JP2003100733A - 放電プラズマ処理装置 - Google Patents

放電プラズマ処理装置

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JP2003100733A JP2001298025A JP2001298025A JP2003100733A JP 2003100733 A JP2003100733 A JP 2003100733A JP 2001298025 A JP2001298025 A JP 2001298025A JP 2001298025 A JP2001298025 A JP 2001298025A JP 2003100733 A JP2003100733 A JP 2003100733A
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Takuya Yara
卓也 屋良
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速処理及び大面積処理に対応可能でかつ、
基材にダメージを与えず、異常放電の無い放電プラズマ
処理装置の提供。 【解決手段】 電圧印加電極と接地電極からなる対向電
極を有し、前記対向電極の少なくとも一方の電極対向面
が固体誘電体で被覆され、前記対向電極間に電界を印加
することにより前記対向電極間に発生するグロー放電プ
ラズマを、プラズマ発生空間外に配置された基材に導い
て処理を行う処理装置であって、前記電圧印加電極と基
材との間隔が、接地電極と基材との間隔よりも大きくな
るように配置されることを特徴とする放電プラズマ処理
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電プラズマ処理
装置に関し、特に、電圧印加電極と基材との間の異状放
電を抑制し、プラズマ発生空間外にある基材を処理する
放電プラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、低圧条件下でグロー放電プラ
ズマを発生させて被処理体の表面改質、又は被処理体上
に薄膜形成を行う方法が実用化されている。しかし、こ
れらの低圧条件下における処理装置は、真空チャンバ
ー、真空排気装置等が必要であり、表面処理装置は高価
なものとなり、大面積基板等を処理する際にはほとんど
用いられていなかった。このため、特開平6−2149
号公報、特開平7−85997号公報等に記載されてい
るような大気圧近傍の圧力下で放電プラズマを発生させ
る常圧プラズマ処理装置が提案されてきている。
【0003】しかしながら、常圧プラズマ処理方法にお
いても、固体誘電体等で被覆した平行平板型等の電極間
に被処理体を設置し、電極間に電圧を印加し、発生した
プラズマで被処理体を処理する装置では、被処理体全体
を放電空間に置くこととなり、被処理体にダメージを与
えることになりやすいという問題があった。
【0004】このような問題を解決するものとして、被
処理体を放電空間中に配置するのではなく、その近傍に
配置し、放電空間から被処理体にプラズマを吹き付ける
リモート型の装置が提案されている。特開平11−25
1304号公報及び特開平11−260597号公報に
は外側電極を備えた筒状の反応管及び反応管の内部に内
側電極を具備し、両電極に冷却手段を設け、反応管内部
でグロー放電を発生させ、反応管からプラズマジェット
を吹き出して被処理体に吹きつけるプラズマ処理装置
が、特開平11−335868号公報には平行平板型の
電極を用い、さらに被処理体近傍の排気手段によって、
プラズマを被処理体に接触させるプラズマ処理装置が開
発されてきている。
【0005】しかしながら、これらの装置は、放電空間
から被処理体までの距離が遠く、このため、精製したプ
ラズマを効率的に被処理体に接触させることができな
い。一方、電極を被処理体に近付けると、電極間のみで
なく、印加電極と被処理体との間でも放電が起こりやす
くなり、放電が安定しにくく、基材上に形成される薄膜
にスジ状の模様が入って、膜質不良となるという問題を
生じていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑み、高速処理及び大面積処理に対応可能でかつ、基材
にダメージを与えず、異常放電を抑制し、基材上に形成
される薄膜等に影響を与えない放電プラズマ処理装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、電圧印加電極と基材と
の間隔を接地電極と基材との間隔より大きくなるよう
に、電極をずらして設置し、対向電極間でグロー放電プ
ラズマを発生させ、放電空間外に配置した被処理基材に
接触させることにより、均一で、高速処理が可能で、か
つ基材にダメージを与えズ、良質な薄膜等を形成する処
理を行うことができることを見出し、本発明を完成させ
た。
【0008】すなわち、本発明の第1の発明は、電圧印
加電極と接地電極からなる対向電極を有し、前記対向電
極の少なくとも一方の電極対向面が固体誘電体で被覆さ
れ、前記対向電極間に電界を印加することにより前記対
向電極間に発生するグロー放電プラズマを、プラズマ発
生空間外に配置された基材に導いて処理を行う処理装置
であって、前記電圧印加電極と基材との間隔が、接地電
極と基材との間隔よりも大きくなるように配置されるこ
とを特徴とする放電プラズマ処理装置である。
【0009】また、本発明の第2の発明は、電圧印加電
極と基材との間隔と接地電極と基材との間隔の差が、電
極間距離よりも大きいことを特徴とする第1の発明に記
載の放電プラズマ処理装置である。
【0010】また、本発明の第3の発明は、電圧印加電
極と基材との間隔と接地電極と基材との間隔の差が、
2.5〜10mmであることを特徴とする第1又は2の
発明に記載の放電プラズマ処理装置である。
【0011】また、本発明の第4の発明は、電圧印加電
極と接地電極からなる対向電極が、3枚以上の電極によ
り2つ以上の放電空間を形成する対向電極であることを
特徴とする第1〜3のいずれかの発明に記載の放電プラ
ズマ処理装置である。
【0012】また、本発明の第5の発明は、接地電極
(1)、電圧印加電極、接地電極(2)からなり、接地
電極(1)と電圧印加電極との間の空間、接地電極
(2)と電圧印加電極との間の空間が共に放電空間とな
され、前記電圧印加電極と基材との間隔が、接地電極
(1)と基材との間隔及び接地電極(2)と基材の間隔
より大きくなるように配置されることを特徴とする第4
の発明に記載の放電プラズマ処理装置である。
【0013】また、本発明の第6の発明は、放電空間の
幅方向に垂直に機材を運搬する機構を備えた第1〜5の
いずれかの発明に記載の放電プラズマ処理装置である。
【0014】また、本発明の第7の発明は、電界が、パ
ルス立ち上がり及び/又は立ち下がり時間が10μs以
下、電界強度が10〜1000kV/cmのパルス電界
であることを特徴とする第1〜6のいずれかの発明に記
載の放電プラズマ処理装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、対向する電極の少なく
とも一方の対向面を固体誘電体で被覆した電圧印加電極
と接地電極からなる対向電極間に電界を印加し、当該電
極間に処理ガスを導入して発生するグロー放電プラズマ
を放電空間から離れた位置に配置された被処理基材に誘
導して接触させて処理する放電プラズマ処理装置におい
て、電極と基材間のアーク放電等を阻止するために、電
圧印加電極をガス流れ方向にずらしてと配置し、電圧印
加電極と基材との間隔を接地電極と基材との間隔より大
きくした放電プラズマ処理装置である。以下に詳細に本
発明を説明する。
【0016】本発明の装置の一例を図で説明する。図1
は、本発明のプラズマ放電装置の電圧印加電極2と接地
電極3と基材10の位置を説明するための模式的装置図
である。図1において、電圧印加電極2は、電圧印加電
極2と基材10との間隔H1が、接地電極3と基材10
との間隔H2より大きくなるようにずらして設置されて
いる。処理ガスは、矢印方向に導入され、電圧印加電極
2と接地電極3間に形成される放電空間4でプラズマ化
され、基材10に向かって吹き出される。H1がH2より
大きいため、電圧印加電極2からの基材10に向けての
アーク放電が起きにくい。基材からみた電圧印加電極と
接地電極の距離の差である△H(H1−H2)は、放電空
間を形成する電極間距離(ギャップ)Gより大きいのが
好ましく、より好ましくは1.25Gmm〜20mmで
あり、特に好ましくは2.5〜10mmである。△Hを
この範囲にすることにより、電圧印加電極2からの基材
10に向けてのアーク放電をより起きにくくする。すな
わち、電圧印加電極に発生した小ストリーマは先に接地
電極に落ち、基材表面は避雷し、その結果、基材上に形
成される薄膜等に及ぼす影響がなくなる利点を有する。
【0017】図2は、3枚以上の電極により2つ以上の
放電空間を形成する対向電極からなる本発明のプラズマ
処理装置を説明するための模式的装置図である。図2に
おいて、接地電極3、電圧印加電極2、接地電極3’
は、それぞれ対向するように設置され、接地電極3と電
圧印加電極2との間の空間を放電空間4とし、接地電極
3’と電圧印加電極2との間の空間を放電空間4’と
し、電圧印加電極2と基材10との間隔H1が、接地電
極3と基材10との間隔H2及び接地電極3’と基材1
0の間隔H2’より大きくなるように配置されている。
処理ガスは、矢印方向に放電空間4及び4’にそれぞれ
導入され、放電空間内4及び4’でプラズマ化され、基
材10に向かって吹き出される。本装置においては、3
枚の電極を対向させ、真ん中に電圧印加電極2を配置
し、両側に接地電極3及び3’を配置することにより、
1台の電源で2ヶ所にプラズマを発生させることがで
き、より高速に基材10を処理することができる。ま
た、図2においても、H1は、H2及びH 3’より大きい
ため、電圧印加電極2からの基材10に向けてのアーク
放電が起きにくい。基材からみた電圧印加電極と接地電
極の距離の差である△H(H1−H2又はH1−H2’)
は、放電空間を形成する電極間距離(ギャップ)G又は
G’より大きいのが好ましく、より好ましくは1.25
Gmm又は1.25G’mm〜20mmであり、特に好
ましくは2.5〜10mmである。△Hをこの範囲にす
ることにより、電圧印加電極2からの基材10に向けて
のアーク放電をより起きにくくする。すなわち、電圧印
加電極に発生した小ストリーマは先に接地電極3及び
3’に落ち、基材表面10は避雷し、その結果、基材上
に形成される薄膜等に及ぼす影響がなくなる利点を有す
る。さらに、本装置においては、プラズマ化したガスの
流れを接地電極3及び3’と電圧印加電極2、基材10
とで囲まれる空間に導くことによって、プラズマ化した
ガスを効率よく基材に接触させる効果を有する。
【0018】また、本発明のプラズマ処理装置は、主と
して平行平板型電極間で発生する処理ガスのグロー放電
プラズマを放電空間から離れた位置に配置された被処理
基材に誘導して接触させて処理する装置であって、電極
間にずれを有する装置であるので、放電空間のプラズマ
吹き出し口からプラズマを基材に向かって垂直に吹き出
させるようにすると、より効果的に基材を処理できる。
したがって、放電空間の幅方向に垂直に基材を運搬させ
る機構を併設することが好ましい。
【0019】上記電極の材質としては、銅、アルミニウ
ム等の金属単体、ステンレス、真鍮等の合金、金属間化
合物等からなるものが挙げられる。電極の形状として
は、プラズマ放電が安定にできれば、特に限定されない
が、電界集中によるアーク放電の発生を避けるために、
対向電極間の距離が一定となる構造であることが好まし
く、より好ましくは電圧印加電極と接地電極間の間が平
行平坦部分を有する形状であり、特に好ましくは、両電
極が略平面形状であるのが好ましい。
【0020】上記固体誘電体は、電極の対向面の一方又
は双方に設置される。この際、固体誘電体と設置される
側の電極が密着し、かつ、接する電極の対向面を完全に
覆うようにする。固体誘電体によって覆われずに電極同
士が直接対向する部位があると、そこからアーク放電が
生じやすい。
【0021】上記固体誘電体の形状は、シート状でもフ
ィルム状でもよく、厚みが0.01〜4mmであること
が好ましい。厚すぎると放電プラズマを発生するのに高
電圧を要することがあり、薄すぎると電圧印加時に絶縁
破壊が起こり、アーク放電が発生することがある。ま
た、固体誘電体の形状として、容器型のものも用いるこ
ともできる。
【0022】固体誘電体の材質としては、例えば、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート
等のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニ
ウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化
物、チタン酸バリウム等の複酸化物等が挙げられる。
【0023】特に、25℃環境下における比誘電率が1
0以上のものである固体誘電体を用いれば、低電圧で高
密度の放電プラズマを発生させることができ、処理効率
が向上する。比誘電率の上限は特に限定されるものでは
ないが、現実の材料では18,500程度のものが入手
可能であり、本発明に使用出来る。特に好ましくは比誘
電率が10〜100の固体誘電体である。上記比誘電率
が10以上である固体誘電体の具体例としては、二酸化
ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、チタン酸
バリウム等の複酸化物を挙げることが出来る。
【0024】上記電極間の距離は、固体誘電体の厚さ、
印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮し
て適宜決定されるが、0.1〜50mmであることが好
ましく、より好ましくは0.1〜5mmである。0.1
mm未満では、電極間の間隔を置いて設置するのに充分
でないことがあり、一方、50mmを超えると、均一な
放電プラズマを発生させにくい。
【0025】本発明では、上記電極間に、高周波電界や
パルス電界等の電界が印加され、プラズマを発生させる
が、パルス電界を印加することが好ましく、特に、電界
の立ち上がり及び/又は立ち下がり時間が、10μs以
下である電界が好ましい。10μsを超えると放電状態
がアークに移行しやすく不安定なものとなり、パルス電
界による高密度プラズマ状態を保持しにくくなる。ま
た、立ち上がり時間及び立ち下がり時間が短いほどプラ
ズマ発生の際のガスの電離が効率よく行われるが、40
ns未満の立ち上がり時間のパルス電界を実現すること
は、実際には困難である。より好ましくは50ns〜5
μsである。なお、ここでいう立ち上がり時間とは、電
圧(絶対値)が連続して増加する時間、立ち下がり時間
とは、電圧(絶対値)が連続して減少する時間を指すも
のとする。
【0026】上記パルス電界の電界強度は、10〜10
00kV/cmとなるようにするのが好ましく、より好
ましくは20〜1000kV/cmである。電界強度が
10kV/cm未満であると処理に時間がかかりすぎ、
1000kV/cmを超えるとアーク放電が発生しやす
くなる。
【0027】上記パルス電界の周波数は、0.5kHz
以上であることが好ましい。0.5kHz未満であると
プラズマ密度が低いため処理に時間がかかりすぎる。上
限は特に限定されないが、常用されている13.56M
Hz、試験的に使用されている500MHzといった高
周波帯でも構わない。負荷との整合のとり易さや取り扱
い性を考慮すると、500kHz以下が好ましい。この
ようなパルス電界を印加することにより、処理速度を大
きく向上させることができる。
【0028】また、上記パルス電界におけるひとつのパ
ルス継続時間は、200μs以下であることが好まし
い。200μsを超えるとアーク放電に移行しやすくな
る。ここで、ひとつのパルス継続時間とは、ON、OF
Fの繰り返しからなるパルス電界における、ひとつのパ
ルスの連続するON時間を言う。
【0029】本発明の放電プラズマ処理装置は、どのよ
うな圧力下でも用いることができるが、常圧放電プラズ
マ処理に用いるとその効果を十分に発揮でき、特に、大
気圧近傍下の圧力下で用いるとその効果が十分に発揮さ
れる。
【0030】上記大気圧近傍の圧力下とは、1.333
×104〜10.664×104Paの圧力下を指す。中
でも、圧力調整が容易で、装置が簡便になる9.331
×104〜10.397×104Paの範囲が好ましい。
【0031】大気圧近傍の圧力下では、ヘリウム、ケト
ン等の特定のガス以外は安定してプラズマ放電状態が保
持されずに瞬時にアーク放電状態に移行することが知ら
れているが、パルス状の電界を印加することにより、ア
ーク放電に移行する前に放電を止め、再び放電を開始す
るというサイクルが実現されると考えられる。
【0032】本発明で処理できる被処理基材としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカ
ーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラ
フルオロエチレン、アクリル樹脂等のプラスチック、ガ
ラス、セラミック、金属等が挙げられる。基材の形状と
しては、板状、フィルム状等のものが挙げられるが、特
にこれらに限定されない。本発明の表面処理方法によれ
ば、様々な形状を有する基材の処理に容易に対応するこ
とができる。
【0033】本発明で用いる処理ガスとしては、電界を
印加することによってプラズマを発生するガスであれ
ば、特に限定されず、処理目的により種々のガスを使用
できる。
【0034】上記処理用ガスとして、CF4、C26
CClF3、SF6等のフッ素含有化合物ガスを用いるこ
とによって、撥水性表面を得ることができる。
【0035】また、処理用ガスとして、O2、O3、水、
空気等の酸素元素含有化合物、N2、NH3等の窒素元素
含有化合物、SO2、SO3等の硫黄元素含有化合物を用
いて、基材表面にカルボニル基、水酸基、アミノ基等の
親水性官能基を形成させて表面エネルギーを高くし、親
水性表面を得ることができる。また、アクリル酸、メタ
クリル酸等の親水基を有する重合性モノマーを用いて親
水性重合膜を堆積することもできる。
【0036】さらに、Si、Ti、Sn等の金属の金属
−水素化合物、金属−ハロゲン化合物、金属アルコラー
ト等の処理用ガスを用いて、SiO2、TiO2、SnO
2等の金属酸化物薄膜を形成させ、基材表面に電気的、
光学的機能を与えることができ、ハロゲン系ガスを用い
てエッチング処理、ダイシング処理を行ったり、酸素系
ガスを用いてレジスト処理や有機物汚染の除去を行った
り、アルゴン、窒素等の不活性ガスによるプラズマで表
面クリーニングや表面改質を行うこともできる。
【0037】経済性及び安全性の観点から、上記処理用
ガス単独雰囲気よりも、以下に挙げるような希釈ガスに
よって希釈された雰囲気中で処理を行うことが好まし
い。希釈ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、
キセノン等の希ガス、窒素気体等が挙げられる。これら
は単独でも2種以上を混合して用いてもよい。また、希
釈ガスを用いる場合、処理用ガスの割合は0.01〜1
0体積%であることが好ましい。
【0038】なお、本発明の装置によれば、プラズマ発
生空間中に存在する気体の種類を問わずグロー放電プラ
ズマを発生させることが可能である。公知の低圧条件下
におけるプラズマ処理はもちろん、特定のガス雰囲気下
の大気圧プラズマ処理においても、外気から遮断された
密閉容器内で処理を行うことが必須であったが、本発明
のグロー放電プラズマ処理装置を用いた方法によれば、
開放系、あるいは、気体の自由な流失を防ぐ程度の低気
密系での処理が可能となる。
【0039】本発明のパルス電界を用いた大気圧放電処
理装置によると、全くガス種に依存せず、電極間におい
て直接大気圧下で放電を生じせしめることが可能であ
り、より単純化された電極構造、放電手順による大気圧
プラズマ装置、及び処理手法でかつ高速処理を実現する
ことができる。また、パルス周波数、電圧、電極間隔等
のパラメータにより処理に関するパラメータも調整でき
る。
【0040】
【実施例】本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。
【0041】実施例1 図1に示す装置を用い、放電プラズマ処理を行った。対
向電極としては、アルミナ1.6mmを溶射コーティン
グした、長さ200mm×高さ54mm×厚み10mm
のSUS製の電圧印加電極と長さ200mm×高さ60
mm×厚み10mmの接地電極を用いた。基材に対して
電圧印加電極と接地電極を3mmずらし、2mmの間隔
を置いて設置した。基材として、Siウェハーを用い、
接地電極との間隔を3.0mmとなるようにして、60
mm/minの速度で搬送できるように設置した。処理
ガスとして、TEOSをN2とO2(8:2)の混合ガス
で希釈して0.2g/minの速度で導入し、電極間に
電圧20kVPP、周波数10kHzのパルス電界を印加
したところ、放電状態は、均一に良好であり、基材との
異常放電も生ぜず、基材上に100nmの薄膜が形成さ
れた。得られた薄膜は、幅方向に均一性の高い膜であっ
た。
【0042】実施例2 図1に示す装置を用い、放電プラズマ処理を行った。対
向電極としては、固体誘電体としてチタン酸バリウム
0.6mmに重ねてアルミナ0.6mmを溶射コーティ
ングした、長さ100mm×高さ49mm×厚み10m
mのSUS製の電圧印加電極と長さ100mm×高さ5
0mm×厚み10mmの接地電極を用い、基材に対して
電圧印加電極と接地電極を3mmずらし、2mmの間隔
を置いて設置した。基材として、表面に銅箔のついたポ
リイミド基材を用い、接地電極との間隔を1.5mmと
なるようにして、200mm/minの速度で搬送でき
るように設置した。処理ガスとして、乾燥空気を15L
/minの速度で導入し、電極間にパルス立ち上がり速
度5μs、電圧18kVPP、周波数10kHzのパルス
電界を印加したところ、放電状態は、均一に良好であ
り、電極部からの落雷は見られず、基材を処理できた。
プラズマ処理前後のイオン交換水に対する接触角の変化
を測定したところ、銅箔表面の接触角が90°から20
°に変わって処理がなされたことが確認された。
【0043】比較例1 電圧印加電極と接地電極を同じ大きさにし、両電極と基
材との間隔を同じにする以外は、実施例2と同様にして
基材を処理した。放電開始後、基材の銅箔表面に向かっ
て電圧印加電極先端部から、針状の微少な落雷が見ら
れ、基材の落雷箇所に打痕状の跡が認められた。
【0044】実施例3 図2に示す装置を用い、放電プラズマ処理を行った。対
向電極としては、固体誘電体としてアルミナ1.0mm
を溶射コーティングした、長さ100mm×高さ49m
m×厚み10mmのSUS製の電圧印加電極1枚と長さ
100mm×高さ50mm×厚み10mmの接地電極2
枚を用い、基材に対して電圧印加電極と接地電極を3m
mずらし、各2mmの間隔を置いて設置した。基材とし
て金電極およびソルダーレジストを有する電子基板を用
い、基材と接地電極との間隔を2.0mmとなるように
して、200mm/minの速度で搬送できるように設
置した。処理ガスとして、乾燥空気を15L/minの
速度で両放電空間に導入し、電圧印加電極にパルス立ち
上がり速度5μs、電圧18kVPP、周波数10kHz
のパルス電界を印加したところ、放電状態は、均一に良
好であり、電極部からの落雷は見られず、基材を処理で
きた。電子基板の金電極およびソルダーレジスト表面の
濡れ性を、プラズマ処理前後のイオン交換水に対する接
触角の変化で測定したところ、金電極の接触角が85°
から35°に変わり、ソルダーレジスト部の接触角が8
3°から37°に変わり、処理が有効に行われたことを
確認した。
【0045】
【発明の効果】本発明の常圧プラズマ処理装置は、被処
理基材に熱的、電気的ダメージを与えず、かつ異常放電
が起きない簡便な処理装置であるので、高速処理及び大
面積処理に対応可能でかつ半導体製造工程で用いられる
種々の方法を始めとして、あらゆるプラズマ処理方法に
おいて、インライン化及び高速化を実現するのに有効に
用いることができる。これにより、処理時間の短縮化、
コスト低下が可能になり、従来では不可能あるいは困難
であった様々な用途への展開が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放電プラズマ処理装置の例を説明する
模式的図である。
【図2】本発明の放電プラズマ処理装置の例を説明する
模式的図である。
【符号の説明】
1 電源(高電圧パルス電源) 2 電圧印加電極 3、3’ 接地電極 4、4’ 放電空間 10 基材
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05H 1/24 H05H 1/24 Fターム(参考) 4G075 AA24 AA30 AA61 AA70 BC04 BC06 CA14 CA47 DA01 EC21 FB02 FC15 4K030 AA02 AA05 AA11 BA42 BA44 BA45 BA46 CA02 CA05 CA07 DA02 DA03 FA01 FA03 GA12 JA03 JA09 KA17 KA30 KA46 5F045 AA08 AB32 AC07 AC11 AC12 AC15 AC16 AC17 AE25 AF03 BB16 EH04 EH08 EH13 EH18 EH19 EN04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧印加電極と接地電極からなる対向電
    極を有し、前記対向電極の少なくとも一方の電極対向面
    が固体誘電体で被覆され、前記対向電極間に電界を印加
    することにより前記対向電極間に発生するグロー放電プ
    ラズマを、プラズマ発生空間外に配置された基材に導い
    て処理を行う処理装置であって、前記電圧印加電極と基
    材との間隔が、接地電極と基材との間隔よりも大きくな
    るように配置されることを特徴とする放電プラズマ処理
    装置。
  2. 【請求項2】 電圧印加電極と基材との間隔と接地電極
    と基材との間隔の差が、電極間距離よりも大いことを特
    徴とする請求項1に記載の放電プラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 電圧印加電極と基材との間隔と接地電極
    と基材との間隔の差が、2.5〜10mmであることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の放電プラズマ処理装
    置。
  4. 【請求項4】 電圧印加電極と接地電極からなる対向電
    極が、3枚以上の電極により2つ以上の放電空間を形成
    する対向電極であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の放電プラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 接地電極(1)、電圧印加電極、接地電
    極(2)からなり、接地電極(1)と電圧印加電極との
    間の空間、接地電極(2)と電圧印加電極との間の空間
    が共に放電空間となされ、前記電圧印加電極と基材との
    間隔が、接地電極(1)と基材との間隔及び接地電極
    (2)と基材の間隔より大きくなるように配置されるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の放電プラズマ処理装
    置。
  6. 【請求項6】 放電空間の幅方向に垂直に機材を運搬す
    る機構を備えた請求項1〜5のいずれか1項に記載の放
    電プラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】 電界が、パルス立ち上がり及び/又は立
    ち下がり時間が10μs以下、電界強度が10〜100
    0kV/cmのパルス電界であることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれか1項に記載の放電プラズマ処理装
    置。
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