JP2003147915A - 屋根板取り付け金具および屋根構造 - Google Patents

屋根板取り付け金具および屋根構造

Info

Publication number
JP2003147915A
JP2003147915A JP2001349592A JP2001349592A JP2003147915A JP 2003147915 A JP2003147915 A JP 2003147915A JP 2001349592 A JP2001349592 A JP 2001349592A JP 2001349592 A JP2001349592 A JP 2001349592A JP 2003147915 A JP2003147915 A JP 2003147915A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roof plate
roof
engaging
upper member
metal fitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001349592A
Other languages
English (en)
Inventor
Juichi Yasumoto
重一 安本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruichi Inc
Original Assignee
Maruichi Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maruichi Inc filed Critical Maruichi Inc
Priority to JP2001349592A priority Critical patent/JP2003147915A/ja
Publication of JP2003147915A publication Critical patent/JP2003147915A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】左右両側の立ち上がり部に取り付けのための係
合部を有した金属製の屋根板を取り付けても音なりが防
止でき、強度も取り付け状態も良好な屋根を得られるよ
うにすること。 【解決手段】下地材3の上に固定した後、上から被せた
屋根板4aを係合して取り付ける屋根板取り付け金具1
であって、下地材3の上に固定する下部材5と、該下部
材5の上に上下方向で分離不能に取り付ける上部材6と
を設け、該上部材6に対して、左右に立ち上がり部4b
を有し、かつ該立ち上がり部4bに内外方向の凹凸から
なる係合部4cを有した屋根板4aにおける上記係合部
4cに左右方向から係合する係合突部23を設け、該上
部材6を、上記下部材5に対して、屋根板4aの長さ方
向に沿って相対摺動可能に取り付けた屋根板取り付け金
具1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、いわゆる折板と
呼ばれる金属製の屋根板を取り付けて屋根を形成するた
めの技術に関し、より詳しくは、屋根板が熱の影響で伸
縮しても、音がなったりすることを防ぐことができるよ
うな屋根板取り付け金具に関する。
【0002】
【従来の技術】金属製屋根板の音なりを防止するため、
特許第3019993号を提案した。この屋根板取り付
け金具は、下地材の上に固定する下部材と、この下部材
上に固定する上部材とで構成し、上部材を屋根板の長さ
方向に摺動可能に取り付けたもので、屋根板の伸縮に追
従して上部材が動くので、屋根板にかかる歪を自動的に
取り除け、音なりを防止することができる優れた効果を
達成する。
【0003】ところで、この屋根板取り付け金具は、屋
根板を係止する係止部材、例えば吊子を上部に有した構
成であるので、左右両側の立ち上がり部に係合部を有し
た屋根板の取り付けには不向きである。このような形状
の屋根板は、係合部の形成により屋根板自体の強度が高
まるうえに、立ち上がり部で係合するため、吹き上げ
等、負圧によって変形しようとする屋根板を係合部での
係合により押える作用が得られるので、より固定強度の
高い屋根を得ることができる効果も有する。
【0004】屋根板を係止する吊子を上部に有した屋根
板取り付け金具で音なりを防止するものは、前述のほ
か、例えば特開平9−328869号や特開平11−1
41061号にも開示されているが、立ち上がり部に係
合部を有した形の屋根板を取り付ける金具において音な
り防止ができるようにしたものはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、立
ち上がり部に係合部を有する屋根板を取り付けても音な
りが防止でき、強度も取り付け状態も良好な屋根を得ら
れるようにすることを主たる課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのための手段は、下地
材の上に固定した後、上から被せた屋根板を係合して取
り付ける屋根板取り付け金具であって、下地材の上に固
定する下部材と、該下部材の上に上下方向で分離不能に
取り付ける上部材とを設け、該上部材に対して、左右に
立ち上がり部を有し、かつ該立ち上がり部に内外方向の
凹凸からなる係合部を有した屋根板における上記係合部
に左右方向から係合する係合突部を設け、該上部材を、
上記下部材に対して、屋根板の長さ方向に沿って相対摺
動可能に取り付けた屋根板取り付け金具であることを特
徴とする。
【0007】屋根板は、斜め上方へ立ち上がる立ち上が
り部を有した構造で、左右両側に立ち上がり部を有する
ほか、左右両側の立ち上がり部の中間に山部を有する形
状の場合には、その山部の数に応じた数の立ち上がり部
も有する。それら立ち上がり部に、内外方向に凹ませ、
あるいは突出させて係合部を形成している。係合部は、
立ち上がり部の下部であるも、中間部であるも、上部で
あるもいずれでもよい。
【0008】このような形状の屋根板を取り付けるに当
たっては、まず、屋根板取り付け金具を下地材、すなわ
ちH鋼等の梁材や、二重屋根の場合には下葺屋根の上の
所定位置に対して固定する。その後、屋根板を上から被
せて、立ち上がり部の係合部を、屋根板取り付け金具の
上部材に設けた係合突部に係合する。
【0009】この係合により、屋根板は係合突部、すな
わち上部材と一体的になって、屋根板との係合状態を保
持するが、屋根板が、日差しや気温等の熱による影響
で、長さ方向に伸縮した場合には、下部材に対して相対
摺動可能に取り付けた上記上部材が、屋根板の伸縮に伴
って下部材上を摺動する。この摺動により、屋根板にか
かる歪を取り除け、音なりを防止できる。しかも、立ち
上がり部に形成した係合部により、係合部が補強のリブ
の役目を果たすとともに、立ち上がり部における係合
で、吹き上げによって屋根板が上へ湾曲するように変形
しようとしてもそれを強力に抑えることができる。
【0010】断熱や防音機能を有する屋根を得る場合に
は、前記上部材または下部材、あるいはこれらの間に、
上下方向での熱伝導を遮断する断熱構造部を設けるとよ
い。断熱構造部は、例えば、上部材、あるいは下部材自
体を合成樹脂や合成ゴム等の熱伝導性のない、あるいは
低い材料で形成したり、そのような材料からなる断熱部
を両者の間に介装したりして構成する。
【0011】また、前記係合突部を、前記上部材とは別
体の係合部材に形成するとともに、該係合部材を、上部
材に対して左右方向に摺動可能に取り付けるもよい。す
なわち、係合突部が係合する係合部は屋根板の立ち上が
り部に形成しており、その係合部に対して左右方向から
係合するので、係合を行うとき、深い充分な係合を行お
うとすれば、係合部に際して屋根板の大きな変形が必要
となる。このため、無理な係合を強いることになって、
作業が困難になるとともに、屋根板を損傷したりする可
能性が生ずることがある。しかし、係合突部を有する係
合部材を上部材上で左右方向に摺動可能にしたので、屋
根板の係合に際しては、係合部材を予め屋根の取り付け
を行う施工方向に移動しておき、屋根板の片方の係合部
との係合を行いやすくする。そして、屋根板を係合突部
と係合部が係合可能な所定位置に位置させてから、係合
部材を反施工方向に摺動して、係合突部と係合部との確
実な係合を行わせる。このような作業においては屋根板
の大きな変形を必要としないので、不測に屋根板を損傷
したりすることを阻止できる。したがって、簡易で確実
な屋根板の取り付けができる上に、屋根板を損傷するこ
とも防げる。
【0012】別の手段は、前記請求項1から請求項3の
うちのいずれか一項に記載の屋根板取り付け金具を用い
た屋根構造であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の一実施の形態を、以下
図面を用いて説明する。図1は、屋根板取り付け金具1
(以下、金具という)の斜視図であり、この金具1は、
図2に示したように断熱・防音効果を有する屋根2を形
成するのに用いる。すなわちこの屋根2は、下葺屋根3
の上に金具1を固定し、この金具1を利用して屋根板4
aを取り付け、上葺屋根4を形成する。図示はしない
が、下葺屋根3と上葺屋根4との間には、グラスウール
等の断熱材を介装する。
【0014】金具1は、下地材としての上記下葺屋根3
に固定する下部材5と、この下部材5上を屋根2の長さ
方向に沿って摺動可能に取り付けた上部材6とで構成し
ている。この金具1では、下葺屋根3と上葺屋根4との
間での熱伝導を遮断するために断熱構造部7を設けてい
る。この例においては、合成樹脂を利用して下部材5を
形成することで、上記断熱構造部7を得ている。
【0015】図3が金具1の分解斜視図である。すなわ
ち下部材5は、合成樹脂製でブロック状の断熱部材8
と、これに組み付けて締結具としてのボルト9ナット1
0で左右方向に締め付け、下葺屋根3の馳締3aを挟持
する一組の挟持金具11,11で構成している。
【0016】断熱部材8は、その下端部に、下葺屋根3
の頂部に載置可能な接地面8aを有し、左右方向の中間
部には、下葺屋根3の馳締部3aを収めるぬすみ部8b
を正面視アーチ状に形成している。そして左右両側面に
は、上記挟持金具1を左右方向にのみ移動可能に保持す
る保持凹所8cを挟持金具の形状に合わせて、左右方向
に貫通する溝や凹部で形成する。また、この保持凹所8
cには、一方の保持凹所8cから他方の保持凹所8cへ
貫通する貫通孔8dを形成し、上記ボルト9を挿通可能
にしている。
【0017】また、断熱部材8の上部における左右両側
には、所定深さの摺動溝8eを形成して、正面視くびれ
たような形態にして、上端面は平坦に形成している。
【0018】上記挟持金具11は、金属板を折曲して形
成し、全体として断面略L字状に形成している。垂直部
分11aは、上記保持凹所8cに収まる大きさの方形状
で、上記貫通孔8dに対応する位置には角孔11bを形
成している。そして上端縁からは、内側に曲がる差込片
11cを形成して、保持凹所8cに対して位置決めでき
るようにするとともに、下端縁には、上記ぬすみ部8b
に達して下葺屋根3の馳締部3aを締め付ける挟持片1
1dを形成している。垂直部分11aからこの挟持片1
1dにかけては、補強用のリブ11eを内側へ凸に形成
している。また、垂直部分11aの両側には、外側へ突
出する耳部11fを形成して持ちやすくし、挟持金具1
1を断熱部材8に組み付けるときの操作性を良好にして
いる。
【0019】上部材5は、互いに組み合わせる4個の摺
動部材12と、その組み合わせ時に一体化する係合部材
13および位置決め金具14で構成する。4個の摺動部
材12は、折り曲げ方向を違えて形成した2種類の摺動
部材12で構成する。すなわち、上記断熱部材8の摺動
溝8eを摺動する摺動片15aを下端縁に有し、この摺
動片15aから上側を、断熱部材8の摺動溝8eより上
側を抱え込むような形態に形成した摺動部15を設け、
摺動部15を有する本体部21の内側縁から垂直片16
を立ち上げて、この垂直片16の上端縁には、外側へ折
り曲がって屋根板4aの頂部を受ける受け片17を形成
する。摺動部15を上述のように、断熱部材8の上部を
抱え込むような形状に形成して取り付けを行うので、上
部材6は下部材5から分離不能な状態になる。
【0020】垂直片16には、左右方向に位置決め金具
14を介して隣接する摺動部材12同士を一体化する締
結具を取り付けるための角孔16aを形成する。また、
垂直片16の前後方向の対向面側には、前後方向に係合
部材13を介して隣接する摺動部材12同士を一体化す
るための固定片18を設け、この固定片18の中央には
締結具を取り付けるための角孔18aを形成する。図示
例では、締結具としてボルト19ナット20を示した
が、リベット等、他の手段で一体化するもよい。リベッ
トを用いる場合には、上記角孔16a,18aに代えて
丸孔を形成する。
【0021】また、上記摺動部15を有する本体部21
の反対向面側には、下へ向けてL字型に折り曲がるスト
ッパ片22を形成して、摺動する上部材6が下部材5か
ら抜けないようにしている。
【0022】上記係合部材13は、左右両端に係合突部
23を有する形状で、2枚の係合部材担体13aを背中
合わせに重合して形成する。
【0023】上記係合突部23は、図2に示したよう
に、屋根板4aにおける左右の立ち上がり部4bの下部
に、内側方向の凹凸で形成した係合部4cに対して左右
方向から係合するものである。
【0024】このため、上記摺動部材12の固定片18
間に挟まれる取り付け部24より下方位置に係合突部2
3を形成している。取り付け部24は、横長の帯状で、
上記固定片18の角孔18aに対応する位置に挿通孔2
4aを形成し、左右両側から斜め下方に向けてアーム部
25を延設し、このアーム部25の先端から水平に延設
して三角形状の係合突部23を形成している。アーム部
25から係合突部23にかけては、補強のための折曲片
26を形成している。また各係合部材担体13aにおけ
る係合突部23側の部位には、丸孔27を形成してお
り、リベット28で一体化するようにしている。
【0025】上記位置決め金具14は、薄い金属板で形
成する。垂直に立てた方形の板を上部だけ折り返して重
合し、規制部14aを形成する。そして折り返した先端
に、水平に延びる位置ずれ防止片14bを折曲して形成
した形状である。位置ずれ防止片14bは、上記摺動部
材12の受け片17に上から当たって下方へのずれを阻
止する。また前後方向の中間部には、上記係合部材13
を収めるぬすみ部14cを形成し、その両側位置には、
締結具で止めるための丸孔14dを形成している。
【0026】このような各部材からなる上部材6は、ま
ず、係合部材担体13a同士をリベット28止めして一
体化する。そして位置決め金具14のぬすみ部14cに
係合部材13を下からはめ込むようにして直交状態にし
てから、4個の摺動部材12で係合部材13を前後に、
位置決め金具14を左右に挟んで、断熱部材8の上部に
組み付けながら相互間での一体化を図る。すなわち、摺
動部材12の摺動片15aを断熱部材8の摺動溝8eに
差し込んだ状態で、摺動部材12同士を一体化する(図
4参照)。この一体化により、上部材6は、下部材5に
対して相対摺動可能になる(図5参照)。
【0027】なお、このようにして上部材6を下部材5
に取り付けたときに、上部材6が下部材5の挟持金具1
1などの金属部分には一切触れないようにすることで、
上述のように合成樹脂製の断熱部材8を用いることによ
る断熱構造部7が効果を発揮する。
【0028】このように構成した金具1を用いて前述の
屋根2を形成するには、まず下地材としての下葺屋根3
を形成した後、この下葺屋根3の頂部に対して金具1を
固定する。この固定は、下部材5を構成する挟持金具1
1を、挿通したボルト9とナット10で締め付けて、挟
持金具11の挟持片11dで下葺屋根3の馳締部3aを
左右に挟持する。このとき、断熱部材8の接地面8aは
下葺屋根3の頂部で安定する。
【0029】この後、屋根板4aを上から被せて、立ち
上がり部4bの係合部4cを、金具1の上部材6に設け
た係合突部23に係合する。そして、位置決め金具14
で屋根板4aの位置を規制するとともに、上述のように
して順に取り付けて隣接した屋根板4aの馳締部4d同
士を係合する。
【0030】このようにして構成した屋根2では、屋根
板4aは係合突部23、すなわち上部材6と一体的にな
って、屋根板4aとの係合状態を保持する。したがっ
て、屋根板4aが、日差しや気温等の熱による影響で、
長さ方向に伸縮した場合には、下部材5に対して相対摺
動可能に取り付けた上記上部材6が、図6に示したよう
に、屋根板4aの伸縮に伴って下部材5上を摺動する。
この摺動により、屋根板4aにかかる歪を取り除いて、
音なりを防止できる。
【0031】しかも、屋根板4aの立ち上がり部4bに
形成した係合部4cが補強のリブの役目を果たすので、
屋根板4a自体の強度が高い上に、立ち上がり部4bに
おける係合で、吹き上げによって屋根板4aが上へ湾曲
するように変形しようとしてもそれを強力に押えること
ができ、取り付け状態の強度も高い。
【0032】また、係合突部23を有する係合部材13
は、両端部に係合突部23を有する一本もので構成し、
上部材6を左右に貫通するように取り付けているので、
かかる不可を分散でき、高い取り付け強度を得られる。
【0033】なお、係合部材13の取り付け部24にお
ける挿通孔24aを図7に示したように横に長い長孔2
4bで構成し、図8に示したように摺動部材12同士を
前後に一体化する締結具に段付きボルト29を用いて、
係合部材13を強く挟持しないように設定すると、係合
突部23を有した係合部材13を、上部材6に対して左
右方向に摺動可能に取り付けることができる。
【0034】このように構成した金具1で屋根板4aの
取り付けを行う場合には、図9に示したように、係合部
材13を予め、屋根板4aの取り付けを行ってゆく施工
方向に移動しておき、屋根板4aの片方の係合部4cと
の係合を行いやすくする。そして、屋根板4aを係合突
部23と係合部4cが係合可能な所定位置に位置させて
から、係合部材13を反施工方向に摺動して、係合突部
23を係合部4cに対して深く充分に係合する。同様の
作業を施工方向に沿って順に行えば、屋根板4aを大き
く変形せずとも固定できる。このため、不測に屋根板4
aを損傷したりすることを阻止でき、簡易で確実な屋根
板4aの取り付けができる。
【0035】図10および図11は、係合部材13を他
の形状にした金具の例を示す斜視図である。
【0036】図10に示した金具1の場合は、先の例に
示した係合部材13と同様に2枚の係合部材担体13a
を重合して構成するが、先の例の場合よりも、取り付け
部24から延設するアーム部25の傾斜を緩やかにし
て、その先端部をそのまま係合突部23に設定してい
る。
【0037】図11に示した金具1は、係合部材13を
一枚の金属板で形成して、コストの低減と、軽量化を図
っている。アーム部25から係合突部23にかけて形成
する補強用の折曲片26は、上下で曲げ方向を違えると
ともに、左右の係合突部23でも曲げ方向を違えてい
る。その他の部分については、先の例と同一の構造であ
るので、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0038】これらのような係合部材13を用いて金具
1を形成しても、取り付け部24に形成する挿通孔24
aを長孔で形成し、段付きボルトや段付きリベットで止
めれば左右方向に摺動可能に構成でき、前述のような取
り付け作業性の良さなどの効果を享受できる。
【0039】図12は、他の例に係る金具1の斜視図で
あり、この金具1では上部材6を、4個の摺動部材12
と、位置決め金具14とで構成し、係合突部23を摺動
部材12に一体形成している。
【0040】すなわち図13に示したように、摺動部材
12における先の例の取り付け部24を形成する部位
に、前記取り付け部24の半分の長さに相当する重合部
30を水平に形成し、その先から斜め下方にアーム部2
5を形成し、アーム部25の先から水平に、三角形状の
係合突部23を形成している。係合突部23の先端の上
側縁には、折曲片26を形成して補強するとともに、こ
の係合突部23と上記重合部30には、リベット28止
め用の丸孔27を形成し、アーム部25の両側部位に
は、突起31あるいは窪み32を形成している。突起3
1と窪み32は、前後方向に隣接する摺動部材12同士
を重ねたときに嵌まり合って、両者の位置関係を規制
し、重合時の一体性を高めるためのものである。なお、
下部材5については、先の説明と同一の構成であるの
で、同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0041】このような各部材で構成する上部材6は、
まず、前後方向に隣接すべき摺動部材12同士をリベッ
ト28で止めて一体化する。続いて、2個ずつ一体化し
た摺動部材12で位置決め金具14を挟みながら、断熱
部材8の上部にボルト19ナット20で組み付ける。ボ
ルト19ナット20に代えてリベットを用いるもよい。
【0042】このようにして構成した金具1は、先の例
に示したの同様に、屋根板4aの歪を吸収する作用を有
し、優良な屋根2を得ることに貢献する。
【0043】図14に示した金具1は、係合突部23を
先の例の場合よりも上方に位置させた例を示している。
すなわち、図15に示したように立ち上がり部4bの上
部に係合部4cを有する屋根板4aを取り付けるのに適
する。この金具1では、上部材6を、左右2個の摺動部
材12と、位置決め金具14とで構成する。位置決め金
具14は先の例のように構成し、摺動部材12は、金具
の上部材として必要な長さの摺動片15aを下端に有す
る摺動部15を設け、この摺動部15を有する本体部2
1の内側縁から垂直片16を立設し、垂直片16の上端
縁から水平に、屋根板4aの頂部を受ける受け片17を
延設して、この先を斜め下方に延設して、上記屋根板4
aの係合部4cに対応する位置に、係合突部23を設け
ている。係合突部23の先は、内側に折り返している。
この場合も、下部材5については、先の説明と同一の構
成であるので、同一の符号を付して、詳しい説明を省略
する。
【0044】このような各部材で構成した上部材6は、
2個の摺動部材12を位置決め金具14を挟むようにし
て単に組み付けるだけで、下部材5に取り付けられる。
取り付けると、上部材6は下部材5の上を前後方向に摺
動可能であるので、前述のように音なり防止等の効果を
得られる。
【0045】図16に示した金具1は、上部材6の係合
突部23の形状を、図14に示した金具1と違えた他の
例を示している。このように受け片17から先をハの字
状に延設して係合突部23を形成するもよい。また、位
置決め金具14は、摺動部材12同士を一体化するとき
に組み込むのではなく、予め一方の摺動部材12にリベ
ット33で固定するようにして、組立作業の単純化を図
っている。
【0046】図17は、さらに他の例に係る金具1の斜
視図である。この金具1では、下部材5は先の例と同一
に構成しているが、上部材6を2つの摺動部材12と係
合部材13と位置決め金具14とで構成し、組立作業の
簡単化を図ったものである。
【0047】すなわち、摺動部材12は、前後方向に隣
接するもので構成する。下部材5における断熱部材8の
摺動溝8eを摺動する摺動片15aを下端に有した摺動
部15を本体部21の左右両側に形成し、本体部21に
おける前後方向の一端縁に垂直片16を立設する。この
垂直片16には、図18、図19に示したように、摺動
部材12同士を締結具により一体化するため、角孔16
aを左右に2個形成している。そして垂直片16の上端
縁からは、水平な受け片17を、折り曲げによって形成
する。
【0048】上記摺動部15は、垂直片16間に係合部
材13を挟んで摺動部材12同士を体化したときに、相
互に当接するように、垂直片16よりも前方に突出させ
ている。係合部材13は、先の例と同一の構成であるの
で、詳しい説明を省略し、同一の符号を付しておく。こ
れまでの説明で示したような他の形の係合部材13を用
いることもできる。
【0049】上記受け片17の左右両側縁には、先端側
の方が左右に張り出すように段部17aを形成して、こ
の段部17aに、位置決め金具14を取り付ける。すな
わち、位置決め金具14は、薄い金属板の左右方向の中
間部を重ね合わせて規制部14aを形成し、その規制部
14aの下端から左右方向に、受け片17の上面を覆う
延出部14eを形成し、延出部14eの先を、上記段部
17aに嵌まるように下方へコ字型に折曲した構造であ
る。
【0050】このような各部材で構成する上部材6は、
2個の摺動部材12を締結具の一例としてのボルト19
ナット20で前後に組み合わせて一体化するときに、係
合部材13を挟持するとともに、位置決め金具14を受
け片17に嵌めつければよい。このようにして形成した
金具1も、上部材6は下部材5に対して前後方向に摺動
可能であるので、音なり防止機能を有した屋根2を得る
ことができる等の効果を達成できる。
【0051】なお、このように上部材を構成した場合で
も、図20に示したように、係合部材13の取り付け部
24に形成する挿通孔24aを長孔24bで構成し、締
結具に段付きボルト29や段付きリベットを用いれば、
係合部材13、すなわち係合突部23を左右方向に摺動
可能にすることができ、屋根板4a取り付け作業の簡単
化の効果を得ることができる。
【0052】図21の金具1は、図17の金具1と同様
に前後に一体化する2個の摺動部材12を用いて上部材
6を構成する例を示し、この金具1では、上部材6にお
ける金属板の使用量を減らして軽量化とコストの低減を
図っている。
【0053】すなわち、上部材6は、図17の金具1の
場合と同様に形成するものの、垂直片16の高さを極力
低く設定する。また、本体部21の左右に位置する摺動
部15に、外側へ突出する固定片34を折り曲げにより
形成する。この固定片34には、図22、図23に示し
たように、締結具により一体化するための角孔34aを
形成して、先の説明と同一の係合部材13を挟持する。
【0054】このため、下部材5を構成する断熱部材8
における前後方向中間部の上部、すなわち係合部材13
に対応する位置には、係合部材13を収容する切欠部8
fを形成する。この切欠部8fは、必要な部分のみに形
成して、摺動溝8eに段差を作らないようにしたが、図
24に示したように、摺動溝8eに達する位置まで大き
く形成するもよい。
【0055】なお、断熱部材8は、金具1として必要な
高さを得るため、先の各例の場合に比して、高さを高く
する必要がある。その分、合成樹脂の使用量が増えて金
具1の軽量化が図れることになる。断熱材のその他の部
位にいついては、先の例と同一であるので、同一の符号
を付して詳しい説明を省略する。
【0056】このように構成した金具1でも、上部材6
が係合突部23とともに、前後方向に摺動可能であるの
で、音なり防止の可能な屋根2を得ることができる等、
前述のような効果を達成できる。
【0057】この場合もまた、図25に示したように、
係合部材13の取り付け部24に長孔24bを形成する
とともに、締結具に段付きボルト29や段付きリベット
を用いてれば、係合部材13が左右に摺動可能な金具1
とすることができ、屋根板取り付け作業の簡単化を図れ
るなどの効果が得られる。
【0058】図26、図27は、上記図21に示した金
具1に、他の形状の係合部材13を取り付けた金具1を
示している。図26の金具1では、図11に示した金具
1の係合部材13と同一で、係合部材13を一枚の金属
板で構成して、コストの低減と軽量化を図っている。図
27の金具1では、図12に示した金具1の場合と同一
で、係合突部23を2個の摺動部材12に一体に形成し
ている。同一の部分については同一の符号を付して、詳
しい説明を省略する。
【0059】以上の一実施の形態における下葺屋根はこ
の発明における下地材に対応し、断熱部材8は、断熱構
造部7に対応するも、この発明は上述の構成に限定され
るものではない。
【0060】例えば、断熱二重屋根の形成に用いるので
はなく、断熱構造部を設けて、あるいは設けずに、一重
の屋根の形成に用いるもよい。
【0061】また、断熱構造部は上部材に設けるもよ
く、上部材と下部材の間に合成樹脂材を介装して構成す
るもよい。
【0062】さらに、下部材5の少なくとも接地面8a
には、ゴム等からなる薄いシート状態を取り付けて、下
地材3に対する良好な固定状態を得るようにするとよ
い。
【0063】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、屋根
板の立ち上がり部に形成した係合部に係合する係合突部
を、下部材の上で摺動する上部材に設けたので、その係
合突部は屋根板の伸縮に追従して摺動可能である。この
ため、屋根板に発生する歪を吸収して、音なりを良好に
防止できる。しかも、屋根板は立ち上がり部に係合部を
有した形状であるので、屋根板自体の強度は高い。ま
た、負圧によって起こる屋根板の変形を良好に抑えるこ
ともできるので、強度の高い屋根を得ることができる。
つまり、音なりを防止できることと相俟って、機能性の
優れた屋根を得ることが可能になる。
【0064】上部材または下部材、あるいはこれらの間
に、断熱構造部を設け、施工に際して断熱材を介装する
と、断熱・防音効果を、上述のような高機能性の屋根に
得ることができる。
【0065】また、屋根板の係合部に係合する係合突部
を係合部材に形成して、上部材上で左右方向に摺動可能
にすると、屋根板の取り付け作業が屋根板の大きな変形
を不要にして容易に行えるとともに、深く確実な係合状
態を得ることができる。このため、作業性が良好である
とともに、屋根板を損傷せずにすみ、また良好な取り付
け状態を得ることもできる。
【0066】さらに、上述のような顕著な効果を有する
屋根板取り付け金具を用いて形成した屋根構造は、高い
機能性を有し堅固である優良な屋根となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 屋根板取り付け金具の斜視図。
【図2】 屋根の構造を示す説明図。
【図3】 屋根板取り付け金具の分解斜視図。
【図4】 屋根板取り付け金具の構造を示す断面図。
【図5】 図4のA−A断面図。
【図6】 屋根板取り付け金具の作用状態の説明図。
【図7】 他の例に係る屋根板取り付け金具の構造を示
す断面図。
【図8】 図7のB−B断面図。
【図9】 図7に示した屋根板取り付け金具の作用状態
の説明図。
【図10】 他の例に係る屋根板取り付け金具の斜視
図。
【図11】 他の例に係る屋根板取り付け金具の斜視
図。
【図12】 他の例に係る屋根板取り付け金具の斜視
図。
【図13】 図12に示した屋根板取り付け金具の上部
材の分解斜視図。
【図14】 他の例に係る屋根板取り付け金具の斜視
図。
【図15】 図14に示した屋根板取り付け金具の使用
状態の正面図。
【図16】 他の例に係る屋根板取り付け金具の斜視
図。
【図17】 他の例に係る屋根板取り付け金具の斜視
図。
【図18】 図17に示した屋根板取り付け金具の構造
を示す断面図。
【図19】 図18のC−C断面図。
【図20】 図17に示した屋根板取り付け金具のその
他の構造を示す断面図。
【図21】 他の例に係る屋根板取り付け金具の斜視
図。
【図22】 図21に示した屋根板取り付け金具の構造
を示す断面図。
【図23】 図22のD−D断面図。
【図24】 図21に示した屋根板取り付け金具のその
他の構造を示す断面図。
【図25】 他の例に係る屋根板取り付け金具の断面
図。
【図26】 他の例に係る屋根板取り付け金具の斜視
図。
【図27】 他の例に係る屋根板取り付け金具の斜視
図。
【符号の説明】
1…屋根板取り付け金具 2…屋根 3…下葺屋根 4…上葺屋根 4a…屋根板 4b…立ち上がり部 4c…係合部 5…下部材 6…上部材 7…断熱構造部 8…断熱部材 8e…摺動溝 12…摺動部材 13…係合部材 15a…摺動片 23…係合突部 24b…長孔 29…段付きボルト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下地材の上に固定した後、上から被せた屋
    根板を係合して取り付ける屋根板取り付け金具であっ
    て、下地材の上に固定する下部材と、該下部材の上に上
    下方向で分離不能に取り付ける上部材とを設け、該上部
    材に対して、左右に立ち上がり部を有し、かつ該立ち上
    がり部に内外方向の凹凸からなる係合部を有した屋根板
    における上記係合部に左右方向から係合する係合突部を
    設け、該上部材を、上記下部材に対して、屋根板の長さ
    方向に沿って相対摺動可能に取り付けた屋根板取り付け
    金具。
  2. 【請求項2】前記上部材または下部材、あるいはこれら
    の間に、上下方向での熱伝導を遮断する断熱構造部を設
    けた請求項1に記載の屋根板取り付け金具。
  3. 【請求項3】前記係合突部を、前記上部材とは別体の係
    合部材に形成するとともに、該係合部材を、上部材に対
    して左右方向に摺動可能に取り付けた請求項1または請
    求項2に記載の屋根板取り付け金具。
  4. 【請求項4】前記請求項1から請求項3のうちのいずれ
    か一項に記載の屋根板取り付け金具を用いた屋根構造。
JP2001349592A 2001-11-15 2001-11-15 屋根板取り付け金具および屋根構造 Pending JP2003147915A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001349592A JP2003147915A (ja) 2001-11-15 2001-11-15 屋根板取り付け金具および屋根構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001349592A JP2003147915A (ja) 2001-11-15 2001-11-15 屋根板取り付け金具および屋根構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003147915A true JP2003147915A (ja) 2003-05-21

Family

ID=19162238

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001349592A Pending JP2003147915A (ja) 2001-11-15 2001-11-15 屋根板取り付け金具および屋根構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003147915A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4875782B1 (ja) * 2011-07-22 2012-02-15 株式会社川上板金工業所 二重折板屋根の連結部材及び構造
JP2017110445A (ja) * 2015-12-18 2017-06-22 Jfe鋼板株式会社 折板屋根改修用金具

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4875782B1 (ja) * 2011-07-22 2012-02-15 株式会社川上板金工業所 二重折板屋根の連結部材及び構造
JP2017110445A (ja) * 2015-12-18 2017-06-22 Jfe鋼板株式会社 折板屋根改修用金具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3490674B2 (ja) 外壁施工構造
US7637527B2 (en) Mounting element, mounting tool, and mounting-set
US7789365B2 (en) Grid-holding element
KR101763694B1 (ko) 비닐하우스용 패드 일체형 골조 및 패드 일체형 골조 고정장치
KR102341552B1 (ko) 바닥 부재의 고정 구조
JP2003147915A (ja) 屋根板取り付け金具および屋根構造
JP2003253819A (ja) 屋根構造、屋根板、屋根板取り付け金具
JP5847113B2 (ja) 木材接合金具
JPH0754430Y2 (ja) 折版構造屋根の雪止金具取付用の金具並びに折版構造屋根の雪止金具
JP2021110152A (ja) 屋根用雪止め装置
JP6867830B2 (ja) 折板屋根連結具及び折板屋根構造
JP2004204456A (ja) 屋根板支持用断熱金具
JP3816420B2 (ja) 屋根板支持具
JPH0715953Y2 (ja) 鋼製下地材止め金具
JP3858684B2 (ja) 建材の取付金具及び取付構造
JP2778637B2 (ja) 折板屋根取付け金具、およびこれを用いた折板屋根構造
JPS6016185Y2 (ja) 入隅外壁コーナーの保持具
JP2001214567A (ja) 天井パネル取付け構造
JPH0791887B2 (ja) 屋根板取付装置
JP3441606B2 (ja) 二重屋根
JP3523580B2 (ja) 折板屋根板取付け金具および折板屋根構造
JPH0635742B2 (ja) 縦葺き屋根構造
JPH0584780B2 (ja)
JP3881899B2 (ja) 引寄せ金物
JPH0414656Y2 (ja)