JP7398119B2 - キャリア、電子写真用現像剤及びキャリアの製造方法 - Google Patents

キャリア、電子写真用現像剤及びキャリアの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、キャリア芯材の表面が樹脂で被覆されたキャリア、該キャリアを用いた電子写真用現像剤及びキャリアの製造方法に関する。
電子写真現像方法は、感光体上に形成された静電潜像に現像剤中のトナーを付着させて現像する方法をいう。現在、電子写真現像方法として、マグネットロールを用いる磁気ブラシ法が広く採用されている。この方法で使用される現像剤は、トナーとキャリアからなる二成分系現像剤と、トナーのみを用いる一成分系現像剤とに分けられる。
二成分系現像剤において、キャリアは、トナーと混合・攪拌され、トナーを帯電させ、さらに搬送する機能を有している。二成分系現像剤は、一成分系現像剤と比較すると、現像剤を設計する際の制御性が良い。従って、高画質が要求されるフルカラー現像装置、画像維持の信頼性、耐久性が要求される高速印刷を行う装置等において、二成分系現像剤が広く用いられている。
現像槽内ではキャリアとトナーとが混合・攪拌される。その際の発熱や物理的ストレスによりキャリア粒子の表面にトナーが融着することがある。これをキャリアのスペントという。現像剤の使用と共に、キャリアのスペント化が進むと、キャリアの帯電特性が経時的に低下し、カブリやトナー飛散等の画質劣化が生じる。そのため、一定期間経過後は、現像槽内の現像剤全体を取り替える必要が生じる。
現像剤の長寿命化を図るには、キャリアのスペントを防止することが求められる。キャリアのスペントを防止するために、従来より、フッ素樹脂で磁性芯材の表面を被覆することが行われてきた。フッ素樹脂は表面エネルギーが低く、磁性芯材の表面をフッ素樹脂で被覆すれば、キャリアのスペントを防止することができるためである。一方、フッ素樹脂は他の材料との接着性が悪いため、フッ素樹脂のみからなる樹脂被覆層を磁性芯材の表面に形成することは困難である。そこで、例えば、特許文献1(特開2005-99489号公報)に開示されるように、磁性芯材の表面をフッ素樹脂及びポリアミドイミド樹脂等の樹脂混合物で被覆することが行われている。なお、ポリアミドイミド樹脂等は、フッ素樹脂を磁性芯材の表面に密着させるためのバインダー成分として用いられる。
当該特許文献1では、磁性芯材の表面に上記樹脂混合物からなる樹脂被覆層を形成する方法として、フッ素樹脂と、ポリアミドイミド樹脂等のバインダー成分と、磁性芯材とを、溶剤と共に混合撹拌しながら加熱する方法が採用されている。しかしながら、このような方法では、フッ素樹脂とバインダー成分とを均一に混合することが困難であり、磁性芯材の表面にバインダー成分に対してフッ素樹脂が均一に分散された樹脂被覆層を形成することは困難であった。
そこで、特許文献2(特許第4646781号公報)では、無水トリメット酸と4,4’-ジアミノジフェニルメタンとの共重合体からなるポリアミドイミド樹脂を水に溶解させたポリアミドイミド樹脂溶液に、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体又は4フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体から選択されるフッ素樹脂を酸化ケイ素と共に分散させた樹脂溶液を調製し、当該樹脂溶液を磁性芯材の表面に被覆することにより、フッ素樹脂及びポリアミドイミド樹脂を含む樹脂混合物で磁性芯材の表面が被覆されたキャリアを得ることが提案されている。また、特許文献3(特許第5405159号公報)では、界面活性剤を用いて上記樹脂溶液を調製することが記載されている。
これらの方法では、ポリアミドイミド樹脂溶液にフッ素樹脂を分散させているため、特許文献1に記載の方法と比較すると、フッ素樹脂とバインダー成分との混合状態が良好になる。しかしながら、ポリアミドイミド樹脂溶液は粘度が高いため、界面活性剤等を用いてもフッ素樹脂とバインダー成分とを均一に混合することはやはり困難であった。また、ポリアミドイミド樹脂溶液の磁性芯材に対する濡れ性は低い。そのため、当該樹脂溶液を磁性芯材の表面に均一な膜厚で塗布することは難しく、樹脂被覆層を磁性芯材の表面に均一な膜厚で形成することは困難であり、これらの点を改善することが求められていた。
特開2005-99489号公報 特許第4646781号公報 特許第5405159号公報
本発明の課題は、従来に比して耐スペント性及び帯電安定性の良好なキャリア、該キャリアを用いた電子写真用現像剤及び該キャリアの製造方法を提供することにある。
本発明の課題を解決するために、本発明に係るキャリアは、磁性芯材と、磁性芯材の表面を被覆する樹脂被覆層とを備えるキャリアであって、前記樹脂被覆層は、バインダー樹脂と、バインダー樹脂内に分散されたフッ素元素含有樹脂粒子とを含み、前記樹脂被覆層の膜厚の変動係数が25%以下であり、前記樹脂被覆層は、当該樹脂被覆層の断面における単位面積当たりの前記フッ素元素含有樹脂粒子の含有数の平均値が3個/μm以上350個/μm以下であり、その変動係数が20%以下であることを特徴とする。
本件発明に係るキャリアにおいて、前記樹脂被覆層による前記磁性芯材の表面被覆率が60%以上95%以下であることが好ましい。
本件発明に係るキャリアにおいて、前記樹脂被覆層におけるフッ素元素含有樹脂粒子及び前記バインダー樹脂の含有量が質量比で9:1~2:8であることが好ましい。
本件発明に係るキャリアにおいて、前記フッ素元素含有樹脂粒子の体積平均粒子径(D50)が0.05μm以上0.40μm以下であることが好ましい。
本件発明に係るキャリアにおいて、前記フッ素元素含有樹脂粒子は、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体及び4フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニエルエーテル共重合体から選択される一種以上であることが好ましい。
本件発明に係るキャリアにおいて、前記バインダー樹脂はポリイミド樹脂であることが好ましい。
本件発明に係るキャリアにおいて、前記磁性芯材がフェライト粒子からなることが好ましい。
本件発明に係る電子写真用現像剤は、上記本件発明に係るキャリアと、正帯電性トナーとを含み、前記キャリアにより前記トナーに正帯電性を付与することを特徴とする。
本件発明に係るキャリアの製造方法は、磁性芯材と、磁性芯材の表面を被覆する樹脂被覆層とを備えるキャリアを製造するキャリアの製造方法であって、フッ素元素含有樹脂粒子とバインダー樹脂粒子とを分散媒に分散させた樹脂層形成液を調製し、前記磁性芯材の表面を前記樹脂層形成液で被覆し、前記バインダー樹脂により前記フッ素元素含有樹脂粒子を前記磁性芯材の表面に密着させることで、バインダー樹脂と、バインダー樹脂内に分散されたフッ素元素含有樹脂粒子とを含む樹脂被覆層を前記磁性芯材の表面に形成することを特徴とする。
本件発明に係るキャリアの製造方法は、磁性芯材と、磁性芯材の表面を被覆する樹脂被覆層とを備えるキャリアを製造するキャリアの製造方法であって、液体のバインダー樹脂を界面活性剤を用いて分散媒にミセル状に分散(乳濁)させたバインダー樹脂分散液に、フッ素元素含有樹脂粒子を分散させた樹脂層形成液を調製し、前記磁性芯材の表面を前記樹脂層形成液で被覆し、前記バインダー樹脂により前記フッ素元素含有樹脂粒子を前記磁性芯材の表面に密着させることで、バインダー樹脂と、バインダー樹脂内に分散されたフッ素元素含有樹脂粒子とを含む樹脂被覆層を前記磁性芯材の表面に形成することを特徴とする。
本発明によれば、従来に比して耐スペント性及び帯電安定性の良好なキャリア及び該キャリアの製造方法を提供することができる。
以下、本発明に係るキャリア、電子写真用現像剤及びキャリアの製造方法の実施の形態を説明する。
1.キャリア
まず、本発明に係るキャリアの実施の形態について説明する。本発明に係るキャリアは、磁性芯材と、磁性芯材の表面を被覆する樹脂被覆層とを備えるキャリアであって、樹脂被覆層は、バインダー樹脂と、バインダー樹脂内に分散されたフッ素元素含有樹脂粒子とを含む。フッ素元素含有樹脂は摩擦係数が低く、フッ素元素含有樹脂粒子をバインダー樹脂に分散させた樹脂被覆層により磁性芯材の表面を被覆することで、キャリアに対するトナーの付着を防止することができる。一方、フッ素元素含有樹脂粒子は磁性芯材に対する接着性が低い。バインダー樹脂にフッ素元素含有樹脂を分散させることで、バインダー樹脂によりフッ素元素含有樹脂を磁性芯材の表面に良好に密着させることができる。このような構成を採用することで、トナーとの撹拌時等にキャリアとトナーとが衝突しても、キャリアの表面にトナーが付着しにくくなり、キャリアのスペントを防止することができる。
また、後述する方法で当該キャリアを製造すれば、バインダー樹脂内に良好にフッ素元素含有樹脂粒子を分散させることができ、膜厚の均一な樹脂被覆層を得ることができる。そのため、本発明に係るキャリアによれば帯電量分布がシャープで、耐スペント性、帯電安定性、補給カブリ性の良好な電子写真現像剤を得ることができる。以下、磁性芯材、樹脂被覆層の順に説明する。
(1)磁性芯材
本件発明において磁性芯材は、例えば、電子写真用現像剤のキャリアに要求される磁性等を満足するものであれば特に限定されるものではなく、フェライト等の磁性成分と、樹脂等の非磁性成分との混合物からなる磁性芯材なども用いることができる。しかしながら、本発明において磁性芯材として、各種フェライトを好ましく用いることができ、球状フェライトをより好ましく用いることができる。フェライトの組成は特に制限されるものではないが、例えば、下記式で表される組成を有することが好ましい。
(MnO)(MgO)(Fe
但し、x+y+z=100mol%
x=35mol%~45mol%
y= 5mol%~15mol%
z=40mol%~55mol%
ここで、上記式において、(MnO)及び/又は(MgO)の一部を、SrO、LiO、CaO、TiO、CuO、ZnO、NiO、Bi、ZrOから選ばれる1種類以上の酸化物で置換してもよい。このとき、(MnO)及び/又は(MgO)の一部をSrOで置換することがより好ましい。
このような組成のフェライトは磁化が高く、磁化の均一性がよい。すなわち粒子間の磁化のバラツキが少なく、画質及び耐久性に優れたキャリアが得られる。そのため、本発明では上記式で表される組成のフェライトを好ましく用いることができる。
上記式において、(MnO)及び/又は(MgO)の一部を上記列挙した酸化物から選ばれる1種類以上の酸化物で置換する場合、その置換量は0.35mol%以上であることが好ましく、5.0mol%以下であることが好ましい。当該置換量を0.35mol以上5.0mol%以下とすることにより、粒子間の磁化のバラツキを低減することがより容易になる。また、フェライトにおける残留磁化、保磁力の発生を低減し、粒子間の凝集を抑制することができる。当該効果を得る上で、上記置換量は3.5mol%以下であることがより好ましい。
なお、本件明細書においてフェライトとは、特記しない限り個々のフェライト粒子の集合体を意味するものとする。
(2)樹脂被覆層
樹脂被覆層は、バインダー樹脂と、バインダー樹脂内に分散されたフッ素元素含有樹脂粒子とを含む。
a)フッ素元素含有樹脂粒子
フッ素元素含有樹脂は、分子構造中にフッ素を含有する樹脂をいい、特に、フッ素を含むオレフィンを重合して得られる樹脂(主としてフッ素樹脂)をいう。
フッ素元素含有樹脂として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(四フッ素化エチレン樹脂(PTFE))、ポリクロロトリフルオロエチレン(三フッ素化エチレン樹脂(PCTFE,CTFE))、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA))、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)などのフッ素樹脂が挙げられる。
本発明では、フッ素元素含有樹脂として、特に、四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)及び四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)から選択される一種類以上を用いることが好ましい。四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)及び四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)は、ポリテトラフルオロエチレンと同等の耐薬品性、耐熱性、電気特性を有する一方、ポリテトラフルオロエチレンと比較すると耐摩耗性及び加工性に優れている。またここで挙げた上記フッ素元素含有樹脂は後述する方法で樹脂被覆層を形成する際の塗工性にも優れている。従って、磁性芯材に設けられる樹脂被覆層に要求される特性を満たすと共に、その取り扱いが良好である。
フッ素元素含有樹脂粒子の体積平均粒径(D50)は0.05μm以上0.40μm以下であることが好ましい。このような微粒のフッ素元素含有樹脂粒子をバインダー樹脂に分散させることで、0.5μm~2.0μm程度の厚みの樹脂被覆層内にフッ素元素含有樹脂粒子を均一に分散させ、当該樹脂被覆層の膜厚を均一にすることが容易になる。フッ素元素含有樹脂粒子の体積平均粒径(D50)の値が小さくなると、フッ素元素含有樹脂粒子の凝集を抑制することが困難になる。当該観点から、フッ素元素含有樹脂粒子の体積平均粒径(D50)は0.08μm以上であることがより好ましく、0.10μm以上であることがさらに好ましい。一方、フッ素元素含有樹脂粒子の体積平均粒径(D50)が大きくなると、バインダー樹脂を用いても磁性芯材の表面にフッ素元素含有樹脂粒子を強固に密着させることが困難になり、樹脂被覆層からフッ素元素含有樹脂粒子が離脱しやすくなる。当該観点からフッ素元素含有樹脂粒子の体積平均粒径(D50)は0.35μm以下であることがより好ましく、0.30μm以下であることがさらに好ましい。
b)バインダー樹脂
バインダー樹脂は、フッ素元素含有樹脂粒子を磁性芯材の表面に密着させるために用いる樹脂である。フッ素元素含有樹脂粒子を磁性芯材の表面に密着させることができ、キャリアに要求される特性を満足する樹脂であれば、バインダー樹脂の種類は特に限定されるものではない。例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を用いることができる。磁性芯材の表面に樹脂被覆層を形成する際に、フッ素元素含有樹脂粒子と共に、粒子状のバインダー樹脂(バインダー成分)を分散媒に分散(懸濁)させた樹脂層形成液、又は、液体のバインダー樹脂を界面活性剤を用いて分散媒にミセル状に分散(乳濁)させた樹脂層形成液等の、バインダー樹脂を溶剤に溶解させるのではなく、バインダー樹脂を分散媒に分散させた樹脂層形成液を調製することで、フッ素元素含有樹脂粒子とバインダー樹脂とが良好に混合され、且つ、粘度の低い樹脂層形成液を得ることができ、塗工性が良好であり、芯材粒子の表面にフッ素元素含有樹脂粒子が偏在することなく、膜厚の均一な樹脂被覆層を形成することができる。なお、樹脂層形成液の調製方法については後述する。また、本件発明に係るキャリアの製造方法は後述する方法に限定されるものではなく、バインダー樹脂の状態や樹脂層形成液の調製方法は適宜変更することができる。
本発明に係るキャリアでは、ポリイミド樹脂をバインダー樹脂として用いることが特に好ましい。ポリイミド樹脂は一般に熱硬化性樹脂であるが、熱可塑性のポリイミド樹脂も存在する。いずれも場合もポリイミド樹脂とフェライト等の無機材料との密着性は良好である。また、ポリイミド樹脂は耐熱性が高い。そのため、ポリイミド樹脂をバインダー樹脂とすることにより、フッ素元素含有樹脂を磁性芯材の表面に強固に密着させることができる。
また、磁性芯材の表面をフッ素元素含有樹脂(フッ素樹脂)で被覆する際にバインダー樹脂として従来用いられていたポリアミドイミド樹脂と比較すると、ポリイミド樹脂の熱収縮性は低い。一般に、キャリアの製造工程では、磁性芯材の表面を樹脂で被覆した後に、焼付或いはキュア等と称される熱処理を行う場合がある。そのため、磁性芯材の表面を樹脂で完全に被覆したとしても、熱処理時に樹脂が収縮して、磁性芯材の表面の一部が露出することがある。ポリイミド樹脂をバインダー樹脂として用いれば、ポリアミドイミド樹脂をバインダー樹脂として用いる場合と比較すると、熱処理時の収縮が少ないため、磁性芯材の表面が露出するのを防止することができる。磁性芯材の表面における樹脂被覆率が高く、樹脂剥がれの原因となる磁性芯材の露出が少なくなるため、従来に比して耐久性の高いキャリアを得ることができる。ポリイミド樹脂は主鎖中にイミド結合を有する樹脂であればよく、特に限定されるものではない。例えば、芳香族ポリイミド樹脂等を用いることができる。
c)膜厚
当該樹脂被覆層の膜厚は、0.5μm以上2.0μm以下であることが好ましい。樹脂被覆層の膜厚が当該範囲内であると、樹脂剥がれを抑制すると共に、トナーに対する良好な帯電付与能を得ることができる。ここで、樹脂被覆層の膜厚は後述する方法で測定した値とする。
当該キャリアにおいて、樹脂被覆層の膜厚の変動係数は25%以下であるものとする。上記方法により求めた樹脂被覆層の膜厚の変動係数が25%以下であれば、バインダー樹脂内にフッ素元素含有樹脂粒子が良好に分散されており、従来に比して耐スペント性及び帯電安定性の高いキャリアとなる。これに対して、樹脂被覆層の膜厚の変動係数が25%を超えると、バインダー樹脂内におけるフッ素元素含有樹脂粒子の分布が不均一になり、樹脂被覆層内においてフッ素元素含有樹脂粒子が偏在するため、耐スペント性及び帯電安定性が低下するため好ましくない。但し、樹脂被覆層の膜厚の変動係数は後述する方法で求めた値とする。
d)フッ素元素含有樹脂粒子の単位面積当たりの存在量及び変動係数
当該樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数の平均値が3個/μm以上350個/μm以下であり、その変動係数が20%以下であるものとする。
当該樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数の平均値が3個/μm以上350個/μm以下であれば、バインダー樹脂内におけるフッ素元素含有樹脂粒子の含有量が適切であり、フッ素元素含有樹脂粒子を添加することにより得られる耐スペント性及び帯電安定性の向上等の効果を十分に発現させることができる。
これに対して、樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数の平均値が3個/μm未満であると、樹脂被覆層内におけるフッ素元素含有樹脂粒子の含有量が少なく、フッ素元素含有樹脂粒子を添加することにより得られる上記効果を十分に発現させることが困難になる。当該観点から、樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数の平均値が5個/μm以上であることが好ましく、8個/μm以上であることがより好ましく、10個/μm以上であることが一層好ましく、11個/μm以上であることがより一層好ましい。
一方、フッ素元素含有樹脂粒子の含有数の平均値が350個/μmを超えると、樹脂被覆層内におけるフッ素元素含有樹脂粒子の含有量が多くなり、樹脂被覆層の膜厚の変動係数が上記値よりも大きくなる傾向にあり、樹脂被覆層内におけるフッ素元素含有樹脂粒子の分布が不均一になるおそれがあるため、好ましくない。当該観点から、樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数の平均値が300個/μm以下であることが好ましく、280個/μm以下であることがより好ましく、250個/μm以下であることがさらに好ましく、200個/μm以下であることが一層好ましく、150個/μm以下であることがより一層好ましい。
但し、フッ素元素含有樹脂粒子の含有数の平均値の好ましい範囲は、フッ素元素含有樹脂粒子の体積平均粒径(D50)の値や、その粒径分布などによっても変化する。例えば、体積平均粒径(D50)が0.15μm~0.35μm程度のフッ素元素含有樹脂粒子を用いる場合、フッ素元素含有樹脂粒子の含有数の平均値は5個/μm以上20個/μm以下であることが好ましく、8個/μm以上16個/μm以下であることがより好ましい。
当該樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数の平均値の変動係数は上記のとおり20%以下であるものとし、18%以下であることがより好ましく、15%以下であることがさらに好ましく、10%以下であることが一層好ましい。当該変動係数の値が小さくなるほど、樹脂被覆層内におけるフッ素元素含有樹脂粒子の分布が均一になり、帯電量分布、耐スペント性、帯電安定性、補給カブリ性等のキャリアの各特性が良好であり、且つ、シャープなものとなる。
但し、樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数の平均値及びその変動係数は後述する方法で測定及び算出した値とする。
e)フッ素元素含有樹脂粒子及びバインダー樹脂の含有比
樹脂被覆層においてフッ素元素含有樹脂粒子及びバインダー樹脂の含有量が質量比で以下であることが好ましい。
フッ素元素含有樹脂粒子:バインダー樹脂=9:1~2:8
フッ素は表面エネルギーが小さく、樹脂被覆層におけるフッ素元素含有樹脂粒子の含有量が多いほど、耐スペント性及び帯電安定性の良好なキャリアを得ることができる。当該観点からは、樹脂被覆層におけるフッ素元素含有樹脂粒子の含有量は2/10以上であることが好ましく、3/10以上であることがより好ましく、4/10以上であることが一層好ましい。
一方、フッ素元素含有樹脂粒子自体の磁性芯材表面に対する密着性は低い。そのため、樹脂被覆層におけるバインダー樹脂の含有量が1/10未満になると、トナーとの撹拌時などに受ける発熱や物理的(機械的)ストレスにより、磁性芯材の表面からフッ素元素含有樹脂が離脱する恐れがある。従って、耐スペント性及び帯電安定性を長期間維持することのできる耐久性の高いキャリアを得るという観点から、樹脂被覆層におけるバインダー樹脂の含有量は1/10以上であることが好ましい。
但し、樹脂被覆層におけるバインダー樹脂の含有量の下限値及びフッ素元素含有樹脂の上限値は、耐スペント性の向上及び帯電安定性の向上を図るという観点からは、本来特に限定されるものではなく、フッ素元素含有樹脂を磁性芯材の表面に密着させることができる限り、バインダー樹脂の含有量が1/10未満及びフッ素元素含有樹脂の含有量が9/10超であっても本件発明に含まれる。
f)被覆量
また、キャリア芯材の表面をフッ素元素含有樹脂粒子及びバインダー樹脂からなる樹脂混合物により被覆するが、当該樹脂混合物による磁性芯材の被覆量は、磁性芯材100質量部に対して好ましくは0.01質量部以上10質量部以下であり、より好ましくは0.3質量部以上7質量部以下であり、一層好ましくは0.5質量部以上5質量部である。当該樹脂混合物による磁性芯材の被覆量が0.01質量部未満であると、磁性芯材の表面に均一な厚みで樹脂被覆層を形成することが困難である。また、当該樹脂混合物による磁性芯材の被覆量が10質量部を超えると、キャリア同士の凝集が発生しやすくなり、キャリアの流動性が低下する。そのため、キャリア付着などが生じやすく、歩留まり低下等、生産性が低下する。また、キャリアの流動性が低いため、実機内でのトナーの撹拌性が低下し、トナーを十分に帯電させることができず、またトナーを静電潜像まで良好に搬送することができず、現像特性の変動の原因となる。
g)表面被覆率
当該キャリアにおいて、樹脂被覆層による磁性芯材の表面被覆率が60%以上95%以下であることが好ましい。樹脂被覆率は後述する方法で算出した値とする。
h)帯電制御剤/導電剤
樹脂被覆型キャリアでは、一般に、樹脂被覆層内に帯電制御剤や導電剤など、キャリア表面における帯電特性を制御するための種々の添加剤を含むことができる。
例えば、帯電制御剤としてシランカップリング剤が知られている。負極性トナーと共に使用されるキャリアでは、樹脂被覆層内にアミノシランカップリング剤を含むことができ、正極性トナーと共に使用されるキャリアでは、樹脂被覆層内にフッ素系シランカップリング剤を含むことができる。また、導電剤として、樹脂被覆層は、導電性カーボンなどの有機系導電剤、酸化チタン或いは酸化スズ等の無機系導電剤などの導電性微粒子を含むことができる。帯電制御剤/導電剤は必要に応じて添加することのできる任意の添加剤である。
(3)体積平均粒径
本発明に係るキャリアは、球状であることが望ましく、その体積平均粒径は20μm以上100μm以下であることが好ましく、30μm以上70μm以下であることがより好ましい。当該キャリアの体積平均粒径が20μm未満であると、キャリアが凝集しやすく、キャリア付着が生じやすくなる。キャリア付着は白斑の原因となるため、好ましくない。また、当該キャリアの体積平均粒径が100μmを超えると、キャリアが大きくなりすぎて、静電潜像を高精細に現像することが困難になる。すなわち、画質が粗くなり、所望の解像度が得られにくくなるため、好ましくない。
なお、体積平均粒径は、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model9320-X100)を用いて、例えば次のようにして測定することができる。サンプル10gと水80mlを100mlのビーカーに入れ、分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)を2滴~3滴添加し、超音波ホモジナイザー(SMT.Co.LTD.製UH-150型)を用い、出力レベル4に設定し、20秒間分散を行い、ビーカー表面にできた泡を取り除くことによりサンプルを調製し、当該サンプルを用いて、上記マイクロトラック粒度分析計によりサンプルの体積平均粒径を測定することができる。
2.キャリアの製造方法
次に、本発明に係るキャリアの製造方法の実施の形態について説明する。本発明に係るキャリアの製造方法は、磁性芯材の表面が樹脂で被覆されたキャリアを製造するキャリアの製造方法であって、フッ素元素含有樹脂粒子とバインダー樹脂粒子とを分散媒に分散させた樹脂層形成液を調製し、磁性芯材の表面をこの樹脂層形成液で被覆し、バインダー樹脂によりフッ素元素含有樹脂粒子を磁性芯材の表面に密着させることで、バインダー樹脂と、バインダー樹脂内に分散されたフッ素元素含有樹脂粒子とを含む樹脂被覆層を磁性芯材の表面に形成することを特徴とする。以下、工程毎に順に説明する。
(1)磁性芯材
本発明において、磁性芯材は特に限定されるものではないことは、上述したとおりである。ここでは、磁性芯材の製造方法の一例を以下に挙げるが、本件発明において、磁性芯材の製造方法は、以下の方法に限定されるものではない。
まず、所定の組成となるように、フェライト原料を適量秤量した後、水を加え、ボールミル又は振動ミル等で0.5時間以上、好ましくは1時間~20時間粉砕し、混合する。その際、MnO及び/又はMgOの一部を他の酸化物で置換する場合には、その酸化物も所定量配合する。このようにして得られたスラリーを乾燥し、さらに粉砕した後、700℃~1200℃の温度で仮焼成する。見掛け密度の低いフェライト粒子を得たい場合等は仮焼成の工程を省いてもよい。
次に、ボールミル又は振動ミル等で仮焼成物を15μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2μm以下に粉砕した後、水及び必要に応じ分散剤、バインダー等を加え、スラリーを調製する。スラリーの粘度を調整した後、スプレードライヤー等により造粒する。その造粒物を、酸素濃度が所定の濃度に制御された雰囲気下で、1000℃~1500℃の温度で1時間~24時間保持し、本焼成を行う。
このように本焼成して得られた焼成物を、必要に応じて粉砕し、分級する。粉砕する際には、焼成物をボールミルや振動ミル等で粉砕することができる。分級方法としては、既存の風力分級法、メッシュ濾過法、沈降法等を採用することができる。分級により、所望の粒径に粒度調整することが好ましい。
その後、必要に応じて、上記焼成物の表面に対して酸化被膜処理を施し、電気抵抗調整を行ってもよい。酸化被膜処理は、一般的な、ロータリー式電気炉、バッチ式電気炉等を用い、例えば、300℃~700℃で上記焼成物の表面に低温で熱処理を施すことにより行うことができる。酸化被膜処理によって、フェライト粒子の表面に形成する酸化被膜の厚さは、0.1nm~5μmであることが好ましい。酸化被膜の厚さが0.1nm未満であると、上記焼成物の表面に酸化被膜処理を施すことにより得られる効果が小さくなり、電気抵抗調整を十分に行うことができない。また、酸化被膜の厚さが5μmを超えると、得られるフェライト粒子の磁化が低下したり、高抵抗になりすぎるため、現像能力が低下する等の不具合が発生しや易くなる。また、必要に応じて、酸化被膜処理の前に還元処理を行ってもよい。これらの工程により、フェライト粒子からなる磁性芯材を得ることができる。
(2)樹脂層形成液調製工程
本件発明に係るキャリアを得る上で、バインダー樹脂を溶剤に溶解させるのではなく、バインダー樹脂を分散媒に分散させた樹脂層形成液を調製することが好ましい。樹脂層形成液の調製は、例えば、以下に示すa)第一の方法又はb)第二の方法を採用することが好ましい。
a)第一の方法
まず、上記磁性芯材の表面を樹脂層形成液で被覆するに際して、まず、フッ素元素含有樹脂粒子とバインダー樹脂粒子とを分散媒に分散させた樹脂層形成液を調製する。
当該方法によれば、分散媒にフッ素元素含有樹脂粒子とバインダー樹脂粒子とを分散させるため、樹脂層形成液の粘度を低く維持した状態で、樹脂層形成液を調製することができる。例えば、バインダー樹脂を溶媒に溶解させると樹脂層形成液の粘度が高くなり、フッ素元素含有樹脂粒子をこれに良好に分散させることが困難になる他、塗工性も低下する。これに対して、当該方法では、分散媒にフッ素元素含有樹脂粒子及びバインダー樹脂粒子を分散させるため、フッ素元素含有樹脂粒子とバインダー樹脂粒子とを良好に混合することができ、樹脂層形成液の粘度も低く維持することができるため、塗工性にも優れる。そのため、磁性芯材の表面に樹脂被覆層を均一な膜厚で形成することが容易になり、樹脂被覆層内におけるフッ素元素含有樹脂粒子の偏在を防止することができる。従って、当該方法によれば、帯電量分布がシャープで、耐スペント性、帯電安定性及び補給カブリ性の良好な電子写真用現像剤を提供することが可能になる。
フッ素元素含有樹脂粒子については、上記例示した各種フッ素元素含有樹脂の粉体を用いることができる。当該フッ素元素含有樹脂の粉体を分散媒に分散させることが好ましい。フッ素元素含有樹脂の粉体(フッ素元素含有樹脂粒子)の体積平均粒径は、0.05μm~0.80μmであることが好ましい。また、フッ素元素含有樹脂粒子の体積平均粒径の上限値は、0.40μmであることがより好ましく、0.30μmであることがさらに好ましい。さらに、フッ素元素含有樹脂の体積平均粒径の下限値は0.10μmであることがより好ましく、0.12μmであることがさらに好ましい。
本発明においてバインダー樹脂として上記列挙した各種樹脂を用いることができ、各バインダー樹脂の具体的な分子構造、分子量等は特に限定されるものではない。バインダー樹脂は常温において固体(粉体)であり、分散媒に対して不溶性であることが好ましい。
例えば、バインダーとしてポリイミド樹脂粒子を用いる場合、ポリイミド樹脂には一般に熱硬化性のものと熱可塑性のものとが存在するが、上述のとおり熱硬化性ポリイミド樹脂及び熱可塑性ポリイミド樹脂のいずれを用いてもよい。熱硬化性のポリイミド樹脂を用いた場合、例えば、強アルカリ剤を含む分散媒を用いることで、キュア工程等において加熱することにより、ポリイミド樹脂粒子の一部がその際に加水分解されて低分子量体に分解し、再重合することでバインダー樹脂としての機能を発揮する。また、熱可塑性ポリイミド樹脂を用いれば、キュア工程等において加熱されることで、溶融し、バインダー樹脂としての機能を発揮する。
また、ポリアミドイミド樹脂についても熱硬化性ポリアミドイミド樹脂及び熱可塑性ポリアミドイミド樹脂のいずれを用いてもよい。
いずれの場合であっても、樹脂被覆層形成液を調製する際に用いるバインダー樹脂粒子の体積平均粒径は0.01μm以上0.30μm以下であることが好ましい。フッ素元素含有樹脂粒子と同程度の粒径又はそれより小径のバインダー樹脂粒子を用いることにより、分散媒にフッ素元素含有樹脂粒子とバインダー樹脂粒子とを分散媒において良好に混合分散させることができる。
さらに、分散媒にフッ素樹脂含有樹脂粒子とバインダー樹脂粒子とを良好に分散させるという観点から、界面活性剤を分散媒に添加することが好ましい。また、フッ素樹脂含有樹脂粒子とバインダー樹脂粒子とを界面活性剤によりを分散媒に良好に分散させる上で、分散媒は水であることが好ましい。
樹脂層形成液中のフッ素元素含有樹脂粒子及びバインダー樹脂粒子の含有比は、樹脂被覆層におけるフッ素元素含有樹脂粒子及びバインダー樹脂の含有比と同じであるものとし、以下の範囲であることが好ましい。樹脂層形成液中のフッ素元素含有樹脂粒子及びバインダー樹脂粒子の含有比に関する事項は樹脂被覆層におけるフッ素元素含有樹脂粒子及びバインダー樹脂の含有比に関する事項と同様であるため、ここでは説明を省略する。
フッ素元素含有樹脂粒子:バインダー樹脂=9:1~2:8
樹脂層形成液における樹脂成分濃度は、10質量%~40質量%とすることが好ましい。ここでいう樹脂成分濃度は、分散媒に対するフッ素元素含有樹脂粒子及びバインダー樹脂粒子の混合樹脂成分(固形分)の含有量を百分率(質量)で表した値をいうものとする。磁性芯材の表面を樹脂層形成液で被覆する際の作業性に鑑み、樹脂層形成液における樹脂成分濃度は適宜調整することができる。
当該樹脂層形成液を調製する際には、フッ素元素含有樹脂及びバインダー樹脂粒子の全量を100質量部としたとき、界面活性剤を1.0質量部以上50質量部以下添加することが好ましい。樹脂層形成液を調製する際に界面活性剤を分散媒に添加することで、分散媒に対するフッ素元素含有樹脂粒子及びバインダー樹脂粒子の分散を良好にすることができる。
界面活性剤の種類は特に限定されるものではなく、種々の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤は、イオン性界面活性剤と、非イオン性界面活性剤(ノニオン性界面活性剤)とに大別され、イオン性界面活性剤は、更に、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤に分類されるが、いずれの界面活性剤を用いてもよい。
しかしながら、当該キャリアの帯電量を安定に維持するという観点から、非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。イオン性界面活性剤は親水基がイオン性であるため、イオン性界面活性剤の含有量によってキャリアの帯電量が変動する。そのため、イオン性界面活性剤を用いた場合、その含有量によってはキャリアの電気的特性に影響を及ぼす場合がある。一方、非イオン性界面活性剤の場合、親水基が非イオン性であるため、キャリアの電気的特性に界面活性剤の含有量等が与える影響は少ない。そのため、イオン性界面活性剤を用いた場合と比較すると、非イオン性界面活性剤を用いた場合の方がキャリアの帯電量を適正に制御することが容易になる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、エーテル型界面活性剤、エステル型界面活性剤等を用いることができる。エーテル型界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等が挙げられる。エステル型界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン-オキシプロピレンブロックポリマー等を挙げることができる。
なお、アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。さらに、カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。また、両イオン性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩、アルキルアミノ酸等を挙げることができる。
b)第二の方法
第二の方法として、樹脂層形成液を調製する際に、液体の状態のバインダー樹脂を用いる方法が挙げられる。具体的には、次の方法によれば、液体の状態のバインダー樹脂を用いたときも本件発明に係るキャリアを得ることができる。液体の状態のバインダー樹脂を用いる場合は、溶媒にバインダー樹脂を溶解させるのではなく、分散媒に上記界面活性剤を用いて、液体のバインダー樹脂をミセル状に分散(乳濁)させる。このようにして樹脂層形成液を調製すれば、樹脂層形成液の粘度を増加させることなく、フッ素元素含有樹脂粒子とバインダー樹脂とを良好に混合することが出来ると共に、塗工性が良好になり、本件発明に係るキャリアを得ることができる。
(3)被覆工程
次に、被覆工程について説明する。磁性芯材の表面に樹脂層形成液を被覆する方法は特に限定されるものではないが、例えば、刷毛塗り法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等を採用することができる。
また、磁性芯材の表面を樹脂層形成液で被覆した後に、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、或いは、バーナー炉などによる外部加熱方式、又は、マイクロウェーブによる内部加熱方式により適宜熱処理を行ってもよい。当該加熱処理は、一般に、焼付或いはキュアと称される。熱硬化性樹脂をバインダー樹脂として用いる場合、当該熱処理を施すことにより、バインダー樹脂を硬化させることができ、磁性芯材の表面にフッ素元素含有樹脂をバインダー樹脂により強固に密着させることができる。
以上の工程により本件発明に係るキャリアが得られる。
3.電子写真用現像剤
次に、本発明に係る電子写真用現像剤について説明する。本発明に係る電子写真用現像剤は、上記した本発明に係るキャリアを用いることを特徴とする。本発明に係る電子写真用現像剤は、特に、上記キャリアとトナーとを含む二成分系電子写真用現像剤であることが好ましい。
本発明の電子写真用現像剤において、上記キャリアと共に用いられるトナーは特に限定されるものではない。例えば、懸濁重合法、乳化重合法、粉砕法等の公知の方法で製造された種々のトナーを用いることができる。例えば、バインダー樹脂、着色剤、帯電制御剤等を、例えばヘンシェルミキサー等の混合機で充分混合し、次いで二軸押出機等で溶融混練して均一分散し、冷却後に、ジェットミル等により微粉砕化し、分級後、例えば風力分級機等により分級して所望の粒径にしたトナーを用いることができる。当該トナーを製造する際には、必要に応じて、ワックス、磁性粉、粘度調節剤、その他の添加剤を含有させてもよい。さらに分級後に外添剤を添加することもできる。
上記トナーを製造する際に用いるバインダー樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン-クロロスチレン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、さらにはロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、シリコーン樹脂等の樹脂を必要に応じて、単独又は混合して使用することができる。
上記トナーを製造する際に用いる帯電制御剤としては、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、キレート錯体、含金属モノアゾ染料等が挙げられる。
上記トナーを製造する際に用いる着色剤としては、従来より知られている染料及び/又は顔料が使用可能である。例えばカーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を使用することができる。
その他外添剤としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子等を単独又は併用して用いることができる。また、界面活性剤、重合剤等を適宜添加してもよい。
なお、本発明に係る電子写真用現像剤は、本発明に係るキャリアを用いることを特徴とし、その他の事項は任意である。すなわち、上述した電子写真用現像剤は、本発明の一態様に過ぎず、トナーの構成等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。また、当該電子写真用現像剤は補給用現像剤として用いることも好ましい。
次に、実施例および比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)磁性芯材の製造
まず、MnO換算で39.7mol%、MgO換算で9.9mol%、Fe換算で49.6mol%、SrO換算で0.8mol%になるように各原料を秤量した。原料を秤量した後、これらに水を加え、湿式ボールミルで10時間粉砕、混合し、乾燥させ、950℃で4時間保持した後、湿式ボールミルで24時間粉砕を行ってスラリーを調製した。当該スラリーを用いて造粒乾燥し、酸素濃度2%雰囲気の中で1270℃、6時間保持した後、解砕、粒度調整を行い、マンガン系フェライト粒子を得た。このマンガン系フェライト粒子は、体積平均粒径が35μmであり、印加磁場が3000(10/4π・A/m)の時の飽和磁化が70Am/kgであった。このようにして製造したマンガン系フェライト粒子を実施例1の磁性芯材とした。
(2)樹脂層形成液の調製工程
樹脂層形成液として、分散媒にフッ素元素含有樹脂粒子とバインダー樹脂粒子とを分散させた。これらの樹脂粒子を分散媒に良好に分散させるため、予め界面活性剤が添加された水を分散媒とした。本実施例では、フッ素元素含有樹脂として、体積平均粒径(D50)が0.25μmの4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体樹脂粒子(FEP)を用い、バインダー樹脂粒子として、ポリイミド樹脂(粉体)(PI)を用いた。また、界面活性剤として、非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いた。
本実施例では、界面活性剤を含む水1000mlに対して、200gの固形分を分散させることにより樹脂層形成液を調製した。また、フッ素元素含有樹脂粒子とバインダー樹脂粒子とは、質量比で8:2となるようにした。このようにして調製した樹脂層形成液の粘度は2.3cPであった。また、樹脂層形成液における樹脂成分濃度が16質量%である。なお、他の実施例及び比較例において、樹脂層形成液における樹脂成分濃度は全て16質量%になるように調製した。
(3)被覆工程
上記マンガン系フェライト粒子を磁性芯材とし、流動床被覆装置により磁性芯材10kgに対して樹脂層形成液を固形分換算で200g混合した。この場合、磁性芯材100質量部に対する樹脂混合物(フッ素元素含有樹脂粒子及びバインダー樹脂)による被覆量は2.0質量部である。その後、200℃で1時間の熱処理を施して実施例1のキャリアを得た。
被覆工程において、磁性芯材10kgに対して樹脂層形成液を固形分換算で150g混合した以外は実施例1と同様にして実施例2のキャリアを製造した。この場合、磁性芯材100質量部に対する樹脂混合物による被覆量は1.5質量部である。
被覆工程において、磁性芯材10kgに対して樹脂層形成液を固形分換算で400g混合した以外は実施例1と同様にして実施例3のキャリアを製造した。この場合、磁性芯材100質量部に対する樹脂混合物による被覆量は4.0質量部である。
樹脂層形成液を調製する際に、フッ素元素含有樹脂粒子とバインダー樹脂粒子とを、質量比で6:4となるように分散媒にこれらの樹脂を分散させた以外は、実施例1と同様にして、実施例4のキャリアを製造した。
樹脂層形成液を調製する際に、フッ素元素含有樹脂粒子とバインダー樹脂粒子とを、質量比で5:5となるように分散媒にこれらの樹脂を分散させた以外は、実施例1と同様にして、実施例5のキャリアを製造した。
樹脂層形成液を調製する際に、フッ素元素含有樹脂粒子とバインダー樹脂粒子とを、質量比で9:1となるように分散媒にこれらの樹脂を分散させた以外は、実施例1と同様にして、実施例6のキャリアを製造した。
樹脂層形成液を調製する際に、フッ素元素含有樹脂粒子として、体積平均粒径(D50)が0.40μmのFEP粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例7のキャリアを製造した。
樹脂層形成液を調製する際に、フッ素元素含有樹脂粒子として、体積平均粒径(D50)が0.15μmのFEP粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例8のキャリアを製造した。
樹脂層形成液を調製する際に、フッ素元素含有樹脂粒子として、体積平均粒径(D50)が0.07μmのFEP粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例9のキャリアを製造した。
樹脂層形成液を調製する際に、体積平均粒径(D50)が0.04μmのバインダー樹脂粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例10のキャリアを製造した。
樹脂層形成液を調製する際に、体積平均粒径(D50)が0.30μmのバインダー樹脂粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例11のキャリアを製造した。
樹脂層形成液を調製する際に、体積平均粒径(D50)が0.15μmのポリアミドイミド樹脂粒子(PAI)をバインダー樹脂粒子として用いた以外は、実施例1と同様にして実施例12のキャリアを製造した。
樹脂被覆層形成液を調製する際に以下の方法を採用した点を除いて、実施例1と同様にして実施例Xのキャリアを得た。
まず水に液体のポリイミド樹脂を分散させたコロイド溶液に、フッ素元素含有樹脂粒子を分散させて、樹脂層形成液を調製した。この際、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを用い、当該樹脂層形成液におけるフッ素元素含有樹脂粒子及びポリイミド樹脂の合計量を100質量部としたとき、界面活性剤量が4.4質量部になるように界面活性剤を添加した。また、本実施例では、水に不溶のポリイミド樹脂を用いた。また、フッ素元素含有樹脂として、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体樹脂粒子(FEP)を用いた。このとき、樹脂層形成液におけるフッ素元素含有樹脂粒子及びポリイミド樹脂の含有量が固形分として、質量比において8:2になるように、水に対する各樹脂の添加量を調整した。
当該樹脂層形成液におけるフッ素元素含有樹脂及びポリイミド樹脂の固形分換算濃度は、16質量%とした。但し、固形分換算濃度は、分散媒である水に対するポリイミド樹脂及びフッ素元素含有樹脂の混合樹脂成分の含有量を百分率(質量)で表したものである。
また、調製した樹脂層形成液においてポリイミド樹脂は、粒径が0.25μmのコロイド粒子を形成するように分散媒に分散させた。
比較例
[比較例1]
樹脂層形成液を調製する際に、体積平均粒径(D50)が0.5μmのフッ素元素含有樹脂粒子(FEP)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1のキャリアを製造した。
[比較例2]
樹脂層形成液を調製する際に、バインダー樹脂として常温で液体のポリイミド樹脂を用い、フッ素元素含有樹脂粒子とポリイミド樹脂とが固形分換算で質量比で5:5となるようにし、分散媒として15質量%のフルフリルアルコール水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2のキャリアを製造した。
[比較例3]
樹脂層形成液を調製する際に、バインダー樹脂として常温で液体のポリアミドイミド樹脂を用い、フッ素元素含有樹脂粒子とポリアミドイミド樹脂とが固形分換算で質量比で5:5となるようにし、分散媒として15質量%のフルフリルアルコール水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3のキャリアを製造した。
[比較例4]
樹脂層形成液を調製する際に、バインダー樹脂として常温で液体のポリアミドイミド樹脂を用い、フッ素元素含有樹脂粒子とポリアミドイミド樹脂とが固形分換算で質量比で8:2となるようにし、分散媒として15質量%のフルフリルアルコール水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例4のキャリアを製造した。
[比較例5]
樹脂層形成液を調製する際に、フッ素元素含有樹脂粒子とバインダー樹脂粒子とを、質量比で2:8となるように分散媒にこれらの樹脂を分散させた以外は、実施例1と同様にして、比較例5のキャリアを製造した。
表1に各実施例及び各比較例で製造したキャリアの製造条件を示す。表1には各実施例及び比較例で用いたフッ素元素含有樹脂粒子の樹脂種及びその体積平均粒径(D50)、バインダー樹脂の樹脂種及びバインダー樹脂の状態(固体又は液体)、磁性芯材100質量部に対する樹脂被覆量(質量部)、樹脂層形成液を調製する際に用いたフッ素元素含有樹脂とバインダー樹脂の混合比(質量比)、樹脂層形成液を調製する際に用いた分散媒の種類、樹脂層形成液の粘度を示す。なお、樹脂層形成液の粘度は山一電機株式会社製振動式粘度計 ビスコメイト(VM-1G)を用いて測定した。また、表1には、樹脂層形成液におけるフッ素元素含有樹脂粒子の分散性を目視で評価した結果を併せて示す。樹脂層形成液が全体的に白濁し、容器底部に沈殿物が観察されない場合、樹脂層形成液におけるフッ素元素含有樹脂粒子の分散性は良好であると評価した。一方、樹脂層形成液において容器内の上部が透明であり、容器底部に沈殿物が観察される場合、樹脂層形成液におけるフッ素元素含有樹脂粒子の分散性が悪いと評価した。
[評価]
1.評価方法
各実施例及び各比較例で得た各キャリアについて、それぞれ以下の方法で樹脂被覆率、樹脂被覆層の膜厚及びその変動係数、樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数及びその変動係数を求めた。また、各キャリアの抵抗、各キャリアを用いたときの帯電量、カブリ性、トナー濃度を初期と100000回印刷後(100k後)についてそれぞれ以下の方法で測定し、評価した。
(1)樹脂被覆率算出方法
日本電子株式会社製電子顕微鏡(JSM-6060A型)を用い、倍率450倍、印加電圧5kVにて各キャリアの反射電子像を撮影した。その画像を、Media Cybernetics社製画像解析ソフト「Image Pro Plus」を用いて、キャリア粒子だけの画像にした後、全体の形状が確認可能な粒子について二値化処理を行った。本実施例及び比較例で製造したキャリアの場合、一視野で撮影した画像内には全体の形状が確認可能な粒子が20粒子~25粒子程度含まれていた。この画像内に含まれる全体の形状を確認可能な粒子全て(20粒子~25粒子程度)を二値化処理の対象粒子とした。二値化処理により黒色部(樹脂被覆部)と白色部(磁性芯材露出部)とに分け、各キャリアにおける黒色部と白色部の面積をそれぞれ測定した。そして、樹脂被覆率(%)を以下の計算式により求めた。結果を表2に示す。
樹脂被覆率(%)={黒色部面積/(黒色部面積+白色部面積)}×100
(2)樹脂被覆層膜厚測定方法
以下の方法でサンプルを作製し、そのサンプルを用いて以下の方法で樹脂被覆層の膜厚を測定した。
サンプル作製に際し、まず、キャリアをエポキシ系の樹脂であるペトリポキシ154で樹脂包埋した。それを株式会社日立ハイテクノロジーズ製イオンミリング装置(IM4000plus)を用い、イオンビームを照射して、キャリアの断面を作製した。
イオンビームの照射条件は以下のとおりである。
雰囲気 :アルゴン
イオンビーム加速電圧:6.0kV
ミリング傾斜角度 :0度
以上のようにして作製したサンプルを用いて樹脂被覆層の膜厚を以下のようにして測定した。まず、走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製SU8000シリーズ)によりサンプルを加速電圧5kV、ワーキングディスタンス2mmで撮影し、キャリアの断面の二次電子画像情報を取得した。
キャリアの断面の二次電子画像情報を取得するに際し、まずサンプルを低倍率(700倍)で撮影し、樹脂被覆層の膜厚を測定するためのキャリア(以下、「測定対象粒子」と称する。)を100粒子無作為に選択した。本実施例及び比較例で製造したキャリアの場合、一視野で700倍で撮影した画像内には全体の形状が確認可能な粒子が10粒子程度含まれていた。この画像内に含まれる全体の形状を確認可能な粒子全てを測定対象粒子とし、視野を変化させて10箇所程度撮影を行い、測定対象粒子の数が100粒子になるようにした。
次に、各測定対象粒子を高倍率(10000倍)で撮影し、各測定対象粒子の断面画像情報を取得し、Media Cybernetics社製画像解析ソフト「Image Pro Plus」を用いて、1つの測定対象粒子毎に、樹脂被覆層の任意の10箇所においてそれぞれ膜厚を測定し、10箇所の膜厚の平均値をその測定対象粒子の樹脂被覆層の膜厚とした。
そして、100個の測定対象粒子についてそれぞれ樹脂被覆層の膜厚を測定した後、この100個の測定対象粒子の樹脂被覆層の平均膜厚を求めた。
このように求めた樹脂被覆層の平均膜厚(x)と、各測定粒子の樹脂被覆層の膜厚等を用いて、各サンプル毎にその樹脂被覆層の膜厚の標準偏差(s)を求め、以下の式に従って各サンプル毎に樹脂被覆層の膜厚の変動係数(CV)を求めた。なお、本件発明では変動係数を百分率で表す。
樹脂被覆層の膜厚の変動係数(CV)=
(樹脂被覆層の膜厚の標準偏差(s)/樹脂被覆層の平均膜厚(x))×100(%)
(3)単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数測定方法
樹脂被覆層の膜厚測定を行う際と同様にしてサンプルを作製し、樹脂被覆層の膜厚測定を行う際と同様にして測定対象粒子を無作為に100粒子選択した。各測定対象粒子毎に、以下のようにして樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数をカウントし、その平均値と変動係数を求めた。
まず、EDS装置(エネルギー分散型X線分析装置X-max、株式会社堀場製作所製)を用い、加速電圧5kV、WD15mmで各サンプルをEDSスキャンし、フッ素元素含有樹脂粒子の存在箇所を明らかにした上で、1つの測定対象粒子の樹脂被覆層において、0.25um×0.25umの範囲を測定対象範囲として任意に選択した。そして、当該測定対象範囲内に含まれているフッ素元素含有樹脂粒子の数をカウントした。その際、フッ素元素含有樹脂粒子の全体が測定対象範囲内に存在する粒子のみをカウントした。
そして、100個の測定対象粒子について上記と同様にして測定対象範囲内に存在するフッ素元素含有粒子の数をカウントした。各測定対象粒子の測定対象範囲内のフッ素元素含有粒子の数をn,n,n・・・、n100とし、その合計値N(=n+n+n+・・・+n100)とし、以下の式に基づいて、各サンプル毎にキャリアの樹脂被覆層の断面における単位面積当たり(1μm)のフッ素元素含有樹脂粒子の含有数の平均値(x)を求めた。
=N×16/100
また、各サンプル毎に各測定対象粒子の樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数を便宜的にそれぞれn×16、n×16・・・、n100×16とし、当該値と、各サンプル毎にその樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数の標準偏差(s)を求め、以下の式に従って各サンプル毎にその樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数の変動係数(CV)を求めた。なお、本件発明では上述のとおり変動係数を百分率で表す。
(4)電気抵抗(体積抵抗率)
各実施例及び比較例で得たキャリアをサンプルとして、電気抵抗を次のようにして測定した。まず、断面積が4cmのフッ素樹脂製のシリンダーに高さ4mmとなるようにサンプルを充填した後、両端に電極を取り付け、さらにその上から1kgの分銅を乗せて抵抗を測定した。抵抗の測定はエレクトロメーター(KEITHLEY社製 絶縁抵抗計model6517A)を用いて、印加電圧1000V(電界2500V/cm)まで5秒毎に50Vずつ段階的に印加電圧を上げながら、各電圧における電圧印加5秒後の電流値を読み取り、各電圧における抵抗値を算出した。その後、断面積、高さから体積抵抗率(Ω)を求めた。
(5)帯電量
帯電量を評価するため、まず、各キャリアと市販のトナー(京セラドキュメントソリューションズ社製トナー(T09C-01)、色:シアン)とを用い、トナー濃度5質量%の電子写真用現像剤を調製した。
上記電子写真用現像剤を用いて、吸引式帯電量測定装置(Epping q/m-meter、PES-Laboratoriumu社製)により以下の常温常湿環境下において帯電量(uC/g)を測定した。
常温常湿環境(NN環境):温度20~25℃、相対湿度50~60%
帯電量の測定は初期値と、当該電子写真用現像剤を用いて、京セラドキュメントソリューションズ社製のカラー複合機(KM-C2630)により画像印刷を行い、100000回耐刷後(100K後)の値とを測定した。そして、初期及び100K後のNN帯電量をそれぞれ「帯電量初期」、「帯電量100K」とした。帯電量についての結果を表3に示す。
(6)カブリ
上記電子写真用現像剤を用いて、京セラドキュメントソリューションズ社製のカラー複合機(KM-C2630)により画像印刷を行い、初期、及び、100000回耐刷後(100K後)のカブリを評価した。カブリは、日本電色工業社製色差計Z-300Aを使用して測定した。なお、カブリ目標値は、5以下である。結果を表3に示す。
(7)キャリア付着
上記電子写真用現像剤を用いて、キャリア付着を次のようにして評価した。高温高湿環境(30℃相対湿度80%)に雰囲気温度及び湿度が調整された恒温恒湿室内にて京セラドキュメントソリューションズ社製のカラー複合機(KM-C2630)を用いて、適正露光条件化で1000(1k)試験画像の印刷を行った後、ベタ画像を3枚印刷し、画像中のキャリア付着量の合計をカウントし、10個以下を〇、10~15個は△、15以上は×とした。
(8)スペント量
耐刷後の電子写真現像剤を635Meshの網を使用して、トナーを吸引除去し、100K耐刷後キャリアを抽出した。その後、LECO社炭素分析装置C-200型(酸素ガス:2.5kg/cm、窒素ガス:2.8kg/cm)を用いて、キャリアと耐刷後キャリアの炭素量を測定し、下記式から算出した。
スペント量(%)=
{(耐刷後キャリア炭素量)-(キャリアの炭素量)}/(キャリアの炭素量)
2.評価結果
各実施例で製造したキャリアは、樹脂被覆率が62%~90%の範囲内にあり、樹脂被覆層の標準偏差(s)は0.09~0.21、膜厚の変動係数(CV)は9.3%~21.9%の範囲内にあり、樹脂被覆率が高く、且つ、磁性芯材の表面に膜厚のバラツキの小さい樹脂被覆層が形成されていることが確認された。また、各実施例で製造したキャリアでは、樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数の平均値が3.1個/μm~196.9/μmであり、樹脂被覆層内にフッ素元素含有樹脂粒子を比較的高い充填密度で含むことが確認された。また、その変動係数(CV)は3.0%~19.1%であり、樹脂被覆層内におけるフッ素元素含有樹脂粒子の分布もバラツキが小さく、樹脂被覆層内にフッ素元素含有樹脂粒子が均一に分散されていることが確認された。また、本実施例のキャリアは電気抵抗が高く、初期における帯電量も高く、100k印刷後においてもこれらの値の変動は小さいことが確認された。その結果、トナー濃度、カブリ性、キャリア付着についても初期及び100k印刷後のいずれにおいても良好な結果が得られた。また、スペント量についても多くとも10.5%であり、良好な結果となった。すなわち、本件発明に係るキャリアを用いることにより、従来に比して耐スペント性及び帯電安定性の良好なキャリアを得ることができる。
このような本件発明に係るキャリアは、樹脂層形成液を調製する際に、バインダー樹脂を溶剤に溶解させるのではなく、バインダー樹脂を分散媒に分散(懸濁/乳濁)させた樹脂層形成液を調製することにより得られることが確認された。例えば、実施例1~実施例12のようにバインダー樹脂としてのポリイミド樹脂、又はポリアミドイミド樹脂を固体(粒子状)で用い、フッ素元素含有樹脂粒子と共に分散媒に分散させることにより、樹脂層形成液の粘度の上昇を抑制し、フッ素元素含有樹脂粒子とバインダー樹脂粒子とを良好に混合すると共に塗工性も向上し、樹脂被覆層内におけるフッ素元素含有樹脂粒子の充填密度が高く、その分布もバラツキが小さくすることができたものと考えられる。また、固体のバインダー樹脂を用いる方法に代えて、液体のバインダー樹脂を用いた場合も、例えば、実施例13のように、界面活性剤を用いてバインダー樹脂を分散媒にミセル状に分散(乳濁)させることにより樹脂層形成液の粘度が高くなることを抑制することができる。そのため、当該方法で樹脂層形成液を調製したときも本件発明に係る実施例1~実施例12と同等のキャリアを得ることができることが確認できる。
これに対して、比較例1のキャリアは樹脂被覆率は69%と比較的高い値を示すが、樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数の変動係数が24.8%と大きな値となった。比較例1では実施例と比較するとフッ素元素含有樹脂粒子の粒径が大きく、そのためこのような結果になったと考える。比較例2~比較例4のキャリアでは樹脂被覆率がいずれも60%未満と低く、樹脂被覆層の膜厚の変動係数が41.0%~70.1%と極めて大きな値を示した。また、樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数の変動係数についても34.4%~45.1%と高い値を示している。これは樹脂層形成液を調製する際に液体のバインダー樹脂を用い、分散媒としてフルフリルアルコール水溶液を用いたため、バインダー樹脂がフルフリルアルコール水溶液に一部溶解した結果、樹脂層形成液の粘度が高くなり(表1参照)、磁性芯材の表面に樹脂被覆層を形成する際の塗工性が低下したためこのような結果になったと考える。これに対して、実施例13及び実施例14では液体のバインダー樹脂を用いているが、比較例とは異なりバインダー樹脂をミセル状に分散媒に分散(乳濁)させているため、塗工性を良好に保つことができる。また、比較例5では、実施例1~実施例12と比較すると樹脂層形成液を調製する際に用いたバインダー樹脂の質量比が大きく、そのため樹脂層形成液の粘度が実施例と比較すると高くなった(表1参照)。樹脂被覆層の膜厚の変動係数は23.8%であり、バラツキは大きくないと考えるが、樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数の変動係数は26.9%と高くなった。比較例1~比較例5のキャリアは樹脂被覆層の膜厚の変動係数及び又は樹脂被覆層の断面における単位面積当たりのフッ素元素含有樹脂粒子の含有数の変動係数が本件発明の範囲外であり、100k印刷後のカブリやキャリア付着を抑制することはできなかった。また、比較例1~比較例5はいずれもスペント量が多く、実施例と比較すると耐スペント性に劣っている。このような結果となったのは、比較例1は、樹脂被覆層の膜厚の偏差が大きく、樹脂被覆層が磁性芯材の表面に均一な厚みで付着せず、凹部においてスペントが発生しやすいためと考えられる。比較例2~比較例4はフッ素元素含有樹脂粒子の含有数の偏差が大きく、樹脂被覆層内においてフッ素元素含有樹脂粒子の含まれない部分、すなわちバインダー樹脂が偏在している箇所があると考えられる。このバインダー樹脂が偏在している箇所でスペントが発生しやすいためと考えられる。比較例5は、バインダー樹脂が多すぎるためにスペント量が増加したものと考えられる。
Figure 0007398119000001
Figure 0007398119000002
Figure 0007398119000003
本発明によれば、従来に比して耐スペント性及び帯電安定性の良好なキャリア及び該キャリアの製造方法を提供することができる。

Claims (10)

  1. 磁性芯材と、磁性芯材の表面を被覆する樹脂被覆層とを備えるキャリアであって、
    前記樹脂被覆層は、バインダー樹脂と、バインダー樹脂内に分散されたフッ素元素含有樹脂粒子とを含み、
    前記樹脂被覆層の膜厚の変動係数が25%以下であり、
    前記樹脂被覆層の膜厚が0.5μm以上2.0μm以下であり、
    前記樹脂被覆層は、当該樹脂被覆層の断面における単位面積当たりの前記フッ素元素含有樹脂粒子の含有数の平均値が3個/μm以上350個/μm以下であり、その変動係数が20%以下であること、
    を特徴とするキャリア(但し、磁性粒子と、前記磁性粒子を被覆する被覆層と、を有し、前記被覆層が、熱可塑性アクリル樹脂を含有するマトリックス樹脂と、前記マトリックス樹脂中に分散された平均粒径0.1~0.6μmの含フッ素微粒子と、前記マトリックス樹脂中に分散された平均粒径0.1~0.6μmの正帯電性微粒子と、を含み、前記含フッ素微粒子が、テトラフルオロエチレン単位の含有比率がモノマー単位の全量基準で45モル%以上である含フッ素樹脂を含有する、電子写真用キャリアを除く)
  2. 前記樹脂被覆層による前記磁性芯材の表面被覆率が60%以上95%以下である請求項1に記載のキャリア。
  3. 前記樹脂被覆層におけるフッ素元素含有樹脂粒子及び前記バインダー樹脂の含有量が質量比で9:1~2:8である請求項1又は請求項2に記載のキャリア。
  4. 前記フッ素元素含有樹脂粒子の体積平均粒径(D50)が0.05μm以上0.40μm以下である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のキャリア。
  5. 前記フッ素元素含有樹脂粒子は、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体及び4フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体から選択される一種以上である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のキャリア。
  6. 前記バインダー樹脂はポリイミド樹脂である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のキャリア。
  7. 前記磁性芯材がフェライト粒子からなる請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のキャリア。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のキャリアと、正帯電性トナーとを含み、前記キャリアにより前記トナーに正帯電性を付与することを特徴とする電子写真用現像剤。
  9. 請求項1に記載のキャリアを製造するキャリアの製造方法であって、
    フッ素元素含有樹脂粒子とバインダー樹脂粒子とを分散媒に分散させた樹脂層形成液を調製し、
    前記磁性芯材の表面を前記樹脂層形成液で被覆し、
    前記バインダー樹脂により前記フッ素元素含有樹脂粒子を前記磁性芯材の表面に密着させることで、バインダー樹脂と、バインダー樹脂内に分散されたフッ素元素含有樹脂粒子とを含む樹脂被覆層を前記磁性芯材の表面に形成すること、
    を特徴とするキャリアの製造方法。
  10. 請求項1に記載のキャリアを製造するキャリアの製造方法であって、
    液体のバインダー樹脂を界面活性剤を用いて分散媒にミセル状に分散させたバインダー樹脂分散液に、フッ素元素含有樹脂粒子を分散させた樹脂層形成液を調製し、
    前記磁性芯材の表面を前記樹脂層形成液で被覆し、
    前記バインダー樹脂により前記フッ素元素含有樹脂粒子を前記磁性芯材の表面に密着させることで、バインダー樹脂と、バインダー樹脂内に分散されたフッ素元素含有樹脂粒子とを含む樹脂被覆層を前記磁性芯材の表面に形成すること、
    を特徴とするキャリアの製造方法。
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