JP2003022775A - 走査型粒子反射顕微鏡 - Google Patents

走査型粒子反射顕微鏡

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JP2003022775A
JP2003022775A JP2002121701A JP2002121701A JP2003022775A JP 2003022775 A JP2003022775 A JP 2003022775A JP 2002121701 A JP2002121701 A JP 2002121701A JP 2002121701 A JP2002121701 A JP 2002121701A JP 2003022775 A JP2003022775 A JP 2003022775A
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    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
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    • H01J37/29Reflection microscopes
    • H01J37/292Reflection microscopes using scanning ray
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/04Means for controlling the discharge
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    • H01J2237/0475Changing particle velocity decelerating
    • H01J2237/04756Changing particle velocity decelerating with electrostatic means

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  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料へのダメージを低減し、鮮明な像を得る
ことができる走査型粒子反射顕微鏡を提供する。 【解決手段】 粒子の反射で試料の表面状態を観察する
走査型粒子反射顕微鏡は、1次粒子ビームを発生するビ
ーム源1と、1次粒子ビームを収束する少なくとも一つ
のレンズ系3と、レンズ系3のビーム源1側の焦点面に
位置し、試料6に向けて照射される1次粒子ビームを偏
向する偏向部4と、1次粒子ビームが試料6に到達する
前に、1次粒子ビームの少なくとも一部の粒子を反射す
る減速電界を発生する減速電界発生部7と、反射された
粒子の少なくとも一部を検出する検出部5とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型粒子顕微鏡
に関する。特に本発明は、放出した粒子の反射で試料の
表面状態を観察する走査型粒子反射顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体業界において、マスクやウ
ェハ等の広範囲でフラットな試料を検査する場合には、
高解像度の走査電子顕微鏡が用いられている。従来の走
査電子顕微鏡は、1次粒子ビームを発生するビーム源
と、1次粒子ビームを試料の表面に収束する少なくとも
一組のレンズ系と、1次粒子ビームを試料上で偏向する
偏向システムと、試料から飛び出してくる粒子を検出す
る検出部とを備える。
【0003】走査電子顕微鏡は、1次粒子ビームが衝突
することによる試料へのダメージや帯電を避けるため、
あるいは最小化するために、1次電子を1keV程度の
低電圧で動作させることが望ましい。
【0004】しかしながら、広く用いられているこの走
査電子顕微鏡にも、いくつかの欠点がある。つまり1次
電子のエネルギーが低いとはいえ、試料の表面は帯電
し、これが像を歪ませる原因となる。また、試料へのダ
メージを完全には防止することができない。さらに、残
留ガスからされる炭素の付着によって試料表面の凹凸が
変化し、その結果、試料の像が変化してしまうという欠
点もある。
【0005】表面分析技術においては、試料の表面の画
像を取得する更に別の手段も知られている。この手段に
おいては、反射された粒子を利用して試料表面の像を生
成する、いわゆる反射顕微鏡法が用いられる。反射顕微
鏡は、広範囲をカバーし、試料表面への平行なビーム照
射を行う高精度な顕微鏡と、照射ビームの経路及び反射
ビームの経路を分割するビームスプリッタと、拡大され
た試料表面の像を取り込む精度の高い顕微鏡と、試料の
像を記録するために平行に入射する試料像を検出する検
出部とを備える。
【0006】この反射顕微鏡は、1次照射電子ビームの
電圧よりも幾分高い減速電圧を試料表面の広い範囲に印
可し、この試料に向けて平行な1次電子ビームの束を照
射する。そして、照射された1次電子ビームは、減速電
圧によって、試料に衝突することなく、試料の直前で反
射される。試料の表面が平滑であれば、1次電子ビーム
の平行ビーム束は、自身の入射方向にそのまま反射され
て、光学系に再度取り込まれる。ビームスプリッタを使
用すれば、反射されたビーム束は、反射されていない1
次電子ビーム束から分離され、所定の光学画像化システ
ムによって画像化される。
【0007】試料の表面が平滑でない場合、例えば、表
面に凹凸のある試料の場合、照射される1次電子ビーム
は、自身の入射方向に反射されない。つまり、試料の傾
斜した部分では、反射ポテンシャル面も同様に傾斜する
ので、試料に入射したビームは、試料の局部的な傾斜に
応じた角度で反射される。そして、光学系に接続された
画像化システムが、入射方向に向けて垂直に反射された
電子を通過させ、斜めに反射された電子を阻止するコン
トラスト絞りを有していれば、試料の表面に電子を衝突
させることなく、試料の画像を生成することができる。
従って、この反射顕微鏡法の原理によれば、試料に対す
るダメージ、帯電、及び汚染が完全に防止できる。
【0008】しかしながら、この技術は、試料の表面形
状に従った形状をもつ反射面が、反射電子の検出強度に
コントラストを与えるという原理に基づいているので、
主に試料の凹凸を観察することにしか向いていない。ま
た、この反射顕微鏡は、構造が複雑であり、ランニング
コストが高額であるという問題がある。
【0009】微小範囲を分析する走査電子顕微鏡法と信
号処理技術の発展により、反射顕微鏡法の進歩に新たな
弾みがついた。つまり、走査型と反射型との利点を組み
合わせることにより、走査電子反射顕微鏡という新たな
分析ツールが開発された。J.Witzani, E.M. Horl著 "Sc
anning Electron Mirror Microscopy" (Scanning,Vol.
4, 53〜61ページ、1981年)には、走査電子反
射顕微鏡の動作原理、装置設計、及び応用例に関する検
討が開示されている。さらに、US―A―3714 4
25には、反射タイプの電子顕微鏡が開示されている。
しかしながら、これらの技術を実用化する場合には、特
に画質の向上が課題であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の課題を解決することのできる走査型粒子反射顕微鏡
を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範
囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成
される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規
定する。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の第1の形
態によれば、放出した粒子の反射で試料の表面状態を観
察する走査型粒子反射顕微鏡は、1次粒子ビームを発生
するビーム源と、1次粒子ビームを収束する少なくとも
一つのレンズ系と、レンズ系のビーム源側の焦点面に位
置し、試料上の1次粒子ビームを偏向する偏向部と、1
次粒子ビームが試料に到達する前に、当該ビームの少な
くとも一部の粒子を反射する減速電界を発生する減速電
界発生部と、反射された粒子の少なくとも一部を検出す
る検出部とを備える。
【0012】レンズ系は、液浸レンズであってもよい
し、電磁液浸レンズであってもよい。
【0013】偏向部は、静電偏向システムであってもよ
い。検出部は、1次粒子ビームの進行方向におけるレン
ズ系の手前又は内側に位置してもよい。
【0014】減速電界発生部は、試料の少なくとも一部
に減速電圧を印可することによって、減速電界を発生し
てもよい。減速電圧の絶対値は、1次粒子ビームの電圧
の絶対値よりも高くてもよい。
【0015】また、反射された粒子の一部を選択するコ
ントラスト絞りを更に備えてもよい。コントラスト絞り
は、反射された粒子の一部を1次粒子ビームの光軸から
の距離に基づいて選択してもよい。コントラスト絞り
は、検出部の少なくとも一部の機能を補助する変換電極
として、さらに機能してもよい。
【0016】減速電界がレンズ系を通過した1次粒子ビ
ームの全体を反射する反射モードと、レンズ系を通過し
た1次粒子ビームの全体が試料に到達する2次電子モー
ドと、レンズ系を通過した1次粒子ビームの少なくとも
一部が減速電界によって反射され、レンズ系を通過した
1次粒子ビームの少なくとも一部が試料に到達する混合
モードとを選択して動作してもよい。
【0017】また、試料の第1の部分に第1の絶対値で
減速電界を印可し、試料の第2の部分に第1の絶対値よ
りも低い第2の絶対値で減速電界を印可してもよい。
【0018】また、1次粒子ビームが試料に到達した場
合に試料から飛び出す2次電子の少なくとも一部を検出
する2次電子検出部を更に備え、2次電子検出部が検出
する2次電子の量に基づいて減速電界の強度を調節して
もよい。
【0019】また、1次粒子ビームが試料に到達した場
合に試料から飛び出す2次電子の少なくとも一部を検出
する2次電子検出部を更に備え、2次電子検出部が検出
する2次電子の量に基づいてビーム源の出力を調節して
もよい。
【0020】なお上記の発明の概要は、本発明の必要な
特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群の
サブコンビネーションも又発明となりうる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を通じて
本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかか
る発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明
されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に
必須であるとは限らない。
【0022】図1は、本発明の一実施形態に係る走査型
粒子反射顕微鏡の一例を示す。走査型粒子反射顕微鏡
は、1次粒子ビーム2を発生するビーム源1と、1次粒
子ビーム2を収束する少なくとも一つのレンズ系3と、
レンズ系3のビーム源1側の焦点面に位置し、試料6上
の1次粒子ビーム2を偏向する偏向部4と、1次粒子ビ
ーム2が試料6に到達する前に、1次粒子ビーム2の少
なくとも一部の粒子を反射する減速電界を発生する減速
電界発生部7と、反射された粒子の少なくとも一部を検
出する検出部5とを備える。減速電界発生部7は、試料
6の少なくとも一部に減速電圧U0+ΔU0を印可す
る。この減速電圧の絶対値は、1次粒子ビーム2の電圧
U0の絶対値よりも高く調整されるので、この電圧が印
可された部分に照射された1次粒子ビーム2は、試料6
に到達する前に反射される。そして、反射されたビーム
の少なくとも一部は、検出部5に到達する。
【0023】電子ビームシステムにおいては、ビーム源
1として、電界放出型又は熱放出型の電子源が用いられ
る。レンズ系3は、1次粒子ビーム2を試料6付近にお
いて収束させる。減速電界発生部7は、通常、電圧供給
手段として形成される。その他の部材、例えば、アライ
メント偏向器、スティグメータ等は、簡単のために省略
する。さらに、他の実施例として、別のレンズを複数追
加することによって、他の機能を実現してもよい。
【0024】レンズ系3は、例えば、磁場レンズ(一般
的な磁場レンズ又は試料の前面又は裏面に配置された単
極レンズ)、静電レンズ、又はこれらの組み合わせであ
る電磁レンズである。1次粒子ビーム2の照射方向に向
かって、レンズ系3を通過した後であって試料6の手前
には、減速電界が生成されているので、1次粒子ビーム
2は試料6に到達する直前で反射される。図中、反射平
面8は、点線で描かれている。
【0025】アパーチャ9は、1次粒子ビーム2のビー
ム経路において、1次粒子ビーム2のビーム束の大きさ
を決定する。
【0026】図1は、試料6の表面が平坦な場合を示し
ており、1次粒子ビーム2は反射平面8によって自身に
向けて反射される。反射された粒子を検出するには、例
えば、1次粒子ビーム2を通過させ、反射平面8で反射
された粒子を検出部5に向けて反射するビームスプリッ
タ10を用いてもよい。
【0027】偏向部4の目的は、図2に図示したよう
に、1次粒子ビーム2を試料6上で偏向させることであ
る。
【0028】試料上のあらゆる場所を同様に観察するた
めには、当該顕微鏡は、ビーム走査時において、1次粒
子ビーム2を、あらゆる場所において、試料に対して垂
直にそろえる必要がある。これは、図2のように、偏向
部4をレンズ系3のビーム源1側の焦点面3a(以下、
前焦点面3a)に配置することによって実現できる。図
2において、偏向された1次粒子ビーム2は、2aで示
されており、試料6に対して垂直にそろえられる。すな
わち、試料6に垂直に照射される。そして、反射平面8
で反射された粒子は、再び1次粒子ビーム2の経路を通
ってビームスプリッタ10に到達し、そこで検出部5に
向けて反射される。
【0029】本実施例においては、偏向部4をレンズ系
3の前焦点面3aに光軸11方向において精度よく配置
することが課題となる。1段偏向システムにおいて、こ
の課題を解決するためには、図3に示すように、偏向器
を2組の平行な偏向器に分割し、一方を前焦点面3a手
前に、他方を後方に配置することが有利である。この手
段によれば、2組の部分偏向器を適切に制御することに
より、前焦点面3aにおいて精度よくビームを偏向する
走査偏向システムを提供することができる。
【0030】反射粒子は、基本的に2通りに区別され
る。つまり、試料に対して垂直に反射された粒子と、斜
めに反射された粒子である。試料の表面が平面的である
場合、すなわち、試料表面が走査型粒子反射顕微鏡の光
軸11に対して垂直な向きに調整されている場合、反射
された粒子は試料の表面に対して垂直に反射される。一
方、図4に示すように、試料の表面に傾いた部分がある
場合、試料6に対して斜めに反射される粒子12が生成
される。したがって、検出部5が、試料に対して垂直に
反射される粒子又は斜めに反射される粒子を検出すれ
ば、試料表面に関するデータが得られる。
【0031】図4及び図5に示した他の実施例によれ
ば、走査型粒子反射顕微鏡は、試料6に対して斜めに反
射された粒子を排除し、垂直に反射された粒子13(図
5)を通過させるコントラスト絞り14を備えてもよ
い。そして、コントラスト絞り14を通過した粒子13
は、検出部5に到達する。言い換えれば、コントラスト
絞り14は、反射された粒子の一部を、1次粒子ビーム
2の光軸からの距離に基づいて選択する。
【0032】図5に示した例によれば、検出部5は、1
次粒子ビーム2の進行方向に対してアパーチャ絞り9の
手前に設けられている。この場合、アパーチャ絞り9と
コントラスト絞り14とは、一体に設けられる。一方、
図4に示す実施例によれば、検出部5は、アパーチャ絞
り9とコントラスト絞り14との間に設けられている。
【0033】図6は、走査型粒子反射顕微鏡の他の例を
示す。本例によれば、コントラスト絞り14を検出部5
として構成することにより、ビームスプリッタ10を省
略することができる。本例において、検出部5で検出さ
れるのは、前例の様に、試料に対して垂直に反射された
粒子ではなく、斜めに反射された粒子12である。
【0034】図7は、走査型粒子反射顕微鏡の他の例を
示す。本例によれば、コントラスト絞り14は、変換電
極として機能する。つまり、試料6に対して斜めに反射
された粒子12が衝突することによって、コントラスト
絞り14は、2次電子(矢印15)を放出し、放出され
た2次電子は、検出部5に到達する。
【0035】本実施形態においては、静電走査偏向系を
利用することが特に有効である。つまり、静電走査偏向
系は、粒子の進行方向に依存せずにビームを偏向するの
で、試料6の総ての範囲において(ビームの入射角が直
角で、且つ反射平面8が平坦である場合において)、且
つラスター偏向系の前方だけでなく後方においても1次
粒子ビーム2と反射粒子の軌道が一致する。しかも、こ
の作用はあらゆる偏向角度において当てはまる。従っ
て、光軸に沿ったビームと光軸から逸れたビームとでは
実用上の違いがない。
【0036】走査型粒子反射顕微鏡は、1次粒子ビーム
2が試料6に到達した場合に試料6から飛び出す2次電
子の少なくとも一部を検出する2次電子検出部を更に備
え、2次電子検出部が検出する2次電子の量に基づいて
減速電界の強度を調節してもよい。また、2次電子検出
部が検出する2次電子の量に基づいてビーム源の出力を
調節してもよい。なお、2次電子検出部の機能は、図6
及び図7において例示した検出部5の構成によって実現
することができる。
【0037】走査型粒子反射顕微鏡は、試料6の第1の
部分に第1の絶対値で減速電圧を印可し、試料6の第2
の部分に第1の絶対値よりも低い第2の絶対値で減速電
圧を印可してもよい。つまり、試料6は、その一部だけ
に1次粒子ビーム2を反射する減速電圧が印可されてい
てもよい。1次粒子ビーム2は、試料6で十分な減速電
圧が印可されていない部分において試料6に衝突し、そ
こで2次電子を放出する。そして、放出された2次電子
は、検出部5によって検出される。
【0038】つまり、走査型粒子反射顕微鏡は、減速電
界8がレンズ系3を通過した1次粒子ビーム2の全体を
反射する反射モードと、レンズ系3を通過した1次粒子
ビーム2の全体が試料6に到達する2次電子モードと、
レンズ系3を通過した1次粒子ビーム2の少なくとも一
部が減速電界8によって反射され、レンズ系3を通過し
た1次粒子ビーム2の少なくとも一部が試料6に到達す
る混合モードとを選択して動作してもよい。
【0039】混合モードを実現するには、先ず、試料を
照射することによって試料の特定部位を帯電させる。帯
電によって発生した減速電圧は、時間の経過と共に試料
全体に広がるので、当初は十分に帯電された部分の減速
電圧もいずれは不十分となる。したがって、当初は減速
電界で反射されていた1次粒子ビームも、いずれは試料
に到達して2次電子を発生する。走査型粒子反射顕微鏡
は、紫外線、電子、又は他の粒子によって試料を帯電さ
せることもできる。
【0040】この混合動作によって、検出部は、反射さ
れた粒子だけでなく、例えば2次電子など、試料の表面
で発生する粒子も検出することができる。この混合動作
によれば、試料の表面特性に関する情報、例えば材料や
導電性などに関する追加データも一定の環境のもとで入
手することができる。
【0041】また、混合モードの別の原理として、収束
された1次粒子ビームがアパーチャ角を有することに基
づいてもよい。つまり、1次粒子ビームの粒子の、試料
表面と垂直な方向のエネルギーは、光軸11からの距離
が大きくなるにつれて小さくなるという原理である。
【0042】図8において、1次粒子ビームは、光軸に
対して所定の傾き角度で入射して試料6の手前で反射さ
れる1次粒子21と、1次粒子21よりも小さな傾き角
度で入射する1次粒子20とを含む。1次粒子20は、
光軸11との距離が1次粒子21よりも近いので、軸方
向のエネルギーが1次粒子21よりも大きい。その結
果、1次電子20は、試料6に対して1次粒子21より
も近くまで接近した後に反射される。
【0043】従って、図9に示したように、本実施形態
に係る走査型粒子反射顕微鏡は、試料6上の減速電界を
調節することによって、光軸11に対して所定以上の角
度で試料に入射する1次電子21を反射し、所定以内の
角度で試料に入射する1次電子23を試料6に到達させ
ることができる。そして、試料6に到達した1次電子2
3は、試料6の表面において2次電子24を放出させ
る。このような走査型粒子反射顕微鏡によれば、試料6
全体に渡って、試料6表面の凹凸と材料特性とを同時に
分析することができる。また、2次電子検出部が2次電
子を検出するかしないかのぎりぎりを狙って減速電界の
強度又はビーム源の出力を調節することによって、可能
な限り試料の近くで電子ビームを反射して、鮮明な像を
得ることができる。
【0044】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、本発明に
よれば、試料へのダメージを低減し、鮮明な像を得るこ
とができる走査型粒子反射顕微鏡を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施形態に係る走査型粒子反射顕
微鏡の第1の例を示す図である。
【図2】 走査型粒子反射顕微鏡の第1の例における、
偏向動作を示す図である。
【図3】 偏向部の例を示す図である。
【図4】 走査型粒子反射顕微鏡の第2の例を示す。
【図5】 走査型粒子反射顕微鏡の第3の例を示す。
【図6】 走査型粒子反射顕微鏡の第4の例を示す。
【図7】 走査型粒子反射顕微鏡の第5の例を示す。
【図8】 試料の近傍において、1次電子が反射された
状態を示す図である。
【図9】 試料の近傍において、1次電子の一部が反射
された状態を示す図である。
【符号の説明】
1 ビーム源 2 1次粒子ビーム 3 レンズ系 4 偏向部 5 検出部 6 試料 7 減速電界発生部 8 反射平面 9 アパーチャ絞り 10 ビームスプリッタ 11 光軸 12、13 粒子 14 コントラスト絞り 15 2次電子 20、21 1次粒子

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子の反射で試料の表面状態を観察する
    走査型粒子反射顕微鏡であって、 1次粒子ビームを発生するビーム源と、 前記1次粒子ビームを収束する少なくとも一つのレンズ
    系と、 前記レンズ系の前記ビーム源側の焦点面に位置し、前記
    試料に向けて照射される前記1次粒子ビームを偏向する
    偏向部と、 前記1次粒子ビームが前記試料に到達する前に、当該ビ
    ームの少なくとも一部の粒子を反射する減速電界を発生
    する減速電界発生部と、 前記反射された前記粒子の少なくとも一部を検出する検
    出部とを備えることを特徴とする走査型粒子反射顕微
    鏡。
  2. 【請求項2】 前記レンズ系は、液浸レンズであること
    を特徴とする請求項1に記載の走査型粒子反射顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記レンズ系は、電磁液浸レンズである
    ことを特徴とする請求項1に記載の走査型粒子反射顕微
    鏡。
  4. 【請求項4】 前記偏向部は、静電偏向システムである
    ことを特徴とする請求項1に記載の走査型粒子反射顕微
    鏡。
  5. 【請求項5】 前記検出部は、前記1次粒子ビームの進
    行方向における前記レンズ系の手前又は内側に位置する
    ことを特徴とする請求項1に記載の走査型粒子反射顕微
    鏡。
  6. 【請求項6】 前記減速電界発生部は、前記試料の少な
    くとも一部に減速電圧を印可することによって、前記減
    速電界を発生することを特徴とする請求項1に記載の走
    査型粒子反射顕微鏡。
  7. 【請求項7】 前記減速電圧の絶対値は、前記1次粒子
    ビームの電圧の絶対値よりも高いことを特徴とする請求
    項6に記載の走査型粒子反射顕微鏡。
  8. 【請求項8】 前記反射された前記粒子の一部を選択す
    るコントラスト絞りを更に備えることを特徴とする請求
    項1に記載の走査型粒子反射顕微鏡。
  9. 【請求項9】 前記反射された前記粒子の一部を前記1
    次粒子ビームの光軸からの距離に基づいて選択するコン
    トラスト絞りを更に備えることを特徴とする請求項1に
    記載の走査型粒子反射顕微鏡。
  10. 【請求項10】 前記反射された前記粒子の一部を選択
    するコントラスト絞りを更に備え、前記コンタクト絞り
    は、前記検出部の少なくとも一部の機能を補助する変換
    電極としても機能することを特徴とする請求項1に記載
    の走査型粒子反射顕微鏡。
  11. 【請求項11】 前記減速電界が前記レンズ系を通過し
    た前記1次粒子ビームの全体を反射する反射モードと、 前記レンズ系を通過した前記1次粒子ビームの全体が前
    記試料に到達する2次電子モードと、 前記レンズ系を通過した前記1次粒子ビームの少なくと
    も一部が前記減速電界によって反射され、前記レンズ系
    を通過した前記1次粒子ビームの少なくとも一部が前記
    試料に到達する混合モードとを選択して動作することを
    特徴とする請求項1に記載の走査型粒子反射顕微鏡。
  12. 【請求項12】 前記試料の第1の部分に第1の絶対値
    で前記減速電界を印可し、前記試料の第2の部分に前記
    第1の絶対値よりも低い第2の絶対値で前記減速電界を
    印可することを特徴とする請求項1に記載の走査型粒子
    反射顕微鏡。
  13. 【請求項13】 前記1次粒子ビームが前記試料に到達
    した場合に前記試料から飛び出す2次電子の少なくとも
    一部を検出する2次電子検出部を更に備え、 前記2次電子検出部が検出する2次電子の量に基づいて
    前記減速電界の強度を調節することを特徴とする請求項
    1に記載の走査型粒子反射顕微鏡。
  14. 【請求項14】 前記1次粒子ビームが前記試料に到達
    した場合に前記試料から飛び出す2次電子の少なくとも
    一部を検出する2次電子検出部を更に備え、 前記2次電子検出部が検出する2次電子の量に基づいて
    前記ビーム源の出力を調節することを特徴とする請求項
    1に記載の走査型粒子反射顕微鏡。
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