JP2003098351A - 被描画基材、その金型、光ピックアップ装置、光学素子加工方法、その方法にて加工された基材、電子ビーム描画装置、及び光学素子 - Google Patents

被描画基材、その金型、光ピックアップ装置、光学素子加工方法、その方法にて加工された基材、電子ビーム描画装置、及び光学素子

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JP2003098351A
JP2003098351A JP2001292053A JP2001292053A JP2003098351A JP 2003098351 A JP2003098351 A JP 2003098351A JP 2001292053 A JP2001292053 A JP 2001292053A JP 2001292053 A JP2001292053 A JP 2001292053A JP 2003098351 A JP2003098351 A JP 2003098351A
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light
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Kazumi Furuta
和三 古田
Yuichi Akanabe
祐一 茜部
Masahiro Morikawa
雅弘 森川
Tomohide Mizukoshi
智秀 水越
Osamu Masuda
修 増田
Yasushi Horii
康司 堀井
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、光ピックアップ装置、光学素子な
どの生産性の低下を防止しながらも、装置の小型化に寄
与できる被描画基材、その金型、光ピックアップ装置、
光学素子加工方法、その方法にて加工された基材、電子
ビーム描画装置、及び光学素子を提供する。 【解決手段】 レーザー供給源からのレーザー光を平行
光にする第1の光学素子、前記平行光を収束させる第2
の光学素子、光磁気記録媒体にて反射されたレーザー光
を第2の光学素子を介して平行光とし、前記平行光を前
記第1の光学素子にて集光し、集光された前記レーザー
光を受光させる受光素子、を含む。受光素子の出力に基
づいて前記光磁気記録媒体上の記録情報を読み出す。第
1の光学素子は、平行光を光路が近接したP,S両偏光
からなる複数の光束に分離する偏光分離構造を有する。
第2の光学素子は、該複数の光束のうち少なくともP,
S両偏光の2つの光束に位相差を生じせしめる複屈折位
相構造を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被描画基材、その
金型、光ピックアップ装置、光学素子加工方法、その方
法にて加工された基材、電子ビーム描画装置、及び光学
素子に関し、特に、射出成形で作成されるピックアップ
レンズにおいて偏光分離構造や複屈折位相構造などを備
えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、情報記録媒体として、例えばC
D、DVD等が広く使用されており、これらの記録媒体
を読み取る読取装置などの精密機器には、多くの光学素
子が利用されている。これらの機器に利用される光学素
子、例えば光レンズなどは、低コスト化並びに小型化の
観点から、ガラス製の光レンズよりも樹脂製の光レンズ
を用いることが多い。このような樹脂製の光レンズは、
一般の射出成形によって製造されており、射出成形用の
成形型も、一般的な切削加工によって形成されている。
【0003】また、光学素子などを含む基材の表面上に
所望の形状を描画加工するものとしては、光露光などの
手法を用いた露光装置などによって加工を行うことが行
われている。
【0004】一方、前述したような光レンズを利用した
読取装置などの光ピックアップ装置の一例として、例え
ば図30に示すようなものが挙げられる。
【0005】同図に示す光ピックアップ装置500で
は、半導体レーザー501からのレーザー光は、コリメ
ートレンズ502で平行光となり、分離プリズム503
で対物レンズ504側に反射され、対物レンズ504に
よって回折限界まで集光されて光磁気ディスク505
(光磁気記録媒体)に照射される。
【0006】光磁気ディスク505からのレーザー反射
光は、対物レンズ504に入光して再び平行光となり、
分離プリズム503を透過し、更に、1/2波長板50
6を透過し偏光方位を変えた後、偏光分離素子507に
入射し、この偏光分離素子507で、光路が近接した
P,S両偏光からなる2つの光束に分離される。前記
P,S両偏光の光束はそれぞれ集光レンズ508,シリ
ンドリカルレンズ509によって集光されて、分割光検
出器510の分離受光領域(受光素子)にそれぞれのス
ポットを形成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の光ピ
ックアップ装置では、使用される光学素子などの取り付
け部材点数が多く、コストが高くなるという問題があっ
た。しかも、偏光分離素子や波長板などを製造するため
には、基材の表面に対して所定の形状を得るためのプロ
セスを行う必要があるが、偏光分離素子や波長板の1つ
1つに対し、当該プロセスを行う必要があり、量産化の
観点から好ましくなく、生産性の低下を招いていた。
【0008】さらに、前記偏光分離素子や波長板を含む
各種光学部材が配置される占有空間が大きくなり、当該
光ピックアップ装置などの小型化に寄与できないという
問題があった。
【0009】また、最近では、光学素子に要求されるス
ペックや性能自体が向上してきており、例えば、光学機
能面に微細構造を製造する際に、当該光学素子を射出成
形するためには、成形型にそのような微細構造を付与す
るための面を形成しておく必要がある。
【0010】しかし、現在用いていられるような成形技
術や加工技術の切削バイトにて、成形型に微細構造を形
成しようとすると、加工精度が劣るとともに、バイトの
強度、寿命の点で限界があり、サブミクロンオーダーあ
るいはそれ以下の精密な加工を行うことができない。
【0011】また、露光装置などを上記光学素子の面へ
の加工もしくは成形型の加工などに用いることが考えら
れるが、基材の加工深さは、露光エネルギー量で制御す
るため、特に、光学素子の精密加工、あるいはフォトニ
ック結晶の作成などでは、非平面上に、照射される光の
波長より短い構造を正確に形成する必要が生じるため、
上記制御手法では適さない。しかも、平坦な材料しか加
工することができないという問題があった。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、光ピックアップ装
置、光学素子などの生産性の低下を防止しながらも、装
置の小型化に寄与でき、それらに用いられる光学素子な
どの基材に対して、サブミクロンオーダーでの3次元的
に変化する基材の加工を可能とした被描画基材、その金
型、光ピックアップ装置、光学素子加工方法、その方法
にて加工された基材、電子ビーム描画装置、及び光学素
子を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、少なくとも一面に曲面部
を有し、少なくとも該曲面部に対して電子ビームを走査
することにより描画パターンが描画される被描画基材で
あって、前記曲面部に、該曲面部に入射する光を、該光
の進行方向と交差する面内で少なくとも互いに垂直な方
向に振動する二つの偏光成分に偏光分離する偏光分離構
造を設けたことを特徴としている。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、少なくと
も一面に曲面部を有し、少なくとも該曲面部に対して電
子ビームを走査することにより描画パターンが描画され
る被描画基材であって、前記曲面部に、該曲面部より出
射する光を、該光の進行方向と交差する面内で少なくと
も互いに垂直な方向に振動する二つの偏光成分に偏光分
離する偏光分離構造を設けたことを特徴としている。
【0015】また、請求項3に記載の発明は、少なくと
も一面に曲面部を有し、少なくとも該曲面部に対して電
子ビームを走査することにより描画パターンが描画され
る被描画基材であって、前記曲面部に、該曲面部に入射
する少なくとも互い垂直な方向に振動する各直線偏光の
うち、一方の直線偏光と他方の直線偏光とに位相差を生
じせしめる複屈折位相構造を設けたことを特徴としてい
る。
【0016】また、請求項4に記載の発明は、少なくと
も一面に曲面部を有し、少なくとも該曲面部に対して電
子ビームを走査することにより描画パターンが描画され
る被描画基材であって、前記曲面部に、該曲面部に入射
する少なくとも互い垂直な方向に振動する各直線偏光の
うち、一方の直線偏光と他方の直線偏光とに位相差を生
じせしめる複屈折位相構造を設けたことを特徴としてい
る。
【0017】また、請求項5に記載の発明は、電子ビー
ムを走査することにより描画パターンが描画される被描
画層を備えた被描画基材であって、前記被描画層に、該
被描画層に入射する光を、該光の進行方向と交差する面
内で少なくとも互いに垂直な方向に振動する二つの偏光
成分に偏光分離する偏光分離構造を描画により形成した
ことを特徴としている。
【0018】また、請求項6に記載の発明は、電子ビー
ムを走査することにより描画パターンが描画される被描
画層を備えた被描画基材であって、前記被描画層に、該
被描画層より出射する光を、該光の進行方向と交差する
面内で少なくとも互いに垂直な方向に振動する二つの偏
光成分に偏光分離する偏光分離構造を描画により形成し
たことを特徴としている。
【0019】また、請求項7に記載の発明は、電子ビー
ムを走査することにより所定の描画パターンが描画され
る被描画層を備えた被描画基材であって、前記被描画層
に、該被描画層に入射する少なくとも互い垂直な方向に
振動する各直線偏光のうち、一方の直線偏光と他方の直
線偏光とに位相差を生じせしめる複屈折位相構造を描画
により形成したことを特徴としている。
【0020】また、請求項8に記載の発明は、電子ビー
ムを走査することにより描画パターンが描画される被描
画層を備えた被描画基材であって、前記被描画層に、該
被描画層より出射する少なくとも互い垂直な方向に振動
する各直線偏光のうち、一方の直線偏光と他方の直線偏
光とに位相差を生じせしめる複屈折位相構造を描画によ
り形成したことを特徴としている。
【0021】また、請求項9に記載の発明は、電子ビー
ムを走査することにより第1の描画パターンが描画され
一方の面に形成された第1の被描画面と、前記第1の被
描画面と反対側の他方の面に形成され、前記第1の描画
パターンと異なる第2の描画パターンが描画される第2
の被描画面と、を備えた被描画基材であって、前記第1
の被描画面は、該第1の被描画面に入射する少なくとも
互い垂直な方向に振動する各直線偏光のうち、一方の直
線偏光と他方の直線偏光とに位相差を生じせしめる複屈
折位相構造を有し、前記第2の被描画面は、前記第1の
被描画面に入射し前記第2の被描画面より出者する光を
回折する回折格子構造を有することを特徴としている。
【0022】また、請求項10に記載の発明は、電子ビ
ームを走査することにより第1の描画パターンが描画さ
れ一方の面に形成される第1の被描画面と、前記第1の
被描画面と反対側の他方の面に形成され、前記第1の描
画パターンと異なる第2の描画パターンが描画される第
2の被描画面と、を備えた被描画基材であって、前記第
1の被描画面は、該第1の被描画面に入射する光を回折
する回折格子構造を有し、前記第2の被描画面は、前記
第1の被描画面にて回折された少なくとも互い垂直な方
向に振動する各直線偏光のうち、一方の直線偏光と他方
の直線偏光とに位相差を生じせしめる複屈折位相構造を
有することを特徴としている。
【0023】また、請求項11に記載の発明は、電子ビ
ームを走査することにより第1の描画パターンが描画さ
れ一方の面に形成される第1の被描画面と、前記第1の
被描画面と反対側の他方の面に形成され、前記第1の描
画パターンと異なる第2の描画パターンが描画される第
2の被描画面と、を備えた被描画基材であって、前記第
1の被描画面は、該第1の被描画面に入射する光を、該
光の進行方向と交差する面内で少なくとも互いに垂直な
方向に振動する二つの偏光成分に偏光分離する偏光分離
構造を有し、前記第2の被描画面は、前記第1の被描画
面に入射し前記第2の被描画面より出者する光を回折す
る回折格子構造を有することを特徴としている。
【0024】また、請求項12に記載の発明は、電子ビ
ームを走査することにより第1の描画パターンが描画さ
れ一方の面に形成される第1の被描画面と、前記第1の
被描画面と反対側の他方の面に形成され、前記第1の描
画パターンと異なる第2の描画パターンが描画される第
2の被描画面と、を備えた被描画基材であって、前記第
1の被描画面は、該第1の被描画面に入射する光を回折
する回折格子構造を有し、前記第2の被描画面は、前記
第1の被描画面にて回折された光を、該光の進行方向と
交差する面内で少なくとも互いに垂直な方向に振動する
二つの偏光成分に偏光分離する偏光分離構造を有するこ
とを特徴としている。
【0025】また、請求項13に記載の発明は、電子ビ
ームを走査することにより第1の描画パターンが描画さ
れ一方の面に形成される第1の被描画面と、前記第1の
被描画面と反対側の他方の面に形成され、前記第1の描
画パターンと異なる第2の描画パターンが描画される第
2の被描画面と、を備えた被描画基材であって、前記第
1の被描画面は、該第1の被描画面に入射する少なくと
も互い垂直な方向に振動する各直線偏光のうち、一方の
直線偏光と他方の直線偏光とに位相差を生じせしめる複
屈折位相構造を有し、前記第2の被描画面は、前記第1
の被描画面にて入射した光を、該光の進行方向と交差す
る面内で少なくとも互いに垂直な方向に振動する二つの
偏光成分に偏光分離する偏光分離構造を有することを特
徴としている。
【0026】また、請求項14に記載の発明は、前記偏
光分離構造は、第1の幅を有する第1の凸部と、前記第
1の幅と異なる前記第2の幅を有する第2の凸部とが間
隔をおいて複数形成されることを特徴としている。
【0027】また、請求項15に記載の発明は、前記偏
光分離構造は、第1の幅を有する第1の凸部と前記第1
の幅と異なる第2の幅を有する第1の凹部とが交互に形
成された第1の凹凸部と、前記第1、第2の幅と異なる
第3の幅にて形成された第2の凹部とが交互に形成され
ることを特徴としている。
【0028】また、請求項16に記載の発明は、前記複
屈折位相構造は、第1の幅を有する凸部と、前記第1の
幅より短い第2の幅を有する凹部とが交互に形成される
ことを特徴としている。
【0029】また、請求項17に記載の発明は、前記回
折格子構造は、少なくとも一面に形成された曲面部に回
折格子を傾けて各ピッチ毎に形成し、この回折格子の少
なくとも1ピッチに、当該ピッチの区切り目位置にて前
記曲面部より立ち上がる側壁部と、隣接する各側壁部間
に形成された傾斜部と、を含むことを特徴としている。
【0030】また、請求項18では、上述のいずれかの
被描画基材を形成するための金型を定義している。
【0031】また、請求項19に記載の発明は、レーザ
ー供給源からのレーザー光を平行光にする第1の光学素
子と、前記平行光を収束させる第2の光学素子と、前記
レーザー光を前記第2の光学素子を介して平行光とし、
前記平行光を前記第1の光学素子にて集光し、集光され
た前記レーザー光を受光させる受光素子と、を含み、前
記受光素子の出力に基づいて前記光磁気記録媒体上の記
録情報を読み出し、前記第1の光学素子は、前記平行光
を光路が近接したP,S両偏光からなる複数の光束に分
離する偏光分離構造を有し、前記第2の光学素子は、該
複数の光束のうち少なくともP,S両偏光の2つの光束
に位相差を生じせしめる複屈折位相構造を有することを
特徴としている。
【0032】また、請求項20に記載の発明は、レーザ
ー供給源からのレーザー光を平行光にする第1の光学素
子と、前記平行光を収束させる第2の光学素子と、前記
レーザー光を前記第2の光学素子を介して平行光とし、
前記平行光を集光する第3の光学素子と、前記第3の光
学素子にて集光された前記レーザー光を受光させる受光
素子と、を含み、前記受光素子の出力に基づいて前記光
磁気記録媒体上の記録情報を読み出し、前記第1の光学
素子は、前記平行光を光路が近接したP,S両偏光から
なる複数の光束に分離する偏光分離構造を有し、前記第
2の光学素子は、該複数の光束のうち少なくともP,S
両偏光の2つの光束に位相差を生じせしめる複屈折位相
構造を有することを特徴としている。
【0033】また、請求項21に記載の発明は、前記第
2の光学素子は、前記複屈折位相構造と他方側の面に、
光を回折する回折格子構造を有することを特徴としてい
る。
【0034】また、請求項22に記載の発明は、電子ビ
ームにて描画される曲面部を含む第1の基材に対して、
前記電子ビームを走査することにより前記第1の基材の
描画を行う光学素子加工方法であって、前記第1の基材
の一面に曲面部を形成し、かつ、当該曲面部に対して偏
光分離用の断面略凹凸形状の平面略円状の描画ライン
を、前記第1の基材に対する前記電子ビームの焦点位置
の相対移動による高さ方向の位置調整を行いつつ、面方
向の位置調整を行いながら描画を行う描画ステップと、
を含むことを特徴としている。
【0035】また、請求項23に記載の発明は、電子ビ
ームにて描画される曲面部を含む第1の基材に対して、
前記電子ビームを走査することにより前記第1の基材の
描画を行う光学素子加工方法であって、前記第1の基材
の一面に曲面部を形成し、かつ、当該曲面部に対して複
屈折位相構造用の断面略凹凸形状の平面略円状の描画ラ
インを、前記第1の基材に対する前記電子ビームの焦点
位置の相対移動による高さ方向の位置調整を行いつつ、
面方向の位置調整を行いながら描画を行う描画ステップ
と、を含むことを特徴としている。
【0036】また、請求項24に記載の発明は、前記電
子ビームを照射した前記第1の基材を現像し、現像され
た前記第1の基材の表面で電鋳を行い、成形用の第1の
金型を形成するステップをさらに有することを特徴とし
ている。
【0037】また、請求項25に記載の発明は、前記電
子ビームを照射した前記第1の基材を現像し、エッチン
グ処理した前記第1の基材に電鋳を行い、成形用の第1
の金型を形成するステップをさらに有することを特徴と
している。
【0038】また、請求項26に記載の発明は、電子ビ
ームにて描画される被描画面を含む第2の基材に対し
て、前記第2の基材の前記被描画面に回折格子を描画す
る第2描画ステップと、前記電子ビームを照射した前記
第2の基材を現像し、現像された前記第2の基材の表面
で電鋳を行い、成形用の第2の金型を形成するステップ
と、前記第1、第2の金型を互いに相対向して配置さ
せ、射出成形により、一方の面に偏光分離構造、他方の
面に回折格子構造を有する光学素子を形成するステップ
と、をさらに有することを特徴としている。
【0039】また、請求項27に記載の発明は、電子ビ
ームにて描画される曲面部を含む第2の基材に対して、
前記第2の基材の前記曲面部に回折格子を傾けて各ピッ
チ毎に形成するように描画する第2描画ステップと、前
記電子ビームを照射した前記第2の基材を現像し、現像
された前記第2の基材の表面で電鋳を行い、成形用の第
2の金型を形成するステップと、前記第1、第2の金型
を互いに相対向して配置させ、射出成形により、一方の
面の曲面部に偏光分離構造、他方の面の曲面部に各ピッ
チ毎に傾いた回折格子構造を有する基材を形成するステ
ップと、をさらに有することを特徴としている。
【0040】また、請求項28に記載の発明は、前記第
2描画ステップは、各ピッチ毎に傾けて形成する際に、
走査位置に対するドーズ量分布を予め定義したドーズ分
布の特性を、前記曲面部上の傾斜する傾斜角度に応じて
抽出し、抽出された前記ドーズ分布の特性に基づいて、
当該ドーズ量を算出しつつ前記基材の前記曲面部の描画
を行うことを特徴としている。
【0041】また、請求項29に記載の発明は、前記成
形用の第1の金型に対して射出成形を行い、前記基材を
形成するステップを含むことを特徴としている。
【0042】また、請求項30に記載の発明は、前記基
材として成形用の第1の金型を用い、当該第1の金型に
描画を行うステップを有することを特徴とている。
【0043】また、請求項31に記載の発明は、前記基
材として成形用の第2の金型を用い、当該第2の金型に
描画を行うステップを有することを特徴としている。
【0044】また、請求項32では、上述のいずれかの
光学素子加工方法にて加工された基材を定義している。
また、記基材は、光学素子であることが好ましい。
【0045】また、請求項34に記載の発明は、電子ビ
ームを照射する電子ビーム照射手段と、前記電子ビーム
照射手段にて照射された電子ビームの焦点位置を可変と
するための電子レンズと、前記電子ビームを照射するこ
とで描画される被描画面に曲面部を有する基材を載置す
る載置台と、前記基材の曲面部上に偏光分離構造を形成
する際に、前記基材上に描画される描画位置を測定する
ための測定手段と、前記測定手段にて測定された前記描
画位置に基づき、前記電子レンズの電流値を調整して前
記電子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制
御して前記基材の曲面部並びに偏光分離構造部分の描画
を行うように制御する制御手段と、を含むことを特徴と
している。
【0046】また、請求項35に記載の発明は、電子ビ
ームを照射する電子ビーム照射手段と、前記電子ビーム
を照射することで描画される被描画面に曲面部を有する
基材を載置する載置台と、前記載置台を駆動する駆動手
段と、前記基材の曲面部上に偏光分離構造を形成する際
に、前記基材上に描画される描画位置を測定するための
測定手段と、前記測定手段にて測定された前記描画位置
に基づき、前記駆動手段により前記載置台を昇降させ
て、前記電子ビーム照射手段にて照射された電子ビーム
の焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御して、前記
基材の曲面部並びに偏光分離構造部分の描画を行うよう
に制御する制御手段と、を含むことを特徴としている。
【0047】また、請求項36に記載の発明は、電子ビ
ームを照射する電子ビーム照射手段と、前記電子ビーム
照射手段にて照射された電子ビームの焦点位置を可変と
するための電子レンズと、前記電子ビームを照射するこ
とで描画される被描画面に曲面部を有する基材を載置す
る載置台と、前記基材の曲面部上に複屈折位相構造を形
成する際に、前記基材上に描画される描画位置を測定す
るための測定手段と、前記測定手段にて測定された前記
描画位置に基づき、前記電子レンズの電流値を調整して
前記電子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変
制御して前記基材の曲面部並びに複屈折位相構造部分の
描画を行うように制御する制御手段と、を含むことを特
徴としている。
【0048】また、請求項37に記載の発明は、電子ビ
ームを照射する電子ビーム照射手段と、前記電子ビーム
を照射することで描画される被描画面に曲面部を有する
基材を載置する載置台と、前記載置台を駆動する駆動手
段と、前記基材の曲面部上に複屈折位相構造を形成する
際に、前記基材上に描画される描画位置を測定するため
の測定手段と、前記測定手段にて測定された前記描画位
置に基づき、前記駆動手段により前記載置台を昇降させ
て、前記電子ビーム照射手段にて照射された電子ビーム
の焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御して前記基
材の曲面部並びに複屈折位相構造部分の描画を行うよう
に制御する制御手段と、を含むことを特徴としている。
【0049】また、請求項38に記載の発明は、電子ビ
ームを照射する電子ビーム照射手段と、前記電子ビーム
照射手段にて照射された電子ビームの焦点位置を可変と
するための電子レンズと、前記電子ビームを照射するこ
とで描画される被描画面に曲面部を有する第1、第2の
基材を必要に応じて載置する載置台と、前記第1の基材
上に偏光分離構造を形成する際には、前記第1の基材上
に描画される描画位置を測定し、前記第2の基材上に回
折格子構造を形成する際には、前記第2の基材上に描画
される描画位置を測定するための測定手段と、前記第2
の基材の曲面部上に回折格子構造を形成する際に、曲面
部上の傾斜位置に応じて傾斜する回折格子の各ピッチ部
分のドーズ量を加味した走査位置に対するドーズ量分布
を予め定義したドーズ分布の特性を格納した格納手段
と、前記第1の基材に曲面部並びに偏光分離構造を描画
する場合には、前記測定手段にて測定された前記描画位
置に基づき、前記電子レンズの電流値を調整して前記電
子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御
し、前記第2の基材に曲面部並びに回折格子構造を描画
する場合には、前記測定手段にて測定された前記描画位
置に基づき、前記電子レンズの電流値を調整して前記電
子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御す
るとともに、前記焦点位置における焦点深度内につい
て、前記格納手段の前記ドーズ分布の特性に基づいて、
当該ドーズ量を算出しつつ前記基材の曲面部上並びに偏
光分離構造部分の描画を行うように制御する制御手段
と、を含み、前記第1、第2の基材を各々独立して描画
し、描画後の工程にて前記第1、第2の基材を1つの基
材として生成することを特徴としている。
【0050】また、請求項39に記載の発明は、電子ビ
ームを照射する電子ビーム照射手段と、前記電子ビーム
照射手段にて照射された電子ビームの焦点位置を可変と
するための電子レンズと、前記電子ビームを照射するこ
とで描画される被描画面に曲面部を有する第1、第2の
基材を必要に応じて載置する載置台と、前記第1の基材
上に複屈折位相構造を形成する際には、前記第1の基材
上に描画される描画位置を測定し、前記第2の基材上に
回折格子構造を形成する際には、前記第2の基材上に描
画される描画位置を測定するための測定手段と、前記第
2の基材の曲面部上に回折格子構造を形成する際に、曲
面部上の傾斜位置に応じて傾斜する回折格子の各ピッチ
部分のドーズ量を加味した走査位置に対するドーズ量分
布を予め定義したドーズ分布の特性を格納した格納手段
と、前記第1の基材に曲面部並びに複屈折位相構造を描
画する場合には、前記測定手段にて測定された前記描画
位置に基づき、前記電子レンズの電流値を調整して前記
電子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御
し、前記第2の基材に曲面部並びに回折格子構造を描画
する場合には、前記測定手段にて測定された前記描画位
置に基づき、前記電子レンズの電流値を調整して前記電
子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御す
るとともに、前記焦点位置における焦点深度内につい
て、前記格納手段の前記ドーズ分布の特性に基づいて、
当該ドーズ量を算出しつつ前記基材の曲面部上並びに偏
光分離構造部分の描画を行うように制御する制御手段
と、を含み、前記第1、第2の基材を各々独立して描画
し、描画後の工程にて前記第1、第2の基材を1つの基
材として生成することを特徴としている。
【0051】また、請求項40に記載の発明は、レーザ
ー供給源からのレーザー光を平行光にするための光学素
子であって、さらに前記平行光を光路が近接したP、S
両偏光からなる複数の光束に分離する偏光分離構造を有
することを特徴としている。
【0052】また、請求項41に記載の発明は、レーザ
ー供給源からのレーザー光を収束するための光学素子で
あって、さらに複数の光束のうち少なくともP、S両偏
光を有する光束に位相差を生じせしめる複屈折位相構造
を有することを特徴とする光学素子。
【0053】また、請求項42に記載の発明は、少なく
とも一方の面に光を回折する回折格子構造を有すること
を特徴している。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
の一例について、図面を参照して具体的に説明する。
【0055】[第1の実施の形態] (基材について)本発明の被描画基材では、光レンズの
一面に偏光分離構造を形成したことに特徴を有する。ま
た、本発明の被描画基材の他の態様では、光レンズの一
面に波長板の機能(複屈折位相構造)を形成したことに
特徴を有する。
【0056】(偏光分離構造)先ず、このような特徴を
有する電子ビームにより描画される被描画基材につい
て、図1〜図5を参照しつつ説明する。図1には、基材
上に描画される描画パターン並びにその細部の描画形状
が開示されている。
【0057】同図に示すように、本実施形態の被描画基
材(以下、基材という)2上に描画される描画パターン
の一例として円描画が開示されており、被描画面に曲面
部2aを有する基材2の描画部分の一部であるE部分を
拡大してみると、基材2は、複数の凹凸からなる偏光分
離構造3が形成されている。なお、基材2としては、光
学素子例えば、ピックアップレンズ等にて構成すること
が好ましい。
【0058】偏光分離構造3は、該曲面部2aに入射す
る光もしくは出射する光を、該光の進行方向と交差する
面内で少なくとも互いに垂直な方向に振動する二つの偏
光成分、TE波、TM波に偏光分離する機能を有し、凸
部3aと凹部3bとを有する。
【0059】より詳細には、図1に示すF部を拡大した
図に示すように、偏光分離構造3の凸部3aは、第1の
幅d1を有する第1の凸部3aaと、前記第1の幅d1
と異なる第2の幅d2を有する第2の凸部3abを有
し、第1、第2の凸部3aa、3abとが間隔をおいて
複数形成される。そして、第1の凸部3aaと第2の凸
部3abの間には、幅狭の第1の凹部3ba、幅広の第
2の凹部3bbが形成され、この第1、第2の凹部3b
a、3bbとで凹部3bを構成する。なお、これら第
1、第2の凸部3aa、3abは、各々高さd4に形成
され、第1の凸部3aa、第2の凸部3ab、第1の凹
部3ba、第2の凹部3bbを一つの長さd3を単位と
して、複数の周期構造が構成されることとなる。なお、
周期内の構造を非対称にすることにより、垂直に入射す
る光に対しても偏光分離を行うことができる。
【0060】本実施の形態の基材2では、曲面部2a上
にこのような周期構造を構成することにより、当該構造
を透過する光を、TE波(進行方向に垂直な面内におい
て磁界成分を有しない電界成分のみの波)、TM波(進
行方向に垂直な面内において電界成分を有しない磁界成
分のみ波)、に分離することが可能となる。
【0061】ここに、図1におけるd1、d2、d3、
d4の具体的な数値としては、例えば、基材2の屈折率
n=1.92、波長をλとすると、d1=0.25λ、
d2=0.39λ、d3=2λ、d4=1.22λとす
るのが好ましい。
【0062】このようにした場合における偏光分離構造
3にて生成されるTM波、TE波の波の様子をFDTD
法等により解析した結果を、図5(A)(B)にそれぞ
れ示す。同図(A)では、前記偏光分離構造3によって
生じ得たTM波の様子が開示されており、一方、同図
(B)では、前記偏光分離構造3によって生じ得たTE
波の様子が開示されている。
【0063】但し、同図においては、いずれも、図中の
下方向から上方向に向けて光が入るものとし(基材を想
定した場合は、基材の曲面部から出射する光がTE波、
TM波に分離する場合)、縦軸の数値「10」の位置付
近から上側に向かって無限に広がる平面波を想定してい
る。なお、横軸は、偏光分離構造G2の横方向に沿った
位置を示し(単位×20nm)、縦軸は、偏光分離構造
G2に垂直な上方向に沿った位置(単位nm)を示して
いる。また、この図においては、波長λが250nmで
ある場合を想定している。
【0064】これらの図に示すように、図1に示すよう
な形状の凹凸による偏光分離構造3(図5(A)(B)
においては偏光分離構造G2)を形成した場合には、図
5(A)(B)に示すように、TM波A3、TE波A4
を各々良好に生成することが可能となる。従って、上記
d1〜d4を、上述にて示した数値に設定することが、
TE波、TM波を良好に分離生成する上で好ましいと言
える。
【0065】しかしながら、要は、「進行波をTE波、
TM波に分離する」という偏光分離構造としての機能を
達成できるものであれば、その複屈折構造における寸法
d1〜d4の寸法設定、ないしは、その凹凸構造は、上
述した例に限定されるものではないことは言うまでもな
い。
【0066】このように、曲面部2a上において、図1
に示すような形状の凹凸による偏光分離構造3を構成す
ることにより、光をTE波、TM波に偏光分離すること
が可能になる。なお、厳密には、TE波、TM波の透過
率の配分比は、例えば、1次では、TE波が0.575
で、TM波が0.036となり、0次では、TE波が
0.031で、TM波が0.574となり、―1次で
は、TE波が0.036で、TM波が0.016となる
が、―1次は無視し得るほど小さいので問題とはならな
い。
【0067】(複屈折位相構造)次に、複屈折位相構造
を備えた被描画基材について、図2を参照して説明す
る。図2には、基材上に描画される描画パターン並びに
その細部の描画形状が開示されている。
【0068】同図に示すように、基材4上に描画される
描画パターンの一例として円描画が開示されており、被
描画面に曲面部4aを有する基材4の描画部分の一部で
あるE部分を拡大してみると、基材4は、複数の凹凸か
らなる複屈折位相構造5が形成されている。なお、基材
4としては、光学素子例えば、ピックアップレンズ等に
て構成することが好ましい。
【0069】複屈折位相構造5は、該曲面部4aに入射
する光もしくは出射する光である、該光の進行方向と交
差する面内で少なくとも互いに垂直な方向に振動する二
つの偏光成分TE波、TM波のうち、一方の偏光である
TE波と、他方の偏光であるTM波との間に位相差φを
生じせしめる機能を有し、凸部5aと凹部4bとを有す
る。
【0070】より詳細には、図2に示すF部を拡大した
図に示すように、複屈折位相構造5は、前記偏光分離構
造3と異なり、第1の幅d5を有する凸部5aと、前記
第1の幅d5より短い第2の幅d6を有する凹部5bと
が交互に位置することで形成される周期構造を有する。
なお、凸部5aの高さはd7にて形成されているものと
する。
【0071】本実施の形態の基材4では、曲面部4a上
にこのような周期構造を構成することにより、当該構造
を透過する光のうち、TE波と、TM波との間に位相差
φを生じさせることが可能となる。
【0072】ここに、図1におけるd5、d6、d7の
具体的な数値としては、例えば、基材4の屈折率n=
2、波長をλとすると、d5:d6=7:3、d7=1
λとするのが好ましい。なお、この場合は、例えば1/
4波長板と同等の機能を有する場合を想定しているがこ
れに限定されるものではなく、1/2波長板、1波長板
等と同等の機能を有するよう構成しても構わない。
【0073】このようにした場合における複屈折位相構
造5にて位相差が生じ得るTM波、TE波の波の様子を
FDTD法等により解析した結果を、図4(A)(B)
にそれぞれ示す。同図(A)では、前記複屈折位相構造
5によって生じ得たTM波の様子が開示されており、一
方、同図(B)では、前記複屈折位相構造5によって生
じ得たTE波の様子が開示されている。
【0074】但し、同図においては、いずれも、図中の
下方向から上方向に向けて光が入るものとし(基材を想
定した場合は、基材の曲面部から出射する光のTE波、
TM波に位相差が生じる場合)、縦軸の数値「10」の
位置付近から上側に向かって無限に広がる平面波を想定
している。なお、横軸は、複屈折位相構造G1の横方向
に沿った位置を示し(単位×20nm)、縦軸は、複屈
折位相構造G1に垂直な上方向に沿った位置(単位n
m)を示している。また、この図においては、波長λが
500nmである場合を想定している。
【0075】これらの図に示すように、図2に示すよう
な形状の凹凸による複屈折位相構造5(図4(A)
(B)においては複屈折位相構造G1)を形成した場合
には、図4(A)(B)に示すように、TM波A1、T
E波A2を所定の位相差にて各々良好に生成することが
可能となる。従って、上記d5〜d7を、上述にて示し
た数値に設定することが、TE波、TM波に対する位相
差を良好に生成する上で好ましいと言える。
【0076】しかしながら、要は、「TE波、TM波に
位相差を生じさせる」という複屈折位相構造としての機
能を達成できるものであれば、その複屈折構造における
寸法d5〜d7の寸法設定、ないしは、その凹凸構造
は、上述した例に限定されるものではないことは言うま
でもない。
【0077】このように、曲面部2a上において、図2
に示すような形状の凹凸による複屈折位相構造5を構成
することにより、TE波、TM波に位相差を生じさせる
ことが可能になる。
【0078】次に、上述のような偏光分離構造3を有す
る基材2と、複屈折位相構造5を有する基材4とにより
構成される簡単な光学系を用いて、光を偏光するあるい
は位相差を生じさせる原理について説明する。
【0079】光学系KOは、図3に示すように、レーザ
ーLaからのレーザー光L1は、基材2により所定の光
束の平行光となり、基材4により収束され光磁気記録媒
体Mに照射される。光磁気記録媒体Mからのレーザー反
射光L2は、基材4に入光して再び平行光となり、基材
2を介して収束され光検出器SEに入射する。
【0080】この際、レーザー反射光L2では、基材4
において、TE波とTM波の各々に位相差が生じ得、基
材2では、TE波、TM波が分離され、光検出器SEに
入射する。
【0081】以上のように、3次元的な描画で曲面部を
描画する際にあわせ、サブ波長オーダーの凹凸による周
期構造を描画し、前記基材に偏光分離構造を形成するこ
とにより、最終的に、一面に偏光分離構造を備えた光レ
ンズなどを形成することも可能となることから、従来の
偏光分離素子に変えて各種機器に適用することもできよ
う。
【0082】というのも、前記基材に基づいて金型を構
成することにより、射出成形による最終成形品として偏
光分離構造を有した素子を、順次量産できるからであ
る。従って、従来のように、偏光分離素子を一つ一つ形
成する際の各プロセスにおける手間、時間を鑑みると、
製造コストの大幅な低減並びに生産性の向上を図ること
ができる。
【0083】同様にして、前記基材に複屈折位相構造を
形成することにより、最終的に、一面に複屈折位相構造
たる波長板機能を備えた光レンズなどを形成することも
可能となることから、従来の波長板に変えて各種機器に
適用することもできよう。
【0084】というのも、前記基材に基づいて金型を構
成することにより、射出成形による最終成形品として波
長板機能を有した素子を、順次量産できるからである。
従って、従来のように、波長板を一つ一つ形成する際の
各プロセスにおける手間、時間を鑑みると、製造コスト
の大幅な低減並びに生産性の向上を図ることができる以
下、このような偏光分離構造を有する基材、ないしは、
複屈折位相構造を有する基材を形成するための前提とな
る電子ビーム描画装置の具体的構成について説明するこ
ととする。
【0085】(電子ビーム描画装置の全体構成)次に、
電子ビーム描画装置の全体の概略構成について、図6を
参照して説明する。図6は、本例の電子ビーム描画装置
の全体構成を示す説明図である。
【0086】本実施形態例の電子ビーム描画装置1は、
図6に示すように、大電流で高解像度の電子線プローブ
を形成して高速に描画対象の基材2上を走査するもので
あり、高解像度の電子線プローブを形成し、電子ビーム
を生成してターゲットに対してビーム照射を行う電子ビ
ーム生成手段である電子銃12と、この電子銃12から
の電子ビームを通過させるスリット14と、スリット1
4を通過する電子ビームの前記基材2に対する焦点位置
を制御するための電子レンズ16と、電子ビームが出射
される経路上に配設されたアパーチャー18と、電子ビ
ームを偏向させることでターゲットである基材2上の走
査位置等を制御する偏向器20と、偏向を補正する補正
用コイル22と、を含んで構成されている。なお、これ
らの各部は、鏡筒10内に配設されて電子ビーム出射時
には真空状態に維持される。
【0087】さらに、電子ビーム描画装置1は、描画対
象となる基材2を載置するための載置台であるXYZス
テージ30と、このXYZステージ30上の載置位置に
基材2を搬送するための搬送手段であるローダ40と、
XYZステージ30上の基材2の表面の基準点を測定す
るための測定手段である測定装置80と、XYZステー
ジ30を駆動するための駆動手段であるステージ駆動手
段50と、ローダを駆動するためのローダ駆動装置60
と、鏡筒10内及びXYZステージ30を含む筐体11
内を真空となるように排気を行う真空排気装置70と、
これらの制御を司る制御手段である制御回路100と、
を含んで構成されている。
【0088】なお、電子レンズ16は、高さ方向に沿っ
て複数箇所に離間して設置される各コイル17a、17
b、17cの各々の電流値によって電子的なレンズが複
数生成されることで各々制御され、電子ビームの焦点位
置が制御される。
【0089】測定装置80は、基材2に対してレーザー
を照射することで基材2を測定する第1のレーザー測長
器82と、第1のレーザー測長器82にて発光されたレ
ーザー光(第1の照射光)が基材2を反射し当該反射光
を受光する第1の受光部84と、前記第1のレーザー測
長器82とは異なる照射角度から照射を行う第2のレー
ザー測長器86と、前記第2のレーザー測長器86にて
発光されたレーザー光(第2の照射光)が基材2を反射
し当該反射光を受光する第2の受光部88と、を含んで
構成されている。なお、本例の第1のレーザー測長器と
第1の受光部とで「第1の光学系」を構成し、第2のレ
ーザー測長器と第2の受光部とで「第2の光学系」を構
成している。
【0090】ステージ駆動手段50は、XYZステージ
30をX方向に駆動するX方向駆動機構52と、XYZ
ステージ30をY方向に駆動するY方向駆動機構54
と、XYZステージ30をZ方向に駆動するZ方向駆動
機構56と、XYZステージ30をθ方向に駆動するθ
方向駆動機構58と、を含んで構成されている。これに
よって、XYZステージ30を3次元的に動作させた
り、アライメントを行うことができる。
【0091】制御回路100は、電子銃12に電源を供
給するための電子銃電源部102と、この電子銃電源部
102での電流、電圧などを調整制御する電子銃制御部
104と、電子レンズ16(複数の各電子的なレンズを
各々)を動作させるためのレンズ電源部106と、この
レンズ電源部106での各電子レンズに対応する各電流
を調整制御するレンズ制御部108と、を含んで構成さ
れる。
【0092】さらに、制御回路100は、補正用コイル
22を制御するためのコイル制御部110と、偏向器2
0にて成形方向の偏向を行う成形偏向部112aと、偏
向器20にて副走査方向の偏向を行うための副偏向部1
12bと、偏向器20にて主走査方向の偏向を行うため
の主偏向部112cと、成形偏向部112aを制御する
ためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高速
D/A変換器114aと、副偏向部112bを制御する
ためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高速
D/A変換器114bと、主偏向部112cを制御する
ためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高精
度D/A変換器114cと、を含んで構成される。
【0093】さらに、制御回路100は、偏向器20に
おける位置誤差を補正する、乃ち、位置誤差補正信号な
どを各高速D/A変換器114a、114b、及び高精
度D/A変換器114cに対して供給して位置誤差補正
を促すあるいはコイル制御部110に対して当該信号を
供給することで補正用コイル22にて位置誤差補正を行
う位置誤差補正回路116と、これら位置誤差補正回路
116並びに各高速D/A変換器114a、114b及
び高精度D/A変換器114cを制御して電子ビームの
電界を制御する電界制御手段である電界制御回路118
と、描画パターンなどを前記基材2に対して生成するた
めのパターン発生回路120と、を含んで構成される。
【0094】またさらに、制御回路100は、第1のレ
ーザー測長器82を上下左右に移動させることによるレ
ーザー照射位置の移動及びレーザー照射角の角度等の駆
動制御を行う第1のレ−ザー駆動制御回路130と、第
2のレーザー測長器86を上下左右に移動させることに
よるレーザー照射位置の移動及びレーザー照射角の角度
等の駆動制御を行う第2のレ−ザー駆動制御回路132
と、第1のレーザー測長器82でのレーザー照射光の出
力(レーザーの光強度)を調整制御するための第1のレ
ーザー出力制御回路134と、第2のレーザー測長器8
6でのレーザー照射光の出力を調整制御するための第2
のレーザー出力制御回路136と、第1の受光部84で
の受光結果に基づき、測定結果を算出するための第1の
測定算出部140と、第2の受光部88での受光結果に
基づき、測定結果を算出するための第2の測定算出部1
42と、を含んで構成される。
【0095】さらにまた、制御回路100は、ステージ
駆動手段50を制御するためのステージ制御回路150
と、ローダ駆動装置60を制御するローダ制御回路15
2と、上述の第1、第2のレーザー駆動回路130、1
32・第1、第2のレーザー出力制御回路134、13
6・第1、第2の測定算出部140、142・ステージ
制御回路150・ローダ制御回路152を制御する機構
制御回路154と、真空排気装置70の真空排気を制御
する真空排気制御回路156と、測定情報を入力するた
めの測定情報入力部158と、入力された情報や他の複
数の情報を記憶するための記憶手段であるメモリ160
と、各種制御を行うための制御プログラムを記憶したプ
ログラムメモリ162と、後述する描画ラインを走査す
るための制御系300と、これらの各部の制御を司る例
えばCPUなどにて形成された制御部170と、を含ん
で構成されている。
【0096】なお、本例の第1の測定算出部と第2の測
定算出部とで、「測定算出手段」を構成できる。
【0097】上述のような構成を有する電子ビーム描画
装置1において、ローダ40によって搬送された基材2
がXYZステージ30上に載置されると、真空排気装置
70によって鏡筒10及び筐体11内の空気やダストな
どを排気したした後、電子銃12から電子ビームが照射
される。
【0098】電子銃12から照射された電子ビームは、
電子レンズ16を介して偏向器20により偏向され、偏
向された電子ビームB(以下、この電子レンズ16を通
過後の偏向制御された電子ビームに関してのみ「電子ビ
ームB」と符号を付与することがある)は、XYZステ
ージ30上の基材2の表面、例えば曲面部(曲面)2a
上の描画位置に対して照射されることで描画が行われ
る。
【0099】この際に、測定装置80によって、基材2
上の描画位置(描画位置のうち少なくとも高さ位置)、
もしくは後述するような基準点の位置が測定され、制御
回路100は、当該測定結果に基づき、電子レンズ16
のコイル17a、17b、17cなどに流れる各電流値
などを調整制御して、電子ビームBの焦点深度の位置、
すなわち焦点位置を制御し、当該焦点位置が前記描画位
置となるように移動制御される。
【0100】あるいは、測定結果に基づき、制御回路1
00は、ステージ駆動手段50を制御することにより、
前記電子ビームBの焦点位置が前記描画位置となるよう
にXYZステージ30を移動させる。
【0101】また、本例においては、電子ビームの制
御、XYZステージ30の制御のいずれか一方の制御に
よって行っても、双方を利用して行ってもよい。
【0102】(測定装置)次に、測定装置80につい
て、図8を参照しつつ説明する。測定装置80は、より
詳細には、図8に示すように、第1のレーザー測長器8
2、第1の受光部84、第2のレーザー測長器86、第
2の受光部88などを有する。
【0103】第1のレーザー測長器82により電子ビー
ムと交差する方向から基材2に対して第1の光ビームS
1を照射し、基材2を透過する第1の光ビームS1の受
光によって、第1の光強度分布が検出される。
【0104】この際に、図8に示すように、第1の光ビ
ームS1は、基材2の底部2cにて反射されるため、第
1の強度分布に基づき、基材2の平坦部2b上の(高
さ)位置が測定算出されることになる。しかし、この場
合には、基材2の曲面部2a上の(高さ)位置を測定す
ることができない。
【0105】そこで、本例においては、さらに第2のレ
ーザー測長器86を設けている。すなわち、第2のレー
ザー測長器86によって、第1の光ビームS1と異なる
電子ビームとほぼ直交する方向から基材2に対して第2
の光ビームS2を照射し、基材2を透過する第2の光ビ
ームS2が第2の受光部88に含まれるピンホール84
を介して受光されることによって、第2の光強度分布が
検出される。
【0106】この場合、図9(A)〜(C)に示すよう
に、第2の光ビームS2が曲面部2a上を透過すること
となるので、前記第2の強度分布に基づき、基材2の平
坦部2bより突出する曲面部2a上の(高さ)位置を測
定算出することができる。
【0107】具体的には、第2の光ビームS2がXY基
準座標系における曲面部2a上のある位置(x、y)の
特定の高さを透過すると、この位置(x、y)におい
て、図6(A)〜(C)に示すように、第2の光ビーム
S2が曲面部2aの曲面にて当たることにより散乱光S
S1、SS2が生じ、この散乱光分の光強度が弱まるこ
ととなる。このようにして、図10に示すように、第2
の受光部88にて検出された第2の光強度分布に基づ
き、位置が測定算出される。
【0108】この算出の際には、図10に示すように、
第2の受光部88の信号出力Opは、図11に示す特性
図のような、信号出力Opと基材の高さとの相関関係を
有するので、制御回路100のメモリ160などにこの
特性、すなわち相関関係を示した相関テーブルを予め格
納しておくことにより、第2の受光部88での信号出力
Opに基づき、基材の高さ位置を算出することができ
る。
【0109】そして、この基材の高さ位置を、例えば描
画位置として、前記電子ビームの焦点位置の調整が行わ
れ描画が行われることとなる。
【0110】(描画位置算出の原理の概要)次に、本例
の特徴である電子ビーム描画装置1における、描画を行
う場合の原理の概要について、説明する。
【0111】先ず、基材2は、図7(A)(B)に示す
ように、例えば樹脂等による光学素子例えば光レンズ等
にて形成されることが好ましく、断面略平板状の平坦部
2bと、この平坦部2bより突出形成された曲面をなす
曲面部2aと、を含んで構成されている。この曲面部2
aの曲面は、球面に限らず、非球面などの他のあらゆる
高さ方向に変化を有する自由曲面であってよい。
【0112】このような基材2において、予め基材2を
XYZステージ30上に載置する前に、基材2上の複数
例えば3個の基準点P00、P01、P02を決定して
この位置を測定しておく(第1の測定)。これによっ
て、例えば、基準点P00とP01によりX軸、基準点
P00とP02によりY軸が定義され、3次元座標系に
おける第1の基準座標系が算出される。ここで、第1の
基準座標系における高さ位置をHo(x、y)(第1の
高さ位置)とする。これによって、基材2の厚み分布の
算出を行うことができる。
【0113】一方、基材2をXYZステージ30上に載
置した後も、同様の処理を行う。すなわち、図7(A)
に示すように、基材2上の複数例えば3個の基準点P1
0、P11、P12を決定してこの位置を測定しておく
(第2の測定)。これによって、例えば、基準点P10
とP11によりX軸、基準点P10とP12によりY軸
が定義され、3次元座標系における第2の基準座標系が
算出される。
【0114】さらに、これらの基準点P00、P01、
P02、P10、P11、P12により第1の基準座標
系を第2の基準座標系に変換するための座標変換行列な
どを算出して、この座標変換行列を利用して、第2の基
準座標系における前記Ho(x、y)に対応する高さ位
置Hp(x、y)(第2の高さ位置)を算出して、この
位置を最適フォーカス位置、すなわち描画位置として電
子ビームの焦点位置が合わされるべき位置とすることと
なる。これにより、上述の基材2の厚み分布の補正を行
うことができる。
【0115】なお、上述の第2の測定は、電子ビーム描
画装置1の第1の測定手段である測定装置80を用いて
測定することができる。
【0116】そして、第1の測定は、予め別の場所にお
いて他の測定装置を用いて測定しおく必要がある。この
ような、基材2をXYZステージ30上に載置する前に
予め基準点を測定するための測定装置としては、上述の
測定装置80と全く同様の構成の測定装置200(第2
の測定手段)を採用することができる。
【0117】この場合、測定装置からの測定結果は、例
えば図6に示す測定情報入力部158にて入力された
り、制御回路100と接続される不図示のネットワーク
を介してデータ転送されて、メモリ160などに格納さ
れることとなる。もちろん、この測定装置が不要となる
場合も考えられる。
【0118】上記のようにして、描画位置が算出され
て、電子ビームの焦点位置が制御されて描画が行われる
こととなる。
【0119】具体的には、図7(C)に示すように、電
子ビームの焦点深度FZ(ビームウエストBW)の焦点
位置を、3次元基準座標系における単位空間の1フィー
ルド(m=1)内の描画位置に調整制御する。(この制
御は、上述したように、電子レンズ16による電流値の
調整もしくはXYZステージ30の駆動制御のいずれか
一方又は双方によって行われる。)なお、本例において
は、1フィールドの高さ分を焦点深度FZより長くなる
ように、フィールドを設定してあるがこれに限定される
ものではない。ここで、焦点深度FZとは、図12に示
すように、電子レンズ16を介して照射される電子ビー
ムBにおいて、ビームウエストBWが有効な範囲の高さ
を示す。なお、電子ビームBの場合、図12に示すよう
に、電子レンズ16の幅D、電子レンズ16よりビーム
ウエスト(ビーム径の最も細い所)BWまでの深さfと
すると、D/fは、0.01程度であり、例えば50n
m程度の解像度を有し、焦点深度は例えば数十μ程度あ
る。
【0120】そして、図7(C)に示すように、例えば
1フィールド内をY方向にシフトしつつ順次X方向に走
査することにより、1フィールド内の描画が行われるこ
ととなる。さらに、1フィールド内において、描画され
ていない領域があれば、当該領域についても、上述の焦
点位置の制御を行いつつZ方向に移動し、同様の走査に
よる描画処理を行うこととなる。
【0121】次に、1フィールド内の描画が行われた
後、他のフィールド、例えばm=2のフィールド、m=
3のフィールドにおいても、上述同様に、測定や描画位
置の算出を行いつつ描画処理がリアルタイムで行われる
こととなる。このようにして、描画されるべき描画領域
について全ての描画が終了すると、基材2の表面におけ
る描画処理が終了することとなる。
【0122】なお、本例では、この描画領域を被描画層
とし、この被描画層における曲面部2aの表面の曲面に
該当する部分を被描画面としている。
【0123】さらに、上述のような各種演算処理、測定
処理、制御処理などの処理を行う処理プログラムは、プ
ログラムメモリ162に予め制御プログラムとして格納
されることとなる。
【0124】(ドーズ分布)図13には、所望のドーズ
分布にて描画するための電子ビーム描画装置の制御系の
機能ブロック図が開示されている。
【0125】同図に示すように、電子ビーム描画装置1
のメモリ160には、形状記憶テーブル161を有し、
この形状記憶テーブル161には、例えば基材2の曲面
部2aに回折格子を傾けて各ピッチ毎に形成する際の走
査位置に対するドーズ量分布を予め定義したドーズ分布
の特性などに関するドーズ分布情報161a、各ピッチ
毎に表面反射防止用の凹凸を形成する際に、当該凹凸部
分のドーズ量に関するドーズ分布情報161b、ドーズ
分布を補正演算したドーズ分布補正演算情報161c、
その他の情報161dなどが格納されている。なお、ド
ーズ分布補正演算情報161cとは、ドーズ量などを算
出するためのもととなるテーブルないしは演算情報であ
る。
【0126】また、プログラムメモリ162には、これ
らの処理を行う処理プログラム163a(より詳細に
は、例えば後述する図15〜図17のS101〜S11
8までの一連の処理など)、前記ドーズ分布情報161
a、161bやドーズ分布補正演算情報161cなどの
情報をもとに、曲面部2a上の所定の傾斜角度における
ドーズ分布特性など演算により算出するためのドーズ分
布演算プログラム163b、その他の処理プログラム1
63cなどを有している。なお、本実施の形態のメモリ
160にて「格納手段」を構成でき、また、本実施の形
態のプログラムメモリ162と制御部170とで本発明
の「制御手段」を構成できる。
【0127】この際、格納手段は、第2の基材の曲面部
上に回折格子構造を形成する際に、曲面部上の傾斜位置
に応じて傾斜する回折格子の各ピッチ部分のドーズ量を
加味した走査位置に対するドーズ量分布を予め定義した
ドーズ分布の特性を格納している。
【0128】また、制御手段は、第1の基材に曲面部並
びに偏光分離構造を描画する場合には、測定手段にて測
定された描画位置に基づき、電子レンズの電流値を調整
して電子ビームの焦点位置を描画位置に応じて可変制御
し、第2の基材に曲面部並びに回折格子構造を描画する
場合には、測定手段にて測定された描画位置に基づき、
電子レンズの電流値を調整して前記電子ビームの焦点位
置を描画位置に応じて可変制御するとともに、焦点位置
における焦点深度内について、格納手段の前記ドーズ分
布の特性に基づいて、当該ドーズ量を算出しつつ前記基
材の曲面部上並びに偏光分離構造部分の描画を行うよう
に制御する。これにより、第1、第2の基材を各々独立
して描画し、描画後の工程にて前記第1、第2の基材を
1つの基材として生成することができる。
【0129】なお、第1の基材上に複屈折位相構造を形
成し、第2の基材上に回折格子構造を形成する場合も同
様である。
【0130】さらに、制御手段は、ドーズ分布の特性に
基づいて、当該ドーズ量を算出しつつ前記基材並びに凹
凸部分の描画を行うように制御する。あるいは、曲面部
に回折格子の少なくとも1ピッチ部分を傾けて形成する
際に、当該部分のドーズ量を加味した走査位置に対する
ドーズ量分布を予め定義したドーズ分布の特性に基づい
て、当該ドーズ量を算出しつつ前記基材の曲面部並びに
凹凸部分の描画を行うように制御する。
【0131】さらに、制御手段は、測定手段にて測定さ
れた描画位置に基づき、電子レンズの電流値を調整して
前記電子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変
制御するとともに、前記焦点位置における焦点深度内に
ついて、ドーズ分布の特性に基づいて、当該ドーズ量を
算出しつつ前記基材の描画を行うように制御する。
【0132】また、制御手段は、測定手段にて測定され
た描画位置に基づき、駆動手段により載置台を昇降させ
て、電子ビーム照射手段にて照射された電子ビームの焦
点位置を前記描画位置に応じて可変制御するとともに、
前記焦点位置における焦点深度内について、前記格納手
段の前記ドーズ分布の特性に基づいて、当該ドーズ量を
算出しつつ前記基材の描画を行うように制御する。
【0133】なおまた、この実施形態においては、ドー
ズ分布を曲面部2a上の傾斜角度に応じて各々算出する
構成としたが、予めある程度の数のものを算出しておい
てテーブル化し、当該テーブルを参照することによって
ドーズ量Dを抽出する構成であってももちろんよい。
【0134】このような構成を有する制御系において、
ドーズ分布情報は予めメモリ160の形状記憶テーブル
161などに格納され、処理プログラム163aに基づ
いて、描画時に当該ドーズ分布情報を抽出し、そのドー
ズ分布情報によって種々の描画が行われることとなる。
【0135】あるいは、制御部170は、処理プログラ
ム163aにより所定の描画アルゴリズムを実行しつ
つ、ドーズ量を算出するルーチンに至ると、ドーズ分布
演算プログラム163bを実行し、傾斜角度に応じたド
ーズ分布を算出するためのある程度の基本的情報、すな
わち、ドーズ分布情報161a、161b、ドーズ分布
補正演算情報161cなど格納したテーブルを参照しつ
つ、対応するドーズ分布特性情報を算出したのち、この
算出したドーズ分布特性情報を前記メモリ160の所定
の一時記憶領域に格納し、そのドーズ分布特性情報を参
照しつつドーズ量を算出して描画を行うといった手法で
あってもよい。
【0136】(制御系の具体的構成)次に、前記円描画
を正多角形で近似して直線的に走査する場合の各種処理
を行なうための制御系の具体的構成について、図14を
参照しつつ説明する。図10には、本実施の形態の電子
ビーム描画装置の制御系の詳細な構成が開示されてい
る。
【0137】電子ビーム描画装置の制御系300は、図
14に示すように、例えば円描画時に正多角形(不定多
角形を含む)に近似するのに必要な(円の半径に応じ
た)種々のデータ(例えば、ある一つの半径kmmの円
について、その多角形による分割数n、各辺の位置各点
位置の座標情報並びにクロック数の倍数値、さらにはZ
方向の位置などの各円に応じた情報等)、さらには円描
画に限らず種々の曲線を描画する際に直線近似するのに
必要な種々のデータ、各種描画パターン(矩形、三角
形、多角形、縦線、横線、斜線、円板、円周、三角周、
円弧、扇形、楕円等)に関するデータを記憶する描画パ
ターン記憶手段である描画パターンデータメモリ301
と、を含んで構成される。
【0138】また、制御系300は、前記描画パターン
データメモリ301の描画パターンデータに基づいて、
描画条件の演算を行う描画条件演算手段310と、前記
描画条件演算手段310から(2n+1)ライン((n
=0、1、2・・)である場合は(2n+1)である
が、(n=1、2、・・)である場合は(2n−1)と
してもよい)乃ち奇数ラインの描画条件を演算する(2
n+1)ライン描画条件演算手段311と、(2n+
1)ライン描画条件演算手段311に基づいて1ライン
の時定数を設定する時定数設定回路312と、(2n+
1)ライン描画条件演算手段311に基づいて1ライン
の始点並びに終点の電圧を設定する始点/終点電圧設定
回路313と、(2n+1)ライン描画条件演算手段3
11に基づいてカウンタ数を設定するカウンタ数設定回
路314と、(2n+1)ライン描画条件演算手段31
1に基づいてイネーブル信号を生成するイネーブル信号
生成回路315と、奇数ラインの偏向信号を出力するた
めの偏向信号出力回路320と、を含んで構成されてい
る。
【0139】さらに、制御系300は、前記描画条件演
算手段310から(2n)ライン乃ち偶数ラインの描画
条件を演算する(2n)ライン描画条件演算手段331
と、(2n)ライン描画条件演算手段331に基づいて
1ラインの時定数を設定する時定数設定回路332と、
(2n)ライン描画条件演算手段331に基づいて1ラ
インの始点並びに終点の電圧を設定する始点/終点電圧
設定回路333と、(2n)ライン描画条件演算手段3
31に基づいてカウンタ数を設定するカウンタ数設定回
路334と、(2n)ライン描画条件演算手段331に
基づいてイネーブル信号を生成するイネーブル信号生成
回路335と、偶数ラインの偏向信号を出力するための
偏向信号出力回路340と、(2n)ライン描画条件演
算手段310に基づいて、次の等高線に移動するときな
どにブランキングを行うブランキングアンプ350と、
描画条件演算手段310での描画条件と、奇数ラインの
偏向信号出力回路320並びに偶数ラインの偏向信号出
力回路340からの情報とに基づいて、奇数ラインの処
理と偶数ラインの処理とを切り換える切換回路360
と、を含んで構成されている。
【0140】奇数ラインの偏向信号出力回路320は、
走査クロックCL1と、カウンタ数設定回路314から
の奇数ラインカウント信号CL6と、イネーブル信号発
生回路315のイネーブル信号とに基づいてカウント処
理を行う計数手段であるカウンタ回路321と、カウン
タ回路321からのカウントタイミングと、始点/終点
電圧設定回路313での奇数ライン描画条件信号CL3
とに基づいて、DA変換を行うDA変換回路322と、
このDA変換回路322にて変換されたアナログ信号を
平滑化する処理(偏向信号の高周波成分を除去する等の
処理)を行う平滑化回路323と、を含んで構成され
る。
【0141】偶数ラインの偏向信号出力回路340は、
走査クロックCL1と、カウンタ数設定回路334から
の偶数ラインカウント信号CL7と、イネーブル信号発
生回路335のイネーブル信号とに基づいてカウント処
理を行う計数手段であるカウンタ回路341と、カウン
タ回路341からのカウントタイミングと、始点/終点
電圧設定回路333での偶数ライン描画条件信号CL5
とに基づいて、DA変換を行うDA変換回路342と、
このDA変換回路342にて変換されたアナログ信号を
平滑化する処理を行う平滑化回路343と、を含んで構
成される。
【0142】なお、これらの制御系300を構成する各
部は、いずれも図6に示すCPU等の制御部170(制
御手段)にて制御可能な構成としている。また、これら
制御系300は、X偏向用の制御系とY偏向用の制御系
を各々形成する構成としてもよい。
【0143】またなお、本実施形態の描画パターンデー
タメモリ310と描画条件演算手段310などを含む制
御系300で、「演算手段」を構成できる。この「演算
手段」は、走査される走査ライン上に、DA変換器の最
小時間分解能の整数倍の時間に対応する距離に相当する
少なくとも2点の各位置を演算する機能を有する。この
場合、制御部170の「制御手段」は、前記演算手段に
て演算された各位置間を前記電子ビームによりほぼ直線
的に走査するように制御することとなる。また、同様に
して、本発明の他の態様の「演算手段」では、略円状に
走査される走査ライン上に、DA変換器の最小時間分解
能の整数倍の時間に対応する距離を一辺とする多角形の
各頂点位置を算出する機能を有する。また、制御手段
は、演算手段にて演算された各位置間を前記電子ビーム
によりほぼ直線的に走査するのは同様である。
【0144】上記のような構成を有する制御系300
は、概略次のように作用する。すなわち、描画条件演算
手段310が描画パターンデータメモリ301から直線
近似による走査(描画)に必要な情報を取得すると、所
定の描画条件の演算処理を行ない、例えば一つの円に対
して正多角形の各辺に近似された場合の各辺のうち最初
の辺、奇数番目のラインに関する情報は、(2n+1)
ライン描画条件演算手段311へ、次の辺、偶数番目の
ラインに関する情報は、(2n)ライン描画条件演算手
段331へ各々伝達される。
【0145】これにより、例えば、(2n+1)ライン
描画条件演算手段311は、奇数ラインに関する描画条
件を生成し、走査クロックCL1と生成された奇数ライ
ン描画条件生成信号CL2とに基づいて、偏向信号出力
回路320から奇数ライン偏向信号CL9を出力する。
【0146】一方、例えば、(2n)ライン描画条件演
算手段331は、偶数ラインに関する描画条件を生成
し、走査クロックCL1と生成された偶数ライン描画条
件生成信号CL4とに基づいて、偏向信号出力回路34
0から偶数ライン偏向信号CL10を出力する。
【0147】これら奇数ライン偏向信号CL9と偶数ラ
イン偏向信号CL10は、描画条件演算手段310のも
とに切換回路360によって、その出力が交互に切り換
わる。したがって、ある一の円について、正多角形に近
似され、各辺が算出されると、ある一つの辺、奇数番目
の辺が描画されると、次の辺、偶数番目の辺が描画さ
れ、さらに次ぎの辺、奇数番目の辺が描画される、とい
う具合に交互に各辺が直線的に描画(走査)されること
となる。
【0148】そして、ある一の円について描画が終了す
ると、描画条件演算手段310は、その旨をブランキン
グアンプ350に伝達し、他の次の円を描画するように
促す処理を行なう。このようにして、各円について多角
形で近似した描画を行うこととなる。
【0149】(処理手順について)次に、上述のような
構成を有する基材を、3次元的に描画可能な電子ビーム
描画装置を用いて作成する際の処理手順について、図1
6〜図18を参照しつつ説明する。
【0150】先ず、母型材(基材)をSPDT(Sin
gle Point Diamond Turnin
g:超精密加工機によるダイアモンド切削)により非球
面の加工を行う際に、同心円マークの同時加工を実施す
る(ステップ、以下「S」101)。この際、光学顕微
鏡で、例えば±1μ以内の検出精度の形状が形成される
ことが好ましい。
【0151】次に、FIBにて例えば3箇所にアライメ
ントマークを付ける(S102)。ここに、十字形状の
アライメントマークは、電子ビーム描画装置内で±20
nm以内の検出精度を有することが好ましい。
【0152】さらに、前記アライメントマークの、同心
円マークとの相対位置を光学顕微鏡にて観察し、非球面
構造の中心に対する位置を測定し、データベース(D
B)(ないしはメモリ(以下、同))へ記録しておく
(S103)。なお、この測定精度は、±1μ以内であ
ることが好ましく、中心基準とした3つのアライメント
マークの位置、x1y1、x2y2、x3y3をデータ
ベース(DB)へ登録する。
【0153】また、レジスト塗布/ベーキング後の母型
(基材)の各部の高さとアライメントマークの位置(X
n、Yn、Zn)を測定しておく(S104)。ここ
で、中心基準で補正した母型(基材):位置テーブルT
bl1(OX、OY、OZ)、アライメントマーク:O
A(Xn、Yn、Zn)(いずれも3*3行列)を、デ
ータベース(DB)へ登録する。
【0154】次に、斜面測定用の測定装置(高さ検出
器)の測定ビームの位置に電子線のビームをフォーカス
しておく等その他各種準備処理を行う(S105)。
【0155】この際、ステージ上に取り付けたEB(電
子ビーム)フォーカス用針状の較正器に高さ検出用の測
定ビームを投射すると共に、SEMモードにて電子ビー
ム描画装置で観察し、フォーカスを合わせる。
【0156】次いで、母型(基材)を電子ビーム描画装
置内へセットし、アライメントマークを読み取る(XX
n、YYn、ZZn)(S106)。この際に、電子ビ
ーム描画装置内においては、S106に示されるような
各値をデータベース(DB)に登録することとなる。
【0157】さらに、母型(基材)の形状から、最適な
フィールド位置を決定する(S107)。ここで、フィ
ールドは同心円の扇型に配分するフィールド同士は、若
干重なりを持たせる。そして、中央で第一輪帯内はフィ
ールド配分しない。
【0158】そして、各フィールドについて、隣のフィ
ールドのつなぎアドレスの計算を行う(S108)。こ
の計算は平面として計算を行う。なお、多角形の1つの
線分は、同一フィールド内に納める。ここに、「多角
形」とは、上述の制御系の項目で説明したように、円描
画を所定のn角形で近似した場合の少なくとも1本の描
画ラインをいう。
【0159】次に、対象とするフィールドについて、焦
点深度領域の区分として、同一ラインは、同じ区分に入
るようにする。また、フィールドの中央は、焦点深度区
分の高さ中心となる(S109)。ここに、高さ50μ
以内は、同一焦点深度範囲とする。
【0160】次いで、対象とするフィールドについて、
同一焦点深度領域内での(x、y)アドレスの変換マト
リクス(Xc、Yc)を算出する(S110)。このX
c、Ycは各々図示の式(16)の通りとなる。
【0161】さらに、対象とするフィールドについて、
となりとのつなぎアドレスを換算する(S111)。こ
こで、S108にて算出したつなぎ位置をS110の式
(16)を用いて換算する。
【0162】そして、対象とするフィールドについて、
中心にXYZステージを移動し、高さをEB(電子ビー
ム)のフォーカス位置に設定する(S112)。つま
り、XYZステージにてフィールド中心にセットする。
また、測定装置(高さ検出器)の信号を検出しながら、
XYZステージを移動し、高さ位置を読み取る。
【0163】また、対象とするフィールドについて、一
番外側(m番目)の同一焦点深度内領域の高さ中心に電
子ビーム(EB)のフォーカス位置に合わせる(S11
3)。具体的には、テーブルBを参照し、XYZステー
ジを所定量フィールド中心の高さ位置との差分を移動す
る。
【0164】次に、対象とする同一焦点深度内につい
て、一番外側(n番目)のラインのドーズ量及び多角形
の始点、終点の計算をする。そして、一定のドーズにて
描画することとなる(S114)。フィールドの同一焦
点内の領域と描画すべき線分は、S114中に示される
通りである。そして、上記S113からS114を規定
回数実施する(S116)。
【0165】次に、XYZステージの移動、次のフィー
ルドの描画を行う準備を行う(S117)。この際、フ
ィールド番号、時間、温度などデータベース(DB)へ
の登録を行う。
【0166】このようにして、前記S109からS11
7を規定回数実施する(S118)ことで、電子ビーム
により曲面部に偏光分離構造を有する基材、ないしは、
複屈折位相構造を有する基材の形成を行うことができ
る。
【0167】以上のように本実施の形態によれば、3次
元的な描画で曲面部を描画する際にあわせ、サブ波長オ
ーダーの凹凸による周期構造を描画し、前記基材に偏光
分離構造を形成することにより、最終的に、一面に偏光
分離構造を備えた光レンズなどを形成することも可能と
なることから、従来の偏光分離素子に変えて各種機器に
適用することもできよう。
【0168】前記基材に基づいて金型を構成することに
より、射出成形による最終成形品として偏光分離構造を
有した素子を、順次量産できるからである。従って、従
来のように、偏光分離素子を一つ一つ形成する際の各プ
ロセスにおける手間、時間を鑑みると、製造コストの大
幅な低減並びに生産性の向上を図ることができる。
【0169】また、前記基材に複屈折位相構造を形成す
ることにより、最終的に、一面に複屈折位相構造たる波
長板機能を備えた光レンズなどを形成することも可能と
なることから、従来の波長板に変えて各種機器に適用す
ることもできよう。
【0170】前記基材に基づいて金型を構成することに
より、射出成形による最終成形品として波長板機能を有
した素子を、順次量産できるからである。従って、従来
のように、波長板を一つ一つ形成する際の各プロセスに
おける手間、時間を鑑みると、製造コストの大幅な低減
並びに生産性の向上を図ることができる。
【0171】[第2の実施の形態]次に、本発明にかか
る第2の実施の形態について、図18〜図19に基づい
て説明する。なお、以下には、前記第1の実施の形態の
実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部
分についてのみ述べる。
【0172】上述の第1の実施の形態では、電子ビーム
により基材上に偏光分離構造などの精密加工を施す工程
を開示したが、本実施の形態では、上記工程を含むプロ
セス全体の工程、特に、光学素子等の光レンズを射出成
形によって製造するための金型等を製造する工程を説明
する。
【0173】先ず、機械加工により金型(無電解ニッケ
ル等)の非球面加工を行う(加工工程)。次に、図18
(A)に示すように、金型により前記半球面を有する基
材200の樹脂成形を行う(樹脂成形工程)。さらに、
基材200を洗浄した後に乾燥を行う。
【0174】次いで、樹脂の基材200の表面上の処理
を行う(樹脂表面処理工程)。具体的には、図18
(B)に示すように、基材200の位置決めを行い、塗
布材であるレジストLを滴下しつつスピナーを回転させ
て、スピンコートを行う。また、プリペークなども行
う。
【0175】スピンコーティングの後には、当該レジス
ト膜の膜厚測定を行い、レジスト膜の評価を行う(レジ
スト膜評価工程)。そして、図18(C)に示すよう
に、基材200の位置決めを行い、当該基材200を
X、Y、Z軸にて各々制御しつつ前記第1の実施の形態
のように3次元の電子ビームにより偏光分離構造202
を有する曲面部の描画を行う(描画工程)。
【0176】次に、基材200上のレジスト膜Lの表面
平滑化処理を行う(表面平滑化工程)。さらに、図18
(D)に示すように、基材200の位置決めなどを行い
つつ、現像処理を行う(現像工程)。さらにまた、表面
硬化処理を行う。
【0177】次いで、SEM観察や膜厚測定器などによ
り、レジスト形状を評価する工程を行う(レジスト形状
評価工程)。さらに、その後、ドライエッチングなどに
よりエッチング処理を行う。
【0178】この際、偏光分離構造202のJ部を拡大
すると、凸部202aと凹部202bとを有し、さらに
F部を拡大した図においては、偏光分離構造202の凸
部202aは、第1の幅d1を有する第1の凸部202
aaと、前記第1の幅d1と異なる第2の幅d2を有す
る第2の凸部202abを有し、第1、第2の凸部20
2aa、202abとが間隔をおいて複数形成される。
そして、第1の凸部202aa、第2の凸部202ab
の間には、幅狭の第1の凹部202ba、幅広の第2の
凹部202bbが形成され、この第1、第2の凹部20
2ba、202bbとで凹部202bを構成する。
【0179】次に、表面処理がなされた基材200に対
する金型204を作成するために、図19(A)に示す
ように、金型電鋳前処理を行った後、電鋳処理などを行
い、図19(B)に示すように、基材200と金型20
4とを剥離する処理を行う。
【0180】表面処理がなされた基材と剥離した金型2
04に対して、表面処理を行う(金型表面処理工程)。
そして、金型204の評価を行う。
【0181】この際、金型204には、K部を拡大して
示すと、前記基材200の凸部、凹部に対応するよう
に、凹部205a、凸部205bからなる構造205が
形成されることとなる。
【0182】このようにして、評価後、当該金型204
を用いて、図19に示すように、射出成形により成形品
を作成する。その後、当該成形品の評価を行う。
【0183】この際、図19(C)に示すように、射出
成形品210には、前記第1の実施の形態の基材同様の
構成が完成され、曲面部上に複数の非対称の凹凸からな
る偏光分離構造212が形成される。そして、J部を拡
大して示すと、凸部212aと凹部212bとを有し、
さらにF部を拡大した図においては、偏光分離構造21
2の凸部212aは、第1の幅d1を有する第1の凸部
212aaと、前記第1の幅d1と異なる第2の幅d2
を有する第2の凸部212abを有し、第1、第2の凸
部212aa、212abとが間隔をおいて複数形成さ
れる。そして、第1の凸部212aa、第2の凸部21
2abの間には、幅狭の第1の凹部212ba、幅広の
第2の凹部212bbが形成され、この第1、第2の凹
部212ba、212bbとで凹部212bを構成す
る。
【0184】以上のように、本実施の形態によれば、前
記第1の実施の形態の基材として光学素子(例えばレン
ズ)を形成する場合に、3次元描画装置を用いて曲面部
を描画する際にあわせ、サブ波長オーダーの凹凸からな
る偏光分離構造を描画し、金型形状として偏光分離構造
を成形させる様にし、当該光学素子を金型を用いて射出
成形により製造できるため、製造にかかるコストダウン
を図ることができる。
【0185】また、金型として偏光分離機能を持った構
造を附加することにより、レンズを射出成形する際に、
同時に機能附加でき、プロセスの追加の必要がない。こ
のため、金型自体のコストアップ、ショット可能数(1
00万回程度)が増大するものの、従来のように偏光分
離素子たる偏光ビームスプリッタ等の基材1つ1つにプ
ロセスを実施する場合に比べると大幅なコストダウン、
工数の低減を図ることができる。
【0186】さらに、プラスチックレンズの射出成型の
過程で、偏光分離構造を同時に作り込むことができるの
で、偏光分離素子の作成工程が不要になり、光学部品の
低コスト化につながる。
【0187】特に、曲面部構造を持たない、射出成形で
作成されるレンズにも適用でき、各種のステップを除く
ことにより、大幅なコスト低減を行うことが可能であ
る。
【0188】[第3の実施の形態]次に、本発明にかか
る第3の実施の形態について、図20〜図21に基づい
て説明する。上記第2の実施の形態では、偏光分離構造
を有する基材に関するプロセス全体の工程について説明
したが、本実施の形態では、複屈折位相構造たる波長板
の機能を有する基材に関するプロセス全体の工程、特
に、光学素子等の光レンズを射出成形によって製造する
ための金型等を製造する工程を説明する。
【0189】先ず、機械加工により金型(無電解ニッケ
ル等)の非球面加工を行う(加工工程)。次に、図20
(A)に示すように、金型により前記半球面を有する基
材220の樹脂成形を行う(樹脂成形工程)。さらに、
基材220を洗浄した後に乾燥を行う。
【0190】次いで、樹脂の基材220の表面上の処理
を行う(樹脂表面処理工程)。具体的には、図20
(B)に示すように、基材220の位置決めを行い、塗
布材であるレジストLを滴下しつつスピナーを回転させ
て、スピンコートを行う。また、プリペークなども行
う。
【0191】スピンコーティングの後には、当該レジス
ト膜の膜厚測定を行い、レジスト膜の評価を行う(レジ
スト膜評価工程)。そして、図20(C)に示すよう
に、基材220の位置決めを行い、当該基材220を
X、Y、Z軸にて各々制御しつつ前記第1の実施の形態
のように3次元の電子ビームにより複屈折位相構造22
2を有する曲面部の描画を行う(描画工程)。
【0192】次に、基材220上のレジスト膜Lの表面
平滑化処理を行う(表面平滑化工程)。さらに、図20
(D)に示すように、基材220の位置決めなどを行い
つつ、現像処理を行う(現像工程)。さらにまた、表面
硬化処理を行う。
【0193】次いで、SEM観察や膜厚測定器などによ
り、レジスト形状を評価する工程を行う(レジスト形状
評価工程)。さらに、その後、ドライエッチングなどに
よりエッチング処理を行う。
【0194】この際、複屈折位相構造222のJ部を拡
大すると、凸部222aと凹部222bとを有し、さら
にF部を拡大した図においては、複屈折位相構造222
は、第1の幅d5を有する凸部222aと、前記第1の
幅d5より短い第2の幅d6を有する凹部222bとが
交互に位置することで形成される周期構造を有する。な
お、凸部222aの高さはd7にて形成されているもの
とする。
【0195】次に、表面処理がなされた基材220に対
する金型224を作成するために、図21(A)に示す
ように、金型電鋳前処理を行った後、電鋳処理などを行
い、図21(B)に示すように、基材220と金型22
4とを剥離する処理を行う。
【0196】表面処理がなされた基材と剥離した金型2
24に対して、表面処理を行う(金型表面処理工程)。
そして、金型224の評価を行う。
【0197】この際、金型224には、K部を拡大して
示すと、前記基材220の凸部、凹部に対応するよう
に、凹部225a、凸部225bからなる構造225が
形成されることとなる。
【0198】このようにして、評価後、当該金型224
を用いて、図21に示すように、射出成形により成形品
を作成する。その後、当該成形品の評価を行う。
【0199】この際、図21(C)に示すように、射出
成形品240には、前記第1の実施の形態の基材同様の
構成が完成され、曲面部上に複数の凹凸からなる複屈折
位相構造242が形成される。そして、J部を拡大して
示すと、第1の幅d5を有する凸部242aと、前記第
1の幅d5より短い第2の幅d6を有する凹部242b
とが交互に位置することで形成される周期構造を有す
る。なお、凸部242aの高さはd7にて形成されてい
るものとする。
【0200】以上のように、本実施の形態によれば、前
記第1の実施の形態の基材として光学素子(例えばレン
ズ)を形成する場合に、3次元描画装置を用いて曲面部
を描画する際にあわせ、サブ波長オーダーの凹凸からな
る複屈折位相構造を描画し、金型形状として複屈折位相
離構造を成形させる様にし、当該光学素子を金型を用い
て射出成形により製造できるため、製造にかかるコスト
ダウンを図ることができる。
【0201】また、金型として波長板機能を持った構造
を附加することにより、レンズを射出成形する際に、同
時に機能附加でき、プロセスの追加の必要がない。この
ため、金型自体のコストアップ、ショット可能数(10
0万回程度)が増大するものの、従来のように波長板等
の基材1つ1つにプロセスを実施する場合に比べると大
幅なコストダウン、工数の低減を図ることができる。
【0202】さらに、プラスチックレンズの射出成型の
過程で、波長板機能を同時に作り込むことができるの
で、波長板の作成工程が不要になり、光学部品の低コス
ト化につながる。
【0203】特に、曲面部構造を持たない、射出成形で
作成されるレンズにも適用でき、各種のステップを除く
ことにより、大幅なコスト低減を行うことが可能であ
る。
【0204】[第4の実施の形態]次に、本発明にかか
る第4の実施の形態について、図22に基づいて説明す
る。図22は、本発明に係る第4の実施の形態を示す機
能ブロック図である。
【0205】本実施の形態においては、上述の電子ビー
ム描画装置にて描画された被描画基材(基材)(ないし
は射出成形により樹脂成形された成形品である光学素
子)を用いた電子機器の一例である光ピックアップ装置
の一例を開示している。
【0206】図22において、光ピックアップ装置40
0は、半導体レーザー401、コリメートレンズ402
(第1の光学素子)、分離プリズム403、対物レンズ
404(第2の光学素子)、DVD、CD等の光磁気デ
ィスク405(光磁気記録媒体)、集光レンズ406
(第3の光学素子)、シリンドリカルレンズ407、分
割光検出器408を有する。
【0207】このうち、本実施の形態においては、上述
の各実施の形態の偏光分離構造を含む光学素子を、(曲
面部の有無は問わない)例えば、コリメータレンズ40
2に、複屈折位相構造(波長板の機能)を含む光学素子
を、例えば、対物レンズ404に適用している。すなわ
ち、コリメータレンズ402は、偏光分離構造402a
を有し、対物レンズ404は、複屈折位相構造404a
を有する。
【0208】上記のような構成を有する光ピックアップ
装置400において、半導体レーザー401からのレー
ザー光は、コリメータレンズ402で平行光となる。こ
の際、偏光分離構造402aにて、光路が近接したP,
S両偏光からなる2つの光束に分離される。これら光束
を含む平行光は、分離プリズム403で対物レンズ40
4側に反射され、対物レンズ404によって回折限界ま
で集光されて光磁気ディスク405(光磁気記録媒体)
に照射される。
【0209】光磁気ディスク405からのレーザー反射
光は、対物レンズ404に入光して再び平行光となる。
この際、複屈折位相構造404aにより、前記P,S両
偏光の光束には位相差が生じ得、偏光方位を所定角度に
て回転した後、分離プリズム403を透過し、光路が近
接したP,S両偏光からなる2つの光束は、それぞれ集
光レンズ406,シリンドリカルレンズ407によって
集光されて、分割光検出器408の分離受光領域(受光
素子)にそれぞれのスポットを形成する。
【0210】以上のように本実施の形態においては、一
面に偏光分離構造を備えた(一体形成された)光レン
ズ、一面に複屈折位相構造を備えた光レンズを用いるこ
とにより、従来のような専用の偏光ビームスプリッタや
波長板を使用する必要がなく部材点数、取付部品数を低
減して大幅なコストダウンを図ることができる。
【0211】また、偏光分離素子や波長板などの配設が
不要となるために、部材配設の占有空間が低減され、光
ピックアップ装置の小型化を図ることができ、さらに
は、ピックアップ装置の光学系にかかる調整が不要とな
る。
【0212】さらには、光ピックアップ装置において
は、小型一体化を容易にし、トラッキング機構を単純化
できる。
【0213】なお、上述の実施の形態においては、偏光
分離構造をコリメータレンズに、複屈折位相構造を対物
レンズに構成する場合について例示したが、これに限定
されるものではなく、他の種々のレンズ、例えば、集光
レンズ、シリンドリカルレンズ等に各種の偏光分離構
造、ないしは、複屈折位相構造を形成する場合であって
ももちろんよい。
【0214】[第5の実施の形態]次に、本発明にかか
る第5の実施の形態について、図23〜図24に基づい
て説明する。
【0215】基材の曲面部上に形成される偏光分離構造
としては、上述の第1の実施の形態のような構成に限ら
ず、図23に示すような構成であってもよい。
【0216】同図に示すように、基材410の曲面部4
10a上に構成される偏光分離構造412においては、
第1の幅を有する第1の凸部412aaと前記第1の幅
と異なる第2の幅を有する第1の凹部412abとが交
互に複数例えば4個形成された第1の凹凸部412a
と、前記第1、第2の幅と異なる第3の幅にて形成され
た第2の凹部412bとが交互に形成される周期構造を
なしている。
【0217】また、図24に示す構成では、第1の凹凸
部412aにおける第1の凸部412aaの数を2個の
場合を開示している。いずれにしても、入射光に対し
て、出射光をTE波並びにTM波に分離することが可能
となる。
【0218】[第6の実施の形態]次に、本発明にかか
る第6の実施の形態について、図25に基づいて説明す
る。上述の第1の実施の形態では、基材の一面に偏光分
離構造を構成する場合について説明したが、本実施の形
態では、基材の一方の面に偏光分離構造を形成し、基材
の他方の面にブレーズ状の回折格子構造を形成する場合
について開示してある。
【0219】具体的には、基材420の一方側の曲面部
420a上においては、図25に示すように、描画され
る描画パターンの一例として円描画が開示されており、
被描画面に描画部分の一部であるE部分を拡大してみる
と、基材420は、複数の凹凸からなる偏光分離構造4
22が形成されている。なお、基材420としては、光
学素子例えば、ピックアップレンズ等にて構成すること
が好ましい。
【0220】偏光分離構造422は、該曲面部420a
に入射する光もしくは出射する光を、該光の進行方向と
交差する面内で少なくとも互いに垂直な方向に振動する
二つの偏光成分、TE波、TM波に偏光分離する機能を
有し、凸部422aと凹部422bとを有する。
【0221】より詳細には、図25に示すF部を拡大し
た図に示すように、偏光分離構造422の凸部422a
は、第1の幅d1を有する第1の凸部422aaと、前
記第1の幅d1と異なる第2の幅d2を有する第2の凸
部422abを有し、第1、第2の凸部422aa、4
22abとが間隔をおいて複数形成される。そして、第
1の凸部422aaと第2の凸部422abの間には、
幅狭の第1の凹部422ba、幅広の第2の凹部422
bbが形成され、この第1、第2の凹部422ba、4
22bbとで凹部422bを構成する。なお、これら第
1、第2の凸部422aa、422abは、各々高さd
4に形成され、第1の凸部422aa、第2の凸部42
2ab、第1の凹部422ba、第2の凹部422bb
を一つの長さd3を単位として、複数の周期構造が構成
されることとなる。なお、周期内の構造を非対称にする
ことにより、垂直に入射する光に対しても偏光分離を行
うことができる。
【0222】本実施の形態の基材420では、曲面部4
20a上にこのような周期構造を構成することにより、
当該構造を透過する光を、TE波(進行方向に垂直な面
内において磁界成分を有しない電界成分のみの波)、T
M波(進行方向に垂直な面内において電界成分を有しな
い磁界成分のみ波)、に分離することが可能となる。
【0223】ここに、図25におけるd1、d2、d
3、d4の具体的な数値としては、例えば、基材2の屈
折率n=1.92、波長をλとすると、d1=0.25
λ、d2=0.39λ、d3=2λ、d4=1.22λ
とするのが好ましい。
【0224】ここまでは、第1の実施の形態同様であ
る。本実施の形態においては、さらに、基材420の他
方の面側の曲面部420bに回折格子構造であるブレー
ズ426を構成している。
【0225】具体的には、基材420の他方の曲面部4
20b側の一部を拡大してみると、基材420は、複数
のブレーズ426からなる回折格子構造が形成されてい
る。
【0226】ブレーズ426は、傾斜426b及び側壁
部426aを形成し、当該側壁部426bは、周方向に
沿って平面状に複数形成されている。
【0227】より詳細には、基材420の他方の面側
(裏面)は、少なくとも一面に形成された曲面部420
bを有し、回折格子を傾けて各ピッチL1毎に形成し、
この回折格子の少なくとも1ピッチL1に、当該ピッチ
の区切り目位置にて前記曲面部420aより立ち上がる
側壁部426aと、隣接する各側壁部426a、426
a間に形成された傾斜部426bと、側壁部426aと
傾斜部426bとの境界領域に形成された溝部426c
とが形成されている。そして、ブレーズ形状は、曲面部
420bの周囲に向かうに従い傾斜する構成となること
が好ましい。なお、この回折格子構造は、後述するよう
に、曲面部420a上に塗布された塗布剤(レジスト)
を描画することにより形成されることが好ましい。な
お、傾斜部426bには、該傾斜部426bより入射す
る光の反射を防止する反射防止構造を形成してもよい。
【0228】以上のように本実施の形態においては、基
材の一方の面に偏光分離構造を形成し、他方の面に回折
格子構造たる複数のブレーズを形成することにより、互
換性のあるCD、DVD互換における収差補正を行うこ
とが可能となり、CD、DVD互換で光ピックアップ装
置を適用できる。また、ブレーズが曲面部の周囲に向か
うに従い、急となる構成とすることにより、格子密度に
よる入射角度の増大に起因するピックアップ機能の低下
を取り除くことができる。
【0229】なお、本実施の形態においては、基材の一
方の面に偏光分離構造、基材の他方の面に回折格子構造
を構成する場合について例示したが、当然のことなが
ら、基材の一方の面に複屈折位相構造、基材の他方の面
に回折格子構造を構成する場合であっても、もちろんよ
い。
【0230】[第7の実施の形態]次に、本発明にかか
る第7の実施の形態について、図26〜図28に基づい
て説明する。
【0231】上述の第6の実施の形態では、基材の一方
の曲面部上に偏光分離構造を、他方の面に回折格子構造
を構成した例について開示したが、本実施の形態では、
上記構造を製造するためのプロセス全体の工程、特に、
光学素子等の光レンズを射出成形によって製造するため
の金型等を製造する工程を説明する。
【0232】なお、基材の一方の曲面部上に、偏光分離
構造ないしは、複屈折位相構造を構成する場合のプロセ
スについては、上記第2の実施の形態ないしは第3の実
施の形態と同様であるので省略し、基材の他方の曲面部
に回折格子構造を形成するための製造プロセスを中心に
説明することとする。
【0233】先ず、機械加工により金型(無電解ニッケ
ル等)の非球面加工を行う(加工工程)。次に、図26
(A)に示すように、金型により前記半球面を有する基
材430の樹脂成形を行う(樹脂成形工程)。さらに、
基材430を洗浄した後に乾燥を行う。
【0234】次いで、樹脂の基材430の表面上の処理
を行う(樹脂表面処理工程)。具体的には、図26
(B)に示すように、基材430の位置決めを行い、塗
布材たるレジストLを滴下しつつスピナーを回転させ
て、スピンコートを行う。また、プリペークなども行
う。
【0235】スピンコーティングの後には、当該レジス
ト膜の膜厚測定を行い、レジスト膜の評価を行う(レジ
スト膜評価工程)。そして、図26(C)に示すよう
に、基材430の位置決めを行い、当該基材430を
X、Y、Z軸にて各々制御しつつ前記第1の実施の形態
のように3次元の電子ビームにより回折格子構造を有す
る曲面部の描画を行う(描画工程)。
【0236】この際、回折格子構造たるブレーズを形成
する際には、第1の実施の形態に示した図7のS114
を以下のようにするとともに、以下のS115を行うこ
とが好ましい。
【0237】具体的には、対象とする同一焦点深度内に
ついて、一番外側(n番目)のラインのドーズ量及び多
角形の始点、終点の計算をする。なお、スタート(始
点)、エンド(終点)は、隣のフィールドとのつなぎ点
とする(S114)。この際、始点、終点は整数にする
ものとし、ドーズ量は、ラジアル位置(入射角度)で決
まった最大ドーズ量と格子の位置で決められた係数に最
大ドーズ量を掛け合わせたもので表される。
【0238】次いで、S114で与えられたドーズによ
って決定されるドーズ分布DS(x、y)にて描画を行
う(S115)。この際、斜面(傾斜部)のうち浅い部
分(頂部)については、ドーズ分布DSは、ブロード、
深い部分(溝部)はシャープにすることが好ましい。こ
れにより、当該ドーズ分布を与えることにより、回折格
子構造の描画の描画を(1回の走査によって)描画する
ことができる。そして、S113からS115を規定回
数実施し(S116)、XYZステージの移動、次のフ
ィールドの描画を行う準備を行い(S117)、前記S
109からS117を規定回数実施する(S118)こ
とで、電子ビームにより曲面部に回折格子構造を有する
基材の形成を行うことができる。
【0239】図26に説明を戻すと、次に、基材430
上のレジスト膜Lの表面平滑化処理を行う(表面平滑化
工程)。さらに、図26(D)に示すように、基材43
0の位置決めなどを行いつつ、現像処理を行う(現像工
程)。さらにまた、表面硬化処理を行う。
【0240】次いで、SEM観察や膜厚測定器などによ
り、レジスト形状を評価する工程を行う(レジスト形状
評価工程)。さらに、その後、ドライエッチングなどに
よりエッチング処理を行う。
【0241】この際、回折格子構造432のU部を拡大
すると、傾斜部432b及び側壁部432aからなる複
数のブレーズにて回折格子構造が形成されている。この
ブレーズは、周辺部に向かうに従い回折格子面の角度が
急となるように形成することが好ましい。
【0242】次に、表面処理がなされた基材430に対
する金型434を作成するために、図27(A)に示す
ように、金型電鋳前処理を行った後、電鋳処理などを行
い、図27(B)に示すように、基材430と金型43
4とを剥離する処理を行う。
【0243】表面処理がなされた基材と剥離した金型4
34に対して、表面処理を行う(金型表面処理工程)。
そして、金型434の評価を行う。
【0244】この際、金型434には、V部を拡大して
示すと、前記基材430のブレーズに対応するように、
凹部435が形成され、これら各凹部435には、前記
基材430の傾斜部432bの孔部形状に対応するよう
に、複数の凸部435が形成されることとなる。
【0245】ここで、基材の一方の曲面部に偏光分離構
造、基材の他方の曲面部に回折格子構造を有する場合に
は、前記評価後、当該金型434と前記第2の実施の形
態の金型204とを相対向して配置し、図27(C)に
示すように、射出成形により成形品を作成する。その
後、当該成形品の評価を行う。
【0246】この際、図27(C)に示すように、射出
成形品440には、前記第6の実施の形態の基材同様の
構成が完成される。具体的には、図28に示すように、
基材450の一方の曲面部に偏光分離構造452、基材
450の他方の曲面部に回折格子構造456が形成され
る。そして、J部を拡大して示すと、偏光分離構造45
2を構成する凹部452b、凸部452aが各々構成さ
れることとなる。
【0247】さらに、F部を拡大した図においては、偏
光分離構造452の凸部452aは、第1の幅d1を有
する第1の凸部452aaと、前記第1の幅d1と異な
る第2の幅d2を有する第2の凸部452abを有し、
第1、第2の凸部452aa、452abとが間隔をお
いて複数形成される。そして、第1の凸部452aa、
第2の凸部452abの間には、幅狭の第1の凹部45
2ba、幅広の第2の凹部452bbが形成され、この
第1、第2の凹部452ba、452bbとで凹部45
2bを構成する。
【0248】また、他方の曲面部上においては、回折格
子構造たるブレーズ456が形成されており、U部を拡
大して示すと、側壁部456a及び傾斜部456bより
なるブレーズ456が構成されることとなる。
【0249】一方、基材の一方の曲面部に複屈折位相構
造、基材の他方の曲面部に回折格子構造を有する場合に
は、前記評価後、当該金型434と前記第3の実施の形
態の金型224とを相対向して配置し、射出成形により
成形品を作成する。その後、当該成形品の評価を行う。
【0250】この際、図27(C)に示すように、射出
成形品440には、基材の一方の曲面部に複屈折位相構
造、基材の他方の曲面部に回折格子構造が形成され、K
部を拡大して示すと、複屈折位相構造を構成する凹部、
凸部が各々構成されることとなる。具体的には、図28
に示すように、基材450の一方の曲面部に複屈折位相
構造、基材450の他方の曲面部に回折格子構造456
が形成される。そして、J部を拡大して示すと、複屈折
位相構造を構成する凹部、凸部が各々構成されることと
なる。
【0251】さらに、F部を拡大した図においては、複
屈折位相構造454は、第1の幅d5を有する凸部45
4aと、前記第1の幅d5より短い第2の幅d6を有す
る凹部454bとが交互に位置することで形成される周
期構造を有する。なお、凸部455aの高さはd7にて
形成されているものとする。
【0252】また、他方の曲面部上においては、回折格
子構造たるブレーズ456が形成されており、U部を拡
大して示すと、側壁部456a及び傾斜部456bより
なるブレーズ456が構成されることとなる。
【0253】以上のように本実施の形態によれば、3次
元描画装置を用いて第1の基材の曲面部に対して偏光分
離構造あるいは複屈折位相構造を描画し、この第1の基
材に基づいて第1の金型を作成する一方、第2の基材の
曲面部に対して回折格子構造たるブレーズ形状を描画
し、この第2の基材に基づいて第2の金型を作成し、こ
の第1、第2の金型を相対応して配置して射出成形を行
うことにより、基材の一方の曲面部上に偏光分離構造、
ないしは、複屈折位相構造を形成し、基材の他方の曲面
部上に回折格子構造たるブレーズ形状を形成した一つの
基材を構成することができる。
【0254】なお、上記実施の形態においては、回折格
子構造を形成する形成面を曲面部上としてが、平面部上
に回折格子構造を構成する場合であってもよい。また、
複屈折位相構造、ないしは偏光分離構造を平面部上に構
成する場合であってもよい。
【0255】このようにして、光学素子を金型を用いて
射出成形により製造できるため、製造にかかるコストダ
ウンを図ることができる。また、金型として偏光分離素
子、波長板、回折格子構造を持った構造を附加すること
により、レンズを射出成形する際に、同時に機能附加で
き、プロセスの追加の必要がない。このため、金型自体
のコストアップ、ショット可能数(100万回程度)が
増大するものの、従来のようにレンズ1つ1つに蒸着プ
ロセスを実施する場合に比べると大幅なコストダウン、
工数の低減を図ることができる。
【0256】さらに、プラスチックレンズの射出成型の
過程で、偏光分離素子、波長板、回折格子構造を同時に
作り込むことができるので、光学部品の低コスト化につ
ながる。
【0257】[第8の実施の形態]次に、本発明にかか
る第8の実施の形態について、図29に基づいて説明す
る。図29は、本発明に係る第8の実施の形態を示す機
能ブロック図である。
【0258】本実施の形態においては、上述の第6、第
7の実施の形態にて開示された基材(ないしは射出成形
により樹脂成形された成形品である光学素子)を用いた
電子機器の一例である光ピックアップ装置の一例を開示
している。
【0259】図29において、光ピックアップ装置46
0は、半導体レーザー461、コリメートレンズ46
2、分離プリズム463、対物レンズ464、DVD、
CD等の光磁気ディスク465(光磁気記録媒体)、集
光レンズ466、シリンドリカルレンズ467、分割光
検出器468を有する。
【0260】このうち、本実施の形態においては、上述
の第1の実施の形態の偏光分離構造を含む光学素子を、
(曲面部の有無は問わない)例えば、コリメータレンズ
462に、上述の第6、7の実施の形態の一面に複屈折
位相構造(波長板の機能)を有し他方の面に回折格子構
造含む光学素子を、例えば、対物レンズ464に適用し
ている。すなわち、コリメータレンズ462は、偏光分
離構造462aを有し、対物レンズ464は、複屈折位
相構造464a並びに回折格子構造464bを有する。
【0261】上記のような構成を有する光ピックアップ
装置460において、半導体レーザー461からのレー
ザー光は、コリメータレンズ462で平行光となる。こ
の際、偏光分離構造462aにて、光路が近接したP,
S両偏光からなる2つの光束に分離される。これら光束
を含む平行光は、分離プリズム463で対物レンズ46
4側に反射され、対物レンズ464によって回折限界ま
で集光されて光磁気ディスク465(光磁気記録媒体)
に照射される。
【0262】光磁気ディスク465からのレーザー反射
光は、対物レンズ464に入光して再び平行光となる。
この際、複屈折位相構造464aにより、前記P,S両
偏光の光束には位相差が生じ得、偏光方位を所定角度に
て回転した後、分離プリズム463を透過し、光路が近
接したP,S両偏光からなる2つの光束は、それぞれ集
光レンズ466,シリンドリカルレンズ467によって
集光されて、分割光検出器468の分離受光領域(受光
素子)にそれぞれのスポットを形成する。
【0263】さらに、対物レンズ464には、回折格子
構造464bが形成されているために、互換性のあるC
D、DVD互換における収差補正を行うことが可能とな
る。なお、回折格子構造たるブレーズが曲面部の周囲に
向かうに従い、急となる構成とすることにより、格子密
度による入射角度の増大に起因するピックアップ機能の
低下を取り除くことができる。
【0264】以上のように本実施の形態においては、一
面に偏光分離構造を備えた(一体形成された)光レン
ズ、一面に複屈折位相構造を備えた光レンズを用いるこ
とにより、従来のような専用の偏光ビームスプリッタや
波長板を使用する必要がなく部材点数、取付部品数を低
減して大幅なコストダウンを図ることができる。
【0265】また、偏光分離素子や波長板などの配設が
不要となるために、部材配設の占有空間が低減され、光
ピックアップ装置の小型化を図ることができ、さらに
は、ピックアップ装置の光学系にかかる調整が不要とな
る。
【0266】さらには、光ピックアップ装置において
は、小型一体化を容易にし、トラッキング機構を単純化
できる。
【0267】なお、上述の実施の形態においては、複屈
折位相構造並びに回折格子構造を対物レンズに構成する
場合について例示したが、これに限定されるものではな
く、他の種々のレンズ、例えば、集光レンズ、シリンド
リカルレンズ等に各種の偏光分離構造、ないしは、複屈
折位相構造を形成する場合であってももちろんよい。
【0268】なお、本発明にかかる装置と方法は、その
いくつかの特定の実施の形態に従って説明してきたが、
当業者は本発明の主旨および範囲から逸脱することなく
本発明の本文に記述した実施の形態に対して種々の変形
が可能である。例えば、上述の各実施の形態では、一面
に曲面部を有する基材の曲面部上に偏光分離構造あるい
は複屈折位相構造を形成する場合について説明したが、
一面が平面の基材上に形成する場合であってももちろん
よい。さらに、これに限らず、平面部上に回折格子を形
成する場合も含む。
【0269】さらに、上述の実施の形態では、光レンズ
等の光学素子の基材を、直接描画する場合について説明
したが、樹脂等の光レンズを射出成形により形成するた
めの成形型(金型)を加工する場合に、上述の原理や処
理手順、処理手法を用いてもよい。
【0270】また、基材としては、DVDやCDなどに
用いられるピックアップレンズの例を開示したが、回折
格子のない対物レンズ、回折格子ピッチ20μのDVD
―CD互換レンズ、回折格子ピッチ3μの高密度ブルー
レーザー互換対物レンズなどに適用することも可能であ
る。
【0271】さらに、基材として光学素子を用いる場合
に、当該基材を有する電子機器としては、上述したDV
D、CD等の読取装置に限らず、多の種々の光学機器で
あってもよい。
【0272】また、少なくとも曲面部を有する基材に対
して、回折格子の少なくとも1ピッチ部分を傾けて形成
する場合、基材に少なくとも溝部(あるいは稠密なピッ
チで溝部が形成される場合)を有する構成であってもよ
い。さらに、基材としては、曲面部を有しなくとも、少
なくとも傾斜面が形成されているものであってもよい。
また、基材が平面あるいは傾斜面であって、電子ビーム
を所定角度で傾斜した状態で照射する場合であってもよ
い。
【0273】また、基材上の複数の基準点を測定し、こ
の測定結果に基づき基準座標系を算出し、この座標系を
もとに基材の厚み分布を測定するステップを、電子ビー
ム照射中に行う構成としてもよい。さらに、厚み分布に
基づき、最適焦点位置を算出する算出ステップ並びに描
画位置に当該焦点位置を合わせるように調整するステッ
プを、電子ビーム照射中に行う構成としてもよい。この
場合、ある一の描画位置にて描画を行っている電子ビー
ム照射中に、他の描画位置での前記焦点位置の算出等の
演算処理を行いつつ、次に電子ビーム照射に備える構成
とすることが好ましい。また、電子ビーム照射中に算出
ステップにて算出できるものとしては、基材の厚み分布
の他、厚み分布の補正等の処理も含まれる。
【0274】また、基材の一方の面に偏光分離構造ない
しは複屈折位相構造、基材の他方の面に回折格子構造を
形成する際に、第1、第2の基材、第1、第2の金型を
用いる場合について例示したが、一つの厚みのある基材
に対して一方の面に描画した後他方の面を描画し、一つ
に基材に対して金型を作成して製造する場合であっても
よい。
【0275】さらに、上記実施形態には種々の段階が含
まれており、開示される複数の構成要件における適宜な
組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。つまり、
上述の各実施の形態同士、あるいはそれらのいずれかと
各変形例のいずれかとの組み合わせによる例をも含むこ
とは言うまでもない。また、実施形態に示される全構成
要件から幾つかの構成要件が削除された構成であっても
よい。
【0276】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、3
次元的な描画で曲面部を描画する際にあわせ、被描画基
材に偏光分離構造を形成することにより、最終的に、一
面に偏光分離構造を備えた光レンズなどを形成すること
も可能となることから、従来の偏光分離素子に変えて各
種機器に適用することもできる。
【0277】これにより、被描画基材に基づいて金型を
構成することにより、射出成形による最終成形品として
偏光分離構造を有した素子を、順次量産できる。従っ
て、従来のように、偏光分離素子を一つ一つ形成する際
の各プロセスにおける手間、時間を鑑みると、製造コス
トの大幅な低減並びに生産性の向上を図ることができ
る。
【0278】また、被描画基材に複屈折位相構造を形成
することにより、最終的に、一面に複屈折位相構造たる
波長板機能を備えた光レンズなどを形成することも可能
となることから、従来の波長板に変えて各種機器に適用
することもできる。
【0279】これにより、前記基材に基づいて金型を構
成することにより、射出成形による最終成形品として波
長板機能を有した素子を、順次量産できる。従って、従
来のように、波長板を一つ一つ形成する際の各プロセス
における手間、時間を鑑みると、製造コストの大幅な低
減並びに生産性の向上を図ることができる。
【0280】また、基材を金型を用いて射出成形により
製造できるため、製造にかかるコストダウンを図ること
ができる。この基材を射出成形する際には、同時に偏光
分離機能や反射板としての機能の附加を行うことがで
き、プロセスの追加の必要がない。このため、従来のよ
うに偏光分離素子や波長板1つ1つを製造する場合に比
べると大幅な製造コストの低減並びに、工数の低減を図
ることができ、光学部品の低コスト化につながる。
【0281】なお、これらに加えて、他方側の面に回折
格子構造を形成した被描画基材によれば、DVD、CD
互換等での、収差補正を好適に実施できる。
【0282】また、光ピックアップ装置において、一面
に偏光分離構造を備えた(一体形成された)光学素子、
一面に複屈折位相構造を備えた光学素子を用いることに
より、従来のような専用の偏光ビームスプリッタや波長
板を使用する必要がなく部材点数、取付部品数を低減し
て大幅なコストダウンを図ることができる。
【0283】さらに、偏光分離素子や波長板などの配設
が不要となるために、部材配設の占有空間が低減され、
光ピックアップ装置の小型化を図ることができ、さらに
は、ピックアップ装置の光学系にかかる調整が不要とな
る。さらには、光ピックアップ装置においては、小型一
体化を容易にし、トラッキング機構を単純化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる基材の概略構成の
一例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる基材の概略構成の
一例を示す説明図である。
【図3】偏光分離素子と波長板を用いた光学系の原理を
説明するための説明図である。
【図4】同図(A)(B)は、波長板によって生成され
るTM波、TE波の特性を示す説明図である。
【図5】同図(A)(B)は、偏光分離素子によって生
成されるTM波、TE波の特性を示す説明図である。
【図6】本発明の電子ビーム描画装置の全体の概略構成
を示す説明図である。
【図7】同図(A)(B)は、図3の電子ビーム描画装
置にて描画される基材を示す説明図であり、同図(C)
は、描画原理を説明するための説明図である。
【図8】測定装置の原理を説明するための説明図であ
る。
【図9】 同図(A)〜(C)は、基材の面高さを測定
する手法を説明するための説明図である。
【図10】測定装置の投光と受光との関係を示す説明図
である。
【図11】信号出力と基材の高さとの関係を示す特性図
である。
【図12】電子ビーム描画装置におけるビームウエスト
を説明するための説明図である。
【図13】電子ビーム描画装置において、所定のドーズ
分布にて描画を行うための制御系の詳細を示す機能ブロ
ック図である。
【図14】電子ビーム描画装置のさらに詳細な制御系の
構成を示す機能ブロック図である。
【図15】本発明の電子ビーム描画装置にて基材を描画
する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の電子ビーム描画装置にて基材を描画
する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の電子ビーム描画装置にて基材を描画
する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】同図(A)〜(D)は、基材を用いて成形用
の金型を形成し、基材を製造する場合の全体の処理手順
を説明するための説明図である。
【図19】同図(A)〜(C)は、基材を用いて成形用
の金型を形成し、基材を製造する場合の全体の処理手順
を説明するための説明図である。
【図20】同図(A)〜(D)は、基材を用いて成形用
の金型を形成し、基材を製造する場合の全体の処理手順
を説明するための説明図である。
【図21】同図(A)〜(C)は、基材を用いて成形用
の金型を形成し、基材を製造する場合の全体の処理手順
を説明するための説明図である。
【図22】本発明の基材を利用した光ピックアップ装置
の概略を示す説明図である。
【図23】本発明の実施の形態にかかる基材の概略構成
の一例を示す説明図である。
【図24】図23の基材上に形成される偏光分離層の原
理を説明するための説明図である。
【図25】本発明の実施の形態にかかる基材の概略構成
の一例を示す説明図である。
【図26】同図(A)〜(D)は、基材を用いて成形用
の金型を形成し、基材を製造する場合の全体の処理手順
を説明するための説明図である。
【図27】同図(A)〜(C)は、基材を用いて成形用
の金型を形成し、基材を製造する場合の全体の処理手順
を説明するための説明図である。
【図28】成形用の金型により製造された基材の一例を
説明するための説明図である。
【図29】本発明の基材を利用した光ピックアップ装置
の概略を示す説明図である。
【図30】従来の光ピックアップ装置の概略を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 電子ビーム描画装置 2 基材(被描画基材) 10 鏡筒 12 電子銃 14 スリット 16 電子レンズ 18 アパーチャー 20 偏向器 22 補正用コイル 30 XYZステージ 40 ローダ 50 ステージ駆動手段 60 ローダ駆動装置 70 真空排気装置 80 測定装置 82 第1のレーザ測長器 84 第1の受光部 86 第2のレーザー測長器 88 第2の受光部 100 制御回路 110 コイル制御部 112a 成形偏向部 112b 副偏向部 112c 主偏向部 116 位置誤差補正回路 118 電界制御回路 120 パターン発生回路 130 第1のレーザー駆動制御回路 132 第2のレーザー駆動制御回路 134 第1のレーザー出力制御回路 136 第2のレーザー出力制御回路 140 第1の測定算出部 142 第2の測定算出部 150 ステージ制御回路 152 ローダ制御回路 154 機構制御回路 156 真空排気制御回路 158 測定情報入力部 160 メモリ 162 プログラムメモリ 170 制御部 300 制御系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/24 G03F 7/24 Z 5D789 9/02 9/02 Z G11B 7/135 G11B 7/135 Z 11/105 551 11/105 551M 551P H01J 37/305 H01J 37/305 B (72)発明者 森川 雅弘 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 水越 智秀 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 増田 修 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 堀井 康司 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2H049 AA03 AA18 AA31 AA39 AA43 AA46 AA57 AA65 BA05 BA06 BA45 BB42 BC01 BC21 2H097 AA03 AA16 AB09 BA01 CA16 KA01 KA29 KA38 LA17 5C034 BB05 5D075 CD13 CD16 5D119 AA04 AA38 AA40 JA22 JA25 JA30 5D789 AA04 AA38 AA40 JA22 JA25 JA30

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一面に曲面部を有し、少なく
    とも該曲面部に対して電子ビームを走査することにより
    描画パターンが描画される被描画基材であって、 前記曲面部に、該曲面部に入射する光を、該光の進行方
    向と交差する面内で少なくとも互いに垂直な方向に振動
    する二つの偏光成分に偏光分離する偏光分離構造を設け
    たことを特徴とする被描画基材。
  2. 【請求項2】 少なくとも一面に曲面部を有し、少なく
    とも該曲面部に対して電子ビームを走査することにより
    描画パターンが描画される被描画基材であって、 前記曲面部に、該曲面部より出射する光を、該光の進行
    方向と交差する面内で少なくとも互いに垂直な方向に振
    動する二つの偏光成分に偏光分離する偏光分離構造を設
    けたことを特徴とする被描画基材。
  3. 【請求項3】 少なくとも一面に曲面部を有し、少なく
    とも該曲面部に対して電子ビームを走査することにより
    描画パターンが描画される被描画基材であって、 前記曲面部に、該曲面部に入射する少なくとも互い垂直
    な方向に振動する各直線偏光のうち、一方の直線偏光と
    他方の直線偏光とに位相差を生じせしめる複屈折位相構
    造を設けたことを特徴とする被描画基材。
  4. 【請求項4】 少なくとも一面に曲面部を有し、少なく
    とも該曲面部に対して電子ビームを走査することにより
    描画パターンが描画される被描画基材であって、 前記曲面部に、該曲面部に入射する少なくとも互い垂直
    な方向に振動する各直線偏光のうち、一方の直線偏光と
    他方の直線偏光とに位相差を生じせしめる複屈折位相構
    造を設けたことを特徴とする被描画基材。
  5. 【請求項5】 電子ビームを走査することにより描画パ
    ターンが描画される被描画層を備えた被描画基材であっ
    て、 前記被描画層に、該被描画層に入射する光を、該光の進
    行方向と交差する面内で少なくとも互いに垂直な方向に
    振動する二つの偏光成分に偏光分離する偏光分離構造を
    描画により形成したことを特徴とする被描画基材。
  6. 【請求項6】 電子ビームを走査することにより描画パ
    ターンが描画される被描画層を備えた被描画基材であっ
    て、 前記被描画層に、該被描画層より出射する光を、該光の
    進行方向と交差する面内で少なくとも互いに垂直な方向
    に振動する二つの偏光成分に偏光分離する偏光分離構造
    を描画により形成したことを特徴とする被描画基材。
  7. 【請求項7】 電子ビームを走査することにより所定の
    描画パターンが描画される被描画層を備えた被描画基材
    であって、 前記被描画層に、該被描画層に入射する少なくとも互い
    垂直な方向に振動する各直線偏光のうち、一方の直線偏
    光と他方の直線偏光とに位相差を生じせしめる複屈折位
    相構造を描画により形成したことを特徴とする被描画基
    材。
  8. 【請求項8】 電子ビームを走査することにより描画パ
    ターンが描画される被描画層を備えた被描画基材であっ
    て、 前記被描画層に、該被描画層より出射する少なくとも互
    い垂直な方向に振動する各直線偏光のうち、一方の直線
    偏光と他方の直線偏光とに位相差を生じせしめる複屈折
    位相構造を描画により形成したことを特徴とする被描画
    基材。
  9. 【請求項9】 電子ビームを走査することにより第1の
    描画パターンが描画され一方の面に形成された第1の被
    描画面と、 前記第1の被描画面と反対側の他方の面に形成され、前
    記第1の描画パターンと異なる第2の描画パターンが描
    画される第2の被描画面と、 を備えた被描画基材であって、 前記第1の被描画面は、該第1の被描画面に入射する少
    なくとも互い垂直な方向に振動する各直線偏光のうち、
    一方の直線偏光と他方の直線偏光とに位相差を生じせし
    める複屈折位相構造を有し、 前記第2の被描画面は、前記第1の被描画面に入射し前
    記第2の被描画面より出者する光を回折する回折格子構
    造を有することを特徴とする被描画基材。
  10. 【請求項10】 電子ビームを走査することにより第1
    の描画パターンが描画され一方の面に形成される第1の
    被描画面と、 前記第1の被描画面と反対側の他方の面に形成され、前
    記第1の描画パターンと異なる第2の描画パターンが描
    画される第2の被描画面と、 を備えた被描画基材であって、 前記第1の被描画面は、該第1の被描画面に入射する光
    を回折する回折格子構造を有し、 前記第2の被描画面は、前記第1の被描画面にて回折さ
    れた少なくとも互い垂直な方向に振動する各直線偏光の
    うち、一方の直線偏光と他方の直線偏光とに位相差を生
    じせしめる複屈折位相構造を有することを特徴とする被
    描画基材。
  11. 【請求項11】 電子ビームを走査することにより第1
    の描画パターンが描画され一方の面に形成される第1の
    被描画面と、 前記第1の被描画面と反対側の他方の面に形成され、前
    記第1の描画パターンと異なる第2の描画パターンが描
    画される第2の被描画面と、 を備えた被描画基材であって、 前記第1の被描画面は、該第1の被描画面に入射する光
    を、該光の進行方向と交差する面内で少なくとも互いに
    垂直な方向に振動する二つの偏光成分に偏光分離する偏
    光分離構造を有し、 前記第2の被描画面は、前記第1の被描画面に入射し前
    記第2の被描画面より出者する光を回折する回折格子構
    造を有することを特徴とする被描画基材。
  12. 【請求項12】 電子ビームを走査することにより第1
    の描画パターンが描画され一方の面に形成される第1の
    被描画面と、 前記第1の被描画面と反対側の他方の面に形成され、前
    記第1の描画パターンと異なる第2の描画パターンが描
    画される第2の被描画面と、 を備えた被描画基材であって、 前記第1の被描画面は、該第1の被描画面に入射する光
    を回折する回折格子構造を有し、 前記第2の被描画面は、前記第1の被描画面にて回折さ
    れた光を、該光の進行方向と交差する面内で少なくとも
    互いに垂直な方向に振動する二つの偏光成分に偏光分離
    する偏光分離構造を有することを特徴とする被描画基
    材。
  13. 【請求項13】 電子ビームを走査することにより第1
    の描画パターンが描画され一方の面に形成される第1の
    被描画面と、 前記第1の被描画面と反対側の他方の面に形成され、前
    記第1の描画パターンと異なる第2の描画パターンが描
    画される第2の被描画面と、 を備えた被描画基材であって、 前記第1の被描画面は、該第1の被描画面に入射する少
    なくとも互い垂直な方向に振動する各直線偏光のうち、
    一方の直線偏光と他方の直線偏光とに位相差を生じせし
    める複屈折位相構造を有し、 前記第2の被描画面は、前記第1の被描画面にて入射し
    た光を、該光の進行方向と交差する面内で少なくとも互
    いに垂直な方向に振動する二つの偏光成分に偏光分離す
    る偏光分離構造を有することを特徴とする被描画基材。
  14. 【請求項14】 前記偏光分離構造は、第1の幅を有す
    る第1の凸部と、前記第1の幅と異なる前記第2の幅を
    有する第2の凸部とが間隔をおいて複数形成されること
    を特徴とする請求項1、請求項2、請求項5、請求項
    6、請求項11、請求項12、請求項13のうちいずれ
    か一項に記載の被描画基材。
  15. 【請求項15】 前記偏光分離構造は、第1の幅を有す
    る第1の凸部と前記第1の幅と異なる第2の幅を有する
    第1の凹部とが交互に形成された第1の凹凸部と、前記
    第1、第2の幅と異なる第3の幅にて形成された第2の
    凹部とが交互に形成されることを特徴とする請求項、請
    求項2、請求項5、請求項6、請求項11、請求項1
    2、請求項13のうちいずれか一項に記載の被描画基
    材。
  16. 【請求項16】 前記複屈折位相構造は、第1の幅を有
    する凸部と、前記第1の幅より短い第2の幅を有する凹
    部とが交互に形成されることを特徴とする請求項3、請
    求項4、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、
    請求項13のうちいずれか一項に記載の被描画基材。
  17. 【請求項17】 前記回折格子構造は、 少なくとも一面に形成された曲面部に回折格子を傾けて
    各ピッチ毎に形成し、この回折格子の少なくとも1ピッ
    チに、当該ピッチの区切り目位置にて前記曲面部より立
    ち上がる側壁部と、 隣接する各側壁部間に形成された傾斜部と、 を含むことを特徴とする請求項9、請求項10、請求項
    11、請求項12のうちいずれか一項に記載の被描画基
    材。
  18. 【請求項18】 請求項1乃至請求項17のうちいすれ
    か一項に記載の被描画基材を形成するための金型。
  19. 【請求項19】 レーザー供給源からのレーザー光を平
    行光にする第1の光学素子と、 前記平行光を収束させる第2の光学素子と、 前記レーザー光を前記第2の光学素子を介して平行光と
    し、前記平行光を前記第1の光学素子にて集光し、集光
    された前記レーザー光を受光させる受光素子と、 を含み、前記受光素子の出力に基づいて前記光磁気記録
    媒体上の記録情報を読み出し、 前記第1の光学素子は、 前記平行光を光路が近接したP,S両偏光からなる複数
    の光束に分離する偏光分離構造を有し、 前記第2の光学素子は、 該複数の光束のうち少なくともP,S両偏光の2つの光
    束に位相差を生じせしめる複屈折位相構造を有すること
    を特徴とする光ピックアップ装置。
  20. 【請求項20】 レーザー供給源からのレーザー光を平
    行光にする第1の光学素子と、 前記平行光を収束させる第2の光学素子と、 前記レーザー光を前記第2の光学素子を介して平行光と
    し、前記平行光を集光する第3の光学素子と、 前記第3の光学素子にて集光された前記レーザー光を受
    光させる受光素子と、を含み、前記受光素子の出力に基
    づいて前記光磁気記録媒体上の記録情報を読み出し、 前記第1の光学素子は、 前記平行光を光路が近接したP,S両偏光からなる複数
    の光束に分離する偏光分離構造を有し、 前記第2の光学素子は、 該複数の光束のうち少なくともP,S両偏光の2つの光
    束に位相差を生じせしめる複屈折位相構造を有すること
    を特徴とする光ピックアップ装置。
  21. 【請求項21】 前記第2の光学素子は、 前記複屈折位相構造と他方側の面に、光を回折する回折
    格子構造を有することを特徴とする請求項19又は請求
    項20に記載の光ピックアップ装置。
  22. 【請求項22】 電子ビームにて描画される曲面部を含
    む第1の基材に対して、前記電子ビームを走査すること
    により前記第1の基材の描画を行う光学素子加工方法で
    あって、 前記第1の基材の一面に曲面部を形成し、かつ、当該曲
    面部に対して偏光分離用の断面略凹凸形状の平面略円状
    の描画ラインを、前記第1の基材に対する前記電子ビー
    ムの焦点位置の相対移動による高さ方向の位置調整を行
    いつつ、面方向の位置調整を行いながら描画を行う描画
    ステップと、 を含むことを特徴とする光学素子加工方法。
  23. 【請求項23】 電子ビームにて描画される曲面部を含
    む第1の基材に対して、前記電子ビームを走査すること
    により前記第1の基材の描画を行う光学素子加工方法で
    あって、 前記第1の基材の一面に曲面部を形成し、かつ、当該曲
    面部に対して複屈折位相構造用の断面略凹凸形状の平面
    略円状の描画ラインを、前記第1の基材に対する前記電
    子ビームの焦点位置の相対移動による高さ方向の位置調
    整を行いつつ、面方向の位置調整を行いながら描画を行
    う描画ステップと、 を含むことを特徴とする光学素子加工方法。
  24. 【請求項24】 前記電子ビームを照射した前記第1の
    基材を現像し、現像された前記第1の基材の表面で電鋳
    を行い、成形用の第1の金型を形成するステップをさら
    に有することを特徴とする請求項23又は請求項24に
    記載の光学素子加工方法。
  25. 【請求項25】 前記電子ビームを照射した前記第1の
    基材を現像し、エッチング処理した前記第1の基材に電
    鋳を行い、成形用の第1の金型を形成するステップをさ
    らに有することを特徴とする請求項23又は請求項24
    に記載の光学素子加工方法。
  26. 【請求項26】 電子ビームにて描画される被描画面を
    含む第2の基材に対して、前記第2の基材の前記被描画
    面に回折格子を描画する第2描画ステップと、 前記電子ビームを照射した前記第2の基材を現像し、現
    像された前記第2の基材の表面で電鋳を行い、成形用の
    第2の金型を形成するステップと、 前記第1、第2の金型を互いに相対向して配置させ、射
    出成形により、一方の面に偏光分離構造、他方の面に回
    折格子構造を有する光学素子を形成するステップと、 をさらに有することを特徴とする請求項22乃至請求項
    25のうちいずれか一項に記載の光学素子加工方法。
  27. 【請求項27】 電子ビームにて描画される曲面部を含
    む第2の基材に対して、前記第2の基材の前記曲面部に
    回折格子を傾けて各ピッチ毎に形成するように描画する
    第2描画ステップと、 前記電子ビームを照射した前記第2の基材を現像し、現
    像された前記第2の基材の表面で電鋳を行い、成形用の
    第2の金型を形成するステップと、 前記第1、第2の金型を互いに相対向して配置させ、射
    出成形により、一方の面の曲面部に偏光分離構造、他方
    の面の曲面部に各ピッチ毎に傾いた回折格子構造を有す
    る基材を形成するステップと、 をさらに有することを特徴とする請求項22乃至請求項
    25のうちいずれか一項に記載の光学素子加工方法。
  28. 【請求項28】 前記第2描画ステップは、 各ピッチ毎に傾けて形成する際に、走査位置に対するド
    ーズ量分布を予め定義したドーズ分布の特性を、前記曲
    面部上の傾斜する傾斜角度に応じて抽出し、抽出された
    前記ドーズ分布の特性に基づいて、当該ドーズ量を算出
    しつつ前記基材の前記曲面部の描画を行うことを特徴と
    する請求項27に記載の光学素子加工方法。
  29. 【請求項29】 前記成形用の第1の金型に対して射出
    成形を行い、前記基材を形成するステップを含むことを
    特徴とする請求項22乃至請求項25のうちいずれか一
    項に記載の光学素子加工方法。
  30. 【請求項30】 前記基材として成形用の第1の金型を
    用い、当該第1の金型に描画を行うステップを有するこ
    とを特徴とする請求項22乃至請求項25のうちいずれ
    か一項に記載の光学素子加工方法。
  31. 【請求項31】 前記基材として成形用の第2の金型を
    用い、当該第2の金型に描画を行うステップを有するこ
    とを特徴とする請求項26乃至請求項28のいずれか一
    項に記載の光学素子加工方法。
  32. 【請求項32】 請求項22乃至請求項31のいずれか
    一項に記載の光学素子加工方法にて加工された基材。
  33. 【請求項33】 前記基材は、光学素子であることを特
    徴とする請求項32に記載の基材。
  34. 【請求項34】 電子ビームを照射する電子ビーム照射
    手段と、 前記電子ビーム照射手段にて照射された電子ビームの焦
    点位置を可変とするための電子レンズと、 前記電子ビームを照射することで描画される被描画面に
    曲面部を有する基材を載置する載置台と、 前記基材の曲面部上に偏光分離構造を形成する際に、前
    記基材上に描画される描画位置を測定するための測定手
    段と、 前記測定手段にて測定された前記描画位置に基づき、前
    記電子レンズの電流値を調整して前記電子ビームの焦点
    位置を前記描画位置に応じて可変制御して前記基材の曲
    面部並びに偏光分離構造部分の描画を行うように制御す
    る制御手段と、 を含むことを特徴とする電子ビーム描画装置。
  35. 【請求項35】 電子ビームを照射する電子ビーム照射
    手段と、 前記電子ビームを照射することで描画される被描画面に
    曲面部を有する基材を載置する載置台と、 前記載置台を駆動する駆動手段と、 前記基材の曲面部上に偏光分離構造を形成する際に、前
    記基材上に描画される描画位置を測定するための測定手
    段と、 前記測定手段にて測定された前記描画位置に基づき、前
    記駆動手段により前記載置台を昇降させて、前記電子ビ
    ーム照射手段にて照射された電子ビームの焦点位置を前
    記描画位置に応じて可変制御して、前記基材の曲面部並
    びに偏光分離構造部分の描画を行うように制御する制御
    手段と、を含むことを特徴とする電子ビーム描画装置。
  36. 【請求項36】 電子ビームを照射する電子ビーム照射
    手段と、 前記電子ビーム照射手段にて照射された電子ビームの焦
    点位置を可変とするための電子レンズと、 前記電子ビームを照射することで描画される被描画面に
    曲面部を有する基材を載置する載置台と、 前記基材の曲面部上に複屈折位相構造を形成する際に、
    前記基材上に描画される描画位置を測定するための測定
    手段と、 前記測定手段にて測定された前記描画位置に基づき、前
    記電子レンズの電流値を調整して前記電子ビームの焦点
    位置を前記描画位置に応じて可変制御して前記基材の曲
    面部並びに複屈折位相構造部分の描画を行うように制御
    する制御手段と、 を含むことを特徴とする電子ビーム描画装置。
  37. 【請求項37】 電子ビームを照射する電子ビーム照射
    手段と、 前記電子ビームを照射することで描画される被描画面に
    曲面部を有する基材を載置する載置台と、 前記載置台を駆動する駆動手段と、 前記基材の曲面部上に複屈折位相構造を形成する際に、
    前記基材上に描画される描画位置を測定するための測定
    手段と、 前記測定手段にて測定された前記描画位置に基づき、前
    記駆動手段により前記載置台を昇降させて、前記電子ビ
    ーム照射手段にて照射された電子ビームの焦点位置を前
    記描画位置に応じて可変制御して前記基材の曲面部並び
    に複屈折位相構造部分の描画を行うように制御する制御
    手段と、 を含むことを特徴とする電子ビーム描画装置。
  38. 【請求項38】 電子ビームを照射する電子ビーム照射
    手段と、 前記電子ビーム照射手段にて照射された電子ビームの焦
    点位置を可変とするための電子レンズと、 前記電子ビームを照射することで描画される被描画面に
    曲面部を有する第1、第2の基材を必要に応じて載置す
    る載置台と、 前記第1の基材上に偏光分離構造を形成する際には、前
    記第1の基材上に描画される描画位置を測定し、前記第
    2の基材上に回折格子構造を形成する際には、前記第2
    の基材上に描画される描画位置を測定するための測定手
    段と、 前記第2の基材の曲面部上に回折格子構造を形成する際
    に、曲面部上の傾斜位置に応じて傾斜する回折格子の各
    ピッチ部分のドーズ量を加味した走査位置に対するドー
    ズ量分布を予め定義したドーズ分布の特性を格納した格
    納手段と、 前記第1の基材に曲面部並びに偏光分離構造を描画する
    場合には、前記測定手段にて測定された前記描画位置に
    基づき、前記電子レンズの電流値を調整して前記電子ビ
    ームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御し、前
    記第2の基材に曲面部並びに回折格子構造を描画する場
    合には、前記測定手段にて測定された前記描画位置に基
    づき、前記電子レンズの電流値を調整して前記電子ビー
    ムの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御するとと
    もに、前記焦点位置における焦点深度内について、前記
    格納手段の前記ドーズ分布の特性に基づいて、当該ドー
    ズ量を算出しつつ前記基材の曲面部上並びに偏光分離構
    造部分の描画を行うように制御する制御手段と、 を含み、 前記第1、第2の基材を各々独立して描画し、描画後の
    工程にて前記第1、第2の基材を1つの基材として生成
    することを特徴とする電子ビーム描画装置。
  39. 【請求項39】 電子ビームを照射する電子ビーム照射
    手段と、 前記電子ビーム照射手段にて照射された電子ビームの焦
    点位置を可変とするための電子レンズと、 前記電子ビームを照射することで描画される被描画面に
    曲面部を有する第1、第2の基材を必要に応じて載置す
    る載置台と、 前記第1の基材上に複屈折位相構造を形成する際には、
    前記第1の基材上に描画される描画位置を測定し、前記
    第2の基材上に回折格子構造を形成する際には、前記第
    2の基材上に描画される描画位置を測定するための測定
    手段と、 前記第2の基材の曲面部上に回折格子構造を形成する際
    に、曲面部上の傾斜位置に応じて傾斜する回折格子の各
    ピッチ部分のドーズ量を加味した走査位置に対するドー
    ズ量分布を予め定義したドーズ分布の特性を格納した格
    納手段と、 前記第1の基材に曲面部並びに複屈折位相構造を描画す
    る場合には、前記測定手段にて測定された前記描画位置
    に基づき、前記電子レンズの電流値を調整して前記電子
    ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御し、
    前記第2の基材に曲面部並びに回折格子構造を描画する
    場合には、前記測定手段にて測定された前記描画位置に
    基づき、前記電子レンズの電流値を調整して前記電子ビ
    ームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御すると
    ともに、前記焦点位置における焦点深度内について、前
    記格納手段の前記ドーズ分布の特性に基づいて、当該ド
    ーズ量を算出しつつ前記基材の曲面部上並びに偏光分離
    構造部分の描画を行うように制御する制御手段と、 を含み、 前記第1、第2の基材を各々独立して描画し、描画後の
    工程にて前記第1、第2の基材を1つの基材として生成
    することを特徴とする電子ビーム描画装置。
  40. 【請求項40】 レーザー供給源からのレーザー光を平
    行光にするための光学素子であって、 さらに前記平行光を光路が近接したP、S両偏光からな
    る複数の光束に分離する偏光分離構造を有することを特
    徴とする光学素子。
  41. 【請求項41】 レーザー供給源からのレーザー光を収
    束するための光学素子であって、 さらに複数の光束のうち少なくともP、S両偏光を有す
    る光束に位相差を生じせしめる複屈折位相構造を有する
    ことを特徴とする光学素子。
  42. 【請求項42】 少なくとも一方の面に光を回折する回
    折格子構造を有することを特徴とする請求項40又は請
    求項41に記載の光学素子。
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