JP2003182692A - 航空機のフラップ - Google Patents

航空機のフラップ

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JP2003182692A
JP2003182692A JP2001383457A JP2001383457A JP2003182692A JP 2003182692 A JP2003182692 A JP 2003182692A JP 2001383457 A JP2001383457 A JP 2001383457A JP 2001383457 A JP2001383457 A JP 2001383457A JP 2003182692 A JP2003182692 A JP 2003182692A
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plate
aircraft
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peeling
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晴幸 西田
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    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64CAEROPLANES; HELICOPTERS
    • B64C9/00Adjustable control surfaces or members, e.g. rudders
    • B64C9/14Adjustable control surfaces or members, e.g. rudders forming slots
    • B64C9/16Adjustable control surfaces or members, e.g. rudders forming slots at the rear of the wing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64CAEROPLANES; HELICOPTERS
    • B64C9/00Adjustable control surfaces or members, e.g. rudders
    • B64C9/34Adjustable control surfaces or members, e.g. rudders collapsing or retracting against or within other surfaces or other members

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)
  • Air-Flow Control Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 剥離が生じていない状態では空気抵抗の増加
を招くことがなく、剥離が生じた状態では剥離を抑制し
て揚力の低下と振動を抑制可能にする。 【解決手段】 航空機の主翼11の後ろにはフラップ12が
備えられている。フラップ12の上面20において中央より
後側には、板21が回動可能に支持されている。板21は、
その前端部において支軸22に支持されており、支軸22を
中心にして回動するようになっている。板21は、フラッ
プ12の上面20に沿って後方へ延びる待機位置と、上面20
に対して斜めになる作用位置とに駆動されるようになっ
ている。フラップ12内の前部にはワイヤ巻取部24が取り
付けられている。ワイヤ巻取部24は一端が板21の前端部
に巻き付けられたワイヤ25を巻取り可能になっており、
ワイヤ25を巻取ることにより板21を待機位置側へ回動可
能になっている。板21は図示しない捩りばねにより作用
位置側に付勢されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機のフラップ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】航空機には、離着陸時等に高揚力を発生
させるために、主翼の後縁部にフラップを備えるものが
ある。
【0003】フラップは、主翼に沿って流れる空気流れ
の向きを変えることにより、高揚力を得ることが可能に
なっている。フラップには、主翼の後方に押し出される
とともに下方に傾けられることにより、翼面積を大きく
するとともに空気流れを下向きにし、高揚力を発生させ
るようになっているものがある。また、フラップには、
角度だけ変えて下方に傾けられるものもある。
【0004】フラップが傾けられることにより、空気流
れは、フラップの上面において後部まで沿うようには流
れず、フラップの上面において剥離が発生する場合があ
る。この剥離は、そのままにしておくと拡大し、揚力が
低減されることがあり、また、剥離により振動が発生す
る。
【0005】フラップにおける剥離を抑えるため、例え
ば、特開平7−267191号公報では、主翼とフラッ
プとの隙間を通る流れによってフラップにおける剥離を
抑制するように、前記隙間の最適な値や、最適なフラッ
プの形状等が示されている。
【0006】また、特開2000−264290号公報
に示すフラップでは、フラップ上面の流れが横に流れる
ことによって剥離が拡大することを抑制するため、フラ
ップの前縁部に、横への流れを規制する整流板を取り付
けている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平7−
267191号公報のフラップでは、既存のフラップに
おいて流れの剥離を抑制しにくい。また、フラップを最
適な形状に形成するためにコストがかかる。また、特開
2000−264290号公報のフラップにおける整流
板では、横への流れを規制できても、フラップの傾きに
起因する剥離を効果的には抑制しにくい。また、整流板
は取り付けられたままであるため、剥離が発生していな
い飛行状態では、整流板により空気抵抗が増加するとい
う問題がある。
【0008】また、航空機の飛行速度が遷音速の状態に
おいて、主翼の上面に衝撃波が発生する場合があり、衝
撃波より後方では流れの剥離が発生することがある。そ
して、剥離領域内の流れの逆流の影響により、衝撃波が
振動することがある。剥離をそのままにしておくと、衝
撃波の振動が激しくなり、その影響によって主翼が振動
するいわゆる遷音速バフェッティングと呼ばれる現象が
発生することがある。この遷音速バフェッティングを防
止するため、飛行速度が遷音速の状態においても流れの
剥離を抑制する必要がある。
【0009】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、剥離が生じていない状態では
空気抵抗の増加を招くことがなく、剥離が生じた状態で
は剥離を抑制して揚力の低下を抑制でき、剥離による振
動の抑制ができる航空機のフラップを提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、航空機のフラップの上
面において、前記上面の中央より後側で、板をその前端
部において前記フラップに対して回動可能に支持すると
ともに、前記板が前記上面に沿って前記フラップの後端
に向かって延びる待機位置と、回動して前記フラップの
上面に対して斜めになる作用位置とに、前記板を駆動可
能な駆動手段を備えたことを要旨とする。
【0011】この発明によれば、航空機の離着陸時等に
おいてフラップが主翼に対して傾き、フラップで剥離が
発生したときに駆動手段によって板が作用位置に回動さ
れると、この板によって剥離が抑制され、揚力の低下が
抑制され、剥離による振動が抑制される。また、剥離が
発生していないときは、板が待機位置に配置されるた
め、抵抗の増加が防止される。このため、剥離が生じて
いない状態では空気抵抗の増加を招くことがなく、剥離
が生じた状態では剥離を抑制して揚力の低下を抑制で
き、剥離による振動の抑制ができる。
【0012】ここで、流れの剥離領域とは、物体の表面
付近の主流が物体に沿って流れていない状態で、物体表
面の近傍に生じる逆流域である。また、主流が流れる領
域が定常流れ領域である。定常流れ領域及び剥離領域
は、例えば風洞実験により翼形状や飛行速度に応じて求
められる。板の作用位置は、例えば航空機の離着陸時に
剥離が発生した場合に、剥離を抑制可能な位置に設定さ
れている。
【0013】また、航空機の飛行速度が遷音速になった
場合に、主翼の上面に衝撃波が発生することがあり、衝
撃波の後で剥離が発生することがある。この場合、板が
作用位置に回動されると、剥離領域内の流れがフラップ
から主翼へ向かって逆流することが抑制され、衝撃波の
振動が抑制される。これにより、主翼の振動が抑制され
る。また、剥離が発生していないときは、板が待機位置
に配置され、抵抗の増加が回避される。このように、航
空機の離着陸時における剥離を抑制する構成を利用し
て、遷音速領域での剥離も抑制され、遷音速バフェッテ
ィングが防止される。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記フラップの上面には、空気流れの
剥離が生じたことを検知可能な検知手段が取り付けられ
ており、前記駆動手段は、前記剥離が生じたときに、前
記板を前記待機位置から前記作用位置へ回動するように
構成されたことを要旨とする。
【0015】この発明によれば、剥離が発生したことを
検知手段によって検知できる。請求項3に記載の発明
は、請求項2に記載の発明において、前記検知手段は、
前記フラップにおいて前記板より前に取り付けられたこ
とを要旨とする。
【0016】この発明によれば、検知手段が板より前に
取り付けられているため、検知手段によって剥離が検知
されたときには、板全体が剥離領域と対向する状態にな
っている。例えば剥離がフラップの後縁部等のみにおい
て発生し、剥離が検知手段によって検知されていない状
態で板が作用位置に配置されると、板によって空気抵抗
が増加する虞がある。しかし、板全体が剥離領域と対向
するように剥離が拡大した状態では、板を作用位置に配
置しても空気抵抗の増加が回避される。このため、フラ
ップは、剥離が生じた場合においても空気抵抗の増加を
招かずに剥離を抑制できる。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求
項3のいずれか一項に記載の発明において、前記駆動手
段は、前記フラップ内に取り付けられたワイヤ巻取部
と、一端が前記板に取り付けられ、前記ワイヤ巻取部に
よって巻取られることにより前記板を前記待機位置側へ
回動可能なワイヤと、前記板を前記作用位置側へ付勢可
能な付勢手段とを備えたことを要旨とする。
【0018】この発明によれば、ワイヤ巻取部によって
ワイヤが巻き取られることにより、板は待機位置へ回動
される。また、フラップには、例えば捩りばね等の付勢
手段を取り付けておくことにより、ワイヤ巻取部からワ
イヤが繰り出されてワイヤが緩められると、付勢手段に
よって板は作用位置へ回動される。板を回動する負荷は
比較的小さいためワイヤ巻取部は小型化でき、小さくて
部材を取り付けにくいフラップ内でも取付けできる。
【0019】請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求
項3のいずれか一項に記載の発明において、前記駆動手
段は、前記フラップ内に取り付けられたシリンダを備
え、前記シリンダの作動によって前記板を前記待機位置
又は前記作用位置側に回動可能なことを要旨とする。
【0020】この発明によれば、板を回動する負荷は比
較的小さいためシリンダを小型化でき、小さくて部材を
取り付けにくいフラップ内でも取付けできる。請求項6
に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に
記載の発明において、前記駆動手段は、前記フラップ内
に取り付けられたモータを備えたことを要旨とする。
【0021】この発明によれば、モータは、小さくて部
材を取り付けにくいフラップ内においても比較的取り付
けやすいため、この発明の場合でも、比較的簡単な構成
により駆動手段を形成できる。
【0022】請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求
項6のいずれか一項に記載の発明において、前記板は、
前記フラップの横方向に複数並ぶように備えられたこと
を要旨とする。
【0023】この発明によれば、例えばフラップの横方
向における流れの違いに対応するように各板の作用位置
を異ならせることにより、フラップの横方向における流
れの違いに対応して剥離を抑制できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図3に従って説明する。図1(a)は航空
機の主翼及びフラップの模式側面図を示す。
【0025】図1(a)に示すように、航空機の主翼1
1の後ろには、フラップ12が備えられている。主翼1
1の後縁部には、下側に格納部13が形成されている。
格納部13は、フラップ12の前部14を格納可能に形
成されている。
【0026】フラップ12は、公知のアクチュエータと
ガイドレールとにより、主翼11に対して後ろ下方に移
動可能に取り付けられており、格納部13に格納された
格納位置と、主翼11の後ろ下方に押し出された揚力増
加位置とに移動可能になっている。具体的には、フラッ
プ12は、主翼11に取り付けられた図示しないアクチ
ュエータによって主翼11の後方へ押し出されるように
なっている。また、主翼11の後縁には、後ろ下方に延
びる図示しないガイドレールが取り付けられており、フ
ラップ12の後縁部15は、このガイドレールに沿って
後ろ下方に移動可能になっている。
【0027】このように、フラップ12は、前記アクチ
ュエータによって主翼11に対して後ろに押し出される
とともに、後縁部15がガイドレールに沿って後ろ下方
に移動することにより、フラップ12全体が後ろへ押し
出されて傾くようになっている。揚力増加位置のフラッ
プ12は、航空機の翼面積を大きくするとともに空気流
れを下向きにし、高揚力を発生させるようになってい
る。
【0028】フラップ12の上面20には、板21が回
動可能に支持されている。板21はフラップ12の上面
20において中央より後側に配置されている。板21の
前端部は支軸22によって支持されており、板21は支
軸22を中心にして回動するようになっている。板21
は、フラップ12の上面20に沿って後方へ延びる待機
位置と、フラップ12の上面20に対して斜めになる作
用位置とに回動可能になっている。板21の上面23
は、板21が待機位置の状態で、フラップ12の上面2
0において板21より前の部分と面一になるように形成
されている。
【0029】図1(b)は板が待機位置に配置された状
態を示す模式部分拡大側面図であり、図1(c)は板が
作用位置に配置された状態を示す模式部分拡大側面図で
ある。
【0030】図1(a)〜(c)に示すように、フラッ
プ12内の前部には、ワイヤ巻取部24が取り付けられ
ている。ワイヤ巻取部24は、一端が板21の前端部に
巻き付けられたワイヤ25を巻取り可能になっている。
板21は、ワイヤ巻取部24によってワイヤ25が巻取
られることにより、待機位置側へ回動されるようになっ
ている。
【0031】板21の前端部には、板21を待機位置側
から作用位置側に付勢する付勢手段としての図示しない
捩りばねが取り付けられている。また、板21の前端部
には係合突部26が形成されており、フラップ12に
は、板21が作用位置の状態で係合突部26と係合可能
な位置に回止め突部27が形成されている。このため、
ワイヤ巻取部24によってワイヤ25が巻取られること
により、板21は待機位置に回動されるようになってい
る(図1(b)参照)。また、ワイヤ25が緩められる
と、前記捩りばねによって板21が作用位置側に回動さ
れ、係合突部26が回止め突部27に係合することによ
り、板21が作用位置に配置されるようになっている
(図1(c)参照)。ワイヤ巻取部24、ワイヤ25、
捩りばねにより、駆動手段が構成されている。
【0032】フラップ12の上面20において、支軸2
2より前には、検知手段としての圧力センサ31が取り
付けられている。圧力センサ31によって検知される圧
力に基づいて、該圧力センサ31と対向する空気流れ領
域が、剥離領域であるか否かが判別されるようになって
いる。ワイヤ巻取部24は、圧力センサ31によって剥
離が検知されたときにワイヤ25を緩め、板21が待機
位置から作用位置へ回動されるように構成されている。
また、ワイヤ巻取部24は、圧力センサ31によって剥
離が検知されなくなったときにワイヤ25を巻取り、板
21が作用位置から待機位置へ回動されるように構成さ
れている。
【0033】航空機が飛行状態のとき、主翼11及びフ
ラップ12に対しては、相対的に空気流れが主翼11の
前方から後方へ向かって流れる状態になる。この空気流
れ(主流)は、離着陸時のようにフラップ12が、その
後部が下がるように傾いた状態では、フラップ12の上
面20において後部まで沿うようには流れず、上面20
において剥離し、上面20の中央部より後側には逆流
域、即ち剥離領域が生じることがある。また、主流が流
れる領域が定常流れ領域になっている。剥離領域の大き
さは、航空機の離着陸時の飛行速度や、フラップ12の
傾き等に対応した大きさになっており、板21の作用位
置は、風洞実験等により、剥離を抑制可能な位置に設定
されている。
【0034】次に、上記のように構成されたフラップの
作用を説明する。航空機が離着陸する場合、図2(a)
に示すように、フラップ12は格納位置から揚力増加位
置に移動され、その後部が下がるように傾いた状態にな
る。
【0035】このようにフラップ12が傾いた状態で、
空気流れがフラップ12の上面20において剥離して剥
離領域35が発生し、剥離の発生が圧力センサ31によ
って検知されると、ワイヤ巻取部24によってワイヤ2
5が緩められる。このため、捩りばねの付勢力によっ
て、図1(c)及び図2(b)に示すように板21が作
用位置へ回動される。そして、係合突部26が回止め突
部27に係合することにより、板21は作用位置に保持
される。板21が作用位置に配置されることより、剥離
領域35における逆流が抑制されて剥離が抑制され、剥
離による揚力の低下が抑制される。
【0036】そして、航空機が離陸を完了して飛行速度
が離陸時より高速になった場合や、着陸が完了した場合
には、フラップ12が揚力増加位置から格納位置に移動
されるとともに、ワイヤ巻取部24によってワイヤ25
が巻き取られ、板21が待機位置に回動される。また、
フラップ12が揚力増加位置でも圧力センサ31が剥離
を検知しなくなると、ワイヤ巻取部24によってワイヤ
25が巻取られ、板21は待機位置へ回動される。
【0037】また、航空機がフラップ12を格納位置に
配置して飛行している状態で、飛行速度が遷音速になっ
たときに、図3(a)に示すように、主翼11の上面に
衝撃波41が発生することがある。そして、衝撃波41
より後方では、流れが剥離して剥離領域42が発生する
ことがある。
【0038】衝撃波41及び剥離が発生した状態では、
圧力センサ31によって剥離が検知されてワイヤ25が
緩められ、捩りばねの付勢力により、図3(b)に示す
ように板21が作用位置に配置される。この板21によ
り、剥離領域42における逆流が抑制され、衝撃波41
の発生に起因する主翼11の振動が抑制される。これに
より、遷音速バフェッティングと呼ばれるような主翼1
1の振動が抑制される。
【0039】この実施形態によれば、以下のような効果
を有する。 (1)板21はフラップ12に回動可能に取り付けられ
ており、航空機の離着陸時等において剥離が発生したと
きは、剥離を抑制するように作用位置に配置され、剥離
が発生していないときは、空気抵抗の小さい待機位置に
配置される。このため、フラップ12は、剥離が生じて
いない状態では空気抵抗の増加を招くことがなく、剥離
が生じた状態では剥離を抑制して揚力の低下を抑制で
き、剥離による振動の抑制ができる。
【0040】(2)板21を回動する負荷は比較的小さ
いため、ワイヤ巻取部24を小型化でき、小さくて部材
を取り付けにくいフラップ12内でもワイヤ巻取部24
を取付けできる。
【0041】(3)航空機の飛行速度が遷音速で、主翼
11に衝撃波41が発生して剥離領域42が生じたとき
に、板21を作用位置に配置することにより、剥離領域
42における逆流を抑制して、遷音速バフェッティング
を抑制できる。このため、航空機の離着陸時のフラップ
12における剥離を抑制する構成を利用して、航空機の
飛行速度が遷音速の場合にも、剥離を抑制できる。
【0042】(4)フラップの12の上面20には圧力
センサ31が取り付けられているため、剥離の発生を圧
力センサ31によって検知できる。 (5)圧力センサ31が板21より前に取り付けられて
いるため、圧力センサ31によって剥離が検知されたと
きには、板21全体が剥離領域と対向する状態になって
いる。例えば剥離がフラップ12の後縁部等のみにおい
て発生し、剥離が圧力センサ31によって検知されてい
ない状態で板21が作用位置に配置されると、板21に
よって空気抵抗が増加する虞がある。しかし、板21全
体が剥離領域と対向するように剥離が拡大した状態で
は、板21を作用位置に配置しても空気抵抗の増加を回
避できる。このため、フラップ12は、剥離が生じた場
合においても空気抵抗の増加を招かずに剥離を抑制でき
る。
【0043】(6)板21の上面23は、板21が待機
位置の状態で、フラップ12の上面20において板21
より前の部分と面一になるように形成されている。この
ため、フラップ12と板21との間に段差がなく、フラ
ップ12に対して空気抵抗を増加させずに板21を取り
付けできる。
【0044】なお、実施形態は上記実施形態に限定され
るものではなく、例えば以下のように変更してもよい。 ・フラップは、主翼の後方に押し出されるタイプに限ら
れず、主翼に対して傾くだけのタイプであってもよく、
このタイプのフラップに板21及び駆動手段を取り付け
てもよい。例えば、図4(a)に示すように、主翼11
に対して後部が下がるように傾動可能なフラップ51
を、公知技術の図示しないアクチュエータによって駆動
するように主翼11の後ろに取り付ける。このフラップ
51は、後部が下がるように傾いた位置が揚力増加位置
になる。このようなフラップ51の上面に板21を回動
可能に取り付け、板21をワイヤ巻取部24、ワイヤ2
5、捩りばね等によって駆動可能に構成してもよい。
【0045】・ワイヤ巻取部24は、フラップに取り付
けられることに限られず、例えば図4(b)に示すよう
に、主翼11内に取り付けてもよい。この場合、フラッ
プ12が格納位置から揚力増加位置に移動する際、ワイ
ヤ巻取部24は、フラップ12とともに移動する板21
の移動量に対応する長さだけワイヤ25を繰出しできる
ように構成する。この構成では、フラップ12が小さく
てワイヤ巻取部24をフラップ12内に入れにくい場合
でも、ワイヤ巻取部24を主翼11内に取り付けて駆動
手段を構成できる。
【0046】・ワイヤ巻取部24は、フラップ12や主
翼11に取り付けられることに限られず、例えばワイヤ
巻取部24を航空機の胴体に取り付け、それに対応する
ようにワイヤ25を延ばしてもよい。
【0047】・板は、フラップに1枚取り付けられるこ
とに限られず、複数取り付けてもよい。例えば図5に示
すように、フラップ12の横方向において板が複数並ぶ
ように、板61を複数取り付けてもよい。この場合、フ
ラップ12の横方向における流れの違いに対応するよう
に各板61の作用位置を異ならせることにより、フラッ
プの横方向における流れの違いに対応して剥離を抑制で
きる。
【0048】・待機位置の板の後端がフラップ12の後
端と同じ位置まで延び、フラップ12の後端部が薄く形
成されることに限られず、例えば待機位置の板の後端が
フラップの後端より前に位置するように形成し、フラッ
プの後端部を厚く形成してもよい。例えば図5に示すよ
うに、フラップ12の上面20に、待機位置の板61を
収容する収容凹部62を形成し、板61の上面61a
を、板61の前及び後ろにおいてフラップ12の上面2
0と面一になるように形成してもよい。この場合、フラ
ップの後端部を厚くして、強度を確保しやすい。
【0049】・板を駆動する駆動手段は、ワイヤ巻取部
24、ワイヤ25、捩りばねにより構成されることに限
られず、例えばシリンダにより板を回動可能に構成して
もよい。例えば図5に示すように、フラップ12内の前
部にシリンダ63を取り付け、シリンダ63のピストン
ロッド64を板61の図示しない取付突部に取り付け、
シリンダ63の作動により板61を回動するように構成
してもよい。また、シリンダ63は、各板61に対応す
るように主翼11に複数取り付ける。この構成では、ピ
ストンロッド64の押出しによって板61が作用位置へ
回動されるため、板61に捩りばねを取り付けなくてよ
い。
【0050】・シリンダ63は、フラップ12内に取り
付けられることに限られず、例えば主翼11内に取り付
けてもよい。この場合、各シリンダ63は、フラップ1
2の格納位置又は揚力増加位置への移動に対応して主翼
11に対して回動するように、シリンダ63の前端部に
おいて支持部を介して回動可能になるように主翼11に
取り付ける。また、シリンダ63は、フラップ12の格
納位置又は揚力増加位置への移動に対応してピストンロ
ッド64を移動可能であるとともに、フラップ12の格
納位置と揚力増加位置とのそれぞれにおいて、板61を
待機位置又は作用位置へ回動するように、ピストンロッ
ド64を複動可能に形成する。
【0051】・上記のようにシリンダ63を主翼11に
取り付けた場合、ピストンロッド64を上記の場合より
短くして、ピストンロッド64と板の取付突部とを連結
材によって連結してもよい。連結材は充実体であること
に限られず、管状であってもよい。
【0052】・ピストンロッド64と板61を連結する
連結材は、ワイヤ25であってもよい。この場合、ワイ
ヤ25を緩めることによって板61が作用位置へ回動す
るように、板61に捩りばねを取り付ける。
【0053】・ワイヤ巻取部24やシリンダ63を主翼
11に取り付けた場合、フラップの格納位置又は揚力増
加位置への移動に関わりなく板21,61との距離が一
定になるように、ワイヤ巻取部24やシリンダ63をフ
ラップと一体で移動するように構成してもよい。この場
合、ワイヤ巻取部24やシリンダ63は、フラップの格
納位置と揚力増加位置への移動に対応させてワイヤ25
やピストンロッド64を操作するように形成しなくてす
む。
【0054】・駆動手段は、ワイヤ25を操作するワイ
ヤ巻取部24と捩りばね、又はシリンダ63等により構
成されることに限られず、例えばモータであってもよ
い。そして、板を回動軸と一体で回動可能に形成し、こ
の回動軸をモータによって回動することにより板を回動
してもよい。例えば図6に示すように、板61を回動軸
61bと一体で回動可能に形成し、フラップにモータ6
6を取り付け、モータ66の出力軸をギヤボックス67
に接続し、ギヤボックス67の出力軸と板61の回動軸
61bとをカップリング68により接続する。そして、
モータ66の正転と逆転とを切り換えることにより板6
1の回動方向を切り換えてもよい。モータ66は例えば
トルクモータにする。また、モータは他のモータであっ
てもよい。
【0055】・上記の場合、モータ66を一方向に回転
して、ギヤボックス67においてギヤを切り換えること
により板61の回動方向を切り換えてもよい。 ・シリンダ63は、主翼11に取り付けられることに限
られず、例えば航空機の胴体にシリンダを取り付け、板
61を回動するようにシリンダと板61とを連結するリ
ンク機構を主翼11内に形成してもよい。
【0056】・センサは、圧力センサであることに限ら
れず、例えば剪断力センサであってもよい。この場合、
剥離によって発生するフラップ12の振動が剪断力セン
サによって検知されると、ワイヤ巻取部24によってワ
イヤ25が緩められ、板が作用位置へ回動される。
【0057】・板は、フラップにおいて前後方向に対し
て1枚取り付けられることに限られず、複数取り付けて
もよい。例えば、板の前後方向の長さを短くして、板の
後ろに、板をもう1枚、回動駆動可能に取り付けてもよ
い。また、3枚以上の板をフラップの前後方向に並べて
取り付けてもよい。
【0058】・フラップは、主翼11の後ろに1つだけ
取り付けられることに限られず、主翼11の後ろに複数
取り付けて、それぞれに板21を回動駆動可能に取り付
けてもよい。例えば、フラップ12の後ろにもう1つフ
ラップを取り付け、そのフラップに板を回動駆動可能に
取り付けてもよい。
【0059】・待機位置の板の上面は、フラップ12の
上面20において板より前や後ろの部分と面一になるよ
うに形成されることに限られず、例えば支障がない程度
に段差が生じてもよい。
【0060】・圧力センサ31は、フラップ12の上面
20において板より前に取り付けられることに限られ
ず、例えば支軸22が取り付けられた位置を含めてそれ
より後ろに位置するように、フラップ12の上面20に
おいて板の横に圧力センサ31を取り付けてもよい。
【0061】上記各実施形態から把握できる技術的思想
について、以下に追記する。 (1) 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の発
明において、前記板の上面は、前記板が前記待機位置の
状態で、前記フラップの上面における前記板より前の部
分と面一になるように形成されている。
【0062】(2) 請求項2又は請求項3に記載の発
明において、前記検知手段は圧力センサである。 (3) 請求項2又は請求項3に記載の発明において、
前記検知手段は剪断力センサである。
【0063】(4) 請求項1〜請求項3のいずれか一
項に記載の発明において、前記駆動手段は、航空機の主
翼内に取り付けられている。 (5) 請求項1〜請求項7及び(1)〜(4)のいず
れか一項に記載のフラップを備える航空機。
【0064】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
7に記載の発明によれば、剥離が生じていない状態では
空気抵抗の増加を招くことがなく、剥離が生じた状態で
は剥離を抑制して揚力の低下を抑制でき、剥離による振
動の抑制ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は航空機の主翼及びフラップの模式側面
図、(b)は板が待機位置に配置された状態を示す模式
部分拡大側面図、(c)は板が作用位置に配置された状
態を示す模式部分拡大側面図。
【図2】(a)はフラップが揚力増加位置に配置された
状態を示す模式側面図、(b)は板が作用位置に配置さ
れた状態を示す模式側面図。
【図3】(a)は遷音速流れ内での主翼及びフラップの
模式側面図、(b)は板が作用位置に配置された状態を
示す模式側面図。
【図4】(a)は別例のフラップの模式側面図、(b)
は他の別例の主翼及びフラップの模式側面図。
【図5】他の別例の模式斜視図。
【図6】他の別例の板及びモータの模式図。
【符号の説明】
12,51…フラップ、20…フラップの上面、21,
61…板、24…駆動手段を構成するワイヤ巻取部、2
5…同じくワイヤ、31…検知手段としての圧力セン
サ、63…駆動手段を構成するシリンダ、66…モー
タ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 航空機のフラップの上面において、前記
    上面の中央より後側で、板をその前端部において前記フ
    ラップに対して回動可能に支持するとともに、前記板が
    前記上面に沿って前記フラップの後端に向かって延びる
    待機位置と、回動して前記フラップの上面に対して斜め
    になる作用位置とに、前記板を駆動可能な駆動手段を備
    えたことを特徴とする航空機のフラップ。
  2. 【請求項2】 前記フラップの上面には、空気流れの剥
    離が生じたことを検知可能な検知手段が取り付けられて
    おり、前記駆動手段は、前記剥離が生じたときに、前記
    板を前記待機位置から前記作用位置へ回動するように構
    成されたことを特徴とする請求項1に記載の航空機のフ
    ラップ。
  3. 【請求項3】 前記検知手段は、前記フラップにおいて
    前記板より前に取り付けられたことを特徴とする請求項
    2に記載の航空機のフラップ。
  4. 【請求項4】 前記駆動手段は、前記フラップ内に取り
    付けられたワイヤ巻取部と、一端が前記板に取り付けら
    れ、前記ワイヤ巻取部によって巻取られることにより前
    記板を前記待機位置側へ回動可能なワイヤと、前記板を
    前記作用位置側へ付勢可能な付勢手段とを備えたことを
    特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の
    航空機のフラップ。
  5. 【請求項5】 前記駆動手段は、前記フラップ内に取り
    付けられたシリンダを備え、前記シリンダの作動によっ
    て前記板を前記待機位置又は前記作用位置側に回動可能
    なことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項
    に記載の航空機のフラップ。
  6. 【請求項6】 前記駆動手段は、前記フラップ内に取り
    付けられたモータを備えたことを特徴とする請求項1〜
    請求項3のいずれか一項に記載の航空機のフラップ。
  7. 【請求項7】 前記板は、前記フラップの横方向に複
    数並ぶように備えられたことを特徴とする請求項1〜請
    求項6のいずれか一項に記載の航空機のフラップ。
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