JP2003077181A - 光ディスク - Google Patents

光ディスク

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JP2003077181A
JP2003077181A JP2001264379A JP2001264379A JP2003077181A JP 2003077181 A JP2003077181 A JP 2003077181A JP 2001264379 A JP2001264379 A JP 2001264379A JP 2001264379 A JP2001264379 A JP 2001264379A JP 2003077181 A JP2003077181 A JP 2003077181A
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Japan
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substrate
optical disc
sheet
information signal
optical
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JP2001264379A
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English (en)
Inventor
Minoru Kikuchi
稔 菊地
Yoshio Shirai
良男 白井
Mitsuhiro Abe
光浩 阿部
Akio Koshida
晃生 越田
Yuko Asano
祐子 浅野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一主面に情報信号部を有する光ディスクにお
ける、ディスク基板の厚さ方向に生じる含水率分布の変
化を抑制して、環境湿度変化による基板の反り変化量を
低減し、対物レンズの高NA化に十分対応可能で、小複
屈折で、透明性良好で厚さも均一な光透過層を有し、高
信頼性を有しつつ大容量化可能な光ディスクを提供す
る。 【解決手段】 ディスク基板の一方の主面に、情報信号
を記録および/または再生可能に構成された情報信号部
と、情報信号の記録時および/または再生時に用いられ
るレーザ光を透過可能に構成された光透過層とを設け
て、光ディスクを構成する。ディスク基板を、室温での
吸水率が0.2パーセント以下の、低吸水性ポリカーボ
ネート樹脂などの材料を用いて、射出成形法により形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光ディスクに関
し、特に、ディスク基板の主面に薄い光透過層が設けら
れた光ディスクに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録の分野において、光学情
報記録方式に関するさまざまな研究、開発が、各所で進
められている。この光学情報記録方式は、非接触で記録
および/または再生を行うことができるとともに、磁気
記録方式に比して一桁以上高い記録密度を達成可能であ
るという利点を有している。また、この光学情報記録方
式は、再生専用型、追記型、書換可能型などのそれぞれ
のメモリ形態に対応可能であるという、さらなる利点を
も有する。そのため、安価な大容量ファイルの実現を可
能とする方式として、産業用から民生用まで幅広い用途
への適用が考えられている。
【0003】その中でも特に、再生専用型のメモリ形態
に対応した光ディスクであるディジタルオーディオディ
スク(DAD)や光学式ビデオディスクなどは、現在広
く普及している。
【0004】ディジタルオーディオディスクなどの光デ
ィスクは、情報信号を示すピットやグルーブなどの凹凸
パターンが形成された光透過性を有するディスク基板上
に、アルミニウム(Al)膜などの金属薄膜からなる反
射膜と、さらにこの反射膜を大気中の水分(H2O)や
酸素(O2)から保護するための保護膜とが設けられた
構成を有する。そして、この光ディスクにおける情報信
号の再生時には、ディスク基板側から凹凸パターンに向
けてレーザ光などの再生光を照射し、この再生光による
入射光と戻り光との反射率の差によって情報信号を検出
する。
【0005】そして、このような光ディスクを製造する
際には、まず、射出成形法により凹凸パターンを有する
ディスク基板を形成する。次に、真空蒸着法により、光
ディスク基板上に金属薄膜からなる反射膜を形成する。
次に、この反射膜の上層に紫外線硬化樹脂を塗布するこ
とにより保護膜を形成する。
【0006】近年、このような光学情報記録方式におい
ては、さらなる高記録密度化が要求されている。そし
て、この高記録密度化の要求に対応するために、光学ピ
ックアップの再生光の照射時に用いられる対物レンズの
開口数(NA)を大きくすることによって、再生光のス
ポット径の小径化を図る技術が提案された。
【0007】すなわち、例えば従来のDADの再生時に
用いられる対物レンズのNAが0.45であるのに対
し、この従来のDADの6〜8倍の記録容量を有するD
VD(Digital Versatile Disc)といった光学式ビデオ
ディスクでは再生時に用いられる対物レンズのNAを
0.60程度として、スポット径の小径化が図られる。
【0008】このような対物レンズにおける高NA化を
進めていくと、照射される再生光を透過させるために、
光ディスクにおけるディスク基板を薄くする必要が生じ
る。これは、光学ピックアップの光軸に対してディスク
面の垂直からずれる角度(チルト角)の許容量が小さく
なるためであり、さらに、このチルト角がディスク基板
の厚さによる収差や複屈折の影響を受け易いためであ
る。したがって、ディスク基板を薄くすることによっ
て、チルト角がなるべく小さくなるようにする。例え
ば、上述したDADにおいては、基板の厚さは1.2m
m程度とされている。これに対し、DADの6〜8倍の
記録容量を有するDVDなどの光学式ビデオディスクに
おいては、基板の厚さは0.6mm程度とされている。
【0009】そして、今後のさらなる高記録密度化の要
求を考慮すると、基板のさらなる薄型化が必要になる。
そこで、基板の一主面に凹凸を形成して情報信号部と
し、この情報信号部上に、反射膜と、光を透過可能な薄
膜からなる光透過層とを順次積層し、光透過層側から再
生光を照射することにより情報信号の再生を行うように
構成された光ディスクが提案されている。このような、
光透過層側から再生光を照射して情報信号の再生を行う
ようにした光ディスクにおいては、光透過層の薄膜化を
図ることによって対物レンズの高NA化に対応すること
ができる。
【0010】ところが、光透過層の薄膜化を行うと、光
ディスクの製造に一般に用いられる、熱可塑性樹脂を用
いた射出成形法により光透過層を形成することが困難に
なる。すなわち、従来の技術を採用して、複屈折を小さ
く保ちつつ、良好な透明性が維持された、0.1mm程
度の光透過層を形成することは、非常に困難である。
【0011】そこで、0.1mm程度の光透過層におい
て、複屈折を小さく保ちつつ良好な透明性を維持するこ
とができる技術の開発が進められ、次の3種類の方法が
考案された。
【0012】すなわち、第1の方法は、光透過層を、紫
外線硬化樹脂により形成する方法である。また、第2の
方法は、膜厚が0.1mmで、熱可塑性樹脂からなるシ
ートを紫外線硬化樹脂からなる接着剤を介してディスク
基板表面に貼り合わせることにより、光透過層を形成す
る方法である。また、第3の方法は、光透過性シートと
透明な粘着剤からなるシートをディスク基板表面に貼り
合わせることにより、光透過層を形成する方法である。
【0013】これらの方法により形成された光透過層に
おいては、再生時に用いられる対物レンズの高NA化に
も対応可能であるという利点を有する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が、上述の光ディスクの製造を繰り返し行い、さら
に、これらの光ディスクに関する実験を種々行った結
果、次のような問題が存在することを知見した。
【0015】すなわち、ディスク基板の表面に薄い光透
過層が形成された光ディスクにおいては、情報信号部に
おける凹凸形状の案内溝(ランド/グルーブ)は、ディ
スク基板の光透過層が設けられる面に形成される。ま
た、このディスク基板は、従来の光ディスクのディスク
基板におけると同様に、射出成形法により形成される。
【0016】ところが、本発明者が実験により得た知見
によれば、これらの光ディスクにおいて用いられるプラ
スチックからなる透明基板は、外部環境の特に温度変化
に影響されて含有水分量が変化してしまう。そして、こ
の透明基板においては、含有水分量の変化に伴って、そ
の増加に比例して体積が膨張してしまうという性質を有
する。
【0017】このようなプラスチックからなる基板の片
面にのみ情報信号部が形成された、いわゆる単板構成の
光ディスクにおいては、光ディスクの表裏面のうちの情
報信号部が形成された側は、複数の金属膜からなる積層
膜(記録部)が設けられている。この積層膜によりディ
スク基板から外部への水分(H2O)の通過が遮断され
る。これに対し、ディスク基板の記録部が形成されてい
ない側は、外部環境に直接さらされることになるため、
ディスク基板から外部へ水分が比較的よく通過する。
【0018】これにより、環境湿度が変化した場合に
は、水分の流出入は、ディスク基板の記録部が形成され
ていない側だけで発生する。このようにディスク基板の
一面においてのみ水分の流出入が生じると、ディスク基
板の厚さ方向に沿って、含水率分布が生じる。
【0019】上述したように、プラスチックからなるデ
ィスク基板においては、含有水分量に比例して、体積が
膨張する性質がある。そのため、ディスク基板の厚さ方
向に含水率分布が生じると、ディスク基板の記録部が、
形成されている側と、形成されていない側との間で体積
膨張量に差が生じる。その結果、ディスク基板に反りが
発生してしまう。
【0020】このような、環境温度変化に伴うディスク
基板に生じる反りは、信号再生の際に、サーボに大きな
負荷をかけることになってしまうとともに、特にDVR
(Digital Video Recording system)のように、レンズの
焦点距離が小さい光学ピックアップを採用する場合に
は、レンズとディスクとの衝突の可能性が問題になる。
【0021】他方、基板の両面に情報信号部が設けられ
た、いわゆる両板構成の光ディスクにおいては、ディス
ク基板の両面に複数の金属膜からなる積層膜が設けられ
ているか、もしくは、単板構成の光ディスクを、それら
の記録部が設けられていない側どうしを貼り合わせて形
成される。ディスク基板の両面に記録部が設けられてい
る場合には、水分が両面で遮断されるため、含水率分布
が発生することは少ない。また、単板構成の光ディスク
を貼り合わせる場合には、同じ構成の2枚の基板が互い
に体積膨張量の差を相殺するため、光ディスク全体とし
て、含水率分布に起因した反りの発生は、問題にならな
い。
【0022】以上のことから、一方の主面に情報信号部
が設けられた単板構成の光ディスクにおいて、環境湿度
変化による反りを低減することができる技術の開発が求
められていた。
【0023】したがって、この発明の目的は、一方の主
面に情報信号部が設けられた光ディスクにおいて、基板
の厚さ方向に生じる含水率分布の変化を抑制し、環境湿
度変化による反り変化量を低減して、対物レンズの高N
A化に十分対応可能で、小複屈折で、透明性良好で厚さ
も均一な光透過層を有し、高信頼性を有しつつ大容量化
可能な光ディスクを提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の第1の発明は、基板の一方の主面上に、
情報信号を記録可能および/または再生可能に構成され
た情報信号部と、情報信号の記録時および/または再生
時に用いられるレーザ光を透過可能に構成された光透過
層とが設けられた光ディスクにおいて、基板の室温での
吸水率が0.2パーセント以下であることを特徴とする
ものである。
【0025】この発明において、典型的には、光透過層
は、光透過性シートと、光透過性シートを基板の主面に
接着可能に構成された接着層との積層構造を有して構成
されている。そして、この発明において、典型的には、
接着層は感圧性粘着剤(PSA)からなるが、紫外線硬
化樹脂などを用いることも可能である。
【0026】この発明において、典型的には、基板は、
プラスチック材料、アルミニウム(Al)、Al合金、
または、ガラスからなる。また、この発明において、製
造される光ディスクにおける反りや歪みを最小限にする
ために、好適には、光透過性シートは、基板に用いられ
る材料と同種の材料から構成される。また、光透過性シ
ートの厚さは、典型的には、基板の厚さより小さくなる
ように構成され、具体的には、30μm以上150μm
以下から選ばれる。また、この発明において、ディスク
基板は、具体的には、ポリカーボネート(PC)やシク
ロオレフィンポリマーなどの低吸水性の樹脂が用いら
れ、また、光透過性シートは、好適には、ディスク基板
と同じ材料から構成される。なお、基板に用いられる材
料としては、例えばアルミニウム(Al)などの金属か
らなる基板や、ガラス基板、あるいは、ポリオレフィ
ン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹
脂からなる基板を用いることも可能である。また、光透
過性シートは、典型的には、ポリカーボネート樹脂から
なるが、その他の樹脂材料から構成することも可能であ
る。
【0027】この発明において、光学記録媒体を通常の
記録再生装置で用いるために、典型的には、基板は、平
面円環形状を有する。また、光透過性シートも中心に貫
通孔が設けられた平面円環形状を有する。
【0028】この発明において、基板と光透過性シート
とを貼り合わせる際に用いられるシート保持手段の載置
面上に異物が存在した場合でも、その異物により光透過
性シートに影響が及ぼされるのを防止するために、好適
には、基板上に光透過性シートを貼り合わせる段階にお
いて、接着層が設けられた光透過性シートの、接着層が
設けられた側とは反対側の面に光透過性シートを保護す
る保護層をラミネートしておく。また、この保護層は、
好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)シー
トやポリエチレンナフタレート(PEN)シートなどか
らなる。より具体的には、このPETシートやPENシ
ートなどの保護フィルムの少なくとも一方の面に第2の
粘着剤が被着され、この第2の粘着剤が被着された面を
光透過性シートの一面に接着させて、ディスク基板に貼
り合わせられるシートが構成される。
【0029】この発明において、典型的には、光透過性
シートは、少なくとも情報信号の記録/再生に用いられ
る、GaN系半導体レーザ(発光波長400nm帯、青
色発光)、ZnSe系半導体レーザ(発光波長500n
m帯、緑色)、またはAlGaInP系半導体レーザ
(発光波長635〜680nm程度、赤色)などから照
射されるレーザ光を、透過可能な非磁性材料からなり、
具体的には、ポリカーボネートなどの光透過性を有する
熱可塑性樹脂からなる。
【0030】この発明は、好適には、DVR(Digital V
ideo Recording system)などの、薄い光透過層を有する
光ディスクに適用することができ、発光波長が650n
m程度の半導体レーザを用いて情報信号の記録や再生を
行うように構成された、いわゆるDVR−redや、発
光波長が400nm程度の半導体レーザを用いて情報信
号の記録や再生を行うように構成された、いわゆるDV
R−blueなどの光ディスクに適用することが可能で
ある。このDVRは、好ましくは、2個のレンズを直列
に組み合わせることによりNAを0.85程度にまで高
めた対物レンズを用いて、情報信号を記録可能に構成さ
れており、具体的には、片面で22GB程度の記憶容量
を有する。また、このDVRなど、この発明の適用が好
ましい光ディスクは、好適にはカートリッジに納められ
ているが、この発明の適用は、必ずしもカートリッジに
納められているものに限定されるものではない。
【0031】上述のように構成されたこの発明による光
ディスクによれば、基板の吸水率を0.2%以下にして
いることにより、水分の放出性を向上させることができ
るので、基板の厚さ方向に沿った吸水率分布の発生を抑
制することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態
の全図においては、同一または対応する部分には同一の
符号を付す。
【0033】まず、この発明の一実施形態による光ディ
スクについて説明する。図1に、この一実施形態による
光ディスクを示す。
【0034】図1に示すように、この一実施形態による
光ディスクにおいては、ディスク基板1が、レプリカ基
板1aの中心部にセンターホール1bが形成され、凹凸
が形成された一主面に情報信号部1cが設けられてい
る。また、このディスク基板1上に光透過層2が設けら
れている。この光透過層2は、光透過性シート2aが接
着層2bを介して接着されて構成されており、その中央
部に貫通孔2cが設けられている。
【0035】また、光透過層2の光透過性シート2a側
の主面における貫通孔2cの周辺において、円環状にク
ランプ領域3が設定されている。ここで、この円環状の
クランプ領域3の最内周径は、例えば23mmであり、
最外周径は、例えば33mmである。このクランプ領域
3における光透過層2の光透過性シート2a側の主面に
は、記録再生装置のスピンドル(いずれも図示せず)に
光ディスクをクランプしたり載置したりする際の、クラ
ンプ基準面3aが設定されている。このように、光透過
性シート2aが、接着層2bを介してディスク基板1の
一主面上に接着されている点を考慮すると、貫通孔2c
の径は、ディスク基板1のセンターホール1bの径以上
に選ばれ、例えば15mm以上に選ばれる。また、クラ
ンプ基準面3aを光透過層2の光透過性シート2a側の
主面から構成することを考慮すると、貫通孔2cの径
は、クランプ領域3の最内周以下、具体的には例えば2
3mm以下である。
【0036】次に、以上のように構成されたこの一実施
形態による光ディスクの製造方法について説明する。図
2にディスク基板、図3にシートを示す。
【0037】すなわち、まず、図2に示すレプリカ基板
1aを、所定の凹凸が設けられたスタンパを用いた射出
成形法、または凹凸が直接彫り込まれた金型を用いた射
出成形法により作製する。このレプリカ基板1aの厚さ
は、例えば0.6〜1.2mmである。また、レプリカ
基板1aの材料としては、例えばポリカーボネート(P
C)やシクロオレフィンポリマー(例えば、ゼオネック
ス(登録商標))などの低吸水性の樹脂が用いられる。
なお、この一実施形態による光ディスクは、ディスク基
板1に対して薄い光透過層2が設けられた側からレーザ
光を照射することにより、情報信号の記録/再生を行う
ように構成されている。そのため、レプリカ基板1aと
しては、透過性を有するか否かを考慮する必要がないの
で、例えばAlやAl合金などの金属からなる基板を用
いることも可能である。また、レプリカ基板1aとし
て、ガラス基板、または、ポリオレフィン、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエ
チレンテレフタレートなどの樹脂からなる基板を用いる
ことも可能である。
【0038】次に、レプリカ基板1aの一主面に形成さ
れた凹凸部上に、記録膜や反射膜などを形成することに
よって、情報信号部1cを形成する。この情報信号部1
cは、反射膜、光磁気材料からなる膜、相変化材料から
なる膜、または有機色素膜などが設けられて構成され
る。これらのうち、反射膜の材料としては、例えばAl
やAl合金などが用いられる。具体的には、最終製品と
しての光ディスクが再生専用型(ROM(Read Only Mem
ory))光ディスクである場合、情報信号部1cとして
は、例えばAlなどからなる反射層を少なくとも有する
単層膜または積層膜が設けられて構成される。他方、最
終製品としての光ディスクが書換可能型光ディスクであ
る場合には、情報信号部1cは、TbFeCo系合金、
TbFeCoSi系合金、またはTbFeCoCr系合
金などの光磁気材料からなる膜や、GeInSbTe合
金などの相変化材料からなる膜を少なくとも有する、単
層膜または積層膜が設けられて構成される。また、最終
製品としての光ディスクが、追記型光ディスクの場合に
は、GeTe系材料などの相変化材料からなる膜、また
は有機色素材料からなる膜を少なくとも有する、単層膜
または積層膜から構成される。
【0039】ここで、この一実施形態によるディスク基
板1においては、具体的には、レプリカ基板1aとし
て、室温での吸水率が0.2%以下の材料から構成さ
れ、具体的には、例えばポリカーボネート樹脂からな
る、いわゆるPC基板が用いられる。このレプリカ基板
1aは、厚さが1.1mmの平面円環形状を有し、直径
(外径)が例えば120mm、センターホール1bの開
口径(内口径)が例えば15mmである。また、情報信
号部1cとして、レプリカ基板1aの凹凸が形成された
領域上に、膜厚が例えば100nmのAl合金からなる
反射層、膜厚が例えば18nmの、硫化亜鉛(ZnS)
と酸化シリコン(SiO2)との混合物(ZnS−Si
2)からなる第1の誘電体層、膜厚が例えば24nm
のGeInSbTe合金層からなる相変化記録層、膜厚
が例えば140nmのZnS−SiO2からなる第2の
誘電体層、および第3の誘電体層が順次積層された積層
膜が用いられる。以上のようにして、レプリカ基板1a
の一主面に情報信号部1cを形成することにより、ディ
スク基板1が製造される。
【0040】次に、図3に示すシート4を、接着層2b
を介してディスク基板1の一主面に貼り合わせ可能な状
態にする。ここで、この一実施形態による光透過層2を
形成する際に用いられるシートについて説明する。
【0041】この一実施形態による光透過層2の形成に
用いられるシート4は、光透過性シート2aと、この光
透過性シート2aの一面に被着された感圧性粘着剤(P
SA)からなる接着層2bとから構成される。このシー
ト4は、ディスク基板1におけると同様に、平面円環状
に打ち抜かれた構造を有し、中央部に貫通孔2cが形成
されている。ここで、このシート4の寸法の一例を挙げ
ると、シート4の直径(外径)は、ディスク基板1の外
径とほぼ同じか、それ以下に選ばれ、具体的には、例え
ば119mmであり、貫通孔2cの径(内孔径)は、セ
ンターホール1bの開口径以上、かつ、クランプ領域3
の最内周径(例えば23mm径)以下の範囲から選ば
れ、例えば23mmとする。
【0042】このようなシート4における光透過性シー
ト2aは、例えば、少なくとも記録/再生に用いられる
レーザ光を透過可能な光学特性を満足した、光透過性を
有する熱可塑性樹脂からなる。この熱可塑性樹脂として
は、耐熱寸法安定性、熱膨張率、または吸湿膨張率など
がレプリカ基板1aにおけると近い材料が選ばれ、具体
的には、例えばポリカーボネート(PC)や、ポリメチ
ルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル)などのメ
タクリル樹脂などが選ばれる。また、光透過性シート2
aの厚さは、好適には60〜100μmの範囲から選ば
れ、より好適には70〜100μmの範囲から選ばれ
る。この一実施形態においては、光透過性シート2a
が、ディスク基板1の一主面に感圧性粘着剤(PSA)
からなる接着層2bを介して貼り合わせられることを考
慮すると、光透過性シート2aの厚さは、例えば70μ
mに選ばれる。なお、この光透過性シート2aの厚さ
は、情報信号の記録/再生に用いられるレーザ光の波長
や、光透過層2の所望とする膜厚を考慮して決定され
る。
【0043】また、接着層2bは、圧力を加えることに
よって接着力が発生するPSAからなり、具体的には、
例えば、アクリル系、ゴム系、ウレタン系、シリコーン
系などのPSAを用いることが可能であり、この一実施
形態においては、メタクリル樹脂などである。また、こ
の接着層2bの厚さは、例えば30μmであるが、接着
層2bの厚さや、感圧性粘着剤として用いられる材料
は、光透過層2の所望とする膜厚や、情報信号の記録/
再生に用いられるレーザ光の波長を考慮して決定され
る。また、図示省略したが、シート4が保管されている
際には、このシート4の接着層2bの面には、これを保
護する保護フィルムがラミネートされている。
【0044】そして、以上のように構成されたシート4
を、ディスク基板1との貼り合わせに用いることができ
る状態にする。すなわち、まず、別のプロセスにおい
て、接着層2bにラミネートされた上述の保護フィルム
を剥離する。そして、この保護フィルムが剥離された状
態のシート4を、ディスク基板1とシート4との貼り合
わせ装置にまで搬送し、ディスク基板1との貼り合わせ
を行う。
【0045】すなわち、まず、この一実施形態によるデ
ィスク基板1とシート4との貼り合わせに用いられる、
貼り合わせ装置について説明する。図4に、この貼り合
わせ装置を示す。
【0046】図4に示すように、この一実施形態による
貼り合わせ装置においては、固定ステージ11と可動ス
テージ12とが、互いに対向した位置に設置されて構成
されている。
【0047】固定ステージ11は、シート4を載置する
ためのものであり、シート4を載置可能に構成されてい
る。すなわち、固定ステージ11における可動ステージ
12に対向した部分には、固定ステージ11に対して突
出および埋没する方向に移動可能な上下動ピン13が設
けられている。この上下動ピン13の径は、上述したシ
ート4の貫通孔2cの径に等しくなるように構成されて
いる。そして、シート4の貫通孔2cを上下動ピン13
に嵌め合わせることにより、シート4を固定ステージ1
1上に載置可能に構成されている。また、この上下動ピ
ン13の上部には、円柱状に突出した基板位置出しピン
14が設けられている。この基板位置出しピン14の径
は、上述したディスク基板1のセンターホール1bの径
にほぼ等しくなるように構成されており、ディスク基板
1の中心を合わせつつ、このディスク基板1を上下動ピ
ン13で支持可能に構成されている。このように構成さ
れた固定ステージ11においては、固定ステージ11上
に上下動ピン13に嵌合させて、シート4を載置可能に
構成され、基板位置出しピン14に嵌合させてディスク
基板1を上下動ピン13により支持可能に構成されてい
る。
【0048】また、可動ステージ12の固定ステージ1
1に対向する部分の面上に、例えばゴムなどの弾性体か
ら構成されるパッド15が設けられている。このパッド
15は、例えば、球体を所定の平面により分割したとき
の一方の部分からなる部分球体形状や円錐形状を有し、
可動ステージ12における固定ステージ11に対向する
面に固着されている。
【0049】以上のようにして、この一実施形態による
ディスク基板1とシート4との貼り合わせ装置10が構
成されている。なお、この貼り合わせ装置10は、減圧
可能な真空チャンバ内に設置するようにしてもよい。そ
して、この貼り合わせ装置10を真空チャンバ内に設け
る場合には、真空チャンバを、その内部の圧力、すなわ
ち貼り合わせ時におけるディスク基板1とシート4の周
辺の圧力として、4.0×102〜2.0×104Paの
範囲内、好ましくは1.0×103〜8.0×103Pa
の範囲内で、制御可能に構成することが望ましい。
【0050】次に、以上のように構成された貼り合わせ
装置10を用いた、ディスク基板1とシート4との貼り
合わせ方法について説明する。
【0051】すなわち、まず、シート4を、その貫通孔
2cを上下動ピン13に嵌め合わせるようにして、固定
ステージ11のシート載置面11a上に載置する。この
とき、シート4は、一方の面の接着層2b側が可動ステ
ージ12に対向するように載置する。このシート4の載
置とともに、固定ステージ11に設けられた真空吸着孔
(図示せず)内を真空引きする。これにより、シート4
を、シート載置面11a上に平面状を保った状態で吸着
させることができる。すなわち、一般に、シート4は、
少なくともディスク基板1との貼り合わせ以前の段階の
平面円環状に打ち抜かれる前段階において、ロール状に
巻き取られていることが多い。そのため、シート4をシ
ート載置面11a上に載置する場合、そのロール状に巻
かれている状態が現出し、巻きぐせなどのくせが出てし
まう。そのため、シート載置面11a上でシート4を吸
着することによって、シート4を平面状に固定すること
ができる。
【0052】その後、ディスク基板1を、基板位置出し
ピン14に嵌め合わせつつ上下動ピン13に支持される
ように載置する。このとき、ディスク基板1は、その情
報信号部1cが設けられた一主面が接着層2bに対向す
るように、上下動ピン13に支持されて載置される。
【0053】次に、可動ステージ12を固定ステージ1
1に向けて移動させる(図4中、下方)。そして、パッ
ド15により、まず基板位置出しピン14を押圧し、続
いてディスク基板1を介して上下動ピン13を固定ステ
ージ11中に進入させる。これにより、ディスク基板1
の情報信号部1cが設けられた一主面と、シート4の接
着層2bとが圧着される。このとき、この圧着状態を、
1s以上60s未満の間、好ましくは1s以上40s以
下の間、この一実施形態においては、例えば20sの間
保持する。これにより、ディスク基板1とシート4との
圧着が安定する。圧着が安定した後、シート4の吸着固
定を解除するとともに、可動ステージ12を固定ステー
ジ11から離れる方向に開放させる。その後、所定の搬
送装置(図示せず)を用いて、圧着されたディスク基板
1とシート4とを固定ステージ11から搬出する。
【0054】以上により、図1に示す、レプリカ基板1
aの凹凸が形成された一主面に、情報信号部1cと、接
着層2bおよび光透過性シート2aからなる光透過層2
とが設けられた光ディスクが製造される。
【0055】ここで、本発明者は、従来の、光学用ポリ
カーボネート樹脂(ASTM D570,200時間)からなり、室
温での吸水率が0.23%のレプリカ基板1aを用いて
構成された光ディスク(比較例の光ディスク)と、この
一実施形態の、低吸水性ポリカーボネート樹脂(ASMD 5
70,200時間)を含有したポリカーボネート樹脂からな
り、室温での吸水率が0.2%以下のレプリカ基板1a
を用いて構成された光ディスク(実施例)とについて、
それらのスキュー変化量に関する実験を行った。ここ
で、実施例の光ディスクとしては、第1の実施例の光デ
ィスクとして、低吸水性ポリカーボネート樹脂からな
り、吸水率が0.16%のレプリカ基板1aを用いたも
のとする。また、第2の実施例の光ディスクとして、従
来のポリカーボネート樹脂と低吸水性ポリカーボネート
樹脂とをそれぞれ40重量部と60重量部との割合で混
合した樹脂からなり、吸水率が0.18%のレプリカ基
板1aを用いたものとする。また、第3の実施例の光デ
ィスクとして、従来のポリカーボネート樹脂と低吸水性
ポリカーボネート樹脂とをそれぞれ60重量部および4
0重量部の割合で混合した樹脂からなり、吸水率が0.
20%のレプリカ基板を用いたものとする。
【0056】そして、これらの比較例および第1〜第3
の実施例による光ディスクに対して、初期結晶化処理を
施して、情報信号部1cにおける記録層を非晶質状態
(アモルファス状態)から結晶状態に変化させた。そし
て、温度が25℃で、湿度が90%の恒温恒湿槽に10
0時間投入することによって、レプリカ基板1aの全体
を十分吸水させる。その直後、温度が25℃で、湿度が
50%の恒温恒湿槽内に設置されたスキュー測定機に移
動させる。そして、このスキュー測定機内において、比
較例および第1〜第3の実施例による光ディスクのラジ
アルスキューの変化量の経時変化を測定した。ここで観
測位置は、光ディスクのデータ記録領域として用いられ
る円環状領域の外周部で、半径が58.0mmの位置で
ある。この測定結果を図5に示す。なお、図5におい
て、ラジアルスキュー変化量とは、光ディスクを、温度
が25℃で湿度が50%の恒温恒湿槽内に移動させた瞬
間のラジアルスキューを0とした場合の変化量であり、
ラジアルスキューの正方向は、光透過層2の側が膨張す
る方向、すなわちレプリカ基板1aが収縮する方向であ
る。
【0057】図5から、比較例の光ディスク、および第
1〜第3の実施例による光ディスクのいずれの光ディス
クにおいても、温度25℃、湿度90%の恒温恒湿槽か
ら温度25℃、湿度50%の恒温恒湿槽内に移動させた
瞬間から、反りが発生していることがわかる。本発明者
の知見によれば、これは、光ディスクを温度25℃湿度
50%の恒温恒湿槽内に移動させた瞬間から、レプリカ
基板1a内部に侵入していた水分が、レプリカ基板1a
の情報信号部1cが形成されていない側から外部に流出
し始め、これにより、レプリカ基板1aのこの側への収
縮が生じたことが原因である。そして、この反りは、約
5時間後にピークを迎え、時間の経過とともに基板内部
への水分の流出は納まり、反りは小さくなっていく。
【0058】また、図5から、比較例による光ディスク
においては、約5時間後におけるラジアルスキュー変化
量が0.24°に達するのに対し、第3の実施例による
光ディスクにおいては0.18°、第2の実施例による
光ディスクにおいては0.15°、第1の実施例による
光ディスクにおいては、0.11°であることがわか
る。また、レプリカ基板1a自体の吸水率の低下に伴っ
て、ラジアルスキュー変化量が低減する傾向にあること
がわかる。本発明者の知見によれば、このラジアルスキ
ュー変化量がレプリカ基板1aの吸水率の低下に伴って
低減する傾向にあるのは、レプリカ基板1aの吸水率が
低いためであり、これにより、温度が25℃で湿度が5
0%の恒温恒湿槽内に移動させた瞬間から発生するレプ
リカ基板1aの収縮が小さかったことが原因である。
【0059】また、上述の比較例、第1〜第3の実施例
による光ディスクにおいては、湿度が90%の恒温恒室
槽から湿度が50%の恒温恒室槽への移動であり、相対
湿度の変化量は40%であるが、この光ディスクが実際
に使用される環境を考慮すると、相対湿度の変化量とし
て60%の変化も生じることがある。そこで、本発明者
は、25℃の温度において、相対湿度が60%変化した
場合の光ディスクの最外周における最大のラジアルスキ
ュー変化量を算出した。以下の表1にこれらの算出量を
示す。
【0060】
【表1】
【0061】ところで、DVRなどの光ディスクでは、
片面の記憶容量は22GB程度に達する。このように高
記録密度化されたDVRなどの光ディスクにおいては、
ラジアルスキューは±0.3°、変化量としては0.6
°が限界である。光ディスクの製造時におけるばらつき
や、内外周差、周内変動のマージンが0.3°であるの
で、これを考慮すると、ラジアルスキューの変化量は
0.3°以下に抑える必要がある。
【0062】すなわち、表1から、吸水率が0.23%
のレプリカ基板1aを用いた比較例の光ディスクにおい
ては、湿度が60%RH変化したときに、ラジアルスキ
ュー変化量は、最大0.36°に達することがわかる。
これに対し、吸水率が0.20%のレプリカ基板1aを
用いた第3の実施例の光ディスクにおいては、湿度が6
0%RH変化したときに、ラジアルスキュー変化量は、
最大0.27°にとどまり、許容範囲の0.30°以下
に収まることがわかる。したがって、レプリカ基板1a
の吸水率を0.2%以下にすることによって、実用に供
する高記録密度化された光ディスクを得ることができ
る。
【0063】以上説明したように、この一実施形態によ
れば、光ディスクを構成する部分となるレプリカ基板1
aの吸水率を0.2%以下にしていることにより、この
レプリカ基板1aを支持基板とした光ディスクの使用時
に、環境湿度変化が生じた場合であっても、ラジアルス
キューの変化を抑制することができ、反りの発生を抑制
することができる。したがって、薄型化され、小複屈折
で、透明性良好で厚さも均一な光透過層を有し、対物レ
ンズの高NA化に対応可能で、高信頼性を有し、良好な
記録再生特性を有する光ディスクを得ることができる。
【0064】以上、この発明の一実施形態について具体
的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定さ
れるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種
の変形が可能である。
【0065】例えば、上述の一実施形態において挙げた
数値、材料、情報信号部1cの積層構造、光ディスクの
種類はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異な
る数値、材料、情報信号部1cの積層構造、光ディスク
の種類を用いてもよい。
【0066】また、上述の一実施形態においては、情報
信号部1cの部分を構成する反射膜の材料としてAlを
用いたが、反射層の材料としては、Al以外にも、Al
合金、銀(Ag)、Ag合金、銅(Cu)、Cu合金な
どを用いることも可能である。また、上述の一実施形態
においては、相変化記録層として、GeInSbTe合
金からなるものを用いたが、相変化記録層としてはGe
SbTe合金などのその他の材料を用いることも可能で
ある。
【0067】また、上述の実施形態においては、シート
4を光透過性シート2aと接着層2bとから構成した
が、シート4の光透過性シート2a側に、光透過性シー
ト2aを保護する、PETやPENからなる第2の保護
フィルムを設けてシート4を構成するようにしても良
い。このように、第2の保護フィルムを設けることによ
り、シート載置面11a上にシート4を載置して吸着固
定した場合でも、光透過性シート2aにシート載置面1
1a上の異物などが直接接触することを防止することが
できるので、光透過性シート2aに傷などが発生するの
を防止することができる。また、このとき、この第2の
保護フィルムにおける光透過性シート2a側の面には、
微粘着性の接着剤(図示せず)が被着されており、この
微粘着性の接着剤からなる層を介して、光透過性シート
2aと第2の保護フィルムとが互いに接着されている。
ここで、微粘着性の接着剤は、光透過性シート2aとの
接着力に比して、第2の保護フィルムとの接着力が大き
い接着材料から構成して、光透過性シート2aと第2の
保護フィルムとの剥離を、微粘着性の接着剤からなる層
と光透過性シート2aとの界面における剥離になるよう
にする。また、上述の保護フィルムや、第2の保護フィ
ルムの厚さは、それぞれ40μm程度であるが、この数
値に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0068】また、上述の一実施形態による光ディスク
を、そのクランプ領域3においてクランプし回転させる
際に、摩擦力を増加させる必要がある場合、クランプ基
準面3aを滑りにくくするために、グロー放電やサンド
ブラスト処理により、選択的に、クランプ基準面3aを
粗面化するようにしても良い。このとき、この粗面化は
クランプ基準面3aに選択的に行われ、具体的には、表
面粗さRaが例えば30nm以上、好ましくは120n
m以上になるように粗面化される。
【0069】また、上述の一実施形態においては、この
発明を、光透過層を有する光ディスクに適用するように
しているが、光磁気記録再生方式を採用した光ハードデ
ィスクや、リムーバブル光ハードディスクに適用するこ
とも可能である。また、上述の一実施形態においては、
この発明を、相変化を利用して情報信号の記録を行うよ
うにした相変化が光ディスクに適用する用にしている
が、この発明の技術的思想の範囲内において、この発明
を、その他の書換可能型光ディスクや、追記型光ディス
ク、または再生専用型光ディスクに適用することも可能
である。
【0070】また、上述の一実施形態においては、情報
信号部1cがレプリカ基板1aの主面に形成されている
例について説明したが、この情報信号部1cを、シート
4におけるレプリカ基板1aに対向面に形成するように
してもよい。さらにシートを複数の薄膜により構成し、
最外層の薄膜に凹凸を形成して情報信号部を構成するこ
とも可能である。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、基板の一方の主面上に情報信号部と、レーザ光を透
過可能な光透過層とが設けられた光ディスクにおいて、
室温での吸水率を0.2パーセント以下にした基板を用
いることにより、外部環境の湿度変化による基板の体積
の膨張量、または収縮量を低減することができるので、
光ディスクにおける反りの発生を防止することができ
る。したがって、記録時および/または再生時に用いら
れる光学系の対物レンズにおける高NA化に対応するこ
とができ、薄型化され、小複屈折で、透明性良好で厚さ
も均一な光透過層を有し、対物レンズの高NA化に十分
対応可能で、耐腐食性が向上された高信頼性を有する光
ディスクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による光ディスクを示す
断面図である。
【図2】この発明の一実施形態によるディスク基板を示
す断面図である。
【図3】この発明の一実施形態によるシートを示す断面
図である。
【図4】この発明の一実施形態による貼り合わせ装置を
示す略線図である。
【図5】この発明の一実施形態による光ディスクと比較
例の光ディスクにおけるラジアルスキュー変化量の経時
変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・ディスク基板、1a・・・レプリカ基板、1b
・・・センターホール、1c・・・情報信号部、2・・
・光透過層、2a・・・光透過性シート、2b・・・接
着層、2c・・・貫通孔、3・・・クランプ領域、3a
・・・クランプ基準面、4・・・シート、10・・・貼
り合わせ装置、11・・・固定ステージ、11a・・・
シート載置面、12・・・可動ステージ、13・・・上
下動ピン、14・・・基板位置出しピン、15・・・パ
ッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 光浩 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 越田 晃生 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 浅野 祐子 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D029 KA01 KA23 KA24 KC20 LA02 LB12 LB17

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の一方の主面上に、 情報信号を記録可能および/または再生可能に構成され
    た情報信号部と、 上記情報信号の記録時および/または再生時に用いられ
    るレーザ光を透過可能に構成された光透過層とが設けら
    れた光ディスクにおいて、 上記基板の室温での吸水率が0.2パーセント以下であ
    ることを特徴とする光ディスク。
  2. 【請求項2】 上記基板がプラスチック材料からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
  3. 【請求項3】 上記基板がアルミニウム、またはアルミ
    ニウム合金からなることを特徴とする請求項1記載の光
    ディスク。
  4. 【請求項4】 上記基板がガラス基板であることを特徴
    とする請求項1記載の光ディスク。
  5. 【請求項5】上記光透過層が、光透過性シートと、上記
    光透過性シートを上記基板の上記主面に接着可能に構成
    された接着層との積層構造を有して構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の光ディスク。
  6. 【請求項6】 上記接着層が、感圧性粘着剤からなるこ
    とを特徴とする請求項5記載の光ディスク。
  7. 【請求項7】 上記接着層が、紫外線硬化樹脂からなる
    ことを特徴とする請求項5記載の光ディスク。
  8. 【請求項8】 上記基板と上記光透過性シートとが同種
    の材料からなることを特徴とする請求項1記載の光ディ
    スク。
  9. 【請求項9】 上記基板と上記光透過性シートとが同種
    の材料からなり、上記材料が、ポリカーボネート系樹
    脂、シクロオレフィン系樹脂およびポリオレフィン系樹
    脂からなる群より選ばれた少なくとも1種類の樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
  10. 【請求項10】 上記基板が平面円環形状を有すること
    を特徴とする請求項1記載の光ディスク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005112017A1 (en) * 2004-05-19 2005-11-24 Fujifilm Corporation Optical information recording carrier
WO2006085515A1 (ja) * 2005-02-09 2006-08-17 Kyoto University 反射率制御光学素子及び超薄膜光吸収増強素子

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005112017A1 (en) * 2004-05-19 2005-11-24 Fujifilm Corporation Optical information recording carrier
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