JP2003127133A - 樹脂フィルム - Google Patents

樹脂フィルム

Info

Publication number
JP2003127133A
JP2003127133A JP2001325846A JP2001325846A JP2003127133A JP 2003127133 A JP2003127133 A JP 2003127133A JP 2001325846 A JP2001325846 A JP 2001325846A JP 2001325846 A JP2001325846 A JP 2001325846A JP 2003127133 A JP2003127133 A JP 2003127133A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin film
resin
screw
fine powder
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001325846A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003127133A5 (ja
JP3773439B2 (ja
Inventor
Yasuo Iwasa
泰雄 岩佐
Hironori Taniguchi
博宣 谷口
Shigekazu Oi
重和 大井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yupo Corp
Original Assignee
Yupo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yupo Corp filed Critical Yupo Corp
Priority to JP2001325846A priority Critical patent/JP3773439B2/ja
Publication of JP2003127133A publication Critical patent/JP2003127133A/ja
Publication of JP2003127133A5 publication Critical patent/JP2003127133A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3773439B2 publication Critical patent/JP3773439B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/25Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C48/36Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die
    • B29C48/395Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die using screws surrounded by a cooperating barrel, e.g. single screw extruders
    • B29C48/40Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die using screws surrounded by a cooperating barrel, e.g. single screw extruders using two or more parallel screws or at least two parallel non-intermeshing screws, e.g. twin screw extruders

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油性インキやUV硬化型インキの転写性及び
熱転写性の良い樹脂フィルムの提供、及び、画像の精細
さを損なうことなく転写できる記録媒体の提供、また、
このような優れた性質を有する記録媒体を構成する樹脂
フィルムを提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂30〜99.5重量%、無
機微細粉末及び/又は有機フィラー70〜0.5重量%
を2本のスクリューが回転する二軸混練押出機を用いて
250秒-1以上のスクリューせん断速度で混練した組成
物を用いて製造する樹脂フィルム、及び、基材層の少な
くとも片方の面に上記樹脂フィルムの層を有する積層
体、並びに、上記の樹脂フィルムまたは積層体を使用し
た記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷性に優れた樹
脂フィルムに関する。更に本発明は、精細な画像を形成
することができる記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐水性に優れたフィルム系合成紙
は樹脂を主成分とするもので、油性インキやUV硬化型
インキを使用するオフセット印刷やシール印刷、昇華型
ないしは溶融型熱転写などを主用途としてきた。しかし
ながら、印刷技術の向上に伴い、画像の高精細・高画質
化が進み、記録媒体側にも適性向上要求が高まってい
る。そのために、画像の精細さを高めたインキ転写性の
良い合成紙が必要となってきている。
【0003】インキ転写性を高めるために、熱可塑性樹
脂と無機微細粉末及び/又は有機フィラーを含むクッシ
ョン性を付与した空孔含有合成紙が提案されている(特
開平10−158608号公報、特開平08−1763
30号公報)。しかしながら、無機微細粉末及び/又は
有機フィラーの大きさや組成比によって、微細粉末の過
大な分散相もしくは凝集塊が存在し、画像の精細さを損
なうなどの問題が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術の問題を解消することを解決すべき課題とした。
すなわち本発明は、油性インキやUV硬化型インキの転
写性及び熱転写性の良い樹脂フィルムの提供、及び、画
像の精細さを損なうことなく転写できる記録媒体を提供
することを解決すべき課題とした。また、本発明は、こ
のような優れた性質を有する記録媒体を構成する樹脂フ
ィルムを提供することも解決すべき課題とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決することを目的として鋭意研究を行った結果、2
50秒-1以上のせん断速度で、熱可塑性樹脂と無機微細
粉末及び/又は有機フィラーを混練した組成物の樹脂フ
ィルムないしはこれを表面層に有する積層体を形成すれ
ば、画像の精細さを損なうことなくインキを転写するこ
とができ、オフセット印刷やシール印刷、昇華型ないし
は溶融型熱転写等の記録媒体として好適であることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、熱可塑性樹脂30〜9
9.5重量%、無機微細粉末及び/又は有機フィラー7
0〜0.5重量%を含有する組成物を2本のスクリュー
が回転する二軸混練押出機を用いて250秒-1以上のス
クリューせん断速度で混練した組成物を用いて製造する
ことを特徴とする樹脂フィルムであり、好ましくは2本
のかみ合ったスクリューが回転する二軸混練押出機を用
いて混練するものである。無機微細粉末の平均粒子径及
び/又は有機フィラーの平均分散粒子径が0.1〜20
μmの範囲にあるものであり、樹脂フィルム中の凝集塊
の最大長さが30〜100μmのものが1m2 当たり1
00個以下であり、さらに100μmを超えるものが1
2 当たり10個以下であり、好ましくは30〜100
μmのものが1m2 当たり50個以下であり、さらに1
00μmを超えるものが1m2 当たり5個以下である樹
脂フィルムである。また、樹脂フィルムを構成する熱可
塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であるのが好ましい。
本発明のより好ましい実施態様としては、樹脂フィルム
が延伸されているものである。更に、樹脂フィルムを使
用した積層体も含まれる。また、樹脂フィルムないしは
積層体を使用した記録媒体である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の樹脂フィ
ルムおよびそれを用いた記録媒体について詳細に説明す
る。本発明の樹脂フィルムのなかで、熱可塑性樹脂、無
機微細粉末及び/又は有機フィラーを混練するスクリュ
ーせん断速度は、250秒-1以上、好ましくは300〜
25,000秒-1、より好ましくは350〜15,00
0秒-1の範囲である。スクリューせん断速度が250秒
-1未満では無機微細粉末及び/又は有機フィラーの過大
な分散相もしくは凝集塊が存在し、樹脂フィルムの表面
より突出することがある。この場合、その部分に印刷も
しくは熱転写された画像の欠け(白抜け)が生じ、画像
の精細さが劣る。
【0008】本発明のなかのスクリューせん断速度と
は、スクリューの外周端と壁との隙間(以下、「スクリ
ュー外周隙間」と称する)における速度勾配である。ス
クリューの外周隙間にもよるが毎分100〜1,500
回転(rpm)のスクリュー回転が、十分なせん断速度
を生じさせるのにおおむね適している。スクリューせん
断速度は、スクリューの外周端が描く円の円周とスクリ
ューの1秒間の回転数との積をスクリュー外周隙間で除
して計算される。本発明の方法を満足に実施できる混練
機は、2本のスクリューが同方向または異方向に回転す
る2軸混練押出機である。好ましくは、2本のスクリュ
ーがかみ合った2軸混練押出機である。二軸混練機のス
クリュー形状は搬送部と混練部で構成される。搬送部は
フルフライトスクリューが使用され、混練機の内部にあ
る物質を前進させる役割がある。混練部ではローター、
ニーディングディスク、ツイストニーディングディスク
が使用される。フルフライトスクリューは搬送する能力
が高いが、それを圧縮する能力が低い。これに対して後
者の3種類は搬送能力が低いが、圧縮能力が高いため、
微細粉末の凝集塊を細分化する役割がある。
【0009】本発明の樹脂フィルムは内部に微細な空孔
を有する多孔質構造を有しており、樹脂フィルムの軽量
化に役立つという観点から、その空孔率は5%以上であ
り、好ましくは10〜75%であり、より好ましくは1
5〜65%の範囲である。空孔率が75%以下であれば
フィルムの材料強度が良いレベルとなる。内部に空孔が
あることは、断面の電子顕微鏡観察により確かめること
ができる。
【0010】なお、本発明における空孔率は、次式で示
される空孔率、ないしは断面の電子顕微鏡写真観察した
領域に空孔が占める面積割合(%)を示す。次式で表さ
れる空孔率と面積割合は同じものである。空孔が示す面
積割合は、具体的に多孔性樹脂フィルムをエポキシ樹脂
で包埋して固化させた後、ミクロトームを用いて例えば
フィルムの厚さ方向に対して平行かつ面方向に垂直な切
断面を作製し、この切断面をメタライジングした後、走
査型電子顕微鏡で観察しやすい任意の倍率、例えば50
0倍から2000倍に拡大し観察したり、電子顕微鏡像
を撮影して画像解析することにより求めることもでき
る。面積比の求め方の一例として、空孔部分をトレーシ
ングフィルムにトレースし塗りつぶした図を画像解析装
置(ニレコ(株)製:型式ルーゼックスIID)で画像処
理を行い、空孔の面積割合(%)を求めて空孔率とする
こともできる。 空孔率(%)=100×(ρ0 −ρ)/ρ0 (ρ0 :樹脂フィルムの非空孔部分の密度、ρ:樹脂フ
ィルムの密度)
【0011】また、本発明の樹脂フィルムを表面に有す
る積層体の場合は、該積層体及びこれから本発明の樹脂
フィルム層を取り除いた部分の厚さと坪量(g/m2
より本発明の樹脂フィルム層の厚さと坪量を算出し、こ
れより密度(ρ)を求め、さらに構成成分の組成より非
空孔部分の密度(ρ0 )を求めて上記の式により求める
こともできる。
【0012】<樹脂フィルムの組成、製造法>本発明の
樹脂フィルムのなかで、好ましくは、熱可塑性樹脂30
〜99.5重量%、無機微細粉末及び/又は有機フィラ
ー70〜0.5重量%を含有するものである。本発明の
樹脂フィルムにおいて使用される熱可塑性樹脂として
は、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度
ポリエチレン等のエチレン系樹脂、あるいはプロピレン
系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチル−1−ペ
ンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体、ナイロン
−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロ
ン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレ
フタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレー
ト、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹
脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、
シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンス
ルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは2種
以上混合して用いることもできる。
【0013】これらの中でも、耐薬品性や低比重、コス
ト等の観点より、好ましくは、エチレン系樹脂、あるい
はプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂であり、
より好ましくは、プロピレン系樹脂である。プロピレン
系樹脂としては、プロピレンを単独重合させたアイソタ
クティック重合体ないしはシンジオタクティック重合体
を例示することができる。また、エチレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペ
ンテン等のα−オレフィンとプロピレンとを共重合体さ
せた、様々な立体規則性を有するプロピレン単独重合体
を主成分とする共重合体を使用することもできる。共重
合体は2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またラ
ンダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。プロピ
レン系樹脂よりも融点が低い樹脂を2〜25重量%配合
して使用することもできる。そのような融点が低い樹脂
として、高密度ないしは低密度のポリエチレンを例示す
ることができる。
【0014】本発明の樹脂フィルムは内部に微細な空孔
を有する多孔質構造を有しており、多孔性とするために
無機微細粉末及び/又は有機フィラーを含有させること
が好ましい。無機微細粉末及び/又は有機フィラーの量
は、一例として0.5〜70重量%であるが、有機フィ
ラーの場合には比重が小さいものが多く、好ましくは3
〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%であ
り、無機微細粉末の場合には、好ましくは20〜65重
量%、より好ましくは40〜65重量%の範囲である。
空孔を増やすためには無機微細粉末の量が多い方がよい
が、多孔性樹脂フィルムの表面の強度を良いレベルとす
るという目的のためには70重量%以下が良い。
【0015】無機微細粉末及び/又は有機フィラーの種
類は特に制限されない。無機微細粉末としては、重質炭
酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、凝集型軽質炭酸カ
ルシウム、種々の細孔容積を有するシリカ、ゼオライ
ト、クレー、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化
亜鉛、酸化マグネシウム、珪藻土、酸化珪素、シリカな
ど水酸基含有無機微細粉末の核の周囲にアルミニウム酸
化物ないしは水酸化物を有する複合無機微細粉末等を例
示することができる。中でも重質炭酸カルシウム、クレ
ー、珪藻土を使用すれば、安価であり、延伸により成形
する場合には、空孔形成性がよいために好ましい。
【0016】有機フィラーとしては、空孔形成の目的よ
り、上述の熱可塑性樹脂よりも融点ないしはガラス転移
点が高くて非相溶性の樹脂より選択される。具体例とし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチ
レンナフタレート、ポリスチレン、アクリル酸エステル
ないしはメタクリル酸エステルの重合体や共重合体、メ
ラミン樹脂、ポリフェニレンサルファイト、ポリイミ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサル
ファイド、環状ポリオレフィン、環状オレフィンとエチ
レンの共重合体等を例示することができる。なかでも、
ポリオレフィン系樹脂を使用する場合には、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
アミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、環状オレフィ
ンとエチレンの共重合体より選ばれるものが好ましい。
【0017】無機微細粉末ないしは有機フィラーのうち
で、燃焼時の発生熱量が少ないという観点から、より好
ましくは無機微細粉末である。本発明に使用する無機微
細粉末の平均粒子径または有機フィラーの平均分散粒子
径は、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは
0.1〜10μm、更に好ましくは、0.5〜10μm
の範囲である。熱可塑性樹脂との混合の容易さから0.
1μm以上が良い。また、延伸により内部に空孔を発生
させてインキの転写性を向上させる場合に、延伸時のシ
ート切れや表面層の強度低下等のトラブルを発生させに
くくするという観点から20μm以下が好ましい。
【0018】無機微細粉末の平均粒子径ないし有機フィ
ラーの平均分散粒子径が20μm以下であっても、粒子
同士数個凝集してその長径が30μmとなり、ひどい場
合には100μmと巨大となるものがある。この巨大粒
子が樹脂フィルム中に存在すると、均一な皮膜が形成で
きず、ピンホールとなり、これが白抜けの原因となる。
この白抜け防止の面として、樹脂フィルム中の凝集塊の
最大長径が30〜100μmのものが1m2 当たり10
0個以下であり、さらに100μmを超えるものが1m
2 当たり10個以下であり、好ましくは30〜100μ
mのものが1m 2 当たり50個以下であり、さらに10
0μmを超えるものが1m2 当たり5個以下であること
が実用上問題とならない点で重要である。以下、本発明
における微細粉末とは、無機微細粉末及び/又は有機フ
ィラーを意味する。
【0019】上記樹脂フィルムにおける微細粉末の凝集
塊は光学顕微鏡の透過光源で黒色体として観察できる。
この原理に基づいて、凝集塊の評価は、下記に示す評価
用フィルムをスキャナー(セイコー・エプソン製:GT
−7600S)の透過光源で読み取り、さらに画像処理
ソフト(三谷商事(株)製:Win Roof)により
その大きさと個数を測定し、樹脂フィルム1m2 当たり
の凝集塊の大きさと個数を求めた。評価用フィルムは、
例えばプロピレン単独重合体と無機微細粉末の混合物の
場合、樹脂フィルムが得られる成形の前工程で原料を混
練造粒して得られた直径2〜5mmの造粒物(以下、ペ
レットと示す)を230℃に加熱して油圧プレス成形し
てシートを作製し、さらに延伸して作製した。
【0020】評価用フィルムの不透明度(JIS P 8138に
従って測定)が40%以下で上記の評価は可能であり、
40%を超えると微細粉末の凝集塊はスキャナーの透過
光源で読み取ることができない。ペレット中の無機微細
粉末は含有量が30重量%以下ならば不透明度を40%
以下に制御できるが、30重量%を超えると不透明度は
40%以下に制御できない。無機微細粉末の含有量が3
0重量%を超えるペレットはプロピレン単独重合体と混
合し、スクリューの形状がフルフライトである単軸スク
リュー押出機で造粒することにより希釈して30重量%
以下に調整し、不透明度40%以下に調整した上で微細
粉末の凝集状態を観察した。単軸スクリュー押出機によ
る造粒はペレットとプロピレン単独重合体を均一に混合
する目的である。単軸スクリュー押出機はペレット中の
樹脂とプロピレン単独重合体を溶融する機能を有する
が、スクリューの形状がフルフライトのみである為、微
細粉末の凝集塊を細分化する機能がない。
【0021】本発明に使用する無機微細粉末の粒子径
は、一例として粒子計測装置、例えば、レーザー回折式
粒子計測装置「マイクロトラック」((株)日機装製、
商品名)により測定した累積で50%にあたる粒子径
(累積50%粒径)により測定することができる。ま
た、溶融混練と分散により熱可塑性樹脂中に分散した有
機フィラーの粒子径は、多孔性樹脂フィルム断面の電子
顕微鏡観察により粒子の少なくとも10個を測定してそ
の粒子径の平均値として求めることも可能である。本発
明の樹脂フィルムに使用する微細粉末は、上記の中から
1種を選択してこれを単独で使用してもよいし、2種以
上を選択して組み合わせて使用してもよい。2種以上を
組み合わせて使用する場合には、無機微細粉末と有機フ
ィラーの組み合せであってもよい。
【0022】これらの微細粉末を熱可塑性樹脂中に配合
混練する際に、必要に応じて分散剤、酸化防止剤、相溶
化剤、難燃剤、紫外線安定剤、着色顔料等を添加するこ
とができる。また、本発明の樹脂フィルムを耐久資材と
して使用する場合には酸化防止剤や紫外線安定剤等を添
加するのが好ましい。さらに、有機フィラーを使用する
場合は、相溶化剤の種類や添加量が有機フィラーの粒子
形態を決定することから重要である。有機フィラー用の
好ましい相溶化剤として、エポキシ変性ポリオレフィ
ン、マレイン酸変性ポリオレフィンが挙げられる。ま
た、相溶化剤の添加量は、有機フィラー100重量部に
対して0.5〜10重量部にするのが好ましい。
【0023】本発明の樹脂フィルムの構成成分の混合方
法としては、公知の種々の方法が適用でき、特に限定さ
れないが、混合の温度や時間も使用する成分の性状に応
じて適宜選択される。溶剤に溶解ないしは分散させた状
態での混合や、溶融混練法が挙げられるが、溶融混練法
は生産効率が良い。粉体やペレットの状態の熱可塑性樹
脂や無機微細粉末及び/又は有機フィラー及び、分散剤
をヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミ
キサー等で混合した後、二軸混練押出機にて溶融混練
し、ストランド状に押し出してカッティングし、ペレッ
トとする方法や、ストランドダイより水中に押し出して
ダイ先端に取り付けられた回転刃をでカッティングする
方法が挙げられる。また、粉体、液状ないしは水や有機
溶剤に溶解した状態の分散剤を一旦、無機微細粉末及び
/又は有機フィラーに混合し、更に熱可塑性樹脂等の他
成分と混合する方法などが挙げられる。
【0024】使用される二軸混練押出機のスクリュー直
径は10mm〜310mmまで変動し、バレルの長さも
変動するが、一般にバレルの最大長さは、長さ対直径比
が60に保たれるに必要な長さである。これらの押出機
のスクリューは、搬送部と混練部との交互系列によって
通常構成される。搬送部は、押出機の各混練部から原料
物質を前進させる。混練部は、一般的には2条又は1
条、3条、4条型の混練エレメントが用いられる。スク
リュー回転数100〜1,500rpm及びスクリュー
外周隙間0.1〜10mmにおいて、250〜25,0
00秒-1又はそれ以上のスクリューせん断速度が2軸混
練押出機を用いて得られる。
【0025】本発明の樹脂フィルムの厚さは特に制限さ
れない。例えば、10〜400μm、好ましくは30〜
100μmに調製することができる。本発明の樹脂フィ
ルムは、そのまま使用に供してもよいし、さらに別の樹
脂フィルム、ラミネート紙、パルプ紙、不織布、布、プ
ラスチックボード、木板、金属板等の少なくとも片面に
積層して積層体として使用してもよい。さらに、積層す
る別の熱可塑性フィルムとしては、例えば、ポリエステ
ルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリオレフィンフィルム等の透明または不透明なフ
ィルムに積層することができる。特に後述する実施例に
記載されるような適切な機能層を形成することによって
記録媒体にすることできる。
【0026】積層体における基材層が樹脂フィルムであ
る場合には、使用される樹脂や無機微細粉末ないしは有
機フィラーは本発明の樹脂フィルムに使用するものと同
じものであってもよい。さらには、延伸したものであっ
てもよい。基材層は、一例として、熱可塑性樹脂を40
〜85重量%および無機微細粉末または有機フィラーを
60〜15重量%含有する。本発明の積層体に使用する
基材層の厚さには特に制限はない。一例として、5〜1
000μm、好ましくは20〜500μmの範囲であ
る。本発明の積層体の厚さに特に制限はなく、用途に応
じて適宜選択される。一例として、15〜2000μ
m、好ましくは35〜500μm、より好ましくは50
〜350μmである。
【0027】本発明の樹脂フィルムおよび記録媒体は、
当業者に公知の種々の方法を組み合わせることによって
製造することができる。いかなる方法により製造された
樹脂フィルムや記録媒体であっても、本発明の条件を満
たす樹脂フィルムを利用するものである限り本発明の範
囲内に包含される。本発明の樹脂フィルムの製造法とし
ては、公知の種々のフィルム製造技術やそれらの組合せ
が可能である。例えば、延伸による空孔発生を利用した
延伸フィルム法や、圧延時に空孔を発生させる圧延法や
カレンダー成形法、発泡剤を使用する発泡法、空孔含有
粒子を使用する方法、溶剤抽出法、混合成分を溶解抽出
する方法などが挙げられる。これらのうちで、好ましく
は延伸フィルム法である。
【0028】延伸を行う場合には、必ずしも本発明の樹
脂フィルムだけを延伸しなくてもよい。例えば、本発明
の樹脂フィルムを基材層の上に形成した記録媒体を最終
的に製造しようとしている場合には、無延伸の樹脂フィ
ルムと基材層とを積層したうえでまとめて延伸しても構
わない。予め積層してまとめて延伸すれば、別個に延伸
して積層する場合に比べて簡便でコストも安くなる。ま
た、本発明の樹脂フィルムと基材層に形成される空孔の
制御もより容易になる。特に記録媒体として利用する場
合には、本発明の樹脂フィルムが基材層よりも多くの空
孔が形成されるように制御し、樹脂フィルムがインキ転
写性及び熱転写性を改善しうる層として有効に機能させ
ることが好ましい。
【0029】延伸には、公知の種々の方法を使用するこ
とができる。延伸の温度は、非結晶樹脂の場合は使用す
る熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂の
場合には非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶部
の融点以下の熱可塑性樹脂に好適な温度範囲内で行うこ
とができる。具体的には、ロール群の周速差を利用した
縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧延、チ
ューブ状フィルムにマンドレルを使用したインフレーシ
ョン延伸、テンターオーブンとリニアモーターの組み合
わせによる同時二軸延伸などにより延伸することができ
る。
【0030】延伸倍率は特に限定されず、本発明の樹脂
フィルムの使用目的と用いる熱可塑性樹脂の特性等を考
慮して適宜決定する。例えば、熱可塑性樹脂としてプロ
ピレン単独重合体ないしはその共重合体を使用するとき
には、一方向に延伸する場合は約1.2〜12倍、好ま
しくは2〜10倍であり、二軸延伸の場合は面積倍率で
1.5〜60倍、好ましくは10〜50倍である。その
他の熱可塑性樹脂を使用するときには、一方向に延伸す
る場合は1.2〜10倍、好ましくは2〜7倍であり、
二軸延伸の場合には面積倍率で1.5〜20倍、好まし
くは4〜12倍である。さらに、必要に応じて高温での
熱処理を施すことができる。延伸温度は使用する熱可塑
性樹脂の融点より2〜160℃低い温度、熱可塑性樹脂
としてプロピレン単独重合体ないしはその共重合体を使
用するときには、好ましくはその融点より2〜60℃低
い温度であり、延伸速度は20〜350m/分であるの
が好ましい。
【0031】本発明の樹脂フィルムの表面には、印刷適
性および熱転写適性を向上させるためにコロナ放電処理
またはフレーム処理を施したり、ポリエチレンイミン、
ブチル化ポリエチレンイミン、ヒドロキシプロピル化ポ
リエチレンイミン、ヒドロキシエチル化ポリエチレンイ
ミン、2,3−ジヒドロキシプロピル化ポリエチレンイ
ミン、ポリ(エチレンインミン−尿素)、ポリアミンポ
リアミド等のエチレンイミン付加物、ポリアミンポリア
ミド等のエピクロルヒドリン付加物、アクリル系エマル
ジョン、三級ないし四級窒素含有アクリル系樹脂からな
る群より選ばれた水溶性のプライマーを塗布しても良
い。
【0032】本発明の樹脂フィルムの印刷適性をより向
上させるために、少なくとも印刷される面にピグメント
コート層を設けることが出来る。該ピグメントコート層
は、一般的なコート紙の塗工法に準じてピグメント塗工
を行うことにより形成することが出来る。ピグメント塗
工に用いられるピグメントコート剤としては、通常のコ
ート紙に使用されるクレイ、タルク、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、珪酸
カルシウム、プラスチックピグメント等のピグメント3
0〜80重量%と、接着剤20〜70重量%を含有する
ラテックス等を挙げることが出来る。
【0033】また、この際に使用される接着剤として
は、SBR(スチレン・ブタジエン共重合体ラバー)、
MBR(メタクリレート・ブタジエン共重合体ラバー)
等のラテックス、アクリル系エマルジョン、澱粉、PV
A(ポリビニルアルコール)、CMC(カルボキシメチ
ルセルロース)、メチルセルロース等を挙げることが出
来る。更に、これら配合剤には、アクリル酸・アクリル
酸ソーダ共重合体等の特殊ポリカルボン酸ナトリウム等
の分散剤や、ポリアミド尿素系樹脂等の架橋剤を配合す
る事が出来る。これらピグメントコート剤は一般に15
〜70重量%、好ましくは35〜65重量%の固形分濃
度の水溶性塗工剤として使用される。このような塗工剤
を樹脂フィルムに渡航する手段としては、具体的には、
グラビア塗工、メイヤーバー塗工、ロール塗工、ブレー
ド塗工、サイズプレス塗工等の塗工手段を採用する事が
出来る。また、塗工量は一般的には0.01〜20g/
2 、好ましくは0.1〜15g/m2 にすることが出
来る。
【0034】本発明の樹脂フィルムは、印刷の種類や方
法は特に制限されない。例えば、公知のビヒクルに顔料
を分散した油性インキ及び/又はUV硬化型インキ及び
/又は水性インキを用いたオフセット印刷、シール印
刷、グラビヤ印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印
刷等の公知の印刷手段を用いて印刷することができる。
また、金属蒸着や、グロス印刷、マット印刷等により印
刷することもできる。更に、昇華型熱転写、溶融型熱転
写、レーザー型転写等の公知の熱転写記録手段を用いて
印刷することもできる。印刷する絵柄は、動物、景色、
格子、水玉等の天然物柄や抽象柄等から適宜選択するこ
とができる。
【0035】
【実施例】以下に、実施例、比較例および試験例を挙げ
て本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例など
に示す材料、使用量、割合、操作等は、本発明の精神か
ら逸脱しない限り適宜変更することができる。したがっ
て、本発明の範囲は以下に示す実施例などに何ら制限さ
れるものではない。以下の手順に従って本発明の樹脂フ
ィルムと、これを使用する記録媒体および比較用の樹脂
フィルムを使用する記録媒体を製造した。使用した熱可
塑性樹脂、無機微細粉末、有機フィラー、分散剤及び架
橋剤を表1、表2に示した。
【0036】
【実施例1】<基材層の調製と縦延伸>スクリュー外周
隙間約4.5mmを有するスクリュー径60mmの二軸
混練押出機((株)神戸製鋼所NEXT−T60、以下
「NCM60」と示す)を用いて、PP1(表1に記
載)75重量%とHDPE(表1に記載)5重量%との
混合物に、炭カル1(表1に記載)20重量%を配合し
た組成物[イ]を、スクリューせん断速度300秒-1
混練し、ストランド状に押し出し、カッティングしてペ
レットとした。この組成物[イ]を、250℃に設定し
た押出機に接続したTダイよりシート状に押出し、これ
を冷却装置により冷却して無延伸シートを得た。次い
で、この無延伸シートを140℃に加熱した後、縦方向
に4.5倍延伸して、延伸シートを得た。
【0037】<積層体の形成>これとは別に、二軸混練
押出機NCM60を用いて、PP2(表1に記載)45
重量%に、炭カル2(表1に記載)55重量%を供給
し、スクリューせん断速度420秒-1にて組成物[ロ]
を調製した。この組成物[ロ]を240℃に設定した押
出機にて押出した。得られたシートを上述の操作により
調製した5倍延伸シートの両面に積層し、55℃にまで
冷却した後、156℃に加熱してテンターで横方向に8
倍延伸した。その後、157℃でアニーリング処理し、
50℃にまで冷却し、耳部をスリットして3層(表面層
[ロ]/基材層[イ]/裏面層[ロ]:肉厚30μm/
60μm/30μm)構造の全厚120μmの積層体
(記録媒体)を得た。表面層[ロ]断面の2000倍で
の電子顕微鏡観察により空孔率は30%であった。尚、
本明細書の実施例に使用した炭酸カルシウム粉末の粒子
径は、レーザー回折式粒子計測装置「マイクロトラッ
ク」((株)日機装製、商品名)により測定した累積5
0%粒径である。
【0038】<評価> (1)微細粉末の凝集塊の評価 <表面層の評価用フィルム作製方法>上記組成物[ロ]
のペレット1kgとPP2を1kg混合し、単軸スクリ
ュー押出機((株)中央機械製作所製:PLASTIC
EXTRUDER)で造粒することにより微細粉末を
27.5重量%に希釈したペレットを得た。さらに、ペ
レット45gをF−37型単動型圧縮成型機((株)神
藤金属工業所製)を使用して230℃で油圧プレス成形
して厚さ約1000μmのシートを作製し、さらに二軸
延伸機((株)岩本製作所製)を使用して155℃で面
積倍率36倍に同時二軸延伸して厚さ約35μmの評価
用フィルムを得た。
【0039】<微細粉末の凝集塊の評価方法>上記評価
用フィルムを5×7.5cmサイズに断裁し、スキャナ
ー(セイコー・エプソン製:GT−7600S)の透過
光源で黒色部分を読み取り、さらに画像処理ソフト(三
谷商事(株)製:Win Roof)により微細粉末の
凝集塊の大きさと個数を測定した。10枚の評価用フィ
ルムを用いてこの測定を行い、評価フィルム1m2 当た
りの凝集塊の大きさと個数を求めた。
【0040】(2)インキ転写性 上記樹脂フィルムの表面層のインキ転写性は、ハマダ印
刷機械(株)社製612CD型印刷機を用いて、T&K
TOKA社製油性インキベストSP(商品名)の藍色お
よびT&KTOKA社製UV硬化型インキベストキュア
161S(商品名)の藍色を用いて1,000枚連続印
刷し、その内の20枚をランダムに抜粋して、白抜け程
度を以下の基準で評価した。 ○:良い。 △:実用上支障は無い。 ×:実用上問題有る。
【0041】(3)熱転写性 上記樹脂フィルムの表面層の熱転写性は、SONY社製
デジタルカラープリンターUP−D8800(昇華型熱
転写機)を用いて、熱転写(藍色)を行い、白抜けを以
下の基準で評価した。 ○:良い。 △:実用上支障は無い。 ×:実用上問題有る。 上記の評価結果を表3にまとめて示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【実施例2〜4】スクリューせん断速度を表3記載とし
た以外は実施例1と同様の操作により積層体を得た。実
施例1と同様の操作により評価を行った結果を表3に示
す。
【0045】
【実施例5】組成物の配合量及びスクリューせん断速度
を表3記載とした以外は実施例1と同様の操作により積
層体を得た。実施例1と同様の操作により評価を行った
結果を表3に示す。
【0046】
【実施例6】微細粉末として有機フィラーのPBT(表
1に記載)を、二軸混練押出機としてスクリュー外周隙
間約0.4mmを有するスクリュー径69mmの二軸混
練押出機((株)日本製鋼所製:TEX65α−II)を
用い、組成物の配合量及びスクリューせん断速度を表3
記載とした以外は実施例1と同様の操作により積層体を
得た。実施例1と同様の操作により評価を行った結果を
表3に示す。
【0047】
【実施例7】PP1を75重量%とHDPE5重量%と
の混合物に、炭カル2を20重量%を2軸混練押出機N
CM60(スクリュー径60mm)のスクリューせん断
速度320秒-1で混練し、ストランド状に押し出してカ
ッティングし、ペレットとした(組成物[イ])。次
に、PP2を50重量%、及び炭カル2を50重量%を
配合して230℃の温度に設定した2軸混練押出機NC
M60にて混練(スクリューせん断速度420秒-1
し、ストランド状に押し出してカッティングし、ペレッ
トとした(組成物[ロ])。これらの組成物「イ」と
[ロ]を250℃に設定された2台の異なる押出機が接
続された多層ダイを用い、組成物[イ]の両面に組成物
[ロ]がダイ内で積層されるようにしてシート状に押出
し、これを冷却装置により冷却して無延伸シートを得
た。
【0048】次いで、この無延伸シートを143℃の温
度に加熱した後、縦方向に4.5倍延伸したのち冷却
し、延伸シートを得た。再度154℃の温度に加熱して
テンターで横方向に8倍延伸した後、155℃の温度で
アニーリング処理し、50℃の温度にまで冷却し、耳部
をスリットして3層([ロ]/[イ]/[ロ]:肉厚1
5μm/50μm/15μm)構造の全厚80μmの積
層体を得た。実施例1と同様の操作により評価を行った
結果を表3に示す。
【0049】
【実施例8】実施例7の無延伸シートを135℃の温度
に加熱した後、縦方向に5倍延伸した3層([ロ]/
[イ]/[ロ]:肉厚30μm/50μm/30μm)
構造の全厚110μmの積層体を得た。実施例1と同様
の操作により評価を行った結果を表3に示す。
【0050】
【実施例9】実施例2で得られた積層体の片面に、表1
及び表2に記載される炭カル3を50重量%、カオリン
クレイ10重量%、シリカ複合系アクリルエマルジョン
35重量%、特殊変性ポリビニルアルコール5重量%に
よって構成される水溶性塗工剤(配合数値は固形分量を
示す)を調製し、10g/m2 の被膜が得られるように
塗工し、105℃で1分間乾燥させて塗工フィルムを得
た。この場合、炭カル3及びカオリンクレイについて
は、分散剤として表2に記載される特殊ポリカルボン酸
ナトリウムを炭カル3及びカオリンクレイ100重量部
に対して0.5重量部配合し、特殊変性ポリビニルアル
コールについては架橋剤として表2に記載される ポリ
アミド尿素系樹脂を特殊変性ポリビニルアルコール10
0重量部に対して10重量部配合して用いた。実施例1
と同様の操作によりインキ転写性、熱転写性の評価を行
った結果を表4に示す。
【0051】
【比較例1】スクリューせん断速度を200秒-1に変更
した以外は実施例1と同様の操作により積層体を得た。
実施例1と同様の操作により評価を行った結果を表3に
示す。
【0052】
【比較例2】組成物の配合量及びスクリューせん断速度
を表3記載とした以外は実施例1と同様の操作により積
層体を得た。実施例1と同様の操作により評価を行った
結果を表3に示す。
【0053】
【比較例3】比較例1で得られた樹脂フィルムの片面
に、実施例9で用いた水溶性塗工剤を10g/m2 の被
膜が得られるように塗工し、105℃で1分間乾燥させ
て塗工フィルムを得た。実施例9と同様の操作により評
価を行った結果を表4に示す。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】表3及び表4から明らかなように、本発明
の樹脂フィルム(実施例1〜9)は、微細粉末の凝集塊
が少なく、油性インキやUV硬化型インキの転写性及び
熱転写性が良好である。これに対して、混練でのスクリ
ューせん断速度が本発明の範囲を外れるフィルム(比較
例1〜3)は、油性インキやUV硬化型インキの転写性
及び熱転写性が劣っている。
【0057】
【発明の効果】本発明の樹脂フィルムは、油性インキや
UV硬化型インキの転写性及び熱転写性が良好である。
したがって、本発明の樹脂フィルムおよび記録媒体は、
油性インキやUV硬化型インキ印刷記録媒体、熱転写記
録媒体をはじめとする広範囲な印刷用途に好適に提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/40 B29K 105:16 C08J 5/18 B29L 7:00 // B29K 105:16 C08L 101:00 B29L 7:00 B41M 5/26 H C08L 101:00 101H (72)発明者 大井 重和 茨城県鹿島郡神栖町東和田23番地 株式会 社ユポ・コーポレーション鹿島工場内 Fターム(参考) 2H111 AA12 AA14 AA26 AA27 CA03 CA12 CA25 CA31 CA32 4F071 AA16 AA17 AA18 AA20 AA21 AA22 AA33 AA41 AA44 AA46 AA50 AA51 AA52 AA54 AA60 AA62 AB18 AB24 AB26 AD02 AD06 AE17 AF30Y AG28 BB07 BC01 BC12 BC13 4F100 AK01A AK03A AK07 AT00A AT00B BA02 CA23A EH17A EJ37A GB41 JB16A JK14 YY00A 4F201 AA03 AB11 AG11 AR09 BA01 BC13 BK13 BK26 BK75 BN18 4F207 AA03 AB11 AB16 AG01 KA01 KA17 KK13 KK52 KL84 KW41

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂30〜99.5重量%、無
    機微細粉末及び/又は有機フィラー70〜0.5重量%
    を2本のスクリューが回転する二軸混練押出機を用いて
    250秒-1以上のスクリューせん断速度で混練した組成
    物を用いて製造することを特徴とする樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 無機微細粉末の平均粒子径及び/又は有
    機フィラーの平均分散粒子径が0.1〜20μmの範囲
    にあり、樹脂フィルム中の凝集塊の最大長さが30〜1
    00μmのものが1m2 当たり100個以下であり、さ
    らに100μmを超えるものが1m2 当たり10個以下
    であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂フ
    ィルム。
  4. 【請求項4】 樹脂フィルムが延伸されていることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 基材層の少なくとも片方の面に請求項1
    〜4のいずれかに記載の樹脂フィルムの層を有すること
    を特徴とする積層体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂フ
    ィルムまたは積層体を使用した記録媒体。
JP2001325846A 2001-10-24 2001-10-24 樹脂フィルム Expired - Fee Related JP3773439B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001325846A JP3773439B2 (ja) 2001-10-24 2001-10-24 樹脂フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001325846A JP3773439B2 (ja) 2001-10-24 2001-10-24 樹脂フィルム

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003127133A true JP2003127133A (ja) 2003-05-08
JP2003127133A5 JP2003127133A5 (ja) 2005-03-03
JP3773439B2 JP3773439B2 (ja) 2006-05-10

Family

ID=19142327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001325846A Expired - Fee Related JP3773439B2 (ja) 2001-10-24 2001-10-24 樹脂フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3773439B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005313608A (ja) * 2004-03-31 2005-11-10 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 微量型高剪断成形加工機とそれを用いたナノ分散高分子ブレンド押出し物およびその製造方法
WO2009008451A1 (ja) * 2007-07-09 2009-01-15 The Japan Steel Works, Ltd. 溶融混練脱揮押出機
WO2010061872A1 (ja) * 2008-11-26 2010-06-03 独立行政法人産業技術総合研究所 溶融混練方法、押出し物及び透明樹脂材
JP2011225832A (ja) * 2010-03-30 2011-11-10 Sumitomo Chemical Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物の製造方法
WO2017170112A1 (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 株式会社Tbm 射出成形用原料の製造方法、及び樹脂成形体の製造方法
JP2018083924A (ja) * 2016-11-25 2018-05-31 花王株式会社 多孔性シートのピンホール数の予測方法、無機充填剤を含む樹脂混練物の製造方法、及び多孔性シートの製造方法
JP2019536867A (ja) * 2016-11-14 2019-12-19 アンパセット コーポレイション 改善された引裂き特性を有する合成紙、およびその製造方法

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005313608A (ja) * 2004-03-31 2005-11-10 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 微量型高剪断成形加工機とそれを用いたナノ分散高分子ブレンド押出し物およびその製造方法
WO2009008451A1 (ja) * 2007-07-09 2009-01-15 The Japan Steel Works, Ltd. 溶融混練脱揮押出機
JP2009012417A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Japan Steel Works Ltd:The 溶融混練脱揮押出機
US8899820B2 (en) 2007-07-09 2014-12-02 The Japan Steel Works, Ltd. Melting kneading devolatilizing extruder
KR20110086836A (ko) * 2008-11-26 2011-08-01 도꾸리쯔교세이호진 상교기쥬쯔 소고겡뀨죠 용융 혼련 방법, 압출물 및 투명 수지재
KR101678239B1 (ko) * 2008-11-26 2016-11-21 고쿠리츠켄큐카이하츠호진 상교기쥬츠 소고켄큐쇼 용융 혼련 방법, 압출물 및 투명 수지재
CN102227293A (zh) * 2008-11-26 2011-10-26 独立行政法人产业技术综合研究所 熔融混炼方法、挤出物及透明树脂材料
JPWO2010061872A1 (ja) * 2008-11-26 2012-04-26 独立行政法人産業技術総合研究所 溶融混練方法、押出し物及び透明樹脂材
WO2010061872A1 (ja) * 2008-11-26 2010-06-03 独立行政法人産業技術総合研究所 溶融混練方法、押出し物及び透明樹脂材
US8975336B2 (en) 2008-11-26 2015-03-10 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Method of melt kneading, extrudate, and transparent resin material
JP5697143B2 (ja) * 2008-11-26 2015-04-08 独立行政法人産業技術総合研究所 溶融混練方法、押出し物及び透明樹脂材
JP2011225832A (ja) * 2010-03-30 2011-11-10 Sumitomo Chemical Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物の製造方法
WO2017170112A1 (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 株式会社Tbm 射出成形用原料の製造方法、及び樹脂成形体の製造方法
JP2017177702A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 株式会社Tbm 射出成形用原料の製造方法、及び樹脂成形体の製造方法
EP3437817A4 (en) * 2016-03-31 2019-12-11 TBM Co., Ltd. METHOD FOR PRODUCING AN INJECTION MOLDING MATERIAL AND METHOD FOR PRODUCING A RESIN MOLD
JP2019536867A (ja) * 2016-11-14 2019-12-19 アンパセット コーポレイション 改善された引裂き特性を有する合成紙、およびその製造方法
JP7169273B2 (ja) 2016-11-14 2022-11-10 アンパセット コーポレイション 改善された引裂き特性を有する合成紙、およびその製造方法
JP2018083924A (ja) * 2016-11-25 2018-05-31 花王株式会社 多孔性シートのピンホール数の予測方法、無機充填剤を含む樹脂混練物の製造方法、及び多孔性シートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3773439B2 (ja) 2006-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5431378B2 (ja) 両面白色コーティング基板としての不透明ポリエステルフィルム
US7807240B2 (en) Opaque polyester film as substrate with white coatings on both sides
JP5363341B2 (ja) インクジェット記録媒体
EP1104703A1 (en) Coated film
WO2001068376A1 (fr) Papier d'enregistrement pour imprimante a jet d'encre
EP1279697A1 (en) Porous resin film
JP2009292160A (ja) インクジェット記録要素
JP4353613B2 (ja) 多孔性樹脂フィルム
JP3296021B2 (ja) 空洞含有ポリエステルフィルム
JP6184823B2 (ja) 樹脂延伸フィルム、その製造方法およびその樹脂延伸フィルムを用いた積層体
JP2003127133A (ja) 樹脂フィルム
CN1093044C (zh) 具有优良可印性的树脂薄膜
JPH10217604A (ja) 水性インクジェット記録用紙
JP2001225422A (ja) コーテッドフィルム
JP2003127133A5 (ja)
JPH0813895B2 (ja) 印刷性の優れた合成樹脂フイルム
JP3815883B2 (ja) インクジェット用記録フィルム
JP4353609B2 (ja) インクジェット記録用紙
JP2001246830A (ja) インクジェット記録用シート
JP2004034456A (ja) インクジェット記録用シート及びその成形加工品
JPH0229438A (ja) ポリエステルフイルム及びプリンター用印字基材
JP3878333B2 (ja) 溶融熱転写記録シート
JP2701220B2 (ja) 合成紙
JP2004114468A (ja) インクジェット記録体
JP2023147470A (ja) 積層樹脂フィルム及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040331

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3773439

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110224

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120224

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130224

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130224

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140224

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees