JP2003121879A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置及び電子機器

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JP2003121879A
JP2003121879A JP2002199315A JP2002199315A JP2003121879A JP 2003121879 A JP2003121879 A JP 2003121879A JP 2002199315 A JP2002199315 A JP 2002199315A JP 2002199315 A JP2002199315 A JP 2002199315A JP 2003121879 A JP2003121879 A JP 2003121879A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクティブマトリクス駆動方式の液晶装置等
の電気光学装置において、画素ピッチを微細化しても、
画素電極に十分な蓄積容量を付加でき、画素電極に通じ
るコンタクトホール径を小さくできるようにする。 【解決手段】 液晶装置は、TFTアレイ基板(10)
上にTFT(30)、データ線(6a)、走査線(3
a)、容量線(3b)及び画素電極(9a)を備える。
画素電極及びTFT間は、バリア層(80)を中継して
二つのコンタクトホール(8a、8b)により電気的に
接続される。半導体層の一部と容量線が第1誘電体膜
(2)を挟持して第1蓄積容量(70a)を構成し、容
量線とバリア層の一部が第2誘電体膜(81)を挟持し
て第2蓄積容量(70b)を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクティブマトリ
クス駆動方式の電気光学装置及びその製造方法の技術分
野に属し、特に蓄積容量を付加するために蓄積容量電極
を備えると共に画素電極と画素スイッチング用の薄膜ト
ランジスタ(Thin Film Transistor:以下適宜、TFT
と称す)との間の電気的な導通を良好にとるためのバリ
ア層と称される導電層を備える電気光学装置及びその製
造方法の技術分野に属する。
【0002】
【背景技術】従来、TFT駆動によるアクティブマトリ
クス駆動方式の電気光学装置においては、縦横に夫々配
列された多数の走査線及びデータ線並びにこれらの各交
点に対応して多数のTFTがTFTアレイ基板上に設け
られている。各TFTは、走査線にゲート電極が接続さ
れ、データ線に半導体層のソース領域が接続され、画素
電極に半導体層のドレイン領域が接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の電気光学装置
においては、表示画像の高品位化という一般的な要請が
強い。プロジェクタ等に用いられると、光源の熱により
電気光学装置の温度が上昇し、表示画像の高品位化に影
響を及ぼす。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題点を
解決することを課題とし、以下を特徴とする。
【0005】本発明の電気光学装置は、薄膜トランジス
タに対応して設けられた画素電極を素子基板と、前記素
子基板に対向配置された対向基板を有する電気光学装置
であって、前記素子基板で規定された画素開口領域と、
前記対向基板に、前記素子基板の非画素開口領域に対応
する領域で、前記非画素領域より小さい領域に形成され
た遮光膜とを、具備することを特徴とする。
【0006】また、前記対向基板の遮光膜は、反射率の
高い材質であることを特徴とする。
【0007】また、前記対向基板の遮光膜は、Al膜で
あることを特徴とする。
【0008】また、前記素子基板には前記薄膜トランジ
スタの半導体層と画素電極との電気的接続を中継する導
電膜を備え、前記導電膜は前記画素開口領域の一部を規
定することを特徴とする。
【0009】また、本発明の電子機器は、上述した電気
光学装置を有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0011】(電気光学装置の第1実施形態)本発明に
よる電気光学装置の第1実施形態である液晶装置の構成
について、図1から図3を参照して説明する。図1は、
液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成
された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路
であり、図2は、データ線、走査線、画素電極、遮光膜
等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画
素群の平面図であり、図3は、図2のA−A’断面図で
ある。尚、図3においては、各層や各部材を図面上で認
識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮
尺を異ならしめてある。
【0012】図1において、本実施形態における液晶装
置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された
複数の画素は、画素電極9aを制御するためのTFT3
0がマトリクス状に複数形成されており、画像信号が供
給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気
的に接続されている。画素電極9a及びTFT30は、
走査線3aとデータ線6aとの交差に対応して配置され
ている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、
…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、
相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ
毎に供給するようにしても良い。また、TFT30のゲ
ートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタ
イミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G
2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成
されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに
電気的に接続されており、スイッチング素子であるTF
T30を一定期間だけそのスイッチを閉じることによ
り、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、
…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9a
を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S
1、S2、…、Snは、対向基板(後述する)に形成さ
れた対向電極(後述する)との間で一定期間保持され
る。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配
向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示
を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、印
加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過不可
能とされ、ノーマリーブラックモードであれば、印加さ
れた電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とさ
れ、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコント
ラストを持つ光が出射する。ここで、保持された画像信
号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電
極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を
付加する。例えば、画素電極9aの電圧は、ソース電圧
が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量7
0により保持される。これにより、保持特性は更に改善
され、コントラスト比の高い液晶装置が実現できる。
【0013】図2において、液晶装置のTFTアレイ基
板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a
(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられ
ており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ
線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられている。
データ線6aは、コンタクトホール5を介してポリシリ
コン膜等からなる半導体層1aのうち後述のソース領域
に電気的に接続されており、画素電極9aは、図中右上
がりの斜線で示した領域に夫々形成されておりバッファ
として機能する導電層80(以下、バリア層と称す。)
を中継して、第1コンタクトホール8a及び第2コンタ
クトホール8bを介して半導体層1aのうち後述のドレ
イン領域に電気的に接続されている。また、半導体層1
aのうちチャネル領域1a’(図中右下りの斜線の領
域)に対向するように走査線3aが配置されており、走
査線3aはゲート電極として機能する。このように、走
査線3aとデータ線6aとの交差する個所には夫々、チ
ャネル領域1a’に走査線3aがゲート電極として対向
配置されたTFT30が設けられている。
【0014】容量線3bは、走査線3aに沿ってほぼ直
線状に伸びる本線部と、データ線6aと交差する箇所か
らデータ線6aに沿って前段側(図中、上向き)に突出
した突出部とを有する。
【0015】また、図中太線で示した領域には夫々、走
査線3a、容量線3b及びTFT30の下側を通るよう
に、第1遮光膜11aが設けられている。より具体的に
は図2において、第1遮光膜11aは夫々、走査線3a
に沿って縞状に形成されていると共に、データ線6aと
交差する箇所が図中下方に幅広に形成されており、この
幅広の部分により各TFTのチャネル領域1a’をTF
Tアレイ基板側から見て夫々覆う位置に設けられてい
る。
【0016】次に図3の断面図に示すように、液晶装置
は、透明な一方の基板の一例を構成するTFTアレイ基
板10と、これに対向配置される透明な他方の基板の一
例を構成する対向基板20とを備えている。TFTアレ
イ基板10は、例えば石英基板からなり、対向基板20
は、例えばガラス基板や石英基板からなる。TFTアレ
イ基板10には、画素電極9aが設けられており、その
上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された
配向膜16が設けられている。画素電極9aは例えば、
ITO膜などの透明導電性薄膜からなる。また配向膜1
6は例えば、ポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる。
【0017】他方、対向基板20には、その全面に渡っ
て対向電極21が設けられており、その下側には、ラビ
ング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設
けられている。対向電極21は例えば、ITO膜などの
透明導電性薄膜からなる。また配向膜22は、ポリイミ
ド薄膜などの有機薄膜からなる。
【0018】TFTアレイ基板10には、各画素電極9
aに隣接する位置に、各画素電極9aをスイッチング制
御する画素スイッチング用TFT30が設けられてい
る。
【0019】対向基板20には、更に図3に示すよう
に、各画素の非開口領域に、第2遮光膜23を設けても
良い。このため、対向基板20の側から入射光が画素ス
イッチング用TFT30の半導体層1aのチャネル領域
1a’や低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域
1cに侵入することはない。更に、第2遮光膜23は、
コントラストの向上、カラーフィルタを形成した場合に
おける色材の混色防止などの機能を有する。
【0020】このように構成され、画素電極9aと対向
電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基
板10と対向基板20との間には、後述のシール材によ
り囲まれた空間に電気光学物質の一例である液晶が封入
され、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電
極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜16
及び22により所定の配向状態をとる。液晶層50は、
例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液
晶からなる。シール材は、TFTアレイ基板10及び対
向基板20をそれらの周辺で貼り合わせるための、例え
ば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、
両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー
或いはガラスビーズ等のギャップ材が混入されている。
【0021】更に図3に示すように、画素スイッチング
用TFT30に各々対向する位置においてTFTアレイ
基板10と各画素スイッチング用TFT30との間に
は、第1遮光膜11aが設けられている。第1遮光膜1
1aは、好ましくは不透明な高融点金属であるTi、C
r、W、Ta、Mo及びPbのうちの少なくとも一つを
含む、金属単体、合金、金属シリサイド等から構成され
る。このような材料から構成すれば、TFTアレイ基板
10上の第1遮光膜11aの形成工程の後に行われる画
素スイッチング用TFT30の形成工程における高温処
理により、第1遮光膜11aが破壊されたり溶融しない
ようにできる。第1遮光膜11aが形成されているの
で、TFTアレイ基板10の側からの反射光(戻り光)
等が光に対して励起しやすい画素スイッチング用TFT
30のチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1b、低
濃度ドレイン領域1cに入射する事態を未然に防ぐこと
ができ、これに起因した光電流の発生により画素スイッ
チング用TFT30の特性が変化したり、劣化すること
はない。
【0022】更に、第1遮光膜11aと複数の画素スイ
ッチング用TFT30との間には、下地絶縁膜12が設
けられている。下地絶縁膜12は、画素スイッチング用
TFT30を構成する半導体層1aを第1遮光膜11a
から電気的に絶縁するために設けられるものである。更
に、下地絶縁膜12は、TFTアレイ基板10の全面に
形成されることにより、画素スイッチング用TFT30
のための下地膜としての機能をも有する。即ち、TFT
アレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後
に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の
劣化を防止する機能を有する。下地絶縁膜12は、例え
ば、NSG(ノンドープトシリケートガラス)、PSG
(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケート
ガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)な
どの高絶縁性ガラス又は、酸化シリコン膜、窒化シリコ
ン膜等からなる。下地絶縁膜12により、第1遮光膜1
1aが画素スイッチング用TFT30等を汚染する事態
を未然に防ぐこともできる。
【0023】本実施形態では、半導体層1aを高濃度ド
レイン領域1eから延設して第1蓄積容量電極1fと
し、これに対向する容量線3bの一部を第2蓄積容量電
極とし、絶縁薄膜2を走査線3aに対向する位置から延
設してこれらの電極間に挟持された第1誘電体膜とする
ことにより、第1蓄積容量70aが構成されている。更
に、この第2蓄積容量電極と対向するバリア層80の一
部を第3蓄積容量電極とし、これらの電極間に第1層間
絶縁膜81を設ける。第1層間絶縁膜81は第2誘電体
膜としても機能し、第2蓄積容量70bが形成されてい
る。そして、これら第1蓄積容量70a及び第2蓄積容
量70bが第1コンタクトホール8aを介して並列接続
されて蓄積容量70が構成されている。
【0024】より詳細には、半導体層1aの高濃度ドレ
イン領域1eが、データ線6a及び走査線3aの下に延
設されて画素スイッチング用TFT30を形成し、同じ
くデータ線6a及び走査線3aに沿って伸びる容量線3
b部分に第1誘電体膜2を介して対向配置されて、第1
蓄積容量電極1fとされる。特に第1誘電体膜2は、高
温酸化等によりポリシリコン膜上に形成されるTFT3
0の絶縁薄膜2に他ならないので、薄く且つ高耐圧の絶
縁膜とすることができ、第1蓄積容量70aは比較的小
面積で大容量の蓄積容量として構成できる。また、第2
誘電体膜81も、絶縁薄膜2と同様に薄く形成すること
が可能なので、図2に示したように相隣接するデータ線
6a間の領域を利用して、第2蓄積容量70bは比較的
小面積で大容量の蓄積容量として構成できる。従って、
これら第1蓄積容量70a及び第2蓄積容量70bから
立体的に構成される蓄積容量70は、データ線6a下の
領域や走査線3aに沿って液晶のディスクリネーション
が発生する領域(即ち、容量線3bが形成された領域)
という画素開口領域を外れたスペースを有効に利用し
て、小面積で大容量の蓄積容量を形成することができ
る。
【0025】図3において、画素スイッチング用TFT
30は、LDD構造を有しており、走査線3a、当該走
査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体
層1aのチャネル領域1a’、走査線3aと半導体層1
aとを絶縁する絶縁薄膜2、データ線6a、半導体層1
aの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1
c、半導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度
ドレイン領域1eを備えている。高濃度ドレイン領域1
eには、複数の画素電極9aのうちの対応する一つがバ
リア層80を中継して接続されている。低濃度ソース領
域1b及び高濃度ソース領域1d並びに低濃度ドレイン
領域1c及び高濃度ドレイン領域1eは後述のように、
半導体層1aに対し、n型又はp型のチャネルを形成す
るかに応じて所定濃度のn型用又はp型用の不純物をド
ープすることにより形成されている。n型チャネルのT
FTは、動作速度が速いという利点があり、画素のスイ
ッチング素子である画素スイッチング用TFT30とし
て用いられることが多い。本実施形態では特にデータ線
6aは、Al等の低抵抗な金属膜や金属シリサイド等の
合金膜などの遮光性且つ導電性の薄膜から構成されてい
る。また、バリア層80及び第2誘電体膜(第1層間絶
縁膜)81の上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコ
ンタクトホール5及びバリア層80へ通じるコンタクト
ホール8bが各々形成された第2層間絶縁膜4が形成さ
れている。この高濃度ソース領域1dへのコンタクトホ
ール5を介して、データ線6aは高濃度ソース領域1d
に電気的に接続されている。更に、データ線6a及び第
2層間絶縁膜4の上には、バリア層80へのコンタクト
ホール8bが形成された第3層間絶縁膜7が形成されて
いる。このコンタクトホール8bを介して、画素電極9
aはバリア層80に電気的に接続されており、更にバリ
ア層80を中継してコンタクトホール8aを介して高濃
度ドレイン領域1eに電気的に接続されている。前述の
画素電極9aは、このように構成された第3層間絶縁膜
7の上面に設けられている。
【0026】画素スイッチング用TFT30は、好まし
くは上述のようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領
域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物の打ち込み
を行わないオフセット構造を持ってよいし、走査線3a
の一部であるゲート電極をマスクとして高濃度で不純物
を打ち込み、自己整合的に高濃度ソース及びドレイン領
域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよ
い。
【0027】また本実施形態では、画素スイッチング用
TFT30の走査線3aの一部であるゲート電極を高濃
度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1e間に1個
のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの間
に2個以上のゲート電極を配置してもよい。この際、各
々のゲート電極には同一の信号が印加されるようにす
る。このようにデュアルゲート或いはトリプルゲート以
上でTFTを構成すれば、チャネルとソース−ドレイン
領域接合部のリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低
減することができる。これらのゲート電極の少なくとも
1個をLDD構造或いはオフセット構造にすれば、更に
オフ電流を低減でき、安定したスイッチング素子を得る
ことができる。
【0028】図2及び図3に示すように、本実施形態の
液晶装置では、TFTアレイ基板10上には、データ線
6a及び走査線3bが第2層間絶縁膜4を介して立体的
に相交差するように設けられている。そして、バリア層
80は、半導体層1aと画素電極9aとの間に介在して
おり、高濃度ドレイン領域1eと画素電極9aとを第1
コンタクトホール8a及び第2コンタクトホール8bを
経由して電気的に接続する。
【0029】このため、画素電極9aから半導体層1a
のドレイン領域まで一つのコンタクトホールを開孔する
場合と比較して、第1コンタクトホール8a及び第2コ
ンタクトホール8bの径を夫々小さくできる。即ち、一
つのコンタクトホールを開孔する場合には、エッチング
時の選択比が低いとコンタクトホールを深く開孔する程
エッチング精度は落ちるため、例えば50nm程度の非
常に薄い半導体層1aにおける突き抜けを防止するため
には、コンタクトホールの径を小さくできるドライエッ
チングを途中で停止して、最終的にウエットエッチング
で半導体層1aまで開孔するように工程を組まねばなら
ない。或いは、ドライエッチングによる突き抜け防止用
のポリシリコン膜を別途設けたりする必要が生じてしま
うのである。
【0030】これに対して本実施形態では、画素電極9
a及び高濃度ドレイン領域1eを2つの直列な第1コン
タクトホール8a及び第2コンタクトホール8bにより
接続すればよいので、これら第1コンタクトホール8a
及び第2コンタクトホール8bを夫々、ドライエッチン
グにより開孔することが可能となるのである。或いは、
少なくともウエットエッチングにより開孔する距離を短
くすることが可能となるのである。但し、第1コンタク
トホール8a及び第2コンタクトホール8bに夫々、若
干のテーパを付けるために、ドライエッチング後に敢え
て比較的短時間のウエットエッチングを行うようにして
もよい。
【0031】以上のように本実施形態によれば、第1コ
ンタクトホール8a及び第2コンタクトホール8bの径
を夫々小さくでき、第1コンタクトホール8aにおける
バリア層80の表面に形成される窪みや凹凸も小さくて
済むので、その上方に位置する画素電極9aの部分にお
ける平坦化が促進される。更に、第2コンタクトホール
8bにおける画素電極9aの表面に形成される窪みや凹
凸も小さくて済むので、この画素電極9aの部分におけ
る平坦化が促進される。これらの結果、画素電極9aの
表面の窪みや凹凸に起因する液晶層50におけるディス
クリネーションが低減され、最終的には当該液晶装置に
より高品位の画像表示が可能となる。例えば、バリア層
80と画素電極9aとの間に介在する第2層間絶縁膜4
及び第3層間絶縁膜7の合計膜厚を数百nm程度に抑え
ておけば、上述した画素電極9aの表面における窪みや
凹凸に、より直接的に影響する第2コンタクトホール8
bの径を非常に小さくできる。
【0032】尚、本実施形態では、バリア層80は高融
点金属膜やその合金膜から構成されているので、金属膜
と層間絶縁膜とのエッチングにおける選択比が大きく異
なるため、前述の如きドライエッチングによるバリア層
80の突き抜けの可能性は殆ど無い。
【0033】本実施形態では特に、バリア層80を中央
にして立体的に構成された蓄積容量70における、第1
誘電体膜2及び第2誘電体膜81は、いずれも、立体的
に相交差するデータ線6aと走査線3bとの間に介在す
る第2層間絶縁膜4とは異なる層に設けられた誘電体膜
である。従って、フリッカ等の原因となる画像信号の電
圧降下を引き起こすデータ線6a及び走査線3a間の寄
生容量を抑えるために、第2層間絶縁膜4とは異なる層
を介してバリア層80を設けて蓄積容量を付加するた
め、本実施形態の場合には、これらの第1誘電体膜2及
び第2誘電体膜81を技術的な限界まで薄く構成するこ
とが可能となる。この結果、特に第2蓄積容量70bに
おいて第2誘電体膜81の厚みに反比例する容量値を極
めて効率的に増加させることが可能となる。特に、画素
スイッチング用TFT30における絶縁薄膜2のように
余り薄く構成するとトンネル効果等の特異現象が発生す
ることもないので、膜破れなどの欠陥が生じないことを
条件に、例えば200nm程度或いは絶縁薄膜2よりも
薄い10nm以上50nm以下の厚みを持つ極薄い第2
誘電体膜81を形成することにより、非常に大容量の第
2蓄積容量70bを比較的小さな領域内に作り込むこと
が可能となる。これにより、フリッカの発生を抑制する
だけでなく、電圧保持能力を高めることができるため、
高コントラストな電気光学装置を提供できる。
【0034】本願発明者等の実験及び研究によれば、仮
に、データ線6aと同一の導電層からバリア層が構成さ
れる前述した従来技術において、このバリア層を蓄積容
量の一方の電極として用いて、データ線6a及び走査線
3a間の層間絶縁膜を誘電体膜として用いると仮定する
と、データ線6aと走査線3aとの寄生容量が問題とな
らないようにするためには、誘電体膜(本実施形態の第
2層間絶縁膜に相当する膜)には800nm程度の厚み
が必要とされる。従って、同一面積において本実施形態
では、数倍から十数倍或いはそれ以上の大きさの容量値
を持つ第2蓄積容量70bを実現できるので、極めて有
利である。
【0035】尚、バリア層80と画素電極9aの間に更
に、他の一又は複数のバリア層を層間絶縁膜を介して積
層形成することにより、限られたTFTアレイ基板10
上の領域を利用して更に立体的に蓄積容量を増大させる
ことも可能である。
【0036】このように第2蓄積容量70bを構成する
第2誘電体膜81は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜
等でもよいし、これらの膜を複数積層した多層膜から構
成してもよい。一般に絶縁薄膜2を形成するのに用いら
れる各種の公知技術(減圧CVD法、常圧CVD法、プ
ラズマCVD法、熱酸化法、スパッタリング法、ECR
プラズマ法、リモートプラズマ法等)により、第2誘電
体膜81を形成可能である。但し、このようなバリア層
80による蓄積容量付加機能に代えてまたは加えて、特
に遮光膜からなるバリア層80の遮光機能や第1コンタ
クトホール8a及び第2コンタクトホール8bのレイア
ウト等を重視して、バリア層80や第2誘電体膜81を
走査線3a上に至るまで形成する場合には、第2誘電体
膜81をバリア層80及び走査線3a間の寄生容量が問
題とならない程度に厚く形成するのが好ましい。
【0037】他方、バリア層80の膜厚は、例えば50
nm以上500nm以下程度とするのが好ましい。50
nm程度の厚みがあれば、製造プロセスにおける第2コ
ンタクトホール8bの開孔時に突き抜ける可能性は低く
なり、また500nm程度であれば画素電極9aの表面
の凹凸は問題とならないか或いは比較的容易に平坦化可
能だからである。
【0038】更に本実施形態では、このように第1層間
絶縁膜(第2誘電体膜)81を薄く形成することによ
り、第1コンタクトホール8aの径を更に小さく出来る
ので、前述した第1コンタクトホール8aにおけるバリ
ア層80の窪みや凹凸が更に小さくて済み、その上方に
位置する画素電極9aにおける平坦化が更に促進され
る。従って、画素電極9aにおける窪みや凹凸に起因し
た液晶のディスクネーションが低減され、最終的には当
該液晶装置により一層高品位の画像表示が可能となる。
【0039】尚、本実施形態の液晶装置の構成において
も、従来同様に、走査線3bとデータ線6aとの間に介
在する第2層間絶縁膜4については、両配線間における
寄生容量が問題とならない程度の厚み(例えば、800
nm程度の厚み)が必要とされる。
【0040】以上のように構成された本実施形態におい
ては特に、縞状に形成された第1遮光膜11aは、走査
線3a下に延設されて、定電位源又は大容量部分に電気
的に接続されてもよい。このように構成すれば、第1遮
光膜11aに対向配置される画素スイッチング用TFT
30に対し第1遮光膜11aの電位変動が悪影響を及ぼ
すことはない。この場合、定電位源としては、当該液晶
装置を駆動するための周辺回路(例えば、走査線駆動回
路、データ線駆動回路等)に供給される負電源、正電源
等の定電位源、接地電源、対向電極21に供給される定
電位源等が挙げられる。
【0041】また、容量線3bと走査線3aとは、同一
のポリシリコン膜からなり、第1蓄積容量70aの第1
誘電体膜2と画素スイッチング用TFT30の絶縁薄膜
2とは、同一の高温酸化膜等からなり、第1蓄積容量電
極1fと画素スイッチング用TFT30のチャネル領域
1a’、低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1
c、高濃度ソース領域1d、高濃度ドレイン領域1e等
とは、同一の半導体層1aからなる。このため、TFT
アレイ基板10上に形成される積層構造を単純化でき、
更に、後述の電気光学装置の製造方法において、同一の
薄膜形成工程で容量線3b及び走査線3aを同時に形成
でき、蓄積容量70aの第1誘電体膜及び絶縁薄膜2を
同時に形成できる。
【0042】本実施形態では特に、バリア層80は、導
電性の遮光膜からなる。従って、バリア層80により、
各画素開口領域を少なくとも部分的に規定することが可
能となる。また、バリア層80により、あるいはデータ
線6a等の遮光性を有する配線のTFTアレイ基板10
に形成された遮光性を有する膜との組み合わせで画素開
口部を規定することにより、対向基板20側の第2遮光
膜を省略することも可能である。対向基板20上の第2
遮光膜23ではなく、TFTアレイ基板10上に内蔵遮
光膜としてバリア層80を設ける構成は、製造プロセス
におけるTFTアレイ基板10と対向基板20との位置
ずれによって画素開口率の低下を招かない点で極めて有
利である。
【0043】尚、対向基板20上の第2遮光膜23は、
主に入射光による液晶装置の温度上昇を抑える目的で、
小さめ(幅狭)に形成して画素開口領域を規定しないよ
うに構成してもよい。この場合、第2遮光膜23をAl
膜等の反射率の高い材質で形成すれば、更に効率的に温
度上昇を抑えることができる。このように第2遮光膜2
3をTFTアレイ基板における遮光領域よりも小さめに
形成しておけば、製造プロセスにおける両基板間の多少
の位置ずれによっては画素開口領域が小さくならないで
済む。
【0044】遮光膜からなるバリア層80は、例えば、
不透明な高融点金属であるTi、Cr、W、Ta、Mo
及びPbのうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合
金、金属シリサイド等から構成される。このように構成
すれば、バリア層80形成工程の後に行われる高温処理
により、バリア層80が破壊されたり溶融しないように
できる。
【0045】更に、これらの高融点金属と画素電極9a
を構成するITO膜とが接触してもイオン化率の違いで
高融点金属が溶けてしまうことはないため、第2コンタ
クトホール8bを介してバリア層80及び画素電極9a
間で良好に電気的な接続がとれる。
【0046】また本実施形態では特に、遮光膜からなる
バリア層80は、図2に示すように、TFTアレイ基板
10上における平面形状が相隣接するデータ線6a間を
走査線3aに沿って伸び、各画素単位毎に島状に構成さ
れている。これにより、遮光膜による応力の緩和を図る
ことができる。また、画素開口領域の走査線3aに沿っ
た辺の一部又は全部をバリア層80により規定すること
も可能である。ここで具体的な回路設計に応じて走査線
3a及びバリア層80間の寄生容量が問題となる場合
は、本実施形態のように、走査線3a上にはバリア層8
0を設けることなく、容量線3bと画素電極9aとが隣
接する側における画素開口領域の走査線3aに沿った辺
をバリア層80により規定するのが好ましい。或いは、
具体的な回路設計に応じて走査線3a及びバリア層80
間の寄生容量が問題とならないのであれば、バリア層8
0は、第2誘電体膜81を介して走査線3aに対向する
位置にも形成されてよい。このように構成すれば、走査
線3a及び容量線3bの両者を夫々少なくとも部分的に
覆う遮光性のバリア層80により、画素開口領域の走査
線3aに沿った辺のより多くの部分を規定することが可
能となる。言い換えれば、このように構成する場合に
は、走査線3a及びバリア層80の寄生容量が問題とな
らない程度に第2誘電体膜81を厚く構成するのが好ま
しい。或いは、この寄生容量を小さく抑えるためには、
バリア層80により、走査線3aを画素開口領域を規定
するのに必要な領域だけ覆うのが好ましい。
【0047】尚、走査線3aと画素電極9aとが隣接す
る側(図2で下側)における画素開口領域の走査線3a
に沿った辺については、第1遮光膜11aや第2遮光膜
23により規定すればよい。また、画素開口領域のデー
タ線6aに沿った辺については、Al等からなるデータ
線6a或いは第1遮光膜11aや第2遮光膜23により
規定すればよい。
【0048】更に図2に示したように島状のバリア層8
0の走査線3a方向の各端部とデータ線6aの縁部と
は、平面的に見て若干重なるように構成するのが好まし
い。このように構成すれば、両者間に入射光が透過する
ような隙間が生じないで済み、この部分における光抜け
等の表示不良を防止できる。ここで、データ線6aとバ
リア層80と第1遮光膜11aあるいは、データ線6a
とバリア層80等の遮光性を有する膜により画素開口部
を規定することが可能である。このような場合、対向基
板20に第2遮光膜23を形成しなくて済むため、対向
基板20に第2遮光膜23を形成する工程を削減するこ
とが可能である。さらに、対向基板20とTFTアレイ
基板10とのアライメントずれによる画素開口率の低下
やばらつきを防ぐことができる。また、対向基板20に
第2遮光膜23を設ける場合は、TFTアレイ基板10
とのアライメントずれを考慮して大きめに形成するが上
述のようにデータ線6a、バリア層80等のTFTアレ
イ基板10側に形成された遮光性の膜により画素開口部
を規定するため、精度よく画素開口部を規定することが
でき、対向基板20に設けた第2遮光膜23により画素
開口部を決める場合に比べて開口率を向上させることが
できる。
【0049】以上説明したように本実施形態では特に、
バリア層80が導電性の遮光膜からなるため様々な利点
が得られるが、バリア層80を、高融点金属膜ではな
く、例えば、リン等をドープした導電性のポリシリコン
膜から構成してもよい。このように構成すれば、バリア
層80は、遮光膜としての機能は発揮しないが、蓄積容
量70を増加させる機能及びバリア層本来の中継機能は
十分に発揮し得る。更に、第2層間絶縁膜4との間で熱
等によるストレスが発生しにくくなるので、バリア層8
0及びその周辺におけるクラック防止に役立つ。他方、
画素開口領域を規定するための遮光については、第1遮
光膜11aや第2遮光膜23により別途行えばよい。
【0050】また、本実施形態では、TFT30の下側
に形成される第1遮光膜11aにより画素開口領域の一
部又は全部を規定してもよい。例えば、第1遮光膜11
aを、図2において平面的に見てバリア層80の脇に並
べるか若干重なるように並べれば、これらの第1遮光膜
11a及びバリア層80により、画素開口領域の走査線
3aに沿った辺を規定できる。
【0051】本実施形態では特に、第2図及び第3図に
示されるように第1コンタクトホール8aと第2コンタ
クトホール8bとは、TFTアレイ基板10上における
相異なった平面位置に開孔されている。従って、これら
第1コンタクトホール8a及び第2コンタクトホール8
bが開孔された平面位置に発生する凹凸が、相重なって
凹凸が増幅する事態を回避できる。よって、これらのコ
ンタクトホールにおける良好に電気的な接続が期待でき
る。
【0052】尚、コンタクトホール8a、8b及び5の
平面形状は、円形や四角形或いはその他の多角形状等で
もよいが、円形は特にコンタクトホールの周囲の層間絶
縁膜等におけるクラック防止に役立つ。そして、良好に
電気的な接続を得るために、ドライエッチング後にウエ
ットエッチングを行って、これらのコンタクトホール8
a、8b及び5に夫々若干のテーパをつけることが好ま
しい。
【0053】(電気光学装置の第1実施形態における製
造プロセス)次に、以上のような構成を持つ実施形態に
おける液晶装置の製造プロセスについて、図4から図7
を参照して説明する。尚、図4から図7は各工程におけ
るTFTアレイ基板側の各層を、図3と同様に図2のA
−A’断面に対応させて示す工程図である。
【0054】先ず図4の工程(1)に示すように、石英
基板、ハードガラス、シリコン基板等のTFTアレイ基
板10を用意する。ここで、好ましくはN(窒素)等
の不活性ガス雰囲気且つ約900〜1300℃の高温で
熱処理し、後に実施される高温プロセスにおけるTFT
アレイ基板10に生じる歪みが少なくなるように前処理
しておく。即ち、製造プロセスにおける最高温で高温処
理される温度に合わせて、事前にTFTアレイ基板10
を同じ温度かそれ以上の温度で熱処理しておく。そし
て、このように処理されたTFTアレイ基板10の全面
に、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPb等の金属や金
属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタリング等によ
り、100〜500nm程度の膜厚、好ましくは約20
0nmの膜厚の遮光膜11を形成する。尚、遮光膜11
上には、表面反射を緩和するためにポリシリコン膜等の
反射防止膜を形成しても良い。
【0055】次に工程(2)に示すように、該形成され
た遮光膜11上にフォトリソグラフィ工程により第1遮
光膜11aのパターン(図2参照)に対応するレジスト
マスクを形成し、該レジストマスクを介して遮光膜11
に対しエッチングを行うことにより、第1遮光膜11a
を形成する。
【0056】次に工程(3)に示すように、第1遮光膜
11aの上に、例えば、常圧又は減圧CVD法等により
TEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)ガ
ス、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)ガス、T
MOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)ガス
等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどの
シリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜
等からなる下地絶縁膜12を形成する。この下地絶縁膜
12の膜厚は、例えば、約500〜2000nmとす
る。尚、TFTアレイ基板10裏面からの戻り光が問題
にならない場合は、第1遮光膜11aを形成する必要は
ない。
【0057】次に工程(4)に示すように、下地絶縁膜
12の上に、約450〜550℃、好ましくは約500
℃の比較的低温環境中で、流量約400〜600cc/
minのモノシランガス、ジシランガス等を用いた減圧
CVD(例えば、圧力約20〜40PaのCVD)によ
り、アモルファスシリコン膜を形成する。その後、窒素
雰囲気中で、約600〜700℃にて約1〜10時間、
好ましくは、4〜6時間の熱処理を施すことにより、ポ
リシリコン膜1を約50〜200nmの厚さ、好ましく
は約100nmの厚さとなるまで固相成長させる。固相
成長させる方法としては、RTA(Rapid Thermal Anne
al)を使った熱処理でも良いし、エキシマレーザー等を
用いたレーザー熱処理でも良い。
【0058】この際、図3に示した画素スイッチング用
TFT30として、nチャネル型の画素スイッチング用
TFT30を作成する場合には、当該チャネル領域にS
b(アンチモン)、As(砒素)、P(リン)などのV
族元素の不純物を僅かにイオン注入等によりドープして
も良い。また、画素スイッチング用TFT30をpチャ
ネル型とする場合には、B(ボロン)、Ga(ガリウ
ム)、In(インジウム)などのIII族元素の不純物を
僅かにイオン注入等によりドープしても良い。尚、アモ
ルファスシリコン膜を経ないで、減圧CVD法等により
ポリシリコン膜1を直接形成しても良い。或いは、減圧
CVD法等により堆積したポリシリコン膜にシリコンイ
オンを打ち込んで一旦非晶質化し、その後熱処理等によ
り再結晶化させてポリシリコン膜1を形成しても良い。
【0059】次に工程(5)に示すように、フォトリソ
グラフィ工程、エッチング工程等により、図2に示した
如き所定パターンを有する半導体層1aを形成する。
【0060】次に工程(6)に示すように、画素スイッ
チング用TFT30を構成する半導体層1aを約900
〜1300℃の温度、好ましくは約1000℃の温度に
より熱酸化することにより、約30nmの比較的薄い厚
さの熱酸化シリコン膜2aを形成し、更に工程(7)に
示すように、減圧CVD法等により高温酸化シリコン膜
(HTO膜)や窒化シリコン膜からなる絶縁膜2bを約
50nmの比較的薄い厚さに堆積し、熱酸化シリコン膜
2a及び絶縁膜2bを含む多層構造を持つ画素スイッチ
ング用TFT30の絶縁薄膜2と共に蓄積容量形成用の
第1誘電体膜2を同時に形成する。この結果、半導体層
1aの厚さは、約30〜150nmの厚さ、好ましくは
約35〜50nmの厚さとなり、絶縁薄膜(第1誘電体
膜)2の厚さは、約20〜150nmの厚さ、好ましく
は約30〜100nmの厚さとなる。このように高温熱
酸化時間を短くすることにより、特に8インチ程度の大
型基板を使用する場合に熱によるそりを防止することが
できる。但し、ポリシリコン膜1を熱酸化することのみ
により、単一層構造を持つ絶縁薄膜2を形成してもよ
い。
【0061】次に工程(8)に示すように、フォトリソ
グラフィ工程、エッチング工程等によりレジスト層50
0を第1蓄積容量電極1fとなる部分を除く半導体層1
a上に形成した後、例えばPイオンをドーズ量約3×1
12/cmでドープして、第1蓄積容量電極1fを
低抵抗化しても良い。
【0062】次に工程(9)に示すように、レジスト層
500を除去した後、減圧CVD法等によりポリシリコ
ン膜3を堆積し、更にPを熱拡散し、ポリシリコン膜3
を導電化する。又は、Pイオンをポリシリコン膜3の成
膜と同時に導入したドープトポリシリコン膜を用いても
よい。ポリシリコン膜3の膜厚は、約100〜500n
mの厚さ、好ましくは約300nmに堆積する。
【0063】次に図5の工程(10)に示すように、レ
ジストマスクを用いたフォトリソグラフィ工程、エッチ
ング工程等により、図2に示した如き所定パターンの走
査線3aと共に容量線3bを形成する。走査線3a及び
容量線3bは、高融点金属や金属シリサイド等の金属合
金膜で形成しても良いし、ポリシリコン膜等と組み合わ
せた多層配線としても良い。
【0064】次に工程(11)に示すように、図3に示
した画素スイッチング用TFT30をLDD構造を持つ
nチャネル型のTFTとする場合、半導体層1aに、先
ず低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cを
形成するために、走査線3aの一部であるゲート電極を
マスクとして、PなどのV族元素の不純物を低濃度で
(例えば、Pイオンを1〜3×1013/cmのドー
ズ量にて)ドープする。これにより走査線3a下の半導
体層1aはチャネル領域1a’となる。
【0065】次に工程(12)に示すように、画素スイ
ッチング用TFT30を構成する高濃度ソース領域1d
及び高濃度ドレイン領域1eを形成するために、走査線
3aよりも幅の広いマスクでレジスト層600を走査線
3a上に形成した後、同じくPなどのV族元素の不純物
を高濃度で(例えば、Pイオンを1〜3×1015/c
のドーズ量にて)ドープする。また、画素スイッチ
ング用TFT30をpチャネル型とする場合、半導体層
1aに、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域
1c並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領
域1eを形成するために、BなどのIII族元素の不純物
を用いてドープする。尚、例えば、低濃度のドープを行
わずに、オフセット構造のTFTとしてもよく、走査線
3aをマスクとして、Pイオン、Bイオン等を用いたイ
オン注入技術によりセルフアライン型のTFTとしても
よい。この不純物のドープにより容量線3b及び走査線
3aも更に低抵抗化される。
【0066】尚、これらのTFT30の素子形成工程と
並行して、nチャネル型TFT及びpチャネル型TFT
から構成される相補型構造を持つデータ線駆動回路、走
査線駆動回路等の周辺回路をTFTアレイ基板10上の
周辺部に形成してもよい。このように、本実施形態にお
いて画素スイッチング用TFT30を構成する半導体層
1aをポリシリコン膜で形成すれば、画素スイッチング
用TFT30の形成時にほぼ同一工程で、周辺回路を形
成することができ、製造上有利である。
【0067】次に工程(13)に示すように、レジスト
層600を除去した後、容量線3b及び走査線3a並び
に絶縁薄膜(第1誘電体膜)2上に、減圧CVD法、プ
ラズマCVD法等により高温酸化シリコン膜(HTO
膜)や窒化シリコン膜からなる第1層間絶縁膜81を1
0nm以上200nm以下の比較的薄い厚さに堆積す
る。但し、前述のように、第1層間絶縁膜81は、多層
膜から構成してもよいし、一般にTFTの絶縁薄膜を形
成するのに用いられる各種の公知技術により、第1層間
絶縁膜81を形成可能である。第1層間絶縁膜81の場
合には、第2層間絶縁膜4の場合のように余り薄くする
とデータ線6a及び走査線3a間の寄生容量が大きくな
ってしまうことはなく、またTFT30における絶縁薄
膜2のように余り薄く構成するとトンネル効果等の特異
現象が発生することもない。また、第1層間絶縁膜81
は、容量線の一部である第2蓄積容量電極とバリア層8
0の間で、第2誘電体膜として機能する。そして、第2
誘電体膜81を薄くする程、第2蓄積容量70bは大き
くなるので、結局、膜破れなどの欠陥が生じないことを
条件に、絶縁薄膜2よりも薄い50nm以下の厚みを持
つ極薄い絶縁膜となるように第2誘電体膜81を形成す
ると本実施形態の効果を増大させることができる。
【0068】次に工程(14)に示すように、バリア層
80と高濃度ドレイン領域1eとを電気的に接続するた
めのコンタクトホール8aを、反応性イオンエッチン
グ、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチン
グにより形成する。このようなドライエッチングは、指
向性が高いため、小さな径のコンタクトホール8aを開
孔可能である。或いは、コンタクトホール8aが半導体
層1aを突き抜けるのを防止するのに有利なウエットエ
ッチングを併用してもよい。このウエットエッチング
は、コンタクトホール8aに対し、より良好に電気的な
接続をとるためのテーパを付与する観点からも有効であ
る。
【0069】次に工程(15)に示すように、第1層間
絶縁膜81及びコンタクトホール8aを介して覗く高濃
度ドレイン領域1eの全面に、Ti、Cr、W、Ta、
Mo及びPb等の金属や金属シリサイド等の金属合金膜
をスパッタリング等により堆積して、50〜500nm
程度の膜厚の導電膜80’を形成する。50nm程度の
厚みがあれば、後に第2コンタクトホール8bを開孔す
る時に突き抜ける可能性は殆どない。尚、この導電膜8
0’上には、表面反射を緩和するためにポリシリコン膜
等の反射防止膜を形成しても良い。また、導電膜80’
は応力緩和のためにドープトポリシリコン膜等を用いて
も良い。この際、下層にドープトポリシリコン膜(導電
性のポリシリコン膜)を用いて上層に金属膜を用いて2
層以上の積層された導電膜80’を形成してもよい。ま
た、2層のポリシリコン膜の間に金属膜を挟んで3層と
してもよい。このように、導電膜80’と高濃度ドレイ
ン領域1eとを電気的に接続する際に、同じポリシリコ
ン膜で形成すると、コンタクト抵抗を大幅に低減するこ
とができる。
【0070】次に図6の工程(16)に示すように、該
形成された導電膜80’上にフォトリソグラフィにより
バリア層80のパターン(図2参照)に対応するレジス
トマスクを形成し、該レジストマスクを介して導電膜8
0’に対しエッチングを行うことにより、第3蓄積容量
電極を含むバリア層80を形成する。
【0071】次に工程(17)に示すように、第1層間
絶縁膜81及びバリア層80を覆うように、例えば、常
圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NS
G、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス
膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第2層
間絶縁膜4を形成する。第2層間絶縁膜4の膜厚は、約
500〜1500nmが好ましい。第2層間絶縁膜4の
膜厚が500nm以上あれば、データ線6a及び走査線
3a間における寄生容量は余り又は殆ど問題とならな
い。
【0072】次に工程(18)の段階で、高濃度ソース
領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを活性化するため
に約1000℃の熱処理を20分程度行った後、データ
線6aに対するコンタクトホール5を開孔する。また、
走査線3aや容量線3bをTFTアレイ基板10の周辺
領域において図示しない配線と接続するためのコンタク
トホールも、コンタクトホール5と同一の工程により第
2層間絶縁膜4に開孔することができる。
【0073】次に、工程(19)に示すように、第2層
間絶縁膜4の上に、スパッタリング等により、遮光性の
Al等の低抵抗金属や金属シリサイド等を金属膜6とし
て、約100〜500nmの厚さ、好ましくは約300
nmに堆積する。
【0074】次に工程(20)に示すように、フォトリ
ソグラフィ工程、エッチング工程等により、データ線6
aを形成する。
【0075】次に図7の工程(21)に示すように、デ
ータ線6a上を覆うように、例えば、常圧又は減圧CV
D法やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BS
G、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン
膜や酸化シリコン膜等からなる第3層間絶縁膜7を形成
する。第3層間絶縁膜7の膜厚は、約500〜1500
nmが好ましい。
【0076】次に工程(22)に示すように、画素電極
9aとバリア層80とを電気的に接続するためのコンタ
クトホール8bを、反応性イオンエッチング、反応性イ
オンビームエッチング等のドライエッチングにより形成
する。また、テーパ状にするためにウェットエッチング
を用いても良い。
【0077】次に工程(23)に示すように、第3層間
絶縁膜7の上に、スパッタリング等により、ITO膜等
の透明導電性薄膜9を、約50〜200nmの厚さに堆
積し、更に工程(24)に示すように、フォトリソグラ
フィ工程、エッチング工程等により、画素電極9aを形
成する。尚、当該液晶装置を反射型の液晶装置に用いる
場合には、Al等の反射率の高い不透明な材料から画素
電極9aを形成してもよい。
【0078】続いて、画素電極9aの上にポリイミド系
の配向膜の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角
を持つように且つ所定方向でラビング処理を施すこと等
により、配向膜16(図3参照)が形成される。
【0079】他方、図3に示した対向基板20について
は、ガラス基板等が先ず用意され、第2遮光膜23及び
後述する額縁としての第3遮光膜が、例えば金属クロム
をスパッタリングした後、フォトリソグラフィ工程、エ
ッチング工程を経て形成される。尚、これらの第2及び
第3遮光膜は、Cr、Ni、Alなどの金属材料の他、
カーボンやTiをフォトレジストに分散した樹脂ブラッ
クなどの材料から形成してもよい。尚、TFTアレイ基
板10上で、データ線6a、バリア層80、第1遮光膜
11a等で遮光領域を規定すれば、対向基板20上の第
2遮光膜23や第3遮光膜を省くことができる。
【0080】その後、対向基板20の全面にスパッタリ
ング等により、ITO等の透明導電性薄膜を、約50〜
200nmの厚さに堆積することにより、対向電極21
を形成する。更に、対向電極21の全面にポリイミド系
の配向膜の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角
を持つように且つ所定方向でラビング処理を施すこと等
により、配向膜22(図3参照)が形成される。
【0081】最後に、上述のように各層が形成されたT
FTアレイ基板10と対向基板20とは、配向膜16及
び22が対面するように後述するシール材により貼り合
わされ、真空吸引等により、両基板間の空間に、例えば
複数種類のネマティック液晶を混合してなる液晶が吸引
されて、所定層厚の液晶層50が形成される。
【0082】(電気光学装置の第2実施形態)本発明に
よる電気光学装置の第2実施形態である液晶装置の構成
について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、
データ線、走査線、画素電極、遮光膜等が形成されたT
FTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であ
り、図9は、図8のB−B’断面図である。尚、図8及
び図9に示した第2実施形態において図2及び図3に示
した第1実施形態と同様の構成要素については、同様の
参照符号を付し、その説明は省略する。また、図9にお
いては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大き
さとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてあ
る。
【0083】図8及び図9において、第2実施形態では
第1実施形態とは異なり、第1遮光膜11bがTFTア
レイ基板10側から見て走査線3a、容量線3b及びデ
ータ線6aを覆うように即ち、各画素を囲む格子状の非
開口領域の全域に設けられている。更に、下地絶縁膜1
2には、容量線3bと第1遮光膜11bとを電気的に接
続するコンタクトホール15が設けられている。容量線
3b及び第1遮光膜11bは、基板周辺領域において、
定電位配線に接続されている。その他の構成については
第1実施形態の場合と同様である。
【0084】従って、第2実施形態によれば、第1遮光
膜11bは、画素開口領域を規定する機能と共に容量線
3bの定電位配線又は冗長配線としての機能を有するだ
けでなく、容量線自体の抵抗を下げることができ、画質
品位を向上させる。このように構成すれば、第1遮光膜
11b単独で画素開口領域を規定することが可能とな
る。更に、容量線3b及び第1遮光膜11bの電位を同
一の一定電位にでき、容量線3bや第1遮光膜11bに
おける電位揺れによる画像信号やTFT30への悪影響
を低減できる。また、第1遮光膜11bと半導体層1a
の間に介在する下地絶縁膜12を誘電体膜とし、更に蓄
積容量を付加することができる。
【0085】また、第1遮光膜11bを容量線として代
用すれば、走査線3aと同一工程で形成される容量線3
bは、各画素単位毎に蓄積容量電極として島状に設けて
もよい。このように構成することで、画素開口率を向上
することが可能となる。
【0086】尚、このような第1遮光膜11bは、第1
実施形態における製造プロセス中、工程(2)における
レジストマスクのパターンを変更すれば形成できる。ま
た、コンタクトホール15は、第1実施形態における製
造プロセス中、工程(8)と工程(9)の間に、反応性
イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等の
ドライエッチングやウェットエッチングを施すことによ
り開孔すればよい。
【0087】(電気光学装置の第3実施形態)本発明に
よる電気光学装置の第3実施形態である液晶装置の構成
について、図10を参照して説明する。図10は、第2
実施形態における図8の平面図のB−B’断面に対応す
る第3実施形態の断面図である。尚、図10に示した第
3実施形態において図8に示した第2実施形態と同様の
構成要素については、同様の参照符号を付し、その説明
は省略する。また、図10においては、各層や各部材を
図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各
部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0088】図10において、第3実施形態では第2実
施形態とは異なり、第3層間絶縁膜7’は、上側表面が
平坦に形成されている。この結果、第3層間絶縁膜7’
を下地膜とする画素電極9a及び配向膜16も平坦化さ
れている。その他の構成については第2実施形態の場合
と同様である。
【0089】従って、第3実施形態によれば、データ線
6aに重ねて走査線3a、TFT30、容量線3b等が
形成される領域の他の領域に対する段差が低減される。
このようにして画素電極9aが平坦化されているので、
当該平坦化の度合いに応じて液晶層50のディスクリネ
ーションの発生を低減できる。この結果、第3実施形態
によれば、より高品位の画像表示が可能となり、画素開
口領域を広げることも可能となる。
【0090】尚、このような第3層間絶縁膜7’の平坦
化は、例えば、第1実施形態の製造プロセスにおける工
程(21)の際、CMP(Chemical Mechanical Polish
ing)処理、スピンコート処理、リフロー法等により行
ったり、有機SOG(Spin On Glass)、無機SOG、ポ
リイミド膜等を利用して行えばよい。このように平坦化
するために第3層間絶縁膜7’の膜厚が厚くなってもバ
リア層80が選択比の高い膜で形成されているため、エ
ッチング時に膜を突き抜けることがない。
【0091】(電気光学装置の第4実施形態)本発明に
よる電気光学装置の第4実施形態である液晶装置の構成
について、図11を参照して説明する。図11は、第2
実施形態における図8の平面図のB−B’断面に対応す
る第4実施形態の断面図である。尚、図10に示した第
4実施形態において図8に示した第2実施形態と同様の
構成要素については、同様の参照符号を付し、その説明
は省略する。また、図11においては、各層や各部材を
図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各
部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0092】図11において、第4実施形態では第2実
施形態とは異なり、TFTアレイ基板10’は、その上
側表面が、データ線6a、走査線3a及び容量線3bに
対向する部分が凹状に窪んで形成されている。この結
果、TFTアレイ基板10’上にこれらの配線や層間絶
縁膜を介して形成される画素電極9a及び配向膜16も
平坦化されている。その他の構成については第2実施形
態の場合と同様である。
【0093】従って、第4実施形態によれば、データ線
6aに重ねて走査線3a、TFT30、容量線3b等が
形成される領域と形成されない領域に対する段差が低減
される。このようにして画素の非開口領域の少なくとも
一部分を埋め込むだけで画素電極9aがほぼ平坦化さ
れ、当該平坦化の度合いに応じて液晶層50のディスク
リネーションの発生を低減できる。この結果、第4実施
形態によれば、より高品位の画像表示が可能となり、画
素開口領域を広げることも可能となる。
【0094】尚、このようなTFTアレイ基板10’
は、例えば、第1実施形態の製造プロセスにおける工程
(1)の前に、凹状の窪みを形成すべき領域にエッチン
グを施せばよい。
【0095】上述のように第3実施形態では、第3層間
絶縁膜上面を平坦化し、第4実施形態では、基板を凹状
に溝を形成した上に配線や素子部を形成して最終的に画
素電極を平坦化しているが、第2層間絶縁膜4又は下地
絶縁膜12を凹状に窪めて形成しても同様の平坦化の効
果が得られる。この場合、各層間絶縁膜を凹状に形成す
る方法としては、各層間絶縁膜を二層構造として、一層
のみからなる薄い部分を凹状の窪み部分として二層の厚
い部分を凹状の土手部分とするように薄膜形成及びエッ
チングを行なえばよい。或いは、各層間絶縁膜を単一層
構造として、エッチングにより凹状の窪みを開孔するよ
うにしてもよい。これらの場合、反応性イオンエッチン
グ、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチン
グを用いると、設計寸法通りに凹状部分を形成できる利
点がある。一方、少なくもとウエットエッチングを単独
で又はドライエッチングと組み合わせて用いた場合に
は、凹状の窪みの側壁面をテーパ状に形成できるため、
後工程で凹状の窪み内に形成されるポリシリコン膜、レ
ジスト等の側壁周囲への残留を低減できるので、歩留ま
りの低下を招かない利点が得られる。
【0096】(電気光学装置の第5実施形態)本発明に
よる電気光学装置の第5実施形態である液晶装置の構成
について、図12を用いて説明する。図12は、第1実
施形態における図2のA−A’断面図にに対応する第5
実施形態の断面図である。尚、図12に示した第5実施
形態において第1実施形態と同様の構成要素について
は、同様の参照部号を付し、その説明は省略し、第1実
施形態と異なる点のみ説明する。
【0097】第5実施形態では、容量線3b上において
バリア層80と画素電極9aを電気的に接続するための
第2コンタクトホール8bが形成されている。このよう
に、容量線3b上に第2コンタクトホール8bを形成す
ることにより、第2コンタクトホール8bの領域下の面
積も容量として機能させることができるため、その分容
量を大きくすることができる。
【0098】(電気光学装置の全体構成)以上のように
構成された各実施形態における電気光学装置に一例であ
る液晶装置の全体構成を図13及び図14を参照して説
明する。尚、図13は、TFTアレイ基板10をその上
に形成された各構成要素と共に対向基板20の側から見
た平面図であり、図14は、図13のH−H’断面図で
ある。
【0099】図13において、TFTアレイ基板10の
上には、シール材52がその縁に沿って設けられてお
り、その内側に並行して、例えば第2遮光膜23と同じ
或いは異なる材料から成る画像表示領域の周辺を規定す
る額縁としての第3遮光膜53が設けられている。シー
ル材52の外側の領域には、データ線6aに画像信号を
所定タイミングで供給することによりデータ線6aを駆
動するデータ線駆動回路101及び外部回路接続端子1
02がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられて
おり、走査線3aに走査信号を所定タイミングで供給す
ることにより走査線3aを駆動する走査線駆動回路10
4が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられてい
る。走査線3aに供給される走査信号遅延が問題になら
ないのならば、走査線駆動回路104は片側だけでも良
いことは言うまでもない。また、データ線駆動回路10
1を画像表示領域の辺に沿って両側に配列してもよい。
例えば奇数列のデータ線6aは画像表示領域の一方の辺
に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供
給し、偶数列のデータ線は前記画像表示領域の反対側の
辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を
供給するようにしてもよい。この様にデータ線6aを櫛
歯状に駆動するようにすれば、データ線駆動回路の占有
面積を拡張することができるため、複雑な回路を構成す
ることが可能となる。更にTFTアレイ基板10の残る
一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動
回路104間をつなぐための複数の配線105が設けら
れている。また、対向基板20のコーナー部の少なくと
も1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板
20との間で電気的に導通をとるための導通材106が
設けられている。そして、図14に示すように、図13
に示したシール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板2
0が当該シール材52によりTFTアレイ基板10に固
着されている。尚、TFTアレイ基板10上には、これ
らのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等
に加えて、複数のデータ線6aに画像信号を所定のタイ
ミングで印加するサンプリング回路、複数のデータ線6
aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先
行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷
時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査
回路等を形成してもよい。尚、本実施の形態によれば、
対向基板20上の第2遮光膜23はTFTアレイ基板1
0の遮光領域よりも小さく形成すれば良い。また、液晶
装置の用途により、第2遮光膜23は容易に取り除くこ
とができる。
【0100】以上図1から図14を参照して説明した各
実施形態では、データ線駆動回路101及び走査線駆動
回路104をTFTアレイ基板10の上に設ける代わり
に、例えばTAB(Tape Automated Bonding)基板上に
実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の周
辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及
び機械的に接続するようにしてもよい。また、対向基板
20の投射光が入射する側及びTFTアレイ基板10の
出射光が出射する側には各々、例えば、TN(Twisted
Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、
PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等
の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリ
ーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差
フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
【0101】以上説明した各実施形態における電気光学
装置は、カラー表示のプロジェクタ等に適用されるた
め、3枚の電気光学装置がR(赤)G(緑)B(青)用
のライトバルブとして各々用いられ、各ライトバルブに
は各々RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して
分解された各色の光が投射光として各々入射されること
になる。従って、各実施形態では、対向基板20に、カ
ラーフィルタは設けられていない。しかしながら、第2
遮光膜23の形成されていない画素電極9aに対向する
所定領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜と共
に、対向基板20上に形成してもよい。あるいは、TF
Tアレイ基板10上のRGBに対向する画素電極9a下
にカラーレジスト等でカラーフィルタ層を形成すること
も可能である。このようにすれば、プロジェクタ以外の
直視型や反射型のカラー液晶テレビなどに各実施形態に
おける電気光学装置を適用できる。更に、対向基板20
上に1画素1個対応するようにマイクロレンズを形成し
てもよい。このようにすれば、入射光の集光効率を向上
することで、明るい電気光学装置が実現できる。更にま
た、対向基板20上に、何層もの屈折率の相違する干渉
層を堆積することで、光の干渉を利用して、RGB色を
作り出すダイクロイックフィルタを形成してもよい。こ
のダイクロイックフィルタ付き対向基板によれば、より
明るいカラー電気光学装置が実現できる。
【0102】以上説明した各実施形態における電気光学
装置では、従来と同様に入射光を対向基板20の側から
入射することとしたが、第1遮光膜11aを設けている
ので、TFTアレイ基板10の側から入射光を入射し、
対向基板20の側から出射するようにしても良い。即
ち、このように電気光学装置を液晶プロジェクタに取り
付けても、半導体層1aのチャネル領域1a’及び低濃
度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1cに光が入射
することを防ぐことが出来、高画質の画像を表示するこ
とが可能である。ここで、従来は、TFTアレイ基板1
0の裏面側での反射を防止するために、反射防止用のA
R(Anti Reflection)被膜された偏光板を別途配置した
り、ARフィルムを貼り付ける必要があったが、各実施
形態では、TFTアレイ基板10の表面と半導体層1a
の少なくともチャネル領域1a’及び低濃度ソース領域
1b、低濃度ドレイン領域1cとの間に第1遮光膜11
aが形成されているため、このようなAR被膜された偏
光板やARフィルムを用いたり、TFTアレイ基板10
そのものをAR処理した基板を使用する必要が無くな
る。従って、各実施形態によれば、材料コストを削減で
き、また偏光板貼り付け時に、ごみ、傷等により、歩留
まりを落とすことがなく大変有利である。また、耐光性
が優れているため、明るい光源を使用したり、偏光ビー
ムスプリッタにより偏光変換して、光利用効率を向上さ
せても、光によるクロストーク等の画質劣化を生じな
い。
【0103】また、各画素に設けられるスイッチング素
子としては、正スタガ型又はコプラナー型のポリシリコ
ンTFTであるとして説明したが、逆スタガ型のTFT
やアモルファスシリコンTFT等の他の形式のTFTに
対しても、各実施形態は有効である。
【0104】(電子機器)次に、以上詳細に説明した電
気光学装置100を備えた電子機器の実施の形態につい
て図15から図17を参照して説明する。
【0105】先ず図15に、このように電気光学装置1
00を備えた電子機器の概略構成を示す。
【0106】図15において、電子機器は、表示情報出
力源1000、表示情報処理回路1002、駆動回路1
004、電気光学装置100、クロック発生回路100
8並びに電源回路1010を備えて構成されている。表
示情報出力源1000は、ROM(Read Only Memor
y)、RAM(Random Access Memory)、光ディスク装
置などのメモリ、画像信号を同調して出力する同調回路
等を含み、クロック発生回路1008からのクロック信
号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの表示
情報を表示情報処理回路1002に出力する。表示情報
処理回路1002は、増幅・極性反転回路、シリアル−
パラレル変換回路、ローテーション回路、ガンマ補正回
路、クランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成
されており、クロック信号に基づいて入力された表示情
報からデジタル信号を順次生成し、クロック信号CLKと
共に駆動回路1004に出力する。駆動回路1004
は、電気光学装置100を駆動する。電源回路1010
は、上述の各回路に所定電源を供給する。尚、電気光学
装置100を構成するTFTアレイ基板の上に、駆動回
路1004を搭載してもよく、これに加えて表示情報処
理回路1002を搭載してもよい。
【0107】次に図16から図17に、このように構成
された電子機器の具体例を各々示す。
【0108】図16において、電子機器の一例たるプロ
ジェクタ1100は、上述した駆動回路1004がTF
Tアレイ基板上に搭載された電気光学装置100を含む
ライトバルブを3個用意し、各々RGB用のライトバル
ブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジ
ェクタとして構成されている。プロジェクタ1100で
は、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニッ
ト1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1
106及び2枚のダイクロイックミラー1108によっ
て、RGBの3原色に対応する光成分R、G、Bに分け
られ、各色に対応するライトバルブ100R、100G
及び100Bに各々導かれる。この際特にB光は、長い
光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、
リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなる
リレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ラ
イトバルブ100R、100G及び100Bにより各々
変調された3原色に対応する光成分は、ダイクロイック
プリズム1112により再度合成された後、投射レンズ
1114を介してスクリーン1120にカラー画像とし
て投射される。
【0109】図17において、電子機器の他の例たるマ
ルチメディア対応のラップトップ型のパーソナルコンピ
ュータ(PC)1200は、上述した電気光学装置10
0がトップカバーケース内に設けられており、更にCP
U、メモリ、モデム等を収容すると共にキーボード12
02が組み込まれた本体1204を備えている。
【0110】以上図16から図17を参照して説明した
電子機器の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型又
はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲー
ション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、エン
ジニアリング・ワークステーション(EWS)、携帯電
話、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装
置等などが図15に示した電子機器の例として挙げられ
る。
【0111】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、製造効率が高く高品位の画像表示が可能な電気光学
装置を備えた各種の電子機器を実現できる。
【0112】次に、本実施の形態の発明を以下に示す。
【0113】本発明の第1電気光学装置は、基板に、複
数の走査線及び複数のデータ線と、前記走査線及び前記
データ線に接続された薄膜トランジスタと、該薄膜トラ
ンジスタに接続された画素電極及び蓄積容量とを有する
電気光学装置であって、前記走査線及び前記蓄積容量の
一方の電極の上方に形成された第1層間絶縁膜と、該第
1層間絶縁膜の上方に形成された導電層と、該導電層の
上方に形成された第2層間絶縁膜とを具備しており、前
記データ線は、前記第2層間絶縁膜上に形成されてい
る。
【0114】本発明の第1電気光学装置によれば、基板
には、走査線及び蓄積容量の一方の電極、第1層間絶縁
膜、導電層、第2層間絶縁膜、データ線の順に形成され
ている。従って、走査線とデータ線との間の層として介
在する導電層を様々な用途に利用することが可能とな
る。例えば先ず、導電層と半導体層とを第1コンタクト
ホールを介して電気的に接続すると共に導電層と画素電
極とを第2コンタクトホールを介して電気的に接続する
ことにより、導電層を経由して半導体層と画素電極とを
電気的に接続する構成が可能となる。或いは、導電層の
一部を、半導体層の一部や蓄積容量の一方の電極と誘電
体膜を介して対向する他の蓄積容量電極とすることによ
り、画素電極に対して蓄積容量を付与する構成も可能と
なる。或いは、導電層を遮光膜から形成することによ
り、導電層により画素の開口領域の少なくとも一部を規
定する構成も可能となる。更には、導電層からデータ
線、走査線、あるいは蓄積容量の一方の電極を構成する
ための容量線を除く他の配線を形成する構成や、導電層
からデータ線、走査線及び容量線の冗長配線を形成する
構成も可能となる。
【0115】本発明の第1電気光学装置の一の態様によ
れば、前記基板に、前記データ線の上方に形成された第
3層間絶縁膜を更に具備しており、前記画素電極は、前
記第3層間絶縁膜上に形成されると共に前記第2及び第
3層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前
記導電層に電気的に接続されており、前記導電層は、前
記半導体層に電気的に接続されている。
【0116】このように構成すれば、データ線の上方に
は第3層間絶縁膜を介して画素電極が形成されており、
画素電極は、第2及び第3層間絶縁膜に形成されたコン
タクトホールを介して導電層に電気的に接続されおり、
導電層は、半導体層に接続されている。従って、導電層
を経由して半導体層と画素電極とを電気的に接続する構
成が得られる。
【0117】本発明の第2電気光学装置は、基板に、複
数の走査線及び複数のデータ線と、各前記走査線及び各
前記データ線に接続された薄膜トランジスタと、該薄膜
トランジスタに接続された画素電極と、前記薄膜トラン
ジスタのソース領域及びドレイン領域並びに第1蓄積容
量電極を構成する半導体層と、該半導体層上に形成され
ている絶縁薄膜と、該絶縁薄膜上に形成されていると共
に前記走査線の一部からなる前記薄膜トランジスタのゲ
ート電極と、前記絶縁薄膜上に形成されている前記蓄積
容量の第2蓄積容量電極と、前記走査線及び前記第2蓄
積容量電極の上方に形成された第1層間絶縁膜と、該第
1層間絶縁膜の上方に形成された導電層と、該導電層の
上方に形成された第2層間絶縁膜とを具備しており、前
記データ線は、前記第2層間絶縁膜上に形成されると共
に前記絶縁薄膜並びに前記第1及び第2層間絶縁膜に形
成されたコンタクトホールを介して、前記半導体層のソ
ース領域に電気的に接続されている。
【0118】本発明の第2電気光学装置によれば、基板
には、走査線及び第2蓄積容量電極、第1層間絶縁膜、
導電層、第2層間絶縁膜、データ線の順に形成されてお
り、画素電極は更にその上方に形成されている。そし
て、データ線は、第1及び第2層間絶縁膜に形成された
コンタクトホールを介して、半導体層のソース領域に電
気的に接続されている。これらに加えて、半導体層の一
部からソース領域及びドレイン領域が構成されており、
絶縁薄膜の一部から薄膜トランジスタのゲート絶縁膜が
構成されており、更に絶縁薄膜上に走査線の一部からな
る薄膜トランジスタのゲート電極が形成されている。他
方で、半導体層の一部から、第1蓄積容量電極が構成さ
れており、絶縁薄膜の一部から蓄積容量の誘電体膜が構
成されており、更に絶縁薄膜上に容量線の一部からなる
第2蓄積容量電極が形成されている。従って、薄膜トラ
ンジスタが走査線の下側に配置され、これに並んで第2
蓄積容量電極の下側に蓄積容量が配置された構造が得ら
れる。従って、このような蓄積容量が薄膜トランジスタ
に並んで設けられた構成において、走査線とデータ線と
の間の層として介在する導電層を様々な用途に利用する
ことが可能となる。例えば先ず、導電層の一部を、第2
蓄積容量電極と第1層間絶縁膜を介して対向する第3蓄
積容量電極とすることにより、即ち、第1層間絶縁膜を
この個所において蓄積容量の誘電体膜として導電層の一
部と第2蓄積容量電極とを対向配置することにより、画
素電極に対して(第1蓄積容量電極及び第2蓄積容量電
極からなる蓄積容量に加えて)追加的に蓄積容量を付与
する構成も可能となる。或いは、前述した本発明の第1
電気光学装置の場合と同様に、導電層を経由して半導体
層と画素電極とを電気的に接続する構成、導電層により
画素の開口領域の少なくとも一部を規定する構成、導電
層からデータ線、走査線あるいは、第2蓄積容量を形成
するための容量線を除く他の配線或いはこれらの冗長配
線を形成する構成も可能となる。
【0119】本発明の第2電気光学装置の一の態様によ
れば、前記導電層は、前記第1層間絶縁膜及び前記絶縁
薄膜に形成されたコンタクトホールを介して前記半導体
層のドレイン領域に電気的に接続されている。
【0120】このように構成すれば、データ線は、絶縁
薄膜並びに第1及び第2層間絶縁膜に形成されたコンタ
クトホールを介して、半導体層のソース領域に電気的に
接続されており、導電層は、第1層間絶縁膜及び絶縁薄
膜に形成されたコンタクトホールを介して、半導体層の
ドレイン領域に電気的に接続されている。従って、導電
層を、画素電極に接続された蓄積容量の電極として用い
る構成が容易にして可能となり、同時に、導電層を経由
して画素電極とドレイン領域とを電気的に接続する構成
も容易にして可能となる。
【0121】本発明の第2電気光学装置の他の態様によ
れば、前記基板に、前記データ線の上方に形成された第
3層間絶縁膜を更に具備しており、前記画素電極は、前
記第3層間絶縁膜上に形成されると共に前記第2及び第
3層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前
記導電層に電気的に接続されている。
【0122】このように構成すれば、データ線の上方に
は第3層間絶縁膜を介して画素電極が形成されており、
画素電極は、第2及び第3層間絶縁膜に形成されたコン
タクトホールを介して導電層に電気的に接続される。従
って、導電層を経由して画素電極とドレイン領域とを電
気的に接続する構成も容易にして可能となる。
【0123】本発明の第3電気光学装置は、基板に、マ
トリクス状に配列された複数の画素電極及び薄膜トラン
ジスタと、該薄膜トランジスタに接続されており層間絶
縁膜を介して立体的に相交差する走査線及びデータ線
と、前記薄膜トランジスタを構成する半導体層と前記画
素電極との間に介在し、前記半導体層のドレイン領域と
第1コンタクトホールを介して電気的に接続され且つ前
記画素電極と第2コンタクトホールを介して電気的に接
続された導電層と、前記半導体層部分と同一膜からなる
第1蓄積容量電極と前記第1蓄積容量電極上に配置され
た第2蓄積容量電極との間に介在する第1誘電体膜と、
前記第2蓄積容量電極と前記導電層の一部からなる第3
蓄積容量電極との間に介在する第2誘電体膜とを備え
る。
【0124】本発明の第3電気光学装置によれば、基板
には、複数の走査線及び複数のデータ線が層間絶縁膜を
介して立体的に相交差しており、複数の画素電極に蓄積
容量を夫々付加するための第2蓄積容量電極が別途設け
られている。そして、導電層は、半導体層と画素電極と
の間に介在しており、一方で半導体層のドレイン領域と
第1コンタクトホールを介して電気的に接続されてお
り、他方で、画素電極と第2コンタクトホールを介して
電気的に接続されている。このため、画素電極からドレ
イン領域まで一つのコンタクトホールを開孔する場合と
比較して、コンタクトホールの径を小さくできる。即
ち、コンタクトホールを深く開孔する程エッチング精度
は落ちるため、薄い半導体層における突き抜けを防止す
るために、コンタクトホールの径を小さくできるドライ
エッチングを途中で停止して、最終的にウエットエッチ
ングで半導体層まで開孔するように工程を組まねばなら
ない。このため、指向性のないウエットエッチングによ
りコンタクトホールの径が広がらざるを得ないのであ
る。これに対して本発明では、画素電極及び半導体層の
ドレイン領域間を2つの直列な第1及び第2コンタクト
ホールにより接続すればよいので、各コンタクトホール
をドライエッチングにより開孔することが可能となる
か、或いは少なくともウエットエッチングにより開孔す
る距離を短くすることが可能となる。この結果、第1及
び第2コンタクトホールの径を夫々小さくでき、第1コ
ンタクトホールにおける導電層の表面に形成される窪み
や凹凸も小さくて済むので、その上方に位置する画素電
極部分における平坦化が促進される。更に、第2コンタ
クトホールにおける画素電極の表面に形成される窪みや
凹凸も小さくて済むので、この画素電極部分における平
坦化が促進される。これらの結果、画素電極表面の窪み
や凹凸に起因する液晶等の電気光学物質におけるディス
クリネーション等の不良が低減される。
【0125】また、第1誘電体膜が半導体層のドレイン
領域を構成する半導体層部分と同一膜からなる第1蓄積
容量電極とこの第1蓄積容量電極上に配置された第2蓄
積容量電極との間に介在するので、これら三者により第
1の蓄積容量が半導体層のドレイン領域に電気的に接続
された画素電極に付加される。これに加えて、第2誘電
体膜が第2蓄積容量電極と導電層の一部からなる第3蓄
積容量電極との間に介在するので、これら三者により第
2の蓄積容量が画素電極に付加される。従って、導電層
を中央にしてその上下に並列に接続された第1及び第2
の蓄積容量が形成される。このように限られた基板上領
域に立体的な蓄積容量を構築することができる。ここで
特に、第1及び第2誘電体膜はいずれも、立体的に相交
差する走査線とデータ線の間に介在する第2層間絶縁膜
とは異なる層の誘電体膜からなる。従って、フリッカ等
の原因となる画像信号の電圧降下を引き起こす走査線及
びデータ線間の寄生容量を抑えるために、一定の厚みが
要求される第2層間絶縁膜の厚みとは無関係にこれらの
第1及び第2誘電体膜を技術的な限界まで薄く構成する
ことが可能となる。仮に、データ線と同一の導電層から
バリア層(本発明における導電層に相当する)が構成さ
れる前述した従来技術において、このバリア層を蓄積容
量の一方の電極として用いて、データ線及び走査線間の
層間絶縁膜を誘電体膜として用いると仮定すると、この
誘電体膜には、データ線及び走査線間の寄生容量が問題
とならないようにするために800nm程度の厚みが必
要とされるので、当該バリア層を用いて大容量の蓄積容
量を構築することは根本的に困難となる。これに対して
本発明によれば、薄く構成可能な誘電体膜を用いること
により、蓄積容量において誘電体膜の厚みに反比例する
容量値を極めて効率的に増加させることが可能となる。
【0126】更にまた、このように誘電体膜を薄く形成
することにより、第1コンタクトホールの径を更に小さ
く出来るので、前述した第1コンタクトホールにおける
導電層の窪みや凹凸が更に小さくて済み、その上方に位
置する画素電極における平坦化が更に促進される。従っ
て、画素電極における窪みや凹凸に起因した電気光学物
質の不良が低減され、最終的には一層高品位の画像表示
が可能となる。
【0127】尚、本発明の構成において、導電層におけ
る蓄積容量付加機能に代えてまたは加えて、導電層にお
ける遮光機能やコンタクトホールのレイアウト等を重視
して、導電層や第2誘電体膜を走査線上に至るまで形成
する場合には、第2誘電体膜を導電層及び走査線間の寄
生容量が問題とならない程度に厚く形成すればよい。従
ってこの場合には、前述のように第2誘電体膜を技術的
な限界まで薄く構成して蓄積容量を増大させることは困
難となる。但し、装置仕様上十分な蓄積容量が付加可能
であれば、第2誘電体膜をそれ以上薄くする必要はない
ので、その分だけ当該導電層の持つ遮光機能等の他の付
加的機能が促進されるように構成する方が電気光学装置
全体として有利である。要するに、具体的な装置仕様に
個別具体的に鑑み、導電層により、本来の中継機能、必
要な蓄積容量を付加する機能、及び遮光機能等の他の付
加的機能が十分に発揮されるように、導電層の平面レイ
アウトや第2誘電体膜の厚み等を設定すればよい。
【0128】本発明の第3電気光学装置の一の態様で
は、前記第1蓄積容量電極と前記第2蓄積容量電極は平
面的にみて前記第1誘電体膜を介して少なくとも一部が
重なり、前記第2蓄積容量電極と前記第3蓄積容量電極
は前記第2誘電体膜を介して少なくとも一部を重ねるこ
とができる。
【0129】このように構成すれば、第2蓄積容量電極
を中央にしてその上下に並列に第1及び第3蓄積容量電
極が形成される。このように限られた基板上領域に立体
的な蓄積容量を構築することができる。
【0130】本発明の第3電気光学装置の一の態様で
は、前記第1誘電体膜と前記絶縁薄膜とは同一膜からな
り、前記走査線と前記第2蓄積容量電極とは同一膜から
なり、前記第2層間絶縁膜は、前記走査線及び前記導電
層上に形成されている。
【0131】このように構成すれば、第1誘電体膜と薄
膜トランジスタの絶縁薄膜とは同一膜からなるので同一
工程でこれらの絶縁膜を形成でき、走査線と第2蓄積容
量電極とは同一膜からなるので同一工程でこれらの導電
膜を形成できる。そして、第2層間絶縁膜は、走査線及
び導電層上に形成されており、更にその上にデータ線が
形成される。従って、第1及び第2誘電体膜を薄く形成
して蓄積容量を大きくできると同時に、第2層間絶縁膜
を厚く形成して走査線とデータ線との間における寄生容
量を小さくできる。この結果、比較的簡単な構成を用い
て高品位の画像表示が可能となる。
【0132】本発明の第3電気光学装置の他の態様で
は、前記第1層間絶縁膜と前記第2誘電体膜は同一膜か
らなる。
【0133】このように構成すれば、第1層間絶縁膜と
第2誘電体膜と同一工程で形成することが可能となり、
工程数を増加することなく有利である。
【0134】本発明の第1、第2又は第3電気光学装置
の他の態様では、前記導電層は、導電性の遮光膜からな
る。
【0135】このように構成すれば、導電性の遮光膜か
らなる導電層により、各画素開口領域を少なくとも部分
的に規定することが可能となる。このように他方の基板
(通常は対向基板)に形成される遮光膜ではなく、基板
(通常はTFTアレイ基板)上に内蔵遮光膜(即ち、遮
光膜からなる導電層)の一部或いは全部を設ける構成
は、製造プロセスにおける基板と対向基板との位置ずれ
によって画素開口率の低下を招かない点で極めて有利で
ある。
【0136】この導電層が遮光膜からなる態様では、前
記導電層は、前記基板上における平面形状が相隣接する
データ線間を前記走査線に沿って伸び、各画素電極毎に
島状に構成されていてもよい。
【0137】このように導電層を島状に構成すれば、導
電層を構成する膜の応力の影響を低減できるばかりでな
く画素開口領域の走査線に沿った辺の一部又は全部を導
電層により規定することが可能となる。特に、具体的な
回路設計に応じて走査線及び導電層間の寄生容量が問題
となる場合は、走査線上には導電層を設けることなく、
容量線と画素電極とが隣接する側における画素開口領域
の走査線に沿った辺を当該導電層により規定するのが好
ましい。
【0138】この島状の遮光膜を導電層として設ける態
様では、前記相隣接するデータ線と前記導電層とは、平
面的に見て少なくとも一部重なるように構成してもよ
い。
【0139】このように構成すれば、平面的に見て島状
の導電層の端部とデータ線の縁との間に光が透過するよ
うな隙間が生じないで済む。即ち、このデータ線の縁部
と導電層の端部とが一致又は若干重なっていれば、この
部分における光抜け等の表示不良を防止できる。
【0140】上述の導電層が遮光膜からなる態様では、
前記導電層は、平面的に見て前記走査線と重なるように
形成されてよい。
【0141】このように構成すれば、走査線及び容量線
の両者を夫々少なくとも部分的に覆う遮光膜からなる導
電層により、画素開口領域の走査線に沿った辺を規定す
ることが可能となる。
【0142】上述の導電層が遮光膜からなる態様では、
前記導電層は、高融点金属を含んでもよい。
【0143】このように構成すれば、遮光膜からなる導
電層の形成工程の後に行われる高温処理により、導電層
が破壊されたり溶融しないようにできる。例えば、遮光
膜は、不透明な高融点金属であるTi、Cr(クロ
ム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo
(モリブデン)及びPb(鉛)のうちの少なくとも一つ
を含む、金属単体、合金、金属シリサイド等から構成さ
れる。
【0144】本発明の第1、第2又は第3電気光学装置
の他の態様では、前記導電層は、導電性のポリシリコン
膜から構成されている。
【0145】このように構成すれば、導電性のポリシリ
コン膜からなる導電層は、遮光膜としての機能は発揮し
ないが、蓄積容量を増加させる機能及び中継機能は十分
に発揮し得る。この場合には特に、層間絶縁膜との間で
熱等によるストレスが発生しにくくなるので、当該導電
層及びその周辺におけるクラック防止に役立つ。
【0146】本発明の第1、第2又は第3電気光学装置
の他の態様では、前記導電層は、導電性のポリシリコン
膜と高融点金属との2層以上の積層膜から構成されてい
る。
【0147】このように構成すれば、導電性のポリシリ
コン膜からなる導電層は、遮光膜としての機能は発揮し
ないが、蓄積容量を増加させる機能及び中継機能は十分
に発揮し得る。また半導体層と導電性のポリシリコン膜
を電気的に接続する際に、同じポリシリコン膜で形成す
ると、コンタクト抵抗を大幅に低減することができる。
また、このような導電性のポリシリコン膜の上に高融点
金属を積層すれば、遮光膜としての機能を発揮するとと
もに、さらに抵抗を下げることができる。
【0148】本発明の第1、第2又は第3電気光学装置
の他の態様では、前記基板上に、少なくとも前記半導体
層のチャネル領域を前記基板の側から見て夫々覆う位置
に設けられた遮光膜を更に備える。
【0149】このように構成すれば、薄膜トランジスタ
よりも基板に近い側、即ち薄膜トランジスタの下側に設
けた遮光膜により、基板側からの戻り光等が薄膜トラン
ジスタのチャネル領域やLDD(Lightly Doped Drain)
領域に入射する事態を未然に防ぐことができ、これに起
因した光電流の発生により薄膜トランジスタの特性が変
化したり、劣化することを防止できる。そして、この遮
光膜により画素開口領域の一部又は全部を規定すること
も可能となる。
【0150】この遮光膜を備えた態様では、少なくとも
前記遮光膜は、前記走査線の下に延設されて定電位源に
接続されてもよい。
【0151】このように構成すれば、遮光膜の電位が変
動して、当該遮光膜の上方に下地絶縁膜を介して設けら
れる薄膜トランジスタの特性が変化したり、劣化する事
態を未然に防げる。
【0152】或いは、この遮光膜を備えた態様では、前
記遮光膜は、前記遮光膜と前記半導体層との間に介在す
る下地絶縁膜に開孔されたコンタクトホールを介して前
記第2蓄積容量電極と電気的に接続されてもよい。
【0153】このように構成すれば、第2蓄積容量電極
及び遮光膜の電位を同一にでき、第2蓄積容量電極及び
遮光膜のいずれか一方を所定電位とする構成を採れば、
他方の電位も所定電位とできる。その際、遮光膜を容量
線とすれば、第2蓄積容量電極は容量線に接続されるこ
とになり、第2蓄積容量電極に一定の電位を与えること
ができる。この結果、第2蓄積容量電極や遮光膜におけ
る電位揺れによる悪影響を低減できる。
【0154】本発明の第3電気光学装置の他の態様で
は、前記第2蓄積容量電極は延設されて容量線であるこ
とを特徴とする。
【0155】このように構成すれば、容量線の電位を一
定にすることができ、第2蓄積容量電極の電位を安定さ
せることができる。また、その際、容量線と走査線を同
一膜で形成することができる。
【0156】本発明の第3電気光学装置の他の態様で
は、前記容量線は前記下地絶縁膜を介して前記遮光膜と
電気的に接続されてなることを特徴とする。
【0157】このように構成すれば、容量線及び遮光膜
の電位を同一にでき、容量線及び遮光膜のいずれか一方
を所定電位とする構成を採れば、他方の電位も所定電位
とできる。この結果、容量線や遮光膜における電位揺れ
による悪影響を低減できる。また、遮光膜からなる配線
と容量線とを相互に冗長配線として機能させ得る。
【0158】本発明の第3電気光学装置の他の態様で
は、前記導電層と前記遮光膜は、平面的にみて少なくと
も一部で重ねても良い。
【0159】このように構成すれば、半導体層のチャネ
ル領域を挟むようにして導電層と遮光膜が形成されるた
め、基板側からのチャネル領域への光の侵入と、他方側
からの光の侵入を防ぐことができる。これにより、薄膜
トランジスタの特性が変化したり、劣化する事態を未然
に防ぐことができ、クロストークの発生やコントラスト
比の低下やフリッカレベルの悪化を防ぐことができる。
【0160】本発明の第1、第2又は第3電気光学装置
の他の態様では、前記基板と前記薄膜トランジスタとの
間に下地絶縁膜を備えるとともに前記データ線の上且つ
前記画素電極の下に設けられた第3層間絶縁膜とを備え
ており、前記基板及び前記下地絶縁膜及び前記第2層間
絶縁膜及び前記第3層間絶縁膜のうち少なくとも一つ
は、前記薄膜トランジスタ、走査線、データ線、及び蓄
積容量に対応する領域の少なくとも一部分凹状に窪んで
形成されることにより、前記画素電極の下地表面がほぼ
平坦化されている。
【0161】このように構成すれば、基板及び複数の層
間絶縁膜のうち少なくとも一つは、薄膜トランジスタ、
走査線、データ線、及び蓄積容量に対応する領域の少な
くとも一部分が凹状に窪んで形成されるので、データ線
に重ねて薄膜トランジスタ、走査線、蓄積容量等が形成
される領域と他の領域との段差が低減される。このよう
にして画素電極の下側表面がほぼ平坦化されているの
で、画素電極をより一層平坦化でき、画素電極表面の窪
みや凹凸に起因する液晶等の電気光学物質におけるディ
スクリネーション等の不良が低減され、最終的には高品
位の画像表示が可能となる。
【0162】本発明の第3電気光学装置の他の態様で
は、前記第1コンタクトホールと前記第2コンタクトホ
ールとは、前記基板における相異なった平面位置に開孔
されている。
【0163】第1コンタクトホールが開孔された平面位
置における導電層には多少の窪みや凹凸が生じるため、
この真上に更に第2コンタクトホールを開孔したのでは
凹凸が増幅して、良好に電気的な接続をとるのが困難と
なる。そこで、この態様のように両者の平面位置を若干
なりともずらしておけば、良好に電気的な接続が期待で
きる。
【0164】本発明の第1、第2又は第3電気光学装置
の他の態様では、前記導電層の膜厚は、50nm以上5
00nm以下である。
【0165】このように構成すれば、導電層の膜厚は、
50nm以上500nm以下であるので、導電層の存在
に起因する画素電極表面における段差による弊害(例え
ば、液晶の配向不良など)が殆ど又は全く生じないか或
いは導電層の上方に位置する層間絶縁膜等における平坦
化処理により、このような段差による影響を取り除くこ
とが可能となる。そして、このように導電層による弊害
を低減しつつ、前述の如き導電層により様々な利益を得
ることが可能となる。
【0166】本発明の第2電気光学装置の他の態様で
は、前記1層間絶縁膜の膜厚は、10nm以上200n
m以下である。
【0167】このように構成すれば、第1層間絶縁膜の
膜厚は、10nm以上200nm以下であり、比較的薄
い絶縁膜である。このため、この第1層間絶縁膜を誘電
体膜として利用して、前述の如くこの第1層間絶縁膜を
介して第2蓄積容量電極と導電層とを対向配置させてな
る追加的な蓄積容量を構築すれば、この薄さに応じて大
容量の蓄積容量が得られる。
【0168】本発明の第3電気光学装置の他の態様で
は、前記第2誘電体膜の膜厚は、10nm以上200n
m以下である。
【0169】このように構成すれば、第2誘電体膜の膜
厚は、10nm以上200nm以下であり、比較的薄い
絶縁膜である。このため、この第2誘電体膜を介して第
2蓄積容量電極と第3蓄積容量電極とを対向配置させて
なる蓄積容量は、この薄さに応じて大容量となる。
【0170】本発明の導電層が遮光膜からなる態様で
は、前記導電層は、画素の開口領域の少なくとも一部を
規定するように構成してもよい。
【0171】このように構成すれば、導電層単独で、或
いはデータ線や他方の基板に形成された遮光膜等と共
に、画素の開口領域を規定することが可能となる。特に
他方の基板に遮光膜を形成しないで開口領域を規定すれ
ば、製造プロセスにおける工程を削減することが可能と
なると共に一対の基板間のアライメントずれによる画素
開口率の低下やばらつきを防ぐことも可能となり有利で
ある。
【0172】本発明の電気光学装置の製造方法は上記課
題を解決するために、複数の走査線と、複数のデータ線
と、前記走査線とデータ線に接続された薄膜トランジス
タと、前記薄膜トランジスタに接続された画素電極と蓄
積容量とを有する電気光学装置の製造方法において、基
板上に、前記薄膜トランジスタのソース領域、チャネル
領域及びドレイン領域並びに前記蓄積容量の第1蓄積容
量電極となる半導体層を形成する工程と、前記半導体層
上に絶縁薄膜を形成する工程と、前記絶縁薄膜上に前記
走査線及び前記蓄積容量の第2蓄積容量電極を夫々形成
する工程と、前記第2蓄積容量電極上に第1層間絶縁膜
を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜及び前記第1層間
絶縁膜に対し前記第1コンタクトホールを開孔する工程
と、前記第1コンタクトホールを介して前記半導体層に
電気的に接続されるように前記第1層間絶縁膜上に導電
層を形成する工程と、前記導電層上に第2層間絶縁膜を
形成する工程と、前記第2層間絶縁膜上に前記データ線
を形成する工程と、前記データ線上に前記第3層間絶縁
膜を形成する工程と、前記第2及び第3層間絶縁膜に対
し前記第2コンタクトホールを開孔する工程と、前記第
2コンタクトホールを介して前記導電層に電気的に接続
されるように画素電極を形成する工程とを含む。
【0173】本発明の電気光学装置の製造方法によれ
ば、比較的簡単な各工程を用いて製造できる。
【0174】本発明の電気光学装置の製造方法の一の態
様では、前記基板の前記チャネル領域に対向する領域に
遮光膜を形成する工程と、該遮光膜上に下地絶縁膜を形
成する工程とを更に含み、前記半導体層を形成する工程
では、前記下地絶縁膜上に前記半導体層を形成する。
【0175】このように構成すれば、薄膜トランジスタ
の下側に遮光膜が設けられた電気光学装置を比較的少な
い工程数で且つ比較的簡単な各工程を用いて製造でき
る。
【0176】本発明の電気光学装置の製造方法の一の態
様では、前記基板及び前記下地絶縁膜及び前記第2層間
絶縁膜及び前記第3層間絶縁膜のうち少なくとも一つを
前記薄膜トランジスタ、走査線、データ線、及び蓄積容
量に対応する領域の少なくとも一部分凹状に窪ませる工
程を有する。
【0177】このように態様によれば、薄膜トランジス
タ、走査線、データ線、及び蓄積容量に対応する領域の
一部分凹状に形成することにより、画素電極の下側表面
を平坦化することができ、ディスクリネーション等の不
良を低減することができる。
【0178】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電気光学装
置によれば、光源の熱により電気光学装置の温度が上昇
することを抑え、表示画像の高品位化に寄与することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電気光学装置の第1実施形態である液晶装置
における画像表示領域を構成するマトリクス状の複数の
画素に設けられた各種素子、配線等の等価回路である。
【図2】 第1実施形態の液晶装置におけるデータ線、
走査線、画素電極、遮光膜等が形成されたTFTアレイ
基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図3】 図2のA−A’断面図である。
【図4】 第1実施形態の液晶装置の製造プロセスを順
を追って示す工程図(その1)である。
【図5】 第1実施形態の液晶装置の製造プロセスを順
を追って示す工程図(その2)である。
【図6】 第1実施形態の液晶装置の製造プロセスを順
を追って示す工程図(その3)である。
【図7】 第1実施形態の液晶装置の製造プロセスを順
を追って示す工程図(その4)である。
【図8】 電気光学装置の第2実施形態である液晶装置
におけるデータ線、走査線、画素電極、遮光膜等が形成
されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平
面図である。
【図9】 図8のB−B’断面図である。
【図10】 電気光学装置の第3実施形態である液晶装
置の断面図である。
【図11】 電気光学装置の第4実施形態である液晶装
置の断面図である。
【図12】 電気光学装置の第5実施形態である液晶装
置の断面図である。
【図13】 各実施形態の液晶装置におけるTFTアレ
イ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板
の側から見た平面図である。
【図14】 図12のH−H’断面図である。
【図15】 本発明による電子機器の実施の形態の概略
構成を示すブロック図である。
【図16】 電子機器の一例としてプロジェクタを示す
断面図である。
【図17】 電子機器の他の例としてのパーソナルコン
ピュータを示す正面図である。
【符号の説明】
1a…半導体層 1a’…チャネル領域 1b…低濃度ソース領域 1c…低濃度ドレイン領域 1d…高濃度ソース領域 1e…高濃度ドレイン領域 1f…第1蓄積容量電極 2…絶縁薄膜(第1誘電体膜) 3a…走査線 3b…容量線 4…第2層間絶縁膜 5…コンタクトホール 6a…データ線 7…第3層間絶縁膜 8a…第1コンタクトホール 8b…第2コンタクトホール 9a…画素電極 10…TFTアレイ基板 11a、11b…第1遮光膜 12…下地絶縁膜 15…コンタクトホール 16…配向膜 20…対向基板 21…対向電極 22…配向膜 23…第2遮光膜 30…TFT 50…液晶層 52…シール材 53…第3遮光膜 70…蓄積容量 70a…第1蓄積容量 70b…第2蓄積容量 80…バリア層 81…第1層間絶縁膜(第2誘電体膜) 101…データ線駆動回路 104…走査線駆動回路
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Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜トランジスタに対応して設けられた
    画素電極を素子基板と、前記素子基板に対向配置された
    対向基板を有する電気光学装置であって、 前記素子基板で規定された画素開口領域と、 前記対向基板に、前記素子基板の非画素開口領域に対応
    する領域で、前記非画素領域より小さい領域に形成され
    た遮光膜とを、具備することを特徴とする電気光学装
    置。
  2. 【請求項2】 前記対向基板の遮光膜は、反射率の高い
    材質であることを特徴とする請求項1記載の電気光学装
    置。
  3. 【請求項3】 前記対向基板の遮光膜は、Al膜である
    ことを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。
  4. 【請求項4】 前記素子基板には前記薄膜トランジスタ
    の半導体層と画素電極との電気的接続を中継する導電膜
    を備え、前記導電膜は前記画素開口領域の一部を規定す
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記
    載の電気光学装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
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