JP2003063576A

JP2003063576A - 分与容器

Info

Publication number: JP2003063576A
Application number: JP2002052839A
Authority: JP
Inventors: Keiji Hamamoto; 啓二浜本
Original assignee: Taisei Kako Co Ltd
Current assignee: Taisei Kako Co Ltd
Priority date: 2001-06-15
Filing date: 2002-02-28
Publication date: 2003-03-05
Also published as: US20020190079A1; EP1266840A3; EP1266840A2

Abstract

(57)【要約】【課題】外気遮断容器としてデラミボトルを採用する
ことによって、内容液に防腐剤を添加する必要性をなく
すとともに、吐出口先端の残液の汚染を防止する。【解決手段】デラミボトル２の口部に、柔軟な材質で
成形されたノズル部材３１と、該ノズル部材３１の吐出
口３ａの先端部を閉鎖する弁軸３２とを配置し、ボトル
胴部をスクイズさせて内圧を上昇させると、ノズル部材
３１が変形膨張して該ノズル部材３１の吐出口３ａが容
器外方に移動して、吐出口３ａが開くようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、無菌点眼容器や保
存剤不使用の化粧液容器などに好適に利用できる分与容
器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、液体を収容した各種容器の口
部に装着して、容器内圧が大気圧の状態では閉弁し、容
器内圧が所定圧を超えると開弁する分与弁を有する口栓
構造が、例えば、特開平８−２８２７０４号公報、特開
平８−２８２７０３号公報、米国特許第５２１３２３６
号公報、米国特許第５３３９９９５号公報、米国特許第
５４３９１４３号公報に開示されている。

【０００３】上記した従来の口栓構造は、点眼剤、液体
洗剤並びに液状食品のための分与容器に好適に採用でき
る。この口栓構造を備えた容器は、内容液の漏れを確実
に防止しつつ、必要時には円滑に内容液を吐出できる。

【０００４】また、上記従来の口栓構造においては、内
容液の吐出を終えた後、容器内圧が負圧となって、この
負圧により分与弁が内側に開き、この分与弁から容器内
部に外気を導入して上記負圧が解消される。この容器内
部に導入される外気には、真菌やウィルスなどの病原微
生物が存在しているため、内容液には、その目的や用途
に応じた各種の保存剤が添加されている。

【０００５】しかし、近年、保存剤の副作用による各種
の問題が指摘されている。例えば、保存剤を添加した点
眼液を反復使用すると眼の炎症や損傷を引き起こす可能
性が指摘されているし、また、コンタクトレンズ使用者
の場合には低濃度の保存剤でもアレルギー反応を起こす
ことがあると言われている。また、洗髪剤に含まれる保
存剤には、頭皮の炎症、脱毛が生じる可能性が指摘され
ているものもある。さらに、近年の消費者は、保存剤が
添加されていること自体を嫌う傾向もある。

【０００６】ボトルの吐出流路から内容製剤を吐出・滴
下させる際に、保存剤等の薬効に無関係な添加剤のみを
除去すべく、吐出流路内に保存剤等を除去するためのフ
ィルターを配設した点眼容器が、例えば、特開平４−２
９７２６４号公報及び特開平６−１４９７２号公報に開
示されている。しかし、この従来の点眼容器でも、十分
な殺菌効果を得ることができる量の保存剤を内容製剤に
添加した場合、保存剤の濃度を十分に低くすることはで
きない。即ち、上記従来の点眼容器では、細菌類が外気
とともに内容製剤中に流入する構造であって、その混入
した細菌類を保存剤で殺菌することを前提とするもので
あるから、内容製剤における保存剤の濃度を低くするこ
とができず、その結果、フィルターを透過させてもある
程度の濃度の保存剤が滴下液剤中に残存する。

【０００７】また、実開昭６３−１８４０３７号公報に
は、容器本体部内に収容された点眼薬液が滴下される出
液孔の内部に、点眼薬液は通過させるが細菌及び空気は
透過させ得ない親水性濾過膜を配するとともに、容器本
体部を、その末端部が扁平化されたチューブ形状若しく
は扁平状態に折り畳み可能な形状をもって形成し、この
容器本体部内の容積が、収容された点眼薬液の減少に伴
って減少し得るように構成した点眼容器が開示されてい
る。かかる従来の点眼容器では、容器内部への外気の流
入を完全に阻止することにより、使用時における内容液
剤への細菌類の混入を防止するものであるから、内容液
における保存剤濃度を可及的に低減することが可能であ
る。しかしながら、単層構造の容器本体部の塑性的変形
を要求するものであり、プラスチック材料では成形困難
で、容器本体部をアルミニウムチューブなどにより成形
せざるを得ず、点眼容器の透明性を確保することができ
ない。さらに、使用に伴って容器本体が扁平状に変形す
るものであるため、容器を立てて保管しておくことがで
きず、使用時の利便性も良好なものではない。

【０００８】また、特開平９−１７５５６６号公報や特
開平１０−１６５２２２号公報には、ボトル本体を構成
する外層の内面に該外層から剥離可能な内層を積層形成
して該内層が内容物収容袋を構成する積層剥離ボトル
と、該ボトルの口部に取付けられた口栓とを備え、前記
外層には、内層と外層との間に外気を導入するための通
気孔が設けられ、前記口栓には内層の内部に収容された
内容液を吐出するための吐出路が設けられ、該吐出路に
逆止弁が設けられた分与容器が開示されている。この分
与容器によれば、収容袋内に収容された内容液の減少に
伴って収容袋とボトル本体との間に外気が導入されて収
容袋が収縮していくとともに、逆止弁によって内容液の
逆流や外気が収容袋内に流入することが防止されてい
る。したがって、収容袋内に外気が導入されることなく
内容物を吐出し得るので、内容液に保存剤を添加しない
場合でも、収容袋内の内容液が汚染されることはない。
しかしながら、逆止弁を通り抜けて吐出開口部に残存す
る内容液は外気に曝され、真菌やウィルス等に汚染され
る可能性があり、この汚染された内容液が分与されてし
まう。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、外気
と内容液との完全遮断を行うために積層剥離ボトル（デ
ラミボトル）を採用するとともに、このボトルの口部に
ノズル弁機構付きの口栓を装着することによって、吐出
口の出口側における内容液の残留を極力少なくすること
により、汚染された残液とともに内容液が分与されるこ
とを防止し得る分与容器を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、次の技術的手段を講じた。

【００１１】即ち、本発明の分与容器は、胴部と口部と
を備えるボトル本体と、放出用開口部を有する流体収容
袋と、ボトル本体の口部に設けられた口栓とを備えるも
のである。前記袋は前記本体の前記胴部内部に設けら
れ、前記放出用開口部は前記本体の前記口部に接続する
ことができる。なお、好ましくは、放出用開口部の開口
端部を、前記本体の口部の開口端部に全周にわたって密
接させるのがよい。また、流体収容袋は、その内部の流
体の減少に伴って収縮するものであるが、ボトル本体の
口部内周面の略全面にわたって流体収容袋の放出用開口
部を接着させ、この部分においては収縮変形しないよう
に構成することも可能である。

【００１２】前記本体には、前記本体と前記袋との間に
外気を導入するための通気孔を設けることができる。こ
の通気孔は、ボトル本体の口部の所定位置に所定数設け
てもよく、ボトル本体の胴部側壁部や底部に設けてもよ
い。また、この通気孔には逆止弁を設けることが好まし
いが、常時開口するものであってもよく、この場合は、
使用者が必要時に通気孔を指などで塞げばよい。

【００１３】前記口栓は、前記袋に収容された流体を外
部に吐出するための吐出口を有するノズル部材と、該ノ
ズル部材の前記吐出口を閉塞する閉塞部とを備えること
ができる。この閉塞部はボトル本体の口部に固定するの
が好ましく、ノズル部材は、前記袋の内圧の上昇に応じ
て前記吐出口が前記閉塞部に対して容器外方へ移動して
該閉塞部から離脱するように弾性変形可能に構成するこ
とができる。

【００１４】かかる本発明の分与容器によれば、ノズル
部材を下に向けてボトル本体を押圧変形させ、この押圧
力を直接収容袋にも作用させるか、或いは、ボトル本体
と収容袋の間の空気を加圧してこの空気圧を収容袋に作
用させると、収容袋の内圧が上昇する。すると、収容袋
の内圧の上昇に応じて、吐出口が閉塞部に対して容器外
方へ移動して閉塞部から離脱するようにノズル部材が弾
性変形し、収容袋内部に連通する吐出口が開口され、こ
の吐出口から袋内部の流体が分与される。ボトル本体の
押圧を止めると、ボトル本体が元の形状に復元するとと
もに通気孔から収容袋とボトル本体との間に外気が導入
される一方、吐出口が容器内方へ移動して閉塞部により
閉塞されるようにノズル部材が復元する。このように、
点眼剤などの流体（内容液）が収容袋内に収容され、こ
の流体の減少に伴って収容袋が収縮し、ノズル部材と閉
塞部とが逆止弁として機能することにより収容袋内への
外気の流入が阻止されるので、この収容袋内の流体に保
存剤を添加する必要性はない。一方、収容袋とボトル本
体との間に通気孔を介して外気が導入されることによ
り、収容袋の周囲圧力は大気圧に維持される。したがっ
て、流体の分与時に一時的にボトル本体を押圧変形させ
ても、分与を終えるとボトル本体を元の形状に復元させ
ることが可能となり、流体を使い切るまでボトル本体の
形状を保持可能である。

【００１５】上記本発明の分与容器において、前記閉塞
部は、吐出口に挿入されて該吐出口を閉塞する弁軸によ
り構成できる。また、ノズル部材の内面は、前記袋内部
に負圧が生じるとノズル部材を復元させる方向の引き込
み力をノズル部材に生じさせるように前記負圧が作用す
るように構成され、該内面は、常時、前記袋内部に連通
しているものとすることができる。これによれば、閉塞
部が弁軸により構成されているので、吐出口の閉塞状態
において、吐出口と弁軸とが軸方向に若干ずれてもノズ
ル部材と閉塞部との間の気密性・液密性を確保すること
ができ、不慮に外気が収容袋内に流入したり、内部の流
体が吐出されてしまうことを防止できる。さらに、分与
終了後に吐出口が容器内方へ移動するようにノズル部材
が復元しようとしたときに、ノズル部材と弁軸との間の
摩擦抵抗等によりノズル部材の完全な復元が阻害される
ような場合でも、ノズル部材の内面構造を上述のように
することで、通気孔からの外気導入過程で生じる袋内部
の負圧を有効利用して、ノズル部材を引き込んで確実に
吐出口を弁軸により閉塞させることが可能となる。ま
た、温度上昇や持ち運び時などに容器内圧が所定の小さ
い範囲で上昇しても、弁軸と、該弁軸が挿通される吐出
口の軸長分だけノズル部材が変形しなければ吐出口が開
口されないので、上記圧力上昇を補償して吐出口が開く
ことが防止される。したがって、保管時や取扱い時に不
慮に流体が排出されてしまうことがない。

【００１６】また、上記ノズル部材は、ゴムなどの柔軟
な弾性材料からなるものとすることができる。なお、こ
のノズル部材の全体を変形容易な構造とする必要はな
く、一部の構成部分を薄肉に形成して、この薄肉部分が
主として弾性変形するものであってよい。例えば、ノズ
ル部材は、ボトル本体の口部に内嵌される筒状の基部を
備えることができ、この基部は比較的厚肉に構成するこ
とが可能である。このノズル部材の基部の内側でボトル
口部にはスリーブを内嵌させることができる。そして、
このスリーブによりノズル部材の基部を全周にわたって
ボトル本体の口部に押し付けることによって、ノズル部
材とボトル本体の口部との間の液密性及び気密性を確保
するとともに、ノズル本体の基部をボトル本体の口部に
固定することができる。そして、前記閉塞部は、前記ス
リーブに一体的に設けることができる。これによれば、
スリーブを口部に取り付けることにより、ノズル部材の
固定と、閉塞部の固定とを行わせることができ、構造の
簡素化、部品点数の削減が図られる。

【００１７】また、上記ノズル部材は、ゴムなどの柔軟
な弾性材料からなるとともに筒状の基部を備えており、
ボトル口部にはスリーブが内嵌され、該スリーブに前記
閉塞部が一体的に設けられているとともに、ノズル部材
の基部が閉塞部の周囲でスリーブに気密状かつ液密状に
装着されているものとすることもできる。これによれ
ば、一層の構造の簡素化を図り、組立工程の簡略化を図
ることも可能となる。

【００１８】さらに、上記本発明の分与容器において、
ボトル本体の口部に着脱自在に装着されるキャップを備
えることができる。そして、この装着されたキャップに
より、ノズル部材の外表面を覆うことができる。また、
キャップを口部に装着した状態において、ノズル部材並
びに閉塞部の先端部近傍の外形と、キャップの頂部近傍
の内面形状とが略同一形状であるとともに、該ノズル部
材並びに閉塞部の先端部にキャップが密接しているもの
とすることができる。これによれば、容器の使用後にキ
ャップを装着すれば、このキャップによりノズル部材の
吐出口開口端部が押し込まれるとともに、吐出口の開口
端部に付着した残液を、吐出口の近傍から強制的に押し
退けることが可能となり、かかる残液の汚染が問題とな
らない。より好ましくは、ノズル部材は、先端側に突出
する筒状のノズル部を備えたものとし、このノズル部の
内孔により吐出口を構成し、キャップの内面形状を、ノ
ズル部の外周面全体に密接し得るようにノズル部の外形
と同一形状とすることができ、これによれば、キャップ
を装着すれば、吐出口に付着した残液をその開口端部か
らノズル部の基部（下部）まで強制的に押し退けること
が可能となる。また、好ましくは、ノズル部材の吐出口
開口端部と閉塞部の先端部とが面一となるとともに、キ
ャップの内天面が、ノズル部材の吐出口開口端部と閉塞
部の先端部とに面接するように構成することができ、該
容器の使用後にキャップを装着すれば、このキャップに
よりノズル部材の吐出口開口端部を押し込んで閉塞部の
先端部と面一となるようにし、吐出口の残液をその開口
端部から強制的に押し退けることが可能となる。

【００１９】好ましくは、本発明の分与容器において、
上記ボトル本体の胴部は、その内容積が小さくなるよう
に弾性変形可能であり、該胴部を弾性変形させることに
より前記袋内部が加圧されて、弾性変形されたノズル部
材の吐出口から袋内部の流体が吐出され、前記胴部が弾
性変形状態から元の形状に復元する際にノズル部材が復
元するとともに、通気孔から前記本体と前記袋の間に外
気が導入されるように構成されているものとすることが
できる。

【００２０】

【発明の実施の形態】本発明の分与容器は、ボトル本体
と収容袋とを個別に成形し、その収容袋をボトル本体内
に装着することにより構成することもできるが、好まし
くは、分与容器は、ボトル本体を構成する外層の内面に
該外層から剥離可能に収容袋を構成する内層を積層形成
してなる積層剥離ボトルによって主構成することができ
る。

【００２１】なお、上記通気孔には、ボトル本体と収容
袋との間への外気の流入は許容するが、ボトル本体と収
容袋との間に流入した空気がボトル本体外部に流出する
ことを阻止する逆止弁を設けておくことが好ましく、こ
の逆止弁を設けた場合には、ボトル本体をスクイズ変形
させると、ボトル本体と収容袋との間の空気が圧縮され
て空気圧が向上し、該空気圧により収容袋が圧縮されて
内容液が吐出路から吐出される。かかる逆止弁を通気孔
に設けない場合には、使用者が指などで通気孔を塞いだ
状態でボトル外層をスクイズ変形させればよい。

【００２２】上記積層剥離ボトルは、口部と胴部とを備
える構造に成形することができ、射出ブロー成形法、ダ
イレクトブロー成形法、射出成形法等の適宜の成形法を
用いて成形することが可能である。また、内層プリフォ
ームと外層プリフォームとをそれぞれ個別に成形し、内
層プリフォームを外層プリフォームの内側に挿入してな
る積層パリソンをブロー成形することにより積層剥離ボ
トルを得ることも可能である。該ボトルは、口部及び胴
部の全体にわたって収容袋を構成する内層とボトル本体
を構成する外層との積層構造を有するものとすることが
できる。また、別の実施形態においては、口部と胴部と
を備えて構成したボトル本体の内部に、別途成形したフ
ィルム状の収容袋を挿入しても良い。

【００２３】ボトル口部は、ボトル本体や収容袋の肉厚
を比較的厚くすること等により剛性を持たせることが好
ましい。一方、ボトル胴部では、ボトル本体（外層）は
スクイズ性並びに復元弾性を有し、収容袋（内層）は内
容液の減少に伴って容易に収縮するフィルム状に形成す
るのが好ましい。なお、上記ボトル本体及び収容袋は、
それぞれが単層構造であってもよく、また、それぞれが
更に多層構造であってもよい。

【００２４】収容袋の成形材料としては、ポリエチレン
（ＰＥ）やポリプロピレン（ＰＰ）等のポリオレフィン
の他、適宜の樹脂材料を用いることができる。また、ボ
トル本体の成形材料としては、ポリエチレンテレフタレ
ート（ＰＥＴ）やポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ）
などの飽和ポリエステルの他、適宜の樹脂材料を用いる
ことができる。点眼容器として用いる場合には、透明性
が大きく水分透過量が少なくなるように配慮してボトル
本体や収容袋の成形材料を選定するが、特に収容袋は内
容製剤に直接接するものであるから、耐薬品性の高い樹
脂（例えばＰＥ）を成形材料として採用するのが好まし
く、一方、ボトル本体の成形材料としては、透明性が高
く水分透過の少ない樹脂（例えばＰＥＴや軟質ガラス）
を採用するのが良い。

【００２５】上記通気孔は、ボトル本体の口部に設けて
もよく、胴部に設けてもよく、ボトル底部に設けてもよ
い。該通気孔には逆止弁を設けることができる。この逆
止弁の構造は適宜のものとすることができ、例えば、ボ
トル本体に設けた通気孔に栓状の逆止弁体を嵌め込んで
もよく、また、収容袋を逆止弁として用いることも可能
である。即ち、ボトル本体の通気孔を収容袋によって内
側から閉塞されるようにし、該収容袋の閉塞部分が、ボ
トル本体と収容袋との間の空間に負圧が生じたとき大気
圧によって内方に変形して通気孔を開くようにすること
で、収容袋の一部を逆止弁として作用させることができ
る。上記収容袋の閉塞部は、通気孔を閉塞する状態への
復元弾性を有するものであることが好ましい。さらに、
通気孔をボトル本体の口部に形成し、該通気孔を閉塞す
る収容袋の放出用開口（口部）を収容袋の胴部よりも厚
肉に形成し、この収容袋の口部により通気孔の閉塞部を
構成し、収容袋の胴部が内容液の減少に伴って収縮する
ように構成できる。

【００２６】また、通気孔に逆止弁を設けずとも、ボト
ル本体の胴部をスクイズ変形することによりボトル本体
と収容袋の間に存在する空気を加圧し、該空気圧により
収容袋を周囲から押圧して内容液を吐出路から吐出し得
るように、通気孔を吐出路よりも小径に構成することに
より、ボトル本体の胴部をスクイズ変形させることによ
り内圧を向上させて内容液を吐出路から吐出（滴下）さ
せることが可能となる。即ち、内容液が少なくなった状
態でボトル胴部をスクイズ変形させると、通気孔が例え
ば０．１ｍｍ〜０．５ｍｍ程度の小孔により構成してい
れば、該ボトルの内容積の収縮量が、ボトル本体と収容
袋との間の空気が通気孔から外部に排気される量よりも
大きくなり、結果的にボトル本体と収容袋の間に存在す
る空気が加圧される。すると、この空気圧によって収容
袋が周囲から押圧され、収容袋が収縮変形されて、収容
袋の内部に収容された内容液が口栓の吐出路から吐出さ
れる。この吐出路の実効断面積は、通気孔よりも十分に
大きくなされ、この吐出路から内容液が流出する際の流
動抵抗が、通気孔から排気される空気の流動抵抗よりも
小さくなるように設計することができる。

【００２７】なお、本発明の分与容器は、点眼容器など
の各種薬剤容器の他、化粧品容器、洗剤容器、その他適
宜の容器として実施できる。該容器は、ボトル本体と収
容袋とを備える積層剥離ボトルによって主構成すること
が好ましく、この積層剥離ボトルの口部にノズル部材を
装着し、さらに、ノズル部材を覆うとともにノズル部材
の吐出口の開口端に密着するキャップを着脱自在に装着
することができる。

【００２８】上記ノズル部材は、一部材により形成され
ていてもよく、２以上のパーツを組み合わせて構成され
たものでもよい。また、ノズル部材は、ボトル口部に内
嵌されるものであってもよく、ボトル口部に外嵌される
ものであってもよい。ノズル部材は、上方に突出する小
径筒状のノズル部を備えるものとするのが好ましく、こ
の場合、吐出口は、ノズル部の内孔により構成される。
より好ましくは、ノズル部材は、ボトル口部に内嵌され
る筒状の基部と、上記ノズル部と、該ノズル部と基部と
の間に連設された弾性変形部とを備えるものとし、この
弾性変形部の変形によって吐出口が容器外方へ移動可能
に構成することができる。この弾性変形部の形状・構造
は種々のものとすることができ、蛇腹状に構成したり、
ドーム型に構成したりすることができる。

【００２９】

【実施例】図１及び図２に、本発明の第１実施例に係る
分与容器として点眼容器１を示している。この点眼容器
１は、口部２ａ及び胴部２ｂを備える積層剥離ボトル２
から主構成されている。このボトル２の口部２ａには、
吐出口３ａを備える口栓３、及び、キャップ４０が装着
されている。吐出口３ａは通常時は閉塞しており、使用
者がキャップ４０を取り外して容器１を倒立させてボト
ル２の胴部２ｂを押圧によりスクイズすると、吐出口３
ａが開いてボトル２内部の点眼液剤（流体）が口栓３を
通って、その吐出口３ａから滴下（分与）されるように
なっており、胴部２ｂの押圧を止めると吐出口３ａが再
び閉塞されるようになっている。

【００３０】上記積層剥離ボトル２は、外層を構成する
ボトル本体２１と、内層を構成する流体収容袋２２との
積層構造とされている。なお、本実施例においては分与
容器が積層剥離ボトルにより主構成されているものであ
るから、以下の実施例の説明においてはボトル本体を
「外層」といい、収容袋を「内層」というが、本質的に
積層成形されていないボトル本体や収容袋の構造をも含
むものである。

【００３１】上記内外層２１，２２は、共に円筒状の口
部２１ａ，２２ａと、断面扁平状の胴部２１ｂ，２２ｂ
とを有する。言い換えれば、ボトル口部２ａは外層口部
２１ａと内層口部２２ａとからなり、ボトル胴部２ｂは
外層胴部２１ｂと内層胴部２２ｂとからなる。外層２１
は、例えばＰＥＴやＥＶＯＨなどの硬質合成樹脂により
成形することができ、内層２２は、外層２１に対して容
易に剥離する性質を有する合成樹脂（例えば、ポリエチ
レンなどのポリオレフィン）により成形できる。外層胴
部２１ｂは、短径方向にスクイズ変形させることによ
り、その内容積が小さくなるように弾性変形可能であ
る。なお、上記内層口部２２ａは、液体収容袋の放出用
開口部を構成する。

【００３２】内層口部２２ａの上端は、全周にわたって
外層口部２１ａ上端に係止され、これにより内層口部２
２ａが外層口部２１ａに接続されている。また、外層口
部２１ａの内周に、軸方向に延びるローレット加工部を
周方向に離間して複数設けることができ、これによれ
ば、内層口部２２ａが外層口部２１ａに対して周方向に
相対移動することを防止できる。

【００３３】外層口部２１ａには、外層胴部２１ｂと内
層胴部２２ｂとの間に外気を導入するための通気孔４が
設けられており、本実施例では、直径方向に対向する位
置に２つの通気孔４が形成されている。この通気孔４
は、外層２１の内面側から外面側に貫通して形成されて
おり、内層２２には形成されていない。また、外層口部
２１ａの外周面には、ねじ山２１ｃが形成されている。

【００３４】内層胴部２２ｂはフィルム状を呈してお
り、内容液の減少に伴って容易に収縮変形し得るように
なっている。一方、内層口部２２ａは、その胴部２２ｂ
に比して比較的厚肉に形成されており、円筒形状への復
元性を呈するようにしている。なお、内層胴部２２ｂ
は、非常に薄肉であって外層胴部２１ｂに積層形成され
ているため、図において明瞭に表れてはいないが、外層
胴部２１ｂの内面全体を被覆するように形成されてい
る。

【００３５】外層口部２１ａに形成した通気孔４は、通
常時は、内層口部２２ａによって内側から閉塞されてい
る。而して、内層口部２２ａが通気孔４の閉塞部として
機能し、この内層口部２２ａは、外層胴部２１ｂと内層
胴部２２ｂとの間に負圧が生じたときに大気圧によって
内方に変形して通気孔４を開く逆止弁を構成している。

【００３６】なお、図示していないが、内層２２の底部
中央に、外層２１の底部中央に係止する係止部を形成し
て、内層２２の底部側が上方に捲れ上がることを防止す
ることができる。

【００３７】口栓３は、上記吐出口３ａを有する筒状の
ノズル部材３１と、ノズル部材３１の吐出口３ａを閉塞
する弁軸３２（閉塞部）と、ノズル部材３１並びに弁軸
３２をボトル口部に固定する筒状のスリーブ３３とを備
えている。弁軸３２とスリーブ３３とは接続リブ３４を
介して一体的に設けられており、これら弁軸３２、スリ
ーブ３３及びリブ３４を備えた一体の樹脂製パーツとし
て成形されている。弁軸３２は、ボトル口部２ａの開口
端部よりもその軸心方向に沿って容器外方に突出した位
置に設けられているとともに、弁軸３２の軸心とボトル
口部２ａの軸心とが合致するように構成されている。

【００３８】上記ノズル部材３１は、ボトル本体２の口
部２ａに内嵌される筒状の基部３１ａと、口部２ａの口
上面（開口端面）に当接するフランジ部３１ｂと、基部
３１ａから容器外方（図において上方）に向けて連設さ
れた蛇腹状かつ筒状の弾性変形部３１ｃと、該弾性変形
部３１ｃから容器外方に向けて連設されたノズル部３１
ｄとを備えて、シリコンゴムなどの柔軟な弾性材料によ
り一体成形されている。また、この筒状のノズル部材３
１の軸心が、ボトル口部２ａの軸心方向に沿うように構
成されており、図示例においては、ノズル部３１ｄとボ
トル口部２ａとの軸心が合致するように構成されてい
る。上記吐出口３ａは、ノズル部３１ｄの内孔により構
成され、上記弁軸３２がノズル部３１ｄ内に挿通される
ことにより吐出口３ａが閉塞されるようになっている。
かかる閉塞時には、ノズル部材３１の吐出口３ａ開口端
部と、弁軸３２の先端部とが面一となるとともに、ノズ
ル部材３１並びに弁軸３２の先端部近傍の外形と、キャ
ップ４０の頂部近傍の内面形状とが略同一形状であると
ともに、該ノズル部材３１並びに弁軸３２の先端部にキ
ャップ４０が密接し得るように構成されている。また、
上記スリーブ３３は、基部３１ａの内側でボトル口部２
ａに内嵌され、このスリーブ３３により基部３１ａを全
周にわたって口部２ａ内周面に押し付けており、これに
よりノズル部材３１の基部３１ａとボトル口部２ａとの
間の液密性及び気密性を確保しているとともに、基部３
１ａを口部２ａに固定している。

【００３９】ノズル部材３１の基部３１ａ、フランジ部
３１ｂ並びにノズル部３１ｄの肉厚は比較的厚肉とされ
る一方、弾性変形部３１ｃの肉厚３１ｃは比較的薄肉に
形成されており、この蛇腹状の弾性変形部３１ｃは、軸
方向に伸びるように容易に弾性変形可能となっている。
かかる弾性変形部３１ｃの弾性変形に応じて吐出口３ａ
はその軸方向に沿って容器外方に移動し、弁軸３２から
離脱する。また、弾性変形部３１ｃが復元すると、吐出
口３ａはその軸方向に沿って容器内方に移動し、再び弁
軸３２によって閉塞される。

【００４０】かかるノズル部材３１の弾性変形は、内層
２２の内圧の上昇によって生じる。即ち、ノズル部材３
１の弾性変形部３１ｃの先端側の内面には、容器内方に
向く内圧作用面５が形成されており、内層２２内が加圧
されて内圧が大気圧よりも大きくなると、内圧作用面５
に作用する圧力によってノズル部３１ｄを押し出す力が
生じる一方、通気孔４からの外気導入時のように内層２
２内が負圧になると、内圧作用面５に作用する圧力（負
圧）によってノズル部３１ｄを引き込んでノズル部材３
１を復元させる方向の引き込み力が生じる。この内圧作
用面５は、吐出口３ａの閉塞時においても開口時におい
ても、常時、内層２２内部に連通され、内層２２の内圧
が作用するように構成されている。そして、ノズル部材
３１の弾性変形により、吐出口３ａは弁軸３２の軸方向
に沿って先端側へ移動し、復元の際には基端側へ移動す
る。

【００４１】上記キャップ４０は、外層口部２１ａの外
周部に着脱自在に螺着され、容器１の不使用時にはキャ
ップ４０によりノズル部材３１の周囲を外気から密閉し
て、埃や細菌類の付着を防止する。また、キャップ４０
の内面形状は、非変形状態のノズル部材３１の外面形状
と同様の形状とされ、該キャップ４０の内天面は、面一
状のノズル部３１ｄ並びに弁軸３２の先端部に面接す
る。したがって、使用後のキャップ４０の装着によりノ
ズル部３１ｄを強制的に弁軸３２に押し込んで、吐出口
３ａが完全に弁軸３２により閉塞させ、吐出口３ａの先
端部の残液を押し退け、再度の点眼剤の分与時に残液が
新たな点眼剤に混入することを防止できる。

【００４２】本実施例に係る点眼容器１では、点眼剤を
吐出口３ａから吐出（分与）させるには、キャップ４０
を外した状態で、使用者がボトル２を倒立させてその胴
部２ｂを短径方向から径内方に押圧する。すると、内層
２２の内圧が上昇し、これに応じてノズル部材３１が弾
性変形して吐出口３ａが開き、ノズル部３１ｄ先端から
点眼剤が滴下される。デラミボトル２の押圧を止める
と、外層２１は元の形状に復元するが、ノズル部材３１
が復元変形して吐出口３ａが閉じることにより内層２２
内への外気の流入が生じず、内層２２は元の形状に復帰
せず、点眼剤の減少に伴って収縮していく。一方、外層
２１が元の形状に復帰する際には、外層胴部２１ｂと内
層胴部２２ｂとの間の空間に負圧が生じるから、大気圧
によって内層口部２２ａの通気孔４に対向する部分が径
内方に変形させられ、外層２１の通気孔４が開いて、内
層２２と外層２１との間に通気孔４を介して空気が入り
込む。この際、内層２２内部も負圧となり、内圧作用面
５にかかる負圧が作用することによりノズル部材を復元
変形させようとする力が作用し、確実に吐出口３ａが閉
塞されるようになる。通気孔４から十分な外気が導入さ
れて外層胴部２１ｂが元の形状に復帰すると、内層口部
２２ａ自体の復元性によって上記した内層口部２２ａの
変形が解消されて円筒形状に復帰し、この内層口部２２
ａによって通気孔４が閉塞される。

【００４３】そして、再び使用者がボトル２を押圧する
とき、内層口部２２ａが通気孔４を押し塞いでいるた
め、外層胴部２１ｂと内層胴部２２ｂとの間の空気がボ
トル外へと漏れ出ることがなく、該空気は外層胴部２１
ｂの変形による容積縮小によって圧縮され、この加圧空
気によって内層胴部２２ｂが外側から加圧され、上記と
同様に点眼剤の分与が行われる。

【００４４】上記分与容器によれば、ノズル部材３１と
弁軸３２との逆止弁構造によって内層２２内部への外気
の流入が阻止され、内容液の減少に伴って内層２２は自
然収縮するため、内容液に外気とともに細菌類が混入す
ることが防止される。一方、通気孔４から外層２１と内
層２２との間に外気が流入するため、外層２１を指で押
圧すること等によりスクイズ変形させても、その押圧力
を解除すると外層２１の復元弾性によって元の形状に復
元し、外層形状は内容液が無くなるまで一定形状に維持
される。したがって、上記分与容器１は、使用開始から
使用終了まで外形が一定であり、容器を立てて保管して
おくことができ、使用時の利便性が高いものであるとと
もに、内層２２は内容液の減少に伴って収縮し、内層内
部に外気が流入しないため、保存剤を添加せずとも無菌
状態を確保することができ、さらに、内層や外層の成形
材料として、所要の透明性、ガスバリア性、水分透過性
の良好な樹脂材料を採用することができ、点眼容器や洗
剤用容器などの用途に応じた良好な機能が得られる。

【００４５】図３及び図４は本発明の第２実施例に係る
分与容器１を示しており、上記第１実施例と同様の構成
については同符号を付して詳細説明を省略し、異なる構
成、作用効果について説明する。

【００４６】本実施例においては、ノズル部材３１の弾
性変形部３１ｃがドーム状に形成されており、該ドーム
型弾性変形部３１ｃが細長く伸びるように変形すること
によって、吐出口３ａが容器外方へ移動して弁軸３２か
ら離脱する。また、弁軸３２によって吐出口３ａが閉塞
された状態において、弁軸３２よりも先端側で吐出口３
ａの先端に凹部が残存するように構成されているため、
この凹部に残液が生じるが、キャップ４０の天板部中央
の下面に、キャップ４０を装着したときに上記凹部入り
込んで、該凹部を埋める突起４１が下方突出状に設けら
れている。したがって、かかる構造においても、キャッ
プ４０の装着によりノズル部先端の残液を強制的に押し
退け、残液の汚染を防止できる。

【００４７】図５及び図６は本発明の第３実施例に係る
分与容器１を示しており、本実施例では、ノズル部３１
ｄの肉厚が上記第１実施例よりも厚くなされ、該ノズル
部３１ｄの保形性を向上しているとともに、吐出口３ａ
の口径を比較的小さくし、これに伴い、弁軸３２も細長
いものとしており、その他の構成は上記第１及び第２実
施例と同様であるので、同符号を付して詳細説明を省略
する。

【００４８】図７は本発明の第４実施例に係る分与容器
１を示しており、上記第１実施例と同様の構成について
は同符号を付して詳細説明を省略するとともに、異なる
構成、作用効果について説明する。

【００４９】本実施例の分与容器１では、ノズル部材３
１は、大径筒部３５と小径筒部３６とから二重筒状に構
成された円筒状の基部３７と、該基部３７の上端縁に接
続された球面状の弾性変形部３８とからなる。このノズ
ル部材３１はスリーブ３３の上端縁に装着されており、
ボトル口部２ａに直接装着されてはおらず、スリーブ３
３を介して間接的にボトル口部２ａに装着されている。
また、吐出口３ａは、球面状の弾性変形部３８の中央部
に設けられている。弾性変形部３８は、通常時は図７に
示すようにボトル内方に向けて凸となる態様で吐出口３
ａが弁軸３２（閉塞部）により閉塞されている。そし
て、ボトル内圧が向上すると、弾性変形部３８の下面
（内面）が押圧されて該弾性変形部３８が上方に向けて
弾性変形し、このとき、ボトル外方（上方）に向けて凸
となる態様となり、吐出口３ａが弁軸３２から上方に離
反して、これにより吐出口３ａが開く。一方、弁軸３２
は、基端側（即ち、下端側）に至るにしたがって徐々に
大径となされているため、図７に示す状態のときにボト
ル内部に負圧が生じても、弾性変形部３８の内面に負圧
が作用して下方に引き込まれ、吐出口３ａを弁軸３２に
よってより確実に密封されるようになる。

【００５０】スリーブ３３の上端縁は、リブ３４の基端
部よりも上方に突出されており、この突出部３３ａがノ
ズル部材３１の取付部として機能する。ノズル部材３１
の基部３７は、大径筒部３５と小径筒部３６とにより突
出部３３ａを径方向内外から挟むようにしてスリーブ３
３に接続されており、これによりかかる接続部の気密性
並びに液密性を確保している。

【００５１】本発明は、上記実施例に示した構造に限定
されるものではなく、請求の範囲に記載した技術的思想
に包含される範囲で適宜の変更を行うことができる。

【００５２】

【発明の効果】本発明によれば、簡単な構造でありなが
らも、薬液などの流体を収容する収容袋内に外気が流入
することなく流体の分与が可能であるから、流体に保存
剤を添加せずとも容器内で生活環境に由来する菌が増殖
することがない。さらに、吐出口が容器外方へ移動する
ように弾性変形したノズル部材は、収容袋の内圧が大気
圧に戻ると復元するが、その際、吐出口が容器内方へ移
動してこの吐出口が閉塞部により閉塞され、かかる再閉
塞までに吐出口から分与された流体の殆どはノズル部材
から滴下され、ノズル部材の吐出口先端に残留する流体
は殆ど無いので、吐出口の残液の汚染を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る分与容器を示し、
（ａ）は平面図、（ｂ）はＡ−Ａ線断面図である。

【図２】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図３】本発明の第２実施例に係る分与容器を示し、
（ａ）は平面図、（ｂ）はＣ−Ｃ線断面図である。

【図４】図３のＤ−Ｄ線断面図である。

【図５】本発明の第３実施例に係る分与容器を示し、
（ａ）は平面図、（ｂ）はＥ−Ｅ線断面図である。

【図６】図５のＦ−Ｆ線断面図である。

【図７】本発明の第４実施例に係る分与容器を示す要部
拡大縦断面図である。

【符号の説明】

１分与容器２ボトル２１ボトル本体（外層）２１ａボトル本体の口部２１ｂボトル本体の胴部２２流体収容袋（内層）２２ａ放出用開口部３口栓３ａ吐出口３１ノズル部材３１ａ基部３１ｃ弾性変形部３１ｄノズル部３２閉塞部（弁軸）３３スリーブ４通気孔４０キャップ

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Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】胴部と口部とを備えるボトル本体と、放
出用開口部を有する流体収容袋と、ボトル本体の口部に
設けられた口栓とを備え、前記袋は前記本体の前記胴部
内部に設けられ、前記放出用開口部は前記本体の前記口
部に接続されており、前記本体には、前記本体と前記袋
との間に外気を導入するための通気孔が設けられてお
り、前記口栓は、前記袋に収容された流体を外部に吐出
するための吐出口を有するノズル部材と、該ノズル部材
の前記吐出口を閉塞する閉塞部とを備え、該閉塞部はボ
トル本体の口部に固定され、前記ノズル部材は、前記袋
の内圧の上昇に応じて前記吐出口が前記閉塞部に対して
容器外方へ移動して該閉塞部から離脱するように弾性変
形可能に構成されている分与容器。
【請求項２】請求項１に記載の分与容器において、前
記閉塞部は、吐出口に挿入されて該吐出口を閉塞する弁
軸により構成され、ノズル部材の内面は、前記袋内部に
負圧が生じるとノズル部材を復元させる方向の引き込み
力をノズル部材に生じさせるように前記負圧が作用する
ように構成され、該内面は、常時、前記袋内部に連通し
ていることを特徴とする分与容器。
【請求項３】請求項１又は２に記載の分与容器におい
て、ノズル部材は、ゴムなどの柔軟な弾性材料からなる
とともに、ボトル本体の口部に内嵌される筒状の基部を
備えており、該基部の内側でボトル口部にはスリーブが
内嵌され、該スリーブにより前記ノズル部材の基部を全
周にわたってボトル本体の口部に押し付けることによっ
て、ノズル部材とボトル本体の口部との間の液密性及び
気密性を確保しているとともに、ノズル本体の基部をボ
トル本体の口部に固定しており、前記閉塞部は、前記ス
リーブに一体的に設けられていることを特徴とする分与
容器。
【請求項４】請求項１又は２に記載の分与容器におい
て、ノズル部材は、ゴムなどの柔軟な弾性材料からなる
とともに筒状の基部を備えており、ボトル口部にはスリ
ーブが内嵌され、該スリーブに前記閉塞部が一体的に設
けられているとともに、ノズル部材の基部が閉塞部の周
囲でスリーブに気密状かつ液密状に装着されていること
を特徴とする分与容器。
【請求項５】請求項１乃至４のいずれか１項に記載の
分与容器において、ボトル本体の口部に着脱自在に装着
されるキャップを備え、該キャップを口部に装着した状
態において、ノズル部材並びに閉塞部の先端部近傍の外
形と、キャップの頂部近傍の内面形状とが略同一形状で
あるとともに、該ノズル部材並びに閉塞部の先端部にキ
ャップが密接していることを特徴とする分与容器。
【請求項６】請求項１乃至５のいずれか１項に記載の
分与容器において、ボトル本体の胴部は、その内容積が
小さくなるように弾性変形可能であり、該胴部を弾性変
形させることにより前記袋内部が加圧されて、弾性変形
されたノズル部材の吐出口から袋内部の流体が吐出さ
れ、前記胴部が弾性変形状態から元の形状に復元する際
に、ノズル部材が復元するとともに、通気孔から前記本
体と前記袋の間に外気が導入されるように構成されてい
ることを特徴とする分与容器。