JP2003165927A - エネルギー線硬化型粉体塗料用組成物及びその硬化物 - Google Patents

エネルギー線硬化型粉体塗料用組成物及びその硬化物

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JP2003165927A
JP2003165927A JP2001363543A JP2001363543A JP2003165927A JP 2003165927 A JP2003165927 A JP 2003165927A JP 2001363543 A JP2001363543 A JP 2001363543A JP 2001363543 A JP2001363543 A JP 2001363543A JP 2003165927 A JP2003165927 A JP 2003165927A
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meth
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Minoru Yokoshima
実 横島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬度、平滑性、耐熱黄変性に優れるエネルギー
線硬化型粉体塗料用組成物及びその硬化物を提供する。 【解決手段】スピロ環含有(メタ)アクリレート化合物
(A)と(A)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合
物(B)を含有することを特徴とするエネルギー線硬化
型粉体塗料用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピロ環含有(メ
タ)アクリレート化合物(A)と(A)成分以外のエチ
レン性不飽和基含有化合物(B)を必須成分として含む
特定性状のエネルギー線硬化型粉体塗料用組成物に関す
る。そして、かかる本発明の粉体塗料用組成物は、金
属、各種無機系基材、プラスチック、本質系基材等の各
種の基材の被覆に有用な粉体塗料の調製に利用できるも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の架橋型の粉体塗料としては、各種
の官能基を含有する樹脂類に硬化剤を配合して得られる
熱硬化型の塗料が使用されてきた。しかし、かかる粉体
塗料にあっては、充分に硬化した塗膜を得るのに140
℃以上の高温で焼き付けが必要があり、耐熱性が低いプ
ラスチック製品や木材製品の塗装には、一般的には適さ
ないという問題点があった。
【0003】一方、低温で硬化できることから、上記の
ような耐熱性が低い基材にも塗装が可能な粉体塗料用組
成物として、特開平8−176472号公報に開示され
ている如く固形の不飽和ポリエステル樹脂と(メタ)ア
クリロイル基含有ポリウレタン樹脂を必須成分として含
有する、加熱によるラジカル重合架橋もしくは活性エネ
ルギー線の照射による架橋が可能な組成物が検討されて
きた。また、EP0636669A2号公報には、特定
性状の不飽和基を含有する樹脂と、ビニルエーテル基、
ビニルエステル基もしくは(メタ)アクリロイル基を含
有する架橋剤からなる粉体塗料用の活性エネルギー線架
橋型の組成物が開示されている。
【0004】しかし、上述した如き活性エネルギー線架
橋型の組成物を含有する粉体塗料においては、低温で充
分に流動せしめて平滑な塗膜を得るために当該組成物の
軟化点を熱硬化型粉体塗料用組成物よりも大幅に低く設
定する必要があるが、耐ブロッキング性をある程度のレ
ベルに保持するためには余り軟化点を下げることは出来
ない。そのために、かかる組成物から調製された粉体塗
料から得られる塗膜は、平滑性に劣り、充分な硬度が得
にくい事等の問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した如
き従来の粉体塗料用組成物における種々の問題点を解消
して、硬度や平滑性に優れ、且つ、耐熱性等の各種性能
に優れる硬化塗膜を与える粉体塗料用として有用なエネ
ルギー線硬化型の組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
課題を解決するべく鋭意検討した結果、スピロ環含有
(メタ)アクリレート化合物(A)と(A)成分以外の
エチレン性不飽和基含有化合物(B)を必須成分として
含有してなるエネルギー線硬化型粉体塗料用組成物から
製造される粉体塗料は、硬度や平滑性に優れ、且つ、耐
熱性等の各種性能に優れる硬化塗膜を与えることを見出
し、上述した課題を解決できることを確認するに及ん
で、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、(1)、スピロ環含有
(メタ)アクリレート化合物(A)と(A)成分以外の
エチレン性不飽和基含有化合物(B)を含有することを
特徴とするエネルギー線硬化型粉体塗料用組成物、
(2)、前記した化合物(B)が(メタ)アクリロイル
基、マレイミド基、ビニルエーテル基および不飽和ジカ
ルボン酸エステル基からなる群より選ばれる少なくとも
1種の不飽和基を含有するものである(1)に記載のエ
ネルギー線硬化型粉体塗料用組成物、(3)、光重合開
始剤(C)を含有する(1)または(2)記載のエネル
ギー線硬化型粉体塗料用組成物、(4)、(1)ないし
(3)のいずれか1項記載のエネルギー線硬化型粉体塗
料用組成物の硬化物、に関する。
【0008】
【本発明の実施の形態】本発明のエネルギー線硬化型粉
体塗料用組成物は、スピロ環含有(メタ)アクリレート
(A)と(A)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合
物(B)との混合物である。
【0009】本発明では、スピロ環含有(メタ)アクリ
レート化合物(A)を使用する。(A)成分の具体例と
しては、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメ
チルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5,5〕ウンデカンと(メタ)アクリル酸の反応物で
ある3,9−ビス(2−アクリロイルオキシ−1,1−
ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ〔5,5〕ウンデカンや3,9−ビス(2−メタク
リロイルオキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等
や特開昭61−27988号公報、特開昭61−477
22号公報に記載の3,9−ビス(2−ヒドロキシ−
1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ〔5,5〕ウンデカンを原料としたウレタ
ン(メタ)アクリレートや3,9−ビス(2−グリシジ
ルオキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンと(メ
タ)アクリル酸の反応物等を挙げることができる。市販
品としては、日本化薬(株)製、品名、KAYARAD
SPGDA(3,9−ビス(2−アクリロイルオキシ−
1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ〔5,5〕ウンデカン)等を挙げることが
できる。
【0010】本発明では、(A)成分以外のエチレン性
不飽和基含有化合物(B)を使用する。(B)成分の具
体例としては、(メタ)アクリロイル基、マレイミド
基、ビニルエーテル基及び不飽和ジカルボン酸エステル
基等を含有する化合物等を挙げることができる。
【0011】(メタ)アクリロイル基含有化合物(B−
1)の具体例としては、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキ
サ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、5−エチル−2−(2−ヒドロ
キシ−1,1−ジメチルエチル)−5−(ヒドロキシメ
チル)−1,3−ジオキサンのモノ又はジアクリル酸エ
ステル等の(メタ)アクリレートモノマー類;エポキシ
樹脂(例:ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビス
フェノールFの如き各種のビスフェノール化合物とエピ
クロルヒドリンとの反応物であるビスフェノール類のグ
リシジルエーテル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール
A、水添ビスフェノールS、水添ビスフェノールFの如
き各種の水添ビスフェノール類とエピクロルヒドリンと
の反応物である水添ビスフェノール類のグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキ
シ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂等を挙
げることができる。)と(メタ)アクリル酸の反応物で
あるエポキシ(メタ)アクリレート類;ポリイソシアネ
ート化合物(例:トリレンジイソシアネート、4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート、メタキシリレン
ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシ
アナートシクロヘキシル)メタン、トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アク
リレート化合物(例、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト等)の反応物や前記ポリイソシアネート化合物と各種
ポリオール化合物(例:エチレングリコール、1,2−
プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオ
ペンチルグリコールポリエチレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール、ポリブチレングリコール、等の
グリコール類;これらグリコール類とコハク酸、アジピ
ン酸、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメ
リット酸、テトラヒドロフタル酸、ピロメリット酸等の
多塩基酸またはその無水物との反応物であるポリエステ
ルジオール類;ポリカーボネートジオール類;ε−カプ
ロラクトン変性ポリエステルジオール類;ポリブタジェ
ンポリオール類等)と前記(メタ)アクリレート化合物
との反応物等であるポリウレタン(メタ)アクリレート
類;前記、ポリエステルジオール類と(メタ)アクリル
酸の反応物であるポリエステルポリ(メタ)アクリレー
ト類等を挙げることができる。
【0012】マレイミド基含有化合物(B−2)の具体
例としては、特開昭58−40374号公報に記載され
ている1〜3官能性マレイミド化合物、特開平3−12
414号公報に記載のマレイミド基含有ウレタンオリゴ
マー等を挙げることができる。更に具体的には、N−メ
チルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−2−ヒド
ロキシエチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミ
ド、N−イソプロピルマレイミド、N−アリルマレイミ
ド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−(1−メトキ
シメチルプロピル)マレイミド、N−2−エチルヘキシ
ルマレイミド、(メタ)アクリロイルオキシメチルマレ
イミド、2−〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルマ
レイミド、等の1官能性マレイミド化合物、N、N’−
1,6−ヘキサンビスマレイミド、ビス(3−N−マレ
イミドプロピル)ポリテトラメチレングリコール、ビス
(2−N−マレイミドプロピル)ポリプロピレングリコ
ール、ビス(2−N−マレイミドエチル)ポリエチレン
グリコール、1,2(1,3または1,4)−ビス(N
−マレイミドメチル)シクロヘキサン
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】等の多官能性マレイミド化合物等を挙げる
ことができる。特に好ましいマレイミド基含有化合物と
しては、前記、1官能性マレイミド化合物等を挙げるこ
とができる。
【0016】ビニルエーテル基含有化合物(B−3)の
具体例としては、テトラメチレングリコール、1,6−
ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサン−
1,4−ジメタノールジビニルエーテル、トリメチロー
ルプロパントリビニルエーテル等の低分子量のビニルエ
ーテル化合物、前記、ポリイソシアネート化合物と水酸
基含有ビニルエーテル化合物(例;2−ヒドロキシエチ
ルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールモノビニル
エーテル等)の反応物や前記ポリイソシアネート化合物
と前記各種ポリオール化合物と水酸基含有ビニルエーテ
ル化合物の反応物であるポリウレタンビニルエーテル化
合物等を挙げることができる。
【0017】不飽和ジカルボン酸エステル基含有化合物
(B−4)の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸の如き公知慣用の不飽和二塩基酸と前記、各
種ポリオール化合物と更に必要に応じて、前記多塩基酸
またはその無水物を反応させて得られる不飽和ポリエス
テル樹脂等を挙げることができる。
【0018】上述したよう調製された本発明の粉体塗料
用組成物は、(B)成分としてマレイミド基を含有する
化合物を使用する場合は、光重合開始剤(C)を添加せ
ずとも重合することができる。また、光重合開始剤の添
加が必要な場合にも少量の添加で優れた硬化性を発現さ
せることができる。
【0019】本発明の組成物に、光重合開始剤(C)を
添加する場合には、公知慣用の各種の光重合開始剤
(C)を添加することができる。かかる光重合開始剤
(C)の代表的なものとしては、例えば、ジエトキシア
セトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニルプロパン−1−オン、ベンジルメチルケタール、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチ
ル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパ
ン−1−オンの如きアセトフェノン系化合物;ベンゾイ
ン、ベンゾインイソプロピルエーテルの如きベンゾイン
系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニ
ルホスフィンオキシドの如きアシルホスフィンオキシド
系化合物;ベンゾフェノン、0−ベンゾイル安息香酸メ
チル、4−フェニルベンゾフェノンの如きベンゾフェノ
ン系化合物;2−イソプロピルチオキサントン、2,4
−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサ
ントンの如きチオキサントン系化合物;ベンジル、メチ
ルフェニルグリオキシエステル、10−ブチル−2−ク
ロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10
−フェナンスレンキノン、カンファーキノンなどの各種
の化合物が挙げられる。かかる光重合開始剤を添加する
場合の添加量は、本発明の組成物の100重量部に対し
て0.01〜10.0重量部、好ましくは0.1〜7.
0重量部、最も好ましくは0.2〜5.0重量部、程度
でよい。
【0020】本発明の組成を構成する(A)及び(B)
成分の使用割合としては、(A)+(B)の総重量10
0部とした場合、(A)成分の割合として5〜95重量
部、好ましくは10〜90重量部、最も好ましくは20
〜80重量部の範囲内となるように設定すればよい。
【0021】(A)成分と(B)成分を溶融混合した組
成物の軟化点は、50〜130℃、好ましくは60〜1
20℃の範囲内に設定することが適切である。
【0022】本発明の組成物には、紫外線等の活性エネ
ルギー線を照射して硬化せしめるに当たり、硬化反応を
より効率的に行なうために、光増感剤を併用することも
できる。かかる光増感剤としては、例えば、トリエタノ
ールアミン、メチルジエタノールアミン、P−N、N−
ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、P−N、N−
ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、P−N、
N−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルエステ
ルの如きアミン類が挙げられる。かかる光増感剤を使用
する場合の配合量は、本発明の各組成物の100重量部
に対して0.01〜10.0、好ましくは0.1〜7.
0重量部、最も好ましくは0.2〜5.0重量部、程度
の範囲でよい。
【0023】さらに、本発明組成物には、用途等に応じ
て、公知慣用の、非反応性の各種重合体類、有機顔料、
無機顔料、無機充填剤、有機充填剤、カップリング剤、
粘着付与剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、難燃剤、染料などを併用することも出来る。
【0024】上述した各成分から本発明の組成物を含有
する粉体塗料を調製するには、化合物(A)と化合物
(B)に加えて、必要に応じて光重合開始剤(C)その
他の添加剤等を混合した後に公知慣用の混練機を使用し
て溶融混練を行って得られた混練物を粗粉砕、微粉砕お
よび分級なる各処理を行うことにより調製することがで
きる。又は、(A)〜(C)、その他添加剤の各成分を
微粉砕後、混合して調製することもできる。
【0025】こうして調製される本発明の組成物を含有
する粉体塗料は、公知慣用の各種の基材に塗装すること
ができる。かかる基材の代表的なものとしては、鉄、
銅、アルミニウム、鉛あるいはそれらの合金類の如き各
種の金属基材;ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチッ
ク基材;グラス、タイルもしくはセメントを使用して得
られる各種の無基質基材;木材、各種の合板等の本質系
基材;紙もしくは繊維等の各種の基材等が挙げられる。
【0026】そして、本発明の組成物を含有する粉体塗
料は、低温での硬化性に優れることから、各種のプラス
チック類あるいは木質系基材等の耐熱性に劣る基材の被
覆用として特に有効に使用することができる。
【0027】かくして得られる粉体塗料を上述した如き
基材に塗装するには、静電塗装法や流動浸漬法の如き公
知慣用塗装方法を適用して塗装せしめた後、加熱溶融せ
しめて平滑な未硬化皮膜とした後に活性エネルギー線を
照射せしめればよい。その際の加熱条件は、組成物の軟
化点、あるいは、基材の種類に応じて適宜選択される。
加熱温度は、概ね、60〜140℃、好ましくは70〜
120℃であり、加熱時間は概ね、3〜30分、好まし
くは5〜20分程度である。このようにして加熱溶融し
た状態で、直ちに活性エネルギー線を照射することによ
り硬化塗膜を得ることができる。
【0028】硬化に際して使用される活性エネルギー線
としては、紫外線、可視光線、電子線等の各種のものを
使用でき、空気中又は不活性ガス中のいずれの雰囲気に
おいても硬化させることができる。これらの活性エネル
ギー線のうち、紫外線が最も好ましい。紫外線又は可視
光線の光発生源としては、例えば、低圧水銀ランプ、高
圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドラン
プ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キ
セノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク灯、
ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、
エキシマレーザー、太陽光等を使用することが出来る。
【0029】
【実施例】次に、本発明を、合成例、実施例により、一
層、具体的に説明するが、本発明は、決して、これらの
例のみに限定されるものではない。 (スピロ環含有(メタ)アクリレート化合物(A)の合
成例) 合成例1 ヘキサメチレンジイソシアネート、252.3g(1.
5モル)とスピログリコール(日本ヒドラジン工業
(株)製、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジ
メチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ〔5,5〕ウンデカン)304g(1.0モル)及び
テトラヒドロフラン500mリットルを加えた。次にジ
ブチルスズジラウレート0.2gを加え加熱した。反応
開始と同時に発熱するが、反応時の最高温度は72℃で
あった。発熱により温度上昇が終わったのち、60℃で
約2時間を続けた。得られた反応物にヒドロキノンモノ
メチルエーテル0.02g、2−ヒドロキシエチルアク
リレート116g(1.0モル)を加えた。この際も反
応時の最高温度は70℃であった。発熱が終った後、さ
らに60℃で約1時間反応を続けた。得られた反応物
は、減圧にてテトラヒドロフランを留去してから、40
℃で3時間減圧乾燥させることにより、固体状の白色物
質(合−1)を得た、融点は、85〜86℃であった。
【0030】(不飽和ジカルボン酸エステル基含有化合
物(B−4)の合成例) 合成例2 1,6−ヘキサンジオール520g、エチレングリコー
ル62g、フマル酸296g、テレフタル酸407g、
ジブチルスズオキサイド0.56g及びtert−ブチ
ルハイドロキノンの0.25gを仕込んだ。混合物の液
面下に窒素ガスを吹き込みながら加熱と攪拌を開始し
た。100℃から225℃まで6時間かけて徐々に昇温
し、さらに225℃で2時間のあいだ加熱攪拌を継続し
て反応混合物の酸価が11.5mgKOH/gになるま
で脱水縮合反応を行った。次いで、180℃に降温し、
減圧下で1時間のあいだ縮合反応を継続して、生成物
(A−2)を得た。生成物は、酸価が5.0mgKOH
/g、軟化点が95℃、重量平均分子量22500であ
った。
【0031】((メタ)アクリレート基含有化合物(B
−1)の合成例) 合成例3 ヘキサメチレンジイソシアネート168.2g(1.0
モル)、テトラヒドロフラン500mリットル及びジブ
チルスズジラウレート0.4gを仕込み、55℃に昇温
した。次いで、同温度で4−ヒドロキシブチルアクリレ
ート200g(2モル)及びP−メトキシフェノール
0.2gの混合物を3時間で滴下した。滴下終了後、さ
らに同温度で5時間反応を行った後、テトラヒドロフラ
ンを減圧で留去し、40℃で3時間減圧乾燥させること
により、固体状の白色物質(A−3)を得た。融点はは
80〜86℃であった。
【0032】実施例1〜4及び比較例1 表1の配合組成にしたがって、溶融混練し、冷却後、粗
粉砕と微粉砕を行なった。得られた微粉砕物を150メ
ッシュのステンレス金網を通過させて平均粒子径が40
μmの粉体塗料を得た。このようにして調製した粉体塗
料を、静電塗装機を使用して、予め、アクリルウレタン
系の白色硬化塗膜が形成され、且つ、その塗膜表面が#
400のサンドペーパーで研磨された、厚さ0.8mm
の軟綱板に塗料を塗装した後、雰囲気温度が120℃の
熱風乾燥機中で、塗着した塗料を加熱溶融せしめた。次
いで、120Wの高圧水銀灯を使用しコンベア速度5m
/minで空気中で1回の照射を行って膜厚が50μm
なる硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜について、鉛筆
硬度、表面粗さ(μm)、耐熱性(△E値)の特性評価
を行った。その結果を表1に示す。なお、評価方法及び
評価基準は以下に示す。
【0033】評価方法及び評価基準 鉛筆硬度:JIS K−5400の「鉛筆引っかき試
験」に準じた。 表面粗さ(μm):表面粗度測定装置にて測定した表面
の粗さ(塗膜表面の山部分と谷部分の間の高さの平均値
で表示) 耐熱性(△E値):硬化塗膜を80℃の熱風乾燥機中に
48時間放置した後の色差(△E値)を測定した。
【0034】 表1 実施例 比較例 1 2 3 4 1 (A)成分 合成例1で得た化合物(合−1) 500 1000 KAYARAD SPGDA*1 500 1000 1000 (B)成分 合成例2で得た化合物(合−2) 700 700 1000 〃 3 〃 (合−3) 400 1000 1000 シクロヘキシルマレイミド 300 300 (C)成分 イルガキュアー184*2 70 100 100 その他 モダフローP−111*3 20 14 20 20 20 鉛筆硬度 3H 4H 3H 2H H 表面粗さ(μm) 3 4 4 3 10 耐熱性(△E値) 0.3 0.1 0.2 0.4 3 組成物の軟化点 91 104 98 81 86 (℃)
【0035】注)、*1 KAYARAD SPGD
A:日本化薬(株)製、3,9−ビス(2−アクリロイ
ルオキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、融点1
15℃ *2 イルガキュアー184:チバ・スペシャリティー
ケミカルス社製、光重合開始剤、1−ヒドロキシヘキシ
ルフェニルケトン。 *3 モダフローP−111:米国モンサント社製、流
動調整剤
【0036】以上の結果から本発明の組成物から得られ
る粉体塗料は、光重合開始剤の無添加の配合、あるいは
その添加量の少ない配合であっても硬化性に優れ、硬
度、平滑性、耐熱黄変性に優れる硬化塗膜を与えること
が明らかである。
【0037】
【発明の効果】本発明のエネルギー線硬化型粉体塗料用
組成物からは、硬化性に優れる粉体塗料を得ることが出
来て、しかも、当該粉体塗料は、硬度、平滑性、耐熱黄
変性に優れる硬化塗膜を与える。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スピロ環含有(メタ)アクリレート化合物
    (A)と(A)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合
    物(B)を含有することを特徴とするエネルギー線硬化
    型粉体塗料用組成物。
  2. 【請求項2】前記した化合物(B)が(メタ)アクリロ
    イル基、マレイミド基、ビニルエーテル基および不飽和
    ジカルボン酸エステル基からなる群より選ばれる少なく
    とも1種の不飽和基を含有するものである、請求項1に
    記載のエネルギー線硬化型粉体塗料用組成物。
  3. 【請求項3】光重合開始剤(C)を含有する請求項1ま
    たは2記載のエネルギー線硬化型粉体塗料用組成物。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3項のいずれか1項記載の
    エネルギー線硬化型粉体塗料用組成物の硬化物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005306945A (ja) * 2004-04-19 2005-11-04 Mizutani Paint Co Ltd 溶融コーティング用光重合性組成物及びその製造方法
US8124791B2 (en) 2007-03-29 2012-02-28 Canon Kabushiki Kaisha Active energy ray curable liquid composition and liquid cartridge
US8158746B2 (en) 2007-03-29 2012-04-17 Canon Kabushiki Kaisha Active energy ray curable liquid composition and liquid cartridge

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