JP2003105324A - 砥粒及びその製造方法、研磨具及びその製造方法、研磨用砥石及びその製造方法、並びに研磨装置 - Google Patents

砥粒及びその製造方法、研磨具及びその製造方法、研磨用砥石及びその製造方法、並びに研磨装置

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JP2003105324A JP2002161393A JP2002161393A JP2003105324A JP 2003105324 A JP2003105324 A JP 2003105324A JP 2002161393 A JP2002161393 A JP 2002161393A JP 2002161393 A JP2002161393 A JP 2002161393A JP 2003105324 A JP2003105324 A JP 2003105324A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工面粗さを犠牲にすることなく、加工能率
が極めて高い研磨加工を可能とする砥粒及びそのような
砥粒を用いた長寿命な研磨具、研磨装置を提供する。 【解決手段】 本発明の砥粒は多数の一次粒子が凝集し
て形成された二次粒子を一次粒子同士の結合点にネック
が形成される温度で加熱処理して得た、多数の微細な切
刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いに
ゆるく結合してなる粒状の多孔質体であって、該切刃形
成粒子が上記加熱処理時に一次粒子が成長して形成され
たものである構成を有するため、優れた品位を維持して
極めて能率良く、かつ、長時間に亘って安定して加工を
おこなうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン、ガラス
等の硬脆材料や、鉄鋼、アルミニウム等の金属材料を仕
上げ加工するための研磨具とその製造方法、そのような
研磨具を得るための砥粒、さらに研磨具を備えた研磨装
置に関し、特に加工の高品位化、高能率化を行うための
長寿命な研磨具およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンウェーハやガラスディスクをは
じめ各種硬脆材料や金属材料からなる部品の最終仕上げ
には、研磨剤スラリーを用いた研磨加工が用いられてき
た。この加工法は、微細な砥粒を使用しやすいため、優
れた仕上げ面を容易に得ることができ、また大量の研磨
剤スラリーを使用することで安定した加工特性を維持す
ることができるため、広く用いられてきた。
【0003】しかし、このような研磨剤スラリーを用い
る研磨加工においては大量のスラリーを要すると同時
に、大量のスラリー廃液を排出するため環境への負荷が
極めて高く、また加工能率の向上にも限界がある。こう
したことから、研磨剤スラリーを用いる研磨加工仕上げ
と同等以上の優れた仕上げ面を得ることのできる固定砥
粒加工工具の開発が各方面で活発に行われている。
【0004】ここで、砥粒加工において良好な加工面粗
さを得るには、微細な砥粒を使用することが有利であ
り、固定砥粒加工工具においても同様に微細な砥粒が用
いられている。しかし、鏡面のような優れた加工面を得
るために、粒径が数μm以下の砥粒の固定砥粒加工工具
を使用すると、砥粒と基材とを結合する結合材と工作物
との接触が生じ、また、切りくずが砥粒同士の間に蓄積
されて目詰まりが発生し、その結果、加工抵抗が急増
し、最悪の場合には加工ができなくなってしまう。
【0005】ここで、砥粒結合材と被工作物との接触を
抑制するような手段を講じた場合であっても、砥粒径が
小さいため、加工能率が低下してしまうと云った問題が
ある。
【0006】一方、加工能率を向上させるためは大粒径
の砥粒を選択しなければならないが、この場合、加工能
率は向上するものの、加工面品位が落ちて鏡面が得にく
くなる。
【0007】これらの問題を解決するものとして、微細
な砥粒を造粒し、凝集した状態の粉末を砥粒として使用
する固定砥粒加工工具が、特開平7−164324号、
特開平8−155840号、特表平9−504235
号、特開2000−198073、特開2000−23
7962、特開2000−176842、特開2001
−129764等の公報で提案されている。これらの固
定砥粒加工工具において、その微細な砥粒の作用により
優れた加工面粗さが得られ、同時に凝集した砥粒による
加工能率の向上等が実現される。
【0008】しかしながら、加工能率をさらに向上させ
ようとした場合に、砥粒を構成する微細な粒子同士の結
合力に関する着目のない、これら技術では、加工能率向
上の要求に応えられず、さらに固定砥粒加工工具の寿命
の点で不充分であるなどの問題が生じることが判った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を改善する、すなわち、加工面粗さを犠牲にする
ことなく、加工能率が極めて高い研磨加工を長時間持続
して可能とする砥粒及びそのような砥粒を用いた長寿命
な研磨具、研磨装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記従来技術に係る、微
細な砥粒を造粒し、凝集した状態の粉末を砥粒として使
用する固定砥粒加工工具について、本発明者等がさらに
鋭意研究を重ねた結果、加工対象物にも左右されるが、
基本的に砥粒を構成する微細な粒子同士の結合力が非常
に重要なファクタであることが判明した。すなわちこれ
ら従来技術においては凝集した砥粒を構成する微細な粒
子同士の結合力に関する着目・考察が一切なされてなか
った。
【0011】ここで、砥粒は研磨・研削工程での使用の
結果、徐々に摩耗して、平坦化された状態となっていく
が、この平坦化により生じた平面ないし略平面状の面が
加工面である。
【0012】焼結されているセラミックからなる砥粒の
場合には高い研磨能率が得られるが、空隙が存在せず
に、あまりにも硬すぎるので、被加工面に加工によっ
て、新たに大きなスクラッチをもたらし、加工面粗さを
劣化させる。
【0013】一方、微細な一次粒子が凝集して形成され
た形成された二次粒子からなる砥粒の場合には、一次粒
子と空間とによって一種の切刃が形成されるため、高い
研磨品質が得られる。
【0014】しかしながら、このような微細な一次粒子
が凝集して形成された二次粒子からなる砥粒では、一次
粒子が細かすぎ、あるいは、一次粒子同士の結合が制御
されていないために高い研磨能率が得られず、また、実
用に足る耐久性、寿命が得られない。
【0015】ここで、本発明者等は、細かい粒子が集ま
って形成された砥粒において、その細かい粒子同士の結
合力を適正に調整することによって、加工による砥粒の
摩耗を徐々に進行させることができ、その結果、常に新
しい切刃が発生し、被加工物に対して高加工能率で、か
つ、ナノメーターオーダーの高加工面品位が得られる優
れた加工特性を長時間維持することができ、このとき、
砥粒自体の磨耗は抑制されるので結果として工具寿命を
長くできることを見出した。
【0016】すなわち、本発明の砥粒は上記課題を解決
するため請求項1に記載のように、多数の一次粒子が凝
集して形成された二次粒子を一次粒子同士の結合点にネ
ックが形成される温度で加熱処理して得た、多数の微細
な切刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互
いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体であって、該切
刃形成粒子が上記加熱処理時に一次粒子が成長して形成
されたものであることを特徴とする砥粒である。
【0017】このような構成によれば、上記砥粒は、実
際の使用時に、請求項2に記載のようにその加工面にお
ける前記切刃形成粒子の少なくとも空隙に接する部分が
切刃として機能し、該切刃形成粒子が摩耗して切刃とな
る部分を失うにしたがって脱落するとともに、新たな切
刃形成粒子が加工面に順次突き出される機能を有し、研
磨、研削加工時に、砥粒に常に自生発刃が生じ、切り屑
の除去も良好で、優れた品位を維持して極めて能率良
く、かつ、長時間に亘って安定して加工を実施すること
ができる。
【0018】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2に記載の砥粒において、圧縮破壊強度が1MPa以上
500MPa以下である構成を有する。このような請求
項3の発明によれば、砥粒として、砥粒自身の摩耗と切
刃形成粒子が摩耗して切刃となる部分を失うにしたがっ
て生じる脱落の度合いとが最適化され、良好な加工面品
位を保ちながらさらに高能率で加工できると同時に、砥
粒の磨耗を抑えることもできるので、加工能率、加工品
質と長寿命とのバランスが良い砥粒とすることができ、
このような砥粒を有する研磨具の寿命をより長くするこ
とができる。
【0019】ここで、砥粒の圧縮破壊強度が500MP
aを越えると、加工面にスクラッチが発生しやすくな
り、加工面品位を劣化させてしまう恐れがある。また、
逆に圧縮破壊強度が1MPaよりも小さい場合、切刃形
成粒子の結合力があまりにも弱すぎるために、充分な研
磨、研削加工ができずに、逆に砥粒自体の磨耗が激し
く、加工能率が極端に低下し、加工物の前加工面を完全
に除去できない恐れがある。さらに砥石に応用した場合
に研削焼けが生じやすくなる。
【0020】研削焼けとは、研削砥石において砥粒の突
き出しが得られず、砥粒を固定する結合剤と工作物とが
接触して生じる現象であって、このとき、正常な研削加
工を行うことができずに研削面の温度が上昇し、研削面
に変色が発生することを云う。
【0021】請求項4の発明は、請求項3に記載の砥粒
において、圧縮破壊強度が20MPa以上300MPa
以下である構成を有する。このような請求項4記載の発
明によれば、高加工面品位を保ちながらさらに高能率で
加工できると同時に、さらに効果的に砥粒の磨耗を抑え
ることができ、このような砥粒を有する研磨具の寿命を
より長くすることができる。
【0022】請求項5の発明は、請求項1または請求項
2に記載の砥粒において、細孔比表面積が18000c
2/cm3以上700000cm2/cm3以下である構
成を有する。砥粒として、砥粒自身の摩耗と切刃形成粒
子が摩耗して切刃となる部分を失うにしたがって生じる
脱落の度合いとが最適化され、良好な加工面品位を保ち
ながらさらに高能率で加工できると同時に、砥粒の磨耗
を抑えることもできるので、加工能率、加工品質と長寿
命とのバランスが良い砥粒とすることができ、このよう
な砥粒を有する研磨具の寿命をより長くすることができ
る。
【0023】ここで、砥粒の細孔比表面積が18000
cm2/cm3未満であると、加工面にスクラッチが発生
しやすくなり、加工面品位を劣化させてしまう恐れがあ
る。また、逆に細孔比表面積が700000cm2/c
3よりも大きい場合、切刃形成粒子同士の結合力があ
まりにも弱すぎるために、充分な研磨、研削加工ができ
ずに、逆に砥粒自体の磨耗が激しく、加工能率が極端に
低下し、加工物の前加工面を完全に除去できない恐れが
ある。さらに砥石に応用した場合に研削焼けが生じやす
くなる。
【0024】請求項6の発明は、請求項5に記載の砥粒
において、細孔比表面積が100000cm2/cm3
上300000cm2/cm3以下である構成を有する。
このような請求項6記載の発明によれば、高加工面品位
を保ちながらさらに高能率で加工できると同時に、さら
に効果的に砥粒の磨耗を抑えることができ、このような
砥粒を有する研磨具の寿命をより長くすることができ
る。
【0025】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
9のいずれかに記載の砥粒において、切刃形成粒子の平
均粒径が5μm以下である構成を有する。このような請
求項7記載の発明によれば、優れた加工品位を確実に得
ることができる。ここで、前記切刃形成粒子の平均粒径
が5μmを越えると、加工面にスクラッチが発生して加
工品位が低下してしまう恐れがあり、好ましくない。こ
こで、切刃形成粒子の平均粒径が5μmを越えないよう
にするためには加熱処理条件を調整することで達成する
ことができる。
【0026】さらに、請求項8記載の発明はる請求項1
ないし請求項7のいずれかに記載の砥粒において、切刃
形成粒子同士を結合するためのバインダを含まない構成
を有する。
【0027】このような構成によって、切刃形成粒子が
摩耗して切刃となる部分を失うにしたがって脱落すると
ともに、新たな切刃形成粒子が加工面に順次突き出され
る際に、切刃形成粒子のバインダからの突き出し量が不
充分となることがなく、また、目つぶれ、目詰まり、バ
インダの残留やそのバインダへの切りくずの付着等によ
るスクラッチの発生の加工品位上の問題発生を回避する
ことができる。
【0028】上記のような、優れた砥粒を得るために、
本発明の砥粒の製造方法は請求項9に記載のように多数
の一次粒子を凝集させて二次粒子を得る工程と、該二次
粒子を一次粒子同士の結合点にネックが形成される温度
で加熱処理して、一次粒子を成長させて切刃形成粒子と
し、多数の微細な切刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙
を形成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体
からなる砥粒を得る工程とを有する。
【0029】このような本発明の砥粒の製造方法によれ
ば、このような2つの工程により、得られる砥粒は、実
際の砥粒としての使用時に、請求項2に記載のようにそ
の加工面における前記切刃形成粒子の少なくとも空隙に
接する部分が切刃として機能し、該切刃形成粒子が摩耗
して切刃となる部分を失うにしたがって脱落するととも
に、新たな切刃形成粒子が加工面に順次突き出される機
能を有し、研磨、研削加工時に、砥粒に常に自生発刃が
形成され、切り屑の除去も良好で、優れた品位を維持し
て極めて能率良く、かつ、長時間に亘って安定して加工
を実施することができる。
【0030】このとき請求項10に記載のように形成さ
れる切刃形成粒子の平均粒径が5μm以下となる条件で
加熱処理を行うことが望ましい。すなわち、切刃形成粒
子の平均粒径が5μmを越えると、加工面にスクラッチ
が発生して加工品位が低下してしまう恐れがあり、好ま
しくない。
【0031】また、請求項11記載の研磨具のようにこ
のような請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の砥
粒を研磨面に有する研磨具は、その優れた本発明に係る
砥粒により、優れた品位を維持して極めて能率良く、か
つ、長時間に亘って安定して加工を実施することができ
る。
【0032】また、請求項12に記載の研磨具は、請求
項11に記載の研磨具において、研磨具の研磨面表面に
砥粒が露出していることを特徴とする。このような構成
により砥粒同士、あるいは、砥粒とそれを支持する基材
とを固定するバインダによる加工品質の低下を防止する
ことができる。ここで、バインダとしては樹脂、セラミ
ック、金属のいずれか1種以上を用いることができ、ま
た、例えばセラミック前駆体を用いてその後加熱処理な
どによりセラミックとしても良い。
【0033】また、請求項13に記載の研磨具は、請求
項11または請求項12に記載の研磨具において、前記
研磨具が研磨フィルム、研磨布及び研磨用砥石のいずれ
かであることを特徴とする。研磨具がこのように研磨フ
ィルム、研磨布及び研磨用砥石のいずれかであることに
より、上記請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の
砥粒による高い加工能率で、かつ、高品位な加工が可能
となる効果を特に効果的に発揮させることができる。
【0034】研磨フィルムとした場合、前記砥粒の効果
を充分に得ることが可能となるとともに、研磨フィルム
自体が安価な研磨具であり、いわゆる、使い捨てないし
使い捨てに近い使用条件であっても比較的低コストの研
磨加工が可能とすることができる。
【0035】研磨布の場合、前記砥粒の効果を充分に得
ることが可能となるとともに、工具として従来の研磨加
工機やラップ加工機において、その定盤に置き換えて使
用することができ、また研磨フィルムと異なり、摩耗と
ともに新たな砥粒が研磨具表面に現れるため、長時間使
用することができる。したがって、工作物を能率よく、
優れた加工面品位に仕上げられるとともに、寿命が長い
ため、工具コストが安くなり、同時に工具取り替えなど
の作業者の負担を低減できる。
【0036】また、研磨用砥石に応用して砥石内に添加
することにより、研磨、研削加工時に、研削焼けを生じ
ることなく、安定に能率良く優れた加工面品位に工作物
を仕上げることができる。
【0037】また、請求項14に記載の研磨具は、請求
項13に記載の研磨具において前記研磨具が研磨フィル
ムであって、前記砥粒を基材フィルムに固定するための
バインダ層の厚さが該砥粒の最大直径よりも小さいこと
を特徴とする。このような構成により、バインダが被研
磨面に接触することによる研磨品質の低下を防止し、砥
粒の突き出し量が保証される。
【0038】また、請求項15に記載の研磨具は、請求
項11ないし請求項14のいずれかに記載の研磨具にお
いて、砥粒を有する部分における前記砥粒の含有率が5
体積%以上90体積%以下であることを特徴とする。こ
のような構成により優れた加工面品位を高い能率で得る
ことが可能となる。前記砥粒の含有率が5体積%未満で
あると添加の効果が充分に得られない場合があり、一
方、含有率90体積%をこえると研磨具の結合材量が少
なすぎて、砥粒保持強度が著しく低下し、研磨具として
用いることができない。
【0039】また、請求項16の研磨具の製造方法は、
多数の一次粒子を凝集させて二次粒子を得る工程と、該
二次粒子を一次粒子同士の結合点にネックが形成される
温度で加熱処理して、一次粒子を成長させて切刃形成粒
子とし、多数の微細な切刃形成粒子が部分的に、かつ、
空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔
質体からなる砥粒を得る工程、該砥粒を基材に固定する
工程とを有する。このような構成により、優れた品位を
維持しつつ、極めて能率良く研磨加工できる長寿命の研
磨具を容易に得ることができる。
【0040】また、請求項16の研磨具の製造方法にお
いて、請求項17に記載のように、、前記砥粒を基材に
固定する工程において、樹脂、セラミック及び金属から
選ばれた1種以上のバインダを用いることにより、求め
られる耐熱性、強度などを満足する研磨具を得ることが
できる。なお、このとき用いる砥粒の表面を改質処理
し、バインダとの密着性を向上させることも可能であ
る。
【0041】固定方法としては、例えばバインダと砥粒
とからなる混合物を例えばワイヤバーコータ、グラビア
コータ、リバースロールコータあるいはナイフコータな
どを用いて基材に塗布することによって行うことができ
る。
【0042】また、この請求項17の研磨具の製造方法
において、請求項18に記載のように、前記砥粒を基材
に固定する工程において、砥粒を強化材とともに基材に
固定することにより寿命の長い研磨具を得ることができ
る。ここで強化材としては請求項19に記載のように、
金属粉末、炭素繊維、ガラス繊維などの無機繊維、ポリ
アクリロニトリル繊維などの有機繊維、あるいは金属繊
維などが挙げられる。繊維を用いる場合、必要に応じて
チョップドファイバー、ミルドファイバーなどの適当な
長さとして用いることができる。また、さらにこれら繊
維の表面を改質処理し、バインダとの密着性を向上させ
ることも可能である。また、強化材としては、上記の
他、各種ウィスカーなども用いることもできる。
【0043】また、請求項20に記載の研磨具の製造方
法は、請求項16ないし請求項19のいずれかに記載の
研磨具の製造方法において、研磨具が研磨フィルムある
いは研磨布であることを特徴とする。
【0044】また、請求項21に記載の研磨用砥石の製
造方法は、多数の一次粒子を凝集させて二次粒子を得る
工程、該二次粒子を一次粒子同士の結合点にネックが形
成される温度で加熱処理して、複数の一次粒子を成長さ
せて切刃形成粒子とし、多数の微細な切刃形成粒子が部
分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合して
なる粒状の多孔質体からなる砥粒とする工程、該砥粒を
結合させるバインダと該砥粒とを混合あるいは混練して
砥粒混合材料を得る工程、及び、該砥粒混合材料を成形
して研磨用砥石とする工程を有する研磨用砥石の製造方
法であり、このような製造方法により、優れた品位を維
持して極めて能率良く加工をおこなうことができる研磨
用砥石を容易に得ることができる。ここでバインダとし
ては樹脂、セラミック、金属のいずれか1種以上を用い
ることができ、また、例えばセラミック前駆体を用いて
その後加熱処理などによりセラミックとしても良い。
【0045】さらに請求項22に記載の研磨用砥石の製
造方法において、請求項21に記載のように前記砥粒と
該砥粒を結合させる結合材料とを混合あるいは混練して
砥粒混合材料を得る工程において、強化材を添加するこ
とにより剛性や耐磨耗性を向上させることができ、さら
に寿命の長い研磨用砥石とすることができる。このと
き、請求項23に記載のように、前記強化材としては、
有機繊維、無機繊維及び金属繊維が挙げられ、これら繊
維を必要に応じてチョップドファイバー、ミルドファイ
バーなどの適当な長さとして用いることができる。ま
た、さらにこれら繊維の表面を改質処理し、バインダと
の密着性を向上させることも可能である。また、強化材
としては、各種ウィスカーなどを用いることもできる。
さらにこれら強化材の表面を改質処理し、バインダとの
密着性を向上させることも可能である。
【0046】また、請求項24に記載の研磨装置は前記
請求項11ないし請求項15のいずれかに記載の研磨具
を有する。このような研磨装置は研磨効率と研磨品質と
が高く、かつ、研磨具の寿命が長いのでその交換の手間
が少なくて済む。このような研磨具は、高い加工能率
で、かつ、高品位な加工が可能となり、また、長寿命で
ある。
【0047】
【発明の実施の形態】本発明の砥粒は、多数の一次粒子
が凝集して形成された二次粒子を一次粒子同士の結合点
にネックが形成される温度で加熱処理して得た、多数の
微細な切刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成し
て、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体であっ
て、この切刃形成粒子は上記加熱処理時に一次粒子が成
長して形成されている砥粒である。
【0048】このように、従来の微細な一次粒子が単に
凝集して形成された二次粒子からなる砥粒とは異なり、
多数の微細な切刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形
成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体の構
造が維持されながらも、上記従来の砥粒内の一次粒子同
士の結合と比べ、一次粒子が加熱処理により成長してな
る切刃形成粒子同士の結合部分にネックが形成されてい
るためにその結合が強いので、研磨効率と研磨品質を有
しながらも、長時間の使用が可能とすることができる。
【0049】本発明における切刃形成粒子とは、多数の
一次粒子が凝集して形成された二次粒子中の一次粒子が
加熱処理によって成長した粒子であって、少なくともそ
の一部分が研磨、研削加工への使用時に工作物に対して
切刃として加工物に対して加工作用を及ぼす粒子であ
る。
【0050】さらに、上記のように一次粒子が成長する
加熱処理によれば、粒子を構成する物質の物質移動によ
り一次粒子が成長するのみならず、粒子同士の結合箇所
は、粒子を形成する物質の物質移動により太くなり、不
連続点のないなだらかな曲面となり、1葉双曲面状(鼓
状)にくびれた、いわゆる「ネック」状となる。この加
熱処理時の物質移動による一次粒子の成長及び「ネッ
ク」形成については、株式会社産業技術センター発行
「セラミック材料技術集成」(昭和54年4月10日初
版第1刷発行)の「2.3 物質移動の機構と焼結のモ
デル」に詳細に記載されている。
【0051】本発明ではこのように、切刃形成粒子同士
が切刃形成粒子を構成する物質自体より結合しているた
めに、砥粒としてバインダを含まず、その結果、切刃形
成粒子が摩耗して切刃となる部分を失うにしたがって脱
落するとともに、新たな切刃形成粒子が加工面に順次突
き出されるため、バインダを用いて砥粒を形成したとき
に生じる、切刃形成粒子のバインダからの突き出し量が
不充分となる、また、目つぶれ、目詰まり、バインダの
残留やそのバインダへの切りくずの付着等によるスクラ
ッチの発生の加工品位上の瑕疵発生等の問題を回避する
ことができる。
【0052】ただし、多数の一次粒子を互いに凝集させ
て二次粒子を形成する際には、加熱処理により酸化、分
解あるいは蒸発等により完全に消滅するような、例えば
有機物からなるバインダは用いることが可能で、その場
合には砥粒としての使用時にバインダが残留していない
ので上記不都合は回避される。
【0053】このような、粒子同士の結合箇所がネック
状となることにより、切刃形成粒子同士の結合の強さは
強化され、その結果、粒子自体の成長と相まって、高い
加工能率で、かつ、高品位な加工が可能でありながら、
長時間の加工が可能な砥粒を得ることができる。
【0054】本発明において、一次粒子を構成する原料
としては、上記のような加熱処理によって粒子を構成す
る物質が物質移動して成長するものであって、砥粒とし
たときに受容できる物性を有する硬質無機材料であれば
よく、シリカ、セリア、キュービック窒化ホウ素(cB
N)、アルミナ、炭化珪素、酸化ジルコニウムなどが挙
げられ、一次粒子の大きさとしては、平均粒径が5μm
以下のものを用いることが望ましい。
【0055】本発明における二次粒子とは多数の微細な
一次粒子からなる凝集体である。多数の微細な一次粒子
を互いに凝集させてこのような二次粒子を得る方法とし
ては、スプレードライヤー(一般的に、1μm〜300
μmまでのサイズが得られる。粒度分布がシャープでな
いときには分級プロセスを加える)、ゾルゲル法、溶媒
を併用する凍結乾燥法及び溶媒乾燥法等が挙げられる。
さらに、固体の熱分解及び固相反応を利用する方法、あ
るいは気体からの形成方法として、蒸発−凝集、気相分
解法、その他の気相反応なども用いることができる。
【0056】上記のようにして得た二次粒子に対して加
熱処理を行い、二次粒子内の一次粒子を成長させる。本
発明における加熱処理は上記のように多数の一次粒子が
凝集して形成された二次粒子中の一次粒子が成長する条
件(温度、時間)でおこなう必要がある。
【0057】その加熱処理の条件は、一次粒子を構成す
る物質によって適宜選択するが、通常は加熱処理が10
分〜数時間以内に終了する程度の温度を選択する。加熱
処理時間が長すぎると制御が困難となり、通常のセラミ
ック製の砥粒のように焼結してしまって、焼結までは至
らなくとも、切刃形成粒子が大きくなってしまって、実
質焼結してしまったのと同じになった場合には、本発明
の効果が得られない。
【0058】ここで、予めいくつかの異なった温度、時
間で加熱処理の試験を行い、処理後の粒子内部の構造を
電子顕微鏡等で観察して、切刃形成粒子同士の結合箇所
が、不連続点のないなだらかな曲面となり、1葉双曲面
状にくびれた、いわゆる「ネック」状となる条件の範囲
(一次粒子が成長したことを示す)であって、多数の微
細な切刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、
互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体構造が保たれ
ている範囲の条件を探し出す。
【0059】これら温度、時間は材料によって大きく異
なるが上記例示した材料では概ね500〜1600℃、
数分〜24時間である。このとき必要に応じて加圧して
行うことも可能である。
【0060】ただし、砥粒を構成する切刃形成粒子が成
長して大きくなりすぎると、上記バランスが崩れ、本発
明の効果が得られなくなるおそれがあるため、加熱処理
は砥粒内の切刃形成粒の平均粒径が5μm以下となる条
件で行うことが望ましい。
【0061】上記加熱処理において、得られる砥粒の圧
縮破壊強度が1MPa以上500MPa以下となる条
件、あるいは、細孔比表面積が18000cm2/cm3
以上700000cm2/cm3以下となる条件で行うこ
とが好ましい。このとき、高加工面品位をさらに高能率
で研磨できると同時に、砥粒の磨耗を抑えることが可能
となり、この砥粒を有する研磨具をより長く使用するこ
とができ、研磨具交換の手間を省き、かつ、研磨具交換
に要するコストを低くすることができる。
【0062】
【実施例】以下に本発明の砥粒について具体的に実施例
を挙げて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限
定されるものではなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲
で種々変形して実施することができる。
【0063】なお、本発明において平均粒径は、堀場製
作所製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−92
0を用いて、乾式で行い、頻度積算50%のところの粒
径を以って平均粒径(通常、メジアン径と云われる)と
した。
【0064】また、圧縮破壊強度試験は、平松、岡、木
山による報告(日本鉱業会誌、81,1024(196
5))に基づく島津製作所(株)製微小圧縮試験機MC
TM500PCを用いておこなった。
【0065】試験条件として、試験荷重を10〜100
0mN、負荷速度は0.446mN/secとし、平面
圧子を用いて、被測定顆粒に対して圧縮を行い、顆粒が
圧縮により破壊されたときの強度を測定する。このとき
の圧縮変位と荷重との関係をモデル的に図1に示す。圧
縮破壊強度は図1における破線丸内の曲線屈折部での荷
重値を読みとり、この値から算出した。
【0066】一方、加工面の面粗さの評価はテーラホプ
ソン社製フォームタリサーフS4Cを用いて行った。ま
た、本発明における細孔比表面積は、相対圧0.3にお
ける窒素ガスの吸脱着BET1点法により測定したBE
T比表面積を砥粒を構成する材料の密度を乗した値を用
いた。
【0067】[実施例1]粒径が50〜60nmからな
る超微細酸化ジルコニウム(ZrO2)粉末を水(水系
バインダ例えば,ポリビニルアルコール−水混合物を用
いても良い)を加えてスラリーとし、これをスプレード
ライヤーで噴霧して、平均粒径で50μmの二次粒子α
を得た。この二次粒子αの圧縮破壊強度は0.47MP
aであった。二次粒子αの全体の走査型電子顕微鏡(S
EM)写真と、部分拡大した走査型電子顕微鏡(SE
M)写真とを図2及び図3に示す。
【0068】この二次粒子αを電気炉で加熱処理した。
この加熱処理により、上記のように二次粒子形成時にバ
インダとして用いたポリビニルアルコールは完全に除去
される。
【0069】ここで予め調べた条件に従い、砥粒として
の使用時に切刃形成粒子として機能する多孔質粒体内部
の内部粒子が5μm以下になるように加熱処理温度と加
熱処理時間を調整した。適切な条件での加熱処理を行っ
た、この酸化ジルコニウムからなる多孔質粒体(砥粒
β)の一例について部分拡大したSEM写真(図3と同
倍率)を図4に示す。
【0070】図4により、砥粒としての使用時に切刃形
成粒子として機能する多孔質粒体は図3に示した一次粒
子よりも明らかに大きく成長していて、その粒子同士の
結合は1葉双曲面状にくびれた、いわゆる「ネック」状
となっていること、及び、多数の微細な切刃形成粒子が
部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合し
ていることが確認できる。なお、加熱処理の際、その時
間を長くしすぎたり、あるいは、温度を高くしすぎる
と、一次粒子同士が完全に結合して、ほぼ完全な焼結体
となる。
【0071】このようにして得た圧縮破壊強度が92.
6MPaの、平均粒径50μmの本発明に係る砥粒β
を、粒子の体積比が35体積%となるよう、液状のウレ
タン樹脂と混合し、さらに溶媒としてメチルエチルケト
ンを加え、溶液粘度を調整した後、撹拌機を用いて10
分程度混合攪拌して混合物を作製した。撹拌は、室温
で、回転数は砥粒を破壊しない程度として50rpmで
行った。
【0072】この混合物を基材上(厚さ約75μmのP
ETフィルムにワイヤバーコータを用いて塗布し、その
後、60℃に保った恒温槽内で1時間乾燥させ、研磨具
である研磨フィルムAを得た。
【0073】得られた塗布層(砥粒を有する部分)の最
大厚さは粒度分布を持つ本発明に係る砥粒の最大径にほ
ぼ等しい厚さになる(上記のように溶媒を併用すること
によりバインダ層の厚さを薄くすることが容易とな
る)。このように作製した研磨フィルムAをラップ定盤
に取りつけ、最大高さ粗さRyが2μmとなるように調
整した直径30mmの光学ガラスディスク(硼珪酸クラ
ウンガラス(BK7相当品))を加工した結果(加工条
件:定盤回転数60rpm、加工圧力46kPa)、2
分間でスクラッチのない、最大高さ粗さRyが30nm
以下の鏡面を得ることができた。
【0074】また、引き続き同条件で同様のガラスディ
スクを20枚を加工しても、加工能率や加工面粗さの低
下がほぼ見られなかった。ここで、ガラスディスクの加
工前の表面拡大写真を図5に、そのときの表面粗さ測定
結果(チャート)を図6に、また、加工後の表面拡大写
真(図5と拡大倍率が同じ)及び表面粗さ測定結果をそ
れぞれ図7及び図8に示す。これらより加工前に存在し
た凹凸が加工後では殆どなくなり、鏡面になっているこ
とが判る。
【0075】また、ガラスディスクを10枚加工後の研
磨フィルムA上の砥粒磨耗状況を調べた。その表面の状
態を図9に示す。図9から、切刃形成粒子同士の結合力
が適切であるため、加工進行するに伴い、徐々に磨耗が
進み、砥粒における大きな破損や基材からの脱落がない
ことが判る。
【0076】[比較例1〜2]実施例1での二次粒子α
を用いて砥粒β作製と同様に、ただし加熱処理条件を変
化させて、圧縮破壊強度が0.6MPaで細孔比表面積
が1000000cm 2/cm3の砥粒γ、及び、圧縮破
壊強度が613MPaで細孔比表面積が3000cm2
/cm3の砥粒δを得た。これらの平均粒径はともに5
0μmであった。
【0077】これら砥粒γ及びδをそれぞれ走査型電子
顕微鏡で観察したところ、圧縮破壊強度が0.6MPa
の砥粒δでは、「ネック」形成が見られず、加熱処理が
不充分で一次粒子が成長していないことが判った。一
方、圧縮破壊強度が613MPaの砥粒δでは、多数の
微細な切刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成し
て、互いにゆるく結合してなる構造がなく、ほぼ完全焼
結体となっていた。
【0078】これら2種類の砥粒γあるいはδをそれぞ
れ用いて、研磨フィルムA同様にして上記同じ方法で研
磨フィルムB(砥粒γの圧縮破壊強度:0.6MPa、
比較例1)と研磨フィルムC(砥粒δの圧縮破壊強度:
613MPa、比較例2)を作製した。これら研磨フィ
ルムBとCをそれぞれ同じように上記のラップ盤に取り
付け、同じ加工条件で最大高さ粗さRyが2μmになる
ように調整したBK7光学ガラスディスクに対して、加
工を行った。研磨フィルムBの場合は、20分加工を行
ったが、最大高さ粗さRyは1.275μmにしか到達
できなかった。
【0079】また、加熱処理を行っていない二次粒子α
(圧縮破壊強度0.47MPa)を用いて作製した研磨
フィルムを用いて同様に加工テストを行ったところ、研
磨フィルムBでの結果よりもさらに加工能率が低く、前
加工面を改善できなかった。
【0080】加工前のガラスディスクのガラスディスク
の加工前の表面の拡大写真を図10に、表面粗さ測定結
果を図11に、及び20分間の加工後の表面の拡大写真
(拡大倍率は図10と同じ)及び表面粗さ測定結果をそ
れぞれ図12及び図13に示す。また加工使用後の研磨
フィルムB上の砥粒の状態を図14に示す
【0081】これら結果より、研磨フィルムBを用いた
20分間の研磨によって、ガラスディスクの面粗さが多
少改善されたものの、砥粒自身の磨耗が激しく(図14
参照)、ガラスディスクの前加工面が完全には除去でき
ていないことが判る。
【0082】一方、研磨フィルムCを用いた場合、一次
粒子同士が完全に結合した完全焼結体となった砥粒をも
ちいているので、ガラスディスクの表面に逆に加工によ
って、新たに大きなスクラッチを発生させ、最大高さ粗
さRyが2.7228μmとむしろ劣化させた(図15
には表面拡大写真(スクラッチが見える)を、図16に
は表面粗さ測定結果(スクラッチの存在が確認される)
を示す)そして、砥粒自身もあまり磨耗せず、顕微鏡に
よる観察でも先端部分の平坦化が見られなかった。
【0083】同様に、さまざまな圧縮破壊強度の砥粒を
有する研磨フィルムを作製し、その圧縮破壊強度と加工
面粗さ(記号:□)及び加工能率(記号:◇)との関係
を調べた。結果を図17に示す。図17中縦軸の加工能
率は単位時間当たりの研削量を相対的に示したものであ
り、グラフ中、上になるほど加工能率が高い。
【0084】図17から、圧縮破壊強度が小さすぎると
(圧縮破壊強度:1MPa未満)、つまり切刃形成粒子
の結合力が弱すぎると、加工能率が低く、また、加工圧
力による砥粒自身の破壊が進むために、前加工面を完全
に除去しきれないので、加工面粗さも殆ど改善されな
い。一方、圧縮破壊強度があまり高すぎると、例えば、
ぼほ完全な焼結体(圧縮破壊強度:613MPa)の場
合、加工能率は著しく高くなるが、その反面加工面品位
も大きく劣化した。このように、適切な切刃形成粒子の
結合力を有する本発明に係る砥粒だけは、高加工面品位
(鏡面)を高能率で達成することができた。そして、そ
のとき、砥粒自身の磨耗も抑えられ、研磨具寿命も延び
ることが判った。
【0085】上記図17でのさまざまな圧縮破壊強度の
砥粒について、砥粒の内部構造を表すパラメータである
細孔比表面積と加工能率との関係を調べた図を図18に
示した。ここで、細孔比表面積とは通常の比表面積(単
位は「cm2/g」あるいは「m2/g」等)とは異な
り、材料の比重の違いによる影響を除外してあるため、
内部構造の違いをより顕著に示すパラメータである。ま
た、図18中縦軸の加工能率は単位時間当たりの研削量
を相対的に示したものであり、グラフ中、上になるほど
加工能率が高い。
【0086】図18から、加熱処理の効果が充分に発揮
されず、細孔比表面積が大きすぎると(細孔比表面積:
700000cm2/cm3超)、つまり切刃形成粒子の
結合力が弱すぎると、加工能率が低く、また、加工圧力
による砥粒自身の破壊が進むために、前加工面を完全に
除去しきれないので、加工面粗さも殆ど改善されない。
一方、細孔比表面積があまりに小さすぎる、多数の微細
な切刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互
いにゆるく結合してなる構造が失われている、例えば、
ぼほ完全な焼結体(細孔比表面積:5000cm2/c
3以下)の場合、加工能率は著しく高くなるが、その
反面加工面品位も大きく劣化した。このように、適切な
切刃形成粒子の結合力と特定の構造を有する本発明に係
る砥粒だけは、高加工面品位(鏡面)を高能率で達成す
ることができた。そして、そのとき、砥粒自身の磨耗も
抑えられ、研磨具寿命も延びることが判った。
【0087】[実施例2]コロイダルシリカからなる一
次粒子径(平均粒径50nm)からなるシリカ砥粒を、
ゾルゲル法により平均粒径が30μmとなるように凝集
させ、得られたシリカ粉を乾燥させ、細孔に含まれる水
分及び有機溶媒を除去し二次粒子εを得た。
【0088】このようにして得た二次粒子εについて、
様々な条件で加熱処理を行った後、走査型電子顕微鏡観
察を行い、これらのうちから、多数の微細な切刃形成粒
子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結
合してなる粒状の多孔質体であって、該切刃形成粒子が
上記加熱処理時に一次粒子が成長して形成された粒状の
多孔質である本発明に係る砥粒ζを得た。この砥粒ζの
圧縮破壊強度は124.2MPaであり、切刃形成粒子
の大きさは1.2μmであった。
【0089】得られた砥粒ζを体積比で35体積%とな
るように、及び、平均粒径3μmの銅粉末(強化材)を
体積比で15体積%となるように、ポリウレタン樹脂と
混合し、撹拌機で60rpm、15分間混合攪拌して、
混合物を得た(この際、必要に応じて独立気泡を形成す
るための発泡剤を添加することも可能である)。
【0090】この混合物を円形金型(450mmΦ)に
注入し、次いで120℃で10時間の加熱処理によって
硬化させて研磨布を得た。得られた研磨布を所定の大き
さに切り出して定盤に貼り付け、予め#2000相当の
砥石で研削加工した直径30mmのシリコンウェーハを
研磨加工した。
【0091】その結果、10分間の加工でスクラッチの
ない、加工面最大高さ粗さRyが20nm以下の鏡面を
得ることができた。また、引き続きシリコンウェーハを
20枚研磨加工行っても、加工能率や加工面粗さの低下
は認められなかった。
【0092】ここで実施例2で用いた本発明に係る研磨
布を研磨装置であるシリコン加工用研磨装置に取りつけ
た例を図19にモデル的に示す。図中符号1で示される
のが被加工物であるシリコンウェーハであり、シリコン
ウェーハ1は回転部10に取りつけられていて、この回
転部10の回転によって回転し、また、その回転部10
の上下方向の動きに応じて定盤20上に固定された本発
明に係る研磨布(研磨布の代わりに研磨フィルムを固定
しても良い)に接触し、その下面が研磨される。なお、
定盤20も回転するため、シリコンウェーハ1下面全体
が均一に研磨されるようになっている。
【0093】[実施例3]上記二次粒子εに対して実施
例2とは異なった条件で加熱処理を行って得た圧縮破壊
強度が18.5MPaで、切刃形成粒子の大きさが0.
2μmのシリカ砥粒について研磨布として検討を行っ
た。
【0094】このシリカ砥粒を用いて実施例2同様にし
て研磨布を製造し、さらに、同様にしてその研磨布を用
いてシリコンウェーハの加工テストを行った。その結
果、15分間の加工時間で、加工面最大高さ粗さRyが
20nm以下の鏡面を得ることができたが、引き続き加
工を実施したところ、徐々に加工能率が低下し、加工枚
数5枚では開始時に比べ、加工面粗さは同等であるもの
の、加工能率が30%ほど低下し、15枚目以降は加工
が不可能となった。
【0095】[実施例4]上記実施例2で用いたものと
同じ平均粒子径30μmで圧縮破壊強度124.2MP
aの本発明に係る砥粒を体積比で最終的に45体積%と
なるように、及び、平均粒径3μmのニッケル粉末(強
化材)を体積比で最終的に15体積%となるようにフェ
ノール樹脂と混合し、撹拌機で60rpm、15分間混
合攪拌して、混合物を得た。この混合物を金型に入れ、
加圧しながら150℃程度で5時間程度硬化処理を施
し、研磨用砥石とした。
【0096】このように得た研磨用砥石を縦軸のインフ
ィード研削盤に装着し、ラッピング仕上がりのシリコン
ウェーハを研削加工した結果、1分間の加工時間で、加
工面最大高さ粗さRyが30nm以下の鏡面を得ること
ができた。また、引き続きシリコンウェーハを20枚研
削加工行っても、研削焼けは生じず、加工能率や加工面
粗さの低下も認められなかった。
【0097】[実施例5]実施例3で用いたものと同じ
圧縮破壊強度18.5MPaの本発明に係る砥粒を用
い、それ以外は上記実施例4と同様にして研磨用砥石を
製造し、シリコンウェーハの研削加工テストを行った。
その結果、1分間の加工時間で、加工面最大高さ粗さR
yが30nm以下の鏡面を得ることができたが、引き続
き加工を実施したところ、加工枚数10枚で、ウェーハ
面で研削焼けが発生した。
【0098】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の砥粒は
多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を一次粒
子同士の結合点にネックが形成される温度で加熱処理し
て得た、多数の微細な切刃形成粒子が部分的に、かつ、
空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔
質体であって、該切刃形成粒子が上記加熱処理時に一次
粒子が成長して形成されたものである構成を有するた
め、砥粒としての使用時に、その加工面における前記切
刃形成粒子の少なくとも空隙に接する部分が切刃として
機能し、該切刃形成粒子が摩耗して切刃となる部分を失
うにしたがって脱落するとともに、新たな切刃形成粒子
が加工面に順次突き出され、さらに切刃形成粒子同士の
結合力が最適化されているために、優れた品位を維持し
て極めて能率良く、かつ、長時間に亘って安定して加工
をおこなうことができる。
【0099】また、本発明の研磨具は、高い加工能率
で、かつ、高品位な加工が可能となり、また、長寿命な
研磨具である。また、本発明の研磨装置は、研磨効率と
研磨品質とが高く、かつ、研磨具の寿命が長い研磨装置
である。
【0100】また、本発明の砥粒の製造方法によれば、
研磨、研削加工時に、砥粒に常に自生発刃が形成され、
切り屑の除去も良好で、優れた品位を維持して極めて能
率良く加工をおこなうことができる砥粒を、安定して生
産性よく確実に得ることができる。
【0101】また、本発明の研磨具の製造方法によれ
ば、優れた品位を維持して極めて能率良く加工をおこな
うことができる長寿命の研磨具を得ることができる。ま
た、本発明の研磨用砥石の製造方法によれば、優れた品
位を維持して極めて能率良く加工をおこなうことができ
る研磨用砥石を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】砥粒の圧縮破壊強度試験の荷重と圧縮変位との
関係の例を示した図である。
【図2】二次粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真で
ある(全体を示す図である)。
【図3】二次粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真で
ある(部分拡大したもの(加熱処理前))。
【図4】本発明に係る砥粒の走査型電子顕微鏡(SE
M)写真写真である(部分拡大したもの(加熱処理
後))。
【図5】実施例1における研磨前のガラスディスク表面
の拡大写真である。
【図6】実施例1における研磨前のガラスディスク表面
の表面粗さ測定結果を示すチャートである。
【図7】実施例1における研磨後のガラスディスク表面
の拡大写真である。
【図8】実施例1における研磨後のガラスディスク表面
の表面粗さ測定結果を示すチャートである。
【図9】実施例1における研磨使用後の研磨フィルム表
面上の砥粒の状態を示す拡大写真である。
【図10】比較例1における研磨前のガラスディスク表
面の拡大写真である。
【図11】比較例1における研磨前のガラスディスク表
面の表面粗さ測定結果を示すチャートである。
【図12】比較例1における研磨後のガラスディスク表
面の拡大写真である。
【図13】比較例1における研磨後のガラスディスク表
面の表面粗さ測定結果を示すチャートである。
【図14】比較例1における研磨使用後の研磨フィルム
表面上の砥粒の状態を示す拡大写真である。
【図15】比較例2における研磨後のガラスディスク表
面の拡大写真である。
【図16】比較例2おける研磨後のガラスディスク表面
の表面粗さ測定結果を示すチャートである。
【図17】さまざまな圧縮破壊強度の砥粒を有する研磨
フィルムでの砥粒の圧縮破壊強度と加工面粗さ及び加工
能率との関係を調べた図である。
【図18】さまざまな圧縮破壊強度の砥粒を有する研磨
フィルムでの砥粒の細孔比表面積と加工面粗さ及び加工
能率との関係を調べた図である。
【図19】本発明に係る砥粒を有する研磨用砥石を備え
たシリコン加工用研磨装置の例を示す図である。
【符号の説明】
1 シリコンウェーハ 2 研磨布(あるいは研磨フィルム) 10 回転部 20 定盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B24D 3/02 310 B24D 3/02 310E 3/06 3/06 Z 3/14 3/14 3/28 3/28 11/00 11/00 A Fターム(参考) 3C063 AA02 AB05 AB07 BB01 BB02 BB03 BB04 BB14 BC02 BC03 BC05 BD08 BG07 BG08 CC17 EE10 FF20 FF22 FF23

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の一次粒子が凝集して形成された二
    次粒子を一次粒子同士の結合点にネックが形成される温
    度で加熱処理して得た、多数の微細な切刃形成粒子が部
    分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合して
    なる粒状の多孔質体であって、該切刃形成粒子が上記加
    熱処理時に一次粒子が成長して形成されたものであるこ
    とを特徴とする砥粒。
  2. 【請求項2】 砥粒としての使用時に、その加工面にお
    ける前記切刃形成粒子の少なくとも空隙に接する部分が
    切刃として機能し、該切刃形成粒子が摩耗して切刃とな
    る部分を失うにしたがって脱落するとともに、新たな切
    刃形成粒子が加工面に順次突き出されることを特徴とす
    る請求項1に記載の砥粒。
  3. 【請求項3】 圧縮破壊強度が1MPa以上500MP
    a以下であることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の砥粒。
  4. 【請求項4】 前記圧縮破壊強度が20MPa以上30
    0MPa以下であることを特徴とする請求項3に記載の
    砥粒。
  5. 【請求項5】 細孔比表面積が18000cm2/cm3
    以上700000cm2/cm3以下であることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の砥粒。
  6. 【請求項6】 前記細孔比表面積が100000cm2
    /cm3以上300000cm2/cm3以下であること
    を特徴とする請求項5に記載の砥粒。
  7. 【請求項7】 前記切刃形成粒子の平均粒径が5μm以
    下であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のい
    ずれかに記載の砥粒。
  8. 【請求項8】 切刃形成粒子同士を結合するためのバイ
    ンダを含まないことを特徴とする請求項1ないし請求項
    7のいずれかに記載の砥粒。
  9. 【請求項9】 多数の一次粒子を凝集させて二次粒子を
    得る工程と、該二次粒子を一次粒子同士の結合点にネッ
    クが形成される温度で加熱処理して、一次粒子を成長さ
    せて切刃形成粒子とし、多数の微細な切刃形成粒子が部
    分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合して
    なる粒状の多孔質体からなる砥粒を得る工程とを有する
    ことを特徴とする砥粒の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記で形成される切刃形成粒子の平均
    粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項9に記
    載の砥粒の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記請求項1ないし請求項7のいずれ
    かに記載の砥粒を研磨面に有する研磨具。
  12. 【請求項12】 前記研磨具の研磨面表面に砥粒が露出
    していることを特徴とする請求項11に記載の研磨具。
  13. 【請求項13】 前記研磨具が研磨フィルム、研磨布及
    び研磨用砥石のいずれかであることを特徴とする請求項
    11または請求項12に記載の研磨具。
  14. 【請求項14】 前記研磨具が研磨フィルムであって、
    前記砥粒を基材フィルムに固定するためのバインダ層の
    厚さが該砥粒の最大直径よりも小さいことを特徴とする
    請求項13に記載の研磨具。
  15. 【請求項15】 上記研磨具の、砥粒を有する部分にお
    ける上記砥粒の含有率が5体積%以上90体積%以下で
    あることを特徴とする請求項11ないし請求項14のい
    ずれかに記載の研磨具。
  16. 【請求項16】 多数の一次粒子を凝集させて二次粒子
    を得る工程と、該二次粒子を一次粒子同士の結合点にネ
    ックが形成される温度で加熱処理して、一次粒子を成長
    させて切刃形成粒子とし、多数の微細な切刃形成粒子が
    部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合し
    てなる粒状の多孔質体からなる砥粒を得る工程、該砥粒
    を基材に固定する工程とを有する研磨具の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記砥粒を基材に固定する工程におい
    て、樹脂、セラミック及び金属から選ばれた1種以上の
    バインダを用いることを特徴とする請求項16の研磨具
    の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記砥粒を基材に固定する工程におい
    て、砥粒を強化材とともに基材に固定することを特徴と
    する請求項17または請求項17に記載の研磨具の製造
    方法。
  19. 【請求項19】 上記強化材が、金属粉末、有機繊維、
    無機繊維及び金属繊維から選ばれる1種以上であること
    を特徴とする請求項18の研磨具の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記研磨具が研磨フィルムあるいは研
    磨布であることを特徴とする請求項16ないし請求項1
    9のいずれかに記載の研磨具の製造方法。
  21. 【請求項21】 多数の一次粒子を凝集させて二次粒子
    を得る工程、該二次粒子を一次粒子同士の結合点にネッ
    クが形成される温度で加熱処理して、複数の一次粒子を
    成長させて切刃形成粒子とし、多数の微細な切刃形成粒
    子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結
    合してなる粒状の多孔質体からなる砥粒とする工程、該
    砥粒を結合させるバインダと該砥粒とを混合あるいは混
    練して砥粒混合材料を得る工程、及び、該砥粒混合材料
    を成形して研磨用砥石とする工程を有することを特徴と
    する研磨用砥石の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記砥粒と該砥粒を結合させる結合材
    料とを混合あるいは混練して砥粒混合材料を得る工程に
    おいて、強化材を添加することを特徴とする請求項21
    に記載の研磨用砥石の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記強化材が金属粉末、有機繊維、無
    機繊維及び金属繊維から選ばれる1種以上であることを
    特徴とする請求項22の研磨用砥石の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記請求項11ないし請求項15のい
    ずれかに記載の研磨具を有することを特徴とする研磨装
    置。
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