JP2003109589A - リチウム電池用負極活物質材料及びその製造方法並びに該材料を用いた負極 - Google Patents

リチウム電池用負極活物質材料及びその製造方法並びに該材料を用いた負極

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JP2003109589A JP2001303059A JP2001303059A JP2003109589A JP 2003109589 A JP2003109589 A JP 2003109589A JP 2001303059 A JP2001303059 A JP 2001303059A JP 2001303059 A JP2001303059 A JP 2001303059A JP 2003109589 A JP2003109589 A JP 2003109589A
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Takeshi Machino
毅 町野
Yusuke Watarai
祐介 渡會
Nariyoshi Ri
成圭 李
Tadashi Sugihara
忠 杉原
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオンの吸蔵及び放出時における負極の体積
変化を低減する。またリチウム電池の充放電効率が高
く、サイクル寿命及びエネルギ密度が低下せず、内部抵
抗が増大しない。 【解決手段】 負極活物質材料は、平均粒径が1〜10
0nmである球状のシリコン粉末を主成分とする。この
負極活物質材料には、球状のシリコン粉末を10〜98
重量%含む。シリコン粉末に、リン、ホウ素及びアルミ
ニウムの元素を不純物としてドープしても良い。製造方
法は、平均粒径が1〜100nmである球状のシリカ粉
末を還元処理することにより球状のシリコン粉末を得
る。球状のシリカ粉末は、塩化ケイ素又はシラン類と酸
素と水素が混合されたガス混合物を火炎加水分解するこ
とにより得る。還元処理は、水素を5〜100vol%
含む雰囲気であって、500〜1100℃の温度で行わ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム電池用負
極活物質材料と、リチウム電池用負極活物質材料の製造
方法と、その負極活物質材料を用いた負極と、この負極
を用いたリチウム電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、シリコン、或いはシリコンベース
の合金又は化合物がリチウム電池の負極材料として注目
されている(特開平10−83817号)。例えば、特
開平10−83817号公報には、シリコンを主成分と
する負極材料がリチウムイオンなどの軽金属イオンをド
ープ及び脱ドープ可能な性質を有するように構成された
負極材料が開示されている。この負極材料では、シリコ
ンがシリコン単体(単結晶)であるか、或いはSiO2
やSiC等のシリコン化合物である。また負極材料に導
電性を付与するために、p型又はn型の不純物がドープ
される。なお、上記負極材料を用いて負極を製造するに
は、先ずシリコン単体の単結晶又はシリコン化合物の単
結晶を粉砕し、その後メッシュ篩により分級して直径が
38μm以下の粉末をアルゴンガス雰囲気中で加熱して
乾燥することによりシリコン粉末を作製する。次にこの
シリコン粉末と結着剤と溶媒と導電材と混合してスラリ
ーを調製する。更にこのスラリーを集電体に塗布し乾燥
することにより、負極が製造される。またこの負極と、
正極と、非水電解液とを用いて非水電解液リチウム電池
が製造される。このように製造された負極では、炭素質
材料を主成分とする負極に比べて密度が高く、結着剤に
より互いに結着されたシリコン粉末の層間や微細な空間
にリチウムイオンを多量にドープ及び脱ドープできる。
従って、上記負極材料を用いた非水電解液リチウム電池
は、充放電容量が高くなり、単位体積当りのエネルギ密
度を増大できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の特
開平10−83817号公報に示された負極材料を用い
た非水電解液リチウム電池では、シリコン粉末がシリコ
ン単体の単結晶又はシリコン化合物の単結晶を粉砕する
ことにより得るため、シリコン粉末自体が非常に粗くな
り、また直径が比較的大きな38μm以下のシリコン粉
末を用いるため、リチウムイオンの吸蔵及び放出時にお
ける体積変化が大きい不具合がある。また、粉砕する際
にシリコン粉末に亀裂が発生する場合もあり、シリコン
粉末内に亀裂が発生すると、このシリコン粉末を負極活
物質材料とするリチウム電池の充放電時におけるイオン
のインターカレーションを吸蔵し、結果的にそのサイク
ル特性が低下し、サイクル寿命が短くなる不具合があっ
た。本発明の目的は、比較的簡単な工程で製造でき、リ
チウムイオンの吸蔵及び放出時における体積変化を低減
できるリチウム電池用負極活物質材料及びその製造方法
並びに該材料を用いた負極を提供することにある。本発
明の別の目的は、充放電効率が高く、サイクル寿命及び
エネルギ密度が低下せず、更に内部抵抗が増大しないリ
チウム電池を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
平均粒径が1〜100nmである球状のシリコン粉末を
主成分とするリチウム電池用負極活物質材料である。こ
の請求項1に記載された負極活物質材料では、この負極
活物質材料がリチウムイオンを吸蔵するときに膨張し、
リチウムイオンを放出するときに収縮するけれども、負
極活物質が極めて小さな1〜100nmである球状のシ
リコン粉末により形成されているため、上記リチウムイ
オンの吸蔵及び放出時の体積変化を従来より低減でき
る。請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であっ
て、シリコン粉末を10〜98重量%含むリチウム電池
用負極活物質材料である。この請求項2に記載された負
極活物質材料は、シリコン粉末を10〜98重量%含
み、残部が炭素系粉末及び金属粉末の導電助剤であるこ
とが好ましい。
【0005】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
係る発明であって、シリコン粉末に、リン、ホウ素及び
アルミニウムからなる群より選ばれた1種又は2種以上
の元素が不純物としてドープされたことを特徴とする。
この請求項3に記載された負極活物質材料では、上記不
純物を負極活物質材料にドープすることにより、導電性
の低いシリコン粉末からなる負極活物質の導電性を高め
ることができる。
【0006】請求項4に係る発明は、請求項1ないし3
いずれかに記載の負極活物質材料を用いて形成された負
極である。この請求項4に記載された負極では、負極活
物質であるシリコン粉末によるリチウムイオンの吸蔵及
び放出時における体積変化が平均粒径が1〜100nm
である球状のシリコン粉末を主成分とすることで緩和さ
れるので、負極のサイクル寿命を延すことができる。ま
た負極活物質材料への導電助剤の添加量を少なくして
も、負極の充放電効率が低下しないので、負極のエネル
ギ密度及び内部抵抗は増大しない。
【0007】請求項5に係る発明は、請求項4に記載の
負極を用いたリチウム電池及びリチウムポリマー電池で
ある。この請求項5に記載されたリチウム電池及びリチ
ウムポリマー電池では、負極活物質であるシリコン粉末
によるリチウムイオンの吸蔵及び放出時における体積変
化が緩和されるので、リチウム電池のサイクル寿命を延
すことができる。また負極活物質材料への導電助剤の添
加量を少なくしても、リチウム電池及びリチウムポリマ
ー電池の充放電効率が低下しないので、リチウム電池及
びリチウムポリマー電池のエネルギ密度及び内部抵抗は
増大しない。
【0008】請求項6に係る発明は、平均粒径が1〜1
00nmである球状のシリカ粉末を還元処理することに
より球状のシリコン粉末を得るリチウム電池用負極活物
質材料の製造方法である。この請求項6に記載された負
極活物質材料の製造方法では、粒子表面に傷、ひびなど
のひずみ、およそそのひずみに基づくストレスのない請
求項1ないし3いずれかに記載された負極活物質材料を
製造できる。
【0009】請求項7に係る発明は、請求項6に係る発
明であって、平均粒径が1〜100nmである球状のシ
リカ粉末が、塩化ケイ素又はシラン類と酸素と水素が混
合されたガス混合物を火炎加水分解することにより得ら
れたことを特徴とする。この請求項7に記載された負極
活物質材料の製造方法では、比較的簡単な工程で平均粒
径が1〜100nmである球状のシリカ粉末を得ること
ができる。
【0010】請求項8に係る発明は、請求項6又は7に
係る発明であって、還元処理が、水素を5〜100vo
l%含む雰囲気であって、500〜1100℃の温度で
行われることを特徴とする。この請求項8に記載された
負極活物質材料の製造方法では、比較的簡単な工程で平
均粒径が1〜100nmである球状のシリコン粉末を得
ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。本発明のリチウム電池用負極活物質
材料は、平均粒径が1〜100nmである球状のシリコ
ン粉末を主成分とする。ここで、シリコン粉末の更に好
ましい粒径は5〜50nmである。このシリコン粉末の
粒径を1〜100nmの範囲に限定したのは、1nm未
満では活物質の充填密度が減少する不具合があり、10
0nmを越えると粒子にひびなどのひずみが生じやすく
なり、粒子が微細化するという不具合があるからであ
る。また負極活物質材料は上記シリコン粉末を10〜9
8重量%、好ましくは50〜95重量%含む。シリコン
粉末の含有量を10〜98重量%の範囲に限定したの
は、10重量%未満では活物質の含有量が少なくなるた
め、エネルギ密度が減少するという不具合があり、98
重量%を越えると、シリコンは電気電導性が悪いため、
電極の内部抵抗が上昇して高い放電電流での放電容量の
減少等の電池特性が低下する不具合があるからである。
なお、シリコン粉末には、リン、ホウ素及びアルミニウ
ムからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素を不
純物としてドープすることが好ましい。
【0012】次に、このような負極活物質材料及びリチ
ウム電池の製造方法を説明する。 シリカ粉末の製造 先ず、平均粒径が1〜100nmである球状のシリカ粉
末を製造して準備する。このシリカ粉末は、塩化ケイ素
又はシラン類と酸素と水素が混合されたガス混合物を火
炎加水分解することにより作られる。具体的に説明する
と、このシリカ粉末を製造する装置は、図1に示すよう
に、熱分解法酸化物の製造のために従来公知の構造形式
のバーナー1中に付加的に1つの管5が軸線方向に配置
されており、この管が、バーナーのノズル3の前方部で
開口していることを特徴としている。以下、本発明に用
いるシリカ粉末の製造方法を詳述する。
【0013】バーナー1の中央管2に四塩化ケイ素、水
素及び空気よりなる原料混合ガスを導入管2aにより導
入する。この原料混合ガスはバーナー1のノズル3から
流れ、燃焼室8及びこれと接続している水冷却した火炎
管9中で燃焼する。この間、中央管2を包囲する環状ノ
ズル4中にノズルでの焼付きを回避するために二次水素
を導入管4aにより導入する。原料混合ガスは燃焼室8
及びこれと接続している火炎管9中で燃焼してシリカ粉
末が生成される。得られたシリカ粉末は公知方法により
流出気体流から分離されて、平均粒径が1〜100nm
である球状のシリカ粉末が得られる。
【0014】 球状のシリコン粉末の製造 球状のシリコン粉末は、平均粒径が1〜100nmであ
る球状のシリカ粉末を還元処理することにより得る。具
体的に説明すると、上述したように得られた平均粒径が
1〜100nmである球状のシリカ粉末を、水素を5〜
100vol%含む雰囲気であって、500〜1100
℃の温度で還元処理することにより球状のシリコン粉末
を得る。このシリコン粉末の平均粒径は、平均粒径が1
〜100nmである球状のシリカ粉末を還元処理するの
で、1〜100nmになりその形状が球状になる。ここ
で、還元温度が500℃未満では、反応が十分に進行せ
ず、シリコン粉末の結晶性が低下する不具合があり、還
元温度が1100℃を越えると、粒成長が起きるため、
所定粒径のシリコン粉末を得ることが困難になる。ここ
で、還元温度は700〜1100℃であることが更に好
ましい。また、水素を5〜100vol%含む雰囲気に
限定するのは還元が十分に行われるためであり、水素が
5vol%未満では、還元反応が十分に進行せず、シリ
コン粉末の結晶性が低下する不具合があり、水素が40
〜95vol%であることが更に好ましい。このように
して得られた平均粒径が1〜100nmである球状のシ
リコン粉末が負極活物質となる。
【0015】このように製造された負極活物質材料で
は、負極活物質が比較的小さな平均粒径が1〜100n
mである球状のシリコン粉末により形成されているた
め、負極活物質によるリチウムイオンの吸蔵及び放出時
の体積変化が緩和される。この結果、上記負極活物質に
よるリチウムイオンの吸蔵及び放出時の体積変化を低減
できる。なお、シリコン粉末と酸化物粉末とを混合する
ときに、リン、ホウ素及びアルミニウムからなる群より
選ばれた1種又は2種以上の元素を不純物として混合し
てもよい。このような不純物を混合することにより、導
電性の低いシリコン粉末からなる負極活物質の導電性を
高めることができる。
【0016】 負極の作製 先ず上記にて得られたシリコン粉末(負極活物質)
と、炭素粉末やリチウムと反応しない金属粉末等の導電
助剤と、ポリフッ化ビニリデン(PFV)の結着剤とを
所定の割合で混合することにより負極スラリーを調製す
る。ここで結着剤はアセトン等の溶剤に溶解させた状態
で混合される。次に負極スラリーを負極集電体箔の上面
に、スクリーン印刷法やドクタブレード法などにより塗
布して乾燥して負極を作製する。なお、負極スラリーを
ガラス基板上に塗布し乾燥した後に、ガラス基板から剥
離して負極フィルムを作製し、更にこの負極フィルムを
負極集電体に重ねて所定の圧力でプレス成形することに
より、負極を作製してもよい。
【0017】このように製造された負極では、負極活物
質であるシリコン粉末の平均粒径が比較的小さな1〜1
00nmに限定されかつ粒径であるので、リチウムイオ
ンの吸蔵及び放出時における体積変化が緩和され、負極
のサイクル寿命を延すことができる。また負極活物質材
料への導電助剤の添加量を少なくしても、負極の充放電
効率が低下しないので、負極のエネルギ密度及び内部抵
抗は増大しない。
【0018】 リチウム電池の作製 上記にて得られた負極に、エチレンカーボネート(E
C)とディエチレンカーボネート(DEC)を1:1重
量%で混合した混合溶媒と過塩素酸リチウムを1モル/
リットル溶解させたもの等の非水電解液を含む電解質層
と、LiCoO 2等により形成された正極とを積層する
ことにより、非水電解液リチウム電池が得られる。また
上記にて得られた負極に、ポリエチレンオキシドやポ
リフッ化ビニリデン等からなるポリマー電解質層と、L
iCoO2等の正極活物質を含む正極スラリーを正極集
電体に塗布し乾燥した正極とを積層することにより、リ
チウムポリマーリチウム電池が得られる。
【0019】このように製造された非水電解液リチウム
電池やリチウムポリマーリチウム電池では、負極活物質
であるシリコン粉末によるリチウムイオンの吸蔵及び放
出時における体積変化が緩和されるので、リチウム電池
のサイクル寿命を延すことができる。また負極活物質材
料への導電助剤の添加量を少なくしても、リチウム電池
の充放電効率が低下しないので、リチウム電池のエネル
ギ密度及び内部抵抗は増大しない。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1> 球状シリコン粉末の製造 塩化ケイ素又はシラン類と酸素と水素が混合されたガス
混合物を火炎加水分解することにより球状のシリカ粉末
を得た。そのシリカ粉末を還元処理することにより球状
のシリコン粉末を得た。そのシリコン粉末をメッシュ篩
により分級して直径が100nmの粉末を集めた。この
粉末をアルゴン雰囲気中で30℃/分の昇温速度で15
0℃(到達温度)にまで加熱し、その温度を1時間保持
した。これにより、表面に吸着した水分などを除去し
た。そして、この球状のシリコン粉末を室温まで冷却し
た。
【0021】 負極(作用極)に作製 先ず上記シリコン粉末(負極活物質)75重量%と、炭
素粉末からなる導電助剤20重量%と、ポリフッ化ビニ
リデン(PVdF)からなる結着剤5重量%とを混合し
て負極スラリーを調製した。ここで上記結着剤の溶剤と
してアセトンを用いた。次いで上記負極スラリーをガラ
ス基板上に塗布して乾燥した後に剥離することにより厚
さ0.09cmの負極フィルムを作製した。この負極フ
ィルムを縦×横がそれぞれ1.2cm×1.2cmの正
方形に切断して、2枚の正方形の負極フィルムを得た。
次にこれらの負極フィルムを縦×横×厚さがそれぞれ1
cm×1cm×0.1cmの正方形金属網状の負極集電
体の両面に配置して積層体を作製した。更にこの積層体
に110〜130℃に加熱されたプレス機で0.5〜3
MPaの圧力をかけて圧着した。これにより負極(作用
極)を得た。この負極(作用極)を実施例1とした。
【0022】<実施例2>球状のシリコン粉末をメッシ
ュ篩により分級して直径が50nmの粉末を集めたこと
を除いて、実施例1と同様にして負極(作用極)を作製
した。この負極(作用極)を実施例2とした。 <実施例3>予めリンによるドープを施して導電性を与
え、十分に乾燥させたシリコン粉末を用いたこと、及び
シリコン粉末(負極活物質)85重量%と、炭素粉末か
らなる導電助剤10重量%と、ポリフッ化ビニリデン
(PVdF)からなる結着剤5重量%とを混合して負極
スラリーを調製したことを除いて、実施例1と同様にし
て負極(作用極)を作製した。この負極(作用極)を実
施例3とした。
【0023】<比較例1>球状のシリコン粉末をメッシ
ュ篩により分級して直径が1μmの粉末を集めたことを
除いて、実施例1と同様にして負極(作用極)を作製し
た。この負極(作用極)を比較例1とした。 <比較例2>球状のシリコン粉末をメッシュ篩により分
級して直径が10μmの粉末を集めたことを除いて、実
施例1と同様にして負極(作用極)を作製した。この負
極(作用極)を比較例2とした。
【0024】<比較試験及び評価>図2に示すように、
実施例1〜3及び比較例1並びに比較例2の負極21
(作用極)を充放電サイクル試験装置31に取付けた。
この装置31は、容器32に電解液33(リチウム塩を
有機溶媒に溶かしたもの)が貯留され、上記負極21が
正極22(縦×横×厚さがそれぞれ2cm×2cm×
0.2cmの金属リチウム板:対極)及び参照極23
(縦×横×厚さがそれぞれ1cm×1cm×0.2cm
の金属リチウム板)とともに電解液33に浸され、更に
負極21(作用極),正極22(対極)及び参照極23
がポテンシオスタット34(ポテンショメータ)にそれ
ぞれ電気的に接続された構成となっている。この装置を
用いて充放電サイクル試験を行い、各負極(作用極)の
初回放電容量と、初回充放電効率と、サイクル特性をそ
れぞれ測定し、その結果を、負極活物質であるシリコン
粉末の粒径と、導電助剤と結着剤と不純物の種類と、負
極活物質と導電助剤と結着剤との混合割合とともに、表
1に示す。
【0025】なお、充放電試験は、充電及び放電時の電
流密度を0.5mA/cm2とし、充電時に初期電圧か
ら0.1VまでCVCC法で負極(作用極)にリチウム
を吸蔵させ、放電時に2VまでCC法で負極(作用極)
からリチウムを放出させることにより行った。初回放電
容量は最初の放電時の容量であり、充電時初回充放電効
率は[(初回放電容量/初回受電容量)×100%]よ
り算出した。またサイクル特性(%)は次の式(1)より
算出した。 サイクル特性=(20サイクル目の放電容量/初回放電容量)×100…(1)
【0026】
【表1】
【0027】表1から明らかなように、初回放電容量は
比較例1及び比較例2では843mAh/g及び720
mAh/gと小さいのに対し、実施例1〜3では911
〜955mAh/gと若干高くなった。また、初回充放
電効率は比較例1及び比較例2では48%及び60%と
低かったのに対し、実施例1〜3では83〜88%と高
くなった。またサイクル特性は比較例1及び比較例2で
は56%及び31%と低かったのに対し、実施例1〜3
では91〜93%と高くなった。これらの結果は球状シ
リコンの粒径の相違に起因するものと考えられる。一
方、不純物をドープするとともに導電助剤を減らした実
施例3は、実施例1及び実施例2に比較して、初回放電
容量、充放電効率及びサイクル特性は殆ど低下しなかっ
た。このため負極活物質の密度が高くなって、二次電池
の充放電容量を増大できることが判る。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、平
均粒径が極めて小さな1〜100nmである球状のシリ
コン粉末を主成分とするので、リチウムイオンの吸蔵及
び放出時の体積変化を従来より低減できる。また、この
シリコン粉末に、リン、ホウ素及びアルミニウムからな
る群より選ばれた1種又は2種以上の元素を不純物とし
てドープすれば、導電性の低いシリコン粉末からなる負
極活物質の導電性を高めることができる。また負極を上
記負極活物質材料を用いて形成すれば、負極活物質であ
るシリコン粉末によるリチウムイオンの吸蔵及び放出時
における体積変化が緩和されるので、負極のサイクル寿
命を延すことができるとともに、負極活物質材料への導
電助剤の添加量を少なくしても、負極の充放電効率が低
下しないので、負極のエネルギ密度及び内部抵抗は増大
しない。
【0029】また上記負極を用いてリチウム電池を形成
すれば、負極活物質であるシリコン粉末によるリチウム
イオンの吸蔵及び放出時における体積変化が緩和される
ので、リチウム電池のサイクル寿命を延すことができる
とともに、負極活物質材料への導電助剤の添加量を少な
くしても、リチウム電池の充放電効率が低下しないの
で、リチウム電池のエネルギ密度及び内部抵抗は増大し
ない。更に、平均粒径が1〜100nmである球状のシ
リカ粉末を還元処理することにより球状のシリコン粉末
を得れば、粒子表面に傷、ひびなどのひずみ、およそそ
のひずみに基づくストレスのないシリコン粉末を主成分
とする負極活物質材料を製造できる。この場合、平均粒
径が1〜100nmである球状のシリカ粉末が、塩化ケ
イ素又はシラン類と酸素と水素が混合されたガス混合物
を火炎加水分解することにより得られたものであれば、
比較的簡単な工程でその球状のシリカ粉末を得ることが
でき、還元処理が、水素を5〜100vol%含む雰囲
気であって、500〜1100℃の温度で行われれば、
比較的簡単な工程で平均粒径が1〜100nmである球
状のシリコン粉末を得ることができる。この結果、僅か
な製造コストの増大で済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】還元させるシリカ粉末の製造プロセスを示す
図。
【図2】実施例及び比較例のリチウム電池用負極活物質
の充放電サイクル試験に用いられる装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡會 祐介 茨城県那珂郡那珂町向山1002−14 三菱マ テリアル株式会社総合研究所那珂研究セン ター内 (72)発明者 李 成圭 茨城県那珂郡那珂町向山1002−14 三菱マ テリアル株式会社総合研究所那珂研究セン ター内 (72)発明者 杉原 忠 茨城県那珂郡那珂町向山1002−14 三菱マ テリアル株式会社総合研究所那珂研究セン ター内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ05 AK03 AL01 AM03 AM05 AM07 AM16 CJ02 CJ08 CJ11 CJ14 CJ15 CJ28 CJ30 DJ16 HJ01 HJ05 HJ07 HJ14 5H050 AA02 AA07 BA17 CA08 CB01 FA17 GA02 GA10 GA15 GA16 GA27 GA29 HA01 HA05 HA07 HA14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が1〜100nmである球状の
    シリコン粉末を主成分とするリチウム電池用負極活物質
    材料。
  2. 【請求項2】 シリコン粉末を10〜98重量%含む請
    求項1記載のリチウム電池用負極活物質材料。
  3. 【請求項3】 シリコン粉末に、リン、ホウ素及びアル
    ミニウムからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元
    素が不純物としてドープされた請求項1又は2記載のリ
    チウム電池用負極活物質材料。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれかに記載の負極
    活物質材料を用いて形成された負極。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の負極を用いたリチウム
    電池及びリチウムポリマー電池。
  6. 【請求項6】 平均粒径が1〜100nmである球状の
    シリカ粉末を還元処理することにより球状のシリコン粉
    末を得るリチウム電池用負極活物質材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 平均粒径が1〜100nmである球状の
    シリカ粉末が、塩化ケイ素又はシラン類と酸素と水素が
    混合されたガス混合物を火炎加水分解することにより得
    られた請求項6記載のリチウム電池用負極活物質材料の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 還元処理が、水素を5〜100vol%
    含む雰囲気であって、500〜1100℃の温度で行わ
    れる請求項6又は7記載のリチウム電池用負極活物質材
    料の製造方法。
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