JP2003177168A - 磁気センサ - Google Patents

磁気センサ

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JP2003177168A
JP2003177168A JP2001379608A JP2001379608A JP2003177168A JP 2003177168 A JP2003177168 A JP 2003177168A JP 2001379608 A JP2001379608 A JP 2001379608A JP 2001379608 A JP2001379608 A JP 2001379608A JP 2003177168 A JP2003177168 A JP 2003177168A
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conversion element
magnetoelectric conversion
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resin
magnetic
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JP2001379608A
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Kenji Tomaki
健治 戸蒔
Masanaga Nishikawa
雅永 西川
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】例えば計数機などの磁気識別装置に組み込まれ
た状態で、被検知体が通過する際に引っ掛かりにくくし
ても、検出精度を高いものにできるとともに、磁電変換
素子に外力が作用しにくい磁気センサを提供する。 【解決手段】磁電変換素子2と、該磁電変換素子2に接
続されたリード3とを樹脂封止体4で封止し、磁電変換
素子2に対するバイアス磁界を発生する発磁手段6を樹
脂封止体4に対して組み付け、磁電変換素子2の検出面
側を覆う樹脂封止体4の天面部分4aを外部に露出して
いるとともに、この天面部分4aにおいて、磁電変換素
子2の検出面上の外部露出部分を、検出面上から外れた
部分で被検出体12側に最も近い外部露出部分よりも凹
ませている磁気センサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば紙幣やMI
CRなどの磁気インキを認識することのできる磁電変換
素子を利用した磁気センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の磁気センサとしては、例
えば特開昭52−96877号公報に開示されているよ
うに、磁気抵抗パターンを形成したチップ(磁電変換素
子)とバイアス磁界を発生する発磁手段としての磁石を
磁石ホルダに組み付け、天面部に磁電変換素子と高さ方
向での間隙を設定して設けた状態で金属製パッケージな
どに封止したものが周知である。
【0003】ところで、近年、磁電変換素子を使用した
磁気センサは、銀行のATMやデパート、コンビニエン
スストアなどのPOSレジ、計数機に使用され、紙幣の
磁気インキや、小切手・商品券のMICRなどの磁気情
報を読み取り、真偽判定を行なうのに供されているが、
その読み取り時に紙幣などの被検出体がセンサに接触す
るおそれがあるため、磁気センサにおいては、上記した
ように金属製パッケージとしてメタルキャップを設け
て、磁電変換素子に不当な圧力や衝撃が加わらないよう
にして使用していた。すなわち、磁電変換素子に外部か
ら圧力や衝撃が加わると、ピエゾ効果によりノイズが発
生し、誤動作するおそれがあるため、メタルキャップを
設けて防止していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来は、例
えば磁気インクで印刷されたその印刷情報を磁電変換素
子で読み取る磁気識別装置の読み取り部の構造が図7な
いし図9に示すようになっていた。
【0005】詳述すると、図7に示すように、磁電変換
素子を備える従来の磁気センサ1は、プリント回路基板
13に半田付けされ、紙幣や小切手などの被検出体12
の移動通路を確保する前側筐体部14と後側筐体部15
との間に配置されていた。その磁気センサ1の上方に
は、被検出体12を磁気センサ1上を通過するように移
送する回転ローラ16が設けられている。被検出体12
の移送路Rは、前記各筐体部14,15上面と該上面と
対向する案内板17,18との間に形成されている。
【0006】このような従来構造の場合、磁気センサ1
を配置する空間を十分確保する必要から、前後の筐体部
14,15間に磁気センサ1を余裕をもって設置できる
ようにしており、そのため、磁気センサ1の前後面とそ
の前後の筐体部14,15間には隙間が幾分存在するこ
とになる。そのような状態で被検出体12が移送されて
きて、磁気センサ1によってその磁気インクなどの読み
取りがなされるときに、被検出体12の先端が磁気セン
サ1の金属製パッケージ20(メタルキャップまたはケ
ース)の上端に接触したりするおそれが高かった。そし
て、その接触によって被検出体12が擦れることで被検
出体12から摩耗粉が生じ、その摩耗粉が磁気センサ1
と各筐体部14,15との間の隙間に溜まっていき、そ
の摩耗粉が被検出体の移送経路まで達するようになる
と、摩耗粉に接した被検出体の先端が不安定になって、
被検出体が磁気センサ1の金属製パッケージ20前面上
端部に突入することがあった。その突入によって、被検
出体がくしゃくしゃに折れ曲がるジャミング現象が発生
し、それによって被検出体の詰まりが生じたり、あるい
は被検出体が破れたりするなど、不具合の発生するおそ
れがあった(図8参照)。
【0007】そこで、そのようなジャミング現象などを
生じさせないようにするため、図9に示すように、前後
の筐体部14,15上面間にわたって板状のカバー19
を設けることが提案されている。この場合、被検出体は
そのカバー19によって磁気センサ1に突入しないよう
規制されることになる。しかしながら、このようにカバ
ー19を設けると、磁気センサ1の磁電変換素子2と、
被検出体12との間に、磁気センサ1の金属製パッケー
ジ20と共にカバー19が介在されることになるので、
磁電変換素子2による磁気情報の読み取り距離が離れる
ことになって、その分、S/N比が小さくなり、検出精
度が低下するという問題があった。
【0008】本発明は、上記実状に鑑みてなされたもの
であって、例えば紙幣計数機などの磁気識別装置に組み
込まれた状態で、被検知体が通過する際に引っ掛かりに
くくしても、検出精度を高いものにできるとともに、磁
電変換素子に外力が作用しにくい磁気センサを提供する
ことを解決課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
磁気センサは、磁電変換素子と、該磁電変換素子に接続
されたリードとを樹脂封止体で封止し、前記磁電変換素
子の検出面側を覆う前記樹脂封止体の天面部分におい
て、前記磁電変換素子の磁気検出部分上に凹み段差部分
を形成していることを特徴とする。
【0010】請求項1に係る磁気センサによれば、樹脂
封止体で封止された磁電変換素子の検出面のある側の樹
脂封止体の天面部分において、磁電変換素子の磁気検出
部分上に凹み段差部分を形成しているから、その検出面
上から外れた部分の被検出体側に最も近い部分から磁電
変換素子の検出面近くまで空隙が設けられることにな
る。このように空隙が設けられる構造となっていること
によって、例え被検出体が通過するときの衝撃などの外
力が磁電変換素子の樹脂封止体の天面部分に作用しても
その外力によって生じる応力が磁電変換素子には伝わら
ないようになっているので、磁電変換素子においてピエ
ゾ雑音が発生することが抑制される。
【0011】また、その天面部分については、ケースで
覆われたりはしていないので、従来のように、被検出体
が通過する経路において、ジャミング現象を防止するた
めのカバーを設けた場合でも、カバーの厚み分の間隔が
被検出体と磁気センサの磁電変換素子の検出面との間に
生じるに止まり、従来のようにカバーの厚みに加えて磁
気センサのケースの厚み分、被検体との間隔を広げるも
のとなっていないから、磁気センサの検出面が被検出体
側に従来の場合よりも近い状態で検出を行なえるものと
なっている。
【0012】したがって、従来に比較して、本発明の磁
気センサは被検出体に近い位置で磁電変換素子によって
磁気情報の検出が行えるから、検出信号のS/N比を高
いものにできるので、その検出精度が高いものとなる。
【0013】また、樹脂封止体の天面部分を覆うカバー
部材を設けない分、製造工程の簡易化や材料費用を削減
できるので、コストを低減できる。
【0014】本発明の請求項2に係る磁気センサは、磁
電変換素子と、該磁電変換素子に接続されたリードとを
樹脂封止体で封止し、前記磁電変換素子の検出面側を覆
う前記樹脂封止体の天面部分において、前記磁電変換素
子の磁気検出部分上に開口部を形成していることを特徴
とする。
【0015】請求項2に係る磁気センサによれば、樹脂
封止体で封止された磁電変換素子の検出面のある側の樹
脂封止体の天面部分において、磁電変換素子の磁気検出
部分上に開口部を形成しているから、その検出面上から
外れた部分の被検出体側に最も近い部分から磁電変換素
子の検出面近くまで空隙が設けられることになる。この
ように空隙が設けられる構造となっていることによっ
て、例え被検出体が通過するときの衝撃などの外力が磁
電変換素子の樹脂封止体の天面部分に作用してもその外
力によって生じる応力が磁電変換素子には伝わらないよ
うになっているので、磁電変換素子においてピエゾ雑音
が発生することが抑制される。
【0016】本発明の請求項3に係る磁気センサは、請
求項1または2に記載の磁気センサであって、前記樹脂
封止体の前記磁電変換素子の配置されている側の反対側
に前記磁電変換素子に対するバイアス磁界を発生する発
磁手段を装着する凹入空間部を設けるとともに、該凹入
空間部は、前記発磁手段が装着される奥側ほど内径が小
となる奥すぼまり形状に構成していることを特徴とす
る。
【0017】請求項3に係る磁気センサによれば、奥す
ぼまり形状の凹入空間部に対して発磁手段を装着するか
ら、その装着作業が行い易いとともに、装着された状態
で発磁手段が凹入空間部の奥側においてその周囲壁によ
り位置ずれしないよう規制されやすくなっているから、
取付位置精度も良いものとなる。すなわち、従来の磁気
センサとしては、磁電変換素子とリードとを単に樹脂モ
ールドしたブロックにおいて、磁電変換素子が設けられ
る側とは反対側となる裏面に発磁手段としての磁石を接
着して組付けるものが知られているが、このようなもの
と比較して磁電変換素子との位置関係において発磁手段
を位置精度良く組み付けることができる。
【0018】なお、凹入空間部の内周面が滑らかなテー
パ面に形成されていると、発磁手段の挿入が一層円滑に
行なえる。
【0019】本発明の請求項4に係る磁気センサは、請
求項3に記載の磁気センサであって、前記凹入空間部に
装着された前記発磁手段と、前記樹脂封止体とを接着す
る樹脂剤を、前記樹脂封止体よりも硬質材で構成してい
ることを特徴とする。
【0020】請求項4に係る磁気センサによれば、発磁
手段と樹脂封止体との間が樹脂封止体よりも硬質の樹脂
剤で接着されるようになっているから、樹脂封止体の天
面部分に係る法線方向の応力は樹脂封止体と硬質の接着
剤との境界で一度分散され、さらに、接着剤と発磁手段
との間でも分散されるので、封止樹脂と同一の樹脂ある
いは封止樹脂よりも低い剛性の樹脂による接着を行なっ
た場合よりも応力分散効果が高い。
【0021】本発明の請求項5に係る磁気センサは、請
求項3または4に記載の磁気センサであって、前記樹脂
封止体に組み付けた状態で前記発磁手段に対して着磁し
ていることを特徴とする。
【0022】請求項5に係る磁気センサによれば、例え
ば磁電変換素子での入力抵抗や出力電圧などの電気特性
を測定しながら発磁手段の着磁量を変えることができ、
それによって、磁気センサの特性を所望の設定範囲内に
調整することができる。
【0023】本発明の請求項6に係る磁気センサは、請
求項1から5のいずれかに記載の磁気センサであって、
前記樹脂封止体は、高柔軟性のポリアミド樹脂や、シリ
コン樹脂、エポキシ樹脂の少なくとも1つで構成されて
いることを特徴とする。
【0024】請求項6に係る磁気センサによれば、柔軟
性の高いポリアミド樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂
の少なくとも1つで樹脂封止体を構成することで、被検
出体の突入衝撃圧力が例え樹脂封止体に作用しても、そ
の力が分散および衝撃吸収され易くなっており、磁電変
換素子でピエゾ雑音が発生することを一層抑制できる。
【0025】また、熱伝導性の低いポリアミド樹脂、シ
リコン樹脂、エポキシ樹脂の少なくとも1つで樹脂封止
体を構成することで、被検出体の通過時、被検出体から
磁気情報を読み取る装置と、被検出体との温度差による
サーマル雑音の発生が磁電変換素子で発生するのを抑制
できる。
【0026】請求項7に係る磁気センサは、磁電変換素
子と、該磁電変換素子に接続されたリードとを樹脂封止
体で封止し、前記磁電変換素子に対するバイアス磁界を
発生する発磁手段を前記樹脂封止体に対して組み付け、
前記磁電変換素子の検出面側を覆う前記樹脂封止体の天
面部分を外部に露出しているとともに、前記天面部分に
作用した外力により生じる応力が前記磁電変換素子を避
けた箇所にのみ作用するように前記樹脂封止体を構成し
ていることを特徴とする。
【0027】請求項7に係る磁気センサによれば、天面
部分に作用した外力により生じる応力が磁電変換素子を
避けた箇所にのみ作用するように樹脂封止体を構成して
いるから、磁電変換素子においてピエゾ雑音が発生する
ことが抑制される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図面に示す
実施形態に基づいて説明する。
【0029】図1ないし図4は、本発明の実施形態に係
り、図1は、磁気センサの外観を示す斜視図、図2は、
磁気センサの樹脂封止体を透視した様子を示す斜視図、
図3は、磁気センサを示す縦断正面図、図4は、磁気セ
ンサを備える磁気識別装置の要部を示す縦断側面図であ
る。
【0030】図1ないし図3に示すように、磁気センサ
1は、磁電変換素子2と、該磁電変換素子2の検出面の
電極にそれぞれ金線などで接続されるリード3…及び磁
電変換素子2を封止する樹脂封止体4と、この樹脂封止
体4に形成された凹入空間部5に挿入される状態で装着
される発磁手段としての磁石6とを備えて構成してい
る。
【0031】詳述すると、磁電変換素子2は、磁気抵抗
パターンが形成された平面視矩形状のチップ(ペレッ
ト)として構成されている。そして、4つあるリード3
…のうち1つのリード3の先端にチップを載せるパッド
7を設けており、そのパッド7上に磁電変換素子2のチ
ップを接着固定する。磁電変換素子2における磁気抵抗
パターンに接続した電極部とリード3との間をウェッジ
ボンダにより金、またはアルミニウムのφ25μmのワ
イヤで電気的に接合する。そして、磁電変換素子2のチ
ップ及びリード3の一部を包含するようにポリアミド樹
脂でモールド封止し、封止後、このモールド封止した樹
脂材からなる樹脂封止体4において、磁電変換素子2の
磁気抵抗パターンが形成された検出面が位置する側の表
面とは反対となる裏面側に発磁手段としての磁石6を接
着固定する。この磁石6は、図2および図3に示すよう
に、円柱状に構成されているとともに、樹脂封止体4の
裏面側に形成された凹入空間部10に挿入され、硬質樹
脂(例えばエポキシ樹脂)からなる接着剤11により接
着固定されている。
【0032】この凹入空間部10は、図3に示すよう
に、奥すぼまりの緩やかな傾斜の内周面形状、すなわち
穴形状が円錐台状の内周面形状となっている。樹脂封止
体4における凹入空間部10の底面位置が、表側の磁電
変換素子2の位置と精度良く対応するように樹脂封止体
4の樹脂成形がなされている。これにより、磁石6を樹
脂封止体4に組み付けるときの磁石6差し込み位置の位
置ずれもその差し込みに伴う凹入空間部10の内周面に
よる案内によって修正され、最終的には最適な取付位置
に磁石6が位置することになる。例えば、磁石6がφ4
×2.5mmの円柱状とすると、磁石挿入用の穴である
凹入空間部10は、その底面の内径がφ4.1mmで
0.1mmの余裕がある。しかし、磁石6の装着を行う
治具の組立て精度が±0.2mmであって、凹入空間部
10の開口部の内径もφ4.1mmであれば、組付け時
に磁石6が凹入空間部10に入らないものが発生するお
それがある。一方、例えば凹入空間部10の全体の内径
をφ4.3(φ4.1+挿入代分0.2mm)と大きく
すると、位置ずれの余裕分が0.3mmとなって、挿入
不良は解消できるものの、磁石6と凹入空間部10の内
周面との間の隙間が大きくなって、接着剤量が増えると
ともに、厳密な磁石位置精度も幾分低下するという欠点
がある。これに対して、本実施の形態では、例えば、凹
入空間部10の底の内径をφ4.1mm、開口部の内径
をφ4.3mmとして、その内周面に約4.6度の奥す
ぼまりとなるテーパを設けることで、磁石6の挿入は容
易になり、挿入された磁石6の位置精度も良いものとな
るとともに、接着剤量も少なくできる。
【0033】この接着剤11も上述したように、樹脂封
止体4の樹脂材よりも硬質のものとなっていて、その剛
性が高いものとなっているので、樹脂封止体4の後述す
る天面部分4aに掛かる法線方向の外力による応力は、
一度樹脂封止体4と接着剤11との間の境界面で分散さ
れることになるため、樹脂封止体4の樹脂材と同一樹脂
の樹脂材を接着剤とする場合、あるいは樹脂封止体4の
樹脂材よりも低い剛性の樹脂材を接着剤とする場合より
も応力を分散させる効果が高いものとなっている。
【0034】そして、図1ないし図3に示すように、樹
脂封止体4における天面部分4aには、磁気抵抗パター
ン上のモールド肉厚は80μmと薄くなるように0.1
mmの深さの凹形段差Dを設けている。なお、この凹形
段差Dは、樹脂封止体4の前後両端にわたって溝を形成
するように凹み形成されたものであって、磁電変換素子
2の検出用の磁気抵抗パターンが形成されている検出面
上を覆う樹脂部分の上方に空隙を生じさせている。な
お、この実施形態の場合、磁気センサ1の外形寸法は、
縦6.4mm×横4.58mm×高さ2.5mm(磁石
6を装着した場合の高さ4.0mm)である。
【0035】そして、この磁気センサ1は、図4に示す
ように、紙幣や小切手などの薄片体からなる被検出体1
2の磁気インクで印刷されたその印刷情報を読み取るた
めの磁気識別装置に設けられる。
【0036】その磁気識別装置の読み取り部について詳
述する。図4に示すように、磁気センサ1は、プリント
回路基板13に半田付けされ、被検出体12の移動通路
を確保する前側筐体部14と後側筐体部15間の空間部
Sに配置されている。その磁気センサ1の上方には、被
検出体12を磁気センサ1上を通過させるように移送す
る回転ローラ16が設けられている。被検出体12の移
送通路Rは、前記各筐体部14,15上面と該上面に対
向する案内板17,18との間に形成されている。
【0037】そして、図4に示すように、被検出体12
の移送される通路Rにおいて、各筐体部14,15およ
び磁気センサ1上に平坦な通路面を構成する一枚の筐体
カバー19(この実施形態の場合、板厚が0.1mmの
ものを用いている)を設けている。
【0038】また、図4に示すように、磁気センサ1の
樹脂封止体4の天面部分4aは、外部に露出する状態と
なっている、すなわちその天面部分4aを覆うカバーや
ケース、キャップなどが設けられていない状態となって
いるので、その天面部分4aにおける上表面の平坦面H
が前記筐体カバー19の下面に対向して当接されるよう
になっている。この平坦面Hは樹脂封止体4が被検出体
12側に対して位置規制される位置規制部分を構成して
いる。この場合、この平坦面Hは、筐体カバー19に当
接して位置規制される。このため、磁気センサ1自体は
その上下高さ寸法が従来に比して天面部分4aを覆うカ
バーが無い分低くでき、その読み取り部全体のコンパク
ト化も図れる。
【0039】そして、樹脂封止体4の天面部分4aに形
成されている凹形段差Dにより磁電変換素子2の検出面
上のモールド樹脂と筐体カバー19との間に空隙が生じ
る。この空隙により被検出体突入時の衝撃や振動による
検知面に対する垂直方向の応力は、検知面を成す磁電変
換素子2には直接作用しないため、磁電変換素子2に対
する応力はきわめて小さくなり、ピエゾ雑音の発生を抑
制できる。
【0040】また、ケースが無いため、1枚板の筐体を
介して被検出体とのギャップは小さいものとなって、従
来のようにケースに入れて被検出体12の直接読み取っ
た場合と変わらないS/N比で使用できるメリットがあ
る、また、ケースが無い分コスト低下が図れ、低価格で
供給できる。
【0041】樹脂封止体4を形成する樹脂材料として
は、柔軟性の高いポリアミド樹脂を用いて封止すること
で、被検出体の突入衝撃圧力を分散し、ピエゾ雑音の発
生を抑制する効果がある。量産上、ポリアミド樹脂は、
ホットメルト注形法で加工できるため、金型費用が安く
でき、少量多品種生産で有利になる。
【0042】また、樹脂封止体4を形成する樹脂材料と
しては、熱伝導性が低いポリアミド樹脂を用いて封止す
ることで、被検出体の通過時、装置と被検出体との温度
差によるサーマル雑音の発生を抑制する効果がある。量
産上、ポリアミド樹脂は、ホットメルト注形法で加工で
きるため、金型費用が安くでき、少量多品種生産で有利
になる。
【0043】次に、磁石を磁気センサに組み付けた後着
磁する工程について説明する。
【0044】着磁された磁石を磁気センサに組み込んだ
場合、素子特性のばらつきや、磁石と素子間距離によっ
て、センサの特性は通常ばらつく。そこで、本実施の形
態においては、着磁されていない磁石部材をセンサ組み
込み後に着磁するようにしている。こうすることで、セ
ンサの入力抵抗や出力電圧などの電気特性を測定しなが
ら着磁量を変えていき、特性を所望の設定範囲内に調整
できる。
【0045】また、本願発明では、磁電変換素子の検出
面がある側の樹脂封止体について天面側としているので
あって、天面側と称することが、磁電変換素子について
検出対象物が磁電変換素子の上側にある場合のみを意味
するものではない。すなわち、例えば磁電変換素子の検
出面が下向きや横向きで使用に供されても、磁電変換素
子の検出面がある側の樹脂封止体について天面部分と単
に称する。
【0046】本発明は、上記実施の形態に限定されるも
のでなく、例えば以下のような変形例や応用例であって
もよく、また、これらの構造に限定されるものでもな
い。
【0047】(1)上記実施の形態では、磁電変換素子
の検出面上を被覆するように樹脂封止体を設けたものを
示したが、図5に示すように、磁電変換素子2の検出面
上を樹脂封止体4で被覆しないで、その検出面が直接外
部に露出するものについても、本発明に含まれる。すな
わち、磁電変換素子の全体が樹脂封止体で封止するもの
も本発明に含まれる一方、磁電変換素子の検出面上に開
口が形成されて、その検出面が外部に露出する状態で樹
脂封止体で封止されるものも本発明に含まれる。
【0048】(2)上記実施の形態では、磁界バイアス
用の磁石を樹脂封止体に形成した凹部に装着して樹脂封
止体に対して直接組み付けるものを示したが、樹脂封止
体とは別部材の組み付け部材を介して磁石を樹脂封止体
に対して組み付けるようにしても良い。
【0049】(3)上記実施の形態では、磁石を磁界バ
イアス用の発磁手段として設けるものを示したが、発磁
手段としては磁石に限定されるものではなく、電磁石で
バイアス磁界を発生させるようにしてもよい。
【0050】(4)上記実施の形態では、樹脂封止体全
体にカバーあるいはキャップなどを被覆しないものを示
したが、本願発明では、樹脂封止体における磁電変換素
子の検出面が被検出体に対して検出作用する検出面側で
ある天面部について少なくともカバーあるいはキャップ
などの被覆部材で被覆はしないよう露出したものに構成
してあればよいのであって、樹脂封止体における天面部
を除く部分についてはカバーあるいはキャップなどの被
覆部材で被覆した構成であってもよい。
【0051】(5)上記実施の形態では、溝状の凹形段
差を樹脂封止体の天面部分に設けた構成のものを示した
が、例えば、図6に示すように、樹脂封止体4の天面部
分4aに突起Tを複数箇所に振り分けたものであっても
よい。すなわち、磁電変換素子2の検出面箇所には突起
を設けないようにし、それ以外の箇所において複数の突
起T…を設け、その突起T…の端面が、上記実施の形態
のように被検出体と磁気センサ1との間を仕切る筐体カ
バーの下面に当接するように構成してもよい。なお、突
起Tとしては一方向に延設される突条をなすものでもよ
い。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂封止体で封止され
た磁電変換素子の検出面のある側の樹脂封止体の天面部
分において、磁電変換素子の磁気検出部分上に凹み段差
部分を形成しているから、その検出面上から外れた部分
の被検出体側に最も近い部分から磁電変換素子の検出面
近くまで空隙が設けられることになる。このように空隙
が設けられる構造となっていることによって、例え被検
出体が通過するときの衝撃などの外力が磁電変換素子の
樹脂封止体の天面部分に作用してもその外力によって生
じる応力が磁電変換素子には伝わらないようになってい
るので、磁電変換素子においてピエゾ雑音が発生するこ
とが抑制される。
【0053】また、その天面部分については、外部に露
出したものとなっているので、従来のように、被検出体
が通過する経路において、磁気センサ側に磁気センサと
接触しないようカバーを設けた場合でも、カバーの厚み
分の間隔が被検出体と磁気センサの磁電変換素子の検出
面との間に生じるに止まり、従来のようにカバーの厚み
に加えて磁気センサのケースの厚み分、被検体との間隔
を広げるものとなっていないから、磁気センサの検出面
が被検出体側に従来の場合よりも近い状態で検出を行な
えるものとなっている。
【0054】したがって、従来に比較して、本発明の磁
気センサは被検出体に近い位置で磁電変換素子によって
磁気情報の検出が行えるから、検出信号のS/N比を高
いものにできるので、その検出精度が高いものとなると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気センサの外観を示す斜視図
【図2】磁気センサの樹脂封止体を透視した様子を示す
斜視図
【図3】磁気センサを示す縦断正面図
【図4】磁気センサを備える磁気識別装置の要部を示す
縦断側面図
【図5】別の実施の形態の磁気センサを示す縦断正面図
【図6】さらに別の実施の形態の磁気センサの外観を示
す斜視図
【図7】従来の磁気識別装置の読み取り部を示す縦断側
面図
【図8】詰まり状態の従来の磁気識別装置の読み取り部
を示す縦断側面図
【図9】筐体カバーを設けた従来の磁気識別装置の読み
取り部を示す縦断側面図
【符号の説明】
1 磁気センサ 2 磁電変換素子 3 リード 4 樹脂封止体 4a 天面部分 6 磁石(発磁手段) 10 凹入空間部 11 接着剤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁電変換素子と、該磁電変換素子に接続
    されたリードとを樹脂封止体で封止し、 前記磁電変換素子の検出面側を覆う前記樹脂封止体の天
    面部分において、前記磁電変換素子の磁気検出部分上に
    凹み段差部分を形成していることを特徴とする磁気セン
    サ。
  2. 【請求項2】 磁電変換素子と、該磁電変換素子に接続
    されたリードとを樹脂封止体で封止し、 前記磁電変換素子の検出面側を覆う前記樹脂封止体の天
    面部分において、前記磁電変換素子の磁気検出部分上に
    開口部を形成していることを特徴とする磁気センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の磁気センサで
    あって、 前記樹脂封止体の前記磁電変換素子の配置されている側
    の反対側に前記磁電変換素子に対するバイアス磁界を発
    生する発磁手段を装着する凹入空間部を設けるととも
    に、該凹入空間部は、前記発磁手段が装着される奥側ほ
    ど内径が小となる奥すぼまり形状に構成していることを
    特徴とする磁気センサ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の磁気センサであって、 前記凹入空間部に装着された前記発磁手段と、前記樹脂
    封止体とを接着する樹脂剤を、前記樹脂封止体よりも硬
    質材で構成していることを特徴とする磁気センサ。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の磁気センサで
    あって、 前記樹脂封止体に組み付けた状態で前記発磁手段に対し
    て着磁していることを特徴とする磁気センサ。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の磁気
    センサであって、 前記樹脂封止体は、高柔軟性のポリアミド樹脂、シリコ
    ン樹脂、エポキシ樹脂の少なくとも1つで構成されてい
    ることを特徴とする磁気センサ。
  7. 【請求項7】 磁電変換素子と、該磁電変換素子に接続
    されたリードとを樹脂封止体で封止し、 前記磁電変換素子に対するバイアス磁界を発生する発磁
    手段を前記樹脂封止体に対して組み付け、 前記磁電変換素子の検出面側を覆う前記樹脂封止体の天
    面部分を外部に露出しているとともに、 前記天面部分に作用した外力により生じる応力が前記磁
    電変換素子を避けた箇所にのみ作用するように前記樹脂
    封止体を構成していることを特徴とする磁気センサ。
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