JP2003083395A - 回転機械 - Google Patents

回転機械

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JP2003083395A
JP2003083395A JP2001236449A JP2001236449A JP2003083395A JP 2003083395 A JP2003083395 A JP 2003083395A JP 2001236449 A JP2001236449 A JP 2001236449A JP 2001236449 A JP2001236449 A JP 2001236449A JP 2003083395 A JP2003083395 A JP 2003083395A
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pulley
rotating
machine according
rotary machine
rotating body
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JP2001236449A
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Takashi Kawada
剛史 川田
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Masaki Ota
太田  雅樹
Hiroshi Ataya
拓 安谷屋
Akinobu Kanai
明信 金井
Takayasu Suzuki
隆容 鈴木
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
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Publication date
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    • F16H55/00Elements with teeth or friction surfaces for conveying motion; Worms, pulleys or sheaves for gearing mechanisms
    • F16H55/32Friction members
    • F16H55/36Pulleys
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
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    • F04B27/0895Component parts, e.g. sealings; Manufacturing or assembly thereof driving means
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    • F16F15/1407Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using masses freely rotating with the system, i.e. uninvolved in transmitting driveline torque, e.g. rotative dynamic dampers the rotation being limited with respect to the driving means
    • F16F15/145Masses mounted with play with respect to driving means thus enabling free movement over a limited range
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1回転体と第2回転体との間の共振を抑制
するとともに、回転機械自体の耐久性を向上させること
が可能な回転機械を提供する。 【解決手段】 受承部材42は、ハウジングに回転可能
に支持された駆動軸16に対して一体回転可能に固定さ
れている。プーリ17は、前記ハウジングに対して回転
可能に支持されるとともに受承部材42とほぼ同軸位置
に配設された状態で受承部材42に対して作動連結され
ている。プーリ17と受承部材42との間の動力伝達経
路上には、受承部材42からプーリ17へ伝達される回
転振動を減衰させるゴムダンパ43が設けられている。
プーリ17には、コロ46の振り子運動によって該プー
リ17の回転振動を抑制するダイナミックダンパが設け
られている。プーリ17を支持する軸受部材等において
プーリ17と受承部材42との軸心ずれに起因して発生
する応力がゴムダンパ43によって低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハウジングに回転
可能に支持された回転軸に対して一体回転可能に固定さ
れるとともに前記ハウジングの外部に設けられた第1回
転体と、前記ハウジングの外部において該ハウジングに
対して回転可能に支持されるとともに前記第1回転体と
ほぼ同軸位置に配設された状態で前記第1回転体に対し
て作動連結された第2回転体とを有する回転機械に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、車両エンジンなどの
外部駆動源によって駆動される車両搭載用圧縮機は、該
圧縮機を駆動するための回転軸に固定された第1回転体
と、該第1回転体に作動連結されるとともに前記エンジ
ンにベルトなどを介して連結される第2回転体とを備え
ている。一般に、前記第2回転体は、前記回転軸を支持
する前記圧縮機のハウジングに対してベアリングなどを
介して回転可能に支持される。これによれば、前記ベル
トのテンションなどによって前記回転軸に径方向(該回
転軸の径方向)に作用する応力が低減されて、前記回転
軸を支持する軸受部材に作用する応力が低減され得るよ
うになる。
【0003】特開2000−297844公報には、外
部駆動源によって駆動される慣性マス(第2回転体)
が、クランク軸(回転軸)に取着されたハブ(第1回転
体)に対して環状エラストマ(緩衝部材)を介して連結
された構成が開示されている。この環状エラストマの作
用によって、前記クランク軸から前記慣性マスに伝達さ
れる回転振動の減衰が可能となる。また、前記ハブに
は、遠心マス(質量体)の振り子運動によって前記クラ
ンク軸の回転振動を低減するための振動数可変型吸振系
(ダイナミックダンパ)が設けられている。これらによ
り、第1回転体と第2回転体との間の共振の抑制が可能
になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の第1回転体が回
転軸に固定されるとともに該回転軸を支持するハウジン
グに対して第2回転体が回転可能に支持された構成で
は、前記第1回転体と前記第2回転体との軸心ずれを吸
収する(許容する)構造が必要とされる。この構造が設
けられていない場合には、前記軸心ずれによって、前記
回転軸を支持する軸受部材や前記第2回転体を支持する
ベアリングの耐久性が低下するなどの不具合が発生しや
すくなる。特開2000−297844公報に開示され
た前記構成では、この軸心ずれに対する考慮がなされて
いない。
【0005】本発明の目的は、第1回転体と第2回転体
との間の共振を抑制するとともに、回転機械自体の耐久
性を向上させることが可能な回転機械を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、請求項1に記載の発明は、ハウジングに回転可
能に支持された回転軸に対して一体回転可能に固定され
るとともに前記ハウジングの外部に設けられた第1回転
体と、前記ハウジングの外部において前記第1回転体と
ほぼ同軸位置に配設された状態で前記第1回転体に対し
て作動連結されるとともに外部駆動源によって駆動され
る第2回転体とを有し、前記第2回転体が前記ハウジン
グに対して回転可能に支持されるとともに前記両回転体
間の動力伝達経路上には緩衝部材が設けられ、前記両回
転体の少なくとも一方には、該回転体の回転中心軸線か
ら所定間隔だけ離間した点を通過する該回転中心軸線に
ほぼ平行な軸線を中心とした振り子運動を行なう質量体
を有するダイナミックダンパが設けられていることを要
旨とする。
【0007】この発明によれば、ダイナミックダンパ及
び緩衝部材の作用により、前記両回転体の間の共振が抑
制されるようになる。また、外部駆動源によって駆動さ
れる第2回転体はハウジングに対して支持されているた
め、前記外部駆動源と前記第2回転体とを連結するため
の索体(ベルトなど)のテンションなどによって回転軸
が径方向に受ける応力が低減される。
【0008】また、前記両回転体の動力伝達経路上に前
記緩衝部材を設けたため、各回転体の軸心が互いにずれ
ていることに起因して各回転体側を支持するための部材
(例えば、軸受部材)に発生する応力を低減することが
できる。したがって、回転機械自体の耐久性を向上させ
ることが可能になる。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記緩衝部材は弾性部材であることを
要旨とする。この発明によれば、前記両回転体の間の動
力伝達経路上に設けられた弾性部材の作用によって、一
方の前記回転体から他方の前記回転体に伝達される回転
振動(トルク変動)の減衰が可能になる。
【0010】また、前記弾性部材の変形によって、各回
転体の軸心が互いにずれていることに起因して各回転体
側を支持するための部材(例えば、軸受部材)に発生す
る応力が低減され得るようになる。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記緩衝部材は、流体が封入された収
容体によって構成されていることを要旨とする。この発
明によれば、両回転体の間の動力伝達経路上に設けられ
た収容体に封入された流体の作用によって、一方の前記
回転体から他方の前記回転体に伝達される回転振動(ト
ルク変動)の減衰が可能になる。
【0012】また、前記収容体の変形によって、各回転
体の軸心が互いにずれていることに起因して各回転体側
を支持するための部材(例えば、軸受部材)に発生する
応力が低減され得るようになる。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記緩衝部材は、ゲルが封入された収
容体によって構成されていることを要旨とする。この発
明によれば、両回転体の間の動力伝達経路上に設けられ
た収容体に封入されたゲルの作用によって、一方の前記
回転体から他方の前記回転体に伝達される回転振動(ト
ルク変動)の減衰が可能になる。ゲルを採用した場合に
は、流体を採用した場合に比較して、振動に対する減衰
効果が大きくなる。
【0014】また、前記収容体の変形によって、各回転
体の軸心が互いにずれていることに起因して各回転体側
を支持するための部材(例えば、軸受部材)に発生する
応力が低減され得るようになる。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれか一項に記載の発明において、前記ダイナミック
ダンパは複数の前記質量体を有し、該ダイナミックダン
パが設けられた前記回転体に発生する回転振動における
複数の次数成分に対応するように構成されていることを
要旨とする。
【0016】この発明によれば、一つの次数成分にのみ
対応するように構成された場合に比較して、動力伝達状
態における伝達トルク変動量を効果的に低減することが
可能になる。
【0017】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれか一項に記載の発明において、前記質量体は、該
質量体が設けられる前記回転体に設けられた案内部の断
面円弧状の案内面に沿って移動することで前記振り子運
動を行うことを要旨とする。
【0018】この発明によれば、質量体に前記振り子運
動を行わせるために該質量体を軸支する必要がない。そ
のため、質量体を軸支した構造に比較して、構造が簡単
になる。また、質量体を軸支した構造に比較して、支軸
と該支軸が挿通される該質量体の軸孔との隙間の存在に
起因する、該質量体の振り子運動中心(支点)と重心と
の距離の変化がなくなる。したがって、共振の抑制が、
より良好に行なわれる。
【0019】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の発明において、前記案内部において、該案内部と前記
質量体との衝突による衝撃を緩和するための緩衝手段を
設けたことを要旨とする。
【0020】この発明によれば、緩衝手段によって、案
内部と質量体との衝突による衝撃が緩和される。これに
より、前記衝撃による前記案内部や前記質量体の破壊や
変形、さらに、衝撃音の発生が抑制される。
【0021】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の発明において、前記案内部において、少なくとも前記
質量体の前記振り子運動における移動方向の両端部に前
記緩衝手段を設けたことを要旨とする。
【0022】この発明によれば、少なくとも前記質量体
の移動量が前記振り子運動における移動方向に過大とな
った場合に、前記案内部と前記質量体との衝突による衝
撃が緩和される。
【0023】請求項9に記載の発明は、請求項7または
8に記載の発明において、前記案内部と前記質量体との
衝突による衝撃を緩和するための前記緩衝手段を前記緩
衝部材として兼用したことを要旨とする。
【0024】この発明によれば、前記緩衝手段及び前記
緩衝部材を設けるためのスペースの確保が容易になると
ともに、部品点数の低減すなわちコストダウンを図るこ
とが可能になる。
【0025】請求項10に記載の発明は、請求項7〜9
のいずれか一項に記載の発明において、前記案内部は複
数設けられ、前記緩衝手段は、隣接した複数の前記案内
部に対して兼用されるように配設されていることを要旨
とする。
【0026】この発明によれば、案内部が複数設けられ
た場合に緩衝手段を設けるためのスペースの確保が容易
になるとともに、部品点数の低減すなわちコストダウン
を図ることが可能になる。
【0027】請求項11に記載の発明は、請求項1〜1
0のいずれか一項に記載の発明において、前記回転軸の
回転に基づいて駆動される圧縮機構を有することを要旨
とする。
【0028】この発明によれば、前記回転軸の回転に基
づいて駆動される圧縮機構を有する回転機械において、
請求項1〜10のいずれか一項に記載の発明の効果を得
ることが可能になる。
【0029】請求項12に記載の発明は、請求項11に
記載の発明において、前記圧縮機構は、シリンダボアに
収容されたピストンの往復動によって冷媒の圧縮を行う
ピストン式圧縮機構であることを要旨とする。
【0030】この発明によれば、ピストンが冷媒から受
ける圧縮反力に起因する前記回転軸の前記回転振動に基
づく両回転体の間の共振が前記ダイナミックダンパ及び
前記緩衝部材によって抑制される。
【0031】請求項13に記載の発明は、請求項12に
記載の発明において、前記シリンダボアの数が3,4,
5,6及び7のいずれかに設定されていることを要旨と
する。
【0032】この発明によれば、シリンダボアの数が
3,4,5,6及び7のいずれかに設定された回転機械
において請求項12に記載の発明の効果を得ることが可
能になる。
【0033】請求項14に記載の発明は、請求項13に
記載の発明において、前記シリンダボアの数が3に設定
されていることを要旨とする。この発明によれば、シリ
ンダボアの数が3に設定された前記回転機械では、4以
上に設定されたものに比較して、前記回転軸に発生する
前記回転振動に伴なう両回転体間の伝達トルク変動量が
大きくなり易い。つまり、シリンダボアの数が3に設定
された前記回転機械においては、前記ダイナミックダン
パ及び前記緩衝部材による共振抑制作用が特に有用に働
く。
【0034】請求項15に記載の発明は、請求項11〜
14のいずれか一項に記載の発明において、前記回転軸
の一回転あたりの吐出容量を変更可能な構成とされてい
ることを要旨とする。
【0035】この発明によれば、回転軸の一回転あたり
の吐出容量を変更可能な圧縮機において、請求項11〜
14のいずれか一項に記載の発明の効果を得ることが可
能になる。
【0036】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の一実施形態を図1及び図2に従って説明する。なお、
図1では、図面左方を前方、右方を後方としている。
【0037】図1に示すように、車両用空調装置を構成
する圧縮機Cは、シリンダブロック11と、その前端に
接合固定されたフロントハウジング12と、シリンダブ
ロック11の後端に弁形成体13を介して接合固定され
たリヤハウジング14とを備えている。シリンダブロッ
ク11、フロントハウジング12、弁形成体13及びリ
ヤハウジング14は、圧縮機Cのハウジングを構成して
いる。
【0038】シリンダブロック11とフロントハウジン
グ12とで囲まれた領域には、クランク室15が区画さ
れている。前記ハウジングには、クランク室15を貫通
するように配設された回転軸としての駆動軸16が回転
可能に支持されている。駆動軸16の前端部側は、フロ
ントハウジング12の前壁に固定されたラジアルベアリ
ング12Aによって支持されている。また、駆動軸16
の後端部側は、シリンダブロック11に固定されたラジ
アルベアリング11Aによって支持されている。
【0039】駆動軸16の前端部はフロントハウジング
12の前壁を貫通して外部に突出するように配置されて
いる。この駆動軸16の前端部は、動力伝達機構PT及
び該動力伝達機構PTを構成するプーリ17に掛装され
たベルト18を介して外部駆動源としての車両エンジン
Eに作動連結されている。なお、動力伝達機構PT及び
圧縮機Cによって、回転機械が構成されている。
【0040】駆動軸16には、クランク室15において
ラグプレート19が一体回転可能に固定されている。ク
ランク室15には、カムプレートとしての斜板20が収
容されている。斜板20は、駆動軸16に対してスライ
ド移動可能かつ傾動可能に支持されている。斜板20
は、ヒンジ機構21を介してラグプレート19に作動連
結されている。斜板20は、ヒンジ機構21を介したラ
グプレート19との前記作動連結、及び駆動軸16の支
持により、ラグプレート19及び駆動軸16と同期回転
可能であるとともに、駆動軸16の回転中心軸線方向へ
のスライド移動を伴いながら該駆動軸16に対して傾動
可能となっている。
【0041】斜板20は、駆動軸16に固定された係止
リング22、及び、該係止リング22と斜板20との間
に配設されたバネ23によって、該斜板20の最小傾斜
角度が規定されるようになっている。なお、斜板20の
最小傾斜角度とは、該斜板20の、駆動軸16の軸線方
向との角度が90°に最も近づいた状態における傾斜角
度を意味している。
【0042】シリンダブロック11には、複数(図1で
は一つのみ図示)のシリンダボア24が駆動軸16の回
転中心軸線方向に沿うようにして貫通形成されている。
シリンダボア24には、片頭型のピストン25が往復動
可能に収容されている。シリンダボア24の前後開口
は、弁形成体13及びピストン25によって閉塞されて
おり、このシリンダボア24内にはピストン25の往復
動に応じて体積変化する圧縮室が区画形成されている。
各ピストン25は、シュー26を介して斜板20の外周
部に係留されている。これにより、駆動軸16の回転に
伴う斜板20の回転運動が、シュー26を介してピスト
ン25の往復直線運動に変換されるようになっている。
【0043】なお、シリンダブロック11(シリンダボ
ア24)、駆動軸16、ラグプレート19、斜板20、
ヒンジ機構21、ピストン25及びシュー26によっ
て、容量可変型ピストン式圧縮機構が構成されている。
【0044】リヤハウジング14には、吸入室27及び
吐出室28がそれぞれ区画形成されている。吸入室27
及び吐出室28の前方側は、弁形成体13によって閉塞
されている。吸入室27の冷媒ガスは、各ピストン25
の上死点側から下死点側への移動により、弁形成体13
に形成された吸入ポート29及び吸入弁30を介してシ
リンダボア24(圧縮室)に導入される。シリンダボア
24に導入された低圧な冷媒ガスは、ピストン25の下
死点側から上死点側への移動により所定の圧力にまで圧
縮され、弁形成体13に形成された吐出ポート31及び
吐出弁32を介して吐出室28に導入される。
【0045】吸入室27と吐出室28とは、図示しない
外部冷媒回路で接続されている。吐出室28から吐出さ
れた冷媒は、前記外部冷媒回路に導入される。この外部
冷媒回路では、前記冷媒を利用した熱交換が行われる。
前記外部冷媒回路から排出された冷媒は、吸入室27に
導入され、シリンダボア24に吸入されて再度圧縮作用
を受ける。
【0046】前記ハウジングには、クランク室15と吸
入室27とを連通する抽気通路33が設けられている。
また、前記ハウジングには、吐出室28とクランク室1
5とを連通する給気通路34が設けられている。給気通
路34は、該給気通路34上(給気通路34の途中)に
配設された制御弁35によってその開度が調節され得る
ようになっている。
【0047】制御弁35の開度を調節することで給気通
路34を介したクランク室15への高圧冷媒ガスの導入
量と抽気通路33を介したクランク室15からのガス排
出量とのバランスが制御され、クランク圧(クランク室
15の内圧)Pcが決定される。クランク圧Pcの変更
に応じて、ピストン25を介してのクランク圧Pcと前
記圧縮室の内圧との差が変更され、斜板20の傾斜角度
が変更される結果、ピストン25のストロークすなわち
駆動軸16の一回転あたりの吐出容量が調節される。
【0048】図1及び図2に示すように、フロントハウ
ジング12の前側外壁面には、略円筒状の支持筒部40
が駆動軸16の前端部を取り囲むようにして突設されて
いる。支持筒部40の外周面の中心軸線は、駆動軸16
の中心軸線とほぼ一致するように設定されている。
【0049】支持筒部40の内周側には、支持筒部40
と駆動軸16との隙間を封止するリップシール41が設
けられている。このリップシール41によって、支持筒
部40の内周側と駆動軸16との間の部分を介したクラ
ンク室15から前記ハウジングの外部への冷媒の漏洩が
防止されるようになっている。
【0050】第1回転体としての受承部材42は、前記
ハウジングの外部において駆動軸16の前端部に一体回
転可能に固定されている。受承部材42は、支持筒部4
0のリップシール41よりも前方において支持筒部40
の内周側に挿入された円筒状部42Aと、該円筒状部4
2Aと一体形成されるとともに支持筒部40よりも前方
に配設された略円板状のハブ部42Bとからなってい
る。
【0051】第2回転体としてのプーリ17は、その外
周側に、車両エンジンEの出力軸の動力(トルク)を該
プーリ17に伝達するためのベルト18が掛けられる略
円筒状のベルト掛け部17Aを有している。また、プー
リ17は、その内周側に円筒状の筒部17Bを有してい
る。筒部17Bの内周側には、支持筒部40の外周側に
嵌合されたラジアルベアリング40Aの外輪部が取着さ
れている。すなわち、プーリ17は、前記ハウジングに
対して回転可能に支持されるとともに、駆動軸16及び
受承部材42とほぼ同軸位置に配設された状態で駆動軸
16及び受承部材42と相対回転可能となっている。
【0052】筒部17Bの内周側とハブ部42Bの外周
側とは、環状の弾性部材(緩衝部材)としてのゴムダン
パ43によって連結されている。ゴムダンパ43は、プ
ーリ17と受承部材42との間の動力伝達経路上に配設
されている。
【0053】プーリ17においてベルト掛け部17Aと
筒部17Bとの間の部分には、案内部としての凹部45
が六つ形成されている(図1では一つのみ図示)。各凹
部45は、プーリ17の周方向に等間隔に配置されてい
る。
【0054】各凹部45には、プーリ17の回転中心軸
線に直交する平面での断面形状が円弧状の案内面として
の転動案内面45Aが形成されている。転動案内面45
Aは、プーリ17の回転中心軸線から所定間隔(この間
隔をR1とする)だけ離間するとともに該回転中心軸線
に平行な軸線を中心とした半径r1の仮想円筒内周面の
一部を構成している。
【0055】各凹部45には、質量体としての円柱状の
剛体部材であるコロ46(このコロ46の直径をd1
し、同コロ46の一つ当たりの質量をm1とする)が一
つずつ収容されている。各コロ46は、各凹部45内を
転動案内面45Aに沿って該転動案内面45Aの周方向
に転動可能な状態で収容されている。各コロ46は、各
凹部45の開口側(前方側)にネジ留めにより固定され
た環状の蓋部47によって、各凹部45の外部に転げ落
ちないようになっている。
【0056】各コロ46は、車両エンジンEによる圧縮
機Cの駆動時すなわち駆動軸16の回転時には、遠心力
が作用して転動案内面45Aに当接した状態になるよう
になっている(図1及び図2の状態)。この状態で、駆
動軸16の捻り振動等に起因するトルク変動が発生する
と、各コロ46は、各凹部45において、それぞれ、転
動案内面45Aに沿って(転動案内面45Aの周方向
に)往復動を始める。つまり、各コロ46(の重心)
は、転動案内面45Aによってその一部が構成される前
記仮想円筒内周面の中心軸線を中心とした振り子運動を
行う。したがって、各コロ46は、車両エンジンEによ
る圧縮機Cの駆動時には、遠心振り子として作用する。
本実施形態では、前記トルク変動を、コロ46の振り子
運動によって抑え込むために、該コロ46のプーリ17
における配置位置や大きさ、質量などを設定している。
【0057】なお、プーリ17(凹部45)及びコロ4
6によって、ダイナミックダンパが構成されている。こ
こで、遠心振り子として作用するコロ46に対する前述
の各設定について説明する。
【0058】コロ46は、該コロ(遠心振り子)46の
固有振動数に等しい振動数における前記トルク変動(該
トルク変動の変動幅)を抑え込む作用をなす。したがっ
て、コロ46の固有振動数が、前記トルク変動のピーク
の振動数と等しくなるように該コロ46のプーリ17に
おける配置位置や大きさ、質量等を設定することで、こ
のピークの前記トルク変動を抑え、前記トルク変動によ
る全体としての影響を有効に抑え込むことが可能とな
る。なお、前記トルク変動のピークは、該トルク変動の
変動幅のピーク、すなわち、回転次数成分を指してい
る。
【0059】前記トルク変動の振動数及びコロ46の固
有振動数は、駆動軸16の回転速度に相関する該駆動軸
16の角速度ω1に比例する。また、圧縮機Cの前記ト
ルク変動のピークのうち最も大きな変動幅となるピーク
が現れる際の該トルク変動の振動数は、駆動軸16の単
位時間あたりの回転数(=ω1/2π)と気筒数(シリ
ンダボア24の数)Nとの積(ω1/2π)・Nによっ
て与えられる。なお、圧縮機Cにおいては、前記トルク
変動のピークのうちn番目(nは自然数)に大きなもの
の振動数が、積n・(ω1/2π)・Nと同等の値を示
す傾向にあることが実験などにより求まっている。
【0060】一方、コロ46の固有振動数は、駆動軸1
6の単位時間あたりの回転数(=ω 1/2π)と、比R
/rの平方根値との積によって与えられる。なお、ここ
でいうRはプーリ17(振り子運動を行う質量体が設け
られた回転体)の回転中心軸線とコロ46(質量体)の
振り子運動の中心軸線との距離であり、rはコロ46の
振り子運動の中心軸線と該コロ46の重心との距離であ
る。
【0061】したがって、比R/rの平方根値を積n・
Nの値に等しく設定することで、前記トルク変動のn番
目に大きなピークの振動数とコロ46の固有振動数とを
合わせることができる。これにより、n番目に大きなピ
ークの振動数における前記トルク変動を抑えることが可
能になる。
【0062】このことに従い、本実施形態では、前記ト
ルク変動の最も大きなピークを抑え込むために、比R/
rの平方根値がN(n=1のときのn・Nの値)の値と
等しくなるように、R及びrの大きさを設定している。
【0063】コロ46の振り子運動によって前記トルク
変動を効率的に押さえ込むためには、該コロ46によっ
て作用されるプーリ17の回転中心軸線回りのトルクT
を、前記トルク変動の変動幅と等しい大きさにして対抗
させる必要がある。前記トルク変動のピークの振動数と
コロ46の固有振動数が一致した状態での前記トルクT
の大きさは、以下の式によって与えられることが解かっ
ている。
【0064】(式1) T=m・(ωa2 ・(R+r)・R・φ ここで、mは全コロ46の合計質量(m=6・m1)で
あり、ωaは、微小振り角度φで振り子運動を行なうコ
ロ46の平均角速度である。
【0065】本実施形態のコロ46においては、質量m
をできるだけ大きく設定することで、値R,r及びφを
小さく抑えてプーリ17の大型化をできるだけ抑え込み
ながら、トルクTを大きく確保するようにしている。
【0066】なお、本実施形態では、転動案内面45A
によってその一部が構成される前記仮想円筒内周面の中
心軸線が、コロ46の前記振り子運動の中心軸線(該振
り子運動の支点はこの中心軸線上にある)と一致する。
すなわち、プーリ17の回転中心軸線と前記仮想円筒内
周面の中心軸線との距離R1が、前記距離Rに相当す
る。
【0067】また、コロ46の前記振り子運動の中心軸
線と、該コロ46の重心との距離は、前記仮想円筒内周
面の半径r1から、前記コロ46の直径d1の半分を差し
引いた数値に等しい。すなわち、差{r1−(d1
2)}が、前記距離rに相当する。
【0068】すなわち、本実施形態では、最も大きな前
記トルク変動のピークを抑え込むために、前記比R/r
の平方根値に相当する、比R1/{r1−(d1/2)}
の平方根値がN(n=1のときのn・Nの値)の値と等
しくなるように、R1、r1及びd1の大きさを設定して
いる。
【0069】なお、前述の振り子運動においては、コロ
46をその重心に質量が集中した質点として各種設定が
なされている。次に、前述のように構成された圧縮機C
の作用について説明する。
【0070】車両エンジンEからプーリ17等を介して
駆動軸16に動力が供給されると、駆動軸16とともに
斜板20が回転する。斜板20の回転に伴って各ピスト
ン25が斜板20の傾斜角度に対応したストロークで往
復動され、各シリンダボア24において冷媒の吸入、圧
縮及び吐出が順次繰り返される。
【0071】なお、制御弁35の開度が小さくなると、
吐出室28から給気通路34を経由してクランク室15
へ供給される高圧冷媒ガスの量が少なくなり、クランク
圧Pcが低下し、斜板20の傾斜角度が大きくなって、
圧縮機Cの吐出容量が大きくなる。逆に、制御弁35の
開度が大きくなると、吐出室28から給気通路34を経
由してクランク室15へ供給される高圧冷媒ガスの量が
多くなり、クランク圧Pcが上昇し、斜板20の傾斜角
度が小さくなって、圧縮機Cの吐出容量が小さくなる。
【0072】駆動軸16の回転時には、冷媒の圧縮反力
やピストン25の往復動に基づく反力が斜板20やヒン
ジ機構21などを介して該駆動軸16に伝えられること
で、該駆動軸16には捻り振動(回転振動)が発生す
る。この捻り振動はトルク変動を発生させる。前記トル
ク変動は、圧縮機C自身や、プーリ17にベルト18を
介して作動連結された外部機器(車両エンジンEや補機
など)と該圧縮機Cとの間に共振を発生させる原因とな
るものである。
【0073】前記トルク変動が発生すると、プーリ17
に設けられたコロ46が振り子運動を始める。この振り
子運動によってプーリ17の回転中心軸線回りに作用さ
れるトルクが、前記トルク変動を抑えるように作用す
る。コロ46は、その固有振動数が前記トルク変動の最
も大きなピークの振動数に等しく設定されているため、
この最大ピークの前記トルク変動が抑えられ、全体とし
て有効にプーリ17のトルク変動が低減される。
【0074】また、プーリ17はゴムダンパ43を介し
て駆動軸16側(受承部材42)に連結されているた
め、受承部材42側からプーリ17側に伝達される前記
トルク変動はゴムダンパ43によって減衰される。この
結果、このトルク変動に起因する前記共振が効果的に抑
えられる。
【0075】さらに、ゴムダンパ43が介在されている
ことにより、プーリ17及び受承部材42(すなわち駆
動軸16)の回転中心軸線(軸心)が互いにずれている
ことに起因してラジアルベアリング12A,40A等の
軸受部材などに発生する応力が低減される。
【0076】なお、ゴムダンパ43によるダンパ作用
は、比較的高周波な前記トルク変動において有効に作用
され、コロ46の振り子運動によるダンパ作用は、比較
的低周波な前記トルク変動において有効に作用される。
【0077】本実施形態では、以下のような効果を得る
ことができる。 (1) プーリ17に、該プーリ17の回転中心軸線か
ら所定間隔R1だけ離間し、かつ該回転中心軸線に平行
な軸線を中心とした振り子運動を行なうコロ46を設け
た。これによれば、コロ46の振り子運動によって前記
捻り振動(前記トルク変動)が抑えられ、動力伝達機構
PTや、これを備えた圧縮機C、プーリ17にベルト1
8を介して作動連結された前記外部機器と該圧縮機Cと
の間に発生する共振が抑えられる。
【0078】さらに、プーリ17と受承部材42との間
の動力伝達経路上に設けられたゴムダンパ43により、
受承部材42側からプーリ17側に伝達される前記トル
ク変動の減衰が可能になる。つまり、コロ46の振り子
運動によるダンパ効果に加えて、ゴムダンパ43による
ダンパ効果を得ることができる。したがって、前記共振
抑制がより効果的に行われる。
【0079】また、前記共振を抑えるためのこれらの構
造は動力伝達機構PTに設けられているため、駆動軸1
6側に特段に共振抑止手段を設ける必要がなくなる。つ
まり、圧縮機Cの構造が軽量かつ小型なものになる。
【0080】(2) プーリ17は前記ハウジングに対
して支持されているため、車両エンジンEと前記プーリ
17とを連結するための索体(ベルトなど)のテンショ
ンなどによって駆動軸16が径方向に受ける応力が低減
される。
【0081】(3) プーリ17と受承部材42との間
(の動力伝達経路上)には、ゴムダンパ43が設けられ
ている。これによれば、プーリ17及び受承部材42
(すなわち駆動軸16)の回転中心軸線(軸心)が互い
にずれていることに起因してラジアルベアリング12
A,40A等の軸受部材などに発生する応力を、ゴムダ
ンパ43の変形によって低減することができる。したが
って、動力伝達機構PT及び圧縮機Cによって構成され
る前記回転機械の耐久性を向上させることが可能にな
る。
【0082】(4) 円柱状の剛体部材であるコロ46
を、プーリ17に設けた凹部45の断面円弧状の転動案
内面45Aに沿って移動可能に配設した。これによれ
ば、コロ46は振り子運動の支点に軸支されていないた
め、質量体を軸支した構造に比較して、構造が簡単にな
る。また、質量体を軸支した構造に比較して、支軸と該
支軸が挿通される該質量体の軸孔との隙間の存在に起因
する、該質量体の振り子運動中心(支点)と重心との距
離の変化がなくなる。したがって、共振の抑制が、より
良好に行なわれる。
【0083】(第2の実施形態)この第2の実施形態
は、前記第1の実施形態において動力伝達機構PTの構
成を変更したものであり、その他の点では第1の実施形
態と同一の構成になっている。従って、第1の実施形態
と共通する構成部分については図面上に同一符号を付し
て重複した説明を省略する。
【0084】図3に示すように、本実施形態の受承部材
42のハブ部42Bは、前記第1の実施形態のものに比
較して外径が大きい円板状を呈しているとともに、凹部
45の開口のほぼ全体を覆うように配置された状態とな
っている。本実施形態では前記第1の実施形態において
設けられていた蓋部47が省略され、ハブ部42Bの周
縁部分によって凹部45から外部へのコロ46の転げ落
ちが防止されるようになっている。
【0085】また、本実施形態では、前記第1の実施形
態におけるハブ部42Bの外周側と筒部17Bの内周側
との間に設けられていたゴムダンパ43が省略されてい
る。本実施形態のプーリ17には、該プーリ17の周方
向に隣接する凹部45どうしの間の部分に、前方が開口
されるようにダンパ収容部51が一つずつ形成されてい
る。つまり、本実施形態では、ダンパ収容部51はプー
リ17において六つ形成されている。
【0086】各ダンパ収容部51には、断面円形のチュ
ーブ状の弾性部材(緩衝部材)としてのゴムダンパ52
がそれぞれ一つずつ嵌入されている。ゴムダンパ52の
外周面はダンパ収容部51の内周面と密着した状態にな
っている。
【0087】ゴムダンパ52の孔52A(この孔52A
は断面円形である)には、ハブ部42Bにおいて前記孔
52Aに対応するように配設された動力伝達ピン53の
後端側(図面右側)の部分が嵌入されている。動力伝達
ピン53は、ハブ部42Bの周縁部分において周方向に
均等に六つ形成された貫通孔に圧入固定されるとともに
受承部材42の回転軸線方向に沿って延びるように配置
されている。
【0088】この構成では、車両エンジンEからプーリ
17に伝達された駆動力がゴムダンパ52及び動力伝達
ピン53を介して受承部材42側に伝えられる。つま
り、ゴムダンパ52及び動力伝達ピン53は、プーリ1
7と受承部材42との間の動力伝達経路上に設けられて
いる。そして、ゴムダンパ52は、受承部材42側から
プーリ17側に伝達される前記トルク変動を減衰させる
ように作用する。
【0089】本実施形態では、上記の(1)〜(4)と
同様の効果の他に、以下のような効果を得ることができ
る。 (5) ゴムダンパ52を、プーリ17の各凹部45ど
うしの間の部分に配設した。これによれば、各凹部45
どうしの間の部分のスペースを有効に活用してゴムダン
パを配設することができ、前記第1の実施形態に比較し
て動力伝達機構PT自体の大きさを前記軸線方向に小さ
くすることが容易になる。
【0090】(6) 受承部材42のハブ部42Bを利
用して凹部45から外部へのコロ46の転げ落ちを防止
するようにしたため、このコロ46の転げ落ちを防止す
るための手段(例えば、前記第1の実施形態における蓋
部47など)を特段に設ける必要がなくなる。つまり、
部品点数の低減、ひいては、これに伴なうコストダウン
が可能になる。
【0091】(第3の実施形態)この第3の実施形態
は、前記第2の実施形態において凹部やコロの構成及び
ゴムダンパの配設位置等を変更したものであり、その他
の点では第2の実施形態と同一の構成になっている。従
って、第2の実施形態と共通する構成部分については図
面上に同一符号を付して重複した説明を省略する。
【0092】図4に示すように、本実施形態の案内部を
構成する複数(本実施形態では6つ)の凹部55には、
断面円弧状の転動案内面55Aが形成されている。転動
案内面55Aがその一部を構成する仮想円筒内周面の半
径は、第2の実施形態の転動案内面45Aの半径r1
比較して大きく設定されている。
【0093】各凹部55には、各転動案内面55Aか
ら、プーリ17の中心側に所定間隔だけ離間し、かつ断
面円弧状の案内補助面55Bが形成されている。つま
り、各凹部55は、圧縮機Cの前方側からプーリ17の
回転中心軸線方向に見たとき、その中間部が両端部より
もプーリ17の外周側に凸の円弧状の、幅の均一な溝状
に形成されている。なお、各凹部55は、圧縮機Cの前
方側からプーリ17の回転中心軸線方向に見たとき、プ
ーリ17の回転中心と前記仮想円筒の中心とを通る仮想
直線に対して対称となるように形成されている。
【0094】各凹部55には、質量体としての円柱状の
剛体部材であるコロ56が一つずつ収容されている。コ
ロ56の直径は、前述の転動案内面55Aと案内補助面
55Bとの間隔よりもやや小さく設定されている。コロ
56の軸方向の長さは、凹部55の深さ(プーリ17の
軸線方向の深さ)よりもやや小さく設定されている。つ
まり、各コロ56は、各凹部55内を転動案内面55A
に沿って移動可能な状態で(振り子運動可能な状態で)
収容されている。
【0095】本実施形態のゴムダンパ52は、プーリ1
7と受承部材42との間の動力伝達経路上に設けられる
とともに、前記振り子運動におけるコロ56の移動方向
の両端部(凹部55の両端部)に配設されている。ゴム
ダンパ52は、その外周面の一部が凹部55内に露出す
るように配設されている。ゴムダンパ52は、凹部55
とともに案内部を構成する。ゴムダンパ52は、前記移
動方向(コロ56の転動方向)におけるコロ56の移動
量が過大となった場合にコロ56と当接可能となってい
る。つまり、ゴムダンパ52は、受承部材42側からプ
ーリ17側に伝達される前記トルク変動を減衰させるよ
うに作用するとともに、前記案内部とコロ56との衝突
による衝撃を緩和するための緩衝手段としても機能す
る。
【0096】また、各ゴムダンパ52は、隣接する各凹
部55間に配設されるとともに、各ゴムダンパ52の外
周面は、それら隣接しあう両凹部55内に共に露出する
ように配設されている。つまり、各ゴムダンパ52は、
隣接しあう両凹部55におけるコロ56と当接可能とな
っている。
【0097】なお、本実施形態では、プーリ17(凹部
55)、ゴムダンパ52及びコロ56によって、ダイナ
ミックダンパが構成されている。本実施形態では、上記
の(1)〜(6)と同様の効果の他に、以下のような効
果を得ることができる。
【0098】(7) 前記案内部において、コロ56の
前記振り子運動における移動方向の両端部にゴムダンパ
52を設けた。これによれば、コロ56の移動量が前記
振り子運動における移動方向に過大となった場合に、前
記案内部とコロ56との衝突による衝撃が緩和され、こ
の衝撃による前記案内部やコロ56の破壊や変形、さら
に、衝撃音の発生が抑制される。
【0099】(8) 受承部材42側からプーリ17側
に伝達される前記トルク変動の減衰作用等を行う緩衝部
材としてのゴムダンパ52を、前記案内部とコロ56と
の衝突による衝撃を緩和するための緩衝手段として兼用
した。これによれば、前記緩衝手段及び前記緩衝部材を
設けるためのスペースの確保が容易になるとともに、部
品点数の低減すなわちコストダウンを図ることが可能に
なる。
【0100】(9) 前記緩衝手段(ゴムダンパ52)
は、隣接した複数の前記案内部に対して兼用されるよう
に配設されている。これによれば、前記緩衝手段(5
2)を設けるためのスペースの確保が容易になるととも
に、部品点数の低減すなわちコストダウンを図ることが
可能になる。
【0101】実施の形態は前記に限定されるものではな
く、例えば、以下の様態としてもよい。 ○ 前記振り子運動を行う質量体を有するダイナミック
ダンパを、プーリ17に設ける代わりに受承部材42に
設けてもよい。また、プーリ17と受承部材42との両
方に設けてもよい。
【0102】○ 前記実施形態において、質量体を球状
に形成してもよい。 ○ 前記実施形態において、コロ46を収容した凹部4
5が何個設けられていてもよい。圧縮機Cの気筒数等に
相関した個数にする必要はない。
【0103】○ 前記実施形態において、凹部45の断
面形状(プーリ17の回転中心軸線に直交する平面での
断面形状)を円形状に設定してもよい。この場合、凹部
45を形成する際の加工が容易になる。
【0104】○ 前記実施形態において、比R/rの平
方根値に相当する値を、n=1としたn・Nの値つま
り、Nに等しく設定したが、nを2以上の自然数(たと
えば、2,3など)としたn・Nの値に等しく設定して
もよい。
【0105】○ 前記実施形態において、質量体(コ
ロ)を複数設け、各質量体について、比R/r(の平方
根値)に相当する値を、それぞれ異なる値に設定するよ
うにしてもよい。これによれば、前記比率R/rに相当
する値が複数設定されることで、前記トルク変動の複数
のピーク(回転次数)に対してその変動幅を抑え込むこ
とができるようになる。この場合、この比R/rに相当
する値の平方根値を合わせる対象の値を、たとえば、n
の値を1から順に数種類(たとえば、3種類の値を対象
とする場合は、1,2および3)選んで、これらとNと
を掛け合わせた値(積n・N)とすることが好ましい。
これによれば、前記トルク変動のピークのうち最も大き
なものから数種類(この場合3種類)のものを抑えるこ
とができるようになり、共振抑制効果が大きなものにな
る。図5には、前記ダイナミックダンパの前記比R/r
に相当する値が2種類となるように設定されたプーリ1
7を有する動力伝達機構PTが示されている。この構成
では、前記第1の実施形態のプーリ17において、複数
設けられた凹部のうちの二つ(図中右上のもの及び左下
のもの)の凹部61の断面形状(プーリ17の回転中心
軸線に直交する平面での断面形状)が、凹部45とは異
なるように形成されている。凹部61を構成する転動案
内面61Aは、プーリ17の回転中心軸線から所定間隔
2だけ離間するとともに該回転中心軸線に平行な軸線
を中心とした半径r2の仮想円筒内周面の一部を構成し
ている。この構成では、R2及びr2の値、及び、凹部6
1に収容されるコロ62の直径d2の値を所定の値とす
ることで、前記比R/rに相当する値が、凹部45のも
のとは異なるように設定されている。
【0106】○ 前記実施形態では、プーリ17に形成
した凹部45の転動案内面45Aに沿って転動するコロ
46によって振り子運動を行わせるようにした。これに
対して、プーリに、該プーリに固定した支軸を支点とし
て振り子運動を行う質量体を設けてもよい。また、質量
体自体に支軸を設け、該支軸をプーリに形成した孔に挿
通させて、前記質量体を前記プーリ上で振り子運動可能
に支持するようにしてもよい。
【0107】○ 前記実施形態では、前記振り子運動に
おいて、前記質量体をその重心に質量が集中した質点と
して各種設定を行ったが、望ましくは、前記質量体の慣
性質量を考慮して前述の各種設定を行ったほうがよい。
この場合、例えば、円柱状のコロ46の前記振り子運動
においては、前記実施形態の比R/rを比2R/3rに
置き換えることで前記慣性質量を考慮した設定が可能に
なる。また、この場合の前記トルク変動のピークの振動
数とコロ46の固有振動数が一致した状態での前記トル
クTの大きさは、以下の式によって与えられる。
【0108】(式2) T=(3/2)・m・(ωa2 ・(R+r)・R・φ また、前記転動案内面に沿って転動することで前記振り
子運動を行う前記質量体を球状とした場合には、前述の
比R/rを比5R/7rに置き換えることで前記慣性質
量を考慮した設定が可能になる。また、この場合の前記
トルク変動のピークの振動数と球状の前記質量体の固有
振動数が一致した状態での前記トルクTの大きさは、以
下の式によって与えられる。
【0109】(式3) T=(7/5)・m・(ωa2 ・(R+r)・R・φ なお、前記質量体を上記の円柱状や球状以外の形状とし
た場合にも、それぞれの形状に対応した慣性質量を考慮
した前記各種設定を行うことで、前記共振抑制をより効
果的に行うことが可能になる。
【0110】○ 前記第2の実施形態では、動力伝達ピ
ン53がチューブ状のゴムダンパ等を介してハブ部42
Bに取り付けられていてもよい。つまり、動力伝達ピン
53は、ハブ部42B及びプーリ17側に対して、とも
に緩衝部材(ゴムダンパ等)を介した状態で連結されて
いてもよい。
【0111】○ 前記第2の実施形態では、動力伝達ピ
ン53はハブ部42Bに固定されるとともにゴムダンパ
43を介してプーリ17側に連結された状態とされてい
る。これに対して、動力伝達ピン53がプーリ17側に
固定されるとともにゴムダンパを介してハブ部42Bに
連結されるようにしてもよい。
【0112】○ 前記第2の実施形態では、ゴムダンパ
52を断面円形のチューブ状としたが、断面は円形でな
くてもよい。 ○ 前記第2の実施形態では、ダンパ収容部51の内周
面とゴムダンパ52の外周面との間の部分やゴムダンパ
52の内周面と動力伝達ピン53の外周面との間の部分
に隙間が介在してもしていなくてもどちらでもよい。動
力伝達上、及び、動力伝達機構PTの耐久性上、問題の
ない範囲であれば、多少の隙間が存在していてもよい。
【0113】○ 前記実施形態では、ゴム製のゴムダン
パ(43,52)を利用したが、たとえば、エラストマ
等を用いて形成したダンパを利用してもよい。 ○ 前記実施形態では、緩衝部材としてゴムダンパ(4
3,52)を用いたが、金属板バネなどのバネ部材(緩
衝部材(弾性部材))を介してプーリ17と受承部材4
2とが連結されるようにしてもよい。この場合、例え
ば、図6に示すように構成する。この構成は、前記第2
の実施形態においてプーリ17側からの動力を動力伝達
ピン53に伝達していたゴムダンパ52に代えて、板バ
ネ71を採用したものである。なお、図6では、ハブ部
42Bの図示を省略している。この構成のプーリ17に
は、隣接する各凹部45の間の部分に、複数の板バネ7
1を収容する板バネ収容部72が形成されている。板バ
ネ収容部72には、動力伝達ピン53の後端側の部分が
挿入されている。板バネ収容部72内において、動力伝
達ピン53の両側(プーリ17の周方向における両側)
には、平面形状(図6では左右方向から見た状態の形
状)が四角形状の板バネ71が2枚ずつ前記周方向に並
ぶように積層された状態で配設されている。板バネ71
の両端は、板バネ収容部72の内壁面(プーリ17の径
方向に対向する両内壁面)に形成された係止段差部72
Aに係止されて、前記周方向における動力伝達ピン53
の反対側への移動が規制されるようになっている。この
構成では、板バネ71の中ほどの部分が動力伝達ピン5
3によって押圧されて前記板バネ71が弾性変形するこ
とで受承部材42側からプーリ17側に伝達される前記
トルク変動が緩衝される。また、積層配置された板バネ
71どうしの摩擦等によって、前記トルク変動が減衰さ
れる。さらに、プーリ17及び受承部材42の回転中心
軸線が互いにずれていることに起因してラジアルベアリ
ング12A,40A等の軸受部材などに発生する応力
を、板バネ71の変形や板バネ71に対する動力伝達ピ
ン53の当接位置のずれによって低減することができ
る。
【0114】○ 前記実施形態では、緩衝部材としてゴ
ムダンパ(43,52)を用いたが、ゲルが封入された
収容体によって構成された緩衝部材を介してプーリ17
と受承部材42とが連結されるようにしてもよい。この
場合、例えば、図7に示すように構成する。この構成で
は、前記第2の実施形態において、プーリ17とハブ部
42Bとの間に配設されていた動力伝達ピン53及びゴ
ムダンパ52に代えて、ハブ部42Bに立設固定した動
力伝達片73と収容体74とを介してプーリ17側と受
承部材42側とが連結されている。なお、図7では、ハ
ブ部42Bの図示を省略している。この構成のプーリ1
7には、隣接する各凹部45の間の部分に、複数の収容
体74を収容する収容部75が形成されている。収容部
75には、ハブ部42Bおいて後方に突出するように立
設固定された断面形状(受承部材42の回転中心軸線に
直交する平面での断面形状)が略四角形状の板状の動力
伝達片73の後端側の部分が挿入されている。収容部7
5内において、動力伝達片73の両側(プーリ17の周
方向における両側)には、収容体74が一つずつ圧入さ
れている。各収容体74は、弾力性を有する素材からな
る袋状部材とこれに封入されたゲルとで構成されてい
る。この構成では、収容体74に封入されたゲルの減衰
作用によって、動力伝達片73を介して受承部材42側
からプーリ17側に伝達される前記トルク変動が減衰さ
れる。さらに、プーリ17及び受承部材42の回転中心
軸線が互いにずれていることに起因してラジアルベアリ
ング12A,40A等の軸受部材などに発生する応力
を、収容体74の変形によって低減することができる。
なお、前記構成において、ゲルに代えて液体や気体など
の流体が封入された収容体を用いて緩衝部材を構成して
もよい。流体を用いた場合にも、ゲルを用いた場合と同
様の効果が得られるが、ゲルを採用した場合には、さら
に、流体を採用した場合に比較して、振動に対する減衰
効果が大きくなる。
【0115】○ 圧縮機Cのシリンダボア24の数はい
くつに設定されていてもよい。一般には、車両用空調装
置に用いられる圧縮機としては、シリンダボア24の数
が3〜7のいずれかに設定される場合が多い。また、シ
リンダボア24の数が3に設定された場合には、4以上
に設定された場合に比較して、駆動軸16に発生する前
記回転振動に伴なうプーリ17と受承部材42との間の
伝達トルク変動量が大きくなり易い。つまり、シリンダ
ボア24の数が3に設定された前記回転機械において
は、前記ダイナミックダンパ及び前記緩衝部材による共
振抑制作用が特に有用に働く。
【0116】○ 前記第3の実施形態において、前記緩
衝手段(52)を、隣接した複数の前記案内部に対して
兼用させなくてもよい。各案内部専用の前記緩衝手段を
設けてもよい。
【0117】○ 前記第3の実施形態では、受承部材4
2側からプーリ17側に伝達される前記トルク変動の減
衰作用等を行う緩衝部材と、前記案内部とコロ56との
衝突による衝撃を緩和するための緩衝手段とを共通のも
のとした。これに対して、前記緩衝部材と前記緩衝手段
とを別個のものとしてもよい。
【0118】○ 前記実施形態において、前記案内部と
前記質量体との衝突による衝撃を緩和するための緩衝手
段を、前記案内部において、前記質量体の前記振り子運
動における両端部以外に設けてもよい。例えば、凹部
(45,55,61)を構成する各面のいずれ側に設け
てもよい。また、前記第1実施形態の蓋部47や前記第
2及び第3の実施形態のハブ部42Bの前記凹部に対向
する面側に設けてもよい。この場合、前記各面側に設け
る前記緩衝手段としては、例えば、シート状の緩衝材
(ゴムシート等)や、弾性被膜等が挙げられる。これに
よれば、前記緩衝手段によって、前記質量体と前記案内
部側との衝突による衝撃が緩和される。なお、前記凹部
における前記転動案内面(45A,55A,61A)と
前記質量体との衝突は、例えばプーリ17の状態が回転
停止状態から急激に高回転速度状態へと移行された場合
などに発生する。また、前記凹部におけるプーリ17の
回転中心側の面(例えば案内補助面55B)と前記質量
体との衝突は、例えばプーリ17の回転速度が低下し
て、それまで前記転動案内面に当接しながら前記振り子
運動を行っていた前記質量体が前記転動案内面から離間
した場合などに発生する。
【0119】○ 動力伝達機構PTは、圧縮機Cのよう
な、片頭型のピストンに圧縮動作を行なわせる片側式の
圧縮機にではなく、クランク室を挟んで前後両側に設け
られたシリンダボアにおいて両頭型のピストンに圧縮動
作を行なわせる両側式の圧縮機に設けられていてもよ
い。
【0120】○ 圧縮機Cを、カムプレート(斜板2
0)が駆動軸16と一体回転する構成に代えて、カムプ
レートが駆動軸に対して相対回転可能に支持されて揺動
するタイプ、例えば、揺動(ワッブル)式圧縮機として
もよい。
【0121】○ 圧縮機Cは、ピストン25のストロー
クを変更不可能な固定容量タイプであってもよい。 ○ 前記実施形態において、ピストンが往復動を行うピ
ストン式圧縮機の適用例を示したが、スクロール型圧縮
機等の回転型圧縮機に適用してもよい。
【0122】○ 前記実施形態において、前記第2回転
体として、プーリ以外にも、スプロケットやギヤ等を適
用してもよい。 ○ 前記実施形態において、圧縮機の適用例を示した
が、動力伝達機構PTが作動連結された回転軸を備え、
該回転軸に捻り振動が発生し得る構成の回転機械であれ
ば、どのようなものに適用してもよい。
【0123】○ 前述の全実施形態において、前記質量
体の前記振り子運動の中心軸線は、前記質量体が設けら
れた前記回転体の回転中心軸線に対して必ずしも平行と
なっていなくてもよい。この場合、前記伝達トルク変動
(の最大量)の抑制において所望の効果を得ることがで
きる範囲内において、前記振り子運動の中心軸線を前記
回転体の回転中心軸線に対して傾斜させてもよい。
【0124】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜15に
記載の発明によれば、回転機械において、第1回転体と
第2回転体との間の共振を抑制するとともに、回転機械
自体の耐久性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の動力伝達機構を備えた圧縮機
の全体模式断面図。
【図2】(a)同じく、動力伝達機構の概要を示す正面
図、(b)図2(a)のb−b線における部分断面図。
【図3】(a)第2の実施形態の動力伝達機構の概要を
示す正面図、(b)図3(a)のb−b線における部分
断面図。
【図4】(a)第3の実施形態の動力伝達機構の概要を
示す正面図、(b)図4(a)のb−b線における部分
断面図。
【図5】別例の動力伝達機構の概要を示す正面図。
【図6】別例の動力伝達機構の要部を示す正面図(ハブ
部の図示は省略)。
【図7】別例の動力伝達機構の要部を示す正面図(ハブ
部の図示は省略)。
【符号の説明】
11…シリンダブロック、12…フロントハウジング、
13…弁形成体、14…リヤハウジング(11,12,
13及び14はハウジングを構成する)、16…回転軸
としての駆動軸、17…第2回転体としてのプーリ、1
9…ラグプレート、20…斜板、21…ヒンジ機構、2
5…ピストン、26…シュー(11,16,19,2
0,21,25及び26は容量可変型ピストン式圧縮機
構を構成する)、42…第1回転体としての受承部材、
43…弾性部材としてのゴムダンパ、45,61…案内
部としての凹部、46,56,62…質量体としてのコ
ロ(第1及び第2の実施形態では17(45)及び46
がダイナミックダンパを構成する)、52…弾性部材及
び緩衝手段としてのゴムダンパ(第3の実施形態では5
2及び55が案内部を構成するとともに17(55),
52及び56がダイナミックダンパを構成する)、71
…弾性部材としての板バネ、74…収容体、E…外部駆
動源としての車両エンジン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 雅樹 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 安谷屋 拓 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 金井 明信 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 鈴木 隆容 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 Fターム(参考) 3H076 AA06 BB01 BB43 CC12 CC16 CC20

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに回転可能に支持された回転
    軸に対して一体回転可能に固定されるとともに前記ハウ
    ジングの外部に設けられた第1回転体と、前記ハウジン
    グの外部において前記第1回転体とほぼ同軸位置に配設
    された状態で前記第1回転体に対して作動連結されると
    ともに外部駆動源によって駆動される第2回転体とを有
    し、前記第2回転体が前記ハウジングに対して回転可能
    に支持されるとともに前記両回転体間の動力伝達経路上
    には緩衝部材が設けられ、前記両回転体の少なくとも一
    方には、該回転体の回転中心軸線から所定間隔だけ離間
    した点を通過する該回転中心軸線にほぼ平行な軸線を中
    心とした振り子運動を行なう質量体を有するダイナミッ
    クダンパが設けられている回転機械。
  2. 【請求項2】 前記緩衝部材は弾性部材である請求項1
    に記載の回転機械。
  3. 【請求項3】 前記緩衝部材は、流体が封入された収容
    体によって構成されている請求項1に記載の回転機械。
  4. 【請求項4】 前記緩衝部材は、ゲルが封入された収容
    体によって構成されている請求項1に記載の回転機械。
  5. 【請求項5】 前記ダイナミックダンパは複数の前記質
    量体を有し、該ダイナミックダンパが設けられた前記回
    転体に発生する回転振動における複数の次数成分に対応
    するように構成されている請求項1〜4のいずれか一項
    に記載の回転機械。
  6. 【請求項6】 前記質量体は、該質量体が設けられる前
    記回転体に設けられた案内部の断面円弧状の案内面に沿
    って移動することで前記振り子運動を行う請求項1〜5
    のいずれか一項に記載の回転機械。
  7. 【請求項7】 前記案内部において、該案内部と前記質
    量体との衝突による衝撃を緩和するための緩衝手段を設
    けた請求項6に記載の回転機械。
  8. 【請求項8】 前記案内部において、少なくとも前記質
    量体の前記振り子運動における移動方向の両端部に前記
    緩衝手段を設けた請求項7に記載の回転機械。
  9. 【請求項9】 前記案内部と前記質量体との衝突による
    衝撃を緩和するための前記緩衝手段を前記緩衝部材とし
    て兼用した請求項7または8に記載の回転機械。
  10. 【請求項10】 前記案内部は複数設けられ、前記緩衝
    手段は、隣接した複数の前記案内部に対して兼用される
    ように配設されている請求項7〜9のいずれか一項に記
    載の回転機械。
  11. 【請求項11】 前記回転軸の回転に基づいて駆動され
    る圧縮機構を有する請求項1〜10のいずれか一項に記
    載の回転機械。
  12. 【請求項12】 前記圧縮機構は、シリンダボアに収容
    されたピストンの往復動によって冷媒の圧縮を行うピス
    トン式圧縮機構である請求項11に記載の回転機械。
  13. 【請求項13】 前記シリンダボアの数が3,4,5,
    6及び7のいずれかに設定されている請求項12に記載
    の回転機械。
  14. 【請求項14】 前記シリンダボアの数が3に設定され
    ている請求項13に記載の回転機械。
  15. 【請求項15】 前記回転軸の一回転あたりの吐出容量
    を変更可能な構成とされている請求項11〜14のいず
    れか一項に記載の回転機械。
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