JP4682545B2 - モータの回転位置角推定方法及びモータの回転位置角推定装置並びにインバータ制御方法及びインバータ制御装置 - Google Patents

モータの回転位置角推定方法及びモータの回転位置角推定装置並びにインバータ制御方法及びインバータ制御装置 Download PDF

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Description

この発明はモータの回転位置角推定方法及びモータの回転位置角推定装置並びにインバータ制御方法及びインバータ制御装置に関し、例えばインバータの制御技術に適用することができる。
従来から、回転位置角に同期させて電圧及び電流を制御することでトルク及び回転速度を制御して、突極性を有するモータ(以下、「突極モータ」という)を効率良く動作させている。このため、回転位置角を検出する必要がある。検出するために例えば位置センサを設けてもよいが、コストの増加及び制御装置の大型化を招き、あまり実用的でない。
そこで従来から、センサレスで回転位置角を推定する制御技術が開発されている。例えば、回転子が突極性を有する場合において、その突極性を利用して回転位置角を推定する方法が提案されている。
なお、本発明に関連する技術を以下に示す。上記したセンサレス制御技術は、例えば非特許文献1に示されている。
陳志謙、他3名,「突極型ブラシレスDCモータのセンサレス位置推定法と安定性の検討」,平成10年電気学会産業応用部門全国大会論文集,No.59,1998年,p.179−182 山田和範、他3名,「高周波電流注入方式による突極形PMモータの低速領域におけるセンサレス位置・速度推定法」,平成8年電気学会産業応用部門全国大会論文集,No.103,1996年,p.307−310 藍原隆司、他2名,「センサレス方式による突極形同期モータのゼロ速トルク制御」,平成8年電気学会産業応用部門全国大会論文集,No.170,1996年,p.1−2
センサレス制御技術には、突極モータを駆動する駆動電圧に重畳した高周波電圧に基づいて回転位置角を推定するものがある。すなわち、高周波電圧が重畳した駆動電圧に基づいて電圧、電流及び磁束鎖交数等の物理量を得て、それらの物理量から高周波成分が抽出される。そして、当該高周波成分を用いて回転位置角が推定される。
物理量から高周波成分を抽出する際には、例えばBPF(Band Pass Filter)やFFT(Fast Fourier Transform)が用いられる。この技術は、例えば上記した非特許文献2及び非特許文献3で紹介されている。
しかし、BPF等に入力される物理量は、突極モータの固定子に対する固定座標系で与えられるため、駆動電圧の周波数成分と高周波電圧の周波数成分とを含む。このため、高周波電圧の周波数近傍の狭い通過帯域でBPF等を設計する必要があり、そのような設計は、BPF等において位相ずれを生じる原因にもなっていた。また、位相ずれを考慮しつつも狭い通過帯域でBPF等を設計することは、困難であった。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、位相ずれの発生を妨げつつ、物理量の高周波成分を効率良く抽出することが目的とされる。
この発明の請求項1にかかるモータの回転位置角推定方法は、突極性を有するモータを駆動する駆動電圧に、前記駆動電圧の第1周波数(ω)よりも高い第2周波数(ωh)の高周波電圧(vh,α,vh,β)が重畳しており、(a)前記高周波電圧が重畳した前記駆動電圧(vα,vβ)に基づき前記モータの固定子に対する固定座標系で与えられる物理量(λα,λβ;vα,vβ;iα,iβ)を、前記モータの回転子について設定された回転座標系へと変換するステップと、(b)前記ステップ(a)で変換された前記物理量を濾波して、少なくともその直流成分を除去するステップと、(c)前記ステップ(b)で濾波された前記物理量を、前記固定座標系へと変換するステップと、(d)前記ステップ(c)で変換された前記物理量を用いて回転位置角を求めるステップとを備える。
この発明の請求項2にかかるモータの回転位置角推定方法は、請求項1記載のモータの回転位置角推定方法であって、前記ステップ(b)は、所定の周波数帯域に属する成分だけを通過させる。
この発明の請求項3にかかるモータの回転位置角推定方法は、請求項2記載のモータの回転位置角推定方法であって、前記所定の周波数帯域は、周波数の上限と下限を有する。
この発明の請求項4にかかるモータの回転位置角推定方法は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定方法であって、(A)前記高周波電圧が重畳した前記駆動電圧(vα,vβ)と、これに従って流れる電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンス(Lq;Ld)とに基づいて磁束鎖交数(λα,λβ)を求めるステップと、(B)前記ステップ(a)乃至前記ステップ(c)に従って、前記磁束鎖交数の高周波成分(λh,α,λh,β)を求めるステップとを備え、前記ステップ(d)は、(C)少なくとも前記磁束鎖交数の前記高周波成分を用いて回転位置角(θre)を求めるステップを備える。
この発明の請求項5にかかるモータの回転位置角推定方法は、請求項4記載のモータの回転位置角推定方法であって、前記ステップ(C)は、前記回転座標系で与えられる前記電流の高周波成分(ih,d;ih,q)を求め、前記磁束鎖交数の前記高周波成分(λh,α,λh,β)及び前記電流の前記高周波成分を用いて回転位置角(θre)を求める。
この発明の請求項6にかかるモータの回転位置角推定方法は、請求項4記載のモータの回転位置角推定方法であって、前記ステップ(A)〜(C)が繰り返し実行され、前記ステップ(C)は、前記磁束鎖交数の高周波成分(λh,α,λh,β)から多値で求まる前記回転位置角(θre)を、前回のステップ(C)において求められた前記回転位置角(θre1)に基づいて一つ選定する。
この発明の請求項7にかかるモータの回転位置角推定方法は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定方法であって、前記高周波電圧(vh,α,vh,β)は、前記第1周波数(ω)の値が増加/減少するに従って、前記第2周波数(ω)の値が増加/減少する。
この発明の請求項8にかかるモータの回転位置角推定方法は、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定方法であって、前記高周波電圧(vh,α,vh,β)は、前記第2周波数(ω)の複数を有する。
この発明の請求項9にかかるモータの回転位置角推定方法は、請求項4乃至請求項6のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定方法であって、前記高周波電圧(vh,α,vh,β)は、時間的に間欠なパルスである。
この発明の請求項10にかかるモータの回転位置角推定方法は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定方法であって、前記高周波電圧(vh,α,vh,β)は、前記駆動電圧を発生させる際に生じるリプルである。
この発明の請求項11にかかるインバータ制御方法は、前記モータは、電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)に基づいてインバータ(5)を介して制御され、請求項1乃至請求項10のいずれか一つにかかる回転位置角推定方法で得られる前記回転位置角(θre)を用いて、前記インバータに入力する前記電圧指令値を求める。
この発明の請求項12にかかるモータの回転位置角推定装置は、第1座標変換部(121)と、第2座標変換部(122)と、濾波部(123)と、位置角演算部とを備え、突極性を有するモータを駆動する駆動電圧に、前記駆動電圧の第1周波数(ω)よりも高い第2周波数(ωh)の高周波電圧(vh,α,vh,β)が重畳しており、前記第1座標変換部は、前記高周波電圧が重畳した前記駆動電圧に基づき前記モータの固定子に対する固定座標系で与えられる物理量(λα,λβ;vα,vβ;iα,iβ)を、前記モータの回転子について設定された回転座標系へと変換し、前記濾波部は、前記第1座標変換部で変換された前記物理量を濾波して、少なくともその直流成分を除去し、前記第2座標変換部は、前記濾波部で濾波された前記物理量を、前記固定座標系へと変換し、前記位置角演算部は、前記第2座標変換部で変換された前記物理量を用いて回転位置角を求める
この発明の請求項13にかかるモータの回転位置角推定装置は、請求項12記載のモータの回転位置角推定装置であって、前記濾波部(123)は、所定の周波数帯域に属する成分だけを通過させる。
この発明の請求項14にかかるモータの回転位置角推定装置は、請求項13記載のモータの回転位置角推定装置であって、前記濾波部(123)は、バンドパスフィルタである。
この発明の請求項15にかかるモータの回転位置角推定装置は、請求項12乃至請求項14のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定装置であって、第1演算部(11)を更に備え、前記位置角演算部は第2演算部を備え、前記第1演算部は、前記高周波電圧が重畳した前記駆動電圧(vα,vβ)と、これに従って流れる電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンス(Lq;Ld)とに基づいて磁束鎖交数(λα,λβ)を求め、前記第1座標変換部(121)、前記第2座標変換部(122)及び前記濾波部(123)は、前記磁束鎖交数の高周波成分(λh,α,λh,β)を求め、前記第2演算部は、少なくとも前記磁束鎖交数の前記高周波成分を用いて回転位置角(θre)を求める。
この発明の請求項16にかかるモータの回転位置角推定装置は、請求項15記載のモータの回転位置角推定装置であって、前記第1座標変換部(121)及び前記濾波部(123)は、前記回転座標系で与えられる前記電流の高周波成分(ih,d;ih,q)を更に求め、前記第2演算部(13)は、前記磁束鎖交数の前記高周波成分(λh,α,λh,β)及び前記電流の前記高周波成分を用いて回転位置角(θre)を求める。
この発明の請求項17にかかるモータの回転位置角推定装置は、請求項15記載のモータの回転位置角推定装置であって、前記第1演算部(11)が前記鎖交磁束を求め、前記第1座標変換部(121)、前記第2座標変換部(122)及び前記濾波部(123)が前記鎖交磁束の高周波成分を求め、前記第2演算部(23)が前記高周波成分を用いて前記回転位置角を求める工程が繰り返し実行され、前記第2演算部(23)は、前記磁束鎖交数の高周波成分(λh,α,λh,β)から多値で求まる前記回転位置角(θre)を、前回の前記工程において求められた前記回転位置角に基づいて一つ選定する。

この発明の請求項18にかかるモータの回転位置角推定装置は、請求項12乃至請求項17のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定装置であって、前記高周波電圧(vh,α,vh,β)は、前記第1周波数(ω)が増加/減少するに従って、前記第2周波数(ω)が増加/減少する。
この発明の請求項19にかかるモータの回転位置角推定装置は、請求項12乃至請求項18のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定装置であって、前記高周波電圧(vh,α,vh,β)は、前記第2周波数(ω)の複数を有する。
この発明の請求項20にかかるモータの回転位置角推定装置は、請求項15乃至請求項17のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定装置であって、前記高周波電圧(vh,α,vh,β)は、時間的に間欠なパルスである。
この発明の請求項21にかかるモータの回転位置角推定装置は、請求項12乃至請求項17のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定装置であって、前記高周波電圧(vh,α,vh,β)は、前記駆動電圧(v1,α,v1,β)を発生させる際に生じるリプルである。
この発明の請求項22にかかるインバータ制御装置は、請求項12乃至請求項21のいずれか一つにかかる回転位置角推定装置と、電流制御部(4)とを備え、前記電流制御部は、前記回転位置角推定装置で得られる前記回転位置角(θre)を用いて、電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)を求め、前記モータは、前記電圧指令値に基づいてインバータ(5)を介して制御される。
この発明の請求項1にかかるモータの回転位置角推定方法もしくは請求項12にかかるモータの回転位置角推定装置によれば、電圧、磁束鎖交数及び電流等の物理量を回転座標系へ変換することで、その第1周波数成分は直流成分となる。よって、濾波により物理量の第1周波数成分が除去され、その高周波成分だけが効率良く取り出される。しかも、濾波部において周波数の通過帯域を広く設定することができるので、濾波部での位相ずれの発生が妨げられる。
この発明の請求項2にかかるモータの回転位置角推定方法もしくは請求項13にかかるモータの回転位置角推定装置によれば、物理量の第1周波数成分を除去しつつも、高周波成分のうち所望の周波数成分だけが得られる。
この発明の請求項3にかかるモータの回転位置角推定方法もしくは請求項14にかかるモータの回転位置角推定装置によれば、高周波ノイズが除去される。
この発明の請求項4または請求項5にかかるモータの回転位置角推定方法もしくは請求項15または請求項16にかかるモータの回転位置角推定装置によれば、物理量として磁束鎖交数が採用され、その高周波成分だけが効率良く取り出される。よって、回転位置角が精度良く求まる。
この発明の請求項6にかかるモータの回転位置角推定方法もしくは請求項17にかかるモータの回転位置角推定装置によれば、電流の高周波成分を求める必要がないので、当該高周波成分が含む誤差による影響が妨げられ、より精度良く回転位置角が求まる。
この発明の請求項7にかかるモータの回転位置角推定方法もしくは請求項18にかかるモータの回転位置角推定装置によれば、第1周波数の値の減少に従って、高周波電圧の第2周波数の値も減少するので、高周波電圧による騒音が低減される。
この発明の請求項8にかかるモータの回転位置角推定方法もしくは請求項19にかかるモータの回転位置角推定装置によれば、高周波電圧が単一の周波数を有する場合に比べて、突出音が低減される。
この発明の請求項9にかかるモータの回転位置角推定方法もしくは請求項20にかかるモータの回転位置角推定装置によれば、高周波電圧が断続的に注入されるので、高周波電圧による騒音が低減される。
この発明の請求項10にかかるモータの回転位置角推定方法もしくは請求項21にかかるモータの回転位置角推定装置によれば、高周波電圧を注入する必要がなくなるので、高周波電圧による騒音がより一層低減される。
この発明の請求項11にかかるインバータ制御方法もしくは請求項22にかかるインバータ制御装置によれば、回転位置角を考慮した電圧指令値が得られるので、モータが精度良く制御される。
第1の実施の形態.
図1は、本実施の形態にかかるモータの回転位置角推定装置A1を概念的に示すブロック図である。回転位置角推定装置A1は、回転位置角推定部1、突極モータ2、高周波電圧発生部3、電流制御部4、インバータ5、3/2相変換部6、スイッチング部72、初期位置検出部8、速度制御部31、回転速度計算部32及び回転座標変換部33を備える。
電流制御部4は、電圧指令値v* 1,α,v* 1,βを発生させる。電圧指令値v* 1,α,v* 1,βは、突極モータ2の回転速度mと極対数nとの積で表される駆動電源角周波数ωを有する。ここで、下付きで示されるα及びβは、突極モータ2の固定子に対する固定座標系の直交する座標軸をそれぞれ示し、以下において同様である。
高周波電圧発生部3は、入力される位相θに従って高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βを発生させる。このとき高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βは、駆動電源角周波数ωよりも高い一定の角周波数ωを有する。
加算器34は、電圧指令値v* 1,α,v* 1,βに、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βを重畳する。そして、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βが重畳した電圧指令値v* α,v* βは、インバータ5へと入力される。
インバータ5は、3/2相変換要素51とPWM(Pulse Width Modulation)部52、インバータ回路53とを含む。入力された電圧指令値v* α,v* βは、3/2相変換要素51において2相の電圧指令値v* α,v* βから3相の電圧指令値v* ,v* ,v* へと変換される。
PWM部52は、3相電圧指令値v* ,v* ,v* のパルス幅をそれぞれ変調して、それらをインバータ回路53に与える。インバータ回路53は、パルス幅が変調された3相電圧指令値v* ,v* ,v* に基づいて3相電圧v,v,vを発生させて、突極モータ2へと3相電流i,i,iを供給する。
3/2相変換部6は、3/2相変換要素61,62を含む。3/2相変換要素61には、インバータ5から検出される3相電圧v,v,vが与えられる。3相電圧v,v,vは、インバータ5から直接に測定して得ることができる。このとき、3相電圧のうち2相分だけを検出し、残りの1相分の電圧を計算で求めても良い。また、インバータ回路53の直流部電圧とPWMパターンから演算して3相電圧v,v,vを求めてもよいし、ハードウェアにより相電圧あるいは相関電圧を検出してもよい。
3/2相変換要素62には、インバータ5から検出された3相電流i,i,iが与えられる。3相電流i,i,iは、例えばインバータ5から直接に測定して得られる。
3/2相変換要素61は、電圧3相電圧v,v,vを2相電圧vα,vβへと変換する。2相電圧vα,vβは、駆動電源角周波数ωの駆動電圧に角周波数ωの高周波電圧vh,α,vh,βが重畳している。このとき、高周波電圧vh,α,vh,βは、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βに基づいて生じている。3/2相変換要素62は、3相電流i,i,iを2相電流iα,iβへと変換する。そして、2相電圧vα,vβ及び2相電流iα,iβは、後述する回転位置角推定部1のλ演算部11に与えられる。
回転位置角演算部1は、λ演算部11、座標変換濾波部12、位置角演算部13を有する。λ演算部11は、2相電圧vα,vβ、2相電流iα,iβ及び突極モータ2のq軸インダクタンスLに基づいて、固定座標系で与えられる磁束鎖交数λα,λβを式(1)に従って求め、これを座標変換濾波部12に与える。
Figure 0004682545
式(1)で求まる磁束鎖交数λα,λβは、式(2)で表される電圧方程式に基づいて、式(3)の関係を満たす。ここで、Rは突極モータの抵抗、Lはd軸インダクタンス、Kは電機子鎖交磁束及びpは時間微分演算子をそれぞれ示す。
Figure 0004682545
Figure 0004682545
図2は、座標変換濾波部12を概念的に示すブロック図である。座標変換濾波部12は、座標変換部121,122及び濾波部123を有する。
座標変換部121は、磁束鎖交数λα,λβ及び電流iα,iβを、突極モータ2の回転子について設定された回転座標系へと変換して、磁束鎖交数λ,λ及び電流i,iをそれぞれ求める。ここで、下付きで示されるd及びqは、回転座標系の直交する座標軸をそれぞれ示し、以下において同様である。また、座標変換部121での最初の変換では、初期位置検出部8で検出される初期回転位置角θre0が採用される。その後の演算では、前回推定された回転位置角θre1が採用される。
濾波部123は、磁束鎖交数λ,λ及び電流i,iを濾波して、少なくともその直流成分を除去する。これにより、磁束鎖交数λ,λの高周波成分λh,d,λh,q及び電流i,iの高周波成分ih,d,ih,qを得る。高周波成分λh,d,λh,q及び高周波成分ih,d,ih,qは角周波数ωを有する。高周波成分λh,d,λh,qは座標変換部122に与えられ、高周波成分ih,d,ih,qのうち高周波成分ih,dが位置角演算部13に与えられる。
高周波成分λh,d,λh,qは、式(3)から高周波成分が抽出された式(4)の関係を満たす。
Figure 0004682545
濾波部123には、例えばHPF(High Pass Filter)やBPFが採用できる。特にBPFを採用した場合には、磁束鎖交数λ,λの高周波成分λh,d,λh,q及び電流i,iの高周波成分ih,d,ih,qを得つつも、不要な高周波ノイズを除去することができる。
座標変換部122は、高周波成分λh,d,λh,qを固定座標系へと変換して、高周波成分λh,α,λh,βを求める。このとき、座標変換部121と同様に、初期回転位置角θre0もしくは前回推定された回転位置角θre1が用いられる。高周波成分λh,α,λh,βは、位置角演算部13に与えられる。
電流i,iの高周波成分ih,d,ih,qは、座標変換濾波部12が有する座標変換部121及び濾波部123とは別に設けられた座標変換部121及び濾波部123で求めてもよい。また、電流iの高周波成分ih,dを得る際には、座標変換部121は電流iだけを求めてもよい。
位置角演算部13は、高周波成分λh,α,λh,βを用いて式(5)に従って回転位置角θreを求める。
Figure 0004682545
このとき、高周波成分idh及びインダクタンスL,Lに基づいて、次のようにして回転位置角θreを選定する。つまり、(L−L)・ih,d>0ならば、λh,α>0のときは−π/2から+π/2の範囲で、λh,α<0のときは+π/2から+3π/2の範囲で、それぞれ回転位置角θreを求める。また、(L−L)・ih,d<0ならば、λh,α>0のときは+π/2から+3π/2の範囲で、λh,α<0のときは−π/2から+π/2の範囲で、それぞれ回転位置角θreを求める。
λ演算部11は、2相電圧vα,vβ、2相電流iα,iβ及び突極モータ2のd軸インダクタンスLに基づいて、固定座標系で与えられる磁束鎖交数λα,λβを式(6)に従って求めてもよい。
Figure 0004682545
式(6)で求まる磁束鎖交数λα,λβは、式(7)で表される電圧方程式に基づいて、式(8)の関係を満たす。
Figure 0004682545
Figure 0004682545
この場合、濾波部123からは高周波成分ih,d,ih,qのうち高周波成分ih,qが、位置角演算部13に与えられる。このとき、座標変換部121は、電流iだけを求めてもよい。
また、濾波部123で得られる高周波成分λh,d,λh,qは、式(8)から高周波成分が抽出された式(9)の関係を満たす。
Figure 0004682545
そして、位置角演算部13は、高周波成分λh,α,λh,βを用いて式(5)に従って回転位置角θreを求める。このとき高周波成分iqh及びインダクタンスL,Lに基づいて、次のようにして回転位置角θreを選定する。つまり、(L−L)・ih,q>0ならば、λh,α>0のときは0から+πの範囲で、λh,α<0のときは+πから+2πの範囲で、それぞれ回転位置角θreを求める。また、(L−L)・ih,q<0ならば、λh,α>0のときは+πから+2πの範囲で、λh,α<0のときは0から+πの範囲で、それぞれ回転位置角θreを求める。
スイッチング72は、入力端子72a,72bと出力端子72cを有する。初期回転位置角θre0を検出する場合には、スイッチング部72は入力端子72a側にスイッチして、初期位置検出部8に接続する。また、回転位置角θreを推定する場合には、スイッチング部72は入力端子72b側にスイッチして、位置角演算部13に接続する。そして、回転位置角推定部1で推定された回転位置角θreもしくは初期位置検出部8で検出された初期回転位置角θre0は、回転速度計算部32、回転座標変換部33及び座標変換部121,122へと与えられる。
回転速度計算部32は、前回推定された回転位置角θre1を記憶しつつ、新しく推定された回転位置角θreがスイッチング部72から与えられる。そして、回転速度mを、(θre−θre1)/Δtにより求める。ここで、回転位置角推定が時間間隔Δt毎に行われているとする。求められた回転速度mは、速度制御部31へと与えられる。前回推定された回転位置角θre1は、例えば別途設けられた記憶部で記憶して、当該記憶部から与えられてもよい。
速度制御部31は、回転速度の指令値m*及び回転速度mが与えられ、これらに基づいて電流の指令値i*を出力する。電流の指令値i*は、電流制御部4に与えられる。
回転座標変換部33は、前回推定された回転位置角θre1を記憶しつつ、3/2相変換要素62から2相電流iα,iβが与えられる。そして、2相電流iα,iβを回転座標系での2相電流i,iへと変換する。回転座標は、固定座標に対して、前回推定された回転位置角θre1だけ回転している。そして、2相電流i,iは、電流制御部4へと与えられる。前回推定された回転位置角θre1は、例えば別途設けられた記憶部で記憶して、当該記憶部から与えられてもよい。
電流制御部4は、電流の指令値i*及び2相電流i,iに基づいて、回転座標系での電圧指令値v* 1,d,v* 1,qを新たに発生させる。そして、電流制御部4は、座標変換部を更に有し、電圧指令値v* 1,d,v* 1,qを固定座標系での電圧指令値v* 1,α,v* 1,βへと変換して出力する。これにより、突極モータ2の回転速度とトルクとが制御される。
電流制御部4が有する座標変換部は、例えばインバータ5内において、電流制御部4と3/2相変換要素51との間に設けられてもよい。この場合、電流制御部4からは、回転座標系での電圧指令値v* 1,d,v* 1,qが出力され、高周波電圧発生部3からは、回転座標系での高周波電圧指令値v* h,d,v* h,qが出力される。そして、加算器34で重畳された電圧指令値v* ,v* は、インバータ5内の座標変換部により固定座標系の電圧指令値v* α,v* βに変換されて、3/2相変換要素51へと与えられる。
上述したモータの回転位置角推定装置A1によれば、磁束鎖交数λα,λβを回転座標系へと変換することで、その駆動電圧角周波数ωの成分は直流成分となる。よって、濾波により磁束鎖交数λα,λβの駆動電圧角周波数ωの成分が除去され、その高周波成分λh,α,λh,βだけが効率良く取り出される。しかも、回転位置角が精度良く求められる。
さらには、濾波部123において周波数の通過帯域を広く設定することができるので、濾波部123での位相ずれの発生が妨げられる。
第2の実施の形態.
図3は、本実施の形態にかかるモータの回転位置角推定装置A2を概念的に示すブロック図である。回転位置角推定装置A2は、図1で示される高周波電圧発生部3に換えて、高周波電圧発生部30を備える。図3で示される構成要素のうち図1で示される構成要素と同じ機能を有するものには、同符号が付されている。
高周波電圧発生部30は、回転速度計算部32から回転速度mが与えられる。そして、回転速度mと極対数nとの積で求まる駆動電源角周波数ωに従って、所定の角周波数ωの高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βを発生させる。このとき、駆動電圧角周波数ωの値が増加/減少するに従って、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βの角周波数ωを増加/減少させる。例えば、角周波数ωがω=10n・m=10・ωにより求められる。
上述の内容によれば、駆動電圧角周波数ωの値が減少すると角周波数ωとの差が小さくなる。しかし、このような場合であっても、座標変換濾波部12は駆動電圧角周波数ωの成分だけを除去できる。なぜなら、駆動電圧角周波数ωの成分が直流成分に変換されるので、濾波部123において除去しやすいからである。
第1の実施の形態で説明したように、2相電圧vα,vβは、駆動電源角周波数ωの駆動電圧に角周波数ωの高周波電圧vh,α,vh,βが重畳しており、高周波電圧vh,α,vh,βは、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βに基づいて生じている。従って上述の内容は、駆動電圧角周波数ωの値が増加/減少するに従って、高周波電圧vh,α,vh,βの角周波数ωを増加/減少させると、把握することができる。
上述した回転位置角推定装置A2よれば、駆動電圧角周波数ωの値の減少に従って、高周波電圧vh,α,vh,βの角周波数ωの値も減少されるので、第1の実施の形態で説明した効果を得つつも、高周波電圧による騒音が低減される。
上述したいずれの実施の形態においても、高周波電圧vh,α,vh,βは、複数の角周波数ωを有してもよい。図4は、複数の角周波数ωを有する高周波電圧vh,α,vh,βを概念的に示す。高周波電圧vh,αは実線で、高周波電圧vh,βは破線でそれぞれ示されている。いずれにしても複数の角周波数ωを含むため、正弦波とは異なった波形を有する。
この内容によれば、高周波電圧vh,α,vh,βが単一の周波数ωを有する場合に比べて、突出音が低減される。
また、濾波部123にHPFやBPFを採用することで、所定の周波数帯域に属する成分だけを通過させることができる。よって、磁束鎖交数λα,λβの駆動電源角周波数ωの成分を除去しつつも、その高周波成分のうち所望の周波数成分だけを得ることができる。しかも、BPFを採用した場合には、不要な高周波ノイズを除去することもできる。
上述したいずれの実施の形態においても、高周波電圧vh,α,vh,βは、時間的に間欠なパルスであってもよい。図5は、時間的に間欠な高周波電圧vh,α,vh,βを概念的に示す。高周波電圧vh,αは実線で、高周波電圧vh,βは破線でそれぞれ示されている。いずれにしても、短期間では周期的に変化するものの、高周波電圧を生じない期間を有する。
この内容によれば、高周波電圧vh,α,vh,βが断続的に注入されるので、高周波電圧vh,α,vh,βによる騒音が低減される。
第3の実施の形態.
図6は、本実施の形態にかかるモータの回転位置角推定装置A3を概念的に示すブロック図である。図6で示される構成要素のうち図1で示される構成要素と同じ機能を有するものには、同符号が付されている。
回転位置角推定装置A3では、電流制御部4から出力された電圧指令値v* 1,α,v* 1,βがインバータ5に入力される。インバータ5では、まず3/2相変換要素51において、電圧指令値v* 1,α,v* 1,βが3相電圧指令値v* 1,u,v* 1,v,v* 1,wに変換される。
PWM部52は、3相電圧指令値v* 1,u,v* 1,v,v* 1,wのパルス幅をそれぞれ変調させる。このとき、3相電圧指令値v* 1,u,v* 1,v,v* 1,wには、高い角周波数ωを有するリプルが生じる。そして、インバータ回路53は、リプルを含む3相電圧指令値v* 1,u,v* 1,v,v* 1,wに基づいて3相電圧v,v,vを発生させる。
3相電圧v,v,vは、3/2相変換要素61において、リプルが重畳した2相電圧vα,vβへと変換される。このとき、リプルを角周波数ωの高周波電圧vh,α,vh,βとして扱うこととすれば、第1の実施の形態と同様にして、回転位置角推定部1において回転位置角θreが推定できる。
上述した回転位置角推定装置A3によれば、高周波電圧vh,α,vh,βを注入する必要がなくなるので、第1の実施の形態で説明した効果を得つつも、高周波電圧vh,α,vh,βによる騒音がより一層低減される。
第4の実施の形態.
上述したいずれの実施の形態においても、前回推定された回転位置角θre1に基づいて回転位置角θreを推定してもよい。
図7は、本実施の形態にかかる回転位置角推定部2を概念的に示すブロック図である。回転位置角推定部2は、図1、図3及び図6で示される回転位置角推定部1に代えて採用される。
回転位置角推定部2は、λ演算部11、座標変換濾波部12、位置角演算部23を有する。λ演算部11及び座標変換濾波部12は、第1の実施の形態で説明したと同様に動作する。ただし、座標変換濾波部12は、磁束鎖交数λα,λβの高周波成分λh,α,λh,βだけを求める。
図8は、位置角演算部23を概念的に示すブロック図である。位置角演算部23は、逆正接部231及び選定部232を有する。演算部23には、高周波成分λh,α,λh,βと、前回推定された回転位置角θre1とが与えられる。
逆正接部231は、高周波成分λh,α,λh,βが与えられ、式(5)に従って(λh,β/λh,α)の逆正接を求める。このとき、2相電圧vα,vβ、2相電流iα,iβ及び突極モータ2のq軸インダクタンスLに基づいて磁束鎖交数λα,λβが求められる場合には、角度θ* reは−π/2から+π/2の範囲に限定される。また、2相電圧vα,vβ、2相電流iα,iβ及び突極モータ2のd軸インダクタンスLに基づいて磁束鎖交数λα,λβが求められる場合には、角度θ* reは0から+πの範囲に限定される。そして、角度θ* reは選定部232に与えられる。
選定部232は、図9で示されるフローチャートに従って、回転位置角θreを選定する。逆正接部231で求められた角度θ* reは、ステップ101で用いられる。角度θ* reが前回推定された回転位置角θre1よりも大きい場合には、ステップ102において角度θ* reから回転位置角θre1を差し引くことで差分Δθが求められる。また、角度θ* reが回転位置角θre1よりも小さい場合には、ステップ103において回転位置角θre1から角度θ* reを差し引くことで差分Δθが求められる。
ステップ104において差分Δθがπよりも大きいと判断された場合には、ステップ105において2πから差分Δθを差し引いた値を、新たな差分Δθとして更新する。また、ステップ104において差分Δθがπよりも小さいと判断された場合には、差分Δθは更新されない。
選定部232に与えられた角度θ* reは、ステップ106でも用いられる。角度(θ* re+π)が前回推定された回転位置角θre1よりも大きい場合には、ステップ107において角度(θ* re+π)から回転位置角θre1を差し引くことで差分Δθが求められる。また、角度(θ* re+π)が回転位置角θre1よりも小さい場合には、ステップ108において回転位置角θre1から角度(θ* re+π)を差し引くことで差分Δθが求められる。
ステップ109において差分Δθがπよりも大きいと判断された場合には、ステップ110において2πから差分Δθを差し引いた値を、新たな差分Δθとして更新する。また、ステップ109において差分Δθがπよりも小さいと判断された場合には、差分Δθは更新されない。
ステップ111において差分Δθが差分Δθよりも大きいと判断された場合には、ステップ112において回転位置角θreとして角度(θ* re+π)を採用する。また、ステップ111において差分Δθが差分Δθよりも小さいと判断された場合には、回転位置角θreとして角度θ* reを採用する。そして、回転位置角θreは位置角演算部23から出力される。
上述した内容は、多値で求まる回転位置角θreを、前回推定された回転位置角θre1に基づいて一つ選定すると把握することができる。
上述した回転位置角推定部2によれば、第1乃至第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。しかも、電流の高周波成分ih,d,ih,qを求める必要がないので、高周波成分ih,d,ih,qが含む誤差による影響が妨げられ、より精度良く回転位置角θreが求まる。
上述したいずれの実施の形態も、磁束鎖交数を用いずに回転位置角θreを推定する突極モータの回転位置角推定装置に適用することができる。この場合には、電圧vα,vβや電流iα,iβ等の物理量に対して座標変換濾波部12を適用することで、それらの高周波成分が抽出される。ただし、時間的に間欠な高周波電圧vh,α,vh,βは、磁束鎖交数を用いて回転位置角θreを推定する場合に適用することが望ましい。
上述したいずれの実施の形態においても、次のように把握することができる。つまり、電圧指令値v* 1,α,v* 1,βは、回転位置角推定部1で得られる回転位置角θreを用いて電流制御部4において求められる。そして、電圧指令値v* 1,α,v* 1,βに基づいて、インバータ5を介して突極モータ2が制御される。
これによれば、回転位置角θreを考慮した電圧指令値v* 1,α,v* 1,βが得られるので、突極モータ2が精度良く制御される。
第1の実施の形態で説明される、モータの回転位置角推定装置を概念的に示すブロック図である。 座標変換濾波部を概念的に示すブロック図である。 第2の実施の形態で説明される、モータの回転位置角推定装置を概念的に示すブロック図である。 高周波電圧vh,α,vh,βを概念的に示す図である。 高周波電圧vh,α,vh,βを概念的に示す図である。 第3の実施の形態で説明される、モータの回転位置角推定装置を概念的に示すブロック図である。 第4の実施の形態で説明される、回転位置角推定部2を概念的に示すブロック図である。 位置角演算部23を概念的に示すブロック図である。 回転位置角の選定方法を概念的に示すフローチャート図である。
符号の説明
11 λ演算部(第1演算部)
13,23 位置角演算部(第2演算部)
121,122 座標変換部
123 濾波部
ω 駆動電圧角周波数(第1周波数)
ω 高周波電圧の角周波数(第2周波数)
h,α,vh,β 高周波電圧
λα,λβ 磁束鎖交数(物理量)
α,vβ 電圧(物理量)
α,iβ 電流(物理量)
,L インダクタンス
h,d,ih,q 電流の高周波成分
λh,α,λh,β 磁束鎖交数の高周波成分
θre,θre1 回転位置角

Claims (22)

  1. 突極性を有するモータを駆動する駆動電圧に、前記駆動電圧の第1周波数(ω)よりも高い第2周波数(ωh)の高周波電圧(vh,α,vh,β)が重畳しており、
    (a)前記高周波電圧が重畳した前記駆動電圧(vα,vβ)に基づき前記モータの固定子に対する固定座標系で与えられる物理量(λα,λβ;vα,vβ;iα,iβ)を、前記モータの回転子について設定された回転座標系へと変換するステップと、
    (b)前記ステップ(a)で変換された前記物理量を濾波して、少なくともその直流成分を除去するステップと、
    (c)前記ステップ(b)で濾波された前記物理量を、前記固定座標系へと変換するステップと
    (d)前記ステップ(c)で変換された前記物理量を用いて回転位置角を求めるステップと
    を備える、モータの回転位置角推定方法。
  2. 前記ステップ(b)は、所定の周波数帯域に属する成分だけを通過させる、請求項1記載のモータの回転位置角推定方法。
  3. 前記所定の周波数帯域は、周波数の上限と下限を有する、請求項2記載のモータの回転位置角推定方法。
  4. (A)前記高周波電圧が重畳した前記駆動電圧(vα,vβ)と、これに従って流れる電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンス(Lq;Ld)とに基づいて磁束鎖交数(λα,λβ)を求めるステップと、
    (B)前記ステップ(a)乃至前記ステップ(c)に従って、前記磁束鎖交数の高周波成分(λh,α,λh,β)を求めるステップ
    を備え、
    前記ステップ(d)は、
    (C)少なくとも前記磁束鎖交数の前記高周波成分を用いて回転位置角(θre)を求めるステッ
    備える、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定方法。
  5. 前記ステップ(C)は、
    前記回転座標系で与えられる前記電流の高周波成分(ih,d;ih,q)を求め、
    前記磁束鎖交数の前記高周波成分(λh,α,λh,β)及び前記電流の前記高周波成分を用いて回転位置角(θre)を求める、請求項4記載のモータの回転位置角推定方法。
  6. 前記ステップ(A)〜(C)が繰り返し実行され、前記ステップ(C)は、前記磁束鎖交数の高周波成分(λh,αh,β)から多値で求まる前記回転位置角(θre)を、前回のステップ(C)において求められた前記回転位置角(θre1)に基づいて一つ選定する、請求項4記載のモータの回転位置角推定方法。
  7. 前記高周波電圧(vh,α,vh,β)は、前記第1周波数(ω)の値が増加/減少するに従って、前記第2周波数(ω)の値が増加/減少する、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定方法。
  8. 前記高周波電圧(vh,α,vh,β)は、前記第2周波数(ω)の複数を有する、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定方法。
  9. 前記高周波電圧(vh,α,vh,β)は、時間的に間欠なパルスである、請求項4乃至請求項6のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定方法。
  10. 前記高周波電圧(vh,α,vh,β)は、前記駆動電圧を発生させる際に生じるリプルである、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定方法。
  11. 前記モータは、電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)に基づいてインバータ(5)を介して制御され、
    請求項1乃至請求項10のいずれか一つにかかるモータの回転位置角推定方法で得られる前記回転位置角(θre)を用いて、前記インバータに入力する前記電圧指令値を求める、インバータ制御方法。
  12. 第1座標変換部(121)と、
    第2座標変換部(122)と、
    濾波部(123)と
    位置角演算部と
    を備え、
    突極性を有するモータを駆動する駆動電圧に、前記駆動電圧の第1周波数(ω)よりも高い第2周波数(ωh)の高周波電圧(vh,α,vh,β)が重畳しており、
    前記第1座標変換部は、前記高周波電圧が重畳した前記駆動電圧に基づき前記モータの固定子に対する固定座標系で与えられる物理量(λα,λβ;vα,vβ;iα,iβ)を、前記モータの回転子について設定された回転座標系へと変換し、
    前記濾波部は、前記第1座標変換部で変換された前記物理量を濾波して、少なくともその直流成分を除去し、
    前記第2座標変換部は、前記濾波部で濾波された前記物理量を、前記固定座標系へと変換し、
    前記位置角演算部は、前記第2座標変換部で変換された前記物理量を用いて回転位置角を求める、モータの回転位置角推定装置。
  13. 前記濾波部(123)は、所定の周波数帯域に属する成分だけを通過させる、請求項12記載のモータの回転位置角推定装置。
  14. 前記濾波部(123)は、バンドパスフィルタである、請求項13記載のモータの回転位置角推定装置。
  15. 第1演算部(11)を更に備え、
    前記位置角演算部は第2演算部を備え、
    前記第1演算部は、前記高周波電圧が重畳した前記駆動電圧(vα,vβ)と、これに従って流れる電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンス(Lq;Ld)とに基づいて磁束鎖交数(λα,λβ)を求め、
    前記第1座標変換部(121)、前記第2座標変換部(122)及び前記濾波部(123)は、前記磁束鎖交数の高周波成分(λh,α,λh,β)を求め、
    前記第2演算部は、少なくとも前記磁束鎖交数の前記高周波成分を用いて回転位置角(θre)を求める、請求項12乃至請求項14のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定装置。
  16. 前記第1座標変換部(121)及び前記濾波部(123)は、前記回転座標系で与えられる前記電流の高周波成分(ih,d;ih,q)を更に求め、
    前記第2演算部(13)は、前記磁束鎖交数の前記高周波成分(λh,α,λh,β)及び前記電流の前記高周波成分を用いて回転位置角(θre)を求める、請求項15記載のモータの回転位置角推定装置。
  17. 前記第1演算部(11)が前記鎖交磁束を求め、前記第1座標変換部(121)、前記第2座標変換部(122)及び前記濾波部(123)が前記鎖交磁束の高周波成分を求め、前記第2演算部(23)が前記高周波成分を用いて前記回転位置角を求める工程が繰り返し実行され、
    前記第2演算部(23)は、前記磁束鎖交数の高周波成分(λh,α,λh,β)から多値で求まる前記回転位置角(θre)を、前回の前記工程において求められた前記回転位置角に基づいて一つ選定する、請求項15記載のモータの回転位置角推定装置。
  18. 前記高周波電圧(vh,α,vh,β)は、前記第1周波数(ω)が増加/減少するに従って、前記第2周波数(ω)が増加/減少する、請求項12乃至請求項17のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定装置。
  19. 前記高周波電圧(vh,α,vh,β)は、前記第2周波数(ω)の複数を有する、請求項12乃至請求項18のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定装置。
  20. 前記高周波電圧(vh,α,vh,β)は、時間的に間欠なパルスである、請求項15乃至請求項17のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定装置。
  21. 前記高周波電圧(vh,α,vh,β)は、前記駆動電圧(v1,α,v1,β)を発生させる際に生じるリプルである、請求項12乃至請求項17のいずれか一つに記載のモータの回転位置角推定装置。
  22. 請求項12乃至請求項21のいずれか一つにかかるモータの回転位置角推定装置と、
    電流制御部(4)と
    を備え、
    前記電流制御部は、前記回転位置角推定装置で得られる前記回転位置角(θre)を用いて、電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)を求め、
    前記モータは、前記電圧指令値に基づいてインバータ(5)を介して制御される、インバータ制御装置。
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