JP2003128599A - テレフタル酸の製造方法 - Google Patents

テレフタル酸の製造方法

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JP2003128599A
JP2003128599A JP2001317883A JP2001317883A JP2003128599A JP 2003128599 A JP2003128599 A JP 2003128599A JP 2001317883 A JP2001317883 A JP 2001317883A JP 2001317883 A JP2001317883 A JP 2001317883A JP 2003128599 A JP2003128599 A JP 2003128599A
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Japan
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terephthalic acid
reaction
hydrolysis
terephthalate
reactor
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JP2001317883A
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Tetsuya Chikatsune
哲也 近常
Takuo Nakao
卓生 中尾
Minoru Nakajima
実 中島
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テレフタル酸ジメチル及び/又はテレフタル
酸モノメチルの加水分解反応速度を高めて、効率よく高
い加水分解反応率を達成できるテレフタル酸の製造方法
を提供すること。 【解決手段】 テレフタル酸ジメチル及び/又はテレフ
タル酸モノメチルを加水分解するに際し、副生メタノー
ルを脱水縮合反応させてジメチルエーテルに変換させる
テレフタル酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維、フィルム、工
業用部材、包装用などに広く使用されているポリエステ
ル樹脂の主原料であるテレフタル酸の製造方法に関す
る。さらに詳しくは、テレフタル酸ジメチル(DMT)
及び/又はテレフタル酸モノメチル(MMT)を加水分
解してテレフタル酸を製造するに際して、加水分解反応
を促進させて効率よくテレフタル酸を製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】工業的にテレフタル酸を製造する方法に
は、パラキシレン(PX)を分子状酸素で液相酸化する
方法、及びテレフタル酸ジメチル(DMT)を加水分解
する方法とがあり、これらの技術はいずれも公知であ
る。
【0003】これらのうち、PX液相酸化法により製造
したテレフタル酸には、パラトルイル酸又は4−カルボ
キシベンズアルデヒドが主たる不純物として含まれる。
一方、DMT加水分解法により製造したテレフタル酸に
は、MMT及びDMTが主たる不純物として含まれる。
【0004】従来DMT加水分解法において、MMT及
びDMTの量を減少させるために、主として3つの方法
が提案されている。第1の方法は、加水分解反応の反応
条件を適当に調整する方法であり、具体的には反応温度
の上昇、あるいは反応時間の延長である。しかしなが
ら、反応温度を上昇させると、それに伴い圧力が指数関
数的に上昇して設備投資額が上昇するという問題があ
る。一方、反応時間を延長すると、生産効率が低下する
という問題がある。
【0005】第2の方法は、不純物を含有する粗テレフ
タル酸を高温の脱塩水で洗浄することにより、不純物を
除去して高純度のテレフタル酸を得る方法である。例え
ば特公昭55−141433号公報には、DTM加水分
解法で得られたテレフタル酸に含まれるDMT及びMM
Tを向流洗浄器に圧送して、該洗浄器で晶泥を向流にて
脱塩水で洗浄する方法が提案されている。しかしなが
ら、該方法による精製法では、多量の脱塩水を必要と
し、また、高温を保持しなくてはならないため、ランニ
ングコストが非常に大きくなるという問題がある。
【0006】さらに第3の方法は、加水分解反応により
副生するメタノール(MeOH)を効率よく系外に排出
することにより、加水分解反応の化学平衡を生成物側に
シフトさせる方法である。例えば特公昭57−9592
5号公報には、加水分解反応器底部から高温・高圧の水
蒸気を導入し、反応器頭部からMeOH/水混合物を流
出させることにより、90%を上廻る高い反応率を実現
できる方法が提案されている。しかしながら、高温・高
圧の水蒸気を必要とするためにエネルギー消費量が非常
に大きくなるだけでなく、かかる方法では液相中に溶解
しているMeOHを完全に除去することができないた
め、99%以上の反応率を実現するためには3〜8時間
程度の反応時間を必要とするという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術を背景になされたもので、その目的は、テレフタル酸
ジメチル及び/又はテレフタル酸モノメチルの加水分解
反応速度を高めて、効率よく高い加水分解反応率を達成
できるテレフタル酸の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究のよれ
ば、上記課題は「テレフタル酸ジメチル及び/又はテレ
フタル酸モノメチルを加水分解してテレフタル酸を製造
するに際し、反応副生物であるメタノールを脱水縮合反
応させてジメチルエーテルに変換させることを特徴とす
るテレフタル酸の製造方法。」により達成できることが
見出された。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明においては、テレフタル酸ジ
メチル(DMT)及び/又はテレフタル酸モノメチル
(MMT)を無触媒で、あるいは触媒を用いて、有利に
は簡単な反応器内で加水分解反応を実施する。ここで用
いられる加水分解反応器は、回分式でも連続式でもどち
らも問題なく採用することができる。この際、メタノー
ルを脱水縮合させてジメチルエーテル(DME)とする
ために、予め反応機内に触媒を入れておくのが好ましい
が、加水分解反応の途中で入れても構わない。
【0010】好ましく用いられる触媒としては、ゼオラ
イト触媒をあげることができる。金属系の触媒では、テ
レフタル酸が非常に強い酸のために金属が溶出し、製品
に着色等の影響を及ぼす恐れがある。ゼオライト触媒
は、その「分子ふるい効果」により、メタノール分子間
脱水反応が起こってジメチルエーテルが生成される。
【0011】なお、不純物としてのDMT及びMMTの
合計含有量が0.1〜1000ppm、好ましくは0.
1〜500ppmであるテレフタル酸を得るためには、
加水分解反応の反応温度は150〜280℃、好ましく
は200〜280℃で、圧力は0.3〜6.3MPa
(ゲージ圧)として数時間反応するのが好ましい。な
お、加水分解反応により副生されるMeOH、及び該M
eOHの脱水縮合反応により生成されるDMEは、反応
器、好ましくはその頭部から水蒸気と共に系外に排出さ
れる。
【0012】ここで、MeOHと比較して相対揮発度が
高く、且つ、水系の反応液中に溶解し難いDMEは、反
応器系外への排出が非常に容易である。このため、DM
Eは生成されると直ちに反応器系外へと排出されるた
め、MeOH脱水反応は非常に速やかに進行する。それ
により、系内に存在するMeOHも即座に消費されるた
め、強いては加水分解反応を生成物側、すなわちテレフ
タル酸生成側にシフトさせる。そのため脱水触媒が無い
場合よりも短時間で高い加水分解反応率を実現すること
ができるのである。
【0013】加水分解反応により生成されたテレフタル
酸は、水中に懸濁又は溶解させて反応器から排出し、次
いで数段階で晶出させた後に固液分離する。得られたテ
レフタル酸ケークは、乾燥、粉砕されることにより、最
終的にテレフタル酸粉末として得られる。
【0014】なお、反応器から留出される、主にMeO
HとDMEからなる混合物は回収され、他の用途、例え
ばボイラーの燃料として使用することができる。
【0015】以上に説明した本発明の製造方法により得
られるテレフタル酸は、ほとんど全ての使用目的に適し
ており、特に高純度の原料を必要とする飲料用PETボ
トル、ポリエステルフィルム等の原料としても使用する
ことができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明の内容を具体的に
説明するが、本発明はこれにより何等制限を受けるもの
ではない。なお、実施例中の各値は以下の方法に従って
求めた。
【0017】DMT反応率:加水分解反応中に反応器内
容物を極少量サンプリングして、乾燥後、HPLC(日
立社製:D−7000、カラム:RP−18)により含
有するDMT及びMMTを測定し、それを元に反応率を
算出した。
【0018】MeOH・DME濃度:反応器頭部から流
出させたガスをコンデンサーで予備冷却し、さらに液体
窒素トラップにて全量凝縮させたて回収した後、ヘッド
スペース−ガスクロマトグラフ(ヒューレット・パッカ
ード社製:HP6890)により測定した。
【0019】[実施例1]攪拌機を有する回分式反応器
に、DMT100kg、蒸留水200kgを投入した。
脱水縮合反応触媒としてゼオライト触媒を2kgカゴに
充填し、反応器内に液相に浸る高さに設置した。密閉状
態で徐々に加熱し、液温が250℃まで昇温して30分
保持した後、反応器頭部ノズルに設けたバルブを徐々に
開き、反応器頭部のガスを流出させた。次いで流出ガス
をコンデンサー並びに液体窒素トラップで凝縮して重量
を測定した。なお、バルブの開放と同時に高圧ポンプを
使用して反応器内に純水を供給し、供給量が凝縮液の重
量とバランスするようにポンプの流量を調整した。液温
250℃を保持し、適宜サンプリングしながら、200
分まで反応を継続した。結果を表1に示す。
【0020】[比較例1]実施例1において、触媒を使
用しない以外は実施例1と同様にした。結果を表1にあ
わせて示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、高い反応率
の加水分解反応を容易に短時間で実現できるので、飲料
用PETボトル、ポリエステルフィルムの原料としても
用いることができる高品位のテレフタル酸を安定して生
産することが可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 中島 実 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC46 BA71 BB31 BC10 BC11 BD34 BE60 BJ50 BS30 4H039 CA61 CD10 CD30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸ジメチル及び/又はテレフ
    タル酸モノメチルを加水分解してテレフタル酸を製造す
    るに際し、反応副生物であるメタノールを脱水縮合反応
    させてジメチルエーテルに変換させることを特徴とする
    テレフタル酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 メタノールの脱水縮合反応を、加水分解
    反応器内で加水分解反応と同時に行う、請求項1記載の
    テレフタル酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 メタノールの脱水縮合反応の触媒として
    ゼオライト触媒を使用する、請求項1又は2記載のテレ
    フタル酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 加水分解反応を温度200〜280℃、
    圧力0.3〜6.3MPaで行う請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載のテレフタル酸の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013503840A (ja) * 2009-09-03 2013-02-04 ビーピー ケミカルズ リミテッド ゼオライト触媒を用いた酢酸およびジメチルエーテルの製造方法

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