JP2003100349A - 接着性高分子ゲル電解質の製造方法 - Google Patents

接着性高分子ゲル電解質の製造方法

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JP2003100349A JP2001293284A JP2001293284A JP2003100349A JP 2003100349 A JP2003100349 A JP 2003100349A JP 2001293284 A JP2001293284 A JP 2001293284A JP 2001293284 A JP2001293284 A JP 2001293284A JP 2003100349 A JP2003100349 A JP 2003100349A
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雅人 田渕
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イオン伝導性と強度を兼ね備えていると共に、
それ自体、接着性を有する高分子ゲル電解質の製造方法
を提供する。 【解決手段】本発明によれば、主鎖にポリアクリレー
ト、ポリメタクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリ
プロピレンオキシド、ポリ(エチレンオキシド/プロピ
レンオキシド)、ポリフォスファゼン、ポリビニルエー
テル又はポリシロキサン構造を有し、側鎖に鎖状オリゴ
アルキレンオキシド構造を有するポリマーを基材多孔質
膜にその表面積の10〜90%を占めるように担持させ
た後、電解質塩を有機溶媒に溶解させてなる電解液にて
上記ポリマーを溶解させて、基材多孔質膜中に拡散さ
せ、次いで、上記ポリマーを架橋させて、上記電解液に
て膨潤せしめられた架橋体を形成させることを特徴とす
る接着性高分子ゲル電解質の製造方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】近年、電気化学素子に広く用
いられている固体電解質は、固体状態でイオン伝導性の
高い物質であって、なかでも、高分子物質を固体として
用いる高分子固体電解質は、最近、次世代リチウムイオ
ン二次電池用電解質として、特に、注目されており、世
界的に研究が推進されている。このような高分子固体電
解質は、従来の電解質溶液に比べて、液漏れのおそれが
なく、また、薄膜にすることができる等、その形状も、
自由度が大きい。
【0002】しかしながら、従来、知られている非水系
の高分子固体電解質は、電解質溶液に比べて、イオン伝
導度が著しく低いという問題がある。例えば、従来、ポ
リエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド等の鎖状
ポリマーやポリフォスファゼン等の櫛型ポリマー等のポ
リマー材料を電解質塩と複合化してなる非水系高分子固
体電解質が知られているが、従来、伝導度が室温で10
-3S/cmを上回るものは見出されていない。
【0003】例えば、このような従来の固体電解質を用
いた電池によれば、固体電解質が液体電解質に比べてイ
オン伝導度が著しく劣るので、電池が高い内部抵抗を有
することとなり、実用的な充放電を行なうことができな
い。また、電極の形状が充放電等によって変化するよう
な場合には、固体電解質がそのような電極の形状の変化
に追随できない結果、電極と電解質との間の接触が不十
分となって、充放電することができなくなる。
【0004】そこで、近年、このような固体電解質のイ
オン伝導性を改善するために、例えば、固体電解質に可
塑剤としてプロピレンカーボネートやγ−ブチロラクト
ンのような有機溶媒を配合することが提案されている。
【0005】例えば、J. Electrochem. Soc., Vol. 13
7, 1657-1658 (1990)には、過塩素酸リチウムを溶解さ
せたプロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの
混合溶媒よりなる有機電解液をポリアクリロニトリルで
ゲル化し、シート状とした高分子ゲル電解質が提案され
ている。特開平11−16579号公報には、ポリアク
リロニトリルと電解質塩と非水溶媒とからなる高分子ゲ
ル電解質が提案されている。また、特開平8−2981
26号公報には、ポリエチレンオキシドやポリプロピレ
ンオキシドをポリマー成分とし、溶媒としてγ−ブチロ
ラクトンを用いてなる高分子ゲル電解質が提案されてい
る。
【0006】しかし、このような高分子ゲル電解質は、
強度が低いので、フィルム化するためには、厚みを大き
くせざるを得ず、その結果、このような高分子ゲル電解
質を挟んで電極を設けて電池を組み立てれば、電極間距
離が大きく、内部抵抗が高くなり、十分な充放電を行な
うことができない。
【0007】そこで、このような従来の高分子ゲル電解
質における強度上の問題を解決するために、特開平11
−40128号公報には、電解質溶液を保持することが
できる高分子物質、例えば、フッ化ビニリデン−ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体とポリオレフィン樹脂のよ
うな樹脂との混合物を加熱、混練し、シートに成形し、
延伸して、多孔質膜とし、これに電解質溶液を含浸さ
せ、ゲル化して、高分子ゲル電解質を得る方法が記載さ
れている。また、特開平11−353935号公報に
は、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボ
ネート、ジメトキシエタン等のような非水電解質を形成
するための非水(有機)溶媒と共にゲルを形成するゲル
形成性ポリマーからなる繊維、例えば、ポリアクリロニ
トリル−アクリル酸メチル共重合体樹脂繊維と、上記溶
媒に対して耐性を有する繊維、例えば、ポリオレフィン
繊維とからなる繊維構造体を形成し、これを上記非水溶
媒にてゲル体を形成させ、かくして、高分子ゲル電解質
を得る方法が記載されている。
【0008】このような高分子ゲル電解質においては、
いわば補強材である上記ポリオレフィン樹脂やポリオレ
フィン繊維によって、得られる高分子ゲル電解質は、フ
ィルム形状においても、比較的高い強度を有するもの
の、実用的な強度を得るためには、これら補強材を相対
的に多く用いる必要があり、その結果、電解質溶液を保
持することができる高分子物質やゲル形成性ポリマーの
配合割合を相対的に少なくせざるを得ない。従って、こ
のような高分子ゲル電解質においては、これら高分子物
質やゲル形成性ポリマーが不完全なゲル体を形成しやす
く、その結果、液漏れがないという高分子ゲル電解質の
本来的な利点が損なわれるうえに、補強材の存在によっ
て、高分子ゲル電解質が完全な一体性と連続性をもたな
いので、得られる高分子ゲル電解質のイオン伝導性が低
くなる問題がある。勿論、電解質溶液を保持する高分子
物質やゲル形成性ポリマーの配合割合を多くすれば、得
られる高分子ゲル電解質は、高いイオン伝導性を有する
が、強度が弱くなる。
【0009】更に、従来より知られている高分子ゲル電
解質は、一般に、電極に対する接着性を殆どもたない。
従って、従来の固体電解質を電極積層型や断面楕円状捲
回型の電池に、例えば、セパレータとして用いるとき、
電極間の面圧が不均一となり、また、低くなるために、
電極間距離を一定に保つことが困難となって、電極間距
離が部分的に大きくなることがある。このように、電池
において、電極間距離が部分的に大きい場合には、すぐ
れた電池特性を得ることが困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の高分
子ゲル電解質における上述したような問題を解決するた
めになされたものであって、イオン伝導性と強度を兼ね
備えていると共に、それ自体、接着性を有する高分子ゲ
ル電解質の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、主鎖に
ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレン
オキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ(エチレンオ
キシド/プロピレンオキシド)、ポリフォスファゼン、
ポリビニルエーテル又はポリシロキサン構造を有し、側
鎖に鎖状オリゴアルキレンオキシド構造を有するポリマ
ーを基材多孔質膜にその表面積の10〜90%を占める
ように担持させた後、電解質塩を有機溶媒に溶解させて
なる電解液にて上記ポリマーを溶解させて、基材多孔質
膜中に拡散させ、次いで、上記ポリマーを架橋させて、
上記電解液によって膨潤せしめられた架橋体を形成させ
ることを特徴とする接着性高分子ゲル電解質の製造方法
が提供される。
【0012】特に、本発明によれば、上記接着性高分子
ゲル電解質の製造方法において、ポリマーが式(1)で
表される繰り返し構造単位1〜98モル%と式(2)で
表される繰り返し構造単位(2)1〜98モル%と共
に、式(3)と式(4)で表される繰り返し構造単位か
ら選ばれる少なくとも1種の架橋用繰り返し構造単位1
〜20モル%とからなり、重量平均分子量が104 〜1
7 の範囲内にあるポリエーテル多元共重合体であるこ
とを特徴とする接着性高分子ゲル電解質の製造方法が提
供される。
【0013】
【化2】
【0014】(上記式中、式(1)において、R及び
R' はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、R
1 は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜8のアル
ケニル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6
〜14のアリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基
を示し、側鎖のオキシアルキレン単位の重合度kは1〜
12であり、式(2)において、R' は水素原子又はメ
チル基を示し、式(3)において、R' は水素原子又は
メチル基を示し、R2 はエチレン性不飽和基、反応性ケ
イ素含有置換基、式(5)で表されるエポキシ基を含む
置換基又はハロゲン原子を含むアルキル基を示し、式
(4)において、R3 は反応性ケイ素含有置換基を示
し、式(5)において、Aは有機残基を示す。)
【0015】
【発明の実施の形態】本発明による接着性高分子ゲル電
解質の製造方法は、主鎖にポリアクリレート、ポリメタ
クリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオ
キシド、ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシ
ド)、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル又はポ
リシロキサン構造を有し、側鎖に鎖状オリゴアルキレン
オキシド構造を有するポリマーを基材多孔質膜にその表
面積の10〜90%を占めるように担持させた後、電解
質塩を有機溶媒に溶解させてなる電解液にて上記ポリマ
ーを溶解させて、基材多孔質膜中に拡散させ、次いで、
上記ポリマーを架橋させて、上記電解液によって膨潤せ
しめられた架橋体を形成させることからなる。
【0016】このようにして得られる高分子ゲル電解質
は、通常、それ自体で、20mm幅での180°引き剥
がし接着力が1N以上の接着性を有する。
【0017】本発明において、上記180°引き剥がし
粘着力は、JIS Z 0237に準じて、被着体とし
てステンレス板を用いて測定するものとする。
【0018】本発明において、基材多孔質膜の表面積と
は、その表裏の表面積をいうものとする。
【0019】本発明において、基材多孔質膜は、本発明
に従って、これを用いて得られる高分子ゲル電解質を電
池、キャパシタ等のセパレータとして用いることを考慮
すれば、強度を有すると共に、電解液に溶解せず、耐酸
化還元性を有すれば、特に、限定されるものではない
が、例えば、超高分子量ポリエチレン樹脂を含むポリエ
チレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹
脂、フッ素樹脂等が好ましく用いられる。
【0020】同様に、本発明において、基材多孔質膜
は、これを用いて得られる高分子ゲル電解質を電池、キ
ャパシタ等のセパレータとして用いることを考慮すれ
ば、特に、限定されるものではないが、空孔率が30〜
95%、好ましくは、33〜90%、特に好ましくは、
35〜85%の範囲にある。空孔率が低すぎるときは、
イオン伝導経路が少なくなり、例えば、得られる高分子
ゲル電解質を電池用セパレータとして用いた場合、十分
な電池特性を得ることができない。しかし、空孔率が高
すぎるときは、基材多孔質膜が強度において十分でな
く、十分な強度を有する基材多孔質膜を得るには、膜厚
を大きくせざるを得ず、膜厚をこのように大きくすれ
ば、前述したように、得られる高分子ゲル電解質を電池
用セパレータとして用いた場合、内部抵抗を高くする。
【0021】また、基材多孔質膜は、その通気度が15
00秒/100mL以下、好ましくは、1000秒/1
00mL以下であることが好ましい。通気度が高すぎる
ときは、得られる高分子ゲル電解質のイオン伝導性が低
くなり、例えば、得られる高分子ゲル電解質を電池用セ
パレータとして用いた場合、十分な電池特性を得ること
ができない。更に、基材多孔質膜は、その針貫通強度が
3N以上であることが好ましい。針貫通強度が小さすぎ
るときは、得られる高分子ゲル電解質を電池用セパレー
タとして用いた場合、電極間に面圧が加わった際に基材
多孔質膜が破断して、内部短絡を引き起こすおそれがあ
る。
【0022】本発明によれば、上記ポリマーを基材多孔
質膜に担持させるには、上記ポリマーを適宜の溶媒、通
常、有機溶媒に溶解させ、得られた塗工液を基材多孔質
膜に塗布し、又は塗工液中に基材多孔質膜を浸漬した
後、上記有機溶媒を除去すればよい。ここに、本発明に
よれば、上記ポリマーと共に、後述するような架橋助剤
と重合開始剤と、必要に応じて、増感助剤とを適宜の溶
媒、通常、有機溶媒に溶解させ、得られた塗工液を基材
多孔質膜に塗布し、又は塗工液中に基材多孔質膜を浸漬
した後、上記有機溶媒を除去して、ポリマーと共に、架
橋助剤と重合開始剤と、必要に応じて、増感助剤とを基
材多孔質膜に担持させるのが好ましい。
【0023】本発明によれば、上記ポリマーを基材多孔
質膜に担持させるに際して、基材多孔質膜の表面積の1
0〜90%を占めるように担持させることが必要であ
る。このように、上記ポリマーを基材多孔質膜の表面積
の10〜90%を占めるように担持させる方法は、特に
限定されるものではないが、例えば、上記ポリマーを含
む塗工液をスクリーン印刷、凸版印刷、グラビア印刷、
点状塗布等によって、基材多孔質膜の表面積の10〜9
0%を占めるように塗布すればよい。このように、基材
多孔質膜に塗工液を塗布した後、塗工液中の有機溶媒を
除去するには、例えば、加熱や減圧乾燥等、適宜の方法
によればよい。
【0024】上記ポリマーを基材多孔質膜に担持させる
に際して、その割合が基材多孔質膜の表面積の10%よ
りも少ないときは、得られる高分子ゲル電解質がそれ自
体で十分な引き剥がし接着力をもたない。しかし、上記
ポリマーを基材多孔質膜に担持させるに際して、その割
合が基材多孔質膜の表面積の90%を越えるときは、後
述するように、上記ポリマーの架橋体に電解液を接触さ
せて、ポリマーを膨潤させるときに、その速度が遅く、
場合によっては、ポリマーの膨潤の度合いが基材多孔質
膜中、一様でなくなる。
【0025】本発明によれば、基材多孔質膜への上記ポ
リマーの担持量は、基材多孔質膜1cm2 当り、通常、
0.01〜5mgの範囲であり、好ましくは、0.03
〜3mgの範囲である。
【0026】上記ポリマーを基材多孔質膜に担持させる
際に用いる有機溶媒は、上記ポリマーを溶解し、更に、
架橋助剤と重合開始剤と、必要に応じて、増感助剤を基
材多孔質膜に担持させるときは、これらを溶解する一
方、基材多孔質膜を溶解させなければ、特に、限定され
るものではないが、例えば、メチルアルコール、エチル
アルコール、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベン
ゼン、トルエン、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、プロピレンカーボネート、エチルメチルカー
ボネート、γ−ブチロラクトン、ジエチルエーテル、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリド
ン等や、また、これらの任意の混合溶媒が好ましく用い
られる。
【0027】本発明によれば、このように、上記ポリマ
ーを基材多孔質膜の表面積の10〜90%を占めるよう
に担持させた後、このポリマーに電解質塩を有機溶媒に
溶解させてなる電解液を接触させて、上記ポリマーを溶
解させ、基材多孔質膜中に拡散させる。
【0028】上記電解質塩は、特に、限定されるもので
はなく、得られる高分子ゲル電解質の要求特性や用途に
よって適宜に選択すればよいが、例えば、水素、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウ
ム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属又は3級若し
くは4級アンモニウム塩等をカチオン成分とし、塩酸、
硝酸、リン酸、硫酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素
酸、六フッ化リン酸、過塩素酸等の無機酸又はカルボン
酸、有機スルホン酸、フッ素置換有機スルホン酸等の有
機酸をアニオン成分とする塩を例示することができる。
【0029】本発明においては、電解質塩は、上述した
なかでも、アルカリ金属イオンをカチオン成分とし、無
機酸又は有機酸、後者では、特に、トリフルオロ酢酸や
有機スルホン酸をアニオン成分とする電解質塩が好まし
い。そのような電解質塩として、例えば、過塩素酸リチ
ウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム等の過塩
素酸アルカリ金属、テトラフルオロホウ酸リチウム、テ
トラフルオロホウ酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸
カリウム等のテトラフルオロホウ酸アルカリ金属、ヘキ
サフルオロリン酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸ナト
リウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム等のヘキサフル
オロリン酸アルカリ金属、トリフルオロ酢酸リチウム等
のトリフルオロ酢酸アルカリ金属、トリフルオロメタン
スルホン酸リチウム等のトリフルオロメタンスルホン酸
アルカリ金属等を挙げることができる。
【0030】上記ポリマーを、好ましくは、架橋助剤と
重合開始剤と、必要に応じて、増感助剤と共に、基材多
孔質膜に担持させた後、このポリマーに接触させて、ポ
リマーを溶解させると共に、上記電解質塩を溶解させ
て、電解液を形成するために用いる有機溶媒は、上記ポ
リマーと電解質塩を溶解させることができ、他方、用い
る基材多孔質膜を溶解させなければ、特に、限定される
ものではないが、非水溶媒、特に、非プロトン性有機溶
媒が好ましく用いられる。そのような非水有機溶媒の具
体例として、例えば、エチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラ
クトン等の環状エステル類、テトラヒドロフラン、ジメ
トキシエタン等のエーテル類、ジメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート等の鎖状エステル類を挙げること
ができ、これらは単独で、又は2種以上の混合物として
用いられる。
【0031】また、上記電解液における電解質塩の濃度
は、特に、限定されるものではないが、通常、0.05
〜3モル/Lの範囲であり、好ましくは、0.1〜2モ
ル/Lの範囲である。更に、このようにして、基材多孔
質膜に担持させる電解質塩は、上記ポリマー100重量
部に対して、通常、1〜100重量部の割合であること
が好ましい。
【0032】次に、本発明によれば、このようにして、
基材多孔質膜に上記ポリマーを、好ましくは、架橋助剤
と重合開始剤と、必要に応じて、増感助剤と共に、基材
多孔質膜に担持させた後、これに電解液を接触させ、上
記ポリマーを溶解させ、基材多孔質膜中を拡散させた
後、上記ポリマーの架橋体を形成させて、上記電解液に
よって膨潤せしめられた架橋体を形成することによっ
て、高分子ゲル電解質を得ることができる。
【0033】ここに、上記ポリマーの架橋体を形成する
には、ポリマーを架橋助剤と重合開始剤と、必要に応じ
て、増感助剤の存在下に、加熱し、又は放射線を照射す
ればよい。従って、前述したように、上記架橋助剤と重
合開始剤と、必要に応じて、増感助剤は、基材多孔質膜
にポリマーを担持させる際に、ポリマーと共にこれらを
適宜の有機溶媒に溶解して塗工液とし、これを基材多孔
質膜に塗布し、又は含浸させた後、有機溶媒を除去する
のが好ましい。
【0034】しかし、別の方法として、例えば、基材多
孔質膜にポリマーのみを担持させ、これに電解液を接触
させて、ポリマーを溶解し、基材多孔質膜中を拡散させ
る際に、この電解液に架橋助剤と重合開始剤と、必要に
応じて、増感助剤を溶解させ、これをポリマーに接触さ
せて、ポリマーを溶解させ、ポリマーと共に、基材多孔
質膜中に拡散させてもよい。
【0035】本発明によれば、上記ポリマーの架橋体を
形成させるには、後述するように、予め、上記ポリマー
の分子中に、エチレン性不飽和基、反応性ケイ素含有置
換基や、また、エポキシ基やハロゲン原子等を含む架橋
性反応基を有せしめ、多官能性の重合性単量体からなる
架橋助剤を用い、このような架橋性反応基を利用して、
上記ポリマー鎖を相互に結合させて、架橋体とするのが
好ましい。
【0036】しかし、本発明によれば、上記ポリマーの
存在下に、単官能性の重合性単量体からなる架橋助剤を
重合させることによって、上記ポリマーにグラフト重合
させ、又は上記架橋助剤の重合によってポリマー鎖を生
成させ、この架橋助剤からのポリマー鎖と上記ポリマー
鎖とを相互に貫通した構造体とすることができる。本発
明によれば、単官能性の架橋助剤を用いて、上記ポリマ
ーをこのような構造体とすることも、ポリマーの架橋体
の生成に含めることとする。
【0037】従って、本発明によれば、上記ポリマーが
分子中に架橋性反応基をもたないときも、同様に、単官
能性の重合性単量体よりなる架橋助剤から、そのポリマ
ー鎖を生成させて、この架橋助剤からのポリマー鎖と上
記ポリマー鎖とを相互に貫通した構造体とすることがで
き、また、多官能性の重合性単量体からなる架橋助剤の
重合によって、三次元網状組織を生成させ、この三次元
網状組織中に上記ポリマー鎖を取り込ませて、これらの
二つのポリマー鎖が相互に貫通した構造体とすることが
できる。本発明によれば、上記ポリマーがこのような構
造体を形成するときも、架橋体の生成に含めることとす
る。
【0038】本発明において、高分子ゲル電解質は、こ
のように、ポリマーを基材多孔質膜に担持させ、これを
架橋させた結果、基材多孔質膜のすべての空孔中にポリ
マーの架橋体が充填されたものをも含むものとする。
【0039】本発明に従って得られる高分子ゲル電解質
は、それ自体で、20mm幅での180°引き剥がし接
着力が1N以上の接着性を有する。
【0040】かくして、本発明の方法は、例えば、電
池、キャパシタ等の製造に好適に用いることができる。
【0041】即ち、本発明に従って、上記ポリマーを基
材多孔質膜にその表面積の10〜90%を占めるように
担持させ、これを電極と積層し、又はこの積層物を捲回
して、電極をこの基材多孔質膜と接着させた後、このよ
うな多孔質膜−電極構造体に電解液を含浸させ、電池、
キャパシタ等の仕掛り品を製作した後、適宜の外装体内
に組み入れて封口したり、また、上記多孔質膜−電極構
造体を適宜の外装体内に組み入れた後、この外装体中に
電解液を注入し、封口する等の方法によって、いわば、
その場で、高分子ゲル電解質を形成させ、かくして、本
発明の方法を利用して、高分子ゲル電解質を用いてなる
電池、キャパシタ等を得ることができる。
【0042】また、例えば、このようにして、電池等を
組み立てるとき、電極間の面圧を均一に高くすることが
できるので、容易に電極間距離を一定に保つことがで
き、かくして、すぐれた特性を有する電池等を得ること
ができる。
【0043】本発明によれば、上記主鎖にポリアクリレ
ート、ポリメタクリレート、ポリエチレンオキシド、ポ
リプロピレンオキシド、ポリ(エチレンオキシド/プロ
ピレンオキシド)、ポリフォスファゼン、ポリビニルエ
ーテル又はポリシロキサン構造を有し、側鎖に鎖状オリ
ゴアルキレンオキシド構造を有するポリマーのなかで
も、主鎖にポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキ
シド又はポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシ
ド)構造を有し、側鎖に鎖状オリゴアルキレン構造を有
するポリエーテル多元共重合体が好ましく用いられる。
特に、本発明によれば、主鎖にポリエチレンオキシド又
はポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)構造
を有し、側鎖に鎖状オリゴエチレン構造、鎖状オリゴプ
ロピレン構造又は鎖状オリゴエチレンプロピレン構造
(特に、鎖状オリゴエチレン構造又は鎖状オリゴプロピ
レン構造、なかでも、前者)を有するポリエーテル多元
共重合体が好ましく用いられる。
【0044】このようなポリエーテル多元共重合体は、
既に、例えば、特開昭63−154736号公報、特開
平9−324114号公報、特開平10−130487
号公報、特開平10−176105号公報、特開平10
−204172号公報等に記載されているように知られ
ているものである。
【0045】本発明において好ましく用いることができ
るポリエーテル多元共重合体は、式(1)で表される繰
り返し構造単位1〜98モル%と式(2)で表される繰
り返し構造単位1〜98モル%と共に、式(3)と式
(4)で表される繰り返し構造単位から選ばれる少なく
とも1種の架橋用繰り返し構造単位1〜20モル%とか
らなり、重量平均分子量が104 〜107 の範囲内にあ
るものである。
【0046】
【化3】
【0047】(上記式中、式(1)において、R及び
R' はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、R
1 は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜8のアル
ケニル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6
〜14のアリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基
を示し、側鎖のオキシアルキレン単位の重合度kは1〜
12であり、式(2)において、R' は水素原子又はメ
チル基を示し、式(3)において、R' は水素原子又は
メチル基を示し、R2 はエチレン性不飽和基、反応性ケ
イ素含有置換基、式(5)で表されるエポキシ基を含む
置換基又はハロゲン原子を含むアルキル基を示し、式
(4)において、R3 は反応性ケイ素含有置換基を示
し、式(5)において、Aは有機残基を示す。) 特に、本発明によれば、このようなポリエーテル多元共
重合体は、式(1)で表される繰り返し構造単位(1)
2〜95モル%と式(2)で表される繰り返し構造単位
2〜95モル%と共に、式(3)と式(4)で表される
繰り返し構造単位から選ばれる少なくとも1種の架橋用
繰り返し構造単位3〜15モル%とからなるのが好まし
い。
【0048】このようなポリエーテル多元共重合体にお
いて、上記式(1)で表される繰り返し構造単位中、
R' は水素原子又はメチル基を示し、また、オキシアル
キレン単位において、Rはそれぞれ独立に水素原子又は
メチル基を示し、それぞれすべてが水素原子でもよく、
すべてがメチル基でもよく、また、一部が水素原子であ
り、残余がメチル基でもよい。従って、このオキシアル
キレン単位は、オキシエチレン単位でも、オキシプロピ
レン基単位でもよく、また、オキシエチレンプロピレン
単位でもよいが、好ましくは、オキシエチレン単位又は
オキシプロピレン単位であり、特に、オキシエチレン単
位である。更に、オキシアルキレン単位の重合度kは1
〜12が好ましい。重合度kの値が12を越えるとき
は、得られる高分子ゲル電解質のイオン伝導性が低下す
る。
【0049】また、本発明において用いるポリエーテル
多元共重合体の分子量は、加工性、成形性、機械的強
度、柔軟性を得るためには、重量平均分子量が104
107、好ましくは、105 〜5x106 の範囲にある
ことが好ましい。重量平均分子量が104 より小さい
と、十分な機械的強度を得ることができない。他方、1
7 を越えるときは、溶解性に問題を生じる。更に、ポ
リエーテル多元共重合体のガラス転移温度は、−60℃
以下が好ましい。
【0050】本発明において用いるこのような多元ポリ
エーテル共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重
合体のいずれでもよいが、ポリアルキレンオキシド、好
ましくは、ポリエチレンオキシドからなるポリマー主鎖
の結晶性を低下させる効果が一層大きいところから、ラ
ンダム共重合体が好ましい。
【0051】かくして、本発明によれば、このようなポ
リエーテル多元共重合体を、架橋助剤と重合開始剤と、
必要に応じて、増感助剤と共に、前述したような適宜の
有機溶媒に溶解させ、得られた塗工液を基材多孔質膜に
塗布し、又は含浸させた後、上記有機溶媒を除去して、
上記ポリエーテル多元共重合体を架橋助剤と重合開始剤
と、必要に応じて、増感助剤と共に、基材多孔質膜に担
持させ、次いで、上記ポリエーテル多元共重合体に電解
液を接触させて、上記ポリエーテル多元共重合体を溶解
させ、基材多孔質膜中に拡散させた後、架橋助剤と重合
開始剤と、必要に応じて、増感助剤の存在下に、ポリマ
ーを加熱し、又は放射線を照射して、ポリマーを架橋さ
せ、架橋体を形成することによって、高分子ゲル電解質
を得ることができる。
【0052】次に、本発明において用いる上記ポリエー
テル多元共重合体とその架橋について詳細に説明する。
【0053】本発明において用いる上記ポリエーテル多
元共重合体は、例えば、開環重合用触媒として有機アル
ミニウムを主体とする触媒系、有機亜鉛を主体とする触
媒系、有機スズ−リン酸エステル縮合物触媒系等を用い
て、前記式(1)で表される繰り返し構造単位と前記式
(2)で表される繰り返し構造単位と共に、式(3)と
式(4)で表される繰り返し構造単位から選ばれる少な
くとも1種の架橋用繰り返し構造単位とに対応して、式
(6)で表されるモノマー1〜98モル%と式(7)で
表されるモノマー1〜98モル%と共に、式(8)と式
(9)で表されるモノマーから選ばれる少なくとも1種
のモノマー1〜20モル%とを、溶媒の存在下又は不存
在下、反応温度10〜80℃、撹拌下で反応させること
によって得ることができる。なかでも、得られるポリエ
ーテル多元共重合体の重合度や性質等の点から、触媒と
しては、有機スズ−リン酸エステル縮合物触媒系が特に
好ましく用いられる。
【0054】
【化4】
【0055】(上記式中、式(6)において、R及び
R' はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、R
1 は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜8のアル
ケニル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6
〜14のアリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基
を示し、側鎖のオキシアルキレン単位の重合度kは1〜
12であり、式(7)において、R' は水素原子又はメ
チル基を示し、式(8)において、R' は水素原子又は
メチル基を示し、R2 はエチレン性不飽和基、反応性ケ
イ素含有置換基、前記式(5)で表されるエポキシ基を
含む置換基又はハロゲン原子を含むアルキル基を示し、
式(9)において、R3 は反応性ケイ素含有置換基を示
す。) 特に、本発明によれば、式(6)で表されるモノマー2
〜95モル%と式(7)で表されるモノマー2〜95モ
ル%と共に、式(8)と式(9)で表されるモノマーか
ら選ばれる少なくとも1種のモノマー3〜15モル%が
用いられる。
【0056】上記モノマーを用いるポリエーテル多元共
重合体の製造において、式(8)と式(9)で表される
モノマーは、分子中に架橋性反応基を有するので、これ
らを上記式(6)と式(7)で表されるモノマーと共に
共重合させることによって、その架橋性反応基を分子中
に有するポリエーテル多元共重合体を得ることができ、
かくして、前述したように、ポリエーテル多元共重合体
を、例えば、必要に応じて、架橋助剤と重合開始剤の存
在下に加熱することによって、その架橋性反応基を利用
して、ポリエーテル多元共重合体を架橋させ、かくし
て、ポリエーテル多元共重合体の架橋体を得ることがで
きる。
【0057】上記式(6)で表されるモノマーにおい
て、R' は水素原子又はメチル基を示し、また、このモ
ノマー中のオキシアルキレン単位において、Rはそれぞ
れ独立に水素原子又はメチル基を示し、それぞれすべて
が水素原子でもよく、すべてがメチル基でもよく、ま
た、一部が水素原子であり、残余がメチル基でもよい。
従って、このオキシアルキレン単位は、オキシエチレン
単位でも、オキシプロピレン基単位でもよく、また、オ
キシエチレンプロピレン単位でもよいが、好ましくは、
オキシエチレン単位又はオキシプロピレン単位であり、
特に、オキシエチレン単位である。更に、オキシアルキ
レン単位の重合度kは1〜12が好ましい。重合度kの
値が12を越えるときは、得られる高分子ゲル電解質の
イオン伝導性が低下する。
【0058】上記式(6)で表されるモノマーの具体例
としては、例えば、ジエチレングリコールグリシジルメ
チルエーテル、ジプロピレングリコールグリシジルメチ
ルエーテル等を挙げることができる。本発明によれば、
これらの2種以上の混合物を用いてもよい。また、上記
式(7)で表されるモノマーは、具体的には、エチレン
オキシド又はプロピレンオキシドである。本発明によれ
ば、式(6)又は式(7)で表されるモノマーは、それ
ぞれ2種以上の混合物を用いてもよい。
【0059】上記式(8)で表されるモノマーは、前述
した架橋性反応基を有する架橋性モノマーの一つであ
り、架橋性反応基として、例えば、エチレン性不飽和
基、反応性ケイ素含有置換基、エポキシ基を含む置換基
又はハロゲン原子を含むアルキル基を挙げることができ
る。
【0060】従って、上記式(8)で表される架橋性モ
ノマーのうち、架橋性反応基として、エチレン性不飽和
基を有するものとして、例えば、アリルグリシジルエー
テル、4−ビニルシクロヘキシルグリシジルエーテル、
α−テルピニルグリシジルエーテル、シクロヘキセニル
メチルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシ
ジルエーテル、アリルフェニルグリシジルエーテル、ビ
ニルグリシジルエーテル、3,4−エポキシ−1−ブテ
ン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、4,5−エポキシ−
2−ペンテン、1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカジ
エン、3,4−エポキシ−1−ビニルシクロヘキセン、1,
2−エポキシ−5−シクロオクテン、アクリル酸グリシ
ジル、メタクリル酸グリシジル、ソルビン酸グリシジ
ル、ケイ皮酸グリシジル、クロトン酸グリシジル、グリ
シジル−4−ヘキセノエート等(以上は、R’が水素原
子のものである。)や、2,3−エポキシ−2−メチルプ
ロピルビニルエーテル、2,3−エポキシ−2−メチルプ
ロピルアリルエーテル、3,4−エポキシ−3−メチル−
1−ブテン等(以上は、R’がメチル基のものであ
る。)等が用いられる。本発明によれば、これらの2種
以上の混合物を用いてもよい。また、本発明によれば、
これらのなかでも、特に、アリルグリシジルエーテル、
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等が好
ましく用いられる。
【0061】また、上記式(8)で表される架橋性モノ
マーのうち、反応性ケイ素含有置換基を有するモノマー
の具体例として、例えば、下記式(10)又は式(1
1)式で表されるものを挙げることができる。
【0062】
【化5】
【0063】また、上記式(9)で表される反応性ケイ
素含有置換基を有する架橋性モノマーの具体例として、
例えば、下記式(12)で表されるものを挙げることが
できる。
【0064】
【化6】
【0065】上記式(10)から式(12)で表される
架橋性モノマーにおいて、R' は水素原子又はメチル基
であり、R4 、R5 、R6 は、それぞれ同一であって
も、異なっていてもよいが、少なくとも一つはアルコキ
シル基であり、残りがアルキル基である。mは1〜6を
表す。
【0066】上記式(10)で表される架橋性モノマー
としては、例えば、グリシドキシメチルトリメトキシシ
ラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グ
リシドキシエチルトリメトキシシラン、グリシドキシエ
チルメチルジメトキシシラン、グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、グリシドキシブチルメチルジメトキシシラ
ン、グリシドキシブチルメチルトリメトキシシラン、グ
リシドキシヘキシルメチルジメトキシシラン、グリシド
キシヘキシルメチルトリメトキシシラン等(以上は、
R’が水素原子のものである。)や、2,3−エポキシ−
2−メチルプロポキシメチルトリメトキシシラン、2,3
−エポキシ−2−メチルプロポキシメチルメチルジメト
キシシラン、2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシメ
チルジメチルメトキシシラン等(以上は、R’がメチル
基のものである。)を挙げることができる。本発明によ
れば、これらの2種以上の混合物を用いてもよい。
【0067】上記式(11)で表される架橋性モノマー
としては、例えば、1,2−エポキシプロピルトリメトキ
シシラン、1,2−エポキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、1,2−エポキシプロピルジメチルメトキシシラ
ン、1,2−エポキシブチルトリメトキシシラン、1,2−
エポキシブチルメチルジメトキシシラン、1,2−エポキ
シペンチルトリメトキシシラン、1,2−エポキシペンチ
ルメチルジメトキシシラン、1,2−エポキシヘキシルト
リメトキシシラン、1,2−エポキシヘキシルメチルジメ
トキシシラン等(以上は、R’が水素原子のものであ
る。)や、2,3−エポキシ−2−メチルプロピルトリメ
トキシシラン、2,3−エポキシ−2−メチルプロピルメ
チルジメトキシシラン、2,3−エポキシ−2−メチルプ
ロピルジメチルメトキシシラン等(以上は、R’がメチ
ル基のものである。)を挙げることができる。本発明に
よれば、これらの2種以上の混合物を用いてもよい。
【0068】また、上記式(12)で表される架橋性モ
ノマーとしては、例えば、(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)−1−メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)−1−メチルメチルジメトキシシ
ラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)−1−エチル
トリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)−1−エチルメチルジメトキシシラン、(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)−1−プロピルトリメトキシシ
ラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)−1−プロピ
ルメチルジメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)−1−ブチルトリメトキシシラン、(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)−1−ブチルメチルジメトキシ
シラン等を挙げることができる。
【0069】本発明においては、上記架橋性モノマーの
なかでも、特に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、1,2−エポキシブチルトリメトキシシラン、1,
2−エポキシペンチルトリメトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
等が好ましい。
【0070】また、前記式(5)の置換基を有し、式
(8)で表される架橋性モノマーにおいて、前記有機残
基Aは、その構造において、特に、限定されるものでは
ないが、例えば、(ポリ)メチレン基のような(ポリ)
アルキレン基、エーテル結合を基中に有する炭化水素基
等を挙げることができる。
【0071】従って、式(5)の置換基を有する架橋性
モノマー(8)として、例えば、下記式(13)から式
(15)で表される化合物を例示することができる。
【0072】
【化7】
【0073】上記式(13)で表される架橋性モノマー
において、R7 及びR8 は、それぞれ独立に水素原子又
はメチル基であり、式(13)及び式(14)中、n
は、0〜12の範囲の整数である。
【0074】上記式(13)で表される架橋性モノマー
としては、例えば、2,3−エポキシプロピル−2',3'−
エポキシ−2'−メチルプロピルエーテル、エチレングリ
コール−2,3−エポキシプロピル−2',3'−エポキシ−
2'−メチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−
2,3−エポキシプロピル−2',3'−エポキシ−2'−メチ
ルプロピルエーテル等を挙げることができる。
【0075】上記式(14)で表される架橋性モノマー
としては、例えば、2−メチル−1,2,3,4−ジエポキシ
ブタン、2−メチル−1,2,4,5−ジエポキシペンタン、
2−メチル−1,2,5,6−ジエポキシヘキサン等を挙げる
ことができる。
【0076】上記式(15)で表される架橋性モノマー
としては、例えば、ヒドロキノン−2,3−エポキシプロ
ピル−2',3'−エポキシ−2'−メチルプロピルエーテ
ル、カテコール−2,3−エポキシプロピル−2',3'−エ
ポキシ−2'−メチルプロピルエーテル等を挙げることが
できる。
【0077】このようなエポキシ基を含む架橋性モノマ
ーのなかでは、特に、2,3−エポキシプロピル−2',3'
−エポキシ−2'−メチルプロピルエーテル、エチレング
リコール−2,3−エポキシプロピル−2',3'−エポキシ
−2'−メチルプロピルエーテル等が好ましい。
【0078】多元ポリエーテル共重合体の製造におい
て、モノマーとして、前記式(6)と式(7)式で表さ
れるものと共に、前記式(8)又は式(9)で表される
ものを用いることによって、分子中に架橋性反応基を有
するポリエーテル多元共重合体を得ることができ、この
ようなポリエーテル多元共重合体は、その架橋性反応基
の反応性を利用することによって、架橋体とすることが
できる。このような架橋体を得るに際して、必要に応じ
て、上記架橋性反応基と反応性を有する架橋助剤を用い
ることができる。このような架橋助剤を用いることによ
って、分子中に上記架橋性反応基を有するポリエーテル
多元共重合体の架橋反応を効果的に行わせることができ
る。このようにして、ポリエーテル多元共重合体に架橋
構造を有せしめることによって、得られる高分子ゲル電
解質の機械的強度を一層向上させることができる。
【0079】次に、ポリエーテル多元共重合体の架橋体
を得るには、そのエチレン性不飽和基を利用する場合に
は、有機過酸化物、アゾ化合物等から選ばれるラジカル
重合開始剤を用いる熱重合や、紫外線、電子線等の活性
エネルギー線による光重合を用いることができる。
【0080】上記有機過酸化物としては、例えば、ケト
ンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパー
オキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパー
オキサイド、パーオキシエステル等、従来より知られて
いるものが適宜に用いられる。具体例として、例えば、
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノン
パーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t
−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルハ
イドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル
クミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,
α' −ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピル)
ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等
を挙げることができる。このような有機過酸化物は、そ
の種類にもよるが、通常、ポリエーテル多元共重合体の
0.01〜10重量%の範囲で用いられる。
【0081】アゾ化合物としては、例えば、アゾニトリ
ル化合物、アゾアミド化合物、アゾアミジン化合物等、
従来より知られているものが適宜に用いられる。具体例
としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,
2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボ
ニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニト
リル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチル−N−
フェニルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2'−アゾビ
ス〔N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオ
ンアミジン〕二塩酸塩、2,2'−アゾビス〔N−ヒドロキ
シフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン〕二塩酸
塩、2,2'−アゾビス〔2−メチル−N−(フェニルメチ
ル)プロピオンアミジン〕二塩酸塩、2,2'−アゾビス
〔2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミ
ジン〕二塩酸塩、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオ
ンアミジン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス〔N−(2−ヒ
ドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン〕二
塩酸塩、2,2'−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミ
ダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩、2,2'−アゾ
ビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕
二塩酸塩、2,2'−アゾビス〔2−(4,5,6,7−テトラヒ
ドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン〕
二塩酸塩、2,2'−アゾビス〔2−(3,4,5,6−テトラヒ
ドロピリミジン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩、2,2'
−アゾビス〔2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラ
ヒドロピリミジン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩、2,
2'−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−
2−イミダゾリン−2−イル〕プロパン}二塩酸塩、2,
2'−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プ
ロパン〕、2,2'−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−
ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プ
ロピオンアミド}、2,2'−アゾビス{2−メチル−N−
〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル〕プロピオン
アミド}、2,2'−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒ
ドロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,2'−アゾビス
(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレート、2,2'
−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2'−ア
ゾビス(2−メチルプロパン)、ジメチル−2,2'−アゾ
ビスイソブチレート、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草
酸)、2,2'−アゾビス〔2−ヒドロキシメチル)プロピ
オニトリル〕等を挙げることができる。
【0082】このようなアゾ化合物は、その種類にもよ
るが、通常、ポリエーテル多元共重合体の0.01〜1
0重量%の範囲で用いられる。
【0083】ポリエーテル多元共重合体の有する不飽和
基を利用する架橋体の製造に際して、紫外線等の活性エ
ネルギー線照射による場合には、増感助剤として、例え
ば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジ
メチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−
2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキ
シ−2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−
ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ
(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン等のア
セトフェノン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピ
ルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾ
インエーテル類、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息
香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシ
ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニ
ルサルファイド、アルキル化ベンゾフェノン、3,3',4,
4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾ
フェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−
〔2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル〕
ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベ
ンジル)トリメチルアンモニウムクロイド等のベンゾフ
ェノン類、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジ
メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサント
ン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン
類、アジドピレン、3−スルホニルアジド安息香酸、4
−スルホニルアジド安息香酸、2,6−ビス(4'−アジド
ベンザル)シクロヘキサノン−2,2'−ジスルホン酸(ナ
トリウム塩)、p−アジドベンズアルデヒド、p−アジ
ドアセトフェノン、p−アジドベンゾイン酸、p−アジ
ドベンザルアセトフェノン、p−アジドベンザルアセト
ン、4,4'−ジアジドカルコン、1,3−ビス(4'−アジド
ベンザル)アセトン、2,6−ビス(4'−アジドベンザ
ル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−アジドベンザ
ル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4'−ジアジドス
チルベン−2,2'−ジスルホン酸、1,3−ビス(4'−アジ
ドベンザル)−2−プロパノン−2'−スルホン酸、1,3
−ビス(4'−アジドシンナシリデン)−2−プロパノン
等のアジド類等が適宜に用いられる。
【0084】紫外線等の活性エネルギー線照射による架
橋に適するモノマー成分としては、例えば、アクリル酸
グリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエーテ
ル、ケイ皮酸グリシジルエーテル等が特に好ましい。
【0085】このように、ポリエーテル多元共重合体の
架橋体を得るために、そのエチレン性不飽和基自体にて
架橋させてもよく、また、必要に応じて、架橋助剤を用
いて、ポリエーテル多元共重合体を架橋させてもよい。
【0086】前述したように、本発明によれば、架橋助
剤としては、多官能性の重合性単量体が好ましく用いら
れるが、しかし、単環能性の重合性単量体も架橋助剤と
して有効に用いることができる。
【0087】従って、本発明によれは、上記架橋助剤と
しては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、
エチレングリコールジメタクリレート、オリゴエチレン
グリコールジアクリレート、オリゴエチレングリコール
ジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレー
ト、プロピレングリコールジメタクリレート、オリゴプ
ロピレングリコールジアクリレート、オリゴプロピレン
グリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコー
ルジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリ
レート、1,3−グリセロールジメタクリレート、1,1,1
−トリメチロールプロパンジメタクリレート、1,1,1−
トリメチロールエタンジアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリメタクリレート、1,2,6−ヘキサントリアク
リレート、ソルビトールペンタメタクリレート、メチレ
ンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド
ジビニルベンゼン、ビニルメタクリレート、ビニルクロ
トネート、ビニルアクリレート、ビニルアセチレン、ト
リビニルベンゼン、トリアリルシアニルスルフィド、ジ
ビニルエーテル、ジビニルスルホエーテル、ジアリルフ
タレート、グリセロールトリビニルエーテル、アリルメ
タリクレート、アリルアクレート、ジアリルマレート、
ジアリルフマレート、ジアリルイタコネート、メチルメ
タクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、2-エチルヘキシルアクリレート、ラウリルメタクリ
レート、エチレングリコールアクリレート、トリアリル
イソシアヌレート、マレイミド、フェニルマレイミド、
p−キノンジオキシム、無水マレイン酸、イタコン酸等
を挙げることができる。
【0088】ポリエーテル多元共重合体の有する反応性
ケイ素含有基を利用して、ポリエーテル多元共重合体の
架橋体を得るには、反応性ケイ素基と水との反応によれ
ばよいが、上記反応性ケイ素含有基の反応性を高めるに
は、ジブチルスズジラウレ−ト、ジブチルスズマレー
ト、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ジブ
チルスズアセチルアセトナート等のスズ化合物、テトラ
ブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタ
ン化合物、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、
アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプ
ロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等のアル
ミニウム化合物等の有機金属化合物、又はブチルアミ
ン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミ
ン、ジエチルアミノプロピルアミン、グアニン、ジフェ
ニルグアニン等のアミン系化合物等を触媒として用いて
もよい。
【0089】また、ポリエーテル多元共重合体の有する
エポキシ基を利用して、ポリエーテル多元共重合体の架
橋体を得る場合には、ポリアミン類、酸無水物類等が用
いられる。
【0090】ポリアミン類としては、ジエチレントリア
ミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、ジメチルアミノプロピ
ルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルア
ミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−ア
ミノエチルピペラジン、ビス(アミノプロピルピペラジ
ン)、トリメチルヘキサメチレンジアミン、イソフタル
酸ジヒドラジド等の脂肪族ポリアミン、4,4−ジアミノ
ジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、m
−フェニレンジアミン、2,4−トルイレンジアミン、m
−トルイレンジアミン、o−トルイレンジアミン、キシ
リレンジアミン等の芳香族ポリアミン等を挙げることが
できる。
【0091】このようなポリアミン類は、その種類にも
よるが、通常、ポリエーテル多元共重合体の0.01〜
10重量%の範囲で用いられる。
【0092】酸無水物類としては、無水マレイン酸、無
水ドデセニル琥珀酸、無水クロレンデック酸、無水フタ
ル酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラメチレン
無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテ
トラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸等を挙げ
ることができる。
【0093】このような酸無水物類は、その種類にもよ
るが、通常、ポリエーテル多元共重合体の0.01〜1
0重量%の範囲で用いられる。
【0094】本発明によれば、ポリエーテル多元共重合
体の架橋体を得るに際して、架橋促進剤を用いてもよ
い。ポリアミン類の架橋反応における促進剤としては、
例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、ピ
ロガロール、ノニルフェノール、2,4,6−トリス(ジメ
チルアミノメチル)フェノール等を挙げることができ
る。酸無水物の架橋反応のための促進剤としては、例え
ば、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチ
ルアミノメチル)フェノール、2−(ジメチルアミノエ
チル)フェノール、ジメチルアニリン、2−エチル−4
−メチルイミダゾ−ル等を挙げることができる。このよ
うな促進剤は、その種類にもよるが、通常、架橋助剤の
0.01〜10重量%の範囲で用いられる。
【0095】
【実施例】以下に参考例と共に実施例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定され
るものではない。以下において、用いた基材多孔質膜の
物性は、次のように評価した。
【0096】(厚み)1/10000mmシックネスゲ
ージによる測定と基材多孔質膜の断面の10000倍走
査型電子顕微鏡写真に基づいて求めた。
【0097】(空孔率)基材多孔質膜の単位面積S(c
2 )当たりの重量W(g)、平均厚みt(cm)及び
基材多孔質膜を構成する樹脂の密度d(g/cm3 )か
ら次式にて算出した。 空孔率(%)=(1−(100W/S/t/d))×1
00
【0098】
【0099】(通気度)JIS P 8117に準拠し
て測定した。
【0100】(突き刺し強度)カトーテック(株)製圧
縮試験機KES−G5を用いて、突き刺し試験を行なっ
た。得られた荷重変位曲線から最大荷重を読み取り、膜
厚25μm当たりの突き刺し強度を求めた。針は直径1.
0mm、先端の曲率半径0.5mmのものを用い、2cm
/秒の速度で行なった。
【0101】(基材多孔質膜の製造)重量平均分子量
2.0×106 の超高分子量ポリエチレン樹脂15重量
部と流動パラフィン(40℃における動粘度59cs
t)85重量部を混合して均一なスラリーとし、これを
小型ニーダーに仕込み、温度160℃で1時間、加熱、
溶解させ、混練した。得られた混練物を0℃に冷却した
金属板の間に挟み、急冷して、7.5mm厚のゲル状シ
ートを得た。このシートをヒートプレスにて温度120
℃で0.8mm厚に圧延し、温度125℃で縦横4.5
×4.5倍に同時二軸延伸して、圧延延伸フィルムとし
た後、これをヘプタンに浸漬して、上記流動パラフィン
を抽出除去して、多孔質フィルムを得た。この多孔質フ
ィルムを130℃で20分間、熱処理した。総延伸倍率
は190倍とした。このようにして得られた多孔質フィ
ルムは、それ自体では、接着性はなく、20mm幅での
180℃引き剥がし粘着力は0であった。
【0102】(ポリエーテル多元共重合体の分析)ポリ
エーテル多元共重合体の分析は、次のようにして行っ
た。
【0103】ガラス転移温度は理学電気(株)製示差走
査熱量計DSC8230Bを用い、窒素雰囲気中、温度
範囲−100〜80℃、昇温速度10℃/分で測定し
た。
【0104】ポリエーテル多元共重合体のモノマー換算
組成は、プロトンNMRスペクトルから求めた。
【0105】ポリエーテル多元共重合体の分子量は、ゲ
ルパーミェーションクロマトグラフィー測定を行ない、
標準ポリスチレン換算により重量平均分子量を算出し
た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定は、
(株)島津製作所製の測定装置RID−6Aを用い、昭
和電工(株)製カラム「ショウデックス」KD−80
7、KD−806、KD−806M及びKD−803、
溶媒ジメチルホルムアミドを用いて60℃で行なった。
【0106】(伝導度の測定)実施例にて製造した高分
子ゲル電解質と比較例において電解液に浸漬した多孔質
膜の伝導度は、それらを白金電極で挟み、温度25℃に
おいて、電圧0.5V、周波数範囲5Hz〜1MHzの
交流法を用い、複素インピーダンス法にて算出した。
【0107】参考例1 (触媒の製造例)撹拌機、温度計及び蒸留装置を備えた
三つ口フラスコにトリブチルスズクロライド10gとト
リブチルホスフェート35gを入れ、窒素気流下に撹拌
しながら、250℃で20分間加熱し、留出物を留去さ
せ、残留物として固体状の縮合物質を得た。以下におい
ては、この有機スズ−リン酸エステル縮合物質を触媒と
して用いた。
【0108】(ポリエーテル多元共重合体の製造)容量
3Lのガラス製四つ口フラスコの内部を窒素置換し、こ
れに触媒として上記有機スズ−リン酸エステル縮合物質
0.3gと水分10ppm以下に調整した下記式(16)
【0109】
【化8】
【0110】で表されるグリシジルエーテル化合物30
0gとアリルグリシジルエーテル32gと溶媒n−ヘキ
サン2000gを仕込み、これにエチレンオキシド32
0gを上記グリシジルエーテル化合物の重合率をガスク
ロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加した。重合
反応はメタノールで停止した。重合反応終了後、生成し
たポリマーをデカンテーションにて取り出した後、常圧
下、40℃で24時間、更に、減圧下、45℃で10時
間乾燥して、反応性モノマー成分としてアリルグリシジ
ルエーテル成分を有するポリマー600gを得た。
【0111】このようにして得たポリエーテル多元共重
合体のガラス転移温度は−69℃、ゲルパーミェーショ
ンクロマトグラフィー測定による重量平均分子量は1.
6×106 であった。プロトンNMRスペクトルによる
このポリエーテル多元共重合体のモノマー換算組成は、
上記グリシジルエーテル化合物(16):エチレンオキ
シド:アリルグリシジルエーテル=81:19:3.2
モル%であった。
【0112】参考例2 (ポリエーテル多元共重合体の製造)容量3Lのガラス
製四つ口フラスコの内部を窒素置換し、これに触媒とし
て前記有機スズ−リン酸エステル縮合物質0.3gと水分
10ppm以下に調整した前記グリシジルエーテル化合
物253gとアリルグリシジルエーテル36gと溶媒n
−ヘキサン2000gを仕込み、これにエチレンオキシ
ド570gを上記グリシジルエーテル化合物の重合率を
ガスクロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加し
た。重合反応はメタノールで停止した。重合反応終了
後、生成したポリマーをデカンテーションにて取り出し
た後、常圧下、40℃で24時間、更に、減圧下、45
℃で10時間乾燥して、反応性モノマー成分としてアリ
ルグリシジルエーテル成分を有するポリマー798gを
得た。
【0113】このようにして得たポリエーテル多元共重
合体のガラス転移温度は−69℃、ゲルパーミェーショ
ンクロマトグラフィー測定による重量平均分子量は1.
6×106 であった。プロトンNMRスペクトルによる
このポリエーテル多元共重合体のモノマー換算組成は、
上記グリシジルエーテル化合物(16):エチレンオキ
シド:アリルグリシジルエーテル=89:11:1.9
モル%であった。
【0114】実施例1 参考例1で調製したポリエーテル多元共重合体2.0g
と架橋助剤ジエチレングリコールジメタクリレート(日
本油脂(株)製ブレンマーPDE−100)0.10g
と重合開始剤ベンゾイルパーオキサイド0.010gを
メタノール17.9gに溶解させて、塗工液を調製し
た。
【0115】前述したようにして製造した超高分子量ポ
リエチレン樹脂(重量平均分子量2.0×106 )から
なる基材多孔質膜(膜厚10μm、空孔率41%、平均
孔径0.03μm、通気度146秒/100mL、針貫
通強度2.4N)をガラス板上に固定し、この基材多孔
質膜の表面に直径1.0mmのドットを格子点を形成す
るように2mm間隔で上記塗工液を塗布した後、80℃
で1分間加熱し、上記メタノールを除去して、基材多孔
質膜にポリエーテル多元共重合体を担持させた。このよ
うにして担持させたポリエーテル多元共重合体の基材多
孔質膜の表面に占める割合は39%であった。
【0116】このようにして、ポリエーテル多元共重合
体を基材多孔質膜に担持させた後、その上に直ちに、過
塩素酸リチウムを1モル/L濃度でエチルメチルカーボ
ネート/エチルカーボネート混合物に溶解させてなる電
解液を塗布した。その上にガラス板を被せ、室温で3時
間放置したところ、上記ポリエーテル多元共重合体は溶
解し、基材多孔質膜全体に拡散した。そこで、このよう
な基材多孔質膜をガラス板の間に挟んだまま、80℃で
2時間加熱して、上記ポリエーテル多元共重合体を架橋
させ、架橋体として、高分子ゲル電解質を得た。
【0117】この高分子ゲル電解質の伝導度は、25℃
において、9.5×10-4S/cmであった。また、こ
の高分子ゲル電解質は、それ自体で接着性を有し、18
0°引き剥がし粘着力は2.5N/20mm幅であっ
た。
【0118】実施例2 参考例1で調製したポリエーテル多元共重合体2.0g
と架橋助剤ジエチレングリコールジメタクリレート(日
本油脂(株)製ブレンマーPDE−100)0.10g
と重合開始剤ベンゾイルパーオキサイド0.020gを
アセトニトリル17.9gに溶解させて、塗工液を調製
した。
【0119】実施例1と同じ超高分子量ポリエチレン樹
脂からなる基材多孔質膜をガラス板上に固定し、この基
材多孔質膜の表面に直径1.0mmのドットを格子点を
形成するように2mm間隔で上記塗工液を塗布した後、
80℃で1分間加熱し、上記アセトニトリルを除去し
て、基材多孔質膜にポリエーテル多元共重合体を担持さ
せた。このようにして担持させたポリエーテル多元共重
合体の基材多孔質膜の表面に占める割合は39%であっ
た。
【0120】このようにポリエーテル多元共重合体を担
持させた基材多孔質膜を3日間、室温で大気下に放置し
た後、過塩素酸リチウムを1モル/L濃度でエチルメチ
ルカーボネート/エチルカーボネート混合物に溶解させ
てなる電解液を塗布し、ガラス板を被せて、室温で3時
間放置したところ、上記ポリエーテル多元共重合体は、
基材多孔質膜の表面に微かにドット状の痕跡を残して、
大部分のポリマーが溶解し、基材多孔質膜全体に拡散し
た。そこで、このような基材多孔質膜をガラス板の間に
挟んだまま、80℃で2時間加熱して、上記ポリエーテ
ル多元共重合体を架橋させ、架橋体として、高分子ゲル
電解質を得た。
【0121】この高分子ゲル電解質の伝導度は、25℃
において、7.8×10-4S/cmであった。また、こ
の高分子ゲル電解質は、それ自体で接着性を有し、18
0°引き剥がし粘着力は1.8N/20mm幅であっ
た。
【0122】実施例3 参考例2で調製したポリエーテル多元共重合体2.0g
と架橋助剤ジエチレングリコールジメタクリレート(日
本油脂(株)製ブレンマーPDE−100)0.10g
と重合開始剤ベンゾイルパーオキサイド0.020gを
メタノール17.9gに溶解させて、塗工液を調製し
た。
【0123】実施例1と同じ超高分子量ポリエチレン樹
脂からなる基材多孔質膜をガラス板上に固定し、この基
材多孔質膜の表面に直径1.0mmのドットを格子点を
形成するように2mm間隔で上記塗工液を塗布した後、
80℃で1分間加熱して、上記アセトニトリルを除去し
て、基材多孔質膜にポリエーテル多元共重合体を担持さ
せた。このようにして担持させたポリエーテル多元共重
合体の基材多孔質膜の表面に占める割合は39%であっ
た。
【0124】このようにポリエーテル多元共重合体を担
持させた基材多孔質膜を3日間、室温で大気下に放置し
た後、過塩素酸リチウムを1モル/L濃度でエチルメチ
ルカーボネート/エチルカーボネート混合物に溶解させ
てなる電解液を塗布し、ガラス板を被せて、室温で3時
間放置したところ、上記ポリエーテル多元共重合体は、
基材多孔質膜の表面に微かにドット状の痕跡を残して、
大部分のポリマーが溶解し、基材多孔質膜全体に拡散し
た。そこで、このような基材多孔質膜をガラス板の間に
挟んだまま、80℃で2時間加熱して、上記ポリエーテ
ル多元共重合体を架橋させ、架橋体として、高分子ゲル
電解質を得た。
【0125】この高分子ゲル電解質の伝導度は、25℃
において、8.4×10-4S/cmであった。また、こ
の高分子ゲル電解質は、それ自体で接着性を有し、18
0°引き剥がし粘着力は1.9N/20mm幅であっ
た。
【0126】比較例1 参考例1で調製したポリエーテル多元共重合体2.0g
と架橋助剤ジエチレングリコールジメタクリレート(日
本油脂(株)製ブレンマーPDE−100)0.10g
と重合開始剤ベンゾイルパーオキサイド0.020gを
アセトニトリル17.9gに溶解させて、塗工液を調製
した。
【0127】実施例1と同じ超高分子量ポリエチレン樹
脂からなる基材多孔質膜をガラス板上に固定し、この基
材多孔質膜の表面に直径1.0mmのドットを格子点を
形成するように2mm間隔で上記塗工液を塗布した後、
80℃で1分間加熱して、上記アセトニトリルを除去し
て、基材多孔質膜にポリエーテル多元共重合体を担持さ
せた。このようにして担持させたポリエーテル多元共重
合体の基材多孔質膜の表面に占める割合は39%であっ
た。
【0128】このように、基材多孔質膜にポリエーテル
多元共重合体を担持させた後、直ちに真空乾燥機を用い
て、80℃で4時間、減圧下に加熱して、ポリエーテル
多元共重合体を架橋させた。この後、過塩素酸リチウム
を1モル/L濃度でエチルメチルカーボネート/エチル
カーボネート混合物に溶解させてなる電解液を塗布し、
ガラス板を被せて、室温で3時間放置したが、上記ポリ
エーテル多元共重合体は、基材多孔質膜の表面にほぼド
ット状のまま、溶解せずに残っていた。従って、基材多
孔質膜上のポリエーテル多元共重合体の架橋体は電解液
から分離しており、目的とする高分子ゲル電解質を得る
ことができなかった。
【0129】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、特に選
択したポリマーを基材多孔質膜にその表面積の10〜9
0%を占めるように担持させた後、電解質塩を有機溶媒
に溶解させてなる電解液にて上記ポリマーを溶解させ
て、基材多孔質膜中に拡散させ、次いで、上記ポリマー
を架橋させて、上記電解液にて膨潤せしめられた架橋体
を形成させることによって、すぐれたイオン伝導性と強
度を兼ね備えた高性能の高分子ゲル電解質を得ることが
できる。また、このようにして得られる高分子ゲル電解
質は、それ自体で接着性を有する。
【0130】特に、本発明によれば、上記ポリマーとし
て、分子中に架橋性反応性基を有するポリエーテル多元
共重合体を用い、上記反応性基を利用して、上記ポリエ
ーテル多元共重合体を架橋させ、架橋体とすることによ
って、このような架橋体をポリマー成分とする高性能の
高分子ゲル電解質を得ることができる。
【0131】更に、本発明の方法は、いわば、その場で
高分子ゲル電解質を製造しつつ、電池、キャパシタ等を
製造する際に好適に用いることができ、しかも、本発明
の方法で得る高分子ゲル電解質は、それ自体で接着性を
有するので、上述したようにして、電池等を組み立てる
とき、電極間の面圧を均一に高くして、容易に電極間距
離を一定に保つことができ、かくして、すぐれた特性を
有する電池等を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 9/032 H01G 9/02 321 9/155 9/24 A // C08L 23:00 9/00 301K (72)発明者 植谷 慶裕 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 藤田 茂 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 酒井 貴明 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目10番8号 ダイソー株式会社内 (72)発明者 田渕 雅人 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目10番8号 ダイソー株式会社内 (72)発明者 中村 誠司 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目10番8号 ダイソー株式会社内 Fターム(参考) 4F074 AA17 AA24 AA38 CE15 CE16 CE17 CE43 CE54 CE56 CE66 CE93 CE94 DA47 DA49 5H029 AJ06 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 CJ08 CJ11 HJ02 HJ07 HJ11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主鎖にポリアクリレート、ポリメタクリレ
    ート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシ
    ド、ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)、
    ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル又はポリシロ
    キサン構造を有し、側鎖に鎖状オリゴアルキレンオキシ
    ド構造を有するポリマーを基材多孔質膜にその表面積の
    10〜90%を占めるように担持させた後、電解質塩を
    有機溶媒に溶解させてなる電解液にて上記ポリマーを溶
    解させて、基材多孔質膜中に拡散させ、次いで、上記ポ
    リマーを架橋させて、上記電解液によって膨潤せしめら
    れた架橋体を形成させることを特徴とする接着性高分子
    ゲル電解質の製造方法。
  2. 【請求項2】ポリマーが主鎖にポリエチレンオキシド、
    ポリプロピレンオキシド又はポリ(エチレンオキシド/
    プロピレンオキシド)構造を有し、側鎖に鎖状オリゴア
    ルキレンオキシド構造を有するポリエーテルである請求
    項1に記載の接着性高分子ゲル電解質の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の接着性高分子ゲル電解質
    の製造方法において、ポリマーが式(1)で表される繰
    り返し構造単位1〜98モル%と式(2)で表される繰
    り返し構造単位(2)1〜98モル%と共に、式(3)
    と式(4)で表される繰り返し構造単位から選ばれる少
    なくとも1種の架橋用繰り返し構造単位1〜20モル%
    とからなり、重量平均分子量が104 〜107 の範囲内
    にあるポリエーテル多元共重合体であることを特徴とす
    る接着性高分子ゲル電解質の製造方法。 【化1】 (上記式中、式(1)において、R及びR' はそれぞれ
    独立に水素原子又はメチル基を示し、R1 は炭素数1〜
    12のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素
    数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリー
    ル基又は炭素数7〜12のアラルキル基を示し、側鎖の
    オキシアルキレン単位の重合度kは1〜12であり、式
    (2)において、R' は水素原子又はメチル基を示し、
    式(3)において、R' は水素原子又はメチル基を示
    し、R2 はエチレン性不飽和基、反応性ケイ素含有置換
    基、式(5)で表されるエポキシ基を含む置換基又はハ
    ロゲン原子を含むアルキル基を示し、式(4)におい
    て、R3 は反応性ケイ素含有置換基を示し、式(5)に
    おいて、Aは有機残基を示す。)
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