JP2003081044A - 車両用シート - Google Patents

車両用シート

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JP2003081044A
JP2003081044A JP2001276276A JP2001276276A JP2003081044A JP 2003081044 A JP2003081044 A JP 2003081044A JP 2001276276 A JP2001276276 A JP 2001276276A JP 2001276276 A JP2001276276 A JP 2001276276A JP 2003081044 A JP2003081044 A JP 2003081044A
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headrest
diameter portion
vehicle seat
occupant
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JP2001276276A
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English (en)
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Hidenori Sugano
秀則 菅野
Ryota Shimura
良太 志村
Masanori Itagaki
正典 板垣
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Somic Ishikawa KK
Original Assignee
Somic Ishikawa KK
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60NSEATS SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLES; VEHICLE PASSENGER ACCOMMODATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60N2/00Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles
    • B60N2/80Head-rests
    • B60N2/888Head-rests with arrangements for protecting against abnormal g-forces, e.g. by displacement of the head-rest

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両後方からの追突時に、ヘッドレストによ
って乗員の頭部を効果的に支持することができる車両用
シートを提供する。 【解決手段】 シートバック60に支持されたヘッドレ
スト10を有する車両用シートにおいて、シートバック
60内に略水平姿勢で回転可能に配設されると共に、ヘ
ッドレスト10に突設されたアーム11が取り付けられ
る主軸20と、該主軸20を常に一方向に回転させるよ
うに付勢するばね部材30と、常態においては、主軸2
0の回転を抑制し、所定以上の衝撃荷重が加わった際に
は、主軸20を回転自由にするロック機構40とを具備
して構成される。従って、追突時には、ヘッドレスト1
0が前方へ移動し、乗員の頭部を確実に支持することが
できる。また、乗員の頭部に押圧されて後方へ移動する
ヘッドレスト10の移動速度をばね部材30により遅動
させて、乗員の頭部が受ける衝撃を緩和することができ
る。従って、乗員の頸部に大きな負荷が作用することが
なく、むち打ちを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用シートに関し、
より詳しくは、自動車等の車両のシートに着座した乗員
に、車両後方から所定以上の衝撃が作用した場合に、乗
員の頭部を支持するヘッドレストを有する車両用シート
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の車両のシート、例えば
ドライバーズシートにおいては、自車後方から他車に追
突されたときに、ドライバーの頭部を支持するため、シ
ートバックに支持されたヘッドレストが設けられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
車両用シートでは、ヘッドレストがシートバックに固定
的に設けられているため、追突時の衝撃によって乗員の
上半身が後方に移動することによりシートバックに所定
以上の衝撃荷重が負荷されると、該シートバックが後方
に傾斜するのに伴ってヘッドレストも後方に傾斜してし
まう。このため、乗員の体が斜め上後方へ浮き上がり、
頭部がヘッドレストの上方にずれて頸部に大きな負荷が
作用することとなり、その結果、むち打ちとなり易いと
いう問題があった。
【0004】本発明は上記した点に鑑みなされたもので
あり、車両後方からの追突時に、ヘッドレストによって
乗員の頭部を効果的に支持することができる車両用シー
トを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の本発明は、シートバックに支持さ
れたヘッドレストを有する車両用シートにおいて、前記
シートバック内に略水平姿勢で回転可能に配設されると
共に、前記ヘッドレストに突設されたアームが取り付け
られる主軸と、前記主軸を常に一方向に回転させるよう
に付勢するばね部材と、常態においては、前記主軸の回
転を抑制し、所定以上の衝撃荷重が加わった際には、前
記主軸を回転自由にするロック機構とを具備することを
特徴とする車両用シートを提供する。請求項2に記載の
本発明は、前記ロック機構は、歯先が後方に偏るように
形成された歯を有し、前記主軸と共に回転し得るように
設けられるプレートと、歯先が前方に偏るように形成さ
れた歯を有し、該歯が前記プレートの歯とかみ合うよう
に配設されるロック部材と、前記ロック部材を前記プレ
ートに近接させる方向に付勢するスプリングと、前記ロ
ック部材に揺動可能に設けられる振り子部材とを有し、
所定以上の衝撃荷重が加わった際に、前記振り子部材が
揺動して、前記プレートの歯とロック部材の歯とのかみ
合いを解除する構造であることを特徴とする請求項1記
載の車両用シートを提供する。請求項3に記載の本発明
は、前記主軸に、該主軸が前記ばね部材の付勢力に抗し
て逆方向に回転した場合にのみ、その回転動作を遅動さ
せるダンパ機構が設けられていることを特徴とする請求
項1又は2記載の車両用シートを提供する。請求項4に
記載の本発明は、前記ダンパ機構は、隔壁部により仕切
られた粘性液体が充填される液体室を有する本体ケース
と、前記液体室内において、前記主軸の回転に伴って回
転可能に配設されると共に、前記液体室内を圧力室と非
圧力室とに二分するベーン部材と、大径部と、該大径部
の内径よりも小さい内径を有する小径部を有し、前記ベ
ーン部材を軸方向と略平行な方向に貫通すると共に、大
径部が前記圧力室に、小径部が前記非圧力室にそれぞれ
連通するように形成される液体流路と、前記液体流路の
小径部の内径よりも大きい直径を有する球状に形成さ
れ、前記大径部内に配設される弁体とを具備することを
特徴とする請求項3記載の車両用シートを提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した実施
の形態に基づいてさらに詳しく説明する。図1は、本発
明の一の実施形態に係る車両用シートの要部を示す斜め
後方からみた概略斜視図であり、図2は、該車両用シー
トの全体を示す概略右側面図である。これらの図に示し
たように、本実施形態に係る車両用シートは、自動車の
ドライバーズシートであり、ヘッドレスト10、主軸2
0、ばね部材30、ロック機構40及びダンパ機構50
を有して構成される。
【0007】ヘッドレスト10には、2本のアーム11
が突設されており、該アーム11の下端部側がシートバ
ック60内に設けられた後述の主軸20に取り付けられ
ることにより、ヘッドレスト10はシートバック60に
支持されている。なお、シートバック60の頂部には、
各アーム11の前後方向への回動軌跡に沿って長孔60
aが形成されている。
【0008】主軸20は、上記した各アーム11が挿通
される孔部20aを有し、シートバック60を構成する
シートバックフレーム(図示せず)に、略水平姿勢で回
転可能に支持されている。なお、主軸20に対して、各
アーム11の下端部側をネジ等を用いて固定しても良い
が、車両用シートに着座する乗員の体格に合わせてヘッ
ドレスト10の高さ(上下方向の位置)を調節し得るよ
うに、主軸20に対する各アーム11の取付位置を可変
とすることが好ましい。例えば、本実施形態の如く、各
アーム11の下端部側に、円周方向に沿って形成された
溝11aを所定間隔をおいて複数設けると共に、孔部2
0a付近に、出没可能な突起を有する図示しない係合手
段を設けて、該係合手段の突起を上記いずれかの溝11
aの形成位置にて突出させて、該溝11aに係合させる
ことにより、主軸20に対する各アーム11の取付位置
を可変とすることができる。
【0009】ばね部材30は、渦巻きばねからなり、主
軸20の一端側において、該主軸20に一端30aが支
持されると共に、他端30bがシートバックフレーム等
の不動部位に固定されて配設されており、主軸20を常
に一方向(図1上、矢印P方向)に回転させるように付
勢している。
【0010】ロック機構40は、常態においては、ばね
部材30の付勢力に抗して主軸20の回転を抑制し、所
定以上の衝撃荷重が加わった際には、主軸20を回転自
由にし得るものであれば、その構造は限定されるもので
はないが、本実施形態では、次のような構造のものを採
用している。
【0011】すなわち、本実施形態のロック機構40
は、図1に示したように、周縁の一部に、歯先が後方に
偏るように形成された歯41aを有し、主軸20と共に
回転し得るように、該主軸20の一端側に固定されたプ
レート41と、周縁の一部に、歯先が前方に偏るように
形成された歯42aを有し、該歯42aがプレート41
の歯41aとかみ合うように、プレート41の下方にお
いて、その基端部42bがシートバックフレーム等の不
動部位に回動可能に固定されて配設されたロック部材4
2と、ロック部材42の自由端42c側をプレート41
に近接させる方向に付勢し得るように設けられたスプリ
ング43と、所定の質量を有するおもり部44aを有
し、ロック部材42に揺動可能に設けられた振り子部材
44とを有して構成されている。
【0012】図3は、上記したプレート41の歯41a
とロック部材42の歯42aとがかみ合っている状態を
示す図であり、この図に示したように、プレートの歯4
1aは、歯先41bが後方に偏るように形成され、ロッ
ク部材42の歯42aは、歯先42bが前方に偏るよう
に形成されている。このため、プレート41の歯41a
とロック部材42の歯42aとがかみ合っている状態に
おいて、プレート41が一方向(図3上、矢印X方向)
へ回転しようとしても、プレート41の歯41aとロッ
ク部材42の歯42aとのかみ合いが強いので、プレー
ト41は回転できずロックされる。一方、プレート41
が逆方向(図3上、矢印Y方向)へ回転する場合には、
各歯41a,42aが上記のように形成されているた
め、プレート41は、スプリング43の付勢力に抗して
ロック部材42の自由端42c側を押し下げつつ、その
歯41aの、ロック部材42の歯42aに対するかみ合
い位置を変えながら回転し得る。
【0013】ダンパ機構50は、主軸20がばね部材3
0の付勢力に抗して逆方向に回転した場合にのみ、その
回転動作を遅動させるものであれば、その構造は限定さ
れるものではないが、本実施形態では、次のような構造
のものを採用している。
【0014】すなわち、本実施形態のダンパ機構50
は、図4及び図5に示したように、隔壁部51dにより
仕切られた粘性液体が充填される液体室を有する本体ケ
ース51と、液体室内において、主軸20の回転に伴っ
て回転可能に配設されると共に、液体室内を圧力室56
と非圧力室57とに二分するベーン部材52と、大径部
53aと、該大径部53aの内径よりも小さい内径を有
する小径部53bを有し、ベーン部材52を軸方向と略
平行な方向に貫通すると共に、大径部53aが圧力室5
6に、小径部53bが非圧力室57にそれぞれ連通する
ように形成される液体流路53と、液体流路53の小径
部53bの内径よりも大きい直径を有する球状に形成さ
れ、大径部53a内に配設される弁体54とを有して構
成される。
【0015】より詳細には、本体ケース51は、底壁5
1aを有する略円筒形に形成され、その外周には、フラ
ンジ51bが突設されている。図5に示したように、本
体ケース51には、その内周面51cから軸心方向に向
かって突出し、後述する軸受け部55と本体ケース51
との間に形成される空間を仕切るように形成された2つ
の隔壁部51dが軸受け部55を挟んで対峙するように
設けられている。各隔壁部51dの先端面は、それぞれ
断面略円弧状に形成されており、後述する軸受け部55
が回転した際に、その外周面が摺接するようになってい
る。このように各隔壁部51dに仕切られて本体ケース
51内に形成された2つの室がそれぞれ液体室であり、
各液体室には、シリコンオイル等の粘性液体が充填され
る。そして、各液体室は、本体ケース51の上面開口部
を閉塞する、蓋部材51eと、該蓋部材51eの内側に
配設されるガイド部材51fから構成される閉塞部材に
よって密閉される。閉塞部材を構成する蓋部材51eと
ガイド部材51fには、それぞれ後述する軸受け部55
の一方の端部55aが挿通される孔部が形成され、ま
た、ガイド部材51fには、各液体室に充填された粘性
液体の漏れを防止するためのシール用部材が配設されて
いる。
【0016】軸受け部55は、図4に示したように、軸
心に沿って貫通形成された軸挿通孔55cを有する略筒
状に形成され、一方の端部55aが本体ケース51から
突出するように配置され、他方の端部55bが本体ケー
ス51の底壁51aに形成された孔部に支持されて、本
体ケース51の軸心に沿って配設されている。軸受け部
55は、軸挿通孔55cに主軸20が挿通されることに
より、該主軸20の回転に伴って本体ケース51内で回
転するようになっている。
【0017】ベーン部材52は、図4に示したように、
上下端面52a,52b間の長さが、閉塞部材の下面
(ガイド部材51fの下面)と本体ケース51の底壁5
1aの内面との間の距離とほぼ同じで、径方向の長さ
(軸受け部55の外周面に接する仮想後端面と先端面5
2cとの間の長さ)が、軸受け部55の外周面と本体ケ
ース51の内周面51cとの間の距離とほぼ同じであ
る、所定の厚さを有する板状に形成され、軸受け部55
を挟んでその周囲に対峙して設けられている。各ベーン
部材52は、図4及び図5に示したように、軸受け部5
5と一体に成形され、上記した各液体室内において、軸
受け部55の回転に伴って回転するように配設される。
各ベーン部材52がこのように配設されることによっ
て、各液体室内は、それぞれ圧力室56と非圧力室57
に二分される。
【0018】そして、各ベーン部材52には、圧力室5
6と非圧力室57とを連通させる液体流路53が形成さ
れている。この液体流路53は、図4に示したように、
ベーン部材52の厚さの範囲内に大径部(大径の孔)5
3aと、該大径部53aの内径よりも小さい内径を有す
る小径部(小径の孔)53bとを有し、ベーン部材52
を軸受け部55の軸方向に対して略平行な方向に貫通す
ると共に、大径部53aが圧力室56に、小径部53b
が非圧力室57にそれぞれ連通するように形成されてい
る。液体流路53の大径部53a内には、小径部53b
の内径よりも大きい直径を有する鋼球からなる弁体54
が配設されており、この弁体54は、粘性液体の流動圧
を受けることによって、大径部53aと小径部53bと
の境界部を閉塞し、又は開放するように動作する。
【0019】上記した構成のダンパ機構50は、本体ケ
ース51がシートバックフレーム等の不動部位に固定さ
れ、軸受け部55が主軸20に連結されて、該主軸20
の他端側に配設されている。
【0020】次に、本実施形態の作用について説明す
る。本実施形態の車両用シートでは、まず、常態におい
ては、ばね部材30により、主軸20が常に一方向(図
1上、矢印P方向)に回転するように付勢されているた
め、アーム11を介して主軸20に連結されたヘッドレ
スト10が前方へ移動しようとするが、ロック機構40
を構成するプレート41の歯41aと、スプリング43
により該プレート41に近接する方向に付勢されたロッ
ク部材42の歯42aがかみ合うことにより、ばね部材
30の付勢力に抗して主軸20の回転が抑制されるた
め、ヘッドレスト10は所定の位置で保持される。
【0021】一方、自車後方から他車に追突され、その
衝撃を受けて乗員の体が後方に移動することによって、
シートバック60に所定以上の衝撃荷重が加わったとき
には、ロック機構40を構成する振り子部材44が大き
く揺動し、これにより、ロック部材42が引き下げら
れ、プレート41の歯41aとロック部材42の歯42
aとのかみ合いが解除される。このように各歯41a,
42b同士のかみ合いが解除されることで、主軸20は
回転自由となると同時に、ばね部材30によって常に一
方向へ回転するように付勢されているため、一方向(図
1上、矢印P方向)に回転する。その結果、該主軸20
にアーム11を介して連結されたヘッドレスト10は、
前方へ移動して乗員の頭部に当接する。
【0022】この際、ヘッドレスト10が前方へ移動し
た位置でロックされると、乗員の頭部がヘッドレスト1
0に衝突して衝撃を受けることになるが、本実施形態に
よれば、ロック機構40を構成するプレート41の歯4
1aは、歯先41bが後方に偏るように形成され、ロッ
ク部材42の歯42aは、歯先42bが前方に偏るよう
に形成されているため、乗員の頭部によってヘッドレス
ト10が後方へ押圧されることにより、プレート41
は、スプリング43の付勢力に抗してロック部材42を
押し下げつつ、その歯41aの、ロック部材42の歯4
2aに対するかみ合い位置を変えながら回転し得る。こ
のため、ヘッドレスト10は、ばね部材30の付勢力に
抗して後方へ移動しつつ、ばね部材30の緩衝作用によ
り、乗員が受ける衝撃を緩和することができる。
【0023】また、本実施形態によれば、ダンパ機構5
0を備えて構成されるため、乗員の頭部がヘッドレスト
10に激しく衝突した場合でも、その衝撃をより小さい
ものとすることができる。
【0024】すなわち、ダンパ機構50は、乗員の頭部
によってヘッドレスト10が後方へ押圧されることによ
り、主軸20及びこれに連結された軸受け部55が回転
すると、それに伴って、ベーン部材52が液体室内で回
転する。ベーン部材52は、上端面52aを本体ケース
51の開口部を閉塞する閉塞部材の下面(ガイド部材5
1fの下面)に、下端面52bを本体ケース51の底壁
51a内面に、先端面52cを本体ケース51の内周面
51cにそれぞれ摺接させながら回転して圧力室56内
の粘性液体を押圧する。
【0025】押圧された粘性液体は、ベーン部材52に
形成された液体流路53の大径部53a内へ流れ込む
が、流れ込んだ粘性液体の圧力によって、弁体54が大
径部53aと小径部53bとの境界部に押し付けられ、
該境界部が弁体54によって閉塞されるため、液体流路
を通過して非圧力室57内へ移動することができず、本
体ケース51内に形成されたわずかな隙間を通じて非圧
力室57内へ移動する。すなわち、粘性液体は、軸受け
部55の外周面と隔壁部51dの先端面との間隙、ベー
ン部材52の上端面52aと閉塞部材の下面との間隙、
ベーン部材52の下端面52bと本体ケース51の底壁
51a内面との間隙、ベーン部材52の先端面52cと
本体ケース51の内周面51cとの間隙を通じて圧力室
56内から非圧力室57内へ移動する。そして、かかる
わずかな隙間を通じて粘性液体が移動する際に生ずる抵
抗によって主軸20の回転動作を遅動させる。従って、
ヘッドレスト10は、後方へゆっくりとした速度で後方
へ移動しつつ、ダンパ機構50の緩衝作用により、乗員
が受ける衝撃をさらに緩和することができる。
【0026】なお、ヘッドレスト10が前方へ移動する
際には、液体室内において、上記とは逆方向に回転する
ベーン部材52により押圧された粘性液体が、ベーン部
材52に形成された液体流路53の小径部53b内へ流
れ込み、その圧力によって、大径部53aと小径部53
bとの境界部を閉塞している弁体54を押し戻して該境
界部を開放させ、液体流路53を通過可能となるため、
該粘性液体は、液体流路53を通過して速やかに、かつ
ほとんど抵抗を生じることなく圧力室56内へ移動す
る。従って、主軸20は減速されずに回転し、ヘッドレ
スト10は速やかに前方へ移動する。
【0027】このように本実施形態の車両用シートによ
れば、追突時に前方へ移動するヘッドレスト10により
乗員の頭部を確実に支持することができると共に、乗員
の頭部に押圧されて後方へ移動するヘッドレスト10の
移動速度をばね部材30及びダンパ機構50により遅動
させて、乗員の頭部が受ける衝撃を緩和することができ
る。従って、乗員の頸部に大きな負荷が作用することが
なく、むち打ちを防止することができる。
【0028】また、本実施形態の車両用シートによれ
ば、上記したように後方からの衝撃を受けた場合のみな
らず、自車が他車等に追突する等して前方からの衝撃を
受けた場合においても、その衝撃によってロック機構4
0を構成する振り子部材44が大きく揺動してプレート
41とロック部材42との係合状態が解除されるため、
追突した際に前方へ移動する乗員の頭部に追随するよう
に、ヘッドレスト10は前方へ移動する。そして、その
乗員の頭部が反動で後方へ移動し、ヘッドレスト10に
衝突した際には、ばね部材30及びダンパ機構50によ
りその衝撃を吸収して乗員の頭部を保護することができ
る。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
シートバックに支持されたヘッドレストを有する車両用
シートにおいて、前記シートバック内に略水平姿勢で回
転可能に配設されると共に、前記ヘッドレストに突設さ
れたアームが取り付けられる主軸と、前記主軸を常に一
方向に回転させるように付勢するばね部材と、常態にお
いては、前記主軸の回転を抑制し、所定以上の衝撃荷重
が加わった際には、前記主軸を回転自由にするロック機
構とを具備して構成されるため、車両後方からの追突時
に、ヘッドレストによって乗員の頭部を効果的に支持す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一の実施形態に係る車両用シ
ートの要部を示す斜め後方からみた概略斜視図である。
【図2】図2は、上記実施形態に係る車両用シートの全
体を示す概略右側面図である。
【図3】図3は、上記実施形態において採用されたロッ
ク機構を構成するプレート41の歯41aとロック部材
42の歯42aとがかみ合っている状態を示す図であ
る。
【図4】図4は、上記実施形態において採用されたダン
パ機構を示す縦断面図である。
【図5】図5は、図4のA−A部断面図である。
【符号の説明】
10 ヘッドレスト 11 アーム 20 主軸 30 ばね部材 40 ロック機構 41 プレート 42 ロック部材 43 スプリング 44 振り子部材 50 ダンパ機構 51 本体ケース 52 ベーン部材 53 液体流路 54 弁体 55 軸受け部 56 圧力室 57 非圧力室 60 シートバック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板垣 正典 東京都墨田区本所1−34−6 株式会社ソ ミックエンジニアリング内 Fターム(参考) 3B084 DB10 DB14 DC01 DD07 3B087 DC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートバックに支持されたヘッドレスト
    を有する車両用シートにおいて、 前記シートバック内に略水平姿勢で回転可能に配設され
    ると共に、前記ヘッドレストに突設されたアームが取り
    付けられる主軸と、 前記主軸を常に一方向に回転させるように付勢するばね
    部材と、 常態においては、前記主軸の回転を抑制し、所定以上の
    衝撃荷重が加わった際には、前記主軸を回転自由にする
    ロック機構とを具備することを特徴とする車両用シー
    ト。
  2. 【請求項2】 前記ロック機構は、 歯先が後方に偏るように形成された歯を有し、前記主軸
    と共に回転し得るように設けられるプレートと、 歯先が前方に偏るように形成された歯を有し、該歯が前
    記プレートの歯とかみ合うように配設されるロック部材
    と、 前記ロック部材を前記プレートに近接させる方向に付勢
    するスプリングと、 前記ロック部材に揺動可能に設けられる振り子部材とを
    有し、 所定以上の衝撃荷重が加わった際に、前記振り子部材が
    揺動して、前記プレートの歯とロック部材の歯とのかみ
    合いを解除する構造であることを特徴とする請求項1記
    載の車両用シート。
  3. 【請求項3】 前記主軸に、該主軸が前記ばね部材の付
    勢力に抗して逆方向に回転した場合にのみ、その回転動
    作を遅動させるダンパ機構が設けられていることを特徴
    とする請求項1又は2記載の車両用シート。
  4. 【請求項4】 前記ダンパ機構は、 隔壁部により仕切られた粘性液体が充填される液体室を
    有する本体ケースと、 前記液体室内において、前記主軸の回転に伴って回転可
    能に配設されると共に、前記液体室内を圧力室と非圧力
    室とに二分するベーン部材と、 大径部と、該大径部の内径よりも小さい内径を有する小
    径部を有し、前記ベーン部材を軸方向と略平行な方向に
    貫通すると共に、大径部が前記圧力室に、小径部が前記
    非圧力室にそれぞれ連通するように形成される液体流路
    と、 前記液体流路の小径部の内径よりも大きい直径を有する
    球状に形成され、前記大径部内に配設される弁体とを具
    備することを特徴とする請求項3記載の車両用シート。
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