JP2003029468A - 電子写真現像用キャリヤ。 - Google Patents

電子写真現像用キャリヤ。

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JP2003029468A
JP2003029468A JP2001220246A JP2001220246A JP2003029468A JP 2003029468 A JP2003029468 A JP 2003029468A JP 2001220246 A JP2001220246 A JP 2001220246A JP 2001220246 A JP2001220246 A JP 2001220246A JP 2003029468 A JP2003029468 A JP 2003029468A
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Tomohiro Aisaka
智博 逢坂
Tomohide Iida
智英 飯田
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Dowa Iron Powder Co Ltd
Dowa Holdings Co Ltd
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Dowa Iron Powder Co Ltd
Dowa Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電の立ち上がりが急峻で安定した抵抗特性
を保持し且つ耐久性に優れた樹脂被覆キャリヤを得る。 【解決手段】 表面に樹脂コーテイング層を施したソフ
トフェライト粒子からなる電子写真現像用キャリヤであ
って,該樹脂コーテイング層に機械的表面処理が施され
ていることを特徴とする電子写真現像用キャリヤであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,表面に樹脂コーテイン
グが施されたソフトフェライト粒子からなる電子写真現
像用キャリヤおよびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】2成分系の電子複写機用現像剤に用いら
れるキャリヤ(電子写真現像用キャリヤ)には,様々な
特性(磁気特性,摩擦帯電性,耐久性,流動性など)が
要求されるが,表面に樹脂コーテイングが施されたキャ
リヤ(樹脂被覆キャリヤ)においては,樹脂被覆本来の
目的であるスペント化の防止(トナーがキャリヤ表面に
融着する現象の阻止)を長期にわたって維持できること
が肝要であるが,樹脂被覆層が有している摩擦帯電性
(帯電特性)に変化を来たさないこと,電気的特性(静
抵抗値)が安定していることも肝要である。
【0003】これらの帯電特性や抵抗性を改善する処方
については種々の提案がなされており,例えば特開平4
−40472号公報や特開平7−104522号公報な
どには膜厚を薄くすることによって低抵抗化を達成する
方法が記載され,特開平4−93954号公報にはキャ
リヤ粒子表面に凹凸膜を形成させ,凸部を露出させる方
法が提案されている。特開平6−222619号公報に
は核となるフェライトキャリヤの粒子表面が表面空孔率
10体積%以下とすることによって帯電量の経時変化が
抑制できると教示しており,特開平10−97104号
公報には凸部樹脂膜の占有比率がキャリヤ全面積の55
〜90%とし,凸部樹脂膜部を薄膜化すると低抵抗で耐
久性の優れたものが得られると教示している。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】樹脂被覆キャリヤの帯
電特性や抵抗特性は,樹脂の種類やその膜厚に大きく影
響されるが,樹脂の種類や膜厚が一定でも,その製造履
歴によってこれらの特性を調整することが可能である。
例えば,粒子核となるフェライト粒子の表面状態やコー
テイング処理条件によって帯電特性や抵抗性が変化する
ことがあり,要求される一定の特性を安定して発現する
には,製造条件を厳密にコントロールしなければならな
い。他方において,電子写真複写機の機種や機能に応じ
て,要求される特性値はそれぞれ異なることが多く,所
定の帯電特性および抵抗性が得られるような条件を把握
しておくことも肝要となる。
【0005】このうち,帯電特性については,帯電の立
ち上がりが急峻なものが要求されるようになった。樹脂
被覆キャリヤがトナーと混合されたときに発生する静電
量(帯電量)が混合の初期から飽和値に近い値に達する
ことが,電子写真複写機とくに高速複写機に欠かせない
からである。
【0006】他方,電子写真用現像剤としてのキャリヤ
の長寿命化の要求も強く,その対策として樹脂コーテイ
ング層の厚膜化も画策されているが,樹脂層が厚くなる
とキャリヤ製造段階において粒子同士が会合や接合して
2個以上の粒子がくっついたキャリヤが出来上がった
り,解粒によって樹脂膜が破損したり,余剰な樹脂破片
が樹脂層表面に付着したキャリヤが出来上がったりす
る。このようなキャリヤを電子写真複写機で使用する
と,現像器内での攪拌によって微小な樹脂片が浮遊した
り,コア露出部分同士が接合したりして,帯電不良や定
着不良(オフセット)等の悪影響を及ぼすようになる。
【0007】したがって,本発明の目的とするところ
は,少々の製造履歴が異なっても,安定した帯電特性と
抵抗特性を具備するキャリヤを得ることにあり,とく
に,帯電の立ち上がりが急峻で,連続使用に対して安定
した抵抗特性を保持し,トナーとの混合初期段階で飽和
値に達し且つ耐久性に優れた樹脂被覆キャリヤを得るこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,その表
面に樹脂コーテイングが施されたソフトフェライト粒子
同士を互いに衝突させることにより,該樹脂コーテイン
グ層に圧縮応力が作用する機械的表面処理を施してなる
電子写真現像用キャリヤを提供する。すなわち表面に樹
脂コーテイング層を施したソフトフェライト粒子からな
る電子写真現像用キャリヤであって,該樹脂コーテイン
グ層に機械的表面処理が施されていることを特徴とする
電子写真現像用キャリヤを提供する。
【0009】機械的表面処理としては,樹脂コーテイン
グ層を施したソフトフェライト粒子同士を互い衝突させ
ることによって,樹脂コーテイング層に均等に圧縮応力
を作用させるような研磨処理を行うのが好ましい。そし
て,この研磨処理はコーテイング樹脂層を硬化させたあ
とで行うのがよい。
【0010】そのさい,ソフトフェライトからなるコア
材1000重量部に対して,0.5〜4.0重量部の樹脂
でコーテイングされたものであるのが望ましく,該機械
的表面処理を行う前のキャリヤの抵抗値をR1〔Ω・c
m〕,機械的表面処理後の同抵抗値をR2〔Ω・cm〕
としたとき,1.0<R1/R2<50.0の関係が成立す
るのが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は,ソフトフェライト粒子
の表面に樹脂被覆した電子写真用キャリヤに関するが,
そのソフトフェライト粒子としては種々のものが適用で
きる。このようなフェライトは,目標組成となるように
原料を調合し,仮焼,粉砕,乾燥,造粒,焼成,解砕,
分級の諸工程を経て製造することができる。
【0012】例えばMnO−MgO−Fe23系フェラ
イトの製造を例とすると,原料中のMn, MgおよびF
eの組成比が意図するフェライトの組成比に相当するよ
うに,炭酸塩,水酸化物または酸化物等の形態の原料を
秤量調合し,よく混合したうえ,加熱炉中で600〜1
000℃の温度に大気雰囲気中で加熱し,1〜5時間保
持して仮焼する。これにより,炭酸塩や水酸化物等の形
態で調合した原料は実質的に酸化物の形態の塊状物とな
り,揮発性成分や非金属介在物などは分解・蒸発除去さ
れる。得られた仮焼品は,冷却後,粉砕機例えば振動ミ
ルで1μm程度まで粉砕し,次いで水を加えて70%程
度の粗スラリーとし,これをボールミル等で湿式粉砕す
る。これにより,微細に粉砕された仮焼粉のスラリーが
得られる。この仮焼粉スラリーに,必要に応じてポリカ
ルボン酸等の分散剤を加えたうえ,例えば噴霧乾燥機で
噴霧乾燥するか,或いはペレタイザーで造粒し,10〜
500μmの球状ペレットにして乾燥する。
【0013】次いで,前記の造粒品を焼成してフェライ
トとするが,この焼成工程の雰囲気を制御することによ
り,意図する飽和磁化のつソフトフェライトを得ること
ができる。例えば実質上フェライト組成と同等の酸化物
組成を有した仮焼粉を,実際にフェライトに焼成するに
十分な温度,例えば1150〜1200℃に少なくとも
60分間保持する焼成処理を行う場合,他の条件は一定
にして,空気から窒素ガスにまで雰囲気中の酸素分圧を
連続的に変化させると,それに追従して飽和磁化も連続
的に上昇するので,意図する飽和磁化を得るには,それ
が得られる酸素分圧を採用すればよい。
【0014】フェライトに焼成された焼成品は解砕機で
解砕し,解砕粉を分級または篩分けしてキャリヤとして
適正な粒度のものを採取する。これにより平均粒子径が
揃った球形のMnO−MgO−Fe23 系ソフトフェ
ライト粒子を得る。
【0015】次に,このようにして得たソフトフェライ
ト粒子(キャリヤコア)の表面に樹脂被覆するが,被覆
する樹脂としては種々のものが適用でき,例えばアクリ
ル系樹脂,スチレン系樹脂,スチレン−アクリル系樹
脂,オレフイン系樹脂(ポリエチレン,塩素化ポリエチ
レン,ポリプロピレン等),ポリエステル系樹脂(ポリ
エチレンテレフタレート,ポリカーボネート等),不飽
和ポリエステル系樹脂(塩化ビニル系樹脂,ポリアミド
系樹脂,ポリウレタン系樹脂,エポキシ系樹脂,シリコ
ーン系樹脂,フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレ
ン,ポリクロロトリフルオロエチレン,ぽり弗化ビニリ
デン等),フエノール系樹脂,キシレン系樹脂,ジアリ
ルフタレート系樹脂等が挙げられる。
【0016】樹脂コーテイングを行うには,前記の樹脂
を溶剤に希釈してキャリヤコアの表面に被覆するのが一
般的である。溶剤としては各樹脂が可溶なものであれば
よく,有機溶剤に可溶な樹脂の場合の溶剤としては,ト
ルエン,キシレン,メチルエチルケトン,メチルイソブ
チルケトン,メタノール等を使用することができ,水溶
性樹脂またはエマルジョンタイプの樹脂であれば,水を
用いる。
【0017】キャリヤコアの表面に対し溶剤で希釈され
た樹脂を被覆するには,その液にキャリヤコアを浸漬し
て攪拌する浸漬法,該液をキャリヤコアにスプレーする
スプレー法,刷毛塗りする刷毛塗り法等が適用でき,該
液を塗布後は溶剤を乾燥させる。このようなコーテイン
グ法は湿式法とも言えるが,溶剤を使用しないで乾式法
によってキャリヤコア表面に樹脂粉末を被着させる方法
も採用できる。
【0018】いずれにしても,キャリヤコア粒子の表面
に被覆付着させた樹脂を焼き付けるのが好ましく,固定
式または流動式の電気炉,ロータリー式電気炉,バーナ
ー炉などを使用して,外部加熱方式または内部加熱方式
で焼き付けることができる。マイクロウエーブによる焼
き付けも可能である。焼き付け温度は樹脂によって異な
るが,融点以上またはガラス転移点以上の温度が必要で
ある。熱硬化性樹脂または縮合型樹脂では硬化が十分に
進む温度まで上げる必要がある。
【0019】シリコーン樹脂でキャリヤコアの被膜を形
成する場合を例として具体的に説明すると,シリコーン
樹脂をトルエンで希釈し,この液とキャリヤコアを攪拌
機の容器に入れて攪拌する。これにより,例えばシリコ
ーン樹脂の割合が3重量%となるように浸漬法で被着さ
せる。そのさい,使用する樹脂種に応じて硬化剤を添加
する。攪拌混合が終えたら,溶媒を乾燥除去する(例え
ば130℃×30分の加熱処理)。ついで加熱攪拌しな
がら硬化する(例えばオイルバスで加熱し且つ攪拌しな
がら190℃×30分の加熱処理を行う)。ついでオー
ブンまたはトンネル炉を用いて樹脂の焼き付け処理を行
う(例えば160〜280℃×3時間)。これにより樹
脂被覆キャリヤ成品が得られる。
【0020】このようにして得られた樹脂被覆キャリヤ
は,この状態でトナーと組み合わされて2成分系の電子
写真用現像剤となるが,その樹脂がフェライトコア表面
に強固に焼き付けられていても,帯電特性や抵抗性さら
には耐久性などにおいてさらなる改善を必要とする場合
がある。本発明によれば,この樹脂被覆キャリヤ成品を
研磨処理することによって,具体的には,この成品の樹
脂コーテイング層に圧縮応力が作用する機械的表面処理
を施すことによって,より具体的には,この成品の粒子
同士を互いに衝突させる粒子同士の研磨処理によって,
該成品の前記の特性が一層良好になることがわかった。
【0021】電子顕微鏡写真を参考にして更に説明する
と,図5(a)〜(c)は後記の実施例で使用したキャ
リヤコア(樹脂被覆なしのMnO−MgO−Fe23
系ソフトフェライトの球状粒子)を倍率を変えて撮影し
たものであるが,平均粒径が50μmで球形の粒子であ
ることがわかる。このキャリヤコアに対し,フッ素−ア
クリル系樹脂(被覆量:1.0 wt%) を被覆し焼き付けし
た場合の粒子(比較例1)を図6(a)〜(b)に示し
た。図6(a)と(b)は,同一の粒子を印加電圧を変
えて撮影したものである。(a)は5.0KVであり
(b)は1.5Vである。図6の両図に見られるよう
に,この被覆粒子には表面の被覆が不完全であり,所々
にキャリヤコアの露出部が観察される。
【0022】図7(a)と(b)は,コア表面を完全に
被覆する為に樹脂量を増し,さらに研磨処理を施した粒
子(実施例1の粒子)を,図6の場合と同じく印加電圧
を変えて撮影したものである。図7の両図に見られるよ
うに,被覆の不完全部分は無くなり,一様に被覆されて
いる状態がわかる。このものは,トナーと混合されたと
きの帯電の立ち上がりが急峻になり且つ安定した抵抗特
性を示すようになることは実施例に説明したとおりであ
る。
【0023】すなわち,キャリヤコア表面を完全に覆う
以上の余剰に樹脂を付着させ,樹脂コーテイング層に圧
縮応力が作用するような適切な機械的表面処理を施す
と,図7に見られるように,密実で連続した被膜に変化
して,帯電特性と抵抗特性が良好になり且つ耐久性も良
好になるような形態に変化することか明らかとなった。
【0024】同様に,シリコーン樹脂コーテイングにお
いても,後記比較例2に記載した被覆粒子を図8(a)
と(b)に示したが,同図に見られるように,被覆が不
完全である状況がわかる。比較例2に対して,実施例4
に示したように,被覆樹脂量を増し且つ研磨処理を施し
た粒子を図9(a)と(b)に示した。但し図8〜9に
おいて(a)は印加電圧5.0KV,(b)は1.5Vで
の像である。図9の粒子は図8の粒子に比べて被覆が完
全になっている状況がわかる。すなわち,図8のものに
比べて樹脂量を増して研磨処理を施した図9のものは,
後記の実施例に示すように,帯電の立ち上がりが急峻に
なり且つ表面の部分抵抗に差がなくなる。
【0025】研磨処理にあたっては,コーテイング層に
圧縮応力が均等に作用するように粒子を研磨処理するの
が好ましく,このような圧縮応力を均等に作用させるに
は,粒子同士の衝突によって行うのが一層有利である。
実際には,樹脂被覆成品を流動式攪拌装置に入れて粒子
同士がランダムに衝突するような運動を与える研磨方式
を採用するのが望ましい。
【0026】以下に実施例により,本発明をさらに説明
する。
【0027】
【実施例】〔実施例1〕MnO・MgO・Fe23
フェライト組成となるように,Mn源としてのMnCO
3, Mg源としてのMg(OH)2,鉄源としてのFe2
3 を,それぞれMnCO3:25モル%,Mg(OH)
2:25モル%, Fe23 :50モル%の割合で混合し
て,原料調合を行なった。
【0028】前記の混合粉を,加熱炉で900℃で3時
間大気雰囲気で加熱して仮焼した。得られた仮焼品を冷
却後,振動ミルでほぼ1μm大に粉砕し,乾燥粉に対し
て1重量%の割合で分散剤(商品名:サンノプコSNデ
イスパーサント5468)を水と共に加えてスラリー濃
度が70%のスラリーとした。このスラリーを湿式ボー
ルミルに装填して湿式粉砕し,得られた懸濁液をスプレ
ードライヤに供給し,平均粒径が80μm程度の乾燥粒
子からなる造粒品を得た。
【0029】この造粒品を焼成炉に装填し,窒素ガス中
の酸素濃度をほぼ2vol.%に調節した混合ガス中で11
00℃で3時間焼成した。焼成品を解砕機で解砕したあ
と篩分けして粒径がほぼ50μmに揃った球形のソフト
フェライト粉を得た。このフェライト粉の飽和磁化は6
2emu/gであった。
【0030】このようにして得た球形で平均粒径が50
μm,飽和磁化が62emu/gのMn・Mg系ソフト
フェライト粉を以下において「キャリヤコア」と呼ぶ。
【0031】フッ素系樹脂50wt.%とアクリル系樹脂5
0wt.%からなる混合樹脂成分をトルエンに溶解してなる
コーテイング樹脂液を準備し,このコーテイング樹脂液
と前記のキャリヤコアを所定の割合で攪拌機の容器に装
入し,該樹脂液に各粒子を所定時間浸漬しながら混合攪
拌する方法で,キャリヤコア総量に対してコーテイング
樹脂総量が1.5重量%の割合となるように,各キャリ
ヤコア粒子にコーテイング樹脂を被覆した。
【0032】この被覆粉を固定式加熱装置に装填し,2
50℃で4時間加熱保持して該樹脂を硬化させ,樹脂コ
ーテイングキャリヤを得た。この硬化処理した段階の樹
脂コーテイングキャリヤ成品を「1次製品B」と呼ぶ。
【0033】この1次製品Bを,樹脂液コーテイングに
用いたのと同じ攪拌機の容器に入れ,室温で3時間攪拌
する研磨処理に供した。得られた研磨品の帯電量と静抵
抗を測定し,その結果を表1に示した。表1には,前記
の「キャリヤコア」および「1次製品B」の各測定値も
併せて記載した。
【0034】帯電量の測定については,100ccのポ
リ容器に測定用キャリヤ粉 9.5gとトナー 0.5を入れ,
ボールミルを用いてポリ容器を100 rpmで累計20分
間回転させ,途中の1,3,5,10分と最後の20分
からサンプルを採取して帯電量測定装置を用いて各時間
での帯電量(μC/g)を測定する方法によった。抵抗
値の測定は測定用キャリヤ粉を絶縁性パイプに正確に5
g充填し,パイプ上下に設置された電極によって充填試
料の比抵抗を測定する方法によった。
【0035】〔実施例2〕1次製品Bに対する研磨処理
の温度と時間を「120℃×3時間」とした以外は,実
施例1を繰り返した。得られたキャリヤ粉の帯電量と抵
抗値および実写特性を実施例1と同様に測定し,それら
の結果を表1に併記した。
【0036】〔実施例3〕1次製品Bに対する研磨処理
の温度と時間を「室温×3時間+120℃×3時間」と
した以外は,実施例1を繰り返した。得られたキャリヤ
粉の帯電量と抵抗値および実写特性を実施例1と同様に
測定し,それらの結果を表1に併記した。
【0037】〔比較例1〕キャリヤコア総量に対してコ
ーテイング樹脂総量が1.0重量%の割合となるよう
に,各キャリヤコア粒子にコーテイング樹脂を被覆した
以外は,実施例1と同様にして,被膜量の異なる(少な
い)1次製品を得た。この1次製品(研磨処理を行って
いない樹脂コーテイング成品:これを「1次製品A」と
呼ぶ)の帯電量と抵抗値および実写特性を測定した。そ
れらの結果も表1に併記した。
【0038】〔実施例4〕実施例1で得たのと同じキャ
リヤコアに対し,次のようにしてシリコン樹脂コーテイ
ングを行った。先ず,シリコーン系樹脂をトルエンに溶
解した樹脂液を準備し,この樹脂液と該キャリヤコアを
実施例1の場合と同じ攪拌機の容器に装入し,該樹脂液
にキャリヤコアを所定時間浸漬しながら混合攪拌する方
法で,キャリヤコア総量に対して樹脂総量が3.5重量
%の割合となるように,各キャリヤコア粒子にコーテイ
ング樹脂を被覆した。得られた被覆粉を固定式加熱装置
に装填し,230℃で4時間加熱保持して該樹脂を硬化
させ,樹脂コーテイングキャリヤを得た。この硬化処理
した段階の樹脂コーテイングキャリヤ成品を「1次製品
D」と呼ぶ。
【0039】この1次製品Dを,樹脂液コーテイングに
用いたのと同じ攪拌機の容器に入れ,室温で3時間攪拌
する研磨処理に供した。得られた研磨品の帯電量と静抵
抗および実写特性を測定し,それらの結果を表1に併記
した。表1には,前記の「1次製品D」の各測定値も併
せて記載した。
【0040】〔実施例5〕1次製品Dに対する研磨処理
の温度と時間を「120℃×3時間」とした以外は実施
例4を繰り返した。得られたキャリヤ粉の帯電量と抵抗
値および実写特性を実施例1と同様に測定し,それらの
結果を表1に併記した。
【0041】〔実施例6〕1次製品Dに対する研磨処理
の温度と時間を「室温×3時間+120℃×3時間」と
した以外は,実施例4を繰り返した。得られたキャリヤ
粉の帯電量と抵抗値および実写特性を実施例1と同様に
測定し,それらの結果を表1に併記した。
【0042】〔比較例2〕キャリヤコア総量に対してコ
ーテイング樹脂総量が2.5重量%の割合となるよう
に,各キャリヤコア粒子にコーテイング樹脂を被覆した
以外は,実施例4と同様にして,被膜量の異なる(少な
い)1次製品を得た。この1次製品(研磨処理を行って
いない樹脂コーテイング成品:これを「1次製品C」と
呼ぶ)の帯電量と抵抗値および実写特性を測定した。そ
れらの結果も表1に併記した。
【0043】
【表1】
【0044】表1の結果に見られるように,帯電量につ
いて見ると,実施例1〜3(フッ素−アクリル系)の研
磨品は,攪拌1分で既に飽和値に近い状態まで帯電して
しまうことがわかる。これに対して研磨しない1次製品
Bでは同量の帯電量を得るには約3分の攪拌を要してい
る。図1にこの挙動を図示したが,実施例1〜3のもの
は1次製品Bのものに比べて帯電の立ち上がり(飽和に
達するまでの勾配)が急峻であることがわかる。なお,
樹脂被覆しないキャリヤコアは十分な帯電が得られず,
被覆しても被覆量が少ない1次製品A(比較例1)のも
のも,帯電量が低い。
【0045】同様に,実施例4〜6のものも1〜3分で
飽和値に近く帯電するのに対し研磨しない1次製品Dで
は同量の帯電量を得るのに5分程度を要している。図2
にこの挙動を示したが,研磨したものは研磨しない1次
製品Dに比べて帯電の立ち上がりが急峻であることがわ
かる。被覆量が少ない1次製品C(比較例2)のものは
帯電の絶対量が低い。
【0046】このように樹脂被覆後に研磨処理を行う
と,トナーとの攪拌時間が短くても素早く帯電するよう
になるが,これは各粒子の被膜の形態が帯電に適するよ
うな状態に変化したことを示している。研磨しないまま
では,樹脂被膜には部分的に亀裂があったり剥がれ易い
部分が存在しているが,粒子同士の衝突によって粒子表
面が十分に研磨されると,密実で連続した被膜が形成さ
れたからではないかと推察される。
【0047】他方,抵抗値について見ると研磨効果は一
層明らかである。表1の結果について,図3にフッ素−
アクリル系の被覆品の印加電圧と静抵抗値の関係を整理
して示したが,研磨しない1次製品Bでは印加電圧が変
化すると抵抗値も大きく変化するのに対し,研磨した実
施例1〜3のものはそれほど変化を示さない。同様に図
4にはシリコーン系の被覆品について示したが,この場
合には,抵抗値が高くほぼ絶縁性を示す。
【0048】このような帯電特性および導電特性が研磨
処理によって改善された結果,実写特性においても,実
施例1〜6の研磨製品は,表1の結果に見られるよう
に,いずれもキャリヤ引きやトナー飛散の発生が皆無と
なり,耐久性にも優れた性能を示す。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によると,
樹脂コートしたキャリヤに要求される帯電特性や抵抗特
性が改善され,耐久性よく高画質の電子写真画像を得る
ことができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う樹脂被覆キャリヤをトナーと攪拌
した場合の攪拌時間と帯電量の関係を比較例のものと対
比して示した図である。
【図2】本発明に従う他の例の樹脂被覆キャリヤをトナ
ーと攪拌した場合の攪拌時間と帯電量の関係を比較例の
ものと対比して示した図である。
【図3】本発明に従う樹脂被覆キャリヤに印加電圧を変
えて測定した静抵抗値を比較例のものと対比して示した
図である。
【図4】本発明に従う他の樹脂被覆キャリヤの静抵抗値
を比較例のものと対比して示した図である。
【図5】実施例に用いたキャリヤコアの電子顕微鏡写真
(SEM像)である。
【図6】樹脂被覆されたキャリヤ粒子(研磨処理なし:
比較例1・1次製品A)の電子顕微鏡写真(SEM像)
である。
【図7】図6のものに被覆樹脂量を増して完全被覆した
後,研磨処理したキャリヤ粒子(実施例1)の電子顕微
鏡写真(SEM像)である。
【図8】樹脂被覆された他のキャリヤ粒子(研磨処理な
し:比較例2・1次製品C)の電子顕微鏡写真(SEM
像)である。
【図9】図8のものに被覆樹脂量を増して完全被覆した
後,研磨処理したキャリヤ粒子(実施例4)の電子顕微
鏡写真(SEM像)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 智英 岡山県岡山市築港栄町7番地 同和鉄粉工 業株式会社内 Fターム(参考) 2H005 BA01 BA06 BA11 BA15 CB04 DA10 EA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に樹脂コーテイング層を施したソフ
    トフェライト粒子からなる電子写真現像用キャリヤであ
    って,該樹脂コーテイング層に機械的表面処理が施され
    ていることを特徴とする電子写真現像用キャリヤ。
  2. 【請求項2】 機械的表面処理は,樹脂コーテイング層
    を施したソフトフェライト粒子同士を互い衝突させる処
    理である請求項1に記載の電子写真現像用キャリヤ。
  3. 【請求項3】 機械的表面処理は,硬化した樹脂コーテ
    イング層に対して行われる請求項1または2に記載の電
    子写真現像用キャリヤ。
  4. 【請求項4】 ソフトフェライトからなるコア材100
    0重量部に対して,0.5〜4.0重量部の樹脂でコーテ
    イングされた請求項1,2または3に記載の電子写真現
    像用キャリヤ。
  5. 【請求項5】 該機械的表面処理を行う前のキャリヤの
    抵抗値をR1〔Ω・cm〕,機械的表面処理後の同抵抗
    値をR2〔Ω・cm〕としたとき, 1.0<R1/R2<50.0 の関係が成立する請求項1,2,3または4に記載の電
    子写真現像用キャリヤ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のキ
    ャリヤと,トナーとからなる電子写真用現像剤。
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