JP2004063205A - 燃料電池車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池の運転状態が変化した場合においても航続可能距離を正確に算出することができる燃料電池車両を提供する。
【解決手段】残燃料量検出手段201は、タンク温度センサ21からの温度と、タンク圧力センサ22からの圧力に基づいて、残燃料量を検出する。第1の予想燃料消費率算出手段202は、スタック電流に基づいて燃料電池スタック3での発電に寄与する水素の予想消費率(第1の予想燃料消費率)を算出する。第2の予想燃料消費率算出手段203は、スタック電流と、タンク出口水素流量センサ20が検出したタンク出口水素流量とに基づいて、発電に寄与しない水素の予想消費率(第2の予想燃料消費率)を算出する。航続可能距離算出手段204は、残燃料量と第1の予想燃料消費率と第2の予想燃料消費率とに基づいて車両の航続可能距離を算出し、航続可能距離表示装置19へ出力する。
【選択図】 図2
【解決手段】残燃料量検出手段201は、タンク温度センサ21からの温度と、タンク圧力センサ22からの圧力に基づいて、残燃料量を検出する。第1の予想燃料消費率算出手段202は、スタック電流に基づいて燃料電池スタック3での発電に寄与する水素の予想消費率(第1の予想燃料消費率)を算出する。第2の予想燃料消費率算出手段203は、スタック電流と、タンク出口水素流量センサ20が検出したタンク出口水素流量とに基づいて、発電に寄与しない水素の予想消費率(第2の予想燃料消費率)を算出する。航続可能距離算出手段204は、残燃料量と第1の予想燃料消費率と第2の予想燃料消費率とに基づいて車両の航続可能距離を算出し、航続可能距離表示装置19へ出力する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池を電源とする燃料電池車両に係り、特に燃料電池車両の航続可能距離の表示技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の航続可能距離の表示に関する従来技術として、特開2001−231109号公報には、熱機関と燃料電池を電源とした電動機を備えた車両において、燃料量に基づいて航続可能距離を表示する装置が開示されている。
【0003】
また、特開平9−98505号公報には、車両の走行距離と車両の残存エネルギー量とを検出し、これらの複数組のデータを記憶し、これらの記憶データに基づいて最小二乗法を用いて車両の航続可能距離を算出して表示する装置が開示されている。
【0004】
このような従来技術から、燃料電池の燃料となる水素などの残存量の変化に基づいて、車両の航続可能距離を算出して表示する装置が考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、燃料電池における燃料消費率の変化の要因は、車両走行状態に応じた要求負荷の変化のほかに、燃料電池の運転状態に応じて、フラッディング(水溢れ)防止のために行う燃料パージによる燃料消費や燃料電池の暖機のために燃焼器等において燃焼される燃料消費など、燃料電池の発電には寄与しない燃料消費の変化がある。
【0006】
このような燃料の消費は、燃料電池の運転状態の変化に応じて変化するものであり、車両の走行状態の変化とは異なる要因で変化するものである。
【0007】
従って、上記従来技術においては、走行距離と残存燃料量の変化に基づいて航続可能距離を算出していたので、燃料電池を電源とした電動機によって走行する車両の航続可能距離を、燃料電池の運転状態に応じて正確に算出することはできないという問題点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、燃料電池を電源とした電動機を駆動力源として備えた燃料電池車両において、燃料電池の燃料の残量を検出する残燃料量検出手段と、燃料電池の発電に寄与する燃料の消費率である第1の予想燃料消費率を予想する第1の予想燃料消費率算出手段と、燃料電池の発電に寄与しない燃料の消費率である第2の予想燃料消費率を予想する第2の予想燃料消費率算出手段と、前記残燃料量と第1の予想燃料消費率と第2の予想燃料消費率とに基づいて、車両の航続可能な距離を算出する航続可能距離算出手段と、前記航続可能距離を表示する表示手段と、を備えたことを要旨とする。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、燃料電池を電源とした電動機を駆動力源として備えた車両において、燃料電池の燃料の残量を検出する一方、燃料電池の発電に寄与する燃料の消費率を第1の予想燃料消費率として予想し、また、燃料電池の発電に寄与しない燃料の消費率を第2の予想燃料消費率として予想する。そして、前記残燃料量と第1の予想燃料消費率と第2の予想燃料消費率とに基づいて、車両の航続可能な距離を算出して、表示する。
【0010】
これにより、車両の走行状態に応じた要求負荷の変化に対応して、燃料電池の発電に寄与する燃料の消費率を予想するとともに、燃料電池の運転状態の変化に対応して、燃料電池の発電に寄与しない燃料の消費率を予想するので、燃料消費の要因ごとに消費率の予想を行うことができるようになる。したがって、車両の走行状態及び燃料電池の運転状態の変化に応じて燃料消費率を予想することができるので、精度良く航続可能距離の算出を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る燃料電池車両の第1実施形態の構成を説明する概略構成図である。図1において、燃料電池車両は、エゼクタ1、水素循環流路2、燃料電池スタック3、水素パージ弁4、排水素燃焼器5、コンプレッサ6、空気供給流路7、水素入口温度センサ8、水素入口圧力センサ9、燃焼器温度センサ10、排空気流路11、空気圧力制御バルブ12、航続可能距離を算出するコントローラ13、水素圧力制御弁14、空気入口圧力センサ15、空気流量センサ16、電流センサ17、電圧センサ18、航続可能距離を表示する航続可能距離表示装置19、タンク出口水素流量センサ20、タンク温度センサ21、タンク圧力センサ22、水素タンク23、車両速度を検出する速度センサ24、燃料電池スタック3が発電した電力を交流電力に変換する電力変換装置25、電力変換装置25の交流電力で車両を駆動する電動機26、を備えている。
【0012】
水素タンク23から供給される水素は、水素圧力制御弁14を経由して、エゼクタ1に供給される。エゼクタ1で水素循環流路2を通過してきた水素と混合され、燃料電池スタック3に供給される。燃料電池スタック3入口での水素の温度と圧力はそれぞれ、水素入口温度センサ8、水素入口圧力センサ9で測定される。水素圧力制御弁14の制御は水素入口圧力センサ9で測定される圧力により行われる。通常は水素パージ弁4は燃料電池スタック3から排出される水素を水素循環流路2に流す方向になっている。
【0013】
また、水素タンク23から供給される水素流量は、タンク出口水素流量センサ20によって測定され、水素タンク23内の温度及び圧力はそれぞれタンク温度センサ21、タンク圧力センサ22によって測定される。水素タンク23の水素量、即ち燃料の残量は、タンク容積、タンク温度及びタンク圧力から後述するようにコントローラ13で計算される。
【0014】
酸化剤となる空気は、コンプレッサ6により供給される。コンプレッサ6により供給された空気は空気流量センサ16で計量された後、燃料電池スタック3へ供給される。燃料電池スタック3入口での空気の圧力は空気入口圧力センサ15で測定され、空気圧力制御バルブ12で制御される。燃料電池スタック3から排出された空気(以下、排空気)は、排水素燃焼器5を経由して大気中に放出される。
【0015】
燃料電池スタック3の出力電流は電流センサ17で、出力電圧は電圧センサ18で測定される。
【0016】
本実施形態では燃料電池スタック3の運転圧力は可変圧である。即ち、燃料電池スタック3から取り出す出力が高いときには運転圧力を高め、出力が低いときは運転圧力を低める。
【0017】
燃料電池スタック3内に水溢れ(以下フラッディング)等が発生した場合や、燃料電池スタック3の運転圧を低下させるときに水素パージ弁4を動作させて、水素循環流路2および燃料電池スタック3に存在する水素を排水素燃焼器5へ排出する。
【0018】
排水素燃焼器5では、排出された水素(以下、排水素)と排空気を反応させて無害の水蒸気を生成する処理を行う。その際の排水素燃焼器5の温度は、燃焼器温度センサ10で測定される。
【0019】
航続可能距離表示装置19は、コントローラ13において算出された航続可能距離の値を、例えば車両の計器盤等に表示して運転者に告知する。
【0020】
これらすべてのセンサの出力及び水素パージ弁4等のアクチュエータ駆動信号はコントローラ13に接続されている。
【0021】
運転圧力制御は水素の圧力を目標値に従い制御し、空気の圧力はそのときの水素の圧力を目標値として制御する。
【0022】
図2は、第1実施形態におけるコントローラ13の構成を示す機能ブロック図である。コントローラ13は、例えば、CPUとメモリと周辺インタフェースを備えたマイクロプロセッサで構成される。
【0023】
コントローラ13は、燃料電池の燃料の残量を検出する残燃料量検出手段201と、燃料電池の発電に寄与する燃料の消費率である第1の予想燃料消費率を予想する第1の予想燃料消費率算出手段202と、燃料電池の発電に寄与しない燃料の消費率である第2の予想燃料消費率を予想する第2の予想燃料消費率算出手段203と、残燃料量と第1の予想燃料消費率と第2の予想燃料消費率とに基づいて、車両の航続可能な距離を算出する航続可能距離算出手段204と、を備えている。
【0024】
残燃料量検出手段201は、既知の水素タンク23の容積と、タンク温度センサ21が検出した水素タンク温度と、タンク圧力センサ22が検出した水素タンク圧力とに基づいて、水素タンク内の水素量、即ち残燃料量の検出を行い、航続可能距離算出手段204へ出力する。
【0025】
第1の予想燃料消費率算出手段202は、電流センサ17が検出したスタック電流に基づいて燃料電池スタック3での発電に寄与する水素の予想消費率(第1の予想燃料消費率)を算出し、航続可能距離算出手段204へ出力する。
【0026】
第2の予想燃料消費率算出手段203は、電流センサ17が検出したスタック電流と、タンク出口水素流量センサ20が検出したタンク出口水素流量とに基づいて、燃料電池スタック3での発電に寄与しない水素の予想消費率(第2の予想燃料消費率)を算出し、航続可能距離算出手段204へ出力する。
【0027】
そして、航続可能距離算出手段204において、残燃料量と第1の予想燃料消費率と第2の予想燃料消費率とに基づいて、車両の航続可能距離を算出し、航続可能距離表示装置19へ出力する。
【0028】
図3は、第1実施形態における航続可能距離の算出方法を示したフローチャートであり、一定の周期ΔT(例えば、ΔT=0.01[sec ])毎にコントローラ13が実行する。
【0029】
まず、ステップ(以下、ステップをSと略す)301において、車両の走行距離Trip の積算を式(1)に基づいて行う。
【0030】
【数1】
Trip =Trip (前回値)+VSP×ΔT …(1)
ここで、VSPは、速度センサ24が検出する車両の速度[m/sec]である。
【0031】
S302では、スタックの発電に寄与する第1の燃料(水素)消費量C1 [g] の積算を式(2)に基づいて行う。
【0032】
【数2】
C1=C1(前回値)+(2.016×Nst×i)/(2F)×ΔT …(2)
ここで、2.016は水素分子の原子量、Nstはスタックを構成する直列セル数、iは電流センサ17で検出した燃料電池スタック3の発電電流[A]であり、Fはファラデー定数(水素イオン1molの総電荷量)である。式(2)は、燃料電池から取り出した電流の時間積分値に相当する水素イオン数を求め、これにNstを乗じたものを水素重量に換算するという考え方である。
【0033】
S303では、燃料電池スタック3の発電に寄与しない第2の燃料(水素)消費量C2 [g] の積算を式(3)に基づいて行う。
【0034】
【数3】
C2=C2(前回値)+{FH−(2.016×Nst×i)/(2F)}×ΔT …(3)
ここで、FH は、タンク出口水素流量センサ20で検出した水素流量[g/sec]である。式(3)は、消費した総水素量から、式(2)の発電に寄与した水素量を差し引いたものが発電に寄与しない水素量である、という考え方である。
【0035】
S304ではS301〜S303の積算演算を開始してから所定時間(例えば600[sec])が経過したかどうかを判定し、所定時間経過した場合はS305に進み、所定時間が経過していない場合はS307に進む。
【0036】
S305では、第1、第2の予想燃料消費率E1 、E2 の更新を式(4)、式(5)に基づいて行う。
【0037】
【数4】
E1 =C1/Trip …(4)
E2 =C2/Trip …(5)
ここで、E1 は発電に寄与する第1の予想燃料(水素)消費率[g/m]であり、E2 は発電に寄与しない第2の予想燃料(水素)消費率[g/m]である。
【0038】
S306では、各積算値のリセットを行う。すなわち、Trip、C1 、C2 の値を0とする。
【0039】
S307では、残燃料(水素)量QH [g]の算出を式(6)に基づいて行う。
【0040】
【数5】
QH =(2.016×PT ×VT )/(R×TT ) …(6)
ここで、PT はタンク圧力センサ22で検出した水素タンク23内の圧力[Pa]であり、TT はタンク温度センサ21で検出した水素タンク23内の温度[K]であり、VT は水素タンク23の容積[m3]であり、Rは気体定数である。
【0041】
S308では、第1、第2の予想燃料消費率E1 、E2 と、残燃料量QH から、式(7)に基づいて、航続可能距離D[km]を算出する。
【0042】
【数6】
D=QH /(E1 +E2 )×1/1000 …(7)
また、S305の予想燃料消費率の演算において、燃料電池のパージ回数の増減に対応させて第2の予想燃料消費率E2 を増減させる場合には、発電に寄与しない第2の予想燃料消費率E2 を式(8)に基づいて算出する。
【0043】
【数7】
E2 =k×C2 /Trip
ここで、補正係数kの演算は、パージの頻度に基づいて図4に示したような特性のテーブルデータを用いて行う。尚、パージの頻度は所定時間経過する間にパージを行った回数から算出すればよい。このように補正係数kを算出することによって、パージの回数が増加するほど、第2の予想燃料消費率E2 を増加させることができる。
【0044】
一方、燃料電池の運転状態に応じて、パージ回数が増加すると予想される状態においては第2の予想燃料消費率E2 を増加させるように補正し、パージ回数が減少すると予想される状態においては第2の予想燃料消費率E2 を減少させるように補正する場合には、図5〜図8に示したような特性のテーブルデータを用いて補正係数kの演算を行う。
【0045】
図5において、スタック温度は、水素入口温度センサ8で検出する。このように、スタック温度に基づいてパージの回数が増加することが予想される場合には、第2の予想燃料消費率E2 を増加させることができる。
【0046】
また、図6においてストイキ比は、コントローラ13内で水素流量制御或いは空気流量制御のパラメータとして演算している水素のストイキ比或いは空気のストイキ比を使用する。ここでストイキ比は、燃料電池に要求される発電量に相当する水素量、または酸素を含む空気量に対して、実際に供給する水素量または空気量の比とする。
【0047】
このように、ストイキ比に基づいてパージの回数が増加することが予想される場合には、第2の予想燃料消費率E2 を増加させることができる。
【0048】
図7においてスタック運転圧力は、水素入口圧力センサ9で検出する。このように、スタック運転圧力に基づいてパージの回数が増加することが予想される場合には、第2の予想燃料消費率E2 を増加させることができる。
【0049】
図8においてスタック出力変化周期は、所定時間においてスタック出力が所定の出力値を上回った回数と下回った回数との和で算出する。このように、スタック出力変化周期に基づいて、特に出力を減少させる際のパージの回数が増加することが予想される場合には、第2の予想燃料消費率E2 を増加させることができる。
【0050】
以上説明した第1の実施形態によれば、スタック発電電流の変化に対応して、燃料電池の発電に寄与する燃料の消費率である第1の予想燃料消費率を予想するとともに、燃料電池の運転状態の変化に対応して、燃料電池の発電に寄与しない燃料の消費率である第2の予想燃料消費率を予想するので、燃料消費の要因ごとに燃料消費率の予想を行うことができるようになる。
【0051】
したがって、車両の走行状態及び燃料電池の運転状態の変化に応じて燃料消費率を予想することができるので、精度良く航続可能距離の算出を行うことができる。
【0052】
また、燃料電池の過去の全燃料消費率から、燃料電池の発電に寄与した過去の燃料消費率を減算した値の変化に基づいて、第2の予想燃料消費率を算出するようにしたので、比較的容易な構成で第2の予想燃料消費率を算出することができる。
【0053】
また、燃料電池のパージ回数の変化に基づいて、パージ回数の増減に対応させて第2の予想燃料消費率を増減させるように補正を行うので、精度良く第2の予想燃料消費率の算出を行うことができる。
【0054】
次に、本発明に係る燃料電池車両の第2実施形態を説明する。本実施形態は、燃料電池の暖機中は、燃料電池の発電に寄与しない燃料の消費率である第2の予想燃料消費率を更新しない実施形態である。尚、本実施形態の構成は、図1及び図2に示した第1実施形態の構成と同様である。
【0055】
図9は、第2実施形態における航続可能距離の算出方法を示したフローチャートである。このフローチャートは、一定の周期ΔT(例えば、ΔT=0.01[sec])毎に実行する。
【0056】
まず、S900において、スタックを暖機中であるか否かを判定し、暖機中である場合はS907に進み、走行距離と燃料消費量の積算、及び、燃料消費率の更新を行わない。
【0057】
一方、S900において暖機中でない場合は、S901に進む。S901〜S908における処理はそれぞれS301〜S308における処理と同じである。また、暖機中であることの判定は、暖機のために排水素燃焼器5を動作中であるという条件と、水素入口温度センサ8或いはスタックそのものの温度を測定する温度センサの測定値に基づいて検出したスタックの温度が所定値以下であるという条件とが、いずれか一方、或いは、ともに成立した場合に、スタックが暖機中であると判定する。
【0058】
以上説明した第2の実施形態によれば、燃料電池の暖機運転中という短期的な燃料消費率の変化を、第2の予想燃料消費率に反映させないので、航続可能距離が短期的に変動し、ドライバが不安感を抱くことを防止することができる。
【0059】
また、暖機用燃焼器の動作・非動作を検出し、また、燃料電池の温度を検出することによって燃料電池が暖機運転中であることを判断することができるので、容易な構成で燃料電池が暖機運転中であることを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池車両の実施形態の構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態におけるコントローラの構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態における航続可能距離の算出方法を示すフローチャートである。
【図4】パージ頻度に基づいて第2の予想燃料消費率を補正する係数kを算出するためのテーブルデータ例を示す図である。
【図5】スタック温度に基づいて第2の予想燃料消費率を補正する係数kを算出するためのテーブルデータ例を示す図である。
【図6】ストイキ比に基づいて第2の予想燃料消費率を補正する係数kを算出するためのテーブルデータ例を示す図である。
【図7】スタック運転圧力に基づいて第2の予想燃料消費率を補正する係数kを算出するためのテーブルデータ例を示す図である。
【図8】スタック出力変化周期に基づいて第2の予想燃料消費率を補正する係数kを算出するためのテーブルデータ例を示す図である。
【図9】第2実施形態における航続可能距離の算出方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エゼクタ
2 水素循環流路
3 燃料電池スタック
4 水素パージ弁
5 排水素燃焼器
6 コンプレッサ
7 空気供給流路
8 水素入口温度センサ
9 水素入口圧力センサ
10 燃焼器温度センサ
11 排空気流路
12 空気圧力制御バルブ
13 コントローラ
14 水素圧力制御弁
15 空気入口圧力センサ
16 空気流量センサ
17 電流センサ
18 電圧センサ
19 航続可能距離表示装置
20 タンク出口水素流量センサ
21 タンク温度センサ
22 タンク圧力センサ
23 水素タンク
24 速度センサ
25 電力変換装置
26 電動機
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池を電源とする燃料電池車両に係り、特に燃料電池車両の航続可能距離の表示技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の航続可能距離の表示に関する従来技術として、特開2001−231109号公報には、熱機関と燃料電池を電源とした電動機を備えた車両において、燃料量に基づいて航続可能距離を表示する装置が開示されている。
【0003】
また、特開平9−98505号公報には、車両の走行距離と車両の残存エネルギー量とを検出し、これらの複数組のデータを記憶し、これらの記憶データに基づいて最小二乗法を用いて車両の航続可能距離を算出して表示する装置が開示されている。
【0004】
このような従来技術から、燃料電池の燃料となる水素などの残存量の変化に基づいて、車両の航続可能距離を算出して表示する装置が考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、燃料電池における燃料消費率の変化の要因は、車両走行状態に応じた要求負荷の変化のほかに、燃料電池の運転状態に応じて、フラッディング(水溢れ)防止のために行う燃料パージによる燃料消費や燃料電池の暖機のために燃焼器等において燃焼される燃料消費など、燃料電池の発電には寄与しない燃料消費の変化がある。
【0006】
このような燃料の消費は、燃料電池の運転状態の変化に応じて変化するものであり、車両の走行状態の変化とは異なる要因で変化するものである。
【0007】
従って、上記従来技術においては、走行距離と残存燃料量の変化に基づいて航続可能距離を算出していたので、燃料電池を電源とした電動機によって走行する車両の航続可能距離を、燃料電池の運転状態に応じて正確に算出することはできないという問題点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、燃料電池を電源とした電動機を駆動力源として備えた燃料電池車両において、燃料電池の燃料の残量を検出する残燃料量検出手段と、燃料電池の発電に寄与する燃料の消費率である第1の予想燃料消費率を予想する第1の予想燃料消費率算出手段と、燃料電池の発電に寄与しない燃料の消費率である第2の予想燃料消費率を予想する第2の予想燃料消費率算出手段と、前記残燃料量と第1の予想燃料消費率と第2の予想燃料消費率とに基づいて、車両の航続可能な距離を算出する航続可能距離算出手段と、前記航続可能距離を表示する表示手段と、を備えたことを要旨とする。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、燃料電池を電源とした電動機を駆動力源として備えた車両において、燃料電池の燃料の残量を検出する一方、燃料電池の発電に寄与する燃料の消費率を第1の予想燃料消費率として予想し、また、燃料電池の発電に寄与しない燃料の消費率を第2の予想燃料消費率として予想する。そして、前記残燃料量と第1の予想燃料消費率と第2の予想燃料消費率とに基づいて、車両の航続可能な距離を算出して、表示する。
【0010】
これにより、車両の走行状態に応じた要求負荷の変化に対応して、燃料電池の発電に寄与する燃料の消費率を予想するとともに、燃料電池の運転状態の変化に対応して、燃料電池の発電に寄与しない燃料の消費率を予想するので、燃料消費の要因ごとに消費率の予想を行うことができるようになる。したがって、車両の走行状態及び燃料電池の運転状態の変化に応じて燃料消費率を予想することができるので、精度良く航続可能距離の算出を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る燃料電池車両の第1実施形態の構成を説明する概略構成図である。図1において、燃料電池車両は、エゼクタ1、水素循環流路2、燃料電池スタック3、水素パージ弁4、排水素燃焼器5、コンプレッサ6、空気供給流路7、水素入口温度センサ8、水素入口圧力センサ9、燃焼器温度センサ10、排空気流路11、空気圧力制御バルブ12、航続可能距離を算出するコントローラ13、水素圧力制御弁14、空気入口圧力センサ15、空気流量センサ16、電流センサ17、電圧センサ18、航続可能距離を表示する航続可能距離表示装置19、タンク出口水素流量センサ20、タンク温度センサ21、タンク圧力センサ22、水素タンク23、車両速度を検出する速度センサ24、燃料電池スタック3が発電した電力を交流電力に変換する電力変換装置25、電力変換装置25の交流電力で車両を駆動する電動機26、を備えている。
【0012】
水素タンク23から供給される水素は、水素圧力制御弁14を経由して、エゼクタ1に供給される。エゼクタ1で水素循環流路2を通過してきた水素と混合され、燃料電池スタック3に供給される。燃料電池スタック3入口での水素の温度と圧力はそれぞれ、水素入口温度センサ8、水素入口圧力センサ9で測定される。水素圧力制御弁14の制御は水素入口圧力センサ9で測定される圧力により行われる。通常は水素パージ弁4は燃料電池スタック3から排出される水素を水素循環流路2に流す方向になっている。
【0013】
また、水素タンク23から供給される水素流量は、タンク出口水素流量センサ20によって測定され、水素タンク23内の温度及び圧力はそれぞれタンク温度センサ21、タンク圧力センサ22によって測定される。水素タンク23の水素量、即ち燃料の残量は、タンク容積、タンク温度及びタンク圧力から後述するようにコントローラ13で計算される。
【0014】
酸化剤となる空気は、コンプレッサ6により供給される。コンプレッサ6により供給された空気は空気流量センサ16で計量された後、燃料電池スタック3へ供給される。燃料電池スタック3入口での空気の圧力は空気入口圧力センサ15で測定され、空気圧力制御バルブ12で制御される。燃料電池スタック3から排出された空気(以下、排空気)は、排水素燃焼器5を経由して大気中に放出される。
【0015】
燃料電池スタック3の出力電流は電流センサ17で、出力電圧は電圧センサ18で測定される。
【0016】
本実施形態では燃料電池スタック3の運転圧力は可変圧である。即ち、燃料電池スタック3から取り出す出力が高いときには運転圧力を高め、出力が低いときは運転圧力を低める。
【0017】
燃料電池スタック3内に水溢れ(以下フラッディング)等が発生した場合や、燃料電池スタック3の運転圧を低下させるときに水素パージ弁4を動作させて、水素循環流路2および燃料電池スタック3に存在する水素を排水素燃焼器5へ排出する。
【0018】
排水素燃焼器5では、排出された水素(以下、排水素)と排空気を反応させて無害の水蒸気を生成する処理を行う。その際の排水素燃焼器5の温度は、燃焼器温度センサ10で測定される。
【0019】
航続可能距離表示装置19は、コントローラ13において算出された航続可能距離の値を、例えば車両の計器盤等に表示して運転者に告知する。
【0020】
これらすべてのセンサの出力及び水素パージ弁4等のアクチュエータ駆動信号はコントローラ13に接続されている。
【0021】
運転圧力制御は水素の圧力を目標値に従い制御し、空気の圧力はそのときの水素の圧力を目標値として制御する。
【0022】
図2は、第1実施形態におけるコントローラ13の構成を示す機能ブロック図である。コントローラ13は、例えば、CPUとメモリと周辺インタフェースを備えたマイクロプロセッサで構成される。
【0023】
コントローラ13は、燃料電池の燃料の残量を検出する残燃料量検出手段201と、燃料電池の発電に寄与する燃料の消費率である第1の予想燃料消費率を予想する第1の予想燃料消費率算出手段202と、燃料電池の発電に寄与しない燃料の消費率である第2の予想燃料消費率を予想する第2の予想燃料消費率算出手段203と、残燃料量と第1の予想燃料消費率と第2の予想燃料消費率とに基づいて、車両の航続可能な距離を算出する航続可能距離算出手段204と、を備えている。
【0024】
残燃料量検出手段201は、既知の水素タンク23の容積と、タンク温度センサ21が検出した水素タンク温度と、タンク圧力センサ22が検出した水素タンク圧力とに基づいて、水素タンク内の水素量、即ち残燃料量の検出を行い、航続可能距離算出手段204へ出力する。
【0025】
第1の予想燃料消費率算出手段202は、電流センサ17が検出したスタック電流に基づいて燃料電池スタック3での発電に寄与する水素の予想消費率(第1の予想燃料消費率)を算出し、航続可能距離算出手段204へ出力する。
【0026】
第2の予想燃料消費率算出手段203は、電流センサ17が検出したスタック電流と、タンク出口水素流量センサ20が検出したタンク出口水素流量とに基づいて、燃料電池スタック3での発電に寄与しない水素の予想消費率(第2の予想燃料消費率)を算出し、航続可能距離算出手段204へ出力する。
【0027】
そして、航続可能距離算出手段204において、残燃料量と第1の予想燃料消費率と第2の予想燃料消費率とに基づいて、車両の航続可能距離を算出し、航続可能距離表示装置19へ出力する。
【0028】
図3は、第1実施形態における航続可能距離の算出方法を示したフローチャートであり、一定の周期ΔT(例えば、ΔT=0.01[sec ])毎にコントローラ13が実行する。
【0029】
まず、ステップ(以下、ステップをSと略す)301において、車両の走行距離Trip の積算を式(1)に基づいて行う。
【0030】
【数1】
Trip =Trip (前回値)+VSP×ΔT …(1)
ここで、VSPは、速度センサ24が検出する車両の速度[m/sec]である。
【0031】
S302では、スタックの発電に寄与する第1の燃料(水素)消費量C1 [g] の積算を式(2)に基づいて行う。
【0032】
【数2】
C1=C1(前回値)+(2.016×Nst×i)/(2F)×ΔT …(2)
ここで、2.016は水素分子の原子量、Nstはスタックを構成する直列セル数、iは電流センサ17で検出した燃料電池スタック3の発電電流[A]であり、Fはファラデー定数(水素イオン1molの総電荷量)である。式(2)は、燃料電池から取り出した電流の時間積分値に相当する水素イオン数を求め、これにNstを乗じたものを水素重量に換算するという考え方である。
【0033】
S303では、燃料電池スタック3の発電に寄与しない第2の燃料(水素)消費量C2 [g] の積算を式(3)に基づいて行う。
【0034】
【数3】
C2=C2(前回値)+{FH−(2.016×Nst×i)/(2F)}×ΔT …(3)
ここで、FH は、タンク出口水素流量センサ20で検出した水素流量[g/sec]である。式(3)は、消費した総水素量から、式(2)の発電に寄与した水素量を差し引いたものが発電に寄与しない水素量である、という考え方である。
【0035】
S304ではS301〜S303の積算演算を開始してから所定時間(例えば600[sec])が経過したかどうかを判定し、所定時間経過した場合はS305に進み、所定時間が経過していない場合はS307に進む。
【0036】
S305では、第1、第2の予想燃料消費率E1 、E2 の更新を式(4)、式(5)に基づいて行う。
【0037】
【数4】
E1 =C1/Trip …(4)
E2 =C2/Trip …(5)
ここで、E1 は発電に寄与する第1の予想燃料(水素)消費率[g/m]であり、E2 は発電に寄与しない第2の予想燃料(水素)消費率[g/m]である。
【0038】
S306では、各積算値のリセットを行う。すなわち、Trip、C1 、C2 の値を0とする。
【0039】
S307では、残燃料(水素)量QH [g]の算出を式(6)に基づいて行う。
【0040】
【数5】
QH =(2.016×PT ×VT )/(R×TT ) …(6)
ここで、PT はタンク圧力センサ22で検出した水素タンク23内の圧力[Pa]であり、TT はタンク温度センサ21で検出した水素タンク23内の温度[K]であり、VT は水素タンク23の容積[m3]であり、Rは気体定数である。
【0041】
S308では、第1、第2の予想燃料消費率E1 、E2 と、残燃料量QH から、式(7)に基づいて、航続可能距離D[km]を算出する。
【0042】
【数6】
D=QH /(E1 +E2 )×1/1000 …(7)
また、S305の予想燃料消費率の演算において、燃料電池のパージ回数の増減に対応させて第2の予想燃料消費率E2 を増減させる場合には、発電に寄与しない第2の予想燃料消費率E2 を式(8)に基づいて算出する。
【0043】
【数7】
E2 =k×C2 /Trip
ここで、補正係数kの演算は、パージの頻度に基づいて図4に示したような特性のテーブルデータを用いて行う。尚、パージの頻度は所定時間経過する間にパージを行った回数から算出すればよい。このように補正係数kを算出することによって、パージの回数が増加するほど、第2の予想燃料消費率E2 を増加させることができる。
【0044】
一方、燃料電池の運転状態に応じて、パージ回数が増加すると予想される状態においては第2の予想燃料消費率E2 を増加させるように補正し、パージ回数が減少すると予想される状態においては第2の予想燃料消費率E2 を減少させるように補正する場合には、図5〜図8に示したような特性のテーブルデータを用いて補正係数kの演算を行う。
【0045】
図5において、スタック温度は、水素入口温度センサ8で検出する。このように、スタック温度に基づいてパージの回数が増加することが予想される場合には、第2の予想燃料消費率E2 を増加させることができる。
【0046】
また、図6においてストイキ比は、コントローラ13内で水素流量制御或いは空気流量制御のパラメータとして演算している水素のストイキ比或いは空気のストイキ比を使用する。ここでストイキ比は、燃料電池に要求される発電量に相当する水素量、または酸素を含む空気量に対して、実際に供給する水素量または空気量の比とする。
【0047】
このように、ストイキ比に基づいてパージの回数が増加することが予想される場合には、第2の予想燃料消費率E2 を増加させることができる。
【0048】
図7においてスタック運転圧力は、水素入口圧力センサ9で検出する。このように、スタック運転圧力に基づいてパージの回数が増加することが予想される場合には、第2の予想燃料消費率E2 を増加させることができる。
【0049】
図8においてスタック出力変化周期は、所定時間においてスタック出力が所定の出力値を上回った回数と下回った回数との和で算出する。このように、スタック出力変化周期に基づいて、特に出力を減少させる際のパージの回数が増加することが予想される場合には、第2の予想燃料消費率E2 を増加させることができる。
【0050】
以上説明した第1の実施形態によれば、スタック発電電流の変化に対応して、燃料電池の発電に寄与する燃料の消費率である第1の予想燃料消費率を予想するとともに、燃料電池の運転状態の変化に対応して、燃料電池の発電に寄与しない燃料の消費率である第2の予想燃料消費率を予想するので、燃料消費の要因ごとに燃料消費率の予想を行うことができるようになる。
【0051】
したがって、車両の走行状態及び燃料電池の運転状態の変化に応じて燃料消費率を予想することができるので、精度良く航続可能距離の算出を行うことができる。
【0052】
また、燃料電池の過去の全燃料消費率から、燃料電池の発電に寄与した過去の燃料消費率を減算した値の変化に基づいて、第2の予想燃料消費率を算出するようにしたので、比較的容易な構成で第2の予想燃料消費率を算出することができる。
【0053】
また、燃料電池のパージ回数の変化に基づいて、パージ回数の増減に対応させて第2の予想燃料消費率を増減させるように補正を行うので、精度良く第2の予想燃料消費率の算出を行うことができる。
【0054】
次に、本発明に係る燃料電池車両の第2実施形態を説明する。本実施形態は、燃料電池の暖機中は、燃料電池の発電に寄与しない燃料の消費率である第2の予想燃料消費率を更新しない実施形態である。尚、本実施形態の構成は、図1及び図2に示した第1実施形態の構成と同様である。
【0055】
図9は、第2実施形態における航続可能距離の算出方法を示したフローチャートである。このフローチャートは、一定の周期ΔT(例えば、ΔT=0.01[sec])毎に実行する。
【0056】
まず、S900において、スタックを暖機中であるか否かを判定し、暖機中である場合はS907に進み、走行距離と燃料消費量の積算、及び、燃料消費率の更新を行わない。
【0057】
一方、S900において暖機中でない場合は、S901に進む。S901〜S908における処理はそれぞれS301〜S308における処理と同じである。また、暖機中であることの判定は、暖機のために排水素燃焼器5を動作中であるという条件と、水素入口温度センサ8或いはスタックそのものの温度を測定する温度センサの測定値に基づいて検出したスタックの温度が所定値以下であるという条件とが、いずれか一方、或いは、ともに成立した場合に、スタックが暖機中であると判定する。
【0058】
以上説明した第2の実施形態によれば、燃料電池の暖機運転中という短期的な燃料消費率の変化を、第2の予想燃料消費率に反映させないので、航続可能距離が短期的に変動し、ドライバが不安感を抱くことを防止することができる。
【0059】
また、暖機用燃焼器の動作・非動作を検出し、また、燃料電池の温度を検出することによって燃料電池が暖機運転中であることを判断することができるので、容易な構成で燃料電池が暖機運転中であることを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池車両の実施形態の構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態におけるコントローラの構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態における航続可能距離の算出方法を示すフローチャートである。
【図4】パージ頻度に基づいて第2の予想燃料消費率を補正する係数kを算出するためのテーブルデータ例を示す図である。
【図5】スタック温度に基づいて第2の予想燃料消費率を補正する係数kを算出するためのテーブルデータ例を示す図である。
【図6】ストイキ比に基づいて第2の予想燃料消費率を補正する係数kを算出するためのテーブルデータ例を示す図である。
【図7】スタック運転圧力に基づいて第2の予想燃料消費率を補正する係数kを算出するためのテーブルデータ例を示す図である。
【図8】スタック出力変化周期に基づいて第2の予想燃料消費率を補正する係数kを算出するためのテーブルデータ例を示す図である。
【図9】第2実施形態における航続可能距離の算出方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エゼクタ
2 水素循環流路
3 燃料電池スタック
4 水素パージ弁
5 排水素燃焼器
6 コンプレッサ
7 空気供給流路
8 水素入口温度センサ
9 水素入口圧力センサ
10 燃焼器温度センサ
11 排空気流路
12 空気圧力制御バルブ
13 コントローラ
14 水素圧力制御弁
15 空気入口圧力センサ
16 空気流量センサ
17 電流センサ
18 電圧センサ
19 航続可能距離表示装置
20 タンク出口水素流量センサ
21 タンク温度センサ
22 タンク圧力センサ
23 水素タンク
24 速度センサ
25 電力変換装置
26 電動機
Claims (7)
- 燃料電池を電源とした電動機を駆動力源として備えた燃料電池車両において、
燃料電池の燃料の残量を検出する残燃料量検出手段と、
燃料電池の発電に寄与する燃料の消費率である第1の予想燃料消費率を予想する第1の予想燃料消費率算出手段と、
燃料電池の発電に寄与しない燃料の消費率である第2の予想燃料消費率を予想する第2の予想燃料消費率算出手段と、
前記残燃料量と第1の予想燃料消費率と第2の予想燃料消費率とに基づいて、車両の航続可能な距離を算出する航続可能距離算出手段と、
前記航続可能距離を表示する航続可能距離表示装置と、
を備えたことを特徴とする燃料電池車両。 - 第1の予想燃料消費率算出手段は、
燃料電池の発電に寄与した過去の燃料消費率の変化に基づいて、第1の予想燃料消費率を算出する手段であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池車両。 - 第2の予想燃料消費率算出手段は、
燃料電池の過去の全燃料消費率から、燃料電池の発電に寄与した過去の燃料消費率を減算した値の変化に基づいて、第2の予想燃料消費率を算出する手段であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池車両。 - 第2の予想燃料消費率算出手段は、
燃料電池のパージ回数の変化に基づいて、パージ回数の増減に対応させて第2の予想燃料消費率を増減させるように補正を行う補正手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項3記載の燃料電池車両。 - 第2の予想燃料消費率算出手段は、
燃料電池の運転状態に応じて、パージ回数が増加すると予想される状態においては第2の予想燃料消費率を増加させるように補正を行い、パージ回数が減少すると予想される状態においては第2の予想燃料消費率を減少させるように第2の予想燃料消費率を補正する補正手段を備えたことを特徴とする請求項1、請求項3、請求項4の何れか1項に記載の燃料電池車両。 - 第2の予想燃料消費率算出手段は、
燃料電池が暖機運転中である場合には、第2の予想燃料消費率の値の更新を行わないことを特徴とする請求項1又は請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池車両。 - 第2の予想燃料消費率算出手段は、
燃料電池の暖機用燃焼器を動作させている場合、または/かつ、燃料電池の温度が所定値以下である場合に、第2の予想燃料消費率の値の更新を行わないことを特徴とする請求項1又は請求項3乃至請求項6の何れか1項に記載の燃料電池車両。
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