JP2003068862A - スパイラルインダクタ及び高周波半導体装置 - Google Patents

スパイラルインダクタ及び高周波半導体装置

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JP2003068862A
JP2003068862A JP2001257932A JP2001257932A JP2003068862A JP 2003068862 A JP2003068862 A JP 2003068862A JP 2001257932 A JP2001257932 A JP 2001257932A JP 2001257932 A JP2001257932 A JP 2001257932A JP 2003068862 A JP2003068862 A JP 2003068862A
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spiral
wiring
inductor
layer
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Noriyuki Tanba
憲之 丹波
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリコンプロセスにおいて半導体基板上に形成
されたスパイラルインダクタヘの基板−絶縁層を介した
雑音の伝播量を低減し、ロジック回路からの雑音が高周
波回路に悪影響を及ぼさないことである。また、本発明
では、飛び込み雑音を低減する手段とスパイラルインダ
クタとの間に形成される寄生容量を小さく抑え、インダ
クタの特性劣化を引き起こさないことである。 【解決手段】シリコンプロセスによって半導体上に形成
されたスパイラルインダクタ21の周囲にスパイラルイ
ンダクタ21を形成しているメタル配線2と同一の絶縁
層にメタル接地配線1を配置する。また、メタル接地配
線1から複数の絶縁層8に複数のスルーホール4を介し
て、最下層のメタル配線層5まで接続し、スパイラルイ
ンダクタ21をメタル接地配線1、スルーホール4、最
下層のメタル配線5で囲み込むシールド構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
プロセスを用いて構成したスパイラルインダクタンスの
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路の高周波回路には、インダクタ
として一般にスパイラルインダクタが用いられる。スパ
イラルインダクタは、平面上に配線を螺旋(スパイラ
ル)状に形成した多層配線のインダクタであり、その一
例を図6及び図7に示す。図6は、半導体装置内に形成
されたスパイラルインダクタの上面図である。図7は、
図6に示したスパイラルインダクタのA−A’断面図で
ある。
【0003】図6に示したように、スパイラルインダク
タ121は、半導体装置101の最上層絶縁層116上
に形成されたスパイラル状の配線102、最上層絶縁層
116とは別の絶縁層(ここでは、最上層から2層目の
層間絶縁層)117上に形成された直線状の配線10
3、及び配線102及び配線103を接続するためのス
ルーホール115によって構成されている。また、スパ
イラル状の配線102の端部には、スパイラルインダク
タ121の一方の端子114が設けてあり、外部の回路
(図示せず)の端子等と接続されている。さらに、直線
状の配線103の端部には、スパイラルインダクタ12
1の他方の端子113が設けてあり、外部の回路(図示
せず)の端子等と接続されている。
【0004】また、従来のスパイラルインダクタの断面
構造は、図7に示したように、半導体基板106上に形
成されたSiO2膜の上に、複数の層間絶縁層を介して
最上層絶縁層116上に配線102を形成している。そ
の最上層絶縁層116上の配線102をスパイラル状に
形成することでスパイラルインダクタ121を形成して
いる。
【0005】なお、図7では、複数の絶縁層108は1
0層構成である例を示している。複数の絶縁層108
は、図外のアナログ回路部及びディジタル回路部の素子
形成や多層配線のために形成されているものである。
【0006】上記のような構成のスパイラルインダクタ
は、高周波回路で電力を効率よく伝達するためのインピ
ーダンス整合回路や、発振器の振動を定常的に維持する
ための共振回路として用いられる。
【0007】従来、高周波集積回路のプロセスには、電
子移動度が高いことから高周波特性の良好なトランジス
タが形成できるGaAs等の化合物半導体が使用される
ことが多かった。このような化合物半導体は半絶縁体で
あり、又、半絶縁性基板上に形成されたスパイラルイン
ダクタでは、基板との間における寄生容量は特に問題に
はならなかった。また、化合物半導体を用いた半導体装
置は、現在まで、増幅回路やミキサ等のアナログ回路を
形成したものまでが開発されている状況であり、ロジッ
ク部などのディジタル回路を、上記のアナログ回路と同
じ半導体装置内に混載させたものまでは至っていない。
そのため、アナログ回路とディジタル回路とを同じ半導
体装置内に混載した際に発生するディジタル回路からア
ナログ回路への飛び込み雑音は、問題にはなっていな
い。
【0008】ところが近年、技術の進歩に伴ってシリコ
ンプロセスでの微細化が進み、高周波特性の良好なトラ
ンジスタをシリコン基板上に形成できるようになり、高
周波集積回路をシリコン基板上に形成可能となってき
た。スパイラルインダクタを形成したシリコン基板上
に、シリコンプロセスを用いてロジック回路を混載させ
ることが容易に実施できるため、ディジタル回路から、
半導体基板上に形成されたスパイラルインダクタヘの、
基板を介した雑音の問題が避けられない状態になる。
【0009】また、シリコン基板は半導体基板であり、
スパイラルインダクタと基板との間に絶縁層を設けてい
ることから、スパイラルインダクタと基板との間の寄生
容量も問題となる。つまり、スパイラルインダクタで
は、特に上層配線層に形成されるスパイラル状の配線1
02は、面積的に比較的大きいことから、層間絶縁層1
08を介して配線102と半導体基板106との間に、
寄生容量が形成されてしまう。
【0010】さらに、最上層絶縁層116に形成される
スパイラル状の配線102は、上記のように面積的に比
較的大きいことから、図示していないがディジタル回路
部の信号や、アナログ回路でも増幅回路での出力信号等
が、層間絶縁層108や半導体基板を介して飛び込み雑
音として伝播してくると、このスパイラルインダクタを
用いた高周波回路は悪影響を受けやすくなる。
【0011】そこで、特開2000−188373公報
には、インダクタの直下層部にポリシリコン層を挿入し
たスパイラルインダクタに関する技術が開示されてい
る。このスパイラルインダクタは、ポリシリコン層をサ
ブストレート基板と同電位にしたことによって、インダ
クタに付く寄生抵抗と寄生容量を小さくでき、インダク
タを発信回路の共振回路の一部とした場合に、発振回路
の位相ノイズを低減できる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、配線−ポリシリコン間での寄生容量が大きく
なり、スパイラルインダクタの特性が著しく劣化する。
また、層間絶縁層を介してスパイラルインダクタの周囲
からの、雑音の伝播が考えられる。
【0013】そこで本発明は、上記の問題を解決するた
めに創作したものであり、その目的は、シリコンプロセ
スにおいて半導体基板上に形成されたスパイラルインダ
クタヘの基板−絶縁層を介した雑音の伝播量を低減し、
ロジック回路からの雑音が高周波回路に悪影響を及ぼさ
ないことである。また、本発明では、飛び込み雑音を低
減する部位とスパイラルインダクタとの間に形成される
寄生容量を小さく抑え、インダクタの特性劣化を引き起
こさないことである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するための手段として、以下の構成を備えてい
る。
【0015】(1)シリコンプロセスによって、複数の
絶縁層を備えた半導体装置の所定の層上に形成されたス
パイラル状配線の周囲に、シールド部を備えたことを特
徴とする。
【0016】この構成において、スパイラルインダクタ
は、複数の絶縁層を備えた半導体装置の所定の層上にシ
リコンプロセスによって形成されたスパイラル状配線の
周囲にシールド部を備えている。したがって、スパイラ
ルインダクタヘの同一基板上に、ロジック回路等のディ
ジタル回路を形成した際に、ディジタル回路からの雑音
伝播が著しく減少し、高周波回路への悪影響を抑制する
ことが可能となる。
【0017】(2)前記シールド部は、前記スパイラル
状配線と同一層上で、前記スパイラル状配線の周囲に形
成された接地導電性面と、前記スパイラル状配線が形成
された層と1層又は複数層離れた層上に形成された導電
性面と、該接地導電性面及び該導電性面を電気的に接続
する接続部と、で構成されたことを特徴とする。
【0018】この構成において、スパイラルインダクタ
は、スパイラル状配線と同一層上で、スパイラル状配線
の周囲に形成された接地導電性面と、スパイラル状配線
が形成された層と1層又は複数層離れた層上に形成され
た導電性面と、接地導電性面及び導電性面を電気的に接
続する接続部と、で構成されたシールド部を備えてい
る。したがって、シールド効果と、このシールド部によ
るスパイラルインダクタヘの寄生容量の低減と、を両立
させることが可能となる。
【0019】(3)前記導電性面は、基板配線材料で形
成されたことを特徴とする。
【0020】この構成において、スパイラルインダクタ
のシールド部は、基板配線材料で形成された導電性面を
備えている。したがって、製造が容易で、コストアップ
要因とはならない。
【0021】(4)前記導電性面は、ポリシリコンで形
成されたことを特徴とする。
【0022】この構成において、スパイラルインダクタ
のシールド部は、ポリシリコンで形成された導電性面を
備えている。したがって、製造が容易であり、コストの
上昇を抑制できる。
【0023】(5)前記接続部は、前記スパイラル状配
線の周囲に配設された複数のスルーホールあることを特
徴とする。
【0024】この構成において、スパイラルインダクタ
の接続部は、スパイラル状配線の周囲に配設された複数
のスルーホールによって構成されている。したがって、
容易に実現できる手法で、接地導電性面と導電性面とを
接続させることが可能となる。
【0025】(6)前記接続部は、前記スパイラルイン
ダクタの周囲に配設された溝状の凹部であることを特徴
とする。
【0026】この構成において、スパイラルインダクタ
の接続部は、スパイラルインダクタの周囲に配設された
溝状の凹部によって構成されている。したがって、シー
ルド効果をさらに高めることが可能となる。
【0027】(7)(1)乃至(6)のいずれかに記載
のスパイラルインダクタを備えたことを特徴とする。
【0028】この構成において、高周波半導体装置は、
(1)乃至(6)のいずれかに記載のスパイラルインダ
クタを備えている。したがって、雑音に強いインダクタ
を形成することができるので、アナログ回路、ディジタ
ル回路混載の高周波半導体装置が実現でき、これによ
り、ギガヘルツ帯域を用いる携帯電話の入力部の増幅回
路にディジタル処理回路を混載可能となる等、例えば携
帯電話等の軽量化、小型化に有効である。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態に
係るスパイラルインダクタの上面図である。また、図2
は、図1に示したスパイラルインダクタのA−A’断面
図である。図2に示したスパイラルインダクタ21は、
10層構成の絶縁層8を備えている。
【0030】ここで、図1及び図2には、本発明の実施
形態に係るスパイラルインダクタのみを示しており、半
導体装置を構成する他のアナログ回路やディジタル回路
部は既存の技術で構成させるため、省略している。
【0031】半導体基板6(ここではSi)上に形成さ
れた10層の層間絶縁層8(ここではSiO2)の構成
を例に説明する。なお、最上層絶縁層16上のメタル配
線2等を保護するための保護層は、図示を省略してい
る。 また、10層の層間絶縁層8は、図示していない
アナログ回路部及びディジタル回路部の素子形成や多層
配線のために形成したものである。
【0032】図1に示したように、スパイラルインダク
タ21は、半導体基板6上に形成された複数の絶縁層8
の最上層絶縁層16上に形成されたスパイラル状のメタ
ル配線2と、スパイラル状配線2の中心部からの引き出
し線のための最上層絶縁層16とは異なる絶縁層(ここ
では、最上層から2層目の層間絶縁層)上に形成された
メタル配線3と、配線2のスパイラル状の中心で配線3
と電気的接続を行うためのスルーホール15と、で構成
されている。なお、配線2及び配線3は、例えば、アル
ミ配線、銅配線等の基板配線材料で形成されている。
【0033】また、配線2の端部には、配線2を引き出
して、図示していない他の回路と接続するための端子1
4が設けられ、配線3の端部には、配線3を引き出し
て、図示していない他の回路と接続するための端子13
が設けられている。
【0034】次に、本発明の特徴的な構成について説明
する。本発明では、図2に示したように、半導体基板6
上に形成された最下層絶縁層7上の配線層として、スパ
イラルインダクタ21の外周部よりも広いサイズの導電
性面であるメタル面5を形成している。一方、最上層絶
縁層16上の配線層(配線2と同一面)として、スパイ
ラルインダクタ21の周辺部に接地導電性面である接地
メタル面1を形成している。なお、メタル面5及び接地
メタル面11は、例えば、アルミ配線、銅配線等の基板
配線材料で形成され、又、接地メタル面11は図外の配
線によって接地されている。
【0035】さらに、メタル面5と接地メタル面11と
は、層間絶縁層8を貫通する接続部である複数のスルー
ホール4にて接続されている。ここで、複数のスルーホ
ール4は、スパイラルインダクタ21が形成された面に
対して垂直方向に形成されている。
【0036】このように構成しているので、シリコンプ
ロセスにより絶縁層を介して半導体装置を構成する半導
体基板上に形成されたスパイラルインダクタ21は、最
上層絶縁層16上の接地メタル面11と、最下層絶縁層
7上のメタル面5と、スパイラルインダクタ21の周辺
に配設されている複数のスルーホール4と、で構成され
たシールド部により、シールドされることになる。
【0037】これにより、図示していないが、同じ半導
体基板に形成されているアナログ回路やディジタル回路
からの半導体基板や複数の絶縁層を介しての、飛び込み
雑音の影響を著しく減少させることができる。
【0038】また、メタル面5は、スパイラルインダク
タ21が形成されている面とは、1層又は複数層離れた
層に形成することで、距離をおいて双方を形成できるこ
とから、寄生容量を小さくすることでき、寄生容量によ
るインダクタ特性の劣化を防止できる。
【0039】さらに、メタル面5と接地メタル面11と
を接続する複数のスルーホール4は、形成する数を調整
したり、間隔を調整して配設したりすることで、シール
ド効果が上がるように設定すれば良い。
【0040】加えて、スルーホール4の径を大きくして
も良いし、スルーホールに代えて、複数の絶縁層8に溝
(凹部)を形成して、メタル面5と接地メタル面11を
接続しても良い。また、全面的に溝を延長して、スパイ
ラルインダクタの端子部を除いたスパイラルインダクタ
21の周辺を囲っても良い。但し、スルーホールによる
接続が、絶縁層間を接続させる一般的技術のうちで、容
易に実現できる手法である。
【0041】また、複数の絶縁層8のうち、どの層にス
パイラルインダクタ、メタル面5、及び接地メタル面1
1を形成するかは、シールド効果や寄生容量を勘案して
設定すれば良い。したがって、図2に示したように、最
上層絶縁層16や最下層絶縁層7以外にスパイラルイン
ダクタ21、メタル面5、及び接地メタル面11を形成
しても良い。
【0042】さらに、複数の絶縁層8における任意の層
間絶縁層上にスパイラルインダクタ21を形成し、最上
層絶縁層16の接地メタル面11をスパイラルインダク
タ21の外周部よりも広いサイズのメタル面とし、メタ
ル面5と接地メタル面11とを複数のスルーホール4で
接続することで、スパイラルインダクタ21の周囲をシ
ールド部で囲うことができる。
【0043】また、スパイラルインダクタ21と同一平
面でスパイラルインダクタ21の周囲に形成する接地メ
タル面11を、図外のアナログ回路やディジタル回路部
へ拡げて形成することで、アナログ回路やディジタル回
路から発する雑音を低減することが可能となる。
【0044】次に、シールド部を設けた効果を、スパイ
ラルインダクタの等価回路を用いて説明する。図8は、
図6及び図7に示した従来のスパイラルインダクタにお
ける雑音伝播を示す等価回路図である。図8に示したス
パイラルインダクタ21の等価回路は、絶縁層を10層
設けた場合であり、スパイラルインダクタの各寸法は、
線路幅15μm、線路スペース5μm、線路長4000
μmである。また、絶縁層8はSiO2からなり、1層
の厚みは1.5μmである。さらに、スパイラルインダ
クタの等価回路では、インダクタンス値をL1、配線抵
抗をR1、絶縁層8による寄生容量をC1、半導体基板
6に相当する配線抵抗をR2及び寄生容量をC2として
表している。加えて、雑音の伝播を示すモデルとしてR
3=10kΩとした。 雑音信号は雑音源40から発生
して、基板表面から層間絶縁層8を介してスパイラルイ
ンダクタ21に伝播するものとする。雑音の伝播量の見
積もりは、雑音源10からスパイラルインダクタ21の
入出力部41,42への電力通過量で与えられる。
【0045】図3は、本発明の第1実施形態に係るスパ
イラルインダクタにおける雑音伝播を示す等価回路図で
ある。この等価回路は、図8に示した従来例から本発明
の第1実施形態でのスパイラル断面構造を考慮して算出
したものである。本発明の第1実施形態と従来例とは、
スパイラルインダクタの配線パターンは同一であるもの
とする。本発明の第1実施形態では、図2の断面図に示
したように、最下層メタル面5がスルーホール4でメタ
ル接地面1に接続されている。この場合、スパイラルイ
ンダクタ21の配線パターンで規定される値であるイン
ダクタンス値L1,配線抵抗R1,半導体基板6に相当
する配線抵抗R2及び寄生容量C2は、本発明の第1実
施形態及び従来例で同一の値となる。最下層メタル面5
によって絶縁層8による寄生容量がC1a(絶縁層9層
分の容量),C1b(絶縁層1層分の容量)となる。最
下層メタル5がスルーホール4でメタル接地配線1に接
続された際のコンタクト抵抗をR4と表している。本実
施形態では、シリコンプロセスで形成されるスルーホー
ルの代表的値として5Ω・層/holeで計算した。そし
て、スルーホールの総数を45個とし、絶縁膜9層を介
しての接続を想定した。その結果、R4=5Ω/hole×
9層/45個=1.0Ωとした。
【0046】図4は、本発明の第1実施形態及び従来例
でのスパイラルインダクタによる雑音伝播シミュレーシ
ョン結果を示したグラフである。2〜3GHz帯域内に
おいて、雑音伝播量は本発明では−89dBである。よ
って、従来例の雑音伝播量である−51dBと比較し
て、48dB雑音伝播量を低減できた。なお、2〜3G
Hz帯域において、本発明のスパイラルインダクタを使
用した場合の特性改善を示したが、周波数帯域は一例で
あり、本発明の周波数帯域を限定するものではない。
【0047】この結果より、等価回路を用いて本発明が
半導体基板を介して同一基板上に形成されているロジッ
ク回路等からの雑音の影響が著しく減少することが確認
できた。
【0048】次に、本発明の第2実施形態に係るスパイ
ラルインダクタについて説明する。図5は、本発明の第
2実施形態に係るスパイラルインダクタの断面図であ
る。本発明の第2実施形態に係るスパイラルインダクタ
の形状は、本発明の第2実施形態に係るスパイラルイン
ダクタ21と同じであるため、ここでの説明は省略す
る。
【0049】本発明の第2実施形態に係るスパイラルイ
ンダクタ31では、スパイラルインダクタ21のシール
ド部を構成するメタル面5に代えて、導電性のあるポリ
シリコン面を使用している。すなわち、半導体基板6
(ここでは、Si)上に、導電性のあるポリシリコン
(ゲート等で使用しているポリシリコン)を配設してい
る。そして、本発明の第1実施形態と同様に、最上層絶
縁層16に形成されている接地メタル面11と層間絶縁
層8(ここでは、SiO2)とを貫通する複数のスルー
ホール4によって、電気的に接続を行っている。
【0050】このようにすることで、シリコンプロセス
により絶縁層を介して半導体基板上に形成されたスパイ
ラルインダクタ31は、最上層絶縁層16上の接地メタ
ル面11と、半導体基板6上のポリシリコン面9と、ス
パイラルインダクタ31の周辺に配設されている複数の
スルーホール4によって構成されたシールド部によっ
て、シールドされることになる。
【0051】この場合、ポリシリコン面9と接地メタル
面2との間に形成した層間絶縁層は10層となり、層間
絶縁層が9層の第1実施形態と比較して1層増加してお
り、寄生容量をより下げる効果がある。
【0052】なお、本発明の実施形態では、Si基板上
にシリコンプロセスを用いてスパイラルインダクタやシ
ールド部を設けた構成について説明したが、これに限定
されるものではなく、例えば、Si基板上にSiGe
(シリコンゲルマニウム)で形成した半導体装置にも適
用可能であり、層間絶縁層を用いる半導体装置に有効で
ある。
【0053】以上のように本発明は、スパイラルインダ
クタを形成するスパイラル状配線と同一面に形成する接
地導電性面と、スパイラルインダクタを形成する領域で
層間絶縁層を介した面に形成される導電性面と、この両
面を電気的に接続する接続手段で構成されるもので、シ
ールド効果と、このシールド手段によるスパイラルイン
ダクタヘの寄生容量の低減を両立させたものである。
【0054】また、既知の技術で構成可能であるため、
コストアップ要因にはならない。
【0055】雑音に強いスパイラルインダクタを形成す
ることができることで、アナログ回路、ディジタル回路
混載の高周波半導体装置が実現でき、これにより、ギガ
ヘルツ帯域を用いる携帯電話の入力部の増幅回路にディ
ジタル処理回路を混載可能となる等、携帯電話の軽量
化、小型化に有効である。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果が得られ
る。
【0057】(1)スパイラルインダクタは、複数の絶
縁層を備えた半導体装置の所定の層上にシリコンプロセ
スによって形成されたスパイラル状配線の周囲にシール
ド部を備えていることにより、スパイラルインダクタヘ
の同一基板上に、ロジック回路等のディジタル回路を形
成した際に、ディジタル回路からの雑音伝播が著しく減
少し、高周波回路への悪影響を抑制できる。
【0058】(2)スパイラルインダクタは、スパイラ
ル状配線と同一層上で、スパイラル状配線の周囲に形成
された接地導電性面と、スパイラル状配線が形成された
層と1層又は複数層離れた層上に形成された導電性面
と、接地導電性面及び導電性面を電気的に接続する接続
部と、で構成されたシールド部を備えているので、シー
ルド効果と、このシールド部によるスパイラルインダク
タヘの寄生容量の低減と、を両立させることができる。
【0059】(3)スパイラルインダクタのシールド部
は、基板配線材料で形成された導電性面を備えているの
で、製造が容易で、コストアップ要因とはならずコスト
抑制に効果的である。
【0060】(4)スパイラルインダクタのシールド部
は、ポリシリコンで形成された導電性面を備えているの
で、製造が容易であり、コストの上昇を抑制できる。
【0061】(5)スパイラルインダクタの接続部は、
スパイラル状配線の周囲に配設された複数のスルーホー
ルによって構成されているため、容易に実現できる手法
で、接地導電性面と導電性面とを接続させることができ
る。
【0062】(6)スパイラルインダクタの接続部は、
スパイラルインダクタの周囲に配設された溝状の凹部に
よって構成されているため、シールド効果をさらに高め
ることができる。
【0063】(7)高周波半導体装置は、(1)乃至
(6)のいずれかに記載のスパイラルインダクタを備え
ていることによって、雑音に強いインダクタを形成する
ことができるので、アナログ回路、ディジタル回路混載
の高周波半導体装置が実現でき、これにより、ギガヘル
ツ帯域を用いる携帯電話の入力部の増幅回路にディジタ
ル処理回路を混載可能となる等、例えば携帯電話等を軽
量化、小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスパイラルインダ
クタの上面図である。
【図2】図1に示したスパイラルインダクタのA−A’
断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るスパイラルインダ
クタにおける雑音伝播を示す等価回路図である。
【図4】本発明の第1実施形態及び従来例でのスパイラ
ルインダクタによる雑音伝播シミュレーション結果を示
したグラフである。
【図5】本発明の第2実施形態に係るスパイラルインダ
クタの断面図である。
【図6】半導体装置内に形成されたスパイラルインダク
タの上面図である。
【図7】図6に示したスパイラルインダクタのA−A’
断面図である。
【図8】図6及び図7に示した従来のスパイラルインダ
クタにおける雑音伝播を示す等価回路図である。
【符号の説明】
1,101−半導体装置 2−スパイラル状配線 4−複数のスルーホール 5−メタル面 8−複数の絶縁層 11−接地メタル面 21,31,121−スパイラルインダクタ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンプロセスによって、複数の絶縁
    層を備えた半導体装置の所定の層上に形成されたスパイ
    ラル状配線の周囲に、シールド部を備えたことを特徴と
    するスパイラルインダクタ。
  2. 【請求項2】 前記シールド部は、前記スパイラル状配
    線と同一層上で、前記スパイラル状配線の周囲に形成さ
    れた接地導電性面と、 前記スパイラル状配線が形成された層と1層又は複数層
    離れた層上に形成された導電性面と、 該接地導電性面及び該導電性面を電気的に接続する接続
    部と、で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の
    スパイラルインダクタ。
  3. 【請求項3】 前記導電性面は、基板配線材料で形成さ
    れたことを特徴とする請求項2に記載のスパイラルイン
    ダクタ。
  4. 【請求項4】 前記導電性面は、ポリシリコンで形成さ
    れたことを特徴とする請求項2に記載のスパイラルイン
    ダクタ。
  5. 【請求項5】 前記接続部は、前記スパイラル状配線の
    周囲に配設された複数のスルーホールあることを特徴と
    する請求項2乃至4のいずれかに記載のスパイラルイン
    ダクタ。
  6. 【請求項6】 前記接続部は、前記スパイラルインダク
    タの周囲に配設された溝状の凹部であることを特徴とす
    る請求項2乃至4のいずれかに記載のスパイラルインダ
    クタ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載のスパ
    イラルインダクタを備えたことを特徴とする高周波半導
    体装置。
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