JP2003143804A - モータ - Google Patents

モータ

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JP2003143804A
JP2003143804A JP2001334231A JP2001334231A JP2003143804A JP 2003143804 A JP2003143804 A JP 2003143804A JP 2001334231 A JP2001334231 A JP 2001334231A JP 2001334231 A JP2001334231 A JP 2001334231A JP 2003143804 A JP2003143804 A JP 2003143804A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回転軸とウォーム軸との間に介在される連結手
段の寸法管理が容易となるモータを提供する。 【解決手段】硬質プレート50は、従動側回転体29の
上面29iに凹設置されたプレート収容凹部29jに収
容される。詳しくは、プレート収容凹部29j内にグリ
スを注入した後、硬質プレート50がプレート収容凹部
29jに圧入され、従動側回転体29に対して回転不能
に配置される。そして、軸方向において、回転軸6の端
面6bとボール36と硬質プレート50とが、それぞれ
常に接した状態となっている。つまり、回転軸6は、ボ
ール36及び硬質プレート50を介して従動側回転体2
9に隙間なく接している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ部の回転軸
と減速部のウォーム軸とが分割され、両軸が連結手段に
よって連結されたモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、パワーウインドウ装置等に用いら
れるモータとしては、モータ部と減速部とを備えたもの
がある。モータ部は、ヨークと、そのヨークの開口部に
嵌合されるブラシホルダと、ヨークおよびブラシホルダ
に回転可能に支持される回転軸とを有する。減速部は、
ヨークに固定されるギヤハウジングと、ギヤハウジング
に収容される減速機構を有する。減速機構は、回転軸と
同軸上に連結されるウォーム軸と、該ウォーム軸に噛合
し出力軸を一体に備えたホイールギヤを有する。
【0003】上記モータの回転軸とウォーム軸との間に
は、両軸を連結するための連結手段が設けられている。
この連結手段は、回転軸に設けられ該回転軸と一体回転
する駆動側回転体と、ウォーム軸に設けられ該ウォーム
軸と一体回転する従動側回転体とを備えている。また、
軸方向において、近接する回転軸の先端と従動側回転体
(或いはウォーム軸の先端)との間には金属製のボール
(鋼球体)が介在されており、該ボールによって回転軸
とウォーム軸との間のスラスト荷重を支持している。
【0004】ところで、従動側回転体は、強度、製造上
の利点からウォーム軸と同質の材料で成形するのが好ま
しく、パワーウインドウ装置等に用いられるモータとし
ては、一般にウォーム軸は金属製とされており、これに
合わせて従動側回転体も金属製とするのが好ましい。
【0005】また、回転軸とウォーム軸との間のスラス
ト荷重は、回転軸から鋼球体、さらに鋼球体から従動側
回転体(ウォーム軸)に、又はその逆方向に加わる。そ
のため、各部材間には回転の摩擦力による摩耗が発生す
る。その結果、各部材間に軸方向のがたつきが発生して
モータ回転時の異音の原因となる。そこで、従来、回転
軸、鋼球体及び従動側回転体の各部材に熱処理(焼き入
れ)を施し、硬化することにより各部材間の摩耗を抑え
ていた。
【0006】ところが、連結手段を構成する従動側回転
体は、回転方向において駆動側回転体と係合される部分
を有し、この係合部に高い寸法精度が必要とされる。ま
た、連結手段自体が逆転防止のためのクラッチを構成す
る場合には、従動側回転体にロック材を噛み込むための
制御面が形成されるが、確実な逆転防止を行うために
は、制御面を高い寸法精度で成形することが必要であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従動側回転体
に熱処理を施すことにより、熱変形による従動側回転体
の寸法、面粗度等にばらつきが生じるため、駆動側回転
体との係合部、或いはクラッチとしての制御面に高い寸
法精度が得られず、その結果、連結手段における寸法管
理が煩雑になるという問題があった。
【0008】本発明の目的は、回転軸とウォーム軸との
間に介在される連結手段の寸法管理が容易となるモータ
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、回転軸を回転駆動するモ
ータ部と、前記モータ部に組み付けられ前記回転軸と略
同軸状に設けられたウォーム軸を含む減速機構を備えた
減速部と、前記回転軸と前記ウォーム軸とを一体回転可
能に連結する連結手段と、を備えたモータにおいて、前
記連結手段は、前記回転軸と一体回転可能な駆動側回転
体と、該駆動側回転体に対して回転方向に係合しかつ前
記ウォーム軸と一体回転可能な従動側回転体と、前記回
転軸の軸方向一端側に設けられた鋼球体と、前記従動側
回転体の一端側に固定され該従動側回転体より高い硬度
を有する硬質部材とを備え、前記回転軸は、軸方向にお
いて前記鋼球体及び前記硬質部材を介して前記従動側回
転体に隙間なく接しているこを特徴としている。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のモータにおいて、前記従動側回転体は前記鋼球体に対
向する対向面を有し、該対向面に前記硬質部材を収容す
る収容凹部を設けたことを特徴としている。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
のモータにおいて、前記収容凹部内には前記硬質部材と
の間に潤滑材を設けたことを特徴としている。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記硬
質部材は金属材に熱処理を施してなることを特徴とする
モータ。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記駆
動側回転体は、前記鋼球体を保持する保持部を有するこ
とを特徴としている。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項5のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記従
動側回転体を前記ウォーム軸と一体成形したことを特徴
としている。
【0015】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請
求項6のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記連
結手段は、前記回転軸からの回転力を前記駆動側回転体
及び従動側回転体を介してウォーム軸に伝達するととも
に、前記ウォーム軸からの回転力が従動側回転体から前
記駆動側回転体に伝達しないように構成されたクラッチ
であることを特徴としている。
【0016】請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請
求項6のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記連
結手段は、前記回転軸からの回転力を前記駆動側回転体
及び従動側回転体を介してウォーム軸に伝達するととも
に、前記ウォーム軸からの回転力が前記従動側回転体か
ら前記駆動側回転体に所定の摩擦力を付与して伝達する
ように構成されたクラッチであることを特徴としてい
る。
【0017】(作用)請求項1に記載の発明によれば、
硬質部材は、従動側回転体よりも高い硬度を有して従動
側回転体の一端側に固定されている。そして、回転軸が
軸方向において、鋼球体及び硬質部材を介して従動側回
転体に隙間なく接しているため、回転軸、鋼球体、硬質
部材及び従動側回転体の各部材間に軸方向のがたつきが
発生しない。また、従動側回転体に固定された硬質部材
に対して鋼球体が接しているため、モータ回転による軸
方向の摩擦力は鋼球体と硬質部材との間に発生し、従動
側回転体には摩擦力が直接加わらない。よって、従動側
回転体自体に硬化のための熱処理(焼き入れ)等を施す
ことが不要となり、連結手段の寸法管理が容易となる。
なお、上記硬質部材と同様、回転軸及び鋼球体には予め
熱処理(焼き入れ)等を施すことが好ましい。
【0018】請求項2に記載の発明によれば、従動側回
転体は鋼球体に対向する対向面を有し、該対向面に収容
凹部を設け、該収容凹部に硬質部材を収容したので、鋼
球体と従動側回転体との間に硬質部材を介在させても収
容凹部の軸方向の深さ分、モータ軸方向の長さを抑制で
き、モータを小型化することができる。
【0019】請求項3に記載の発明によれば、収容凹部
内には硬質部材との間に潤滑材を設けたので、従動側回
転体の回転により収容凹部内の潤滑材が漏れ出し、硬質
部材と鋼球体との間の摩擦が低減される。
【0020】請求項4に記載の発明によれば、前記硬質
部材は金属材に熱処理を施してなること
【0021】請求項5に記載の発明によれば、駆動側回
転体は、鋼球体を保持する保持部を有する。よって、鋼
球体の脱落を防止できると共に、従動側回転体と鋼球体
とを回転軸に同時に組み付けることが可能となる。
【0022】請求項6に記載の発明によれば、従動側回
転体をウォーム軸と一体成形したので、部品数及びモー
タ組付工程が削減されると共に、従動側回転体とウォー
ム軸の軸心のずれが無くなり、モータ設計管理が容易と
なる。
【0023】請求項7に記載の発明によれば、連結手段
はクラッチであり、回転軸からの回転力を駆動側回転体
及び従動側回転体を介してウォーム軸に伝達するととも
に、ウォーム軸からの回転力が従動側回転体から駆動側
回転体に伝達しないように構成される。よって、モータ
停止状態において、不意なモータの逆転が防止される。
【0024】請求項8に記載の発明によれば、連結手段
はクラッチであり、回転軸からの回転力を駆動側回転体
及び従動側回転体を介してウォーム軸に伝達するととも
に、ウォーム軸からの回転力が従動側回転体から駆動側
回転体に所定の摩擦力を付与して伝達するように構成さ
れる。よって、モータ停止状態において、不意なモータ
の逆転が防止される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図面に従って説明する。図1は、パワーウインド
ウ装置の駆動源として用いられる本実施形態のモータ1
の要部断面図を示す。モータ1は、扁平型のモータ部
2、減速部3及びクラッチ20を備えている。
【0026】図1に示すように、モータ部2は、ヨーク
ハウジング(以下、単にヨークという)4、1対のマグ
ネット5、回転軸6、アーマチャ(電機子)7、整流子
8、ブラシホルダ9及びブラシ10を備えている。
【0027】ヨーク4は略有底扁平円筒状に形成されて
おり、該ヨーク4の内周面には1対のマグネット5が対
向するように固着されている。マグネット5の内側に
は、アーマチャ7が収容されている。アーマチャ7は回
転軸6を有し、その回転軸6の基端部はヨーク4の底部
中央に設けた軸受11により回転可能に支持されてい
る。一方、回転軸6の先端部側の所定部位には、整流子
8が固定されている。又、回転軸6の先端部には、図2
及び図3に示すように、円柱形状から平行に面取りした
断面2面幅形状の連結部6aが形成されている。
【0028】ヨーク4の開口部には、ブラシホルダ9が
嵌合される。このブラシホルダ9は、ヨーク4の開口部
を略覆う形状のホルダ本体9aと、該ホルダ本体9aか
ら一体に設けられヨーク4の径方向外側に突出するコネ
クタ部9bとを備えている。
【0029】ホルダ本体9aの中央には軸受12が設け
られ、その軸受12によって前記回転軸6における整流
子8と連結部6aとの間の部位が回転可能に支持されて
いる。又、ホルダ本体9aには、コネクタ部9bと図示
しない配線で接続され前記整流子8と摺接する一対のブ
ラシ10が保持されている。ブラシ10は、コネクタ部
9bを介して供給される外部電源を整流子8を介してア
ーマチャ7に巻装したコイル巻線に供給し、アーマチャ
7(回転軸6)を回転、すなわちモータ部2を回転駆動
させる。
【0030】又、図5に示すように、ホルダ本体9aの
外周部には、ヨーク4及び後述するギヤハウジング21
の開口部間に狭持される狭持部9cが全周に亘って設け
られている。この狭持部9cは、弾性部材よりなるシー
ル部材13にて被覆されている。シール部材13は、コ
ネクタ部9b側まで延びている。そして、このシール部
材13によりヨーク4及びギヤハウジング21の両開口
部が密閉され、防水構造をなしている。
【0031】又、図5に示すように、ホルダ本体9aの
狭持部9c内側におけるギヤハウジング21側の面にお
いて、回転軸6を中心とした対称位置(回転軸6の中心
から等距離の位置)にある一対の角部近傍にそれぞれ断
面円形の位置決め孔9dが形成されている。この一対の
位置決め孔9dは、軸線方向に貫通する孔である。尚、
この位置決め孔9dを設けた角部近傍は、他の部品(例
えばブラシ10やそれに付随する部品等)と干渉し難い
場所である。
【0032】前記ヨーク4の開口部には、図1に示すよ
うに、該ヨーク4の軸直交方向断面の長手方向の外側に
延びるフランジ部4aが形成されている。各フランジ部
4aには、それぞれ所定部位にネジ14を挿通するため
のネジ挿通孔(図示略)が設けられている。
【0033】減速部3は、ギヤハウジング21、軸受2
2a,22b、ウォーム軸23、ウォームホイール24
及び出力軸25を備えている。ギヤハウジング21は、
樹脂製であって、そのモータ本体2に固定される側(図
1中、上側)端部(以下、上側端部という)は、ヨーク
4の開口部と対応した扁平型(略長方形)に形成されて
いる。ギヤハウジング21の上側端部には、図3及び図
4に示すように、ブラシホルダ9のホルダ本体9aの狭
持部9cが嵌合する嵌合凹部21aが形成されている。
又、ギヤハウジング21の上側端部には、前記ヨーク4
のネジ挿通孔と対応した位置に前記ネジ14が螺入され
るネジ孔21b,21cがそれぞれ形成されている。そ
して、ヨーク4の開口部にブラシホルダ9を装着した状
態でホルダ本体9aの狭持部9cをギヤハウジング21
の嵌合凹部21aに嵌合させて該ギヤハウジング21の
ネジ孔21b,21cにネジ14を螺入することで、ヨ
ーク4とギヤハウジング21とが互いに連結される。
【0034】ギヤハウジング21には、嵌合凹部21a
の底部中央から凹設され該嵌合凹部21aの長手方向に
長く開口した凹部21dが形成されている。又、ギヤハ
ウジング21には、凹部21dの底部中央から凹設した
円形の凹部としてのクラッチ収容凹部21e、該クラッ
チ収容凹部21eの底部中央から回転軸6の軸線方向に
沿って延びるように凹設したウォーム軸収容部21f
(図2参照)が形成されている。又、ギヤハウジング2
1には、ウォーム軸収容部21fの中間部の軸線直交方
向(図1中、右方向)に該ウォーム軸収容部21fと連
通するホイール収容部21gが形成されている。
【0035】又、図3に示すように、クラッチ収容凹部
21eの開口部には、環状のフランジ嵌合凹部21hが
形成されている。フランジ嵌合凹部21hにおける凹部
21dの長手方向両端部には、同長手方向に延びる係合
凹部21iが連続して形成されている。
【0036】又、凹部21dの底部には、2つの台座2
1jが形成されている。各台座21jは、前記係合凹部
21iの周囲にそれぞれ形成されている。即ち、台座2
1jは、係合凹部21iの壁面と連続する壁面を有する
ように略コ字状に形成されている。各台座21jの上面
における凹部21dの短手方向両端部には、円柱形状の
係合突起21kが形成されている。
【0037】又、クラッチ収容凹部21eの底部には、
図2に示すように、軸受保持部21lが軸直交方向に撓
み可能に突出形成されている。この軸受保持部21l
は、ウォーム軸収容部21fより内径が大きく、クラッ
チ収容凹部21eの内径より外径が小さい略円筒形状に
形成されている。又、軸受保持部21lは、軸線方向に
クラッチ収容凹部21eの略中央付近まで延びて形成さ
れている。又、軸受保持部21lの外周面基端側には、
図2及び図4に示すように、クラッチ収容凹部21eの
内周面と連結されるリブ21mが等角度(45°)間隔
に8個形成されている。
【0038】軸受22a,22bは、金属製で略円筒形
状のすべり軸受(メタル軸受)であって、軸受22aは
軸受保持部21lに内嵌されている。この軸受22aの
内径は、ウォーム軸収容部21fの内径より小さく設定
されている。又、軸受22bは、ウォーム軸収容部21
fの底側(図1中、下側)に内嵌されている。
【0039】又、前記凹部21dの底部には、前記ブラ
シホルダ9に設けた一対の位置決め孔9dに対応した位
置に一対の円柱状の位置決め突起21nが形成されてい
る。位置決め突起21nは、軸線方向に延び、前記位置
決め孔9dに嵌合するようになっている。そして、この
位置決め突起21nと前記位置決め孔9dとが嵌合する
ことで、ブラシホルダ9とギヤハウジング21とが位置
決めされる。つまり、本実施形態では、位置決め突起2
1n及び位置決め孔9dが位置決め手段を構成してい
る。尚、上記したように、ブラシホルダ9の狭持部9c
がギヤハウジング21の嵌合凹部21aに嵌合するが、
狭持部9cは弾性部材よりなるシール部材13にて被覆
されているので、正確な位置決めはなされない。従っ
て、本実施形態では、上記のように、ギヤハウジング2
1の位置決め突起21nとブラシホルダ9の位置決め孔
9dとによって、ブラシホルダ9とギヤハウジング21
とが直接、位置決めされている。そのため、本実施形態
では、従来と比べて、回転軸6とウォーム軸23との間
の誤差の積算が小さくなり、回転軸6とウォーム軸23
との間の軸ずれ(回転軸6の中心軸線とウォーム軸23
の中心軸線とが互いに傾いたり、互いに平行な状態で径
方向にずれたりすること等)が極力抑えられている。
【0040】ウォーム軸23は金属材料からなり、ウォ
ーム軸部28と、ウォーム軸部28のモータ本体2側端
部に一体形成された従動側回転体29とからなる(図3
参照)。ウォーム軸部28は、その中間部にウォーム2
8aが形成され、その両端部で軸受22a,22bに回
転可能に支持されてウォーム軸収容部21f内に収容さ
れている。
【0041】ウォームホイール24は、ウォーム28a
と噛合され、ウォーム軸23と直交する方向(図1の紙
面直交方向)の軸中心で回転可能にホイール収容部21
g内に収容されている。そして、出力軸25は、ウォー
ムホイール24の回転に伴って同軸で回転するように該
ウォームホイール24に連結されている。この出力軸2
5は、ウインドガラスを昇降するための公知のウインド
ウレギュレータ(図示略)と駆動連結される。
【0042】前記回転軸6は、クラッチ20を介してウ
ォーム軸部28に連結されており、軸全体に熱処理が施
されて硬質加工されている。クラッチ20は、図2及び
図3に示すように、前記従動側回転体29、カラー3
1、複数(3つ)の転動体32、サポート部材33、ス
トッパ34、駆動側回転体35及びボール36を備えて
いる。
【0043】カラー31は、円筒形状の外輪31aと外
輪31aの一端(図2及び図3中、上端)から径方向外
側に延びる環状のフランジ部31bと、フランジ部31
bから180度間隔を有して更に径方向外側に延びる一
対の係合部31cとからなる。カラー31は、その外輪
31aがクラッチ収容凹部21eに内嵌され、フランジ
部31bがフランジ嵌合凹部21hに嵌合されている。
そして、係合部31cが係合凹部21iに嵌合されるこ
とで、カラー31の回り止めがなされている。尚、カラ
ー31の外輪31aは、その他端(図2中、下端)が前
記軸受保持部21lの先端(図2中、上端)位置の近傍
まで内嵌され、軸受保持部21lの撓みを阻害しない。
この外輪31aの内側には、前記従動側回転体29が配
置されている。
【0044】前記従動側回転体29は、図3に示すよう
に、ウォーム軸部28の基端部からモータ部2側(回転
軸6側)に同軸上に延びる軸部29aと、その軸部29
aから等角度(120°)間隔で径方向外側に延びる3
つの係合凸部29bとを備えている。係合凸部29b
は、径方向外側に向かうほど周方向の幅が広がるように
形成されている。又、係合凸部29bの径方向外側面
は、図2のA−A断面図である図7に示すように、カラ
ー31の外輪31aの内周面31dとの距離が回転方向
に変化する制御面41が形成されている。本実施形態の
制御面41は、従動側回転体29の回転方向端部側ほ
ど、カラー31の内周面31dとの距離が短くなる平面
状に形成されている。従動側回転体29には、図3に示
すように、係合凸部29bの補強リブ29cが設けられ
ている。補強リブ29cは、係合凸部29bのウォーム
軸部28側端部で周方向に隣り合う係合凸部29bの周
方向端面同士を繋げるように形成されている。さらに、
図2及び図3に示すように、従動側回転体29の上端面
29iには、後述する硬質プレート50が収納されるプ
レート収容凹部29jが軸方向に凹設されている。
【0045】各転動体32は、樹脂材料にて略円柱形状
に形成され、図7に示すように、係合凸部29bの制御
面41とカラー31の内周面31dとの間に配置されて
いる。転動体32の直径は、制御面41の中央部(回転
方向中央部)41aとカラー31の内周面31dの間隔
の長さより小さく、制御面41の側部(回転方向端部)
41b,41cとカラー31の内周面31dの間隔の長
さより大きく設定されている。即ち、転動体32の直径
は、中央部41aと側部41b,41cとの間の中間部
41dと、カラー31の内周面31dの間隔の長さと等
しく設定されている。
【0046】サポート部材33は、前記各転動体32を
回転可能にかつ略平行に等角度間隔で保持する。詳述す
ると、サポート部材33は、樹脂材よりなり、図2及び
図3に示すように、リング部33aと、3つの内延部3
3bと、3対のローラサポート33cと、3つの連結部
33dとからなる。リング部33aは、外輪31aより
径の大きい円環状に形成されている。3つの内延部33
bは、リング部33aの内周から径方向内側に等角度間
隔で延設されている。各ローラサポート33cは内延部
33bの径方向内側の周方向両端部から軸線方向に延設
されている。各連結部33dは、隣り合うローラサポー
ト33cを連結するように円弧状に形成されている。
又、各ローラサポート33cの先端には周方向に向い合
う一対の係止凸部33eが形成されている。そして、各
転動体32は、各対のローラサポート33c間で、且つ
内延部33bと係止凸部33eとの間で保持され、リン
グ部33aに対して周方向及び軸線方向に移動不能に保
持される。このように転動体32を保持したサポート部
材33は、前述したように転動体32が制御面41とカ
ラー31の内周面31dとの間に配置されるように、各
ローラサポート33cが外輪31aの内側に挿入され、
リング部33aがカラー31の軸線方向外側でフランジ
部31b上に当接されて配置される。
【0047】ストッパ34は、金属製の均一な厚さの板
材から形成されている、ストッパ34は、前記サポート
部材33のリング部33aと略同径の環状に形成された
当接部34aと、その当接部34aから180°間隔で
径方向外側に延びる延設部34bとを備えている。当接
部34aの内外径は、図2に示すように、前記カラー3
1の外輪31aの内外径と略同径に設定されている。延
設部34bには固定部34cが形成されている。固定部
34cは、前記ギヤハウジング21の係合突起21kと
対応するように、ストッパ34の四隅に形成されてい
る。そして、ストッパ34は、固定部34cに係合突起
21kが嵌入されることで、該ギヤハウジング21に固
定される。ストッパ34の当接部34aは、サポート部
材33のリング部33aの上部(図1中、上部)に配置
される。そして、ストッパ34は、サポート部材33の
リング部33aが当接部34aに当接することで、該サ
ポート部材33とともに転動体32の軸線方向の移動を
規制している。又、図2及び図3に示すように、各延設
部34bの略中央には、規制部34dが形成されてい
る。規制部34dは、延設部34bの一部を切り起こす
ことにより形成されている。規制部34dは、その先端
が前記カラー31の係合部31cと当接し該カラー31
の軸線方向の移動を規制している。
【0048】前記駆動側回転体35は、軸部35aと、
軸部35aよりも拡径された円盤部35bと、円盤部3
5bの中央に設けたボール保持部35cとを有してい
る。このボール保持部35cには、ボール36を保持す
るためのボール収容凹部35dが形成されている。この
ボール収容凹部35dにて保持されたボール36は、予
め熱処理が施されて硬質加工されており、軸線方向の両
方向においてそれぞれ該ボール36の一部が突出した状
態で保持されている。そして、ボール36は、図2及び
図3に示すように、回転軸6の端面6b及び従動側回転
体29の上面29iに配置された硬質プレート50の端
面にそれぞれ当接している。
【0049】硬質プレート50は、金属を予め熱処理
(焼き入れ)加工したものであり、従動側回転体29に
比べて硬く、かつ同じく熱処理加工された回転軸6及び
ボール36と同等の硬さを有する。そして、硬質プレー
ト50は、従動側回転体29の上面29iに凹設置され
たプレート収容凹部29jに収容される。詳しくは、プ
レート収容凹部29j内にグリスを注入した後、硬質プ
レート50がプレート収容凹部29jに圧入され、従動
側回転体29に対して回転不能に配置される。そして、
軸方向において、回転軸6の端面6bとボール36と硬
質プレート50とが、それぞれ常に接した状態となって
いる。つまり、回転軸6は、ボール36及び硬質プレー
ト50を介して従動側回転体29に隙間なく接してい
る。
【0050】前記駆動側回転体35の軸中心には、軸部
35aの基端(図2中、上端)から下方のボール保持部
35cに向かって延び、一対の平行面を有する断面2面
幅形状の連結孔35eが前記ボール収容凹部35dと連
通するように形成されている。この連結孔35eには、
前記回転軸6の連結部6aが遊嵌されている。つまり、
連結孔35eは、前記回転軸6の連結部6aに対して寸
法が相対的に所定値だけ大きくなるように設定され、相
互間に隙間Sが生じるようになっている。そして、連結
孔35eに回転軸6の連結部6aが遊嵌されることで、
駆動側回転体35と回転軸6とが一体回転可能に駆動連
結されている。この場合、連結孔35eには回転軸6の
連結部6aが遊嵌されているので、仮に回転軸6との間
で軸ずれが生じても、その軸ずれが許容される。
【0051】ここで、本実施形態の駆動側回転体35
は、略外形を形成する樹脂内に金属プレート37がイン
サートされ、更に後述する弾性保持部38及び緩衝部4
3を形成すべく弾性力を有するエラストマ樹脂が一体成
形されて構成されている。
【0052】金属プレート37は、前記連結孔35e内
に露出する前記連結孔35eと断面同形状の連結孔37
aを有するとともに、後述する各突設部42まで延びて
いる。この連結孔37aの内周面は、前記連結孔35e
の内周面と面一となるようになっている。金属プレート
37は、駆動側回転体35、特に従動側回転体29と係
合して駆動力を伝達する各突設部42の剛性及び回転軸
6の連結部6aと係合して駆動力を伝達する連結孔35
e部分の剛性を向上するためにインサートされている。
【0053】そして、この金属プレート37の連結孔3
7aが露出する連結孔35eにおいて、前記回転軸6の
連結部6aと回転方向において係合する。この場合、連
結孔35eは、軸線方向において短いが金属プレート3
7により剛性を向上させているため、軸線方向の大型化
を抑えつつ、回転軸6からの回転駆動力を確実に受ける
ようになっている。又、連結孔35eを軸線方向におい
て短くしたことで、駆動側回転体35に対する回転軸6
の傾き角を広く取ることができる。従って、回転軸6の
傾きが大きい場合であっても、容易に対応することがで
きる。
【0054】又、駆動側回転体35には、連結孔35e
の開口部から連続するように、弾性力を有するエラスト
マ樹脂よりなる弾性保持部38が一体成形されている。
尚、この弾性保持部38が一体成形された軸部35aの
内径は、前記連結孔35eの内径よりも大きく設定され
ている。弾性保持部38は、図示しないが前記連結孔3
5eの各平面部において内径が若干小さく設定されてい
る。従って、弾性保持部38は、前記回転軸6の連結部
6aの各平面部にそれぞれ圧接するようになっている。
そのため、モータ1の組立て時に駆動側回転体35を回
転軸6に装着した時、弾性保持部38により駆動側回転
体35が回転軸6から脱落しないように弾圧保持され、
モータ1の組立て作業性を向上させている。尚、上記し
たように、駆動側回転体35と回転軸6との間で軸ずれ
が生じても、弾性保持部38は弾性変形するだけであっ
て悪影響を与えるものではない。
【0055】駆動側回転体35の円盤部35bの先端側
(図2中、下側)には、図3に示すように、径方向外側
に延び、その先端から軸線方向に突出する略扇形状の突
設部42が等角度間隔に複数(3つ)形成されている。
各突設部42は、図7に示すように、大きい円弧の面が
カラー31の内周面31dより若干小さな径で同内周面
31dに沿って形成されている。即ち、駆動側回転体3
5は、その突設部42がストッパ34の当接部34aの
中心孔から軸線方向に挿入可能に形成されている。突設
部42には、径方向内側から突設部42の中間まで径方
向に延びる嵌合溝42a(図7参照)が形成されてい
る。突設部42は、外輪31a内において、従動側回転
体29の各係合凸部29b間であって、各転動体32
(各ローラサポート33c)間に配置される。
【0056】嵌合溝42aには、弾性力を有するエラス
トマ樹脂よりなる緩衝部43が一体成形されている。
尚、この緩衝部43は、駆動側回転体35の樹脂部の所
定箇所に設けた貫通孔35f(図2参照)を介して前記
弾性保持部38と連続して設けられている。緩衝部43
には、嵌合溝42aから突設部42の径方向内側に突出
し、周方向に広がる緩衝部位43aが形成されている。
緩衝部位43aの周方向の幅は、図7に示すように、突
設部42の内周面の周方向の幅より若干大きく設定され
ている。
【0057】緩衝部位43aの一側面(反時計回り側の
面)43bは、駆動側回転体35が従動側回転体29に
対して反時計回り方向(矢印X方向)に所定位置まで回
転すると、係合凸部29bの時計回り側の面の径方向内
側に形成された第1緩衝面29eと当接する。又、突設
部42の径方向内側に形成される一側面(反時計回り側
の面)42bは、駆動側回転体35が前記所定位置より
更に反時計回り方向(矢印X方向)に回転すると、係合
凸部29bの時計回り側の面の径方向外側に形成された
第1当接面29fと当接する。尚、駆動側回転体35
は、緩衝部位43aが周方向に撓む(潰れる)ことによ
り、前記所定位置より更に反時計回り方向(矢印X方
向)に回転する(図8参照)。
【0058】又、緩衝部位43aの他側面(反時計回り
側の面)43cは、駆動側回転体35が従動側回転体2
9に対して時計回り方向(矢印Y方向)に所定位置まで
回転すると、係合凸部29bの反時計回り側の面の径方
向内側に形成された第2緩衝面29gと当接する。又、
突設部42の径方向内側に形成される他側面(時計回り
側の面)42cは、駆動側回転体35が前記所定位置よ
り更に時計回り方向(矢印Y方向)に回転すると、係合
凸部29bの反時計回り側の面の径方向外側に形成され
た第2当接面29hと当接する。尚、駆動側回転体35
は、緩衝部位43aが周方向に撓む(潰れる)ことによ
り、前記所定位置より更に時計回り方向(矢印Y方向)
に回転する。
【0059】尚、各部材32,42,29b,33c
は、図8に示すように、突設部42の一側面42bが係
合凸部29bの第1当接面29fと当接し、突設部42
の反時計回り側の面の径方向外側に形成された第1押圧
面42dがローラサポート33cと当接した状態(図8
参照)、及び、突設部42の他側面42cが係合凸部2
9bの第2当接面29hと当接し、突設部42の時計回
り側の面の径方向外側に形成された第2押圧面42eが
ローラサポート33cと当接した状態のそれぞれにおい
て、転動体32が制御面41の中央部41aと対応した
位置に配置されるように各部材32,42,29b,3
3cの形状及び寸法が設定されている。
【0060】又、駆動側回転体35の軸部35aには、
リング状をなし回転方向に多極着磁されたセンサマグネ
ット45が一体回転するように装着される。これに対
し、前記ブラシホルダ9には、センサマグネット45の
近傍に位置する部位にホール素子や磁気抵抗素子等の磁
気検出素子(図示略)が設けられている。磁気検出素子
は、センサマグネット45の回転に伴った磁界の変化を
検出し、駆動側回転体35と一体回転する回転軸6の回
転数を検出するために設けられている。
【0061】このようなパワーウインドウ装置のモータ
1は、モータ本体2が駆動され回転軸6が例えば図7の
反時計回り方向(矢印X方向)に回転すると、回転軸6
とともに駆動側回転体35(突設部42)が同方向(矢
印X方向)に一体回転する。そして、図8に示すよう
に、突設部42の一側面42bが係合凸部29bの第1
当接面29fと当接し、第1押圧面42dがローラサポ
ート33cと当接すると、転動体32が制御面41の中
央部41aと対応した位置(以下、中立位置という)に
配置される。尚、この場合、突設部42の一側面42b
が第1当接面29fに当接する前に、緩衝部位43aの
一側面43bが係合凸部29bの第1緩衝面29eに先
に接触するため、該当接時の衝撃は小さくなる。
【0062】この中立状態では、転動体32は係合凸部
29bの制御面41とカラー31の内周面31dにて挟
持されないため、従動側回転体29はカラー31に対し
て回転可能となる。従って、駆動側回転体35が更に反
時計回り方向に回転すると、その回転力が突設部42か
ら従動側回転体29に伝達され、従動側回転体29が連
れ回りする。尚、このときローラサポート33c(サポ
ート部材33)には第1押圧面42dから同方向(矢印
X方向)の回転力が伝達され、ローラサポート33c
(サポート部材33)は転動体32とともに同方向に移
動する。
【0063】逆に、回転軸6が図7の時計回り方向(矢
印Y方向)に回転すると、上記と同様に、突設部42に
より転動体32が中立位置に配置される。この状態で
は、転動体32は係合凸部29bの制御面41とカラー
31の内周面31dにて挟持されないため、従動側回転
体29はカラー31に対して回転可能となる。従って、
駆動側回転体35の回転力が突設部42から従動側回転
体29に伝達され、従動側回転体29が連れ回りする。
【0064】すると、従動側回転体29とともにウォー
ム軸23が回転し、その回転に応じてウォームホイール
24及び出力軸25が回転する。従って、出力軸25に
駆動連結されるウインドレギュレータが作動し、ウイン
ドガラスが開閉(昇降)される。
【0065】一方、モータ1が停止している状態で、負
荷側(ウインドガラス側)から出力軸25に荷重がかか
ると、その荷重により従動側回転体29が回転しようと
する。そして、従動側回転体29が図7の時計回り方向
(矢印Y方向)に回転されると、転動体32は係合凸部
29bの制御面41の側部41b側に相対移動する。や
がて、図9に示すように、転動体32が側部41b側の
中間部41dとなるまで従動側回転体29が同方向に回
転すると、該転動体32は制御面41とカラー31の内
周面31dで挟持される(ロック状態となる)。そし
て、外輪31aが固定されているため、従動側回転体2
9のそれ以上の同方向の回転が阻止され、駆動側回転体
35を連れ回りさせることはない。
【0066】逆に、従動側回転体29が上記荷重により
図7の反時計回り方向(矢印X方向)に回転されると、
転動体32は係合凸部29bの制御面41の側部41c
側に相対移動する。やがて、転動体32が側部41c側
の中間部41dとなるまで従動側回転体29が同方向に
回転すると、該転動体32は制御面41とカラー31の
内周面31dで挟持される(ロック状態となる)。そし
て、外輪31aが固定されているため、従動側回転体2
9のそれ以上の同方向の回転が阻止され、駆動側回転体
35を連れ回りさせることはない。
【0067】このように、負荷側(ウインドガラス側)
から出力軸25側に大きな負荷がかかっても、従動側回
転体29の回転は阻止される。従って、出力軸25に連
結されるウインドガラスが自重や振動、外力等によりウ
インドガラスが不意に移動することが防止される。
【0068】このようなパワーウインドウ装置のモータ
1は、アーマチャ7やブラシホルダ9等を組み付けたヨ
ーク4と、ウォーム軸23等を組み付けたギヤハウジン
グ21とを組み付けると同時にクラッチ20が組み付け
られる。具体的には、図6に示すように、駆動側回転体
35は回転軸6に予め装着され、駆動側回転体35以外
のクラッチ20の構成部品はギヤハウジング21に予め
組み付けられている。そして、ヨーク4とギヤハウジン
グ21とが組み付けられると同時に、駆動側回転体35
が従動側回転体29やサポート部材33等に対して所定
位置に配置され、クラッチ20が完成する。
【0069】又、この場合、ブラシホルダ9に設けた位
置決め孔9dと、ギヤハウジング21に設けた位置決め
突起21nが嵌合することにより、ブラシホルダ9とギ
ヤハウジング21とが直接、位置決めされている。その
ため、本実施形態では、従来と比べて、回転軸6とウォ
ーム軸23との間の誤差の積算が小さく、回転軸6とウ
ォーム軸23との間の軸ずれ(回転軸6の中心軸線とウ
ォーム軸23の中心軸線とが互いに傾いたり、互いに平
行な状態で径方向にずれたりすること等)が極力抑えら
れる。そのため、例えば回転軸6とクラッチ20(駆動
側回転体35)との連結部分等において互いに径方向に
大きな荷重がかかることが防止され、回転時にその連結
部分から大きな異音や振動の発生が抑制される。
【0070】又、仮に、回転軸6とウォーム軸23との
間に軸ずれが生じても、駆動側回転体35の連結孔35
eと回転軸6の連結部6aとが遊嵌合するように各寸法
が設定されているので、その軸ずれが許容され、駆動側
回転体35と回転軸6との連結部分に大きな径方向の荷
重が生じることが防止される。そのため、このような場
合であっても、回転時に駆動側回転体35と回転軸6と
の連結部分から大きな異音や振動の発生が抑制される。
【0071】尚、この場合、駆動側回転体35の連結孔
35eと回転軸6の連結部6aとが遊嵌するように構成
されているが、連結孔35e内に設けた弾性保持部38
により駆動側回転体35は回転軸6に対して脱落しない
ように弾圧保持される。従って、図6に示すように組み
付け途中で、例えば駆動側回転体35を回転軸6の下方
に装着した状態となる場合や、駆動側回転体35に回転
軸6から離間する方向に遠心力が働いた場合等におい
て、駆動側回転体35が回転軸6から脱落しないように
保持されるので、モータ1の組立て作業が煩雑になるこ
とはない。
【0072】上記したように、本実施形態によれば、以
下の効果を有する。 (1)回転軸6と、該回転軸6の端部6bに接するボー
ル36は、予め熱処理(焼き入れ)加工が施されてお
り、ボール36は硬質プレート50に接している。硬質
プレート50は、従動側回転体29よりも高い硬度を有
している。つまり、回転軸6は、ボール36及び硬質プ
レート50を介して従動側回転体29に隙間なく接して
いる。
【0073】よって、回転軸6、ボール36、硬質プレ
ート50及び従動側回転体29の各部材間に軸方向のが
たつきが発生しない。また、従動側回転体29に固定さ
れた硬質プレート50に対してボール36が接している
ため、モータ回転による軸方向の摩擦力はボール36と
硬質プレート50との間に発生し、従動側回転体29に
は摩擦力が直接加わらない。よって、従動側回転体29
自体に硬化のための熱処理(焼き入れ)等を施すことが
不要となり、従動側回転体29の寸法管理が容易とな
り、ひいてはクラッチ20の寸法管理が容易となる。
【0074】(2)従動側回転体29の上面29iに
は、プレート収容凹部29jが凹設され、該プレート収
容凹部29jに硬質プレート50を収容した。よって、
ボール36と従動側回転体29との間に硬質プレート5
0を介在させてもプレート収容凹部29jの軸方向の深
さ分、モータ軸方向の長さを短くでき、ひいてはモータ
1を小型化することができる。
【0075】(3)収容凹部29j内には硬質プレート
50との間にグリスを設けたので、従動側回転体29の
回転によりプレート収容凹部29j内のグリスが漏れ出
し、硬質プレート50とボール36との間の摩擦が低減
される。
【0076】(4)駆動側回転体35は、ボール36を
保持するボール保持部35cを有している。このボール
保持部35cには、ボール36を保持するためのボール
収容凹部35dが形成されている。よって、ボール36
の脱落を防止できると共に、従動側回転体29とボール
36とを回転軸6に同時に組み付けることが可能とな
る。
【0077】(5)従動側回転体29をウォーム軸23
と一体成形したので、部品数及びモータ組付工程が削減
されると共に、従動側回転体29とウォーム軸23の軸
心のずれが無くなり、モータの設計管理が容易となる。
【0078】(6)回転軸6とウォーム軸23との間に
連結手段としてのクラッチ20を介在し、該クラッチ2
0は、回転軸6からの回転力を駆動側回転体35及び従
動側回転体29を介してウォーム軸23に伝達するとと
もに、ウォーム軸23からの回転力を従動側回転体29
から駆動側回転体35に伝達しないように構成される。
よって、モータ停止状態において、モータ1の不意な逆
転が防止され、ウインドウガラスの自重による降下(自
重による開放)を防止できる。
【0079】尚、本発明の実施形態は、以下のように変
更してもよい。回転軸6の端部6bにボール36を接す
るように配置したが、これに限らず、ボール36の代わ
りに、回転軸6における端部6bの形状を略半球形状に
成形するようにしてもよい。これにより、部品数、組付
工程数が減ると共に、駆動側回転体35のボール保持部
35cを省略でき、駆動側回転体35を容易に成形する
ことができる。なお、この場合においても回転軸6に熱
処理加工を施すのが好適である。
【0080】硬質プレート50とプレート収容凹部29
jとの間にグリスを注入させるようにしたが、グリスを
省略してもよい。
【0081】クラッチ20は、回転軸6からの回転力を
駆動側回転体35及び従動側回転体29を介してウォー
ム軸23に伝達するとともに、ウォーム軸23からの回
転力が従動側回転体29から駆動側回転体35に所定の
摩擦力を付与して伝達するように構成してもよい。この
ようにしても、モータ停止状態において、不意なモータ
の逆転が防止される。
【0082】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
回転軸とウォーム軸との間に介在される連結手段の寸法
管理が容易となるモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態のモータの断面図である。
【図2】 モータの要部拡大断面図である。
【図3】 クラッチ部分の分解斜視図である。
【図4】 ギヤハウジングの平面図である。
【図5】 (a)はブラシホルダの断面図であり、
(b)はブラシホルダの底面図である。
【図6】 クラッチ部分の組立てを説明するための分解
断面図である。
【図7】 図2のA−A断面図である。
【図8】 クラッチの動作を説明するための断面図であ
る。
【図9】 クラッチの動作を説明するための断面図であ
る。
【符号の説明】
2…モータ部、3…減速部、6…回転軸、7…アーマチ
ャ、20…連結手段としてのクラッチ、21…ギヤハウ
ジング、23…ウォーム軸、29…従動側回転体、29
j…プレート収容凹部、35…駆動側回転体、35c…
保持部としてのボール保持部、36…鋼球体としてのボ
ール、50…硬質部材としての硬質プレート。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸を回転駆動するモータ部と、前記
    モータ部に組み付けられ前記回転軸と略同軸状に設けら
    れたウォーム軸を含む減速機構を備えた減速部と、前記
    回転軸と前記ウォーム軸とを一体回転可能に連結する連
    結手段と、を備えたモータにおいて、前記連結手段は、
    前記回転軸と一体回転可能な駆動側回転体と、該駆動側
    回転体に対して回転方向に係合しかつ前記ウォーム軸と
    一体回転可能な従動側回転体と、前記回転軸の軸方向一
    端側に設けられた鋼球体と、前記従動側回転体の一端側
    に固定され該従動側回転体より高い硬度を有する硬質部
    材とを備え、前記回転軸は、軸方向において前記鋼球体
    及び前記硬質部材を介して前記従動側回転体に隙間なく
    接していることを特徴とするモータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のモータにおいて、前記
    従動側回転体は前記鋼球体に対向する対向面を有し、該
    対向面に前記硬質部材を収容する収容凹部を設けたこと
    を特徴とするモータ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のモータにおいて、前記
    収容凹部内には前記硬質部材との間に潤滑材を設けたこ
    とを特徴とするモータ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載のモータにおいて、前記硬質部材は金属材に熱処理
    を施してなることを特徴とするモータ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載のモータにおいて、前記駆動側回転体は、前記鋼球
    体を保持する保持部を有することを特徴とするモータ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に
    記載のモータにおいて、前記従動側回転体を前記ウォー
    ム軸と一体成形したことを特徴とするモータ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に
    記載のモータにおいて、前記連結手段は、前記回転軸か
    らの回転力を前記駆動側回転体及び従動側回転体を介し
    てウォーム軸に伝達するとともに、前記ウォーム軸から
    の回転力が従動側回転体から前記駆動側回転体に伝達し
    ないように構成されたクラッチであることを特徴とする
    モータ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に
    記載のモータにおいて、前記連結手段は、前記回転軸か
    らの回転力を前記駆動側回転体及び従動側回転体を介し
    てウォーム軸に伝達するとともに、前記ウォーム軸から
    の回転力が前記従動側回転体から前記駆動側回転体に所
    定の摩擦力を付与して伝達するように構成されたクラッ
    チであることを特徴とするモータ。
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