JP2000056319A - 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器 - Google Patents

電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器

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JP2000056319A JP21942798A JP21942798A JP2000056319A JP 2000056319 A JP2000056319 A JP 2000056319A JP 21942798 A JP21942798 A JP 21942798A JP 21942798 A JP21942798 A JP 21942798A JP 2000056319 A JP2000056319 A JP 2000056319A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マトリクス駆動方式の電気光学装置におい
て、シール領域にギャップ材を入れてギャップを精度良
く制御しつつ、シール領域下の引き出し配線の配線不良
を低減する。 【解決手段】 液晶装置(100)は、一対の基板間に
挟持された液晶層(50)と、TFTアレイ基板(1
0)に配列された走査線(3a)及びデータ線(6a)
とを備える。両基板を接着するシール材(52)中に
は、基板間ギャップを制御するギャップ材(300)が
混入されており、層間絶縁膜(12’)は、シール領域
において、走査線やデータ線の引き出し配線(401)
に対向する部分が凹状に窪んで形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TFT(薄膜トラ
ンジスタ)駆動、TFD(薄膜ダイオード)駆動等によ
るアクティブマトリクス駆動方式やパッシブマトリクス
駆動方式の液晶装置等の電気光学装置及びその製造方
法、並びにこれを用いた電子機器の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電気光学装置は、一対の
基板間に電気光学物質が封入されてなり、基板上には、
複数の走査線及びデータ線が相交差するように配列され
ている。例えばTFT駆動によるアクティブマトリクス
駆動方式の場合には、一方の基板上において、これらの
走査線及びデータ線の各交点に対応して複数のTFT及
び複数の画素電極が設けられ、走査線がTFTのゲート
電極に接続され、データ線がTFTのソース電極に接続
され、画素電極がTFTのドレイン電極に接続される。
他方の基板には、対向電極(共通電極)がその全面に形
成される。
【0003】このように走査線、データ線、画素電極、
対向電極等が形成された両基板間には、シール材により
囲まれた空間に電気光学物質が封入され、液晶層が形成
される。シール材は、両基板をそれらの周辺で貼り合わ
せるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からな
る接着剤である。ここで封入される電気光学物質は、例
えば一種又は数種類のネマティック電気光学物質を混合
したものであり両基板表面に形成された配向膜の間で9
0度等の所定角度だけ捩じれた配向状態をとる。仮に、
電気光学物質層の厚みが電気光学物質の性質に応じて予
め設定された適当な値範囲に入っていなければ、安定し
て所定角度だけ捩じれた配向状態をとることはできず、
電気光学物質の配向不良の原因、即ち画質低下の原因と
なる。従って、電気光学物質層の厚みを規定する基板間
ギャップを制御することが、電気光学装置を製造する上
で重要課題となる。
【0004】そこで従来は、次のように基板間ギャップ
を制御している。
【0005】先ず、例えば、直視型の液晶ディスプレイ
用の10インチ程度の比較的大型の電気光学装置の場合
には、画面表示領域に表示される画像はそのまま視認さ
れるので、電気光学物質である液晶中に微少な不純物を
混入しても、液晶の配向不良による視認できる程度の白
抜けの原因とはならない。このため、液晶中に数μm程
度の所定径を持つグラスファイバ或いはガラスビーズ等
のギャップ材(スペーサ)を入れて、基板間ギャップを
制御している。
【0006】また、例えば液晶プロジェクタに用いられ
る液晶ライトバルブ用の1インチ程度の比較的小型の電
気光学装置の場合には、画像が拡大投影される。従っ
て、上述のように液晶中にギャップ材を入れてしまう
と、ギャップ材による液晶の配向不良箇所も拡大投影さ
れて、拡大後の表示画面において白抜けとして視認され
てしまう。このため、液晶中ではなく前述したシール材
中にギャップ材を入れて、基板間ギャップを制御してい
る。逆に、このような小型の電気光学装置であれば、画
面表示領域の周囲に位置するシール材により接着された
領域(以下、“シール領域”という)において基板間ギ
ャップを制御すれば、画面表示領域における基板間ギャ
ップを制御することも可能となるのである。
【0007】ところで、前述の走査線に走査信号を供給
する走査線駆動回路やデータ線に画像信号を供給するデ
ータ線駆動回路は、シール材により囲まれた液晶封入領
域の外側に設けられるのが一般的である。従って、シー
ル領域下には、走査線やデータ線から延設された引き出
し配線が通されることになる。より具体的には、シール
領域下にある基板上、層間絶縁膜上などにAl(アルミ
ニウム)等の金属層や低抵抗のポリシリコン層などから
なるデータ線や走査線の引き出し配線が設けられる。
【0008】従って、シール領域下では、シール材に接
する最上層の表面(例えば、画素電極形成用の第3層間
絶縁膜の表面や配向膜の表面)において、各引き出し配
線が通る箇所のが凸状に突出している。更に、このシー
ル領域の表面は、引き出し配線の厚みに応じて、各画素
領域において液晶に接する最上層の表面(例えば、配向
膜の表面)と比較して高くなっており、シール領域の表
面と各画素領域の表面との間には段差が発生している。
例えば、Al等からなるデータ線は3000〜4000
オングストローム程度の厚みがあり、ポリシリコン等か
らなる走査線も、3000〜4000オングストローム
程度の厚みがあり、画素領域における層構成は基本的に
これらの配線がなく且つ画素電極を構成するITO(In
dium TinOxide)膜がある点で主に相違するので、この
段差は、これらの配線の合計厚である約6000〜80
00オングストローム程度にもなる。
【0009】この結果、前述のようにシール材にギャッ
プ材を混入する場合、基板間ギャップを例えば4μm程
度にするためには、ギャップ材の径は、これよりも段差
の分だけ小さい例えば3μm程度とする必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】電気光学装置では、高
画質化や小型化という一般的要請に沿うように、基板上
において配線を微細化すると共に相隣接する画素電極間
の間隔を狭くしつつ、画素開口率(画面表示領域におい
て全体面積に対する、有効に画像が表示される領域の比
率)を高めることが望まれている。
【0011】しかしながら、このように配線の微細化が
進むに連れて、各引き出し配線の機械的強度は低下す
る。しかるに、基板間ギャップを制御するためのギャッ
プ材は前述のようにファイバ状やビーズ状であり、シー
ル材により両基板を一体に保とうとする力は、シール領
域下における基板面全体に均等に係るのではなく、線状
領域(ファイバ状の場合)や点状領域(ビーズ状の場
合)に対してギャップ材による応力が集中してかかるこ
とになる。
【0012】より具体的には、図24(a)の平面図及
び図24(b)のA−A’断面図に示すように円柱状
(棒状)のグラスファイバからなるギャップ材300
を、TFTアレイ基板10及び対向基板20の間のシー
ル材52に混入させてギャップ制御を行うとする。この
場合、上述の如く微細化されて幅L1を持つ引き出し配
線301に層間絶縁膜を介して、幅L2(但し、L2>
L1)を持つギャップ材300が載ることになる。する
と、個々のギャップ材300の載り方によっては、図2
4(b)のように、ギャップ材300が1本の引き出し
配線301を跨いだり、これに近い状態となったりす
る。すると、ギャップ材300の側線に沿った線状領域
に応力集中が起こるので、引き出し配線301は比較的
容易に断線してしまうのである。
【0013】また、図25(a)の平面図及び図25
(b)のB−B’断面図に示すように球状のガラスビー
ズ(シリカボール)からなるギャップ材300’を、シ
ール材52に混入させてギャップ制御を行うとする。こ
の場合、上述の如く微細化されて幅L1を持つ引き出し
配線301に層間絶縁膜を介して、球状のギャップ材3
00’が載ることになる。すると、図25(b)のよう
に、ギャップ材300’の接点における点状領域に応力
集中が起こるので、引き出し配線301は比較的容易に
突き破られたり、特に引き出し配線301下に絶縁膜を
介して他の引き出し配線が存在している場合などには、
断線せずとも当該絶縁膜を局所的に突き破ってショート
する可能性が高くなってしまうのである。
【0014】以上のように配線の微細化に伴って、シー
ル領域下において凸状に突出した箇所をなす引き出し配
線部分は、その上に載せられたファイバ状やビーズ状の
ギャップ材による応力集中に耐え切れなくなり、断線や
ショートなどの配線不良を引き起こす可能性が高くなる
という問題点がある。
【0015】他方、相隣接する画素電極間の間隔が狭く
なると、横方向電界(基板の面に沿った方向の電界)の
増加による液晶の配向不良(ディスクリネーション)が
発生するようになる。これを防ぐには、基板間ギャップ
を狭めて縦方向電界(基板面に垂直な方向の電界)を相
対的に強めれば良い。しかしながら、前述のシール領域
と各画素領域との段差により、画素領域における基板間
ギャップを、例えば4μm程度から3μm程度に狭める
ためには、ギャップ材の径を3μm程度から2μm程度
に小さくする必要性が生じる。ところが、このように小
さな径のギャップ材を精度良く作成することは現在の当
該技術分野では極めて困難である。また、ギャップが狭
まると、シール材に含まれる光硬化性樹脂の接着力が低
下してしまう。この結果、仮に基板間ギャップをこのよ
うに狭めると、ギャップ制御が困難となると共にギャッ
プ材のコスト増加や接着強度の低下を招くという問題点
が生じる。更に、画素領域における基板間ギャップを、
例えば4μm程度から1μm程度に狭めると、ギャップ
材の径を3μm程度から0μm程度に小さくする必要性
が生じ、即ち、シール材にギャップ材を混入する技術そ
のものが成り立たなくなるという問題点も生じる。
【0016】本発明は上述した問題点に鑑みなされたも
のであり、シール領域下における配線不良を低減すると
共に、基板間ギャップを精度良く制御できる電気光学装
置及びその製造方法並びに当該電気光学装置を備えた電
子機器を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の電気光
学装置は上記課題を解決するために、一対の基板間に液
晶が封入され、該基板の該液晶に面する側に相交差して
配列された複数のデータ線及び走査線と、前記基板を相
互に接着するギャップ材混入のシール材と、前記シール
材の形成領域に前記データ線及び走査線の少なくとも一
方から前記シール材の形成領域に各々延設された複数の
引き出し配線と、前記基板と前記引き出し配線との間に
配置された凹状に窪んだ領域を有する層間絶縁膜とを備
えており、前記引き出し配線は、前記シール材の形成領
域において前記層間絶縁膜の凹状に窪んだ領域に形成さ
れていることを特徴とする。
【0018】請求項1に記載の電気光学装置によれば、
一対の基板は相互に接着されており、シール材に混入さ
れたギャップ材により、基板間のギャップは制御されて
いる。従って、データ線及び走査線によりマトリクス駆
動される所定層厚の液晶を備えた、例えばTFT(薄膜
トランジスタ)駆動、TFD(薄膜ダイオード)駆動等
のアクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置或いは
パッシブマトリクス駆動方式の電気光学装置として構成
される。ここで、層間絶縁膜は、シール領域において引
き出し配線に対向する部分が凹状に窪んで形成されてい
る。従って、データ線や走査線が形成された基板側のシ
ール領域においてシール材に接する層間絶縁膜等の最上
層の表面(以下、単に“シール領域の表面”という)に
おいて引き出し配線上に形成される当該引き出し配線の
厚みによる凸状の突出の高さは、当該凹状に窪んだ部分
の深さに応じて低められることになる。即ち、シール領
域の表面における平坦化が図られる。従って、平坦化さ
れたシール領域上でシール材に混入されたギャップ材を
介してかかる応力は面上に一様に分散される。従って、
前述の図24及び図25に示したような引き出し配線が
断線したりショートしたりする可能性は大きく低減され
る。また、このシール領域の表面における高さの差を実
質的に零にせずに、多少なりとも小さくすれば、同様の
作用により、引き出し配線が断線したりショートしたり
する可能性は多少なりとも低減される。
【0019】更に、データ線や走査線が形成された基板
側の各画素領域において電気光学物質に接する配向膜等
の最上層の表面(以下、単に“画素領域の表面”とい
う)は、前述のようにシール領域の表面のうち引き出し
配線上に位置しない部分と殆ど同じ高さを持つので、こ
のようにシール領域の表面を平坦化すると、画素領域の
表面とシール領域の表面の高さの差も小さくなる。この
ため、従来のように、基板間ギャップよりも1μm程度
小さい径を持つギャップ材を使用する必要が無くなり、
基板間ギャップと同程度の径を持つギャップ材を使用す
ることが可能となる。このことは、前述のように、画素
の微細化による液晶の配向不良を防ぐべく基板間ギャッ
プを狭める場合に、大きな効果が期待できる。
【0020】請求項2に記載の電気光学装置は上記課題
を解決するために請求項1に記載の電気光学装置におい
て、前記複数のデータ線及び走査線は、前記基板のうち
の一方に設けられており、該一方の基板上に、前記複数
のデータ線及び走査線に各々接続された複数の薄膜トラ
ンジスタと、 該複数の薄膜トランジスタに接続された
複数の画素電極と、前記複数の薄膜トランジスタの少な
くともチャネル形成用領域を前記一方の基板の側から見
て各々重なる位置に設けられた遮光膜と、前記複数の走
査線に平行に各々配設され前記複数の画素電極に所定容
量を各々付与する複数の容量線とを更に備えており、前
記層間絶縁膜は、前記一方の基板上の前記遮光膜が形成
されている領域においては前記遮光膜上に且つ前記遮光
膜が形成されていない領域においては前記一方の基板上
に設けられており、前記薄膜トランジスタ、前記データ
線、前記走査線及び前記容量線のうち少なくとも一つに
対向する部分が前記基板のうちの他方の側から見て凹状
に窪んで形成された第1層間絶縁膜を含み、該第1層間
絶縁膜は、前記シール領域において前記引き出し配線に
対向する部分が凹状に窪んで形成されたことを特徴とす
る。
【0021】請求項2に記載の電気光学装置によれば、
遮光膜は、複数のTFT(薄膜トランジスタ)の少なく
ともチャネル形成用領域を一方の基板の側から見て各々
覆う位置において一方の基板に設けられている。従っ
て、一方の基板の側からの戻り光等が当該チャネル形成
用領域に入射する事態を未然に防ぐことができ、光電流
の発生によりTFTの特性が劣化することはない。そし
て、第1層間絶縁膜は、一方の基板上の遮光膜が形成さ
れている領域においては遮光膜上に設けられており、遮
光膜が形成されていない領域においては一方の基板上に
設けられている。従って、遮光膜からTFT等を電気的
絶縁し得ると共に遮光膜がTFT等を汚染する事態を未
然に防げる。ここで特に、第1層間絶縁膜は、TFT、
データ線、走査線及び容量線のうち少なくとも一つに対
向する部分が他方の基板の側から見て凹状に窪んで形成
されているので、従来のように第1層間絶縁膜を平らに
形成してその上にこれらのTFT等を形成する場合と比
較すると、凹状に窪んだ部分の深さに応じて、これらの
TFT等が形成された領域と形成されていない領域との
合計層厚の差が減少し、画素部における平坦化が促進さ
れる。即ち、従来のように、画素領域における平坦化膜
のスピンコート等による塗布、平坦化された絶縁膜の形
成等の工程を、省略又は簡略化できる。
【0022】請求項3に記載の電気光学装置は上記課題
を解決するために請求項2に記載の電気光学装置におい
て、前記シール領域において、前記データ線から延設さ
れた引き出し配線をなす導電層としての導電性金属層に
対しては、前記走査線をなす導電層としての導電性ポリ
シリコン層及び前記遮光膜としての導電性遮光膜の少な
くとも一方が前記層間絶縁膜を介して積層形成されてい
ると共に、前記走査線から延設された引き出し配線をな
す前記導電性ポリシリコン層に対しては、前記導電性金
属層及び前記導電性遮光膜の少なくとも一方が前記層間
絶縁膜を介して積層形成されていることを特徴とする。
【0023】請求項3に記載の電気光学装置によれば、
シール領域において、データ線の引き出し配線は、例え
ばAl(アルミニウム)等の導電性金属層から構成され
ており、走査線の引き出し配線は、導電性ポリシリコン
層から構成されており、遮光膜は、W(タングステン)
等の導電性金属膜から構成されている。ここで、シール
領域において、データ線の引き出し配線は、一般に画面
表示領域のX方向に沿った上下の辺から引き出されてお
り、走査線の引き出し配線は、一般に画面表示領域のY
方向に沿った左右の辺から引き出されている。従って、
仮にデータ線の引き出し配線をなす導電性金属層と、走
査線の引き出し配線をなす導電性ポリシリコン層との厚
みが相異なれば、画面表示領域の上下の辺におけるシー
ル領域の表面の高さと左右の辺におけるシール領域の表
面の高さとが相異なるので、シール材の全体に混入され
るギャップ材による基板間ギャップの制御が不安定なも
のとなってしまう。そこで、本発明では、データ線の引
き出し配線に対しては、走査線の引き出し配線をなす導
電性ポリシリコン層を積層し、他方、走査線の引き出し
配線に対しては、データ線の引き出し配線をなす導電性
金属層を積層する。すると、画面表示領域の上下の辺に
おけるシール領域の表面の高さと左右の辺におけるシー
ル領域の表面の高さとは一致するので、シール材の全体
に混入されるギャップ材による基板間ギャップの制御が
安定なものとなる。
【0024】更に、本発明では、遮光膜から延設された
引き出し配線が画面表示領域の左右の辺又は上下の辺に
おけるシール領域下で、走査線又はデータ線の引き出し
配線に積層された形で設けられる場合には、当該遮光膜
の引き出し配線が設けられていない辺側のシール領域下
にも遮光膜を積層する。すると、遮光膜の引き出し配線
がある場合にも、画面表示領域の上下の辺におけるシー
ル領域の表面の高さと左右の辺におけるシール領域の表
面の高さとは一致するので、シール材の全体に混入され
るギャップ材による基板間ギャップの制御が安定なもの
となる。
【0025】請求項4に記載の電気光学装置は上記課題
を解決するために請求項3に記載の電気光学装置におい
て、前記データ線から延設された引き出し配線をなす前
記導電性金属層は、前記積層形成された導電性ポリシリ
コン層及び導電性遮光膜の少なくとも一方とコンタクト
ホールを介して電気的接続されており、前記データ線か
ら延設された引き出し配線の少なくとも一部は、前記導
電性金属層と共に前記導電性ポリシリコン層及び導電性
遮光膜の少なくとも一方からなる冗長構造を有すること
を特徴とする。
【0026】請求項4に記載の電気光学装置によれば、
データ線の引き出し配線をなす導電性金属層に積層形成
された導電性ポリシリコン層及び導電性遮光膜の少なく
とも一方は、コンタクトホールを介してデータ線の引き
出し配線に電気的接続されており、データ線は、積層さ
れた2つ又は3つの導電層からなる冗長構造を有する。
従って、例えば、シール領域下においてギャップ材によ
る応力を受けて配線が断線しても、或いは、基板に垂直
な方向に一つの導電層が層間絶縁膜を破って他の導電層
にショートしてもデータ線の配線不良となる可能性は非
常に低くなる。
【0027】請求項5に記載の電気光学装置は上記課題
を解決するために請求項3又は4に記載の電気光学装置
において、前記走査線から延設された引き出し配線をな
す前記導電性ポリシリコン層は、前記積層形成された導
電性金属層及び導電性遮光膜の少なくとも一方とコンタ
クトホールを介して電気的接続されており、前記走査線
から延設された引き出し配線の少なくとも一部は、前記
導電性ポリシリコン層と共に前記導電性金属層及び導電
性遮光膜の少なくとも一方からなる冗長構造を有するこ
とを特徴とする。
【0028】請求項5に記載の電気光学装置によれば、
走査線の引き出し配線をなす導電性ポリシリコン層に積
層形成された導電性金属層及び導電性遮光膜の少なくと
も一方は、コンタクトホールを介して走査線の引き出し
配線に電気的接続されており、走査線は、積層された2
つ又は3つの導電層からなる冗長構造を有する。
【0029】請求項6に記載の電気光学装置は上記課題
を解決するために請求項3から5のいずれか一項に記載
の電気光学装置において、前記データ線から延設された
引き出し配線をなす前記導電性金属層に対して積層形成
された導電性ポリシリコン層及び導電性遮光膜の少なく
とも一方は、前記シール領域において前記基板を介して
入射される光がシール材に透過可能なように網目状又は
ストライプ状の平面パターンを備えており、前記走査線
から延設された引き出し配線をなす前記導電性ポリシリ
コン層に対して積層形成された導電性金属層及び導電性
遮光膜の少なくとも一方は、前記シール領域において前
記基板を介して入射される光がシール材に透過可能なよ
うに網目状又はストライプ状の平面パターンを備えたこ
とを特徴とする。
【0030】請求項6に記載の電気光学装置によれば、
シール領域において、データ線の引き出し配線に対して
積層形成された導電性ポリシリコン層及び導電性遮光膜
の少なくとも一方は、網目状又はストライプ状の平面パ
ターンを備えているので、当該電気光学装置の製造工程
において、光硬化性樹脂等の光硬化性材料からなるシー
ル材を用いた場合に、基板を介して光を入射すれば、こ
の積層構造における網目の間或いはストライプの間を通
ってシール材に光を照射することが出来る。従って、光
硬化性樹脂等からなるシール材を良好に光硬化させるこ
とが出来る。
【0031】請求項7に記載の電気光学装置は上記課題
を解決するために請求項2から6のいずれか一項に記載
の電気光学装置において、前記遮光膜は、定電位源に接
続されていることを特徴とする。
【0032】請求項7に記載の電気光学装置によれば、
遮光膜は定電位源に接続されているので、遮光膜は定電
位とされる。従って、遮光膜に対向配置されるTFTに
対し遮光膜の電位変動が悪影響を及ぼすことはない。
【0033】請求項8に記載の電気光学装置は上記課題
を解決するために請求項1から7のいずれか一項に記載
の電気光学装置において、前記層間絶縁膜は、単層から
構成されていることを特徴とする。
【0034】請求項8に記載の電気光学装置によれば、
層間絶縁膜を単層から構成すればよいので、従来の場合
と比較しても層の数を増加させる必要が無く、凹状に窪
んだ部分とそうでない部分との層厚を制御すれば、当該
層間絶縁膜が得られる。
【0035】請求項9に記載の電気光学装置は上記課題
を解決するために請求項1から7のいずれか一項に記載
の電気光学装置において、前記層間絶縁膜は、単層部分
と多層部分とから構成されており、前記単層部分が前記
凹状に窪んだ部分とされており、前記多層部分が前記凹
状に窪んでいない部分とされていることを特徴とする。
【0036】請求項9に記載の電気光学装置によれば、
単層部分が凹状に窪んだ部分とされているので、凹状に
窪んだ部分における層間絶縁膜の層厚を、単層部分の層
厚として、比較的容易にして確実且つ高精度に制御でき
る。従って、この凹状に窪んだ部分における層間絶縁膜
の層厚を非常に薄くすることも可能となる。
【0037】請求項10に記載の電気光学装置は上記課
題を解決するために請求項1から9のいずれか一項に記
載の電気光学装置において、前記層間絶縁膜は、酸化シ
リコン膜又は窒化シリコン膜から構成されていることを
特徴とする。
【0038】請求項10に記載の電気光学装置によれ
ば、酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜からなる層間絶
縁膜により、遮光膜からTFT等を電気的絶縁できると
共に遮光膜からの汚染を防止できる。しかも、このよう
に構成された層間絶縁膜は、TFTの下地層に適してい
る。
【0039】請求項11に記載の電気光学装置は上記課
題を解決するために請求項2から10のいずれか一項に
記載の電気光学装置において、前記遮光膜は、Ti(チ
タン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta
(タンタル)、Mo(モリブデン)及びPd(鉛)のう
ちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
【0040】請求項11に記載の電気光学装置によれ
ば、遮光膜は、不透明な高融点金属であるTi、Cr、
W、Ta、Mo及びPdのうちの少なくとも一つを含
む、例えば、金属単体、合金、金属シリサイド等から構
成されるため、TFTアレイ基板上の遮光膜形成工程の
後に行われるTFT形成工程における高温処理により、
遮光膜が破壊されたり溶融しないようにできる。
【0041】請求項12に記載の電気光学装置は上記課
題を解決するために請求項1から11のいずれか一項に
記載の電気光学装置において、前記ギャップ材は、前記
基板間のギャップに対応する所定径を持つグラスファイ
バ及びガラスビーズのいずれか一方からなることを特徴
とする。
【0042】請求項12に記載の電気光学装置によれ
ば、グラスファイバ或いはガラスビーズがギャップ材と
してシール材中に混入されているので、シール領域の表
面に対して、線状領域や点状領域の応力集中が起きる。
しかし、シール領域の表面における引き出し配線の厚み
に起因した凸状の突出は、層間絶縁膜の凹状に窪んだ部
分の深さに応じて平坦化されている。このため、当該応
力集中により引き出し配線が断線したりショートしたり
する可能性は低減される。
【0043】請求項13に記載の電気光学装置は上記課
題を解決するために請求項1から12のいずれか一項に
記載の電気光学装置において、前記層間絶縁膜の凹状に
窪んだ側壁部分はテーパ状に形成されていることを特徴
とする。
【0044】請求項13に記載の電気光学装置によれ
ば、層間絶縁膜の凹状に窪んだ側壁部分はテーパ状に形
成されているので、電気光学装置の製造工程において、
この凹状に窪んだ部分内に引き出し配線をフォトリソグ
ラフィ工程、エッチング工程等により形成し、更にその
上に絶縁膜や導電膜等の他の膜を積層する際に、この凹
状に窪んだ部分内に残る電極残り等のエッチング後の残
留物を低減することが出来る。このため、所定パターン
の引き出し配線を的確に凹状に窪んだ部分内に形成する
ことできる。
【0045】請求項14に記載の電気光学装置の製造方
法は上記課題を解決するために請求項8に記載の電気光
学装置の製造方法であって、前記一方の基板上の所定領
域に前記遮光膜を形成する工程と、前記一方の基板及び
遮光膜上に絶縁膜を堆積する工程と、該絶縁膜に前記凹
状に窪んだ部分に対応するレジストパターンをフォトリ
ソグラフィで形成する工程と、該レジストパターンを介
して所定時間のエッチングを行い前記凹状に窪んだ部分
を形成する工程とを備えたことを特徴とする。
【0046】請求項14に記載の電気光学装置の製造方
法によれば、先ず、一方の基板上の所定領域に遮光膜が
形成され、一方の基板及びこの遮光膜上に絶縁膜が堆積
される。次に、該絶縁膜に凹状に窪んだ部分に対応する
レジストパターンが、フォトリソグラフィで形成され、
その後、ドライエッチング又はウエットエッチングが、
このレジストパターンを介して所定時間だけ行われて、
凹状に窪んだ部分が形成される。従って、ドライエッチ
ング又はウエットエッチングの時間管理により、凹状に
窪んだ部分の深さや層厚を制御できる。特にウエットエ
ッチングを行えば、凹状に窪んだ側壁部分にテーパ形状
を設けることが出来るので便利である。
【0047】請求項15に記載の電気光学装置の製造方
法は上記課題を解決するために請求項9に記載の電気光
学装置の製造方法であって、前記一方の基板上の所定領
域に前記遮光膜を形成する工程と、前記一方の基板及び
遮光膜上に第1絶縁膜を堆積する工程と、該第1絶縁膜
に前記凹状に窪んだ部分に対応するレジストパターンを
フォトリソグラフィで形成する工程と、該レジストパタ
ーンを介してエッチングを行い前記凹状に窪んだ部分に
対応する前記第1絶縁膜を除去する工程と、前記一方の
基板及び第1絶縁膜上に第2絶縁膜を堆積する工程とを
備えたことを特徴とする。
【0048】請求項15に記載の電気光学装置の製造方
法によれば、先ず、一方の基板上の所定領域に遮光膜が
形成され、一方の基板及びこの遮光膜上に第1絶縁膜が
堆積される。次に、この第1絶縁膜に、凹状に窪んだ部
分に対応するレジストパターンが、フォトリソグラフィ
で形成され、その後、ドライエッチング又はウエットエ
ッチングが、このレジストパターンを介して行われて、
凹状に窪んだ部分に対応する第1絶縁膜が除去される。
その後、一方の基板及びこの第1絶縁膜上に第2絶縁膜
が堆積される。この結果、凹状に窪んだ部分における第
1層間絶縁膜の層厚を、第2絶縁膜の層厚の管理によ
り、比較的容易にして確実且つ高精度に制御できる。こ
の場合にもウエットエッチングを行えば、凹状に窪んだ
部分にテーパを設けることが出来るので便利である。
【0049】請求項16に記載の電子機器は上記課題を
解決するために請求項1から13に記載の電気光学装置
を備えたことを特徴とする。
【0050】請求項16に記載の電子機器によれば、電
子機器は、上述した本願発明の電気光学装置を備えてお
り、配線不良が低減され、基板間のギャップ制御が精度
良く行われた信頼性の高い電気光学装置により高品位の
画像表示が可能となる。
【0051】本発明のこのような作用及び他の利得は次
に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。尚、本発明の実施の形態では、電
気光学装置として液晶装置を例として説明する。
【0053】(液晶装置)本発明による液晶装置の実施
の形態の構成及び動作について図1から図11に基づい
て説明する。
【0054】先ず、液晶装置の全体構成を図1及び図2
を参照して説明する。尚、図1は、TFTアレイ基板を
その上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から
見た平面図であり、図2は、対向基板を含めて示す図1
のH−H’断面図である。
【0055】図1において、TFTアレイ基板10の上
には、シール材52がその縁に沿って設けられており、
その内側に並行して、遮光性の周辺見切り53が設けら
れている。シール材52の外側の領域には、データ線駆
動回路101及び実装端子102がTFTアレイ基板1
0の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路10
4が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられてい
る。更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画面表
示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104間をつ
なぐための複数の配線105が設けられている。尚、後
述の走査線の信号遅延が問題にならない場合は、走査線
駆動回路104は一辺のみに形成しても良い。また、デ
ータ線駆動回路101を画面表示領域の両側に設けても
よいことは言うまでもない。また、対向基板20のコー
ナー部の少なくとも一個所において、TFTアレイ基板
10と対向基板20との間で電気的導通をとるための上
下導通材(銀点)106が設けられている。そして、図
2に示すように、図1に示したシール材52とほぼ同じ
輪郭を持つ対向基板20が当該シール材52によりTF
Tアレイ基板10に固着されている。
【0056】データ線駆動回路101及び走査線駆動回
路104は配線により後述のデータ線(ソース電極)及
び走査線(ゲート電極)に各々電気的接続されている。
データ線駆動回路101には、図示しない制御回路から
即時表示可能な形式に変換された画像信号が入力され、
走査線駆動回路104がパルス的に走査線に順番にゲー
ト電圧を送るのに合わせて、データ線駆動回路101は
画像信号に応じた信号電圧をデータ線に送る。そして、
データ線及び走査線の交点に対応する各画素部には、液
晶駆動用のTFT30が設けられている。TFT30
は、ポリシリコン(p−Si)タイプのTFTであるの
で、TFT30の形成時に同一工程で、データ線駆動回
路101及び走査線駆動回路104を形成することも可
能であり、製造上有利である。
【0057】図2において、液晶層50は、例えば一種
又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からな
る。シール材52は、二つの基板10及び20をそれら
の周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱
硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離(基
板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバー
或いはガラスビーズ等のギャップ材(スペーサ)が混入
されている。また、対向基板20の液晶50に面する側
には、ブラックマトリクス等の第2遮光膜23等が設け
られている。
【0058】次に、液晶装置の画素領域における構成に
ついて、図3から図5を参照して説明する。図3は、デ
ータ線、走査線、画素電極、遮光膜等が形成されたTF
Tアレイ基板の隣接した画素群の平面図である。図4
は、図3のA−A’断面を対向基板等と共に示す液晶装
置の一実施の形態の断面図であり、図5は、図3のC−
C’断面を対向基板等と共に示す液晶装置の断面図であ
る。尚、図4及び図5においては、各層や各部材を図面
上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材
毎に縮尺を異ならしめてある。
【0059】図3において、液晶装置のTFTアレイ基
板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a
(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられ
ており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ
線6a(ソース電極)、走査線3a(ゲート電極)及び
容量線3bが設けられている。データ線6aは、コンタ
クトホール5aを介してポリシリコン膜からなる半導体
層1aのうち後述のソース領域に電気的接続されてお
り、画素電極9aは、コンタクトホール8を介して半導
体層1aのうち後述のドレイン領域に電気的接続されて
いる。また、半導体層1aのうち後述のチャネル形成用
領域1a’(図中右下りの斜線の領域)に対向するよう
に走査線3a(ゲート電極)が配置されている。そし
て、図中右上がりの斜線で示した領域に画素部における
遮光膜11aが設けられている。即ち遮光膜11aは、
画素部において、半導体層1aのチャネル形成用領域1
a’を含むTFT、データ線6a、走査線3a及び容量
線3bをTFTアレイ基板の側から見て各々重なる位置
に設けられている。
【0060】図3において特に、データ線6a、走査線
3a及び容量線3bを含む太線で囲まれた網目状の(マ
トリクス状の)領域においては、後述の第1層間絶縁膜
が凹状に窪んで形成されており、それ以外の画素電極9
aにほぼ対応する領域においては、当該第1層間絶縁膜
が相対的に凸状に(平面状に)形成されている。尚、第
1層間絶縁膜を凹状に窪んで形成するのは、少なくとも
データ線6a、走査線3a及び容量線3bの領域下に重
なる一部分、或いは全ての領域を含むようにする。
【0061】図4及び図5に示すように、液晶装置10
0は、透明な一方の基板の一例を構成するTFTアレイ
基板10と、これに対向配置される透明な他方の基板の
一例を構成する対向基板20とを備えている。TFTア
レイ基板10は、例えば石英基板からなり、対向基板2
0は、例えばガラス基板や石英基板からなる。TFTア
レイ基板10には、画素電極9aが設けられており、そ
の上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施され
た配向膜19が設けられている。画素電極9aは例え
ば、ITO膜(インジウム・ティン・オキサイド膜)な
どの透明導電性薄膜からなる。また配向膜19は例え
ば、ポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる。
【0062】他方、対向基板20には、その全面に渡っ
て対向電極21が設けられており、その下側には、ラビ
ング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設
けられている。対向電極21は例えば、ITO膜などの
透明導電性薄膜からなる。また配向膜22は、ポリイミ
ド薄膜などの有機薄膜からなる。
【0063】TFTアレイ基板10には、図4に示すよ
うに、各画素電極9aに隣接する位置に、各画素電極9
aをスイッチング制御するTFT30が設けられてい
る。
【0064】対向基板20には、更に図3及び図4に示
すように、各画素の開口領域以外の領域に第2遮光膜2
3が設けられている。このため、対向基板20の側から
投射光がTFT30の半導体層1aのチャネル形成用領
域1a’やLDD(LightlyDoped Drain)領域1b及び
1cに侵入することはない。更に、第2遮光膜23は、
コントラストの向上、色材の混色防止などの機能を有す
る。尚、第2遮光膜23は、対向基板20の側ではな
く、TFTアレイ基板10上に形成してもよい。
【0065】このように構成され、画素電極9aと対向
電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基
板10と対向基板20との間には、シール材52(図1
及び図2参照)により囲まれた空間に液晶が封入され、
液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9a
からの電界が印加されていない状態で配向膜19及び2
2により所定の配向状態を採る。
【0066】図4に示すように、TFT30に各々対向
する位置においてTFTアレイ基板10と各TFT30
との間には、遮光膜11aが各々設けられている。遮光
膜11aは、好ましくは不透明な高融点金属であるT
i、Cr、W、Ta、Mo及びPdのうちの少なくとも
一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド等から構
成される。このような材料から構成すれば、TFTアレ
イ基板10上の遮光膜11aの形成工程の後に行われる
TFT30の形成工程における高温処理により、遮光膜
11aが破壊されたり溶融しないようにできる。遮光膜
11aが形成されているので、TFTアレイ基板10の
側からの戻り光等がTFT30のチャネル形成用領域1
a’やLDD領域1b、1cに入射する事態を未然に防
ぐことができ、光電流の発生によりTFT30の特性が
劣化することはない。
【0067】更に、遮光膜11aと複数のTFT30と
の間には、第1絶縁膜12及び第2絶縁膜13から構成
された第1層間絶縁膜12’が設けられている。第1層
間絶縁膜12’は、TFT30を構成する半導体層1a
を遮光膜11aから電気的絶縁するために設けられるも
のである。更に、第1層間絶縁膜12’は、TFTアレ
イ基板10の全面に形成されることにより、TFT30
のための下地膜としての機能をも有する。即ち、TFT
アレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後
に残る汚れ等でTFT30の特性の劣化を防止する機能
を有する。
【0068】ここで特に図3及び図4に示すように、第
1層間絶縁膜12’は、TFTアレイ基板上の遮光膜1
1aが形成されている領域においては遮光膜11a上に
形成されており、遮光膜11aが形成されていない領域
においてはTFTアレイ基板10上に設けられている。
そして、TFT30、データ線6a、走査線3a及び容
量線3bに対向する部分が対向基板20の側から見て凹
状に窪んで形成されている。
【0069】本実施の形態では特に、第1層間絶縁膜1
2’は、単層部分と2層部分とから構成されており、第
2絶縁膜13の単層部分が薄くなって凹状に窪んだ部分
とされており、第1及び第2絶縁膜12及び13の2層
部分が厚くなって凹状に窪んでいない部分とされてい
る。このように、第1層間絶縁膜12’を構成すると、
凹状に窪んだ部分における第1層間絶縁膜12’の層厚
を、第2絶縁膜13の層厚として、比較的容易にして確
実且つ高精度に制御できる。従って、この凹状に窪んだ
部分における第1層間絶縁膜12’の層厚(即ち、第2
絶縁膜13の層厚)を非常に薄くすることも可能とな
る。
【0070】以上の如く構成された第1層間絶縁膜1
2’により、遮光膜11aからTFT30等を電気的絶
縁し得ると共に遮光膜11aがTFT30等を汚染する
事態を未然に防げる。ここで特に、第1層間絶縁膜1
2’は、TFT30、データ線6a、走査線3a及び容
量線3bに対向する部分が凹状に窪んで形成されている
ので、従来のように第1層間絶縁膜を平らに形成してそ
の上にこれらのTFT等を形成する場合と比較すると、
凹状に窪んだ部分の深さに応じて、これらのTFT等が
形成された領域と形成されていない領域との合計層厚の
差が減少し、画素部における平坦化が促進される。
【0071】例えば、この合計層厚の差を実質的に零に
するように凹状に窪んだ部分の深さを設定すれば、その
後の平坦化処理を省略できる。或いは、この合計層厚の
差を多少なりとも減少させるように凹状に窪んだ部分の
深さを設定すれば、その後の平坦化処理の負担を軽減で
きる。より好ましくは、第1層間絶縁膜12’は、遮光
膜11a、半導体層1a、容量線3b及びデータ線3a
の合計層厚に対応した深さで凹状に窪んで形成される。
このように第1層間絶縁膜12’を構成すれば、データ
線6aの上面とこれに隣接した第2層間絶縁膜4の上面
とをほぼ合わせることが出来、画素電極9aを形成する
前の画素部における平坦化が促進される。
【0072】但し、第1層間絶縁膜12’は、遮光膜1
1a、半導体層1a及び容量線3bの合計層厚に対応し
た深さで凹状に窪んで形成されてもよい。このように第
1層間絶縁膜12’を構成すれば、第2層間絶縁膜4の
上面をほぼ平坦に出来、画素電極9aを形成する前の画
素部における平坦化が促進される。或いは、第1層間絶
縁膜12’は、遮光膜11a、半導体層1a及び容量線
3bのうちの一つ又は2つに対向する領域のみが凹状に
窪んで形成されてもよく、画素部における各種の平坦化
方式が採用可能である。
【0073】尚、第1層間絶縁膜12’を2層から構成
せずに、単層から構成してもよい。このように単層から
構成すれば、従来の場合と比較しても層の数を増加させ
る必要が無い。凹状に窪んだ部分とそうでない部分との
層厚を後述の製造プロセス中の説明にあるように、例え
ばエッチング時間管理により制御すれば、このような単
層からなる第1層間絶縁膜が得られる。
【0074】再び図4において、第1層間絶縁膜12’
は、例えば、NSG(ノンドープトシリケートガラ
ス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロ
ンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケー
トガラス)などの高絶縁性ガラス又は、酸化シリコン
膜、窒化シリコン膜等からなる。
【0075】本実施の形態では図3に示したように、半
導体層1aの高濃度ドレイン領域1eは、データ線6a
に沿って延設されており、遮光膜11aは、データ線6
aの下にも設けられているので、データ線6aに沿って
延設された第1蓄積容量電極(ポリシリコン層)1fと
遮光膜11aとの間で、第2絶縁膜13を介して容量が
形成される。この結果、データ線6aの下という開口領
域を外れたスペースを有効に利用して、画素電極9aの
蓄積容量を増やすことが出来る。
【0076】本実施の形態では図3及び図5に示すよう
に、第1層間絶縁膜12’は、容量線3b(第2蓄積容
量電極)に対向する部分も凹状に窪んで形成されている
ので、第1層間絶縁膜12’の上方に容量線3bが配線
されても、当該容量線3bが配線された領域における平
坦化を図ることが出来る。そして、容量線3bに対向す
る部分における第1層間絶縁膜12’の層厚は非常に薄
く(例えば、1000〜2000オングストローム程度
に)構成されており、且つ、遮光膜11aが容量線3b
の下にも設けられているので、容量線3bの表面積を増
やすことなく第2絶縁膜13を介して対向配置された遮
光膜11aと半導体層1aの高濃度ドレイン領域1eか
ら延設された第1蓄積容量電極1fとの間における容量
を増やすことが出来る。即ち、全体として画素電極9a
の蓄積容量を増やすことが出来る。このように、特に画
面表示領域中の限られた領域において各画素の開口領域
を狭めないように蓄積容量を増加させることができるの
で大変有利である。
【0077】本実施の形態では、好ましくは遮光膜11
aは定電位線に電気的接続されており、定電位とされ
る。従って、遮光膜11aに対向配置されるTFT30
に対し遮光膜11aの電位変動が悪影響を及ぼすことは
ない。この場合、定電位線の定電位としては、接地電位
に等しくてもよいし、対向電極21の電位に等しくても
よい。また、定電位線は、液晶装置100を駆動するた
めの周辺駆動回路(図1のデータ線駆動回路101、走
査線駆動回路104等)の負電源、正電源等の定電位源
に接続されてもよい。
【0078】再び、図4において、TFT30は、LD
D(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走査線
3a(ゲート電極)、走査線3aからの電界によりチャ
ネルが形成される半導体層1aのチャネル形成用領域1
a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶
縁膜2、半導体層1aの低濃度ソース領域(ソース側L
DD領域)1b、データ線6a(ソース電極)、半導体
層1aの低濃度ドレイン領域(ドレイン側LDD領域)
1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1e及び高濃度
ドレイン領域1eを備えている。高濃度ドレイン領域1
eには、複数の画素電極9aのうちの対応する一つが接
続されている。ソース領域1b及び1d並びにドレイン
領域1c及び1eは後述のように、半導体層1aに対
し、n型又はp型のチャネルを形成するかに応じて所定
濃度のn型用又はp型用のドーパントをドープすること
により形成されている。n型チャネルのTFTは、動作
速度が速いという利点があり、画素のスイッチング素子
であるTFT30として用いられることが多い。本実施
の形態では特にデータ線6a(ソース電極)は、Al等
の金属膜や金属シリサイド等の合金膜などの遮光性の薄
膜から構成されている。また、走査線3a(ゲート電
極)、ゲート絶縁膜2及び第1層間絶縁膜12’の上に
は、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール5
a及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホー
ル8が各々形成された第2層間絶縁膜4が形成されてい
る。この高濃度ソース領域1dへのコンタクトホール5
aを介して、データ線6a(ソース電極)は高濃度ソー
ス領域1dに電気的接続されている。更に、データ線6
a(ソース電極)及び第2層間絶縁膜4の上には、高濃
度ドレイン領域1eへのコンタクトホール8が形成され
た第3層間絶縁膜7が形成されている。この高濃度ドレ
イン領域1eへのコンタクトホール8を介して、画素電
極9aは高濃度ドレイン領域1eに電気的接続されてい
る。前述の画素電極9aは、このように構成された第3
層間絶縁膜7の上面に設けられている。
【0079】TFT30は、好ましくは上述のようにL
DD構造を持つが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ド
レイン領域1cに不純物イオンの打ち込みを行わないオ
フセット構造を持ってよいし、ゲート電極3aをマスク
として高濃度で不純物イオンを打ち込み、自己整合的に
高濃度ソース及びドレイン領域を形成するセルフアライ
ン型のTFTであってもよい。
【0080】また、図4に示すTFT30の構造におい
て、TFT30の高濃度ソース領域1dと高濃度ドレイ
ン領域1eとの間に、絶縁膜2を介して同一の走査信号
が供給される2つのゲート電極3aを直列抵抗となるよ
うに設けて、デユアルゲート(ダブルゲート)構造のT
FTとしてもよい。これにより、TFT30のリーク電
流を低減することができる。また、デユアルゲート構造
のTFTを、上述のLDD構造、或いはオフセット構造
を持つようにすれば、更にTFT30のリーク電流を低
減することができ、高いコントラスト比を実現すること
ができる。また、デユアルゲート構造により、冗長性を
持たすことができ、大幅に画素欠陥を低減できるだけで
なく、高温動作時でも、リーク電流が低いため、高コン
トラスト比の画質を実現することができる。尚、TFT
30の高濃度ソース領域1dと高濃度ドレイン領域1e
との間に設けるゲート電極3aは3つ以上でもよいこと
は言うまでもない。
【0081】ここで、一般には、半導体層1aのチャネ
ル形成用領域、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイ
ン領域1c等のポリシリコン層は、光が入射するとポリ
シリコンが有する光電変換効果により光電流が発生して
しまいTFT30のトランジスタ特性が劣化するが、本
実施の形態では、走査線3a(ゲート電極)を上側から
覆うようにデータ線6a(ソース電極)がAl等の遮光
性の金属薄膜から形成されているので、少なくとも半導
体層1aのチャネル形成用領域1a’及びLDD領域1
b、1cへの投射光(即ち、図4で上側からの光)の入
射を効果的に防ぐことが出来る。また、前述のように、
TFT30の下側には、遮光膜11aが設けられている
ので、少なくとも半導体層1aのチャネル形成用領域1
a’及びLDD領域1b、1cへの戻り光(即ち、図4
で下側からの光)の入射を効果的に防ぐことが出来る。
【0082】また図5に示すように、画素電極9aには
蓄積容量70が各々設けられている。この蓄積容量70
は、より具体的には、半導体層1aの高濃度ドレイン領
域1eから延設されたポリシリコン膜からなる第1蓄積
容量電極1f、ゲート絶縁膜2と同一工程により形成さ
れる絶縁膜2’、走査線3a(ゲート電極)と同一工程
により形成される容量線3b(第2蓄積容量電極)、第
2及び第3層間絶縁膜4及び7、並びに第2及び第3層
間絶縁膜4及び7を介して容量線3bに対向する画素電
極9aの一部から構成されている。このように蓄積容量
70が設けられているため、デューティー比が小さくて
も高精細な表示が可能とされる。容量線3b(第2蓄積
容量電極)は、図3に示すように、TFTアレイ基板1
0の面上において走査線3a(ゲート電極)と平行に設
けられている。更に、本実施の形態では、第1蓄積容量
電極1f下の第1層間絶縁膜12’を薄膜化できるの
で、蓄積容量の増大を図ることが出来、画質品位の高い
液晶装置が実現できる。
【0083】尚、図5に示すように、遮光膜11aを蓄
積容量70の配線(第3蓄積容量電極)として利用する
ことも可能である。この場合、第1蓄積容量電極1fを
容量線3b(第2蓄積容量電極)と遮光膜11a(第3
蓄積容量電極)とで各々絶縁膜を介して上下から挟み込
む構造とすることにより、少ない面積で効率良く容量を
付加することが可能となる。
【0084】次に、液晶装置のシール領域における構成
について、図6から図9を参照して説明する。図6は、
引き出し配線が設けられたシール領域におけるTFTア
レイ基板の平面図であり、図7は、図6の引き出し配線
部を拡大して示す拡大平面図であり、図8は、引き出し
配線部の断面図である。また、図9は、画像信号線を横
切って形成されるデータ線用の各種の中継配線部の断面
図である。
【0085】図6において、TFT基板アレイ基板10
の周辺部に設けられた実装端子102からは、走査線駆
動回路104に走査線駆動信号線105aが配線されて
おり、データ線駆動回路101とシール領域との間の領
域に、X方向に複数の画像信号線115が配線されてい
る。そして、データ線6aの延長線上におけるシール領
域下には、データ線駆動回路101からのサンプリング
回路駆動信号線114の引き出し配線301a及び画像
信号線115からの引き出し配線301bからなる引き
出し配線(以下、“データ線の引き出し線”と称する)
301が設けられている。他方、走査線3aの延長線上
におけるシール領域下には、走査線駆動回路104から
の走査線の引き出し配線402が設けられている。引き
出し配線402は、その端部に対向電極(共通電極)電
位配線112を含んでいる。この対向電極電位配線11
2は、上下導通端子106a及び上下導通材(銀点)1
06を介して対向基板20に形成された対向電極21
(図4及び図5参照)に接続されている。また、データ
線駆動回路101に所定検査用の信号を入力するための
検査端子111が、データ線駆動回路101に隣接して
設けられている。
【0086】図6において、TFTアレイ基板10上に
は、データ線6aに画像信号を所定のタイミングで印加
するサンプリング回路103が設けられている。サンプ
リング回路103は、データ線6a毎に設けられた複数
のスイッチング素子(例えば、TFT)を備えており、
複数(例えば、6本)の相展開された画像信号が複数の
画像信号線115から引き出し配線301bを介して各
々入力されると、これを、走査線駆動回路101からサ
ンプリング回路駆動信号線114及び引き出し配線30
1aを介して供給されるサンプリング回路駆動信号のタ
イミングで各スイッチング素子によりサンプリングし、
各データ線6aに印加するように構成されている。尚、
サンプリング回路103に加えて、TFTアレイ基板1
0上に、複数のデータ線6aに所定電圧レベルのプリチ
ャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャ
ージ回路、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠
陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0087】図7に示すように、データ線の引き出し配
線301は各々、Y方向に延びており、幅Lを有し、相
隣接する配線同士は間隔Sをおいて配列されている。そ
して、引き出し配線301は、データ線6aと同じAl
膜から構成されており、図8(1)に示すように、各引
き出し配線301の下には、走査線3aと同じポリシリ
コン膜から構成されたダミー配線302が設けられてい
る。
【0088】尚、図6及び図7において、周辺見切り5
3下には画面表示領域を構成する画素と同一構成を持つ
ダミー画素が形成されている。液晶の配向不良領域等を
隠すように設けられた周辺見切り53下に表示用の画素
を構成する必要は無いが、画面表示領域の縁付近の画素
の特性安定化のために、このように画面表示領域の縁よ
りも外に所定幅だけダミー画素が設けられる。
【0089】他方、図6に示した走査線の引き出し配線
402は各々、X方向に延びており、相隣接する配線同
士は間隔をおいて配列されている。そして、引き出し配
線402は、走査線6aと同じポリシリコン膜から構成
されており、図8(2)に示すように、各引き出し配線
402の上には、データ線6aと同じAl膜から構成さ
れたダミー配線401が設けられている。
【0090】図8(1)及び図8(2)に示すように、
本実施の形態では特に、第1層間絶縁膜12’は、シー
ル領域において引き出し配線301及び402に対向す
る部分が凹状に窪んで形成されている。従って、TFT
アレイ基板側のシール領域においてシール材52に接す
る第3層間絶縁膜7の表面において引き出し配線301
及び402上に形成される凸状の突出の高さは、当該凹
状に窪んだ部分の深さに応じて低められており、同図に
各々示したように、第3層間絶縁膜7の表面はほぼ平坦
にされている。この結果、シール領域において、シール
材52に混入されたグラスファイバやガラスビーズ等の
ギャップ材300を介してかかる応力は第3層間絶縁膜
7の面上に一様に分散される。従って、前述の図24及
び図25に示したように、ギャップ材300により、引
き出し配線が断線したりショートしたりする可能性は大
きく低減される。
【0091】更に、液晶50に面する画素領域の表面と
シール材52に面するシール領域の表面の高さの差も小
さくなる。このため、従来のように、基板間ギャップよ
りも1μm程度小さい径を持つギャップ材を使用する必
要が無くなり、基板間ギャップと同程度の径を持つギャ
ップ材300を使用することが可能となる。このこと
は、前述のように、画素の微細化による液晶50の配向
不良を防ぐべく基板間ギャップを狭める場合に、大きな
効果が期待できる。
【0092】そして、本実施の形態では特に、シール領
域において、データ線の引き出し配線301に対して
は、ポリシリコン膜からなるダミー配線302が、第2
層間絶縁膜4を介して積層形成されている(図8(1)
参照)。他方、走査線の引き出し配線402に対して
は、Al膜からなるダミー配線401が第2層間絶縁膜
4を介して積層形成されている。従って、画面表示領域
の上下の辺におけるシール領域における第3層間絶縁膜
7の表面の高さと、画面表示領域の左右の辺における第
3層間絶縁膜7の表面の高さとは一致するので、シール
材52の全体に混入されるギャップ材300による基板
間ギャップの制御が安定なものとなる。
【0093】ここで、シール領域における合計膜厚の調
整用のダミー配線302及び401は、電気的に接続し
ていてもよい。このような構成を採れば、配線の冗長が
可能となる。また、電気的に浮遊していても問題はない
し、他の容量線3bや遮光膜11a用の引き出し配線等
として利用してもよい。
【0094】本実施の形態では、図7に示すように、第
2層間絶縁膜4(図8(1)及び(2)参照)に開孔さ
れたコンタクトホール305を介して更に、ダミー配線
302は、引き出し配線301に電気的接続されてい
る。同様に、ダミー配線401は、引き出し配線402
に電気的接続されている。この結果、各引き出し配線3
01及び402は各々2つの導電層(Al膜及びポリシ
リコン膜)からなる冗長構造を有する。従って、例え
ば、シール領域下においてギャップ材300による応力
を受けて引き出し配線301又は402が断線しても、
或いは、TFTアレイ基板10に垂直な方向にAl膜が
導電層が第2層間絶縁膜4を破ってポリシリコン膜にシ
ョートしても配線不良とならないで済むので有利であ
る。
【0095】更に、図8(3)に示すように、図8
(1)の構成に加えて、ダミー配線302の下に、遮光
膜11aと同一のW(タングステン)等からなる遮光膜
配線303を積層形成してもよい。この場合にも、遮光
膜配線303を、第1層間絶縁膜12’に設けられたコ
ンタクトホールを介してダミー配線302及び引き出し
配線301に電気的接続すれば、3つの導電層からなる
冗長構造が得られ、配線不良の可能性は、更に低減され
る。同時に、シール領域と画素領域との表面の高さの差
を調整するために遮光膜配線303を利用することも出
来る。従って、遮光膜配線303を引き出し配線301
の冗長配線としてでなく、専ら層厚調節用の膜として電
気的に浮遊させてもよいし、データ線6a以外の容量線
3bや遮光膜11a用の配線として用いることも出来
る。
【0096】尚、本実施の形態では、図8(1)及び
(2)に示したように、画素領域における凹状の窪みを
形成する場合と同様に、凹状の窪みが形成される第1層
間絶縁膜12’を単層から構成してもよい。或いは、図
8(3)に示したように、第1層間絶縁膜12’を、第
1絶縁膜12のみの単層部分と第1及び第2絶縁膜13
の多層部分とから構成してもよい。
【0097】本実施の形態では、図7に示すように、シ
ール領域において、データ線の引き出し配線301及び
これに積層形成されたダミー配線302は、ストライプ
状の平面パターンを備えており、相隣接する配線間に配
線間隔Sに対応する光透過用の隙間が設けられている。
従って、後述の液晶装置100の製造工程において、光
硬化性樹脂からなるシール材52を用いた場合に、TF
Tアレイ基板10を介して光を入射すれば、この積層構
造における光透過用の隙間を通ってシール材52に光を
十分に照射することが出来る。従って、光硬化性樹脂か
らなるシール材52を、両方の基板の側からの光により
良好に光硬化させることが出来る。特に、このように光
硬化できれば、熱硬化の場合と比べて余分な熱を液晶装
置100に与えなくて済むので、液晶装置100の各構
成要素の熱劣化を防いだり、熱歪みによる装置欠陥の発
生を防いだり出来るので有利である。また、光照射の時
間が少なくて済むため、配向膜にダメージを与えること
がない。従って、液晶のティルト角が高いまま維持され
るので、液晶の配向不良(ディスクリネーション)によ
る画質劣化を防ぐことが出来る。
【0098】ところで、図6において、画像信号線11
5は、第2層間絶縁膜4上に形成されたAl膜から構成
されているため、これと交差するデータ線駆動回路10
1から引き出し配線301(301a)に至るサンプリ
ング回路駆動信号線114は、Al膜から構成すること
はできない。このため、画像信号線115の下層又は上
層等を通る図9の如き立体的な中継配線が必要となる。
また、中継配線はできる限り時定数を下げる工夫が必要
である。そこで以下に述べるような方式が考えられる。
【0099】図9(1)において、中継配線116a
は、走査線3aと同一のポリシリコン膜から構成されて
おり、画像信号線115と交差するように第2層間絶縁
膜4の下を通されている。そして、図で画像信号線11
5の両側において第2層間絶縁膜4に開孔されたコンタ
クトホールを介してデータ線駆動回路101側のサンプ
リング回路駆動信号線114とシール領域側の引き出し
配線301とを各々電気的接続するように構成されてい
る。
【0100】図9(2)において、中継配線116b
は、遮光膜11aと同一のW(タングステン)等の高融
点金属膜から構成されており、画像信号線115と交差
するように第1層間絶縁膜12’の下を通されている。
そして、図で画像信号線115の両側において第1層間
絶縁膜12’及び第2層間絶縁膜4に開孔されたコンタ
クトホールを介して、データ線駆動回路101側のサン
プリング回路駆動信号線114とシール領域側の引き出
し配線301とを各々電気的接続するように構成されて
いる。このような構成を採れば、中継配線を低抵抗な高
融点金属等で形成できるため、配線抵抗を下げることが
可能となり、画像信号の遅延を招かない。
【0101】図9(3)において、中継配線は、走査線
3aと同一のポリシリコン膜からなる中継配線116a
と遮光膜11aと同一のW(タングステン)等の高融点
金属膜からなる中継配線116bとから構成されてお
り、画像信号線115と交差するように第2層間絶縁膜
4及び第1層間絶縁膜12’の下を各々通されている。
そして、図で画像信号線115の両側において第1層間
絶縁膜12’及び第2層間絶縁膜4に各々開孔されたコ
ンタクトホールを介して、データ線駆動回路101側の
サンプリング回路駆動信号線114とシール領域側の引
き出し配線301とを各々電気的接続するように構成さ
れている。このような構成を採れば、画像信号線115
との上下層に第1層間絶縁膜12’及び第2層間絶縁膜
4を介して中継配線を116a及び116bを形成する
ため、冗長構造が実現できる。また、中継配線116b
は、低抵抗な高融点金属からなるため、配線抵抗を下げ
ることが可能となり、画像信号の信号遅延を招かない。
尚、中継配線116aと116bとを直接に電気的接続
するようにしたが、中継配線116bとサンプリング回
路駆動信号線114或いはシール領域側の引き出し配線
301と直接に電気的接続するようにしてもよい。
【0102】図9(4)において、中継配線は、図9
(3)の構成に加えて、第3層間絶縁膜7上に更に、少
なくとも画素開口領域の一部を規定するための高融点金
属等からなる遮光膜と同一の導電性遮光膜からなる遮光
膜配線116cが、画像信号線115と交差するように
通されており、その上に第4層間絶縁膜117が形成さ
れている。そして、図で画像信号線115の両側におい
て第3層間絶縁膜7に開孔されたコンタクトホールを介
して、データ線駆動回路101側のサンプリング回路駆
動信号線114とシール領域側の引き出し配線301と
を中継配線116aと共に各々電気的接続するように構
成されている。このような構成を採れば、画像信号線1
15との上下層に第1層間絶縁膜12’、第2層間絶縁
膜4及び第3層間絶縁膜7を介して中継配線を116
a、116b、116cからなる3層で形成するため、
更なる冗長構造が実現できる。また、中継配線116
b、116cは、低抵抗な高融点金属からなるため、配
線抵抗をなお一層下げることが可能となり、画像信号の
信号遅延を招かない。
【0103】次に、図10を参照して、図6から図9に
示したシール領域における基板間ギャップ(即ち、シー
ル材52の厚み)と、図3から図5に示した画素領域に
おける基板間ギャップ(即ち、液晶50の厚み)とを、
各種の形態について比較して説明する。尚、図10で
は、走査線の引き出し配線401が通されたシール領域
を画素領域と比較するが、図8(1)及び(2)に示し
たように、データ線の引き出し配線301が通されたシ
ール領域の場合にも、同様である。
【0104】先ず、図10(1)に示すように、従来は
シール領域下に、主にデータ線を構成するAl膜並びに
主に走査線及び容量線を構成するポリシリコン膜とから
冗長構造を持つ引き出し配線を設け、遮光膜を設けず、
且つ引き出し配線を層間絶縁膜の凹状の窪みに埋め込ま
ない場合を考える。この場合、シール領域の表面は、画
素領域の表面と比較して、Al膜及びポリシリコン膜の
分だけ高くなり且つ画素電極を構成するITO膜の分だ
け低くなるので、シール領域における基板間ギャップL
1は、画素領域における基板間ギャップL3よりも(例
えば、6000〜8000オングストローム程度)小さ
くなる。他方、この場合、シール領域の表面は、TFT
形成領域と比較して、遮光膜、半導体層及びゲート絶縁
膜の分だけ低くなるので、シール領域における基板間ギ
ャップL1は、TFT形成領域における基板間ギャップ
L2よりも大きくなる(L2<L1<L3)。
【0105】次に、図10(2)に示すように、本実施
の形態ではシール領域下に、Al膜及びポリシリコン膜
とから冗長構造を持つ引き出し配線を設け、遮光膜を設
けず、且つ引き出し配線を層間絶縁膜の凹状の窪みに埋
め込んだ場合を考える。この場合、シール領域の表面
は、図10(1)の場合と比べて、凹状の窪みの深さの
分だけ低くなるので、シール領域における基板間ギャッ
プL1は、画素領域における基板間ギャップL3と等し
くなる。そして、シール領域における基板間ギャップL
1は、TFT形成領域における基板間ギャップL2より
も大きくなる(L2<L1=L3)。
【0106】次に、図10(3)に示すように、更に本
実施の形態ではシール領域下に、Al膜及びポリシリコ
ン膜とから冗長構造を持つ引き出し配線を設け、遮光膜
を設け、且つ引き出し配線を層間絶縁膜の凹状の窪みに
埋め込んだ場合を考える。この場合、シール領域の表面
は、図10(2)の場合と比べて、遮光膜の分だけ高く
なるのが、その分だけ凹状の窪みの深さを深くしてある
ので、シール領域における基板間ギャップL1は、画素
領域における基板間ギャップL3と等しくなる。そし
て、シール領域における基板間ギャップL1は、TFT
形成領域における基板間ギャップL2ともほぼ等しくな
る(L1=L2=L3)。
【0107】以上図10(2)、(3)に示したよう
に、本実施の形態では、層間絶縁膜に形成した凹状の窪
みに引き出し配線301及び401を埋め込むことによ
り、画素領域とシール領域とにおける基板間ギャップを
ほぼ等しく出来るので、図10(1)に示す従来例のよ
うに、画素領域における基板間ギャップよりも1μm程
度小さい径を持つギャップ材を使用する必要が無くな
り、画素領域における基板間ギャップと同程度の径を持
つギャップ材300を使用することが可能となる。この
ことは、前述のように、画素の微細化による液晶の配向
不良を防ぐべく基板間ギャップを狭める場合に、大きな
効果が期待できる。即ち、基板間ギャップを4μmから
3μm或いは2μmに狭めた場合に、従来のように、シ
ール領域の表面が平坦化されていない場合には、2μm
或いは1μmの径を持つ非常に微少なギャップ材が必要
となり、精度の高いギャップ制御は実際上極めて困難と
なるが、本実施の形態のように、シール領域の表面が平
坦化されていれば、基板間ギャップに等しい3μm或い
は2μm程度の径を持つギャップ材で足りる。従って、
比較的大きい径のギャップ材を用いて、精度の高いギャ
ップ制御を行える。また、ギャップが狭まると、シール
材に含有される光硬化性樹脂の接着力が著しく低下し、
信頼性の低下を招くが、本実施の形態では、シール領域
下でも同程度のギャップが確保できるため、液晶装置の
基板間の接着強度に支障をきたすことがない。
【0108】尚、この観点からは、図11に示すよう
に、第1層間絶縁膜12’において、引き出し配線30
1に対向する部分に加えて引き出し配線301に対向し
ない部分をも含めてシール領域全体を凹状に窪めて形成
してもよい。このように構成しても、シール領域の表面
の高さ(即ち、全体として凹状に窪んだシール領域内で
複数の引き出し配線301上に各々位置し、凸状に突出
した部分の表面の高さ)と画素領域の高さの差は小さく
なるので、基板間ギャップ(L3)と同程度の径(L
1)を持つギャップ材300を用いて、精度の高いギャ
ップ制御を行える。
【0109】次に図12を参照して、以上の実施の形態
における定電位線と遮光膜(遮光配線)との電気接続に
ついて説明を加える。尚、図12は、定電位線と遮光膜
との接続の一例を示すTFTアレイ基板上における配線
の平面図である。
【0110】図12に示すように本例では、走査線駆動
回路104は画面表示領域の両側に設けられており、例
えば定電位の電源VSSYが外部電源装置から外部入力
端子及び定電位線500を介して供給される。定電位線
500は、例えばデータ線6aと同じAl膜から形成さ
れており、特に周辺見切り53下において周辺見切り5
3に沿って配線された部分を含む。他方、遮光膜11a
は、前述のように画面表示領域内において走査線3a、
容量線3b及びデータ線6aに沿って引き回されてお
り、周辺見切り53下において定電位線500とコンタ
クトホール502を介して接続されている。このよう
に、周辺見切り53下のデッドスペースを有効に使うこ
とにより、他の配線(データ線6a、走査線3a等)を
妨害しないように、定電位線500と遮光膜11aとを
周辺見切り53下でコンタクトホール502を介して接
続することができる。尚、定電位線500は、データ線
駆動回路101の定電位の電源等を使用しても、何ら問
題の無いことは言うまでもない。
【0111】尚、以上の実施の形態において、データ線
駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFTアレ
イ基板10の上に設ける代わりに、例えばTAB(テー
プオートメイテッドボンディング基板)上に実装された
駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の周辺部に設け
られた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に
接続するようにしてもよい。
【0112】また、図1から図11には示されていない
が、対向基板20の投射光が入射する側及びTFTアレ
イ基板10の出射光が出射する側には各々、例えば、T
N(ツイステッドネマティック)モード、 STN(ス
ーパーTN)モード、D−STN(ダブル−STN)モ
ード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノ
ーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、
位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置され
る。
【0113】次に以上のように構成された本実施の形態
の動作について図1及び図4を参照して説明する。
【0114】先ず、制御回路から画像信号を受けたデー
タ線駆動回路101は、この画像信号に応じたタイミン
グ及び大きさで信号電圧をデータ線6a(ソース電極)
に印加し、これと並行して、走査線駆動回路104は、
所定タイミングで走査線3a(ゲート電極)にゲート電
圧をパルス的に順次印加し、TFT30は駆動される。
これにより、ゲート電圧がオンとされた時点でソース電
圧が印加されたTFT30においては、ソース領域1d
及び1b、半導体層1aのチャネル形成用領域1a’に
形成されたチャネル並びにドレイン領域1c及び1eを
介して画素電極9aに電圧が印加される。そして、この
画素電極9aの電圧は、ソース電圧が印加された時間よ
りも例えば3桁も長い時間だけ蓄積容量70(図5参
照)により保持される。以上のように、画素電極9aに
電圧が印加されると、液晶層50におけるこの画素電極
9aと対向電極21とに挟まれた部分における液晶の配
向状態が変化し、ノーマリーホワイトモードであれば、
印加された電圧に応じて投射光がこの液晶部分を通過不
可能とされ、ノーマリーブラックモードであれば、印加
された電圧に応じて投射光がこの液晶部分を通過可能と
され、全体として液晶装置100からは画像信号に応じ
たコントラストを持つ光が出射する。
【0115】特に本実施の形態では、第1層間絶縁膜1
2’はTFT30や各種配線に対向する位置において凹
状に窪んで形成されているので、液晶の配向不良が低減
されている。そして、第1層間絶縁膜12’はシール領
域内の引き出し配線301に対向する位置においても、
凹状に窪んで形成されているので、精度の良い基板間ギ
ャップ制御により、液晶の配向不良が低減されている。
これらの結果、最終的には、液晶装置100により、高
解像度且つ高コントラストで高画質の画像を表示するこ
とが可能となる。
【0116】以上説明した液晶装置100は、カラー液
晶プロジェクタに適用されるため、3つの液晶装置10
0がRGB用のライトバルブとして各々用いられ、各パ
ネルには各々RGB色分解用のダイクロイックミラーを
介して分解された各色の光が投射光として各々入射され
ることになる。従って、各実施の形態では、対向基板2
0に、カラーフィルタは設けられていない。しかしなが
ら、液晶装置100においても第2遮光膜23の形成さ
れていない画素電極9aに対向する所定領域にRGBの
カラーフィルタをその保護膜と共に、対向基板20上に
形成してもよい。このようにすれば、液晶プロジェクタ
以外の直視型や反射型のカラー液晶テレビなどのカラー
液晶装置に本実施の形態の液晶装置を適用できる。更
に、対向基板20上に1画素1個対応するようにマイク
ロレンズを形成してもよい。このようにすれば、入射光
の集光効率を向上することで、明るい液晶装置が実現で
きる。更にまた、対向基板20上に、何層もの屈折率の
相違する干渉層を堆積することで、光の干渉を利用し
て、RGB色を作り出すダイクロイックフィルタを形成
してもよい。このダイクロイックフィルタ付き対向基板
によれば、より明るいカラー液晶装置が実現できる。
【0117】液晶装置100では、従来と同様に投射光
を対向基板20の側から入射することとしたが、遮光膜
11aが存在するので、TFTアレイ基板10の側から
投射光を入射し、対向基板20の側から出射するように
しても良い。即ち、このように液晶装置100を液晶プ
ロジェクタに取り付けても、半導体層1aのチャネル形
成用領域1a’及びLDD領域1b、1cに光が入射す
ることを防ぐことが出来、高画質の画像を表示すること
が可能である。ここで、従来は、TFTアレイ基板10
の裏面側での反射を防止するために、反射防止用のAR
被膜された偏光板を別途配置したり、ARフィルムを貼
り付ける必要があった。しかし、本実施の形態では、T
FTアレイ基板10の表面と半導体層1aの少なくとも
チャネル形成用領域1a’及びLDD領域1b、1cと
の間に遮光膜11aが形成されているため、このような
AR被膜された偏光板やARフィルムを用いたり、TF
Tアレイ基板10そのものをAR処理した基板を使用す
る必要が無くなる。従って、本実施の形態によれば、材
料コストを削減でき、また偏光板貼り付け時に、ごみ、
傷等により、歩留まりを落とすことがなく大変有利であ
る。また、耐光性が優れているため、明るい光源を使用
したり、偏光ビームスプリッタにより偏光変換して、光
利用効率を向上させても、光によるクロストーク等の画
質劣化を生じない。
【0118】尚、液晶装置100において、TFTアレ
イ基板10側における液晶分子の配向不良を更に抑制す
るために、第3層間絶縁膜7の上に更に平坦化膜をスピ
ンコート等で塗布してもよく、又はCMP処理を施して
もよい。或いは、第3層間絶縁膜7を平坦化膜で形成し
てもよい。本実施の形態では、図8から図10等に示し
たように、第1層間絶縁膜12’の凹状の窪みによりT
FT30や各種配線が形成された部分とそれ以外の部分
とが殆ど同じ高さとされるため、このような平坦化処理
は一般に必要でないが、より高品位の画像を表示するた
めに、このように最上層部において更なる平坦化を行う
場合にも、平坦化膜を非常に薄くできたり、平坦化処理
を僅かに加えるだけで済むので本実施の形態は、大変有
利である。
【0119】また、液晶装置100の各画素のスイッチ
ング素子は、正スタガ型又はコプラナー型のポリシリコ
ンTFTであるとして説明したが、逆スタガ型のTFT
やアモルファスシリコンTFT等の他の形式のTFTに
対しても、本実施の形態は有効である。
【0120】更に、液晶装置100の各画素のスイッチ
ング素子として、TFTに変えて、TFD(Thin Film
Diode:薄膜ダイオード)素子等の2端子型非線形素子
を用いてもよい。この場合には、走査線及びデータ線の
うちの一方を対向基板に設けてストライプ状の対向電極
とし、他方を素子アレイ基板に設けて、各TFD素子等
を介して各画素電極に接続するように構成すればよい。
或いは、液晶装置100の各画素にスイッチング素子を
設けることなく、パッシブマトリクス型の液晶装置とし
て構成してもよい。あるいは、液晶装置に限らず、エレ
クトロルミネッセンス等さまざまな電気光学装置として
構成してもよい。これらの場合にも、シール領域下にお
ける引き出し配線部を平坦化する構成を採れば、配線不
良を防ぐことができると共に基板間ギャップを精度良く
制御できる。
【0121】更に、液晶装置100においては、一例と
して液晶層50をネマティック液晶から構成したが、液
晶を高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液
晶を用いれば、配向膜19及び22、並びに前述の偏光
フィルム、偏光板等が不要となり、光利用効率が高まる
ことによる液晶装置の高輝度化や低消費電力化の利点が
得られる。更に、画素電極9aをAl等の反射率の高い
金属膜から構成することにより、液晶装置10を反射型
液晶装置に適用する場合には、電圧無印加状態で液晶分
子がほぼ垂直配向されたSH(スーパーホメオトロピッ
ク)型液晶などを用いても良い。更にまた、液晶装置1
00においては、液晶層50に対し垂直な電界(縦電
界)を印加するように対向基板20の側に対向電極21
を設けているが、液晶層50に平行な電界(横電界)を
印加するように一対の横電界発生用の電極から画素電極
9aを各々構成する(即ち、対向基板20の側には縦電
界発生用の電極を設けることなく、TFTアレイ基板1
0の側に横電界発生用の電極を設ける)ことも可能であ
る。このように横電界を用いると、縦電界を用いた場合
よりも視野角を広げる上で有利である。その他、各種の
液晶材料(液晶相)、動作モード、液晶配列、駆動方法
等に本実施の形態を適用することが可能である。
【0122】(液晶装置の製造プロセス)次に、以上の
ような構成を持つ液晶装置100の製造プロセスについ
て図13から図19を参照して説明する。尚、図13か
ら図16は各工程におけるTFTアレイ基板側の各層を
図4のA−A’断面に対応させて示す工程図であり、図
17から図19は各工程におけるシール領域下のデータ
線の引き出し配線部に積層される各層を示す工程図であ
る。そして、両図に記された工程(1)〜工程(17)
は、TFTアレイ基板1上の相異なる部分における同一
の工程として各々一括して行われるものである。
【0123】先ず、図13から図16を参照して、図4
のA−A’断面に対応するTFT30を含む部分の製造
プロセスについて説明する。
【0124】図13の工程(1)に示すように、石英基
板、ハードガラス等のTFTアレイ基板10を用意す
る。ここで、好ましくはN(窒素)等の不活性ガス雰
囲気且つ約900〜1300℃の高温でアニール処理
し、後に実施される高温プロセスにおけるTFTアレイ
基板10に生じる歪みが少なくなるように前処理してお
く。即ち、製造プロセスにおける最高温で高温処理され
る温度に合わせて、事前にTFTアレイ基板10を同じ
温度かそれ以上の温度で熱処理しておく。
【0125】このように処理されたTFTアレイ基板1
0の全面に、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPd等の
金属や金属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタによ
り、1000〜5000オングストローム程度の層厚、
好ましくは約2000オングストロームの層厚の遮光膜
11を形成する。
【0126】続いて、工程(2)に示すように、該形成
された遮光膜11上にフォトリソグラフィにより遮光膜
11aのパターンに対応するマスクを形成し、該マスク
を介して遮光膜11に対しエッチングを行うことによ
り、遮光膜11aを形成する。
【0127】次に工程(3)に示すように、遮光膜11
aの上に、例えば、常圧又は減圧CVD法等によりTE
OS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)ガス、T
EB(テトラ・エチル・ボートレート)ガス、TMOP
(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)ガス等を用
いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケ
ートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等から
なる第1絶縁膜12(2層の第1層間絶縁膜12’の下
層)を形成する。この第1絶縁膜12の層厚は、例え
ば、約8000〜12000オングストロームとする。
【0128】次に工程(4)に示すように、TFT3
0、データ線6a、走査線3a及び容量線3bを上方に
形成する予定の領域に対して、エッチングを行い、この
領域における第1絶縁膜12を除去する。ここで、エッ
チングを反応性エッチング、反応性イオンビームエッチ
ング等のドライエッチングで処理した場合、フォトリソ
グラフィにより形成したレジストマスクとほぼ同じサイ
ズで異方的に第1層間絶縁膜12が除去できるため、設
計寸法通りに容易に制御できる利点がある。一方、少な
くもとウエットエッチングを用いた場合には、等方性の
ため、第1層間絶縁膜12の開孔領域が広がるが、開孔
部の側壁面をテーパー状に形成できるため、後工程の例
えば走査線3aを形成するためのポリシリコン膜やレジ
ストが、開孔部の側壁周囲にエッチングや剥離されずに
残ってしまうことがなく、歩留まりの低下を招かない。
尚、第1層間絶縁膜12の開孔部の即壁面をテーパー状
に形成する方法としては、ドライエッチングで一度エッ
チングしてから、レジストパターンを後退させて、再度
ドライエッチングを行ってもよい。
【0129】また、TFT30、データ線6a、走査線
3a及び容量線3bのうちの全部でなく一部(例えば、
容量線3b部分)のみを凹状に窪んだ部分に埋め込むの
であれば、当該埋め込む配線等に対応するマスクを用い
て第1絶縁膜12に対してエッチングを行うようにす
る。
【0130】次に工程(5)に示すように、遮光膜11
a及び第1絶縁膜12の上に、第1絶縁膜12と同様
に、シリケートガラス膜、又は窒化シリコン膜や酸化シ
リコン膜等からなる第2絶縁膜13(2層の第1層間絶
縁膜12’の上層)を形成する。この第2絶縁膜13の
層厚は、例えば、約1000〜2000オングストロー
ムとする。第2絶縁膜13に対し、約900℃のアニー
ル処理を施すことにより、汚染を防ぐと共に平坦化して
もよい。
【0131】本実施の形態では特に、第1層間絶縁膜を
形成する第1絶縁膜12及び第2絶縁膜13の層厚は、
後に画素電極9aが形成される前に画素領域がほぼ平坦
になるように設定される。
【0132】次に工程(6)に示すように、第2絶縁膜
13の上に、約450〜550℃、好ましくは約500
℃の比較的低温環境中で、流量約400〜600cc/
minのモノシランガス、ジシランガス等を用いた減圧
CVD(例えば、圧力約20〜40PaのCVD)によ
り、アモルファスシリコン膜を形成する。その後、窒素
雰囲気中で、約600〜700℃にて約1〜10時間、
好ましくは、4〜6時間のアニール処理を施することに
より、ポリシリコン膜1を約500〜2000オングス
トロームの厚さ、好ましくは約1000オングストロー
ムの厚さとなるまで固相成長させる。この際、nチャネ
ル型のTFT30を作成する場合には、Sb(アンチモ
ン)、As(砒素)、P(リン)などのV族元素のドー
パントを僅かにイオン注入等によりドープする。また、
TFT30をpチャネル型とする場合には、B(ボロ
ン)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)などのII
I族元素のドーパントを僅かにイオン注入等によりドー
プする。尚、アモルファスシリコン膜を経ないで、減圧
CVD法等によりポリシリコン膜1を直接形成しても良
い。或いは、減圧CVD法等により堆積したポリシリコ
ン膜にシリコンイオンを打ち込んで一旦非晶質化(アモ
ルファス化)し、その後アニール処理等により再結晶化
させてポリシリコン膜1を形成しても良い。
【0133】次に図14の工程(7)に示すように、フ
ォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により、図8
に示した如き所定パターンの半導体層1aを形成する。
【0134】次に工程(8)に示すように、半導体層1
aを約900〜1300℃の温度、好ましくは約100
0℃の温度により熱酸化することにより、約300オン
グストロームの比較的薄い厚さの熱酸化膜を形成し、更
に減圧CVD法等により高温酸化シリコン膜(HTO
膜)や窒化シリコン膜を約500オングストロームの比
較的薄い厚さに堆積し、多層構造を持つゲート絶縁膜2
を形成する。この結果、半導体層1aの厚さは、約30
0〜1500オングストロームの厚さ、好ましくは約3
50〜500オングストロームの厚さとなり、ゲート絶
縁膜2の厚さは、約200〜1500オングストローム
の厚さ、好ましくは約300〜1000オングストロー
ムの厚さとなる。このように高温熱酸化時間を短くする
ことにより、特に8インチ程度の大型基板を使用する場
合に熱によるそりを防止することができる。但し、ポリ
シリコン層1を熱酸化することのみにより、単一層構造
を持つゲート絶縁膜2を形成してもよい。
【0135】次に工程(9)に示すように、減圧CVD
法等によりポリシリコン層3を堆積した後、リン(P)
を熱拡散し、ポリシリコン膜3を導電化する。又は、P
イオンをポリシリコン膜3の成膜と同時に導入したドー
プトシリコン膜を用いてもよい。工程(10)に示すよ
うに、マスクを用いたフォトリソグラフィ工程、エッチ
ング工程等により、図8に示した如き所定パターンの走
査線3a(ゲート電極)を形成する。走査線3a(ゲー
ト電極)の層厚は、例えば、約3500オングストロー
ムとされる。
【0136】但し、走査線3a(ゲート電極)を、ポリ
シリコン層ではなく、WやMo等の高融点金属膜又は金
属シリサイド膜から形成してもよいし、若しくはこれら
の金属膜又は金属シリサイド膜とポリシリコン膜を組み
合わせて多層に形成してもよい。この場合、走査線3a
(ゲート電極)を、第2遮光膜23が覆う領域の一部又
は全部に対応する遮光膜として配置すれば、金属膜や金
属シリサイド膜の持つ遮光性により、第2遮光膜23の
一部或いは全部を省略することも可能となる。この場合
特に、対向基板20とTFTアレイ基板10との貼り合
わせずれによる画素開口率の低下を防ぐことが出来る利
点がある。
【0137】次に工程(11)に示すように、TFT3
0をLDD構造を持つnチャネル型のTFTとする場
合、p型の半導体層1aに、先ず低濃度ソース領域1b
及び低濃度ドレイン領域1cを形成するために、走査線
3a(ゲート電極)を拡散マスクとして、PなどのV族
元素のドーパント200を低濃度で(例えば、Pイオン
を1〜3×1013/cmのドーズ量にて)ドープす
る。これにより走査線3a(ゲート電極)下の半導体層
1aはチャネル形成用領域1a’となる。
【0138】続いて、図15の工程(12)に示すよう
に、高濃度ソース領域1b及び高濃度ドレイン領域1c
を形成するために、走査線3a(ゲート電極)よりも幅
の広いマスクでレジスト層202を走査線3a(ゲート
電極)上に形成した後、同じくPなどのV族元素のドー
パント201を高濃度で(例えば、Pイオンを1〜3×
1015/cmのドーズ量にて)ドープする。また、
TFT30をpチャネル型とする場合、n型の半導体層
1aに、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域
1c並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領
域1eを形成するために、BなどのIII族元素のドーパ
ントを用いてドープする。このようにLDD構造とした
場合、ショートチャネル効果を低減できる利点が得られ
る。尚、例えば、低濃度のドープを行わずに、オフセッ
ト構造のTFTとしてもよく、走査線3a(ゲート電
極)をマスクとして、Pイオン、Bイオン等を用いたイ
オン注入技術によりセルフアライン型のTFTとしても
よい。
【0139】これらの工程と並行して、nチャネル型ポ
リシリコンTFT及びpチャネル型ポリシリコンTFT
から構成される相補型構造を持つデータ線駆動回路10
1及び走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10上
の周辺部に形成する。このように、TFT30はポリシ
リコンTFTであるので、TFT30の形成時に同一工
程で、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路10
4を形成することができ、製造上有利である。
【0140】次に工程(13)に示すように、走査線3
a(ゲート電極)を覆うように、例えば、常圧又は減圧
CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、
BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリ
コン膜や酸化シリコン膜等からなる第2層間絶縁膜4を
形成する。第2層間絶縁膜4の層厚は、約5000〜1
5000オングストロームが好ましい。
【0141】次に工程(14)に示すように、高濃度ソ
ース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを活性化する
ために約1000℃のアニール処理を20分程度行った
後、データ線31(ソース電極)に対するコンタクトホ
ール5aを、反応性エッチング、反応性イオンビームエ
ッチング等のドライエッチングにより形成する。この
際、反応性エッチング、反応性イオンビームエッチング
のような異方性エッチングにより、コンタクトホール5
aを開孔した方が、開孔形状をマスク形状とほぼ同じに
できるという利点がある。但し、ドライエッチングとウ
エットエッチングとを組み合わせて開孔すれば、コンタ
クトホール5aをテーパ状にできるので、配線接続時の
断線を防止できるという利点が得られる。また、走査線
3a(ゲート電極)を図示しない配線と接続するための
コンタクトホールも、コンタクトホール5aと同一の工
程により第2層間絶縁膜4に開ける。
【0142】次に工程(15)に示すように、第2層間
絶縁膜4の上に、スパッタ処理等により、遮光性のAl
等の低抵抗金属や金属シリサイド等を金属膜6として、
約1000〜5000オングストロームの厚さ、好まし
くは約3000オングストロームに堆積し、更に工程
(16)に示すように、フォトリソグラフィ工程、エッ
チング工程等により、データ線6a(ソース電極)を形
成する。
【0143】次に図16の工程(17)に示すように、
データ線6a(ソース電極)上を覆うように、例えば、
常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NS
G、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス
膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第3層
間絶縁膜7を形成する。第3層間絶縁膜7の層厚は、約
5000〜15000オングストロームが好ましい。
【0144】本実施の形態では、特に図13の工程
(4)及び(5)により、TFT30や各種配線部分に
おいて、第1層間絶縁膜が凹状に窪んで形成されている
ため、この工程(17)を終えた段階で、画素領域の表
面はほぼ平坦となる。尚、より平坦にするためには、第
3層間絶縁膜7を構成するシリケートガラス膜に代えて
又は重ねて、有機膜やSOG(スピンオンガラス)をス
ピンコートして、若しくは又はCMP処理を施して、平
坦な膜を形成してもよい。
【0145】次に工程(18)に示すように、画素電極
9aと高濃度ドレイン領域1eとを電気的接続するため
のコンタクトホール8を、反応性エッチング、反応性イ
オンビームエッチング等のドライエッチングにより形成
する。この際、反応性エッチング、反応性イオンビーム
エッチングのような異方性エッチングにより、コンタク
トホール8を開孔した方が、開孔形状をマスク形状とほ
ぼ同じにできるという利点が得られる。但し、ドライエ
ッチングとウエットエッチングとを組み合わせて開孔す
れば、コンタクトホール8をテーパ状にできるので、配
線接続時の断線を防止できるという利点が得られる。
【0146】次に工程(19)に示すように、第3層間
絶縁膜7の上に、スパッタ処理等により、ITO膜等の
透明導電性薄膜9を、約500〜2000オングストロ
ームの厚さに堆積し、更に工程(20)に示すように、
フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により、画
素電極9aを形成する。尚、当該液晶装置100を反射
型の液晶装置に用いる場合には、Al等の反射率の高い
不透明な材料から画素電極9aを形成してもよい。
【0147】続いて、画素電極9aの上にポリイミド系
の配向膜の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角
を持つように且つ所定方向でラビング処理を施すこと等
により、図4に示した配向膜19が形成される。
【0148】他方、図4に示した対向基板20について
は、ガラス基板等が先ず用意され、第2遮光膜23及び
遮光性の周辺見切り53が、例えば金属クロムをスパッ
タした後、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程を
経て形成される。尚、第2遮光膜23及び周辺見切り5
3は、Cr、Ni、Alなどの金属材料の他、カーボン
やTiをフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどの
材料から形成してもよい。
【0149】また、第3層間絶縁膜7上に高融点金属等
からなる遮光膜を形成し、前記第2遮光膜23及び周辺
見切り53をTFTアレイ基板10上に設けてもよい。
このような構成を採れば、TFTアレイ基板10上で開
口領域が規定されるため、TFTアレイ基板10と対向
基板20との貼り合わせ精度を無視することができる。
従って、液晶装置の透過率がばらつかないため、歩留ま
りの低下を招かない。
【0150】その後、対向基板20の全面にスパッタ処
理等により、ITO等の透明導電性薄膜を、約500〜
2000オングストロームの厚さに堆積することによ
り、対向電極21を形成する。更に、対向電極21の全
面にポリイミド系の配向膜の塗布液を塗布した後、所定
のプレティルト角を持つように且つ所定方向でラビング
処理を施すこと等により、配向膜22が形成される。
【0151】最後に、上述のように各層が形成されたT
FTアレイ基板10と対向基板20とは、配向膜19及
び22が対面するように、所定径(例えば、3μm程度
の径)を持つグラスファイバ又はガラスビーズ等からな
るギャップ材300が所定量だけ混入されたシール材5
2により貼り合わされ、真空吸引等により、両基板間の
空間に、例えば複数種類のネマティック液晶を混合して
なる液晶が吸引されて、所定層厚の液晶層50が形成さ
れる。
【0152】次に、図17から図19を参照して、シー
ル領域下のデータ線の引き出し配線部に積層される各層
(図8(3)参照)の製造プロセスについて説明する。
尚、走査線の引き出し配線部は、シール領域の画面表示
領域に近い側で走査線或いはデータ線のどちらに接続さ
れるかの違いさえ除けば、データ線の引き出し配線部と
同様に構成されており、従って以下に説明する製造プロ
セスと同様の製造プロセスにより製造される。
【0153】図17の工程(1)から図19の工程(1
7)は、前述した図13の工程(1)から図16の工程
(17)と同一の製造プロセスとして行われる。
【0154】即ち、図17の工程(1)に示すように、
TFTアレイ基板10の全面に遮光膜11を形成した
後、工程(2)に示すように、フォトリソグラフィ工
程、エッチング工程等により遮光膜からなる遮光配線3
03を形成する。
【0155】次に工程(3)に示すように、遮光配線3
03の上に、第1絶縁膜12(2層の第1層間絶縁膜1
2’の下層)を形成し、工程(4)に示すように、デー
タ線の引き出し配線301を上方に形成する予定の領域
に対して、エッチングを行い、この領域における第1絶
縁膜12を除去する。ここで、前記エッチングを反応性
エッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライ
エッチングで処理した場合、フォトリソグラフィにより
形成したレジストマスクとほぼ同じサイズで異方的に第
1絶縁膜12が除去できるため、設計寸法通りに容易に
制御できる利点がある。一方、少なくもとウエットエッ
チングを用いた場合には、等方性のため、第1絶縁膜1
2の開孔領域が広がるが、開孔部の側壁面をテーパー状
に形成できるため、後工程の例えば走査線3aを形成す
るためのポリシリコン膜3やレジストが、開孔部の側壁
周囲にエッチングや剥離されずに残ってしまうことがな
く、歩留まりの低下を招かない。尚、第1絶縁膜12の
開孔部の側壁面をテーパー状に形成する方法としては、
ドライエッチングで一度エッチングしてから、レジスト
パターンを後退させて、再度ドライエッチングを行って
もよい。また、ドライエッチングとウェットエッチング
を組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0156】その後、工程(5)に示すように、遮光配
線303及び第1絶縁膜12の上に、第2絶縁膜13
(2層の第1層間絶縁膜12’の上層)を形成する。
【0157】次に工程(6)に示すように、薄膜トラン
ジスタを生成するために第2絶縁膜13上にアモルファ
スシリコン膜を形成した後、ポリシリコン膜1を固相成
長させるが、このシール領域には、半導体層は不要であ
るので、図17の工程(7)に示すように、エッチング
工程等により、ポリシリコン膜1はこのシール領域では
全て除去される。尚、上記工程(5)から(7)の間
に、遮光配線303を、データ線の引き出し配線301
用の冗長配線とする場合には、遮光配線303の上方に
おいてコンタクトホールを第2絶縁膜13に開ける。
尚、引き出し配線301をデータ線6aから延設したA
l膜等から直接形成してもよい。
【0158】次に、画素部に対する工程(8)の熱酸化
が終了するのを待って、工程(9)に示すように、ポリ
シリコン層3を堆積した後、工程(10)に示すよう
に、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等によ
り、所定パターンのダミー引き出し配線302を走査線
3aと同一層から形成する。従って、ダミー引き出し配
線302の層厚は、走査線3a(ゲート電極)と同じ
く、例えば、約3500Åとされる。
【0159】次に図17の工程(11)及び図18の工
程(12)に示すように、不純物イオンをドープしてダ
ミー引き出し配線302を低抵抗化する。
【0160】次に工程(13)に示すように、ダミー引
き出し配線302を覆うように、第2層間絶縁膜4を形
成する。尚、工程(14)のエッチング工程において
は、ダミー引き出し配線302を、データ線の引き出し
配線301用の冗長配線とする場合には、ダミー引き出
し配線302の上方においてコンタクトホールを第2層
間絶縁膜4に開孔する。
【0161】次に工程(15)に示すように、第2層間
絶縁膜4の上に、スパッタ処理等により、Al等を金属
膜6として堆積した後に、工程(16)に示すように、
フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により、デ
ータ線の引き出し配線301を形成する。
【0162】次に工程(17)に示すように、データ線
の引き出し配線301上を覆うように、第3層間絶縁膜
7を形成する。
【0163】本実施の形態では、特に図16の工程
(4)及び(5)により、データ線の引き出し配線30
1部分において、第1層間絶縁膜が凹状に窪んで形成さ
れているため、この工程(17)を終えた段階で、画素
領域の表面はほぼ平坦となる。
【0164】尚、以上の本実施の形態における液晶装置
の製造方法によれば、遮光膜11bと定電位線とを接続
するためのコンタクトホールとして、遮光膜11bに至
るまで第2層間絶縁膜4及び第1絶縁膜13(第1層間
絶縁膜の上層)が開孔され、同時に、TFT30とデー
タ線6aとを接続するためのコンタクトホール5aとし
て、半導体層1aに至るまで第2層間絶縁膜4が開孔さ
れる。従って、これら2種類のコンタクトホールを一括
して開孔できるので、製造上有利である。例えば、選択
比を適当な値に設定してのウエットエッチングにより、
このような2種類のコンタクトホールを各々所定の深さ
となるように一括して開孔することが可能となる。特
に、第1層間絶縁膜の凹状に窪んだ部分の深さに応じ
て、これらのコンタクトホールを開孔する工程が容易と
なる。遮光膜と定電位線を接続するためのコンタクトホ
ール開孔工程(フォトリソグラフィ工程、エッチング工
程等)が削除できるので、工程増による製造コストの増
大や歩留まりの低下を招かない。
【0165】以上説明したように本実施の形態における
製造プロセスによれば、凹状に窪んだ部分における第1
層間絶縁膜12’の層厚を、第2絶縁膜13の層厚の管
理により、比較的容易にして確実且つ高精度に制御でき
る。従って、この凹状に窪んだ部分における第1層間絶
縁膜12’の層厚を非常に薄くすることも可能となる。
【0166】尚、第1層間絶縁膜を単層から構成する場
合には、図13及び図17に各々示した工程(3)、
(4)及び(5)に若干の変更を加えて、各工程を行え
ばよい。即ち、工程(3)において、遮光膜11a或い
は遮光配線303の上に、例えば、約10000〜15
000オングストロームといったように若干厚めの単層
の第1層間絶縁膜を堆積し、工程(4)において、TF
T30、データ線6a、走査線3a及び容量線3b並び
にデータ線の引き出し線等を上方に形成する予定の領域
に対して、エッチングを行い、この領域における第1層
間絶縁膜を1000〜2000オングストローム程度の
厚みを残すようにする。そして、工程(5)を省略す
る。このように第1層間絶縁膜12”を単層から構成す
れば、従来の場合と比較しても層の数を増加させる必要
が無く、凹状に窪んだ部分とそうでない部分との層厚を
エッチング時間管理により制御すれば平坦化を図れるの
で便利である。
【0167】(電子機器)次に、以上詳細に説明した液
晶装置100を備えた電子機器の実施の形態について図
20から図23を参照して説明する。
【0168】先ず図20に、このように液晶装置100
を備えた電子機器の概略構成を示す。
【0169】図20において、電子機器は、表示情報出
力源1000、表示情報処理回路1002、駆動回路1
004、液晶装置100、クロック発生回路1008並
びに電源回路1010を備えて構成されている。表示情
報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、R
AM(Random Access Memory)、光ディスク装置などの
メモリ、画像信号を同調して出力する同調回路等を含
み、クロック発生回路1008からのクロック信号に基
づいて、所定フォーマットの画像信号などの表示情報を
表示情報処理回路1002に出力する。表示情報処理回
路1002は、増幅・極性反転回路、相展開回路、ロー
テーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周
知の各種処理回路を含んで構成されており、クロック信
号に基づいて入力された表示情報からデジタル信号を順
次生成し、クロック信号CLKと共に駆動回路1004に
出力する。駆動回路1004は、液晶装置100を駆動
する。電源回路1010は、上述の各回路に所定電源を
供給する。尚、液晶装置100を構成するTFTアレイ
基板の上に、駆動回路1004を搭載してもよく、これ
に加えて表示情報処理回路1002を搭載してもよい。
【0170】次に図21から図23に、このように構成
された電子機器の具体例を各々示す。
【0171】図21において、電子機器の一例たる液晶
プロジェクタ1100は、上述した駆動回路1004が
TFTアレイ基板上に搭載された液晶装置100を含む
液晶表示モジュールを3個用意し、各々RGB用のライ
トバルブ100R、100G及び100Bとして用いた
プロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ
1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のラ
ンプユニット1102から投射光が発せられると、3枚
のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー11
08によって、RGBの3原色に対応する光成分R、
G、Bに分けられ、各色に対応するライトバルブ100
R、100G及び100Bに各々導かれる。この際特に
B光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レン
ズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ11
24からなるリレーレンズ系1121を介して導かれ
る。そして、ライトバルブ100R、100G及び10
0Bにより各々変調された3原色に対応する光成分は、
ダイクロイックプリズム1112により再度合成された
後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120に
カラー画像として投射される。
【0172】本実施の形態では特に、遮光膜がTFTの
下側にも設けられているため、当該液晶装置100から
の投射光に基づく液晶プロジェクタ内の投射光学系によ
る反射光、投射光が通過する際のTFTアレイ基板の表
面からの反射光、他の液晶装置から出射した後にダイク
ロイックプリズム1112を突き抜けてくる投射光の一
部等が、戻り光としてTFTアレイ基板の側から入射し
ても、画素電極のスイッチング用のTFT等のチャネル
領域に対する遮光を十分に行うことができる。このた
め、小型化に適したプリズムを投射光学系に用いても、
各液晶装置のTFTアレイ基板とプリズムとの間におい
て、戻り光防止用のARフィルムを貼り付けたり、偏光
板にAR被膜処理を施したりすることが不要となるの
で、構成を小型且つ簡易化する上で大変有利である。
【0173】図22において、電子機器の他の例たるマ
ルチメディア対応のラップトップ型のパーソナルコンピ
ュータ(PC)1200は、上述した液晶装置100が
トップカバーケース内に備えられており、更にCPU、
メモリ、モデム等を収容すると共にキーボード1202
が組み込まれた本体1204を備えている。
【0174】また図23に示すように、駆動回路100
4や表示情報処理回路1002を搭載しない液晶装置1
00の場合には、駆動回路1004や表示情報処理回路
1002を含むIC1324がポリイミドテープ132
2上に実装されたTCP(Tape Carrier Package)1
320に、TFTアレイ基板10の周辺部に設けられた
異方性導電フィルムを介して物理的且つ電気的に接続し
て、液晶装置として、生産、販売、使用等することも可
能である。
【0175】以上図21から図23を参照して説明した
電子機器の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型又
はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲー
ション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、エン
ジニアリング・ワークステーション(EWS)、携帯電
話、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装
置等などが図20に示した電子機器の例として挙げられ
る。
【0176】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、製造効率が高く高品位の画像表示が可能な液晶装置
100を備えた各種の電子機器を実現できる。
【0177】
【発明の効果】本発明の電気光学装置によれば、シール
領域の表面が平坦化されているので、シール材に混入し
たギャップ材による引き出し配線の断線やショートなど
の配線不良を低減できる。しかも、シール領域の表面と
画素領域の表面との間でも平坦化が図られているので、
比較的大きいギャップ材をシール材に混入して基板間ギ
ャップの制御を高精度で行える。これらの結果、画素や
配線の微細化及び画素の高開口率化を図りつつ、信頼性
が高く、しかも液晶の配向状態が良好で高品位の画像表
示を行える電気光学装置を実現できる。
【0178】本発明の電子機器によれば、電子機器は、
上述した本願発明の電気光学装置を備えているので、信
頼性が高いと共に液晶の配向状態が良く、高品位の画像
表示が可能な液晶プロジェクタ、パーソナルコンピュー
タ、ページャ等の様々な電子機器を実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による液晶装置の全体構成を示す平面
図である。
【図2】 図1のH−H’断面図である。
【図3】 本発明による液晶装置の実施の形態に備えら
れる、データ線、走査線、画素電極、遮光膜等が形成さ
れたTFTアレイ基板上の隣接する画素群の平面図であ
る。
【図4】 図1のA−A’断面を対向基板等と共に示す
液晶装置の実施の形態の断面図である。
【図5】 図1のC−C’断面を対向基板等と共に示す
液晶装置の断面図である。
【図6】 シール領域に形成されたデータ線及び走査線
の引き出し配線部分を拡大して示す拡大平面図である。
【図7】 シール領域に形成されたデータ線の引き出し
配線部分を更に拡大して示す拡大平面図である。
【図8】 シール領域下に形成された引き出し配線部に
おける液晶装置のTFTアレイ基板側の断面図である。
【図9】 画像信号線を横切ってサンプリング回路駆動
信号線から引き出し配線へ至る中継配線部における液晶
装置のTFTアレイ基板側の断面図である。
【図10】 シール領域と画素領域における基板間ギャ
ップを各種の層構造の場合について比較する、液晶装置
のシール領域及び画素領域における断面図である。
【図11】 本実施の形態の変形例でのシール領域と画
素領域における基板間ギャップを比較する、液晶装置の
シール領域及び画素領域における断面図である。
【図12】 本実施の形態の定電位線と遮光膜との接続
の一例を示すTFTアレイ基板上における配線の平面図
である。
【図13】 液晶装置の実施の形態の製造プロセスを図
4に示した部分について順を追って示す工程図(その
1)である。
【図14】 液晶装置の実施の形態の製造プロセスを図
4に示した部分について順を追って示す工程図(その
2)である。
【図15】 液晶装置の実施の形態の製造プロセスを図
4に示した部分について順を追って示す工程図(その
3)である。
【図16】 液晶装置の実施の形態の製造プロセスを図
4に示した部分について順を追って示す工程図(その
4)である。
【図17】 液晶装置の実施の形態の製造プロセスを図
8(3)に示した部分について順を追って示す工程図
(その1)である。
【図18】 液晶装置の実施の形態の製造プロセスを図
8(3)に示した部分について順を追って示す工程図
(その2)である。
【図19】 液晶装置の実施の形態の製造プロセスを図
8(3)に示した部分について順を追って示す工程図
(その3)である。
【図20】 本発明による電子機器の実施の形態の概略
構成を示すブロック図である。
【図21】 電子機器の一例としての液晶プロジェクタ
を示す断面図である。
【図22】 電子機器の他の例としてのパーソナルコン
ピュータを示す正面図である。
【図23】 電子機器の一例としてのTCPを用いた液
晶装置を示す斜視図である。
【図24】 ギャップ材(グラスファイバ)による、従
来の基板間ギャップの制御を示す液晶装置のシール領域
の平面図及び断面図である。
【図25】 ギャップ材(ガラスビーズ)による、従来
の基板間ギャップの制御を示す液晶装置のシール領域の
平面図及び断面図である。
【符号の説明】
1a…半導体層 3a…走査線(ゲート電極) 3b…容量線(第2蓄積容量電極) 4…第2層間絶縁膜 5a…コンタクトホール 6a…データ線(ソース電極) 7…第3層間絶縁膜 8…コンタクトホール 9a…画素電極 10…TFTアレイ基板 11a…遮光膜 12’…第1層間絶縁膜 19…配向膜 20…対向基板 21…対向電極 22…配向膜 23…第2遮光膜 30…TFT 50…液晶層 52…シール材 53…周辺見切り 70…蓄積容量 100…液晶装置 101…データ線駆動回路 103…サンプリング回路 104…走査線駆動回路 116a、116b、116c…中継配線 300…ギャップ材 301…データ線の引き出し配線 302…ダミー配線 401…ダミー配線 402…走査線の引き出し配線
フロントページの続き Fターム(参考) 2H089 LA07 LA15 LA47 NA06 NA24 NA25 NA39 NA44 NA60 PA06 QA02 QA12 QA14 RA05 RA06 RA10 SA01 TA02 TA04 TA09 TA13 UA05 2H090 HA04 HA06 HB03X HC03 HC11 HC12 HC17 HC18 HD03 HD05 HD06 KA05 KA06 KA08 LA02 LA04 2H092 JA25 JA29 JA38 JA46 JB13 JB23 JB32 JB54 JB57 JB63 JB69 KA04 KA07 KB14 KB25 MA05 MA07 MA13 MA17 MA27 MA35 MA37 MA41 NA01 NA13 NA15 NA17 NA18 NA19 NA25 NA27 NA28 NA29 PA03 PA09 QA07 QA08 QA10 RA05

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の基板間に電気光学物質が封入され、
    該基板の該電気光学物質に面する側に相交差して配列さ
    れた複数のデータ線及び走査線と、前記基板を相互に接
    着するギャップ材混入のシール材と、前記シール材の形
    成領域に前記データ線及び走査線の少なくとも一方から
    前記シール材の形成領域に各々延設された複数の引き出
    し配線と、前記基板と前記引き出し配線との間に配置さ
    れた凹状に窪んだ領域を有する層間絶縁膜とを備えてお
    り、前記引き出し配線は、前記シール材の形成領域にお
    いて前記層間絶縁膜の凹状に窪んだ領域に形成されてい
    ることを特徴とする電気光学装置。
  2. 【請求項2】 前記複数のデータ線及び走査線は、前記
    基板のうちの一方に設けられており、該一方の基板上
    に、 前記複数のデータ線及び走査線に各々接続された複数の
    薄膜トランジスタと、 該複数の薄膜トランジスタに接続された複数の画素電極
    と、 前記複数の薄膜トランジスタの少なくともチャネル形成
    用領域を前記一方の基板の側から見て各々重なる位置に
    設けられた遮光膜と、 前記複数の走査線に平行に各々配設され前記複数の画素
    電極に所定容量を各々付与する複数の容量線とを更に備
    えており、 前記層間絶縁膜は、前記一方の基板上の前記遮光膜が形
    成されている領域においては前記遮光膜上に且つ前記遮
    光膜が形成されていない領域においては前記一方の基板
    上に設けられており、前記薄膜トランジスタ、前記デー
    タ線、前記走査線及び前記容量線のうち少なくとも一つ
    に対向する部分が前記基板のうちの他方の側から見て凹
    状に窪んで形成された第1層間絶縁膜を含み、該第1層
    間絶縁膜は、前記シール領域において前記引き出し配線
    に対向する部分が凹状に窪んで形成されたことを特徴と
    する請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 【請求項3】 前記シール領域において、前記データ線
    から延設された引き出し配線をなす導電層としての導電
    性金属層に対しては、前記走査線をなす導電層としての
    導電性ポリシリコン層及び前記遮光膜としての導電性遮
    光膜の少なくとも一方が前記層間絶縁膜を介して積層形
    成されていると共に、前記走査線から延設された引き出
    し配線をなす前記導電性ポリシリコン層に対しては、前
    記導電性金属層及び前記導電性遮光膜の少なくとも一方
    が前記層間絶縁膜を介して積層形成されていることを特
    徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 【請求項4】 前記データ線から延設された引き出し配
    線をなす前記導電性金属層は、前記積層形成された導電
    性ポリシリコン層及び導電性遮光膜の少なくとも一方と
    コンタクトホールを介して電気的接続されており、前記
    データ線から延設された引き出し配線の少なくとも一部
    は、前記導電性金属層と共に前記導電性ポリシリコン層
    及び導電性遮光膜の少なくとも一方からなる冗長構造を
    有することを特徴とする請求項3に記載の電気光学装
    置。
  5. 【請求項5】 前記走査線から延設された引き出し配線
    をなす前記導電性ポリシリコン層は、前記積層形成され
    た導電性金属層及び導電性遮光膜の少なくとも一方とコ
    ンタクトホールを介して電気的接続されており、前記走
    査線から延設された引き出し配線の少なくとも一部は、
    前記導電性ポリシリコン層と共に前記導電性金属層及び
    導電性遮光膜の少なくとも一方からなる冗長構造を有す
    ることを特徴とする請求項3又は4に記載の電気光学装
    置。
  6. 【請求項6】 前記データ線から延設された引き出し配
    線をなす前記導電性金属層に対して積層形成された導電
    性ポリシリコン層及び導電性遮光膜の少なくとも一方
    は、前記シール領域において前記基板を介して入射され
    る光がシール材に透過可能なように網目状又はストライ
    プ状の平面パターンを備えており、前記走査線から延設
    された引き出し配線をなす前記導電性ポリシリコン層に
    対して積層形成された導電性金属層及び導電性遮光膜の
    少なくとも一方は、前記シール領域において前記基板を
    介して入射される光がシール材に透過可能なように網目
    状又はストライプ状の平面パターンを備えたことを特徴
    とする請求項3から5のいずれか一項に記載の電気光学
    装置。
  7. 【請求項7】 前記遮光膜は、定電位源に接続されてい
    ることを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記
    載の電気光学装置。
  8. 【請求項8】 前記層間絶縁膜は、単層から構成されて
    いることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に
    記載の電気光学装置。
  9. 【請求項9】 前記層間絶縁膜は、単層部分と多層部分
    とから構成されており、 前記単層部分が前記凹状に窪んだ部分とされており、前
    記多層部分が前記凹状に窪んでいない部分とされている
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載
    の電気光学装置。
  10. 【請求項10】 前記層間絶縁膜は、酸化シリコン膜又
    は窒化シリコン膜から構成されていることを特徴とする
    請求項1から9のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  11. 【請求項11】 前記遮光膜は、Ti、Cr、W、T
    a、Mo及びPdのうちの少なくとも一つを含むことを
    特徴とする請求項2から9のいずれか一項に記載の電気
    光学装置。
  12. 【請求項12】 前記ギャップ材は、前記基板間のギャ
    ップに対応する所定径を持つグラスファイバ及びガラス
    ビーズのいずれか一方からなることを特徴とする請求項
    1から11のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  13. 【請求項13】 前記層間絶縁膜の凹状に窪んだ側壁部
    分はテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項
    1から12のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  14. 【請求項14】 請求項8に記載の電気光学装置の製造
    方法であって、 前記一方の基板上の所定領域に前記遮光膜を形成する工
    程と、 前記一方の基板及び遮光膜上に絶縁膜を堆積する工程
    と、 該絶縁膜に前記凹状に窪んだ部分に対応するレジストパ
    ターンをフォトリソグラフィで形成する工程と、 該レジストパターンを介して所定時間のエッチングを行
    い前記凹状に窪んだ部分を形成する工程とを備えたこと
    を特徴とする電気光学装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項9に記載の電気光学装置の製造
    方法であって、 前記一方の基板上の所定領域に前記遮光膜を形成する工
    程と、 前記一方の基板及び遮光膜上に第1絶縁膜を堆積する工
    程と、 該第1絶縁膜に前記凹状に窪んだ部分に対応するレジス
    トパターンをフォトリソグラフィで形成する工程と、 該レジストパターンを介してエッチングを行い前記凹状
    に窪んだ部分に対応する前記第1絶縁膜を除去する工程
    と、 前記一方の基板及び第1絶縁膜上に第2絶縁膜を堆積す
    る工程とを備えたことを特徴とする電気光学装置の製造
    方法。
  16. 【請求項16】 請求項1から15に記載の電気光学装
    置を備えたことを特徴とする電子機器。
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