JP3624824B2 - 織・編物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、着用感が快適な高ソフトストレッチを有する織物または編物(本発明において、これらを総称して「織・編物」という)に関するものである。
【0002】
ポリエステルは、機械的特性をはじめさまざまな優れた特性を有しているため、幅広く展開されているが、近年のストレッチブームによりポリエステル系織・編物にもより優れたストレッチ性を付与することが望まれている。
【0003】
ポリエステル系繊維にストレッチ性を付与する手段として、仮撚加工糸や、弾性繊維の混用の他に、サイドバイサイド型複合繊維が種々提案されている。サイドバイサイド型複合繊維は、仮撚加工糸のようなガサツキ、フカツキ感もなく、またポリウレタン系のような弾性繊維の混用のように、風合いやドレープ性、染色性に劣るといった問題もない。
【0004】
例えば、特公昭44−2504号公報や特開平4−308271号公報には固有粘度差あるいは極限粘度差を有するポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す)のサイドバイサイド複合糸、特開平5−295634号公報には非共重合PETとそれより高収縮性の共重合PETのサイドバイサイド複合糸が記載されている。このようなサイドバイサイド型複合繊維を用いれば、ある程度のストレッチ性のある糸を得ることはできるが、織物にした際のストレッチ性が不充分となり、満足なストレッチ性織物が得られにくいという問題があった。これは、上記したようなサイドバイサイド型複合糸は織物拘束中での捲縮発現能力が低い、あるいは捲縮が外力によりヘタリ易いためである。サイドバイサイド型複合糸はポリウレタン系繊維のように繊維自身の伸縮によるストレッチ性を利用しているのではなく、複合ポリマ間の収縮率差によって生じる3次元コイルの伸縮をストレッチ性に利用している。このため、例えば、ポリマーの収縮が制限される織物拘束下で熱処理を受けるとそのまま熱固定され、それ以上の収縮能を失うためコイルが十分に発現せず、上記問題が発生するものと考えられる。
【0005】
一方、従来のサイドバイサイド型複合繊維を用いた織物において、たとえある程度のストレッチ性を得ることができたとしても、風合いは必ずしも満足し得るものではないという問題があった。特に薄地の織・編物では風合いが硬く、ドレープ性に欠けて婦人のブラウスやワンピースあるいは外衣、スポーツ用途においては全く満足するものではなかった。
【0006】
これに対して、例えば構成糸の単繊維繊度を小さくすることが考えられるが、一様にタラタラした風合いとなり、反発性に乏しくシワになるという問題がある。また、光沢はピカピカしたものとなり、優雅な光沢は得られない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上述のような従来技術では得られなかった、着用時の快適性に優れた高いストレッチ性と回復性を有し、かつソフトで腰がある風合いで、優雅な光沢を有するポリエステル系ストレッチ織・編物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するため本発明のポリエステル系ストレッチ織物は、次の構成を有する。
【0009】
すなわち、一方がポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルである2種類のポリエステル系重合体を繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼り合わせた複合繊維フィラメントであって、該フィラメントの単繊維繊度が0.05〜15デシテックスの範囲で混繊されている混繊糸で構成され、平均伸長率が10%以上、平均伸長回復率が70%以上であることを特徴とする織・編物である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、さらに詳しく本発明の織・編物について説明する。
【0011】
本発明の織・編物には、ポリエステル系のサイドバイサイド型複合繊維を用いる。
【0012】
サイドバイサイド型の複合繊維は、固有粘度や共重合成分、共重合率等が異なる重合体を貼り合わせ、それらの弾性回復特性や収縮特性の差によって、捲縮を発現するものである。固有粘度差を有するサイドバイサイド型複合の場合、紡糸、延伸時に高固有粘度側に応力が集中するため、2成分間で内部歪みが異なる。そのため、延伸後の弾性回復率差および織物の熱処理工程での熱収縮率差により高粘度側が大きく収縮し、単繊維内で歪みが生じて3次元コイル捲縮の形態をとる。この3次元コイルの径および単位繊維長当たりのコイル数は、高収縮成分と低収縮成分との収縮差(弾性回復率差を含む)によって決まると言ってもよく、収縮差が大きいほどコイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多くなる。
【0013】
ストレッチ素材として要求されるコイル捲縮は、コイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多い(伸長特性に優れ、見映えが良い)、コイルの耐へたり性が良い(伸縮回数に応じたコイルのへたり量が小さく、ストレッチ保持性に優れる)、さらにはコイルの伸長回復時におけるヒステリシスロスが小さい(弾発性に優れ、フィット感がよい)等である。これらの要求を全て満足しつつ、ポリエステルとしての特性、例えば適度な張り腰、ドレープ性、高染色堅牢性を有することで、トータルバランスに優れたストレッチ素材とすることができる。
【0014】
ここで、前記のコイル特性を満足するためには高収縮成分(高粘度成分)の特性が重要となる。コイルの伸縮特性は、低収縮成分を支点とした高収縮成分の伸縮特性が支配的となるため、高収縮成分に用いる重合体には高い伸長性および回復性が要求される。
【0015】
そこで、本発明者らはポリエステルの特性を損なうことなく前記特性を満足させるために鋭意検討した結果、高収縮成分にポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTと略記する)を主体としたポリエステルを用いることを見出した。
【0016】
PTT繊維は、代表的なポリエステル繊維であるポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略記する)繊維と同等の力学的特性や化学的特性を有しつつ、弾性回復性、伸長回復性が極めて優れている。これは、PTTの結晶構造においてアルキレングリコール部のメチレン鎖がゴーシュ−ゴーシュの構造(分子鎖が90度に屈曲)であること、さらにはベンゼン環同士の相互作用(スタッキング、並列)による拘束点密度が低く、フレキシビリティーが高いことから、メチレン基の回転により分子鎖が容易に伸長・回復するためと考えられる。
【0017】
ここで、本発明においてPTTとは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、20モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合で他のエステル結合の形成が可能な共重合成分を含むものであってもよい。共重合可能な化合物として、例えばイソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのジオール類を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などを添加してもよい。
【0018】
また、低収縮成分(低粘度成分)には高収縮成分であるPTTとの界面接着性が良好で、製糸性が安定している繊維形成性ポリエステルであれば用いることができ、特に限定されるものではないが、力学的特性、化学的特性および原料価格を考慮すると、繊維形成能のあるPETが好ましい。
【0019】
また、両成分の複合比率は製糸性および繊維長さ方向のコイルの寸法均質性の点で、高収縮成分:低収縮成分=75:25〜35:65(重量%)の範囲が好ましく、65:35〜45:55の範囲がより好ましい。
【0020】
本発明に用いられるサイドバイサイド型複合繊維の断面形状は、丸断面、三角断面、マルチローバル断面、偏平断面、ダルマ型断面、X型断面その他の異形断面であってもよいが、捲縮発現性と風合いのバランスから、丸断面の半円状サイドバイサイドや軽量、保温を狙った中空サイドバイサイド、ドライ風合いを狙った三角断面サイドバイサイド等が好ましく用いられる。
【0021】
また、本発明はかかる複合繊維のフィラメントの単繊維繊度差があるものを複数種類のもとに混繊したものである。すなわち、従来の混繊しない繊度が均一なものはストレッチ性、風合い、光沢が均一となり、単調であり、平凡なものしか得られない。ストレッチ性では太繊度のものはストレッチパワーは大きいが、風合いは硬くなる。また、細繊度のものは一様に風合いはペラペラし、張り、腰がなくなる、といった次第で、混繊する意義を有するものである。
【0022】
ここで、混繊する単繊維繊度としては本発明の効果をより発揮せしめ得る点で、0.05〜15デシテックスの範囲で混繊されていることが好ましい。0.05デシテックス未満では細すぎて風合い、染色性が低くなること、また、15デシテックスを越えると風合いがザラツいて、これらのバランスからいずれも好ましくないので、上述した範囲が最適である。
【0023】
かかる混繊糸の混繊本数(混繊グループ数)、繊度構成については特に限定されるものではないが、混繊本数は2〜5者に混繊することが本発明の効果と紡糸がしやすい点から好ましい。具体的には、例えば混繊が3者混の場合、1デシテックスのものが20フィラメント/3デシテックスのものが10フィラメント/5デシテックスのものが4フィラメントなどとする。この場合は総繊度:70デシテックス、34フィラメント、平均単繊維繊度:2.1デシテックス、繊度差倍率:1/3/5倍である。
【0024】
これらの繊度構成はね所望とする風合いなどに応じて適宜変え得るものであるが、細繊度のものはフィラメント数を多く、太細繊度のものはフィラメント数を少なくすることが風合いとイラツキ(染色差、光沢差)を発生させないことから、好ましい。特に好ましい例としては3者混で例示すると、0.7〜1.2/1.5〜4/5〜12デシテックスに、また、フィラメント数は15〜40/14〜6/5〜22フィラメントに混繊することが好ましい。薄地の場合は、これらの混繊する総繊度を30〜80デシテックスに、厚地の場合は総繊度を90〜500デシテックスに適宜設定する。
【0025】
なお、5者混を越えると、均一な質感となり、平凡になってしまう傾向にあるので、好ましくない。
【0026】
かかるフィラメントの混繊方法は紡糸混繊あるいは紡糸後混繊のいずれの方法でもよく、限定されるものではないが、風合い、光沢、ストレッチパワーおよび製造効率などの観点から、紡糸混繊法が好ましい。紡糸混繊では一つの口金からそれぞれの繊度が異なるフィラメントがサイドバイサイドに張り合わせる方法で容易に製造することができる。これにより、構造的に単繊維繊度の太いフィラメントが中心部に、細いフィラメントが外層部に混繊、配列でき、表面がソフトで、張り腰のある風合い、マイルドな光沢、バランスの良いストレッチ性が発現できるからである。
【0027】
なお、それぞれ単独糸を紡糸した後に糸加工で混繊する、いわゆる後混繊法では製造効率から2〜3者混はできるので、この場合は太繊度糸を芯糸に、細繊度を鞘糸にする、芯鞘複合の加工糸にすることが好ましい。
【0028】
次に紡糸後の糸形態としては、通常の方法にて3倍程度に延伸して延伸糸とするもの、あるいは半延伸して後で仮撚り加工する加工糸として用いることが品質面から好ましい。
【0029】
また、薄地ではこのサイドバイサイド型複合繊維を実質的に無撚〜甘撚りで用いることがストレッチ性と風合いから好ましい。実質的に無撚とは、製織、製編性を向上するために糸に施す500回/m以下の甘撚であり、特に好ましくは、300回/m以下である。
【0030】
厚地の場合は1000〜2000回/m程度に実撚を施すと大きなふくらみが発現することから、適用することが好ましい。
【0031】
本発明にかかるポリエステル系ストレッチ織・編物は平均伸長率は10%以上でかつ平均伸長回復率は70%以上のものである。織物の場合は、経緯の少なくとも一方向について、織物伸長率が10%以上である。織物伸長率とは、実施例中の測定方法にて定義されるストレッチ性のパラメータである。織物伸長率が10%未満である場合には、人体の運動時の皮膚の伸縮に追随できず、満足の行く着心地のものが得られない。
【0032】
また、本発明の織物は伸長回復率は70%以上でなければならない。織物伸長回復率が70%未満である場合には、着用時に生地が回復せず、膝や肘部がたるみを惹起し、シワとなり、好ましくない。なお、本発明でいう平均伸長率、回復率とは織物、編物のいずれの場合も布帛の経、緯の平均値をいう。
【0033】
本発明ではかかるサイドバイサイド型複合繊維を100%使うことが好ましいが、他の繊維と交織したり、交編しても構わないが、この場合は本複合繊維の混用率は20%以上とするものが本発明の効果が発揮されるので、好ましいことである。
【0034】
また、他の繊維と合撚することや混繊することも何ら構わないものである。
【0035】
次いで、得られた糸条を通常の方法で製織するが、薄地はウォータージェット、あるいはエアージェットで、厚地はレピア織機で製織することがストレッチ性の安定性と品位から適用することが好ましい。
編物では薄地はハイゲージで、厚地はローゲージで同様の利点から好ましく適用できる。
【0036】
組織は限定するものではないが、織物ではストレッチ性から綾織、平織、二重織が好ましく、編物ではスムース、天竺、モツクミラノリブが好ましい。
【0037】
製織、製編後は通常のリラックス熱処理、アルカリ減量、中間セット、染色し、仕上げる。リラックス熱処理においては、サイドバイサイド型複合繊維の捲縮を、織物拘束力に打ち勝って充分に発現させるため、液中温度を80℃以上とすることが好ましい。染色は通常の分散染料を用いて130℃で染色する。仕上げは通常の制電加工や撥水加工、コーティング加工など適用できるが、よりストレッチ性を生かすような平滑剤、柔軟剤を少量添加することも好ましいことである。
【0038】
このように、本発明の用途は上記の点からブラウス、ワンピース、シャツなどの薄地、およびスラックス、スカート、ジャケットなどの厚地まで広汎に適用できる利点がある。
【0039】
以上のように、かくして得られた織・編物は、従来技術では得られなかった、着用快適性に優れた高いストレッチ性と回復性を有し、かつソフトで腰がある風合いで、優雅な光沢を有するポリエステル系ストレッチ織・編物を提供することができた。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例で詳細に説明する。実施例での評価方法を次に示す。
(評価方法)
(1)織物平均伸長率
JIS L−1096の伸長率A法(定速伸長法)で測定した。値が高いほど、ストレッチ性が高く良好なものである。織・編物の経方向、緯方向の各々についての伸長率を加算し、さらにその加算値を1/2にして平均伸長率とした。
(2)平均伸長回復率
JIS L−1096の伸長回復率A法(繰り返し定速伸長法)で測定した。値が高い程、ストレッチ性が高く良好なものである。織・編物の経方向、緯方向の各々についての伸長回復率を加算し、さらにその加算値を1/2にして平均伸長回復率とした。
(3)風合い
染色仕上げ後の生地を手に持ち、10名による官能評価で次のように3段階評価で行った。
【0041】
判定表示 ○:ソフト感があり、且つ張り、腰があり非常に良い。
【0042】
△:ソフト感が一般織・編物並である。
【0043】
×:ソフト感がなく、且つ張り、腰がなく悪い。
(4)風合い
染色仕上げ後の生地を手に持ち、10名による官能評価で次のように3段階評価で行った。
【0044】
判定表示 ○:マイルドな柔らかい優雅な光沢で、非常に良い。
【0045】
△:普通である。
【0046】
×:均一で強い光沢であり、悪い。
実施例1
(製糸)
固有粘度(IV)が1.40のホモPTTと固有粘度(IV)が0.60のホモPETをそれぞれ別々に溶融し、紡糸温度275℃で24孔の複合紡糸口金から複合比(重量%)50:50でそれぞれ下述の3者混繊糸に吐出し、紡糸速度1400m/分で引取り196デシテックス、24フィラメントのサイドバイサイド型複合構造未延伸糸を得た。この場合の紡糸混繊の単繊維繊度とフィラメント構成は3.3デシテックス:12フィラメント/9.8デシテックス:8フィラメント/19.6デシテックス:4フィラメントであり、細繊度のものを口金の外層に〜太繊度のものを中心部になるように混繊紡糸した。次いで、ホットロール−熱板系延伸機(接糸長:20cm、表面粗度:3S)を用い、ホットロール温度75℃、熱板温度170℃、延伸倍率3.3倍で延伸し、次いでいったん引き取ることなく、連続して0.9倍でリラックスして巻き取り、66デシテックス、24フィラメントの延伸糸を得た。
【0047】
延伸後の混繊糸の単繊維繊度とフィラメント構成は1.1デシテックス:12フィラメント/3.3デシテックス:8フィラメント/6.6デシテックス:4フィラメントである(単糸平均繊度:2.8デシテックスの3者混、単繊維繊度差:1/3/6倍)。なお、紡糸、延伸とも製糸性は良好であり、糸切れは発生しなかった。
(製織)
経糸、緯糸とも得られたサイドバイサイド型複合繊維に200t/mの撚をかけ、次いで、エアージェット織機にて経緯が112×88本/2.54cmの生機密度で2/2のツイル織物に製織した。織り上げ目付は121g/平方メートルであった。
(染色仕上げ)
得られた生機をオープンソーパーで95℃でリラックス熱処理し、乾燥後、乾熱180℃で中間セットし、アルカリ減量加工を行った(減量率:12%)。次いで、ブルーの分散染料で130℃で60分で染色した。その後170℃の乾熱でピンテンター方式により仕上セットした。仕上反の密度は経緯で141×111本/2.54cmであった。仕上げ目付は137g/平方メートルであった。
比較例1
ポリエステル(PET)100%の混繊しない単独糸の延伸糸:66デシテックス、24フィラメント(単繊維繊度:2.8デシテックス)を用いた以外は実施例1に従って織物を仕上げた。
比較例2
ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)100%の混繊しない単独糸の延伸糸:66デシテックス、24フィラメント(単繊維繊度:2.8デシテックス)を用いた以外は実施例1に従って織物を仕上げた。
比較例3
ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)とポリエステル(PET)を50:50でサイドバイサイド型複合糸を混繊しない延伸糸:66デシテックス、24フィラメント(単繊維繊度:2.8デシテックス)を用いた以外は実施例1に従って織物を仕上げた。
(評価結果)
実施例1で得られた織物の平均伸長率は24%(経糸方向:22%、緯糸方向:26%)であり、平均伸長回復率は88%(経糸方向:86%、緯糸方向:90%)であり、非常に優れたストレッチ性を示していた。また、ソフトで張り、腰がある非常に良好な風合いであり(風合い評価:○)、同時に、マイルドな優雅な光沢(光沢評価:○)のブルーのツイル織物であった。この織物の糸断面を走査型顕微鏡で観察した結果、細繊度のものが繊維表面の外層に、太繊度のものが繊維の中心部になることを確認した。
【0048】
なお、比較例1では織物平均伸長率は、2.4%(経方向:2、0%、緯方向:2、6%)であり、全く不満足であった。
【0049】
比較例2では織物平均伸長率は、6.8%(経方向:6.4%、緯方向:7.2%)であり、また、平均伸長回復率は42%(経方向:43%、緯方向:41%)であり、劣るものであった。
【0050】
比較例3では織物平均伸長率は、16.3%(経方向:16.4%、緯方向:16.2%)であり、また、平均伸長回復率は78%(経方向:79%、緯方向:77%)であり、ストレッチ性は得られたが、風合いは硬く(風合い評価:△)、また、光沢は均一で強い光沢であり(光沢評価:×)、劣るものであった。
【0051】
実施例1で得た織物をブラウスに縫製し、長期に着用したが、織物の評価と同様に、優れた着用快適性と風合い、光沢を示しているものであった。
実施例2
(紡糸、製糸、製編)
実施例1と同様に紡糸したサイドバイサイド複合繊維延伸糸38デシテックス、48フィラメントの延伸糸を得た。
混繊糸の単繊維繊度とフィラメント構成は0.11デシテックス:24フィラメント/0.88デシテックス:16フィラメント/2.64デシテックス:8フィラメントである(単糸平均繊度:0.79デシテックスの3者混、単繊維繊度差:1/8/24倍)を撚糸機で1000回/mの撚をかけ、80℃でスチーム下で撚止めセットし、ウエル糸密度:42本/吋、コース密度:40本/吋で天竺編物に製編した。
(染色加工)
かかる編物を通常の精練(熱水120℃)、セツト(乾熱190℃)し、次いで液流染色機でアルカリ減量処理を行った。編物の減量率は8%であった。次いで、黒色の分散染料で130℃、60分で高圧高温染色をし、仕上げた。仕上げ密度はウエル糸密度:52本/吋、コース密度:48本/吋であった。
比較例4
ポリエステル(PET)100%の混繊しない単独糸の延伸糸:38デシテックス、48フィラメント(単繊維繊度:0.79デシテックス)を用いた以外は実施例2に従って編物を仕上げた。
(評価結果)
実施例2で得られた編物の平均伸長率は46%(経糸方向:42%、緯糸方向:50%)であり、平均伸長回復率は92%(経糸方向:90%、緯糸方向:94%)であり、非常に優れたストレッチ性を示していた。また、非常にソフトでありながら、張り、腰がある良好な風合いであり(風合い評価:○)、同時に、マイルドな優雅な光沢(光沢評価:○)の素晴らしい黒の天竺編物であった。
【0052】
なお、比較例4では織物平均伸長率は、6.2%(経方向:4、2%、緯方向:8、2%)であり、ストレッチは低く、風合い、光沢も平凡で全く不満足であった。
実施例3
(紡糸、製糸、製織)
実施例1と同様の方法で紡糸したサイドバイサイド複合繊維延伸糸106デシテックス、46フィラメントの延伸糸を得た。
混繊糸の単繊維繊度のフィラメント構成は0.88デシテックス:20フィラメント/2.2デシテックス:20フィラメント/5.5デシテックス:4フィラメント/11デシテックス:2フィラメントである(単糸平均繊度:2.3デシテックスの4者混、単繊維繊度差:1/2.5/6.3/12.5倍)を2本合糸し、撚糸機で400回/mの撚をかけ、80℃でスチーム下で撚止めセットし、レピア織機にて経緯が88×78本/2.54cmの生機密度でタテ二重織物に製織した。織り上げ目付は307g/平方メートルであった。
(染色仕上げ)
得られた生機を液流染色機で120℃でリラックス熱処理し、乾燥後、乾熱180℃で中間セットし、アルカリ減量加工を行った(減量率:22%)。次いで、分散染料で130℃で60分で染色した。その後170℃の乾熱でピンテンター方式により仕上セットした。仕上反の密度は経緯で110×98本/2.54cmであった。仕上げ目付は316g/平方メートルであった。
【0053】
実施例3で得られた織物の平均伸長率は29%(経糸方向:28%、緯糸方向:30%)、平均伸長回復率は91%(経糸方向:88%、緯糸方向:94%)であり、また、表面はソフトで腰、反発性に優れた風合いであった(風合い評価:○)。また、光沢はマイルドで、優雅な光沢(光沢評価:○)を兼備している高級な二重織物であった。これを婦人のジャケットに縫製し、着用した結果、織物と同様の評価の着用快適性に優れた素晴らしい質感のあるストレッチ織物であった。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、従来技術では得られなかった、着用快適性に優れた高いストレッチ性と回復性を有し、かつソフトで腰がある風合いで、優雅な光沢を有するポリエステル系ストレッチ織・編物ができる。

Claims (3)

  1. 一方がポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルである2種類のポリエステル系重合体を繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼り合わせた複合繊維フィラメントであって、該フィラメントの単糸繊度が0.05〜15デシテックスの範囲で混繊されている混繊糸で構成され、平均伸長率が10%以上、平均伸長回復率が70%以上であることを特徴とする織・編物。
  2. サイドバイサイド型複合繊維の混繊が紡糸混繊で製造されている特許請求の範囲第1項記載の織・編物。
  3. 単繊維繊度が太いフィラメントが中心部に、細いフィラメントが外層部に紡糸混繊で製造されている請求項1または2記載の織・編物。
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