JP2003086764A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP2003086764A
JP2003086764A JP2001276580A JP2001276580A JP2003086764A JP 2003086764 A JP2003086764 A JP 2003086764A JP 2001276580 A JP2001276580 A JP 2001276580A JP 2001276580 A JP2001276580 A JP 2001276580A JP 2003086764 A JP2003086764 A JP 2003086764A
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semiconductor device
insulating substrate
resin mold
metal plates
resin
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Application number
JP2001276580A
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English (en)
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Toshio Shimizu
敏夫 清水
Hiroyuki Hiramoto
裕行 平本
Hironori Sekiya
洋紀 関谷
Hisaaki Matsumoto
寿彰 松本
Kenji Kijima
研二 木島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/15Details of package parts other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/181Encapsulation

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  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁特性・耐熱サイクル性に優れ、信頼性に
富む半導体装置を提供する。 【解決手段】 絶縁基板と、絶縁基板の上に配置された
複数の金属板と、各金属板の上に配置された半導体素子
とを少なくとも有する半導体装置において、(1)隣り
合う前記金属板の隙間を被覆する固体絶縁物と、当該固
体絶縁物に形成されたスリットとを有する、或いは
(2)隣り合う前記金属板の隙間を被覆する固体絶縁物
と、当該スリットの代わりに固体絶縁物に対して非接着
性を持つフィルムとを有する、若しくは(3)隣り合う
前記金属板の隙間を被覆する、柔軟なゴム状の材料であ
る熱硬化性のエストラマーを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置に係り、
特に複数のパワーチップを搭載したパワートランジスタ
モジュールなどのモジュール型半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数のパワーチップを搭載したパ
ワートランジスタモジュールなどにおいては、図5
(a)に示すように、絶縁基板51の表裏面に電極(銅
板)52が取り付けられ、その表面に複数の半導体素子
3が載置されている。絶縁基板51は金属製の放熱板5
5上に取り付けられ、ケース56で囲われている。ケー
ス56の上部に外部接続用リード線7を有するターミナ
ルホルダー58を取り付け、シリコーンゲル59をケー
ス56内に流し込み硬化させて、封止部材60で密封さ
れている。
【0003】また、電界が集中する銅板52の端部は、
端部樹脂モールド61として、シリコーンゲル59に比
して絶縁特性に優れたポリイミド樹脂が部分的に被覆さ
れている。その他のケース56内部全体の封止には、耐
熱サイクル性に優れた柔らかいシリコーンゲル59が用
いられている。
【0004】なお、近年、よりコンパクトな構造を実現
する為、パワー素子の実装密度はますます高くなりつつ
ある。同一絶縁基板51上に多数のチップ53を実装す
る場合が多くなり、複数の銅板52が最小限の距離で接
近することになる。これらの銅板52の間に配置された
電極間樹脂モールド(ポリイミド樹脂)62は、電極5
2間を繋ぐように充填されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】1つの電極間樹脂モー
ルド62の両端は、図5(b)に示すように銅板52の
エッジを保持する形となる。また、パワートランジスタ
モジュールの運転及び休止に伴い、装置全体に大きな温
度変化が生じ、銅板52の膨張収縮が起こる。よって、
電極間樹脂モールド62は、銅板52の膨張収縮によっ
て大きな機械的ストレスを被る。その結果、樹脂と銅板
52の界面、或いは、樹脂と絶縁基板51の界面に剥離
13が発生する。また、銅板52のエッジ部など応力集
中部からクラック(亀裂)14が発生する可能性も高
い。実際に、剥離13或いは亀裂14が原因となって、
パワートランジスタモジュールの電気絶縁性が初期値か
ら大きく低下してしまう。
【0006】本発明はこのような従来技術の問題点を解
決するために成されたものであり、その目的は、絶縁特
性・耐熱サイクル性に優れ、信頼性に富む半導体装置を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、絶縁基
板と、絶縁基板の上に配置された複数の金属板と、各金
属板の上に配置された半導体素子とを少なくとも有する
半導体装置において、(1)隣り合う前記金属板の隙間
を被覆する固体絶縁物と、当該固体絶縁物に形成された
スリットとを有する、或いは、(2)隣り合う前記金属
板の隙間を被覆する固体絶縁物と、当該スリットの代わ
りに固体絶縁物に対して非接着性を持つフィルムとを有
する、若しくは、(3)隣り合う前記金属板の隙間を被
覆する、柔軟なゴム状の材料である熱硬化性のエストラ
マーを有することである。
【0008】半導体装置の運転及び停止に伴うヒートサ
イクルによって、熱膨張率の差により隣接する金属板の
隙間は閉じたり、開いたりという挙動を示す。これに伴
い、電極間樹脂モールドには引っ張り/圧縮負荷が繰り
返し加わることになる。電極間樹脂モールド(固体絶縁
物)にスリットを形成して縁切りすることにより、応力
の伝達路を遮断することができる。その結果、界面の剥
離や金属板エッジ部からのクラックなどのヒートサイク
ル時の損傷を防ぐことができる。スリットの代わりに予
めフィルムを形成しても同様な作用効果を奏する。ま
た、電極間樹脂モールドとして固体絶縁物に比して柔軟
なエストラマーを使用しても、引っ張り/圧縮負荷を緩
和することができる。
【0009】本発明の特徴において、固体絶縁物とし
て、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂な
どの熱硬化性樹脂を使用することが望ましい。また、ス
リットは、固体絶縁物中にレーザ光を照射して形成する
ことが望ましい。更に、フィルムとして、ポリイミド或
いはテフロン(登録商標)製フィルムを使用することが
望ましい。また更に、エストラマーとして、シリコーン
或いはポリウレタンを使用することが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実
施の形態を説明する。図面の記載において同一あるいは
類似部分には同一あるいは類似な符号を付している。た
だし、図面は模式的なものであり、層の厚みと幅との関
係、各層の厚みの比率などは現実のものとは異なること
に留意すべきである。また、図面の相互間においても互
いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていること
はもちろんである。
【0011】(第1の実施の形態)図1(a)は、第1
の実施の形態に係る半導体装置の全体構成を示す断面図
である。図1(a)に示すように、第1の実施の形態に
係る半導体装置は、平板状の絶縁基板1と、絶縁基板1
の表裏面に配置された複数の金属板(銅板)2と、各銅
板2の上に配置された半導体素子3とを少なくとも有す
るパワートランジスタモジュールである。
【0012】1つの絶縁基板1の表面には複数の銅板2
及び半導体素子(パワートランジスタ)3が所定の間隔
をおいて配置されている。各銅板2及び半導体素子3
は、絶縁基板1を介して、絶縁基板1の裏面に形成され
た銅板2から電気的に絶縁されている。絶縁基板1の裏
面に形成された銅板2の下には、半導体素子3に通電す
ることにより発生する熱を半導体装置外部へ放出する為
の放熱板5が配置されている。半導体素子3から発生す
る熱は、銅板2及び絶縁基板1を通じて放熱板5から放
出される。ここでは、絶縁基板1として厚さ1mmの窒
化アルミニウムを用い、金属板として厚さ0.2mmの
銅板2を用いる。
【0013】放熱板5の外周には、半導体素子3及び絶
縁基板2を取り囲むように、放熱板5に対して垂直に絶
縁性のケース6が形成されている。放熱板5及びケース
6からなる筐体(パッケージ)の内部には、シリコーン
ゲル9が充填されている。ケース6の上端部分には、半
導体素子3の数と同じだけの外部端子用リード線7を保
持するターミナルホルダー8が配置されている。ケース
6の上端とターミナルホルダー8の間には封止部材10
が配置されている。封止部材10によって、シリコーン
ゲル9が充填されたパッケージ内部が密閉されている。
なお、パッケージ内部に配置された外部端子用リード線
7の一端は、各半導体素子3に接続されている。
【0014】隣り合う銅板2の隙間には電極間樹脂モー
ルド12が被覆されている。図1(a)においては、3
つの銅板2の隙間に2つの電極間樹脂モールド12が形
成されている。絶縁基板1上の外周部分に位置する銅板
2の端部には、端部樹脂モールド11が形成されてい
る。第1の実施の形態において、電極間樹脂モールド1
2及び端部樹脂モールド11は、共に、熱硬化性樹脂か
らなる固体絶縁物からなる。熱硬化性樹脂としては、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂などを用
いることができる。電極間樹脂モールド12には、絶縁
基板1の表面に対して垂直に形成された所定の幅を有す
るスリット12が形成されている。スリット12の詳細
については、図2を参照して後述する。
【0015】図1(b)は、図1(a)に示した半導体
装置の上面図である。図1(b)においては、パッケー
ジ内部の構成を示すため、ターミナルホルダー8、外部
端子用リード線7、封止部材10、及びシリコーンゲル
9を除く他の構成要素を示している。図1(a)は、図
1(b)におけるI−I切断面に沿った断面を示してい
る。絶縁基板1の上には、3つの銅板2及び3つの半導
体素子3が載置されている。絶縁基板1を取り囲むよう
に、放熱板5の外周にケース6が配置されている。絶縁
基板1の外周部分に位置する銅板2の端部に端部樹脂モ
ールド11が形成され、3つの銅板2の隙間に2つの電
極間樹脂モールド12が形成されている。電極間樹脂モ
ールド12の中央部分には、直線状のスリット15が形
成され、絶縁基板1がスリット12から表出している。
電極間樹脂モールド12はスリット15によって縁切り
されている。
【0016】図2は、図1(a)に示した電極間樹脂モ
ールド12及びスリット15を拡大して示す断面図であ
る。電極間樹脂モールド12は、隣接する銅板2の隙間
に埋め込まれ、その一部が、銅板2の上まで盛り上がっ
て形成されている。電極間樹脂モールド12の両端部
は、銅板52のエッジを被覆している。電極間樹脂モー
ルド12の中央部分には、絶縁基板1まで達する幅0.
4mmの溝(スリット)15が形成されている。スリッ
ト15によって、電極間樹脂モールド12が2つに分離
(縁切り)されている。
【0017】スリット15は、直線的な構造であれば良
く、極めて細いカッターによる細密機械加工で形成する
ことができる。また、曲面であれば、コンピュータ制御
を利用したレーザ加工技術を適用できる。熱硬化性樹脂
の分解温度は、絶縁基板1を構成するセラミックスの耐
熱性よりかなり低いので、レーザ出力を絞り、調整する
ことにより絶縁基板1に損傷を与えることなく、電極間
樹脂モールド12のみを除去し、スリット15を作製す
ることができる。
【0018】上述した第1の実施の形態にかかわる半導
体装置によれば、以下に示す作用効果を奏する。パッケ
ージ内部にシリコーンゲル9を充填することで、空気の
場合と比べて半導体装置の絶縁特性を向上させることが
できる。即ち、小さな絶縁距離で所定の製品の絶縁仕様
を満足することができるので、よりコンパクトな構造を
提供できる。なお、シリコーンゲル9は、絶縁・封止を
目的とするだけでなく、その他にも外部のごみやチリの
進入を防ぐ効果がある。また、シリコーンゲル9は柔軟
なゴム状であるので、温度サイクルによる銅板2の膨張
収縮を吸収して、リード線などに機械的な負荷を与える
ことが無く、破損させる危険性が少ない。なお、シリコ
ーンゲル9の代わりにポリウレタン樹脂など柔軟な絶縁
物を用いても構わない。
【0019】半導体素子3に高電圧が印加される銅板2
と接地された放熱板5との間には大きな電気的ストレス
が発生する。ここで最も電界が集中するのは、絶縁基板
1表面に形成された電極(銅板)2のエッジ部分であ
る。この部分から部分放電が発生し、最終的な絶縁破壊
の起点となるものである。従って、例えば図2に示した
ように、銅板2のエッジ部分を部分的に電気特性に優れ
た固体絶縁物を被覆して絶縁強化を図る。ここでいう固
体絶縁物は、端部樹脂モールド11及び電極間樹脂モー
ルド12を示す。固体絶縁物(11、12)の周辺に
は、リード線7などに機械的損傷を与えないように、パ
ッケージ内部全体をシリコーンゲル9或いはポリウレタ
ン樹脂など柔軟な絶縁物で封止する。
【0020】しかし、以下に示す理由から、電極間樹脂
モールド12にスリット15を形成する必要が生じる。
半導体装置のよりコンパクトな構造を実現する為、パワ
ー素子の実装密度はますます高くなりつつある。実装密
度を上げる為には1枚の絶縁基板1に多数の半導体素子
3を搭載する必要があり、これに対応して電極となる銅
板2も多数配置される。従って必然的に、複数の銅板2
が最小限の距離で接近することになる。電極間樹脂モー
ルド12は、隣接する導板2の隙間を繋ぐように充填さ
れることになり、電極間樹脂モールド12の両側には銅
板2が配置されるようになる。
【0021】半導体素子3に通電させると、半導体素子
3の温度は100℃以上にまで上昇し、その周囲の構成
要素の温度も上昇する。寒冷地(−30℃)で半導体装
置を使用した場合、−30℃から短時間で温度が上昇
し、停止時に短時間で温度が低下するという大きなヒー
トサイクルが負荷される。このヒートサイクルの間、熱
膨張率の差により銅板2間は閉じたり、開いたりという
挙動を繰り返す。これに伴い、電極間樹脂モールド12
には、引っ張り/圧縮負荷が繰り返し加わることにな
る。
【0022】電極間樹脂モールド12の中央部分に、絶
縁基板1にまで達するスリット15を形成して、電極間
樹脂モールド12を縁切りすることで、引っ張り/圧縮
負荷の伝達路を遮断することができる。その結果、絶縁
基板1と電極間樹脂モールド12の界面、或いは銅板2
と電極間樹脂モールド12の界面の剥離や、銅板2のエ
ッジ部からのクラックなどのヒートサイクル時の損傷を
防ぐことができる。
【0023】(第2の実施の形態)第1の実施の形態に
おいては、電極間樹脂モールド12に直線状のスリット
15を形成して、ヒートサイクル時に加わる応力の伝達
路を遮断する場合について説明した。第2の実施の形態
では、スリットの代わりに予め薄膜状のフィルムを配置
する場合について説明する。
【0024】第2の実施の形態に係る半導体装置の全体
構成は、第1の実施の形態と同様である。即ち、図1
(a)及び(b)に示したように、絶縁上の弱点部であ
る、絶縁基板1上の電極端部を絶縁特性に優れた固体絶
縁物(11、12)で部分的に被覆し、その他全体部分
の封止には、耐熱サイクル性に優れた柔らかい柔軟シリ
コーンゲルなど柔軟な絶縁物を用いたモジュール型半導
体装置である。但し、電極間樹脂モールド12の中央部
分には、スリット15の代わりにフィルムが形成されて
いる。
【0025】図3は、電極間樹脂モールド12及びフィ
ルム16を拡大して示す断面図である。図3に示すよう
に、電極間樹脂モールド12の中央部分には、厚さ0.
2mmのフィルム16が挿入されている。電極間樹脂モ
ールド12を形成する前に、隣接する銅板2の隙間にフ
ィルム16をスペーサとして配置し、その後、電極間樹
脂モールド12を形成することで、フィルム16を挿入
することができる。
【0026】効率良く縁切りするためには、電極間樹脂
モールド材料を構成するエポキシ樹脂・フェノール樹脂
・ポリイミド樹脂などに対して接着性を持たない、ポリ
イミド、シリコーン、フッ素樹脂などからなる耐熱性に
優れた非接着性フィルム16を使用することが望まし
い。フィルム16とシリコーンゲル9を組合わせること
により、優れた絶縁特性と耐熱サイクル性を具備するパ
ッケージ構造を提供することができる。
【0027】(第3の実施の形態)第1及び第2の実施
の形態においては、電極間樹脂モールド12として、応
力吸収力よりも絶縁性能を重視した、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリイミド樹脂などの強固な固体絶縁物
を使用し、スリット15或いはフィルム16などによっ
て応力吸収力を補強した場合について説明した。
【0028】しかし、接地された放熱板5に近接する端
部樹脂モールド11と比較して、電極間樹脂モールド1
2部に負荷される電気的ストレスは極めて低く、この部
分については強固な固体絶縁物を採用する必要は必ずし
もない。
【0029】そこで、図4に示すように、第3の実施の
形態に係る半導体装置は、より柔軟なエラストマー樹脂
を電極間モールド17用材料として適用する。エラスト
マーとして、耐熱性に優れたシリコーンゴムが適してい
る。また、この場合には、端部樹脂モールド11の材料
と電極間樹脂モールド17用材料を別々に設定する必要
があり、モールド工数が2つに分割される。エラストマ
ー樹脂を用いることで、過酷なヒートサイクルに追従す
る半導体装置を提供することができる。
【0030】(実験例)発明者らは、上述した本発明の
実施の形態に係る半導体装置が奏する作用効果を検証す
るため、以下に示す複数種類の試料(A〜E)を作製
し、各試料について熱サイクル前後の部分放電開始電圧
(CSV)、絶縁破壊電圧(BDV)をそれぞれ求め
た。製作した試料は、図1(a)及び(b)に示した構
成を有する半導体装置をベースとするものである。何れ
の試料も半径電極端部から絶縁基板1端部までの距離は
全周1.5mmで一定とし、電極の反対側には銅板2を
はんだで接合し、放熱板5を模擬した。銅板2端部周囲
は、真空脱泡したシリコーンゲル9で封止した。
【0031】<試料A>試料Aは、銅板2周囲のモール
ドとして端部樹脂モールド11及び電極間樹脂モールド
12を形成せず、シリコーンゲル9のみをパッケージ内
に充填した。
【0032】<試料B>試料Bは、ディスペンサを用い
て銅板2周囲のモールドとして端部樹脂モールド(エポ
キシ樹脂)11及び電極間樹脂モールド(エポキシ樹
脂)12を形成したが、電極間樹脂モールド12にスリ
ット15或いはフィルム16を形成しなかった。
【0033】<試料C>試料Cには、ディスペンサを用
いて銅板2周囲のモールドとして端部樹脂モールド(エ
ポキシ樹脂)11及び電極間樹脂モールド(シリコーン
ゴム)17を形成した。なお、電極間樹脂モールド12
部については、ディスペンサを換え、シリコーンゴムを
塗布し、エポキシ樹脂に連続させた絶縁構成を作製し
た。
【0034】<試料D>試料Dには、ディスペンサを用
いて銅板2周囲のモールドとして端部樹脂モールド(エ
ポキシ樹脂)11及び電極間樹脂モールド(エポキシ樹
脂)12を形成し、電極間樹脂モールド12に幅0.4
mmのスリット15を形成(レーザ加工)した。
【0035】<試料E>試料Eには、ディスペンサを用
いて銅板2周囲のモールドとして端部樹脂モールド(エ
ポキシ樹脂)11及び電極間樹脂モールド(エポキシ樹
脂)12を形成し、電極間樹脂モールド12に予め厚さ
0.2mmのポリイミドフィルム16を挿入しておい
た。
【0036】<試験条件及び結果>まず、図1(a)に
おける放熱板5を接地し、絶縁基板1の表面側の銅板2
に高圧を印加して、放電電荷量を10pCとした場合の
部分放電開始電圧(CSV)及び絶縁破壊電圧(BD
V)を初期値として求めた。
【0037】次に、劣化試験として評価モデルに対して
恒温槽中で熱サイクルを加え、試験後に同様にして部分
放電開始電圧(CSV)、絶縁破壊電圧(BDV)を求
めた。熱サイクルの条件は、125℃に1時間保持した
後、直ちに−40℃に冷却して1時間保持するサイクル
を1サイクルとして、300サイクル連続して加えるも
のとした。
【0038】電極形状をパラメータとして、上述の簡易
モールドモデルの部分放電開始電圧CSV、絶縁破壊電
圧BDVを求めた結果を表1に示す。放電開始電荷を1
0pCとした。なお、実際に測定を行った試料の数は各
試料(A〜E)について3つづつとし、平均値を示し
た。
【0039】
【表1】 試料Aと試料Bとを比較すると、銅板2周囲をエポキシ
樹脂(固体絶縁物)でモールドすることにより絶縁特性
が著しく向上することが分かる。しかし、試料Bについ
ては、熱サイクル試験により電極間樹脂モールド12に
剥離、クラックが発生し、熱サイクル後のCSV、BD
Vが低下した。
【0040】また、銅板2周囲をエポキシ樹脂/シリコ
ーン樹脂でモールドした試料C、全周エポキシ樹脂でモ
ールドし、電極間樹脂モールド12にスリット加工を施
した試料D、或いはフィルムを挿入した試料Eは、優れ
た絶縁特性を示した。同時に、熱サイクル時の応力を緩
和し、電極間樹脂モールド12の剥離、クラック発生を
抑えるので、熱サイクル後の絶縁特性の低下も認められ
なかった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
絶縁基板の沿面の破壊電圧を上昇させ、絶縁特性・耐熱
サイクル性に優れ、信頼性に富む半導体装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の第1の実施の形態に係る
半導体装置の全体構成を示す断面図である。図1(b)
は図1(a)に示した半導体装置の平面構成を示す上面
図である。
【図2】図1の各分図に示した電極間樹脂モールド及び
スリットを拡大して示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置が
有する電極間樹脂モールド及びフィルムを拡大して示す
断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の
全体構成を示す断面図である。
【図5】図5(a)は従来技術に係る半導体装置の全体
構成を示す断面図である。図5(b)は従来技術が有す
る問題点を示すために図5(a)の一部を拡大した断面
図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 銅板(電極) 3 半導体素子 5 放熱板 6 ケース 7 外部端子用リード線 8 ターミナルホルダー 9 シリコーンゲル 10 封止部材 11 端部樹脂モールド 12、17 電極間樹脂モールド 13 剥離 14 クラック 15 スリット 16 フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関谷 洋紀 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 松本 寿彰 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 木島 研二 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 Fターム(参考) 4M109 AA01 CA04 DA06 DB09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板と、 前記絶縁基板の上に配置された複数の金属板と、 前記各金属板の上に配置された半導体素子と、 隣り合う前記金属板の隙間を被覆する固体絶縁物と、 前記固体絶縁物の中に形成されたスリットとを有するこ
    とを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記固体絶縁物として熱硬化性樹脂を使
    用することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記スリットは、前記固体絶縁物にレー
    ザ光を照射して形成されることを特徴とする請求項1記
    載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 絶縁基板と、 前記絶縁基板の上に配置された複数の金属板と、 前記各金属板の上に配置された半導体素子と、 隣り合う前記金属板の隙間を被覆する固体絶縁物と、 前記固体絶縁物の中に配置された、前記固体絶縁物に対
    して非接着性を持つフィルムとを有することを特徴とす
    る半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記固体絶縁物として熱硬化性樹脂を使
    用することを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記フィルムとして、ポリイミド、シリ
    コーン或いはフッ素樹脂製フィルムを使用することを特
    徴とする請求項4記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 絶縁基板と、 前記絶縁基板の上に配置された複数の金属板と、 前記各金属板の上に配置された半導体素子と、 隣り合う前記金属板の隙間を被覆する熱硬化性のエスト
    ラマーとを有することを特徴とする半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記エストラマーとして、シリコーン或
    いはポリウレタンを使用することを特徴とする請求項7
    記載の半導体装置。
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