JP2003068324A - 酸素イオン伝導性固体電解質並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固体電解質型燃料電池 - Google Patents

酸素イオン伝導性固体電解質並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固体電解質型燃料電池

Info

Publication number
JP2003068324A
JP2003068324A JP2001370676A JP2001370676A JP2003068324A JP 2003068324 A JP2003068324 A JP 2003068324A JP 2001370676 A JP2001370676 A JP 2001370676A JP 2001370676 A JP2001370676 A JP 2001370676A JP 2003068324 A JP2003068324 A JP 2003068324A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
mol
oxygen ion
solid electrolyte
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001370676A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Uematsu
秀樹 上松
Hiroya Ishikawa
浩也 石川
Satoshi Iio
聡 飯尾
Atsuo Araki
敦雄 新木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2001370676A priority Critical patent/JP2003068324A/ja
Publication of JP2003068324A publication Critical patent/JP2003068324A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶構造が安定しており、1350℃程度の
低温でも焼成可能であり、且つ高酸素イオン伝導性及び
高強度である酸素イオン伝導性固体電解質及びこれを用
いた電気化学デバイス及び固体電解質型燃料電池を提供
する。 【解決手段】 本固体電解質は、スカンジア安定化ジル
コニアとガリウム元素とを含有し、スカンジア安定化ジ
ルコニアを構成することとなるジルコニア粉末及びスカ
ンジア粉末に、更に酸化ガリウム粉末を添加して焼成さ
れて得られる。この酸化ガリウムの添加量はスカンジア
安定化ジルコニアに対して0.3〜3モル%であり、ス
カンジアの固溶量は8〜15モル%である。本電気化学
デバイス及び固体電解質型燃料電池は上記酸素イオン伝
導性固体電解質を用いて作製されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素イオン伝導性
固体電解質並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固
体電解質型燃料電池に関する。更に詳しくは、従来にな
い低温で焼成可能で、且つ高酸素イオン伝導性及び高強
度な酸素イオン伝導性固体電解質、並びに従来よりも特
性の高い電気化学デバイス及び低温でも高い発電効率を
有する固体電解質型燃料電池に関する。本発明は、固体
電解質型燃料電池(以下、「SOFC」ともいう。)、
酸素センサ及び酸素濃縮装置等に広く利用される。本発
明のSOFCは、発電所などの大規模発電用や燃料電池
車及び家庭用コジェネレーションに等に広く適用が期待
されている。
【0002】
【従来の技術】イットリア及びカルシア等を固溶させた
安定化ジルコニア(YSZという)は高い酸素イオン伝
導性と化学的安定性より、SOFC、酸素センサ及び酸
素濃縮器等の固体電解質として用いられている。固体電
解質としてイットリア安定化ジルコニアを用いる場合
は、一般的に5〜8モル%のイットリアを固溶させる
が、固溶量が8モル%の8YSZが最も高い酸素イオン
伝導性を示す。しかし、良好な酸素イオン伝導性が要求
されるSOFCでは、8YSZを用いた場合でも100
0℃前後の温度が十分な酸素イオン伝導性を有するため
に必要である。そのため、SOFCは一般的に1000
℃前後で運転される。よって酸化雰囲気に曝される部材
には、耐熱性、耐酸化性の問題より、金属材料を使用す
ることはできず、耐熱性、耐酸化性に優れたセラミック
ス材料が用いられてきた。しかしながら、セラミックス
は脆性材料であり、装置始動時、及び停止時の昇降温や
電池内の温度分布から生じる応力により、クラックを生
じる可能性が高い。そのため、信頼性の高いデバイスを
製造することが難しく、近年では金属部品が使用可能な
低温(600〜800℃付近)で作動するSOFCの開
発が活発化している。
【0003】SOFCを低温で作動させるために重要な
ポイントは、(1)固体電解質の酸素イオン伝導性を向
上させること、及び(2)固体電解質層の厚みを薄く抑
えることである。SOFCの性能には固体電解質の酸素
イオン伝導率、燃料極性能及び空気極性能といった各構
成部材の特性が全体として反映されるが、作動温度が低
温化すると、固体電解質の酸素イオン伝導率は顕著に低
下するため、低温でも高い酸素イオン伝導性を持った固
体電解質が望まれる。また、固体電解質の伝導率は内部
抵抗として作用するため、その厚みを薄くすることは、
酸素イオン伝導率を向上させるとともに重要なポイント
である。しかし、固体電解質の厚みとその強度は二律背
反の関係にあり、強度が高い材料ほど厚みを薄くできる
ため有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現在、上記(1)の固
体電解質の酸素イオン伝導率を向上させる試みとして、
特開平10−114520に代表されるランタンガレー
トと呼ばれるペロブスカイト型の酸素イオン伝導体や、
希土類ドープセリアといった材料が検討されている
(B.C.H.Steele.,Solid Stat
e Ionics ,129,(2000),95−1
10)。しかし、ランタンガレート系材料では、酸素イ
オン伝導率の安定性、機械的強度の不足が問題となって
いる。また、セリア系材料では、セリアが難焼結性であ
るため密度の高い焼結体を作製することが困難であり、
必要な強度、ガス気密性を持った焼結体を安定的に得る
ことは困難である。更に、上記材料の他に、スカンジウ
ムをドープしたジルコニアが非常に高い酸素イオン伝導
率を持つことは古くより知られている。スカンジア安定
化ジルコニア(以下、「ScSZ」ともいう。)は、機
械的強度、熱膨張率がYSZと同等であり化学的安定性
も高い。しかし、ScSZで最も高い酸素イオン伝導性
を有する8ScSZ(スカンジウム固溶量が8モル%の
安定化ジルコニア)では、結晶構造の安定性に欠け、長
時間(1000時間以上)、高温(1000℃以上)に
放置すると、良酸素イオン伝導体である立方晶から酸素
イオン伝導性に乏しい正方晶に結晶構造が変化して酸素
イオン伝導率の低下を招く、また固溶量の多い11〜1
5モル%では、低温で菱面体晶相に相転移するため、6
00℃付近で酸素イオン伝導性に屈曲点を持つことが明
らかになっており、特開平7−69720号公報、特開
2000−340240号公報に開示されている。ま
た、相転移は体積変化も伴うため、サーマルサイクルが
考えられるSOFC等では、材料自身の機械的強度の劣
化や他の部材との接合部でクラックが生じてしまう等の
問題がある。このような問題に対し、特開平7−697
20号公報、特開2000−340240号公報では、
アルミナやセリアの添加により、結晶構造の安定化を図
り、且つ高強度、高酸素イオン伝導性を達成するScS
Zが開示されている。
【0005】次に、上記(2)の固体電解質層の厚みを
薄くし、電池の内部抵抗を低く抑える試みとしては、支
持膜型SOFCが検討されている。SOFCの単セルは
一般的に空気極、固体電解質層及び燃料極から構成され
るが、自立膜型と呼ばれる従来形式のSOFCでは、電
池を正常に作動させるために必要なガス気密性と強度を
固体電解質層に担わせ、その両面にガス透過性を持った
多孔質電極を焼き付けて形成している。そのため、固体
電解質層には、高酸素イオン伝導性に加え、高強度とガ
スシール性が要求され、その厚みは最低でも0.3mm
程度は必要である。これに対して、支持膜型と呼ばれる
SOFCでは比較的電気抵抗の低い電極に十分な厚みを
持たせ、従来固体電解質層に要求された強度を負担させ
る。そのため、固体電解質層を自立膜型より薄く作製す
ることができる。その結果、固体電解質層に起因する内
部抵抗を低減することができるため、低温でも高い発電
効率を有するSOFCの作製が可能である。
【0006】支持膜型SOFCの作製方法として焼成工
程を経て固体電解質層を形成する場合には、一般的に
(1)多孔質からなる電極成形体上に固体電解質層を形
成して焼成する方法と、(2)電極成形体上に固体電解
質層の薄い膜を形成し、共焼成を行う方法が検討されて
いる。(1)の場合には、固体電解質層が焼結に際し収
縮するのに対し、電極成形体の収縮が起こりにくいた
め、固体電解質層の緻密化が阻害される、又は固体電解
質層もしくは電極成形体にクラックを生じる等の問題が
生じやすい。そのため、(2)の共焼結が有利と考えら
れている。
【0007】しかし、上記(2)の共焼成を行う際も、
電極材料の多くが固体電解質と比較して易焼結性の材料
が多いため、固体電解質の緻密化温度で焼成を行うと、
電極もともに緻密化し気体透過性を失って電極として作
動しなくなる問題がある。そのため、固体電解質として
は、高密度、高強度及び高酸素イオン伝導性とともに低
温焼結性が重要な因子である。しかし、ScSZを固体
電解質として選択した場合、通常1500℃〜1700
℃が最適な焼成温度であり、特開平7−69720号公
報及び特開2000−340240号公報に開示される
ような第三添加物を用いた場合でも、1450℃程度の
焼成温度である。現在、検討されている支持膜型SOF
Cは一般的に燃料極であるNi−YSZを多孔質基体材
料に選択している例が最も多いが、酸化ニッケルは14
00℃以上では急激に焼結が進行し、多孔質構造を保持
することが困難であるため、その焼成温度は1300℃
以下に抑えることが望ましい。また、空気極を多孔質基
体材料と用いている支持膜型SOFCでは、LaXSr
1-XMnO2を用いた例もある。しかし、この材料は13
00℃を超えるとジルコニアと反応して酸素イオン伝導
性の乏しいパイロクロア相を形成するとの報告もあり、
共焼成を行う際はできる限り低温で焼成することが望ま
しい。以上より、結晶構造が安定しており、1300℃
程度の低温でも焼成可能であり、且つ高酸素イオン伝導
性及び高強度である酸素イオン伝導性固体電解質の現出
が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記のような問題を解決
するため、本発明者等はScSZへの第三成分の添加に
より、焼成温度の低温下を検討した結果、酸化ガリウム
を0.2〜3モル%添加することにより、特開平7−6
9720号公報、特開2000−340240号公報に
開示されるようなアルミナやセリアを添加した場合と同
等の高酸素イオン伝導性及び結晶構造の安定化を達成で
き、且つ1300℃程度の低温でも焼成可能であること
を見いだし、本発明に至った。
【0009】また、酸化ガリウムによる焼成温度の低温
化は、スカンジア安定化ジルコニアの結晶構造安定化剤
となりうる他の元素、すなわちランタノイド元素、並び
にAl、Y及びInから選ばれる少なくとも1種の元素
を同時に添加した場合においても効果が認められること
を見いだし、本発明に至った。
【0010】本発明の酸素イオン伝導性固体電解質は、
スカンジア安定化ジルコニアと、ガリウム元素とを含有
することを特徴とする。上記ガリウム元素の含有量は、
上記スカンジア安定化ジルコニアにおけるスカンジウム
元素の酸化物(Sc)換算の含有量と、ジルコニ
ウム元素の酸化物(ZrO2)換算の含有量との合計を
100モル%とした場合に、上記ガリウム元素の含有量
は酸化物換算で0.2〜3モル%である酸素イオン伝導
性固体電解質とすることができる。また、上記スカンジ
ア安定化ジルコニアにおけるスカンジウム元素の酸化物
(Sc)換算の含有量と、ジルコニウム元素の酸
化物(ZrO2)換算の含有量との合計を100モル%
とした場合に、上記スカンジア安定化ジルコニアに固溶
するスカンジウム元素の含有量は酸化物換算量で6〜1
5モル%である酸素イオン伝導性固体電解質とすること
ができる。
【0011】更にランタノイド元素並びにAl、Y及び
Inから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する酸素
イオン伝導性固体電解質とすることができる。また、上
記スカンジア安定化ジルコニアにおけるスカンジウム元
素の酸化物(Sc)換算量と、ジルコニウム元素
の酸化物(ZrO2)換算量との合計をXモル%、ガリ
ウム元素の酸化物換算量をYモル%、ランタノイド元素
並びにAl、Y及びInから選ばれる少なくとも1種の
上記元素の酸化物換算量をZモル%とした場合におい
て、X+Y+Z=100、Y+Z≦6、0.2≦Y≦3
及び0<Z≦5である酸素イオン伝導性固体電解質とす
ることができる。
【0012】更に、本発明の酸素イオン伝導性固体電解
質は、焼成によりスカンジア安定化ジルコニアを構成す
ることとなるジルコニウム化合物粉末及びスカンジウム
化合物粉末と、ガリウム化合物粉末とを含む組成物を焼
成して得られたことを特徴とする。
【0013】また、上記スカンジウム化合物粉末におけ
るスカンジウム元素の酸化物(Sc )換算の配合
量と、上記ジルコニウム化合物粉末におけるジルコニウ
ム元素の酸化物(ZrO2)換算の配合量との合計を1
00モル%とした場合に、上記ガリウム化合物粉末の配
合量はガリウム元素の酸化物(Ga23)換算で0.2
〜3モル%である酸素イオン伝導性固体電解質とするこ
とができる。更に、上記スカンジウム化合物粉末におけ
るスカンジウム元素の酸化物(Sc )換算の配合
量と、上記ジルコニウム化合物粉末におけるジルコニウ
ム元素の酸化物(ZrO2)換算の配合量との合計を1
00モル%とした場合に、上記スカンジウム化合物粉末
の配合量はスカンジウム元素の酸化物(Sc)換
算で6〜15モル%である酸素イオン伝導性固体電解質
とすることができる。更に上記組成物はランタノイド元
素並びにAl、Y及びInから選ばれる少なくとも1種
の元素の化合物粉末を含むことができる。
【0014】また、上記スカンジウム化合物粉末におけ
るスカンジウム元素の酸化物(Sc )換算量と、
上記ジルコニウム化合物粉末におけるジルコニウム元素
の酸化物(ZrO2)換算量との合計をXモル%、上記
ガリウム化合物粉末の酸化物換算量をYモル%、ランタ
ノイド元素並びにAl、Y及びInから選ばれる少なく
とも1種の上記元素の化合物粉末の酸化物換算量をZモ
ル%にした場合において、X+Y+Z=100、Y+Z
≦6、0.2≦Y≦3及び0<Z≦5を満たす酸素イオ
ン伝導性固体電解質とすることができる。
【0015】本発明の電気化学デバイスは、請求項1乃
至10のいずれかの1項に記載の酸素イオン伝導性固体
電解質を用いて作製されたものであることを特徴とす
る。本発明の固体電解質型燃料電池は、請求項1乃至1
0のいずれかの1項に記載の酸素イオン伝導性固体電解
質を用いて作製されたものであることを特徴とする。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、スカンジア安定化ジル
コニアに酸化ガリウムを0.2〜3モル%添加含有する
ことにより、従来にない低温で焼成可能で、且つ高酸素
イオン伝導性、高強度なスカンジア安定化ジルコニアか
らなる酸素イオン伝導性固体電解質を得ることができ
る。そして、この酸素イオン伝導性固体電解質を用いて
電気化学デバイスを作製することにより、従来よりも特
性(測定感度等)の高いデバイス等を作製することがで
きる。更に、SOFCにおいては、低温焼成化が可能で
あるため、本固体電解質を用いて支持膜型SOFCを作
製することにより、低温でも非常に高い発電効率を有す
る固体電解質型燃料電池を作製することもできる。
【0017】また、スカンジア安定化ジルコニアにラン
タノイド元素並びにAl、Y及びInから選ばれる少な
くとも1種の元素を更に加えることで、低温で焼成可能
で、且つ高酸素イオン伝導性、高強度なスカンジア安定
化ジルコニアからなる酸素イオン伝導性固体電解質を得
ることができる。
【0018】本発明の電気化学デバイスによれば、例え
ば、酸素濃度に対する出力が大きくなるため測定感度を
大幅に向上できる酸素センサ等を提供でき、またエネル
ギー効率に優れた酸素濃縮器等を提供でき、更に低温で
も非常に高い発電効率を得ることができる固体電解質型
燃料電池等を提供できる。本発明の固体電解質型燃料電
池によれば、低温でも非常に高い発電効率を得ることが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の酸素イオン伝導性
固体電解質並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固
体電解質型燃料電池を詳細に説明する。上記「ガリウム
元素」は、通常、酸素と結合した状態で存在する。上記
「ジルコニウム化合物」及び上記「スカンジウム化合
物」は、いずれも、焼成によりスカンジア安定化ジルコ
ニアを構成することとなるものであればよく、例えば、
その元素の酸化物、炭酸塩、水酸化物等の粉末、更には
その元素を含む有機金属化合物等の液状物等を挙げるこ
とができる。また、上記「ガリウム化合物」も、焼成す
ることにより酸化ガリウムとなるものであればよく、例
えば、その元素の酸化物、炭酸塩、水酸化物等の粉末、
更にはその元素を含む有機金属化合物等の液状物等を挙
げることができる。更に、この成形体を成形するための
粉末原料としては、通常、700〜1100℃程度、好
ましくは800〜1000℃程度の温度で仮焼した仮焼
粉末(通常、各出発原料粉末を混合した後、仮焼し粒度
調整を行ったものであるが、これに限らず各々の原料粉
末を仮焼したものでもよい。また、原料粉末を仮焼しな
いで用いてもよい。
【0020】このガリウム元素の含有量は、酸化物(G
)換算において、スカンジア安定化ジルコニア
(スカンジアのモル%とジルコニアのモル%の合計が1
00モル%)に対して0.2〜3モル%(好ましくは
0.2〜2モル%、より好ましくは0.2〜1.5モル
%)とすることができる。また、酸化ガリウム等のガリ
ウム化合物粉末の配合量は、酸化物換算にして、0.2
〜3モル%(好ましくは0.2〜2モル%、より好まし
くは0.2〜1.5モル%)とすることができる。
【0021】ガリウム元素の含有量(又はガリウム化合
物の添加量)が、酸化物換算において、上記のように、
スカンジア安定化ジルコニアに対して0.2〜3モル%
である場合、スカンジア安定化ジルコニアの焼成温度を
1500℃〜1700℃から1300℃程度まで低温化
できる。そのため、支持膜型SOFC等に使用した場合
は多孔質基体材料との共焼成を行う際、その焼成温度を
低く抑えることが可能であるため、電極特性を悪化させ
るような基体材料の緻密化を抑制できる。また、増孔剤
等の添加量を低減或いは増孔剤の添加を削除することが
でき、性能向上、コスト低減に有利である。また、SO
FCに限らず他の用途に対しても、固体電解質の製造に
関わるエネルギー費用、耐火材等の消耗品費用等を削減
できるため有用である。
【0022】また、スカンジア安定化ジルコニアにおけ
るスカンジア(Sc)の固溶量、即ち、スカンジ
アのモル数/(ジルコニアのモル数+スカンジアのモル
数)、又は、ジルコニウム化合物粉末及びスカンジウム
化合物粉末を各々酸化物換算した場合の全量(100モ
ル%)に対するスカンジウム化合物粉末を酸化物換算し
たときの配合量を、6〜15モル%(好ましくは7〜1
3モル%、より好ましくは7〜13モル%、更に好まし
くは8〜13モル%)とすることができる。この限定を
することにより、固体電解質の酸素イオン伝導率は従来
材料である8YSZの約2.0倍程度と非常に良好な酸
素イオン伝導性を示しつつ、低温焼成化が可能であるた
め、特に高酸素イオン伝導率を要求される低温作動型S
OFCに好適である。また、酸素センサに用いた場合
は、酸素濃度に対する出力が大きくなるため測定感度を
大幅に向上できる。更に、酸素濃縮器に用いた場合、酸
素を濃縮する際に失われるエネルギー量が大幅に低減で
きるため、エネルギー効率に優れた酸素濃縮器を製造す
ることができる。
【0023】ガリウムを含有したスカンジア安定化ジル
コニアは、結晶構造の安定化とともに、その焼成温度の
低温化が可能であるが、更に、スカンジア安定化ジルコ
ニアの構造安定化剤となり得る他の元素、つまり、ラン
タノイド元素、並びにAl、Y及びInから選ばれる少
なくとも1種の元素を同時に含有させることによって
も、焼成温度の低温化をすることができる。また、スカ
ンジア安定化ジルコニアにおけるスカンジウム元素の酸
化物(Sc )換算量と、ジルコニウム元素の酸化
物(ZrO2)換算量との合計をXモル%、ガリウム元
素の酸化物換算量をYモル%、ランタノイド元素並びに
Al、Y及びInから選ばれる少なくとも1種の元素の
酸化物換算量をZモル%とした場合において、X+Y+
Z=100、Y+Z≦6(好ましくはY+Z≦5.
5)、0.2≦Y≦3及び0<Z≦5(好ましくは0<
Z≦4.5、特に好ましくは0.5<Z≦4.5、更に
好ましくは0.5<Z≦4)を満たす範囲が好ましい。
この範囲内に添加量を抑えることにより、低温で焼成可
能であると同時に、更に高い酸素イオン伝導性を持った
固体電解質を得ることができる。
【0024】本発明の電気化学デバイスは、公知の種々
の構造及び用途のものに適用でき、特に酸素センサ等の
酸素イオン伝導を利用したデバイス等に有用である。ま
た、本発明の固体電解質型燃料電池は、前記の酸素イオ
ン伝導性固体電解質を用いるものであれば良く、公知の
種々の構造のものに適用でき、単室型であってもそうで
なくても特に限定されないし、支持膜型であってもそう
でなくても特に限定されない。
【0025】本発明では、酸素イオン伝導性固体電解
質、及び電気化学デバイス若しくは固体電解質型燃料電
池セルに用いられる酸素イオン伝導性固体電解質の13
00℃において焼成した場合の焼結体相対密度を、9
5.0%以上、好ましくは96.0%以上、より好まし
くは96.5%以上とすることができる。また、以下の
実施例で測定される4点曲げ強度を、240MPa以
上、好ましくは260MPa以上、より好ましくは28
0MPa以上とすることができる。更に、以下の実施例
で測定される、1000℃における酸素イオン伝導率
(σ)を、0.26S/cm以上、好ましくは0.29
S/cm以上、より好ましくは0.33S/cm以上と
することができる。また、本固体電解質型燃料電池セル
(SOFCセル)において、以下の実施例で測定される
発電効率を、900℃で0.38W/cm2以上、好ま
しくは0.40W/cm2以上とすることができ、80
0℃で0.18W/cm2以上、好ましくは0.20W
/cm2以上とすることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 (1)酸化ガリウムの添加量と焼成温度との関係につい
ての検討 まず、酸化ガリウムを添加することによる低温焼結性の
向上について検討した。即ち、焼成後にスカンジア安定
化ジルコニア(11ScSZ:11モル%Sc
89モル%ZrO)を構成することとなるスカンジア
粉末及びジルコニア粉末の各組成割合(モル%)の全体
を100モル%とした場合、これに0〜4モル%の酸化
ガリウム粉末を添加し、1250℃〜1450℃で焼成
して確認した。
【0027】試料は固相反応法で作製した。即ち、ま
ず、ジルコニア粉末とスカンジア粉末及び酸化ガリウム
粉末を上記11ScSZとなるように所定量秤量し、エ
タノールを媒体としてボールミルにより湿式混合を行っ
た。用いた各原料粉末は、いずれも平均粒径1μm程度
である。混合にはジルコニア製のポット及び玉石を用い
た。混合した粉末よりエタノールを乾燥除去し、その
後、軽く粉末を解砕し、アルミナ製のルツボに投入し
て、900℃、2時間の条件で仮焼を行った。仮焼した
粉末は再度ボールミルにてエタノールを媒体として湿式
粉砕を行い、平均粒径1μm程度になるよう粒度調整を
行った。粒度調整後の粉末を用いて、金型により予備成
形を行った後、冷間静水圧プレス(CIP)により1.
5t/cm2で成形し、1250〜1450℃の間で5
0℃刻みで各々焼成して、3×4×35mmの各テスト
片を作製した。この各テスト片の密度はアルキメデス法
を用いて測定し、理論密度で除して相対密度を計算し
た。
【0028】また、比較用として、酸化ガリウムでは
なく10ScSZの組成に1モル%のCeO2を固溶さ
せた10ScSZ1Ce(10モル%Sc23−89モ
ル%ZrO2−1モル%CeO2)、及び11ScSZ
に内配合で1質量%のAl23を添加した11ScSZ
1Al(11モル%Sc23−89モル%ZrO2
0.99(Al230.01も作製し、同様に評価した。
【0029】その結果を図1(スカンジア:11モル
%)に示す。この結果より、ガリウム酸化物を0.2〜
3モル%添加した試料については1300℃から相対密
度95%以上の高密度な焼結体が得られ、11ScS
Z、10ScSZ1Ce及び11ScSZ1Alと比較
して、低温から密度の高い焼結体が得られることが分か
る。また、図2(スカンジア:11モル%)は、焼成温
度が1250℃における酸化ガリウムの含有量変化に伴
う密度変化を表すグラフであるが、この図2によればガ
リウム酸化物が1〜3モル%において焼結体密度にピー
クがあり、図1から他の焼成温度においても同様の傾向
があることが分かる(図1参照)。更に、酸化ガリウム
の添加量が0.1〜4モル%のうち、特に0.2〜3モ
ル%が好ましく、1300℃以上で焼結体密度が95〜
97%であり、優れた焼結体密度を示した。
【0030】(2)スカンジアの固溶量の検討 酸化ガリウムの添加により低温焼成が可能であることが
分かったので、スカンジアの固溶量を変化させた試料に
ついても、上記と同様にテスト片を作製し、そのテスト
片の焼結体密度を測定した。この試験は酸化ガリウムの
含有量を1モル%に固定して、スカンジアの固溶量を順
次3、5、8、11、13、15モル%と変化させた。
焼成温度は1300℃で行った。その結果を図3に示
す。図3に示すように1モル%の酸化ガリウムを添加し
た試料ではスカンジウムの固溶量に関わらず、1300
℃という低温での焼成においても95%以上という高い
密度を持った焼結体が安定して得られていることが分か
る。
【0031】(3)酸素イオン伝導率の検討 酸化ガリウム添加による低温焼結性の向上が確認された
ので。次に、上記酸化ガリウムを添加した試料について
酸素イオン伝導率の測定を行った。これらの結果を図4
〜6に示した。尚、酸化ガリウム無含有試料、酸化ガリ
ウムの0.1モル%含有試料及びイットリア安定化品
(8YSZ)は焼成温度1400℃で焼成し、酸化ガリ
ウムの1〜4モル%含有試料については1300℃で焼
成した。また、セリアの1モル%添加品(10ScSZ
1Ce)、アルミナの1質量%添加品(11ScSZ1
Al)については、1300℃で焼成した。酸素イオン
伝導率は直流4端子法を用いて測定した。用いたテスト
片の形状は、3×4×35mmの直方体を用いた。電流
端子はテスト片両端に、電圧端子はテスト片中央よりそ
れぞれ10mm離れた位置に設けて測定を行った。テス
ト片は管状炉内に設置して加熱し、種々の温度で酸素イ
オン伝導率を測定した。また、雰囲気は大気とした。
【0032】図4は、本発明品であるガリウム1モル%
含有品(11ScSZ1Ga)と、11ScSZ(ガリ
ウム無含有品)、10ScSZ1Ce、11ScSZ1
Al及び8YSZの比較品とについて比較を行った結果
を示す。酸化ガリウムを含有しない11ScSZでは文
献等に示されるように650℃付近で相転移を起こし、
大きく酸素イオン伝導率が低下していることが分かる。
それに対し、11ScSZ1Ga、10ScSZ1Ce
及び11ScSZ1Alでは相転移は起こらず低温まで
高い酸素イオン伝導率を有していることが分かる。また
本発明品である酸化ガリウムを含有品は、相転移を起こ
さない他の比較例品(10ScSZ1Ce、8YSZ及
び11ScSZ1Al)と比べて酸素イオン伝導率が大
きく、優れた酸素イオン伝導性を示している。即ち、8
YSZといった既存の高酸素イオン伝導体と比較しても
良好な酸素イオン伝導性を示している。尚、これらの比
較例品においては、10ScSZ1Ce、8YSZ及び
11ScSZ1Alの順に酸素イオン伝導率が低下して
いる。また、この1モル%の酸化ガリウム含有品は、低
温焼成が可能であるため焼成温度1300℃でも高い酸
素イオン伝導率を有し、一方、8YSZ、10ScSZ
1Ce及び11ScSZ1Alは1300℃では十分に
優れた焼結性を示さない。 以上より、本発明品である
酸化ガリウム含有品は、他の比較例品と比べて、相転移
を起こさず、且つ低温で焼成可能にもかかわらず優れた
酸素イオン伝導性を示し、極めて性能のバランスに優れ
ることが分かる。
【0033】図5及び図6に酸化ガリウムの含有量を変
更して酸素イオン伝導率を評価した結果を示す。酸化ガ
リウム無含有品、及び酸化ガリウムの0.1モル%含有
品については、650℃付近で立方晶から菱面体晶へ相
変化を起こすため、アレニウスプロットが不連続に変化
し、大きく酸素イオン伝導率が低下することが分かる。
一方酸化ガリウムを0.2〜4モル%含有させた試料で
は、このような相変態に伴う酸素イオン伝導率の低下は
認められず、低温でも高い酸素イオン伝導性を示す。し
かし、4モル%含有した試料では、ガリウムを含有しな
い場合と同様に、他と比較して酸素イオン伝導性が低下
する現象が見られるので、好ましい含有量は0.2〜
3.5モル%、より好ましくは0.2〜3モル%、特に
1モル%でピークを示すことから(図5参照、特に図6
参照)最も好ましくは1モル%又はこの前後(0.5〜
1.5モル%)であることが分かる。
【0034】図7及び図8にはスカンジウムの含有量を
変更した試料の結果を示す。これよれば、スカンジア固
溶量が8モル%で酸素イオン伝導率がピークを示してい
る。尚、一例を示す図8の場合に限らず、他の温度にお
いても同様の傾向を示していることが分かる(図7参
照)。従って、スカンジアの含有量は好ましくは6〜1
5モル%、より好ましくは7〜13モル%、更に好まし
くは7〜13モル%、特に好ましくは8〜13モル%で
あることが分かる。
【0035】(4)強度の検討 次いで、表1に示す酸化ガリウム無含有品(比較品)、
並びに酸化ガリウムの0.2モル%及び1モル%含有
品、更に10ScSZ1C品(比較品)の強度について
評価を行った。この評価はJIS R1601に基づき
4点曲げ強度による結果を用いた。また、各サンプルに
ついて30試料の測定を行い。その平均値を材料の4点
曲げ強度とした。その結果を表1に示す。酸化ガリウム
無含有品に比べて、酸化ガリウムの0.2モル%含有品
では33%、1モル%含有品では56%も強度向上が図
られていることが分かる。更に、セリア添加品(10S
cSZ1C)では焼成温度が低いため密度の低い焼結体
であり、その強度は酸化ガリウム無含有品よりも低いこ
とが分かる。
【0036】
【表1】
【0037】(5)SOFCセルによる発電試験につい
て 酸化ガリウムを添加することで、低温焼成が可能で且つ
高酸素イオン伝導性、高強度の焼結体が得られることが
分かったので、次に、実際にSOFCセルを作製し、発
電試験を行った。発電試験に際しては最も良好な特性を
示した11ScSZ1Gaを用いた。燃料極としてはN
i−YSZ(体積比;50:50、YSZ;8YSZ)
を選択した。空気極側は、ランタンストロンチウムマン
ガナイト(La0.8Sr0.2MnO、以下、「L
SM」という。)を用いた。今回の試験では支持膜型S
OFCを想定し、燃料極と固体電解質層を同時に焼成し
て試料を作製した。まず、11ScSZ1Gaの成形体
を、前記(1)に示すと同様にして予備成形−CIP成
形の手順で作製した。テスト片形状は直径22mmφ、
厚さ0.5mmになるよう作製した。
【0038】次に、酸化ニッケルと8YSZを所定量混
合した後、ポリエチレングリコール(以下、「PEG」
という。)を用いてペースト化し、成形体上にスクリー
ン印刷法を用いて電極膜を形成した。このように作製し
た試料を1200℃の焼成温度で、180分間の条件で
焼成した。空気極側も、燃料極側と同様にPEGを用い
て電極ペーストを作製し、共焼結後のテスト片上にスク
リーン印刷法を用いて電極膜を作製し、1000℃の焼
成温度で、120分間焼き付け、評価用SOFCセルと
した。また、比較例として固体電解質に10ScSZ1
Ceを用いて、11ScSZ1Gaと同様の条件でSO
FCセルを作製した。発電試験では燃料として3vol
%加湿水素、酸化剤として酸素を用いた。
【0039】発電試験の結果を図9に示す。SOFC運
転温度900℃で最高発電効率約0.41W/cm2
800℃で約0.22W/cm2の出力が得られており
良好な特性を示した。また、比較用として作製した10
ScSZ1Ceを用いたセルは固体電解質の緻密化が十
分でないために水素ガスに対して気密性に問題があり発
電試験を行うことができなかった。
【0040】(6)ランタノイド元素、並びにAl、Y
及びInから選ばれる少なくとも1種の元素の添加の検
討 酸化ガリウムを含有したスカンジア安定化ジルコニア
に、更にランタノイド元素、並びにAl、Y、Inから
選ばれる少なくとも1種の元素を添加することによる低
温焼結性の向上について検討した。検討に用いる試料
は、上記各検討と同様に固相反応法で作製した。また、
ガリウム元素の含有量は、酸化物換算で1モル%固定と
した。更に、ランタノイド元素、並びにAl、Y及びI
nから選ばれる少なくとも1種の元素としてランタノイ
ド元素のCe、Al、Yについて検討し、これらの酸化
物を添加した。
【0041】また、ジルコニア粉末、スカンジア粉末、
酸化ガリウム粉末、及びCe、Al又はYの酸化物粉末
を酸化物換算、モル比でZrO2:Sc23:Ga
23:(CeO2、Al23又はY23)=88:1
0:1:1となるように混合した。このような比率で作
製した試料を用いて焼成温度に対する密度の変化を調べ
た結果を図10に示す。更に酸化物換算、モル比でZr
2:Sc23:(CeO2、Al23又はY23)=8
9:10:1となる比率で作製した試料を用いた結果を
併せて示す。
【0042】図10に示すように、CeO2、Al23
又はY23を含んだ試料はガリウム元素を含まない場
合、焼成温度が1250〜1350℃の範囲で相対密度
が85%〜95%になることがわかる。しかし、ガリウ
ム元素を含有することで、焼成温度が1250℃で既に
相対密度が95%以上と、ガリウムを含有しない試料に
対して大きく焼結密度が向上し、且つ1250℃という
低温から焼結可能であることが分かる。
【0043】1300℃及び1350℃で焼成した上記
各試料について酸素イオン伝導率を測定した結果を図1
1に示す。ガリウム元素を含有した試料では、1300
℃という低い焼成温度にも関わらず、全ての試料で高い
酸素イオン伝導率が得られ、1350℃で焼成したガリ
ウム元素を含有していない試料と比較して、酸素イオン
伝導率が大きく向上していることが分かる。また、この
値は、ガリウム元素を含有しないそれぞれの試料を15
00℃で焼成した焼結体からなるテスト片にて測定され
る特性と同等の特性を示し、ガリウム元素を含有するこ
とで酸素イオン伝導性を損なうことなく、低温焼成化を
達成できることが分かる。更に、図10及び図11に示
すように、ランタノイド元素、並びにAl、Y及びIn
から選ばれる少なくとも1種の元素であれば、同等の性
能を発揮することも分かる。
【0044】(6)ガリウム元素と、ランタノイド元
素、並びにAl、Y及びInから選ばれる少なくとも1
種の元素との含有比率の検討 次に、ガリウム元素と、ランタノイド元素、並びにA
l、Y及びInから選ばれる少なくとも1種の元素とし
てセリウムを用い、ガリウム元素との含有比率の検討を
行った。
【0045】セリウムはスカンジア安定化ジルコニアの
結晶構造を安定化する最も典型的な元素の一つである
が、多量に含有すると酸素イオン伝導性を低下させるこ
とが知られている。ガリウムについても前述したように
多量に含有すると酸素イオン伝導性が低下する。また、
イットリウム、アルミニウムについても同様に多量に含
有すると酸素イオン電導率の低下を引き起こすことが文
献に記載されている。このため、セリウムの含有比率を
変化させることにより、焼成密度及び酸素イオン伝導率
がどのようになるかを検討した。ガリウム元素とセリウ
ム元素の含有量を変化させた5種の試料〜の一覧を
表2に、試料〜について焼成密度を測定した結果を
図12に、試料〜について酸素イオン伝導率を測定
した結果を図13に示す。
【0046】
【表2】
【0047】図12に示すように、焼結密度について
は、セリウム元素の含有量には大きく依存せず、ガリウ
ム元素の含有量に依存し、試料〜の全てにおいて焼
結性の向上が確認された。また、図13に示すように、
酸素イオン伝導率については、本発明例である試料及
び試料では、ガリウムとセリウムの含有量の合計が酸
化物換算でジルコニウムに対して6モル%以下であるた
め、良好な特性を示している。特にガリウムとセリウム
の含有量の少ない試料では高い酸素イオン伝導性を示
した。それに対して試料及び試料では含有量の合計
が6モル%を超え、試料では、ガリウムが多量に含有
されているため、酸素イオン電導率の低下を引き起こし
ていることが分かる。
【0048】以上、説明したようにガリウム含有スカン
ジア安定化ジルコニアが、ランタノイド元素、並びにA
l、Y及びInから選ばれる少なくとも1種の元素を含
有することにより、その焼結性を向上させ、1300℃
という低温で焼成しても、高い密度を有し、更に高い酸
素イオン伝導率を維持した固体電解質が得られることが
分かる。また、ランタノイド元素、並びにAl、Y及び
Inから選ばれる少なくとも1種の元素とガリウム元素
の含有量の合計が酸化物換算でジルコニアに対し6モル
%以下となるよう調製し、かつガリウム元素の含有量を
3モル%以下、ランタノイド元素、並びにAl、Y及び
Inから選ばれる少なくとも1種の元素の含有量を5モ
ル%以下とすることで、更に高い酸素イオン伝導率を持
った焼結体が得られることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化ガリウムの含有量と焼成温度と焼結体密度
との関係について示す説明図である。
【図2】酸化ガリウムの含有量と焼成体密度との関係を
示す説明図である。
【図3】スカンジアの固溶量と焼結体密度との関係を示
す説明図である。
【図4】酸化ガリウムを含有する実施例品及び比較例品
の酸素イオン伝導率と測定温度との関係を示す説明図で
ある。
【図5】酸化ガリウムの含有量と酸素イオン伝導率と測
定温度との関係を示す説明図である。
【図6】酸化ガリウムの含有量と酸素イオン伝導率との
関係を示す説明図である。
【図7】スカンジアの固溶量と酸素イオン伝導率と測定
温度との関係を示す説明図である。
【図8】スカンジアの固溶量と酸素イオン伝導率との関
係を示す説明図である。
【図9】酸化ガリウム含有固体電解質の発電試験の結果
を示す説明図である。
【図10】ランタノイド元素等を含む固体電解質の焼成
温度と焼成体密度との関係を説明するためのグラフであ
る。
【図11】ランタノイド元素等を含む固体電解質の酸素
イオン伝導率と測定温度との関係を説明するためのグラ
フである。
【図12】酸化ガリウム及びランタノイド元素等の含有
比率を変化させた固体電解質の焼成温度と焼成体密度と
の関係を説明するためのグラフである。
【図13】酸化ガリウム及びランタノイド元素等の含有
比率を変化させた酸素イオン伝導率と測定温度との関係
を説明するためのグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯尾 聡 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 新木 敦雄 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 4G031 AA07 AA08 AA12 AA27 AA29 BA03 GA03 GA06 GA07 GA11 GA14 5G301 CA12 CA15 CA26 CA28 CD01 5H026 AA06 EE01 EE12 HH00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スカンジア安定化ジルコニアと、ガリウ
    ム元素とを含有することを特徴とする酸素イオン伝導性
    固体電解質。
  2. 【請求項2】 上記スカンジア安定化ジルコニアにおけ
    るスカンジウム元素の酸化物(Sc)換算の含有
    量と、ジルコニウム元素の酸化物(ZrO2)換算の含
    有量との合計を100モル%とした場合に、上記ガリウ
    ム元素の含有量は酸化物換算で0.2〜3モル%である
    請求項1記載の酸素イオン伝導性固体電解質。
  3. 【請求項3】 上記スカンジア安定化ジルコニアにおけ
    るスカンジウム元素の酸化物(Sc)換算の含有
    量と、ジルコニウム元素の酸化物(ZrO2)換算の含
    有量との合計を100モル%とした場合に、上記スカン
    ジア安定化ジルコニアに固溶するスカンジウム元素の含
    有量は酸化物換算量で6〜15モル%である請求項1又
    は2に記載の酸素イオン伝導性固体電解質。
  4. 【請求項4】 更にランタノイド元素並びにAl、Y及
    びInから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する請
    求項1乃至3のいずれか1項に記載の酸素イオン伝導性
    固体電解質。
  5. 【請求項5】 上記スカンジア安定化ジルコニアにおけ
    るスカンジウム元素の酸化物(Sc)換算量と、
    ジルコニウム元素の酸化物(ZrO2)換算量との合計
    をXモル%、ガリウム元素の酸化物換算量をYモル%、
    ランタノイド元素並びにAl、Y及びInから選ばれる
    少なくとも1種の上記元素の酸化物換算量をZモル%と
    した場合において、X+Y+Z=100、Y+Z≦6、
    0.2≦Y≦3及び0<Z≦5である請求項4記載の酸
    素イオン伝導性固体電解質。
  6. 【請求項6】 焼成によりスカンジア安定化ジルコニア
    を構成することとなるジルコニウム化合物粉末及びスカ
    ンジウム化合物粉末と、ガリウム化合物粉末とを含む組
    成物を焼成して得られたことを特徴とする酸素イオン伝
    導性固体電解質。
  7. 【請求項7】 上記スカンジウム化合物粉末におけるス
    カンジウム元素の酸化物(Sc)換算の配合量
    と、上記ジルコニウム化合物粉末におけるジルコニウム
    元素の酸化物(ZrO2)換算の配合量との合計を10
    0モル%とした場合に、上記ガリウム化合物粉末の配合
    量はガリウム元素の酸化物(Ga23)換算で0.2〜
    3モル%である請求項6記載の酸素イオン伝導性固体電
    解質。
  8. 【請求項8】 上記スカンジウム化合物粉末におけるス
    カンジウム元素の酸化物(Sc)換算の配合量
    と、上記ジルコニウム化合物粉末におけるジルコニウム
    元素の酸化物(ZrO2)換算の配合量との合計を10
    0モル%とした場合に、上記スカンジウム化合物粉末の
    配合量はスカンジウム元素の酸化物(Sc)換算
    で6〜15モル%である請求項6又は7に記載の酸素イ
    オン伝導性固体電解質。
  9. 【請求項9】 更に上記組成物はランタノイド元素並び
    にAl、Y及びInから選ばれる少なくとも1種の元素
    の化合物粉末を含む請求項6乃至8のいずれか1項に記
    載の酸素イオン伝導性固体電解質。
  10. 【請求項10】 上記スカンジウム化合物粉末における
    スカンジウム元素の酸化物(Sc)換算量と、上
    記ジルコニウム化合物粉末におけるジルコニウム元素の
    酸化物(ZrO2)換算量との合計をXモル%、 上記ガリウム化合物粉末の酸化物換算量をYモル%、 ランタノイド元素並びにAl、Y及びInから選ばれる
    少なくとも1種の上記元素の化合物粉末の酸化物換算量
    をZモル%にした場合において、X+Y+Z=100、
    Y+Z≦6、0.2≦Y≦3及び0<Z≦5を満たす請
    求項9記載の酸素イオン伝導性固体電解質。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかの1項に
    記載の酸素イオン伝導性固体電解質を用いて作製された
    ものであることを特徴とする電気化学デバイス。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至10のいずれかの1項に
    記載の酸素イオン伝導性固体電解質を用いて作製された
    ものであることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
JP2001370676A 2001-06-15 2001-12-04 酸素イオン伝導性固体電解質並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固体電解質型燃料電池 Pending JP2003068324A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001370676A JP2003068324A (ja) 2001-06-15 2001-12-04 酸素イオン伝導性固体電解質並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固体電解質型燃料電池

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-182297 2001-06-15
JP2001182297 2001-06-15
JP2001370676A JP2003068324A (ja) 2001-06-15 2001-12-04 酸素イオン伝導性固体電解質並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固体電解質型燃料電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003068324A true JP2003068324A (ja) 2003-03-07

Family

ID=26617035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001370676A Pending JP2003068324A (ja) 2001-06-15 2001-12-04 酸素イオン伝導性固体電解質並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固体電解質型燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003068324A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005158534A (ja) * 2003-11-26 2005-06-16 Ngk Spark Plug Co Ltd 酸素イオン伝導性固体電解質及びその製造方法、並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固体電解質型燃料電池
JP2007026874A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Toho Gas Co Ltd ジルコニア系固体電解質およびこれを用いた固体酸化物形燃料電池
JP2015535645A (ja) * 2012-11-20 2015-12-14 ブルーム エナジー コーポレーション ドープされたスカンジア安定化ジルコニア電解質組成物

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06107462A (ja) * 1992-08-12 1994-04-19 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 酸素イオン導伝体及び固体燃料電池
JPH06150943A (ja) * 1992-11-05 1994-05-31 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 酸素イオン導伝体及び固体燃料電池
JPH06243880A (ja) * 1993-02-18 1994-09-02 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 固体燃料電池
JPH06247768A (ja) * 1993-02-22 1994-09-06 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 酸素検出器
JPH076622A (ja) * 1993-06-17 1995-01-10 Toho Gas Co Ltd 結晶相安定化固体電解質材料
JPH0769720A (ja) * 1993-06-17 1995-03-14 Toho Gas Co Ltd 複合材分散強化型固体電解質材料
JPH0831433A (ja) * 1994-07-14 1996-02-02 Toho Gas Co Ltd 高強度固体電解質材料
JP2000340240A (ja) * 1999-05-31 2000-12-08 Toho Gas Co Ltd 高イオン導電性固体電解質材料及びそれを用いた固体電解質型燃料電池

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06107462A (ja) * 1992-08-12 1994-04-19 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 酸素イオン導伝体及び固体燃料電池
JPH06150943A (ja) * 1992-11-05 1994-05-31 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 酸素イオン導伝体及び固体燃料電池
JPH06243880A (ja) * 1993-02-18 1994-09-02 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 固体燃料電池
JPH06247768A (ja) * 1993-02-22 1994-09-06 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 酸素検出器
JPH076622A (ja) * 1993-06-17 1995-01-10 Toho Gas Co Ltd 結晶相安定化固体電解質材料
JPH0769720A (ja) * 1993-06-17 1995-03-14 Toho Gas Co Ltd 複合材分散強化型固体電解質材料
JPH0831433A (ja) * 1994-07-14 1996-02-02 Toho Gas Co Ltd 高強度固体電解質材料
JP2000340240A (ja) * 1999-05-31 2000-12-08 Toho Gas Co Ltd 高イオン導電性固体電解質材料及びそれを用いた固体電解質型燃料電池

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005158534A (ja) * 2003-11-26 2005-06-16 Ngk Spark Plug Co Ltd 酸素イオン伝導性固体電解質及びその製造方法、並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固体電解質型燃料電池
JP2007026874A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Toho Gas Co Ltd ジルコニア系固体電解質およびこれを用いた固体酸化物形燃料電池
JP2015535645A (ja) * 2012-11-20 2015-12-14 ブルーム エナジー コーポレーション ドープされたスカンジア安定化ジルコニア電解質組成物
US10381673B2 (en) 2012-11-20 2019-08-13 Bloom Energy Corporation Doped scandia stabilized zirconia electrolyte compositions
US10978726B2 (en) 2012-11-20 2021-04-13 Bloom Energy Corporation Doped scandia stabilized zirconia electrolyte compositions

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fabbri et al. High-performance composite cathodes with tailored mixed conductivity for intermediate temperature solid oxide fuel cells using proton conducting electrolytes
KR101475392B1 (ko) 고체 산화물 연료전지를 위한 티타네이트 및 금속 상호연결부
JP5311913B2 (ja) 高イオン導電性固体電解質材料の製造方法
JP3453283B2 (ja) 固体電解質型燃料電池
JP2000340240A (ja) 高イオン導電性固体電解質材料及びそれを用いた固体電解質型燃料電池
Liu et al. Fabrication and characterization of a co-fired La0. 6Sr0. 4Co0. 2Fe0. 8O3− δ cathode-supported Ce0. 9Gd0. 1O1. 95 thin-film for IT-SOFCs
JPH07315922A (ja) 固体電解質セラミックス及び固体電解質用支持部材
WO2006098272A1 (ja) イオン伝導体
JP3661676B2 (ja) 固体電解質型燃料電池
Zhao et al. Structural and electrochemical studies of Ba0. 6Sr0. 4Co1− yTiyO3− δ as a new cathode material for IT-SOFCs
KR101186766B1 (ko) 고체산화물연료전지용 이소결성 지르코니아 전해질
JP4889166B2 (ja) 低温焼結性固体電解質材料、電解質電極接合体及びこれを用いた固体酸化物形燃料電池
Zhang et al. Layered GdBa0. 5Sr0. 5Co2O5+ δ as a cathode for proton-conducting solid oxide fuel cells with stable BaCe0. 5Zr0. 3Y0. 16Zn0. 04O3− δ electrolyte
JPH076622A (ja) 結晶相安定化固体電解質材料
JP5436588B2 (ja) 高イオン導電性固体電解質材料及び焼結体、並びに、固体電解質型燃料電池
JP4184039B2 (ja) 酸素イオン伝導性固体電解質並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固体電解質型燃料電池
JPH05294629A (ja) 酸素イオン導伝体及び固体燃料電池
JP2000044340A (ja) ランタンガレート系焼結体およびその製造方法、ならびにそれを固体電解質として用いた燃料電池
JP2003068324A (ja) 酸素イオン伝導性固体電解質並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固体電解質型燃料電池
JP2003323906A (ja) 固体電解質型燃料電池
JP2002053374A (ja) 固体電解質型燃料電池の空気極用及び集電体原料用複合酸化物、その製造方法、並びに固体電解質型燃料電池
JP2003323903A (ja) スカンジアを固溶させたジルコニア材料およびこれを用いた固体電解質型燃料電池
JP3501409B2 (ja) 自立膜平板型固体電解質型燃料電池
JP4790978B2 (ja) 酸素イオン伝導性固体電解質及びその製造方法、並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固体電解質型燃料電池
JPH076768A (ja) 固体電解質型燃料電池におけるニッケル−スカンジア安定化ジルコニア系サーメット燃料極

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040706

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050606

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070508

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070911