JP3661676B2 - 固体電解質型燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、出力性能に優れる固体電解質型燃料電池に関する。特には700〜900℃の作動温度においても出力性能に優れる固体電解質型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の固体電解質型燃料電池は、空気極材料としてSrまたはCaを固溶させたランタンマンガナイト、電解質材料としてイットリアを固溶させたジルコニア(以下、YSZと示す。)を用いて、空気極と電解質を直接積層させた電池を使用していた。(例えば、非特許文献1参照。)また、電解質と空気極との間にイットリアを固溶させたジルコニアの薄層を設けて、空気極と電解質の接触抵抗を減らすことができ、出力性能を向上させることができるとしているものもある。(例えば、特許文献1)。さらに、空気極と電解質の間にCaおよび/またはSrを固溶させたランタンマンガナイトとイットリアを固溶させたジルコニアの混合粉末からなる層を設け、空気極と電解質の接触抵抗を減らすことができ、出力性能を向上させることができるとしているものもある。(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【非特許文献1】
笛木和雄・高橋正雄著[燃料電池設計技術]サイエンスフォーラム出版、昭和62年9月30日、P221-230
【特許文献1】
特開平8-180886号公報(第1-4頁、第一図)
【特許文献2】
特開2000-44245号公報(第1-6頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
SrまたはCaを固溶させたランタンマンガナイトとガス透過性の無いYSZを積層させる構造であると、空気極と電解質の間で起こる(1)式の反応が電解質表面と空気極が接触している点でのみの反応となり出力性能が低いという問題があった。O2+4e-→2O2- … (1)
【0005】
特許文献1および特許文献2の方法を採用すれば、作動温度が900〜1000℃程度であれば、これらの層を設けることで電池の出力性能は向上する。しかし、作動温度が700℃程度まで下がると、これらの材料自身の電極活性が大きく低下しセルの出力性能は900〜1000℃の場合と比較して大きく低下するという問題があった。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、空気極と電解質との間の電極活性を向上させ、出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第一の発明は、空気極と、電解質と、燃料極とを備え、前記空気極と前記電解質の間には電極反応層が介在されている固体電解質型燃料電池であって、前記電極反応層は少なくとも酸素ガスをイオン化する触媒を含み、連通した開気孔を有し、前記電極反応層は、ランタンマンガナイトとスカンジアを固溶させたジルコニアが所定の重量比で均一に混合された層、ランタンマンガナイトとセリウム酸化物が所定の重量比で均一に混合された層、ランタンマンガナイトとスカンジアを固溶させたジルコニアとセリウム酸化物が所定の重量比で均一に混合された層からなる群のいずれか1種の混合体である構成とした。これにより、700℃においても0.6V以上の発電電位を持ち、低温においても安定した発電能力が発揮できるようになる。
【0008】
また第2発明によれば、空気極と、電解質と、燃料極とを備え、前記空気極と前記電解質の間には電極反応層が介在されている固体電解質型燃料電池であって、前記電極反応層は少なくとも酸素ガスをイオン化する触媒を含み、連通した開気孔を有し、前記電極反応層は、ランタンマンガナイトとスカンジアを固溶させたジルコニアが所定の重量比で均一に混合された層、ランタンマンガナイトとセリウム酸化物が所定の重量比で均一に混合された層、ランタンマンガナイトとスカンジアを固溶させたジルコニアとセリウム酸化物が所定の重量比で均一に混合された層からなる群のいずれか1種の混合体であり、前記電解質は、イットリアあるいはスカンジアを固溶させたジルコニアである構成とした。これにより、700℃においても0.6V以上の発電電位を持ち、低温でも高い出力性能を得ることが可能な固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0009】
この理由は、電極反応層に酸素ガスのイオン化を促進させる機能があるので、空気極と電解質との間で起こる(1)式の反応を効率良く進めることができ、出力性能を向上させることができるためであり、また連通した開気孔を有するので電極反応層全体に酸素ガスを拡散することができ、(1)式の反応を電極反応層全体で起こすことができるためである。
【0010】
上記目的を達成するために第二の発明は、電極反応層が有する細孔径が0.1〜10μmであることを提供する。
【0011】
本発明によれば、電極反応層における細孔径を限定したので(1)式の反応を効率良く進めることができ、出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0012】
この理由は、細孔径が0.1μmより小さいと電極反応層における連通した開気孔がほとんどなくなるため、電極反応層に酸素ガスを拡散させることができず出力性能が低下するためで、一方、細孔径が10μmより大きくなると電解質と電極反応層の接点が少なくなるので密着性が低下し、電解質と電極反応層間の接触抵抗が大きくなり、出力性能が低下するためである。
【0013】
ここで示す細孔径とは、以下の方法で求められたものである。SEMで研磨した電極反応層部分の断面写真を撮り、透明なフィルム上に写す。空隙部の大きさを測定し、例えば空隙が円相当のものはその直径が細孔径となり、正方形相当のものは1辺の長さが細孔径として算出する。
【0014】
ここで示す細孔径が0.1〜10μmとは、前記方法で100個の細孔径を測定し、径の小さい順番から並べた際の3番目〜97番目の範囲で測定されたもので、50番目の細孔径に相当するものを指す。すなわち、3%径〜97%径の範囲の細孔径で50%径に相当するものが0.1〜10μmであることを指す。
【0015】
上記目的を達成するために第三の発明は、電極反応層が有する細孔径は、空気極が有する細孔径より小さいことを提供する。
【0016】
本発明によれば、電極反応層と空気極の有する細孔径の関係を限定したので出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0017】
この理由は、電極反応層が有する細孔径が、空気極が有する細孔径より小さいので空気極と電解質を積層させる場合と比較して電解質との密着性が向上し、出力性能が向上するためである。
【0018】
上記目的を達成するために第四の発明は、電極反応層における空隙率が3〜40%であることを提供する。
【0019】
本発明によれば、電極反応層が有する空隙率を限定したので(1)式の反応を効率良く進めることができ、出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0020】
この理由は、空隙率が3%より小さいと電極反応層における連通した開気孔が少なすぎるため、電極反応層内を酸素ガスが効率良く拡散することができず出力性能が低下するためで、一方、40%より大きいと電解質と電極反応層の接点が少なくなるので密着性が低下し、電解質と電極反応層間の接触抵抗が大きくなり、出力性能が低下するためである。
【0021】
ここで示す空隙率とは、以下の方法で求められたものである。SEMで研磨した電極反応層部分の断面写真を撮り、透明なフィルム上に空隙部と粒子部を色分けしてトレースする。色分けされたフィルムを画像処理にかけて空隙部の割合を算出する。
【0022】
上記目的を達成するために第五の発明は、電極反応層が有する空隙率は、空気極が有する空隙率以下であることを提供する。
【0023】
本発明によれば電極反応層と空気極が有する空隙率の関係を限定したので出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0024】
この理由は、電極反応層が有する空隙率が、空気極の空隙率以下なので空気極と電解質を積層させる場合と比較して電解質との密着性が向上し、出力性能が向上するためである。
【0025】
上記目的を達成するために第六の発明は、電極反応層における厚みが3〜50μmであることを提供する。
【0026】
本発明によれば電極反応層の厚みを限定したので(1)式の反応を効率良く進めることができ、出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0027】
この理由は、電極反応層の厚みが3μmより小さいと(1)式の反応を行える反応場が少なくなるので出力性能が低下し、一方、厚みが50μmより大きいと酸素ガスを電極反応層内に効率良く拡散させることができないので出力性能が低下するためである。
【0028】
上記目的を達成するために第七の発明は、電極反応層における厚みが5〜30μmであることを提供する。
【0029】
本発明によれば電極反応層の厚みをより限定したので(1)式の反応をさらに効率良く進めることができ、出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0030】
この理由は、電極反応層の厚みが5〜30μmの範囲であると、(1)式の反応を行える反応場が多く、かつ酸素ガスを電極反応層内に効率良く拡散させることができるためである。
【0031】
上記目的を達成するために第八の発明は、電極反応層における厚みは、空気極における厚みより小さいことを提供する。
【0032】
本発明によれば、電極反応層と空気極の厚みの関係を限定したので出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0033】
この理由は、空気極より電極反応層の方が厚いと、(1)式の反応を効率良く進めることができなくなるためである。
【0034】
上記目的を達成するために第九の発明は、電極反応層がスカンジアを固溶させたジルコニア層(以下、SSZと示す。)、セリウム酸化物層、スカンジアを固溶させたジルコニアとセリウム酸化物が所定の重量比で均一に混合された層(以下、SSZ/セリウム酸化物と示す。)からなる群のいずれか1種であることを提供する。
【0035】
本発明によれば電極反応層としてSSZ、セリウム酸化物、およびSSZ/セリウム酸化物のいずれか1種であるので900℃以下においても出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0036】
この理由は、従来電極反応層に用いられていたYSZの酸素イオン導電性よりもSSZ、セリウム酸化物、およびSSZ/セリウム酸化物の方が高いためである。
【0037】
上記目的を達成するために第十の発明は、電極反応層にはさらに電子導電率が1000℃で10Scm-1以上となる材料が含まれていることを提供する。
【0038】
本発明によれば、電極反応層にはさらに電子導電性が高い材料が含まれているので(1)式の反応を効率良く進めることができ、出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0039】
この理由は、電極反応層に電子導電性が高い材料が含まれるので(1)式に示す反応を促進させることができるためである。電子導電率が10Scm-1より小さい材料のみであると電極反応層においてIR損が生じ、(1)式の反応効率が低下するためである。
【0040】
上記目的を達成するために第十一の発明は、電極反応層がランタンマンガナイトとスカンジアを固溶させたジルコニアが所定の重量比で均一に混合された層(以下、ランタンマンガナイト/SSZと示す。)、ランタンマンガナイトとセリウム酸化物が所定の重量比で均一に混合された層(以下、ランタンマンガナイト/セリウム酸化物と示す。)、ランタンマンガナイトとスカンジアを固溶させたジルコニアとセリウム酸化物が所定の重量比で均一に混合された層(以下、ランタンマンガナイト/SSZ/セリウム酸化物と示す。)からなる群のいずれか1種の混合体であることを提供する。
【0041】
本発明によれば、電極反応層として電子導電性の高いランタンマンガナイトと、酸素イオン導電性の高いSSZおよび/またはセリウム酸化物の混合体を選定したので、700〜900℃程度の発電温度においても出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0042】
この理由は、電子導電性の高いランタンマンガナイトが含まれるので、(1)式の反応を促進させることができることと、700℃程度の低温においても酸素イオン導電性が高いSSZ、セリウム酸化物、およびSSZ/セリウム酸化物が含まれるので生成した酸素イオンを電解質へ効率良く運ぶことができるためである。
【0043】
上記目的を達成するために第十二の発明は、電極反応層におけるSSZにおいてスカンジアの固溶量が3〜12mol%であることを提供している。
【0044】
本発明によれば、SSZの固溶比率を限定したので700〜900℃程度の発電温度においても出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0045】
スカンジアの固溶量が3〜12mol%であることが好ましい理由は、この範囲の結晶相が安定であることと酸素イオン導電性が高いためである。この酸素イオン導電性が高いという観点からは8〜12mol%固溶されているものがより好ましい。
【0046】
また、3〜12mol%の範囲以外が好ましくないのは3mol%未満では酸素イオン導電性が低く、発電温度が低いと出力性能が低下するためで、一方、12mol%より多いと結晶相が立方晶の他に菱面体晶相が析出し、酸素イオン導電性が低下するためである。
【0047】
上記目的を達成するために第十三の発明は、電極反応層におけるSSZには、さらにCeO2,Gd2O3,Y2O3, Yb2O3などの希土類酸化物および Bi2O3の1種または2種以上の酸化物が固溶され、該酸化物が合計5mol%以下固溶させていることを提供する。
【0048】
本発明によればCeO2,Gd2O3,Y2O3,Yb2O3などの希土類酸化物および Bi2O3の1種または2種以上の酸化物が適量固溶されているので700〜900℃程度の発電温度においても出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0049】
5mol%以下含まれると好ましいのは酸素イオン導電性が高くなるか、材料の焼結性が向上するか少なくとも一方の効果が生じるためである。すなわち、酸素イオン導電性が向上すれば、出力性能が向上し、焼結性が向上すれば低温焼結が可能となるためである。2種以上固溶させたものは酸素イオン導電性と焼結性の両方の効果が出る可能性があるので好ましい。一方で5mol%より多く含むと結晶層として、立方晶の他に菱面体晶相が析出し、酸素イオン導電性が低下するためである。
【0050】
上記目的を達成するために第十四の発明は、電極反応層におけるランタンマンガナイトは、LaAMnO3(但し、A=CaまたはSrのいずれか)で表されるランタンマンガナイトであることを提供する。
【0051】
本発明によれば、電極反応層をLaAMnO3(但し、A=CaまたはSrのいずれか)で表されるランタンマンガナイトとしたので、電子導電性が高く、700〜900℃における発電温度においても出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0052】
この理由は、700℃以上の空気雰囲気下で電子導電性が高く、かつ材料として安定であるためである。
【0053】
上記目的を達成するために第十五の発明は、電極反応層におけるセリウム酸化物は、一般式(CeO2)1-2X(B2O3)X(但し、B=Sm,Gd,Yのいずれか一種、0.05≦X≦0.15)で表されることを提供する。
【0054】
本発明によれば、セリウム酸化物の組成を限定したので700〜900℃程度の発電温度においても出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0055】
この理由は、一般式(CeO2)1-2X(B2O3)X(但し、B=Sm,Gd,Yのいずれか一種、0.05≦X≦0.15)で表される組成は、酸素イオン導電性が高く700℃程度においても(1)式の反応を効率良く進めることができるためである。
【0056】
上記目的を達成するために第十六の発明は、電解質はYSZあるいはSSZであることを提供する。
【0057】
本発明によれば、電解質材料をYSZあるいはSSZとしたので700〜900℃においても高い出力性能を得ることが可能な固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0058】
この理由は、YSZおよびSSZが酸素イオン導電性が高く、材料として安定であるためである。酸素イオン導電性が高いという観点からは適当な量を固溶させたイットリア、スカンジアを固溶させたジルコニアが好ましい。
【0059】
上記目的を達成するために第十七の発明は、空気極は、LaAMnO3(但し、A=CaまたはSrのいずれか)で表されるランタンマンガナイトであることを提供している。
【0060】
本発明によれば空気極における組成を限定したので700〜900℃における発電温度においても出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0061】
この理由は、700℃以上の空気雰囲気下で電子導電性が高く、かつ材料として安定であるためである。
【0062】
上記目的を達成するために第十八の発明は、燃料極は、NiOとイットリアを固溶させたジルコニアが所定の重量比で均一に混合された層(以下、NiO/YSZと示す。)からなることを提供している。
【0063】
本発明によれば燃料極をNiO/YSZとしたので出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0064】
この理由は、Niが含まれるので電子導電性が高いことと、YSZを混合させているのでNiの凝集を抑えることができ、耐久性に優れるためである。ここで示すNiO/YSZとは、NiOとYSZが所定の重量比で均一に混合された層を示す。
【0065】
上記目的を達成するために第十九の発明は、燃料極と電解質の間には、NiOとスカンジアを固溶させたジルコニアが所定の重量比で均一に混合された層(以下、、NiO/SSZと示す。)からなる燃料側電極反応が介在されていることを提供する。
【0066】
本発明によれば電解質側にYSZより酸素イオン導電性が高いSSZをNiOと混合させた層を設けたので700℃の作動温度下においても出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供できる。
【0067】
この理由は、燃料側電極反応層の酸素イオン導電性が高いと、電解質と燃料極の間で起こる(3),(4)式を効率良く進めることができるためである。700℃程度の作動温度下でも出力性能が優れるのはSSZの酸素イオン導電性が700℃においても十分高いためである。なお、NiO/SSZおよびNiO/YSZにおけるNiOは燃料電池の運転雰囲気下ではNiに還元され、該層はNi/SSZおよびNi/YSZとなる。
H2+O2-→H2O+2e- … (3)
CO+O2-→CO2+2e- … (4)
【0068】
上記目的を達成するために第二十の発明は、インターコネクターは、Caを固溶させたランタンクロマイトであることを提供する。
【0069】
本発明によればCaを固溶させたランタンクロマイトを採用することでガス透過性の無い膜を作製しやすくかつ電子導電性が高いインターコネクターを作製することができる。
【0070】
この理由は、Ca以外のものを固溶させたランタンクロマイトではガス透過性の無い膜を作製するために1500℃より高い温度の焼成が必要であり、この温度で固体電解質型燃料電池を焼成すると他の構成材料間で反応が起こり、出力性能を低下させるためである。
【0071】
ここで示すガス透過性が無い膜とは、インターコネクターの片面とその反対側面の間に圧力差を設け、その間を透過するガス透過量で評価され、ガス透過量Q≦2.8×10-9ms-1Pa-1(より好ましくはQ≦2.8×10-10ms-1Pa-1)であるものを指す。
【0072】
【発明の実施形態】
本発明における固体電解質型燃料電池について図1を用いて説明する。
図1は、円筒タイプの固体電解質型燃料電池の断面を示す図である。円筒状の空気極支持体1上に帯状のインターコネクター2、電解質3、さらに電解質3の上にインターコネクター2と接触しないように燃料極4が構成されている。空気極支持体の内側にAirを流し、外側に燃料を流すとAir中の酸素が空気極と電解質の界面で酸素イオンに変わり、この酸素イオンが電解質を通って燃料極に達する。そして、燃料ガスと酸素イオンが反応して水および二酸化炭素になる。これらの反応は(3),(4)式で示される。燃料極4とインターコネクター2を接続することによって外部へ電気を取り出すことができる。
H2+O2-→H2O+2e- … (3)
CO+O2-→CO2+2e- … (4)
【0073】
図2は、空気極1と電解質3の間に電極反応層5を、そして電解質3と燃料極4の間に燃料側電極反応層6を設けたタイプについて示した断面図である。電極反応層5は空気極側からの酸素ガスと電子から酸素イオンが生成する(1)式の反応を効率良く行うために設けられた層であり、この電極反応層で生成した酸素イオンが電解質を通って燃料極側に移動する。そして、燃料側電極反応層6で(3),(4)式に示す反応が行われ、燃料極4とインターコネクター2を接続することで外部へ電気を取り出すことができる。それゆえ、700℃程度の低温まで高い出力特性を得るには電極反応層、電解質および燃料側電極反応層が重要となる。
O2+4e-→2O2- … (1)
【0074】
本発明における電極反応層の役割は固体電解質型燃料電池の空気雰囲気下で(1)式の反応を効率良く行うことである。このためには、電極反応層としては、少なくとも酸素ガスをイオン化する触媒を含み、連通した開気孔を有することが要求される。反応効率を向上させるために細孔径、空隙率等の適正化を図ることが好ましい。この観点から電極反応層としては、細孔径が小さく、空隙率が大きいことが好ましい。
【0075】
本発明における電極反応層は少なくとも酸素ガスをイオン化する触媒を含んでいればよく特に限定はない。LaAMnO3(A=Sr or Ca)で表されるランタンマンガナイト、LaSrCoFeO3で表されるランタンコバルタイト、YSZ、SSZなどを挙げることができる。また、電極反応層の組成は空気極と同じであっても良い。
【0076】
電極反応層の材料としては酸素イオン導電性が高いことが好ましい。また、電極反応層にさらに電子導電性を有すると(1)式の反応をより促進させることができることからより好ましい。さらに、電解質材料との熱膨張係数が近く、電解質および空気極との反応性が低く、密着性が良好である材料であることが好ましい。これらのすべての特性に対し良好な材料であれば、700℃程度の低温においても高い出力特性を得ることが可能である。上記観点からSSZ及び/又はセリウム酸化物、ランタンマンガナイト/SSZ、ランタンマンガナイト/セリウム酸化物、SSZ/セリウム酸化物、ランタンマンガナイト/SSZ/セリウム酸化物などが好ましい。
【0077】
本発明における電極反応層に含まれる酸素ガスをイオン化する触媒には酸素イオン導電性が高い材料が含まれていることが好ましい。この理由は、酸素イオン導電率の高い材料が含まれていると電極反応層で生成した酸素イオンを電解質へ効率良く運ぶことができるためである。この観点から酸素イオン導電率としては、1000℃で0.1Scm-1以上あることが好ましい。
【0078】
1000℃で0.1Scm-1以上の酸素イオン導電性を有する材料としては、SSZ、セリウム酸化物、SSZとセリウム酸化物の混合層、YSZ、(La1-xSrxGa1-yMgyO3)や(La1-xSrxGa1-y ―zMgyCozO3)で表されるランタンガレートなどが挙げられる。また、SSZとランタンガレートを混合させたものやSSZにCeO2やBi2O3などを固溶させたものなどもこれに該当するので好ましい。
【0079】
本発明における電極反応層に含まれる電子導電率が1000℃で10Scm-1以上となる材料としては、特に限定はない。LaAMnO3(A=Sr or Ca)で表されるランタンマンガナイト、LaSrCoFeO3で表されるランタンコバルタイト、LaSrFeO3、LaSrFeCoO3、LaNiO3、SmSrCoO3、GdSrCoO3などが挙げられる。
【0080】
本発明における電極反応層におけるランタンマンガナイトとしては、LaAMnO3(A=Sr or Ca)で表されるランタンマンガナイトが好ましいとしているが、700℃以上における電子導電性、材料の安定性等から(La1-xAx)yMnO3におけるx,yの値は0.15≦x≦0.3、0.97≦y≦1の範囲がより好ましい。
【0081】
この理由は、x<0.15、x>0.3の範囲では電子導電性が低下するためで、y<0.97では反応性が高くなり電極反応層の活性を低下させるためで、y>1ではジルコニアと反応してLa2Zr2O7で示される絶縁層を生成するためにセルの出力性能を低下させるためである。
【0082】
本発明における電極反応層におけるランタンマンガナイトは、Ce,Sm,Gd,Pr,Nd,Co,Al,Fe,Cr,Ni,Ca,Sr等を固溶させたものであっても良い。
【0083】
本発明における電極反応層に使用される原料粉末の平均粒子径は、0.5〜10μm程度、BET値が0.5〜20m2g-1程度が好ましい。この理由は、平均粒子径が0.5μmより小さい原料からなる電極反応層では連通した開気孔がほとんどなくなるため酸素ガスの拡散が低く、(1)式の反応を効率よく行うことができないためで、一方10μmより大きい原料から構成された電極反応層では、焼結性が低く空気極および電解質との密着性が低下し出力性能が低下するためである。一方、BET値が0.5m2g-1より小さいもので構成された電極反応層では、(1)式の反応を起こす活性点が少ないため高い出力性能が得られないためで、BET値が20m2g-1より大きいもので構成された電極反応層では連通した開気孔がほとんどなくなるため酸素ガスの拡散が低く、(1)式の反応を効率よく行うことができないためである。
【0084】
本発明における電極反応層は電極活性を高めるために原料粉末の平均粒子径の傾斜やBET値を傾斜させた構造でも良い。例えば、空気極側から電解質方向へ平均粒子径を5μm、3μm、1μmとすることやBET値を1m2g-1、3m2g-1、5m2g-1とするようなものでも良い。(1)式の反応を効率良く行うという観点からは平均粒子径やBET値を傾斜させたものから構成された電極反応層の方が好ましい。
【0085】
ここで示すBET値とは、島津製作所製の流動式比表面積測定装置フローソーブII2300形を用いて測定して得られた値である。また、粒度分布は島津製作所製のレーザ回折式粒度分布測定装置SALD-2000を用いて測定して得られた値である。さらに、平均粒子径とは、島津製作所製のレーザ回折式粒度分布測定装置SALD-2000を用いて測定して得られるメディアン径(50%径)の値である。
【0086】
本発明における電極反応層においてランタンマンガナイト/SSZなどの混合体における重量比率については10/90〜90/10程度が好ましい。この理由は、SSZの重量比率が10重量%より小さいと電極反応層における酸素イオン導電性が低下し、(1)式で生成した酸素イオンを電解質へ効率良く送ることができず、出力性能が低下するためで、一方、SSZの重量比率が90重量%より大きいと電極反応層における電子導電性が低下し、(1)式に示す反応が起こりにくくなるためである。
【0087】
本発明における電極反応層においてランタンマンガナイト/SSZなどの混合体を用いる場合、電極活性を高めるために組成を傾斜させた構造でも良い。例えば、空気極側から電解質方向へランタンマンガナイト/SSZ:80/20、50/50、20/80のようなものでも良い。
【0088】
本発明における電極反応層の原料作製法については特に限定はない。SSZ、セリウム酸化物およびランタンマンガナイトについては、粉末混合法、共沈法、噴霧熱分解法、ゾルゲル法などで作製する方法が挙げられる。
【0089】
また、ランタンマンガナイト/SSZなどの混合体における原料合成の場合は、各々の材料を別々に作製後スプレードライ法などの湿式法により混合し、さらに熱処理をして混合体を得る方法や万能攪拌混合機などを用いて混合する乾式法により混合し、さらに熱処理して混合体を得る方法などを挙げることができる。
【0090】
本発明における電解質は、固体電解質型燃料電池の空気雰囲気および燃料ガス雰囲気において酸素イオン導電性が高い、ガス透過性が無い、電子導電性が無いことが好ましい。この観点からイットリアあるいはスカンジアを固溶させたジルコニアが好ましい。また、イットリアとスカンジアを固溶させたジルコニアであっても良い。
【0091】
本発明におけるYSZおよびSSZにおけるイットリアおよびスカンジアの固溶量としては、3〜12mol程度が好ましい。
【0092】
イットリアの固溶範囲を3〜12mol%が好ましい理由は、3モル%未満であると酸素イオン導電性が低くなるためで、一方、12モル%より多いと結晶相が立方晶の他に菱面体晶相が析出し、酸素イオン導電性が低下するためである。
【0093】
しかし、イットリアの固溶量が3〜12mol%の範囲においても900〜1000℃では酸素イオン導電性が高いが900℃を下回ると大きく低下する。それゆえ、700℃程度の低温でYSZを電解質に採用する場合は薄膜にして使用することが好ましい。
【0094】
この理由は薄膜にすることで電解質内部の抵抗ロスを少なくすることができ、700℃でも高い出力性能を得ることができるためである。
【0095】
ここで示す薄膜とは、電解質の膜厚が50μm以下のものを示す。
【0096】
一方、前記スカンジア固溶範囲を3〜12mol%に限定した理由は、3mol%未満であると酸素イオン導電性が低くなるためで、一方、12mol%より多いと結晶相が立方晶の他に菱面体晶相が析出し、酸素イオン導電性が低下するためである。
【0097】
スカンジアの固溶範囲が好ましい理由は、この組成範囲では結晶相が安定であることと酸素イオン導電性が高いためである。この酸素イオン導電性が高いという観点からはスカンジアが8〜12mol%固溶されたものがより好ましい。
【0098】
ここで示すガス透過性が無い電解質とは、電解質の片面とその反対側面の間に圧力差を設け、その間を透過するガス透過量で評価され、ガス透過量Q≦2.8×10-9ms-1Pa-1(より好ましくはQ≦2.8×10-10ms-1Pa-1)であるものを指す。
【0099】
本発明における電解質にはCeO2,Sm2O3,Gd2O3,Bi2O3などを5mol%以下固溶させたものであっても良い。特にスカンジアを固溶させたジルコニアにおいてはこれらの組成を微量含んでいた方が酸素イオン導電性が高くなったり、低温焼結が可能となることから含んでいる方が好ましい。また、ガス透過性が無い電解質を作製するために焼結助剤を微量添加させても良い。焼結助剤としてはAl2O3、SiO2などを挙げることができる。
【0100】
本発明における電解質原料の作製法についてはスカンジアやイットリアの固溶を均一にできる方法であれば良く特に限定はない。共沈法が一般的である。
【0101】
本発明における空気極は固体電解質型燃料電池の空気雰囲気において電子導電性が高い、酸素ガス透過性が高いものであることが好ましい。この観点からはLaAMnO3(A=Sr or Ca)で表されるランタンマンガナイト、LaSrCoFeO3で表されるランタンコバルタイト、LaSrFeO3、LaSrFeCoO3、LaNiO3、SmSrCoO3、GdSrCoO3などが好ましい。
【0102】
本発明における空気極として、LaAMnO3(A=Sr or Ca)で表されるランタンマンガナイトが好ましいとしているが、700℃以上における電子導電性、材料の安定性等から(La1-xAx)yMnO3におけるx,yの値は0.15≦x≦0.3、0.97≦y≦1の範囲がより好ましい。
【0103】
この理由は、x<0.15、x>0.3の範囲では電子導電性が低下するためで、y<0.97では電極反応層の活性を低下させるためで、y>1ではジルコニアと反応してLa2Zr2O7で示される絶縁層を生成するためにセルの出力性能を低下させるためである。
【0104】
本発明における空気極におけるランタンマンガナイトは、Ce,Sm,Gd,Pr,Nd,Co,Al,Fe,Cr,Ni,Ca,Sr等を固溶させたものであっても良い。
【0105】
本発明における空気極原料の作製法については特に限定はない。粉末混合法、共沈法、噴霧熱分解法、ゾルゲル法などで作製する方法が挙げられる。
【0106】
本発明における空気極が有する細孔径としては、電極反応層が有する細孔径より大きいものであれば良く特に限定は無いが、その他の特性として、高い電子導電性を有し、高い酸素ガス透過性を有し、電極反応層との密着性が良好であるものが好ましい。また、本実施形態で示す空気極を支持体としたタイプでは空気極自身に強度が要求されるのでさらに高強度を有するものが好ましい。これらの観点から空気極の細孔径としては、2〜30μm程度、高強度を有することを考慮すると2〜20μm程度が好ましい。
【0107】
本発明における空気極が有する空隙率としては、電極反応層が有する空隙率以上であれば良く特に限定は無いが、その他の特性として、高い電子導電性を有し、高い酸素ガス透過性を有し、電極反応層との密着性が良好であるものが好ましい。また、本実施形態で示す空気極を支持体としたタイプでは空気極自身に強度が要求されるのでさらに高強度を有するものが好ましい。この観点から空気極の空隙率としては、10〜50%程度、高強度を有することを考慮すると10〜45%程度であるものが好ましい。
【0108】
本発明における空気極における厚みは電極反応層より厚いものであれば良く特に限定は無いが、その他の特性として、高い電子導電性を有し、高い酸素ガス透過性を有し、電極反応層との密着性が良好であるものが好ましい。また、本実施形態で示す空気極を支持体としたタイプでは空気極自身に強度が要求されるのでさらに高強度を有するものが好ましい。この観点から空気極の厚みとしては30μm〜3mm程度が好ましく、支持体とした場合を考慮すると1〜3mm程度であるものが好ましい。
【0109】
ここで示す高強度を有するとは圧環強度で10MPa以上を示すものを指す。圧環強度の測定は以下の方法で試験を行い求められたものである。
【0110】
試験機の圧縮治具の間に試料を置き、上下から加圧して破壊させ、そのときの荷重値を用いて以下の式から算出したものである。
σr= P×(D−d)/(I×d2) … (5)
(σr:圧環強度、P:破壊荷重、D:試料外径、d:肉厚、I:試料長さ)
【0111】
本発明における燃料極は固体電解質型燃料電池の燃料ガス雰囲気において電子導電性が高い、燃料ガス透過性が高く、(3),(4)式の反応を効率良く行えるものであることが好ましい。この観点からは好ましい材料としてはNiO/YSZ等を挙げることができる。NiOは固体電解質型燃料電池の発電中に還元されてNiとなり、該層はNi/YSZとなる。
【0112】
(3),(4)式の反応を効率良く行うことができ、出力性能を向上させるという観点からは電解質と燃料極の間に燃料側電極反応層を設けることが好ましい。
【0113】
本発明における燃料側電極反応層としては電子導電性と酸素イオン導電性の両方の特性に優れるNiO/SSZが好ましい。NiOは固体電解質型燃料電池の発電中に還元されてNiとなり、該層はNi/SSZとなる。また、NiO/SSZの比率は重量比で10/90〜50/50が好ましい。この理由は、10/90未満では電子導電性が低すぎるためで、一方50/50越えでは酸素イオン導電性が低すぎるためである。
【0114】
本発明のNiO/SSZにおけるSSZのスカンジアの固溶量としては、3〜12mol%が好ましい。この理由は、この範囲であれば酸素イオン導電性が高く(3),(4)の反応を促進させることができるためである。また、酸素イオン導電性が700℃程度の低温下においても高いので700℃程度の低温まで高い出力性能を有する固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【0115】
本発明のNiO/SSZにおけるSSZにはさらにCeO2,Sm2O3,Gd2O3,Bi2O3等が5mol%以下程度固溶されていても良い。また、2種以上固溶させたものであっても良い。これらの材料が固溶されると燃料ガス雰囲気下で酸素イオン導電性の向上だけでなく電子導電性の向上も期待できるので含んでいる方が好ましい。
【0116】
燃料ガス雰囲気下で、酸素イオン導電性が高く、電子導電性が高いという観点からNiOとSSZとセリウム酸化物が所定の重量比で均一に混合された層(以下、NiO/SSZ/セリウム酸化物と示す。)であっても良い。NiOは固体電解質型燃料電池の発電中に還元されてNiとなり、該層はNi/SSZ/セリウム酸化物となる。
【0117】
ここで示すセリウム酸化物とは、セリウムが含まれた酸化物であれば良く特に限定はない。一般式(CeO2)1-2X(B2O3)X (但し、B=Sm,Gd,Yのいずれか一種、0.05≦X≦0.15)で表されるものが酸素イオン導電性が高く、好ましい。
【0118】
本発明における燃料極はIR損を低くするために電子導電性が高いものであることが好ましい。この観点からNiO/YSZの比率は重量比で50/50〜90/10が好ましい。この理由は、50/50未満では電子導電性が低いためで、一方90/10越えではNi粒子の凝集によって出力性能が低下するためである。
【0119】
本発明における燃料極の組成については、NiO/YSZ の他にNiO/SSZ、NiO/カルシウムを固溶させたジルコニア(以下、NiO/CSZと示す)でも良い。SSZよりYSZの方が安価であることからYSZの方が好ましいが、CSZはYSZよりさらに安価であることからコストの観点からはNiO/CSZが最も好ましい。なお、NiO/CSZにおいても燃料電池発電においてはNi/CSZとなる。
【0120】
本発明における燃料極原料の合成法についてはNiO/SSZおよびYSZなどの燃料極材料が均一に混合されていれば良く特に限定はない。共沈法、スプレードライ法などが挙げられる。
【0121】
本発明におけるインターコネクターは固体電解質型燃料電池の空気雰囲気および燃料ガス雰囲気において電子導電性が高い、ガス透過性が無い、酸素イオン導電性が無いものであることが好ましい。この観点からランタンクロマイトが好ましい。
【0122】
ランタンクロマイトは難焼結性であるため固体電解質型燃料電池の焼成温度(1500℃以下)でガス透過性の無いインターコネクターを作製することが難しい。焼結性を向上させるためにCa,Sr,Mgを固溶させて用いていることが好ましい。焼結性が最も高く、固体電解質型燃料電池の他材料と同程度の温度でガス透過性の無い膜を作製できるという点からCaを固溶させたものが最も好ましい。
【0123】
本発明におけるインターコネクターに用いられるCaを固溶させたランタンクロマイトの固溶量については特に限定はない。Ca固溶量が多いほど電子導電性が高くなるが、材料の安定性が低下することからCaの固溶量としては、10〜40モル%程度が好ましい。
【0124】
本発明におけるインターコネクター原料の作製法についてはCaを固溶させたランタンクロマイトの組成を均一に作れることが好ましい。この観点から噴霧熱分解法、クエン酸塩法などが好ましい。
【0125】
本発明における固体電解質型燃料電池の形状については特に限定はなく、平板型、円筒型いずれであっても良い。なお、平板型ではインターコネクターをセパレータと呼び、役割はインターコネクターと同様である。セパレータの場合は、ステンレス等の金属であっても良い。
【0126】
本発明における固体電解質型燃料電池はマイクロチューブのタイプ(外径10mm以下より好ましくは5mm以下)にも適応可能である。
【0127】
【実施例】
(実施例1)
図1に示す円筒型固体電解質型燃料電池に用いた。すなわち、円筒状の空気極支持体1上に帯状のインターコネクター2、電解質3、さらに電解質の上にインターコネクターと接触しないように燃料極4から構成されたものを用いた。また、図2に示すように空気極と電解質の間に電極反応層5が構成され、燃料極4と電解質3の間には燃料側電極反応層6が構成されたものを用いた。
【0128】
(1)空気極支持体の作製
空気極の組成は、La0.75Sr0.25MnO3組成で表されるSrを固溶させたランタンマンガナイトで、共沈法で作製後熱処理して空気電極原料粉末を得た。平均粒子径は、30μmであった。押し出し成形法によって円筒状成形体を作製した。さらに、1500℃で焼成を行い、空気極支持体とした。空気極支持体の細孔径は14μm、空隙率45%、肉厚1.5mmであった。
【0129】
(2)電極反応層の作製
電極反応層としては、ランタンマンガナイト/SSZとし、該組成およびその重量比率としては、La0.75Sr0.25MnO3/ 90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3=50/50を用いた。La,Sr,Mn,ZrおよびScの各々の硝酸塩水溶液を用いて、前記組成になるように調合した後、シュウ酸を加え沈殿させた。該沈殿物をさらに熱処理し、粒径を制御した後原料粉末を得た。平均粒子径は2μmであった。該電極反応層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエタレンアルキルソン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。このスラリー粘度は100mPasであった。前記スラリーを、空気極支持体(外径15mm、肉厚1.5mm、有効長400mm)上にスラリーコート法で成膜した後に1400℃で焼結させた。厚さは20μmであった。
【0130】
(3)電解質のスラリー作製:
電解質材料はSSZで、該組成は、90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3である。ZrO2 を100℃で加熱した3N以上の濃硝酸に溶解させ、蒸留水で希釈した後、硝酸塩水溶液を得た。Sc2O3についても同様の方法から硝酸塩水溶液を得た。各々の硝酸塩水溶液を前記組成になるように調合し、シュウ酸水溶液を加え、共沈させた。共沈して得られた液を200℃程度で乾燥し、500℃で熱分解、さらに800℃で10時間熱処理をして原料粉末を得た。平均粒子径は0.5μmであった。該粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエタレンアルキルソン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。このスラリー粘度は140mPasであった。
【0131】
(4)電解質の作製
電極反応層上に、スラリーコート法で成膜し、1400℃で焼成した。得られた電解質の厚さは、30μmであった。なお、後工程でインターコネクターを成膜する部分についてはマスキングを施し、膜が塗布されないようにしておいた。
【0132】
(5)燃料側電極反応層のスラリー作製
燃料側電極反応層の材料としてはNiO/SSZとし、該組成は、NiO/90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3とし、Ni,ZrおよびSc各々の硝酸塩水溶液を用いて、前記組成になるように調合した後、シュウ酸を加え沈殿させた。該沈殿物をさらに熱処理を施し、粒径を制御して原料を得た。燃料側電極反応層の組成およびその重量比率は、NiO/90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3 =20/80と、50/50の2種類を作製し、平均粒子径はいずれも0.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)10重量部、分散剤(ポリオキシエタレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。このスラリーの粘度は70mPasであった。
【0133】
(6)燃料側電極反応層の作製
面積が150cm2になるように電池へマスキングをし、スラリーコート法により電解質上へNiO/90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3 (平均粒子径)=20/80(0.5μm)、50/50(0.5μm)の順に成膜した。膜厚(焼成後)は10μmとした。
【0134】
(7)燃料極のスラリー作製:
燃料極の材料はNiO/YSZとし、該組成は、NiO/90 mol%ZrO2-10mol%Y2O3とし、Ni,ZrおよびY各々の硝酸塩水溶液を用いて、前記組成になるように調合した後、シュウ酸を加え沈殿させた。該沈殿物をさらに熱処理を施し、粒径を制御した後原料を得た。組成およびその重量比率はNiO/90 mol%ZrO2-10mol%Y2O3 =70/30とし、平均粒径が5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)20重量部、分散剤(ポリオキシエタレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。このスラリーの粘度は250mPasであった。
【0135】
(8)燃料極の作製
燃料側電極反応層上に燃料極をスラリーコート法により成膜した。膜厚(焼成後)は90μmとした。さらに、燃料側電極反応層と燃料極を1400℃で共焼成した。
【0136】
(9)インターコネクターの作製:
インターコネクターの組成をLa0.80Ca0.20CrO3、で表されるCaを固溶させたランタンクロマイトとし、噴霧熱分解法で作製後、熱処理を施して得た。得られた粉末の平均粒子径は1μmであった。該粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエタレンアルキルソン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。このスラリー粘度は100mPasであった。スラリーコート法によりインターコネクターを成膜し、1400℃で焼成した。焼成後の厚みは40μmであった。
【0137】
(実施例2)
電極反応層の材料をSSZとし、該組成を90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3とし、焼成温度を1350℃にした以外は実施例1と同様にした。
【0138】
(実施例3)
電極反応層の材料をLa0.75Sr0.25MnO3組成で表されるSrを固溶させたランタンマンガナイトとし、原料の平均粒子径を2μmとした以外は実施例1と同様にした。このときの細孔径は2μm、空隙率20%であった。
【0139】
(比較例1)
空気極と電解質の間に電極反応層を設けないこと以外は実施例1と同様にした。
【0140】
(発電試験)
実施例1〜3、比較例1で得られた電池(燃料極有効面積:150cm2)を用いて発電試験を行った。このときの運転条件は以下であった。
▲1▼燃料:(H2+11%H2O):N2 = 1:2
▲2▼酸化剤:Air
▲3▼発電温度:800℃
▲4▼電流密度:0.3Acm-2
【0141】
【表1】
表1に800℃で電流密度0.3Acm-2における発電電位の結果を示す。同一電流密度においては発電電位が高いものほど出力性能に優れる固体電解質型燃料電池となる。表1に示すようにいずれも比較例1より発電電位が高いことがわかる。以上の結果から空気極と電解質の間に電極反応層を設けることが好ましいことが確認された。
【0142】
細孔径について
(実施例4)
電極反応層の組成としてはLa0.75Sr0.25MnO3/ 90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3=50/50とし、原料の平均粒子径は0.5μmからなるものを用いて、空気極表面上にスラリーコート法で成膜した後、1350℃で焼結させたこと以外は実施例1と同様の方法とした。
【0143】
(実施例5)
電極反応層の組成としてはLa0.75Sr0.25MnO3/ 90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3=50/50とし、原料の平均粒子径は5μmからなるものを用いて、空気極表面上にスラリーコート法で成膜した後、1400℃で焼結させたこと以外は実施例1と同様の方法とした。
【0144】
(実施例6)
電極反応層の組成としてはLa0.75Sr0.25MnO3/ 90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3=50/50とし、原料の平均粒子径は10μmからなるものを用いて、空気極表面上にスラリーコート法で成膜した後、1400℃で焼結させたこと以外は実施例1と同様の方法とした。
【0145】
(実施例7)
電極反応層の組成としてはLa0.75Sr0.25MnO3/ 90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3=50/50とし、原料の平均粒子径は0.2μmからなるものを用いて、空気極表面上にスラリーコート法で成膜した後、1350℃で焼結させたこと以外は実施例1と同様の方法とした。
【0146】
(実施例8)
電極反応層の組成としてはLa0.75Sr0.25MnO3/ 90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3=50/50とし、原料の平均粒子径は15μmからなるものを用いて、空気極表面上にスラリーコート法で成膜した後、1400℃で焼結させたこと以外は実施例1と同様の方法とした。
【0147】
(実施例9)
電極反応層の組成としてはLa0.75Sr0.25MnO3/ 90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3=50/50とし、原料の平均粒子径は0.5μmからなるものを用いて、空気極表面上にスラリーコート法で成膜した後、1400℃で焼結させたこと以外は実施例1と同様の方法とした。
【0148】
(発電試験)
実施例1、実施例4〜9で得られた電池(燃料極有効面積:150cm2)を用いて発電試験を行った。このときの運転条件は以下であった。
▲1▼燃料:(H2+11%H2O):N2 = 1:2
▲2▼酸化剤:Air
▲3▼発電温度:800℃
▲4▼電流密度:0.3Acm-2
さらに、発電試験後において、実施例1、実施例4〜9における電極反応層の細孔径を測定した。
【0149】
【表2】
表2に800℃で電流密度0.3Acm-2における発電電位の結果を示す。同一の材料を用いているにも関わらず電極反応層の細孔径によって発電電位が異なっていることがわかる。実施例1、4〜6、9においては発電電位が高いが実施例7、8においては電位が低下していることがわかる。しかし、表1に示した比較例1よりは高いので特に問題はない。以上の結果から電極反応層の細孔径としては発電電位の高い値を呈している0.1〜10μm程度がより好ましいことが確認された。
【0150】
空隙率について
前記発電試験後において、実施例1、実施例4〜9における電極反応層の空隙率を測定した。
【0151】
【表3】
表3に800℃で電流密度0.3Acm-2における発電電位の結果を示す。同一の材料を用いているにも関わらず電極反応層の空隙率によって発電電位が異なっていることがわかる。実施例1、4〜6、9においては発電電位が高いが実施例7、8においては電位が低下していることがわかる。実施例7、8においても電位低下はしているものの比較例1よりは高いので問題はない。以上の結果から電極反応層の空隙率としては発電電位の高い値を呈している3〜40%程度がより好ましいことが確認された。
【0152】
電極反応層の厚みについて
(実施例10)
電極反応層の組成としてはLa0.75Sr0.25MnO3/ 90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3=50/50とし、厚みが3μmであること以外は実施例1と同様にした。
【0153】
(実施例11)
電極反応層の組成としてはLa0.75Sr0.25MnO3/ 90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3=50/50とし、厚みが5μmであること以外は実施例1と同様にした。
【0154】
(実施例12)
電極反応層の組成としてはLa0.75Sr0.25MnO3/ 90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3=50/50とし、厚みが30μmであること以外は実施例1と同様にした。
【0155】
(実施例13)
電極反応層の組成としてはLa0.75Sr0.25MnO3/ 90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3=50/50とし、厚みが50μmであること以外は実施例1と同様にした。
【0156】
(実施例14)
電極反応層の組成としてはLa0.75Sr0.25MnO3/ 90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3=50/50とし、厚みが2μmであること以外は実施例1と同様にした。
【0157】
(実施例15)
電極反応層の組成としてはLa0.75Sr0.25MnO3/ 90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3=50/50とし、厚みが55μmであること以外は実施例1と同様にした。
【0158】
(発電試験)
実施例1、実施例10〜15で得られた電池(燃料極有効面積:150cm2)を用いて発電試験を行った。このときの運転条件は以下であった。
▲1▼燃料:(H2+11%H2O):N2 = 1:2
▲2▼酸化剤:Air
▲3▼発電温度:800℃
▲4▼電流密度:0.3Acm-2
【0159】
【表4】
表4は800℃で電流密度0.3Acm-2における発電電位の結果を示す。同一の材料を用いているにも関わらず電極反応層の厚みによって発電電位が異なっていることがわかる。実施例1、10〜13においては発電電位が高いが実施例14、15においては電位が低下していることがわかる。実施例14、15においても電位低下はしているものの比較例1よりは高いので問題はない。以上の結果から電極反応層の厚みとしては発電電位の高い値を呈している3〜50μm程度が好ましいことが確認された。さらに、実施例1、10〜13で比較をすると実施例1、11,12が出力性能がより高いことから、電極反応層の厚みとしては5〜30μmであるとより好ましいことが確認された。
【0160】
電極反応層材料について
(実施例16)
電極反応層の材料をセリウム酸化物とし、該組成を(CeO2)0.8(Sm2O3)0. 1としたこと以外は実施例1と同様にした。
【0161】
(実施例17)
電極反応層の材料をSSZ/セリウム酸化物とし、該組成を90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3/(CeO2)0.8(Sm2O3)0. 1=50/50とした以外は実施例1と同様にした。
【0162】
(実施例18)
電極反応層材料は、ランタンマンガナイト/セリウム酸化物とし、該組成をLa0.75Sr0.25MnO3/(CeO2)0.8(Sm2O3)0. 1=50/50とした以外は実施例1と同様にした。
【0163】
(実施例19)
電極反応層材料は、ランタンマンガナイト/SSZ/セリウム酸化物とし、該組成をLa0.75Sr0.25MnO3/90mol%ZrO2-10mol%Sc2O3 /(CeO2)0.8(Sm2O3)0. 1=50/25/25とした。原料合成法としてはLa0.75Sr0.25MnO3/90mol%ZrO2-10mol%Sc2O3とLa0.75Sr0.25MnO3/(CeO2)0.8(Sm2O3)0. 1を各々共沈法で作製した粉末をさらに、La0.75Sr0.25MnO3/90mol%ZrO2-10mol%Sc2O3 /(CeO2)0.8(Sm2O3)0. 1=50/25/25になるように混合し熱処理をした。これら以外は実施例1と同様にした。
【0164】
(実施例20)
電極反応層材料は、YSZとし、該組成を92mol%ZrO2-8mol%Y2O3とした以外は実施例1と同様にした。
【0165】
(実施例21)
電極反応層材料は、ランタンマンガナイト/YSZとし、該組成をLa0.75Sr0.25MnO3/92mol%ZrO2-8mol%Y2O3=50/50とした以外は実施例1と同様にした。
【0166】
(発電試験)
実施例1、2、16〜21および比較例1の試験電池(燃料極有効面積:150cm2)を用いて以下に示す発電試験を行った。このときの運転条件は以下であった。
▲1▼燃料:(H2+11%H2O):N2 = 1:2
▲2▼酸化剤:Air
▲3▼発電温度:700〜1000℃
▲4▼電流密度:0.3Acm-2
【0167】
図3に発電温度における発電電位の結果を示す。実施例1、18、19においては700〜1000℃において高い電位を呈しているのがわかる。実施例2、16、17においては実施例1、18、19よりは劣るものの700℃まで比較的高い電位を呈していることがわかる。実施例20、21では900〜1000℃においては高い電位を呈しているが、900℃以下になると電位低下が大きくなっているのがわかる。これに対し、比較例1では1000℃においても実施例より低く、発電温度が低下するにつれさらに電位低下が大きくなっていることがわかる。以上の結果からいずれも比較例1と比較して発電電位が高く好ましいことが確認された。電極反応層がYSZおよびランタンマンガナイト/YSZの場合は900〜1000℃において高い出力性能を有し、電極反応層がSSZ、セリウム酸化物、およびSSZ/セリウム酸化物の場合は900℃以下においても高い出力性能を有し、好ましいことがわかった。さらに、電極反応層がランタンマンガナイト/SSZ,ランタンマンガナイト/セリウム酸化物およびランタンマンガナイト/SSZ/セリウム酸化物の場合、700℃程度においても出力性能に優れ、より好ましいことが確認された。
【0168】
電極反応層におけるスカンジアの固溶量について
(実施例22)
電極反応層の組成およびその重量比率をLa0.75Sr0.25MnO3/ 97 mol%ZrO2-3mol%Sc2O3=50/50にした以外は実施例1と同様にした。
【0169】
(実施例23)
電極反応層の組成およびその重量比率をLa0.75Sr0.25MnO3/ 92 mol%ZrO2-8mol%Sc2O3=50/50にした以外は実施例1と同様にした。
【0170】
(実施例24)
電極反応層の組成およびその重量比率をLa0.75Sr0.25MnO3/ 88 mol%ZrO2-12mol%Sc2O3=50/50にした以外は実施例1と同様にした。
【0171】
(実施例25)
電極反応層の組成およびその重量比率をLa0.75Sr0.25MnO3/ 98 mol%ZrO2-2mol%Sc2O3=50/50にした以外は実施例1と同様にした。
【0172】
(実施例26)
電極反応層の組成およびその重量比率をLa0.75Sr0.25MnO3/ 85 mol%ZrO2-15mol%Sc2O3=50/50にした以外は実施例1と同様にした。
【0173】
実施例1、実施例22〜26の電池について、以下に示す発電条件で発電試験を行った。
▲1▼燃料:(H2+11%H2O):N2 = 1:2
▲2▼酸化剤:Air
▲3▼発電温度:800℃
▲4▼電流密度:0.3Acm-2
【0174】
【表5】
【0175】
表5は800℃で電流密度0.3Acm-2における発電電位の結果を示す。実施例1、実施例22〜24は高い電位であるのに対し、実施例25、26においては電位低下が起こっているのがわかる。しかし、実施例25、26においても表1に示す比較例1と比べるとはるかに高い電位を呈していることからこの程度の低下であれば問題ないことがわかった。電位が高いということから電極反応層のSSZにおけるスカンジアの固溶量は3〜12mol%の範囲が好ましいことが確認された。また、実施例1、実施例22〜24のデータを比較すると実施例22の電位が他と比較して低くなっていることからスカンジアの固溶量が8〜12mol%であるとより好ましいことが確認できた。
【0176】
SSZにおけるCeO2等の効果
(実施例27)
電極反応層の組成およびその重量比率をLa0.75Sr0.25MnO3/88mol%ZrO2-10mol%Sc2O3-2mol%CeO2 =50/50にした以外は実施例1と同様にした。
【0177】
(実施例28)
電極反応層の組成およびその重量比率をLa0.75Sr0.25MnO3/85mol%ZrO2-10mol%Sc2O3-5mol%CeO2 =50/50にした以外は実施例1と同様にした。
【0178】
(実施例29)
電極反応層の組成およびその重量比率をLa0.75Sr0.25MnO3/84mol%ZrO2-10mol%Sc2O3-6mol%CeO2 =50/50にした以外は実施例1と同様にした。
【0179】
(実施例30)
電極反応層の組成およびその重量比率をLa0.75Sr0.25MnO3/88mol%ZrO2-10mol%Sc2O3-2mol%Bi2O3 =50/50にした以外は実施例1と同様にした。
【0180】
(実施例31)
電極反応層の組成およびその重量比率をLa0.75Sr0.25MnO3/88mol%ZrO2-10mol%Sc2O3-2mol%Y2O3 =50/50にした以外は実施例1と同様にした。
【0181】
(実施例32)
電極反応層の組成およびその重量比率をLa0.75Sr0.25MnO3/88mol%ZrO2-10mol%Sc2O3-1mol%Y CeO2-1mol%Bi2O3 =50/50にした以外は実施例1と同様にした。
【0182】
実施例1、実施例27〜32の電池について、以下に示す発電条件で発電試験を行った。
▲1▼燃料:(H2+11%H2O):N2 = 1:2
▲2▼酸化剤:Air
▲3▼発電温度:800℃
▲4▼電流密度:0.3Acm-2
【0183】
【表6】
表6は800℃で電流密度0.3Acm-2における発電電位の結果を示す。実施例1、実施例27〜29を比較すると実施例27、実施例28は電位が高くなったが実施例29ではむしろ低くなる傾向が見られた。実施例30、実施例31については実施例1と電位としては変わっていないが電極反応層材料の焼結性が向上することが確認された。実施例32では電位が高くなることと電極反応層材料の焼結性が向上することが確認された。以上の結果から、SSZにCeO2を5mol%以下固溶させると出力性能が向上することが確認され、好ましいことがわかった。また、Y2O3やBi2O3を固溶させると焼結性が向上することがわかり、好ましいことがわかった。Gd2O3,Yb2O3等の他の希土類酸化物を5mol%以下固溶させた場合においても出力性能の向上か焼結性の向上のいずれかの効果があることが容易に推測することができるので好ましいと考えられた。
【0184】
(CeO2)1-2x(Sm2O3)xについて
(実施例33)
電極反応層材料は、ランタンマンガナイト/セリウム酸化物とし、該組成をLa0.75Sr0.25MnO3/ (CeO2)0.9(Sm2O3)0.05=50/50とした以外は実施例1と同様にした。
【0185】
(実施例34)
電極反応層材料は、ランタンマンガナイト/セリウム酸化物とし、該組成をLa0.75Sr0.25MnO3/ (CeO2)0.7(Sm2O3)0.15=50/50とした以外は実施例1と同様にした。
【0186】
(実施例35)
電極反応層材料は、ランタンマンガナイト/セリウム酸化物とし、該組成をLa0.75Sr0.25MnO3/ (CeO2)0.75(Sm2O3)0.025=50/50とした以外は実施例1と同様にした。
【0187】
(実施例36)
電極反応層材料は、ランタンマンガナイト/セリウム酸化物とし、該組成をLa0.75Sr0.25MnO3/ (CeO2)0.65(Sm2O3)0.175=50/50とした以外は実施例1と同様にした。
【0188】
実施例18、実施例33〜36の電池について、以下に示す発電条件で発電試験を行った。
▲1▼燃料:(H2+11%H2O):N2 = 1:2
▲2▼酸化剤:Air
▲3▼発電温度:800℃
▲4▼電流密度:0.3Acm-2
【0189】
【表7】
表7は800℃で電流密度0.3Acm-2における発電電位の結果を示す。実施例18、実施例33〜36を比較すると実施例35、実施例36のx値になると幾分電位が低くなっていることがわかる。以上の結果から(CeO2)1-2x(Sm2O3)xについては0.05≦x≦0.15の範囲がより好ましいことが確認された。なお、本実施例ではSmのみであるが、GdおよびYについても同様の効果があることを容易に推測することができるので好ましいと考えられた。
【0190】
電極反応層におけるランタンマンガナイトの組成について
(実施例37)
電極反応層の組成およびその重量比率をLa0.75Ca0.25MnO3/90mol%ZrO2-10mol%Sc2O3 =50/50にした以外は実施例1と同様にした。
【0191】
実施例1、実施例37の電池について、以下に示す発電条件で発電試験を行った。▲1▼燃料:(H2+11%H2O):N2 = 1:2
▲2▼酸化剤:Air
▲3▼発電温度:800℃
▲4▼電流密度:0.3Acm-2
【0192】
【表8】
表8は800℃で電流密度0.3Acm-2における発電電位の結果を示す。実施例1と実施例31ではほとんど電位が変わらないことから電極反応層におけるランタンマンガナイトはCaまたはSrを固溶させたランタンマンガナイトのいずれであっても良いことが確認された。
【0193】
電解質材料について
(実施例38)
電解質材料はYSZで、該組成は、92 mol%ZrO2-8mol%Y2O3であること以外は実施例1と同様とした。
【0194】
実施例1、38、比較例1の試験電池(燃料極有効面積:150cm2)を用いて以下に示す発電試験を行った。このときの運転条件は以下であった。
▲1▼燃料:(H2+11%H2O):N2 = 1:2
▲2▼酸化剤:Air
▲3▼発電温度:700〜1000℃
▲4▼電流密度:0.3Acm-2
【0195】
図4に発電温度における発電電位の結果を示す。実施例38は1000℃においてはほぼ同じ電位となるが、900℃以下になると電位低下が見られ700℃程度では実施例1とかなり電位差が大きくなっていることがわかる。しかし、比較例1とは大差がついていることがわかる。以上の結果から、900℃以下の発電温度においては電解質はSSZの方が好ましいが900℃以上ではほぼ同程度であることが確認され、電解質がYSZであっても問題ないことが確認された。
【0196】
実施例1および実施例19および実施例27に示す電極反応層を介在させることによって700℃程度の低温においても0.6V以上の高電位を有する固体電解質型燃料電池を提供することができた。
【0197】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、空気極と電解質の間に少なくとも酸素ガスをイオン化する触媒を含み、連通した開気孔を有する電極反応層を設けることによって、出力性能に優れる固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円筒タイプの固体電解質型燃料電池の断面を示す図である。
【図2】図1に示す固体電解質型燃料電池の空気極、電解質および燃料極構成について詳細に示した断面図である。
【図3】発電温度(横軸)と試験電池の発電電位(縦軸)の関係を示すグラフである。
【図4】発電温度(横軸)と試験電池の発電電位(縦軸)の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:空気極支持体
2:インターコネクター
3:電解質
4:燃料極
5:電極反応層
6:燃料側電極反応層
Claims (18)
- 空気極と、電解質と、燃料極とを備え、前記空気極と前記電解質の間には電極反応層が介在されている固体電解質型燃料電池であって、前記電極反応層は少なくとも酸素ガスをイオン化する触媒を含み、連通した開気孔を有し、前記電極反応層は、ランタンマンガナイトとスカンジアを固溶させたジルコニアが所定の重量比で均一に混合された層、ランタンマンガナイトとセリウム酸化物が所定の重量比で均一に混合された層、ランタンマンガナイトとスカンジアを固溶させたジルコニアとセリウム酸化物が所定の重量比で均一に混合された層からなる群のいずれか1種の混合体であり、且つ700〜900℃の作動温度においても出力性能に優れることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
- 空気極と、電解質と、燃料極とを備え、前記空気極と前記電解質の間には電極反応層が介在されている固体電解質型燃料電池であって、前記電極反応層は少なくとも酸素ガスをイオン化する触媒を含み、連通した開気孔を有し、前記電極反応層は、ランタンマンガナイトとスカンジアを固溶させたジルコニアが所定の重量比で均一に混合された層、ランタンマンガナイトとセリウム酸化物が所定の重量比で均一に混合された層、ランタンマンガナイトとスカンジアを固溶させたジルコニアとセリウム酸化物が所定の重量比で均一に混合された層からなる群のいずれか1種の混合体であり、前記電解質は、イットリアあるいはスカンジアを固溶させたジルコニアであり、且つ700〜900℃の作動温度においても出力性能に優れることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
- 前記電極反応層が有する細孔径が0.1〜10μmであることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
- 前記電極反応層が有する細孔径は、前記空気極が有する細孔径より小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
- 前記電極反応層が有する空隙率が3〜40%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
- 前記電極反応層が有する空隙率は、前記空気極が有する空隙率以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
- 前記電極反応層における厚みが3〜50μmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
- 前記電極反応層における厚みが5〜30μmであることを特徴とする請求項7に記載の固体電解質型燃料電池。
- 前記電極反応層における厚みは、前記空気極における厚みより小さいことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
- 前記電極反応層にはさらに電子導電率が1000℃で10Scm-1以上となる材料が含まれていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
- 前記スカンジアを固溶させたジルコニアにおいて、スカンジアの固溶量が3〜12mol%であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
- 前記スカンジアを固溶させたジルコニアには、さらにCeO2,Gd2O3,Y2O3, Yb2O3などの希土類酸化物および Bi2O3の1種または2種以上の酸化物が固溶され、該酸化物が合計5mol%以下固溶させていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
- 前記電極反応層におけるランタンマンガナイトは、LaAMnO3(但し、A=CaまたはSrのいずれか)で表されるランタンマンガナイトからなることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質型燃料電池。
- 前記電極反応層におけるセリウム酸化物は、一般式(CeO2)1-2X (B2O3)X/2(但し、B=Sm,Gd,Yのいずれか一種、0.05≦X≦0.15)で表されることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質型燃料電池。
- 前記空気極は、LaAMnO3(但し、A=CaまたはSrのいずれか)で表されるランタンマンガナイトであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
- 前記燃料極は、NiOとイットリアを固溶させたジルコニアが所定の重量比で均一に混合された層からなることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
- 前記燃料極と前記電解質の間には、NiOとスカンジアを固溶させたジルコニアが所定の重量比で均一に混合された層からなる燃料側電極反応層が介在されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
- 前記固体電解質型燃料電池におけるインターコネクターは、Caを固溶させたランタンクロマイトであることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
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