JP2002527085A - 動物の自動搾乳及び給餌用の装置と方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、動物の自動搾乳用の装置及び方法に関する。動物はアクセス通路（Ｂ）を介して集合領域（Ａ）から搾乳区画（５）に入る。搾乳区画は、給餌装置（７）と自動搾乳装置（６）とを具備する。動物は、搾乳された後に、出口通路（Ｃ）を介して搾乳区画を離れ、居住領域（Ｄ）に移動する。本発明によれば、制御システムによって決定される量の飼料を供給するための給餌区画（２０）は、出口通路に組み込まれる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、請求項１の前文による装置に関する。この種類の装置は国際特許９
６０３０３１号から公知である。公知の装置の不都合は、ある動物について搾乳
区画における滞在期間が短い場合があり、この結果、これらの動物に十分な濃厚
飼料を与えることができないことである。このことは、追加の濃厚飼料が、その
後、例えば搾乳装置とは別個に配置され且つ動物を再び識別しなければならない
給餌ボックスにおいて、与えられる必要があることを意味する。このことは、追
加の比較的高価な識別システムを有する別個の装置を必要とし、かくして不都合
を生じる。

【０００２】 本発明の目的は、上記の不都合を除去することであり、このために、装置は請
求項１の特徴部分によって設計される。搾乳の前に動物を識別し、識別された動
物を給餌区画に案内し、さらに前記給餌区画で動物に給餌することによって、追
加の認識システムの必要性を回避しつつ、搾乳区画を効率的に使用することが可
能である。また、搾乳区画を訪れる必要なしに、識別された動物を給餌区画に直
接案内することができる。

【０００３】 改良点によれば、装置は請求項２によって設計される。このようにして、搾乳
された動物は、給餌区画を通過して容易に案内されることが可能である。

【０００４】 さらなる改良点によれば、装置は請求項３によって設計される。このようにし
て、給餌された動物は、搾乳区画を離れた他の動物の移動に影響を及ぼすことな
く、給餌区画を離れることができる。

【０００５】 さらなる改良点によれば、装置は請求項４によって設計される。これによって
、搾乳作業の終了後に、搾乳された動物のために給餌区画が一般的に利用可能で
あることが保証され、この結果、搾乳区画内の待機時間が可能な限り短縮され、
搾乳区画を可能な限り効率的に使用することができる。

【０００６】 改良点によれば、装置は請求項５によって設計される。このようにして、特定
の動物に割り当てられるべき全ての情報を要求する又は記録するために、単一の
識別システムを使用することが可能である。

【０００７】 本発明はまた、請求項６に記載の方法を含む。この方法によって、搾乳および
給餌のために、搾乳区画を可能な限り効率的に利用することが可能になる。

【０００８】 この方法のさらなる改良点は請求項７によって与えられる。給餌区画が利用可
能になるのを動物が待っている間に、動物が搾乳区画で既に給餌されていること
によって、搾乳された動物が興奮することが防止される。

【０００９】 この方法の他の改良点は請求項８によって与えられる。これによって、搾乳の
ために搾乳区画の可能な限り効率的な使用が保証される。

【００１０】 模範的な実施形態を参考にして、本発明について以下に説明する。

【００１１】 図１は、例えば雌牛のような動物から搾乳したり、その動物に給餌したりする
ための搾乳装置を概略的に示している。動物は搾乳装置に向かって移動し、搾乳
又は給餌が可能となるまで、集合領域Ａで待機する。アクセス通路Ｂには、動物
に装着されるトランスポンダと既知の方法で相互作用する識別システム１が設け
られる。識別システム１はトランスポンダを認識かつ識別し、またアクセスゲー
ト２の前に立っている動物の識別子を制御ユニット２１に送信する。アクセスゲ
ート２は、搾乳区画５に至るアクセス通路Ｂの始まりである。各搾乳区画５には
入口ゲート３と出口ゲート４が設けられる。図示しない方法で餌である飼料つま
り濃厚飼料が供給され得る給餌おけ７が、搾乳区画５に配置される。制御ユニッ
ト２１では、搾乳区画５にいる動物に与えられた飼料の量を記録することが可能
である。搾乳区画５には、搾乳されるべき動物の***の乳首に既知の方法で自動
接続され得る概略的に示された搾乳装置６が設けられる。適切であれば、給餌お
け７が、それ自体既知である手段を備えていてもよい。その手段を用いて、給餌
おけ７を覆うことができ、若しくは、搾乳区画５にいる動物の頭部を給餌おけ７
から押し出すことができ、その結果、搾乳区画５内に滞まりたいという動物の衝
動がそがれ、動物は搾乳区画５を離れようとする。識別システム１の代わりに若
しくはそれに加えて、例えば、動物の存在を確定することも可能である識別シス
テムを各搾乳区画５に設けることができる。

【００１２】 搾乳区画５の前に、フェンス８によって集合領域Ａと隔てられた通路がある。
この通路は、居住領域Ａから搾乳区画５の入口ゲート３までのアクセス通路Ｂの
一部であり、また出口ゲート４から居住領域Ｄまでの出口通路Ｃでもある。出口
通路Ｃには、制御ユニット２１によって作動させられる隔離ゲート９が設けられ
、この隔離ゲート９によって、搾乳区画５を離れた動物を隔離領域Ｅに導くこと
ができる。隔離領域Ｅには、例えば観察によって認められる病気の結果として特
別な世話を必要とする動物が集められる。出口通路Ｃにも、制御ユニット２１に
よって作動される選別ゲート１０が設けられ、この選別ゲート１０によって、動
物は一方向ゲート１７を介して居住領域Ｄに導かれることが可能である、若しく
は、制御ユニット２１によって作動可能な入口ゲート１１を介して給餌区画２０
内に導かれる。

【００１３】 図２の側面図に示した給餌区画２０には側部ゲート１２が設けられ、入口フェ
ンス１１から離れた側には、ブラケット１４に取り付けられた給餌おけ１５が設
けられる。ブラケット１４は支持部１３に回転自在に取り付けられ、シリンダ１
９を用いて水平軸を中心に回転可能である。ブラケット１４が下方に移動した場
合、給餌区画２０にいる動物は給餌おけ１５から食べることができる。ブラケッ
ト１４が上方に移動した場合、動物は、給餌おけ１５の下を通って、一方向ゲー
ト１７を介して居住領域Ｄに移動することができる。給餌おけ１５は、給餌ライ
ン１６を介して給餌器具１８に接続される。適切であれば、給餌おけ１５は、供
給された濃厚飼料が食べられたか、食べられているか、あるいは、濃厚飼料が給
餌おけ１５になお存在するかを検出するために使用され得るセンサ（図示せず）
を備えてもよい。

【００１４】 装置の種々の構成要素は制御システム２１によって制御される。この制御シス
テム２１と種々の構成要素との間の接続は図１の破線によって示されている。図
では、フェンス、ゲート、搾乳装置および給餌おけの作動部材が図示されていな
いか、あるいは、限定的に示されている。通路に沿って移動するように、搾乳さ
れるべき動物を刺激する手段など、必要とされ得る他の手段、および、種々の構
成要素を通過する動物の位置と進行を確定し得る手段については、当業者に公知
であるため、それらを図示しない。

【００１５】 装置は、次のように動作する。動物は、搾乳されることを欲するため、アクセ
スゲート２に向かって歩く。搾乳区画５が利用可能な場合、その入口ゲート３が
開放され、次にアクセスゲート２が開放される。動物が搾乳区画５に向かって歩
いている間に、また、アクセスゲート２が開放される前に識別システム１がアク
セスゲート２の前に配置されている場合に、動物は識別システム１によって識別
される。制御ユニット２１は、ある場合には搾乳区画内にある識別システムの補
助を伴って、どの動物が特定の搾乳区画５の中に存在しているかを確認する。こ
の動物に関する制御ユニット２１の既知の情報を参考にして、動物に供給される
濃厚飼料の種類およびその数量が確定される。これは、例えば、動物の年齢、乳
の分泌期間、動物に最後に給餌したときからの経過時間、また例えば日中の時間
に依存するものである。搾乳中、濃厚飼料が給餌おけ７内に供給される。搾乳装
置６の搾乳カップは、搾乳ロボット（図示せず）によって***の乳首に自動的に
接続されて、搾乳が始まる。

【００１６】 搾乳が終わった後、既知の方法で、***から乳がそれ以上出てこないことが認
められると、搾乳カップが取り外される。次に、搾乳された動物がなお食べなけ
ればならない濃厚飼料の量が確定される。この量が無視できる場合、選別ゲート
１０が、搾乳された動物が入口ゲート４から居住領域Ｄへ直接に案内されるよう
な位置に移動される。雌牛についてしばしば当てはまるが、食べるべき量が十分
に多ければ、食べるのに雌牛が必要とする時間は搾乳に必要な時間よりも一般的
に長いことから、搾乳された動物は給餌区画２０に案内される。給餌区画２０は
、給餌おけ１５を下方に移動して、入口ゲート１１を開放することによって用意
される。選別ゲート１０は、搾乳された動物が給餌区画２０に向かって案内され
る位置に移動され、出口ゲート４が開放され、次に、搾乳された動物は給餌区画
２０に向かって歩く。

【００１７】 動物が給餌区画２０に到達した後、制御システムによって確定された供給量の
濃厚飼料が、測定装置１８を介して搾乳された動物に与えられる。すべての濃厚
飼料がその資格を有する動物に与えられた後、給餌区画２０からの出口が、給餌
おけ１５が上方に移動されることによって開放され、その後、動物は給餌区画２
０を離れることができる。

【００１８】 動物が、供給されたすべての濃厚飼料を食べることを欲しないか、あるいは著
しく遅く食べている場合、これは、上述のセンサによって検出されることが可能
であり、その後、飼料の供給が停止されるか、あるいは、遅くされる。適切であ
れば、動物が次に搾乳される場合、その動物に濃厚飼料の残りを余分に与えるこ
とが可能である。また、これが繰り返して起きる時、制御ユニット２１は警告を
操作要員に与えることができる、あるいは、動物が隔離領域Ｅに隔離されること
が可能である。

【００１９】 上述の例では、搾乳作業の終わりに給餌区画２０が利用可能であった。利用可
能な給餌区画２０がない場合、搾乳された動物を居住領域Ｄへ直接に案内するこ
とができ、また動物が次に搾乳装置に移動する間に、濃厚飼料を受ける別の機会
が動物に与えられる。この方法では、搾乳区画５が可能な限り効率的に利用され
る。制御ユニット２１は、例えば、搾乳区画５にほとんど訪れることがない日中
のある期間に、給餌区画２０が利用可能になるまで搾乳区画５で動物に給餌する
ように、設定可能である。

【００２０】 上述したように、動物が、まだ搾乳区画にいる間に与えられるべき濃厚飼料を
全て食べつくしている場合もあり得る。その場合、選別ゲート１０は、搾乳され
た動物が給餌区画２０に入ることなく、動物を居住領域Ｄに直接案内できるよう
に、配置される。

【００２１】 上述の状況に加えて、搾乳される必要がない動物が搾乳装置に入る場合もあり
得る。このことは、動物がちょうど搾乳された場合のみならず、動物がもはや乳
を分泌せず、乳が出ない場合に起こり得る。この状況においても、この動物にな
お濃厚飼料の資格が与えられる可能性がある。識別システム１が動物の識別子を
確定して、その動物が搾乳区画５を訪れる必要がないことが制御ユニット２１で
認められた後、入口ゲート３及び出口ゲート４は閉鎖された状態に維持され、選
別ゲート１０は、居住領域Ｄに動物が直接に案内される位置、あるいは、濃厚飼
料が供給されるための給餌区画２０内へ動物が案内される位置に移動される。そ
の後、アクセスゲート２の開放の結果として、動物は通過を許可される。

【００２２】 装置内に含まれる搾乳区画５の数は、群れの大きさに基づき決定される。給餌
区画２０の数は、農業者がその雌牛に与えたい追加の濃厚飼料と、雌牛が飼料を
食べるのに必要とする時間とに基づき決定される。一般的に、給餌区画２０の数
は搾乳区画５の数に少なくとも等しい。

【００２３】 上述の模範的な実施形態では、アクセスゲート１１と給餌おけ１５とはそれぞ
れ個別に作動させられる。アクセスゲート１１の運動と給餌おけ１５の運動とを
機械的に結合することによって、１つの作動部材で済ますことが可能である。こ
の場合、機械的結合は、居住領域Ｄに通じる通路を給餌おけ１５が開放するとき
にアクセスゲート１１が閉鎖され、また居住領域Ｄへの通路が給餌おけ１５によ
って閉鎖されるときにアクセスゲート１１が開放するように、設定される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 搾乳装置の概略的な平面図である。

【図２】 図１の給餌区画の概略的な側面図である。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 動物の自動搾乳及び給餌用の装置であって、動物の自動搾乳
   のための手段（６）と搾乳中に動物に給餌するための手段（７）とを有する少な
   くとも１つの搾乳区画（５）と、搾乳されるべき動物が、例えば集合領域（Ａ）
   から前記搾乳区画（５）へ歩くことができるアクセス通路（Ｂ）と、前記アクセ
   ス通路（Ｂ）に沿って歩いた動物が、例えば居住領域（Ｄ）に向かって前記搾乳
   区画（５）を出ることができる出口通路（Ｃ）と、搾乳されるべき動物を前記ア
   クセス通路（Ｂ）に沿って案内するための手段（２、３、８）と、前記アクセス
   通路に沿って歩いた動物を前記出口通路（Ｃ）に案内するための手段（４、８、
   １０）と、動物に給餌するための給餌区画（２０）と、前記装置を制御するため
   の制御システム（２１）と、前記制御システムに接続された、個々の動物を識別
   するための識別システム（１）と、を具備する装置において、 手段（１、１０、１１）が、前記制御システム（２１）によって決定される量
   の飼料を供給するために、前記アクセス通路（Ｂ）に沿って歩いた動物を特定の
   給餌区画（２０）に案内するために設けられることを特徴とする装置。
2. 【請求項２】 前記出口通路（Ｃ）が、給餌なしに前記出口通路（Ｃ）を離
   れるために、前記制御システムによって作動させられる出口（１０、１７）を具
   備することを特徴とする、請求項１に記載の装置。
3. 【請求項３】 前記給餌区画が、前記出口通路（Ｃ）からアクセス可能な入
   口（１１）と、異なる出口（１７）とを具備することを特徴とする、請求項１又
   は２に記載の装置。
4. 【請求項４】 前記給餌区画の数（２０）が、前記搾乳区画（５）の数と少
   なくとも同じ数である請求項１〜３のいずれか１項に記載の装置。
5. 【請求項５】 前記入口通路（Ｂ）に、アクセスゲート（２）と前記ゲート
   の前に配置された識別システム（１）とが設けられており、 前記アクセス通路（Ｂ）、搾乳区画（５）、前記出口通路（Ｃ）または給餌区
   画（２０）内で識別された動物の位置を追跡するための手段（２１）があること
   を特徴とする、請求項１〜４のいずれか１項に記載の装置。
6. 【請求項６】 請求項１〜５のいずれか１項に記載の装置内の動物の自動搾
   乳および給餌のための方法であって、動物が識別され、その識別後に、動物に対
   して搾乳および／または給餌を行なうべきかどうかが確定される方法において、 前記動物が利用可能な搾乳区画（５）又は利用可能な給餌区画（２０）に最初
   に案内されるように、その後、装置内のフェンス（３、４、１０、１１）が調整
   されることを特徴とする方法。
7. 【請求項７】 搾乳区画（５）で搾乳された動物に、前記搾乳区画（５）内
   の搾乳期間中に濃厚飼料が与えられ、また、搾乳の終了後、前記動物は、給餌区
   画（２０）が利用可能になった後に、若しくは、十分な濃厚飼料が前記搾乳区画
   （５）内に供給された後に、搾乳区画（５）の外へ案内されることを特徴とする
   、請求項６に記載の方法。
8. 【請求項８】 搾乳区画（５）で搾乳された動物に、前記搾乳区画（５）内
   の搾乳期間中に濃厚飼料が与えられ、また、搾乳の完了後、前記動物が前記搾乳
   区画（５）の外へ直ちに案内され、もし前記動物に給餌するために利用可能な給
   餌区画（２０）がなければ、前記動物が出口（１０、１７）へ案内されることを
   特徴とする、請求項６に記載の方法。