JP2003181239A - 酸性ガス吸収剤 - Google Patents
酸性ガス吸収剤Info
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Abstract
改善することができる酸性ガス吸収剤を提供する。 【解決手段】 粉末状のアルカリ金属の炭酸塩及び炭酸
水素塩から選ばれる少なくとも一種と、粉末状の水酸化
カルシウムとを混合して酸性ガス吸収剤を調製した。酸
性ガス吸収剤は、アルカリ金属の炭酸塩及び炭酸水素塩
から選ばれる少なくとも一種に対して等モル以上の水酸
化カルシウムを含有することが好ましい。
Description
発生する排ガスに含まれる酸性ガスを乾式で吸収する粉
末状の酸性ガス吸収剤に関するものである。
のアルカリ金属の炭酸塩又は炭酸水素塩からなるものが
従来知られている。例えば、特表平7−504880号
公報には、ゴミ焼却炉の排ガスに粉末状の炭酸水素ナト
リウムを接触させて、排ガス中に含まれる塩化水素を炭
酸水素ナトリウムに吸収させる方法が開示されている。
ルカリ金属の炭酸塩又は炭酸水素塩からなる酸性ガス吸
収剤は、粒度が小さいほど高い酸性ガス吸収能を発揮す
ることが知られている。しかしながら、粒度を小さくす
ると酸性ガス吸収能が向上する反面、流動性が低下する
という問題がある。例えば、粉末状の炭酸水素ナトリウ
ムからなる酸性ガス吸収剤の場合、粒度が20μm以下
になると流動性が著しく低下して、固結の発生や供給性
能の低下が起こることが知られている(第11回廃棄物
学会研究発表会講演論文集、P639(2000))。
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、良好な酸性ガス吸収能を維持しつつ流動性
を改善することができる酸性ガス吸収剤を提供すること
にある。
めに、請求項1に記載の発明は、粉末状のアルカリ金属
の炭酸塩及び炭酸水素塩から選ばれる少なくとも一種
(第1の粉末)と、粉末状の水酸化カルシウム(第2の
粉末)を主たる成分として含有することを要旨とする。
の酸性ガス吸収剤において、第1の粉末が、粉末状の炭
酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム及び炭酸カリウムから選ばれる
少なくとも一種であることを要旨とする。
求項2に記載の酸性ガス吸収剤において、アルカリ金属
の炭酸塩及び炭酸水素塩から選ばれる少なくとも一種に
対して等モル以上の水酸化カルシウムを含有することを
要旨とする。
態について説明する。本実施形態の酸性ガス吸収剤は、
後述する第1の粉末と第2の粉末の混合物である。
属の炭酸塩及び炭酸水素塩から選ばれる少なくとも一種
である。その中でも、粉末状の炭酸水素ナトリウム、炭
酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム及び炭酸カリウムから選ばれる少なくとも一種が好ま
しい。
なわち目開きが45μmの網ふるいを全て通過すること
が好ましい。一方の第2の粉末は、粉末状の水酸化カル
シウムである。
が好ましい。以上説明した第1の粉末と第2の粉末を混
合して調製される酸性ガス吸収剤は、アルカリ金属の炭
酸塩及び炭酸水素塩から選ばれる少なくとも一種に対し
て等モル以上の水酸化カルシウムを含有することが好ま
しい。すなわち、アルカリ金属の炭酸塩及び炭酸水素塩
から選ばれる少なくとも一種に対して等モル以上の水酸
化カルシウムを酸性ガス吸収剤が含有するように第1の
粉末と第2の粉末を混合することが好ましい。
ミ焼却炉などで発生する排ガスに含まれる酸性ガスの除
去に用いられる。排ガスを酸性ガス吸収剤に接触させる
と、排ガス中に含まれる塩化水素ガスや亜硫酸ガスなど
の酸性ガスが酸性ガス吸収剤に吸収され、その結果、排
ガスから酸性ガスが除去される。
途は、ゴミ焼却炉の排ガスからの酸性ガスの除去に限定
されるものでなく、酸性ガスを含むゴミ焼却炉の排ガス
以外のガスから酸性ガスを除去する用途に用いてももち
ろんよい。
て、以下に記載する。 ・ 第1の粉末と第2の粉末を混合して調製される本実
施形態の酸性ガス吸収剤は、第1の粉末よりも高い流動
性を有している。すなわち、第2の粉末を加えることに
よって、第1の粉末、言い換えればアルカリ金属の炭酸
塩又は炭酸水素塩からなる従来の酸性ガス吸収剤の流動
性を改善することができる。しかも、第2の粉末も酸性
ガス吸収能を有しているので、第2の粉末を加えること
によっても酸性ガス吸収剤の酸性ガス吸収能が大きく損
なわれるおそれがなく、酸性ガス吸収剤は良好な酸性ガ
ス吸収能を維持することができる。
よりも高い流動性を有するのは、粉体の流動性低下の一
因となる空気中に含まれる水分が、比表面積の大きな第
2の粉末(水酸化カルシウム)によって吸収されるため
と推測される。
から選ばれる少なくとも一種に対して等モル以上の水酸
化カルシウムを酸性ガス吸収剤が含有するように第1の
粉末と第2の粉末を混合した場合には、酸性ガス吸収剤
の流動性を大きく向上させることができる。
リウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸
水素カリウム及び炭酸カリウムから選ばれる少なくとも
一種である場合には、その入手が容易であることから、
酸性ガス吸収剤の低コスト化を図ることができる。
る場合には、第1の粉末が特に高い酸性ガス吸収能を発
揮することから、酸性ガス吸収剤の酸性ガス吸収能を向
上させることができる。
以上である場合には、酸性ガス吸収剤の流動性をさらに
改善することができる。これは第2の粉末が空気中の水
分を特に多く吸収するためと推測される。
構成することもできる。 ・ 酸性ガス吸収能及び流動性を大きく損なわない範囲
でアルカリ金属の炭酸塩及び炭酸水素塩並びに水酸化カ
ルシウム以外の成分を含む構成としてもよい。
らに具体的に説明する。 <実施例1>特号消石灰(粒度:150μm通過98
%、比表面積:15m2/g;上田石灰製造株式会社
製)と、粉末状の炭酸水素ナトリウム(粒度:45μm
全通)を、水酸化カルシウム:炭酸水素ナトリウム=
5:2(モル比)となるように混合して酸性ガス吸収剤
を調製した。なお、粒度が150μm通過98%とは、
目開きが150μmの網ふるいを通過する粒子の含有率
が98重量%であることをいう。
m通過98%、比表面積:15m2/g;上田石灰製造
株式会社製)と、粉末状の炭酸水素ナトリウム(粒度:
45μm全通)を、水酸化カルシウム:炭酸水素ナトリ
ウム=5:1(モル比)となるように混合して酸性ガス
吸収剤を調製した。
m通過98%、比表面積:15m2/g;上田石灰製造
株式会社製)と、粉末状の炭酸水素ナトリウム(粒度:
45μm全通)を、水酸化カルシウム:炭酸水素ナトリ
ウム=1:2(モル比)となるように混合して酸性ガス
吸収剤を調製した。
μm全通、比表面積:40m2/g;上田石灰製造株式
会社製)と、粉末状の炭酸水素ナトリウム(粒度:45
μm全通)を、水酸化カルシウム:炭酸水素ナトリウム
=1:1(モル比)となるように混合して酸性ガス吸収
剤を調製した。
た石炭灰含有高反応消石灰(粒度:150μm全通、比
表面積:40m2/g;上田石灰製造株式会社製)と、
粉末状の炭酸水素ナトリウム(粒度:45μm全通)
を、水酸化カルシウム:炭酸水素ナトリウム=3:2
(モル比)となるように混合して酸性ガス吸収剤を調製
した。
m通過98%、比表面積:15m2/g;上田石灰製造
株式会社製)を酸性ガス吸収剤とした。
μm全通、比表面積:40m2/g;上田石灰製造株式
会社製)を酸性ガス吸収剤とした。
た石炭灰含有高反応消石灰(粒度:150μm全通、比
表面積:40m2/g;上田石灰製造株式会社製)を酸
性ガス吸収剤とした。
(粒度:45μm全通)を酸性ガス吸収剤とした。
性ガス吸収剤について、以下のようにして流動性試験及
び固結試験を行なうとともに、酸性ガス吸収率を測定し
た。その結果を下記表1に示す。
いて、Carrの流動性指数をパウダーテスター(PT
−E型;ホソカワミクロン株式会社製)を用いて測定し
た。
安息角、スパチュラ角及び凝集度の四種の物性値をそれ
ぞれ25点満点で指数化し、それらを合計することによ
って求められる。表1には、Carrの流動性指数とと
もに、圧縮度、安息角、スパチュラ角及び凝集度の各物
性値も併せて示す。
5℃、相対湿度70%の条件下に放置し、固結状況を目
視にて観察した。1日放置したところで固結が認められ
たものを×、2日間放置したところで固結が認められた
ものを△、7日間経過しても固結が認められなかったの
ものを○と評価した。
吸収剤0.5グラムに、その酸性ガス吸収剤に含まれる
炭酸水素ナトリウム及び水酸化カルシウムと等当量の1
%塩化水素ガス(流量:100ml/分)及び0.1%
亜硫酸ガス(流量:200ml/分)の混合ガスを通気
して180℃の温度下で接触させた。このとき、下記式
に基づいて酸性ガス吸収率を求めた。 酸性ガス吸収率〔%〕=(導入した酸性ガスの量〔モ
ル〕−回収された酸性ガスの量〔モル〕)÷導入した酸
性ガスの量〔モル〕×100 なお、式中の“導入した酸性ガスの量”は、酸性ガス吸
収剤に通気して接触させた塩化水素ガス及び亜硫酸ガス
の量である。また、“回収された酸性ガスの量”は、酸
性ガス吸収剤に接触させた後のガスを回収して、そこに
含まれる塩化水素ガス及び亜硫酸ガスの量をイオンクロ
マトグラフィーにより測定した値である。
施例1〜5の酸性ガス吸収剤はいずれも、炭酸水素ナト
リウムのみからなる比較例4の酸性ガス吸収剤よりも高
い流動性指数を示した。このことから、水酸化カルシウ
ムを加えることによって酸性ガス吸収剤の流動性が改善
されることが確認された。
合(実施例1〜3)よりも高反応消石灰を混合した場合
(実施例4,5)の方が高い流動性指数を示すことか
ら、特号消石灰よりも高反応消石灰の方が流動性改善効
果が高いことがわかった。
モル以上の水酸化カルシウムを含有する場合(実施例
1,2,4,5)は、流動性改善効果が特に高いことが
わかった。例えば、炭酸水素ナトリウムに特号消石灰が
混合された実施例1の酸性ガス吸収剤は、炭酸水素ナト
リウムのみからなる比較例4の酸性ガス吸収剤よりも高
い流動性指数を示すことはもちろん、特号消石灰のみか
らなる比較例1の酸性ガス吸収剤よりも高い流動性指数
を示す。これと同様のことが実施例2,4,5について
もいえることから、炭酸水素ナトリウムに対して等モル
以上の水酸化カルシウムを含有させることで、相加効果
以上の高い流動性改善効果が奏されることがわかった。
1〜5の酸性ガス吸収剤で87.6〜92.8%であ
り、比較例1〜4の酸性ガス吸収剤と比べても遜色のな
い高い値を示すことが確認された。
思想について以下に記載する。 ・ 第1の粉末が、目開きが45μmの網ふるいを全て
通過する粒度であることを特徴とする請求項1から請求
項3のいずれか一項に記載の酸性ガス吸収剤。このよう
に構成すれば、酸性ガス吸収剤の酸性ガス吸収能を向上
させることができる。
以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のい
ずれか一項に記載の酸性ガス吸収剤。このように構成す
れば、酸性ガス吸収剤の流動性をさらに改善することが
できる。
酸水素塩から選ばれる少なくとも一種(第1の粉末)
と、粉末状の高反応消石灰(第2の粉末)を主たる成分
として含有することを特徴とする請求項1から請求項3
のいずれか一項に記載の酸性ガス吸収剤。このように構
成すれば、酸性ガス吸収剤の流動性をさらに改善するこ
とができる。
ため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明
によれば、良好な酸性ガス吸収能を維持しつつ流動性を
改善することができる。
に記載の発明の効果に加え、低コスト化を図ることがで
きる。請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請
求項2に記載の発明の効果に加え、流動性をさらに向上
させることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 粉末状のアルカリ金属の炭酸塩及び炭酸
水素塩から選ばれる少なくとも一種(第1の粉末)と、
粉末状の水酸化カルシウム(第2の粉末)を主たる成分
として含有することを特徴とする酸性ガス吸収剤。 - 【請求項2】 第1の粉末が、粉末状の炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸水
素カリウム及び炭酸カリウムから選ばれる少なくとも一
種であることを特徴とする請求項1に記載の酸性ガス吸
収剤。 - 【請求項3】 アルカリ金属の炭酸塩及び炭酸水素塩か
ら選ばれる少なくとも一種に対して等モル以上の水酸化
カルシウムを含有することを特徴とする請求項1又は請
求項2に記載の酸性ガス吸収剤。
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- 2001-12-20 JP JP2001387176A patent/JP3828008B2/ja not_active Expired - Fee Related
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