JP2003057469A - 光導波路グレーティング、その形成方法、およびその形成用マスク - Google Patents

光導波路グレーティング、その形成方法、およびその形成用マスク

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 イオン注入の際に生じるイオンの横方向への
広がりを考慮して、高効率な光導波路グレーティングを
作成する為のマスク及びイオン注入法の提供。 【解決手段】 スリット幅とスリット間隔の和がブラッ
グ反射条件を満たすマスク74を介して、加速されたイ
オン75をコア層73に注入することにより、周期的に
複数個の屈折率変化部77を形成することによりグレー
ティングを形成する。マスク74として、マスクされた
部分に照射されたイオンをグレーティングを形成したい
部分に到達させない為に十分な厚さを有するマスクを用
いる。注入されたイオン75のラテラル・ストラグリン
グが、形成するグレーティング77の周期の4分の3以
下となるような加速エネルギーを用いるか、または、注
入されたイオン75がグレーティングを形成したい部分
を完全に通過してしまうような加速エネルギーを用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路グレーテ
ィング(通称:光ファイバグレーティング、Optical Fi
ber Grating,OFG)、および光導波路グレーティング
形成方法、並びに光導波路グレーティング形成用マスク
に関し、特に光導波路(光ファイバ、石英系ガラスや半
導体材料、強誘電体材料、磁性体材料などによって形成
された平板型光導波路を含む)に高エネルギーで加速さ
れたイオンを注入することにより誘起される屈折率上昇
を用いて、光導波路の光導波部(光ファイバにおいての
通称:コア)に周期的な屈折率変化を形成し、光導波路
グレーティングを形成するための、マスク設計、並びに
イオン注入方法の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバグレーティング(OFG)の
種類としては、ブラッググレーティング(Fiber Bragg
Grating,FBG)と、長周期グレーティング(Long Per
iod Grating,LPG)の2種類がある。
【0003】ブラッググレーティング(FBG)は、図
15に示すように、光導波路(光ファイバ)の光導波部
3中を伝搬する光に対し、周期的に形成された屈折率変
化部5により、その周期に対しブラッグ条件を満足する
波長の光を反射(ブラッグ反射)することにより、波長
依存性のある光導波路型ミラーとして働く。また、反射
された光は前方には伝搬しない為、波長選択性のあるフ
ィルターとしても用いられる。一般的には屈折率変化部
5の周期が約0.5μm程度で作製されている。
【0004】一方、長周期グレーティング(LPG)
は、屈折率変化部5の周期が数100μm〜数mmであ
り、光導波部3を伝搬してきた光の一部とクラッド4か
ら光導波路外部へ逃げていく光とを結合させ、上記波長
の光のみ光導波路内から取り除くフィルターとして働
く。すなわち、以下の条件を満たす伝搬光をクラッド4
に逃がす。
【0005】 β01−βc1=2π/Λ …(1) β01は光導波部3の伝搬定数、βc1はクラッド4の
伝搬定数、Λは格子周期である。
【0006】現在、光ファイバグレーティング(OF
G)の作成には、主に光導波路の光導波部に紫外光を格
子状に照射し、その照射により誘起された屈折率変化を
用いている。図15に紫外レーザー光によるOFGの代
表的な作成方法を示す。位相マスクと呼ばれるマスク2
を用い、紫外線レーザー光1により干渉光を作り出し、
その干渉光を、光ファイバ6の光導波部3に照射するこ
とにより周期的に複数の屈折率変化部5を形成すること
により、OFGを作成する(米国特許US510420
9)。
【0007】しかしながら、紫外光照射法では、紫外光
照射により屈折率変化を生じる特別な光導波路にしか光
ファイバグレーティングが形成出来ないという欠点があ
った。また、紫外光照射法では、紫外光照射により屈折
率変化を生じる光導波路においても、高効率な光ファイ
バグレーティング作成の為、さらに屈折率変化を生じや
すくさせる為に、約200気圧の水素ガス中に長時間
(通常2週間)、光導波路を放置し、紫外光に対する反
応性を上げる必要があり、工程が煩雑であった。
【0008】この紫外レーザー光照射に替わる技術とし
て、イオン注入によるOFGの形成方法が、本願発明者
の藤巻他、またはClapp他により既に出願されてい
る(特願平11−224272号、米国特許US611
5518)。また、同様に藤巻他により論文報告もなさ
れている[(文献1:Makoto Fujimaki et al.“Fabric
ation of long-period optical fiber gratings by use
of ion implantation”Optics Letters Vol.25,No.2,
p.88-89,January 15, 2000.),(文献2:Makoto Fuji
maki et al.“Ion-implantation-induced densificatio
n in silica-based glass for fabrication of optical
fiber gratings”Journal of Applied Physics Vol.8
8,No.10,p.5534-5337, November 15, 2000.)]。
【0009】特願平11−224272号では、図16
に示すように、所望のOFGの形状と同じ形状を有する
マスク7を用い、クラッドを介して光ファイバのコア3
にイオンを照射し、このイオン照射により誘起される高
密度化に伴って生じる複数個の屈折率変化部20により
形成されたLPGの作成例を挙げている。さらに同様の
方法にて、FBGの作成の可能性も挙げている。
【0010】しかしながら、この方法では、光導波路中
に高効率なFBGを形成することは非常に困難である。
その理由は、イオンの広がりにある。イオンは物質中に
注入されると、物質中の原子による散乱により放射状に
広がる。その広がりはイオンが物質中を通過する距離
(飛程)が長くなるほど大きくなる。特願平11−22
4272号に開示されている、イオン注入によるLPG
の作成においては、屈折率変化の周期は、イオンの横方
向への広がりに対し数10〜数100倍以上と長いた
め、イオンの横方向への広がりは無視できた。しかし、
クラッドを介してイオンを注入し、光導波路の光導波部
にFBGを形成する場合、イオンがクラッドを通過する
間に大きく散乱され、イオンの広がりが所望のFBGの
屈折率変化の周期と同程度または、FBGの周期よりも
大きい場合が生じる。よって、この広がりを考慮したイ
オン注入条件を見出す必要があった。
【0011】米国出願US6115518では、シリカ
ガラスを主成分とする平板型光導波路の作製プロセスに
おいて、下部クラッドとなる基板上にコア層を半分形成
した後、このコア層の表面にイオン注入しグレーティン
グを形成する。その後、上半分のコア層を堆積し、コア
層を所望の導波路形状に整形後、その上に上部クラッド
を堆積する方法である。この技術においては、注入イオ
ンはGeイオンまたはPイオンを用いており、これらの
イオンがガラス中の原子と結合することにより生じる屈
折率上昇を用いて、FBGを形成している。本手法にお
ける屈折率上昇部の厚さはイオンのガラス内での分布と
等しく、100nm程度である。
【0012】この方法では、イオンの飛程が数100n
mオーダーと、非常に小さい場合しか対象としていない
為、イオンの広がりに関しては、全く考慮されていな
い。しかし、本手法の様にイオンの飛程が小さいイオン
注入条件を用いる手法においても、やはりイオンの横方
向への広がりを考慮しなければ、隣り合う格子同士の重
なりが生じてしまい、FBGの性能が劣化してしまう。
また、この手法では、イオンの飛程が小さい為、屈折率
上昇部は、下部コア層の表面付近にしか形成されておら
ず、しかも、その厚さは100nm程度と非常に薄い。こ
の厚さを厚くすれば、FBGの効率を上げられるが、こ
の手法においては、イオンの飛程が小さいこと、及びコ
アを2段階で形成し、1段階目のコア層表面にしか格子を
形成しないことから、事実上、縦方向に厚い格子は形成
できない。
【0013】本願発明者の藤巻他による上記の文献2で
は、イオン注入によるFBGの作成において、FBGの
周期よりもイオンの横方向の広がりを小さくするため
に、クラッドの薄い光導波路を用いたり、イオン注入の
際、横方向への広がりの小さいイオン、つまり重いイオ
ンを用いる必要があると予測している。しかしながら、
実際には、クラッドが薄い場合や重いイオンの場合で
も、イオンの横方向への広がりは存在する為、隣り合う
格子同士の重なりを生じ、FBGの特性の劣化を生じ
る。また、重いイオンは、クラッドを通過させて光導波
部に到達させる為に、数10〜数100MeV以上のエ
ネルギーでイオンを加速する必要があり、50MeVを
超える加速エネルギーが必要な場合、イオン加速器が高
価になりすぎて工業的(実用的)ではない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、こ
れまでに提案されたイオン注入法では、数十μmの厚い
クラッドを有した光導波路に対しては、FBGは作成で
きないという解決すべき課題がある。また、クラッドが
薄い場合、又はクラッドが存在しない場合でも、イオン
注入では効率のよいFBGが形成できないという解決す
べき課題がある。
【0015】本発明は、上述のような状況に鑑みなされ
たもので、その目的は、光導波路へのイオン注入の際に
生じるイオンの横方向への広がりを考慮して、所望の特
性を有する高効率なFBGを作成する為のマスク及びイ
オン注入法、並びにそのマスク、イオン注入法を用いて
作成された高効率なFBGを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光導波路グレーティングは、光導波路の光
導波部または該光導波路中を伝搬する光の電界分布が広
がっている光導波部周辺に形成されたグレーティングで
あって、加速されたイオンをマスクを介して前記光導波
部または光導波部周辺に注入することにより、当該光導
波部または光導波部周辺に形成された周期的屈折率変化
部により構成され、前記マスクとして、その厚さが、マ
スクされた部分に照射された前記イオンを前記光導波部
に到達させない為に十分な厚さを有したマスク、または
該マスクのスリットを構成する凹部に対する凸部の高さ
が、凸部に照射された前記イオンを前記光導波部に到達
させない為に十分な高さを有したマスクを用いたことを
特徴とする。
【0017】また、本発明の光導波路グレーティング
は、光導波路の光導波部または該光導波路中を伝搬する
光の電界分布が広がっている光導波部周辺に形成された
グレーティングであって、加速されたイオンをマスクを
介して前記光導波部または光導波部周辺に注入すること
により、当該光導波部または光導波部周辺に形成された
周期的屈折率変化部により構成され、前記マスクとし
て、その厚さが、マスクされた部分に照射された前記イ
オンを前記光導波路中で前記グレーティングを形成した
い部位に到達させない為に十分な厚さを有したマスク、
または該マスクのスリットを構成する凹部に対する凸部
の高さが、凸部に照射された前記イオンを前記光導波路
中で前記グレーティングを形成したい部位に到達させな
い為に十分な高さを有したマスクを用いたことを特徴と
する。
【0018】ここで、好ましくは、前記マスクは、その
厚さが注入された前記イオンの飛程よりも薄く、または
該マスクのスリットを形成する凹部に対する凸部の高さ
が前記イオンの飛程よりも薄いとすることができる。
【0019】上記目的を達成するため、本発明の光導波
路グレーティング形成方法は、加速されたイオンをマス
クを介して光導波路の光導波部または該光導波路中を伝
搬する光の電界分布が広がっている光導波部周辺に注入
することにより、当該光導波部または光導波部周辺に光
導波路グレーティングとなる周期的屈折率変化部を形成
し、前記マスクとして、その厚さが、マスクされた部分
に照射された前記イオンを前記光導波部に到達させない
為に十分な厚さを有したマスク、または該マスクのスリ
ットを構成する凹部に対する凸部の高さが、凸部に照射
された前記イオンを前記光導波部に到達させない為に十
分な高さを有したマスクを用いたことを特徴とする。
【0020】また、本発明の光導波路グレーティング形
成方法は、加速されたイオンをマスクを介して光導波路
の光導波部または該光導波路中を伝搬する光の電界分布
が広がっている光導波部周辺に注入することにより、当
該光導波部または光導波部周辺に光導波路グレーティン
グとなる周期的屈折率変化部を形成し、前記マスクとし
て、その厚さが、マスクされた部分に照射された前記イ
オンを前記光導波路中で前記光導波路グレーティングを
形成したい部位に到達させない為に十分な厚さを有した
マスク、または該マスクのスリットを構成する凹部に対
する凸部の高さが、凸部に照射された前記イオンを前記
光導波路中で前記光導波路グレーティングを形成したい
部位に到達させない為に十分な高さを有したマスクを用
いたことを特徴とする。
【0021】上記目的を達成するため、本発明の光導波
路グレーティング形成用マスクは、上記のいずれかに記
載のマスクであって、該マスクは平板上にスリットに対
応する凹部、およびスリット形成部に対応する凸部を周
期的に複数個形成したマスクであることを特徴とする。
【0022】また、本発明の光導波路グレーティング形
成用マスクは、上記のいずれかに記載のマスクであっ
て、該マスクは平板上にスリットに対応する開口穴を周
期的に複数個形成したマスクであることを特徴とする。
【0023】ここで、好ましくは、前記マスクは幅が5
0nm〜5μmのスリットを、50nm〜5μmの間隔
で複数個配置した格子状マスクであるとすることができ
る。
【0024】また、好ましくは、前記マスクは、スリッ
トに対応する前記凹部、又は前記開口部に、マスクに用
いた材料よりもイオン阻止能の低い材料を埋め込んだマ
スクであるとすることができる。
【0025】また、好ましくは、前記マスクは、スリッ
トの幅とスリット形成部の幅の和がフィルタリングすべ
き光導波路中の光のブラッグ反射条件を満たすマスクで
あるとすることができる。
【0026】また、好ましくは、前記マスクは、金属材
料、半導体材料、セラミック材料、ポリマー材料、又は
これらの複合により形成されたマスクであるとすること
ができる。
【0027】また、好ましくは、前記マスクは、光導波
路クラッド表面に、スリット及びスリット形成部に対応
する格子状に金属材料、半導体材料、セラミック材料、
又はポリマー材料を塗布、堆積、又は蒸着することによ
り形成されたマスクであるとすることができる。
【0028】また、好ましくは、前記マスクは、クラッ
ドを形成する前の光導波路コア層表面に、スリット及び
スリット形成部に対応する格子状に金属材料、半導体材
料、セラミック材料、又はポリマー材料を塗布、堆積、
又は蒸着することにより形成されたマスクであるとする
ことができる。
【0029】また、好ましくは、前記マスクは、研磨又
はエッチングにより、スリット及びスリット形成部に対
応する周期的な凹凸を光導波路クラッド表面に付与する
ことにより形成されたマスクであるとすることができ
る。
【0030】上記目的を達成するため、本発明の別の態
様の光導波路グレーティングは、光導波路の光導波部ま
たは該光導波路中を伝搬する光の電界分布が広がってい
る光導波部周辺に形成されたグレーティングであって、
加速されたイオンをマスクを介して前記光導波部または
光導波部周辺に注入することにより、当該光導波部また
は光導波部周辺に形成された周期的屈折率変化部により
構成され、前記イオンの注入時に、該イオンの前記光導
波路内でのラテラル・ストラッグリングが、形成する前
記周期的屈折率変化部の周期の4分の3以下になるよう
に、該イオンの加速エネルギーが選択されたことを特徴
とする。
【0031】また、本発明の別の態様の光導波路グレー
ティングは、光導波路の光導波部または該光導波路中を
伝搬する光の電界分布が広がっている光導波部周辺に形
成されたグレーティングであって、加速されたイオンを
マスクを介して前記光導波部または光導波部周辺に注入
することにより、当該光導波部または光導波部周辺に形
成された周期的屈折率変化部により構成され、前記イオ
ンの注入時に、該イオンの一部又は全部が前記周期的屈
折率変化を形成したい部分を完全に通過してしまうよう
な加速エネルギーが前記イオンに対して選択されたこと
を特徴とする。
【0032】ここで、好ましくは、前記イオンの加速エ
ネルギーを変化させて該イオンを注入することにより、
前記光導波部及び光導波部周辺に前記周期的屈折率変化
が形成されているとすることができる。
【0033】また、好ましくは、前記イオンのビームを
前記光導波路の長手方向にスキャンしながら照射し、該
スキャンスピードに変化をつけ、該光導波路の長手方向
において前記周期的屈折率変化の変化量にアポダイゼー
ションが与えられているとすることができる。
【0034】また、好ましくは、前記イオンを薄膜に入
射し、該薄膜で散乱により分散させた後、分散した該イ
オンのビームを前記マスクを介して光導波路に照射する
ことにより、該グレーティングの中心部及び両端部での
イオン注入量に分布が出来るようにして、前記周期的屈
折率変化の変化量にアポダイゼーションが与えられてい
るとすることができる。
【0035】また、好ましくは、アポダイゼーションが
既に形成されている前記グレーティングに対して、イオ
ンビームを前記光導波路の長手方向にスキャンしながら
照射し、該スキャンスピードを当該グレーティングの中
心部および両端部で変化させることで、該グレーティン
グ中の平均屈折率が一定となっているとすることができ
る。
【0036】また、好ましくは、アポダイゼーションが
既に形成されている前記グレーティングに、イオンビー
ムを薄膜に入射して、該薄膜で散乱により分散させるこ
とにより当該グレーティングの平均屈折率分布とは逆の
分布を持ったイオンビームを形成したあと、該イオンビ
ームを光導波路に照射することにより、当該グレーティ
ングの両端部の平均屈折率と中心部での平均屈折率が一
定となっているとすることができる。
【0037】上記目的を達成するため、本発明の別の態
様の光導波路グレーティング形成方法は、加速されたイ
オンをマスクを介して光導波路の光導波部または該光導
波路中を伝搬する光の電界分布が広がっている光導波部
周辺に注入することにより、当該光導波部または光導波
部周辺に光導波路グレーティングとなる周期的屈折率変
化部を形成し、前記イオンの注入時に、該イオンの前記
光導波路内でのラテラル・ストラッグリングが、形成す
る前記周期的屈折率変化部の周期の4分の3以下になる
ように、該イオンの加速エネルギーを選択したことを特
徴とする。
【0038】また、本発明の別の態様の光導波路グレー
ティング形成方法は、加速されたイオンをマスクを介し
て光導波路の光導波部または該光導波路中を伝搬する光
の電界分布が広がっている光導波部周辺に注入すること
により、当該光導波部または光導波部周辺に光導波路グ
レーティングとなる周期的屈折率変化部を形成し、前記
イオンの注入時に、該イオンの一部又は全部が前記周期
的屈折率変化を形成したい部分を完全に通過してしまう
ような加速エネルギーを選択するイオン注入方法を用い
たことを特徴とする。
【0039】ここで、好ましくは、前記イオンの加速エ
ネルギーを変化させて該イオンを注入することにより、
前記光導波部及び光導波部周辺に前記周期的屈折率変化
を形成するイオン注入方法を用いたとすることができ
る。
【0040】また、好ましくは、前記イオンのビームを
前記光導波路の長手方向にスキャンしながら照射し、該
スキャンスピードに変化をつけ、該光導波路の長手方向
において前記周期的屈折率変化の変化量にアポダイゼー
ションを与えるイオン注入方法を用いたとすることがで
きる。
【0041】また、好ましくは、前記イオンを薄膜に入
射し、該薄膜で散乱により分散させた後、分散した該イ
オンのビームを前記マスクを介して光導波路に照射する
ことにより、該グレーティングの中心部及び両端部での
イオン注入量に分布が出来るようにして、前記周期的屈
折率変化の変化量にアポダイゼーションを与えるイオン
注入方法を用いたとすることができる。
【0042】また、好ましくは、アポダイゼーションが
既に形成されている前記グレーティングに対して、イオ
ンビームを前記光導波路の長手方向にスキャンしながら
照射し、該スキャンスピードを当該グレーティングの中
心部および両端部で変化させることで、該グレーティン
グ中の平均屈折率を一定にするイオン注入方法を用いた
とすることができる。
【0043】また、好ましくは、アポダイゼーションが
既に形成されている前記グレーティングに、イオンビー
ムを薄膜に入射して、該薄膜で散乱により分散させるこ
とにより当該グレーティングの平均屈折率分布とは逆の
分布を持ったイオンビームを形成したあと、該イオンビ
ームを光導波路に照射することにより、当該グレーティ
ングの両端部の平均屈折率と中心部での平均屈折率を一
定にするイオン注入方法を用いたとすることができる。
【0044】また、好ましくは、前記イオンビームを前
記光導波路の長手方向にスキャンしながら照射し、該イ
オンのビーム径よりも長い光導波路グレーティングを形
成するとすることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明は、イオン注入を用いて、
光導波路(光ファイバ、石英系ガラスや半導体材料、強
誘電体材料、磁性体材料などによって形成された平板型
光導波路を含む)の光導波部中及び光導波部付近に周期
的な格子状の屈折率変化(光ファイバグレーティング、
OFG)を形成するに際し、光導波路にイオンを注入し
た際に生じるイオンの横方向への広がりを考慮し、所望
の特性を有するFBGを実現する為のマスク形状、及び
そのマスクを用いてFBGを作製する場合のイオン注入
条件を提供する。具体的には、マスクされた部分に照射
されたイオンを光導波路中でグレーティングを形成した
い部位に到達させない為に十分な厚さを有した格子状マ
スクを介して、イオンのラテラル・ストラグリングが、
形成するOFGの周期の4分の3以下となるように、ま
たは、イオンが光導波路内において、OFGを形成した
い部分を完全に通過してしまうように、光導波路に注入
することにより、イオンの横方向への広がりの影響を小
さくし、形成される屈折率変化に大きなコントラストを
付与することにより、高効率なFBGを実現する。
【0046】以下、図面を参照して本発明の実施形態を
詳細に説明する。
【0047】[マスクの特徴]本発明の実施形態で用い
るマスクは、例えば図1や図2に示す様な格子形状のマ
スク100である。ただし、このマスクの外形は四角形
で無くても良い。格子の本数は所望のFBGの反射/透
過率や反射/透過スペクトルの幅により決定される。格
子数が少ないと反射/透過率は小さく、反射/透過スペ
クトル幅は広くなる。格子数を増やすと反射/透過率は
大きくなり、反射/透過スペクトル幅は狭くなる。
【0048】[マスクの格子形状]本発明によるマスク
の格子形状を説明する。スリット幅Sは50nm〜5μ
mとする。スリット幅Sが広いとFBGの格子周期を広
げるのみであり、FBGの効率を下げることから、スリ
ット幅Sは出来る限り狭い方が良い。マスクのパターン
は、電子線描画、フォトリソグラフィー、X線リソグラ
フィーなどの、微細加工技術にて行なう。これらの微細
加工技術を用いると、例えば電子線描画では20nm程
度の加工は可能であるが、その形成は実際上困難であ
り、マスクが高価になってしまう。そこで、本願発明者
は、そのスリット幅Sは50nm〜5μmとすることが
最適であるということを見出した。
【0049】スリット間隔Lも同様の理由から50nm
〜5μmとすることが最適である。また、本発明におけ
るマスクの周期、つまり形成されるFBGの周期ΛはS
とLの和となる。よって、S+Lは所望のブラッグ反射
条件を満たすように設計する。
【0050】FBGの格子周期Λはブラッグ反射条件よ
り、一般に Λ=λ×N/2n …(2) となる。ここで、λは反射すべき光の真空中での波長、
Nは1以上の整数、nはFBGが形成されている光導波
路の光導波部内での波長λの光の伝搬モードの実行屈折
率である。一般的なシリカガラス製の光導波路における
実効屈折率n=1.46において、波長λ=1.55μ
mの反射を得るN=1のFBGの周期Λは0.53μm
となる。また、Nが2以上の場合、つまり周期Λが0.
53μmの整数倍であっても、波長λ=1.55μmの
反射は得られる。ただし反射効率はNが大きくなるにつ
れ減少する為、N=1のFBGと同等の効率を得る為に
は、FBGを形成する格子の本数を増やす必要がある。
FBGの長さは格子周期Λと格子の本数の積で与えられ
る為、Nが増加するにつれてFBGは長くなる。
【0051】マスク100は、図1に示す様に、スリッ
ト部が完全に空いている開口穴110のものと、図2に
示す様に、一定の厚さの板の上にスリット部に対応する
凹部120が形成されているもののいずれかとする。マ
スク100は上記の様に、スリット間隔、スリット部1
10及び120の太さが全て数μm程度と非常に細い
為、歪み易いので、補強のためにスリット部110及び
120に、マスクに用いた材料よりイオン阻止能の低い
材料、つまりイオンを通過させやすい材料を埋め込み補
強してもよい。マスク100の厚さh及びh′は、本来
なら注入イオンを遮蔽するだけの厚さが望ましいが、実
際にはマスクされた部分に照射された注入イオンをグレ
ーティングを形成したい部分、例えば光導波部、に到達
させないだけの厚さがあれば十分であることを本願発明
者は見出した。
【0052】h及びh′がイオンの飛程以上の厚さであ
れば、マスク100によって、イオンを十分遮蔽でき
る。しかしながら、hやh′を厚くすると、マスク10
0が高価になる。光導波部中にグレーティングを形成し
たい場合、h及びh′はマスクされた部分に照射された
注入イオンを光導波部に到達させないだけの厚さがあれ
ば、図3に示すように、注入したイオンが光導波路の光
導波部210に到達する条件でイオンを注入すれば、マ
スクされた部分を通過してきた不要なイオンはクラッド
220中に停止し、よって光導波部210中に屈折率変
化部300が形成でき、FBGを作製できる。例えば、
クラッドの半径が60μm、光導波部の直径が9μmの
シリカガラス系光ファイバにおいて、光導波部の中心に
水素イオンを注入する場合には、シリカガラスを材料と
したマスクなら、厚さ約7μm、金を材料としたマスク
なら、厚さ約2μmとなる。クラッドや光導波部が更に
薄い場合はマスクも更に薄くてよい。つまり、本発明に
よるこのイオン注入手法は、クラッド部220をマスク
の一部とする、従来ではなかった方法である。
【0053】上記マスク100の形成には、加工技術が
発達している金属材料、半導体材料、セラミック材料あ
るいはポリマー材料を用いる。
【0054】次に、上述の様なクラッドを、マスクの一
部として用いる方法の変形例を、図4に示す。図4の
(A)、(B)に示すように、光導波路クラッド220
上に、照射されたイオンを光導波部に到達させない為に
十分な高さを有する凹凸を形成しマスク100とするこ
とも出来る。この場合、クラッド表面220に金属(ま
たは、半導体材料、セラミック材料、又はポリマー材料
でもよい。)130を格子状に塗布、堆積、又は蒸着し
てマスク100とする方法と、クラッド自身を研磨又は
エッチングしてクラッド自身に格子形状140を付与す
ることによりマスク100とする方法の2つの手法が考
えられる。
【0055】[イオン注入条件]シリカガラス(石英ガ
ラスとも呼ばれる)を主成分とするガラスにイオンを注
入すると、高密度化が生じ、その為、屈折率上昇が起こ
る。この誘起屈折率の上昇量はイオンが停止した位置付
近で一番大きい。よって、シリカガラスを主成分とする
光導波路では、イオンが停止した部分での屈折率上昇を
用いてFBGを作製することが最も効率が良い。しかし
ながら、この部分はイオンの横方向への広がりの影響を
最も受ける部分である。よって、イオンの横方向への広
がりの影響を小さくし、隣り合う格子同士の重なり合い
を防ぎ、高効率なFBGを作製するイオン注入方法とし
て、本願発明者は、イオン注入時に、イオンの光導波路
内でのラテラル・ストラッグリング(LS)が、形成する
FBGの周期Λの4分の3以下になるようにエネルギー
を選択するイオン注入方法を見出した。
【0056】本手法の実施例を以下に説明する。まず、
シリカガラスを主成分とした光導波路中に、N=1のF
BG、つまり周期0.53μmのFBGを形成する場合
を説明する。図5の(A)はスリット幅0.2μm、ス
リット間隔0.33μmのマスクを介して、300ke
Vで水素イオンをシリカガラスに注入した際、高密度化
が生じた所を黒点で表したものである。黒点が密な所は
屈折率変化が大きく、疎な所は変化が小さい。図5の
(B)中の実線は、この水素イオンが停止した位置付近
に誘起される屈折率増加量を示している。
【0057】ここで、イオンが停止した位置付近とは、
図5の(A)中の破線四角枠で囲った部分である。30
0keVでシリカガラスに注入された水素イオンのLS
は0.26μmであり、FBGの周期0.53μmの約
2分の1である。図5の(A)では、隣り合う格子の重
なりが見られるが、図5の(B)に見られるように、実
際には明瞭な格子状の屈折率分布が得られ、FBGが形
成できることが分かる。
【0058】ここでは、マスクのスリット幅を0.2μ
mとしたが、よりスリット幅が狭いマスクを用いれば、
さらに明瞭な格子形状の屈折率変調が得られる。
【0059】図5の(B)中の破線は、スリット幅0.
1μm、スリット間隔0.43μmのマスクを介して、
500keVで水素イオンをシリカガラスに注入した
際、イオンが停止した位置付近に誘起される屈折率増加
量を示している。500keVでシリカガラスに注入さ
れた水素イオンのLSは0.38μmであり、FBGの
周期0.53μmの約4分の3である。同図から分かる
ように、格子状の屈折率変調の高さ、つまり図中のΔn
は、イオン注入で誘起された屈折率変化量の最大値nの
20%程度である。イオン注入では、シリカガラス中に
最大0.01程度の屈折率上昇が誘起出来る。つまり、
nは0.01まで得られ、この時のΔnの量はnの20
%、つまり0.002となる。FBG作製のためにはΔ
n=0.001有れば十分であるので、この条件でのイ
オン注入でも、FBGが形成できることが分かる。
【0060】300keVの水素イオンによって、シリ
カガラスを主成分とする平板型光導波路へ周期Λが0.
53μmのFBGを作製する場合について説明する。3
00keVの水素イオンの飛程は図5の(A)に見られ
る様に、約3μmであるので、10μm以上のクラッド
が存在する場合は、コア中、又はコア中を伝搬する光の
電界分布が広がっているコア周辺のクラッドにFBGの
形成は出来ない。よって、ここではクラッドが無い状態
で、グレーティングを形成した後、クラッドを形成する
工程を説明する。
【0061】作製プロセスは以下の様に構成される。ま
た、この作製プロセスを図6に示す。 SiやSiOなどの基板71上に、シリカガラスを
主成分とする厚さ20μmの下部クラッド72を形成す
る(図6の(A)の工程)。 その上に、厚さ6μmのシリカガラスを主成分とする
コア層73を堆積する(図6の(A)の工程)。 前述のマスク条件を満たすマスク74を介して、水素
イオン75を注入する(図6の(B)の工程)。 コア層73をリアクティブイオンエッチング(RIE)
などにより所望の導波路形状に加工する(図6の(C)
の工程)。 シリカガラスを主成分とする上部クラッド76を形成
する。(図6の(D)の工程)
【0062】ここで、マスク74のスリット幅は0.2
μm、スリット形成部の幅は0.33μmとした。マス
ク74は金製で、厚さは1.5μmである。このマスク
74によりスリット形成部に照射された300keVの
水素イオンは十分遮蔽される。マスクは、図1や図2に
示したような、外付けのマスクでも良いし、コア層表面
にスリット及びスリット形成部に対応する格子状に金属
材料、半導体材料、セラミック材料、又はポリマー材料
を塗布、堆積、又は蒸着することにより形成しても良
い。
【0063】イオン注入により、図6のコア層73の表
面から3μmの深さ、つまりコアの中心部に複数の屈折
率変化部77によるグレーティングが形成される。イオ
ン注入により誘起された屈折率変調は図5の(B)中の実
線で示されている。この屈折率変化部77によるグレー
ティングを含むコア層73をRIEによって、図6の
(C)の工程に示す様に、所望の導波路形状に加工した
後、図6の(D)の工程の様に、上部クラッド76を堆
積することにより、FBGが得られる。クラッド及びコ
アはCVD(化学気相堆積)法又はFHD(火炎堆積)
法により形成する。
【0064】上部クラッドの堆積工程は400℃以上の
高温で行なわれる。よって、上部クラッド76を形成す
る際に、基板71には400℃以上の熱が加わる。シリ
カガラスにおけるイオン注入誘起高密度化による屈折率
上昇は500℃で2時間加熱しても10%程度しか減少
せず、800℃、2時間の熱処理でも、50%程度の減
少であるので、上部クラッド形成時にも、FBGは十分
その特性を保つことが出来る。上記方法において、の
イオン注入プロセスは、の導波路形状加工後に行なっ
ても、全く同等の結果を得る。
【0065】以上では水素イオンを用いたが、注入イオ
ンは他の原子のイオンでも良い。図7は水素(H)、ヘ
リウム(He)、ホウ素(B)、窒素(N)、酸素
(O)の進入深さとその時のLSの関係を示す図であ
る。周期0.53μmのFBGを形成する際、窒素や酸
素などのLSが小さいイオンを用いれば、より深い位置
にグレーティングが形成でき、厚さ10μm程度のクラ
ッドが存在する場合でも、コア中またはコア中を伝搬す
る光の電界分布が広がっているコア周辺のクラッド部に
N=1のグレーティングが形成できる。
【0066】酸素より重いイオンにおいては、イオンの
横方向への広がりは酸素の場合と然程変わらず、酸素よ
り重いイオンを用いても、隣り合う格子同士の重なり合
いの改善は期待出来ない。しかし、重いイオンを用いる
と、より少ない注入量で大きな高密度化が生じる為、大
きな屈折率変化を短時間で形成でき、作製時間が短縮で
きる。クラッドがさらに厚い場合、N>1に対応する格
子間隔にすれば良い。
【0067】また、注入イオンは現存する加速器で加速
可能な全てのイオンを用いることが出来る。しかし、イ
オンが重くなっていくと所望の飛程を得る為に大きなエ
ネルギーが必要となる。よって、10μm以上の飛程が
必要な場合、注入イオンは原子番号36以下の原子のイ
オンとする。これらのイオンは、シリカガラスに注入し
た際、50MeV以下の加速エネルギー下で10μm以
上の飛程が得られる。シリカガラスと化学結合を生じ、
屈折率の変化を生じる注入イオン種を注入すると、さら
に屈折率変調の効率を上げることが出来る。例えば、化
学反応によってシリカガラスの屈折率を上昇させるイオ
ン種としては、Geイオン、Pイオン、Snイオン、T
iイオンなどが挙げられる。他方、化学反応よってシリ
カガラスの屈折率を下げるイオン種としては、Bイオ
ン、Fイオンなどが挙げられる。
【0068】これらのイオンとガラスとの反応により屈
折率を変化させるには、ガラス内でのこれらのイオンの
濃度が0.01%以上になるように注入する。
【0069】FBGが形成された、厚いクラッドを持つ
導波路の作製方法としては、上記手法の変形例として、
10μm以下の薄い上部クラッドを持つ導波路を作成し
ておき、この導波路にイオン注入によってFBGを形成
した後、所望の厚さまでクラッドを堆積する方法が挙げ
られる。このプロセスの一例を図8に示す。
【0070】まず、基板71上に下部クラッド72とコ
ア層73を堆積する(図8の(A)の工程)。コア層7
3を、RIEによって所望の導波路形状に整形した後
(図8の(B)の工程)、10μm以下の上部クラッド
層76を形成する(図8の(C)の工程)。
【0071】その後、マスク74を介してイオン75を
注入した後(図8の(D)の工程)、上部クラッド76
を再度堆積し、厚くすることにより、屈折率変化部77
により構成されたFBGが形成された厚いクラッドを持
つ導波路が形成できる(図8の(E)の工程)。
【0072】単一モード光導波路中を伝搬する光の電界
分布は、コアだけでなくクラッドにまで広がっている。
このためFBGをコア中のみに形成すると、コアとクラ
ッドとの界面での回折が生じる。この回折光が位相整合
条件を満たす波長がブラッグ波長よりも短波長側にある
ため、FBG特有の短波長側放射損が現れる。この放射
損を抑制するには、コア周辺のクラッドにも同様の屈折
率変化を形成すればよいことが知られている。
【0073】図8の変形例では、コア73周辺にクラッ
ド76が付いた状態で、イオン75の注入を行なうので
(図8の(D)の工程)、コア周辺のクラッドにもコア
と同様の屈折率変化が形成でき、放射損の小さいFBG
を作製できる。
【0074】本発明の実施形態でこれまでに示したマス
ク及びイオン注入条件を用いて作製されたFBGは、従
来手法のFBGに比べ、隣り合う格子同士の重なりが遥
かに小さく、高効率化が実現できる。また、US611
5518に開示された従来手法では、FBGの縦方向の
厚さが高々数100nmであるのに対し、本発明の手法
では、図5の(A)の破線四角枠で囲んだ部分に示す様
に、縦方向に1μm程度の厚さを持つ為、FBGの高効
率化が得られる。また、US6115518に開示され
た従来の手法では、コア層を2回堆積する必要がある
が、本発明の手法では、コア層は1回の堆積で十分であ
り、プロセスの簡略化が実現できる。
【0075】さらに、本発明では、FBGを形成したい
場所をイオンが通過するように加速エネルギーを選択す
る。本願発明者は、FBGを形成したい部分をイオンが
完全に通過してしまうような加速エネルギーを選択する
ことにより、隣り合う格子の重なり合いを抑制し、所望
のFBGを形成する手法を見出した。
【0076】シリカガラスに表面から深さ9μmの位置
に、水素イオンを注入して、格子状の屈折率変調を形成
する場合において、エネルギー選択についての上記新技
術の効果を説明する。
【0077】水素イオンがガラス表面から9μmの深さ
に停止するように、加速エネルギー700keVで注入
した時と、9μmを十分通過するように加速エネルギー
1.2MeVで注入した時に、深さ9μm±1μmの位
置に誘起される屈折率変化を図9に示す。図9の(A)
は、イオン注入によって屈折率変化が誘起される領域を
示している。700keV水素イオンによって誘起され
る屈折率上昇部は深さ9μmの所で、幅1μm以上の広
がりを持っている。また、この時のイオンのLSは0.
53μmである。一方、1.2MeV水素イオンによっ
て、深さ9μmの所に誘起される屈折率上昇部の幅は、
0.3μm程度である。1.2MeV水素イオンはガラ
スの表面から深さ約20μmの地点で停止している。
【0078】図9の(B)は図9の(A)中の四角で囲
った部分1001でグレーティングを形成した時の屈折
率変調を示している。図9の(B)では、スリット幅
0.1μm、スリット間隔0.43μmのマスクを用い
た。
【0079】水素イオンを700keVで注入した場
合、イオンの横方向への広がりにより、深さ9μm付近
では、隣り合う格子同士が完全に重なり合ってしまい、
格子状の屈折率上昇が全く形成できない。一方、1.2
MeV水素イオンでは、非常に明瞭な格子状の屈折率変
調が確認できる。
【0080】この様に、FBGを形成したい部分付近に
イオンを停止させるのではなく、FBGを形成したい部
分をイオンが完全に通過してしまうような加速エネルギ
ーを選択することにより、隣り合う格子の重なり合いを
抑制し、所望のFBGを形成できることを本願発明者は
見出した。
【0081】この具体例として、1.2MeVの水素イ
オンによって、シリカガラスを主成分とする平板型光導
波路へ、周期Λが0.53μmのFBGを作製する場合
について説明する。1.2MeVの水素は上述の様に深
さ9μmの位置にて、明瞭な格子状の屈折率変調を形成
する。ここでは、まず、図6に示した上部クラッド76
が無い状態で、屈折率変化部77を形成した後、上部ク
ラッド76を形成する場合を例に説明する。
【0082】下部クラッド72の厚さは20μm、コア
73の厚さは9μmとする。また、マスク74は、スリ
ット幅を0.2μm、スリット形成部の幅を0.33μ
mとした。マスク74は金製で、厚さは8μmである。
このマスク74によりスリット形成部に照射されたイオ
ンは十分遮蔽される。図10の(A)に、この時のコア
層断面での屈折率変化の様子を示す。図10の(A)か
ら分かる様に、格子形状がコア73の断面全体に形成さ
れている。この屈折率変化部77が形成された部分を含
むコア層をRIEによって、所望の導波路形状に加工し
たのち、上部クラッド76を堆積することにより、FB
Gが得られる。
【0083】この方法では、イオンが通過した部分に形
成される屈折率変化を用いている為、屈折率変化部77
が形成されている部分は、イオンが通過した部分全域と
なる。このため図10の様に、コアの断面全体、つまり
縦方向全体に格子状の屈折率変化が形成される。よって
高いFBG効率が得られる。
【0084】本作成例において、700keVの水素イ
オンを用いた場合、図9に示した様に、深さ9μm付近
では格子状の屈折率変化は形成できない。よって、上記
作製方法において、700keVの水素イオンを用いる
と、コア層の下部には格子形状は形成出来ない。しか
し、この場合でも、イオンはコアの中心を通過した際、
格子形状をコア中心部に形成する。よって上記1.2M
eVの時ほど効率は良くないが、FBGは形成できる。
また、700keVの場合、マスクの厚さは1.2Me
Vの場合の半分以下で良いので、マスクが廉価になる利
点がある。
【0085】図10の(B)は2.4MeVで加速した
Heイオンを用いた時の、コア73に形成される屈折率
変調を示している。この時もやはりコア中心部にFBG
が形成できる。
【0086】この方法はクラッドを持った導波路にも適
応できる。例えば、シリカガラスを主成分とする厚さ1
0μmの上部クラッドの下に、厚さ9μmのコアが存在
する導波路の場合、スリット幅を0.1μm、スリット
間隔を0.43μmとし、加速エネルギー6MeVでH
eイオンを注入すると、コア中にFBGが形成できる。
この時、イオンの飛程は約30μmで、マスクの厚さは
マスク材が金の場合7μmとすれば、マスクされた部分
のイオンは上部クラッド中に停止し、コアに到達しな
い。
【0087】クラッドがさらに厚い場合、さらに加速エ
ネルギーを上げるか、広がりの小さい重いイオンを用い
るか、N>1に対応する格子間隔にすれば良い。イオン
種の選択としては、前述の手法と同様であり、飛程が1
0μmよりも小さい場合はあらゆるイオンを用いる事が
可能であるが、それ以上の飛程を必要とする時は、注入
イオンは原子番号36以下の原子のイオンとする。
【0088】また、クラッドが厚い導波路にFBGを得
たい場合、図8に示した様に、クラッドが10μm以下
の薄い導波路を作成しておき、この導波路にイオン注入
にてFBGを形成した後に、再度所望の厚さまでクラッ
ドを堆積しても良い。
【0089】以上で説明した本願発明の2つのイオン注
入手法において、イオンの光導波路内でのLSが、形成
するFBGの周期Λの4分の3以下になるようにエネル
ギーを選択する手法では、屈折率変化の効率が高く、少
ないイオン注入量で高効率なFBGが得られる。また、
図5の(A)を見ると分かるように、本手法において
も、イオンが通過した部分に格子状の屈折率変化が生じ
ており、よって、本手法はイオンを通過させて格子状屈
折率変化を形成する効果も含んでいる。
【0090】以上では、本手法において、コアの中心付
近にイオンを注入した場合を記述したが、これは必ずし
も、コアの中心である必要は無い。但し、素子としての
効率はコアの中心にイオンを注入した場合が最も良く、
その他の部分のみに注入した場合は効率が少し落ちる
為、この場合には、格子の本数を増やす必要があると考
えられる。
【0091】また、以上では、本手法において、加速エ
ネルギーはFBG作製中一定の場合のみ説明したが、イ
オンの加速エネルギーを変化させることによって、屈折
率変化部の縦方向の厚さをより厚くすることによって、
より高いFBG効率が得られる。
【0092】一方、イオンをグレーティングを形成した
い部分を通過させてグレーティングを形成する手法で
は、屈折率変化の効率は低く、その為、イオンの注入量
は多くなるが、隣り合う格子同士の重なりを、より減少
できる利点がある。
【0093】上記では主に、コア及びその周辺のクラッ
ドにグレーティングを形成する場合を示したが、コアを
伝搬する光の電界分布が広がっているコア周辺のクラッ
ド中のみにグレーティングを形成する場合(例えば、逆
方向結合器:M. Horita et al. Electron. Lett. Vol.
35, p.1733, 1999年)にも適応できる。
【0094】ここまでは、シリカガラスを主成分とした
光導波路(光ファイバーを含む)において本手法の効果
を説明した。本手法では、半導体材料(例えばGaAs、In
P、Siなど)、強誘電体材料(例えばLiNbO3、LiNbO3
ど)、または磁性体材料(例えばY3Fe5O12など)により形
成された平板型光導波路にも適応できる。これらの材料
はイオン注入によるアモルファス化(非晶質化)による
密度の低下、誘電率の変化、注入イオンとの化学結合、
などが生じ、よって屈折率が変化する為、ここに示した
イオン注入手法によりグレーティングが形成できる。
【0095】このことは、従来の紫外光照射方法では、
グレーティングが形成できない材料、つまり、半導体材
料や純粋シリカ材料で形成された、光導波路のコアや光
の電界分布が広がっているコア周辺のクラッドにイオン
注入法でグレーティングが形成できることを示し、本手
法の有効性を示している。
【0096】[アボダイゼーション形成方法]長手方向
に均一なFBGの場合、光フィルタとしてその特性を低
下させる副次ピークがブラッグ波長(つまり、フィルタ
リングすべき波長)の両側に現れる。この副次ピークを
抑制するには、アポダイゼーションと呼ばれる手法が用
いられている(参考文献:B. Malo, et al. Apodised in
-fiber Bragg grating reflectors photoimprinted usi
ng a phase mask, Electron. Lett. Vol. 31 pp.223 19
95.)。アポダイゼーションとは、ファイバーの長手方向
においてグレーティングの強度が滑らかに変化するよう
に屈折率変化量に分布を与えるものである。図11の
(A)はアポダイゼーションがない場合を示し、図11
の(B)はアポダイゼーションがある場合を示してい
る。ただし、図11の(B)の様に、単に屈折率変化量
のみに分布を与えると、破線で示した様に、グレーティ
ング内での平均屈折率に分布が生じ、グレーティング中
心部を挟み、対称な位置同士で多重反射が生じ、ブラッ
グ波長の短波長側のファブリー・ペロー共振モードとな
って現れる。
【0097】このファブリー・ペロー共振モードは、図
11の(C)の様に、グレーティングの平均屈折率を均
一化すれば抑制できる。紫外光照射方法では、紫外光照
射量を制御することによりこのアポダイゼーションを実
現している。
【0098】イオン注入では、FBG作製の際、FBG
の中心部と両端部とでイオン注入量に分布が出来るよう
に、イオンを照射することにより、アポダイゼーション
を実現できる。US6115518では、FBGの中心
部と両端部とでマスクのスリット幅を変えることによ
り、注入されるドーズ量を変化させて、アポダイゼーシ
ョンを形成している。しかし、イオンの横方向への広が
りの影響を考慮すると、マスクのスリット幅に変化をつ
けると、場所によって、隣り合う格子同士の重なり合い
の程度が変化し、グレーティングの特性が劣化してしま
う。
【0099】そこで、イオン注入による新たなアポダイ
ゼーション形成方法として、本願発明者は、イオンビー
ムを光導波路の長手方向にスキャンしながら照射し、そ
のスキャンスピードをFBGの中心部及び両端部で変化
させる手法を見出した。ここで、イオンビーム径(又は
イオンビームの幅)が所望のFBGの幅に比べ広すぎる
と、スキャンスピードに変化を付けてもイオン注入量に
分布が形成しにくい。よって、イオンビーム径を所望の
FBGの長さより小さくすることが望ましい。
【0100】さらには、イオンビームを物質に照射する
と散乱により分散される性質を用いて、イオンビームを
薄膜に入射し、分散させた後、マスクを介して光導波路
に照射することにより、FBGの中心部及び両端部での
イオン注入量に分布が出来るように、イオンを照射する
ことにより、アポダイゼーションを形成する方法を本願
発明者は見出した。
【0101】イオンビームを分散させる具体例として、
3.5MeVで加速された水素イオンを30μmのアル
ミニウム薄膜に入射した際、出射される水素イオンの分
布を図12に示す。ここで、出射された水素イオンのエ
ネルギーは2.8MeVとなる。この様な分布を持った
イオンビームをマスクを介して照射することにより、こ
のイオン分布と同じ屈折率分布のアポダイゼーションを
持ったFBGが得られる。但し、薄膜に入射するイオン
ビーム径(又はイオンビームの幅)が所望のFBGの長
さより長いと、いくらイオンが分散しても、分散後のイ
オン分布はFBGを形成したい部分においてほぼ一定と
なってしまう。よって、薄膜に入射するイオンビーム径
は所望のFBGの長さより小さくすることが望ましい。
このアポダイゼーション形成方法を図13に示す。
【0102】図13の(A)は加速されたイオン75を
薄膜81に入射した際、出射される水素イオンをマスク
74を介して光導波路に照射して、アポダイゼーション
を持ったグレーティング77を形成する様子を示してい
る。ここで、薄膜81の材料としては、アルミニウム薄
膜に限らず、薄膜化できるものであれば何でも良い。ま
た、複数の材料を複合させたものでも良い。薄膜81の
材料の密度が高いと、イオンの散乱角は大きくなり、薄
膜の材料の密度が低いとイオンの散乱角が小さくなる。
また、同一の材料であっても、膜厚が厚くなるとイオン
の散乱角は大きくなり、薄いとイオン75の散乱角は小
さくなる。また、薄膜81からマスク74までの距離が
近いと、イオンの散乱幅は狭く、遠いと、散乱幅は広く
なる。よって、薄膜81の材質、厚さ、薄膜81からマ
スク74までの距離を変えることにより、所望のアポダ
イゼーションが形成できる。
【0103】言い換えれば、所望のアポダイゼーション
の形状によって、薄膜の材質、厚さ、薄膜からマスクま
での距離が決定される。ただし、薄膜81の膜厚を厚く
しすぎると、イオンが薄膜を透過できなくなってしま
う。イオン阻止能が低いAlを用いても、膜厚が600
μmを超えると、最も透過性の高い水素イオンですら、
透過するのに10MeVのエネルギーが必要である。よ
って、イオンの透過性を考慮して薄膜の厚さを選択する
必要がある。
【0104】上記2つのアポダイゼーション方法はイオ
ン注入によりFBGを形成する全ての場合に適応でき
る。
【0105】また、図11の(C)に示した様に、FB
Gのアポダイゼーション部の平均屈折率を一定にする手
法として、図11の(B)に示したようなアポダイゼー
ションが形成されているFBGに、イオンビームを光導
波路の長手方向にスキャンしながら照射し、そのスキャ
ンスピードをFBGの中心部及び両端部で変化させ、両
端部の平均屈折率と中心部での平均屈折率が一定となる
ようにする手法を本願発明者は見出した。この時、イオ
ンビーム径(又はイオンビームの幅)が所望のFBGの
幅に比べ広すぎると、スキャンスピードに変化を付けて
も平均屈折率の一定化は難しい。よって、イオンビーム
径を所望のFBGの長さより小さくすることが望まし
い。
【0106】また、図11の(C)の様に、FBGのア
ポダイゼーション部の平均屈折率を一定にする手法とし
て、図14の(A)に示すように、イオンビーム75を
薄膜81に入射し、イオンビームを分散させ、図11の
(B)の屈折率分布と逆の分布を持ったイオンビームを
形成した後、このイオンビームを図11の(B)のFB
Gに照射することにより、アポダイゼーション部の平均
屈折率を一定にする方法も本願発明者は見出した。
【0107】即ち、図12に示したように、イオンが薄
膜を通過すると散乱により分散が生じる。よって、図1
4の(A)の様に、2箇所にイオンビーム75、75を
入射し、分散したイオンの端の部分を取り出し、図11
の(B)のようなアポダイゼーションが形成されている
グレーティング77に照射することにより、アポダイゼ
ーション部の屈折率を一定に出来る。
【0108】これらのイオン注入によるアポダイゼーシ
ョン部の屈折率均一化手法は、図11の(B)のアポダ
イゼーションが形成されている全てのFBGに適応でき
る。つまり、図11の(B)のアポダイゼーションを持
ったFBGを形成する手法はイオン注入手法であろう
と、従来の紫外光照射手法であろうと、その後処理とし
て、本発明のイオンビームを光導波路の長手方向にスキ
ャンしながら照射し、スキャンスピードをグレーティン
グの中心部および両端部で変化させるイオン注入法や、
図14に示すような薄膜によってイオンビームを分散さ
せるイオン注入法を用いることにより、アポダイゼーシ
ョン部の屈折率均一化が得られる。
【0109】[他の実施形態]本発明に係る上記のイオ
ン注入条件はFBGのみならずLPGにも適応可能であ
り、上述した本発明の実施形態はLPGにも同様に適応
可能である。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
照射されたイオンを光導波部に到達させない為に十分な
厚さを有するマスクを用いることにより、マスクされた
部分を通過してきた不要なイオンは光導波路外部または
クラッド中に停止し、注入したイオンのラテラル・スト
ラグリングが、形成するOFGの周期の4分の3以下と
なるように、または、注入したイオンが光導波路内にお
いてOFGを形成したい部分を完全に通過してしまうよ
うにイオンを光導波路に注入することにより、イオンの
横方向への広がりの影響を小さくし、形成される屈折率
変化に大きなコントラストを付与することにより、光導
波部中にFBGが形成できるので、所望の特性を有する
高効率なFBGを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態で用いるスリット部が完全に
空いているマスクの一例を示す斜視図(A)と断面図
(B)である。
【図2】本発明の実施形態で用いる一定の厚さの板の上
にスリット部が形成されているマスクの一例を示す斜視
図である。
【図3】光導波路クラッド中に不要なイオンを停止させ
る本発明によるイオン注入方法を説明する概念的断面図
である。
【図4】本発明の実施形態において光導波路クラッド上
に凹凸を形成してマスクとする方法の例を示す断面図で
ある。
【図5】本発明の実施形態を示す図で、(A)はマスク
を介して、水素イオンをシリカガラスに注入した際、高
密度化が生じた所を黒点で表した図であり、(B)はイ
オンが停止した位置付近に誘起される屈折率増加量を示
す図である。
【図6】本発明の実施形態において、クラッドが無い状
態で、グレーティングを形成した後、クラッドを形成す
る作製プロセスを示す工程図である。
【図7】本発明の実施形態において、各種イオンのシリ
カガラス中での飛程とその時のLSの関係を示す図であ
る。
【図8】本発明の実施形態において、薄い上部クラッド
を持つ導波路を作成しておき、この導波路にイオン注入
によってFBGを形成した後、所望の厚さまでクラッド
を堆積する作製プロセスを示す工程図である。
【図9】本発明の実施形態において、(A)は、イオン
注入によって屈折率変化が誘起される領域を示す図、
(B)は(A)中の四角で囲った部分でグレーティング
を形成した時の屈折率変調を示す図である。
【図10】本発明の実施形態において、2種類のイオン
がコア層を通過した時に形成する屈折率変化のコア層断
面での様子を示す図である。
【図11】本発明の実施形態において、(A)はアポダ
イゼーションがない場合を示す図で、(B)はアポダイ
ゼーションがある場合を示す図で、(C)は、アポダイ
ゼーションがあるグレーティングの平均屈折率が均一化
されている場合を示す図である。
【図12】本発明の実施形態において、3.5MeVで
加速された水素イオンを30μmのアルミニウム薄膜に
入射した際、出射される水素イオンの分散を示す図であ
る。
【図13】本発明の実施形態において、加速されたイオ
ンを薄膜に入射し、分散した後、マスクを介して光導波
路に照射して、アポダイゼーションを持ったFBGを形
成する様子を示す図である。
【図14】本発明の実施形態において、2箇所にイオン
ビームを入射し、分散したイオンの端の部分を取り出
し、図11の(B)のようなアポダイゼーションが形成
されているFBGに照射することにより、アポダイゼー
ション部の屈折率を一定にする様子を示す図である。
【図15】従来の紫外レーザー光を用いた光ファイバグ
レーティング(OFG)の作成方法を示す断面図であ
る。
【図16】本願発明者らによる先願のイオン注入による
OFGの形成方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 紫外レーザー光 2 位相マスク 3 光ファイバの光導波部 4 光ファイバクラッド 5 屈折率変化部 6 光ファイバ 7 マスク 20 屈折率変化部 71 基板 72 下部クラッド 73 コア、コア層 74 マスク 75 イオン 76 上部クラッド 77 屈折率変化部(グレーティング) 81 薄膜 82 スクリーン 100 マスク 110 スリット部に対応する開口穴 120 スリット部に対応する凹部 130 金属による凹凸 140 クラッドを研磨又はエッチングした凹凸 210 光導波部 220 光導波路クラッド 300 屈折率変化部

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波路の光導波部または該光導波路中
    を伝搬する光の電界分布が広がっている光導波部周辺に
    形成されたグレーティングであって、 加速されたイオンをマスクを介して前記光導波部または
    光導波部周辺に注入することにより、当該光導波部また
    は光導波部周辺に形成された周期的屈折率変化部により
    構成され、 前記マスクとして、その厚さが、マスクされた部分に照
    射された前記イオンを前記光導波部に到達させない為に
    十分な厚さを有したマスク、または該マスクのスリット
    を構成する凹部に対する凸部の高さが、凸部に照射され
    た前記イオンを前記光導波部に到達させない為に十分な
    高さを有したマスクを用いたことを特徴とする光導波路
    グレーティング。
  2. 【請求項2】 光導波路の光導波部または該光導波路中
    を伝搬する光の電界分布が広がっている光導波部周辺に
    形成されたグレーティングであって、 加速されたイオンをマスクを介して前記光導波部または
    光導波部周辺に注入することにより、当該光導波部また
    は光導波部周辺に形成された周期的屈折率変化部により
    構成され、 前記マスクとして、その厚さが、マスクされた部分に照
    射された前記イオンを前記光導波路中で前記グレーティ
    ングを形成したい部位に到達させない為に十分な厚さを
    有したマスク、または該マスクのスリットを構成する凹
    部に対する凸部の高さが、凸部に照射された前記イオン
    を前記光導波路中で前記グレーティングを形成したい部
    位に到達させない為に十分な高さを有したマスクを用い
    たことを特徴とする光導波路グレーティング。
  3. 【請求項3】 前記マスクは、その厚さが注入された前
    記イオンの飛程よりも薄く、または該マスクのスリット
    を形成する凹部に対する凸部の高さが前記イオンの飛程
    よりも薄いことを特徴とする請求項1または2に記載の
    光導波路グレーティング。
  4. 【請求項4】 加速されたイオンをマスクを介して光導
    波路の光導波部または該光導波路中を伝搬する光の電界
    分布が広がっている光導波部周辺に注入することによ
    り、当該光導波部または光導波部周辺に光導波路グレー
    ティングとなる周期的屈折率変化部を形成し、 前記マスクとして、その厚さが、マスクされた部分に照
    射された前記イオンを前記光導波部に到達させない為に
    十分な厚さを有したマスク、または該マスクのスリット
    を構成する凹部に対する凸部の高さが、凸部に照射され
    た前記イオンを前記光導波部に到達させない為に十分な
    高さを有したマスクを用いたことを特徴とする光導波路
    グレーティング形成方法。
  5. 【請求項5】 加速されたイオンをマスクを介して光導
    波路の光導波部または該光導波路中を伝搬する光の電界
    分布が広がっている光導波部周辺に注入することによ
    り、当該光導波部または光導波部周辺に光導波路グレー
    ティングとなる周期的屈折率変化部を形成し、 前記マスクとして、その厚さが、マスクされた部分に照
    射された前記イオンを前記光導波路中で前記光導波路グ
    レーティングを形成したい部位に到達させない為に十分
    な厚さを有したマスク、または該マスクのスリットを構
    成する凹部に対する凸部の高さが、凸部に照射された前
    記イオンを前記光導波路中で前記光導波路グレーティン
    グを形成したい部位に到達させない為に十分な高さを有
    したマスクを用いたことを特徴とする光導波路グレーテ
    ィング形成方法。
  6. 【請求項6】 前記マスクは、その厚さが注入された前
    記イオンの飛程より薄く、または該マスクのスリットを
    形成する凹部に対する凸部の高さが前記イオンの飛程よ
    り薄いことを特徴とする請求項4または5に記載の光導
    波路グレーティング形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし6のいずれかに記載のマ
    スクであって、該マスクは平板上にスリットに対応する
    凹部、およびスリット形成部に対応する凸部を周期的に
    複数個形成したマスクであることを特徴とする光導波路
    グレーティング形成用マスク。
  8. 【請求項8】 請求項4ないし6のいずれかに記載のマ
    スクであって、該マスクは平板上にスリットに対応する
    開口穴を周期的に複数個形成したマスクであることを特
    徴とする光導波路グレーティング形成用マスク。
  9. 【請求項9】 前記マスクは幅が50nm〜5μmのス
    リットを、50nm〜5μmの間隔で複数個配置した格
    子状マスクであることを特徴とする請求項7または8に
    記載の光導波路グレーティング形成用マスク。
  10. 【請求項10】 前記マスクは、スリットに対応する前
    記凹部、又は前記開口部に、マスクに用いた材料よりも
    イオン阻止能の低い材料を埋め込んだことを特徴とする
    請求項7または8に記載の光導波路グレーティング形成
    用マスク。
  11. 【請求項11】 前記マスクは、スリットの幅とスリッ
    ト形成部の幅の和がフィルタリングすべき光導波路中の
    光のブラッグ反射条件を満たすマスクであることを特徴
    とする請求項7ないし10のいずれかに記載の光導波路
    グレーティング形成用マスク。
  12. 【請求項12】 前記マスクは、金属材料、半導体材
    料、セラミック材料、ポリマー材料、又はこれらの複合
    により形成されたマスクであることを特徴とする請求項
    7ないし11のいずれかに記載の光導波路グレーティン
    グ形成用マスク。
  13. 【請求項13】 前記マスクは、光導波路クラッド表面
    に、スリット及びスリット形成部に対応する格子状に金
    属材料、半導体材料、セラミック材料、又はポリマー材
    料を塗布、堆積、又は蒸着することにより形成されたマ
    スクであることを特徴とする請求項7ないし11のいず
    れかに記載の光導波路グレーティング形成用マスク。
  14. 【請求項14】 前記マスクは、クラッドを形成する前
    の光導波路コア層表面に、スリット及びスリット形成部
    に対応する格子状に金属材料、半導体材料、セラミック
    材料、又はポリマー材料を塗布、堆積、又は蒸着するこ
    とにより形成されたマスクであることを特徴とする請求
    項7ないし11のいずれかに記載の光導波路グレーティ
    ング形成用マスク。
  15. 【請求項15】 前記マスクは、研磨又はエッチングに
    より、スリット及びスリット形成部に対応する周期的な
    凹凸を光導波路クラッド表面に付与することにより形成
    されたマスクであることを特徴とする請求項7ないし1
    1のいずれかに記載の光導波路グレーティング形成用マ
    スク。
  16. 【請求項16】 光導波路の光導波部または該光導波路
    中を伝搬する光の電界分布が広がっている光導波部周辺
    に形成されたグレーティングであって、 加速されたイオンをマスクを介して前記光導波部または
    光導波部周辺に注入することにより、当該光導波部また
    は光導波部周辺に形成された周期的屈折率変化部により
    構成され、 前記イオンの注入時に、該イオンの前記光導波路内での
    ラテラル・ストラッグリングが、形成する前記周期的屈
    折率変化部の周期の4分の3以下になるように、該イオ
    ンの加速エネルギーが選択されたことを特徴とする光導
    波路グレーティング。
  17. 【請求項17】 光導波路の光導波部または該光導波路
    中を伝搬する光の電界分布が広がっている光導波部周辺
    に形成されたグレーティングであって、 加速されたイオンをマスクを介して前記光導波部または
    光導波部周辺に注入することにより、当該光導波部また
    は光導波部周辺に形成された周期的屈折率変化部により
    構成され、 前記イオンの注入時に、該イオンの一部又は全部が前記
    周期的屈折率変化を形成したい部分を完全に通過してし
    まうような加速エネルギーが前記イオンに対して選択さ
    れたことを特徴とする光導波路グレーティング。
  18. 【請求項18】 前記イオンの加速エネルギーを変化さ
    せて該イオンを注入することにより、前記光導波部及び
    光導波部周辺に前記周期的屈折率変化が形成されている
    ことを特徴とする請求項16または17に記載の光導波
    路グレーティング。
  19. 【請求項19】 前記イオンのビームを前記光導波路の
    長手方向にスキャンしながら照射し、該スキャンスピー
    ドに変化をつけ、該光導波路の長手方向において前記周
    期的屈折率変化の変化量にアポダイゼーションが与えら
    れていることを特徴とする請求項16から18のいずれ
    かに記載の光導波路グレーティング。
  20. 【請求項20】 前記イオンを薄膜に入射し、該薄膜で
    散乱により分散させた後、分散した該イオンのビームを
    前記マスクを介して光導波路に照射することにより、該
    グレーティングの中心部及び両端部でのイオン注入量に
    分布が出来るようにして、前記周期的屈折率変化の変化
    量にアポダイゼーションが与えられていることを特徴と
    する請求項16ないし18のいずれかに記載の光導波路
    グレーティング。
  21. 【請求項21】 アポダイゼーションが既に形成されて
    いる前記グレーティングに対して、イオンビームを前記
    光導波路の長手方向にスキャンしながら照射し、該スキ
    ャンスピードを当該グレーティングの中心部および両端
    部で変化させることで、該グレーティング中の平均屈折
    率が一定となっていることを特徴とする請求項16ない
    し20のいずれかに記載の光導波路グレーティング。
  22. 【請求項22】 アポダイゼーションが既に形成されて
    いる前記グレーティングに、イオンビームを薄膜に入射
    して、該薄膜で散乱により分散させることにより当該グ
    レーティングの平均屈折率分布とは逆の分布を持ったイ
    オンビームを形成したあと、該イオンビームを光導波路
    に照射することにより、当該グレーティングの両端部の
    平均屈折率と中心部での平均屈折率が一定となっている
    ことを特徴とする請求項16ないし20のいずれかに記
    載の光導波路グレーティング。
  23. 【請求項23】 加速されたイオンをマスクを介して光
    導波路の光導波部または該光導波路中を伝搬する光の電
    界分布が広がっている光導波部周辺に注入することによ
    り、当該光導波部または光導波部周辺に光導波路グレー
    ティングとなる周期的屈折率変化部を形成し、 前記イオンの注入時に、該イオンの前記光導波路内での
    ラテラル・ストラッグリングが、形成する前記周期的屈
    折率変化部の周期の4分の3以下になるように、該イオ
    ンの加速エネルギーを選択したことを特徴とする光導波
    路グレーティング形成方法。
  24. 【請求項24】 加速されたイオンをマスクを介して光
    導波路の光導波部または該光導波路中を伝搬する光の電
    界分布が広がっている光導波部周辺に注入することによ
    り、当該光導波部または光導波部周辺に光導波路グレー
    ティングとなる周期的屈折率変化部を形成し、 前記イオンの注入時に、該イオンの一部又は全部が前記
    周期的屈折率変化を形成したい部分を完全に通過してし
    まうような加速エネルギーを選択するイオン注入方法を
    用いたことを特徴とする光導波路グレーティング形成方
    法。
  25. 【請求項25】 前記イオンの加速エネルギーを変化さ
    せて該イオンを注入することにより、前記光導波部及び
    光導波部周辺に前記周期的屈折率変化を形成するイオン
    注入方法を用いたことを特徴とする請求項23または2
    4に記載の光導波路グレーティング形成方法。
  26. 【請求項26】 前記イオンのビームを前記光導波路の
    長手方向にスキャンしながら照射し、該スキャンスピー
    ドに変化をつけ、該光導波路の長手方向において前記周
    期的屈折率変化の変化量にアポダイゼーションを与える
    イオン注入方法を用いたことを特徴とする請求項23か
    ら25のいずれかに記載の光導波路グレーティング形成
    方法。
  27. 【請求項27】 前記イオンを薄膜に入射し、該薄膜で
    散乱により分散させた後、分散した該イオンのビームを
    前記マスクを介して光導波路に照射することにより、該
    グレーティングの中心部及び両端部でのイオン注入量に
    分布が出来るようにして、前記周期的屈折率変化の変化
    量にアポダイゼーションを与えるイオン注入方法を用い
    たことを特徴とする請求項23ないし25のいずれかに
    記載の光導波路グレーティング形成方法。
  28. 【請求項28】 アポダイゼーションが既に形成されて
    いる前記グレーティングに対して、イオンビームを前記
    光導波路の長手方向にスキャンしながら照射し、該スキ
    ャンスピードを当該グレーティングの中心部および両端
    部で変化させることで、該グレーティング中の平均屈折
    率を一定にするイオン注入方法を用いたことを特徴とす
    る請求項23ないし27のいずれかに記載の光導波路グ
    レーティング形成方法。
  29. 【請求項29】 アポダイゼーションが既に形成されて
    いる前記グレーティングに、イオンビームを薄膜に入射
    して、該薄膜で散乱により分散させることにより当該グ
    レーティングの平均屈折率分布とは逆の分布を持ったイ
    オンビームを形成したあと、該イオンビームを光導波路
    に照射することにより、当該グレーティングの両端部の
    平均屈折率と中心部での平均屈折率を一定にするイオン
    注入方法を用いたことを特徴とする請求項23ないし2
    7のいずれかに記載の光導波路グレーティング形成方
    法。
  30. 【請求項30】 前記イオンビームを前記光導波路の長
    手方向にスキャンしながら照射し、該イオンのビーム径
    よりも長い光導波路グレーティングを形成することを特
    徴とする請求項23ないし27のいずれかに記載の光導
    波路グレーティング形成方法。
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