JP2003034614A - ジェル状組成物 - Google Patents

ジェル状組成物

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JP2003034614A JP2002111500A JP2002111500A JP2003034614A JP 2003034614 A JP2003034614 A JP 2003034614A JP 2002111500 A JP2002111500 A JP 2002111500A JP 2002111500 A JP2002111500 A JP 2002111500A JP 2003034614 A JP2003034614 A JP 2003034614A
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泰三 藤山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジェル状組成物でありながら、手にとって塗
布することなく、ディスペンサー等の通常の化粧料用噴
霧器に収容して、容易に霧状に噴霧して塗布することが
でき、しかも、使用後、もとのジェルに復帰する、これ
までにない、全く新しいタイプのジェル状組成物を提供
する。 【解決手段】 (a)カチオン性高分子と、(b)増粘
作用を有する非曳糸性のアニオン性高分子を含み、該
(a)成分と(b)成分とが複合体を形成し、近接した
複合体間で凝集による弱い結合があり、かつ、粘度(初
期値)が500〜2500mPa・s(30℃)のジェ
ル状をなし、使用時、霧状に噴霧して用いられ得る、ジ
ェル状組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低粘度でありなが
ら、静置時には弾力のあるジェル状をなし、振盪や細孔
通過等の弱い外力によって簡単にジェルが崩れ、使用
時、霧状に噴霧して皮膚や毛髪等に簡易に塗布し得ると
ともに、使用後、再びもとの弾力あるジェル復帰するチ
キソトロピー性を有する、全く新しいタイプのジェル状
組成物、およびこれを含む化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】ジェル状化粧料は、通常、使用時に容器
から手のひらに取り出し、これを皮膚や毛髪等に塗布し
て用いている。そのため、化粧料成分が手のひらに残存
するのを免れ得ず、使用後、手を洗ってこれら残存成分
を洗い流す等の必要があり、使い勝手の点において必ず
しも十分でなかった。従来、このようなジェル状組成物
を、噴霧器等に収容して、噴霧して用いようとしても、
水鉄砲のようになり霧状に噴霧できなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ジェル状組
成物でありながら、手にとって塗布することなく、ディ
スペンサー等の通常の化粧料用噴霧器に収容して、容易
に霧状に噴霧して塗布することができ、しかも、使用
後、静置しておくと容易にジェル状に復帰する、これま
でにない、全く新しいタイプのジェル状組成物を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、(a)カチオン性高分子と、(b)増粘作
用を有する非曳糸性のアニオン性高分子を含み、該
(a)成分と(b)成分とが複合体を形成し、近接した
複合体間で凝集による弱い結合があり、かつ、粘度(初
期値)が500〜2500mPa・s(30℃)のジェ
ル状をなし、使用時、霧状に噴霧して用いられ得るジェ
ル状組成物を提供する。
【0005】上記において、(a)成分が、下記一般式
(I)
【0006】
【0007】〔式中、R1、R6はそれぞれ独立に水素原
子、炭素原子数1〜6のアルキル基を表し;R2は炭素
原子数1〜10のアルキレン基を表し;R3、R4、R5
はそれぞれ独立に炭素原子数1〜24のアルキル基を表
し;Aは酸素原子またはNH基を表すか、あるいはAを
もたない。Xはハロゲン原子、R’SO4(ただしR’
は炭素原子数1〜6のアルキル基)を表す。また、t/
u=2/8〜8/2である〕で表される構成単位を有す
るカチオン性高分子の1種または2種以上であるものが
好ましい。
【0008】さらに上記において、(a)成分が、下記
式(II)
【0009】
【0010】(式中、t/u=2/8〜8/2である)
で表される構成単位を有するビニルピロリドン/N,N
ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫
酸塩であるものが好ましい。
【0011】上記において、(b)成分がカルボキシビ
ニルポリマーであるものが好ましい。
【0012】上記において、pHが6.2〜6.9であ
るジェル状組成物が好ましい。
【0013】また本発明は、上記いずれかのジェル状組
成物を含む化粧料を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0015】本発明に用いられる(a)成分としてのカ
チオン性高分子は、特に限定されるものでないが、下記
一般式(I)
【0016】
【0017】で表される構成単位を有するカチオン性高
分子が好ましく用いられる。
【0018】上記式(I)中、R1、R6はそれぞれ独立
に水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。本
発明ではR1としてメチル基が、R6として水素原子が特
に好ましい。
【0019】R2は炭素原子数1〜10、好ましくは1
〜5、のアルキレン基を表す。本発明ではメチレン基が
特に好ましい。
【0020】R3、R4、R5はそれぞれ独立に水素原
子、炭素原子数1〜24、好ましくは1〜4、のアルキ
ル基を表す。本発明ではR3、R4がそれぞれメチル基
で、R5がエチル基であるのが特に好ましい。
【0021】Aは酸素原子またはNH基を表すか、ある
いはAをもたない。本発明ではAが酸素原子であるのが
好ましい。
【0022】Xはハロゲン原子、R’SO4(ただし
R’は炭素原子数1〜6のアルキル基)を表す。ハロゲ
ン原子としてはCl、Br、Iが好ましい。R’として
は炭素原子数1〜4、特には1〜2、のアルキル基が好
ましい。本発明ではXがC25SO4であるのが特に好
ましい。
【0023】また、t/u=2/8〜8/2であり、好
ましくはt/u=3/7〜7/3である。t/uが2/
8未満では被膜形成性に劣り、例えば毛髪化粧料に用い
た場合、セット力の点で問題があり、一方、t/uが8
/2超ではアルコール、水に対する溶解性や、毛髪や皮
膚に対する親和性などの点で問題があり、フレーキング
しやすくなり、さらには吸湿性が増し、べたつきを感
じ、好ましくない。
【0024】本発明では、(a)成分としては、下記式
(II)
【0025】
【0026】(式中、t/u=2/8〜8/2である)
で表される構成単位を有するビニルピロリドン/N,N
ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫
酸塩が最も好ましく用いられる。
【0027】なお、(a)成分の分子量は、ジェル状組
成物が頭髪化粧料に用いられる場合は、1万〜1000
万程度が好ましく、特には10万〜100万程度であ
る。分子量が1万未満では頭髪化粧料としてのハリ感が
得られ難く、一方、1000万超では溶解性が悪くなり
基剤に配合し難くなる。
【0028】上記一般式(I)で表されるポリマー、特
には式(II)で表されるポリマーは、被膜の柔軟性に優
れ、毛髪や皮膚への親和性、密着性に優れるため、毛髪
や皮膚にしなやかで滑らかな風合いを与える特徴をもっ
たポリマーである。また、本発明では透明性の点におい
ても好ましい。これらポリマーは、GAF社(米国)の
「ガフコート」シリーズや、大阪有機工業社の「HCポ
リマー」シリーズ等として市販されており、商業的に入
手可能である。(a)成分は1種または2種以上を用い
ることができる。
【0029】本発明に用いられる(b)成分である、増
粘作用を有する非曳糸性のアニオン性高分子としては、
カルボキシビニルポリマーが好ましく用いられる。カル
ボキシビニルポリマーは、曳糸性がなく、アルカリ中和
によって増粘性が増大する性質を有するが、曳糸性がな
いことから「キレ」がよく、霧状噴霧に好適である。カ
ルボキシビニルポリマーは主としてアクリル酸の重合し
たものであり、カルボキシル基を有する合成高分子であ
る。(b)成分が「非曳糸性」であることから、曳糸性
増粘剤である水溶化セルロース誘導体(メチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、等)、
ポリアクリル酸ナトリウムなどは、本発明の(b)成分
には含まれない。
【0030】(b)成分は、アルカリによってpHを調
整して中和させて増粘させて用いるのが好ましい。pH
調整剤としてのアルカリとしては、特に限定されるもの
ではないが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリ
エタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アミノ
メチルプロパンジオール等が好ましく用いられる。
【0031】(b)成分は、「シンタレン」シリーズ
(イタリア、V3 SIGMA社製)、「カーボポール」シリー
ズ(米国、B.F.グッドリッチ社製)、「ハイビスワコ
ー」(和光純薬(株)製)等として市販されており、商
業的に入手可能である。(b)成分は1種または2種以
上を用いることができる。
【0032】本発明のジェル状組成物は、上記(a)成
分と(b)成分とが複合体を形成し、さらに、近接する
複合体どうしが凝集力により弱い結合をなしている。こ
れにより、通常のジェル状組成物に比べて低い粘度であ
りながら、弾力感があり、しかも均一なジェルを形成す
ることができるとともに、振盪や細孔通過(例えば、化
粧料用噴霧器の噴霧孔通過、など)程度の外力によっ
て、簡単に複合体間の凝集による弱い結合が壊されるの
で、使用時、簡易に霧状に噴霧して用いることができ
る。
【0033】さらに、使用時に複合体間の凝集による弱
い結合が崩れても、使用後、静置させておくことによ
り、複合体どうしが互いに凝集する性質を有することか
ら、そのチキソトロピー性によって、再び近接する複合
体間で凝集による弱い結合がなされ、弾力感のあるジェ
ルを形成する。したがって、本発明により、静置時にジ
ェル状をなし、使用時、噴霧器による噴霧等で簡便に霧
状に噴霧塗布することができ、使用後、静置させておく
と再びもとのジェルに復帰するという、全く新しいタイ
プのジェル状組成物が提供される。このジェル状組成物
は、見た目のプリプリ感(ジェル感)にも優れ、また使
用時の手触りにも優れる。また透明感も良好である。
【0034】本発明のジェル状組成物は、粘度(初期
値)が500〜2500mPa・s(30℃)である。
該粘度(初期値)の下限値は、好ましくは800mPa
・s(30℃)であり、より好ましくは900mPa・
s(30℃)である。「粘度」は30℃におけるB型粘
度計(回転数12rpm、「ビスメトロン粘度計VS−
L型」 芝浦システム(株)製)での測定値による。
【0035】なお、上記「初期値」粘度とは、製造直後
〜製造後数日間の粘度をいう。この初期値粘度が上記範
囲を示す限りにおいては、長期間経過後の静置時の粘度
が上記範囲を超えるような場合、例えば3000〜50
00mPa・s程度に増粘しても、振盪や細孔通過等に
よって複合体間の凝集による弱い結合が簡単に崩れ、霧
状に噴霧することができる。本発明では、製造後長期期
間経過した経時品の場合、静置時の粘度が上述のような
本発明範囲を超える粘度を示すものであっても、これを
軽く振盪することにより複合体間の凝集による弱い結合
が崩れて粘度が本発明範囲に示す500〜2500mP
a・s(30℃)の値に復帰するものは、本発明でいう
「粘度(初期値)が500〜2500mPa・s(30
℃)」の範囲に含まれる。
【0036】本発明のジェル状組成物は、好ましくはp
H6.2〜6.9程度である。
【0037】なお、(a)成分の配合量は、組成物中に
0.02〜0.5質量%程度が好ましく、特には0.0
5〜0.2質量%程度である。
【0038】また、(b)成分の配合量は、組成物中に
0.05〜1.0質量%程度が好ましく、特には0.1
〜0.5質量%程度である。
【0039】本発明ジェル状組成物は、例えばディスペ
ンサータイプ、トリガータイプ等の通常の噴霧用化粧料
用容器に収容して、使用時に噴霧して用いることによ
り、容易にミスト状となって、手を汚すことなく、皮
膚、毛髪に簡易に塗布することができる。
【0040】本発明ジェル状組成物は、本発明の効果を
損わない範囲において、さらに粉末成分や乳化組成物を
配合することができる。
【0041】粉末成分としては、一般に化粧料に配合し
得るものであれば特に限定されるものでないが、例えば
真珠光沢顔料(パール剤)、ラメ剤、体質顔料、球状有
機粉末等が好ましく配合される。
【0042】パール剤は、粉末を金属酸化物粒子で被覆
して干渉光を発するものが好ましく、化粧料中における
その安全性や分散性を改善するために、表面疎水化処理
したものを使用することができる。パール剤としては、
雲母チタン、ベンガラ被覆雲母、ベンガラ被覆雲母チタ
ン、紺青被覆雲母チタン、酸化チタン被覆合成金雲母、
ベンガラ・酸化チタン被覆合成金雲母、酸化チタン被覆
ガラスフレーク、ベンガラ・酸化チタン被覆ガラスフレ
ーク、酸化チタン被覆アルミナフレーク、酸化チタン被
覆シリカフレーク、酸化鉄・シリカ被覆アルミニウム、
酸化鉄・シリカ被覆酸化鉄等が挙げられる。真珠光沢顔
料(パール剤)は、例えば「フラメンコスーパーパール
100(粒子径5〜40μm)」、「フラメンコサティ
ーナ100(粒子径5〜25μm)」、「フラメンコベ
ルベット(粒子径5〜40μm)」、「デュオクローム
GY(粒子径10〜35μm)」、「チミカNu−アン
チークシルバー(粒子径5〜70μm)」(以上、いず
れもMearl社製)、「チミロンスーパーブルー(粒
子径10〜50μm)」(メルク社製)、「ロナパール
MP−45(粒子径15〜50μm)」(ロナ社製)等
が市販されており好ましく用いられる。中でも「フラメ
ンコスーパーパール100(粒子径5〜40μm)」が
好ましい。
【0043】ラメ剤としては、例えばポリエチレンテレ
フタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム
末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層
フィルム末、エポキシ樹脂被覆アルミニウム蒸着ポリエ
チレンテレフタレート、アルミニウム蒸着ポリエチレン
テレフタレート、ウレタン樹脂被覆アルミニウム蒸着ポ
リエチレンテレフタレート、アクリル樹脂被覆アルミニ
ウム末等が挙げられる。
【0044】体質顔料としては、タルク、マイカ、カオ
リン、セリサイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム
等が挙げられる。
【0045】球状有機粉末としては、球状ポリエチレ
ン、ポリアミド球状樹脂粉末(ナイロン球状粉末)、架
橋型ポリ(メタ)クリル酸メチル球状樹脂粉末等が挙げ
られる。
【0046】特にパール剤、ラメ剤を配合することによ
り光彩感のある新規なジェル状組成物を得ることができ
た。パール剤、ラメ剤の配合量は0.001〜1.0質
量%程度が好ましい。
【0047】また、体質顔料、球状有機粉末を配合する
ことにより手触り感を向上させることができる。体質顔
料、球状有機粉末の配合量は0.001〜1.0質量%
程度が好ましい。
【0048】粉末成分は、ジェルの安定性、ディスペン
サーで使用の際に噴霧でつまりを生じない等の点から、
は粒子径5〜70μm程度のものが好ましく用いられ
る。
【0049】乳化組成物としては、水中油型乳化型組成
物、油中水型乳化型組成物等、任意の型の乳化組成物が
用いられる。乳化組成物に含まれる油分としては、例え
ば液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪
酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油な
ど、任意に使用することができる。乳化剤としては、ソ
ルビタンモノラウレート、ソルビタンモノイソステアレ
ート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪
酸エステル類、グリセロールモノステアレート、グリセ
ロールモノオレエート等のグリセリン脂肪酸エステル
類、POE(5)硬化ヒマシ油、POE(7.5)硬化
ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油等のポリオキシ
エチレン硬化ヒマシ油、ポリエーテル変性シリコーン系
界面活性剤、ジメチコンポリオールなどが挙げられる。
【0050】乳化組成物を配合することにより使用時の
手触りも向上させる。乳化組成物の配合量は0.001
〜1.0質量%程度が好ましい。
【0051】本発明のジェル状組成物は、例えば次のよ
うにして製造することができる。
【0052】すなわち、(a)成分を、水、エタノール
等の水および/またはアルコール系溶媒に添加、混合し
て(a)成分の水および/またはアルコール系系溶液を
作製する。次いで、ここに(b)成分、アルカリ(pH
調整剤)を添加する。なお、添加に際しては、必要に応
じ、攪拌しながら行うのが好ましい。(a)成分の水系
溶液に(b)成分を添加すると、(a)成分の陽電気を
帯びた部分と(b)成分の陰電気を帯びた部分との間に
結合が生じ、複合体をなす。さらに、近接した複合体間
で凝集力による弱い結合が起こり、弾力感のあるジェル
を形成する。このものの粘度は、時間の経過とともに多
少増加するが、一定時間経過後は安定し、初期値(製造
直後)の粘度〜それよりも多少高い粘度を有する。この
粘度は、経時的に変動することがなく安定性に優れる。
【0053】本発明ジェル状組成物は、化粧料として用
いることができる。本発明でいう化粧料には、広く、皮
膚用化粧料、毛髪等に使用する任意の化粧料を含み、具
体的には、化粧水、コロン、ボディミスト等の皮膚化粧
料、ヘアミスト、ヘアスプレー、ヘアローション等のい
わゆるヘアスタイリング剤、帯電防止用スプレー等の生
活雑貨用品等が例示される。
【0054】本発明化粧料には、本発明の効果を損なわ
ない質的、量的範囲内で、必要に応じて、さらに、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、金属封鎖剤、保湿剤、香料、染
料、顔料、色素、防腐剤、ビタミン剤、ホルモン剤、消
臭剤、固着剤等の、一般に皮膚用化粧料、毛髪用化粧料
等に用いられる成分を配合してもよい。
【0055】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定され
るものではない。なお、配合量は特記しない限り質量%
で示す。
【0056】本実施例で行った評価試験方法および評価
基準は以下のとおりである。
【0057】[粘度]B型粘度計(回転数12rpm、
「ビスメトロン粘度計VS−L型」 芝浦システム
(株)製)を用いて、30℃にて測定した。
【0058】[霧状噴霧]各試料をディスペンサータイ
プの噴霧器(「Y−150」;吉野工業(株)製)に収
容し、霧状に噴霧できるかどうか、目視で観察した。 (評価) ○: 均一な霧状に噴霧できた △: 均一な霧状にならなかった ×: 霧状に噴霧できなかった
【0059】[外観(透明性)]各試料の外観(透明
性)を目視により観察した。 (評価) ○: 透明であった ○△: ややカスミがみられた ○×: 下部にカスミがみられた △: 白濁した
【0060】[外観(見た目のプリプリ感(ジェル
感)]各試料の外観(見た目のプリプリ感(ジェル
感))を目視により観察した。 (評価) ◎: 極めてプリプリ感(ジェル感)がある ○: プリプリ感(ジェル感)がある ○△: プリプリ感(ジェル感)がややある ×: プリプリ感(ジェル感)がない
【0061】(比較例1、2、実施例1〜4)下記表1
に示す組成の試料(頭髪用化粧料)を調製した。調製
は、(a)成分を、水・アルコール系溶媒に添加、混合
して(a)成分の水・アルコール系系溶液を作製した
後、ここに(b)成分、アルカリ(pH調整剤)を添加
して行った。なお、表1中、「ジメチコンポリオール」
(*)は「SILWET 10−E」(日本ユニカー
(株)製)を、「ビニルピロリドン/VA」(**)は「P
VA/VA S−630」(ISP社製)を、「(a)
成分(***)」は、上記式(II)に示すポリマー(分子量
約100万)を、「(b)成分(****)」は「シンタレン
K」(イタリア、V3 SIGMA社製)を、それぞれ用いた。
【0062】これら試料を化粧料用噴霧器に収容した。
噴霧器は、紫外線吸収剤を0.1質量%配合した透明P
ETボトルで、噴霧チップ孔径0.4mmのものを用い
た。
【0063】このように化粧料用噴霧器に収容した試料
を用いて、上記試験方法に基づいて、粘度、霧状噴霧、
外観(透明性)、外観(見た目のプリプリ感(ジェル
感))について評価した。結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】以下にさらに処方例を示す。以下の処方例
における調製は、(a)成分を、水・アルコール系溶媒
に添加、混合して(a)成分の水・アルコール系系溶液
を作製した後、ここにパール剤、粉末、乳化組成物を添
加し、次いで、(b)成分、アルカリ(pH調整剤)を
添加して行った。
【0066】 (実施例5: ヘアミスト) (配 合 成 分) (質量%) イオン交換水 残 余 エタノール 20.0 ソルビトール 1.4 ジメチコンコポリオール 0.5 (「SILWET 10-E」;日本ユニカー(株)製) オクチルドセス−16 0.2 (a)成分(上記式(II)に示すホ゜リマー(分子量約100万)) 0.14 (b)成分(「シンタレンK」(イタリア、V3 SIGMA社製)) 0.18 水酸化ナトリウム 0.04 エデト酸塩 適 量 色素 適 量 香料 適 量 雲母チタン(「フラメンコスーハ゜ーハ゜ール100」;Mearl社製) 0.1
【0067】 (実施例6: ヘアミスト) (配 合 成 分) (質量%) イオン交換水 残 余 エタノール 20.0 ソルビトール 1.4 ジメチコンコポリオール 0.5 (「SILWET 10-E」;日本ユニカー(株)製) オクチルドセス−16 0.2 (a)成分(上記式(II)に示すホ゜リマー(分子量約100万)) 0.14 (b)成分(「シンタレンK」(イタリア、V3 SIGMA社製)) 0.18 水酸化ナトリウム 0.04 エデト酸塩 適 量 色素 適 量 香料 適 量 タルク 0.1
【0068】 (実施例7: ヘアミスト) (配 合 成 分) (質量%) イオン交換水 残 余 エタノール 20.0 ソルビトール 1.4 ジメチコンコポリオール 0.5 (「SILWET 10-E」;日本ユニカー(株)製) オクチルドセス−16 0.2 (a)成分(上記式(II)に示すホ゜リマー(分子量約100万)) 0.14 (b)成分(「シンタレンK」(イタリア、V3 SIGMA社製)) 0.18 水酸化ナトリウム 0.04 エデト酸塩 適 量 色素 適 量 香料 適 量 マイカ 0.2
【0069】 (実施例8: ヘアミスト) (配 合 成 分) (質量%) イオン交換水 残 余 エタノール 20.0 ソルビトール 1.4 ジメチコンコポリオール 0.5 (「SILWET 10-E」;日本ユニカー(株)製) オクチルドセス−16 0.2 (a)成分(上記式(II)に示すホ゜リマー(分子量約100万)) 0.14 (b)成分(「シンタレンK」(イタリア、V3 SIGMA社製)) 0.18 水酸化ナトリウム 0.04 エデト酸塩 適 量 色素 適 量 香料 適 量 球状有機粉末(ナイロン末「ナイロンSP500」) 1.0
【0070】 (実施例9: ヘアミスト) (配 合 成 分) (質量%) イオン交換水 残 余 エタノール 20.0 ソルビトール 1.4 ジメチコンコポリオール 0.5 (「SILWET 10-E」;日本ユニカー(株)製) オクチルドセス−16 0.2 (a)成分(上記式(II)に示すホ゜リマー(分子量約100万)) 0.14 (b)成分(「シンタレンK」(イタリア、V3 SIGMA社製)) 0.18 水酸化ナトリウム 0.04 エデト酸塩 適 量 色素 適 量 香料 適 量 オクタン酸セチル 0.3 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(POE=60) 0.1
【0071】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ジ
ェル状組成物でありながら、手にとって塗布することな
く、ディスペンサー等の通常の化粧料用噴霧器に収容し
て、霧状に噴霧して簡易に塗布することができ、しか
も、使用後、もとのジェルに復帰する、これまでにな
い、全く新しいタイプのジェル状組成物を提供すること
ができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 226/10 C08F 226/10 (72)発明者 藤山 泰三 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 (72)発明者 百瀬 浩 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 (72)発明者 大竹 永時 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 Fターム(参考) 4C083 AB032 AB242 AC102 AC132 AC352 AC432 AC532 AD072 AD091 AD092 AD112 AD131 AD132 AD162 BB33 BB34 BB44 CC31 DD08 DD22 DD27 DD41 EE06 EE07 EE21 4J100 AL08Q AM21Q AQ08P BA32Q

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)カチオン性高分子と、(b)増粘
    作用を有する非曳糸性のアニオン性高分子を含み、該
    (a)成分と(b)成分とが複合体を形成し、近接した
    複合体間で凝集による弱い結合があり、かつ、粘度(初
    期値)が500〜2500mPa・s(30℃)のジェ
    ル状をなし、使用時、霧状に噴霧して用いられ得る、ジ
    ェル状組成物。
  2. 【請求項2】 (a)成分が、下記一般式(I) 〔式中、R1、R6はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子
    数1〜6のアルキル基を表し;R2は炭素原子数1〜1
    0のアルキレン基を表し;R3、R4、R5はそれぞれ独
    立に炭素原子数1〜24のアルキル基を表し;Aは酸素
    原子またはNH基を表すか、あるいはAをもたない。X
    はハロゲン原子、R’SO4(ただしR’は炭素原子数
    1〜6のアルキル基)を表す。また、t/u=2/8〜
    8/2である〕で表される構成単位を有するカチオン性
    高分子の1種または2種以上である、請求項1記載のジ
    ェル状組成物。
  3. 【請求項3】 (a)成分が、下記式(II) (式中、t/u=2/8〜8/2である)で表される構
    成単位を有するビニルピロリドン/N,Nジメチルアミ
    ノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩である、
    請求項2記載のジェル状組成物。
  4. 【請求項4】 (b)成分がカルボキシビニルポリマー
    である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のジェル状
    組成物。
  5. 【請求項5】 pHが6.2〜6.9である、請求項1
    〜4のいずれか1項に記載のジェル状組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のジ
    ェル状組成物を含む、化粧料。
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