】ECU20は、各種センサからの信号に基
づいてエンジンを制御するための装置であり、その構成
を図1(b)によって説明すると、マイクロコンピュー
タ30を主構成とし、各種センサからのアナログ信号が
入力される入力回路31a、その入力信号をデジタル信
号に変換するA/Dコンバータ32、各種センサからの
デジタル信号が入力される入力回路31bを有する。そ
して、マイクロコンピュータ30は、A/Dコンバータ
32及びデジタル信号用入力回路31bからの信号を受
け、且つ出力回路37を介してインジェクタやイグナイ
タを構成するパワートランジスタ27等の各種アクチュ
エータ38に制御信号を出力する役割を担う入力/出力
ポート33(I/Oポート)を具備している。マイクロ
コンピュータ30は、CPU34を中心として、RAM
35、ROM36及びI/Oポート33が相互にバス3
9によって接続されている。
【0015】マイクロコンピュータ30を構成するRA
M35及びROM36は、両者を併せてメモリと呼ばれ
ることもあり、RAM35は各種値(例えば、本発明に
よるイオン電流検出値)等を格納し、ROM36は制御
プログラムや予め設定された固定値等が記録されてい
る。CPU34は、各種センサからの信号等に基づき、
ROM36に予めメモリされている固定値及び制御プロ
グラムによって演算処理を行い各種のエンジン制御を行
う。
【0016】イオン検出回路40から出力されたイオン
電流のアナログ信号は、入力回路31aを介してA/D
コンバータ32によってデジタル変換されて、マイクロ
コンピュータ30のI/Oポート33を介して入力され
ると、CPU34によって演算処理されて、失火が生じ
ているか否かを判断するための失火判定閾値(以下、
「失火判定レベル」と言う)と比較される。すなわち、
ここで本発明による失火判定が行われる。
【0017】比較対象となるイオン電流の検出値が、所
定の水準に達していない場合、すなわち失火判定レベル
より小さい場合には、このような状態を「失火」と判断
し、警告ランプ28によって運転者に対して失火の発生
を報知すると共に、CPU34からI/Oポート33、
出力回路37を介して各種アクチュエータ38に失火を
回避するための制御信号を出力し、必要な失火回避制御
が行われる。
【0018】次に、上述した失火検出装置を含む点火系
の構成について図2に基づいて説明する。なお、図中の
ECU20の構成は、図1において述べたのもの同様で
あり、その説明は省略する。
【0019】ECU20のマイクロコンピュータ30で
は、各種センサにより検出されるエンジン運転状態に基
づき点火コイル22の一次コイル22aに対する通電開
始及びその遮断についてのタイミング、すなわち点火時
期を制御している。ECU20と一次コイル22aとの
間には、イグナイタを構成するパワートランジスタ27
が配置されており、パワートランジスタ27はECU2
0からの点火信号に基づいて一次コイル22aへの電流
をオン−オフする。パワートランジスタ27がオンにな
ると、バッテリ21から一次コイル22a側に一次電流
が通電される。この一次電流の大きさは、バッテリ21
の電圧、通電時間等に応じて異なる。
【0020】そして、所定時間通電後、すなわち点火時
期に達した時点でECU20からの信号によりパワート
ランジスタ27をオフし、一次コイル22a側を遮断す
る。その結果、この一次電流の大きさに応じた逆起電力
が発生し、これによって二次コイル22bの巻数に応じ
た高電圧が二次コイル22b側の端子間に発生する。こ
の高電圧が点火プラグ23に印加されることでプラグ2
3の電極間に火花放電が発生し、上述したように混合気
に着火され、爆発燃焼が行われる。
【0021】すなわち、パワートランジスタ27がオフ
になる点火時期においては、二次コイル22b側に高電
圧が発生して点火プラグ23が点火し、二次コイル22
b、ダイオード(ロ)、点火プラグ23を経て放電電流
が流れると共に、一次コイル22aでの逆起電力によっ
て、ダイオード(ハ)及び抵抗24を経てコンデンサ2
5が充電される。
【0022】その後、上述したように、爆発燃焼により
燃焼室5内にイオンが発生するので点火プラグ23を介
してイオン電流を捕捉し、イオン電流が電極間に流れる
とこれをイオン検出回路40にて検出する。イオン検出
回路40は、二次コイル22b側と点火プラグ23に対
して並列に接続されており、イオン電流検出抵抗24、
コンデンサ25及びイオン波形処理回路26から構成さ
れている。イオン電流検出抵抗24及びコンデンサ25
は直列に接続されており、点火プラグ23に流れるイオ
ン電流を検出する役目を担っている。
【0023】すなわち、爆発燃焼時、コンデンサ25に
充電された充電電圧によって抵抗24、ダイオード
(イ)及び点火プラグ23を経てイオン電流が流れ、抵
抗24にイオン電流に応じた電圧が生じる。また、これ
らと並列にイオン波形処理回路26が接続され、イオン
電流が流れたことにより抵抗24に生じた電圧を、EC
U20に入力するための最終的な処理を行っている。
【0024】このように処理されたイオン電流検出値
は、ECU20のマイクロコンピュータ30に入力さ
れ、本発明による失火判定が行われる。
【0025】ここで、ECU20による失火判定におい
ては、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づいて基本
失火判定レベルを設定し、エンジンの燃焼に影響を与え
るパラメータとして点火時期、空燃比、エンジン冷却水
温、燃料噴射量に基づいて補正係数を設定して、基本失
火判定レベルを補正係数により補正して失火判定レベル
を設定する。そして、この失火判定レベルと検出したイ
オン電流値とを比較して失火を判定することで、エンジ
ン運転状態、燃焼に影響を与えるパラメータの変化に起
因する誤判定を防止して、失火検出精度を向上する。
【0026】すなわち、ECU20及びイオン検出回路
40は、本発明に係るイオン電流検出手段の機能を有
し、更にECU20は、本発明に係る基本失火判定レベ
ル設定手段、補正係数設定手段、失火判定レベル設定手
段、及び判定手段の機能を有し、具体的には図3に示す
失火判定ルーチンによって各手段の機能を実現する。
【0027】以下、ECU20によって実行される失火
判定に係わる処理について、図3に示すフローチャート
を用いて説明する。
【0028】図3は、各気筒毎に燃焼行程をイオン電流
値のサンプリング期間として実行される失火判定ルーチ
ンであり、先ずステップS101で、イオン電流値を検
出する。そして、ステップS102で、エンジン運転状
態としてエンジン回転数rpmとエンジン負荷を表すエ
ンジン1行程当りの吸気量guとをパラメータとして基
本失火判定レベルテーブルを補間計算付で参照し、失火
を判定するための失火判定レベルの基本値となる基本失
火判定レベルLVLBを設定する。
【0029】基本失火判定レベルテーブルの一例を図4
に示す。基本失火判定レベルテーブルは、エンジン回転
数rpmとエンジン負荷の一例としてのエンジン1行程
当りの吸気量guとによるエンジン運転状態をパラメー
タとして、予めシミュレーション又は実験等により失火
を判定するに適正な失火判定閾値を求め、この適正な失
火判定閾値を失火判定レベルの基本値、すなわち基本失
火判定レベルLVLBとし、テーブルとしてROM36
の一連のアドレスにストアされているものである。
【0030】すなわち、エンジン回転数及びエンジン負
荷に応じ燃焼時のイオン電流波形が変化し、一義的な値
の失火判定レベル(一定値による失火判定レベル)とイ
オン電流値との比較により失火判定を行うと誤判定を生
じる。エンジン運転状態によるイオン電流波形の変化特
性は、エンジン形式やエンジンの排気量により相違し、
一概には言えないが、一例として図5にエンジン回転数
を一定(2800rpm)としエンジン負荷を変化させ
たときの燃焼時のイオン電流波形を示す。
【0031】図5(a)は中負荷(gu=1.0)、図
5(b)は高負荷(gu=2.2)、図5(c)は低負
荷(gu=0.2)におけるイオン電流波形であり、負
荷によりイオン電流波形のパターンや、ピークの大小変
化、位相変化が生じる。エンジン回転数を変化させたと
きも、イオン電流波形に変化が生じる。
【0032】従って、エンジン回転数及びエンジン負荷
(本実施の形態では、エンジン1行程当りの吸気量g
u)に基づいて失火判定閾値の基本値としての基本失火
判定レベルLVLBを設定することで、エンジン運転状
態の変化によりイオン電流値が変化しても、これに対応
して失火判定レベルを補償することが可能となり、エン
ジン運転状態の変化によりイオン電流値が変化すること
による誤判定を確実に防止することが可能となる。
【0033】なお、図5中の破線は基本失火判定レベル
LVLBを示し、上述の図4の基本失火判定テーブルに
より、エンジン回転数及びエンジン負荷に応じた値に設
定されるが、何れにおいてもエンジン運転状態の変化に
起因するイオン電流波形の変化に応じて適切に失火判定
レベルの基本値となる失火判定レベルLVLBが設定さ
れる。
【0034】次いで、ステップS103で、エンジンの
燃焼に影響を及ぼすパラメータとして点火時期、空燃
比、エンジン冷却水温、燃料噴射量に基づいて、それぞ
れテーブル参照等により基本失火判定レベルLVLBを
補正するための補正係数KADV、KA/F、KTW、
KINJを設定する。
【0035】すなわち、点火時期の進角、遅角によって
燃焼状態が変化し、これに対応してイオン電流値も変化
する。また、空燃比の相違、エンジン冷却水温の相違
(低温時はエンジンの燃焼が悪化する)、燃料噴射量の
相違によっても、燃焼状態が変化し、同様にこれに対応
してイオン電流値が変化する。
【0036】従って、エンジンの燃焼に影響を及ぼす点
火時期、空燃比、エンジン冷却水温、燃料噴射量をそれ
ぞれパラメータとして、予めシミュレーション又は実験
等により基本失火判定レベルLVLBを補正するに適正
な各補正係数KADV、KA/F、KTW、KINJを
求め、これらを各々のテーブルとしてROM36の一連
のアドレスにストアしておく。なお、本実施の形態にお
いては、各補正係数KADV、KA/F、KTW、KI
NJを基本失火判定レベルLVLBに対し乗算項として
与えるため、各補正係数KADV、KA/F、KTW、
KINJのベース値(補正無しに対応する値)は、1.
0である。
【0037】なお、燃焼に影響を及ぼす点火時期、空燃
比、エンジン冷却水温、燃料噴射量の変化によるイオン
電流波形の変化特性は、エンジン形式やエンジンの排気
量により相違するため一概には言えない。しかし何れに
しても、これら点火時期、空燃比、エンジン冷却水温、
燃料噴射量をそれぞれパラメータとして、予めシミュレ
ーション又は実験等により基本失火判定レベルLVLB
を補正するために適正な各補正係数KADV、KA/
F、KTW、KINJを求めてそれぞれテーブルとして
与えることで、点火時期、空燃比、エンジン冷却水温、
燃料噴射量の変化によりイオン電流値が変化しても、こ
れに対応して各補正係数KADV、KA/F、KTW、
KINJにより基本失火判定レベルLVLBを補正して
失火を判定するための失火判定レベルLVLを適切に設
定することが可能となる。これにより、エンジンの燃焼
状態に影響を及ぼす点火時期、空燃比、エンジン冷却水
温、燃料噴射量の変化によりイオン電流値が変化するこ
とによる誤判定を確実に防止することができる。
【0038】ここで、エンジンの燃焼状態に影響を及ぼ
すパラメータが変化し、燃焼に乱れが生じた場合の一例
を図6(a)に示す。実線は乱れが生じていないときの
イオン電流波形であり、実線を除く波形はエンジンの燃
焼状態に影響を及ぼすパラメータの変化により燃焼が乱
れたときのイオン電流波形を示す。図示のように、エン
ジンの燃焼状態に影響を及ぼすパラメータの変化により
燃焼が乱れたときは、イオン電流波形が相対的に低下す
るが(このときは燃焼しており失火していないため、
「燃焼」と判定する必要がある)、各補正係数KAD
V、KA/F、KTW、KINJにより基本失火判定レ
ベルLVLBを補正して失火判定レベルLVLを設定す
ることで、イオン電流波形が相対的に低下しても、これ
に対応する失火判定レベルLVLを適切に設定すること
ができる。
【0039】なお、図6(b)は失火時のイオン電流波
形である。図6(a)及び(b)において、燃焼区間前
後にトリガ的なノイズがあるが、これは点火プラグ23
の点火放電時のノイズであり、点火時期を含む所定のク
ランク角度区間においてイオン電流値のサンプリングを
中止したり、この区間において検出したイオン電流値を
マスクすることにより、ノイズによる誤判定を防止する
ことができる。
【0040】そして、ステップS103において、基本
失火判定レベルLVLBを各補正係数KADV、KA/
F、KTW、KINJにより補正して失火判定レベルL
VLを設定し(LVL←LVLB×KADV×KA/F
×KTW×KINJ)、続くステップS104で、イオ
ン電流値と失火判定レベルLVLとを比較して、イオン
電流値が失火判定レベルLVLより高いときは、ステッ
プS105に進み、「燃焼」(正常)と判定してルーチ
ンを抜け、イオン電流値が失火判定レベルLVL以下の
ときは、ステップS106に進み、「失火」と判定して
ルーチンを抜ける。
【0041】「失火」と判定した場合は、警告ランプ2
8の点灯又は点滅により運転者に失火の発生を報知し、
必要に応じ失火回避制御を行うと共に、失火発生を示す
トラブルデータをECU20のRAM35のバックアッ
プ領域における所定のアドレスにメモリし、ECU20
への外部機器(故障診断装置)の接続により外部機器へ
の読み出しを可能にする。
【0042】なお、上記実施の形態により説明される本
発明のエンジンの失火検出装置を構成するECU20に
おいて実現される各手段は、ROM36に記録されてい
る制御プログラムにより機能するものであり、記録媒体
として本発明に含まれるものである。
【0043】また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々の変更も本発明に含まれることは言うまでもない。例
えば、エンジン負荷として上記実施の形態では、エンジ
ン1行程当りの吸気量guを用いたが、エンジン負荷を
表すものであればよく、これに代えて例えば、スロット
ル開度、吸入空気量、スロットル弁下流の吸気管圧力、
基本燃料噴射量(基本燃料噴射パルス幅)又は燃料噴射
量(燃料噴射パルス幅)を用いてもよい。
【0044】また、上記実施の形態においては、基本失
火判定レベルLVLBを補正するために、エンジンの燃
焼に影響を及ぼす点火時期、空燃比、エンジン冷却水
温、燃料噴射量をそれぞれパラメータとして各補正係数
KADV、KA/F、KTW、KINJを設定し、これ
ら各補正係数KADV、KA/F、KTW、KINJに
より基本失火判定レベルLVLBを補正して失火判定レ
ベルLVLを設定しているが、これに限定されず、少な
くとも点火時期、空燃比、エンジン冷却水温、燃料噴射
量の少なくとも一つをパラメータとして補正係数を設定
し、基本失火判定レベルLVLBを補正して失火判定レ
ベルLVLを設定してもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
各気筒における失火の有無を該気筒内で発生するイオン
電流により判定するに際し、エンジン運転状態や、エン
ジンの燃焼に影響を与えるパラメータによって燃焼状態
が変化し、これによりイオン電流値が変化するが、エン
ジン運転状態の変化に対応して基本失火判定レベルを設
定すると共に、エンジンの燃焼に影響を与えるパラメー
タに基づいて補正係数を設定し、基本失火判定レベルを
補正係数により補正して失火を判断するための判定閾値
としての失火判定レベルを設定するので、エンジン運転
状態、燃焼に影響を与えるパラメータの変化に起因する
燃焼状態の変化、すなわちイオン電流値の変化に対応し
て的確に失火判定レベルを設定することができる。従っ
て、この失火判定レベルとイオン電流値とを比較して失
火を判定することで、エンジン運転状態や、燃焼に影響
を与えるパラメータの変化に起因する誤判定を防止し
て、失火判定精度を著しく向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の失火検出装置の概略構成図、
(b)は電子制御装置の概略構成図である。
【図2】本発明の失火検出装置を含む点火系の概略構成
図である。
【図3】失火判定ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図4】基本失火判定レベルテーブルを示す説明図であ
る。
【図5】負荷を変化させたときのイオン電流波形を示す
タイミングチャートである。
【図6】(a)は燃焼が乱れたときのイオン電流波形の
タイミングチャート、(b)は失火時のイオン電流波形
のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 20 電子制御装置 23 点火プラグ 40 イオン検出回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各気筒内における失火の有無を該各気筒
    内で発生するイオン電流により判定するエンジンの失火
    検出装置において、 前記各気筒内で発生するイオン電流を検出するイオン電
    流検出手段と、 エンジン運転状態に基づいて基本失火判定レベルを設定
    する基本失火判定レベル設定手段と、 エンジンの燃焼に影響を与えるパラメータに基づいて、
    前記基本失火判定レベルを補正するための補正係数を設
    定する補正係数設定手段と、 前記基本失火判定レベルを前記補正係数により補正して
    失火判定レベルを設定する失火判定レベル設定手段と、 前記イオン電流検出手段により得られたイオン電流値と
    前記失火判定レベルとを比較して失火を判定する判定手
    段と、 を備えたことを特徴とするエンジンの失火検出装置。
  2. 【請求項2】 前記基本失火判定レベル設定手段は、エ
    ンジン回転数とエンジン負荷とに基づいて前記基本失火
    判定レベルを設定し、前記補正係数設定手段は、エンジ
    ン冷却水温、空燃比、点火時期、及び燃料噴射量の少な
    くとも1つをパラメータとして前記補正係数を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの失火検出
    装置。
  3. 【請求項3】 各気筒内における失火を該各気筒内で発
    生するイオン電流よって判定するエンジンの失火検出装
    置に用いられる電子制御装置を、 前記各気筒内で発生するイオン電流を検出するイオン電
    流検出手段と、 エンジン運転状態に基づいて基本失火判定レベルを設定
    する基本失火判定レベル設定手段と、 エンジンの燃焼に影響を与えるパラメータに基づいて、
    前記基本失火判定レベルを補正するための補正係数を設
    定する補正係数設定手段と、 前記基本失火判定レベルを前記補正係数により補正して
    失火判定レベルを設定する失火判定レベル設定手段と、 前記イオン電流検出手段により得られたイオン電流値と
    前記失火判定レベルとを比較して失火を判定する判定手
    段として機能させるためのプログラムを記録した読み取
    り可能な記録媒体。
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