JP2003104279A - 大型輸送船 - Google Patents

大型輸送船

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JP2003104279A
JP2003104279A JP2001305739A JP2001305739A JP2003104279A JP 2003104279 A JP2003104279 A JP 2003104279A JP 2001305739 A JP2001305739 A JP 2001305739A JP 2001305739 A JP2001305739 A JP 2001305739A JP 2003104279 A JP2003104279 A JP 2003104279A
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Kazunori Sato
和範 佐藤
Katsuyoshi Takekuma
克義 武隈
Taketo Tomoi
武人 友井
Kenichi Inoue
憲一 井上
Shigeo Onishi
重雄 大西
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SHIPBUILDING RESEARCH CENTRE OF JAPAN
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    • B63BSHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; EQUIPMENT FOR SHIPPING 
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    • B63B11/04Constructional features of bunkers, e.g. structural fuel tanks, or ballast tanks, e.g. with elastic walls
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    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
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    • B63B1/00Hydrodynamic or hydrostatic features of hulls or of hydrofoils
    • B63B1/02Hydrodynamic or hydrostatic features of hulls or of hydrofoils deriving lift mainly from water displacement
    • B63B1/04Hydrodynamic or hydrostatic features of hulls or of hydrofoils deriving lift mainly from water displacement with single hull
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積荷の積載状況に応じて変わる喫水の変化に
伴う問題を、バラスト水を用いることなく解決すること
ができる大型輸送船の提供を課題とする。 【解決手段】 船首1hから船尾1tにかけての船底1
aの形状を、該船底1aの長手方向に垂直な断面で見た
場合に、船底幅方向の中央CLに向かって先細り形状と
する構成を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンカー等の大型
輸送船に関し、特に、バラストが不要な大型輸送船に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のタンカー、ばら積船、コンテナ
船、LNG船、自動車運搬船などの大型輸送船では、空
荷状態における喫水の浅さに基づく問題を防止する目的
と、重心制御を行う目的とから、バラストを搭載する構
造が備えられている。
【0003】すなわち、喫水が浅くなった場合には、
(1)航行中におけるホギングの程度が大きくなり、船
体に加わる剪断力及び縦曲げモーメントが大きくなる、
(2)航行中に船底が波に叩かれて衝撃を受ける(いわ
ゆるスラミングを受ける)、(3)プロペラが全没でき
ずに水面上に露出し、推進性能の低下や、プロペラ及び
主機関の負荷変動が増大する(いわゆるプロペラレーシ
ングが発生する)、(4)舵が充分に水没できずに操縦
性能が悪化する、といった問題が生じることとなる。そ
こで、これらの問題を解決するために、バラストを搭載
して喫水を深くする解決手段が用いられている。なお、
この種の大型輸送船では、荷物搭載量を大きく確保する
ためや、建造費の抑制などの理由により、船底は平たい
平面形状を採用するのが一般的である。
【0004】また、重心が高くなりがちな船体において
は、重心を下げて姿勢の復原性能を良くする必要がある
ために船底にバラストを搭載し、逆に、空荷状態で重心
が低くなり過ぎる船体では、高い位置にバラストを搭載
して重心を上げるなどして重心制御が行われる。また、
荷役中に船体がヒールするような場合にも、カウンター
ウェイトとして一時的にバラストを搭載することによっ
て、船体のバランス制御を行うことが可能となる。以上
説明のように、バラストを搭載することにより、喫水が
浅いことに起因する上記各問題の解決と、適切な重心制
御との双方が可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記説明の
従来の大型輸送船では、以下に説明する問題を有してい
た。すなわち、前記バラストとしては、一般に海水が用
いられるが、この海水を搭載海域で搭載した大型輸送船
が、他の海域まで航行し、この他の海域で荷物を搭載す
るためにバラストである海水を海中に廃棄すると、バラ
スト水を搭載した海域の海中生物が他の海域に入り込ん
で生態系を変えてしまう恐れがある。この問題を解決す
る案としては、バラスト水を洋上で交換する、バラスト
水を廃棄する前に滅菌するなどの各種対策が提案されて
いるが、いずれも、抜本的な対策としては不十分であ
る。また、バラスト水は、船型にもよるが、船体排水量
の30%前後に至るため、空荷状態で不必要なUnpaid L
oadを運搬している。したがって、余分な燃料を浪費す
ることとなり、省エネルギーの観点からも問題である。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、積荷の積載状況に応じて変わる喫水の変化に伴
う問題を、バラスト水を用いることなく解決することが
できる大型輸送船の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下の手段を採用した。すなわち、請求項
1に記載の大型輸送船は、船首から船尾にかけての船底
の形状が、該船底の長手方向に垂直な断面で見た場合
に、船底幅方向の中央に向かって先細り形状となってい
ることを特徴とする。上記請求項1に記載の大型輸送船
によれば、その船底形状を先細り形状とすることで、従
来の平たい船底形状の船体に比較して、平たい船底を削
って体積を減らした分だけ、より深く船体を沈めること
ができるようになる。これにより、喫水が浅くなった場
合に生じる各種問題(ホギングによる船体への剪断力及
び縦曲げモーメントの増大や、スラミングの問題や、プ
ロペラレーシングの問題や、操縦性能悪化の問題など)
を回避することができるようになる。また、この船底形
状を先細り形状とする構成では、従来のようなバラスト
水を用いずに喫水を深くすることができることから、バ
ラスト水の廃棄に起因する生態系への影響の懸念をも払
拭することができるようになる。同様に、バラスト水を
搭載せずに空荷状態での航行が可能であることから、余
分な燃料を消費することがなく、輸送の省エネルギー化
に貢献することができるようになる。
【0008】請求項2に記載の大型輸送船は、請求項1
に記載の大型輸送船において、前記船底が、前記断面で
見た場合に、前記中央からその両端にかけて直線的に形
成されたV字形状を有していることを特徴とする。上記
請求項2に記載の大型輸送船によれば、船底の主要部分
が、2枚の単純な平面形状の傾斜面で形作られるため、
船底形状を曲面とする場合に比較して、容易に建造する
ことができるようになる。
【0009】請求項3に記載の大型輸送船は、請求項1
または請求項2に記載の大型輸送船において、前記船底
の、その平行部または中央部が、前記断面で見た場合
に、前記中央を間に挟む両傾斜面間の角度が、60°〜
170°の範囲内であることを特徴とする。上記請求項
3に記載の大型輸送船によれば、中央を間に挟む両傾斜
面間の角度が、170°よりも大きくなると、喫水を充
分に深くするのに不足となり、また、60°よりも小さ
くなると、必要な排水量を確保できないという問題を生
じる恐れがある。したがって、60°〜170°の範囲
内とするのが好ましい。
【0010】請求項4に記載の大型輸送船は、長手方向
の中央位置から船尾にかけての排水量が、前記中央位置
から船首にかけての排水量よりも多いことを特徴とす
る。上記請求項4に記載の大型輸送船によれば、従来の
船体に比較して、長手方向の中央位置から船首にかけて
の前半部分を、より深く沈めることができるようにな
る。これにより、船首を含む前記前半部分の喫水が浅く
なった場合に生じる各種問題(ホギングによる船体への
剪断力及び縦曲げモーメントの増大や、スラミングの問
題など)を回避することができるようになる。さらに
は、この構成では、従来のようなバラスト水を用いずに
喫水を深くすることができることから、バラスト水の廃
棄に起因する生態系への影響の懸念をも払拭することが
できるようになる。同様に、バラスト水を搭載せずに空
荷状態での航行が可能であることから、余分な燃料を消
費することがなく、輸送の省エネルギー化に貢献するこ
とができるようになる。また、船体の長手方向の中央位
置から船尾にかけての後半部分を、前記前半部分よりも
排水量を大きくすることにより、トータルとして、従来
と略同様の排水量を確保することも可能となる。
【0011】請求項5に記載の大型輸送船は、請求項1
〜請求項3の何れかに記載の大型輸送船において、長手
方向の中央位置から船尾にかけての排水量が、前記中央
位置から船首にかけての排水量よりも多いことを特徴と
する。上記請求項5に記載の大型輸送船によれば、従来
の船体に比較して、長手方向の中央位置から船首にかけ
ての前半部分を、より深く沈めることができるようにな
る。これにより、船首を含む前記前半部分の喫水が浅く
なった場合に生じる各種問題(ホギングによる船体への
剪断力及び縦曲げモーメントの増大や、スラミングの問
題など)を回避することができるようになる。さらに
は、この構成では、従来のようなバラスト水を用いずに
喫水を深くすることができることから、バラスト水の廃
棄に起因する生態系への影響の懸念をも払拭することが
できるようになる。同様に、バラスト水を搭載せずに空
荷状態での航行が可能であることから、余分な燃料を消
費することがなく、輸送の省エネルギー化に貢献するこ
とができるようになる。また、船体の長手方向の中央位
置から船尾にかけての後半部分を、前記前半部分よりも
排水量を大きくすることにより、トータルとして、従来
と略同様の排水量を確保することも可能となる。
【0012】請求項6に記載の大型輸送船は、船尾に、
上下方向に昇降する推進機構が備えられていることを特
徴とする。上記請求項6に記載の大型輸送船によれば、
空荷状態の喫水が比較的浅い場合には、推進機構を下げ
ることで、この推進機構を完全に水没させることがで
き、プロペラレーシングの問題をより確実に回避するこ
とができるようになる。逆に、満載状態の喫水が比較的
深い場合には、推進機構を上げることで、この推進機構
を海底より充分に離すことができ、浅瀬を航行すること
もできるようになる。また、推進機構を下げてプロペラ
を船体から離す場合には、プロペラに起因する船体振動
への影響を小さくすることができるという副次効果もあ
る。
【0013】請求項7に記載の大型輸送船は、請求項1
〜請求項5の何れかに記載の大型輸送船において、前記
船尾に、上下方向に昇降する推進機構が備えられている
ことを特徴とする。上記請求項7に記載の大型輸送船に
よれば、上記請求項6と同様に、空荷状態の喫水が比較
的浅い場合には、推進機構を下げることで、この推進機
構を完全に水没させることができ、プロペラレーシング
の問題をより確実に回避することができるようになる。
逆に、満載状態の喫水が比較的深い場合には、推進機構
を上げることで、この推進機構を海底より充分に離すこ
とができ、浅瀬を航行することもできるようになる。ま
た、推進機構を下げてプロペラを船体から離す場合に
は、プロペラに起因する船体振動への影響を小さくする
ことができるという副次効果もある。
【0014】請求項8に記載の大型輸送船は、船底、ま
たは船底及び船側下部の何れか一方に、気体を充填可能
な浮力発生装置が備えられていることを特徴とする。上
記請求項8に記載の大型輸送船によれば、満載状態で
は、浮力発生装置に気体を充填することで充分な浮力を
確保することができ、また、空荷状態では、浮力発生装
置内を海水がよどみなく流れるようにすることで、浮力
を減らして喫水をより下げることができるようになると
共に、他の海域に海中生物を運搬することもなくなる。
したがって、満載状態または空荷状態など、搭載物の量
に応じて喫水の深さをより柔軟に調整することができる
ようになると共に、海中生物の運搬も防止できる。
【0015】請求項9に記載の大型輸送船は、請求項1
〜請求項7の何れかに記載の大型輸送船において、船
底、または船底及び船側下部の何れか一方に、気体を充
填可能な浮力発生装置が備えられていることを特徴とす
る。上記請求項9に記載の大型輸送船によれば、上記請
求項8と同様に、満載状態では、浮力発生装置に気体を
充填することで充分な浮力を確保することができ、ま
た、空荷状態では、浮力発生装置内を海水がよどみなく
流れるようにすることで、浮力を減らして喫水をより下
げることができるようになると共に、他の海域に海中生
物を運搬することもなくなる。したがって、満載状態ま
たは空荷状態など、搭載物の量に応じて喫水の深さをよ
り柔軟に調整することができるようになると共に、海中
生物の運搬も防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、タンカー、ばら積船、
コンテナ船、LNG船、自動車輸送船など、排水量が10
00ton以上の大型輸送船に関し、特に、バラスト水を不
要とする大型輸送船に関するものであり、その各実施形
態についての説明を、図1〜図11を参照しながら以下
に行うが、本発明がこれらのみに限定解釈されるもので
ないことはもちろんである。
【0017】まず、図1〜図4を参照しながら、本発明
の第1実施形態についての説明を以下に行う。なお、図
1は、本実施形態の大型輸送船を示す側面図である。ま
た、図2は、同大型輸送船を示す図であって、(a)は
図1のA−A断面図、(b)は図1のB−B断面図、
(c)は図1のC−C断面図である。また、図3は、同
大型輸送船の満載状態を示す図であって、図2(b)と
同じ断面で見た場合の断面図である。また、図4は、同
大型輸送船の空荷状態を示す図であって、図2(b)と
同じ断面で見た場合の断面図である。
【0018】図1において、符号1は船体、符号2はプ
ロペラ、符号3は舵を示している。そして、船体1は、
紙面右側が船首1h、断面B−Bの位置が船体長手方向
の中央位置1m、紙面左側が船尾1tとなっている。そ
して、本実施形態の大型輸送船は、図2に示すように、
船首1hから船尾1tにかけての船底1a(底面)の形
状が、該船底1aの長手方向に垂直な断面で見た場合
に、船底幅方向の中央CLに向かって先細り形状となっ
ている。なお、符号1s,1sは、船底1aの両端角部
より鉛直上方に向かって連続する側壁をなす、サイドウ
ォールである。
【0019】船底1aの先細り形状の詳細について、満
載状態を示す図3を用いて以下に説明する。同図に示す
ように、船底1aは、船体長手方向に垂直な断面で見た
場合に、中央CL(最下端1a1)からその両端1a
2,1a2にかけて直線的に形成されたV字形状をなし
ている。さらに、このV字形状は、船底1の主要部分で
ある平行部分(従来の船体形状であれば、平たい船底を
有する範囲の部分。中には平行部を持たぬ船形形状もあ
るが、この場合には、船体の長手方向の中央部の部分を
指すものとする)において、中央CLを間に挟む両傾斜
面1a3,1a3間の角度αが、60°〜170°の範
囲内となっている。ちなみに、同図に2点鎖線で示す船
体100は、満載状態における従来の大型輸送船のもの
であり、平たい平面形状の船底を有している。
【0020】前記角度αを60°〜170°の範囲内す
る理由は、角度αが170°よりも大きくなると、喫水
を充分に深くするのに不足となり、また、角度αが60
°よりも小さくなると、必要な排水量を確保できなくな
るという問題を生じる恐れがあるからである。したがっ
て、角度αとしては、60°〜170°の範囲内とする
のが好ましいものとなっている。
【0021】本実施形態のように、船体1の船底形状を
先細り形状とすることで、従来の平たい船底形状の船体
100に比較して、平たい船底を削って体積を減らした
分だけ、より深く船体1を沈めることができるようにな
る。すなわち、同図の満載状態において、従来の船体1
00の平たい船底の両角部分の体積(斜線a,aに示す
部分)を減らすことにより、図4に示す空荷状態では、
従来の船体100の喫水L1よりも、より深い喫水L2
を得ることができるようになる。
【0022】この場合、減らした体積a,aは、例えば
図3に示すように、船体幅寸法W1を従来の船体幅寸法
W2よりも幅広とすることで、補うことが可能である。
すなわち、満載状態において、従来よりも幅広の船体幅
寸法W1を確保することにより、斜線b,bに示す部分
の体積が増える。そして、斜線a,aの部分の体積の合
計と、斜線b,bの部分の体積の合計とが等しくなるよ
うに船体幅寸法W1を採用することで、トータルとして
の排水量が、従来の船体100と同じになる。このトー
タルの排水量を等しくすることは、図4に示す空荷状態
においても確保されるようになる。すなわち、同図に示
す斜線dの部分の体積と、斜線e,fの部分の体積和と
が等しくなる。なお、図3の斜線a,aに示す部分の排
水量を補う方法としては、上述のように船体幅寸法W1
を幅広とする他に、船体長さを従来の船体100よりも
長くしたり、もしくは、船体幅寸法W1と船体長さとの
双方を長くするようにしても良いし、さらには、船体を
正面から見た場合の鉛直方向高さを高くして、喫水を深
くすることで排水量を稼ぐようにしても良い。さらに
は、平行部以外の排水量を大きくして補っても良い。
【0023】また、本実施形態の大型輸送船は、上述の
ように、従来と同じ排水量を確保しながらも、空荷状態
における喫水を、従来の船体100よりも深くすること
ができるので、喫水が浅くなった場合に生じる各種問題
(ホギングによる船体への剪断力及び縦曲げモーメント
の増大や、スラミングの問題や、プロペラレーシングの
問題や、操縦性能悪化の問題など)を回避することがで
きるようになる。また、本実施形態のように船底形状を
先細り形状とする構成では、従来のようなバラスト水を
用いずに喫水を深くすることができることから、バラス
ト水の廃棄に起因する生態系への影響の懸念をも払拭す
ることができるようになる。同様に、バラスト水を搭載
せずに空荷状態での航行が可能であることから、余分な
燃料を消費することがなく、輸送の省エネルギー化に貢
献することができるようになる(言い換えると、同じエ
ネルギーでより多くの輸送物を輸送することが可能とな
る)。
【0024】さらには、船底形状を先細り形状とする構
成では、従来の平たい船底形状に比較して、船底面に対
するスラミングの衝撃度を軽減させることができる(従
来では、船底面に対して垂直に波が当たりやすいが、本
発明の先細り形状では、その船底面に対して波が斜めに
当たって側方に波を逃がすので、衝撃を軽減させること
ができる)という効果を得ることも可能となっている。
この衝撃軽減の効果は、前記角度αが小さいほど効果的
に得られるが、先にも述べたように、必要充分な排水量
を確保できる程度に収めることが好ましいのは勿論であ
る。
【0025】以上説明の本実施形態の大型輸送船の効果
を以下に纏める。本実施形態の大型輸送船は、船首1h
から船尾1tにかけての船底1aの形状を、該船底1a
の長手方向に垂直な断面で見た場合に、船底幅方向の中
央CLに向かって先細り形状とする構成を採用した。こ
の構成によれば、従来の平たい船底形状を有する船体1
00に比較して、バラスト水を用いることなく喫水をよ
り深くすることができるので、喫水が浅いことに起因す
る問題の回避と、バラスト水の使用に起因する問題の回
避との双方を、空荷状態の排水量を大きくせずに解決す
ることが可能となる。したがって、積荷の積載状況に応
じて変わる喫水の変化に伴う問題を、バラスト水を用い
ることなく解決することが可能となる。
【0026】また、本実施形態の大型輸送船は、船底1
aが、前記断面で見た場合に、中央CLからその両端に
かけて直線的に形成されたV字形状を有する構成を採用
した。この構成によれば、船底1aの主要部分が、2枚
の平面形状の傾斜面1a3,1a3によって構成される
ため、船底形状を曲面とする場合に比較して建造が容易
となり、大型輸送船の建造コストを下げることが可能と
なっている。また、本実施形態の大型輸送船は、船底1
aが、前記断面で見た場合に、船底中央を間に挟む両傾
斜面1a3,1a3間の角度αが、60°〜170°の
範囲内とする構成を採用した。この構成によれば、喫水
を充分に深くすることと、必要な排水量の確保との両方
を同時に満足することが可能となっている。
【0027】なお、本実施形態では、サイドウォール1
s,1sと船底1aの両端との接合部分を角形状とした
が、これに限らず、緩やかな曲線をもって接合するよう
にしても良い。
【0028】次に、図5〜図7を参照しながら、本発明
の大型輸送船の第2実施形態についての説明を以下に行
う。なお、図5は、本実施形態の大型輸送船を示す側面
図である。また、図6は、同大型輸送船を示す図であっ
て、(a)は図1のD−D断面図、(b)は図1のE−
E断面図、(c)は図1のF−F断面図である。また、
図7は、同大型輸送船の長手方向に沿った排水量分布を
示す図であり、横軸は船体長手方向の位置、縦軸は排水
量を示している。本実施形態の説明において、上記第1
実施形態と同一構成要素には同一符号を付して説明す
る。
【0029】図5において、符号11は船体、符号2は
プロペラ、符号3は舵を示している。そして、船体11
は、紙面右側が船首11h、断面E−Eの位置が船体長
手方向の中央位置11m、紙面左側が船尾11tとなっ
ている。そして、本実施形態の大型輸送船は、図6
(a),(b)に示すように、船底11a(底面)の長
手方向の中央位置11mから船首11hにかけての前半
部分11Fの形状が、該船底11aの長手方向に垂直な
断面で見た場合に、船底幅方向の中央CLに向かって先
細り形状となっている。なお、符号11s,11sは、
船底11aの両端角部より鉛直上方に向かって連続する
側壁をなす、サイドウォールである。
【0030】船底11aの前半部分11Fにおける先細
り形状の詳細について説明すると、上記第1実施形態で
説明した前記船底1aと同様であり、船体長手方向に垂
直な断面で見た場合に、中央CLからその両端にかけて
直線的に形成されたV字形状をなすものとなっている。
さらに、このV字形状は、中央CLを間に挟む両傾斜面
11a3,11a3間の角度βが、前記角度αと同様
に、平行部において60°〜170°の範囲内となって
いる。
【0031】そして、この先細り形状の前半部分11F
では、従来の平たい船底形状の船体に比較して、上記第
1実施形態で説明した理由により、船体をより深く沈め
る(空荷状態の喫水を深くする)ことができるようにな
る。これにより、船首11hを含む前半部分11Fの喫
水が浅くなった場合に生じる各種問題(ホギングによる
船体への剪断力及び縦曲げモーメントの増大や、スラミ
ングの問題など)を回避することができるようになる。
さらには、従来のようなバラスト水を用いずに喫水を深
くすることができることから、バラスト水の廃棄に起因
する生態系への影響の懸念をも払拭することができるよ
うになる。同様に、バラスト水を搭載せずに空荷状態で
の航行が可能であることから、余分な燃料を消費するこ
とがなく、輸送の省エネルギー化に貢献することができ
るようになる。
【0032】さらに、本実施形態では、船底11aの後
半部分11Bが、その平行部において平坦な平面形状を
なしている。これにより、その長手方向の排水量分布
が、図7の実線に示すように、前記前半部分11Fより
も後半部分11Bの排水量の方が多くなるようになって
いる。このように、後半部分11Bを前記前半部分11
Fよりも排水量を大きくすることにより、前半部分11
Fで減った排水量を後半部分11Bが補い、トータルと
して、従来と略同様の排水量を確保することも可能とな
る(すなわち、図7において、2点鎖線を従来の船体の
排水量分布とした場合、本実施形態の船体11では、前
半部分11Fの排水量が後半部分11B側に移り、トー
タルとしての排水量が従来と同じになる)。
【0033】以上説明の本実施形態の大型輸送船の効果
を以下に纏める。本実施形態の大型輸送船は、船底11
aの長手方向の中央位置から船尾11tにかけての排水
量が、前記中央位置から船首11hにかけての排水量よ
りも多くなる構成を採用した。この構成によれば、従来
の平たい船底形状の船体に比較して、バラスト水を用い
ることなく、前半部分11Fの喫水をより深くすること
ができるので、喫水が浅いことに起因する問題の回避
と、バラスト水の使用に起因する問題の回避との双方
を、空荷状態の排水量を大きくせずに解決することが可
能となる。したがって、積荷の積載状況に応じて変わる
喫水の変化に伴う問題を、バラスト水を用いることなく
解決することが可能となる。また、前半部分11Fを先
細りとするために船底11aを削った部分の排水量は、
船底11aの後半部分11Bにおける排水量を多くして
補うことができ、トータルとして従来と略同様の排水量
を確保することも可能となる。
【0034】なお、本実施形態では、船底11aの前半
部分11Fを先細り形状とすることにより、前半部分1
1Fの排水量を、前記後半部分11Bよりも小さくする
ものとしたが、これに限らず、例えば、前半部分11F
の船幅を、後半部分11Bの船幅よりも狭くするなど、
その他の手段によって達成するものとしても良い。
【0035】次に、図8を参照しながら、本発明の大型
輸送船の第3実施形態についての説明を以下に行う。な
お、図8は、本実施形態の大型輸送船を示す図であっ
て、(a)及び(b)ともに、船尾部分を示す部分拡大
図である。
【0036】本実施形態は、上記第1実施形態及び第2
実施形態の前記プロペラ2及び舵3の代わりに、図8
(a),(b)に示すように、船尾1t(11t)に、
上下方向に昇降するPOD型推進機21(推進機構。別
称としては、Tドライブ、ダックドライブ、Zプロペ
ラ、Zドライブ等がある)を装備した点が特に特徴的と
なっている。このPOD型推進機21は、プロペラ21
aと、ケーシング21bと、該ケーシング21b内に格
納されたモータ21cと、ケーシング21bを船尾1t
(11t)に対して支持するとともに舵の役割をなす舵
部21dとを備えて構成されている。なお、この舵部2
1dに加えて、プロペラ21aの推進力も舵の役目をな
す。
【0037】そして、このPOD型推進機21は、モー
タ21cがプロペラ21aを回転駆動することによって
推進力を発生させるとともに、プロペラ21a及び舵部
21dが鉛直軸線回りに方向を変えることによって操舵
可能となっている。本実施形態の大型輸送船によれば、
図8(b)に示すように空荷状態で喫水が比較的浅い場
合には、POD型推進機21を下げることで、このPO
D型推進機21を完全に水没させることができ、プロペ
ラレーシングの問題をより確実に回避することが可能に
なる。逆に、図8(a)に示すように満載状態の喫水が
比較的深い場合には、POD型推進機21を上げること
で、このPOD型推進機21を海底より充分に離すこと
ができ、浅瀬を航行することも可能になる。したがっ
て、積荷の積載状況に応じて変わる喫水の変化に伴う問
題を、バラスト水を用いることなく解決することが可能
となる。また、POD型推進機21を下げてプロペラ2
1aを船体から離す場合には、プロペラ21aに起因す
る船体振動への影響を小さくすることができるという副
次効果もある。
【0038】なお、本実施形態では、ケーシング21b
内にモータ21cを内蔵したPOD型推進機21を採用
したが、これに限らず、船尾1t(11t)内にエンジ
ンを装備し、このエンジンの駆動力を、舵部21d内に
装備した動力伝達機構を介してプロペラ21aに伝達す
るようにしても良い(以上、図示せず)。また、本実施
形態では、先細り形状の船底1a(11a)を有する船
体に適用する場合を例に説明したが、これに限らず、従
来の平たい船底を有する船体に、本実施形態のPOD型
推進機21を適用しても良い。
【0039】次に、図9を参照しながら、本発明の大型
輸送船の第4実施形態についての説明を以下に行う。な
お、図9は、本実施形態の大型輸送船を示す図であっ
て、船体長手方向の中央位置における断面図である。図
9に示すように、上記第1実施形態〜第3実施形態で
は、前記船底1a(11a)を直線的な先細り形状とし
た(符号31)が、本実施形態では、符号32のように
下に凸の曲線形状としたり、または符号33のように上
に凸の曲線形状にしても良い。符号32に示す下に凸の
曲線形状の場合には、他の形状に比較して強度的に強い
という利点を有し、また、符号33に示す上に凸の曲線
形状の場合には、喫水をより深くすることができるとい
う利点を得ることが可能となる。
【0040】次に、図10及び図11を参照しながら、
本発明の大型輸送船の第5実施形態についての説明を以
下に行う。なお、図10は、本実施形態の大型輸送船を
示す図であって、船体長手方向の中央位置における断面
図である。また、図11は、同大型輸送船の船底を示す
図である。
【0041】本実施形態は、上記第1実施形態〜第4実
施形態の船底1a(11a)に対し、空気(気体)を充
填可能な浮力発生装置40を装備した点が特に特徴的と
なっている。この浮力発生装置40は、長尺のチューブ
形状を有する複数の管41,・・・と、これら管41,・・・
内に空気を充填する空気充填機構(図示せず)と、各管
41,・・・の両端を開閉させる開閉機構(図示せず)と
を備えて構成されている。
【0042】管41,・・・は、互いに平行かつ船底1a
(11a)の長手方向に沿って固定されたチューブであ
り、その先端側と後端側との双方の開口端が、前記開閉
機構によって開閉されるようになっている。本実施形態
の大型輸送船によれば、満載状態では、前記開閉機構で
各管41,・・・の両端を閉じるとともに、前記空気充填
機構によって空気を内部に充填させることで、充分な浮
力を確保することが可能となる。また、空荷状態では、
前記開閉機構で各管41,・・・の両端を開き、各管4
1,・・・内の空気を排気することで、浮力を減らして喫
水をより下げることができるようになる。したがって、
満載状態または空荷状態など、搭載物の量に応じて喫水
の深さをより柔軟に調整することが可能となる。なお、
前記開閉機構を開いた航行状態では、各管41,・・・内
を海水が通り抜けるので、あたかも各管41,・・・は存
在しないように振る舞うこととなる。
【0043】また、本実施形態のように、流体の淀み場
が生じることのない、ストレート形状の管41,・・・を
採用することにより、内部に水垢などが溜まり込みにく
くなるので、これを他の海域に持ち込んでその海域の生
態系に影響を及ぼしてしまうなどの悪影響を防止するこ
とも可能となっている。なお、本実施形態では、複数の
管41,・・・が外部に露出する場合を例に説明したが、
これに限らず、例えば図10の2点鎖線に示すように、
船体そのものに、進行方向に沿った貫通孔を複数形成し
て、これら貫通孔によって管41,・・・の代わりとして
も良い。また、本実施形態では、船底1a(11a)の
みに浮力発生装置40を配置する場合を例に説明した
が、これに限らず、船底1a(11a)及び船側下部の
双方に配置するものとしても良い。
【0044】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の大型輸送船
は、船首から船尾にかけての船底の形状を、該船底の長
手方向に垂直な断面で見た場合に、船底幅方向の中央に
向かって先細り形状とする構成を採用した。この構成に
よれば、従来の平たい船底形状を有する船体に比較し
て、バラスト水を用いることなく喫水をより深くするこ
とができるので、喫水が浅いことに起因する問題の回避
と、バラスト水の使用に起因する問題の回避との双方
を、空荷状態の排水量を大きくせずに解決することが可
能となる。したがって、積荷の積載状況に応じて変わる
喫水の変化に伴う問題を、バラスト水を用いることなく
解決することが可能となる。
【0045】また、請求項2に記載の大型輸送船は、請
求項1に記載の大型輸送船において、船底が、前記断面
で見た場合に、中央からその両端にかけて直線的に形成
されたV字形状を有する構成を採用した。この構成によ
れば、船底の主要部分が、2枚の平面形状の傾斜面によ
って構成されるため、船底形状を曲面とする場合に比較
して建造が容易となり、大型輸送船の建造コストを下げ
ることが可能となる。
【0046】また、請求項3に記載の大型輸送船は、請
求項1または請求項2に記載の大型輸送船において、前
記船底の平行部または中央部が、前記断面で見た場合
に、前記中央を間に挟む両傾斜面間の角度が、60°〜
170°の範囲内とする構成を採用した。この構成によ
れば、喫水を充分に深くすることと、必要な排水量の確
保との両方を同時に満足することが可能となる。
【0047】また、請求項4に記載の大型輸送船は、長
手方向の中央位置から船尾にかけての排水量が、前記中
央位置から船首にかけての排水量よりも多くなる構成を
採用した。この構成によれば、従来の船体に比較して、
バラスト水を用いることなく、長手方向の中央位置から
船首にかけての前半部分を、より深く沈めることができ
るようになる。これにより、船首を含む前記前半部分の
喫水が浅くなった場合に生じる各種問題(ホギングによ
る船体への剪断力及び縦曲げモーメントの増大や、スラ
ミングの問題など)を回避することができるようになる
ので、前記前半部分の喫水が浅いことに起因する問題の
回避と、バラスト水の使用に起因する問題の回避との双
方を、空荷状態の排水量を大きくせずに解決することが
可能となる。したがって、積荷の積載状況に応じて変わ
る喫水の変化に伴う問題を、バラスト水を用いることな
く解決することが可能となる。また、前記前半部分の排
水量の削減分は、船底の長手方向の中央位置から船尾に
かけての後半部分における排水量を多くすることで補う
ことができ、従来と略同様の排水量を確保することも可
能となる。
【0048】また、請求項5に記載の大型輸送船は、請
求項1〜請求項3の何れかに記載の大型輸送船におい
て、長手方向の中央位置から船尾にかけての排水量が、
前記中央位置から船首にかけての排水量よりも多くなる
構成を採用した。この構成によれば、従来の船体に比較
して、バラスト水を用いることなく、長手方向の中央位
置から船首にかけての前半部分を、より深く沈めること
ができるようになる。これにより、船首を含む前記前半
部分の喫水が浅くなった場合に生じる各種問題(ホギン
グによる船体への剪断力及び縦曲げモーメントの増大
や、スラミングの問題など)を回避することができるよ
うになるので、前記前半部分の喫水が浅いことに起因す
る問題の回避と、バラスト水の使用に起因する問題の回
避との双方を、空荷状態の排水量を大きくせずに解決す
ることが可能となる。したがって、積荷の積載状況に応
じて変わる喫水の変化に伴う問題を、バラスト水を用い
ることなく解決することが可能となる。また、前記前半
部分の排水量の削減分は、船底の長手方向の中央位置か
ら船尾にかけての後半部分における排水量を多くするこ
とで補うことができ、従来と略同様の排水量を確保する
ことも可能となる。
【0049】また、請求項6に記載の大型輸送船は、船
尾に、上下方向に昇降する推進機構を備える構成を採用
した。この構成によれば、空荷状態の喫水が比較的浅い
場合には、推進機構を下げることで、プロペラレーシン
グの問題をより確実に回避することが可能となる。逆
に、満載状態の喫水が比較的深い場合には、推進機構を
上げることで、浅瀬を航行することも可能となる。した
がって、積荷の積載状況に応じて変わる喫水の変化に伴
う問題を、バラスト水を用いることなく解決することが
可能となる。また、推進機構を下げてプロペラを船体か
ら離す場合には、プロペラに起因する船体振動への影響
を小さくすることができるという副次効果もある。
【0050】また、請求項7に記載の大型輸送船は、請
求項1〜請求項5の何れかに記載の大型輸送船におい
て、船尾に、上下方向に昇降する推進機構を備える構成
を採用した。この構成によれば、上記請求項6と同様
に、空荷状態の喫水が比較的浅い場合には、推進機構を
下げることで、プロペラレーシングの問題をより確実に
回避することが可能となる。逆に、満載状態の喫水が比
較的深い場合には、推進機構を上げることで、浅瀬を航
行することも可能となる。したがって、積荷の積載状況
に応じて変わる喫水の変化に伴う問題を、バラスト水を
用いることなく解決することが可能となる。また、推進
機構を下げてプロペラを船体から離す場合には、プロペ
ラに起因する船体振動への影響を小さくすることができ
るという副次効果もある。
【0051】また、請求項8に記載の大型輸送船は、船
底、または船底及び船側下部の何れか一方に、浮力発生
装置を備える構成を採用した。この構成によれば、満載
状態では、浮力発生装置に気体を充填することで充分な
浮力を確保することができ、また、空荷状態では、浮力
発生装置内の気体を排気することで浮力を減らして喫水
をより下げることができるようになる。このように、満
載状態または空荷状態など、搭載物の量に応じて喫水の
深さをより柔軟に調整することが可能となる。したがっ
て、積荷の積載状況に応じて変わる喫水の変化に伴う問
題を、バラスト水を用いることなく解決することが可能
となる。
【0052】また、請求項9に記載の大型輸送船は、請
求項1〜請求項7の何れかに記載の大型輸送船におい
て、船底、または船底及び船側下部の何れか一方に、浮
力発生装置を備える構成を採用した。この構成によれ
ば、上記請求項8と同様に、満載状態では、浮力発生装
置に気体を充填することで充分な浮力を確保することが
でき、また、空荷状態では、浮力発生装置内の気体を排
気することで浮力を減らして喫水をより下げることがで
きるようになる。このように、満載状態または空荷状態
など、搭載物の量に応じて喫水の深さをより柔軟に調整
することが可能となる。したがって、積荷の積載状況に
応じて変わる喫水の変化に伴う問題を、バラスト水を用
いることなく解決することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の大型輸送船の第1実施形態を示す
側面図である。
【図2】 同大型輸送船を示す図であって、(a)は
図1のA−A断面図、(b)は図1のB−B断面図、
(c)は図1のC−C断面図である。
【図3】 同大型輸送船の満載状態を示す図であっ
て、図2(b)と同じ断面で見た場合の断面図である。
【図4】 同大型輸送船の空荷状態を示す図であっ
て、図2(b)と同じ断面で見た場合の断面図である。
【図5】 本発明の大型輸送船の第2実施形態を示す
側面図である。
【図6】 同大型輸送船を示す図であって、(a)は
図1のD−D断面図、(b)は図1のE−E断面図、
(c)は図1のF−F断面図である。
【図7】 同大型輸送船の長手方向に沿った排水量分
布を示す図であり、横軸は船体長手方向の位置、縦軸は
排水量を示している。
【図8】 本発明の大型輸送船の第3実施形態を示す
図であって、(a)及び(b)ともに、船尾部分を示す
部分拡大図である。
【図9】 本発明の大型輸送船の第4実施形態を示す
図であって、船体長手方向の中央位置における断面図で
ある。
【図10】 本発明の大型輸送船の第5実施形態を示
す図であって、船体長手方向の中央位置における断面図
である。
【図11】 同大型輸送船の船底を示す図である。
【符号の説明】
1a,11a・・・船底 1a3,11a3・・・傾斜面 1h,11h・・・船首 1t,11t・・・船尾 21・・・POD型推進機(推進機構) 40・・・浮力発生装置 α,β・・・角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 友井 武人 東京都豊島区目白1丁目3番8号 財団法 人日本造船技術センター内 (72)発明者 井上 憲一 東京都豊島区目白1丁目3番8号 財団法 人日本造船技術センター内 (72)発明者 大西 重雄 東京都豊島区目白1丁目3番8号 財団法 人日本造船技術センター内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船首から船尾にかけての船底の形状
    が、該船底の長手方向に垂直な断面で見た場合に、船底
    幅方向の中央に向かって先細り形状となっていることを
    特徴とする大型輸送船。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の大型輸送船におい
    て、 前記船底は、前記断面で見た場合に、前記中央からその
    両端にかけて直線的に形成されたV字形状を有している
    ことを特徴とする大型輸送船。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の大型
    輸送船において、 前記船底は、その平行部または中央部が、前記断面で見
    た場合に、前記中央を間に挟む両傾斜面間の角度が、6
    0°〜170°の範囲内であることを特徴とする大型輸
    送船。
  4. 【請求項4】 長手方向の中央位置から船尾にかけて
    の排水量が、前記中央位置から船首にかけての排水量よ
    りも多いことを特徴とする大型輸送船。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項3の何れかに記載の
    大型輸送船において、 長手方向の中央位置から船尾にかけての排水量が、前記
    中央位置から船首にかけての排水量よりも多いことを特
    徴とする大型輸送船。
  6. 【請求項6】 船尾に、上下方向に昇降する推進機構
    が備えられていることを特徴とする大型輸送船。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項5の何れかに記載の
    大型輸送船において、 前記船尾には、上下方向に昇降する推進機構が備えられ
    ていることを特徴とする大型輸送船。
  8. 【請求項8】 船底、または船底及び船側下部の何れ
    か一方に、気体を充填可能な浮力発生装置が備えられて
    いることを特徴とする大型輸送船。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項7の何れかに記載の
    大型輸送船において、 船底、または船底及び船側下部の何れか一方に、気体を
    充填可能な浮力発生装置が備えられていることを特徴と
    する大型輸送船。
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