JP2003146352A - 蓋材及びその製造方法 - Google Patents
蓋材及びその製造方法Info
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Abstract
プ容器に使用される蓋材の構成材料からアルミニウム箔
などの金属を除き、金属探知機による検査、および、電
子レンジによる加熱を可能とし、使用後の廃棄性を改善
すると共に、カールも少なく、自動充填シール機におけ
る機械適性に優れ、且つ、コスト面においても優れた蓋
材及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 紙層1と樹脂層3とが積層一体化された
構成を有する蓋材を、分子内に活性な官能基を有するオ
レフィン系樹脂を樹脂温度220℃以下で押出しラミネ
ートを行うことにより紙層1と樹脂層3とを積層一体化
して形成する。
Description
プ入りスナック等のカップ容器に使用される蓋材に関す
る。
の蓋材としては、例えば、紙/ポリエチレン/アルミニ
ウム箔/ポリエチレン/ホットメルト層の構成からなる
蓋材が、一般的に使用されている。このような蓋材のア
ルミニウム箔には、その剛性、塑性変形性の点から、7
μm以上の厚さのアルミニウム箔が用いられている。
ウム箔の特性である剛性、塑性変形性により、カールの
発生を少なくでき、また、自動充填シール機における機
械適性に優れるなどの長所を有する。しかしながら、反
面、内容物充填後の金属探知機による金属異物の混入検
査や、使用時の電子レンジによる内容物の加熱ができ
ず、また、コストも割高となり、使用後の廃棄性につい
ても問題があった。
を主体とした構成の蓋材の開発が進められ、例えば、紙
/押出ポリエチレン(接着層)/シーラントフィルム、
紙/押出ポリエチレン(接着層)/ホットメルト層、P
ETフィルム/押出ポリエチレン(接着層)/紙/押出
ポリエチレン(接着層)/シーラントフィルム、のよう
な構成が知られている。
ニウム箔を使用しない上記構成の蓋材は、接着層である
押出ポリエチレンは溶融押出加工で280〜300℃以
上で押し出した溶融膜の空気酸化による表面活性で層間
(特に接着強度が得にくい紙層側の界面)を接着させて
いるため、この押出し樹脂層及び隣接する樹脂層(シー
ラントフィルムやPETフィルム等)の熱収縮が起こ
り、予測・管理しがたい製品のカール、歪の原因とな
り、カップ容器を閉蓋する際の蓋材供給時にしばしば障
害が発生していた。
る為に、層の一部に押出加工をやめて接着剤で積層する
ドライラミネート法を組み合わせたり、紙層と樹脂層の
厚みの比率を一定の範囲に規定したり(特開2000−
85058号公報)、予め凹凸型付けしたシーラントフ
ィルムを使う(特開2000−255620号公報)、
等の提案がなされている。
の加工で厚みと水蒸気バリアを付与できる押出ラミネー
ト法に比べて生産性に劣り、凹凸型付けしたシーラント
フィルムを用いる場合には加工工数が増え、どちらもコ
スト的に問題がある。
されたものであり、その目的とするところは、蓋材の構
成材料からアルミニウム箔などの金属を除き、金属探知
機による検査、および、電子レンジによる加熱を可能と
し、使用後の廃棄性を改善すると共に、カールも少な
く、自動充填シール機における機械適性に優れ、且つ、
コスト面においても優れた蓋材及びその製造方法を提供
することにある。
本発明により解決することができる。
が、分子内に活性な官能基を有するオレフィン系樹脂に
よる押出し樹脂層を介して積層された構成を有すること
を特徴とする。
樹脂層とが積層一体化された構成を有する蓋材の製造方
法であって、分子内に活性な官能基を有するオレフィン
系樹脂を樹脂温度220℃以下で押出しラミネートを行
うことにより紙層と樹脂層とを積層することを特徴とす
る。
脂は、MFR(メルトフローレート)が18以上である
こと」、「前記オレフィン系樹脂は、カルボキシル基変
性ポリオレフィンもしくはカルボニル基変性ポリオレフ
ィンであること」、「前記樹脂層がシーラントフィルム
であること」、「前記樹脂層と前記紙層の積層体の該紙
層側に、さらにシーラントフィルムを押出し樹脂層を介
して積層すること」、等が好ましい形態として挙げられ
る。
体化するための押出し樹脂層として分子内に活性な官能
基を有するオレフィン系樹脂を用いることにより、特に
接着不足となりがちな紙層との層間接着力を高めること
ができ、従来のように空気酸化による表面活性で層間を
接着させるために高温で押し出す必要がない。このた
め、この押出し樹脂層及び隣接する樹脂層(シーラント
フィルムやPETフィルム等の樹脂フィルム)の冷却に
よる熱収縮の影響を低減でき、製品のカール、歪等の変
形を抑制することができる。また、蓋材自体の製造工程
が簡略化され製造コストが低く抑えられる。
に基づいて説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限
定されるものではない。
断面模式図であり、紙層1/押出し樹脂層2/シーラン
トフィルム(樹脂層)3、の積層構造を有する。
剛性を有し、引張り強度、引き裂き強度などの機械的強
度や層間強度に優れると共に、印刷適性にも優れている
ことが好ましい。具体的には、例えば坪量が約70〜1
10g/m2のコート紙が好適に使用される。この紙層
1には、表面側に印刷層1aを設けることもできる。
シーラント層を有する多層の樹脂から構成され、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステ
ル、ポリアミド等の単層もしくは多層からなる樹脂基材
部とシーラント層の組み合わせが用いられる。また、前
記樹脂基材部に高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリ
エチレン、ポリアミド等の引き裂き・破断強度に優れた
素材を採用することにより、開封時の樹脂部または紙の
破損をより効果的に防ぐことができる。
カップ容器のフランジ部とヒートシール性があり、且つ
ピールオープン性があればよく、その物性を持つ材質と
しては、例えばEAA(エチレンアクリルアシッド)、
EEA(エチレンエチルアクリレート)、EMA(エチ
レンメチルアクリレート)、EMAA(エチレンメチル
アクリルアシッド)、EMMA(エチレンメチルメタア
クリレート)、EVA(エチレンビニルアセテート)、
LDPE(低密度ポリエチレン)等の主材となる樹脂お
よび石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン等の粘着付与樹脂
等との組み合わせによるものなどが使用できる。
対側の面にて押出し樹脂層2により紙層1と積層一体化
される。
して分子内に活性な官能基を有するオレフィン系樹脂を
用いる。このようなオレフィン系樹脂としては、例えば
カルボキシル基変性ポリオレフィン樹脂、カルボニル基
変性ポリオレフィン樹脂、エポキシ基変性ポリオレフィ
ン樹脂等が挙げられ、特にカルボキシル基変性もしくは
カルボニル基変性ポリオレフィン樹脂が好適である。
尚、エポキシ基変性ポリオレフィン樹脂は接着性向上の
ための添加成分として、カルボキシル基変性ポリオレフ
ィン樹脂等にブレンドして用いることができる。
しては、具体的には、例えばエチレン、プロピレンとア
クリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸メチル、メタク
リル酸メチルなどとの共重合体が好適である。このよう
な押出し樹脂層2は、厚さ10〜20μm程度に設ける
ことが適当である。
活性な官能基を有することにより、特に接着不足となり
がちな紙層1との層間接着力を高めることができ、従来
のように空気酸化による表面活性で層間を接着させるた
めに樹脂温度280〜300℃以上で押し出す必要がな
い。
し樹脂層2として上記のようなオレフィン系樹脂を樹脂
温度220℃以下で押出しラミネートを行うことによ
り、紙層と樹脂層(図1の例ではシーラントフィルム)
とを積層一体化する。この樹脂温度が220℃より高い
と、押出し樹脂層2及びシーラントフィルム3の冷却に
よる熱収縮の影響を十分低減することができず、特に紙
層1の機械的強度が低い場合には製品に大きなカールが
発生し易くなる。尚、上記樹脂温度の下限は特に限定さ
れるものではなく、下述のMFR等の物性に応じて樹脂
毎に適性な範囲が設定される。
樹脂は、MFRが18以上であるものが好ましい。これ
により、樹脂温度220℃以下で押出しラミネートする
際にも、溶融樹脂の流動性を十分確保することができ、
特に紙層1の繊維の奥まで樹脂を行き渡らせることで接
着不足となりがちな紙層1との層間接着力をより一層高
めることができる。
のMFR値は、JIS K7210「熱可塑性プラスチ
ックの流れ試験方法」によって測定されたもので、具体
的には、試験温度190℃、試験荷重21.18Nの条
件のもとで測定された値である。
3層構造に限らず、これ以上の多層構造とすることもで
きる。
す断面模式図であり、この蓋材は樹脂フィルム(樹脂
層)4/押出し樹脂層(接着層)2/紙層1/押出し樹
脂層(接着層)2’/シーラントフィルム3、の5層構
造を有する。尚、紙層1、押出し樹脂層2、シーラント
フィルム3は、図1に示した例と同様である。
有するオレフィン系樹脂による押出し樹脂層2を介して
紙層1と積層される樹脂層が樹脂フィルム4である。
強度保持等の機能を果たすもので、一般的には、PET
等のポリエステル、延伸ポリプロピレン、ナイロン等に
よる厚さ9〜50μm程度の樹脂フィルムが用いられ
る。
ず、前述したオレフィン系樹脂を樹脂温度220℃以下
で押出しラミネートを行うことにより紙層1と樹脂フィ
ルム4とを積層一体化すると、押出し樹脂層2及び樹脂
フィルム4の熱収縮は少なく、カールの小さい積層体が
得られる。このため、この積層体の紙層1側に、さらに
押出し樹脂層2’によりシーラントフィルム3を積層一
体化する工程における加工性に優れ、押出し樹脂層2’
によるラミネート加工をスムーズに行うことができる。
脂層2と同様、分子内に活性な官能基を有するオレフィ
ン系樹脂を樹脂温度220℃以下で押出しラミネートす
るのが好ましいが、従来のようにポリエチレン等を樹脂
温度280〜300℃以上で押出しラミネートしても、
カールを抑制することができる。
等、熱湯を注いで蓋材を開封した状態で復元調理するカ
ップ容器の蓋材に好適である。
に説明する。
造することとし、基材の紙層1として、坪量84.9g
/m2の両面コート紙を用い、その外面側に多色グラビ
ア印刷機を用いて、文字、絵柄等の印刷層1aの印刷を
行った。
により、高密度ポリエチレン15μm、EVAを主剤と
したシーラントフィルム25μmの厚さで製造した。
変性ポリオレフィン樹脂としてEMAA(ニュクレルA
N42115C、三井デュポンポリケミカル社製、MF
R:32)を用い、押出樹脂温度を210℃として15
μmの押出ラミネートを行い、紙層1とシーラントフィ
ルム3のサンドイッチ加工を行った。
TAPPI No.16、カール試験法による)。その
結果、押出し樹脂層及びシーラントフィルムの熱収縮は
少なく、印刷面を上とするカールは少なく、カール度は
20であった。ここで自動充填シール機における機械適
性を考慮すると、カール度の実用のレベルは20以下が
望ましい。
E(サンテックLD 1850K、旭化成社製、MF
R:6.8)を用い、押出樹脂温度を320℃として1
5μmの押出ラミネートを行い、紙層1とシーラントフ
ィルム3のサンドイッチ加工を行った以外は、実施例1
と同様の材料及び工程によって3層構造の蓋材を製造
し、そのカール度を測定した。
ィルムの熱収縮により印刷面を上とする強いカールが発
生し、カール度は50であった。
造することとし、基材の紙層1として、坪量84.9g
/m2の両面コート紙を用いた。
ETフィルムを用い、その内面側に多色グラビア印刷機
を用いて、文字、絵柄等の印刷層4aの印刷を行った。
により、高密度ポリエチレン15μm、EVAを主剤と
したシーラントフィルム25μmの厚さで製造した。
性ポリオレフィン樹脂としてEAA(プリマコール34
60、ダウ・ケミカル日本社製、MFR:20)を用
い、押出樹脂温度を210℃として15μmの押出ラミ
ネートを行い、紙層1とPETフィルム4のサンドイッ
チ加工を行った。
(サンテックLD 1850K、旭化成社製、MFR:
6.8)を用い、押出樹脂温度を320℃として15μ
mの押出ラミネートを行い、紙層1とPETフィルム4
の積層体の紙層1とシーラントフィルム3のサンドイッ
チ加工を行った。この時、上記積層体のカールの力が弱
いため、本工程のラミネート加工をスムーズに行うこと
ができた。
を実施例と同様に測定した結果、カールは極めて少な
く、カール度は10であった。
E(サンテックLD 1850K、旭化成社製、MF
R:6.8)を用い、押出樹脂温度を330℃として1
5μmの押出ラミネートを行い、紙層1とPETフィル
ム4のサンドイッチ加工を行った以外は、実施例2と同
様の材料及び工程によって5層構造の蓋材を製造し、そ
のカール度を測定した。
層)及びPETフィルムの熱収縮が大きく、カールの力
が強いため、二度目の押出し樹脂層(PE層)のラミネ
ート加工では装置の調整が難しく、また、最終的に得ら
れた蓋材には強いカールが発生し、カール度は40であ
った。
紙層と樹脂層とを積層一体化するための押出し樹脂層と
して分子内に活性な官能基を有するオレフィン系樹脂を
用いることにより、特に接着不足となりがちな紙層との
接着力を高めることができ、従来のように空気酸化によ
る表面活性で層間を接着させるために樹脂温度280〜
300℃以上で押し出す必要がない。このため、この押
出し樹脂層及び隣接する樹脂層(シーラントフィルムや
PETフィルム等のプラスチックフィルム)の冷却によ
る熱収縮の影響を低減でき、製品のカール、歪等の変形
を抑制することができる。
などの金属を除いているため、金属探知機による検査、
および、電子レンジによる加熱が可能であり、且つ、使
用後の廃棄性を改善される。
つ製造コストが低く抑えられる。
である。
図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 紙層と樹脂層とが、分子内に活性な官能
基を有するオレフィン系樹脂による押出し樹脂層を介し
て積層された構成を有することを特徴とする蓋材。 - 【請求項2】 前記オレフィン系樹脂は、MFRが18
以上であることを特徴とする請求項1に記載の蓋材。 - 【請求項3】 前記オレフィン系樹脂は、カルボキシル
基変性ポリオレフィンもしくはカルボニル基変性ポリオ
レフィンであることを特徴とする請求項1又は2に記載
の蓋材。 - 【請求項4】 前記樹脂層がシーラントフィルムである
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載
の蓋材。 - 【請求項5】 前記樹脂層と前記紙層の積層体の該紙層
側に、さらにシーラントフィルムが積層された構成を有
することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に
記載の蓋材。 - 【請求項6】 紙層と樹脂層とが積層一体化された構成
を有する蓋材の製造方法であって、分子内に活性な官能
基を有するオレフィン系樹脂を樹脂温度220℃以下で
押出しラミネートを行うことにより紙層と樹脂層とを積
層することを特徴とする蓋材の製造方法。 - 【請求項7】 前記オレフィン系樹脂は、MFRが18
以上であることを特徴とする請求項6に記載の蓋材の製
造方法。 - 【請求項8】 前記オレフィン系樹脂は、カルボキシル
基変性ポリオレフィンもしくはカルボニル基変性ポリオ
レフィンであることを特徴とする請求項6又は7に記載
の蓋材の製造方法。 - 【請求項9】 前記樹脂層がシーラントフィルムである
ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載
の蓋材の製造方法。 - 【請求項10】 前記樹脂層と前記紙層の積層体の該紙
層側に、さらにシーラントフィルムを押出し樹脂層を介
して積層することを特徴とする請求項6乃至8のいずれ
か一項に記載の蓋材の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001348324A JP4394854B2 (ja) | 2001-11-14 | 2001-11-14 | 蓋材の製造方法 |
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JP2008010213A Division JP2008100769A (ja) | 2008-01-21 | 2008-01-21 | 蓋材 |
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