JP3990936B2 - 砥粒及びその製造方法、研磨具及びその製造方法、研磨用砥石及びその製造方法、並びに研磨装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン、ガラス等の硬脆材料や、鉄鋼、アルミニウム等の金属材料を仕上げ加工するための研磨具とその製造方法、そのような研磨具を得るための砥粒、さらに研磨具を備えた研磨装置に関し、特に加工の高品位化、高能率化を行うための長寿命な研磨具およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコンウェーハやガラスディスクをはじめ各種硬脆材料や金属材料からなる部品の最終仕上げには、研磨剤スラリーを用いた研磨加工が用いられてきた。この加工法は、微細な砥粒を使用しやすいため、優れた仕上げ面を容易に得ることができ、また大量の研磨剤スラリーを使用することで安定した加工特性を維持することができるため、広く用いられてきた。
【0003】
しかし、このような研磨剤スラリーを用いる研磨加工においては大量のスラリーを要すると同時に、大量のスラリー廃液を排出するため環境への負荷が極めて高く、また加工能率の向上にも限界がある。こうしたことから、研磨剤スラリーを用いる研磨加工仕上げと同等以上の優れた仕上げ面を得ることのできる固定砥粒加工工具の開発が各方面で活発に行われている。
【0004】
ここで、砥粒加工において良好な加工面粗さを得るには、微細な砥粒を使用することが有利であり、固定砥粒加工工具においても同様に微細な砥粒が用いられている。しかし、鏡面のような優れた加工面を得るために、粒径が数μm以下の砥粒の固定砥粒加工工具を使用すると、砥粒と基材とを結合する結合材と工作物との接触が生じ、また、切りくずが砥粒同士の間に蓄積されて目詰まりが発生し、その結果、加工抵抗が急増し、最悪の場合には加工ができなくなってしまう。
【0005】
ここで、砥粒結合材と被工作物との接触を抑制するような手段を講じた場合であっても、砥粒径が小さいため、加工能率が低下してしまうと云った問題がある。
【0006】
一方、加工能率を向上させるためは大粒径の砥粒を選択しなければならないが、この場合、加工能率は向上するものの、加工面品位が落ちて鏡面が得にくくなる。
【0007】
これらの問題を解決するものとして、微細な砥粒を造粒し、凝集した状態の粉末を砥粒として使用する固定砥粒加工工具が、特開平7−164324号、特開平8−155840号、特表平9−504235号、特開2000−198073、特開2000−237962、特開2000−176842、特開2001−129764等の公報で提案されている。これらの固定砥粒加工工具において、その微細な砥粒の作用により優れた加工面粗さが得られ、同時に凝集した砥粒による加工能率の向上等が実現される。
【0008】
しかしながら、加工能率をさらに向上させようとした場合に、砥粒を構成する微細な粒子同士の結合力に関する着目のない、これら技術では、加工能率向上の要求に応えられず、さらに固定砥粒加工工具の寿命の点で不充分であるなどの問題が生じることが判った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を改善する、すなわち、加工面粗さを犠牲にすることなく、加工能率が極めて高い研磨加工を長時間持続して可能とする砥粒及びそのような砥粒を用いた長寿命な研磨具、研磨装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術に係る、微細な砥粒を造粒し、凝集した状態の粉末を砥粒として使用する固定砥粒加工工具について、本発明者等がさらに鋭意研究を重ねた結果、加工対象物にも左右されるが、基本的に砥粒を構成する微細な粒子同士の結合力が非常に重要なファクタであることが判明した。すなわちこれら従来技術においては凝集した砥粒を構成する微細な粒子同士の結合力に関する着目・考察が一切なされてなかった。
【0011】
ここで、砥粒は研磨・研削工程での使用の結果、徐々に摩耗して、平坦化された状態となっていくが、この平坦化により生じた平面ないし略平面状の面が加工面である。
【0012】
焼結されているセラミックからなる砥粒の場合には高い研磨能率が得られるが、空隙が存在せずに、あまりにも硬すぎるので、被加工面に加工によって、新たに大きなスクラッチをもたらし、加工面粗さを劣化させる。
【0013】
一方、微細な一次粒子が凝集して形成された形成された二次粒子からなる砥粒の場合には、一次粒子と空間とによって一種の切刃が形成されるため、高い研磨品質が得られる。
【0014】
しかしながら、このような微細な一次粒子が凝集して形成された二次粒子からなる砥粒では、一次粒子が細かすぎ、あるいは、一次粒子同士の結合が制御されていないために高い研磨能率が得られず、また、実用に足る耐久性、寿命が得られない。
【0015】
ここで、本発明者等は、細かい粒子が集まって形成された砥粒において、その細かい粒子同士の結合力を適正に調整することによって、加工による砥粒の摩耗を徐々に進行させることができ、その結果、常に新しい切刃が発生し、被加工物に対して高加工能率で、かつ、ナノメーターオーダーの高加工面品位が得られる優れた加工特性を長時間維持することができ、このとき、砥粒自体の磨耗は抑制されるので結果として工具寿命を長くできることを見出した。
【0016】
すなわち、本発明の砥粒は上記課題を解決するため請求項1に記載のように、多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を、該一次粒子同士の結合点にネックが形成される温度で加熱処理して、該二次粒子内部の一次粒子を成長させてなる多孔質の砥粒であって、
(イ)前記一次粒子の成長による形成された切刃形成粒子が前記ネックにより互いにゆるく結合され、(ロ)前記切刃形成粒子間に空隙が形成され、(ハ)前記ネックが1葉双曲面状に形成され、かつ、(ニ)前記多孔質の砥粒の細孔比表面積が18000cm 2 /cm 3 以上700000cm 2 /cm 3 以下にされていることを特徴とする砥粒である。
【0017】
このような構成によれば、上記砥粒は、実際の使用時に、その加工面における前記切刃形成粒子の少なくとも空隙に接する部分が切刃として機能し、該切刃形成粒子が摩耗して切刃となる部分を失うにしたがって脱落するとともに、新たな切刃形成粒子が加工面に順次突き出される機能を有し、研磨、研削加工時に、砥粒に常に自生発刃が生じ、切り屑の除去も良好で、優れた品位を維持して極めて能率良く、かつ、長時間に亘って安定して加工を実施することができる。
さらに請求項1の砥粒は、その細孔比表面積が18000cm 2 /cm 3 以上700000cm 2 /cm 3 以下にされている構成を有するために、砥粒自身の摩耗と切刃形成粒子が摩耗して切刃となる部分を失うにしたがって生じる脱落の度合いとが最適化され、良好な加工面品位を保ちながらさらに高能率で加工できると同時に、砥粒の磨耗を抑えることもできるので、加工能率、加工品質と長寿命とのバランスが良い砥粒とすることができ、このような砥粒を有する研磨具の寿命をより長くすることができる。
ここで、砥粒の細孔比表面積が18000cm 2 /cm 3 未満であると、加工面にスクラッチが発生しやすくなり、加工面品位を劣化させてしまう恐れがある。また、逆に細孔比表面積が700000cm 2 /cm 3 よりも大きい場合、切刃形成粒子同士の結合力があまりにも弱すぎるために、充分な研磨、研削加工ができずに、逆に砥粒自体の磨耗が激しく、加工能率が極端に低下し、加工物の前加工面を完全に除去できない恐れがある。さらに砥石に応用した場合に研削焼けが生じやすくなる。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の砥粒において、圧縮破壊強度が1MPa以上500MPa以下である構成を有する。このような請求項3の発明によれば、砥粒として、砥粒自身の摩耗と切刃形成粒子が摩耗して切刃となる部分を失うにしたがって生じる脱落の度合いとが最適化され、良好な加工面品位を保ちながらさらに高能率で加工できると同時に、砥粒の磨耗を抑えることもできるので、加工能率、加工品質と長寿命とのバランスが良い砥粒とすることができ、このような砥粒を有する研磨具の寿命をより長くすることができる。
【0019】
ここで、砥粒の圧縮破壊強度が500MPaを越えると、加工面にスクラッチが発生しやすくなり、加工面品位を劣化させてしまう恐れがある。また、逆に圧縮破壊強度が1MPaよりも小さい場合、切刃形成粒子の結合力があまりにも弱すぎるために、充分な研磨、研削加工ができずに、逆に砥粒自体の磨耗が激しく、加工能率が極端に低下し、加工物の前加工面を完全に除去できない恐れがある。さらに砥石に応用した場合に研削焼けが生じやすくなる。
【0020】
研削焼けとは、研削砥石において砥粒の突き出しが得られず、砥粒を固定する結合剤と工作物とが接触して生じる現象であって、このとき、正常な研削加工を行うことができずに研削面の温度が上昇し、研削面に変色が発生することを云う。
【0021】
請求項4の発明は、請求項3に記載の砥粒において、圧縮破壊強度が20MPa以上300MPa以下である構成を有する。このような請求項4記載の発明によれば、高加工面品位を保ちながらさらに高能率で加工できると同時に、さらに効果的に砥粒の磨耗を抑えることができ、このような砥粒を有する研磨具の寿命をより長くすることができる。
【0024】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の砥粒において、細孔比表面積が100000cm2/cm3以上300000cm2/cm3以下にされている構成を有する。このような請求項5記載の発明によれば、高加工面品位を保ちながらさらに高能率で加工できると同時に、さらに効果的に砥粒の磨耗を抑えることができ、このような砥粒を有する研磨具の寿命をより長くすることができる。
【0025】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の砥粒において、切刃形成粒子の平均粒径が5μm以下にされている構成を有する。
このような請求項6記載の発明によれば、優れた加工品位を確実に得ることができる。ここで、前記切刃形成粒子の平均粒径が5μmを越えると、加工面にスクラッチが発生して加工品位が低下してしまう恐れがあり、好ましくない。ここで、切刃形成粒子の平均粒径が5μmを越えないようにするためには加熱処理条件を調整することで達成することができる。
【0026】
さらに、請求項7記載の発明は請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の砥粒において、切刃形成粒子同士を結合するためのバインダを含まない構成を有する。
【0027】
このような構成によって、切刃形成粒子が摩耗して切刃となる部分を失うにしたがって脱落するとともに、新たな切刃形成粒子が加工面に順次突き出される際に、切刃形成粒子のバインダからの突き出し量が不充分となることがなく、また、目つぶれ、目詰まり、バインダの残留やそのバインダへの切りくずの付着等によるスクラッチの発生の加工品位上の問題発生を回避することができる。
【0028】
上記のような、優れた砥粒を得るために、本発明の砥粒の製造方法は請求項8に記載のように、多数の一次粒子を凝集させて二次粒子を得る工程と、該二次粒子を一次粒子同士の結合点にネックが形成される温度で加熱処理して、前記一次粒子を成長させることにより、(イ)前記一次粒子の成長による形成された切刃形成粒子が前記ネックにより互いにゆるく結合され、(ロ)前記切刃形成粒子間に空隙が形成され、(ハ)前記ネックが1葉双曲面状に形成され、かつ、(ニ)前記多孔質の砥粒の細孔比表面積が18000cm 2 /cm 3 以上700000cm 2 /cm 3 以下にされている多孔質の砥粒を得る工程と、を有する。
【0029】
このような本発明の砥粒の製造方法によれば、このような2つの工程により、得られる砥粒は、実際の砥粒としての使用時に、請求項2に記載のようにその加工面における前記切刃形成粒子の少なくとも空隙に接する部分が切刃として機能し、該切刃形成粒子が摩耗して切刃となる部分を失うにしたがって脱落するとともに、新たな切刃形成粒子が加工面に順次突き出される機能を有し、研磨、研削加工時に、砥粒に常に自生発刃が形成され、切り屑の除去も良好で、優れた品位を維持して極めて能率良く、かつ、長時間に亘って安定して加工を実施することができる。
【0030】
このとき請求項9に記載のように形成される切刃形成粒子の平均粒径が5μm以下となる条件で加熱処理を行うことが望ましい。すなわち、切刃形成粒子の平均粒径が5μmを越えると、加工面にスクラッチが発生して加工品位が低下してしまう恐れがあり、好ましくない。
【0031】
また、請求項10記載の研磨具のようにこのような請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の砥粒を研磨面に有する研磨具は、その優れた本発明に係る砥粒により、優れた品位を維持して極めて能率良く、かつ、長時間に亘って安定して加工を実施することができる。
【0032】
また、請求項11に記載の研磨具は、請求項10に記載の研磨具において、研磨具の研磨面表面に砥粒が露出していることを特徴とする。このような構成により砥粒同士、あるいは、砥粒とそれを支持する基材とを固定するバインダによる加工品質の低下を防止することができる。ここで、バインダとしては樹脂、セラミック、金属のいずれか1種以上を用いることができ、また、例えばセラミック前駆体を用いてその後加熱処理などによりセラミックとしても良い。
【0033】
また、請求項12に記載の研磨具は、請求項10または請求項11に記載の研磨具において、前記研磨具が研磨フィルム、研磨布及び研磨用砥石のいずれかであることを特徴とする。研磨具がこのように研磨フィルム、研磨布及び研磨用砥石のいずれかであることにより、上記請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の砥粒による高い加工能率で、かつ、高品位な加工が可能となる効果を特に効果的に発揮させることができる。
【0034】
研磨フィルムとした場合、前記砥粒の効果を充分に得ることが可能となるとともに、研磨フィルム自体が安価な研磨具であり、いわゆる、使い捨てないし使い捨てに近い使用条件であっても比較的低コストの研磨加工が可能とすることができる。
【0035】
研磨布の場合、前記砥粒の効果を充分に得ることが可能となるとともに、工具として従来の研磨加工機やラップ加工機において、その定盤に置き換えて使用することができ、また研磨フィルムと異なり、摩耗とともに新たな砥粒が研磨具表面に現れるため、長時間使用することができる。したがって、工作物を能率よく、優れた加工面品位に仕上げられるとともに、寿命が長いため、工具コストが安くなり、同時に工具取り替えなどの作業者の負担を低減できる。
【0036】
また、研磨用砥石に応用して砥石内に添加することにより、研磨、研削加工時に、研削焼けを生じることなく、安定に能率良く優れた加工面品位に工作物を仕上げることができる。
【0037】
また、請求項13に記載の研磨具は、請求項12に記載の研磨具において前記研磨具が研磨フィルムであって、前記砥粒を基材フィルムに固定するためのバインダ層の厚さが該砥粒の最大直径よりも小さいことを特徴とする。このような構成により、バインダが被研磨面に接触することによる研磨品質の低下を防止し、砥粒の突き出し量が保証される。
【0038】
また、請求項14に記載の研磨具は、請求項10ないし請求項13のいずれか1項に記載の研磨具において、砥粒を有する部分における前記砥粒の含有率が5体積%以上90体積%以下にされていることを特徴とする。このような構成により優れた加工面品位を高い能率で得ることが可能となる。前記砥粒の含有率が5体積%未満であると添加の効果が充分に得られない場合があり、一方、含有率90体積%をこえると研磨具の結合材量が少なすぎて、砥粒保持強度が著しく低下し、研磨具として用いることができない。
【0039】
また、請求項15の研磨具の製造方法は、多数の一次粒子を凝集させて二次粒子を得る工程と、前記二次粒子を一次粒子同士の結合点にネックが形成される温度で加熱処理して、前記一次粒子を成長させることにより、(イ)前記一次粒子の成長による形成された切刃形成粒子が前記ネックにより互いにゆるく結合され、(ロ)前記切刃形成粒子間に空隙が形成され、(ハ)前記ネックが1葉双曲面状に形成され、かつ、(ニ)前記多孔質の砥粒の細孔比表面積が18000cm 2 /cm 3 以上700000cm 2 /cm 3 以下にされている多孔質の砥粒を得る工程と、前記砥粒を基材に固定する工程と、を有する。このような構成により、優れた品位を維持しつつ、極めて能率良く研磨加工できる長寿命の研磨具を容易に得ることができる。
【0040】
また、請求項15の研磨具の製造方法において、請求項16に記載のように、前記砥粒を基材に固定する工程において、樹脂、セラミック及び金属から選ばれた1種以上のバインダを用いることにより、求められる耐熱性、強度などを満足する研磨具を得ることができる。なお、このとき用いる砥粒の表面を改質処理し、バインダとの密着性を向上させることも可能である。
【0041】
固定方法としては、例えばバインダと砥粒とからなる混合物を例えばワイヤバーコータ、グラビアコータ、リバースロールコータあるいはナイフコータなどを用いて基材に塗布することによって行うことができる。
【0042】
また、この請求項16の研磨具の製造方法において、請求項17に記載のように、前記砥粒を基材に固定する工程において、砥粒を強化材とともに基材に固定することにより寿命の長い研磨具を得ることができる。ここで強化材としては請求項18に記載のように、金属粉末、炭素繊維、ガラス繊維などの無機繊維、ポリアクリロニトリル繊維などの有機繊維、あるいは金属繊維などが挙げられる。繊維を用いる場合、必要に応じてチョップドファイバー、ミルドファイバーなどの適当な長さとして用いることができる。また、さらにこれら繊維の表面を改質処理し、バインダとの密着性を向上させることも可能である。また、強化材としては、上記の他、各種ウィスカーなども用いることもできる。
【0043】
また、請求項19に記載の研磨具の製造方法は、請求項15ないし請求項18のいずれかに記載の研磨具の製造方法において、研磨具が研磨フィルムあるいは研磨布であることを特徴とする。
【0044】
また、請求項20に記載の研磨用砥石の製造方法は、多数の一次粒子を凝集させて二次粒子を得る工程と、前記二次粒子を一次粒子同士の結合点にネックが形成される温度で加熱処理して、前記一次粒子を成長させることにより、(イ)前記一次粒子の成長による形成された切刃形成粒子が前記ネックにより互いにゆるく結合され、(ロ)前記切刃形成粒子間に空隙が形成され、(ハ)前記ネックが1葉双曲面状に形成され、かつ、(ニ)前記多孔質の砥粒の細孔比表面積が18000cm 2 /cm 3 以上700000cm 2 /cm 3 以下にされている多孔質の砥粒を得る工程と、前記砥粒を結合させるバインダと該砥粒とを混合あるいは混練して砥粒混合材料を得る工程と、該砥粒混合材料を成形して研磨用砥石とする工程とを有する研磨用砥石の製造方法であり、このような製造方法により、優れた品位を維持して極めて能率良く加工をおこなうことができる研磨用砥石を容易に得ることができる。ここでバインダとしては樹脂、セラミック、金属のいずれか1種以上を用いることができ、また、例えばセラミック前駆体を用いてその後加熱処理などによりセラミックとしても良い。
【0045】
さらに請求項21に記載の研磨用砥石の製造方法において、請求項20に記載のように前記砥粒と該砥粒を結合させる結合材料とを混合あるいは混練して砥粒混合材料を得る工程において、強化材を添加することにより剛性や耐磨耗性を向上させることができ、さらに寿命の長い研磨用砥石とすることができる。このとき、請求項22に記載のように、前記強化材としては、有機繊維、無機繊維及び金属繊維が挙げられ、これら繊維を必要に応じてチョップドファイバー、ミルドファイバーなどの適当な長さとして用いることができる。また、さらにこれら繊維の表面を改質処理し、バインダとの密着性を向上させることも可能である。また、強化材としては、各種ウィスカーなどを用いることもできる。
さらにこれら強化材の表面を改質処理し、バインダとの密着性を向上させることも可能である。
【0046】
また、請求項23に記載の研磨装置は前記請求項10ないし請求項14のいずれか1項に記載の研磨具を有する。このような研磨装置は研磨効率と研磨品質とが高く、かつ、研磨具の寿命が長いのでその交換の手間が少なくて済む。
このような研磨具は、高い加工能率で、かつ、高品位な加工が可能となり、また、長寿命である。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明の砥粒は、多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を一次粒子同士の結合点にネックが形成される温度で加熱処理して得た、多数の微細な切刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体であって、この切刃形成粒子は上記加熱処理時に一次粒子が成長して形成されている砥粒である。
【0048】
このように、従来の微細な一次粒子が単に凝集して形成された二次粒子からなる砥粒とは異なり、多数の微細な切刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体の構造が維持されながらも、上記従来の砥粒内の一次粒子同士の結合と比べ、一次粒子が加熱処理により成長してなる切刃形成粒子同士の結合部分にネックが形成されているためにその結合が強いので、研磨効率と研磨品質を有しながらも、長時間の使用が可能とすることができる。
【0049】
本発明における切刃形成粒子とは、多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子中の一次粒子が加熱処理によって成長した粒子であって、少なくともその一部分が研磨、研削加工への使用時に工作物に対して切刃として加工物に対して加工作用を及ぼす粒子である。
【0050】
さらに、上記のように一次粒子が成長する加熱処理によれば、粒子を構成する物質の物質移動により一次粒子が成長するのみならず、粒子同士の結合箇所は、粒子を形成する物質の物質移動により太くなり、不連続点のないなだらかな曲面となり、1葉双曲面状(鼓状)にくびれた、いわゆる「ネック」状となる。この加熱処理時の物質移動による一次粒子の成長及び「ネック」形成については、株式会社産業技術センター発行「セラミック材料技術集成」(昭和54年4月10日初版第1刷発行)の「2.3 物質移動の機構と焼結のモデル」に詳細に記載されている。
【0051】
本発明ではこのように、切刃形成粒子同士が切刃形成粒子を構成する物質自体より結合しているために、砥粒としてバインダを含まず、その結果、切刃形成粒子が摩耗して切刃となる部分を失うにしたがって脱落するとともに、新たな切刃形成粒子が加工面に順次突き出されるため、バインダを用いて砥粒を形成したときに生じる、切刃形成粒子のバインダからの突き出し量が不充分となる、また、目つぶれ、目詰まり、バインダの残留やそのバインダへの切りくずの付着等によるスクラッチの発生の加工品位上の瑕疵発生等の問題を回避することができる。
【0052】
ただし、多数の一次粒子を互いに凝集させて二次粒子を形成する際には、加熱処理により酸化、分解あるいは蒸発等により完全に消滅するような、例えば有機物からなるバインダは用いることが可能で、その場合には砥粒としての使用時にバインダが残留していないので上記不都合は回避される。
【0053】
このような、粒子同士の結合箇所がネック状となることにより、切刃形成粒子同士の結合の強さは強化され、その結果、粒子自体の成長と相まって、高い加工能率で、かつ、高品位な加工が可能でありながら、長時間の加工が可能な砥粒を得ることができる。
【0054】
本発明において、一次粒子を構成する原料としては、上記のような加熱処理によって粒子を構成する物質が物質移動して成長するものであって、砥粒としたときに受容できる物性を有する硬質無機材料であればよく、シリカ、セリア、キュービック窒化ホウ素(cBN)、アルミナ、炭化珪素、酸化ジルコニウムなどが挙げられ、一次粒子の大きさとしては、平均粒径が5μm以下のものを用いることが望ましい。
【0055】
本発明における二次粒子とは多数の微細な一次粒子からなる凝集体である。
多数の微細な一次粒子を互いに凝集させてこのような二次粒子を得る方法としては、スプレードライヤー(一般的に、1μm〜300μmまでのサイズが得られる。粒度分布がシャープでないときには分級プロセスを加える)、ゾルゲル法、溶媒を併用する凍結乾燥法及び溶媒乾燥法等が挙げられる。さらに、固体の熱分解及び固相反応を利用する方法、あるいは気体からの形成方法として、蒸発−凝集、気相分解法、その他の気相反応なども用いることができる。
【0056】
上記のようにして得た二次粒子に対して加熱処理を行い、二次粒子内の一次粒子を成長させる。本発明における加熱処理は上記のように多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子中の一次粒子が成長する条件(温度、時間)でおこなう必要がある。
【0057】
その加熱処理の条件は、一次粒子を構成する物質によって適宜選択するが、通常は加熱処理が10分〜数時間以内に終了する程度の温度を選択する。加熱処理時間が長すぎると制御が困難となり、通常のセラミック製の砥粒のように焼結してしまって、焼結までは至らなくとも、切刃形成粒子が大きくなってしまって、実質焼結してしまったのと同じになった場合には、本発明の効果が得られない。
【0058】
ここで、予めいくつかの異なった温度、時間で加熱処理の試験を行い、処理後の粒子内部の構造を電子顕微鏡等で観察して、切刃形成粒子同士の結合箇所が、不連続点のないなだらかな曲面となり、1葉双曲面状にくびれた、いわゆる「ネック」状となる条件の範囲(一次粒子が成長したことを示す)であって、多数の微細な切刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体構造が保たれている範囲の条件を探し出す。
【0059】
これら温度、時間は材料によって大きく異なるが上記例示した材料では概ね500〜1600℃、数分〜24時間である。このとき必要に応じて加圧して行うことも可能である。
【0060】
ただし、砥粒を構成する切刃形成粒子が成長して大きくなりすぎると、上記バランスが崩れ、本発明の効果が得られなくなるおそれがあるため、加熱処理は砥粒内の切刃形成粒の平均粒径が5μm以下となる条件で行うことが望ましい。
【0061】
上記加熱処理において、得られる砥粒の圧縮破壊強度が1MPa以上500MPa以下となる条件、あるいは、細孔比表面積が18000cm2/cm3以上700000cm2/cm3以下となる条件で行うことが好ましい。このとき、高加工面品位をさらに高能率で研磨できると同時に、砥粒の磨耗を抑えることが可能となり、この砥粒を有する研磨具をより長く使用することができ、研磨具交換の手間を省き、かつ、研磨具交換に要するコストを低くすることができる。
【0062】
【実施例】
以下に本発明の砥粒について具体的に実施例を挙げて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0063】
なお、本発明において平均粒径は、堀場製作所製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920を用いて、乾式で行い、頻度積算50%のところの粒径を以って平均粒径(通常、メジアン径と云われる)とした。
【0064】
また、圧縮破壊強度試験は、平松、岡、木山による報告(日本鉱業会誌、81,1024(1965))に基づく島津製作所(株)製微小圧縮試験機MCTM500PCを用いておこなった。
【0065】
試験条件として、試験荷重を10〜1000mN、負荷速度は0.446mN/secとし、平面圧子を用いて、被測定顆粒に対して圧縮を行い、顆粒が圧縮により破壊されたときの強度を測定する。このときの圧縮変位と荷重との関係をモデル的に図1に示す。
圧縮破壊強度は図1における破線丸内の曲線屈折部での荷重値を読みとり、この値から算出した。
【0066】
一方、加工面の面粗さの評価はテーラホプソン社製フォームタリサーフS4Cを用いて行った。
また、本発明における細孔比表面積は、相対圧0.3における窒素ガスの吸脱着BET1点法により測定したBET比表面積を砥粒を構成する材料の密度を乗した値を用いた。
【0067】
[実施例1]
粒径が50〜60nmからなる超微細酸化ジルコニウム(ZrO2)粉末を水(水系バインダ例えば,ポリビニルアルコール−水混合物を用いても良い)を加えてスラリーとし、これをスプレードライヤーで噴霧して、平均粒径で50μmの二次粒子αを得た。この二次粒子αの圧縮破壊強度は0.47MPaであった。二次粒子αの全体の走査型電子顕微鏡(SEM)写真と、部分拡大した走査型電子顕微鏡(SEM)写真とを図2及び図3に示す。
【0068】
この二次粒子αを電気炉で加熱処理した。この加熱処理により、上記のように二次粒子形成時にバインダとして用いたポリビニルアルコールは完全に除去される。
【0069】
ここで予め調べた条件に従い、砥粒としての使用時に切刃形成粒子として機能する多孔質粒体内部の内部粒子が5μm以下になるように加熱処理温度と加熱処理時間を調整した。
適切な条件での加熱処理を行った、この酸化ジルコニウムからなる多孔質粒体(砥粒β)の一例について部分拡大したSEM写真(図3と同倍率)を図4に示す。
【0070】
図4により、砥粒としての使用時に切刃形成粒子として機能する多孔質粒体は図3に示した一次粒子よりも明らかに大きく成長していて、その粒子同士の結合は1葉双曲面状にくびれた、いわゆる「ネック」状となっていること、及び、多数の微細な切刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合していることが確認できる。なお、加熱処理の際、その時間を長くしすぎたり、あるいは、温度を高くしすぎると、一次粒子同士が完全に結合して、ほぼ完全な焼結体となる。
【0071】
このようにして得た圧縮破壊強度が92.6MPaの、平均粒径50μmの本発明に係る砥粒βを、粒子の体積比が35体積%となるよう、液状のウレタン樹脂と混合し、さらに溶媒としてメチルエチルケトンを加え、溶液粘度を調整した後、撹拌機を用いて10分程度混合攪拌して混合物を作製した。撹拌は、室温で、回転数は砥粒を破壊しない程度として50rpmで行った。
【0072】
この混合物を基材上(厚さ約75μmのPETフィルムにワイヤバーコータを用いて塗布し、その後、60℃に保った恒温槽内で1時間乾燥させ、研磨具である研磨フィルムAを得た。
【0073】
得られた塗布層(砥粒を有する部分)の最大厚さは粒度分布を持つ本発明に係る砥粒の最大径にほぼ等しい厚さになる(上記のように溶媒を併用することによりバインダ層の厚さを薄くすることが容易となる)。このように作製した研磨フィルムAをラップ定盤に取りつけ、最大高さ粗さRyが2μmとなるように調整した直径30mmの光学ガラスディスク(硼珪酸クラウンガラス(BK7相当品))を加工した結果(加工条件:定盤回転数60rpm、加工圧力46kPa)、2分間でスクラッチのない、最大高さ粗さRyが30nm以下の鏡面を得ることができた。
【0074】
また、引き続き同条件で同様のガラスディスクを20枚を加工しても、加工能率や加工面粗さの低下がほぼ見られなかった。ここで、ガラスディスクの加工前の表面拡大写真を図5に、そのときの表面粗さ測定結果(チャート)を図6に、また、加工後の表面拡大写真(図5と拡大倍率が同じ)及び表面粗さ測定結果をそれぞれ図7及び図8に示す。
これらより加工前に存在した凹凸が加工後では殆どなくなり、鏡面になっていることが判る。
【0075】
また、ガラスディスクを10枚加工後の研磨フィルムA上の砥粒磨耗状況を調べた。その表面の状態を図9に示す。
図9から、切刃形成粒子同士の結合力が適切であるため、加工進行するに伴い、徐々に磨耗が進み、砥粒における大きな破損や基材からの脱落がないことが判る。
【0076】
[比較例1〜2]
実施例1での二次粒子αを用いて砥粒β作製と同様に、ただし加熱処理条件を変化させて、圧縮破壊強度が0.6MPaで細孔比表面積が1000000cm2/cm3の砥粒γ、及び、圧縮破壊強度が613MPaで細孔比表面積が3000cm2/cm3の砥粒δを得た。これらの平均粒径はともに50μmであった。
【0077】
これら砥粒γ及びδをそれぞれ走査型電子顕微鏡で観察したところ、圧縮破壊強度が0.6MPaの砥粒δでは、「ネック」形成が見られず、加熱処理が不充分で一次粒子が成長していないことが判った。一方、圧縮破壊強度が613MPaの砥粒δでは、多数の微細な切刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる構造がなく、ほぼ完全焼結体となっていた。
【0078】
これら2種類の砥粒γあるいはδをそれぞれ用いて、研磨フィルムA同様にして上記同じ方法で研磨フィルムB(砥粒γの圧縮破壊強度:0.6MPa、比較例1)と研磨フィルムC(砥粒δの圧縮破壊強度:613MPa、比較例2)を作製した。これら研磨フィルムBとCをそれぞれ同じように上記のラップ盤に取り付け、同じ加工条件で最大高さ粗さRyが2μmになるように調整したBK7光学ガラスディスクに対して、加工を行った。
研磨フィルムBの場合は、20分加工を行ったが、最大高さ粗さRyは1.275μmにしか到達できなかった。
【0079】
また、加熱処理を行っていない二次粒子α(圧縮破壊強度0.47MPa)を用いて作製した研磨フィルムを用いて同様に加工テストを行ったところ、研磨フィルムBでの結果よりもさらに加工能率が低く、前加工面を改善できなかった。
【0080】
加工前のガラスディスクのガラスディスクの加工前の表面の拡大写真を図10に、表面粗さ測定結果を図11に、及び20分間の加工後の表面の拡大写真(拡大倍率は図10と同じ)及び表面粗さ測定結果をそれぞれ図12及び図13に示す。
また加工使用後の研磨フィルムB上の砥粒の状態を図14に示す
【0081】
これら結果より、研磨フィルムBを用いた20分間の研磨によって、ガラスディスクの面粗さが多少改善されたものの、砥粒自身の磨耗が激しく(図14参照)、ガラスディスクの前加工面が完全には除去できていないことが判る。
【0082】
一方、研磨フィルムCを用いた場合、一次粒子同士が完全に結合した完全焼結体となった砥粒をもちいているので、ガラスディスクの表面に逆に加工によって、新たに大きなスクラッチを発生させ、最大高さ粗さRyが2.7228μmとむしろ劣化させた(図15には表面拡大写真(スクラッチが見える)を、図16には表面粗さ測定結果(スクラッチの存在が確認される)を示す)そして、砥粒自身もあまり磨耗せず、顕微鏡による観察でも先端部分の平坦化が見られなかった。
【0083】
同様に、さまざまな圧縮破壊強度の砥粒を有する研磨フィルムを作製し、その圧縮破壊強度と加工面粗さ(記号:□)及び加工能率(記号:◇)との関係を調べた。結果を図17に示す。図17中縦軸の加工能率は単位時間当たりの研削量を相対的に示したものであり、グラフ中、上になるほど加工能率が高い。
【0084】
図17から、圧縮破壊強度が小さすぎると(圧縮破壊強度:1MPa未満)、つまり切刃形成粒子の結合力が弱すぎると、加工能率が低く、また、加工圧力による砥粒自身の破壊が進むために、前加工面を完全に除去しきれないので、加工面粗さも殆ど改善されない。一方、圧縮破壊強度があまり高すぎると、例えば、ぼほ完全な焼結体(圧縮破壊強度:613MPa)の場合、加工能率は著しく高くなるが、その反面加工面品位も大きく劣化した。このように、適切な切刃形成粒子の結合力を有する本発明に係る砥粒だけは、高加工面品位(鏡面)を高能率で達成することができた。そして、そのとき、砥粒自身の磨耗も抑えられ、研磨具寿命も延びることが判った。
【0085】
上記図17でのさまざまな圧縮破壊強度の砥粒について、砥粒の内部構造を表すパラメータである細孔比表面積と加工能率との関係を調べた図を図18に示した。ここで、細孔比表面積とは通常の比表面積(単位は「cm2/g」あるいは「m2/g」等)とは異なり、材料の比重の違いによる影響を除外してあるため、内部構造の違いをより顕著に示すパラメータである。また、図18中縦軸の加工能率は単位時間当たりの研削量を相対的に示したものであり、グラフ中、上になるほど加工能率が高い。
【0086】
図18から、加熱処理の効果が充分に発揮されず、細孔比表面積が大きすぎると(細孔比表面積:700000cm2/cm3超)、つまり切刃形成粒子の結合力が弱すぎると、加工能率が低く、また、加工圧力による砥粒自身の破壊が進むために、前加工面を完全に除去しきれないので、加工面粗さも殆ど改善されない。一方、細孔比表面積があまりに小さすぎる、多数の微細な切刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる構造が失われている、例えば、ぼほ完全な焼結体(細孔比表面積:5000cm2/cm3以下)の場合、加工能率は著しく高くなるが、その反面加工面品位も大きく劣化した。このように、適切な切刃形成粒子の結合力と特定の構造を有する本発明に係る砥粒だけは、高加工面品位(鏡面)を高能率で達成することができた。そして、そのとき、砥粒自身の磨耗も抑えられ、研磨具寿命も延びることが判った。
【0087】
[実施例2]
コロイダルシリカからなる一次粒子径(平均粒径50nm)からなるシリカ砥粒を、ゾルゲル法により平均粒径が30μmとなるように凝集させ、得られたシリカ粉を乾燥させ、細孔に含まれる水分及び有機溶媒を除去し二次粒子εを得た。
【0088】
このようにして得た二次粒子εについて、様々な条件で加熱処理を行った後、走査型電子顕微鏡観察を行い、これらのうちから、多数の微細な切刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体であって、該切刃形成粒子が上記加熱処理時に一次粒子が成長して形成された粒状の多孔質である本発明に係る砥粒ζを得た。
この砥粒ζの圧縮破壊強度は124.2MPaであり、切刃形成粒子の大きさは1.2μmであった。
【0089】
得られた砥粒ζを体積比で35体積%となるように、及び、平均粒径3μmの銅粉末(強化材)を体積比で15体積%となるように、ポリウレタン樹脂と混合し、撹拌機で60rpm、15分間混合攪拌して、混合物を得た(この際、必要に応じて独立気泡を形成するための発泡剤を添加することも可能である)。
【0090】
この混合物を円形金型(450mmΦ)に注入し、次いで120℃で10時間の加熱処理によって硬化させて研磨布を得た。得られた研磨布を所定の大きさに切り出して定盤に貼り付け、予め#2000相当の砥石で研削加工した直径30mmのシリコンウェーハを研磨加工した。
【0091】
その結果、10分間の加工でスクラッチのない、加工面最大高さ粗さRyが20nm以下の鏡面を得ることができた。また、引き続きシリコンウェーハを20枚研磨加工行っても、加工能率や加工面粗さの低下は認められなかった。
【0092】
ここで実施例2で用いた本発明に係る研磨布を研磨装置であるシリコン加工用研磨装置に取りつけた例を図19にモデル的に示す。
図中符号1で示されるのが被加工物であるシリコンウェーハであり、シリコンウェーハ1は回転部10に取りつけられていて、この回転部10の回転によって回転し、また、その回転部10の上下方向の動きに応じて定盤20上に固定された本発明に係る研磨布(研磨布の代わりに研磨フィルムを固定しても良い)に接触し、その下面が研磨される。なお、定盤20も回転するため、シリコンウェーハ1下面全体が均一に研磨されるようになっている。
【0093】
[実施例3]
上記二次粒子εに対して実施例2とは異なった条件で加熱処理を行って得た圧縮破壊強度が18.5MPaで、切刃形成粒子の大きさが0.2μmのシリカ砥粒について研磨布として検討を行った。
【0094】
このシリカ砥粒を用いて実施例2同様にして研磨布を製造し、さらに、同様にしてその研磨布を用いてシリコンウェーハの加工テストを行った。その結果、15分間の加工時間で、加工面最大高さ粗さRyが20nm以下の鏡面を得ることができたが、引き続き加工を実施したところ、徐々に加工能率が低下し、加工枚数5枚では開始時に比べ、加工面粗さは同等であるものの、加工能率が30%ほど低下し、15枚目以降は加工が不可能となった。
【0095】
[実施例4]
上記実施例2で用いたものと同じ平均粒子径30μmで圧縮破壊強度124.2MPaの本発明に係る砥粒を体積比で最終的に45体積%となるように、及び、平均粒径3μmのニッケル粉末(強化材)を体積比で最終的に15体積%となるようにフェノール樹脂と混合し、撹拌機で60rpm、15分間混合攪拌して、混合物を得た。この混合物を金型に入れ、加圧しながら150℃程度で5時間程度硬化処理を施し、研磨用砥石とした。
【0096】
このように得た研磨用砥石を縦軸のインフィード研削盤に装着し、ラッピング仕上がりのシリコンウェーハを研削加工した結果、1分間の加工時間で、加工面最大高さ粗さRyが30nm以下の鏡面を得ることができた。また、引き続きシリコンウェーハを20枚研削加工行っても、研削焼けは生じず、加工能率や加工面粗さの低下も認められなかった。
【0097】
[実施例5]
実施例3で用いたものと同じ圧縮破壊強度18.5MPaの本発明に係る砥粒を用い、それ以外は上記実施例4と同様にして研磨用砥石を製造し、シリコンウェーハの研削加工テストを行った。その結果、1分間の加工時間で、加工面最大高さ粗さRyが30nm以下の鏡面を得ることができたが、引き続き加工を実施したところ、加工枚数10枚で、ウェーハ面で研削焼けが発生した。
【0098】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の砥粒は多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を一次粒子同士の結合点にネックが形成される温度で加熱処理して得た、多数の微細な切刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体であって、該切刃形成粒子が上記加熱処理時に一次粒子が成長して形成されたものである構成を有するため、砥粒としての使用時に、その加工面における前記切刃形成粒子の少なくとも空隙に接する部分が切刃として機能し、該切刃形成粒子が摩耗して切刃となる部分を失うにしたがって脱落するとともに、新たな切刃形成粒子が加工面に順次突き出され、さらに切刃形成粒子同士の結合力が最適化されているために、優れた品位を維持して極めて能率良く、かつ、長時間に亘って安定して加工をおこなうことができる。
【0099】
また、本発明の研磨具は、高い加工能率で、かつ、高品位な加工が可能となり、また、長寿命な研磨具である。
また、本発明の研磨装置は、研磨効率と研磨品質とが高く、かつ、研磨具の寿命が長い研磨装置である。
【0100】
また、本発明の砥粒の製造方法によれば、研磨、研削加工時に、砥粒に常に自生発刃が形成され、切り屑の除去も良好で、優れた品位を維持して極めて能率良く加工をおこなうことができる砥粒を、安定して生産性よく確実に得ることができる。
【0101】
また、本発明の研磨具の製造方法によれば、優れた品位を維持して極めて能率良く加工をおこなうことができる長寿命の研磨具を得ることができる。
また、本発明の研磨用砥石の製造方法によれば、優れた品位を維持して極めて能率良く加工をおこなうことができる研磨用砥石を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】砥粒の圧縮破壊強度試験の荷重と圧縮変位との関係の例を示した図である。
【図2】二次粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である(全体を示す図である)。
【図3】二次粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である(部分拡大したもの(加熱処理前))。
【図4】本発明に係る砥粒の走査型電子顕微鏡(SEM)写真写真である(部分拡大したもの(加熱処理後))。
【図5】実施例1における研磨前のガラスディスク表面の拡大写真である。
【図6】実施例1における研磨前のガラスディスク表面の表面粗さ測定結果を示すチャートである。
【図7】実施例1における研磨後のガラスディスク表面の拡大写真である。
【図8】実施例1における研磨後のガラスディスク表面の表面粗さ測定結果を示すチャートである。
【図9】実施例1における研磨使用後の研磨フィルム表面上の砥粒の状態を示す拡大写真である。
【図10】比較例1における研磨前のガラスディスク表面の拡大写真である。
【図11】比較例1における研磨前のガラスディスク表面の表面粗さ測定結果を示すチャートである。
【図12】比較例1における研磨後のガラスディスク表面の拡大写真である。
【図13】比較例1における研磨後のガラスディスク表面の表面粗さ測定結果を示すチャートである。
【図14】比較例1における研磨使用後の研磨フィルム表面上の砥粒の状態を示す拡大写真である。
【図15】比較例2における研磨後のガラスディスク表面の拡大写真である。
【図16】比較例2おける研磨後のガラスディスク表面の表面粗さ測定結果を示すチャートである。
【図17】さまざまな圧縮破壊強度の砥粒を有する研磨フィルムでの砥粒の圧縮破壊強度と加工面粗さ及び加工能率との関係を調べた図である。
【図18】さまざまな圧縮破壊強度の砥粒を有する研磨フィルムでの砥粒の細孔比表面積と加工面粗さ及び加工能率との関係を調べた図である。
【図19】本発明に係る砥粒を有する研磨用砥石を備えたシリコン加工用研磨装置の例を示す図である。
【符号の説明】
1 シリコンウェーハ
2 研磨布(あるいは研磨フィルム)
10 回転部
20 定盤
Claims (23)
- 多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を該一次粒子同士の結合点にネックが形成される温度で加熱処理して、該二次粒子内部の一次粒子を成長させてなる多孔質の砥粒であって、
(イ)前記一次粒子の成長による形成された切刃形成粒子が前記ネックにより互いにゆるく結合され、
(ロ)前記切刃形成粒子間に空隙が形成され、
(ハ)前記ネックが1葉双曲面状に形成され、かつ、
(ニ)前記多孔質の砥粒の細孔比表面積が18000cm 2 /cm 3 以上700000cm 2 /cm 3 以下にされている
ことを特徴とする砥粒。 - 砥粒としての使用時に、その加工面の前記切刃形成粒子が、その少なくとも空隙に接する部分が切刃として機能するものであって、該切刃形成粒子が摩耗して切刃となる部分を失うにしたがって脱落するものであり、また、該砥粒内の新たな切刃形成粒子が、加工面に順次突き出されるものであることを特徴とする請求項1に記載の砥粒。
- 圧縮破壊強度が1MPa以上500MPa以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の砥粒。
- 前記圧縮破壊強度が20MPa以上300MPa以下であることを特徴とする請求項3に記載の砥粒。
- 前記細孔比表面積が100000cm 2 /cm 3 以上300000cm 2 /cm 3 以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の砥粒。
- 前記切刃形成粒子の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の砥粒。
- 切刃形成粒子同士を結合するためのバインダを含まないことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の砥粒。
- 多数の一次粒子を凝集させて二次粒子を得る工程と、
該二次粒子を一次粒子同士の結合点にネックが形成される温度で加熱処理して、前記一次粒子を成長させることにより、(イ)前記一次粒子の成長による形成された切刃形成粒子が前記ネックにより互いにゆるく結合され、(ロ)前記切刃形成粒子間に空隙が形成され、(ハ)前記ネックが1葉双曲面状に形成され、かつ、(ニ)前記多孔質の砥粒の細孔比表面積が18000cm 2 /cm 3 以上700000cm 2 /cm 3 以下にされている、多孔質の砥粒を得る工程と、
を有することを特徴とする砥粒の製造方法。 - 上記で形成される切刃形成粒子の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項8に記載の砥粒の製造方法。
- 前記請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の砥粒を研磨面に有することを特徴とする研磨具。
- 前記研磨具の研磨面表面に砥粒が露出していることを特徴とする請求項10に記載の研磨具。
- 前記研磨具が研磨フィルム、研磨布及び研磨用砥石のいずれかであることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の研磨具。
- 前記研磨具が研磨フィルムであって、前記砥粒を基材フィルムに固定するためのバインダ層の厚さが該砥粒の最大直径よりも小さいことを特徴とする請求項12に記載の研磨具。
- 上記研磨具の、砥粒を有する部分における上記砥粒の含有率が5体積%以上90体積%以下であることを特徴とする請求項10ないし請求項13のいずれかに記載の研磨具。
- 多数の一次粒子を凝集させて二次粒子を得る工程、
前記二次粒子を一次粒子同士の結合点にネックが形成される温度で加熱処理して、前記一次粒子を成長させることにより、(イ)前記一次粒子の成長による形成された切刃形成粒子が前記ネックにより互いにゆるく結合され、(ロ)前記切刃形成粒子間に空隙が形成され、(ハ)前記ネックが1葉双曲面状に形成され、かつ、(ニ)前記多孔質の砥粒の細孔比表面積が18000cm 2 /cm 3 以上700000cm 2 /cm 3 以下にされている多孔質の砥粒を得る工程と、
前記砥粒を基材に固定する工程と、
を有することを特徴とする研磨具の製造方法。 - 前記砥粒を基材に固定する工程において、樹脂、セラミック及び金属から選ばれた1種以上のバインダを用いることを特徴とする請求項15の研磨具の製造方法。
- 前記砥粒を基材に固定する工程において、砥粒を強化材とともに基材に固定することを特徴とする請求項15または請求項16に記載の研磨具の製造方法。
- 上記強化材が、金属粉末、有機繊維、無機繊維及び金属繊維から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項17の研磨具の製造方法。
- 前記研磨具が研磨フィルムあるいは研磨布であることを特徴とする請求項15ないし請求項18のいずれか1項に記載の研磨具の製造方法。
- 多数の一次粒子を凝集させて二次粒子を得る工程と、
前記二次粒子を一次粒子同士の結合点にネックが形成される温度で加熱処理して、前記一次粒子を成長させることにより、(イ)前記一次粒子の成長による形成された切刃形成粒子が前記ネックにより互いにゆるく結合され、(ロ)前記切刃形成粒子間に空隙が形成され、(ハ)前記ネックが1葉双曲面状に形成され、かつ、(ニ)前記多孔質の砥粒の細孔比表面積が18000cm 2 /cm 3 以上700000cm 2 /cm 3 以下にされている多孔質の砥粒を得る工程と、
前記砥粒を結合させるバインダと該砥粒とを混合あるいは混練して砥粒混合材料を得る工程と、
該砥粒混合材料を成形して研磨用砥石とする工程と
を有することを特徴とする研磨用砥石の製造方法。 - 前記砥粒と該砥粒を結合させる結合材料とを混合あるいは混練して砥粒混合材料を得る工程において、強化材を添加することを特徴とする請求項20に記載の研磨用砥石の製造方法。
- 前記強化材が金属粉末、有機繊維、無機繊維及び金属繊維から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項21の研磨用砥石の製造方法。
- 前記請求項10ないし請求項14のいずれかに記載の研磨具を有することを特徴とする研磨装置。
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