JP2003055846A - 仮撚加工糸およびその製造方法 - Google Patents

仮撚加工糸およびその製造方法

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JP2003055846A
JP2003055846A JP2001241790A JP2001241790A JP2003055846A JP 2003055846 A JP2003055846 A JP 2003055846A JP 2001241790 A JP2001241790 A JP 2001241790A JP 2001241790 A JP2001241790 A JP 2001241790A JP 2003055846 A JP2003055846 A JP 2003055846A
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JP2001241790A
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Hiroshi Suyama
浩史 須山
Toshihiko Kimura
俊彦 木村
Kazuo Umeda
和生 梅田
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Toray Industries Inc
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、ストレッチ性とソフトさに優
れた仮撚加工糸とその製造方法提供する。 【解決手段】ポリエステル系マルチフィラメント糸の仮
撚加工糸であって、これを構成する実質的に全てのフィ
ラメントが、ポリトリメチレンテレフタレートAとポリ
エチレンテレフタレートBをサイドバイサイド型に複合
した繊維であることを特徴とし、次式を満足するする仮
撚加工糸。 50≦糸側圧抵抗回復率(%)≦80 または、ポリトリメチレンテレフタレートAとポリエチ
レンテレフタレートBをサイドバイサイド型に複合した
伸度100〜250%のポリエステル系マルチフィラメ
ント高配向未延伸糸を1.2〜2.0倍で延伸しつつ仮
撚することを特徴とする仮撚加工糸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストレッチ性とソ
フトさに優れた仮撚加工糸およびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、弾性回復性に優れ、ストレッチ素
材に適したポリエステル系繊維として、例えば特開平1
1−93026号公報にはポリトリメチレンテレフタレ
ートを主たるポリマー成分とするポリエステル系仮撚加
工糸が提案されている。この加工糸は確かに弾性回復性
には優れているが、ケン縮によるガサツキ感が強く、熱
水収縮率も高いため、その布帛等の布帛はソフトな風合
いに欠けるものであった。
【0003】特開2000−256925号公報にはポ
リトリメチレンテレフタレートを主たるポリマー成分と
し、1段ヒーター仮撚に連続して弛緩熱処理を行うポリ
エステル系仮撚加工糸が提案されている。しかし、スト
レッチ性を重視するあまり、布帛のソフトさは不十分な
ものであった。
【0004】また、特開2000−256918号公報
には、共重合率の異なるポリトリメチレンテレフタレー
トを主たるポリマー成分をサイドバイサイド型などで組
み合わせて、仮撚する方法も検討されている。この方法
によれば、伸縮性、弾性回復性に優れた布帛が得られる
が、ソフトさはまだ不十分であり、またポリトリメチレ
ンテレフタレートを用いているので寸法安定性がも悪く
なってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の有する問題点を改善し、ストレッチ性と弾性回復
性、ソフトな風合いを兼ね備えた仮撚加工糸およびその
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、ポリ
エステル系マルチフィラメント糸の仮撚加工糸であっ
て、該仮撚加工糸を構成するフィラメント糸が、ポリト
リメチレンテレフタレートAとポリエチレンテレフタレ
ートBとをサイドバイサイド型に複合した繊維を含み、
かつ糸側圧抵抗回復率が次式を満足することを特徴とす
る仮撚加工糸。
【0007】50≦糸側圧抵抗回復率(%)≦80 またはポリトリメチレンテレフタレートAとポリエチレ
ンテレフタレートBとをサイドバイサイド型に複合した
伸度100〜250%のポリエステル系マルチフィラメ
ント高配向未延伸糸を1.2〜2.0倍で延伸しつつ仮
撚することを特徴とする仮撚加工糸の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の加工糸においては、ポリ
トリメチレンテレフタレート(PPT)Aとポリエチレ
ンテレフタレート(PET)Bをサイドバイサイド型に
複合した繊維を仮撚することにより、微細化した高ケン
縮加工糸を得ることができる。それにより高度なストレ
ッチ性を示し、かつシボ発現がない滑らかでソフトな布
帛を得ることができる。
【0009】ポリトリメチレンテレフタレートAとポリ
エチレンテレフタレートBとをサイドバイサイド型高配
向未延伸糸にすると、それらの弾性回復率や収縮特性の
差により、潜在捲縮性を有する。この潜在捲縮は延伸す
ることにより、単繊維内で歪みが生じてコイルケン縮の
形態を生じる。本発明においてはこの繊維を延伸同時仮
撚することによって、ケン縮ピッチの微細化を行い、高
ストレッチ性だけではなしに、ソフトな布帛を得ること
ができる。
【0010】この際、コイルケン縮の内側にポリトリメ
チレンテレフタレートAを配置するようにすると、繰り
返し伸長時の回復性が良くなり、心地良い伸長反発感が
得られるようになるので好ましい。
【0011】図1は本発明の仮撚加工糸を例示したもの
である。本発明の仮撚加工糸は従来の仮撚加工糸のよう
に3次元型の粗いケン縮ではなく、微細なピッチクリン
プを有しているために、単糸フィラメント同志が互いに
立体障害を起こしにくい波状形のケン縮になる。ゆえに
互いのケン縮や布帛内の拘束が小さくなるので、布帛に
おけるストレッチ発現量が大きくなる。
【0012】通常行われているケン縮測定、例えばJI
SL 1090記載の伸縮復元率測定などでは、糸での
ケン縮性能が把握できても、それを布帛にしたときのス
トレッチ性とは必ずしも結びつかなかった。それはケン
縮を発現させる空間が無制限であるために、布帛内の拘
束下を想定することできず、ゆえに布帛でのストレッチ
性を判断することができなかった。
【0013】本発明においては、布帛内のストレッチ性
を評価する指標として、糸側圧抵抗回復率の概念を用い
た。糸側圧抵抗回復率とは、後述するように、ガラスチ
ューブの側圧下でケン縮発現させる測定法である。この
測定法では、布帛内で拘束されやすい粗いケン縮を側圧
で拘束することによって、ケン縮発現しにくくさせるも
のである。この糸側圧抵抗回復率を測定することで、実
際の布帛でのストレッチ性を評価することができる。ま
た、糸側圧抵抗回復率が高い値を示すということはさら
に、加工糸の表面がなめらかであるということでもある
ので、ソフト性も評価することができる。この糸側圧抵
抗回復率が50%未満の場合は、ケン縮が粗い状態であ
り、ストレッチ性とソフトさに欠けた布帛になる。ま
た、糸側圧抵抗回復率が80%を超えると、シボのある
布帛になる。
【0014】加えて、本発明の仮撚加工糸は微細なケン
縮形態からくる比較的低応力かつ低歪み量における優れ
た弾性回復性能に加えて、高歪み領域においてもポリト
リメチレンテレフタレート分子構造がもつ構造弾性によ
り、高反発で、パワー感のあるストレッチ性能が達成さ
れる。
【0015】また本発明ではポリエチレンテレフタレー
トが成分に含まれていることにより、ポリトリメチレン
テレフタレートでは弱点となるプリーツ性も良好とな
る。
【0016】本発明のポリエステルのうち、ポリトリメ
チレンテレフタレートAとはテレフタル酸を主たる酸性
分とし、1・3プロパンジオ−ルを主たるグリコ−ル成
分として得られるポリエステルである。
【0017】本発明の効果を失わない範囲、好ましくは
20モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合
で、他のエステル結合の形成可能な共重合成分を含んで
も良い。共重合可能な化合物として、例えば、イソフタ
ル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピ
ン酸、ダイマ酸、セバシン酸などのジカルボン酸類、一
方、グリコ−ル成分として、例えば、エチレングリコ−
ル、ジエチレングリコ−ル、ブタンジオ−ル、ネオペン
チルグリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、ポリエ
チレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ルなどを挙
げることができるが、これらに限られるものではない。
また、艶消剤として2酸化チタン、滑剤としてのシリカ
やアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダ−ドフェノ
−ル誘導体、着色顔料などを必要に応じて添加すること
ができる。
【0018】本発明のA,B各成分の複合比率は重量比
で8:2から2:8であることが好ましい。この範囲以
外には、A、Bどちらかの成分が少なくなり、ケン縮が
粗くなる。より好ましい複合比率は6:4〜4:6であ
る。
【0019】本発明においては、仮撚加工糸を構成する
フィラメントが、ポリトリメチレンテレフタレートAと
ポリエチレンテレフタレートBとをサイドバイサイド型
に複合した繊維を含むものである。
【0020】本発明においては、実質的に少なくともフ
ィラメントの横断面形状が四角形以上の異形断面からな
り、またのその断面のポリマー境界線が曲線であること
が好ましい。
【0021】従来、よく用いられている丸断面形状のフ
ィラメントを仮撚する場合には、加撚ゾーンで最密充填
構造をとるので、断面形状はほぼ全てが六角形になる。
横断面形状が四角形以上の異形断面からなる場合には、
フィラメントごとに様相の異なったケン縮形態をなし、
お互いのケン縮が干渉しにくくなることで、布帛内でケ
ン縮発現しやすくなる。また、異形化することで、ナイ
ロン調のサラサラした風合いになる。
【0022】また、その断面のポリマー境界線が曲線で
あることで、お互いのポリマーの形状が非対称化し、よ
り多くコイルケン縮が発現するようになる。
【0023】または、単糸フィラメント横断面形状が扁
平型であり、かつ次式を満たすことが好ましい。
【0024】20≦扁平率(%)≦80 扁平率(%)=(D2/D1)×100 D1:単糸フィラメント横断面における長軸の長さ D2:D1に直交する短軸のうち最大のものの長さ ここで単糸フィラメント横断面形状が扁平型とは、断面
の長軸と短軸との長さの比率から導かれる扁平率が20
%以上80%以下であることを示す。その具体的形状は
図2に示すように、(イ)楕円型、(ロ)キノコ型、
(ハ)ドッグボーン型、(ニ)シェル型など扁平型であ
れば任意の形状であって構わない。図2において、PP
TはポリトリメチレンテレフタレートAを示し、PET
はポリエチレンテレフタレートBを示す。
【0025】単糸フィラメント横断面形状が扁平である
と、単糸フィラメントごとの微細なピッチクリンプの位
相がずれることにより、布帛にしたときに、より滑らか
でソフトにすることができる。
【0026】扁平率が80%超えると、扁平型であると
はいえず、クリンプ位相ずれ効果を期待することができ
ない。また、20%未満であると布帛にイラツキが見ら
れるようになり好ましくない。
【0027】また、本発明の仮撚加工糸の総繊度は、3
0Dtexから1000Dtexの範囲で用途目的にあ
わせて適宜選択すればよい。単糸フィラメント繊度は、
強度とソフトタッチを両立するためには0.5〜10d
texであることが好ましく、より好ましくは1.5〜
6dtexである。
【0028】次に本発明の仮撚加工糸の製造方法につい
て説明する。本発明の仮撚加工糸はポリトリメチレンテ
レフタレートAとポリエチレンテレフタレートBとをサ
イドバイサイド型に複合した伸度100〜250%のポ
リエステル系マルチフィラメント高配向未延伸糸を1.
2〜2.0倍で延伸しつつ仮撚することを特徴としてい
る。
【0029】このときの延伸工程は、図3(イ)に示す
ように、仮撚と同時に行う延伸同時仮撚を行うものであ
っても構わないし、図3(ロ)に示すように、仮撚前に
熱ピン8を用いて先延伸を行う先延伸仮撚であっても構
わない。
【0030】このとき延伸倍率が1.2倍未満であれば
強伸度特性が満たされず、また2.0倍を超えると毛羽
が発生しやすくなる。本発明の仮撚加工糸の強度は3.
0cN/dtex以上あることが好ましい。
【0031】ポリエステルを構成する実質的なフィラメ
ントがポリトリメチレンテレフタレートAのみであった
場合、150℃以上の温度で仮撚すると、強伸度が低下
してしまう。ゆえにその仮撚加工糸はポリエチレンテレ
フタレートBを主とする仮撚加工糸に比べて熱セット効
果は不十分なものとなる。
【0032】本発明においてはポリトリメチレンテレフ
タレートAとポリエチレンテレフタレートBをサイドバ
イサイド型に複合したポリエステルを用いているため、
150℃〜200℃の高温ゾーンで仮撚し、熱セット効
果を高めることができる。
【0033】仮撚温度が150℃未満の場合には、熱セ
ット効果が不十分となるため十分なケン縮が得難い。一
方、200℃を超える場合には、融着が発生して未解撚
部を有するがさついた風合いの糸条となり、強伸度、ケ
ン縮、および構造弾性回復についても不十分なものとな
る。
【0034】本発明のサイドバイサイド複合口金は公知
のものを使用することができる。
【0035】次に、複合口金から吐出した後、高配向未
延伸糸を得、延伸と同時に仮撚加工を施す。この仮撚加
工は、シングルヒーター方式、2ヒーター方式のいずれ
でもよい。仮撚時の仮撚数TW(T/M)は、2200
0/(D)1/2〜39000/(D)1/2の範囲が好まし
い。22000/(D)1/2未満の場合には、十分なケ
ン縮を付与することが難しくなり、一方39000/
(D)1/2を超える場合には、加工糸の毛羽、断糸の発
生頻度が高くなる。より好ましくは26000/(D)
1/2〜36000/(D)1/2である(ただし、Dは繊度
でデシテックス)。
【0036】なお、仮撚付加装置は、摩擦仮撚装置、流
体仮撚装置など任意の仮撚装置を使用することができる
が、好ましくはフリクションディスクを用いての摩擦仮
撚である。
【0037】また、仮撚後に交絡ノズルを用いて、後交
絡を入れても何ら構わない。
【0038】本発明の仮撚加工糸は、必要に応じてポリ
トリメチレンテレフタレート繊維同志や他の繊維糸条と
同時仮撚、位相差仮撚、伸度差仮撚等公知の複合仮撚手
段によって複合仮撚加工糸としてもよい。本発明の仮撚
加工糸同志や各種原糸や加工糸とインターレース交絡し
たり、タスラン加工したり、交撚してもよい。また、仮
撚後に再熱セットを施しても構わない。
【0039】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は実施例により限定されるものでは
ない。なお、本文及び実施例中の測定値は以下の方法に
より検出した。
【0040】(1)糸側圧抵抗回復率(%) 周長0.8mの検尺機で、90mg/dtexの張力下
でカセを得る。その時の合計デシテックスは2600
(dtex)に最も近くなるようにカセ巻数を調整す
る。そして得たカセを内径3.65mmのガラスチュー
ブに通す。そのカセの一端をガラスチューブに把持し
て、もう一端に150gの荷重をかけ、荷重をかけた側
のガラスチューブ出口でカセを切断する。ガラスチュー
ブの長さ(L)に切断されたカセをチューブ内にいれた
まま90℃×3分間熱水処理し、チューブの側圧下でケ
ン縮発現した後の長さ(L1)を測定する。次式によ
り、糸側圧抵抗回復率を求める。
【0041】糸側圧抵抗回復率(%)={(L−L1)
/L}×100 (2)扁平率 パラフィン包埋法により加工糸の断面サンプルを3個採
取する。そして得た断面サンプルを顕微鏡で800倍に
拡大して、ビデオプリンターにより写真を撮影する。そ
こから、断面の長軸D1、短軸D2を1サンプル5箇
所、計15箇所算出し、その平均から以下の式で扁平率
を算出する。
【0042】扁平率(%)=(D1/D2)×100 (3)織物ストレッチ率 JIS−L−1096に従って測定した。
【0043】以下、本発明を実施例で具体的に説明す
る。なお、実施例における評価は、以下の方法で行なっ
た。
【0044】(1)ソフトさの評価 実施例、比較例に記載の方法で得た織物のソフトさを触
感により官能評価した。この際、従来品である比較例1
の織物を標準として、以下の基準で5段階評価を行な
い、10人のパネラーの評価結果を平均して判定した。 5:極めてソフトな風合い 4:ややソフトな風合い 3:標準織物と同等の風合い 2:やや堅い風合い 1:極めて硬い風合い。
【0045】(2)表面品位の評価 実施例、比較例に記載の方法で得た織物の表面品位を、
触感により官能評価した。この際、従来品である比較例
1の織物を標準として、以下の基準で5段階評価を行な
い、10人のパネラーの評価結果を平均して判定した。 5:極めて表面品位が良い 4:やや表面品位が良い 3:標準織物と同等の表面品位 2:やや表面品位が悪い 1:極めて表面品位が悪い 図3(イ)は、本発明の仮撚加工糸の製造工程の一例を
示す概略図である。マルチフィラメント1がフィードロ
ーラ2を通って、施撚体(仮撚具)5によって仮撚され
ながら第1ヒーター3に導入され熱セットされ、冷却板
4で冷却される。その後、デリベリーローラ6を経てテ
イクアップローラ7に巻取られる。また、図3(ロ)は
マルチフィラメント1を熱ピン8で先延伸してから仮撚
する製造工程の一例を示す模式図である。
【0046】(実施例1)丸型断面のポリトリメチレン
テレフタレートとポリエチレンテレフタレートを5:5
の複合比でサイドバイサイド型に複合した150dte
x、36フィラメント伸度175%の高配向未延伸糸を
用いた。
【0047】図3(イ)に示す仮撚工程を使用して、表
1の条件で仮撚加工を実施し、仮撚加工糸を得た。得ら
れた加工糸の横断面は、四角形以上の異形断面からな
り、その形状は四角が8本、五角が13本、六角が3本
であり、その断面のポリマー境界線が曲線をなしていた
(図5参照)。 また、扁平率が80%であり、糸側圧
抵抗回復率は58.8%で織物拘束下でも十分なケン縮
発現力があることが分かった。得られた加工糸を、S方
向に500T/mで追撚し緯糸として用い、経糸として
56Dtex、24フィラメントのポリエチレンテレフ
タレート延伸糸(S方向に250T/mで追撚したも
の)を用い、レピア織機により3/1のツイルで製織
し、織物を形成した。引き続き97℃の熱水でリラック
ス精練、テラシルネイビーブルー色の分散染料で120
℃で染色、160℃で仕上熱固定し、布帛を得た。この
布帛は織物ストレッチ率72%と最も高いストレッチ性
とソフトな肌触りを併せ持つものであった。また、ケン
縮が微細なため布帛の表面品位も良好であった。
【0048】(実施例2)キノコ型断面のポリトリメチ
レンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートを
5:5の複合比でサイドバイサイド型に複合した伸度1
72%の高配向未延伸糸を実施例1と同じ仮撚工程を用
い、表1の条件で仮撚加工を実施し、仮撚加工糸を得
た。
【0049】得られた加工糸の横断面は、扁平型であ
り、扁平率が50%であった(図5)。また、糸側圧抵
抗回復率は56.9%と、織物拘束下でも十分なケン縮
発現力があることが分かった。得られた加工糸を、実施
例1と同じ条件で製織、染色を行った。得られた布帛は
織物ストレッチ率68%と高いストレッチ性とソフトな
肌触りを併せ持つものであった。また、布帛はサラサラ
していて、ケン縮が微細なため表面品位も良好であっ
た。
【0050】(比較例1)粘度が1.5および0.8と
異なる2種類のポリトリメチレンテレフタレートを5:
5の複合比でサイドバイサイド型に複合した150dt
ex、36フィラメント、伸度30%の延伸糸を用い
た。
【0051】得られた加工糸の糸側圧抵抗回復率は4
4.6%と粗いケン縮が多かったせいか、抵抗が大きか
った。得られた加工糸を、実施例1と同じ条件で製織、
染色を行った。得られた布帛は織物ストレッチ率54%
とやや不十分なストレッチ性で、表面はがさついた肌触
りであり、ソフトさも不十分であった。
【0052】(比較例2)150dtex、36フィラ
メントのポリトリメチレンテレフタレート、伸度160
%の高配向未延伸糸を用いた。
【0053】得られた加工糸の糸側圧抵抗回復率は6
5.3%と粗いケン縮が多かったせいか、抵抗が大きか
った。
【0054】得られた加工糸を、実施例1と同じ条件で
製織、染色を行った。得られた布帛は織物ストレッチ率
47%と満足いくストレッチ性が得られなかった。しか
も、表面はがさついた肌触りで、ソフトさも不十分であ
った。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明の複合仮撚加
工糸ストレッチ性と弾性回復性、ソフトな風合いを兼ね
備えた仮撚加工糸である。
【0057】本発明の加工糸は布帛内での微細なピッチ
クリンプ径のケン縮発現が布帛内拘束に負けることなく
発現することにより、高度なストレッチ性を示し、かつ
シボがない滑らかでソフトな布帛を得ることができる。
【0058】またポリトリメチレンテレフタレートとポ
リエチレンテレフタレートが組み合わせていることによ
り、お互いの特徴である弾性回復特性プリーツ性が良好
であるのに加え、両者の収縮特性の差が大きいことによ
り、ケン縮ピッチを細かくすることができ、ソフトタッ
チでドレープ性のある布帛を得ることができる。
【0059】また、横断面形状が四角、五角、六角形の
異形断面からなる場合には、ナイロン調のサラサラした
風合いになり、またその断面のポリマー境界線が曲線で
あることで、より多くコイルケン縮が発現するようにな
る。
【0060】また、横断面形状が扁平であると、布帛に
したときに、より滑らかでソフトにすることができる。
【0061】また、ストレッチ特性に優れているため特
にスポーツ衣料などで、布帛がストレッチに十分に追従
し、肘、膝部分のワライの発生を抑えることができる。
【0062】また本発明においては、サイドバイサイド
型原糸が高配向未延伸糸状態であるので、サイドバイサ
イド型原糸特有のコイル捲縮が潜在化した状態で供給さ
れる。よって、クリールで問題なく原糸解除することが
でき、工程通過性に優れている。
【0063】また高配向未延伸糸を延伸同時仮撚するこ
とにより、加工速度を400m/min以上に設定する
ことができ、生産効率の面においても優れている。
【0064】本発明の仮撚加工糸からなる布帛は、衣料
用として、特にジャケット、ボトムなどのアウター、ワ
ンピース、スカート、アームウォーマー、ストッキング
などの婦人衣料、ジャージ、アスレチックウェア、スキ
ーウェア、レオタードなどのスポーツ衣料、ストッキン
グ、タイツ、ソックス、肌着などのインナー、また産業
用としてはタオル、傘地、芯地、歯ブラシ、釣り糸、ロ
ープ、人工芝、カーシートなどにストレッチ素材として
用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られる仮撚加工糸の一例を示す
側面図である。
【図2】扁平断面の例を示す模式図である。
【図3】本発明の加工糸を得るための加工工程の一例を
示す模式図である。
【図4】実施例1により得られる加工糸の断面模式図で
ある。
【図5】実施例2により得られる加工糸の断面模式図で
ある。
【符号の説明】
1:マルチフィラメント 2:フィードローラ 3:第1ヒーター 4:冷却板 5:施撚体 6:デリベリローラ 7:テイクアップローラ 8:熱ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L036 MA05 MA17 MA26 MA33 PA07 PA15 RA04 4L041 AA08 BA02 BA05 BA09 BA22 BA32 BA33 BB08 BC17 BD14 CA06 CA13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル系マルチフィラメント糸の仮
    撚加工糸であって、該仮撚加工糸を構成するフィラメン
    ト糸が、ポリトリメチレンテレフタレートAとポリエチ
    レンテレフタレートBとをサイドバイサイド型に複合し
    た繊維を含み、かつ糸側圧抵抗回復率が次式を満足する
    ことを特徴とする仮撚加工糸。 50≦糸側圧抵抗回復率(%)≦80
  2. 【請求項2】ポリトリメチレンテレフタレートAとポリ
    エチレンテレフタレートBとをサイドバイサイド型に複
    合した伸度100〜250%のポリエステル系マルチフ
    ィラメント高配向未延伸糸を1.2〜2.0倍で延伸し
    つつ仮撚することを特徴とする仮撚加工糸の製造方法。
JP2001241790A 2001-08-09 2001-08-09 仮撚加工糸およびその製造方法 Pending JP2003055846A (ja)

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