JP2003107482A - 反射型液晶表示素子、表示装置、プロジェクション光学システム、及びプロジェクションディスプレイシステム - Google Patents

反射型液晶表示素子、表示装置、プロジェクション光学システム、及びプロジェクションディスプレイシステム

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JP2003107482A
JP2003107482A JP2002181945A JP2002181945A JP2003107482A JP 2003107482 A JP2003107482 A JP 2003107482A JP 2002181945 A JP2002181945 A JP 2002181945A JP 2002181945 A JP2002181945 A JP 2002181945A JP 2003107482 A JP2003107482 A JP 2003107482A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 垂直配向液晶表示デバイスにおいて、液晶層
の厚みが小さくても低電圧で液晶透過率が飽和し、小さ
い画素サイズでも通常の耐圧プロセスで作製可能な高速
応答性の反射型液晶表示素子、表示装置、プロジェクシ
ョン光学系、プロジェクションディスプレイシステムを
提供し、またFナンバーが小さい高輝度の光学系でも十
分に低い黒レベルが維持され、高いコントラストを実現
すること。 【解決手段】 反射型液晶表示デバイス23において、
垂直配向液晶層の厚さdを2μm以下と小さくし、かつ
垂直配向液晶材料の屈折率異方性Δnの値を0.1以上
と大きく調整することにより、液晶の透過率が5〜6V
以下の電圧で容易に飽和し、低電圧駆動が可能になり、
透過率自体も著しく向上し、更に液晶層厚の2乗に比例
すると考えられる黒レベルを低く抑え、光学系のFナン
バーが3以下と小さくても、高コントラスト化、小さい
Fナンバーによる高輝度化も併せて実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロジェクション
ディスプレイシステム等に好適な反射型液晶(電気光
学)表示素子、及びその表示素子と組み合わせて用いら
れる表示装置、プロジェクション光学システム、プロジ
ェクションディスプレイシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、プロジェクションディスプレイの
高精細化、小型化、高輝度化が進むにつれて、そのディ
スプレイデバイスとして、小型、高精細が可能であって
高い光利用効率が期待できる反射型デバイスが注目さ
れ、実用化されている。
【0003】それらの中で、透明電極が形成されたガラ
ス基板に対向して、例えばCMOS(Complementary Me
tal Oxide Semiconductor:相補型MOS)半導体回路
からなるSi基板に駆動素子を設けてその上にAl光反
射電極を形成した駆動回路基板を配置し、これらの一対
の基板間に垂直配向液晶材料を注入したアクティブ型の
反射型液晶表示デバイス(素子)が報告されており(論
文:H.Kuroganeら、Digests of SID1998, P33-36(199
8)、及び論文:S. Uchiyamaら、Proceedingsof IDW20
00, P1183-1184(2000))、一部のメーカーにより実際に
商品化されている。
【0004】ここで、垂直配向液晶材料とは、負の誘電
率異方性を有する(即ち、液晶分子の長軸に平行な誘電
率ε(‖)と垂直な誘電率ε(⊥)との差:Δε(=ε
(‖)−ε(⊥))が負である)液晶材料であり、上記
の透明電極−光反射電極間の印加電圧がゼロの時に基板
面にほぼ垂直に液晶分子が配向し、ノーマリ・ブラック
・モード(Normally black mode)の表示を与えるもの
である。
【0005】上記で報告されている従来の反射型デバイ
スにおける垂直配向液晶層の厚さ(セルギャップ)は3
〜4μmであり、駆動電圧(液晶への印加電圧)に対す
る液晶透過率の曲線(以下、V−T曲線と呼ぶが、反射
型デバイスであるために実測としてはデバイスの反射率
(但し、ここでは後述のようにデバイスにより入射光、
例えばs偏光が偏光変調されてp偏光の反射光が得られ
るものとする。)に相当する。)は、2V位のしきい値
電圧で立ち上がり、4〜6Vの印加電圧で最大値に達す
るような特性を有する。これらの間で電圧を変えること
により、液晶の透過率をアナログ的に変化させ、階調を
表現することができる。図14には、一例として上記の
論文から抜粋したデータを示すが、液晶層の厚みは3
μm、駆動電圧は±約4V、応答速度(立ち上がり時間
+立ち下がり時間)は17msec程度と報告されてい
る。
【0006】液晶は、通常、フレーム又はフィールド毎
に正負の電圧を反転させて駆動されるので、上記のデバ
イスは、実際には最大±4〜6Vの電圧で駆動されるこ
とを意味する(正と負のV−T曲線は原則的に対称であ
るから、V−T曲線は通常は正のみで表わされる)。±
4〜6Vの液晶駆動電圧は、駆動トランジスタの実効的
な耐圧として、8〜12V以上を必要とすることを意味
する。
【0007】これは、通常のMOSプロセスにおける耐
圧に比べるとかなり高いため、Si駆動回路基板におけ
る画素内に形成される液晶駆動トランジスタにはLDD
(Lightly doped drain-source)構造等の高耐圧プロセ
スが適用される。作製コストや消費電力等を考慮して、
その耐圧は一般に8〜12Vである。これが、従来デバ
イスにおいて、最大±4〜6VのV−T曲線を有するよ
うにデバイス設計される理由である。
【0008】また、従来デバイスで用いられる垂直配向
液晶材料の屈折率異方性Δn(即ち、液晶分子の長軸方
向の屈折率n(‖)とそれに垂直な方向の屈折率n
(⊥)との差:Δn=n(‖)−n(⊥))は0.1よ
り小さい値(典型的には0.08程度)であり、典型的
な画素ピッチは13.5μm(画素サイズ13μm)で
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、液晶表示デバイ
スの欠点である、応答速度が遅いという問題がクローズ
アップされ、その高速化が重要な課題になっていること
は周知の通りである。一般に、液晶の応答速度(立ち上
り時間及び立ち下り時間)は下記の式1及び式2で表わ
されるように、液晶層の厚みdの2乗に比例するため、
液晶の層厚を減少させることが高速化に有効である。
【0010】
【数1】 (ここで、γ:液晶の粘度、d:液晶層の厚さ、Δε:
液晶の誘電率異方性、ε(0):真空の誘電率、K:液晶
の弾性定数、V:液晶への印加電圧(液晶駆動電圧)、
Vc:しきい値電圧である。)
【0011】しかしながら、従来の垂直配向液晶表示デ
バイスにおいて、液晶層の厚さを減少させていくと、応
答速度は式1及び2に基づけば高速化していくものの、
透過率を飽和させるために必要な駆動電圧が高くなると
いう問題がある。図15には、従来デバイスで用いられ
ている液晶材料(Δn=0.082)を用いた系におい
て、液晶の層厚を減少させた時のV−T曲線を示し、図
16には、液晶層厚dによる飽和電圧の変化を示す。
【0012】図15、図16に示すように、デバイスの
飽和電圧は、液晶層の厚みdが2.5μmを切るあたり
から急激に高くなって6Vを超えるようになり、dが2
μm以下になると10Vにも達する。即ち、駆動トラン
ジスタの耐圧は20V以上も必要になる。その上、dが
1.5μm厚以下では透過率の絶対値が100%に到達
しなくなり、1μm厚では30%程度の透過率しか得ら
れなくなるばかりか、しきい値電圧も高くなる。
【0013】こうした現象は、垂直配向液晶では、d
(セルギャップ)が小さくなるに従って、液晶分子と配
向膜との界面での相互作用(インタラクション)が、印
加電圧による液晶分子のダイレクタの方向変化に対し相
対的に大きくなるからであると考えられる。これに対
し、液晶層厚が大きいときには、バルクとしての性質が
出てくるために、ダイレクタが動き易くなり、上記の界
面での相互作用の影響が減少するものと考えられる。
【0014】上記のように、液晶表示デバイスの駆動電
圧が高くなると、通常のSi駆動素子基板では駆動する
ことが困難となる。もちろん、画素駆動トランジスタの
耐圧を上げることにより、これを解決することができる
が、一般にはプロセスが複雑になり、コスト高、高消費
電力になる上に、耐圧を上げると、トランジスタのサイ
ズが大きくなることが避けられない。このため、特に1
0μm程度以下の小さな画素サイズ(又はピッチ)で、
このような高耐圧トランジスタを作製することは極めて
難しくなる。
【0015】上記の理由により、従来の垂直配向液晶を
用いた反射型表示デバイスにおいて、液晶層の厚さを
2.5μm以下にすることは、実用上難しいのが現状で
ある。また、液晶層厚をそのように小さくすることは、
印加電圧に対する立ち上り(応答性)も遅くなり、しか
もデバイスの作製上の歩留りも低下する。
【0016】さらに、上記の従来デバイスを用いたプロ
ジェクション光学系では、以下に示すように、高いコン
トラストを保つために光学系のFナンバー(F数)を
3.5以上にしなければならず、このために輝度を高く
することができない、という問題を有している。
【0017】反射型液晶表示デバイスを用いたプロジェ
クションシステムでは、図17に示すように、ランプ光
源1からの光束を、偏光分離デバイスである赤(R)、
緑(G)、青(B)の各色用の偏光ビームスプリッタ2
R、2G、2Bを介して、垂直配向液晶を用いた反射型
液晶表示デバイス3R、3G、3Bに照射し、これらの
デバイスで偏光変調された反射光を各色の光を合成する
プリズム(X−Cubeプリズム)4で集め、投射光1
0(p)として投射レンズ5を介してスクリーン(図示
せず)に投射する光学系が必要である。
【0018】ここでは、反射型液晶デバイス3R、3
G、3Bを照明する照明光学系として、白色ランプ光源
1からの白色光(p偏光成分とs偏光成分の混じった光
10(p,s))が、フライアイレンズ6、偏光変換デ
バイス7、コンデンサレンズ8等を通してs偏光10
(s)となり、更にダイクロイック色分離フィルタ9に
導かれ、ここで分離された光が全反射ミラー11、1
2、ダイクロイックミラー13を経て各色の光10R
(s)、10G(s)、10B(s)となる。そして偏
光ビームスプリッタ2R、2G、2Bを介して各反射型
液晶表示デバイス3R、3G、3Bにそれぞれ入射す
る。反射した各反射光が反射型液晶表示デバイス3R、
3G、3Bの印加電圧に応じて偏光変調され、偏光ビー
ムスプリッタ2R、2G、2Bへの再入射後にp偏光成
分の光10R(p)、10G(p)、10B(p)のみ
が透過してプリズム4で集光される。従って、この反射
型液晶表示デバイスを用いた表示は、印加電圧がゼロの
ときには入射光がそのままs偏光として反射するので、
偏光ビームスプリッタを通過せず、いわゆるノーマリ・
ブラック・モードとなり、印加電圧の上昇と共に偏光変
調されて、p偏光の反射光が増加して透過率が上昇する
(図14参照)。
【0019】上記の論文及びで報告されている、従
来の垂直配向液晶表示デバイスに用いられている光学系
のFナンバーは3.5以上(論文では3.8から4.
8、論文では3.5)である。光学系のFナンバー
は、デバイスへの光の入射角(=反射光の取り出し角)
θの関数であり、 F=1/(2×sinθ) ・・・式3 で表わされる。F=3.5は、デバイス面の鉛直方向を
中心にしてθ=±8.2°の角度内の光で照明し、その
反射光を取り出すことを意味する。
【0020】上記の式3から分るように、Fナンバーが
小さい方が、光の照射・取り出し角θが大きくなるため
にトータルの光束は多くなり、輝度は高くなる。しかし
ながら、一般に反射型液晶デバイスの黒レベルの数値
(黒状態での透過率)は、入射角が大きくなると高くな
ること、並びに偏光ビームスプリッタの偏光分離特性も
θに対して依存性を持ち、θが大きくなると劣化するこ
とが避けられず、角度成分の大きいところでp偏光成分
とs偏光成分の分離度が低下する。これらのために、黒
レベルが上昇してコントラストが大きく低下する現象が
起こる。
【0021】このように、実用上、輝度とコントラスト
にはトレードオフ(両立困難性)があり、これを理由と
して、従来デバイスを用いたプロジェクションシステム
では、光学系のFナンバー(具体的には投射レンズ5の
Fナンバーや照明光学系のFナンバー:以下、同様)が
3.5以上の光学系が用いられている。つまり、従来の
デバイスを用いたプロジェクション光学系では、実用上
ある程度の高いコントラストを実現する要求から、Fナ
ンバーを3.5よりも小さくできず、このため、輝度を
より高くできないという問題を抱えている。
【0022】そこで、本発明の第1の目的は、垂直配向
液晶表示デバイスにおいて、液晶層の厚みが小さくて
も、低電圧で液晶透過率が飽和に達し、小さい画素サイ
ズにおいても、通常の耐圧プロセスで作製可能な駆動回
路基板で容易に駆動できる高速応答性の反射型液晶表示
素子、この表示素子を用いた表示装置、プロジェクショ
ン光学システム及びプロジェクションディスプレイシス
テムを提供することにある。
【0023】また、本発明の第2の目的は、上記第1の
目的に加えて、Fナンバーが小さい高輝度の光学系にお
いても、十分に低い黒レベルが維持され、実用上高いコ
ントラストを実現できる(即ち、従来のシステムに比べ
て高輝度、高コントラストの双方を持ち合わせた)プロ
ジェクション光学システム、及びプロジェクションディ
スプレイシステムを提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、光透過
性電極を有する第1の基体と、光反射電極を有する第2
の基体とが、前記光透過性電極及び前記光反射電極を互
いに対向させかつ垂直配向液晶層を介在させた状態で、
対向配置されている反射型液晶表示素子であって、前記
垂直配向液晶層の厚さが2μm以下であり、かつ垂直配
向液晶材料の屈折率異方性Δnが、0.1以上である反
射型液晶表示素子(以下、本発明の反射型液晶表示素子
又はデバイスと称する。)に係るものである。ここで、
上記の「光反射電極」とは、電極自体が光反射性である
電極は勿論であるが、電極上に光反射層を設けた電極
や、電極は光透過性であっても下地膜との界面で光反射
性が生じるときにはそのような下地膜付きの電極も含む
意味である(以下、同様)。
【0025】また、本発明は、本発明の反射型液晶表示
素子(又はデバイス)を具備する表示装置、この反射型
液晶表示素子が光路中に配置されているプロジェクショ
ン光学システム、及びこの光学システムを用いたプロジ
ェクションディスプレイシステムにも係るものである。
【0026】本発明によれば、垂直配向液晶層の厚さを
2μm以下と小さくしても、従来の認識とは異なって、
垂直配向液晶材料のΔnの値を0.1以上と大きく調整
することにより、液晶の透過率が5〜6V以下の電圧で
容易に飽和するようになり、実用的な低電圧での駆動が
可能になり、また透過率自体も著しく向上することが分
った。従って、十分な透過率と低電圧駆動(低耐圧)の
駆動特性とを併せ持ち、高速応答性に優れた反射型垂直
配向液晶表示デバイスと、これを用いた表示装置、プロ
ジェクション光学及びディスプレイシステムを実現する
ことができる。
【0027】このような顕著な作用効果は、特に垂直配
向液晶材料としてΔnが0.1以上と大きいものを用い
ることによって得ることができる。これは、高速応答の
ために液晶層の厚みを2μm以下と小さくした場合、配
向膜−液晶分子間の相互作用によってダイレクタの方向
変化に影響を与えようとしても、Δnを0.1以上と大
きくしているために、入射光が印加電圧に追随して液晶
中で偏光変調され易くなり、偏光の分離が生じ易くな
り、低電圧でも目的とする透過率が得られるからである
と考えられる。
【0028】更に、本発明は、本発明の反射型液晶表示
素子とFナンバーが3以下の光学系とが光路中に配置さ
れているプロジェクション光学システム、及びこの光学
システムを用いたプロジェクションディスプレイシステ
ムも提供するものである。
【0029】これらのシステムによれば、垂直配向液晶
層の厚さを2μm以下と小さくしているために、液晶層
厚の2乗に比例すると考えられる黒レベルを低く抑える
ことができ、光学系のFナンバーが3以下であっても、
高コントラストの実現が可能となり、しかも小さいFナ
ンバーによって高輝度も併せて実現できることになる。
従って、本発明の反射型液晶素子デバイスとFナンバー
が3以下の光学系とを用いたプロジェクション光学及び
ディスプレイシステムは、従来デバイスと従来光学系と
を用いたシステムに比べて、高いコントラストと高輝度
の双方を満たすシステムを提供することができる。な
お、光学系のFナンバーは、用いるレンズの焦点距離等
によって制御可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の反射型液晶表示素子にお
いては、上記した作用効果を得る上で、垂直配向液晶の
層厚は2μm以下とすべきであるが、0.8〜2μm、
更には1〜2μmとするのが好ましい。層厚は小さい方
が高速応答の点では望ましいが、配向膜との相互作用の
抑制や層厚の制御性の面から、その下限は0.8μmが
よく、1μmが更によい。また、液晶の層厚が小さくて
も偏光分離を向上させるためにΔnは0.1以上とすべ
きであるが、あまり大きくしてもその効果が向上せず、
また実用的でもないので、0.25以下とするのがよ
い。
【0031】そして、前記光透過性電極としてのITO
(Indium Tin Oxide)等の透明電極及びAl等の前記光
反射電極の対向面上にそれぞれ液晶配向膜が形成され、
前記光反射電極が前記第2の基体に設けられたシリコン
等の単結晶半導体駆動回路に接続され、アクティブ駆動
型に構成されているのがよい。第2の基体としてシリコ
ン駆動回路基板を用いると、それ自体が不透明であって
反射型に好適であると共に、駆動素子であるMOS(Me
tal Oxide Semiconductor)トランジスタや電圧供給用
の補助容量等を半導体加工技術によって微細パターンに
高集積化することができるため、高開口率や、画素密度
向上による高解像度化、セルサイズの縮小、更にはキャ
リア転送速度の向上が可能となる。
【0032】実際には、駆動回路が、シリコン基板に画
素毎に設けられたMOSFET(Metal Oxide Semicondu
ctor Field Effect Transistor)等の駆動トランジスタ
を具備し、この駆動トランジスタの出力側に前記光反射
電極が接続される。また、画素サイズは、低電圧駆動に
よる低耐圧トランジスタの使用が可能となるために、1
0μm以下を実現できる。液晶表示デバイスのサイズも
対角2インチ以下にできる。
【0033】なお、前記垂直配向液晶材料の配向制御
は、酸化珪素膜からなる液晶配向膜によって行うのがよ
い。こうした配向膜は、方向性を以った(即ち、液晶分
子のプレティルト角の制御容易な)真空蒸着法等により
形成することができる。
【0034】また、本発明の反射型液晶表示素子を具備
する表示装置、及びその液晶表示素子(或いは、更にF
ナンバーが3以下の光学系)が光路中に配置されている
プロジェクション光学及びディスプレイシステムにおい
ては、光源と、この光源からの光を前記反射型液晶表示
素子に入射させる光学系と、前記反射型液晶表示素子
と、この反射型液晶表示素子からの反射光を導く光学系
とが光路中に配置されていてよい。
【0035】この場合、前記光源からの光が偏光変換素
子及び偏光ビームスプリッタを通して前記反射型液晶表
示素子に入射し、この反射型液晶表示素子からの反射光
が前記偏光ビームスプリッタを再び通して導かれ、或い
は更に投射レンズ、スクリーンに導かれるのがよい。
【0036】また、各色毎に前記反射型液晶表示素子と
前記偏光ビームスプリッタとが配置され、それぞれの反
射型液晶表示素子からの反射光が集光され、或いは更に
前記投射レンズに導かれてよい。具体的には、白色光源
からの白色光が前記偏光変換素子を通してダイクロイッ
ク色分離フィルタに導かれ、ここで分離された光が更に
各色の分離光とされた後に前記偏光ビームスプリッタを
介して前記反射型液晶表示素子にそれぞれ入射し、各反
射光がプリズムで集光される。
【0037】ここで、本発明の反射型液晶表示素子と組
み合わせて用いられる光学系のFナンバーは、高コント
ラストと高輝度を両立させる上で3以下と小さい値にす
べきであるが、その効果を更に向上させるには、3.0
以下、1.5以上(更には2.0以上)とするのが望ま
しい。
【0038】次に、本発明の好ましい実施の形態を図面
参照下に説明する。
【0039】まず、本実施の形態による表示装置を構成
する液晶電気光学素子の基本的な構造を図11に示す。
【0040】このデバイスは、反射型液晶表示素子23
として、画素構造を有する光反射電極30を設けたSi
等の単結晶からなるSi駆動回路基板31と、これと対
向する透明電極32付きのガラス基板等の透明基板33
とからなり、これらの間に(実際には液晶配向膜34−
35間に)垂直配向液晶36を封入してなる。図12に
示すように、反射電極基板は、駆動回路基板として、単
結晶シリコン基板37に、CMOSやnチャンネルMO
SからなるトランジスタTrとキャパシタCからなる駆
動回路が形成され、その上にAlやAgに代表される金
属膜で画素状の光反射電極30を形成したものである。
Al等の金属光反射電極の場合は、光の反射膜と、液晶
に電圧を印加する電極との両方を兼ねているが、さらに
光反射率を上げるために誘電体ミラーのような多層膜に
よる光反射層をAl電極の上に形成してもよい。
【0041】図12中、トランジスタTrは、例えば、
n型ソース領域38及びドレイン領域39とゲート絶縁
膜40及びゲート電極41によって構成され、各能動領
域からはそれぞれ電極42、43が取り出されている。
このうち電極43は、キャパシタCを構成するn型領域
44上の絶縁膜(誘電体膜)45に接したキャパシタ電
極46に層間絶縁膜47を介して接続され、また層間絶
縁膜48、49を介して配線50、更には光反射電極3
0に接続されている。そして、このデバイスには、図1
7で示した如きs偏光の入射光10(s)が垂直配向液
晶36の層中で印加電圧に応じて偏光変換され、p偏光
を含む反射光10(p)が得られ、これが上述した偏光
ビームスプリッタ2に導かれる。
【0042】ここで、この反射型液晶表示素子は、本発
明に基づいて、垂直配向液晶36の層厚d(セルギャッ
プ)が2μm以下となされ、かつ垂直配向液晶36とし
て屈折率異方性Δnが0.1以上のものが用いられてい
る。
【0043】図13は、デバイスの基本的なレイアウト
及び画素部の等価回路を示す。Si駆動回路基板31
は、各画素内に形成される画素駆動回路と、表示領域の
周辺に内蔵されるロジック部ドライバ回路(データドラ
イバ、走査ドライバ等)とからなる。各光反射(画素)
電極30の下に形成される画素駆動回路は、スイッチン
グトランジスタTrと、液晶36に電圧を供給する補助
容量Cとから構成される。液晶36の駆動電圧に対応し
た耐圧がトランジスタTrに要求され、一般にはロジッ
クよりも高い耐圧プロセスで作製される。高耐圧になる
につれてトランジスタのサイズが大きくなるため、また
コスト、消費電力の観点から、通常は8〜12V程度の
耐圧のトランジスタが用いられ、従って液晶駆動電圧と
しては±6V以下になるように設計されることが望まし
いが、本発明によればそれが実現可能である。
【0044】本デバイスで用いられる垂直配向液晶36
は、その分子長軸が、印加電圧がゼロの時にほぼ基板に
垂直方向に配向し、電圧を印加すると面内方向に対し傾
くことにより、透過率が変化するものである。駆動時に
液晶分子の傾斜する方向が一様でないと、明暗のむらが
生じてしまうため、これを避けるために、図11に示す
ように、予めわずかなプレティルト角を一定方向(一般
にはデバイスの対角方向)に与えて垂直配向させる必要
がある。
【0045】プレティルト角があまり大きいと、垂直配
向性が劣化し、黒レベルが上昇してコントラストを低下
させたり、V−T曲線に影響する。従って、一般には1
°から7°くらいの間にプレティルト角を制御する。こ
のプレティルト角を与える液晶配向膜34、35として
は、SiO2に代表される酸化珪素膜の斜め蒸着膜やポ
リイミド膜が用いられ、前者では、斜め蒸着時の蒸着角
度を例えば45°〜55°とし、また後者では、ラビン
グの条件を変えることにより、上記プレティルト角を例
えば1°〜7°にコントロールする。
【0046】従来デバイスでは、図11のデバイス構造
における垂直配向液晶層の厚さdは3から4μmくらい
であり、屈折率異方性Δnは0.1より小さい値(典型
的には0.08くらい)の垂直配向液晶材料を用いてい
る。ところが、従来デバイスで液晶層の厚さdを2.5
μm以下にすると、応答速度は早くなるものの、上述し
たように駆動電圧が高くなり、実用デバイスとしては不
適当となる。液晶層厚の減少によって駆動電圧が上昇す
る現象のメカニズムは必ずしも明確ではないが、層厚が
大きい場合には液晶のバルク的性質が主に現れるのに対
して、液晶層が薄くなると、配向膜と液晶の界面におけ
る両者の相互作用の影響(液晶分子を傾斜させないよう
に働くと考えられる。)が無視できなくなることが要因
であると考えられる。
【0047】本発明者は、このような問題を克服するた
めに、多くの実験を繰り返した結果、垂直配向液晶材料
の屈折率異方性Δnの値を0.1以上に大きく調整する
ことにより、上記の問題を解決できることを見出した。
図1及び図2には、液晶層の厚みdが2μm及び1.5
μmの場合について、液晶のΔn値を変えた場合のV−
T曲線の変化を示している。これらの図から、液晶層の
厚みdを特に2μm以下に減少させても、Δnを0.1
以上にすることにより、透過率は4〜6V以下の電圧で
容易に飽和するようになり、実用的な駆動ができるよう
になることが分かる。
【0048】しかも、d=1μmと非常に薄い液晶層厚
のデバイスにおいてでさえ、本発明によれば、図3に示
すように、Δnを0.1以上にすることにより、6V程
度の駆動電圧でほぼ飽和するようになり、さらに透過率
も従来デバイスの材料構成では30%程度でしかなかっ
たものが著しく向上することも分る。特にΔn=0.1
3の高いΔn値の液晶材料を用いることにより、1μm
厚でも十分な透過率と駆動特性を持つSi反射型垂直配
向液晶表示デバイスを実現できる。
【0049】図4は、本発明による反射型液晶表示デバ
イスの応答速度(立ち上がり時間+立ち下がり時間)を
示している。従来のデバイスに比べて非常に高速にな
り、d=2μm厚で7〜9msec、1.5μm厚以下
になると数msec以下になった(但し、d=2.5μ
m厚では13〜14msecと応答速度が不十分とな
る)。さらに、d=1.5μm厚以下のデバイスでは、
中間調においても8msec以下の高速応答を保った。
本デバイスにより、中間調表示や動画像の多い映画やテ
レビ画像においても、遜色のない画質を実現できる。
【0050】図5には、本発明によるデバイス(試料N
o.7〜15)の諸特性を比較試料(試料No.1〜6、1
6〜19)と共にまとめて示し、図6には、Δnによる
飽和電圧の変化を液晶層厚d毎に示す。駆動特性、透過
率及び応答速度の観点から、液晶層の厚みdは2μm以
下、特に1〜2μmが好ましく、液晶のΔnは、2μm
厚ではΔn≧0.1(より好ましくはΔn≧0.10
3、更にはΔn≧0.114)、1.5μm厚ではΔn
≧0.106(より好ましくはΔn≧0.11、更には
Δn≧0.114)及び1μm厚ではΔn≧0.104
(より好ましくはΔn≧0.114、更にはΔn≧0.
12)が、実用上、特に適している。
【0051】ところで、従来デバイスの液晶層厚3.5
μmの場合に、Δn=0.1以上の高い屈折率異方性Δ
nを有する垂直配向液晶材料を用いた場合について、Δ
n=0.13の場合を例として、そのV−T曲線を図7
に示す。この図から分るように、しきい値電圧がかなり
小さくなり、約2Vの駆動電圧で飽和するようになる。
しかしながら、上述した式1に示すように、応答速度は
液晶の層厚d以外に駆動電圧の2乗に反比例するため、
このような低い駆動電圧は応答速度を非常に低下させる
要因となる。実際の測定によれば、このデバイスの白黒
応答速度は46msec(約50msec)になり、さ
らに中間調になると、駆動電圧がより下がることを反映
して100msec近くにもなり、実用性に乏しいこと
は明らかである。このように、従来デバイスでは、応答
速度の観点から、Δnの値はむしろ0.1より小さくす
る必要がある。
【0052】以上のように、本発明は、液晶層の厚みd
が2μm以下の反射型垂直配向液晶表示デバイスを実現
するための、液晶材料のΔn値の必要条件を新たに見出
したものであり、液晶層厚dが2μm以下であってもΔ
n≧0.1とすることにより、飽和電圧を低下させ、応
答速度も向上させることができたのである。
【0053】なお、下記の表には、上記した各種Δn値
(更にはΔε値)の垂直配向液晶材料(これらはいずれ
もメルク社製)をまとめて示す。
【表1】
【0054】次に、本発明による垂直配向液晶表示デバ
イスが、従来デバイスよりも小さいFナンバーの光学系
に対しても有効であることを述べる。
【0055】まず、本発明による液晶層厚の薄いデバイ
スの黒レベルが、従来の3〜4μm厚のデバイスよりも
低くなることを見出した結果を示す。図8は、本発明に
よる垂直配向液晶表示デバイスの黒レベルの数値(電圧
ゼロでの黒状態での透過率)を液晶層厚の関数として示
した。それぞれの材料系で、3.5μm厚での数値を1
00%として表している(横軸は液晶層の厚さであ
る。)。
【0056】これによれば、印加電圧がゼロの時は液晶
分子はほぼ基板面に垂直に配向しているため、原理的に
は入射光は偏光状態を変えずに反射され、偏光ビームス
プリッタによって入射側に戻されることになるが、実際
のデバイスではプレティルト角分だけ液晶分子が傾斜し
ておりこれによりわずかに楕円化すること、また上述の
ように偏光ビームスプリッタの偏光分離特性に入射角依
存性があるため、これらにより黒状態での透過率が上昇
し、コントラストを劣化させる。
【0057】しかしながら、本発明によるデバイスの黒
レベルの数値は、図8に示すように、液晶の層厚が薄く
なるほど低下し、2μm厚のデバイスでは従来デバイス
の厚みのものに比べ20〜30%、1.5μm厚では1
0〜20%、1.0μm厚では5〜15%になることが
見出された(但し、2.5μm厚では40〜50%と大
きい)。コントラストは白レベルと黒レベルの比で表わ
されるが、白レベルはほぼ同じであるため、図8に示す
結果は、本発明によるデバイスのコントラストが、例え
ば1.5μm厚のデバイスでは5〜10倍以上高くなる
ことを示している。
【0058】このように液晶層厚の減少により黒レベル
の数値が低下する主な理由は、以下に基づくものと考え
られる。本デバイス系の液晶の透過率Tは次の式4で表
わされる。 T∝sin2(2d・Δn(eff)・π/λ) ・・・式4
【0059】ここで、λは光の波長であり、Δn(ef
f)は液晶分子の鉛直方向からの倒れ角θに応じた実効
的な屈折率異方性であり、次の式5で表わされる。
【数2】
【0060】液晶の駆動電圧を上げていくと液晶分子の
倒れ角θが大きくなり、それに応じてΔn(eff)が
増し、透過率が増大する。原理的にθ=90°でΔn
(eff)は液晶材料のΔnの値に等しくなることが分
かる。式4より、透過率は2d・Δn(eff)・π/
λ=π/2の条件を満たす場合にT=100%になる。
【0061】黒レベル、すなわち黒状態の透過率は、液
晶分子が完全に垂直に配向すれば(θ=0)、Δn(e
ff)=0となり、黒状態の透過率はゼロになるが、実
際には上述のように1〜7°くらいのプレティルト角を
付けて配向させるために、Δn(eff)は有限の値と
なり、これが黒状態の透過率を与える。プレティルト角
が大きくなるほど、黒状態での透過率が上昇するため、
より好ましくは5°以下に制御する。黒レベルにおいて
は、2d・Δn(eff)・π/λは小さい値なので、
式4は近似的にT∝sin2(2d・Δn(eff)・
π/λ)≒(2d・Δn(eff)・π/λ)2とな
り、液晶層厚dの2乗に比例するものと理論的には考え
られる。図8に示した実測データは、おおよそ、この関
係で説明できることが分かる。
【0062】このように、本デバイスは、液晶層の厚み
dが2μm以下と薄く設計されていることにより、従来
のような3〜4μm厚のデバイスに比べて、黒レベルが
本質的に低く抑えられ、高いコントラストを実現するこ
とが可能である。
【0063】従来デバイスでは光学系のFナンバーを小
さくしていくと、黒レベルが上昇してコントラストが確
保されなくなるために、Fナンバーを3.5以上に設定
せざるを得ないことを既述したが、本発明によるデバイ
スでは、上記したようにデバイス単体の黒レベルが非常
に低くなるため、小さいFナンバーの光学系においても
十分なコントラストを確保することができる。
【0064】図9は、本発明によるデバイスにおいて、
図17に示した投射レンズ5や照明光学系に対応した構
成からなる測定光学系のFナンバーを変えた時の黒状態
の透過率の変化を示す。Fナンバーを小さくしていく
と、黒レベルは上昇するものの、本発明によるデバイス
では、いずれのFナンバーにおいても、従来デバイスよ
り低い黒レベルを維持しているので、Fナンバーが3以
下と小さい光学系においても十分なコントラストを実現
できる。しかも、図10に示すように、Fナンバーが3
以下で、輝度も十分なものとなり(但し、2未満では輝
度が飽和する。)、Fナンバーが3を超えると輝度がか
なり低下する。
【0065】輝度に関しては、実用のプロジェクション
システムにおいて、例えば対角0.7インチのデバイス
で120Wのランプを用いた光学系では、F=3.85
からF=2にすると、その輝度は約60%向上すること
が実験から分かっている。
【0066】以上のように、本発明によるデバイスと、
Fナンバーが3以下の光学系とを用いたプロジェクショ
ン光学システム及びプロジェクションディスプレイシス
テムは、従来デバイスと従来光学系とを用いたシステム
に比べて、高いコントラストと高輝度の双方を満たすプ
ロジェクションシステムを提供することができる。
【0067】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に具体的
に説明する。
【0068】〔比較例1〕従来デバイスを次のようにし
て作製した。まず、透明電極が成膜されたガラス基板
と、Al電極が形成されたSi駆動回路基板とを洗浄
後、蒸着装置に導入し、液晶配向膜としてSiO2
を、蒸着角度45〜55°の範囲で斜め蒸着して形成し
た。液晶配向膜の膜厚は50nmとし、液晶のプレティ
ルト角は約2.5°になるように制御した。
【0069】その後、液晶配向膜が形成された上記両基
板の間に1〜3.5μm径のガラスビーズを適当な数だ
け散布して、両者を貼り合わせ、メルク社製の、誘電率
異方性Δεが負で、Δn=0.082を有する垂直配向
液晶材料を注入して、3.5μm、2.9μm、2.5
μm、2μm、1.5μm及び1μmの液晶層厚(セル
ギャップ)を有する6種類の反射型液晶表示デバイス
(図5の試料No.1〜6)を作製した。
【0070】これらのデバイスにおいて、透明電極とA
l電極との間に電圧を加え、印加電圧を変えたときの液
晶の透過率の変化(反射型であるから、実際にはデバイ
スの反射率を測定しているが、液晶の透過率を測定して
いることと等価であるため、以下、このように記す。)
を測定した。測定は室温で行なった。
【0071】その液晶駆動特性を図15に示す。図1
5、更には図16に示すように、液晶層の厚さが2.5
μmより薄くなると、飽和駆動電圧が急上昇して6Vを
越すようになった。
【0072】〔実施例1〕比較例1と同様の方法で、透
明電極付き基板とAl電極が形成されたSi駆動回路基
板とにそれぞれSiO2膜からなる液晶配向膜を形成
し、それらの基板間に、メルク社製の、誘電率異方性Δ
εが負で、屈折率異方性Δnが0.103、0.114
及び0.13の3種類の垂直配向液晶材料を注入し、そ
れぞれの材料で、2μm、1.5μm及び1μmの液晶
層の厚さを有する、計9種類の反射型液晶表示デバイス
(図5の試料No.7〜15)を作製した。液晶のプレテ
ィルト角は約2.5°になるように制御した。
【0073】これらのデバイスの液晶駆動特性を、比較
例1と同様にして、室温で測定した。図1、図2及び図
3はそれぞれ、液晶層の厚みが2μm、1.5μm及び
1μmの場合についての駆動特性を示す。図5には、各
デバイスの、透過率がほぼ飽和する駆動電圧とその透過
率の値をまとめた。
【0074】この結果から、液晶層の厚さdを2μm以
下に減少させても、Δnを0.1以上にすることによ
り、透過率は4〜6V以下の電圧で容易に飽和するよう
になり、実用的な駆動ができるようになることが分かっ
た。しかも、透過率も従来デバイスに比べて大きく向上
することから、十分な透過率と駆動特性を持つSi反射
型垂直配向液晶表示デバイスを実現できた。
【0075】液晶配向膜として、酸化珪素膜の代わり
に、ポリイミド膜を用いてラビングで配向制御したデバ
イスも作製したが、結果は上記と同様であった。
【0076】〔実施例2〕実施例1で作製した反射型液
晶表示デバイスの立ち上がり(黒から白)及び立ち下が
り(白から黒)への応答速度を測定した。その総和をデ
バイスの応答速度とし、図5にその結果を示す。測定は
室温で行なった。図4には、代表例としてΔn=0.1
3のデバイスの場合(図5の試料No.9、12、15、
及びd=2.5μmの試料)について、液晶層の厚さを
関数として示した。また比較として、従来例の試料No.
1と3μm厚で作製した試料(いずれもΔn=0.08
2)の応答速度も示した。
【0077】応答速度は、上述した式1、2から推測さ
れるように、液晶層の厚みのほぼ2乗に比例して変化し
たが、本発明によるデバイスでは、液晶層厚dを2μm
以下、Δnを0.1以上としているために、9msec
以下の高速の応答を実現できることが実証された。
【0078】〔比較例2〕実施例1と同様な方法で、Δ
n=0.13の液晶材料を用いて層厚3.5μmの反射
型液晶表示デバイス(試料No.16)を作製し、液晶駆
動特性を調べた。
【0079】図7にはその結果を、Δn=0.082の
場合(試料No.1)と比較して示すが、このデバイスの
駆動電圧は非常に低くなった。また、室温での応答速度
を、実施例2と同様に測定した結果、応答速度は46m
secであった。これは、中間調では駆動電圧が1V台
になるために、さらに遅くなり、25%の階調での応答
速度は100msec近くになった。
【0080】〔実施例3〕実施例1で作製した反射型液
晶表示デバイスの、印加電圧がゼロ(黒状態)の時の透
過率(黒レベル)を測定した。液晶層の厚さに対する黒
レベルの変化を系統的に調べるために、各Δnの試料
で、従来デバイスの層厚である3.5μmのデバイス
(図5の試料No.17〜19)及び層厚2.5μmのデ
バイスを作製し、実施例1の試料(試料No.7〜15)
と共に測定した。それぞれのΔnの試料で、3.5μm
厚のデバイスの数値を100%として、黒レベルの数値
を示したのが図8である。
【0081】図8に示すように、いずれのΔnの試料で
も、液晶層の厚さを薄くし、2μm以下になると、黒レ
ベルは著しく低下し、例えば1.5μm厚のデバイスで
は、3.5μm厚のデバイスの数値に対して10〜20
%の低い黒レベルを示すことが見出された。即ち、デバ
イスのコントラストは5〜10倍になることを示してい
る。図7の測定光学系のFナンバーは3.85である
が、Fナンバーを変えても、この傾向は概して同じであ
った。
【0082】〔実施例4〕実施例1のΔn=0.13、
液晶層厚1.5μm、2.0μmのデバイス(試料No.
12、9)を、Fナンバーが3.85、3及び2の測定
光学系に組み込み、デバイスの黒レベル(黒状態の透過
率)を従来デバイス(試料No.1)と比較した。
【0083】図9は、その結果を示す。Fナンバーの低
下により、黒レベルは上昇するが、本発明によるデバイ
スでは、いずれのFナンバーにおいても、従来デバイス
より低い黒レベルを維持している。各デバイスの白レベ
ルの透過率は約0.6でほぼ同じであった。従って、黒
レベルの比がそのままデバイスのコントラストの比を与
え、本発明によるデバイスでは、Fナンバーが3以下と
小さい光学系においても、従来デバイスと同等以上のコ
ントラストを実現できることが分かる。このFナンバー
の下限は1.5、更には2.0とするのがよい。
【0084】また、上記と同様の仕様で、対角0.7イ
ンチのSi反射型垂直配向液晶表示デバイスを作製し、
120Wのランプ光源を用いて、Fナンバー=3.8
5、3.5、3、2.5及び2の実用プロジェクション
光学系で輝度を比較したところ、図10に示すようにF
ナンバー≦3で向上し、Fナンバー=3.85の光学系
の輝度値に対して、Fナンバー=3では約32%、Fナ
ンバー=2.5では約44%、Fナンバー=2では約6
0%向上した。但し、Fナンバー>3では輝度値が急激
に低下し、Fナンバー=3.5では約15%しか向上し
なかった。なお、Fナンバー=1.5ではFナンバー=
2とあまり変らなかった。コントラストは、上述のよう
に、Fナンバー≦3の光学系においても、従来デバイス
のコントラストよりも高いコントラストが維持された。
即ち、従来デバイスよりも、輝度とコントラストの双方
が向上したプロジェクションシステムを実現できた。
【0085】以上に述べた本発明の実施の形態及び実施
例は、本発明の技術的思想に基づいて様々に変形可能で
ある。
【0086】例えば、上述した反射型液晶表示素子やこ
れを用いた光学又はプロジェクションシステムの構成部
分の構造、材質等は上述したものに限られることはな
く、種々に変更してよい。
【0087】
【発明の作用効果】以上のように、本発明によれば、垂
直配向液晶層の厚さを2μm以下と小さくしても、垂直
配向液晶材料のΔnの値を0.1以上と大きく調整する
ことにより、液晶の透過率が5〜6V以下の電圧で容易
に飽和するようになり、実用的な低電圧での駆動が可能
になり、また透過率自体も著しく向上する。従って、十
分な透過率と低電圧駆動(低耐圧)の駆動特性とを持
ち、高速応答に優れた反射型垂直配向液晶表示デバイス
と、これを用いた表示装置、プロジェクション光学及び
ディスプレイシステムを実現することができる。
【0088】また、これらのシステムにおいて、垂直配
向液晶層の厚みを2μm以下と小さくしているために、
液晶層厚の2乗に比例すると考えられる黒レベルを低く
抑えることができ、光学系のFナンバーが3以下と小さ
くても、高コントラストの実現が可能となり、しかも小
さいFナンバーによって高輝度も併せて実現できること
になる。従って、高いコントラストと高輝度の双方を満
たすシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射型液晶表示デバイスにおける垂直配向液晶
材料の屈折率異方性Δnを変えた場合のV−T曲線図
(液晶層の厚さdが2μmの場合)である。
【図2】反射型液晶表示デバイスにおける垂直配向液晶
材料の屈折率異方性Δnを変えた場合のV−T曲線図
(液晶層の厚さdが1.5μmの場合)である。
【図3】反射型液晶表示デバイスにおける垂直配向液晶
材料の屈折率異方性Δnを変えた場合のV−T曲線図
(液晶層の厚さdが1μmの場合)である。
【図4】反射型垂直配向液晶表示デバイスの応答速度を
示すグラフ(3μm及び3.5μm厚の試料は従来デバ
イスの値)である。
【図5】反射型液晶表示デバイスにおける垂直配向液晶
材料の厚さd、屈折率異方性Δn及び誘電率異方性Δε
による飽和電圧、透過率及び応答速度を各試料について
まとめて示す表である。
【図6】同、液晶の屈折率異方性Δnによる飽和電圧の
変化を液晶層厚d毎に比較して示すグラフである。
【図7】同、液晶層の厚さが3.5μmの場合に、液晶
の屈折率異方性Δnを0.13とした時のV−T曲線図
である。
【図8】同、黒状態透過率の液晶層の厚さ依存性(従来
デバイスの液晶層厚である3.5μm厚デバイスの黒状
態の値を100%として示した)を比較して示すグラフ
である。
【図9】本発明による反射型垂直配向液晶デバイスと従
来デバイスの測定光学系のFナンバーによる黒レベルの
変化を比較して示すグラフである。
【図10】同、Fナンバーによるデバイスの輝度変化を
示すグラフである。
【図11】本発明による反射型垂直配向液晶表示デバイ
スの概略断面図である。
【図12】同、Si駆動回路基板側の要部断面図であ
る。
【図13】同、デバイスのレイアウト及び等価回路図で
ある。
【図14】従来デバイスのV−T曲線図(液晶層の厚さ
は約3μm)である。
【図15】従来デバイスで液晶層の厚さを減少させた時
のV−T曲線図(Δnは0.082)である。
【図16】同、液晶層厚による飽和電圧の変化を示すグ
ラフである。
【図17】同、反射型液晶表示デバイスを用いたプロジ
ェクション光学系を示す概略図である。
【符号の説明】
1…ランプ光源、2B、2G、2R…偏光ビームスプリ
ッタ、3B、3G、3R…反射型デバイス、4…X−C
ubeプリズム、6…フライアイレンズ、7…偏光変換
デバイス、8…コンデンサレンズ、9…ダイクロイック
色分離フィルタ、10(p,s)…白色光、10(s)
…s偏光の入射光、10R(s)、10G(s)、10
B(s)…s偏光の入射光、10R(p)、10G
(p)、10B(p)…p偏光の反射光、10(p)…
p偏光の投射光、11、12…全反射ミラー、23…反
射型液晶表示素子、30…光反射電極、31…Si駆動
回路基板、32…透明電極、33…ガラス基板、34、
35…液晶配向膜、36…垂直配向液晶、37…単結晶
シリコン基板、38、39、44…半導体領域、41、
46…電極、42、43、50…電極又は配線、47、
48、49…層間絶縁膜、d…液晶層厚、Δn…液晶の
屈折率異方性、Δε…液晶の誘電率異方性
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 21/00 G03B 21/00 E 5C058 H04N 5/66 102 H04N 5/66 102A 102B 5/74 5/74 K (72)発明者 杉浦 美奈子 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2H088 EA14 EA15 EA16 HA03 HA08 HA13 HA20 HA21 HA23 HA24 2H090 HB03Y LA05 LA09 LA11 LA12 LA20 MA01 MB06 2H091 FA05X FA10X FA14X FA26X FA41X LA17 MA07 2H092 GA15 GA28 JB07 KA03 PA02 PA08 PA11 PA12 RA05 2K103 AA05 AA14 AB01 AB04 BB02 BC09 BC14 BC15 5C058 AA08 BA02 BA05 BA08 EA01 EA14 EA26

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性電極を有する第1の基体と、光
    反射電極を有する第2の基体とが、前記光透過性電極及
    び前記光反射電極を互いに対向させかつ垂直配向液晶を
    介在させた状態で、対向配置されている反射型液晶表示
    素子であって、前記垂直配向液晶層の厚さが2μm以下
    であり、かつ垂直配向液晶材料の屈折率異方性Δnが
    0.1以上である反射型液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 前記光透過性電極としての透明電極及び
    前記光反射電極の対向面上にそれぞれ液晶配向膜が形成
    され、前記光反射電極が前記第2の基体に設けられたシ
    リコン等の単結晶半導体駆動回路に接続され、アクティ
    ブ駆動型に構成されている、請求項1に記載した反射型
    液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記単結晶半導体駆動回路が、前記第2
    の基体としてのシリコン基板に画素毎に設けられた駆動
    トランジスタを具備し、この駆動トランジスタの出力側
    に前記光反射電極が接続されている、請求項2に記載し
    た反射型液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 画素サイズが10μm以下である、請求
    項1に記載した反射型液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 酸化珪素膜が前記液晶配向膜として形成
    されている、請求項2に記載した反射型液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載した
    反射型液晶表示素子を具備する表示装置。
  7. 【請求項7】 光源と、この光源からの光を前記反射型
    液晶表示素子に入射させる光学系と、前記反射型液晶表
    示素子と、この反射型液晶表示素子からの反射光を導く
    光学系とが光路中に配置されている、請求項6に記載し
    た表示装置。
  8. 【請求項8】 前記光源からの光が偏光変換素子及び偏
    光ビームスプリッタを通して前記反射型液晶表示素子に
    入射し、この反射型液晶表示素子からの反射光が前記偏
    光ビームスプリッタを再び通して導かれる、請求項7に
    記載した表示装置。
  9. 【請求項9】 各色毎に前記反射型液晶表示素子と前記
    偏光ビームスプリッタとが配置され、それぞれの反射型
    液晶表示素子からの反射光が集光される、請求項8に記
    載した表示装置。
  10. 【請求項10】 白色光源からの白色光が前記偏光変換
    素子を通してダイクロイック色分離フィルタに導かれ、
    ここで分離された光が更に各色の分離光とされた後に前
    記偏光ビームスプリッタを介して前記反射型液晶表示素
    子にそれぞれ入射し、各反射光がプリズムで集光され
    る、請求項9に記載した表示装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜5のいずれか1項に記載し
    た反射型液晶表示素子が光路中に配置されているプロジ
    ェクション光学システム。
  12. 【請求項12】 光源と、この光源からの光を前記反射
    型液晶表示素子に入射させる光学系と、前記反射型液晶
    表示装置と、この反射型液晶表示装置からの反射光を導
    く光学系とが前記光路中に配置されている、請求項11
    に記載したプロジェクション光学システム。
  13. 【請求項13】 前記光源からの光が偏光変換素子及び
    偏光ビームスプリッタを通して前記反射型液晶表示素子
    に入射し、この反射型液晶表示素子からの反射光が前記
    偏光ビームスプリッタを再び通して投射レンズに導かれ
    る、請求項12に記載したプロジェクション光学システ
    ム。
  14. 【請求項14】 各色毎に前記反射型液晶表示素子と前
    記偏光ビームスプリッタとが配置され、それぞれの反射
    型液晶表示素子からの反射光が集光されて前記投射レン
    ズに導かれる、請求項13に記載したプロジェクション
    光学システム。
  15. 【請求項15】 白色光源からの白色光が前記偏光変換
    素子を通してダイクロイック色分離フィルタに導かれ、
    ここで分離された光が更に各色の分離光とされた後に前
    記偏光ビームスプリッタを介して前記反射型液晶表示素
    子にそれぞれ入射し、各反射光がプリズムで集光され
    る、請求項14に記載したプロジェクション光学システ
    ム。
  16. 【請求項16】 請求項1〜5のいずれか1項に記載し
    た反射型液晶表示素子が光路中に配置されているプロジ
    ェクションディスプレイシステム。
  17. 【請求項17】 光源と、この光源からの光を前記反射
    型液晶表示素子に入射させる光学系と、前記反射型液晶
    表示素子と、この反射型液晶表示素子からの反射光を導
    く光学系とが前記光路中に配置されている、請求項16
    に記載したプロジェクションディスプレイシステム。
  18. 【請求項18】 前記光源からの光が偏光変換素子及び
    偏光ビームスプリッタを通して前記反射型液晶表示素子
    に入射し、この反射型液晶表示素子からの反射光が前記
    偏光ビームスプリッタを再び通して投射レンズ、更には
    スクリーンに導かれる、請求項17に記載したプロジェ
    クションディスプレイシステム。
  19. 【請求項19】 各色毎に前記反射型液晶表示素子と前
    記偏光ビームスプリッタとが配置され、それぞれの反射
    型液晶表示素子からの反射光が集光されて前記投射レン
    ズに導かれる、請求項18に記載したプロジェクション
    ディスプレイシステム。
  20. 【請求項20】 白色光源からの白色光が前記偏光変換
    素子を通してダイクロイック色分離フィルタに導かれ、
    ここで分離された光が更に各色の分離光とされた後に前
    記偏光ビームスプリッタを介して前記反射型液晶表示素
    子にそれぞれ入射し、各反射光がプリズムで集光され
    る、請求項19に記載したプロジェクションディスプレ
    イシステム。
  21. 【請求項21】 請求項1〜5のいずれか1項に記載し
    た反射型液晶表示素子と、Fナンバーが3以下の光学系
    とが光路中に配置されているプロジェクション光学シス
    テム。
  22. 【請求項22】 光源と、この光源からの光を前記反射
    型液晶表示素子に入射させる光学系と、前記反射型液晶
    表示素子と、この反射型液晶表示素子からの反射光を導
    く光学系とが前記光路中に配置されている、請求項21
    に記載したプロジェクション光学システム。
  23. 【請求項23】 前記光源からの光が偏光変換素子及び
    偏光ビームスプリッタを通して前記反射型液晶表示素子
    に入射し、この反射型液晶表示素子からの反射光が前記
    偏光ビームスプリッタを再び通して投射レンズに導かれ
    る、請求項22に記載したプロジェクション光学システ
    ム。
  24. 【請求項24】 各色毎に前記反射型液晶表示素子と前
    記偏光ビームスプリッタとが配置され、それぞれの反射
    型液晶表示素子からの反射光が集光されて前記投射レン
    ズに導かれる、請求項23に記載したプロジェクション
    光学システム。
  25. 【請求項25】 白色光源からの白色光が前記偏光変換
    素子を通してダイクロイック色分離フィルタに導かれ、
    ここで分離された光が更に各色の分離光とされた後に前
    記偏光ビームスプリッタを介して前記反射型液晶表示素
    子にそれぞれ入射し、各反射光がプリズムで集光され
    る、請求項24に記載したプロジェクション光学システ
    ム。
  26. 【請求項26】 請求項1〜5のいずれか1項に記載し
    た反射型液晶表示素子とFナンバーが3以下の光学系と
    が光路中に配置されているプロジェクションディスプレ
    イシステム。
  27. 【請求項27】 光源と、この光源からの光を前記反射
    型液晶表示素子に入射させる光学系と、前記反射型液晶
    表示素子と、この反射型液晶表示素子からの反射光を導
    く光学系とが前記光路中に配置されている、請求項26
    に記載したプロジェクションディスプレイシステム。
  28. 【請求項28】 前記光源からの光が偏光変換素子及び
    偏光ビームスプリッタを通して前記反射型液晶表示素子
    に入射し、この反射型液晶表示素子からの反射光が前記
    偏光ビームスプリッタを再び通して投射レンズ、更には
    スクリーンに導かれる、請求項27に記載したプロジェ
    クションディスプレイシステム。
  29. 【請求項29】 各色毎に前記反射型液晶表示素子と前
    記偏光ビームスプリッタとが配置され、それぞれの反射
    型液晶表示素子からの反射光が集光されて前記投射レン
    ズに導かれる、請求項28に記載したプロジェクション
    ディスプレイシステム。
  30. 【請求項30】 白色光源からの白色光が前記偏光変換
    素子を通してダイクロイック色分離フィルタに導かれ、
    ここで分離された光が更に各色の分離光とされた後に前
    記偏光ビームスプリッタを介して前記反射型液晶表示素
    子にそれぞれ入射し、各反射光がプリズムで集光され
    る、請求項29に記載したプロジェクションディスプレ
    イシステム。
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