JP2003055530A - 樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

樹脂組成物およびその成形体

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JP2003055530A
JP2003055530A JP2001245967A JP2001245967A JP2003055530A JP 2003055530 A JP2003055530 A JP 2003055530A JP 2001245967 A JP2001245967 A JP 2001245967A JP 2001245967 A JP2001245967 A JP 2001245967A JP 2003055530 A JP2003055530 A JP 2003055530A
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JP2001245967A
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Jun Yonezawa
順 米沢
Eiji Sasaya
栄治 笹谷
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、柔軟性、耐油性、成形加工
性に優れる樹脂組成物を提供する事にある。 【解決手段】 (A)官能基を有するスチレン系ブロッ
ク共重合体0.1重量部以上40重量部以下、(B)
末端に該官能基と反応する成分を有する高分子鎖を含む
結晶化開始温度が150℃を超える結晶性樹脂
1重量部以上50重量部以下、および(C) スチレ
ン系樹脂 10重量部以上98.9重
量部以下よりなる組成物であって、該組成物は、(C)
成分が連続相であり、150℃を超える温度における
(B)の結晶性樹脂成分の結晶化エンタルピー(ΔHc
1)と(B)の結晶性樹脂成分の融解エンタルピー(Δ
Hm1)が以下の式を満たし、 X=ΔHc1/ΔHm1 0≦X≦0.7 (B)の結晶性樹脂成分の融点が150℃を超える樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は柔軟性、耐油性、成
形加工性に優れる樹脂組成物に関する。更に詳しくはス
チレン系ブロック共重合体と結晶性樹脂とスチレン系樹
脂よりなる柔軟性および耐油性、成形加工性に優れる樹
脂組成物、及び成形体、及び容器に関する。
【0002】
【従来の技術】2種類以上の樹脂を混ぜて樹脂材料の機
能を高機能化、多様化する方法は、雑貨、包材、家電O
A材料、自動車材料等の産業分野で幅広く用いられてい
る。特に、ポリアミド系樹脂は耐熱性、耐油性、ガスバ
リア性に優れる樹脂であり、これを他樹脂とブレンドす
ることが盛んに行われている。例えば『ポリマーアロイ
活用ノート、井上隆編著(工業調査会発行)』にはポリ
プロピレン/ポリアミドアロイ、ポリフェニレンエーテ
ル/ポリアミドアロイ、アクリロニトリル・ブタジエン
・スチレン共重合体(ABS)/ポリアミドアロイ等が
紹介されており、自動車材料として実用化されているこ
とが報告されている。これらは、ポリアミド系樹脂と相
手樹脂の特徴を生かし、また、例えばポリアミド系樹脂
の吸水性といった欠点を改良した材料となっている。
【0003】また、近年は食品容器に、耐油性が求めら
れてきている。非晶性熱可塑性樹脂の代表である、ポリ
スチレン系樹脂は、成形性や剛性が優れている為に各種
の食品容器として利用されている。しかしながら、一般
に使用されているポリスチレン系樹脂は耐油性が劣り、
総菜等を食品容器ごと電子レンジで加熱した場合、容器
が変形するあるいは油分の多い材料を入れた個所に穴が
あく等の問題点がある。
【0004】ポリスチレン系樹脂の、耐油性を改良する
方法として、特開昭62−94539号公報等にスチレ
ン単量体とメタクリル酸単量体との共重合体を利用する
方法が開示されている。この材料は、一部電子レンジ対
応容器として利用されているが、耐油性が必ずしも十分
でなく使用できる範囲が限られている。更にポリスチレ
ン系樹脂とポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の熱
可塑性樹脂からなる熱可塑性シート及び発泡シートが特
開2000−63536号公報、特開2000−390
79号公報等に開示されている。これら公報の実施例
は、PS(ポリスチレン系樹脂)、HIPS(耐衝撃性
ポリスチレン系樹脂)等のポリスチレン系樹脂とPP
(ポリプロピレン)等のポリオレフィン系樹脂よりなる
樹脂シート及び発泡シートを主体としているが、 P
S、HIPS等のポリスチレン系樹脂とPA6(ナイロ
ン6)等のポリアミド系樹脂よりなる熱可塑性シート及
び発泡シートも記載されている。
【0005】しかしながら、前者のポリスチレン系樹脂
とポリオレフィン系樹脂よりなる熱可塑性シート及び発
泡シートは、ポリスチレン系樹脂単独の熱可塑性シート
及び発泡シートに比較して耐油性に優れるが必ずしも満
足のゆくレベルにない。この理由は、ポリオレフィン系
樹脂と油との親和性がまだ高い為である。
【0006】後者のポリスチレン系樹脂とポリアミド系
樹脂よりなる熱可塑性シート及び発泡シートは、ポリア
ミド系樹脂は油との親和性が小さい為に耐油性に優れる
が、成形加工性が極めて悪い。この理由は、シート成形
時に高速、大変形の延伸をかける時、あるいは発泡成形
時に高速、大変形の延伸を伴う発泡をさせる時、ポリス
チレン系樹脂をメイン成分としているが故にポリスチレ
ン系樹脂の固化温度付近の低い温度に設定する(例え
ば、ポリスチレン系樹脂の発泡温度は120℃付近が一
般的である)が、この温度で成形する時、ポリアミド系
樹脂は既に結晶化しており、シート成形時、発泡成形時
に組成物が延伸されるとポリアミド系樹脂成分は追随し
て変形することができず成形が困難となる。また、結晶
化の起きないような高温でのシート成形、発泡成形は溶
融張力が低すぎるために、ダイから出たときに溶融組成
物が垂れたり、発泡セルが形成されないために、これも
成形が困難となる。結晶化温度が、ポリスチレン系樹脂
の固化温度なみに低いポリアミド系樹脂を用いれば、成
形の問題が解決される可能性があるが、結晶化温度の低
い、共重合ナイロン等のポリアミド系樹脂は結晶化温度
の低下と同時に結晶融点も低下してしまうために、目的
とする耐熱性の付与は不可能となり、また、ポリスチレ
ン系樹脂の固化温度並みの結晶化温度を持つポリアミド
系樹脂は、非常に特殊なものであり、あったとしても非
常に高価であり経済性に劣るか、工業的に入手すること
が難しいものである。
【0007】以上のように、耐油性を材料に付与するた
めにポリアミド系樹脂を他樹脂に添加することは提案さ
れた技術があるが、これらはポリアミドの高い結晶化温
度に起因する成形性が悪いという問題が解決されておら
ず、現状では、例えば十分な耐油性の電子レンジ対応の
容器に適したシートあるいは発泡シートを成形すること
が可能な組成物が無い。耐油性に優れるポリアミド系樹
脂を他樹脂とアロイ化し、ポリアミド系樹脂の長所を付
与した材料において、発泡成形やシート成形を可能にす
る材料は材料選択の幅を広げる画期的な技術であり、そ
の技術の出現が待望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、柔軟
性、耐油性、成形加工性に優れる樹脂組成物を提供する
事にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を進めた結果、驚くべきことに
スチレン系ブロック共重合体と結晶性樹脂とスチレン系
樹脂よりなる樹脂組成物において、結晶性樹脂の結晶化
が大幅に遅延され、しかしながら組成物中の結晶性樹脂
成分の融点は低下しないものがあることを発見した。そ
して、この現象が成形加工性にきわめて優れる効果をも
たらすことを発見し、いままで成形加工が困難であった
ために実現不可能であった、結晶性樹脂の持つ、耐油性
の特徴が最大限に発現された組成物を発明した。
【0010】 すなわち本発明は、(A)官能基を有するスチレン系ブロック共重合体 0.1重量部以上40重量部以下、 (B) 末端に該官能基と反応する成分を有する高分子鎖を含む結晶化開始温度 が150℃を超える結晶性樹脂 1重量部以上50重量部以下、および (C) スチレン系樹脂 10重量部以上98.9重量部以下 よりなる組成物であって、該組成物は、(C)成分が連
続相であり、150℃を超える温度における(B)の結
晶性樹脂成分の結晶化エンタルピー(ΔHc1)と
(B)の結晶性樹脂成分の融解エンタルピー(ΔHm
1)が以下の式を満たし、 X=ΔHc1/ΔHm1 0≦X≦0.7 (B)の結晶性樹脂成分の融点が150℃を超える樹脂
組成物、である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳しく述べ
る。本発明における(A)官能基を有するスチレン系ブ
ロック共重合体の官能基としては、アミノ基(−N
H2)、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、不
飽和ジカルボン酸無水物基、エポキシ基、イソシアネー
ト基、メルカプト基、オキサゾリン基等があげられ、こ
れら官能基はスチレン系ブロック共重合体の高分子鎖に
グラフト結合させる方法で導入される。(A)官能基を
有する熱可塑性重合体の製造方法には何ら制限はない。
該官能基を有するラジカル反応性の不飽和単量体として
は、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸、桂皮酸、2−ノルボネン−5,6−ジカ
ルボン酸等の不飽和カルボン酸単量体、無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水エチルマレイン酸、無水メチ
ルイタコン酸、無水クロルマレイン酸、2−ノルボネン
−5,6−ジカルボン酸無水物等の不飽和ジカルボン酸
無水物単量体、グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、グリシジルアリルエーテル等のエポキシ
基含有不飽和単量体、などをあげることができる。なか
でも不飽和カルボン酸単量体、不飽和ジカルボン酸無水
物単量体が好ましい。
【0012】スチレン系ブロック共重合体への官能基の
導入方法は、スチレン系ブロック共重合体と上記ラジカ
ル反応性の不飽和単量体とを、ラジカル開始剤の存在下
に溶融混練する方法等がある。 (A)官能基を有するスチレン系ブロック共重合体中の
官能基を有する単量体の含有割合は、好ましくは0.0
01重量%〜30重量%、さらに好ましくは0.01重
量%〜14重量%であり、とりわけ好ましくは0.02
重量%〜10重量%である。0.001重量%未満であ
ると(B)成分との反応が行われず、界面の接着が不充
分であり、界面相が延伸、発泡時に破壊され、成形品外
観を悪化させたり、成形加工性を悪化させる。また、得
られる成形体の強度が低下するために好ましくない。3
0重量%を超えるとスチレン系ブロック共重合体のゲル
化等の副反応制御が困難になり、スチレン系ブロック共
重合体の熱可塑性が低下するため成形加工性が悪化し、
また得られる組成物成形体の外観等が悪化し好ましくな
い。該官能基の量はIR法、滴定法などにより定量する
ことができる。
【0013】(A)官能基を有するスチレン系ブロック
共重合体は、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素化
合物単量体単位を主体とする重合体ブロックAと、少な
くとも1個の共役ジエン単量体単位を主体とする重合体
ブロックBから構成される。ビニル芳香族化合物単量体
単位としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、p−ターシャルブチルスチレン等
のアルキルスチレン、パラメトキシスチレン、ビニルナ
フタレン等のうちから1種、または2種以上が選ばれ、
中でもスチレンが好ましい。上記ブロック共重合体にお
けるビニル芳香族化合物単量体単位含量は1重量%を越
え、99重量%未満であり、成形加工性の点から25重
量%以上90重量%以下であることが好ましい。1重量
%以下であると成形加工性が悪化し、99重量%以上で
あると成形加工性が悪化するばかりでなく、柔軟性が悪
化する。ビニル芳香族化合物単量体単位含量は核磁気共
鳴装置(NMR)、紫外分光光度計(UV)などにより
測定できる。本発明における「主体とする」という言葉
は、例えば「ビニル芳香族化合物単量体単位を主体とす
る」の場合、ビニル芳香族単量体の1種または2種以上
からなる場合、もしくはこれらとリビングアニオン重合
する他の単量体が共重合されている場合も含まれる。こ
れら共重合可能な他の単量体としては、共役ジエン化合
物単量体、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト等のメタクリル酸エステル、シクロヘキサジエン、カ
プロラクトン等をあげることができる。共重合の形態と
しては、ランダム、交互、テーパー等いかなる形態でも
良く、複数個ある重合体ブロックAはそれぞれその組
成、分子量などが異なっても構わない。
【0014】共役ジエン化合物としては、例えばブタジ
エン、イソプレン、1,3−シクロヘキサジエン、1,
3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジ
エンなどのうちから1種または2種以上が選ばれ、中で
もブタジエン、イソプレン、またはこれらの組合わせが
好ましい。そして水素添加される前の重合体ブロックB
は、そのブロックにおけるミクロ構造を任意に選ぶこと
ができ、例えば、ポリブタジエンブロックの場合におい
ては、1,2結合量が35モル%以上90モル%未満で
あることが好ましく、ポリイソプレンブロックにおいて
は3,4結合量が3モル%以上80モル%以下であるこ
とが好ましい。ミクロ構造は核磁気共鳴装置(NMR)
により測定できる。「共役ジエン化合物単量体単位を主
体とする」という言葉には、共役ジエン化合物とリビン
グアニオン重合する他の単量体が共重合されている場合
も含まれる。これら共重合可能な他の単量体としては、
ビニル芳香族化合物単量体、メチルメタクリレート、ブ
チルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、シクロ
ヘキサジエン、カプロラクトン等をあげることができ
る。共重合の形態としては、ランダム、交互、テーパー
等いかなる形態でも良く、複数個ある重合体ブロックB
はそれぞれその組成、分子量などが異なっても構わな
い。また、本明細書中で使用される「主体とする」とい
う言葉は該当単量体単位が重合体ブロックにおいて、少
なくとも50モル%を越え、好ましくは70モル%以上
を占めることを意味する。
【0015】本発明のスチレン系ブロック共重合体は、
重合体ブロックB中のオレフィン性不飽和二重結合のう
ち35モル%以上が水素添加されたものであることが好
ましく、50モル%以上が水素添加されたものであるこ
とがさらに好ましく、99モル%以上が水素添加された
ものであることがとりわけ好ましい。35モル%未満で
あると熱、光などにより劣化をおこし、熱可塑性が低下
する。また、重合体ブロックBがポリブタジエンブロッ
クの場合においては、1,2結合のオレフィン性不飽和
二重結合のうち99モル%以上が水素添加されているこ
とが望ましい。
【0016】また、ブロックA中のビニル芳香族化合物
のベンゼン環の不飽和二重結合は、ビニル芳香族化合物
全体において20%までは水素添加されていても良い。
水素添加率は核磁気共鳴装置(NMR)によって測定で
きる。本発明のスチレン系ブロック共重合体の一つの重
合体ブロックAの分子量は、10,000以上であるこ
とが好ましい。10,000未満であると、成形加工性
が悪化する。
【0017】本発明においてスチレン系ブロック共重合
体の構造は、例えば線状、分岐状、放射状、櫛形状など
いかなる形態をとっても構わない。また各ブロックの境
界がランダム共重合体となり、しかもその組成が徐々に
変わっていくテーパードブロックも含まれる。また
(A)スチレン系ブロック共重合体は、構造、組成等の
異なるものを2種以上を併用しても構わない。本発明に
おける(B)末端に該官能基と反応する成分を有する高
分子鎖を含む結晶性樹脂としては、アミノ基(−N
H2)、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、不
飽和ジカルボン酸無水物基、エポキシ基、イソシアネー
ト基、メルカプト基、オキサゾリン基等を有する高分子
鎖を含む結晶性樹脂があげられ、代表的なものはポリア
ミド系樹脂である。
【0018】ポリアミド系樹脂とは、アミノ酸、ラクタ
ム、あるいはジアミンとジカルボン酸を主たる構成成分
とするポリアミド系樹脂である。構成成分の具体例を挙
げると、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−
アミノカプロン酸、11−アミノウンデカ酸、12−ア
ミノドデカン酸などのアミノ酸、テトラメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル
ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキ
サメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミ
ン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4
−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス−p−アミノ
シクロヘキシルメタン、ビス−p−アミノシクロヘキシ
ルプロパン、イソホロンジアミン、メタキシリレンジア
ミンなどのジアミン、アジピン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、ダイマー酸などのジカルボン酸がある。これら
の構成成分は、単独あるいは二種以上の混合物の形で重
合に供され、そうして得られるポリアミドホモポリマ
ー、コポリマーいずれも本発明で用いることが出来る。
例えば、ジアミンとジカルボン酸との重縮合で得られる
ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド61
2、ポリアミド46、ポリアミド1212、ポリアミド
MXD6等があり、また、ラクタムの開環重合で得られ
るポリアミド6、ポリアミド12等が挙げられる。また
ポリアミド共重合物として、ポリアミド66/6、ポリ
アミド66/610、ポリアミド66/612、ポリア
ミド66/6T(Tはテレフタル酸成分)、ポリアミド
66/6I(Iはイソフタル酸成分)、ポリアミド6T
/6I等が挙げられる。またこれらのポリアミド樹脂の
ブレンド物も挙げられる。これらのポリアミド樹脂の製
造方法は、一般に公知に行われている方法で良い。ポリ
アミドの場合は、溶融重合方法が一般に実施されている
が、バッチ式重合でもまた連続式重合でもよい。これら
ポリアミド系樹脂は末端にアミノ基およびまたはカルボ
キシル基を有し、これが該官能基と反応する成分であ
る。また(B)結晶性樹脂は2種以上を併用しても構わ
ない。例えば該官能基に無水マレイン酸由来の不飽和ジ
カルボン酸無水物基を用いた場合は、好ましい(B)結
晶性樹脂としてはポリアミド6があげられる。これは片
末端にあるアミノ基(−NH2)が反応し、効率の良いグ
ラフト体が生成するためであり、両末端にアミノ基が存
在するポリアミド66等を用いると、ゲル化を起こし、
好ましくない。
【0019】本発明における(C)スチレン系樹脂を構
成する単量体としては、スチレンのほかo−メチルスチ
レン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,
4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert
−ブチルスチレンなどの核アルキル置換スチレン、α−
メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなど
のα−アルキル置換スチレンなどのビニル芳香族化合物
単量体があげられる。好ましいのはスチレンの単独重合
体である。また、(C)スチレン系樹脂はビニル芳香族
単量体と他の単量体との共重合体も含まれる。他の単量
体としては、メチルメタクリレート、シクロヘキシルメ
タクリレート、メチルフェニルメタクリレート、イソプ
ロピルメタクリレート、等のアルキルメタクリレート、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘ
キシルアクリレート等のアルキルアクリレートなどの不
飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル系単量
体、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン(炭素
数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピ
レン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−
メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノ
ネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1
等が挙げられる。)、ブタジエン、イソプレン、1,3
−シクロヘキサジエン、1,3−ペンタジエン、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン化合物
単量体、等があげられる。(C)スチレン系樹脂は、溶
液重合、塊状重合、アニオン重合、配位アニオン重合な
どの公知の重合法で得ることができる。
【0020】また、本発明の樹脂組成物においては、1
50℃を超える温度における(B)の結晶性樹脂成分の
結晶化エンタルピー(ΔHc1)と(B)の結晶性樹脂
成分の融解エンタルピー(ΔHm1)が以下の式を満た
さなければならない。 X=ΔHc1/ΔHm1 0≦X≦0.7 Xの値が0.7を超えると、成形加工性が悪化する。好
ましい範囲は0以上0.5以下であり、さらに好ましい
範囲は0以上0.3以下であり、とりわけ好ましい範囲
は0以上0.2以下である。
【0021】本発明においては(C)成分が連続相でな
ければならない。(B)成分が連続相をとると、使用し
た(B)結晶性樹脂成分が150℃を超える温度で結晶
化するため成形加工が困難になる。(B)成分が分散相
であっても、その粒径が9.5μm以上の分散粒子は、
その粒子内において(B)結晶性樹脂成分が150℃を
超える温度で結晶化しやすいと推測され、成形加工性を
悪化させる可能性がある。(B)成分の全体積中、9.
5μm以上の分散粒子の合計体積の割合は70%以下で
あることが望ましく、すべての分散粒子が9.5μm未
満であることがさらに望ましい。これらの形態は電子顕
微鏡写真により観察することができる。
【0022】本発明の樹脂組成物は混練の強い押出機を
用い、溶融混合することで得ることが出来る。せん断混
練、伸長混練どちらでも混練が強ければ構わないが、同
方向回転二軸押出機が望ましく、混練効果の低い、異方
向回転二軸押し出し機や単軸押し出し機は望ましくな
い。混練効果が低い場合、(B)結晶性樹脂成分が連続
相になったり、Xの値が小さくならない。溶融混合する
温度は、材料として用いる(B)結晶性樹脂の結晶融解
終了温度以上であることが好ましく、(結晶融解終了温
度+20℃)以上である方がより好ましい。この温度未
満であると、Xの値が小さくならず、また結晶成分が残
る可能性があり、成形加工性を悪化させる可能性があ
る。混練の強い押し出し機を用い、温度を適当にするこ
とにより本発明の樹脂組成物を得ることができる。
【0023】本発明の樹脂組成物を利用することによ
り、例えば発泡、延伸時に、それらが行われる低い温度
でも、結晶性樹脂を結晶化させないことができ、今まで
成形できなかった成形体を得ることが可能になった。本
発明の樹脂組成物を成形する際は、成形機の樹脂溶融部
分で完全に(B)の結晶性樹脂の結晶を融解することが
好ましく、高い方がより好ましい。この温度以下である
と、結晶成分が残るために、成形加工性を悪化させる。
しかし高すぎると溶融後、連続的に発泡や延伸を行う場
合に冷却するのが困難になり望ましくなく、冷却能力の
低い設備では溶融粘度が低いため、発泡や延伸が難しい
場合がある。望ましい(B)結晶性樹脂成分の結晶融解
終了温度は150℃を超え280℃未満であり、より望
ましい範囲は150℃を超え270℃未満であり、とり
わけ望ましい範囲は150℃を超え265℃未満であ
り、シート成形、発泡成形時はこの範囲の結晶融解終了
温度以上でいったん溶融することが望ましい。融解後は
どのような冷却速度でも、使用した(B)の結晶性樹脂
の結晶化温度未満で結晶化する。また本発明の樹脂組成
物は、融解後は使用した(B)の結晶性樹脂の結晶化温
度未満、かつ低温化された結晶化温度を超える温度領域
では、成形機、混練機内で滞留しても結晶化しない。例
えば、シート成形機のTダイ内等で滞留時間が長くな
り、結晶性樹脂が結晶化してしまうと、シート成形品等
の外観を著しく悪化させたり、その後の洗浄を著しく困
難にする。また、発泡押し出し機等の冷却ゾーンは冷却
効率を上げるために複雑な構造をしており、滞留が起こ
りやすい構造になっている。冷却ゾーンで滞留を起こし
結晶化をすると、冷却効率を著しく低下させる。以上の
ように、本発明の樹脂組成物には、通常の成形加工温度
の熱滞留時に結晶化しないという特徴も有しており、極
めて成形加工性に優れるものである。
【0024】また、組成物の150℃以下での結晶化開
始温度が140℃未満であることが成形加工性の点で好
ましい。この温度が低ければ発泡や延伸成形の可能な温
度範囲が広がり好ましい。温度が低下した(B)成分の
結晶化温度がより低い方が発泡や延伸成形の可能な温度
範囲が広がり好ましく、この場合は、組成物の150℃
以下での結晶化開始温度が(C)成分の固化温度(Tg
A)+30℃以下であることが好ましく、組成物の15
0℃以下での結晶化開始温度が(C)成分の固化温度
(TgA)+10℃以下であることがさらに好ましく、
組成物の150℃以下での結晶化開始温度が(C)成分
の固化温度(TgA)以下であることがとりわけ好まし
い。
【0025】本発明の樹脂組成物を、融解終了温度以上
の温度での溶融を経て、150℃以下の温度における組
成物の結晶化開始温度及び(C)成分の固化温度(Tg
A)を超える温度で、連続的に延伸、発泡成形をする方
法が、耐油性の良好な延伸フィルム成形体および発泡シ
ート成形体を得る方法として好ましい。また、本明細書
中で使われる『延伸』は、手段は問わず、ロール法及び
またはテンター法やインフレーション法等のどのような
方法でも実現することができる。
【0026】また、発泡や延伸、またはそれらのシート
を用いた2次成形は連続相である(C)スチレン系樹脂
の溶融粘度挙動と組成物の溶融粘度挙動が重要となる。
我々は、本発明の樹脂組成物の溶融粘度が、(C)成分
に比較して低下しすぎる場合があり、成形加工性(1次
成形性、2次成形性)が悪化することを見出し、成形加
工性において、組成物の最適な粘度範囲があることを発
見した。つまり、本発明においてはJISK7210に準拠
し、(組成物中の(B)結晶性樹脂の融点+30℃)、
2.16Kg荷重で測定した、本発明の樹脂組成物のメル
トフローレート(MI1)と使用する(C)スチレン系樹
脂のメルトフローレート(MI2)の関係が以下の式を満
たすことが好ましい。 0.01<(MI1/MI2)<5 (MI1/MI2)の値が0.01以下であると、組成物の
粘度が(A)の熱可塑性重合体よりも高くなりすぎ、溶
融時の流動性が低下しすぎてしまうため成形加工性の点
で好ましくなく、5以上であると粘度が低くなりすぎ、
安定した発泡セルの形成が困難になったり、延伸がかか
らなくなったり、2次成形においてはシートが垂れてし
まうという問題が発生し、成形加工性の点で好ましくな
い。更に好ましい範囲は 0.01<(MI1/MI2)<
4、とりわけ好ましい範囲は 0.02<(MI1/MI
2)<3.0である。
【0027】また、本発明の樹脂組成物においては、
(B)の結晶性樹脂成分の融点が150℃を超えなけれ
ばならない。150℃以下であると耐熱性が悪化する。
好ましくは200℃以上であり、さらに好ましくは21
0℃以上である。本発明の樹脂組成物は、 (A)官能基を有するスチレン系ブロック共重合体 0.1重量部以上40重量部以下、 (B) 末端に該官能基と反応する成分を有する高分子鎖を含む結晶化開始温度 が150℃を超える結晶性樹脂 1重量部以上50重量部以下、および (C) スチレン系樹脂 10重量部以上98.9重量部以下 よりなる組成物であって、 (A)官能基を有するスチレン系ブロック共重合体が
0.1重量部未満であると、成形加工性、柔軟性が悪化
する。柔軟性は、例えば発泡シートが運搬中にたわんだ
り、少しの応力がかかっただけで割れてしまうことがな
いようにするために必要であり、また、発泡シートを二
次成形した成形品が応力により、ひび割れ等を生じない
ようにするために必要である。また、40重量部を超え
ると、発泡や延伸が困難になり、成形加工性が悪化す
る。
【0028】(B)の結晶性樹脂の量が1重量部未満で
あると、用いる結晶性樹脂の特徴が損なわれ(例えばポ
リアミド系樹脂の場合は耐油性が悪化する)、50重量
部を超えると、結晶化温度が高いために、結晶化温度以
上で成形しなければならず、溶融粘度が低くなりすぎる
ために、発泡や延伸ができないため成形加工性の点で好
ましくない。 (C)スチレン系樹脂が10重量部未満であると、例え
ば発泡する場合には組成物の発泡倍率があがらず、発泡
成形体に求められる断熱性等を満足できない。98.9
重量部を超えると、耐油性の充分にある組成物とはなら
ない。
【0029】 好ましい範囲は、(A)官能基を有するスチレン系ブロック共重合体 0.1重量部以上30重量部以下、 (B) 末端に該官能基と反応する成分を有する高分子鎖を含む結晶化開始温度 が150℃を超える結晶性樹脂 1重量部以上50重量部以下、および (C) スチレン系樹脂 20重量部以上98.9重量部以下 であり、
【0030】 さらに好ましい範囲は、(A)官能基を有するスチレン系ブロック共重合体 0.1重量部以上20重量部以下、 (B) 末端に該官能基と反応する成分を有する高分子鎖を含む結晶化開始温度 が150℃を超える結晶性樹脂 1重量部以上50重量部以下、および (C) スチレン系樹脂 30重量部以上98.9重量部以下 であり、
【0031】 とりわけ好ましい範囲は、(A)官能基を有するスチレン系ブロック共重合体 0.1重量部以上15重量部以下、 (B) 末端に該官能基と反応する成分を有する高分子鎖を含む結晶化開始温度 が150℃を超える結晶性樹脂 1重量部以上45重量部以下、および (C) スチレン系樹脂 40重量部以上98.9重量部以下 である。
【0032】本発明の樹脂組成物は、100重量部に対
して他の熱可塑性重合体を1〜500重量部まで添加す
る事が出来る。添加することが出来る熱可塑性重合体と
しては、スチレン系樹脂(例えばスチレン単独重合体、
ハイインパクトポリスチレン、スチレンメタクリル酸共
重合体、耐候性樹脂であるAES樹脂(アクリロニトリ
ル−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体)、AS
A樹脂(アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共
重合体)等)、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリ
フェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂等があげら
れ、各種相容化剤も使用できる。これらは本発明の目的
を損なわない範囲でゴム補強されていてもよい。また、
本発明のスチレン系樹脂組成物は、100重量部に対し
てゴム成分を1〜500重量部まで添加する事が出来
る。添加することが出来るゴム成分としては、スチレン
−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−イソプレン
ランダム共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重
合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素添
加スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP
S)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(SEBS)等の水素添加ブロック共重合体、エチレン
−プロピレン共重合体、エチレン−ブチレン共重合体、
エチレン−オクテン共重合体等のエチレン−α−オレフ
ィン共重合体(メタロセン触媒によるものが好ましい)
などがあげられ、反応性官能基で変性されたものも含ま
れる。
【0033】また本発明における樹脂組成物には、それ
自体公知の 各種配合剤、例えば炭酸カルシウム、ケイ
酸カルシウ ム、アパタイト、クレー、層状珪酸塩、カ
オリン、タルク、シリカ、ケイソウ土、 雲母粉、アス
ベスト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、塩
基性炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、グラファイ
ト、ガラス繊維、ガラス球、シラスバルーン、カーボン
繊維等の充填剤、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛
華、ベンガラ、群青、紺青、アゾ顔料、ニトロソ顔料、
レーキ顔料、フタロシアニン顔料、フェノール系、サル
ファイト系、フォスファイト系、アミン系等の耐熱安定
剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、発泡剤、帯
電防止剤、金属石ケン、ワックス等の滑剤、などを配合
することもできる。
【0034】特に、本発明の樹脂組成物の(B)結晶性
樹脂相に上記フィラー、特に層状粘度鉱物、層状珪酸
塩、シリカ微粒子、アパタイト等をナノオーダーで分散
させると、樹脂組成物の耐油性を向上することができ
る。本発明の樹脂組成物は、射出成形体、押出成形体、
ブロー成形体、フィルム成形体、発泡シート成形体、圧
縮成形体等の通常の成形法による成形体で使用すること
ができ、他の樹脂と多層成形しても用いることができ
る。本発明の樹脂組成物を用いたシート、フィルム、発
泡成形体は、圧空成形法、真空成形法、プラグアシスト
成形法、熱板接触圧空成形法などの公知の方法により、
二次成形することができる。
【0035】また、本発明の樹脂組成物は、耐熱耐油性
に優れる食品容器、ガスバリア性に優れる食品包装材、
建材等に使用される発泡シート等に特に有用に用いるこ
とができ、窓枠、サッシ枠、敷居、外壁材、床材、内装
材、外装材、装飾材、デッキ材、フェンス材、テラス材
等の建材;パイプ、雨樋、各種構造材、家具、事務用機
器、機械部品、各種装置のハウジング等、自動車材料、
道路標識、等にも有用に用いられる。
【0036】以下実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明は、これらにより限定されるものではな
い。なお、これら実施例および比較例において、各種物
性の評価に用いた試験法、原材料は以下の通りである。 1.試験法 (1)結晶化温度、固化温度、融点、融解終了温度の測
定 示差走査熱量測定装置(DSC:パーキンエルマー社製
Pyris1 )を用いてJIS K7121に準じ、
昇温速度、降温速度50K/分で測定した。樹脂組成
物、(B)成分、(C)成分をアルミパンにいれる。そ
の後、装置に設置し、結晶成分の融解終了温度(PA6を
用いた系は250℃)以上に一旦昇温したあと、降温、
昇温を行い測定を行った。図1、および2に示したよう
に結晶化開始温度、固化温度、融点、融解終了温度、各
エンタルピーを求めた。
【0037】(2)耐油性 発泡シート(厚み0.6mm)を二次成形により内径80
mm、深さ40mmの円筒状のカップとした。100g
の市販サラダ油を入れ、50℃のオーブン中で7日放置
した。その後容器の変形度合いを目視で観察し、次の基
準で評価した。 〇 異常なし △ 油の滲みが若干見られた。クラックはなかった。 × 油の滲み出しがあり、クラックが発生した。
【0038】(3)柔軟性 発泡シート(厚み0.6mm)を二次成形により内径80
mm、深さ40mmの円筒状のカップとした。50gの
水を入れ、下記高さからコンクリート上に落下させ、水
漏れのおきない高さを調べ、下記基準で評価した。 〇 60cm以上 △ 30cm以上60cm未満 × 30cm未満
【0039】(4)形態(モルフォロジー)の測定 リンタングステン酸を用いて樹脂ペレット中のポリアミ
ド系樹脂成分の染色を行い、電子顕微鏡写真を測定し
た。 2.原材料
【0040】
【製造例1】 官能基を有するスチレン系ブロック共重
合体(H1、H2)の製造 ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン
のトリブロック構造を持ち、ポリスチレンブロックの分
子量が16,000、ポリスチレン量が67重量%のス
チレン系水素添加ブロック共重合体5,000g、無水
マレイン酸60g、パーヘキサ25B(日本油脂製ラジ
カル開始剤)、エチルベンゼン12gをヘンシェルミキ
サーで充分混合したあと、二軸押し出し機を用いて20
0℃、250rpmのもと溶融混練した。得られた無水
マレイン酸変性スチレン系水素添加ブロック共重合体
(H1)の無水マレイン酸量は0.5重量%であった。
【0041】また、ポリスチレン−水素添加ポリブタジ
エン−ポリスチレンのトリブロック構造を持ち、ポリス
チレンブロックの分子量が5000、ポリスチレン量が
20重量%のスチレン系水素添加ブロック共重合体50
00g、無水マレイン酸60g、パーヘキサ25B(日
本油脂製ラジカル開始剤)、エチルベンゼン12gをヘ
ンシェルミキサーで充分混合したあと、二軸押し出し機
を用いて200℃、250rpmのもと溶融混練した。
得られた無水マレイン酸変性スチレン系水素添加ブロッ
ク共重合体(H2)の無水マレイン酸量は0.5重量%
であった。
【0042】[結晶性樹脂]ポリアミド6(PA6):
三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製ノバミッ
ド1013Cを用いた。結晶化開始温度は185℃、結
晶の融解終了温度は223℃である。 [スチレン系樹脂]スチレンの単独重合体(PS):エ
ーアンドエムスチレン株式会社製685を用いた。JI
SK7210に準拠した200℃、5Kg荷重のMFR
は2.3g/10分であった。固化温度は100℃であ
った。
【0043】
【実施例1、および比較例1〜4】表1の組成の配合物
を、270℃に設定された同方向回転二軸押出機(40
mmφ、L/D=47)により溶融混練した後、ストラ
ンド状に押出しペレタイズした。また、得られた樹脂ペ
レットを単軸押出機(30mmφ、L/D=20)に供
給し、250℃で溶融混練した後、ミキシングゾーンで
ブタンを注入したのち冷却ゾーンを通してTダイで押出
した。Tダイでの押出温度は(スチレン系樹脂の個化温
度+20℃)で行った。結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、今まで提供する
ことの出来なかった柔軟性、耐油性、成形加工性に高度
に優れる材料を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の組成物のDSC測定の結果である。1
50℃以下の結晶化開始温度として示された成分は、
(B)の結晶化成分のうち、低温化された成分である。
【図2】比較例1の組成物のDSC測定の結果である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 25/06 C08L 77/02 77/02 B29K 25:00 // B29K 25:00 B29L 7:00 B29L 7:00 B65D 1/00 A Fターム(参考) 3E033 BA21 BA22 BB01 CA09 CA20 FA02 FA03 FA04 GA03 4F071 AA12 AA22 AA54 AA75 AA81 AA84 AA89 AF02 AF21 AH05 BB07 BC01 4F074 AA32A AA32B AA71 AB01 AB03 BA37 CA22 CC32Y DA02 DA34 4F210 AA13F AA29C AG20 QD13 QG01 QG18 4J002 BC03W BC06W BC07W BP01X CL01Y CL03Y GG01 GG02 GL00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)官能基を有するスチレン系ブロック共重合体 0.1重量部以上40重量部以下、 (B) 末端に該官能基と反応する成分を有する高分子鎖を含む結晶化開始温度 が150℃を超える結晶性樹脂 1重量部以上50重量部以下、および (C) スチレン系樹脂 10重量部以上98.9重量部以下 よりなる組成物であって、該組成物は、(C)成分が連
    続相であり、150℃を超える温度における(B)の結
    晶性樹脂成分の結晶化エンタルピー(ΔHc1)と
    (B)の結晶性樹脂成分の融解エンタルピー(ΔHm
    1)が以下の式を満たし、 X=ΔHc1/ΔHm1 0≦X≦0.7 (B)の結晶性樹脂成分の融点が150℃を超える樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 (A)該官能基を有するスチレン系ブロ
    ック共重合体が、無水マレイン酸で変性されたスチレン
    系ブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に
    記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)該官能基を有するスチレン系ブロ
    ック共重合体が、無水マレイン酸で変性されたスチレン
    系水素添加ブロック共重合体であることを特徴とする請
    求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)該官能基を有するスチレン系ブロ
    ック共重合体が、少なくとも1つのビニル芳香族炭化水
    素化合物単量体単位を主体とする重合体ブロックAを有
    し、一つの重合体ブロックAの分子量が10,000以
    上であることを特徴とする請求項2、または3に記載の
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 組成物の、150℃以下の温度における
    結晶化開始温度が、140℃未満であることを特徴とす
    る請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 組成物の、150℃以下での結晶化開始
    温度が、(C)成分の固化温度(TgA)以下であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (B)結晶性樹脂が、ポリアミド6であ
    ることを特徴とする請求請求項1に記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 該官能基が、アミノ基、カルボキシル
    基、水酸基、不飽和ジカルボン酸無水物基、エポキシ
    基、イソシアネート基、メルカプト基、およびオキサゾ
    リン基からなる少なくとも1種である請求項1に記載の
    樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の組成物を、融解終了温
    度以上の温度での溶融を経て降温し、150℃以下の温
    度における結晶化開始温度及び、(C)成分の固化温度
    (TgA)を超える温度で、連続的に延伸成形して得ら
    れる事を特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物の延伸
    フィルム成形体。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の組成物を、融解終了
    温度以上の温度での溶融を経て降温し、150℃以下の
    温度における結晶化開始温度及び、(C)成分の固化温
    度(TgA)を超える温度で、連続的に発泡成形して得
    られる事を特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物の発
    泡シート成形体。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の成形体を用いて2次
    成形されて得られる容器。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の成形体を用いて2
    次成形されて得られる容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008001753A (ja) * 2006-06-20 2008-01-10 Suminoe Textile Co Ltd 樹脂シート及びこれを用いた床材

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