JP2016057555A - 液晶表示素子およびその製造方法、並びに液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスクリネーションを悪化させず、温度検出手段や冷却装置を有することなく、温度変動に伴う液晶のプレティルト角変化を抑えた液晶表示素子を提供すること。
【解決手段】第1基板と第1の基板上に設けられた第1電極と、第1の対向電極上に設けられた第1の配向膜と、第2の基板と、第2の基板上に設けられたマトリックス状に電極画素が配列した第2の対向電極と、第2の対向電極に設けられた第2の配向膜と、第1と第2の配向膜との間に挟まれた液晶層とからなり、第1と第2の配向膜は、第1と第2の基板面に対して傾きを持つ、5〜100nmの太さのカラムの集合体で形成されており、カラムが、表面から見て同じ方向に傾きを持ち、かつ傾き角度を異にする多層構造であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、VA(Vertical Alignment)方式の液晶表示素子とその製造方法、並びに液晶表示装置に関わり、特に、斜方蒸着法にて形成された液晶配向膜の構造とその製造方法に関する。
近年、液晶プロジェクタの用途が拡大し、長寿命と明るさが求められるようになってきた。両者を共に実現できるディスプレイデバイスとして、液晶配向膜に無機材料を使ったVA方式の液晶デバイスが着目されている。VA方式液晶デバイスには、透過型と反射型があり、以下に反射型デバイスで構造を説明するが、透過型においても配向膜の構造および液晶に対する機能は同じである。
反射型デバイスの構造としては、対向配置された一対の基板間に液晶を注入した素子が知られている。この場合、一対の基板としては、一方が、ガラス基板上に透明電極を積層形成した透明電極基板、他方が、例えばCMOS(Complementary-Metal Oxide Semiconductor)型の半導体回路からなるシリコン(Si)基板を活用した駆動素子基板が用いられている。駆動素子基板の上には、光の反射と液晶への印加電圧制御を行うための、金属の反射型画素電極が配置され、これにより全体として画素電極基板を構成している。
反射型の画素電極は、一般にはLSI(Large Scale Integrated)プロセスで用いられているアルミニウムを主成分とした金属材料で構成されている。透明電極、画素電極表面には、配向膜が形成され、無電界時の液晶の配向を規定している。さらに両配向膜間には液晶が注入されている。
透明電極基板上に設けられた透明電極と駆動素子基板上に設けられた画素電極とに電圧を加えることで、液晶に対して電界が加えられ、液晶は上記電極間の電位差に応じて光学的な特性が変化し、入射した光を変調させる。この変調により投写明るさの階調表現が可能となり、映像表示が実現される。
該映像表示には、パネルに均一な強度分布の光を照明する照明光学系、パネル反射光をスクリーンに投写する投写光学系が、別途構成される。
VA方式においては、「垂直配向液晶材料」、すなわち、負の誘電異方性(液晶分子の長軸に平行な誘電率ε(‖)と垂直な誘電率ε(⊥)との差Δε(=ε(‖)―ε(⊥))が負)を有する液晶材料が用いられている。該液晶分子は、印加電圧がゼロの時に、基板面表面に形成された配向膜にほぼ垂直に配向しており、この時、明るさ最小を投写するように光学構成している。また該液晶分子は、画素電極への印加電圧が大きくなるに従い、基板法線に対する傾き角を大きくし、次第に基板に対して平行に近づく。液晶が略平行になった時、明るさを最大とすべく制御している。
駆動時に液晶分子が傾斜する方位(パネル面上の任意の基軸線と、パネル上方から見た液晶が傾く方位とがなす角度)が一様でないと投写像に明暗のむらが生じてしまうので、これを避けるため、液晶分子にあらかじめ基板法線方向に対するわずかな角度(プレティルト角)を一定方位に与えて配向させる必要がある。その方位は画素電極の対角方位(45°方位)である。プレティルト角が大き過ぎると垂直配向性が劣化し、投写される黒レベルが上がりコントラストを低下させる。従って、画素電極の対角方位で、基板面の法線方向に対して1°〜10°の間にプレティルト角を制御することが一般的に行われている。両電極の電位差により駆動されるパネル内の液晶の傾きは、該プレティルト角が変わると変化する。
配向膜の形成方法として、酸化珪素に代表される無機配向膜を用いた斜方蒸着法が知られている。これは、基板蒸着時に、蒸発粒子が基板表面に角度を有して飛来するよう、基板法線を基板中心と蒸着源を結線から傾ける方法であり、プレティルト角は、蒸発源と基板とを結ぶ線と基板法線がなす角である蒸着角度により制御され、実用的な蒸着角度としは、45°〜70°程度が使われている。
このような配向膜で制御されたプレティルト角は、液晶温度により変化する特性があるため、液晶表示素子の環境温度や、液晶駆動電力に変化があると、プレティルト角が変化し、素子の光変調が所定の値から外れてしまい、本来の諧調表現ができなくなる現象が有る。この現象は液晶表示素子の温度特性と呼ばれている。
ここで、温度特性について、我々の検討結果を説明する。斜方蒸着法で形成した配向膜を断面SEMで観察したところ、基板法線から傾いた直径5〜100nmの柱状物の集合で形成されていることが分かった。これをカラムと呼ぶ。カラムの角度(カラム軸が基板法線となす角度)は斜方蒸着条件で変わるが、種々調べた結果、45〜80°であった。また、カラムの角度が主として、温度特性の要因となっていることも見出した。また、斜方蒸着法により、プレティルト角を小さくして配向膜を作製すれば、プレティルト角の温度依存性は小さくなり、5度以下に設定すれば、実用上問題にはならないことも見出した。しかし、プレティルトを小さくするとディスクリネーションが大きくなる問題が有る。
ここでディスクリネーションの説明を行う。図6は、ディスクリネーションを撮影した画像であり、2次元に配置された画素電極103に対して白表示する列103Wと、黒表示する列103Bとを1列ずつ交互に表示した状態での輝度レベルを示している。画像の明るさは実際の出力(明るさ)を示しており、白表示する列103Wにおいて理想的には画素全てが白表示されなくてはならないが、領域119において暗い部分があり、かつエッジ部分にもう一つラインが発生する。この表示不良を一般的にディスクリネーションと言われている。特許文献5では、画素サイズ7.6μmの反射型液晶表示素子では、6°以上のプレティルト角が良いと結論している。従って、温度特性対策としてプレティルト角を5度以下に設定することはできない。
制御を使った対策として、特許文献1では液晶表示素子に温度センサーを備えかつ各温度における最適な制御信号のテーブルを持つことで、液晶表示素子の温度変化による画質品位の劣化を抑制するといった技術が開示されている。本文献によれば、温度センサーで計測された温度情報に対応する制御信号をテーブルから取り出し、その制御信号によって補正された駆動信号を該素子に入力することで、各温度で最適な駆動信号を入力することができる。
また特許文献2では液晶表示素子の温度上昇に対し、冷却装置を備え該素子の温度を一定に保つといった技術が開示されている。本文献では、電気的に温度を制御できるペルチェ素子や冷却ファンを用いて、温度センサーの情報から冷却装置の冷却効率を電気的に可変させ、液晶表示素子の温度変化を抑える。
その他、特許文献3では、蒸着装置内に酸素イオンビームガンを備え、蒸着時に基板に酸素イオンを照射することで、カラム角度を維持したまま、プレティルトを制御することが可能になるので、温度特性を低く抑えたまま、プレティルトを6°以上に制御できる。
上記種々の手法を用いることで周囲温度や駆動電力の変化に影響されず、液晶表示素子の画質を維持することが可能となる。しかしながら、特許文献1に提案される技術は、液晶表示素子の内部に温度検出装置など部品点数を増加させ、好ましくない。
また、特許文献2に提案されている従来の技術は、ペルチェ素子や冷却ファンの使用により部品点数が増加し、かつ消費電力が増加する。
特許文献3による方法では、酸素イオン照射により、処理チャンバ内の真空度が低下し、配向膜カラムの形状が劣化する問題が生じる。これにより液晶の配向バラつきが大きくなり、黒投写時の明るさレベルが上がってしまう。原因は、真空度の上昇で蒸着粒子の平均自由工程が低下し、カラムに蒸着する蒸着粒子の飛来角度のバラつきが大きくなるためであるので、酸素イオンの照射量と酸化ケイ素の蒸着速度を下げて真空度を下げれば良いが、生産性が著しく低下するため、実用的では無い。
また、特許文献4は、配向膜を2段階で行う発明であるが、それだけである。
特開2003−248209号公報 特開平05−249431号公報 特開2007−33881号公報 特願2005−306058号公報 特開2004−163921号公報
そこで、本発明の目的は、ディスクリネーションを低下させず、温度検出手段や冷却装置を有することなく、温度変化に伴う液晶のプレティルト角変化を抑えた液晶表示素子を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の液晶表示素子は、第1基板と、第1の基板上に設けられた第1電極と、第1の対向電極上に設けられた第1の配向膜と、第2の基板と、第2の基板上に設けられたマトリックス状に電極画素が配列した第2の対向電極と、第2の対向電極上に設けられた第2の配向膜と、第1と第2の配向膜との間に挟まれた液晶層とからなり、前記第1と第2の配向膜は、それぞれ多層膜で構成され、各層の配向膜は、前記第1と第2の基板面に対して傾きを持つ、5〜100nmの太さのカラム(円柱)の集合体で構成され、該カラムが、各層間で表面から見て同じ方向に傾きを持ち、かつ傾き角度を異にすること特徴とする。
本発明の液晶表示素子によれば、負の誘電異方性を有する任意の液晶分子に対して、ディスクリネーションの像劣化を起こすことなく、消費電力の増加や部品点数の増加を伴うこともなく、所望のプレティルト角と十分に低い温度特性を得ることが可能となる。
実施例1で用いる投写型表示装置の光学系を説明する図 液晶表示素子の電気回路を説明する図 従来の液晶表示素子断面を説明する図 配向膜を形成する真空蒸着装置の概略図 多層構造配向膜を有した液晶表示素子断面を説明する図 ディスクリネーション画像の例を示している。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図5は、本発明の一実施の形態に係る反射型液晶表示素子の全体構造を示している。この反射型液晶表示素子は、互いに対向配置された一対の透明電極基板121および画素電極基板122と、これらの基板間に注入された垂直配向液晶104とを備えている。
透明電極基板121は、ガラス基板100と、このガラス基板100の垂直配向液晶104に接する面側( 画素電極基板122に対向する面側) に積層された透明電極102aとを備えている。透明電極102aの垂直配向液晶104に接する面側にはさらに、第一の配向膜117と第二の配向膜118とが順に全面的に積層されている。第一の配向膜117と第二の配向膜118とは連続的に積層されている。透明電極102aは、光の透過作用のある電極材料、一般に、酸化すず(SnO2) と酸化インジウム(In23)との固溶体物質であるITO(Indium Tin Oxide:インジウムすず酸化膜)が用いられる。透明電極102aには、全画素領域で共通の電位が印加されるようになっている。
第一の配向膜117と第二の配向膜118は、ともに直径5〜100nmのカラムの集合体で形成されているが、第一の配向膜117と第二の配向膜118の該カラムの傾き角は異なっている。該カラムの傾き方位は同じである。ここでカラムの傾き角とは、基板法線とカラム軸とのなす角度を云い、カラム傾き方位とは、基板上方から見た際の、カラムが傾く方位と基板上の代表軸とがなす角度を云う。第一の配向膜のカラムと第二の配向膜のカラムの、傾き方位が同じで、傾き角が異なる点が、本実施の形態の最大の特徴部分である。
画素電極基板122は、例えば単結晶のシリコン基板120を有し、このシリコン基板120の垂直配向液晶104に接する面側( 透明電極基板121に対向する面側) に、反射型画素電極103と、第一の配向膜117と、第二の配向膜118とが順に積層形成されている。第一の配向膜117と第二の配向膜118とは連続的に積層されている。シリコン基板120には、CMOSやNMOSなどのトランジスタT1とキャパシタ( 補助容量)C1とからなるアクティブ型の駆動回路が形成されている。
反射型画素電極103は、シリコン基板120上にマトリクス状に配置形成されている。反射型画素電極103は、アルミニウム(Al) や銀(Ag) に代表される金属膜で構成されている。反射型画素電極103としてアルミニウム電極等の金属電極を用いた場合は、光の反射膜の機能と液晶に電圧を印加する電極として機能との両方を兼ねているが、さらに反射率を上げるためにSiO、TiOのような増反射膜をアルミニウム電極等の上に形成しても良い。また、アルミニウム電極等の全面を保護する形で、酸化物の膜で覆うようにしても良い。
第一の配向膜117および第二の配向膜118としては、例えば二酸化珪素(SiO) に代表される酸化珪素による斜方蒸着膜が用いられる。この場合、第一の配向膜117と第二の配向膜118は、斜め蒸着時のそれぞれの蒸着角度を変えることにより、異なるカラム傾き角が実現できる。我々の検討では、最下層の配向膜の蒸着角度が、主としてプレチルト角を決定し、最上層の配向膜の蒸着角度で、温度特性が制御できることを見出した。これらは略独立して制御できる。それぞれの蒸着角度の関係は、
第一の配向膜の蒸着角度>第二の配向膜の蒸着角度
である。第一の配向膜の蒸着角度は、45°〜70°程度であり、第二の配向膜蒸着角度は、5〜60°である。
図2は、この反射型液晶表示素子の駆動回路の構成を示している。駆動部は、各画素内に形成される画素駆動回路124と、表示領域130の周辺に配置されるデータドライバ127および走査ドライバ128等のロジック部とを備えている。データドライバ127には、信号線129を介して外部からの画像信号が入力される。画素駆動回路124は、各反射型画素電極103の下層に形成され、一般にスイッチングトランジスタT1と液晶に電圧を供給する補助容量C1とを有して構成されている。トランジスタT1には、垂直配向液晶104の駆動電圧に対応した耐圧が要求され、一般にロジック部よりも高い耐圧プロセスで作製される。
画素駆動回路124において、列方向にはデータ線125が複数配置され、行方向には走査線126が複数配置されている。各データ線125と各走査線126との交差点が、1 画素に対応している。各トランジスタT1のソース電極は、データ線125に接続され、ゲート電極は、走査線126に接続されている。各トランジスタT1のドレイン電極は、各反射型画素電極103と補助容量C1とに接続されている。各データ線125は、データドライバ127に接続され、このデータドライバ127から画像信号が供給される。各走査線126は、走査ドライバ128に接続され、走査ドライバ128から走査信号が順次供給される。
次に、この反射型液晶表示素子の製造方法について説明する。なお、この反射型液晶表示素子の特徴部分は、透明電極基板121および画素電極基板122における第一配向膜のカラム傾き角と第二配向膜のカラム傾き角が異なることにあるので、特に、これらの膜形成の方法を詳しく説明する。また、それらの膜形成の方法は、基本的に透明電極基板121および画素電極基板122共に同じであるから、以下では、単に基板112として説明する。
図4は、これらの膜形成に用いられる真空蒸着装置を示している。処理チャンバ111内には、蒸発源114、基板を保持した基板ホルダーは配置される。蒸着源114はヒータや電子ビームにより加熱され、蒸発粒子が基板に蒸着される。基板と蒸発源との間に配置されたシャッターにより、基板への蒸着時間が制御できる。基板112は基板ホルダー113にて保持され、基板ホルダーは、基板傾き調整機構により外部から傾きを制御できる。処理チャンバ111は、膜形成時には、真空ポンプ115により真空状態に保たれる。
このような図4真空蒸着装置内において、まず、蒸着角度(基板112の基板面の法線方向と蒸着源114からの蒸着粒子の入射方向のなす角)116をα( 第1 の蒸着角度)とすべく基板傾き調整機構を制御したのち、第一の配向膜の形成を行う。蒸着粒子としては、例えば酸化珪素を用いる。αは、該蒸着方法において所望のプレティルト角形成が得られるように最適化した蒸着角度である。
その後、真空状態を維持した状態で、蒸着角度β( 第2 の蒸着角度)となるように、基板傾き調整機構を制御した後、第二の配向膜を蒸着形成する。蒸着源114は、第一の配向膜の形成時と同じものを使用し、蒸着粒子として、第一の配向膜117と同様、例えば酸化珪素を用いる。βは、該蒸着方法において温度特性を十分小さくなるよう最適化した角度であり、ゼロではない。例えば、5〜60°が良い。
以上のように、第一の配向膜117と第二の配向膜118との膜形成は、1台の真空蒸着装置内で連続的に行うことが好ましい。「連続的」とは真空状態を破らず、連続して成膜するということを云う。2つの膜を、別々の装置で成膜したり、あるいは第一の配向膜117を形成後、一度真空状態を破ってから第二の配向膜118を成膜する方法も可能であり、これによってもある程度の効果は得られる。しかしながら、その場合には、それらの膜の間の界面の清浄性を極めてきれいに保つ必要がある。すなわち、例えば酸化珪素は水分吸着や不純物の付着に敏感なため、第一の配向膜117の表面の化学的安定性が重要である。これが不十分であると、膜間の接合強度が弱いため、剥がれたりまた構造が連続的につながらず、その界面でイオン等が逆にトラップされ新たな焼き付きを起こす可能性がある。
この手法によれば、図6 に示すように、第一配向膜と第二配向膜とが一連の構造を持つ膜が形成される。いうならば、この配向膜は、傾き角を異にする第一の配向膜と第二の配向膜とが一体になった酸化珪素配向膜といえ、従来の斜方蒸着膜のみの構成とはまったく異なるものである。
第一の配向膜117と第二の配向膜118の厚さは、あまりに薄いと良質な膜ができず緻密で比抵抗の高い膜とならないことから10nm以上あることが好ましい。上限に関してはあまりに厚いと成膜時間が長くなり膜質が劣化して実用性に乏しくなるので厚さは500nm 以下であることが好ましい。より好ましくは30nm〜100nm の厚さが実用上、特に適している。
次に、以上のように構成された反射型液晶表示素子の作用、動作を説明する。この反射型液晶表示素子では、透明電極基板121側から入射し、垂直配向液晶104を通過した入射光L1を、反射型画素電極103の反射機能により反射させる。反射型画素電極103において反射された光L1は、入射時とは逆方向に、垂直配向液晶104および透明電極基板121を通過して出射される。このとき、垂直配向液晶104は、対向する電極間の電位差に応じて、その光学的な特性が変化し、通過する光L1を変調させる。この光変調により階調表現が可能となり、その変調された光L2が映像表示に利用される。
垂直配向液晶104への電圧印加は、図2 に示した画素駆動回路61によって行われる。データドライバ127は、信号線129を介して入力された外部からの画像信号に応じて、データ線125に画像信号を供給する。走査ドライバ128は、所定のタイミングで各走査線126に走査信号を順次供給する。これにより、走査線126からの走査信号によって走査され、かつデータ線125からの画像信号が印加された部分の画素が選択的に駆動される。
この反射型液晶表示素子では、透明電極基板121および画素電極基板122において、プレティルト角を主として決める第一の配向膜と、温度特性を主として決める第二の配向膜をそれぞれの機能に最適な蒸着角度で形成することで、環境温度や駆動電力の変化に対して、黒レベルが変化したり、明るさが変わることの無い良好な画質を実現することができるのである。
ここで類似特許との差異を示しておく。前述の特許文献4は、配向膜を2段階で行う発明であるが、第一の配向膜のカラム角度がゼロであるが点が本発明と異なる。
[実施例1]
投写型表示装置の実施形態を図1に基づき説明する。図1は投写型表示装置の実施形態を構成する主要な光学系の断面図である。
不図示の外部ビデオ入力信号を液晶表示素子駆動信号に変換する液晶表示素子ドライバ303からのドライブ信号により、図中の実線を介して反射型液晶素子からなるレッド用液晶表示素子3R、グリーン用液晶表示素子3G、ブルー用液晶表示素子3Bをそれぞれ独立に制御する。
一方、照明手段301からの紙面垂直方向に直線偏光偏波した照明光を、マゼンタ色を反射しグリーン色を透過するマゼンタグリーン波長帯域分離ダイクロイックミラー305によって、まずマゼンタ色成分を偏光する。
偏光されたマゼンタ色は、ブルー色の偏光に半波長のリタデーションを与えるブルークロスカラー偏光子311を通過して、紙面水平方向に直線偏光したブルー色成分と、紙面垂直方向に直線偏光したレッド色成分が形成される。
次に、偏光ビームスプリッタ310に入射し、紙面水平方向に直線偏光したブルー色成分は偏光分離膜をP偏光のため透過して、ブルー用液晶表示素子3Bに導かれ、紙面垂直方向に直線偏光したレッド色成分は偏光分離膜をS偏光のため反射して、レッド用液晶表示素子3Rに導かれる。
一方、マゼンタグリーン波長帯域分離ダイクロイックミラー305によって透過分離されたグリーン色成分は、光路長を補正するためのダミーガラス306を通過し、次に、偏光ビームスプリッタ307に入射し、紙面垂直方向に直線偏光したグリーン色成分は偏光分離膜をS偏光のため反射して、グリーン用液晶表示素子3Gに導かれるように構成されている。
上記の照明構成で各レッド用液晶表示素子3R、グリーン用液晶表示素子3G、ブルー用液晶表示素子3Gは照明される。
一方、ビデオ信号に則って変調されたレッド用液晶表示素子3R、グリーン用液晶表示素子3G、ブルー用液晶表示素子3Gによって、各液晶表示素子3R、3G、3Bを照明する光は、各レッド用液晶表示素子3R、グリーン用液晶表示素子3G、ブルー用液晶表示素子3Gに配列された画素の変調状態に応じて偏光状態が付与され、照明光と同じ方向の偏光偏波成分は、照明光路を略引き返す光路を辿って光源ランプ側に戻り、照明光の偏波方向に対して直角方向の偏光偏波成分に関しては、レッド用液晶表示素子3Rによる変調光は偏光偏波方向が紙面水平方向となり、偏光ビームスプリッタ301の偏光分離膜をP偏光のため透過する。
次に、レッド色の偏光に半波長の偏光変調を与えるレッドクロスカラー偏光子312を通過して、紙面垂直方向に直線偏光したレッド色成分に変換され、次に、偏光ビームスプリッタ308に入射し、紙面垂直方向に直線偏光したレッド色成分は偏光分離膜をS偏光のため反射して、投影光学系304の方向に偏光を受ける。
ブルー用液晶表示素子3Bによる変調光は偏光偏波方向が紙面垂直方向となり、偏光ビームスプリッタ310の偏光分離膜をS偏光波のため反射して、次に、レッド色の偏光に半波長のリタデーションを与えるレッドクロスカラー偏光子312を作用を受けずに通過して、次に、偏光ビームスプリッタ308に入射し、紙面垂直方向に直線偏光偏波したブルー色成分は偏光分離膜をS偏光波のため反射して、投影光学系304の方向に偏向を受ける。
グリーン用液晶表示素子3Gによる変調光は偏光偏波方向が紙面水平方向となり、偏光ビームスプリッタ307の偏光分離膜をP偏光波のため透過して、次に、光路長を補正するためのダミーガラス309を通過し、次に、偏光ビームスプリッタ308に入射し、紙面水平方向に直線偏光偏波したグリーン色成分は偏光分離膜をP偏光波のため透過して、投影光学系304の方向に導かれる。ただし各レッド用液晶表示素子3R、グリーン用液晶表示素子3G、ブルー用液晶表示素子3Gにおける複数配された画素は各所定画素が相対的に所定精度を有して重なるように調整またはメカ的または電気的に補償されていることは言及するまでもない。
次に、合波されたカラー色として変調された光はそのまま投影光学系304の入射瞳によって捕らえられ、各レッド用液晶表示素子3R、グリーン用液晶表示素子3G、ブルー用液晶表示素子3Gの光変調面と光拡散スクリーン313の光拡散面が投影光学系304によって光学的共役関係に配されているため、光拡散スクリーン313に転送されて、ビデオ信号に法った画像が光拡散スクリーン313に表示されるものである。
このとき、各々レッド用液晶表示素子3R、グリーン用液晶表示素子3G、ブルー用液晶表示素子3Bは、VA方式の反射型液晶表示素子である。
次に、液晶表示素子の配向膜形成方法を述べる。配向膜蒸発源は酸化ケイ素であり、第一の配向膜の蒸着角度は、プレティルト角8°を形成すべく選び、50nmの厚みを蒸着後、基板を真空外に出すことなく、外部より傾き調整機構を有した基板ホルダーを駆動し、明るさ1%での素子25℃と50℃との明るさの差が、最大輝度を100%とした時0.05%になるように、第二の配向膜形成時の蒸着角度を設定した。ただし、基板は基板ホルダーに対して回転せず、基板上の蒸着方位を変えないようにした。その後配向膜を50nm蒸着した。
このように配向膜形成した基板で液晶パネルを製作し、前記投写型表示装置で温度特性を測定したところ、環境温度25℃、50℃において、全諧調にわたって色変化を起こすことなく、特に黒レベルも明るさ変化0.05%以下で投影することができた。また、両温度で、ディスクリネーションも良好なレベルであることも確認できた。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明は、画像表示装置に関するものである。特に、画像パターンを液晶表示素子によって偏光変調画像を生成し、該画像を偏光状態を選択する偏光選択手段により強度変調画像に変換して可視画像を生成する表示装置に関するものであり、また、特に液晶表示素子の温度が高くなる、プロジェクタ表示装置の画質劣化を改善する発明である。
100 ガラス基板、102a 透明電極、123 配向膜、120 シリコン基板、103 反射画素電極、104 VA方式液晶分子、 105 配向膜カラム、106 配向膜カラム角度、107 配向膜カラム間隙間、 108 配向膜カラム太さ、109 基板法線、124 画素駆動回路、127 データドライバ、128 走査ドライバ、129 信号線、125 データ線、126 走査線、T1 トランジスタ、C1 キャパシタ、111 真空蒸着チャンバ、 112 基板、 113 基板ホルダー、 114 蒸発源、 115 真空ポンプ、 116 蒸着角、131 シャッター、 117 配向膜内第一層のカラム、118 配向膜内第二層のカラム、L1 パネル入射光およびパネル内通過光、L2 パネル出射光、119 ディスクリネーション表示不良領域、103B 黒表示画素、103W 白表示画素、3G グリーン用液晶表示素子、3B ブルー用液晶表示素子、3R レッド用液晶表示素子、303 液晶表示素子ドライバ、301 照明手段、304 投影光学系、305 マゼンタグリーン波長帯域分離ダイクロイックミラー、306および309 ダミーガラス、307 偏光ビームスプリッタ、308および310 偏光ビームスプリッタ、311 ブルークロスカラー偏光子、312 レッドクロスカラー偏光子、313 拡散スクリーン

Claims (8)

  1. 第1基板と
    第1の基板上に設けられた第1対向電極と、
    第1の対向電極上に設けられた第1の配向膜と、
    第2の基板と、
    第2の基板上に設けられたマトリックス状に電極画素が配列した第2の対向電極と、
    第2の対向電極に設けられた第2の配向膜と、
    第1と第2の配向膜との間に挟まれた液晶層とからなり、
    前記第1と第2の配向膜は、前記第1と第2の基板面に対して傾きを持つ、5〜100nmの太さのカラムの集合体で形成されており、
    該カラムが、表面から見て同じ方向に傾きを持ち、かつゼロで無い傾き角度を異にする多層構造であること特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記配向膜の多層構造各層のカラム角度が、下層より上層に行くに従い基板法線となす角度が徐々に小さくなることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記配向膜が、無機材料で形成される請求項2に記載の液晶表示素子。
  4. 前記配向膜が、酸化ケイ素で形成される請求項3に記載の液晶表示素子。
  5. 前記多層構造のカラムのうち、最下層のカラムの傾きが、基板法線に対し20〜40°であることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示素子。
  6. 前記多層構造のカラムのうち、最上層のカラムの傾きが、基板法線に対し1〜35°であることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示素子。
  7. 前記配向膜が、真空蒸着装置で形成された斜方蒸着膜であることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示素子。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の前記液晶表示素子と、
    光源と、
    前記光源の光を前記液晶表示素子に照明する照明光学系と、
    前記液晶表示素子からの光を拡大投影する投射レンズ系とからなる、
    投射型液晶表示装置。
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