JP2003163467A - プリント配線基板及びプリント配線基板設計支援装置 - Google Patents

プリント配線基板及びプリント配線基板設計支援装置

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JP2003163467A
JP2003163467A JP2002126547A JP2002126547A JP2003163467A JP 2003163467 A JP2003163467 A JP 2003163467A JP 2002126547 A JP2002126547 A JP 2002126547A JP 2002126547 A JP2002126547 A JP 2002126547A JP 2003163467 A JP2003163467 A JP 2003163467A
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supply line
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wiring board
line
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Application number
JP2002126547A
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Daisuke Iguchi
大介 井口
Joji Wakita
城治 脇田
Kazumi Ikeda
和美 池田
Osamu Ueno
修 上野
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速動作する回路基板にも適用可能であると
共に電磁波放射を抑制することができ、かつ実装密度の
低下を防ぐことができるプリント配線基板及びプリント
配線基板設計支援装置を提供する。 【解決手段】 プリント配線基板10は第1の信号配線
層12、第1の電源線26を有する第1のグランド層1
4、第2の電源線30を有する第2のグランド層16、
第2の信号配線層18が積層されている。第1のグラン
ド層14と第2のグランド層16とは多数のビアホール
22により層間接続されている。IC40とIC42と
を接続する信号配線80は第1の電源線26と交差して
いる。信号線80を流れる信号電流に対するリターン電
流は第1のグランド層14に流れ、第1の電源線26の
位置で経路が途切れるが、ビアホール22により第2の
グランド層16へ迂回して流れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線基板
及びプリント配線基板設計支援装置に係り、より詳しく
は、情報機器等の電子機器に用いられるプリント配線基
板及びプリント配線基板設計支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から問題となっている情報機器等の
各種の電子機器から放射される電磁ノイズは、主にプリ
ント配線基板上のクロック信号や、該クロック信号に同
期したデジタル信号の信号線に起因するものと考えられ
ており、このためプリント配線基板上の信号線や該信号
線に接続されたワイヤーハーネス等に対して、様々な電
磁放射防止対策が採られてきた。
【0003】例えば、信号出力線にダンピング抵抗又は
フィルタを付加して出力信号の立ち上がり及び立ち下が
りをなまらせたり、信号線の近傍にグランド電位とされ
たガードパターンを配置して帰還電流ループを小さくす
る等の対策が広く一般に行われている。
【0004】また、プリント配線基板において観測され
る電磁波には、信号線上の電流分布から予測されるもの
とは周波数分布が異なり、しかも信号線の性質とは無関
係に特定の周波数で鋭いピークを有するものがある。こ
の電磁波発生の主な要因は、特許第3036629号公
報にも記載されているように、プリント配線基板の信号
線ではなく電源系にあり、対向する電源層及びグランド
層において発生する電気的共振にあることが知られてい
る。
【0005】これに対して、特許第3036629号公
報には、プリント配線基板の端部における共振電流の反
射率を低下させるため、プリント配線基板の端部に複数
の第1のコンデンサを配置すると共に、この第1のコン
デンサとプリント配線基板上に実装されたIC等の能動
素子との間に流れるループ電流を抑制するための第2の
コンデンサを能動素子の電源端子に、又はその近傍の電
源層とグランド層との間に接続する技術が開示されてい
る。
【0006】しかしながら、特許第3036629号公
報に記載された技術では、コンデンサ自体及びコンデン
サの実装によるインダクタンスがあるため、例えば周波
数が約1GHzを越えるような高周波の共振電流に対し
ては効果がなく、また、低い周波数帯においても共振電
流を完全になくすことはできず、プリント配線基板の端
部から放射される電磁波を完全に抑制することができな
い、という問題があった。
【0007】また、プリント配線基板の電源系に起因す
る電磁波放射の放射源が、当該プリント配線基板に搭載
されたデジタルICの駆動の際に該デジタルICの電源
配線を経由して流れる電流であることから、特許第27
34447号公報に記載された技術では、プリント配線
基板の電源面とデジタルICとを高周波的に分離するこ
とを目的として、高周波インピーダンスが高くなるよう
に、つづら折り状や交差状等の形状を有する枝配線を形
成し、更に電源面の上下両側の絶縁材を磁性体を含んだ
材料で形成することにより、電源面に流れ込む高周波電
源電流を低減している。
【0008】この特許第2734447号公報に記載さ
れた技術と同様の効果を有する技術として、特公平7−
46748号公報には、プリント配線基板に主電源面か
ら物理的に分離されたサブ電源面を備え、主電源面とサ
ブ電源面とをフィルタを介して接続し、サブ電源面を複
数のコンデンサでグランド面にデカップリングして電源
を供給する技術が開示されている。
【0009】しかしながら、特許第2734447号公
報及び特公平7−46748号公報に記載された技術で
は、特許第3036629号公報に記載された技術と同
様に、電源面とグランド面との間に流れる高周波電流を
完全に抑制することはできず、プリント配線基板の端部
から放射される電磁波を完全に抑制することができな
い。また、デカップリング用のコンデンサをサブ電源面
に設けることにより、電磁波放射の要因となる主電源面
のグランド面に対するインピーダンスがむしろ大きくな
るため、主電源面に別途コンデンサを設けなければなら
なくなり、部品点数が増加すると共に、グランド面の電
位の安定性が劣化する、といった副次的な問題もある。
【0010】すなわち、電源面とグランド面とを結合す
るコンデンサを多数追加することによりコンデンサパッ
ドと電源面とを結ぶビアホールを通すためのグランド面
に設けられた開口部(クリアランス)が多数生じる。グ
ランド面は理想的にはグランド面上の各部位において電
位差を持たないが、複数の開口部が近接して設けられる
ことにより開口部と開口部との間の領域にインダクタン
スが発生し、その両端に電位差が発生する。さらに、開
口部が多数設けられることによってグランド面の金属領
域が小さくなるため、グランド面全体の電位の安定性が
損なわれる。
【0011】また、プリント配線基板の電磁波放射の要
因として、信号線を流れる電流のリターン電流が不完全
に流れることによるコモンモードノイズ、及びループ電
流による放射ノイズも問題となる。
【0012】特開平11−233951号公報には、電
源層を主電源面とサブ電源面とに分割することで信号線
に流れる電流のリターン電流路が遮断されることに対し
て、対向する電源層とグランド層とをコンデンサにより
接続し、高周波のリターン電流をグランド層へバイパス
させる技術が開示されている。
【0013】しかしながら、特開平11−233951
号公報に記載された技術では、同一層に配置された主電
源面及びサブ電源面を2個のコンデンサを用いて高周波
的に接続することによりリターン電流をバイパスさせる
ため、コンデンサ自体が持つインダクタンス成分に加え
て、コンデンサを電源層とグランド層との間で接続する
ためのビアホールや該ビアホールと配線を接続するため
のパッドが持つインダクタンス成分がリターン電流路に
直列に挿入されるため、例えば数GHz以上の高周波領
域においては十分に低いインダクタンスとすることがで
きない。
【0014】また、特開平11−330703号公報に
は、複数のグランド層が信号線及び電源配線が同一層に
配置された複数の混在層で挟まれて成るプリント配線基
板において、複数のグランド層を複数のビアホールによ
り接続し、複数の混在層に電流が流れるときのリターン
電流路が連続となるようにすることでリターン電流が作
るループを小さくすることにより電磁波放射を抑制する
技術が開示されている。
【0015】しかしながら、特開平11−330703
号公報に記載された技術では、信号線及び電源配線を同
一層に配置しているため、設計の自由度が著しく低下
し、近年要望が高くなっている高速動作する部品や配線
を高密度で配置することが困難になる、という問題があ
った。また、配線により電源供給する場合、近年では、
放射源となるデバイスの近傍にデカップリング用のコン
デンサ等を配置することでデカップリングして高周波成
分を持つ過渡電流を閉じ込めると共に、フィルタを配置
することで電源配線上に高周波電流が流れないようにす
るのが一般的であり、グランド層上のリターン電流を考
慮する必要はない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、電源
層とグランド層とが対向し、その対向面積が大きい構成
のプリント配線基板では、電源層とグランド層とに略対
称に流れる共振電流に起因する基板端部からの電磁波放
射が支配的になるが、周波数が1GHzを越えるような
高周波の共振電流に対しては効果がなく、低周波数の共
振電流に対しても、完全に抑制することはできない。一
方で、近年のデジタル回路の動作速度はますます増大し
ており、問題となる周波数はますます高くなってきてい
る。
【0017】そして、プリント配線基板上で高周波信号
を伝達するためには、信号配線のインピーダンスを低く
すると共に、信号配線に対するリターン電流が流れる電
源面及びグランド面の電位の安定性を確保することが不
可欠となる。
【0018】電源層とグランド層とが対向すると共に内
層に配置された構造のプリント配線基板において信号配
線のインピーダンスを低くするためには、電源層とグラ
ンド層との間の距離を大きくするか、電源層及びグラン
ド層を複数設ける必要があり、前者の場合は、共振電流
による電磁波放射が大きくなり、後者の場合には、コス
トが高くなる、という問題があった。
【0019】また、近年では回路の高速化と共にプリン
ト配線基板の小型化の要望も高く、信号線を配線するた
めの配線層は、バスライン等の信号線で埋め尽くされて
しまう。このため、共振電流による電磁波放射を防ぐた
めに、電源層を内層に設けずに配線層に電源供給のため
の配線を施そうとした場合には、実装密度を低下させざ
るを得ない、という問題があった。
【0020】本発明は、上記問題を解決すべく成された
ものであり、高速動作する回路基板にも適用可能である
と共に電磁波放射を抑制することができ、かつ実装密度
の低下を防ぐことができるプリント配線基板及びプリン
ト配線基板設計支援装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明のプリント配線基板は、信号線
を配線する信号配線層、グランド領域を形成する第1の
グランド層及び第2のグランド層がそれぞれ絶縁層を介
在して積層されたプリント配線基板において、前記第1
のグランド層に形成されるグランド領域と前記第2のグ
ランド層に形成されるグランド領域との間を電気的に接
続する複数の層間接続部材と、前記第1のグランド層及
び前記第2のグランド層の少なくとも一方の層で配線さ
れる電源線と、を設けたことを特徴とする。
【0022】プリント配線基板は、信号線を配線するた
めの信号配線層、グランド領域を形成する第1のグラン
ド層及び第2のグランド層がそれぞれ絶縁層を介して積
層された構成であり、第1のグランド層のグランド領域
と第2のグランド層のグランド領域の間は、複数の層間
接続部材により電気的に例えば略同電位となるように接
続される。
【0023】そして、第1のグランド層及び第2のグラ
ンド層の少なくとも一方の層には、電源線がグランド領
域と分離独立して配線されている。すなわち、第1のグ
ランド層及び第2のグランド層の少なくとも一方は、例
えば比較的面積が大きいグランド領域と、該グランド領
域よりも面積が小さく、かつグランド領域と分離独立し
た線状の電源パターンと、で構成される。
【0024】このように、第1のグランド層及び第2の
グランド層の少なくとも一方の層に電源線を備えている
ため、従来のような電源層とグランド層とが対向した構
成の基板における共振電流による電磁波放射を低減する
ことができる。
【0025】また、例えば信号線が配線された信号配線
層、電源線を有する第1のグランド層、及び第2のグラ
ンド層の順に積層された構成の場合、信号配線層に配線
された信号線に信号電流が流れた場合、第1のグランド
層における信号線に対応する部位、すなわち、第1のグ
ランド層に対する投影線上にリターン電流が流れる。す
なわち、投影線は、リターン電流が流れるべき位置であ
る。
【0026】ここで、第1のグランド層に設けられた電
源線と信号線の第1のグランド層に対する投影線とが交
差するように電源線及び信号線が配線されている場合、
第1のグランド層上を流れるリターン電流が電源線の位
置で途切れてしまうが、第1のグランド層と第2のグラ
ンド層とは、複数の層間接続部材で接続されているた
め、低インピーダンスで第2のグランド層へ迂回させる
ことができるため、電磁波放射を抑制することができ
る。
【0027】このように、第1のグランド層と第2のグ
ランド層とが複数の層間接続部材で接続されているた
め、信号線を流れる電流のリターン電流が流れる経路を
確保することができる。
【0028】なお、リターン電流が流れる経路が短いほ
ど電磁波放射を抑制することができるため、請求項10
にも記載したように、前記信号線配線層として第1の信
号配線層及び第2の信号配線層を含み、前記電源線とし
て前記第1のグランド層に第1の電源線及び前記第2の
グランド層に第2の電源線を含み、前記第1の信号配線
層が前記第1のグランド層に前記絶縁層を介して隣接配
置されると共に、前記第2の信号配線層が前記第2のグ
ランド層に前記絶縁層を介して隣接配置されるように構
成することが好ましい。すなわち、第1の信号配線層、
第1の電源線が配線された第1のグランド層、第2の電
源線が配線された第2のグランド層、及び第2の信号配
線層が絶縁層を介して積層された構成とすると共に、第
1の信号配線層が第1のグランド層に絶縁層を介して隣
接して配置されると共に、第2の信号配線層が第2のグ
ランド層に絶縁層を介して隣接して配置された構成とす
る。
【0029】このように、第1の信号配線層が第1のグ
ランド層に絶縁層を介して隣接して配置されると共に、
第2の信号配線層が第2のグランド層に絶縁層を介して
隣接して配置された構成とすることにより、それぞれの
リターン電流が流れる経路を短くすることができ、電磁
波放射をさらに抑制することができる。また、第1の電
源線及び第2の電源線がそれぞれ異なるグランド層に配
線されるため、互いに自由に配線することができ、第1
の電源線の第2のグランド層に対する投影線と第2の電
源線とが交差するような配線も可能となる。
【0030】層間接続部材は、例えば請求項2にも記載
したように、所定の間隔で設けられる。例えば、略等間
隔で多数設ける。これにより、第1のグランド層と第2
のグランド層とをより同電位に近づけることができると
共に、リターン電流の経路をより短くすることができ、
電磁波放射をより抑制することができる。
【0031】なお、所定の間隔は、請求項3にも記載し
たように、前記グランド領域上の定在波の伝搬速度を
c、前記絶縁層の比誘電率をεr、対象となる電磁波放
射の最大周波数をfとした場合に、c/(2×f×εr
1/2)以下となるように設定することが好ましい。この
ような間隔で層間接続部材を配置することにより、様々
な周波数に対して効果的に電磁波放射を抑制することが
できる。
【0032】また、請求項4にも記載したように、前記
層間接続部材が、前記グランド領域の周縁部及び内縁部
の少なくとも一方に沿ってさらに設けられるようにして
もよい。
【0033】すなわち、グランド領域の端部でもう一方
のグランド領域との間で電位差が生じると基板端部から
電磁波放射が発生するため、グランド領域の周縁部すな
わち外縁と、内縁部すなわちグランド領域に開口部が存
在する場合における該開口部の周縁部に沿って、層間接
続部材を配置して第1のグランド領域と第2のグランド
領域とを層間接続する。これにより、基板端部からの電
磁波放射を抑制することができる。
【0034】また、請求項5にも記載したように、一方
のグランド層に配線された前記電源線の他方のグランド
層に対する投影線の位置に前記グランド領域が存在する
ように構成することが好ましい。このような構成とする
ことにより、一方のグランド層を流れるリターン電流の
経路が電源線の位置で途切れ、他方のグランド層に迂回
して流れたときに、電源線の他方のグランド層に対する
投影線の位置にグランド領域が存在しているため、リタ
ーン電流が遠回りせず、最短経路で流れるため、電磁波
放射を抑制することができる。
【0035】また、請求項6にも記載したように、信号
配線層が、第1のグランド層と第2のグランド層との間
に設けられた構成としてもよい。このように、信号配線
層が第1のグランド層及び第2のグランド層に挟まれる
ことにより、信号配線層に配線された信号線のインピー
ダンスをより低インピーダンスとすることができるた
め、より高速な信号を信号線に流すことができる。ま
た、信号線が略同電位となるように複数の層間接続部材
で接続された第1のグランド層と第2のグランド層との
間に挟まれることにより信号線による電磁波放射がシー
ルドされ、外部への電磁波放射を低減することができ
る。
【0036】また、請求項7にも記載したように、前記
信号線側のグランド層に設けられた電源線と前記信号線
の前記グランド層に対する投影線とが交差するように前
記電源線及び前記信号線が各々配置され、かつ、前記複
数の層間接続部材が、前記電源線を挟んだ両側近傍に各
々配置されるようにしてもよい。これにより、一方のグ
ランド層に流れるリターン電流をより短い経路で他方の
グランド層へ迂回させることができ、リターン電流の経
路をより短くすることができるため、電磁波放射を確実
に抑制することができる。
【0037】また、請求項8にも記載したように、前記
信号線側のグランド層に設けられた電源線と前記信号線
の前記グランド層に対する投影線とが交差しないように
前記電源線及び前記信号線が各々配置された構成として
もよい。例えば、信号線が配線された信号配線層、電源
線を有する第1のグランド層、及び第2のグランド層の
順に積層された構成の場合、信号配線層に配線された信
号線に信号電流が流れた場合、第1のグランド層には、
信号線の投影線上にリターン電流が流れるが、電源線と
信号線の投影線とが交差しないように電源線及び信号線
を配線することにより、リターン電流の経路が途切れる
ことがない。このため、リターン電流が流れるべき位
置、すなわち信号線の投影線上にリターン電流を流すこ
とができるため、最短経路でリターン電流を流すことが
でき、電磁波放射を抑制することができる。
【0038】この場合、請求項9にも記載したように、
前記信号配線層が、前記第1のグランド層側及び前記第
2のグランド層側の両方に設けられると共に、前記電源
線が前記第1のグランド層及び前記第2のグランド層の
両方に設けられ、前記第1のグランド層に設けられた第
1の電源線の少なくとも一部と前記第1の信号配線層上
に形成された第1の信号線の前記第1のグランド層に対
する投影線の少なくとも一部とが略平行となるように前
記第1の電源線及び前記第1の信号線が配置され、かつ
前記第2のグランド層に設けられた第2の電源線の少な
くとも一部と前記第2の信号配線層上に形成された第2
の信号線の前記第2のグランド層に対する投影線の少な
くとも一部とが略平行となるように前記第2の電源線及
び前記第2の信号線が配置された構成としてもよい。
【0039】この発明によれば、信号配線層が、第1の
グランド層側及び第2のグランド層側の両方に設けら
れ、電源線が第1のグランド層及び第2のグランド層の
両方に設けられる。すなわち、例えば第1の信号配線
層、第1の電源線を有する第1のグランド層、第2の電
源線を有する第2のグランド層、及び第2の信号配線層
が積層された構成である。そして、第1の電源線の少な
くとも一部と第1の信号線の投影線の少なくとも一部と
が略平行となるように第1の電源線及び第1の信号線が
配置され、第2の電源線の少なくとも一部と第2の信号
線の投影線の少なくとも一部とが略平行となるように第
2の電源線及び第2の信号線が配置される。すなわち、
隣り合う信号配線層とグランド層との関係において、電
源線の少なくとも一部と信号線の投影線の少なくとも一
部とが略平行となるように電源線及び信号線が配置され
る。これにより、より確実に電源線と信号線の投影線と
が交差しないようにすることができる。
【0040】また、第1のグランド層に電源線が設けら
れ、かつ第1のグランド層に設けられた電源線と供給電
圧が異なる電源線が第2のグランド層に設けられた構成
としてもよい。
【0041】このように、異なるグランド層に供給電圧
の異なる電源線をそれぞれ配線することにより、それぞ
れのグランド層において自由に電源線を配線することが
でき、設計の自由度を高めることができる。
【0042】ところで、電源線を基板端部に配置した場
合、電磁波放射が増加する場合がある。そこで、請求項
11記載の発明は、前記電源線は、基板端部から前記グ
ランド領域を挟んで内側に配置されたことを特徴とす
る。
【0043】すなわち、電源線がグランド領域で囲まれ
るように内側に配置する。基板端部から電源線までの距
離を大きくするほど電磁波放射を効果的に抑制すること
ができる。
【0044】また、基板上に配置されたIC等に起因す
るノイズ電流が電源線を伝播した場合、電源線の端部で
反射を繰り返し、1次元的共振による電磁波放射が生じ
る場合がある。
【0045】そこで、請求項12記載の発明は、信号線
を配線する信号配線層、グランド領域を形成する第1の
グランド層及び第2のグランド層がそれぞれ絶縁層を介
在して積層されたプリント配線基板において、前記第1
のグランド層に形成されるグランド領域と前記第2のグ
ランド層に形成されるグランド領域との間を電気的に接
続する複数の層間接続部材と、前記第1のグランド層及
び前記第2のグランド層の少なくとも一方の層で配線さ
れる電源線と、前記電源線の終端部付近で、かつ前記電
源線と前記第1のグランド層及び前記第2のグランド層
の少なくとも一方のグランド領域との間に接続され、前
記電源線の特性インピーダンスと整合するインピーダン
スを有する終端素子と、を備えたことを特徴とする。
【0046】すなわち、例えば電源線が配線されたグラ
ンド層と対向するグランド層のグランド領域と電源線と
の間、電源線が配線されたグランド層のグランド領域と
該グランド領域と隣接する前記電源線との間、両方のグ
ランド層のグランド領域と電源線との間に、電源線の特
性インピーダンスと整合するインピーダンスを有する終
端素子を接続する。これにより、電源線の端部で生じる
反射による電磁波放射を抑制することができる。ここ
で、終端素子のインピーダンスが完全に電源線の特性イ
ンピーダンスと一致して完全に整合がとれるのが好まし
いが、終端素子がなくインピーダンスが不整合の場合よ
りも電磁波放射を抑制する効果がある場合には、整合が
不完全な場合も「整合する」の意味に含まれる。
【0047】終端素子は、例えば請求項13に記載した
ように、直列接続した抵抗及びコンデンサを含む構成と
することができる。
【0048】請求項14記載の発明は、前記電源線は、
基幹電源線と前記基幹電源線から分岐した枝電源線とか
ら成り、前記終端素子は、前記基幹電源線の終端部に接
続されたことを特徴とする。
【0049】ここで、基幹電源線とは、例えば各部品に
電源を供給するための主要な電源線であり枝電源線より
も長い電源線であり、複数に分岐していてもよい。枝電
源線は、基幹電源線よりも短く、基幹電源線に供給され
た電源を各部品に供給する。
【0050】このように基幹電源線に終端素子を接続す
ることにより、基幹電源線の端部で生じる反射による電
磁波放射を抑制することができる。
【0051】また、枝電源線が基幹電源線に比べて十分
に短い場合には、枝電源線の端部に生じる反射による電
磁波放射は問題にならないが、枝電源線が長くなってし
まう場合には、請求項15に記載したように、前記枝電
源線の終端部に前記終端素子を接続することが好まし
い。これにより、電磁波放射を効果的に抑制することが
できる。
【0052】なお、請求項16に記載したように、前記
信号配線層が、前記第1のグランド層及び前記第2のグ
ランド層の少なくとも一方の層と同一層に形成された構
成としてもよい。すなわち、信号配線層と、第1のグラ
ンド層及び第2のグランド層の少なくとも一方とを同一
層で共用し、第1のグランド層及び第2のグランド層の
少なくとも一方の層に信号線を配線する。このような2
層基板の場合にも、上記の発明を適用することができ
る。
【0053】また、請求項17に記載したように、前記
電源線は、基幹電源線と前記基幹電源線から分岐した複
数の枝電源線とから成り、前記電源線の幅は、前記枝電
源線に各々接続され且つ前記基幹電源線から供給される
電源により動作するデバイスの予め定めた最大電流値の
各々に基づいて設定されることが好ましい。
【0054】電源線の幅は、例えば以下のようにして設
定される。例えば、各枝電源線に接続されたデバイスの
最大電流値、すなわち、そのデバイスで必要とされる最
大電流値から、基幹電源線と枝電源線との交点であるノ
ードに流れ込む電流値を各ノードについて各々求める。
そして、求めた電流値のうち最大の電流値の電流を電源
線に流した場合に、電源線の温度上昇が所定値以下とな
り、かつ各ノード間の電位差が所定値以下となるように
電源線の幅が定められる。
【0055】具体的には、例えば電源線の幅と、この幅
の電源線に流すことが可能な電流値との予め定めた対応
関係から、求めた電流値のうち最大の電流値に対応した
幅を求めることにより設定される。
【0056】このように、各ノードに流れ込む電流の最
大の電流値に対応した幅に電源線の幅を設定することに
より、各デバイスに安定して電源を供給することができ
ると共に、電磁波放射を効果的に抑制することができ
る。
【0057】また、請求項18に記載したように、前記
電源線は、基幹電源線と前記基幹電源線から分岐した複
数の枝電源線とから成り、予め定めた第1の枝電源線の
第1の長さと、前記基幹電源線から供給される電源によ
り動作するデバイスが接続された第2の枝電源線の端部
から前記第1の枝電源線の端部までの第2の長さと、が
前記第2の長さが前記第1の長さを奇数値n(n=1、
3、5)で割った長さの奇数値m倍(m=3、5、7;
m>n)となる長さを除く寸法となるように設定される
ことが好ましい。
【0058】例えば第1の長さが、対象となる電磁波放
射周波数の波長の所定倍の波長のn倍で、かつ第2の長
さが、前記所定倍の波長のm倍とならないように第1の
長さ及び第2の長さを設定する。すなわち、第1の長さ
をL1、第2の長さをL2とした場合に、L2=(m/
n)×L1とならないように、L1及びL2を設定す
る。このような関係を満たすように第1の長さ及び第2
の長さを設定することにより、電磁波放射を効果的に抑
制することができる。
【0059】また、電源線上にキャパシタンスが存在す
る場合には、そのキャパシタンスに相当する長さをキャ
パシタンスの存在する電源線に応じて第1の長さ及び第
2の長さの少なくとも一方に加えて、上記の条件により
第1の長さ及び第2の長さを設定するようにしてもよ
い。
【0060】請求項19記載の発明は、前記請求項1記
載のプリント配線基板の設計を支援するためのプリント
配線基板設計支援装置であって、前記プリント配線基板
に関する設計データを記憶した記憶手段と、前記設計デ
ータに基づいて、予め定めた所定範囲内に前記層間接続
部材が予め定めた所定数以上存在するか否かを検出する
検出手段と、前記予め定めた所定範囲内に前記層間接続
部材が予め定めた所定数以上存在しないことを検出した
場合に報知する報知手段と、を備えたことを特徴とす
る。
【0061】この発明によれば、記憶手段は、プリント
配線基板に関する設計データを記憶している。この設計
データは、例えば各部の形状データ(例えば2次元又は
3次元の座標データ)や、属性データ(例えば部品、部
材等のデータ)を含んで構成される。この設計データか
ら、例えばグランド領域を抽出したり、信号配線や電源
線の配線パターン、層間接続部材の配置位置等を知るこ
とができる。
【0062】検出手段は、設計データに基づいて、予め
定めた所定範囲内に層間接続部材が予め定めた所定数以
上存在するか否か、すなわち、所定密度以上で層間接続
部材が配置されているか否かを検出する。ここで、所定
密度は、電磁波放射を効果的に抑制できる程度に設定さ
れる。
【0063】そして、報知手段は、予め定めた所定範囲
内に層間接続部材が予め定めた所定数以上存在しないこ
とを検出した場合に報知する。これは、例えば表示によ
り報知してもよいし、音声により報知してもよい。
【0064】これにより、設計者は、予め定めた所定範
囲内に層間接続部材が予め定めた所定数以上存在しない
ことを容易に確認することができ、設計ミスを抑えるこ
とができる。
【0065】また、報知手段は、検出結果をコンピュー
タに認識させるための電子的報知(電子データ出力)で
あってもよい。この場合、電子的報知の結果を元に設計
データを電子的に改善するなどの自動設計が可能とな
る。なお、これは他の報知手段についても同様である。
【0066】請求項20記載の発明は、前記請求項7記
載のプリント配線基板の設計を支援するためのプリント
配線基板設計支援装置であって、前記プリント配線基板
に関する設計データを記憶した記憶手段と、前記設計デ
ータに基づいて、前記信号線側のグランド層に設けられ
た電源線と前記信号線の前記グランド層に対する投影線
とが交差する交点から予め定めた所定範囲内で、かつ前
記電源線を挟んだ両側に前記層間接続部材が存在するか
否かを検出する検出手段と、前記交点から予め定めた所
定範囲内で、かつ前記電源線を挟んだ両側に前記層間接
続部材が存在しないことを検出した場合に報知する報知
手段と、を備えたことを特徴とする。
【0067】この発明によれば、検出手段は、設計デー
タに基づいて、信号線側のグランド層に設けられた電源
線と信号線のグランド層に対する投影線とが交差する交
点から予め定めた所定範囲内で、かつ電源線を挟んだ両
側に層間接続部材が存在するか否かを検出する。ここ
で、所定範囲は、電磁波放射を効果的に抑制できる程度
の範囲に設定される。
【0068】そして、報知手段は、交点から予め定めた
所定範囲内で、かつ電源線を挟んだ両側に前記層間接続
部材が存在しないことを検出した場合に報知する。
【0069】これにより、設計者は、交点から予め定め
た所定範囲内で、かつ電源線を挟んだ両側に層間接続部
材が存在しないことを容易に確認することができ、設計
ミスを抑えることができる。
【0070】請求項21記載の発明は、前記請求項8記
載のプリント配線基板の設計を支援するためのプリント
配線基板設計支援装置であって、前記プリント配線基板
に関する設計データを記憶した記憶手段と、前記設計デ
ータに基づいて、前記信号線側のグランド層に設けられ
た電源線と前記信号線の前記グランド層に対する投影線
との距離が予め定めた所定距離以上離れているか否かを
検出する検出手段と、前記電源線と前記投影線との距離
が予め定めた所定距離以上離れていないことを検出した
場合に報知する報知手段と、を備えたことを特徴とす
る。
【0071】この発明によれば、検出手段は、設計デー
タに基づいて、信号線側のグランド層に設けられた電源
線と信号線の前記グランド層に対する投影線との距離が
予め定めた所定距離以上離れているか否かを検出する。
ここで、所定距離は、電磁波放射を効果的に抑制できる
程度の距離に設定される。
【0072】そして、報知手段は、電源線と投影線との
距離が予め定めた所定距離以上離れていないことを検出
した場合に報知する。
【0073】これにより、設計者は、電源線と投影線と
の距離が予め定めた所定距離以上離れていないことを容
易に確認することができ、設計ミスを抑えることができ
る。
【0074】請求項22記載の発明は、前記請求項9又
は請求項10記載のプリント配線基板の設計を支援する
ためのプリント配線基板設計支援装置であって、前記プ
リント配線基板に関する設計データを記憶した記憶手段
と、前記設計データに基づいて、前記第1の電源線と前
記第2の電源線の前記第1のグランド層に対する投影線
とが予め定めた所定距離以上離れているか否かを検出す
る検出手段と、前記第1の電源線と前記投影線とが予め
定めた所定距離以上離れていないことを検出した場合に
報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0075】この発明によれば、検出手段は、設計デー
タに基づいて、第1の電源線と第2の電源線の第1のグ
ランド層に対する投影線とが予め定めた所定距離以上離
れているか否かを検出する。ここで、所定距離は、電磁
波放射を効果的に抑制できる程度の距離に設定される。
【0076】そして、報知手段は、第1の電源線と投影
線とが予め定めた所定距離以上離れていないことを検出
した場合に報知する。
【0077】これにより、設計者は、第1の電源線と投
影線とが予め定めた所定距離以上離れていないことを容
易に確認することができ、設計ミスを抑えることができ
る。
【0078】請求項23記載の発明は、前記請求項11
記載のプリント配線基板の設計を支援するためのプリン
ト配線基板設計支援装置であって、前記プリント配線基
板に関する設計データを記憶した記憶手段と、前記設計
データに基づいて、前記電源線から予め定めた所定距離
以内で且つ前記電源線の周囲に前記グランド領域が存在
するか否かを検出する検出手段と、前記電源線から予め
定めた所定距離以内で且つ前記電源線の周囲に前記グラ
ンド領域が存在しないことを検出した場合に報知する報
知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0079】この発明によれば、検出手段は、設計デー
タに基づいて、電源線から予め定めた所定距離以内で且
つ電源線の周囲にグランド領域が存在するか否かを検出
する。ここで、所定距離は、電磁波放射を効果的に抑制
できる程度の距離に設定される。
【0080】そして、報知手段は、電源線から予め定め
た所定距離以内で且つ電源線の周囲にグランド領域が存
在しないことを検出した場合に報知する。
【0081】これにより、設計者は、電源線から予め定
めた所定距離以内で且つ電源線の周囲にグランド領域が
存在しないことを容易に確認することができ、設計ミス
を抑えることができる。
【0082】請求項24記載の発明は、前記請求項11
記載のプリント配線基板の設計を支援するためのプリン
ト配線基板設計支援装置であって、前記プリント配線基
板に関する設計データを記憶した記憶手段と、前記設計
データに基づいて、前記電源線が前記プリント配線基板
の端部から予め定めた所定距離以上離れているか否かを
検出する検出手段と、前記電源線が前記プリント配線基
板の端部から予め定めた所定距離以上離れていないこと
を検出した場合に報知する報知手段と、を備えたことを
特徴とする。
【0083】この発明によれば、検出手段は、設計デー
タに基づいて、電源線がプリント配線基板の端部から予
め定めた所定距離以上離れているか否かを検出する。こ
こで、所定距離は、電磁波放射を効果的に抑制できる程
度の距離に設定される。
【0084】そして、報知手段は、電源線から予め定め
た所定距離以内で且つ電源線の周囲にグランド領域が存
在しないことを検出した場合に報知する。
【0085】これにより、設計者は、電源線から予め定
めた所定距離以内で且つ電源線の周囲にグランド領域が
存在しないことを容易に確認することができ、設計ミス
を抑えることができる。
【0086】請求項25記載の発明は、前記請求項11
記載のプリント配線基板の設計を支援するためのプリン
ト配線基板設計支援装置であって、前記プリント配線基
板に関する設計データを記憶した記憶手段と、前記設計
データに基づいて、前記電源線の周囲の前記グランド領
域の端部から所定距離以内に前記層間接続部材が存在す
るか否かを検出すると共に、前記所定距離以内に前記層
間接続部材が存在する場合に、前記層間接続部材が前記
電源線の周囲に亘って予め定めた所定間隔で配置されて
いるか否かを検出する検出手段と、前記所定距離以内に
前記層間接続部材が存在しない場合及び前記層間接続部
材が前記電源線の周囲に亘って予め定めた所定間隔で配
置されていない場合の少なくとも一方の場合に報知する
報知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0087】この発明によれば、検出手段は、設計デー
タに基づいて、電源線の周囲のグランド領域の端部から
所定距離以内に層間接続部材が存在するか否かを検出す
ると共に、所定距離以内に層間接続部材が存在する場合
に、層間接続部材が電源線の周囲に亘って予め定めた所
定間隔で配置されているか否かを検出する。ここで、所
定距離及び所定間隔は、電磁波放射を効果的に抑制でき
る程度の距離及び間隔にそれぞれ設定される。
【0088】そして、報知手段は、所定距離以内に層間
接続部材が存在しない場合及び層間接続部材が電源線の
周囲に亘って予め定めた所定間隔で配置されていない場
合の少なくとも一方の場合に報知する。
【0089】これにより、設計者は、所定距離以内に層
間接続部材が存在しないこと又は層間接続部材が電源線
の周囲に亘って予め定めた所定間隔で配置されていない
ことを容易に確認することができ、設計ミスを抑えるこ
とができる。
【0090】請求項26記載の発明は、前記請求項12
記載のプリント配線基板の設計を支援するためのプリン
ト配線基板設計支援装置であって、前記プリント配線基
板に関する設計データを記憶した記憶手段と、前記設計
データに基づいて、前記電源線の終端部に前記終端素子
が接続されているか否かを検出する検出手段と、前記電
源線の終端部に前記終端素子が接続されていないことを
検出した場合に報知する報知手段と、を備えたことを特
徴とする。
【0091】この発明によれば、検出手段は、設計デー
タに基づいて、電源線の終端部に終端素子が接続されて
いるか否かを検出する。
【0092】そして、報知手段は、電源線の終端部に終
端素子が接続されていないことを検出した場合に報知す
る。
【0093】これにより、設計者は、電源線の終端部に
終端素子が接続されていないことを検出した場合に報知
することを容易に確認することができ、設計ミスを抑え
ることができる。
【0094】請求項27記載の発明は、前記請求項14
記載のプリント配線基板の設計を支援するためのプリン
ト配線基板設計支援装置であって、前記プリント配線基
板に関する設計データを記憶した記憶手段と、前記設計
データに基づいて、前記枝電源線の長さが予め定めた所
定長さ以下であるか否かを検出する検出手段と、前記枝
電源線の長さが予め定めた所定長さ以下でないことを検
出した場合に報知する報知手段と、を備えたことを特徴
とする。
【0095】この発明によれば、検出手段は、設計デー
タに基づいて、枝電源線の長さが予め定めた所定長さ以
下であるか否かを検出する。ここで、所定長さは、電磁
波放射を効果的に抑制できる程度の長さに設定される。
【0096】そして、報知手段は、枝電源線の長さが予
め定めた所定長さ以下でないことを検出した場合に報知
する。
【0097】これにより、設計者は、枝電源線の長さが
予め定めた所定長さ以下でないことを容易に確認するこ
とができ、設計ミスを抑えることができる。
【0098】請求項28記載の発明は、前記請求項17
記載のプリント配線基板の設計を支援するためのプリン
ト配線基板設計支援装置であって、前記プリント配線基
板に関する設計データを記憶した記憶手段と、前記設計
データに基づいて、前記枝電源線に各々接続され且つ前
記基幹電源線から供給される電源により動作するデバイ
スの予め定めた最大電流値の各々に基づいて前記電源線
の幅の許容範囲を設定する設定手段と、前記電源線の幅
が許容範囲内でないことを検出した場合に報知する報知
手段と、を備えたことを特徴とする。
【0099】この発明によれば、設定手段は、設計デー
タに基づいて、枝電源線に各々接続され且つ基幹電源線
から供給される電源により動作するデバイスの予め定め
た最大電流値の各々に基づいて電源線の幅の許容範囲を
設定する。ここで、許容範囲は、最大電流値の電流を電
源線に流した場合に、電源線の温度上昇が所定値以下と
なり、かつ基幹電源線と枝電源線との交点であるノード
間の電位差が所定値以下となるような範囲に設定され
る。
【0100】そして、報知手段は、電源線の幅が許容範
囲内でないことを検出した場合に報知する報知する。
【0101】これにより、設計者は、電源線の幅が許容
範囲内でないことを容易に確認することができ、設計ミ
スを抑えることができる。
【0102】請求項29記載の発明は、前記請求項18
記載のプリント配線基板の設計を支援するためのプリン
ト配線基板設計支援装置であって、前記プリント配線基
板に関する設計データを記憶した記憶手段と、前記設計
データに基づいて、前記予め定めた第1の枝電源線の第
1の長さと、前記基幹電源線から供給される電源により
動作するデバイスが接続された第2の枝電源線の端部か
ら前記第1の枝電源線の端部までの第2の長さと、が前
記第2の長さが前記第1の長さを奇数値n(n=1、
3、5)で割った長さの奇数値m倍(m=3、5、7;
m>n)となる長さを除く寸法となる関係に設定されて
いるか否かを検出する検出手段と、前記第1の長さと、
前記第2の長さと、が前記関係とならないことを検出し
た場合に報知する報知手段と、を備えたことを特徴とす
る。
【0103】この発明によれば、検出手段は、設計デー
タに基づいて、予め定めた第1の枝電源線の第1の長さ
と、基幹電源線から供給される電源により動作するデバ
イスが接続された第2の枝電源線の端部から第1の枝電
源線の端部までの第2の長さと、が予め定めた関係とな
るように設定されているか否かを検出する。ここで、予
め定めた関係とは、第2の長さが第1の長さを奇数値n
(n=1、3、5)で割った長さの奇数値m倍(m=
3、5、7;m>n)となる長さを除く寸法となる関係
である。
【0104】そして、報知手段は、第1の長さと第2の
長さとが予め定めた関係とならないことを検出した場合
に報知する。
【0105】これにより、第1の長さと第2の長さと予
め定めた関係とならないことを容易に確認することがで
き、設計ミスを抑えることができる。
【0106】請求項30記載の発明は、信号線を配線す
る信号配線層、グランド領域を形成する第1のグランド
層及び第2のグランド層がそれぞれ絶縁層を介在して積
層されたプリント配線基板であって、前記第1のグラン
ド層に形成されるグランド領域と前記第2のグランド層
に形成されるグランド領域との間を電気的に接続する複
数の層間接続部材と、前記第1のグランド層及び前記第
2のグランド層の少なくとも一方の層で配線される電源
線と、前記電源線と前記第1のグランド層及び前記第2
のグランド層の少なくとも一方との間に接続された電源
安定用の複数のコンデンサと、を備えたプリント配線基
板の設計を支援するためのプリント配線基板設計支援装
置において、前記プリント配線基板に関する設計データ
を記憶した記憶手段と、前記設計データに基づいて、前
記複数のコンデンサが予め定めた所定距離以上の間隔で
設けられているか否かを検出する検出手段と、前記複数
のコンデンサが予め定めた所定距離以上の間隔で設けら
れていないことを検出した場合に報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0107】この発明によれば、検出手段は、設計デー
タに基づいて、複数のコンデンサが予め定めた所定距離
以上の間隔で設けられているか否かを検出する。ここ
で、所定距離は、電磁波放射を効果的に抑制することが
できる距離に設定される。
【0108】そして、報知手段は、複数のコンデンサが
予め定めた所定距離以上の間隔で設けられていないこと
を検出した場合に報知する。
【0109】これにより、複数のコンデンサが予め定め
た所定距離以上の間隔で設けられていないことを容易に
確認することができ、設計ミスを抑えることができる。
【0110】なお、請求項19乃至請求項30の発明を
任意に組み合わせた発明を構成してもよい。
【0111】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]以下、本発明の
第1実施形態について説明する。
【0112】図1(A)には、本実施形態に係るプリン
ト配線基板10の概略断面図が示されている。図1
(A)に示すように、プリント配線基板10は、第1の
信号配線層12、第1のグランド層14、第2のグラン
ド層16、第2の信号配線層18が絶縁材20を介して
積層された多層構造の4層基板となっている。
【0113】図1(B)には、第1のグランド層14の
平面図が示されている。なお、図1(A)は、図1
(B)のA−A断面図である。
【0114】図1(A)、(B)に示すように、第1の
グランド層14と第2のグランド層16とは、多数のビ
アホール22により層間接続されている。このビアホー
ル22は、図1(B)に示すように、第1のグランド層
14を含む面全体に亘って略等間隔で設けられている。
このように、第1のグランド層14と第2のグランド層
16とが多数のビアホール22で接続されることによ
り、略同電位とすることができる。
【0115】また、図1(A),(B)に示すように、
第1のグランド層14には、グランドパターン24及び
線状の第1の電源線26が分離独立して形成されてい
る。第2のグランド層16には、グランドパターン28
及び線状の第2の電源線30が分離独立して形成されて
いる。
【0116】また、電源線26及び電源線30は、基板
端部からグランドパターン24を挟んで内側に形成され
ている。
【0117】第1の電源線26と第2の電源線30と
は、ビアホール32により層間接続されている。第1の
電源線26には、例えば第1の信号配線層12上に実装
される直流電圧電源34のプラス端子がビアホール35
を介して接続される。直流電圧電源34のマイナス端子
は、ビアホール37を介してグランドパターン24に接
続される。これにより、第1の電源線26及び第2の電
源線30には、直流電圧電源34から所定の直流電圧V
ccが印加される。
【0118】また、第1の信号配線層12には、動作周
波数や信号周波数が高周波(例えば数MHz〜数GH
z)であるIC(例えばデジタルIC)36、38、4
0,42が実装されている。IC36の電源端子36V
は、接続パターン44、ビアホール46を介して第1の
電源線26と接続されており、IC36のグランド端子
36Gは、ビアホール48を介して第1のグランド層1
4と接続されている。これにより、電源端子36Vに、
第1の電源線26から直流電圧Vccが供給され、IC
36が動作可能となる。
【0119】IC38の電源端子38Vは、接続パター
ン50、ビアホール52を介して第2の電源線30と接
続されており、IC38のグランド端子38Gは、ビア
ホール54を介して第1のグランド層14と接続されて
いる。これにより、電源端子38Vに、第2の電源線3
0から直流電圧Vccが供給され、IC38が動作可能
となる。
【0120】IC40の電源端子40Vは、接続パター
ン56、ビアホール58を介して第1の電源線26と接
続されており、IC40のグランド端子40Gは、ビア
ホール60を介して第1のグランド層14と接続されて
いる。これにより、電源端子40Vに、第1の電源線2
6から直流電圧Vccが供給され、IC40が動作可能
となる。
【0121】IC42の電源端子42Vは、接続パター
ン62、ビアホール64を介して第2の電源線30と接
続されており、IC42のグランド端子42Gは、ビア
ホール66を介して第1のグランド層14と接続されて
いる。これにより、電源端子42Vに、第2の電源線3
0から直流電圧Vccが供給され、IC42が動作可能
となる。
【0122】また、IC36の信号端子36S1は、ス
ルーホール68を介して第2の信号配線層18に形成さ
れた線状の信号配線70の一端と接続されている。信号
配線70の他端は、スルーホール72を介してIC38
の信号端子38S1と接続されている。
【0123】IC36の信号端子36S2は、スルーホ
ール74を介して第2の信号配線層18に形成された線
状の信号配線76の一端と接続されている。信号配線7
6の他端は、スルーホール78を介してIC38の信号
端子38S2と接続されている。これにより、IC36
とIC38との間で信号の授受が可能となる。
【0124】さらに、IC40の信号端子40S1は、
信号配線80によりIC42の信号端子42S1と接続
されており、IC40の信号端子40S2は、信号配線
82によりIC42の信号端子42S2と接続されてい
る。これにより、IC40とIC42との間で信号の授
受が可能となる。
【0125】図1(B)に示すように、信号配線80、
82と、第1の電源線26とは交差(直交)しており、
信号配線70、76と第2の電源線30とは交差(直
交)している。
【0126】このように、プリント配線基板10は、第
1のグランド層14及び第2のグランド層16と対向す
る電源層が存在せず、第1のグランド層14に第1の電
源線26が、第2のグランド層16に第2の電源線30
が形成されているため、電源層とグランド層との間の共
振による電磁波放射が生じることがなく、また、内層に
電源線を設けているため、信号配線層の実装密度を高め
ることができる。
【0127】次に、IC36の信号端子36S1からI
C38の信号配線38S1へ信号が出力された場合、す
なわち、信号電流が流れた場合のリターン電流の流れる
経路について説明する。
【0128】図2には、IC40の信号端子40S1
らIC42の信号配線42S1へ信号電流が流れたとき
のリターン電流の経路を矢印で示した。図2に示すよう
に、信号電流は、IC40の信号端子40S1、信号配
線82、IC42の信号端子42S1、IC42本体、
IC42のグランド端子42G、第1のグランド層14
(のグランドパターン24)の順で流れる。そして、第
1のグランド層14では、信号配線80が図1(B)の
紙面に対して垂直な方向に投影される位置にリターン電
流が流れる。すなわち、信号配線80直下に位置する第
1のグランド層14の信号配線80に対応する位置にリ
ターン電流が流れる。
【0129】この第1のグランド層14を流れるリター
ン電流の経路は、図2に示すように、第1の電源線26
の位置で途切れてしまうが、本実施形態では、ビアホー
ル22が略等間隔で多数設けられているため、リターン
電流は、第1の電源線26の近傍に配置されたビアホー
ル22Aを経由して第2のグランド層16(グランドパ
ターン28)へ流れ、第1の電源線26の近傍に配置さ
れたビアホール22Bを経由して第1のグランド層14
へ流れ、ビアホール60を介してIC40のグランド端
子40Gへ流れる。
【0130】図3には、IC36の信号端子36S1
らIC38の信号配線38S1へ信号電流が流れたとき
のリターン電流の経路を矢印で示した。図3に示すよう
に、信号電流は、IC36の信号端子36S1、スルー
ホール68、信号配線70、スルーホール72、IC3
8の信号端子38S1、IC38本体、IC38のグラ
ンド端子38G、第1のグランド層14(のグランドパ
ターン24)、第2のグランド層16(のグランドパタ
ーン28)の順で流れる。そして、第2のグランド層1
6では、信号配線70が図1(B)において紙面に垂直
な方向に投影される位置にリターン電流が流れる。すな
わち、信号配線70直下に位置する第2のグランド層1
6の信号配線70に対応する位置にリターン電流が流れ
る。
【0131】この第2のグランド層16を流れるリター
ン電流の経路は、図3に示すように、第2の電源線30
の位置で途切れてしまうが、本実施形態では、ビアホー
ル22が略等間隔で多数設けられているため、リターン
電流は、第2の電源線30の近傍に配置されたビアホー
ル22Cを経由して第1のグランド層14(のグランド
パターン24)へ流れ、第1の電源線26の近傍に配置
されたビアホール22Dを経由して第2のグランド層1
6へ流れ、IC36のグランド端子36G近傍に配置さ
れたビアホール22を介して第1のグランド層14へ流
れ、ビアホール48を介してIC36のグランド端子3
6Gへ流れる。
【0132】このように、本実施形態では、ビアホール
22が略等間隔で多数設けられているため、第1のグラ
ンド層14及び第2のグランド層16を略同電位とする
ことができ、リターン電流の経路が電源線により切られ
てしまう場合でも、リターン電流を低インピーダンスで
かつ比較的短い経路で迂回させることができる。
【0133】また、第1の電源線26の第2のグランド
層14に対する投影線の位置には、グランドパターン2
8が存在するため、リターン電流の経路が第1の電源線
26の投影線の位置で途切れることがないため、リター
ン電流を遠回りさせずに最短経路で流すことができる。
【0134】このように、リターン電流の経路が長くな
るのを防ぐことができ、電磁波放射を最小限に抑制する
ことができる。
【0135】また、グランドパターン全体に亘ってビア
ホール22を所定間隔で多数設けると共に、図11に示
すように、第1のグランド層14のグランドパターン2
4の周縁部及び、第1の電源線26が配線される位置に
設けられた開口部25の周縁部に沿ってビアホール22
を所定間隔でさらに配置するようにすると共に、図示は
省略したが、第2のグランド層16の第2の電源線30
が配線される位置に設けられた開口部の周縁部に沿って
ビアホール22を所定間隔でさらに配置するようにして
もよい。これにより、基板端部からの電磁波放射を抑制
することができる。
【0136】なお、ビアホール22の配置間隔は、電磁
波放射の原因となる定在波の周波数との関係から例えば
以下のように定める。
【0137】例えば2つのビアホール22の間は、両者
を短絡したインピーダンスが略零の伝送路とみなすこと
ができる。この伝送路に発生しうる最小周波数の定在波
は、伝送路の距離、すなわちビアホール22の間隔を半
波長とする定在波となる。一般的なプリント配線基板
(例えば比誘電率εrが4.7程度)上での定在波の伝
播速度cは、およそ140mm/nsであるから、例え
ば最大で1GHz(周期1ns)の高調波までを含む定
在波による電磁波放射を問題とする場合、ビアホール2
2の配置間隔は約70mm以下とすることにより、電磁
波放射を抑制することができる。すなわち、ビアホール
22の最大配置間隔Wは、問題とする最大周波数fに対
し、W=c/(2×f×εr1/2)を満たすような距離以
下にすることにより、電磁波放射を抑制することができ
る。ただし、cは光速、εrはプリント配線基板の比誘
電率である。
【0138】また、本実施形態に係るプリント配線基板
10のような構成とすることにより、以下のような効果
もある。以下これについて説明する。
【0139】一般に、大きな負荷(IC等)を高速で駆
動するには、配線の特性インピーダンスが小さい事が要
求される。従来のような内層に電源層とグランド層とが
対向して配置された4層構造の基板で、信号線の配線が
マイクロストリップ配線の場合の特性インピーダンス
は、信号配線層と信号配線層に隣り合う電源層又はグラ
ンド層との間隔が大きいほど大きくなる。すなわち、プ
リント配線基板の表又は裏の信号配線層と電源層又はグ
ランド層との間の間隔が小さいほど高速駆動には有利と
なる。また、従来の4層基板等の多層基板の端部から放
射される電磁波ノイズは、電源層とグランド層と間の間
隔に比例して大きくなる。さらに、プリント配線基板
は、部品を実装するのに耐えうる強度を確保するため、
基板の厚さをむやみに小さくする事はできない。
【0140】すなわち、従来の多層構造の基板では、高
速駆動するために信号配線層と電源層又はグランド層と
の間の間隔を小さくすると、基板の厚さをむやみに小さ
くしないためには電源層とグランド層との間の間隔を大
きくせざるを得ないため、電磁波ノイズを抑制すること
ができない。逆に、電磁波ノイズを抑制するために電源
層とグランド層との間の間隔を小さくすると、基板の厚
さをむやみに小さくしないためには信号配線層と電源層
又はグランド層との間の間隔を大きくせざるを得ず、高
速駆動することができない。このように、従来の多層基
板では、高速駆動と電源層及びグランド層に起因する電
磁波放射の抑制とがトレードオフの関係にあった。
【0141】これに対し、本実施形態に係るプリント配
線基板では、内層に配置された2つのグランド層の間隔
を大きくしても電磁波放射が増えることがないため、表
側及び裏側のそれぞれにおいて、信号配線層とグランド
層との間隔を小さくすることができる。これにより、基
板の厚さをむやみに小さくすることなく電磁波放射の抑
制及び高速駆動の両方を達成することが可能となる。
【0142】なお、本実施形態では、第1の信号配線層
12、第1のグランド層14、第2のグランド層16、
及び第2の信号配線層18の順で積層されたプリント配
線基板について説明したが、これに限らず、第1の信号
配線層12と第1のグランド層14との間に別の第3の
層、例えば信号配線層が配置されるようにしてもよい。
この場合、例えば第3の層の配線が、第1の信号配線層
12に配線された信号線に流れる信号電流に対するリタ
ーン電流が流れないような配線になっている必要があ
る。
【0143】例えば、第3の層全体が導体である場合、
リターン電流が第3の層を流れてしまうため好ましくな
いが、第3の層の配線が、第1の信号配線層12に配線
された信号線に対応する位置に配線されていなければ、
リターン電流は第3の層を流れず第1のグランド層12
に流れるため影響はない。すなわち、第1の信号配線層
12と第1のグランド層とは実質的に隣り合っていれば
よい。なお、第2の信号配線層18と第2のグランド層
14との間についても同様である。
【0144】次に、本発明のように電源を配線化し、グ
ランド層を2層としたことによる部品削減の効果につい
て説明する。
【0145】図12(A)には、信号層S、グランド層
G、電源層V、信号層Sを積層した従来の構造の基板の
断面図を示した。図12(B)には、信号層S、第1の
グランド層G1、第2のグランド層G2、信号層Sを積
層し、第1のグランド層G1、第2のグランド層G2に
電源線Vを配線した本発明に係る基板の断面図を示し
た。
【0146】図12(A)に示した従来構造の基板で
は、電源層Vとグランド層Gとが対向して配置されてい
るため、図13(A)に示すように、共振による電磁波
放射を抑制するため、コンデンサ106及び抵抗108
の直列回路を基板周縁部に多数設け、かつ基板全面に渡
って所定間隔でコンデンサ106を多数設ける必要があ
る。また、一方の信号層に配置されたIC等の駆動源1
10と他方の信号層に配置された駆動源112とが信号
線114により接続されている場合、リターン電流の経
路を確保するためのコンデンサ116を設ける必要があ
る。また、他の基板等と接続するためのコネクタ118
への電磁波ノイズを遮断するためのコンデンサ120を
コネクタ118の近傍に設ける必要がある。また、グラ
ンド面を安定化するために、シグナルグランドとフレー
ムグランドとの間に電磁波ノイズの拡散防止用のコンデ
ンサ122及び抵抗124の直列回路を設ける必要があ
る。また、IC等の駆動源112の電源による電磁波ノ
イズの拡散防止用のインダクタンス126を設ける必要
があった。
【0147】これに対し、図12(B)に示した本発明
に係る構造の基板では、グランド層に電源線を配線化
し、2つのグランド層をビアホールによって多点接続し
た構成としているため、電磁波放射を効果的に抑制し、
リターン電流の経路も確保されるため、図13(B)に
示すように、従来構造の基板で必要であった電磁波ノイ
ズ抑制用のコンデンサや抵抗、インダクタンス等を大幅
に削減することができる。
【0148】[第2実施形態]次に、本発明の第2実施
形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部分
には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0149】図4(A)には、本実施形態に係るプリン
ト配線基板11の概略断面図が示されており、図4
(B)には、第1のグランド層14の平面図が示されて
いる。なお、図4(A)は、図4(B)のA−A断面図
である。
【0150】図4(A),(B)に示すように、プリン
ト配線基板11の第1のグランド層14には第1の電源
線26が配線されており、第2のグランド層16には第
2の電源線30が配線されている。第1の電源線26と
第2の電源線30とは、ビアホール31、33により層
間接続されている。
【0151】また、第2の電源線30には、例えば第1
の信号配線層12上に実装される直流電圧電源34のプ
ラス端子がビアホール35を介して接続される。直流電
圧電源34のマイナス端子は、ビアホール37を介して
グランドパターン24に接続される。これにより、第1
の電源線26及び第2の電源線30には、直流電圧電源
34から所定の直流電圧Vccが印加される。
【0152】IC38の電源端子38Vは、ビアホール
52を介して第2の電源線30と接続されており、IC
38のグランド端子38Gは、ビアホール54を介して
第1のグランド層14と接続されている。これにより、
電源端子38Vに、第2の電源線30から直流電圧Vc
cが供給され、IC38が動作可能となる。
【0153】IC40の電源端子40Vは、ビアホール
58を介して第1の電源線26と接続されており、IC
40のグランド端子40Gは、ビアホール60を介して
第1のグランド層14と接続されている。これにより、
電源端子40Vに、第2の電源線30から直流電圧Vc
cが供給され、IC40が動作可能となる。
【0154】IC42の電源端子42Vは、ビアホール
64を介して第1の電源線26と接続されており、IC
42のグランド端子42Gは、ビアホール66を介して
第1のグランド層14と接続されている。これにより、
電源端子42Vに、第2の電源線30から直流電圧Vc
cが供給され、IC42が動作可能となる。
【0155】また、IC38の複数(図4(B)では8
個)の信号端子36Sは、高速バスを構成する複数の信
号配線84の一端に各々接続されており、複数の信号配
線84の他端は、第1の信号配線層12と第2の信号配
線層18とを層間接続するための複数のスルーホール8
6の一端に各々接続されている。
【0156】IC40の複数の信号端子40SとIC4
2の複数の信号端子42Sとは、高速バスを構成する複
数の信号配線88により各々接続されている。信号配線
88には、第1の信号配線層12と第2の信号配線層1
8とを層間接続するための複数のスルーホール90の一
端が接続されている。
【0157】スルーホール90の他端は、第2の信号配
線層18に形成された高速バスを構成する複数の信号配
線92の一端と各々接続されており、信号配線92の他
端は、スルーホール86の他端と各々接続されている。
これにより、IC38、40、42の信号端子が高速バ
スにより相互接続され、互いに信号の授受が可能とな
る。
【0158】また、図4(B)に示すように、第1の信
号配線層12上に配線された信号配線88と第1の信号
配線層12側に配置された第1のグランド層14に配線
された第1の電源線26の主要部とは、略平行に配線さ
れている。また、第2の信号配線層18上に配線された
信号配線92と第2の信号配線層18側に配置された第
2のグランド層16に配線された第2の電源線30の主
要部とは、略平行に配線されている。
【0159】すなわち、信号配線88と第1の電源線2
6とが交差しないように、かつ信号配線92と第2の電
源線30とが交差しないように、各々配線されている。
これにより、信号配線88を流れる信号電流に対応する
第1のグランド層14上におけるリターン電流の経路が
途切れることがなく、また、信号配線92を流れる信号
電流に対応する第2のグランド層16上におけるリター
ン電流の経路が途切れることがない。このため、リター
ン電流の流れる経路を最短とすることができ、電磁波放
射をより抑制することができる。
【0160】なお、図7に示すように、IC38を第2
の信号配線層18に実装し、信号配線88、信号配線9
2を第1のグランド層14と第2のグランド層16との
間に配置するようにしてもよい。このように、信号配線
を内層に設けることにより、基板の表面に信号配線を設
ける場合と比較して信号配線を低インピーダンスとする
ことができる。また、2つのグランド層に信号配線が挟
まれるため、信号配線による電磁波放射がシールドされ
るため、より電磁波放射を抑制することができる。
【0161】[第3実施形態]次に、本発明の第3実施
形態について説明する。なお、上記実施形態と同一部分
には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0162】図5には、本実施形態に係るプリント配線
基板における第1のグランド層14の概略平面図が示さ
れている。
【0163】図5に示すように、第1のグランド層14
は、グランドパターン24及び第1の電源線26が分離
独立して形成されている。また、第2のグランド層16
には、グランドパターン28及び第2の電源線30が分
離独立して形成されている。
【0164】第1の電源線26には、例えば第1の信号
配線層12上に実装される直流電圧電源34のプラス端
子がビアホール35を介して接続される。直流電圧電源
34のマイナス端子は、ビアホール37を介してグラン
ドパターン24に接続される。これにより、第1の電源
線26には、直流電圧電源34から所定の直流電圧Vc
c1(例えば5V)が印加される。また、第1の電源線
26は、ビアホール94を介して第1の信号配線層12
に実装されたIC96の電源端子96Vに接続されてい
る。
【0165】また、第2の電源線30には、例えば第1
の信号配線層12上に実装される、直流電圧電源34の
供給電圧と異なる電圧を供給する直流電圧電源41のプ
ラス端子がビアホール43を介して接続される。直流電
圧電源41のマイナス端子は、ビアホール45を介して
グランドパターン24に接続される。これにより、第2
の電源線30には、直流電圧電源34から第1の電源線
26に供給される直流電圧Vcc1と異なる直流電圧V
cc2(例えば3.3V)が印加される。また、第2の
電源線30は、ビアホール98を介してIC96の電源
端子100Vに接続されている。また、IC96の複数
の信号端子100Sには、複数の信号配線102が各々
接続されている。
【0166】このように、供給電圧が異なる電源線が異
なるグランド層に各々配線されている。このため、供給
電圧が異なる第1の電源線26と第2の電源線30とを
例えば図5に示すようにIC96が実装される領域にお
いて交差させることができるため、電源配線の自由度を
向上させることができる。
【0167】[第4実施形態]次に、本発明の第4実施
形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態の
変形例であり、第1実施形態と同一部分には同一符号を
付し、その詳細な説明は省略する。
【0168】図6には、本実施形態に係るプリント配線
基板における第1のグランド層14の概略平面図が示さ
れている。図6に示すように、第1のグランド層14
は、グランドパターン24及び第1の電源線26が分離
独立して形成されており、第1の電源線26は、IC9
6の複数の信号端子100Sに接続されたバスを構成す
る複数の信号配線102の第1のグランド層14上にお
ける投影線の各々と交差(直交)している。
【0169】また、ビアホール22は、複数の信号配線
102の第1のグランド層14上における投影線が第1
の電源線26と交差する位置の近傍に複数設けられてい
る。図6では、第1の電源線26を挟んだ両側に、信号
配線2本おきにビアホール22を配置している。このよ
うにビアホール22を配置することにより、信号配線1
02を流れる信号電流に対応するリターン電流の経路を
最短にすることができ、バスによる信号授受の品質を向
上させることができる。
【0170】次に、第1の電源線26を挟んで両側に配
置されるビアホール22の適正な配置位置、すなわち、
ビアホール22からグランドパターン24と第1の電源
線26との間のスリットまでの適正な距離Lについて説
明する。
【0171】第1のグランド層14のグランドパターン
24上を流れるリターン電流は、理想的には信号配線1
02上を流れる信号電流と逆位相となるが、コモンモー
ド電流は逆位相からのずれと共に増大し、半波長ずれて
同位相となったときに最大となる。従って、あらゆる周
波数帯域でコモンモード電流をなくすためには、リター
ン電流の迂回が小さいほどよいと結論づけることができ
る。このため、ビアホール22からグランドパターン2
4と第1の電源線26との間のスリットまでの距離L
は、対象となる信号の波長をλとしてリターン電流の迂
回による位相差が十分小さいといえるλ/10(周波数
が約1GHzの場合は約7mm)程度とすることが好ま
しい。
【0172】本発明者らは、ビアホール22からグラン
ドパターン24と第1の電源線26との間のスリットま
での距離Lが約5mm以内であれば、スリットがない場
合、すなわち第1の電源線26が配線されていない場合
と同様に約1GHz以下の周波数における電磁波放射を
抑制できることを確認した。なお、距離Lが10mmの
場合でも、電磁波放射は約2dB程度の増加であること
を確認した。
【0173】このように、ビアホール22からグランド
パターン24と第1の電源線26との間のスリットまで
の距離Lをλ/10程度にすることにより1GHz程度
の高周波ノイズでも十分に抑制することができる。
【0174】なお、上記実施形態の全ての形態につい
て、直流電位を安定させるのに十分な数及び容量を有す
るコンデンサを電源線に接続することが好ましく、IC
の電源入力端子には、デカップリング用のコンデンサを
接続することが好ましい。また、高速動作するデジタル
ICの電源入力端子と電源線とはフェライトチップイン
ダクタ等のフィルタ素子で高周波的に絶縁し、フィルタ
素子の先で十分にデカップリングすることが好ましい。
【0175】(実施例)次に、本発明の実施例について
説明する。図8には、実験に使用したプリント配線基板
の第1のグランド層14の平面図を示し、図9には、第
1のグランド層14と隣り合う第1の信号配線層12の
平面図を示した。
【0176】このプリント配線基板は、A4サイズであ
り、図9に示すように、第1の信号配線層12には、演
算素子としてのIC36、受信素子としてのIC38,
40,42が実装されている。IC36とIC38,4
0,42は、各々16ビットのバス配線104で接続さ
れている。
【0177】IC38、40、42は、LVCMOSロ
ジックのバッファである。IC36は、周波数が20M
Hzのクロック信号に同期して各バス配線104をLV
CMOSレベルでランダム駆動するものである。ビアホ
ール22は、100mm間隔で多数配置されている。
【0178】また、図8に示すように、IC36,3
8,40,42には、第1の電源線26により直流電圧
が供給される。図8、9に示すように、バス配線104
の一部と第1の電源線26の一部(の投影線)とは交差
している。
【0179】このような構成のプリント配線基板と、従
来構造のプリント配線基板における電磁波放射スペクト
ルの測定結果を図10に示す。
【0180】なお、測定に使用した従来構造のプリント
配線基板は、第1の信号層、電源層、グランド層、及び
第2の信号層の順に積層された4層基板であり、電源層
とグランド層との間に、約20mm間隔で低インダクタ
ンスのチップコンデンサ(容量0.1μF)を接続し、
さらに、基板周辺に前記チップコンデンサと抵抗値が約
5Ωの抵抗とを直列接続したスナバ回路を設けることに
より、対向する電源層とグランド層との間の共振電流に
よる電磁波放射を抑制する構成である。
【0181】図10から明らかなように、図8,9に示
した本発明を適用したプリント配線基板では、周波数が
約500MHz以上の全ての帯域において、従来構造の
プリント配線基板と比較して電磁波放射が低減されてい
るのが判る。
【0182】このように、電源線とバス配線とが交差
し、バス配線を流れる信号電流に対応するリターン電流
が流れるべき経路が途切れてしまう場合でも、ビアホー
ルが等間隔で多数設けられているため、最短経路でリタ
ーン電流を迂回させることができ、高周波の電磁波放射
を抑制することができる。
【0183】また、本発明によれば、プリント配線基板
自体の構造を従来構造のものに対してそれほど変更する
必要がなく、また、従来構造のプリント配線基板で必要
だったコンデンサやスナバ回路等も削減することができ
る。さらに、電源層の端部にガードアースを設ける必要
もない。このため、部品点数を削減することができ、コ
ストを大幅に削減することができると共に、設計の自由
度を大幅に向上させることができる。
【0184】次に、電源線にノイズが発生した場合に、
電源線の形成位置等により電磁波放射ノイズがどのよう
に変化するかをシミュレーションした結果について説明
する。なお、シミュレーション方法としては、FI法(F
inite Integration Method)による電磁界シミュレーシ
ョンを用いた。
【0185】図14〜16には、シミュレーションに用
いたモデル1〜3を示した。図14(A)は、本発明に
係るモデル1の平面図、図14(B)は、図14(A)
の断面図である。モデル1は、電源線26が基板端部か
らグランドパターン24を挟んで内側に形成されたモデ
ル、すなわち電源線26の周囲がグランドパターン24
で囲まれたモデルである。
【0186】図14(A)に示したモデルは、横の長さ
L1が180mm、縦の長さL2が100mmの基板の
第1のグランド層14にグランドパターン24及び電源
線26が形成されている。電源線26の長さL3は10
0mm、幅W1は2mmであり、電源線26とグランド
パターン24との間には、幅W2が0.5mmのスリッ
トが形成されている。
【0187】図14(B)に示すように、第1のグラン
ド層14は絶縁材20を介して第2のグランド層16と
積層されており、第2のグランド層は、全面にグランド
パターンが形成されている。
【0188】なお、第1のグランド層14及び第2のグ
ランド層16の厚さd2は0.035mm、絶縁材の厚
さd3は0.8mm、その比誘電率εは4.7であり、
第1のグランド層14と第2のグランド層16との間は
多数のビアホール22で接続されている。
【0189】図15(A)、(B)には、基板端部から
グランドパターン24を挟まずに電源線26が配置され
たモデル2の平面図及び断面図が示されている。なお、
電源線26が基板端部からグランドパターン24を挟ま
ずに配置されている点を除く他の構成やサイズは図14
と同様である。
【0190】図16には、第1のグランド層14にグラ
ンドパターン24がなく、電源線26のみが配置された
モデル3の平面図が示されている。その他の構成やサイ
ズは図14に示したモデルと同様である。すなわち、グ
ランド層が第2のグランド層16のみのモデルである。
【0191】このようなモデル1〜3について、基板端
部から電源線26までの距離dによって電源線26の端
部にノイズが印加されたときの電磁波放射ノイズ強度を
シミュレーションした結果を図17に示す。なお、電磁
波放射ノイズの周波数は600MHzである。
【0192】図17に示すように、電源線26の周囲が
グランドパターン24で囲まれている場合が最も電磁波
放射ノイズが低いのが判る。また、モデル2のように、
グランドパターン24の1辺が削除された場合は、電磁
波放射ノイズがモデル1と比較して大きくなるが、モデ
ル3のように電源線26の周囲にグランドパターン24
が全く存在しない場合よりは電磁波放射ノイズが小さい
のが判る。すなわち、電源線26をグランド層内に形成
することがノイズ低減上有効であり、更に、電源線26
の周囲全てにグランド領域が形成されていることがノイ
ズ低減上最も有効であることが判った。
【0193】また、電源線26を基板端部に配置した場
合の電磁波放射ノイズの強度と比較して3dB減少させ
るには基板端から約3mm、6dB減少させるには電源
線26を基板端から約5mm離す必要があり、好ましく
は約10mm程度以上離すことにより電磁波放射ノイズ
を効果的に減少させることができる。
【0194】また、図17に示すように、基板端部から
電源線26までの距離dが大きいほど、電磁波放射ノイ
ズが低下するのがわかる。なお、他の周波数についての
シミュレーション結果も同様であった。
【0195】さらに、図18には、モデル1について距
離dを変化させた場合における電源線26の端部にノイ
ズが印加されたときの電磁波放射ノイズのシミュレーシ
ョン結果を示した。図18に示すように、距離dが大き
い程、あらゆる周波数帯域に対して電磁波放射ノイズが
低下するのがわかった。
【0196】[第5実施形態]次に、本発明の第5実施
形態について説明する。本実施形態では、電源線の端部
にスナバ回路を接続した例について説明する。なお、上
記実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な
説明は省略する。
【0197】図19には、本実施形態に係るプリント配
線基板10の概略断面図が示されており、図19(B)
には、第1のグランド層14の平面図が示されている。
なお、図19(A)は、図1(B)のA−A断面図であ
る。
【0198】図19(B)に示すように、電源線26の
終端部とグランドパターン24(又はグランドパターン
28)との間には、コンデンサ130と抵抗132とを
直列接続したスナバ回路134が接続されている。スナ
バ回路134は、第1の信号配線層12又は第2の信号
配線層18に設けられる。同様に、電源線30の終端部
にもスナバ回路134が接続されている。なお、スナバ
回路134グランド側は、ビアホール22によってグラ
ンドパターン24及びグランドパターン28と直結する
ことが好ましい。
【0199】また、スナバ回路134のインピーダンス
は、電源線26、30の特性インピーダンスと整合して
いる。ここで、図19に示すプリント配線基板のよう
に、所謂コプレーナ線路を形成する電源線26とグラン
ドパターン24とが誘電体層である絶縁材20を介して
グランドパターン28と積層された構造の場合の特性イ
ンピーダンスは、Brian C.Wadell "Transmission Line
Design Handbook" ARTECH HOUSE,INC,1991のP79に記
載された方法により求めることができる。.すなわち、
図27に示すように、電源線26の幅をa、一方のグラ
ンドパターン24の電源線26側の端部から他方のグラ
ンドパターンの電源線26側の端部までの距離をb、絶
縁材20の高さをh、絶縁材20の比誘電率をεrとす
ると、特性インピーダンスZ0は次式で表される。
【0200】
【数1】
【0201】ここで、μ0は自由空間における透磁率で
4π×10-7(H/m)、ε0は自由空間における誘電
率で8.854183×10-12(F/m)、η0は自由
空間における特性インピーダンスで120πΩ、εeff
は実効比誘電率、K()は第1種完全楕円積分の関数で
ある。
【0202】このように、電源線の終端部に電源線の特
性インピーダンスと整合するインピーダンスを有するス
ナバ回路を接続することにより、電源線の端部において
反射が繰り返されることにより1次元的共振による電磁
波放射が発生するのを防ぐことができる。
【0203】図20〜22には、電源線26に接続する
スナバ回路134の配置例をイメージ的に示した。
【0204】図20に示すように、第1のグランド層1
4に電源線26が配線されており、その上の第1の信号
配線層12上には、IC36が複数個(図20では12
個)配置されている。電源線26は、基幹電源線26A
と基幹電源線26から分岐された枝電源線26Bとから
なり、各IC36には、枝電源線26Bからビアホール
を介して電源が供給される。
【0205】また、基幹電源線26Aは、基幹電源線2
6Aが各IC36の近傍を通るように、複数本(図20
では3本)に分岐している。これにより、各基幹電源線
26Aから分岐した枝電源線26Bの長さを極力短くす
ることができる。このように、基幹電源線26Aは、各
IC36に電源を供給するための主要な電源線であり、
枝電源線26Bは、基幹電源線26Aよりも短い長さ
で、かつ基幹電源線26Aからの供給される電源をIC
36へ供給するための電源線である。
【0206】そして、分岐された各基幹電源線26Aの
終端には、コンデンサ130及び抵抗132が直列接続
されたスナバ回路134が接続されている。スナバ回路
134は、例えば第1の信号配線層12上に配置され、
スナバ回路134の一端がビアホールを介して基幹電源
線26Aの終端部に接続され、他端がビアホールを介し
てグランドパターン24に接続される。
【0207】このように、分岐した基幹電源線26Aの
終端部にスナバ回路が設けられているため、電源線の終
端部において反射が繰り返されることにより1次元的共
振による電磁波放射が発生するのを防ぐことができる。
【0208】なお、枝電源線26Bは十分に短いため、
その端部からの反射は特に問題ない。
【0209】また、図21に示したように、基幹電源線
26Aを分岐せず、1本の基幹電源線26Aが各IC3
6の近傍を通るように配線してもよい。このように配線
することにより、各IC36に接続される枝電源線26
Bを十分に短くすることができ、スナバ回路134を1
本の基幹電源線26Aの終端部に接続するだけでよいた
め、部品を削減することができる。
【0210】また、図22に示すように、枝電源線26
Bが長くなるような場合には、枝電源線26Bの終端部
にもスナバ回路134を設けることが好ましい。
【0211】次に、従来構造の基板、すなわち電源層と
グランド層とが対向した構造の基板、本発明に係る電源
線がグランド層に配線された構造の基板、本発明に係る
電源線がグランド層に配線された構造の基板で、かつ電
源線の終端部にスナバ回路を設けた場合の基板における
電磁波放射ノイズのシミュレーション結果について説明
する。
【0212】図23、24には、シミュレーションに用
いたモデルの斜視図を示した。図23は、本発明に係る
構造の基板であり、基板サイズは160mm×240m
m、第1のグランド層14、第2のグランド層16が積
層され、第1のグランド層14に電源線26が配線され
た構成である。また、グランド層には20mmピッチで
ビアホール22が形成され、電源線26の途中に駆動点
140が設けられている。なお、図23では図示は省略
したが、駆動点140から4mm離間した位置に容量が
0.1μFのデカップリングコンデンサが配置されてい
る。
【0213】図24は、従来構造の基板であり、基板サ
イズは160mm×240mm、電源層142とグラン
ド層144とが対向した構造であり、全面に所定間隔で
デカップリングコンデンサ146が設けられている。ま
た、図23と同様の位置に駆動点140が設けられてい
る。
【0214】このようなモデルにおける電磁波放射ノイ
ズのシミュレーション結果を図25に示す。
【0215】図25には、図24に示した従来構造の基
板、図23に示した本発明に係る電源線26が第1のグ
ランド層14に配線された構造の基板、図23に示した
本発明に係る電源線26が第1のグランド層14に配線
された構造の基板で、かつ電源線26の終端部26Eに
スナバ回路を設けた場合の基板の電磁波放射ノイズのシ
ミュレーション結果を示した。
【0216】図25に示すように、電源線を配線化する
ことにより、従来構造の基板と比較して電磁波放射を抑
制することができることが判る。また、電源線にスナバ
回路を設けない場合には、電源線の共振に基づく電磁波
放射の所定周波数における放射ピークが残るが、電源線
の終端部にスナバ回路を設けることにより、あらゆる周
波数帯域に対して放射ピークを抑制することができるこ
とが判った。
【0217】次に、図23に示した構造の基板で、電源
線26の途中から分岐したスタブ(枝電源線)27があ
る場合において、このスタブ27の終端部27Eにスナ
バ回路を設けた場合と設けなかった場合における電磁波
放射ノイズのシミュレーション結果を図26に示す。な
お、スタブの長さは130mmである。
【0218】図26に示すように、スタブにスナバ回路
を設けなかった場合には、特定周波数(約800MH
z)において放射ピークが存在するが、スタブにスナバ
回路を設けることにより、放射ピークを抑制することが
できることが判った。
【0219】なお、上記実施形態では、第1の信号配線
層12、第1のグランド層14、第2のグランド層1
6、及び第2の信号配線層18が積層された4層基板の
場合を例に説明したが、これに限らず、信号配線が第1
のグランド層及び第2のグランド層に形成された2層基
板の場合にも本発明を適用可能である。
【0220】[第6実施形態]次に、本発明の第6実施
形態について説明する。本実施形態では、電源線の配線
幅について説明する。なお、上記実施形態と同一部分に
は同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0221】電源線の配線幅は、例えば電流容量、すな
わち発熱量から決定され、ジュール熱による温度上昇に
基づいて決定される。しかしながら、これは放熱体の形
状や周囲の気体の流れによって変化するため、実際は構
造だけで単純には決まらず、使用条件等に大きく依存す
る。
【0222】また、上記実施形態で説明したような、高
速なデジタル回路に採用されることを想定した2つの信
号配線層の間に2つのグランド層が挟まれた構造につい
ては、電源線の直流抵抗成分による電圧低下を考慮する
必要がある。
【0223】従って、上記実施形態で説明したような電
源線が複数方向に分岐し、それぞれの分岐先にIC等の
デバイスが接続される構成においては、電源線の長さが
長くなり、デバイスが同時に最大電流で動作した場合に
は、十分に電源を供給できない恐れがある。
【0224】このため、本実施形態では、例えば図28
に示すように、基幹電源線26Aから分岐した枝電源線
26Bに接続され、電源入力端Vから電源供給されるI
C361〜365の最大電流値Imax1〜Imax5に
基づいて、電源線、すなわち基幹電源線26A及び枝電
源線26Bの最低限必要とされる幅を設定する。なお、
この最低限必要とされる幅以上の幅であればよいのであ
るが、実装密度等との関係から、不必要に大きい幅とな
らないようにすることが好ましい。
【0225】具体的には、図28に示すように、まず電
源線を基幹電源線26Aと枝電源線26Bとの交点であ
るノードn1〜n4で分割したセグメントS1〜S9を流
れる可能性のある最大の電流値を計算する。これは、換
言すれば、ノードn1〜n4に流れ込む可能性のある最大
の電流値を計算することと同様である。
【0226】例えば、セグメントS9は、IC365
最大電流値であるImax5の電流が流れる可能性があ
り、同様にセグメントS8は、IC364の最大電流値
であるImax4の電流が流れる可能性がある。従っ
て、セグメントS7には、Imax5+Imax4の電
流値が流れる可能性がある。換言すれば、ノードn4
は、Imax5+Imax4の電流値が流れる可能性が
ある。このようにして、各セグメントに流れる可能性の
ある最大の電流値を計算する。
【0227】そして、計算した電流値の中で最大の電流
値の電流を電源線に流した場合に、電源線の温度上昇が
所定値以下となり、かつ各ノード間の電位差が所定値以
下となるような電源線の幅が決定され、これが最低限必
要な電源線の幅として設定される。
【0228】具体的には、例えば、電源線の幅と、この
幅の電源線に流すことが可能な電流値との予め定めた対
応関係から、計算した電流値のうち最大の電流値に対応
した幅を求めることにより設定される。
【0229】このように、各セグメント、すなわち各ノ
ードに流れ込む電流の最大の電流値に対応した幅に電源
線の幅を設定することにより、各ICに安定して電源を
供給することができると共に、電磁波放射を効果的に抑
制することができる。
【0230】[第7実施形態]次に、本発明の第7実施
形態について説明する。本実施形態では、電源線の長さ
の設定について説明する。なお、上記実施形態と同一部
分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0231】本実施形態では、図29に示すように、基
幹電源線26Aから分岐した第1の枝電源線26B1
長さをL1、IC36が接続された第2の枝電源線26
2の端部(IC36との接続部分)から第1の枝電源
線26B1の基幹電源線26Aと接続されていない方の
端部までの長さをL2とした場合に、L1とL2とが電
磁波放射を抑制することができる所定関係となるように
L1及びL2を設定する。
【0232】図29に示すような構成では、図30に示
すように、第2の枝電源線26B2のIC36側の端部
(図中A点)及び第1の枝電源線26B1の基幹電源線2
6A側の端部(図中B点)が電圧分布の節となり、第1
の枝電源線26B1の基幹電源線26Aと反対側の端部
(図中C点)が電圧分布の腹となる場合に共振し、電磁
波放射が発生する。
【0233】すなわち、L1及びL2が、対象となる電
磁波放射周波数の波長λの所定倍(例えば1/4)の波
長λtの奇数倍となる場合、すなわち、L1=n×λ
t、L2=m×λt(n,m=1,3,5,…、n<
m)となるような場合には、共振により電磁波放射が発
生しやすくなる。一方、これ以外の場合には、共振電流
がうち消し合うため、電磁波放射を抑制することができ
る。
【0234】例えば、図30(A)に示すように、L1
が、波長λの1/4の1倍の長さであり、かつL2が、
λ/4の3倍の長さとなる場合や、図30(B)に示す
ように、L1が、λ/4の3倍の長さであり、かつL2
が、λ/4の5倍の長さとなるような場合には、共振に
より電磁波放射が発生しやすくなる。
【0235】ここで、本発明者らは、実際は、波長λ、
プリント配線基板のサイズや損失等によりn,mの上限
は制限され、9次以上の高次の共振を考慮する必要がな
いことを確認した。このため、本実施形態では、nが1
〜5の奇数で且つmが3〜5の奇数とならないようにL
1及びL2を設定する。
【0236】このように、L2がL1を奇数値n(n=
1、3、5)で割った長さの奇数値m倍(m=3、5、
7;m>n)となる長さを除く寸法となるようにL1及
びL2を設定する、すなわち、L2=(m/n)×L1
とならないようにL1及びL2を設定することにより、
効果的に電磁波放射を抑制することができる。
【0237】ところで、電源線上にキャパシタンスが存
在する場合には、電源線上のキャパシタンスをC、電源
線のインピーダンスをZ0とした場合に、次式による遅
延時間tdが生じる。
【0238】td=0.7×C×Z0/2 …(8) これは、電源線の長さが、Ld=c×td(cは伝搬速
度)の長さ分だけさらに長くなったことに相当する。こ
こで、伝搬速度cは、単位長さ当たりの電源線のインダ
クタンスをLt、単位長さ当たりの電源線のキャパシタ
ンスをCtとした場合に、c=1/(Lt×Lc)1/2
で表される。
【0239】そこで、例えば基幹電源線26A又は枝電
源線26B2上にキャパシタンスがある場合にはL2に
dを加え、枝電源線26B1上にキャパシタンスが存在
する場合には、L1及びL2のそれぞれにLdを加え
て、それぞれの長さを設定する。これにより、より高い
精度で電磁波放射を抑制することができる。
【0240】[第8実施形態]次に、本発明の第8実施
形態について説明する。本実施形態では、プリント配線
基板の設計支援装置について説明する。なお、上記実施
形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は
省略する。
【0241】図31には、本実施形態に係るプリント配
線基板の設計支援装置150の概略構成を示した。
【0242】設計支援装置150は、プリント配線基板
の設計データであるCADデータに基づいてプリント配
線基板の構造等を表示し、設計者によるプリント配線基
板の設計の支援を行うためコンピュータである。
【0243】図31に示すように、設計支援装置150
は、CPU150A、ROM150B、RAM150
C、入出力ポート(I/O)150Dを備え、これらは
アドレスバス、データバス、制御バス等のバスを介して
互いに接続されている。
【0244】入出力ポート150Dには、各種の入出力
機器として、ポインティング・デバイスであるマウス1
50F、キーボード150G、CRTやLCDから成る
ディスプレイ150H、記憶媒体に対してデータやコマ
ンドの読み出し及び書き出しの少なくとも一方を行う記
録装置(R/W)150J、後述する処理プログラムや
CADデータ等のデータを記憶するハードディスク装置
等の記憶装置150Kが各々接続されている。
【0245】また、入出力ポート150Dには、各種処
理結果等を記録用紙に印刷するためのプリンタ156が
接続されている。
【0246】記憶装置150Kには、後述する処理ルー
チン等の処理プログラムを記憶したファイル152、C
ADデータ14が記憶されている。
【0247】CADデータ14は、プリント配線基板の
設計データであり、例えば各部の形状データ(例えば2
次元又は3次元の座標データ)や、属性データ(例えば
部品、部材等のデータ)を含んで構成される。このCA
Dデータ14から、例えばグランド領域を抽出したり、
信号配線や電源線の配線パターン、ビアホールの配置位
置等を知ることができる。
【0248】上記記録装置150Jには、記録媒体とし
てのフレキシブルディスクが挿抜可能なフレキシブルデ
ィスクユニット(FDU)がある。なお、後述する処理
ルーチン等は、FDUを用いてフレキシブルディスクに
対して読み書き可能である。従って、後述する処理ルー
チンは、ROM150Bに記憶することなく、予めフレ
キシブルディスクに記録しておき、FDUを介してフレ
キシブルディスクに記録された処理プログラムを実行し
てもよい。
【0249】本実施の形態では、設計支援装置150に
装備したハードディスク装置等の大容量の記憶装置15
0Kに、フレキシブルディスク等の記憶媒体に記録され
た処理プログラムを格納(インストール)して該当する
処理を実行する。なお、記録媒体としては、CD−RO
M,MD,MO,DVD等のディスクやDAT等の磁気
テープがあり、これらを用いるときには、上記FDUに
代えてまたはさらにCD−ROM装置、MD装置、MO
装置、DVD装置、DAT装置等を用いればよい。
【0250】なお、CPU150Aは本発明の検出手段
及び設定手段に相当し、ディスプレイ150Hは本発明
の報知手段に相当し、記憶装置150Kは本発明の記憶
手段に相当する。
【0251】設計支援装置150は、記憶装置150K
に記憶されたCADデータ154に基づいて、第1のグ
ランド層14にビアホール22が所定密度で設けられて
いるか否かを検出し、所定密度で設けられていない場合
には、その旨を報知する。所定密度でビアホール22が
設けられているか否かは、図32に示すように、評価エ
リア200を設定し、評価エリア200内に予め定めた
所定数以上ビアホール22が存在しているか否かを検出
することにより行う。
【0252】この評価エリア200を順次移動させて上
記の検出を行うことにより、第1のグランド層14の全
エリアについての検出を行う。評価エリア200の移動
は、予め第1のグランド層14を縦横に複数のエリアに
分割し、これを順次移動させるようする。例えば、左側
から右側へ向けて且つ上側から下側へ向けて評価エリア
200を順次移動させる。また、このとき、移動前の評
価エリアと移動後の評価エリアとが一部重複するように
移動させてもよい。例えば、評価エリア200の移動量
が、左右方向の移動の場合には評価エリア200の横方
向の長さ以下となるように、上下方向に移動する場合に
は評価エリアの縦方向の長さ以下となるように移動させ
てもよい。これにより、精度よくビアホール22の検出
を行うことができる。
【0253】次に、本実施形態の作用として、CPU1
50Aにおいて実行される処理プログラムについて、図
33に示すフローチャートを参照して説明する。
【0254】まず、ステップ300において、評価エリ
ア200を設定する。最初は、例えば第1のグランド層
14の左上に設定する。
【0255】そして、次のステップ302では、CAD
データ154に基づいて、評価エリア200内に含まれ
るビアホール22のビア数NGを求める。
【0256】次に、ステップ304において、求めたビ
ア数NGが予め定めた所定数(閾値)NGmin以上である
か否か、すなわち、ビアホール22が予め定めた所定密
度以上で存在するか否かが判断される。そして、求めた
ビア数NGが予め定めた所定数NGmin以上であった場合
には、ステップ304の判断が肯定され、ステップ30
6へ移行する。
【0257】一方、求めたビア数NGが予め定めた所定
数NGmin未満であった場合には、ステップ304の判断
が否定され、ステップ308へ移行する。
【0258】ステップ308では、評価エリア200内
に、ビアホール22が最低限必要とされる所定数NGmin
以上存在しないことをディスプレイ150Hに表示させ
る。例えば、図32に示すような画面をディスプレイ1
50Hに表示させ、評価エリア200の枠の色を変更す
ること等により、エラーであることが容易に確認するこ
とができるようにする。表示が終了した後は、ステップ
306へ移行する。なお、ビアホール22の数に応じ
て、「禁止」、「警告」などと段階的なエラー表示とし
てもよい。このように、エラーの程度に応じて段階的な
エラー表示を行う点については、以下の実施形態の全て
について行うことができる。
【0259】ステップ306では、全エリアにおいてビ
ア数NGの検出が終了したか否かが判断される。そし
て、全エリアにおいてビア数NGの検出が終了していな
い場合には、ステップ306の判断が否定され、ステッ
プ300へ戻り、評価エリアを予め定めた順序に従って
移動させ、上記と同様の処理を繰り返す。一方、全エリ
アにおいてビア数NGの検出が終了した場合には、ステ
ップ306の判断が肯定され、本ルーチンを終了する。
【0260】このように、本実施形態では、第1のグラ
ンド層14にビアホール22が所定密度で設けられてい
るか否かを検出し、設けられていない場合には、その旨
を表示するので、設計者は第1のグランド層14にビア
ホール22が所定密度で設けられていないことを容易に
確認することができる。従って、第1のグランド層14
にビアホール22が所定密度で設けられていないような
設計にしてしまうのを防ぐことができ、電磁波放射の少
ないプリント配線基板を設計することができる。
【0261】なお、本実施形態では、第1のグランド層
14にビアホール22が所定密度で存在するか否かを検
出するようにしたが、これに限らず、隣接するビアホー
ル22の間隔が予め定めた所定距離以下であるか否かを
検出するようにしてもよい。
【0262】また、第1のグランド層14にビアホール
22が所定密度で存在しない場合に、その旨をディスプ
レイ150Hに表示するようにしたが、これに限らず、
プリンタ156により記録用紙に印刷させるようにして
もよいし、記録装置150Jにより記録媒体に記録させ
るようにしてもよい。
【0263】[第9実施形態]次に、本発明の第9実施
形態について説明する。本実施形態では、プリント配線
基板の設計支援装置について説明する。なお、上記実施
形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は
省略する。
【0264】本実施形態では、設計支援装置150は、
図34に示すように、第1のグランド層14に形成され
た電源線26と第1の信号配線層12に形成された信号
配線80の第1のグランド層14上における投影線15
8とが交差する場合に、その交点Oから予め定めた所定
範囲内、すなわち交点Oから距離eCmax以内にビアホー
ル22が存在するか否かを、記憶装置150Kに記憶さ
れたCADデータ154に基づいて検出する。
【0265】そして、電源線26と投影線158との交
点Oから所定範囲内にビアホール22が存在しない場合
には、その旨を報知する。
【0266】次に、本実施形態の作用として、CPU1
50Aにおいて実行される処理プログラムについて、図
35に示すフローチャートを参照して説明する。
【0267】まず、ステップ310において、図34に
示すように、CADデータ154に基づいて、電源線2
6と投影線158との交点Oを設定する。
【0268】次に、ステップ312において、CADデ
ータ154に基づいて交点Oから距離eCmax以内にビア
ホール22が2個以上存在するか否かを検出する。そし
て、交点Oから距離eCmax以内にビアホール22が2個
以上存在する場合には、ステップ312の判断が肯定さ
れ、ステップ314へ移行する。一方、交点Oから距離
Cmax以内にビアホール22が2個以上存在しない場合
には、ステップ312の判断が否定され、ステップ31
8へ移行する。
【0269】ステップ318では、交点Oから距離e
Cmax以内にビアホール22が2個以上存在しないことを
ディスプレイ150Hに表示させる。これにより、設計
者は、容易に交点Oから距離eCmax以内にビアホール2
2が2個以上存在しないこと、すなわち信号配線80の
リターン経路を確保できないことを確認することができ
る。
【0270】ステップ314では、CADデータ154
に基づいて、ビアホール22が電源線26を挟んで両側
にあるか否かを判断する。そして、ビアホール22が電
源線26を挟んで両側にある場合には、ステップ314
の判断が肯定され、ステップ316へ移行する。一方、
ビアホール22が電源線26を挟んで両側にない場合に
は、ステップ314の判断が否定され、ステップ320
へ移行する。
【0271】ステップ320では、ビアホール22が電
源線26を挟んで両側にないことをディスプレイ150
Hに表示させる。これにより、設計者は、ビアホール2
2が電源線26を挟んで両側にないこと、すなわち信号
配線80のリターン経路を確保できないことを容易に確
認することができる。このため、ビアホール22が電源
線26を挟んで両側にない設計にしてしまうのを防ぐこ
とができる。
【0272】ステップ316では、ビアホール22が、
投影線158を挟んで両側に存在するか否かを判断す
る。そして、ビアホール22が、投影線158を挟んで
両側に存在する場合には、ステップ316の判断が肯定
され、本ルーチンを終了する。一方、ビアホール22が
投影線158を挟んで両側に存在しない場合には、ステ
ップ316の判断が否定され、ステップ322へ移行す
る。
【0273】ステップ322では、ビアホール22が投
影線158を挟んで両側に存在しないことをディスプレ
イ150Hに表示させる。これにより、設計者は、容易
にビアホール22が投影線158を挟んで両側に存在し
ないことを確認することができる。
【0274】なお、ビアホール22が投影線158を挟
んで両側に存在しない場合でも、リターン経路を確保す
ることはできるため、ステップ316及びステップ32
2の処理は省略してもよいが、ビアホール22が投影線
158を挟んで両側に存在する場合の方が、片側にしか
ビアホール22がない場合と比較して、リターン電流に
よる相殺効果が増加するため、ステップ316及びステ
ップ322の処理を行うことがより好ましい。
【0275】また、上記の処理は、プリント配線基板に
存在する全ての電源線及び信号配線について行う。
【0276】また、上記では、交点Oから所定距離e
Cmax以内にビアホール22が2個以上存在するか否かを
検出する場合について説明したが、これに限らず、図3
4に示すように、投影線158から、投影線158と直
交する方向における予め定めた所定距離eL内にビアホ
ール22が存在するか否か、及び交点Oを含む電源線2
6の周囲に存在するグランドパターン24の内縁部から
投影線158と平行な方向における予め定めた所定距離
S内にビアホール22が存在するか否かの少なくとも
一方を検出するようにしてもよい。
【0277】[第10実施形態]次に、本発明の第10
実施形態について説明する。本実施形態では、プリント
配線基板の設計支援装置について説明する。なお、上記
実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説
明は省略する。
【0278】第1のグランド層14に形成された電源線
26と第1の信号配線層12に形成された信号配線80
の第1のグランド層14上における投影線158とが近
づきすぎる場合、リターン電流に悪影響を及ぼす場合が
ある。
【0279】そこで、本実施形態では、設計支援装置1
50は、電源線26と投影線158とが近づきすぎてい
ないか否かを検出する。すなわち、図36に示すよう
に、投影線158が予め定めた警告領域HW内に存在す
るか否か、すなわち投影線158が所定距離Hmin以上
離れていないか否かを検出し、投影線158が警告領域
W内に存在する場合には、その存在する部分の長さLW
をCADデータ154に基づいて検出する。
【0280】そして、長さLWが予め定めた長さLWmax
を越えている場合には、その旨を報知する。
【0281】次に、本実施形態の作用として、CPU1
50Aにおいて実行される処理プログラムについて、図
37に示すフローチャートを参照して説明する。
【0282】まず、ステップ330において、図36に
示すように、電源線26の両端部から予め定めた所定距
離Hmin以内の範囲を警告領域HWとして設定する。
【0283】次に、ステップ332において、CADデ
ータ154に基づいて、投影線158の一部又は全部が
警告域HW内に存在するか否かを検出する。そして、投
影線158の一部又は全部が警告域HW内に存在しない
場合には、ステップ332の判断が肯定され、本ルーチ
ンを終了する。
【0284】一方、投影線158の一部又は全部が警告
域HW内に存在する場合には、ステップ332の判断が
肯定され、ステップ334へ移行する。
【0285】ステップ334では、警告域HW内に存在
する投影線158の長さLWをCADデータ154に基
づいて検出する。そして、次のステップ336におい
て、警告域HW内に存在する投影線158の長さLWが予
め定めた所定の長さLWmax以下であるか否かを判断す
る。
【0286】そして、警告域HW内に存在する投影線1
58の長さLWが予め定めた所定の長さLWmax以下であ
る場合には、ステップ336の判断が肯定され、本ルー
チンを終了する。一方、警告域HW内に存在する投影線
158の長さLWが予め定めた所定の長さLWmax以下で
ない場合には、ステップ336の判断が否定され、ステ
ップ338へ移行する。
【0287】ステップ338では、警告域HW内に存在
する投影線158の長さLWが予め定めた所定の長さL
Wmax以下でないことをディスプレイ150Hに表示させ
る。これにより、設計者は、警告域HW内に存在する投
影線158の長さLWが予め定めた所定の長さLWmax
下でないこと、すなわちリターン電流に悪影響を及ぼす
可能性があることを容易に確認することができ、警告域
W内に存在する投影線158の長さLWが予め定めた所
定の長さLWmaxを越えた長さに設計してしまうのを防ぐ
ことができる。
【0288】なお、上記の処理は、プリント配線基板に
存在する全ての電源線及び信号配線について行う。
【0289】また、警告域HW内に存在する投影線15
8の長さLWが予め定めた所定の長さLWmax以下でない
場合には、図34に示すように、投影線158と電源線
26とが交差するような設計として、ビアホール22を
電源線26を挟んで両側に設ける方が警告域HW内に存
在する投影線158の長さLWを短くすることができ
る。このため、このような設計にすることをアドバイス
情報としてディスプレイ150Hに表示させるようにし
てもよい。
【0290】[第11実施形態]次に、本発明の第11
実施形態について説明する。本実施形態では、プリント
配線基板の設計支援装置について説明する。なお、上記
実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説
明は省略する。
【0291】第1のグランド層14に形成された電源線
26と第2のグランド層16に形成された電源線30の
第1のグランド層14上における投影線とが近づきすぎ
る場合、グランド領域が不安定となる場合がある。
【0292】そこで、本実施形態では、設計支援装置1
50は、電源線26と電源線30の第1のグランド層1
4上における投影線とが近づきすぎていないか否かを検
出する。例えば、図38(A)に示すような第1のグラ
ンド層14の電源線26を形成するための開口部160
と、図38(B)に示すような第2のグランド層16の
電源線30を形成するための開口部の第1のグランド層
14上における投影開口部162とを重ね合わせた場合
において、図38(C)に示すように、開口部160と
投影開口部162とが平行となる部分における開口部1
60と投影開口部162との距離WgをCADデータ1
54に基づいて検出する。
【0293】そして、距離Wgが予め定めた距離Wgmin
以上でない場合には、その旨を報知する。
【0294】次に、本実施形態の作用として、CPU1
50Aにおいて実行される処理プログラムについて、図
39に示すフローチャートを参照して説明する。
【0295】まず、ステップ340において、開口部1
60又は投影開口部162によって形成される積算開口
領域164をCADデータ154に基づいて検出する。
すなわち、積算開口領域164は、開口部160と投影
開口部162との論理和を取った領域となる。
【0296】次に、ステップ342において、積算開口
領域164のうち、図38(C)に示すように、開口部
160と投影開口部162とが略平行となる箇所におい
て、開口部160と投影開口部162との距離WgをC
ADデータ154に基づいて検出する。
【0297】そして、ステップ344において、開口部
160と投影開口部162との距離Wgが予め定めた距
離Wgmin以上であるか否かを判断する。そして、距離W
gが予め定めた距離Wgmin以上である場合には、ステッ
プ344の判断が肯定され、本ルーチンを終了する。
【0298】一方、開口部160と投影開口部162と
の距離Wgが予め定めた距離Wgmin以上でない場合に
は、ステップ344の判断が否定され、ステップ346
へ移行する。
【0299】ステップ346では、開口部160と投影
開口部162との距離Wgが予め定めた距離Wgmin以上
でないことをディスプレイ150Hに表示させる。これ
により、設計者は、開口部160と投影開口部162と
の距離Wgが予め定めた距離Wgmin以上でないこと、す
なわち電源線26と電源線30とが近づきすぎており、
グランド領域が不安定になる恐れがあることを容易に確
認することができ、電源線26と電源線30とが近づき
すぎる設計となるのを防ぐことができる。
【0300】[第12実施形態]次に、本発明の第12
実施形態について説明する。本実施形態では、第11実
施形態の他の形態について説明する。なお、上記実施形
態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省
略する。
【0301】本実施形態では、設計支援装置150は、
電源線26と電源線30の第1のグランド層14上にお
ける投影線とが近づきすぎていないか否かを検出する方
法として、図38(C)に示すように、開口部160と
投影開口部162とが重なり合う重複開口領域166を
検出し、この重複開口領域166の長さlhをCADデ
ータ154に基づいて検出する。
【0302】そして、重複領域166の長さlhが予め
定めた長さlhmax以下でない場合には、その旨を報知す
る。
【0303】次に、本実施形態の作用として、CPU1
50Aにおいて実行される処理プログラムについて、図
41に示すフローチャートを参照して説明する。
【0304】まず、ステップ350において、開口部1
60又は投影開口部162によって形成される重複開口
領域164をCADデータ154に基づいて検出する。
すなわち、重複開口領域164は、開口部160と投影
開口部162との論理積を取った領域となる。
【0305】次に、ステップ352において、重複開口
領域166の長さlhをCADデータ154に基づいて
検出する。
【0306】そして、ステップ354において、重複開
口領域166の長さlhが予め定めた長さlhmax以下で
あるか否かを判断する。そして、重複開口領域166の
長さlhが予め定めた長さlhmax以下の場合には、ステ
ップ354の判断が肯定され、ステップ356へ移行す
る。
【0307】一方、重複開口領域166の長さlhが予
め定めた長さlhmax以下でない場合には、ステップ35
4の判断が否定され、ステップ360へ移行する。
【0308】ステップ360では、重複開口領域166
の長さlhが予め定めた長さlhmax以下でないことをデ
ィスプレイ150Hに表示させる。これにより、設計者
は、重複開口領域166の長さlhが予め定めた長さl
hmax以下でないこと、すなわち電源線26と電源線30
とが近づきすぎており、グランド領域が不安定になる恐
れがあることを容易に確認することができ、電源線26
と電源線30とが近づきすぎる設計となるのを防ぐこと
ができる。
【0309】ステップ356では、重複開口領域166
の全面積ShをCADデータ154に基づいて算出す
る。
【0310】そして、ステップ358において、重複開
口領域166の全面積Shが予め定めた面積Shmax以下
であるか否かを判断する。重複開口領域166の全面積
hが予め定めた面積Shmax以下の場合には、ステップ
358の判断が肯定され、本ルーチンを終了する。
【0311】一方、重複開口領域166の全面積Sh
予め定めた面積Shmax以下でない場合には、ステップ3
58の判断が否定され、ステップ362へ移行する。
【0312】ステップ362では、重複開口領域166
の全面積Shが予め定めた面積Shma x以下でないことを
ディスプレイ150Hに表示させる。これにより、設計
者は、重複開口領域166の全面積Shが予め定めた面
積Shmax以下でないこと、すなわち電源線26と電源線
30とが近づきすぎており、グランド領域が不安定にな
る恐れがあることを容易に確認することができ、電源線
26と電源線30とが近づきすぎる設計となるのを防ぐ
ことができる。
【0313】[第13実施形態]次に、本発明の第13
実施形態について説明する。本実施形態では、プリント
配線基板の設計支援装置について説明する。なお、上記
実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説
明は省略する。
【0314】本実施形態では、設計支援装置150は、
電源線26の周囲全てに亘ってグランドパターン24が
存在するか否か等を検出する。例えば、図42に示すよ
うに、電源線26の幅Wが予め定めた範囲内あるか否
か、電源線26とグランドパターン24との間のスリッ
ト幅Sが予め定めた範囲内にあるか否か、グランドパタ
ーン24の端部から電源線26までの距離eが予め定め
た距離emin以上あるか否かをCADデータ154に基
づいて検出する。
【0315】そして、電源線26の幅Wが予め定めた範
囲内にない場合、電源線26とグランドパターン24と
の間のスリット幅Sが予め定めた範囲内にない場合、グ
ランドパターン24の端部から電源線26までの距離e
が予め定めた距離emin以上ない場合には、その旨を報
知する。
【0316】次に、本実施形態の作用として、CPU1
50Aにおいて実行される処理プログラムについて、図
43に示すフローチャートを参照して説明する。
【0317】まず、ステップ370において、電源線2
6の幅をチェックするチェック位置168を設定する。
次に、ステップ372において、電源線26について、
図44に示す電源線幅Wの算出処理を行う。
【0318】図44に示す電源線幅Wの算出処理では、
まずステップ400において、設定されたチェック位置
168における電源線幅W0をCADデータ154に基
づいて算出する。
【0319】そして、次のステップ402において、チ
ェック位置168における電源線26の電源線幅W0
において、不連続な領域が存在するか否かをCADデー
タ154に基づいて判断する。すなわち、例えば図45
(A)に示すように、電源線26にクリアランス(孔)
170が存在するか否かを判断する。このクリアランス
170は、例えばICのピンやコネクタの取り付け孔等
のために設けられる。このような場合、電源線26の電
源線幅は、図45(B)に示すように、その幅が細くな
ったのと等価とすることができる。
【0320】このため、チェック位置168における電
源線26の電源線幅W0内において、不連続な領域が存
在する場合、すなわちチェック位置168における電源
線26にクリアランス170が存在する場合には、ステ
ップ402の判断が否定され、ステップ406へ移行す
る。
【0321】ステップ406では、算出した電源線幅W
0から例えばクリアランス170の直径αを減算し、こ
れを電源線幅Wとして設定する。
【0322】一方、電源線26にクリアランス170が
存在しない場合には、ステップ402の判断が肯定さ
れ、ステップ404へ移行する。ステップ404では、
電源線幅W0を電源線幅Wとして設定し、本ルーチンを
終了する。
【0323】このように電源線幅Wを算出するので、電
源線26にクリアランス170を設ける場合には、図4
5(C)に示すような設計とする必要がある。このよう
な設計とすることにより、電源線26にクリアランス1
70が存在する場合でも安定した電源供給を行うことが
できる。
【0324】そして、電源線幅Wの算出が終了すると、
図43のステップ374において、電源線幅Wが予め定
めた最小幅Wmin以上で、かつ予め定めた最大幅Wmax
下であるか否かが判断される。電源線幅Wが最小幅W
min以上で、かつ最大幅Wmax以下である場合には、ステ
ップ374の判断が肯定され、ステップ376へ移行す
る。
【0325】一方、電源線幅Wが最小幅Wmin以上で、
かつ最大幅Wmax以下でない場合には、ステップ374
の判断が否定され、ステップ386へ移行する。
【0326】ステップ386では、電源線幅Wが最小幅
min以上で、かつ最大幅Wmax以下でないことをディス
プレイ150Hに表示させる。これにより、設計者は、
電源線幅Wが最小幅Wmin以上で、かつ最大幅Wmax以下
でないこと、すなわち安定した電源供給を行うことがで
きない恐れがあることを容易に確認することができ、電
源線幅Wが細すぎる又は不必要に太すぎる設計となるの
を防ぐことができる。
【0327】ステップ376では、チェック位置168
のスリットを挟んで対向する位置がグランドパターンで
あるか否かをCADデータ154に基づいて検出する。
そして、チェック位置168のスリットを挟んで対向す
る位置がグランドパターンである場合には、ステップ3
76の判断が肯定され、ステップ378へ移行する。一
方、チェック位置168のスリットを挟んで対向する位
置がグランドパターンでない場合には、ステップ376
の判断が否定され、ステップ388へ移行する。
【0328】ステップ388では、チェック位置168
のスリットを挟んで対向する位置がグランドパターンで
ないことをディスプレイ150Hに表示させる。これに
より、設計者は、チェック位置168のスリットを挟ん
で対向する位置がグランドパターンでないこと、すなわ
ち電源線26の周囲にグランドパターンがない領域が存
在し、電磁波放射を効果的に抑制することができない恐
れがあることを容易に確認することができ、電源線26
の周囲にグランドパターンがない領域が存在するような
設計となるのを防ぐことができる。
【0329】ステップ378では、電源線26とグラン
ドパターン24との間のスリットのスリット幅SをCA
Dデータ154に基づいて算出する。
【0330】次に、ステップ380において、スリット
幅Sが予め定めた最小幅Smin以上で、かつ予め定めた
最大幅Smax以下であるか否かが判断される。そして、
スリット幅Sが最小幅Smin以上で、かつ最大幅Smax
下である場合には、ステップ380の判断が肯定され、
ステップ382へ移行する。
【0331】一方、スリット幅Sが最小幅Smin以上
で、かつ最大幅Smax以下でない場合には、ステップ3
80の判断が否定され、ステップ390へ移行する。
【0332】ステップ390では、スリット幅Sが最小
幅Smin以上で、かつ最大幅Smax以下でないことをディ
スプレイ150Hに表示させる。これにより、設計者
は、スリット幅Sが最小幅Smin以上で、かつ最大幅S
max以下でないこと、すなわち効果的のい電磁波放射を
抑制することができない恐れがあることを容易に確認す
ることができ、スリット幅Sが細すぎる又は太すぎる設
計となるのを防ぐことができる。
【0333】ステップ390では、チェック位置168
のスリットを挟んだ対向位置から、電源線の幅方向にお
けるグランドパターン24の端部までの距離eをCAD
データ154に基づいて算出する。
【0334】次に、ステップ384において、算出した
距離eが予め定めた最小距離emin以上であるか否かを
判断する。そして、距離eが予め定めた最小距離emin
以上である場合には、ステップ384の判断が肯定さ
れ、ステップ385へ移行する。一方、算出した距離e
が予め定めた最小距離emin以上でない場合には、ステ
ップ384の判断が否定され、ステップ392へ移行す
る。
【0335】ステップ392では、距離eが予め定めた
最小距離emin以上でないことをディスプレイ150H
に表示させる。これにより、設計者は、距離eが予め定
めた最小距離emin以上でないこと、すなわち電源線2
6から基板端部までの距離が短く、電磁波放射を効果的
に抑制することができない恐れがあることを容易に確認
することができ、電源線26から基板端部までの距離が
短くなるような設計となるのを防ぐことができる。
【0336】ステップ385では、チェック位置168
が電源線26の周囲を1周したか否かが判断される。そ
して、チェック位置168が電源線26の周囲を1周し
た場合には、ステップ385の判断が肯定され、本ルー
チンを終了する。一方、チェック位置168が電源線2
6の周囲を1周していない場合には、ステップ385の
判断が否定され、ステップ370へ戻って、チェック位
置168を例えば図42において矢印方向に所定距離移
動させ、上記と同様の処理を繰り返す。なお、上記の処
理は、プリント配線基板に存在する全ての電源線につい
て行う。
【0337】このように、電源線26の幅Wが予め定め
た範囲内あるか否か、電源線26の周囲にグランドパタ
ーンが存在するか否か、電源線26とグランドパターン
24との間のスリット幅Sが予め定めた範囲内にあるか
否か、グランドパターン24の端部から電源線26まで
の距離eが予め定めた距離emin以上あるか否か等を検
出して警告するため、安定的に電源を供給できると共に
電磁波放射を抑えることができるプリント配線基板を容
易に設計することができる。
【0338】[第14実施形態]次に、本発明の第14
実施形態について説明する。本実施形態では、プリント
配線基板の設計支援装置について説明する。なお、上記
実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説
明は省略する。
【0339】本実施形態では、設計支援装置150は、
電源線26の周囲にビアホール22が存在するか否か、
隣接するビアホール22間の距離が予め定めた所定距離
以内であるか否か等を検出する。例えば、図46に示す
ように、電源線26の周囲のグランドパターン24の端
部からビアホール22までの距離evが予め定めた距離
vmax以内であるか否か、電源線26の周囲に存在する
隣接するビアホール22間の距離pvが予め定めた所定
距離pvmax以内であるか否か、すなわち電源線26の周
囲にビアホール22が所定距離pvmax以内の間隔で存在
するか否か等をCADデータ154に基づいて検出す
る。
【0340】そして、電源線26の周囲のグランドパタ
ーン24の端部からビアホール22までの距離evが予
め定めた距離evmax以内にない場合、電源線26の周囲
にビアホール22が所定距離pvmax以内の間隔で存在し
ない場合には、その旨を報知する。
【0341】次に、本実施形態の作用として、CPU1
50Aにおいて実行される処理プログラムについて、図
47に示すフローチャートを参照して説明する。
【0342】まず、ステップ410において、電源線2
6の周囲に存在するビアホール22、すなわち、グラン
ドパターン24の内縁部付近に存在するビアホール22
をCADデータ154に基づいて検出する。
【0343】次に、ステップ412において、それぞれ
のビアホール22について、グランドパターン24の内
縁部側の端部からビアホール22までの距離evをCA
Dデータ154に基づいて算出する。
【0344】次のステップ414では、検出したそれぞ
れのビアホール22について、グランドパターン24の
内縁部側の端部からビアホール22までの距離evが予
め定めた距離evmax以下であるか否かを判断する。そし
て、全てグランドパターン24の内縁部側の端部からビ
アホール22までの距離evが予め定めた距離evmax
下である場合には、ステップ414の判断が肯定され、
ステップ416へ移行する。
【0345】一方、グランドパターン24の内縁部側の
端部からビアホール22までの距離evが予め定めた距
離evmax以下でないものが一部でも存在する場合には、
ステップ414の判断が否定され、ステップ420へ移
行する。
【0346】ステップ414では、グランドパターン2
4の内縁部側の端部からビアホール22までの距離ev
が予め定めた距離evmax以下でないものが存在すること
をディスプレイ150Hに表示させる。これにより、設
計者は、グランドパターン24の内縁部側の端部からビ
アホール22までの距離evが予め定めた距離evmax
下でないこと、すなわちリターン経路を適正に確保する
ことができない恐れがあることを容易に確認することが
でき、設計ミスを防ぐことができる。
【0347】ステップ416では、検出したそれぞれの
ビアホール22について、隣接するビアホール22の間
隔pvをCADデータ154に基づいて算出する。
【0348】次のステップ418では、算出した間隔p
vのそれぞれについて、予め定めた所定間隔pvmax以下
であるか否かを判断する。そして、全ての間隔pvが予
め定めた所定間隔pvmax以下である場合には、ステップ
418の判断が肯定され、本ルーチンを終了する。
【0349】一方、間隔pvが予め定めた所定間隔p
vmax以下でないものが一部でも存在する場合には、ステ
ップ418の判断が否定され、ステップ422へ移行す
る。
【0350】ステップ422では、間隔pvが予め定め
た所定間隔pvmax以下でないものが存在することをディ
スプレイ150Hに表示させる。これにより、設計者
は、間隔pvが予め定めた所定間隔pvmax以下でないも
のが存在すること、すなわちリターン経路を適正に確保
することができない恐れがあることを容易に確認するこ
とができ、設計ミスを防ぐことができる。
【0351】[第15実施形態]次に、本発明の第15
実施形態について説明する。本実施形態では、プリント
配線基板の設計支援装置について説明する。なお、上記
実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説
明は省略する。
【0352】本実施形態では、設計支援装置150は、
電源線26の端部にスナバ回路等の終端素子が存在する
か否かを検出する。例えば、図48に示すように、電源
線26の端部26AをCADデータ154に基づいて検
出する。
【0353】そして、電源線26の端部26Aから予め
定めた距離tmax以内に終端素子(例えばスナバ回路)
が存在しない場合には、その旨を報知する。
【0354】次に、本実施形態の作用として、CPU1
50Aにおいて実行される処理プログラムについて、図
49に示すフローチャートを参照して説明する。
【0355】まず、ステップ430において、電源線2
6の端部26AをCADデータ154に基づいて検出す
る。これは、例えば電源線26の最端部から予め定めた
所定値以下の長さの範囲を端部として検出する。
【0356】次のステップ432では、検出した端部2
6Aのそれぞれについて、予め定めた距離tmax以内に
終端素子が存在するか否かをCADデータ154に基づ
いて検出する。そして、検出した端部26Aの全てにつ
いて予め定めた距離tmax以内に終端素子が存在する場
合には、ステップ432の判断が肯定され、本ルーチン
を終了する。
【0357】一方、一部でも端部26Aから予め定めた
距離tmax以内に終端素子が存在しない場合には、ステ
ップ432の判断が否定され、ステップ434へ移行す
る。
【0358】ステップ434では、端部26Aから予め
定めた距離tmax以内に終端素子が存在しない部分があ
ることをディスプレイ150Hに表示させる。これによ
り、設計者は、端部26Aから予め定めた距離tmax
内に終端素子が存在しない部分があること、すなわち電
磁波放射を抑制することができない恐れがあることを容
易に確認することができ、設計ミスを防ぐことができ
る。
【0359】なお、電源線26の特性インピーダンスを
算出するルーチンをさらに設け、算出された特性インピ
ーダンスに基づいて、終端素子の定数を決定するように
してもよい。
【0360】[第16実施形態]次に、本発明の第16
実施形態について説明する。本実施形態では、プリント
配線基板の設計支援装置について説明する。なお、上記
実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説
明は省略する。
【0361】本実施形態では、設計支援装置150は、
例えば図50に示すように、電源線26の枝電源線(ス
タブ)26Aの長さであるスタブ長LsをCADデータ
154に基づいて算出する。
【0362】そして、スタブ長Lsが予め定めた長さL
smax以下でない場合には、その旨を報知する。
【0363】次に、本実施形態の作用として、CPU1
50Aにおいて実行される処理プログラムについて、図
51に示すフローチャートを参照して説明する。
【0364】まず、ステップ440において、枝電源線
26Bの全てについて、枝電源線26Aのスタブ長LS
をCADデータ154に基づいて検出する。
【0365】次のステップ442では、検出したスタブ
長Lsのそれぞれについて、予め定めた長さLsmax以下
であるか否かを判断する。そして、全ての枝電源線26
Aが存在についてスタブ長Lsが予め定めた長さLsmax
以下である場合には、ステップ442の判断が肯定さ
れ、本ルーチンを終了する。
【0366】一方、スタブ長Lsが予め定めた長さL
smax以下でない枝電源線26Aが存在する場合には、ス
テップ442の判断が否定され、ステップ444へ移行
する。
【0367】ステップ444では、スタブ長Lsが予め
定めた長さLsmax以下でない枝電源線26Aが存在する
ことをディスプレイ150Hに表示させる。これによ
り、設計者は、スタブ長Lsが予め定めた長さLsmax
下でない枝電源線26Aが存在することを容易に確認す
ることができ、設計ミスを防ぐことができる。
【0368】[第17実施形態]次に、本発明の第17
実施形態について説明する。本実施形態では、プリント
配線基板の設計支援装置について説明する。なお、上記
実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説
明は省略する。
【0369】本実施形態では、設計支援装置150は、
例えば図28に示すようなプリント配線基板の場合に
は、第6実施形態で説明したように、電源線を基幹電源
線26Aと枝電源線26Bとの交点であるノードn1
4で分割したセグメントS1〜S9を流れる可能性の
ある最大電流値を計算する。すなわち、ノードn1〜n4
に流れ込む可能性のある最大電流値をCADデータ15
4に基づいて計算する。この場合、CADデータ154
には、各ICの最大電流値等のデータが含まれる。
【0370】そして、各セグメントの各々について、各
セグメントの電源線の幅が、最大電流値Imaxの電流を
流した場合に耐えうる予め定めた範囲内の幅であるか否
かを検出する。ここで、予め定めた範囲は、例えば電源
線の温度上昇が所定値以下となり、かつ各ノード間の電
位差が所定値以下となるような電源線の幅の範囲であ
る。
【0371】セグメントの電源線の幅が、最大電流値I
maxの電流を流した場合に耐えうる予め定めた範囲内の
幅でないものが存在する場合には、その旨を報知する。
【0372】次に、本実施形態の作用として、CPU1
50Aにおいて実行される処理プログラムについて、図
52に示すフローチャートを参照して説明する。なお、
ここでは、図28に示すようなプリント配線基板の場合
について説明する。
【0373】まず、ステップ450において、電源線を
基幹電源線26Aと枝電源線26Bとの交点であるノー
ドn1〜n4で分割し、セグメントS1〜S9として設定
する。
【0374】ステップ452では、各セグメントを流れ
る可能性のある最大電流値Imaxを各々算出する。
【0375】次のステップ454では、最大電流値I
maxに対応する最小幅Wmin、最大幅W maxを各々求め
る。これは、例えば電源線の幅と、最小幅Wmin及び最
大幅Wmaxとの予め定めた対応関係をルックアップテー
ブルとして記憶装置150Kに記憶させておき、このル
ックアップテーブルから求めることができる。
【0376】ステップ456では、セグメントの電源線
の幅Wが、対応する最小幅Wmin以上且つ最大幅Wmax
下であるか否かを、各セグメントについて各々判断す
る。
【0377】そして、全てのセグメントについて、セグ
メントの電源線の幅Wが、対応する最小幅Wmin以上且
つ最大幅Wmax以下である場合には、ステップ456の
判断が肯定され、本ルーチンを終了する。
【0378】一方、セグメントの電源線の幅Wが、対応
する最小幅Wmin以上且つ最大幅Wm ax以下でないセグメ
ントが存在する場合には、ステップ456の判断が否定
され、ステップ458へ移行する。
【0379】ステップ458では、セグメントの電源線
の幅Wが、対応する最小幅Wmin以上且つ最大幅Wmax
下でないセグメントが存在することをディスプレイ15
0Hに表示させる。これにより、設計者は、セグメント
の電源線の幅Wが、対応する最小幅Wmin以上且つ最大
幅Wmax以下でないセグメントが存在することを容易に
確認することができ、設計ミスを防ぐことができる。
【0380】[第18実施形態]次に、本発明の第18
実施形態について説明する。本実施形態では、プリント
配線基板の設計支援装置について説明する。なお、上記
実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説
明は省略する。
【0381】本実施形態では、設計支援装置150は、
図29に示すように、基幹電源線26Aから分岐した第
1の枝電源線26B1の長さをL1、IC36が接続さ
れた第2の枝電源線26B2の端部(IC36との接続
部分)から第1の枝電源線26B1の基幹電源線26A
と接続されていない方の端部までの長さをL2とした場
合に、L1とL2とが所定関係となるか否かをCADデ
ータに基づいて検出する。
【0382】ここで、第7実施形態で説明したように、
L1及びL2が、対象となる電磁波放射周波数の波長λ
の所定倍(例えば1/4)の波長λtの奇数倍となる場
合、すなわち、L1=n×λt、L2=m×λt(n=
1,3,5,m=3,5,7,n<m)となるような場
合には、共振により電磁波放射が発生しやすくなる。一
方、これ以外の場合には、共振電流がうち消し合うた
め、電磁波放射を抑制することができる。
【0383】すなわち、所定関係とは、L2がL1を奇
数値n(n=1、3、5)で割った長さの奇数値m倍
(m=3、5、7;m>n)の長さとならないような関
係、すなわち、L2=(m/n)×L1とならないよう
な関係である。
【0384】そして、L1とL2とが所定関係にならな
いことを検出した場合には、その旨を報知する。
【0385】次に、本実施形態の作用として、CPU1
50Aにおいて実行される処理プログラムについて、図
53に示すフローチャートを参照して説明する。
【0386】まず、ステップ460において、図29に
示すように基幹電源線26Aから分岐した第1の枝電源
線26B1の長さL1をCADデータ154に基づいて
算出する。
【0387】次に、ステップ462において、IC36
が接続された第2の枝電源線26B 2の端部から第1の
枝電源線26B1の基幹電源線26Aと接続されていな
い方の端部までの長さL2をCADデータ154に基づ
いて算出する。
【0388】ステップ464では、算出したL1とL2
とが所定関係であるか否か、すなわち、L1及びL2
が、L2=(m/n)×L1とならないような関係であ
るか否かが判断される。
【0389】そして、算出したL1とL2とが所定関係
である場合には、ステップ464の判断が肯定され、本
ルーチンを終了する。一方、算出したL1とL2とが所
定関係でない場合には、ステップ464の判断が否定さ
れ、ステップ466へ移行する。
【0390】ステップ466では、算出したL1とL2
とが所定関係でないこと、すなわち、L1及びL2が、
L2=(m/n)×L1となる関係であることをディス
プレイ150Hに表示させる。これにより、設計者は、
L1とL2とが所定関係でないことを容易に確認するこ
とができ、設計ミスを防ぐことができる。
【0391】ところで、第7実施形態で説明したよう
に、電源線上にキャパシタンスが存在する場合には、上
記(8)式による遅延時間tdが生じる場合があるの
で、例えば基幹電源線26A又は枝電源線26B2上に
キャパシタンスがある場合にはL2にLdを加え、枝電
源線26B1上にキャパシタンスが存在する場合には、
L1及びL2のそれぞれにLdを加えて、それぞれの長
さを設定するようにしてもよい。これにより、より高い
精度で設計ミスを防ぐことができる。
【0392】[第19実施形態]次に、本発明の第19
実施形態について説明する。本実施形態では、プリント
配線基板の設計支援装置について説明する。なお、上記
実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説
明は省略する。
【0393】本実施形態では、設計支援装置150は、
図54に示すように、電磁波放射を抑制するためのタン
クコンデンサ172が電源線26上に所定間隔pCmax
下で設けられているか否か、電源線26の端部から所定
距離pCEmax以内にタンクコンデンサ172が存在する
か否かを検出する。
【0394】そして、タンクコンデンサ172が電源線
26上に所定間隔pCmaxで設けられていない場合、電源
線26の端部から所定距離pCEmax以内にタンクコンデ
ンサ172が存在しない場合には、その旨を報知する。
【0395】次に、本実施形態の作用として、CPU1
50Aにおいて実行される処理プログラムについて、図
55に示すフローチャートを参照して説明する。
【0396】まず、ステップ470において、電源線2
6に接続されたタンクコンデンサ172をCADデータ
154に基づいて検出する。
【0397】次に、ステップ472において、タンクコ
ンデンサ172の間隔pCをCADデータ154に基づ
いて算出する。
【0398】次のステップ474では、検出したそれぞ
れのタンクコンデンサ172の間隔pCについて、間隔
Cが予め定めた所定間隔pCmax以下であるか否かを判
断する。そして、全ての間隔pCが予め定めた所定間隔
Cmax以下である場合には、ステップ474の判断が肯
定され、ステップ476へ移行する。
【0399】一方、間隔pCが予め定めた所定間隔p
Cmax以下でないものが存在する場合には、ステップ47
4の判断が否定され、ステップ480へ移行する。
【0400】ステップ480では、間隔pCが予め定め
た所定間隔pCmax以下でないものが存在することをディ
スプレイ150Hに表示させる。これにより、設計者
は、間隔pCが予め定めた所定間隔pCmax以下でないも
のが存在すること、すなわち電磁波放射を効果的に抑制
することができない恐れがあることを容易に確認するこ
とができ、設計ミスを防ぐことができる。
【0401】ステップ476では、電源線26の端部か
ら最も近いタンクコンデンサ172までの距離pCEをC
ADデータ154に基づいて算出する。
【0402】次のステップ478では、算出した距離p
CEのそれぞれについて、予め定めた所定距離pCEmax
下であるか否かを判断する。そして、全ての距離pCE
予め定めた所定距離pCEmax以下である場合には、ステ
ップ478の判断が肯定され、本ルーチンを終了する。
【0403】一方、距離pCが予め定めた所定距離p
CEmax以下でないものが存在する場合には、ステップ4
78の判断が否定され、ステップ482へ移行する。
【0404】ステップ482では、距離pCが予め定め
た所定距離pCEmax以下でないものが存在することをデ
ィスプレイ150Hに表示させる。これにより、設計者
は、距離pCが予め定めた所定距離pCEmax以下でないも
のが存在すること、すなわち電磁波放射を効果的に抑制
することができない恐れがあることを容易に確認するこ
とができ、設計ミスを防ぐことができる。
【0405】なお、コンデンサの種類や容量が所定のも
のでない場合にエラー表示するようにしてもよい。
【0406】また、上記第8実施形態から第19実施形
態に記載した処理を任意に組み合わせ、複数の設計項目
についてチェックするようにしてもよい。
【0407】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高速動作する回路基板にも適用可能であると共に電磁波
放射を抑制することができ、かつ実装密度の低下を防ぐ
ことができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は、(B)に示す第1実施形態に係る
プリント配線基板のA−A断面図であり、(B)は、
(A)の概略平面図である。
【図2】 第1実施形態に係るプリント配線基板の概略
断面図である。
【図3】 第1実施形態に係るプリント配線基板の概略
断面図である。
【図4】 (A)は、(B)に示す第2実施形態に係る
プリント配線基板ののA−A断面図であり、(B)は、
(A)の概略平面図である。
【図5】 第3実施形態に係るプリント配線基板の第1
のグランド層の概略平面図である。
【図6】 第4実施形態に係るプリント配線基板の第1
のグランド層の概略平面図である。
【図7】 第1実施形態に係るプリント配線基板の変形
例を示す概略断面図である。
【図8】 本発明の実施例に係るプリント配線基板の第
1のグランド層の概略平面図である。
【図9】 本発明の実施例に係るプリント配線基板の第
1の信号配線層の概略平面図である。
【図10】 本発明の実施例に係るプリント配線基板、
従来構造のプリント配線基板における電磁波放射スペク
トルの測定結果を示す線図である。
【図11】 本発明に係るプリント配線基板の第1のグ
ランド層の概略平面図である。
【図12】 (A)は従来におけるプリント配線基板の
断面図、(B)は本発明に係るプリント配線基板の断面
図である。
【図13】 (A)は従来におけるプリント配線基板の
平面図、(B)は本発明に係るプリント配線基板の平面
図である。
【図14】 (A)はシミュレーションに用いた基板モ
デルの平面図、(B)は(A)の断面図である。
【図15】 (A)はシミュレーションに用いた基板モ
デルの平面図、(B)は(A)の断面図である。
【図16】 シミュレーションに用いた基板モデルの平
面図である。
【図17】 基板端部から電源線までの距離と電磁波放
射ノイズの強度との関係を示す線図である。
【図18】 電磁波放射ノイズの周波数と強度との関係
を示す線図である。
【図19】 (A)は、(B)に示す第5実施形態に係
るプリント配線基板のA−A断面図であり、(B)は、
(A)の概略平面図である。
【図20】 第5実施形態に係るプリント配線基板のス
ナバ回路の配置例を示す平面図である。
【図21】 第5実施形態に係るプリント配線基板のス
ナバ回路の配置例を示す平面図である。
【図22】 第5実施形態に係るプリント配線基板のス
ナバ回路の配置例を示す平面図である。
【図23】 シミュレーションに用いた本発明の基板モ
デルの斜視図である。
【図24】 シミュレーションに用いた従来の基板モデ
ルの斜視図である。
【図25】 電磁波放射ノイズの周波数と強度との関係
を示す線図である。。
【図26】 電磁波放射ノイズの周波数と強度との関係
を示す線図である。。
【図27】 コプレーナ線路を用いた基板の断面図であ
る。
【図28】 電源線の幅の設定について説明するための
図である。
【図29】 電源線の長さについて説明するための図で
ある。
【図30】 電源線の長さについて説明するための図で
ある。
【図31】 設計支援装置の概略ブロック図である。
【図32】 第8実施形態に係る第1のグランド層の平
面図である。
【図33】 第8実施形態に係る制御ルーチンのフロー
チャートである。
【図34】 第9実施形態に係る第1のグランド層の平
面図である。
【図35】 第9実施形態に係る制御ルーチンのフロー
チャートである。
【図36】 第10実施形態に係る第1のグランド層の
平面図である。
【図37】 第10実施形態に係る制御ルーチンのフロ
ーチャートである。
【図38】 第11実施形態に係る第1のグランド層の
平面図である。
【図39】 第11実施形態に係る制御ルーチンのフロ
ーチャートである。
【図40】 第12実施形態に係る第1のグランド層の
平面図である。
【図41】 第12実施形態に係る制御ルーチンのフロ
ーチャートである。
【図42】 第13実施形態に係る第1のグランド層の
平面図である。
【図43】 第13実施形態に係る制御ルーチンのフロ
ーチャートである。
【図44】 第13実施形態に係る電源幅算出処理ルー
チンのフローチャートである。
【図45】 第13実施形態に係る第1のグランド層の
平面図である。
【図46】 第14実施形態に係る第1のグランド層の
平面図である。
【図47】 第14実施形態に係る制御ルーチンのフロ
ーチャートである。
【図48】 第15実施形態に係る第1のグランド層の
平面図である。
【図49】 第15実施形態に係る制御ルーチンのフロ
ーチャートである。
【図50】 第16実施形態に係る第1のグランド層の
平面図である。
【図51】 第16実施形態に係る制御ルーチンのフロ
ーチャートである。
【図52】 第17実施形態に係る制御ルーチンのフロ
ーチャートである。
【図53】 第18実施形態に係る制御ルーチンのフロ
ーチャートである。
【図54】 第19実施形態に係る第1のグランド層の
平面図である。
【図55】 第19実施形態に係る制御ルーチンのフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
10 プリント配線基板 12 第1の信号配線層 14 第1のグランド層 16 第2のグランド層 18 第2の信号配線層 20 絶縁材 22 ビアホール(層間接続部材) 24、28 グランドパターン 26 第1の電源線 30 第2の電源線 34 直流電圧電源 68、72、74、78 スルーホール 76、80、82、84 信号配線 134 スナバ回路(終端素子)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/00 H05K 3/00 D (72)発明者 池田 和美 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 上野 修 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 Fターム(参考) 5B046 AA07 BA06 JA02 5E338 AA03 BB02 BB13 BB25 BB75 CC02 CC04 CC06 CD01 CD12 CD23 EE13 EE31 5E346 AA01 AA12 AA15 AA23 AA35 AA43 BB02 BB03 BB04 BB07 BB12 BB15 CC01 CC31 FF01 FF45 GG12 GG31 HH01 HH21 HH31

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号線を配線する信号配線層、グランド
    領域を形成する第1のグランド層及び第2のグランド層
    がそれぞれ絶縁層を介在して積層されたプリント配線基
    板において、 前記第1のグランド層に形成されるグランド領域と前記
    第2のグランド層に形成されるグランド領域との間を電
    気的に接続する複数の層間接続部材と、 前記第1のグランド層及び前記第2のグランド層の少な
    くとも一方の層で配線される電源線と、 を設けたことを特徴とするプリント配線基板。
  2. 【請求項2】 前記層間接続部材が、所定の間隔で設け
    られることを特徴とする請求項1記載のプリント配線基
    板。
  3. 【請求項3】 前記所定の間隔は、前記グランド領域上
    の定在波の伝搬速度をc、前記絶縁層の比誘電率をε
    r、対象となる電磁波放射の最大周波数をfとした場合
    に、c/(2×f×εr1/2)以下となるように設定され
    たことを特徴とする請求項2記載のプリント配線基板。
  4. 【請求項4】 前記層間接続部材が、前記グランド領域
    の周縁部及び内縁部の少なくとも一方に沿ってさらに設
    けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れ
    か1項に記載のプリント配線基板。
  5. 【請求項5】 一方のグランド層に配線された前記電源
    線の他方のグランド層に対する投影線の位置に前記グラ
    ンド領域が存在することを特徴とする請求項1乃至請求
    項4の何れか1項に記載のプリント配線基板。
  6. 【請求項6】 前記信号配線層が、前記第1のグランド
    層と前記第2のグランド層との間に設けられたことを特
    徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のプ
    リント配線基板。
  7. 【請求項7】 前記信号線側のグランド層に設けられた
    電源線と前記信号線の前記グランド層に対する投影線と
    が交差するように前記電源線及び前記信号線が各々配置
    され、かつ、前記複数の層間接続部材が、前記電源線を
    挟んだ両側近傍に各々配置されたことを特徴とする請求
    項1乃至請求項6の何れか1項に記載のプリント配線基
    板。
  8. 【請求項8】 前記信号線側のグランド層に設けられた
    電源線と前記信号線の前記グランド層に対する投影線と
    が交差しないように前記電源線及び前記信号線が各々配
    置されたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れ
    か1項に記載のプリント配線基板。
  9. 【請求項9】 前記信号配線層が、前記第1のグランド
    層側及び前記第2のグランド層側の両方に設けられると
    共に、前記電源線が前記第1のグランド層及び前記第2
    のグランド層の両方に設けられ、 前記第1のグランド層に設けられた第1の電源線の少な
    くとも一部と前記第1の信号配線層上に形成された第1
    の信号線の前記第1のグランド層に対する投影線の少な
    くとも一部とが略平行となるように前記第1の電源線及
    び前記第1の信号線が配置され、かつ前記第2のグラン
    ド層に設けられた第2の電源線の少なくとも一部と前記
    第2の信号配線層上に形成された第2の信号線の前記第
    2のグランド層に対する投影線の少なくとも一部とが略
    平行となるように前記第2の電源線及び前記第2の信号
    線が配置されたことを特徴とする請求項8記載のプリン
    ト配線基板。
  10. 【請求項10】 前記信号線配線層として第1の信号配
    線層及び第2の信号配線層を含み、 前記電源線として前記第1のグランド層に第1の電源線
    及び前記第2のグランド層に第2の電源線を含み、 前記第1の信号配線層が前記第1のグランド層に前記絶
    縁層を介して隣接配置されると共に、前記第2の信号配
    線層が前記第2のグランド層に前記絶縁層を介して隣接
    配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項8記載
    のプリント配線基板。
  11. 【請求項11】 前記電源線は、基板端部から前記グラ
    ンド領域を挟んで内側に配置されたことを特徴とする請
    求項1乃至請求項10の何れか1項に記載のプリント配
    線基板。
  12. 【請求項12】 信号線を配線する信号配線層、グラン
    ド領域を形成する第1のグランド層及び第2のグランド
    層がそれぞれ絶縁層を介在して積層されたプリント配線
    基板において、 前記第1のグランド層に形成されるグランド領域と前記
    第2のグランド層に形成されるグランド領域との間を電
    気的に接続する複数の層間接続部材と、 前記第1のグランド層及び前記第2のグランド層の少な
    くとも一方の層で配線される電源線と、 前記電源線の終端部付近で、かつ前記電源線と前記第1
    のグランド層及び前記第2のグランド層の少なくとも一
    方のグランド領域との間に接続され、前記電源線の特性
    インピーダンスと整合するインピーダンスを有する終端
    素子と、 を備えたことを特徴とするプリント配線基板。
  13. 【請求項13】 前記終端素子は、直列接続した抵抗及
    びコンデンサを含むことを特徴とする請求項12記載の
    プリント配線基板。
  14. 【請求項14】 前記電源線は、基幹電源線と前記基幹
    電源線から分岐した枝電源線とから成り、前記終端素子
    は、前記基幹電源線の終端部に接続されたことを特徴と
    する請求項12又は請求項13記載のプリント配線基
    板。
  15. 【請求項15】 前記枝電源線の終端部に前記終端素子
    が接続されたことを特徴とする請求項14記載のプリン
    ト配線基板。
  16. 【請求項16】 前記信号配線層が、前記第1のグラン
    ド層及び前記第2のグランド層の少なくとも一方の層と
    同一層に形成されたことを特徴とする請求項12乃至請
    求項15の何れか1項に記載のプリント配線基板。
  17. 【請求項17】 前記電源線は、基幹電源線と前記基幹
    電源線から分岐した複数の枝電源線とから成り、前記電
    源線の幅は、前記枝電源線に各々接続され且つ前記基幹
    電源線から供給される電源により動作するデバイスの予
    め定めた最大電流値の各々に基づいて設定されたことを
    特徴とする請求項1乃至請求項16の何れか1項に記載
    のプリント配線基板。
  18. 【請求項18】 前記電源線は、基幹電源線と前記基幹
    電源線から分岐した複数の枝電源線とから成り、予め定
    めた第1の枝電源線の第1の長さと、前記基幹電源線か
    ら供給される電源により動作するデバイスが接続された
    第2の枝電源線の端部から前記第1の枝電源線の端部ま
    での第2の長さと、が前記第2の長さが前記第1の長さ
    を奇数値n(n=1、3、5)で割った長さの奇数値m
    倍(m=3、5、7;m>n)となる長さを除く寸法と
    なるように設定されたことを特徴とする請求項1乃至請
    求項17の何れか1項に記載のプリント配線基板。
  19. 【請求項19】 前記請求項1記載のプリント配線基板
    の設計を支援するためのプリント配線基板設計支援装置
    であって、 前記プリント配線基板に関する設計データを記憶した記
    憶手段と、 前記設計データに基づいて、予め定めた所定範囲内に前
    記層間接続部材が予め定めた所定数以上存在するか否か
    を検出する検出手段と、 前記予め定めた所定範囲内に前記層間接続部材が予め定
    めた所定数以上存在しないことを検出した場合に報知す
    る報知手段と、 を備えたことを特徴とするプリント配線基板設計支援装
    置。
  20. 【請求項20】 前記請求項7記載のプリント配線基板
    の設計を支援するためのプリント配線基板設計支援装置
    であって、 前記プリント配線基板に関する設計データを記憶した記
    憶手段と、 前記設計データに基づいて、前記信号線側のグランド層
    に設けられた電源線と前記信号線の前記グランド層に対
    する投影線とが交差する交点から予め定めた所定範囲内
    で、かつ前記電源線を挟んだ両側に前記層間接続部材が
    存在するか否かを検出する検出手段と、 前記交点から予め定めた所定範囲内で、かつ前記電源線
    を挟んだ両側に前記層間接続部材が存在しないことを検
    出した場合に報知する報知手段と、 を備えたことを特徴とするプリント配線基板設計支援装
    置。
  21. 【請求項21】 前記請求項8記載のプリント配線基板
    の設計を支援するためのプリント配線基板設計支援装置
    であって、 前記プリント配線基板に関する設計データを記憶した記
    憶手段と、 前記設計データに基づいて、前記信号線側のグランド層
    に設けられた電源線と前記信号線の前記グランド層に対
    する投影線との距離が予め定めた所定距離以上離れてい
    るか否かを検出する検出手段と、 前記電源線と前記投影線との距離が予め定めた所定距離
    以上離れていないことを検出した場合に報知する報知手
    段と、 を備えたことを特徴とするプリント配線基板設計支援装
    置。
  22. 【請求項22】 前記請求項9又は請求項10記載のプ
    リント配線基板の設計を支援するためのプリント配線基
    板設計支援装置であって、 前記プリント配線基板に関する設計データを記憶した記
    憶手段と、 前記設計データに基づいて、前記第1の電源線と前記第
    2の電源線の前記第1のグランド層に対する投影線とが
    予め定めた所定距離以上離れているか否かを検出する検
    出手段と、 前記第1の電源線と前記投影線とが予め定めた所定距離
    以上離れていないことを検出した場合に報知する報知手
    段と、 を備えたことを特徴とするプリント配線基板設計支援装
    置。
  23. 【請求項23】 前記請求項11記載のプリント配線基
    板の設計を支援するためのプリント配線基板設計支援装
    置であって、 前記プリント配線基板に関する設計データを記憶した記
    憶手段と、 前記設計データに基づいて、前記電源線から予め定めた
    所定距離以内で且つ前記電源線の周囲に前記グランド領
    域が存在するか否かを検出する検出手段と、 前記電源線から予め定めた所定距離以内で且つ前記電源
    線の周囲に前記グランド領域が存在しないことを検出し
    た場合に報知する報知手段と、 を備えたことを特徴とするプリント配線基板設計支援装
    置。
  24. 【請求項24】 前記請求項11記載のプリント配線基
    板の設計を支援するためのプリント配線基板設計支援装
    置であって、 前記プリント配線基板に関する設計データを記憶した記
    憶手段と、 前記設計データに基づいて、前記電源線が前記プリント
    配線基板の端部から予め定めた所定距離以上離れている
    か否かを検出する検出手段と、 前記電源線が前記プリント配線基板の端部から予め定め
    た所定距離以上離れていないことを検出した場合に報知
    する報知手段と、 を備えたことを特徴とするプリント配線基板設計支援装
    置。
  25. 【請求項25】 前記請求項11記載のプリント配線基
    板の設計を支援するためのプリント配線基板設計支援装
    置であって、 前記プリント配線基板に関する設計データを記憶した記
    憶手段と、 前記設計データに基づいて、前記電源線の周囲の前記グ
    ランド領域の端部から所定距離以内に前記層間接続部材
    が存在するか否かを検出すると共に、前記所定距離以内
    に前記層間接続部材が存在する場合に、前記層間接続部
    材が前記電源線の周囲に亘って予め定めた所定間隔で配
    置されているか否かを検出する検出手段と、 前記所定距離以内に前記層間接続部材が存在しない場合
    及び前記層間接続部材が前記電源線の周囲に亘って予め
    定めた所定間隔で配置されていない場合の少なくとも一
    方の場合に報知する報知手段と、 を備えたことを特徴とするプリント配線基板設計支援装
    置。
  26. 【請求項26】 前記請求項12記載のプリント配線基
    板の設計を支援するためのプリント配線基板設計支援装
    置であって、 前記プリント配線基板に関する設計データを記憶した記
    憶手段と、 前記設計データに基づいて、前記電源線の終端部に前記
    終端素子が接続されているか否かを検出する検出手段
    と、 前記電源線の終端部に前記終端素子が接続されていない
    ことを検出した場合に報知する報知手段と、 を備えたことを特徴とするプリント配線基板設計支援装
    置。
  27. 【請求項27】 前記請求項14記載のプリント配線基
    板の設計を支援するためのプリント配線基板設計支援装
    置であって、 前記プリント配線基板に関する設計データを記憶した記
    憶手段と、 前記設計データに基づいて、前記枝電源線の長さが予め
    定めた所定長さ以下であるか否かを検出する検出手段
    と、 前記枝電源線の長さが予め定めた所定長さ以下でないこ
    とを検出した場合に報知する報知手段と、 を備えたことを特徴とするプリント配線基板設計支援装
    置。
  28. 【請求項28】 前記請求項17記載のプリント配線基
    板の設計を支援するためのプリント配線基板設計支援装
    置であって、 前記プリント配線基板に関する設計データを記憶した記
    憶手段と、 前記設計データに基づいて、前記枝電源線に各々接続さ
    れ且つ前記基幹電源線から供給される電源により動作す
    るデバイスの予め定めた最大電流値の各々に基づいて前
    記電源線の幅の許容範囲を設定する設定手段と、 前記電源線の幅が許容範囲内でないことを検出した場合
    に報知する報知手段と、 を備えたことを特徴とするプリント配線基板設計支援装
    置。
  29. 【請求項29】 前記請求項18記載のプリント配線基
    板の設計を支援するためのプリント配線基板設計支援装
    置であって、 前記プリント配線基板に関する設計データを記憶した記
    憶手段と、 前記設計データに基づいて、前記予め定めた第1の枝電
    源線の第1の長さと、前記基幹電源線から供給される電
    源により動作するデバイスが接続された第2の枝電源線
    の端部から前記第1の枝電源線の端部までの第2の長さ
    と、が前記第2の長さが前記第1の長さを奇数値n(n
    =1、3、5)で割った長さの奇数値m倍(m=3、
    5、7;m>n)となる長さを除く寸法となる関係に設
    定されているか否かを検出する検出手段と、 前記第1の長さと、前記第2の長さと、が前記関係とな
    らないことを検出した場合に報知する報知手段と、 を備えたことを特徴とするプリント配線基板設計支援装
    置。
  30. 【請求項30】 信号線を配線する信号配線層、グラン
    ド領域を形成する第1のグランド層及び第2のグランド
    層がそれぞれ絶縁層を介在して積層されたプリント配線
    基板であって、前記第1のグランド層に形成されるグラ
    ンド領域と前記第2のグランド層に形成されるグランド
    領域との間を電気的に接続する複数の層間接続部材と、
    前記第1のグランド層及び前記第2のグランド層の少な
    くとも一方の層で配線される電源線と、前記電源線と前
    記第1のグランド層及び前記第2のグランド層の少なく
    とも一方との間に接続された電源安定用の複数のコンデ
    ンサと、を備えたプリント配線基板の設計を支援するた
    めのプリント配線基板設計支援装置において、 前記プリント配線基板に関する設計データを記憶した記
    憶手段と、 前記設計データに基づいて、前記複数のコンデンサが予
    め定めた所定距離以上の間隔で設けられているか否かを
    検出する検出手段と、 前記複数のコンデンサが予め定めた所定距離以上の間隔
    で設けられていないことを検出した場合に報知する報知
    手段と、 を備えたことを特徴とするプリント配線基板設計支援装
    置。
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