JP2002513570A - ヒト受容体分子 - Google Patents

ヒト受容体分子

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JP2002513570A JP2000547225A JP2000547225A JP2002513570A JP 2002513570 A JP2002513570 A JP 2002513570A JP 2000547225 A JP2000547225 A JP 2000547225A JP 2000547225 A JP2000547225 A JP 2000547225A JP 2002513570 A JP2002513570 A JP 2002513570A
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コーレイ、ニール・シー
ゲグラー、カール・ジェイ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒト受容体分子(REC)及びRECを特定し、コードするポリヌクレオチドを提供する。また、本発明は発現ベクター、宿主細胞、抗体、アゴニスト、及びアンタゴニストを提供する。また本発明は、RECの発現に関連する疾病の診断、処置、又は予防方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、ヒト受容体分子の核酸及びアミノ酸配列、及び新生物疾患、免疫学
的疾患、生殖障害、胃腸疾患、神経障害、平滑筋異常、及び筋骨格異常の診断、
処置、及び予防におけるこれらの配列の使用法に関するものである。
【0002】 (発明の背景) 用語「受容体」は、他の分子を特異的に認識するタンパク質を表す。その種類
は多く、様々な機能を有するタンパク質を包含する。受容体と称されるタンパク
質の大部分は細胞表面タンパク質で、それらが細胞外リガンドに結合すると、成
長、分化、エンドサイトーシス、及び免疫応答の領域における細胞の応答が生ず
る。他の受容体は、特定の小胞体からのタンパク質の放出を促進し、酵素を細胞
内の特定の位置に局在化させる。この用語は、他の細胞の構成要素と相互作用す
る既知の又は未知の化学組成を有するリガンドに対する受容体として作用するタ
ンパク質にも適用され得る。例えば、ステロイドホルモン受容体はゲノムDNA
に結合し、その転写を調節する。
【0003】 細胞の増殖、分化、及び移動の調節は、組織の形成及び機能にとって重要であ
る。成長因子のような分泌される調節性タンパク質群は、協働してこれらの細胞
プロセスを制御し、細胞間シグナル伝達経路におけるメディエータとして作用す
る。成長因子は細胞から分泌され、標的細胞上の特定の細胞表面受容体に結合す
る。結合された受容体は、遺伝子の発現、細胞***、細胞分化、細胞の運動、及
び他の細胞プロセスを調節する様々な下流の効果器を活性化する細胞内シグナル
伝達経路を開始させる。
【0004】 細胞表面受容体は、一般的に原形質膜の内在性膜タンパク質である。これらの
受容体は、カテコールアミン;ペプチドホルモン;成長及び分化因子;小ペプチ
ド因子;ガラニン、ソマトスタチン、及びタキキニン;及び循環系由来シグナル
伝達分子のようなホルモンを認識する。免疫系の細胞上の細胞表面受容体は、抗
原、抗体、及び主要組織適合複合体(MHC)に結合したペプチドを認識する。
他の細胞表面受容体は細胞によって内部移行されるリガンドに結合する。この受
容体を媒介するエンドサイトーシスは、低密度リポタンパク質(LDL)、トラ
ンスフェリン、グルコース又はマンノースを末端とする糖タンパク質、グルコー
スを末端とする糖タンパク質、免疫グロブリン、ホスホビテロゲニン、フィブリ
ン、プロテイナーゼ−インヒビター複合体、プラスミノーゲン活性化因子、及び
トロンボスポンジンの取込みにおいて機能する(Lodish, H.ら (1995) Molecula r Cell Biology , Scientific American Books, New York NY, p. 723; 及びMikh
ailenko, I.ら (1997) J. Biol. Chem. 272:6784-6791)。
【0005】 シグナル伝達は、それによって細胞が生化学的反応のカスケードを介して細胞
外シグナル(ホルモン、神経伝達物質、成長及び分化因子等)に応答する1つの
プロセスである。このプロセスは、シグナル分子の細胞膜受容体への結合で始ま
り、細胞内標的分子の活性化をもって終了する。そのようなプロセスは、細胞の
増殖、分化、遺伝子の転写、及び発癌性トランスフォーメーション等を含む様々
な細胞の機能を調節する。
【0006】 上皮細胞成長因子、血小板由来成長因子、及び線維芽細胞成長因子等を含む多
くの成長因子の受容体は、固有のプロテインキナーゼ活性を有する。このポリペ
プチド成長因子が受容体に結合すると、受容体上のチロシン残基の自己リン酸化
が開始される。これらのリン酸化部位は、細胞表面における最初の受容体活性化
を最終的に特定の細胞内標的分子の活性化に結び付けるシグナル伝達経路におけ
る他の細胞質内シグナル伝達タンパク質の結合のための認識部位である。これら
のシグナル伝達タンパク質は、srcホモロジー2(SH2)ドメインと称され
る共通のドメインを含む。SH2ドメインは、例えばホスホリパーゼC−γ、R
as GTPアーゼ活性化タンパク質、及びpp60c-src等の様々なシグナル伝
達分子及び発癌タンパク質において見出される(Lowenstein. E.J.ら (1992) Ce
ll 70:431-42)。
【0007】 上皮細胞成長因子(EGF)は、上皮組織の増殖を刺激するマイトジェンであ
る。加えて、幾つかのEGF関連タンパク質は、胎仔組織の分化における誘導シ
グナルとして作用する。EGFファミリーに属するタンパク質は、特徴的なシス
テイン残基分布を有する約40個のアミノ酸からなる保存反復モチーフを共有し
ている(Nicola, N. A. (1994) Guidebook to Cytokines and Their Receptors,
Oxford University Press, New York. NY, pages 194-197)。これらのEGF
モチーフは、EGFファミリーに属さない様々なタンパク質、特に細胞間シグナ
ル伝達及び認識の様々な局面において重要な細胞外タンパク質においても見出さ
れる。
【0008】 初期応答遺伝子を誘導する細胞外刺激としては、成長因子、ホルボールエステ
ル、オカダ酸、タンパク質合成インヒビター、毒素及び温度やpHや酸素濃度の
急激な変化等が挙げられる。この刺激は、細胞表面受容体及び膜結合分子を活性
化し、これが初期応答遺伝子の転写を誘導するシグナル伝達カスケードを開始さ
せる。これらの初期応答遺伝子としては、サイトカインの遺伝子;fos、my
c、jun、edg−1受容体、及び核受容体等が挙げられ、これらは全て細胞
の増殖及び分化において一定の役割を有する。
【0009】 多くの細胞表面受容体は、7つの膜貫通領域と、リガンドに結合する細胞外N
末端及びGタンパク質と相互作用する細胞質内のC末端を有する(Strosberg, A
.D. (1991) Eur. J. Biochem. 196:1-10)。そのようなGタンパク質共役受容体
(GPCRs)は、原形質膜をまたぎ、逆平行αヘリックスの束を形成するその
ような7つの疎水性膜貫通ドメインが存在することを特徴とする内在性膜タンパ
ク質である。この膜貫通ドメインが、受容体の構造的及び機能的特徴を与えるも
のである。大抵の場合には、αヘリックスの束が結合ポケットを形成するが、結
合部位がよりかさの大きい分子を収容しなければならない時には、細胞外N末端
セグメント又は3つの細胞外ループのなかの1つ又は複数が結合及びその後の受
容体の細胞内部分におけるコンホメーションの変化の誘導に関与する。次に活性
化された受容体は、細胞内ヘテロ三量体Gタンパク質複合体と相互作用し、この
複合体が更に細胞内シグナル伝達活性を媒介するが、通常の場合、活性化された
受容体がグアニンヌクレオチド結合(G)タンパク質と相互作用し、環状AMP
(cAMP)、ホスホリパーゼC、イノシトール三リン酸、又はイオンチャネル
タンパク質等の二次メッセンジャーを産生する(Baldwin, J.M. (1994) Curr. O
pin. Cell Biol. 6:180-190)。
【0010】 GPCRのアミノ末端は細胞外にあり、可変長で、多くの場合グリコシル化さ
れる。そのカルボキシ末端は細胞質内にあり、通常リン酸化される。GPCRの
細胞外ループは細胞内ループと交互に存在し、膜貫通ドメイン同士を結び付けて
いる。GPCRの保存ドメインの大部分は、膜貫通ドメイン及び始めの2つの細
胞質内ループである。GPCRのサイズはアミノ酸400個以下からアミノ酸1
000個以上にわたる(Coughlin, S.R. (1994) Curr. Opin. Cell Biol. 6:I91
-197)。
【0011】 GPCRsは、脂質類似体、アミノ酸及びそれらの誘導体、ペプチド、サイト
カイン、及び光、味、及び匂いのような特殊な刺激を含む様々なリガンドに応答
する。GPCRは生理学的プロセスにおいて機能し、このような生理学プロセス
としては、視覚(ロドプシン)、嗅覚(嗅覚受容体)、神経伝達(ムスカリン性
アセチルコリン、ドーパミン、及びアドレナリン受容体)、及びホルモン応答(
黄体形成ホルモン及び甲状腺刺激ホルモン受容体)等がある。
【0012】 GPCRの変異は、機能上又は構成上の活性の消失を引き起こし得、様々なヒ
トの疾病との関連を有する(Coughlin, 前出)。例えば、色素性網膜炎はロドプ
シン遺伝子の変異から生じ得る。Parma. J.(1993, Nature 365:649-651)は、
甲状腺ホルモン受容体における体細胞活性化変異が、機能亢進性甲状腺腫を引き
起こすことを報告しており、構成的活性化を受けやすい一定のGタンパク質共役
受容体がプロトオンコジーンとしての振るまいを示し得ることを示唆している。
【0013】 ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)において初めに特定されたfri
zzled細胞表面受容体は、発達中の昆虫の羽、脚、胸部、腹部、及び目における
固有の硬毛及び毛方向に関して重要なものである(Wang, Y.ら (1996) J. Biol.
Chem. 271:4468-4476)。このfrizzled遺伝子は、N末端シグナル配列及び7つ
の推定上の膜貫通領域を含む587個のアミノ酸からなるタンパク質をコードす
る。システインを豊富に含むN末端は、細胞外にあると考えられ、C末端はサイ
トゾル内にあると考えられる。多くのfrizzled遺伝子ホモログがラット、マウス
、及びヒトにおいて見出されて来た。このfrizzled受容体は、他の7つの膜貫通
領域受容体と相同ではなく、それらのリガンドは依然として未知である。
【0014】 T細胞は、免疫応答において効果器及び制御因子としての二重の役割を果たし
、結合する抗原を認識し、且つ感染細胞における細胞死を誘導し、他の免疫細胞
を刺激するシグナルを伝達する。T細胞は幅広く異なる抗原を認識するが、特定
のT細胞のクローン細胞系は、そのT細胞受容体(TCR)に対して、抗原提示
細胞の表面上の主要組織適合複合体分子(MHC)と複合体化したペプチドとし
て提示された時にのみ1つの抗原のみを認識し得る。細胞上のTCRの大部分は
、分子量が近い2つのポリペプチドサブユニット、α及びβを含む免疫グロブリ
ン様内在性膜糖タンパク質からなる。TCRのβサブユニットは、可変領域及び
定常領域の両方を含む細胞外ドメインと、膜を1回貫通する1つの膜貫通ドメイ
ンと、短い細胞内ドメインとを有する(Saito, H.ら (1984) Nature 309:757-76
2)。両TCRサブユニットの遺伝子は、異なる遺伝子セグメントの対細胞内で
の再構成によって構築される。固有のMHCが関与する抗原とTCRとの相互作
用によって、免疫系における細胞の構成要素の増殖、成熟、及び機能の発揮を誘
導するシグナル伝達カスケードが開始される(Weiss, A. (1991) Annu. Rev. Ge
net. 25:487-510)。TCR遺伝子における再構成及びTCR発現における変化
は、リンパ腫、白血病、自己免疫異常、及び免疫不全症において認められた(Ai
senberg, A.C.ら (1985)N. Engl. J. Med. 313:529-533: Weiss, 前出;及びOliv
e, 前出)。
【0015】 推定上の受容体機能を有する他の膜貫通及び膜タンパク質相互作用タンパク質
である可能性があるものとしては、muflタンパク質;MARCO;タンパク質の膜貫
通4ファミリー(TM4);ドーパミン、セロトニン、及びムスカリン受容体;
及びプレニル化タンパク質等が挙げられる。
【0016】 ホルモン分泌の異常は、尿崩症、高血糖症及び低血糖症、グレーブス病及び甲
状腺腫、及びクッシング病及びアジソン病等のような疾患に結び付いている。癌
細胞は過剰な量のホルモン又は他の生物学的に活性なペプチドを分泌する。腫瘍
細胞による生物学的に活性なペプチドの過剰分泌に関連する疾患としては、膵島
細胞腫瘍からのインスリン分泌の増加による空腹時高血糖症;副腎髄質及び交感
神経性傍神経節のクロム親和性細胞腫からのエピネフリン及びノルエピネフリン
の分泌の増加による高血圧症;及び腸管の腫瘍から分泌される過剰量の血管作用
性物質によって起こる、腹部痙攣、下痢、及び弁膜性心疾患を含むカルチノイド
症候群等が挙げられる。腫瘍は生物学的に活性なペプチドの異所性合成及び分泌
を示し得、例えば肺及び膵臓癌におけるACTH及びバソプレシン;肺及び膀胱
癌における副甲状腺ホルモン;肺及び乳癌におけるカルシトニン;及び髄様甲状
腺癌における甲状腺刺激ホルモン等がある。
【0017】 炎症は、それが生じている間に異物及び病原体が破壊され、様々な生化学的、
生物物理的、及び細胞の機構によって損傷組織が修復される、分子、細胞、及び
組織のプログラムである。炎症の主要な細胞性メディエータは、白血球、特に顆
粒球及び単球/マクロファージである。マクロファージは、様々な異物(非自己
)及び内生物質及び細菌、寄生虫、及びウイルスを含む病原体を認識し、インタ
ーナライズし、破壊する。非自己の病原体を認識する仕組みは正確には分かって
いないが、自己と非自己の抗原とを区別するために広い結合特異性を有する受容
体が用いられているということが提案されてきた。マクロファージは、外来の抗
原をリンパ球に提示することにより免疫応答においても重要な役割を果たしてい
るとも考えられている。
【0018】 ステロイドホルモンは、多くの細胞及び組織の機能を調節する。プロゲステロ
ン、即ちコレステロールに由来する4−プレグネン−3,20−ジオンは、女性
の生殖周期の重要な変動(oscillating)要素である。これらの変動は、月経及
び妊娠を含む解剖学的及び形態学的変化と相互関係を有する。
【0019】 プロゲステロンの活性は、細胞内プロゲステロン受容体(PR)によって媒介
される。細胞質内において、PRは幾つかの他のタンパク質及びPRヘテロ複合
体(PRC)と称する因子と相互関係を有する。PRは、分子シャペロン、イム
ノフィリン、及び熱ショックタンパク質(hsp70、hsp90、hsp27、及びp59 (hsp5
6)、p48及びp23;Johnson, J.L.ら (1994) Mol. Cell. Biol. 14:1956-1963)が
結合したとき失活する。活性PRはプロゲステロンに結合し、核内に転位置し、
そこで転写制御因子として、分化及び細胞周期に関与するプロゲステロン調節性
遺伝子の正準のDNA転写エレメントに結合する(Moutsatsou, P及びSekeris,
C.E. (1997) Ann. N.Y. Acad. Sci. 816:99-115)。
【0020】 他の非膜相互作用受容体タンパク質としては、核内低分子リポソームタンパク
質;酵母菌成長関連SIS2タンパク質、1本鎖DNA結合タンパク質、RAG
−1活性化タンパク質、及びハムスターのFAR−17Aタンパク質等が挙げら
れる。
【0021】 新規なヒト受容体分子及びそれをコードするポリヌクレオチドの発見は、新生
物疾患、免疫学的疾患、生殖障害、胃腸疾患、神経障害、平滑筋異常、及び筋骨
格異常の診断、処置、及び予防において役立つ新規な組成物を提供することによ
り、当分野における必要性を満たすものである。
【0022】 (発明の概要) 本発明は、実質的に精製されたポリペプチド、即ち集合的に「REC」と称す
るヒト受容体分子を提供する。或る実施態様では、本発明は、配列番号(SEQ ID
NO):1〜16、及びそれらの断片からなる群から選択されたアミノ酸配列を
含む、実質的に精製されたポリペプチドを提供する。
【0023】 更に本発明は、配列番号:1〜16、及びそれらの断片のアミノ酸配列と少な
くとも90%のアミノ酸配列同一性を有する、実質的に精製された変異体を提供
する。また本発明は、配列番号:1〜16、及びそれらの断片からなる群から選
択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、単離され精製されたポ
リヌクレオチドを提供する。また本発明は、配列番号:1〜16、及びそれらの
断片からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチドと少なくとも90%のポリヌクレオチド配列同一性を有する、単
離され精製されたポリヌクレオチド変異体を包含する。
【0024】 更に本発明は、配列番号:1〜16、及びそれらの断片からなる群から選択さ
れたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと、ストリ
ンジェントな条件の下でハイブリダイズする単離され精製されたポリヌクレオチ
ドを提供すると共に、配列番号:1〜16、及びそれらの断片からなる群から選
択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに相補
的な配列を有する、単離され精製されたポリヌクレオチドを提供する。
【0025】 また本発明は、配列番号:17〜32、及びそれらの断片からなる群から選択
されたポリヌクレオチド配列を含む、単離され精製されたポリヌクレオチドを提
供する。更に本発明は、配列番号:17〜32、及びそれらの断片からなる群か
ら選択されたポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド配列と少なくとも9
0%のポリヌクレオチド配列同一性を有する、単離され精製されたポリヌクレオ
チド変異体を提供すると共に、配列番号:17〜32、及びそれらの断片からな
る群から選択されたポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドに相補的な配
列を有する、単離され精製されたポリヌクレオチドを提供する。
【0026】 更に本発明は、配列番号:1〜16、及びそれらの断片からなる群から選択さ
れたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの少なくと
も断片を含む発現ベクターを提供する。別の実施態様では、前記発現ベクターが
宿主細胞に含められる。
【0027】 また本発明は、配列番号:1〜16、及びそれらの断片からなる群から選択さ
れたアミノ酸配列を含むポリペプチドの製造方法であって、(a)前記ポリペプ
チドの発現に適した条件の下で前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
の少なくとも断片を含む発現ベクターを含む宿主細胞を培養する過程と、(b)
前記宿主細胞の培地から前記ポリペプチドを回収する過程とを含む、ポリペプチ
ドの製造方法を提供する。
【0028】 また本発明は、配列番号:1〜16、及びそれらの断片からなる群から選択さ
れたアミノ酸配列を有する実質的に精製されたポリペプチドを、適切な医薬用担
体と共に含む医薬品組成物を提供する。
【0029】 更に本発明は、配列番号:1〜16、及びそれらの断片からなる群から選択さ
れたアミノ酸配列を含むポリペプチドに結合する精製された抗体を包含すると共
に、前記ポリペプチドに対する精製されたアゴニスト及び精製されたアンタゴニ
ストを包含する。
【0030】 また本発明は、新生物疾患の処置又は予防方法であって、そのような処置が必
要な患者に、配列番号:1〜16、及びそれらの断片からなる群から選択された
アミノ酸配列を有するポリペプチドのアンタゴニストを有効な量投与する過程を
含む、新生物疾患の処置又は予防方法を提供する。
【0031】 また本発明は、免疫学的疾患の処置又は予防方法であって、そのような処置が
必要な患者に、配列番号:1〜16、及びそれらの断片からなる群から選択され
たアミノ酸配列を有するポリペプチドのアンタゴニストを有効な量投与する過程
を含む、免疫学的疾患の処置又は予防方法を提供する。
【0032】 また本発明は、生殖障害の処置又は予防方法であって、そのような処置が必要
な患者に、配列番号:1〜16、及びそれらの断片からなる群から選択されたア
ミノ酸配列を有するポリペプチドのアンタゴニストを有効な量投与する過程を含
む、生殖障害の処置又は予防方法を提供する。
【0033】 また本発明は、胃腸疾患の処置又は予防方法であって、そのような処置が必要
な患者に、配列番号:1〜16、及びそれらの断片からなる群から選択されたア
ミノ酸配列を有するポリペプチドのアンタゴニストを有効な量投与する過程を含
む、胃腸疾患の処置又は予防方法を提供する。
【0034】 また本発明は、神経障害の処置又は予防方法であって、そのような処置が必要
な患者に、配列番号:1〜16、及びそれらの断片からなる群から選択されたア
ミノ酸配列を有するポリペプチドのアンタゴニストを有効な量投与する過程を含
む、神経障害の処置又は予防方法を提供する。
【0035】 また本発明は、平滑筋異常の処置又は予防方法であって、そのような処置が必
要な患者に、配列番号:1〜16、及びそれらの断片からなる群から選択された
アミノ酸配列を有するポリペプチドのアンタゴニストを有効な量投与する過程を
含む、平滑筋異常の処置又は予防方法を提供する。
【0036】 また本発明は、筋骨格異常の処置又は予防方法であって、そのような処置が必
要な患者に、配列番号:1〜16、及びそれらの断片からなる群から選択された
アミノ酸配列を有するポリペプチドのアンタゴニストを有効な量投与する過程を
含む、筋骨格異常の処置又は予防方法を提供する。
【0037】 また本発明は、核酸を含む生物学的サンプルにおいて、配列番号:1〜16及
びそれらの断片からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチドを検出する方法であって、(a)配列番号:1〜16
、及びそれらの断片からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチド
をコードするポリヌクレオチド配列に相補的な分子と、前記生物学的サンプルの
前記核酸の少なくとも1つとをハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーション複
合体を形成する過程と、(b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過
程であって、前記ハイブリダイゼーション複合体の存在が、前記生物学的サンプ
ルにおけるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存在と相互関係を有す
る、該過程とを含む、ポリヌクレオチドの検出方法を提供する。或る実施態様で
は、ハイブリダイゼーション過程の前に、前記生物学的サンプルの核酸をポリメ
ラーゼ連鎖反応法により増幅する。
【0038】 (発明の実施の形態) 本発明のタンパク質、ヌクレオチド配列、及び方法について説明する前に、本
発明は、ここに開示した特定の方法論、プロトコル、細胞系、ベクター、及び試
薬に限定されず、それらは様々に変更可能であることを理解されたい。また、本
明細書において用いられる用語法は、特定の実施例のみを説明する目的で用いら
れたものであり、請求項の記載のみによって限定される本発明の範囲を限定する
ことを意図したものではないということも理解されたい。
【0039】 本明細書の発明の詳細な説明又は図面及び特許請求の範囲において、単数を表
す「或る」及び「その(この)」と形容されたものは、前後関係でそうでないこ
とが明らかである場合以外は、複数の意味も含んでいることに注意しなければな
らない。従って、例えば「或る宿主細胞」なる表記が表すものには、複数のその
ような宿主細胞が含まれ、「或る抗体」なる表記は、1種または複数の種類の抗
体及び当業者に周知のその等価物等も表している。
【0040】 本明細書における全ての科学技術専門用語は、特別に定義されていない限り、
本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者に一般に理解されるのと
同じ意味を有する。ここに説明したものと類似のまたは等価な方法や材料を本発
明の実施や試験において用いることができるが、好適な方法、装置、及び材料を
本明細書において説明する。本明細書に記載された全ての文献は、本発明の関連
において用いられ得る文献で報告された細胞系、ベクター、及び方法論を説明し
開示する目的で引用されたものであり、引用により本明細書の一部とする。また
本明細書のあらゆる開示内容を、本発明におけるそのような開示内容が従来技術
に先行しないということを認めるものと解釈してはならない。
【0041】 (定義) 本明細書において、「REC」は、任意の種、具体的にはウシ、ヒツジ、ブタ
、マウス、ウマ、及び好ましくはヒト等のような哺乳動物に由来し、天然の、合
成の、半合成の、又は組換え体の何れかの起源から得られる実質的に精製された
RECのアミノ酸配列である。
【0042】 本明細書において、用語「アゴニスト」は、RECに結合したときRECの効
果を強めたり、その効果の持続時間を長くさせる分子である。アゴニストには、
RECに結合し、その効果を変調するタンパク質、核酸、糖質や、任意の他の分
子が含まれ得る。
【0043】 本明細書において「アレル」或いは「アレル配列」とは、RECをコードする
遺伝子の対立形である。アレルは、核酸配列の少なくとも一箇所の変異によって
生じ、変異したmRNA或いはポリペプチドを生ずるが、その変異したmRNA
或いはポリペプチドの構造や機能が変わる場合もあれば変わらない場合もある。
所定の天然の遺伝子または組換え遺伝子には、アレル形が存在しないもの、1つ
存在するもの、或いは多数存在するものがある。一般にアレルを生じる変異はヌ
クレオチドの自然な欠失、付加並びに置換に因るものである。このタイプの変異
はそれぞれ単独で、或いは他の変異と同時に、所定の配列内で1回又は2回以上
生じ得る。
【0044】 本明細書において、RECをコードする「変異」核酸配列とは、異なるヌクレ
オチド残基の置換、挿入や欠失を含み、結果的に同一のREC、またはRECの
機能的な特徴を少なくとも1つ有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
ドとなるものである。この定義には、RECをコードするポリヌクレオチド配列
の通常の染色体上の遺伝子座以外の座位を有する多型、アレルとの不適切なまた
は予期しないハイブリダイゼーションによって起こる多型、及びRECをコード
するポリヌクレオチドの特定のオリゴヌクレオチドプローブを用いて容易に検出
可能な、或いは検出が困難な多型が含まれている。コードされたタンパク質も同
様に「変異」したものであり得、サイレント変異を生じ、結果的に機能的に等価
なRECとなるアミノ酸残基の欠失、挿入並びに置換を含むものであり得る。意
図的なアミノ酸の置換は、RECの生物学的活性が保持される限り、残基の極性
、電荷、溶解度、疎水性、親水性並びにまた両親媒性についての類似性に基づい
て生じさせることができる。例えば負に荷電したアミノ酸にはアスパラギン酸及
びグルタミン酸が含まれ、正に荷電したアミノ酸にはリジン及びアルギニンが含
まれ、近い親水性値を有する荷電していない極性頭基を有するアミノ酸には、ロ
イシン、イソロイシン、及びバリン;グリシン及びアラニン;アスパラギン及び
グルタミン;セリン及びスレオニン;及びフェニルアラニン及びチロシンが含ま
れる。
【0045】 本明細書において「アミノ酸」又は「アミノ酸配列」は、オリゴペプチド、ペ
プチド、ポリペプチド、又はタンパク質の配列、又はそれらの何れかの断片であ
り、自然発生の分子又は合成した分子である。この文脈で、「断片」、「免疫原
性断片」又は「抗原性断片」は、RECの断片で、好ましくは約5個〜約15個
のアミノ酸からなる長さを有し、かつRECの生物学的活性又は免疫学的活性を
保持しているものである。ここで、「アミノ酸配列」が自然発生タンパク質分子
のアミノ酸配列を指している場合に、「アミノ酸配列」や類似の用語は、そのア
ミノ酸配列を本明細書に記載のタンパク質分子に関連する完全で元のままのアミ
ノ酸配列に限定する意味で用いられているわけではない。
【0046】 本明細書において「増幅」は、核酸配列の更なるコピーを生成することであり
、通常は当業者に周知のポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)を用いて行われる
(例えばDieffenbach, C.W.及びG.S. Dveksler (1995) PCR Primer. a Laborato ry Manual , Cold Spring Harbor Press, Plainview, NY, pp.1-5参照)。
【0047】 本明細書において、用語「アンタゴニスト(拮抗物質)」は、RECに結合し
たとき、RECの生物学的又は免疫学的効果の大きさを低下させたり、効果の継
続時間を短縮させる分子である。アンタゴニストとしては、RECの効果を低下
させるタンパク質、核酸、糖質、抗体、または他の分子等が挙げられる。
【0048】 本明細書において、用語「抗体」は、完全な抗体分子を意味するとともに、例
えばFa、F(ab')2、及びFv断片のような抗原決定基と結合し得るその断
片を意味する。RECポリペプチドに結合する抗体は、免疫化の抗原として完全
なポリペプチド又は目的の小ペプチドを含むその断片を用いることによって作り
出すことができる。動物(例えばマウス、ラット、またはウサギ)を免疫化する
のに用いられるポリペプチドまたはペプチドは、RNAの翻訳に由来するもの、
又は化学的に合成されたものであり得、必要ならば担体タンパク質と結合させる
ことができる。ペプチドに化学的に結合する担体として通常用いられるものとし
ては、ウシ血清アルブミン、サイログロブリン、及びキーホールリンペットヘモ
シアニン(KLH)等が挙げられる。この結合したペプチドを用いて動物を免疫
化する。
【0049】 本明細書において、用語「抗原決定基」は、特定の抗体と結びつく分子の断片
(即ちエピトープ)である。タンパク質又はその断片を用いてホストの動物を免
疫化すると、このタンパク質の様々な領域が、該タンパク質上の所定の領域また
は三次元構造に特異的に結合する抗体の産生を誘発し得る。このような領域また
は構造を抗原決定基と称する。抗原決定基は、抗体への結合について元の抗原(
即ち免疫応答を誘導するに用いられる免疫原)と競合し得る。
【0050】 本明細書において用語「アンチセンス」は、特定のDNAまたはRNA配列に
相補的なヌクレオチド配列を含む組成物である。用語「アンチセンス鎖」は、「
センス」鎖に相補的な核酸鎖の意味で用いられる。アンチセンス分子としてはペ
プチド核酸があり、アンチセンス分子は合成や転写を含む任意の方法で作り出す
ことができる。この相補的ヌクレオチドは、一旦細胞内に導入されると、細胞に
よって作られた自然の配列と結合して二重鎖を形成し、これが更なる転写や翻訳
を阻害する。「マイナス(−)」なる表現がアンチセンス鎖の意味で用いられ、
「プラス(+)」はセンス鎖の意味で用いられることがある。
【0051】 本明細書において、用語「生物学的に活性」は、自然発生の分子の構造上の機
能、調節の機能、又は生化学的な機能を有するタンパク質である。同様に「免疫
学的に活性」は、天然の、組換え体の、又は合成のREC、若しくはそのオリゴ
ペプチドの、適当な動物や細胞における特定の免疫応答を誘発し、特定の抗体に
結合する能力である。
【0052】 本明細書において「所定のポリヌクレオチド配列を含む組成物」又は「所定の
アミノ酸配列を含む組成物」とは、所定のポリヌクレオチド又はアミノ酸配列を
含むあらゆる物質をさす。この組成物は、粉末製剤、水溶液、又は滅菌組成物の
形態であり得る。REC又はRECの断片をコードするポリヌクレオチド配列を
含む組成物は、ハイブリダイゼーションプローブとして利用することができる。
このプローブは凍結乾燥した状態で保存することができ、糖質のような安定化剤
と結合させることができる。ハイブリダイゼーションにおいて、このプローブを
、塩(例えばNaCl)、界面活性剤(例えばSDS)及び他の物質(例えばデ
ンハート液、粉乳、サケ***DNA等)を含む水溶液に分散させておくことがで
きる。
【0053】 本明細書において「コンセンサス配列」は、配列決定し直して不要な塩基を分
離し、XL-PCRTM(Perkin Elmer, Norwalk, CT)を用いて5′方向及び/または
3′方向に延長した上で再度配列決定し直した核酸配列か、または断片を組み合
わせるためのコンピュータプログラム(例えばGELVIEWTM Fragment Assembly sy
stem, GCG, Madison WI)を用いて2種以上のインサイト社クローンの重複した
配列を組み合わせて導き出した核酸配列である。延長と組み合わせの両方によっ
てコンセンサス配列が作られることもある。
【0054】 本明細書において、「ポリヌクレオチドの発現と相互関係を有する」なる表現
は、ノーザン法による解析でRECをコードする核酸と同一又は近縁関係にある
核酸の存在が検出されることが、サンプル内のRECをコードするmRNAの存
在を表し、従ってRECをコードする遺伝子からの転写物の発現と相互関係を有
している、ということを表している。
【0055】 本明細書において「欠失」は、1個または2個以上のヌクレオチド若しくはア
ミノ酸残基が欠けるような、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列における変化
である。
【0056】 本明細書において、用語「誘導体」は、RECをコードするポリヌクレオチド
配列又はそれに相補的なポリヌクレオチド配列を化学的に修飾したものである。
このようなポリヌクレオチド配列の化学的修飾としては、例えば、水素からアル
キル基、アシル基、又はアミノ基への置換がある。誘導体ポリヌクレオチドは、
元の分子の生物学的又は免疫学的機能の少なくとも1つを保持しているポリペプ
チドをコードする。誘導体ポリペプチドは、元のポリペプチドの生物学的又は免
疫学的機能の少なくとも1種類を保持しており、グリコシル化、ポリエチレング
リコール化(PEGylation)、又は他の何らかのプロセスで修飾されたものである
【0057】 本明細書において、用語「類似性」は、或る程度の相補性を意味する。用語「
(配列)同一性」は、用語「類似性」と置換えることができる。同一の配列が標
的の核酸とハイブリダイズするのを少なくとも部分的に阻害する部分的に相補的
な配列を、「実質的に類似」という。完全に相補的な配列と標的配列とのハイブ
リダイゼーションの阻害は、ストリンジェンシー(厳密さ)を低くした条件の下
で、ハイブリダイゼーションアッセイ(サザンブロット法またはノーザンブロッ
ト法、溶液ハイブリダイゼーション等)を用いて調べることができる。実質的に
類似な配列またはハイブリダイゼーションプローブは、低いストリンジェンシー
条件の下で、標的の配列と完全に類似(同一)な配列またはプローブとの結合に
ついて競合し、それを阻害する。このことは、低いストリンジェンシー条件が、
非特異的な結合を許容するものであるということを意味するわけではない。低い
ストリンジェンシー条件では、2つの配列の相互の結合が特異的(即ち選択的)
相互作用であることが必要だからである。非特異的結合が存在しないことは、部
分的な程度の相補性(即ち約30%未満の類似性即ち同一性)も有していない第
2の標的配列を用いることにより調べることができる。非特異的結合が存在しな
い場合、プローブは第2の非相補的標的配列とハイブリダイズしない。
【0058】 「パーセント同一性」或いは「%同一性」という言いまわしは、2以上のアミ
ノ酸または核酸配列を比較した際の配列類似性のパーセンテージである。パーセ
ント同一性は、例えばMegAlignプログラム(DNASTAR, Inc., Madison WI)を用
いることによって電子的に求めることができる。このMegAlignTMプログラムは、
異なる方法、例えばCLUSTAL V法(例えばHiggins, D.G.及びP.M. Sharp (1988)
Gene 73:237-244参照)に従って2以上の配列のアライメントを作成することが
できる。このCLUSTAL Vのアルゴリズムでは、配列群を、全ての配列の対につい
て両配列間の距離を調べることによってクラスタ(集団)にグループ分けする。
このクラスタ群について、一対毎にアライメントをとり、次にグループにおいて
アライメントをとる。2つのアミノ酸配列、例えば配列Aと配列Bの間のパーセ
ント類似性は、(配列Aの長さ−配列Aにおけるギャップ残基の数−配列Bにお
けるギャップ残基の数)/(配列Aと配列Bとの間の残基の一致の総数)×10
0で計算する。2つのアミノ酸配列の間の類似性の差が低いか無いケースは、パ
ーセント類似性の計算に含められない。核酸配列間のパーセント同一性も、他の
周知の方法、例えばJotun Hein法(例えばHein J. (1990) Methods Enzymol. 18
3: 626-645参照)によってカウント即ち計算することができる。配列間の同一性
は、他の周知の方法、例えばハイブリダイゼーション条件を変えることによって
も決定することができる。
【0059】 「ヒト人工染色体」(HACs)は約10kb〜10MbのサイズのDNA配
列を含んでいるものであり得、安定した***染色体の分離及び維持に必要な全て
の要素を含む線状の小形染色体である(例えばHarrington, J.J.他 (1997) Nat
Genet. 15:345-355参照)。
【0060】 本明細書において、用語「ヒト化抗体」は、その元の結合能をそのまま保持し
つつ、ヒトの抗体により近づくように非抗原結合領域のアミノ酸配列を改変した
抗体分子である。
【0061】 本明細書において、用語「ハイブリダイゼーション(ハイブリッド形成)」は
、核酸の鎖が塩基対の形成によって相補鎖と結合する過程である。
【0062】 本明細書において、用語「ハイブリダイゼーション複合体」は、相補的なG塩
基とC塩基の間及び相補的なA塩基とT塩基の間での水素結合の形成によって、
2つの核酸配列で形成された複合体である。ハイブリダイゼーション複合体は、
溶液中で形成されるか(例えばC0t又はR0t解析の場合)、或いは核酸は溶液
中に存在する一方の核酸と、基板に固定されたもう一方の核酸との間で形成され
得る。
【0063】 本明細書において、用語「挿入」或いは「付加」は、自然発生の分子と比較し
て、1個または2個以上のヌクレオチド、アミノ酸残基がそれぞれ加わるような
、ヌクレオチド配列或いはアミノ酸配列の変化を指す。
【0064】 「免疫応答」は、炎症、外傷、免疫疾患、又は感染症や遺伝病等と関連のある
状態を指すものであり得る。これらの状態は、細胞や全身の防御系を活性化する
様々な因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、及び他のシグナル伝達分子の産
生によって特性化され得る。
【0065】 本明細書において、用語「マイクロアレイ」は、個々のポリヌクレオチド、即
ちアレイエレメントを基板上に配列したものである。
【0066】 本明細書において、用語「変調」は、RECの活性の変化である。例えば、変
調によって、タンパク質の活性の増加や減少、結合特性の変化、又は他のREC
の生物学的、機能的、免疫学的特性の変化がもたらされる。
【0067】 本明細書において「核酸配列」は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド若しく
はポリヌクレオチド、又はその断片を指すか、一本鎖か二本鎖であり、またセン
ス鎖又は相補(アンチセンス)鎖である、ゲノム起源の若しくは合成したDNA
又はRNAを指すか、又はペプチド核酸(PNA)、又は、DNA様又はRNA
様物質である。この文脈において、「断片(フラグメント)」は、プローブとし
て有用であるか、又は有用な生物学的又は機能的特性を示すアミノ酸配列を作り
出す核酸配列である。
【0068】 本明細書において、用語「機能的に関連する」又は「機能的に結びついた」は
、機能的に関連する核酸配列を表す。プロモーターは、そのプロモーターが、コ
ードされるポリペプチドの転写を調節している場合、コード配列の機能的に関連
又は機能的に結びついている。機能的に関連した、又は機能的に結びついた核酸
配列は近接し読み枠にあり得るが、ある種のゲノムの配列、例えばリプレッサー
遺伝子は、コードされるポリペプチドに近接していないが、やはりそのポリペプ
チドの発現を調節するオペレーター配列に結合する。
【0069】 本明細書において、用語「オリゴヌクレオチド」は、PCR増幅又はハイブリ
ダイゼーションアッセイ、若しくはマイクロアレイで用いることができる核酸配
列であって、長さが約6ヌクレオチド以上、最大60ヌクレオチド程度、好適に
は15〜30ヌクレオチド、より好適には20〜25ヌクレオチドであるものを
指す。本明細書において、用語「オリゴヌクレオチド」は、当分野において一般
に定義されているような用語「アンブリマー」、「プライマー」、「オリゴマー
」、及び「プローブ」と実質的に同義である。
【0070】 本明細書において「ペプチド核酸」(PNA)は、末端がリジンであるアミノ
酸残基のペプチドバックボーンに結合した5ヌクレオチド以上の長さのオリゴヌ
クレオチドを含むアンチセンス分子即ち抗遺伝子剤を意味する。末端のリジンが
この物質に溶解性を与えている。PNAは、相補的な一本鎖DNAやRNAに優
先的に結合して転写物の伸長を止め、かつPNAをポリエチレングリコール化す
ることにより、細胞でのその寿命を延ばすことができる。
【0071】 本明細書において、用語「サンプル」は、細胞からの抽出物、その細胞、細胞
から単離された染色体、溶液中又は基板に結合したゲノムDNA、RNA若しく
はcDNA、タンパク質又はその断片、体液、細胞から単離された膜その他であ
る。
【0072】 本明細書において、用語「特異的結合」(または「特異的に結合する」)は、
タンパク質又はペプチドと、アゴニスト、抗体、又はアンタゴニストとの相互作
用である。この相互作用は、結合する分子によって認識されるタンパク質上の特
定の構造(例えば抗原決定基、即ちエピトープ)の存在に左右される。例えば、
抗体がエピトープ「A」に対して特異的である場合、標識した「A」及びその抗
体を含む反応において、エピトープA(つまり結合していない、非標識のA)を
含むタンパク質が存在すると、抗体が結合した標識したAの量が低下する。
【0073】 本明細書において、用語「実質的に精製」は、天然の環境から取り除かれ、単
離または分離されて、自然にはそれが結合して存在する他の構成要素が60%以
上、好ましくは75%以上、最も好ましくは90%以上除去された核酸配列又は
アミノ酸配列である。
【0074】 本明細書において「置換」は、1個または2個以上のヌクレオチド或いはアミ
ノ酸を、それぞれ異なるヌクレオチド或いはアミノ酸に置き換えることである。
【0075】 「基板」は、膜、フィルタ、チップ、スライド、ウエハ、ファイバー、磁性又
は非磁性ビーズ、ゲル、チューブ、プレート、ポリマー、微小粒子、及びキャピ
ラリー(細管)等の任意の適切な固体又は半固体支持体である。基板は、ウェル
、溝、ピン、チャネル、及び穴のような様々な表面形状を有し得、そこにポリヌ
クレオチドが結合される。
【0076】 本明細書の定義では、「形質転換」は、外来DNAが入ってレシピエント細胞
を変化させるプロセスを意味する。このプロセスは、よく知られた様々な方法を
用いて、自然または人工の条件の下で生じ得る。形質転換は、外来核酸配列を原
核生物または真核生物の宿主細胞に挿入するための既知の方法によって行うこと
ができる。この方法は形質転換される宿主細胞の型に基づいて選択され、以下に
限定するものではないが、ウイルスを感染させる方法、電気穿孔法(エレクトロ
ポレーション)、熱ショック、リポフェクション、及び微粒子銃を用いる方法等
があり得る。用語「形質転換された」細胞は、そのなかで挿入されたDNAが、
自律的に複製するプラスミドか、または宿主の染色体の一部として複製できる、
安定的に形質転換された細胞等である。またこのような細胞には、限られた時間
での挿入されたDNAやRNAの一過性の発現が起こる細胞もある。
【0077】 本明細書においてRECの「変異体」は、1又は2箇所以上のアミノ酸が変化
したアミノ酸配列である。この変異体は「保存的」変化を含むものであり得、こ
の保存的変化の場合は、例えばロイシンをイソロイシンで置き換える場合のよう
に置換されるアミノ酸が類似な構造的及び化学的特性を有する。稀に、変異体が
「非保存的」に変化する場合もあり、この非保存的変化の場合は、例えばグリシ
ンがトリプトファンで置換される。類似した小さな変化として、アミノ酸の欠失
か挿入、若しくはその両方が含まれる。生物学的或いは免疫学的活性を損なわず
に置換、挿入、又は欠失させることができるアミノ酸は何れかということは、例
えばLASERGENE NAVIGATORソフトウエアのような周知のコンピュータプログラム
を用いて決定することができる。
【0078】 (発明) 本発明は、新規なヒト受容体分子、REC、RECをコードするポリヌクレオ
チド、及び新生物疾患、免疫学的疾患、生殖障害、胃腸疾患、神経障害、平滑筋
異常、及び筋骨格異常の診断、処置、又は予防のためのこれらの組成物の使用法
の発見に基づくものである。表1は、配列表に開示されたヒト受容体分子のそれ
ぞれに対する、タンパク質及びヌクレオチドの配列番号、インサイト社クローン
ID番号、cDNAが由来するライブラリー名、及び核酸配列に関連する重複及
び/又は延長された核酸配列(インサイト社クローン番号及びライブラリー名に
よって特定される)を示す。
【0079】 表2に示すように、各RECは、その受容体分子との化学的及び構造的類似性
に基づいて特性化された。表3において、ノーザン解析の結果から分かった様々
なライブラリーにおけるこの配列の発現が示されている。そのようなライブラリ
ーの少なくとも33%は不死化細胞系又は癌性組織のものであり、少なくとも1
3%は胎仔組織のものであり、少なくとも13%は免疫応答に関連するものであ
る。特に注目すべきは、生殖組織、胃腸管組織、神経組織、平滑筋組織、筋骨格
組織、及び内分泌組織におくるRECの発現である。また本発明は、RECの変
異体を包含する。好ましいREC変異体は、RECのアミノ酸配列と少なくとも
約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約9
5%のアミノ酸配列同一性を有し、且つRECの機能的又は構造的特徴の少なく
とも1つを有するものである。
【0080】 また本発明は、RECをコードするポリヌクレオチドを包含する。特定の実施
態様では、本発明は、RECをコードする、配列番号:17〜32からなる群か
ら選択された配列を含むポリヌクレオチド配列を包含する。
【0081】 また本発明は、RECをコードするポリヌクレオチド配列の変異体を包含する
。詳述すると、そのような変異体ポリヌクレオチド配列は、RECをコードする
ポリヌクレオチド配列と少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90
%、最も好ましくは少なくとも約95%のポリヌクレオチド配列同一性を有する
【0082】 当業者には理解されるように、遺伝暗号の縮重の結果、任意の既知の自然発生
遺伝子のヌクレオチド配列と最小限の類似性しか有していないものも含めて、多
種のRECをコードするヌクレオチド配列が作り出され得る。従って本発明は、
可能なコドン選択に基づく組み合わせを選択することによって作り出されるあら
ゆる可能な核酸配列の変異をその範囲に含んでいる。それらの組み合わせは、自
然発生のRECのヌクレオチド配列に適用されるような標準的なトリプレット遺
伝暗号に基づいて作り出されるものであり、このような変異は全てここに具体的
に開示されたものと考えられたい。
【0083】 RECをコードするヌクレオチド配列及びその変異体は、適切に選択されたス
トリンジェンシーの条件の下で自然発生配列のヌクレオチド配列とハイブリダイ
ズ可能であるのが好ましいが、実質的に異なるコドンを有しているREC又はそ
の誘導体をコードするヌクレオチド配列を作り出すことは有益であり得る。コド
ンの選択においては、特定のコドンが宿主によって使用される頻度に従って、特
定の原核細胞又は真核細胞の発現宿主におけるペプチド発現の発生率を高めるよ
うに選択することができる。REC及びその誘導体をコードするヌクレオチド配
列を、コードされるアミノ酸配列が変わらないように実質的に改変する他の理由
として、例えば自然発生配列から作られる転写物より長い半減期のような、より
望ましい特性を有するRNA転写物を作り出すことが挙げられる。
【0084】 本発明の範囲には、REC又はその誘導体をコードするDNA配列又はその断
片の、完全な合成ケミストリによる作製も含まれる。作製した後、この合成遺伝
子を、周知の試薬を用いて入手可能な様々な発現ベクター及び細胞系に挿入する
ことができる。更に、合成ケミストリを用いてRECをコードする配列又はその
任意の断片に突然変異を導入することができる。
【0085】 また本発明の範囲に含まれるものとして、様々なストリンジェンシーの条件の
下で請求項に記載のポリヌクレオチド配列、特に配列番号:17〜32、及びそ
れらの断片のポリヌクレオチド配列とハイブリダイズし得るポリヌクレオチド配
列がある(例えばWahl, G.M. 及びS.L.Berger (1987) Methods Enzymol. 152:39
9-407; 及びKimmel, A.R. (1987) Methods in Enzymol. 152:507-511参照)。
【0086】 例えば、ストリンジェントな条件の塩濃度は、通常、概ね750mM未満のNaCl及
び75mM未満のクエン酸3ナトリウム、好ましくは約500mM未満のNaCl及び50mM未
満のクエン酸3ナトリウム、最も好ましくは約250mM未満のNaCl及び25mM未満の
クエン酸3ナトリウムである。ストリンジェントな条件の温度は、通常、30℃以
上、より好ましくは37℃以上、最も好ましくは42℃以上の温度である。例えばハ
イブリダイゼーション時間、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)のような界面活性
剤の濃度、及びキャリアDNAを有無のような他のパラメータを変えることは、
当業者に周知である。ストリンジェンシー(厳密さ)の様々な水準は、これらの
様々な条件を必要に応じて変えることによって得られる。好適実施例では、ハイ
ブリダイゼーションが、750mMのNaCl、75mMのクエン酸3ナトリウム、及び1%の
SDSにおいて、30℃で生ずる。より好ましい実施例では、ハイブリダイゼーショ
ンが、500mMのNaCl、50mMのクエン酸3ナトリウム、1%のSDS、35%ホルムアミ
ド、及び100μg/mlの変性サケ***DNA(ssDNA)において、37℃で生ず
る。最も好ましい実施例では、ハイブリダイゼーションが、250mMのNaCl、25mM
のクエン酸3ナトリウム、1%のSDS、50%ホルムアミド、及び200μg/mlのss
DNAにおいて、42℃で生ずる。これらの条件を適宜改変することは、当業者に
は明らかであろう。
【0087】 ハイブリダイゼーションの後に行われる洗浄ステップでも、塩濃度をを低くし
たり、温度を高めることによってストリンジェンシーを変えることができる。例
えば、洗浄ステップにおけるストリンジェントな条件の塩濃度は、好ましくは約
30mM未満のNaCl及び3mM未満のクエン酸3ナトリウム、最も好ましくは約15mM未
満のNaCl及び1.5mM未満のクエン酸3ナトリウムである。洗浄ステップにおける
ストリンジェントな条件の温度は、通常、約25℃以上、より好ましくは約42℃以
上、最も好ましくは約68℃以上である。好適実施例では、洗浄ステップを、30mM
のNaCl、3mMのクエン酸3ナトリウム、及び0.1%のSDSにおいて25℃で行う。よ
り好ましい実施例では、洗浄ステップを、15mMのNaCl、1.5mMのクエン酸3ナト
リウム、及び0.1%のSDSにおいて42℃で行う。最も好ましい実施例では、洗浄ス
テップを、15mMのNaCl、1.5mMのクエン酸3ナトリウム、及び0.1%のSDSにおい
て68℃で行う。これらの条件を適宜改変することは、当業者には明らかであろう
(Wahl, G.M.及びS.L. Berger (1987) Methods Enzymol. 152:399-407; Kimmel,
A.R. (1987) 152:507-511; Ausubel, F.M.ら (1997) Short Protocols in Mole cular Biology , John Wiley & Sons, New York NY, 及びSambrook, J.ら (1989)
Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Plain
view NY)。
【0088】 DNAシークエンシングの方法は、周知で当業者が通常利用可能であり、本発
明の実施例の何れかの実施のために用いることができる。この方法では、例えば
DNAポリメラーゼIのKlenowフラグメントであるSEQUENASE(Amersham Pharma
cia Biotech)、Taqポリメラーゼ(Perkin Elmer)、熱安定性T7ポリメラーゼ(
Amersham Pharmacia Biotech)、或いはELONGASE Amplification System(Life
Technologies, Gaithersburg MD)に見られるもののような校正エキソヌクレア
ーゼとポリメラーゼとの組み合わせたもののような酵素を用いることができる。
このプロセスは、Hamilton Micro Lab2200(Hamilton, Reno, NV)、Peltier Th
ermal Cycler(PTC200;MJ Reserch, Watertown MA)並びにABI Catalyst及びAB
I377及び377 DNAシーケンサ(Perkin Elmer)のような装置を用いて自動化する
のが好ましい。
【0089】 配列表のヌクレオチド及び/又はアミノ酸配列を用いて、GenBankの哺乳類(m
amp)、脊椎動物(vrtp)、及び真核生物(eukp)データベース、SwissProt、BL
OCKS(Bairoch, A.ら (1997) Nucleic Acids Res. 25:217-221)、PFAM、及び以
前に特定され注釈付けられたモチーフ及び配列を含む他のデータベースを検索す
ることができる。ヌクレオチド及びアミノ酸配列を操作し、解析するために、一
次配列パターン及び二次構造ギャップペナルティを取り扱うもののような方法(
Smith, T.ら (1992) Protein Engineering 5:35-51)や、BLAST(Basic Local A
lignment Search Tool; Altschul, S.F. (1993) J. Mol. Evol 36:290-300; 及
びAltschulら (1990) J. Mol. Biol. 215:403-410)、BLOCKS(Henikoff S.及び
Henikoff G.J. (1991) Nucleic Acids Research 19:6565-6572)、隠れマルコフ
モデル(HMM; Eddy, S.R. (1996; Cur. Opin. Str. Biol. 6:361-365)及びSonnh
ammer, E.L.Lら(1997; Proteins 28:405-420))等のプログラム及びアルゴリズ
ムを用いることができる。これらのデータベース、プログラム、アルゴリズム、
及び他の方法及びツールは公知であり、Ausubel(前出, unit 7.7)及びMeyers,
R.A.(1995; Molecular Biology and Biotechnology, Wiley VCH, Inc, New Yo
rk NY, p 856-853)に記載されている。
【0090】 RECをコードする核酸配列を、部分的なヌクレオチド配列を利用して、様々
な公知のPCRをベースにした方法を用いて伸長させ、プロモーター及び調節エ
レメントのような上流の配列を検出することができる(例えば、Dieffenbach, C
.W.及びG.S. Dveksler(1995; PCR Primer, a Laboratory Manual, Cold Spring
Harbor Press, Plainview, NY, pp. 1-5); Sarkar, G. (1993; PCR Methods App
lic. 2:318-322); Triglia, T.ら (1988; Nucleic Acids Res. 16:8186); Lager
strom, M.ら (1991; PCR Methods Applic. 1:111-119); 及びParker, J.D.ら (1
991; Nucleic Acids Res. 19:3055-306)参照されたい)。加えて、PCR法、入
れ子プライマー、及びPROMOTERFINDERを用いて、ゲノムDNA歩行を行うことが
できる(Clonetech, Palo Alto, CA)。この方法は、ライブラリーをスクリーニ
ングする必要がなく、イントロン/エクソン接合部を探し出すのに有用である。
全てのPCRをベースにした方法のために、プライマーを、OLIGO 4.06 Primer
Analysis software(National Biosciences Inc., Plymouth MN)のような市販
のソフトウェアや他の適切なプログラムを用いて、長さが22〜30ヌクレオチ
ド、GC含量が50%以上、かつ約68〜72℃の温度で標的配列にアニールす
るように設計することができる。
【0091】 完全長cDNAをスクリーニングするときには、より大きなcDNAを含むよ
うにサイズ選択されたライブラリーを用いるのが好ましい。またランダムプライ
ミングした(random primed)ライブラリーは、多くの場合遺伝子の5′領域を
含み、オリゴd(T)ライブラリーでは完全長cDNAが得られない場合に特に
好ましい。またゲノムライブラリーは、転写されない5′調節領域まで配列を延
長するために有用であり得る。
【0092】 シークエンシングやPCRの産物のヌクレオチド配列をサイズ分析したりその
存在を確認するために、市販のキャピラリー電気泳動システムを用いることがで
きる。特に、キャピラリーシークエンシングでは、電気泳動による分離のための
流動性ポリマー、レーザーで活性化される4種の異なる蛍光色素(各ヌクレオチ
ドに対して1種類)を使用し、CCDカメラを用いて放射された波長の検出を行
う。出力/光強度は適切なソフトウエア(例えばPerkin Elmer製のGENOTYPER及
びSEQUENCE NAVIGATOR)を用いて電気信号に変換され、サンプルの負荷からコン
ピュータ解析及び電子データ表示までの全過程がコンピュータ制御される。キャ
ピラリー電気泳動法は、特定のサンプル内に少量しか存在しないようなDNAの
小片の配列決定に特に適している。
【0093】 本発明の別の実施例では、RECをコードするポリヌクレオチド配列またはそ
の断片を組換えDNA分子に組み入れることにより、適切な宿主細胞内でのRE
C、その断片または機能的等価物の発現を誘導することができる。遺伝暗号固有
の縮重のために、実質的に同一又は機能的に等価なアミノ酸配列をコードする他
のDNA配列も作り出され得、これらの配列をRECの発現のために用いること
ができる。
【0094】 本発明のヌクレオチド配列は、様々な目的でRECをコードする配列を改変す
るために、周知の方法を用いて組換えることができる。この配列改変の目的とし
ては、限定するものではないが、例えば遺伝子産物のクローニング、プロセシン
グ及び/又は発現を変えること等が挙げられる。無作為断片によるDNA再編成
や遺伝子断片及び合成オリゴヌクレオチドのPCRによる再構成(reassembly)
によって、ヌクレオチド配列を組換えることができる。例えば、オリゴヌクレオ
チド媒介特定部位突然変異誘発によって、新しい制限部位の挿入、グリコシル化
パターンの変更、コドン選好の変化、スプライスバリアントの作出、突然変異の
導入その他を達成することができる。
【0095】 本発明の別の実施例では、周知の化学的方法(例えばCaruthers. M.H.他(198
0)Nucl. Acids Res. Symp. Ser. 7:215-223; Horn, T.他(1980)Nucl. Acids
Res. Symp. Ser. 225-232参照)を用いて、RECをコードする配列の全体、或
いはその一部を合成することができる。或いは、化学的方法を用いてタンパク質
自体を作り出して、RECのアミノ酸配列またはその断片を合成することができ
る。例えば、様々な固相技術(例えばRoberge, J.Y.他(1995) Science 269:202-
204参照)でペプチド合成を行うことができ、合成の自動化は、例えばABI 431A
ペプチド合成機(Perkin Elmer)を用いることにより達成することができる。更
に、RECのアミノ酸配列及びその任意の一部を、直接の合成の際の変更し、か
つ/又は他のタンパク質又はその任意の一部の配列と結合することによって、変
異体ポリペプチドを作り出すことができる。
【0096】 このペプチドは、分離用高速液体クロマトグラフィーにより実質的に精製する
ことができる(例えば、Chiez, R.M.及びF.Z. Regnier (1990) Methods Enzymol
. 182:392-421参照)。合成されたペプチドの組成は、アミノ酸解析或いはシー
クエンシングにより確認することができる(Ausbel, 前出)。
【0097】 生物学的に活性なRECを発現させるためには、RECをコードするヌクレオ
チド配列或いはその誘導体を、適切な発現ベクター、即ち適切な宿主内で挿入さ
れたコーディング配列の転写及び翻訳の調節に必要な配列を含むベクターに挿入
する。これらの配列としては、例えば、ベクターにおける、及びRECをコード
するポリヌクレオチド配列におけるエンハンサー、構成的及び誘導的プロモータ
ー、及び5’及び3’末端非翻訳領域のような制御配列が挙げられる。このよう
なエレメントの作用の強さや特異性は様々に異なったものであり得る。また、R
ECをコードする配列のより効率的な翻訳のためには、特定の開始シグナルも必
要である。このようなシグナルとしては、ATG開始コドン及び隣接する配列、
例えばKozak配列が挙げられる。REC及びその開始コドン及び上流の制御配列
が適切な発現ベクター内に挿入される場合には、他の転写または翻訳の制御シグ
ナルは不要である。しかし、コーディング配列又はその断片のみが挿入される場
合には、ATG開始コドンを含む外来の翻訳制御シグナルを与えなければならない
。さらに、全インサートの転写が確実に行われるようにするために、開始コドン
は正しい読み枠に存在しなければならない。外来転写エレメント及び開始コドン
は、天然及び合成両方の様々な起源に由来するものであり得る。使用される特定
の細胞系に適切なエンハンサーを含めることにより、発現の効率を高めることが
できる(例えば、Scharf,D.他(1994)Results Probl. Cell Differ. 20:125-16
2参照)。
【0098】 RECをコードする配列及び適切な転写や翻訳の調節領域を含む発現ベクター
を作製するために、当業者に周知の方法を用いることができる。これらの方法と
しては、in vitro組換えDNA技術、合成技術、並びにin vivo遺伝子組換え技
術が含まれる(例えば、Sambrook (前出)及びAusubel, (前出))。
【0099】 様々な発現ベクター/宿主系を、RECをコードする配列の保持、発現のため
に利用することができる。このようなものとしては、以下に限定するものではな
いが、組換えバクテリオファージ、プラスミド或いはコスミドDNA発現ベクタ
ーで形質転換した細菌のような微生物;酵母菌発現ベクターで形質転換した酵母
菌;ウイルス発現ベクター(例えばバキュロウイルス)を感染させた昆虫細胞系
;ウイルス発現ベクター(例えばカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)、タバ
コモザイクウイルス(TMV))或いは細菌の発現ベクター(例えばTi、或いはpBR
322プラスミド)で形質転換した植物細胞系;或いは動物細胞系が挙げられる。
本発明は、使用される宿主細胞によって限定されるものではない。
【0100】 細菌系では、RECをコードするポリヌクレオチドの用途に応じて様々なクロ
ーニング及び発現ベクターを選択することができる。例えば、RECをコードす
るポリヌクレオチドのルーチンのクローニング、サブクローニング、及び成長(
propagation)を、例えばBLUSCRIPT(Stratagene, La Jolla CA)やpSPORT1プラ
スミド(Life Technologies)のような多機能大腸菌ベクターを用いて達成する
ことができる。ベクターの様々なクローニング部位にRECをコードする配列を
組み入れてlacZ遺伝子を壊すことによって、組換え分子を含む形質転換された細
菌を特定するための比色によるスクリーニングを行うことができるようになる。
更に、これらのベクターは、in vitro転写、ジデオキシ法のシークエンシング、
ヘルパーファージによる一本鎖レスキュー(single strand rescue)、及びクロ
ーン化した配列における入れ子欠失の生成のために有用であり得る(例えばVan
Heeke, G.及びS.M. Schuster(1989)J. Biol. Chem. 264:5503-5509)。例えば
抗体産生のために大量のRECが必要な場合には、RECの高レベルで発現を誘
導するベクターを用いることができる。例えば、強い誘導性T5またはT7バク
テリオファージプロモーターを含むベクターを用いることができる。
【0101】 RECの産生のために、酵母菌発現系を用いることもできる。例えばα因子、
アルコールオキシダーゼ、及びPGHのような構成的または誘導的プロモーター
を含む様々なベクターを、酵母菌のサッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae )やメタノール資化酵母ピチアパストリス(Pichia pastoris)にお
いて用いることができる。更に、そのようなベクターは、発現されたタンパク質
の細胞外への分泌または細胞内での保持の何れかを誘導し、安定的な発現のため
の外来配列の宿主のゲノムへの組み入れを可能にする(例えばAusubel, 前出;
及びScorer, C.A.ら (1994) Bio/Technology 12:181-184参照)。
【0102】 RECの発現のために植物系も用いることができる。例えばCaMVの35S及び19S
プロモーターのようなウイルスのプロモーターを、単独で、或いはTMV(Takamat
su,N.他(1987)EMBO J 6:307-311)のオメガリーダー配列と共に用いて、RE
Cをコードする配列の転写を促進することができる。或いは、RUBISCOの小サブ
ユニットや熱ショックプロモーターのような植物のプロモーターを用いてもよい
(例えばCoruzzi, G.他(1984)EMBO J 3:1671-1680; Broglie, R.他(1984)Sc
ience 224:838-843; 及びWinter, J.他(1991)Results Probl. Cell Differ. 1
7:85-105参照)。これらの作製物は、直接的なDNA形質転換或いは病原体によ
るトランスフェクションにより植物細胞内に導入できる(例えばHobbs, S.又はM
urry, L.E. McGraw Hill Yearbook of Science and Technology(1992)McGraw
Hill NY, pp191-196を参照されたい)。
【0103】 哺乳動物の細胞では、多種のウイルスをベースにした発現系を利用することが
できる。発現ベクターとしてアデノウイルスを用いる場合には、RECをコード
する配列を、後期プロモーター及び三連リーダー配列(tripartite leader sequ
ence)からなるアデノウイルスの転写/翻訳複合体に連結することが可能である
。ウイルスのゲノムの非必須のE1領域又はE3領域へ挿入することにより、宿
主細胞におけるRECを発現する感染性のウイルスが得られる(例えばLogan, J
.及びT. Shenk (1984) Proc. Natl. Acad. Sci. 81:3655-3659)。さらに、哺乳
類宿主細胞内の発現を増加させるためにラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハン
サーのような転写エンハンサーを用いることができる。
【0104】 また、ヒト人工染色体(HAC)を用いることにより、プラスミドに組み入れ
られてそこから発現され得るものより大きいDNAの断片を供給することもでき
る。治療上の目的で、6kb〜10MbのHACを構築し、従来のデリバリー方
法(リポソーム、ポリカチオンのアミノポリマー、又は小胞)を利用して供給す
ることができる。
【0105】 哺乳動物系において長期間にわたる組換えタンパク質の産生を確保するために
は、細胞系におけるRECの安定した発現が望ましい。例えば、ウイルスの複製
起源及び/または内在性発現エレメント及び選択マーカー遺伝子を同一のベクタ
ー上、或いは個別のベクター上に含み得る発現ベクターを用いて、RECをコー
ドする配列を、細胞系に形質転換することができる。ベクターの導入の後、細胞
を濃縮培地内で概ね1〜2日間増殖させ、次に選択培地に切り替える。選択マー
カーの目的は、選択薬に対する耐性を与え、その存在に基づいて導入された配列
を間違いなく発現する細胞を増殖させ、回収できるようにすることである。安定
的に形質転換された細胞の耐性クローンは、その細胞の型に適した組織培養技術
を用いて増殖させることができる。
【0106】 形質転換された細胞系を回収するために任意の数の選択系を用いることができ
る。選択系としては、限定するものではないが、単純ヘルペスウイルスチミジン
キナーゼ遺伝子(tk)及びアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子(
apr)が挙げられ、それぞれtk-又はapr-細胞において用いられる(例えばWigler
, M.他 (1977) Cell 11:223-232、及びLowy, I.他 (1980) Cell 22:817-823参照
)。また代謝拮抗物質、抗生物質或いは除草剤への耐性を選択の基礎として用い
ることができる。例えばdhfrはメトトレキセートに対する耐性を与え、neoはア
ミノ配糖体のネオマイシン及びG−418に対する耐性を与え、als或いはpatは
クロルスルフロン(chlorsulfuron)、ホスフィノトリシンアセチルトランスフ
ェラーゼ(phosphinotricin acetyltransferase)に対する耐性を与える。別の
選択に利用できる遺伝子として、例えば、代謝のために細胞が要求する物質を変
える、trpBやhisDが文献に記載されている(例えばHartman, S.C.及びR.C. Mull
igan(1988)Proc. Natl. Acad. Sci. 85:8047-8051)。可視マーカー、例えば
アントシアニン、緑色蛍光タンパク質(green fluorescent protein;GFP; C
lonetech, Palo Alto, CA)、β−グルクロニダーゼ及びその基質であるβ−D
−グルクロノシド、またはルシフェラーゼ及びその基質であるルシフェリンを用
いてもよい。これらのマーカーは、形質転換体を特定するためばかりでなく、特
定の発現ベクター系によ一過性の或いは安定的なタンパク質発現の量を定量する
ために藻い入ることができる(例えばRhodes, C.A.他 (1995) Methods Mol. Bio
l. 55:121-131)。
【0107】 マーカー遺伝子の発現の存在/不存在によって目的の遺伝子の存在も示唆され
るが、その存在及び発現は確認する必要があることがある。例えばRECをコー
ドする配列がマーカー遺伝子配列内に挿入された場合は、RECをコードする配
列が組み入れられた形質転換された細胞を、マーカー遺伝子の機能の欠如に基づ
いて確認できる。或いは、マーカー遺伝子はRECをコードする配列と直列に配
置され得、両者が単一のプロモータの制御下となり得る。誘導に応じたマーカー
遺伝子の発現、即ち選択は、通常、直列に配置された配列の発現をも同時に表す
【0108】 一般的に、RECをコードする核酸配列を含みRECを発現する宿主細胞は、
当業者に周知の様々な方法により同定することができる。このような方法として
は、限定するものではないが、DNA−DNA或いはDNA−RNAハイブリダ
イゼーション、PCRによる増幅、及び核酸及びタンパク質を検出かつ/または
定量するための、膜、溶液、或いはチップを用いる技術を含むタンパク質バイオ
アッセイ或いはイムノアッセイ等が挙げられる。
【0109】 このタンパク質に特異的なポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体のいず
れかを用いる、RECの発現を検出、測定するための免疫学的方法は周知である
。このような方法としては、以下に限定するものではないが、酵素結合免疫検定
法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)及び蛍光表示式細胞分取器法(FACS
)等が挙げられる。RECポリペプチド上の2つの非干渉なエピトープに対して
反応するモノクローナル抗体を利用する二部位モノクローナルベースイムノアッ
セイ(two-site, monoclonal-based immunoassay)が好適であるが、競合的結合
アッセイを用いてもよい。これらアッセイの並びに他のアッセイは周知である(
例えばHampton, R.他(1990) Serological Methods, a Laboratory Manual, APS
Press, St. Paul MN; Coligan, J.E.他(1997及び定期的に発行される補遺)Curr
ent Protocols in Immunology, Greene Pub. Associates and Wiley-Interscien
ce, New York, NY; 及びMaddox, D.E.他(1983) J. Exp. Med. 158:1211-1216参
照)。
【0110】 様々な標識・結合技術が当業者には周知であり、種々の核酸及びアミノ酸のア
ッセイにおいて用いることができる。RECをコードするポリヌクレオチドに近
縁な配列を検出するための、標識されたハイブリダイゼーションプローブ・PC
Rプローブを作製するための手段には、オリゴ標識法、ニックトランスレーショ
ン法、末端標識法、或いは標識したヌクレオチドを用いるPCR増幅が含まれる
。或いは、RECをコードする配列またはその任意の断片を、mRNAプローブ
の作製のためのベクターにクローン化してもよい。そのようなベクターは周知で
、市販されており、これを用いて例えばT7、T3、或いはSP6のような適切
なRNAポリメラーゼ及び標識されたヌクレオチドを加えることによって、in v
itroでRNAプローブを合成することができる。これらの方法は、種々の市販の
キット、例えばPharmacia Upjohn(Kalamazoo, MI);Promega(Madison WI);
及びU.S. Biochemical Corp.(Cleveland OH)から提供されているものを用いて
実施することができる。検出を容易にするために用いられ得る適切なリポーター
分子、すなわち標識としては、放射性核種、酵素、フルオレセント(蛍光剤)、
化学発光剤、或いは色素剤や、基質、補助因子、インヒビター、磁気粒子等が挙
げられる。
【0111】 RECをコードするヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞を、このタン
パク質を細胞培地で発現させ、そこから回収するのに適した条件の下で培養する
ことができる。形質転換された細胞により産生されるタンパク質は、用いられる
配列及び/またはベクターに応じて、分泌されるか、または細胞内に保持される
。当業者には理解されるように、RECをコードするポリヌクレオチドを含む発
現ベクターを、原核細胞か真核細胞の細胞膜を通してのREC分泌を誘導するシ
グナル配列を含むように設計することができる。
【0112】 さらに宿主細胞株は、挿入された配列の発現を変調したり、発現したタンパク
質を望ましい形にプロセシングする能力ついて選択することができる。このよう
なポリペプチドの修飾としては、限定するものではないが、アセチル化、カルボ
キシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化(lipidation)並びにアシル化が含
まれる。またタンパク質の「プレプロ」部分を切り離す翻訳後プロセシングも、
タンパク質のターゲティング、折り畳み、及び/又は作用を特定するために用い
ることができる。翻訳後の作用のための特定の細胞装置及び特徴的な機構を有し
ている種々の宿主細胞(例えばCHO、HeLa、MDCK、293、及びWI38)はAmerican T
ype Culture Collection(ATCC; Bethesda, MD)より入手でき、導入される外来
タンパク質の正しい修飾やプロセシングが確実に行われるように、このなかから
選択することができる。
【0113】 本発明の別の実施例では、RECをコードする、天然の、修飾した、或いは組
換えた核酸配列をヘテロの配列に連結して、上述の宿主系の何れかにおける融合
タンパク質の翻訳を生じさせることができる。例えば、市販の抗体によって認識
され得る異種分子を含むキメラRECタンパク質は、ペプチドライブラリーから
のRECの活性のインヒビターの選別を促進し得る。そのような分子としては、
限定するものではないが、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、マルト
ース結合タンパク質(MBP)、チオレドキシン(Trx)、カルモジュリン結合ペプ
チド(CBP)、6-His、FLAG、c-myc、及び赤血球凝集素(HA)が挙げられる。GST
、MBP、Trx、CBP、及び6-Hisによって、それぞれ固定化グルタチオン、マルトー
ス、酸化フェニルアルシン(phenylarsine oxide)、カルモジュリン、及び金属
キレート樹脂の上でのそれらの同属の融合タンパク質の精製が可能となる。FLAG
、c-myc、及び赤血球凝集素(HA)によって、それらのエピトープのタグを特異
的に認識する市販のモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を用いた融合タ
ンパク質のイムノアフィニティ精製が可能となる。融合タンパク質を、RECを
コードする配列とへテロのタンパク質配列との間にタンパク分解酵素による切断
部位を含むように組換えることによって、RECを、精製の後にヘテロの分子か
ら切り離すことができるようになる。融合タンパク質の発現及び精製のための方
法は、Ausubel, F.M.他(1995及び定期的補遺) Current Protocols in Molecular
Biology, John Wiley & Sons, New York, NY, ch 10に記載されている。融合タ
ンパク質の発現や精製を速やかに行うために、様々な市販のキットを用いてもよ
い。
【0114】 本発明の更に別の実施例では、放射標識したRECを、TNTTMウサギ網状赤血
球のライセートまたはコムギ胚芽抽出物系(Promega, Madison, WI)を用いてin
vitroで合成することができる。これらの系は、T7、T3、またはSP6プロ
モーターに機能的に関連するタンパク質コーディング配列の転写と翻訳を結びつ
ける。翻訳は、放射標識したアミノ酸前駆体、好ましくは35S-メチオニンの存在
の下で生じる。
【0115】 RECの断片の作製は、組換え体の産生によって行うのみならず、固相技術を
用いた直接のペプチド合成によっても行うことができる(例えばCreighton, 前
出pp.55-60参照)。タンパク質合成は、手作業により、或いは自動的に行うこと
ができる。合成の自動化は、例えば、Applied Biosystems 431Aペプチド合成機
(The Perkin-Elmer) を用いて達成することができる。RECの様々な断片を個
別に合成し、それを連結して完全長分子を作り出すことができる。
【0116】 (治療) RECと受容体分子との間に化学的及び構造的類似性が存在する。加えて、R
ECは、癌性組織、免疫学的組織、胎仔の組織、生殖組織、胃腸管組織、神経組
織、平滑筋組織、内分泌組織、及び筋骨格組織において発現される。従って、R
ECは、新生物疾患、免疫学的疾患、生殖障害、胃腸疾患、神経障害、平滑筋異
常、及び筋骨格異常において一定の役割を果たしていると考えられる。
【0117】 従って、或る実施態様では、新生物疾患の処置又は予防のために、RECのア
ンタゴニストを患者に投与し得る。そのような新生物疾患としては、以下に限定
するものではないが、腺癌、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫、奇形癌
腫、具体的には、副腎、膀胱、骨、骨髄、脳、***、子宮頚、胆嚢、神経節、胃
腸管、心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾
液腺、皮膚、脾臓、精巣、胸腺、甲状腺、及び子宮の癌等を挙げることができる
。或る実施態様では、RECに特異的に結合する抗体をアンタゴニストとして直
接用いたり、或いはRECが発現される細胞又は組織に薬物を送達するためのタ
ーゲティング又はデリバリー機構としてその抗体を間接的に用いることができる
【0118】 別の実施態様では、限定するものではないが、上に列挙したものを含む癌の処
置又は予防のために、RECをコードするポリヌクレオチドに相補的な分子を発
現し得るベクターを患者に投与し得る。
【0119】 更に別の実施態様では、免疫学的疾患の処置又は予防のために、RECのアン
タゴニストを患者に投与し得る。そのような免疫学的疾患としては、以下に限定
するものではないが、後天性免疫不全症候群(AIDS)、アジソン病、成人呼
吸窮迫症候群、アレルギー、強直性脊椎炎、アミロイド沈着症、貧血症、喘息、
アテローム性硬化症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、気管支炎、
胆嚢炎、接触性皮膚炎、クローン病、アトピー性皮膚炎、皮膚筋炎、糖尿病、肺
気腫、リンパ球毒素性一時性リンパ球減少症、胎児赤芽球症、結節性紅斑、萎縮
性胃炎、腎炎、グッドパスチャー症候群、痛風、グレーブス病、橋本甲状腺炎、
過好酸球増加症、過敏性腸症候群、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋炎又は心
膜炎、変形性関節炎、骨粗鬆症、膵炎、多発性筋炎、乾癬、ライター症候群、リ
ウマチ性関節炎、強皮症、シェーグレン症候群、全身性アナフィラキシー、全身
性エリテマトーデス、全身性硬化症、血小板減少性紫斑病、潰瘍性大腸炎、ブド
ウ膜炎、ウェルナー症候群、及び癌と血液透析と体外循環の合併症;ウイルス感
染、細菌感染、真菌感染、寄生虫感染、原虫感染、及び蠕虫感染;及び外傷等を
挙げることができる。或る実施態様では、RECに特異的に結合する抗体をアン
タゴニストとして直接用いたり、或いはRECが発現される細胞又は組織に薬物
を送達するためのターゲティング又はデリバリー機構としてその抗体を間接的に
用いることができる。
【0120】 別の実施態様では、限定するものではないが、上に列挙したものを含む免疫学
的疾患の処置又は予防のために、RECをコードするポリヌクレオチドに相補的
な分子を発現し得るベクターを患者に投与し得る。
【0121】 更に別の実施態様では、生殖障害の処置又は予防のために、RECのアンタゴ
ニストを患者に投与し得る。そのような生殖障害としては、以下に限定するもの
ではないが、プロラクチン産生の異常;卵管の異常、***障害、及び子宮内膜症
を含む不妊症;性周期の異常、月経周期の異常、多嚢胞卵巣症候群、卵巣過剰刺
激症候群、子宮内膜及び卵巣の腫瘍、子宮筋腫、自己免疫異常、異所性妊娠、及
び奇形発生;乳癌、繊維嚢胞製乳腺症、及び乳汁漏出;***形成の異常、***の
異常、精巣の癌、前立腺癌、良性前立腺肥大症、前立腺炎、ペーロニー病、男性
の***の癌、及び女性化***症等を挙げることができる。或る実施態様では、R
ECに特異的に結合する抗体をアンタゴニストとして直接用いたり、或いはRE
Cが発現される細胞又は組織に薬物を送達するためのターゲティング又はデリバ
リー機構としてその抗体を間接的に用いることができる。
【0122】 別の実施態様では、限定するものではないが、上に列挙したものを含む生殖障
害の処置又は予防のために、RECをコードするポリヌクレオチドに相補的な分
子を発現し得るベクターを患者に投与し得る。
【0123】 別の実施態様では、胃腸疾患の処置又は予防のために、RECのアンタゴニス
トを患者に投与し得る。そのような胃腸疾患としては、以下に限定するものでは
ないが、嚥下困難、消化性食道炎、食道痙攣、食道狭窄症、食道癌、消化不良、
消化障害、胃炎、胃癌、食欲不振、悪心、嘔吐、胃不全麻痺、洞部又は幽門部の
浮腫、腹部アンギナ、胸焼け、胃腸炎、腸閉塞、腸管の感染症、消化性潰瘍、胆
石症、胆嚢炎、胆汁うっ滞、膵炎、膵臓癌、胆道疾患、ヘパトーム、感染性大腸
炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、ウィップル病、マロリー‐ヴァイス症候群、結
腸癌、結腸閉塞、過敏性腸症候群、下痢、便秘症、胃腸出血、及び後天性免疫不
全症候群(AIDS)腸症、硬変、黄疸、胆汁うっ滞、遺伝性高ビリルビン血症
、肝性脳症、肝腎症候群、肝炎、肝脂肪症、ヘモクロマトーシス、ウィルソン病
、α1-アンチトリプシン欠損症、ライ症候群、原発性硬化性胆管炎、肝梗塞、
門脈循環閉塞及び血栓、受動性うっ血、小葉中心壊死、肝静脈血栓、静脈閉塞症
、子癇前症、子癇、妊娠性急性脂肪肝、妊娠性肝臓内胆汁うっ滞、及び小結節過
形成、腺腫、及び癌腫を含む肝癌等を挙げることができる。或る実施態様では、
RECに特異的に結合する抗体をアンタゴニストとして直接用いたり、或いはR
ECが発現される細胞又は組織に薬物を送達するためのターゲティング又はデリ
バリー機構としてその抗体を間接的に用いることができる。
【0124】 別の実施態様では、限定するものではないが、上に列挙したものを含む胃腸疾
患の処置又は予防のために、RECをコードするポリヌクレオチドに相補的な分
子を発現し得るベクターを患者に投与し得る。
【0125】 更に別の実施態様では、神経障害の処置又は予防のために、RECのアンタゴ
ニストを患者に投与し得る。そのような神経障害としては、以下に限定するもの
ではないが、静座不能、アルツハイマー病、健忘症、筋萎縮性側索硬化症、双極
性障害、カタトニー、脳新生物、痴呆、うつ病、糖尿病性腎障害、ダウン症候群
、遅発性ジスキネジア、ジストニー、てんかん、ハンチントン舞踏病、末梢神経
疾患、多発性硬化症、神経線維腫症、パーキンソン病、妄想性精神病、帯状疱疹
後神経痛、精神***病、トゥーレット症状群等を挙げることができる。或る実施
態様では、RECに特異的に結合する抗体をアンタゴニストとして直接用いたり
、或いはRECが発現される細胞又は組織に薬物を送達するためのターゲティン
グ又はデリバリー機構としてその抗体を間接的に用いることができる。
【0126】 別の実施態様では、限定するものではないが、上に列挙したものを含む神経障
害の処置又は予防のために、RECをコードするポリヌクレオチドに相補的な分
子を発現し得るベクターを患者に投与し得る。
【0127】 更に別の実施態様では、平滑筋異常の処置又は予防のために、RECのアンタ
ゴニストを患者に投与し得る。そのような平滑筋異常としては、以下に限定する
ものではないが、口峡炎、アナフィラキシー性ショック、不整脈、喘息、心血管
ショック、クッシング症候群、高血圧症、低血糖症、心筋梗塞、片頭痛、クロム
親和性細胞腫、及び心筋障害、脳障害、てんかん、カーンズ‐セイヤ症候群、乳
酸性アシドーシス、ミオクロニー性障害、及び眼筋麻痺等の筋障害等を挙げるこ
とができる。平滑筋としては、以下に限定するものではないが、血管、胃腸管、
心臓、及び子宮の平滑筋等が挙げられる。或る実施態様では、RECに特異的に
結合する抗体をアンタゴニストとして直接用いたり、或いはRECが発現される
細胞又は組織に薬物を送達するためのターゲティング又はデリバリー機構として
その抗体を間接的に用いることができる。
【0128】 別の実施態様では、限定するものではないが、上に列挙したものを含む平滑筋
異常の処置又は予防のために、RECをコードするポリヌクレオチドに相補的な
分子を発現し得るベクターを患者に投与し得る。
【0129】 更に別の実施態様では、筋骨格異常の処置又は予防のために、RECのアンタ
ゴニストを患者に投与し得る。そのような筋骨格異常としては、以下に限定する
ものではないが、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィ
ー、筋緊張性ジストロフィー、筋中心軸病、ネマリンミオパシー、中心核ミオパ
シー、脂質ミオパシー、ミトコンドリアミオパシー、感染性節炎、多発性筋炎、
皮膚筋炎、封入体筋炎、甲状腺中毒性ミオパシー、及びエタノールミオパシー等
を挙げることができる。或る実施態様では、RECに特異的に結合する抗体をア
ンタゴニストとして直接用いたり、或いはRECが発現される細胞又は組織に薬
物を送達するためのターゲティング又はデリバリー機構としてその抗体を間接的
に用いることができる。
【0130】 別の実施態様では、限定するものではないが、上に列挙したものを含む筋骨格
異常の処置又は予防のために、RECをコードするポリヌクレオチドに相補的な
分子を発現し得るベクターを患者に投与し得る。
【0131】 別の実施例では、本発明のタンパク質、アンタゴニスト、抗体、アゴニスト、
相補的配列、又はベクターの何れかを、他の適切な薬剤と組み合わせて投与する
ことができる。当業者であれば、従来の薬学上の原理に基づいて併用療法で用い
るための適切な薬剤を選択することができよう。治療薬を組み合わせることによ
り、上述の様々な疾患の治療又は予防に効果を奏する相乗作用が得られる。この
方法を用いることにより、より低い用量の各薬剤で治療効果を上げることができ
、副作用が生ずる可能性を低下させることができる。
【0132】 RECのアンタゴニストは、周知の方法を用いて製造することができる。詳述
すると、精製されたRECを用いることによって、抗体を作り出したり、或いは
RECに特異的に結合するものを同定するために薬物のライブラリーをスクリー
ニングすることができる。RECに対する抗体も、周知の方法を用いて作り出す
ことができる。このような抗体としては、限定するものではないが、ポリクロー
ナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、Fabフラグメント
、及びFab発現ライブラリーから作られたフラグメントが含まれる。中和抗体
(即ち二量体形成を阻害するもの)は治療の用途に特に好適である。
【0133】 抗体を作り出すため、RECか、免疫学的特性を有するその断片或いはオリゴ
ペプチドを注射することによって、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス等の様々なホ
ストを免疫化することができる。免疫学的反応を増強するために、ホストの種に
応じた様々なアジュバントを用いることができる。そのようなアジュバントとし
ては、限定するものではないが、フロイントのアジュバント、水酸化アルミニウ
ムのような無機質ゲル、リゾレシチンのような界面活性物質、プルロニックポリ
オール(pluronic polyol)、ポリアニオン、ペプチド、油性乳剤、キーホール
リンペットヘモシアニン、並びにジニトロフェノール等が挙げられる。ヒトで使
用するアジュバントのなかでは、BCG(カルメット‐ゲラン杆菌)及びコリネ
バクテリウム−パルヴム(Corynebacterium parvum)が特に好適である。
【0134】 RECに対する抗体を誘発するために用いられるオリゴペプチド、ペプチド、
またはその断片は、好ましくは5個以上のアミノ酸、より好ましくは10個以上
のアミノ酸からなるアミノ酸配列を有する。またこれらの配列は、元のタンパク
質のアミノ酸配列の一部と同一であり、小形の自然発生の分子の全アミノ酸配列
を含んでいるのが好ましい。RECアミノ酸の短いストレッチを、キーホールリ
ンペットヘモシアニン(KLH)のような他のタンパク質のストレッチと融合し
、そのキメラ分子に対する抗体を産生させることができる。
【0135】 RECのモノクローナル抗体は、培地内の無制限増殖性細胞系(continuous c
ell line)に抗体分子を産生させる技術を用いて作製できる。このような技術と
して、限定するものではないが、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドー
マ技術、及びEBV−ハイブリドーマ技術等が挙げられる(例えば、Kohler, G.
他(1975) Nature 256:495-497;Kozbor, D.他 (1985) J. Immunol. Methods 81
:31-42;Cote, R.J.他 (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. 80:2026-2030;Cole, S
.P.他 (1984) Mol. Cell Biol. 62:109-120参照)。
【0136】 加えて、適切な抗原特異性並びに生物活性を有する分子を得るための、マウス
抗体遺伝子をヒト抗体遺伝子にスプライシングする技術のような「キメラ抗体」
の産生のために開発された技術を用いることができる(例えば、Morrison,S.L.
他(1984)Proc. Natl. Acad. Sci. 81:6851-6855;Neuberger, M.S.他(1984)
Nature 312:604-608;Takeda, S.他(1985)Nature 314:452-454参照)。或いは
、一本鎖抗体の生成のための周知技術を適用して、周知の方法によりRECに特
異的な一本鎖抗体を作り出すことができる。関連する特異性を有しているがイデ
ィオタイプの構成が異なる抗体は、無作為組み合わせ免疫グロブリンライブラリ
ーからの鎖再編成(chain shuffling)によって作り出すことができる(例えば
、Burton D.R.(1991) Proc. Natl. Acad. Sci. 88:11120-3参照)。
【0137】 また、文献(例えば、Orlandi, R.他(1989), Proc. Natl. Acad. Sci. 86:383
3-3837;Winter, G.他 (1991) Nature 349:293-299参照)に開示されているよう
に、高度に特異的な結合試薬のパネルや組換え免疫グロブリンライブラリーをス
クリーニングすることによって、或いはリンパ球集団でのin vivoの産生を誘導
することによって抗体を作り出すこともできる。
【0138】 RECに対する特異結合部位を含む抗体断片を作り出すこともできる。このよ
うな断片としては、以下に限定するものではないが、抗体分子のペプシンによる
消化で生成することができるF(ab′)2フラグメントや、F(ab′)2フラ
グメントのジスルフィド架橋を減らすことにより作り出すことができるFabフ
ラグメント等が挙げられる。或いは、所望の特異性を有するモノクローナルFa
bフラグメントを迅速かつ容易に同定できるように、Fab発現ライブラリーを
作製してもよい(例えば、Huse, W.D.他(1989)Science 256:1275-1281参照)
【0139】 様々なイムノアッセイを、所望の特異性を有する抗体を同定するためのスクリ
ーニングに利用することができる。確立された特異性を有するモノクローナル抗
体或いはポリクローナル抗体のいずれかを用いる競合的結合アッセイ或いはラジ
オイムノアッセイの、様々なプロトコルが当分野で周知である。このようなイム
ノアッセイでは、RECとその特異的抗体との複合体の形成量の測定を行う。2
つの互いに非干渉なエピトープに反応するモノクローナル抗体を用いる二部位モ
ノクローナル抗体ベースイムノアッセイ(two sites monoclonal based immunoa
ssay)が好適であるが、競合的結合アッセイを用いてもよい(Maddox, 前出)。
【0140】 本発明の別の実施例では、RECをコードするポリヌクレオチド、またはその
任意の断片や相補配列を、治療上の目的で用いることができる。或る実施態様で
は、mRNAの転写を阻害することが望ましいような状況において、RECをコ
ードするポリヌクレオチドに対する相補配列を用いることができる。詳述すると
、RECをコードするポリヌクレオチドに相補的な配列で細胞を形質転換するこ
とができる。従って、相補的分子または断片を用いて、RECの活性を変調、即
ち遺伝子の機能を調節することができる。このような技術は現在周知であり、セ
ンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド、若しくはより大きな断片は、REC
コーディング配列のコード領域や調節領域の様々な位置から設計することができ
る。
【0141】 レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペス或いはワクシニアウイルス由来の
発現ベクター、或いは種々の細菌性プラスミドに由来する発現ベクターを、標的
の器官、組織、または細胞群へのヌクレオチド配列の送達のために用いることが
できる。RECをコードする遺伝子のポリヌクレオチドに相補的な核酸配列を発
現するベクターは、当業者に周知の方法を用いて作製することができる(例えば
、Sambrook(前出)及びAusubel(前出)参照)。
【0142】 RECをコードするポリヌクレオチドまたはその断片を高レベルで発現する発
現ベクターで細胞または組織を形質転換することにより、RECをコードする遺
伝子を機能停止させることができる。このような作製物を用いて、翻訳不可能な
センス配列或いはアンチセンス配列を細胞に導入することができる。このような
ベクターは、DNAへ組み入れられない場合でも、そのベクターが内在性ヌクレ
アーゼにより破壊されるまでRNA分子の転写を続ける。このような一過性の発
現は、非複製ベクターでも1ヶ月以上、適当な複製エレメントがベクター系の一
部である場合には更に長い期間継続し得る。
【0143】 上述のように、RECをコードする遺伝子の制御領域、5′領域、または調節
領域(シグナル配列、プロモーター、エンハンサー、及びイントロン)に相補的
な配列、即ちアンチセンス分子(DNA、RNAまたはPNA)を設計すること
により遺伝子の発現の仕方を変えることができる。転写開始部位、例えば開始部
位の概ね+10〜−10の間の位置にある領域に由来するオリゴヌクレオチドが
好適である。同様に、三重らせん塩基対合法を用いて阻害を達成することができ
る。三重らせん対合が有用なのは、二重らせんがポリメラーゼ、転写因子、或い
は調節分子の結合のために十分にほどける能力を、それが阻害するからである。
三重らせんDNAを用いた最近の治療上の進歩については、文献に記載されてい
る(例えば、Huber, B.E.及びB.I. Carr, Molecular and Immunologic Approach es , Futura Publishing Co, Mt Kisco NYにおけるGee, J.E.他(1994)参照)。ま
た、転写物のリボソームへの結合を妨げてmRNAの転写を阻害するために、相
補的配列、即ちアンチセンス分子を設計することもできる。
【0144】 酵素性RNA分子であるリボザイムを、RNAの特異的切断を触媒するために
用いることもできる。リボザイムの作用機構では、リボザイム分子が相補的標的
RNAに配列特異的にハイブリダイズし、その後エンドヌクレアーゼによる切断
(endonucleolytic cleavage)がなされる。使用できるリボザイムの例として、
RECをコードする配列のエンドヌクレアーゼによる切断を特異的かつ効果的に
触媒し得る人工合成のハンマーヘッド型リボザイム分子がある。
【0145】 標的となり得るRNA内の特異的なリボザイム切断部位を、初めに、標的の分
子における配列GUA、GUU並びにGUCを含むリボザイム切断部位をスキャンするこ
とによって同定する。一旦同定されれば、切断部位を含む標的遺伝子の領域に対
応する15〜20個のリボヌクレオチドからなる短いRNA配列について、その
オリゴヌクレオチドの機能を停止させる2次構造の特徴を評価することができる
。候補の標的の適切性も、リボヌクレアーゼプロテクションアッセイ(ribonucl
ease protection assay)によって、相補的なオリゴヌクレオチドとのハイブリ
ダイゼーションについての接触性(accessibility)を測定することにより評価
することができる。
【0146】 本発明の相補的リボ核酸分子及びリボザイムは、核酸分子の合成のための周知
の方法により作製することができる。これらの技術としては、固相ホスホラミダ
イト化学合成法のようなオリゴヌクレオチドの化学合成技術等がある。或いは、
RNA分子は、in vivo及びin vitroでのRECをコードするDNA配列の転写
により作り出すことができる。このようなDNA配列は、T7或いはSP6のよ
うな適切なRNAポリメラーゼプロモーターを有する様々なベクターに組み入れ
ることができる。或いは、構成的RNAを合成するcDNA作製物を、細胞系、
細胞或いは組織内に導入することができる。
【0147】 RNA分子はその細胞内での安定性を高めたり、半減期を長くするために修飾
することができる。可能な修飾としては、限定するものではないが、その分子の
5′末端か3′末端、或いはその両方へのフランキング配列の付加や、分子のバ
ックボーン内でホスホジエステラーゼ結合ではなくホスホロチオネート(phosph
orothioate)或いは2′O−メチルを使用すること等が挙げられる。この方式(
concept)は本来PNAの作製において用いられるもので、以下のようにこれら
の分子全てに拡張することができる。即ち、内在性エンドヌクレアーゼにより容
易に認識されないアデニン、グアニン、シチジン、チミン、及びウリジンの、ア
セチル−、メチル−、チオ−形態、及び類似の形態の修飾によるだけでなく、イ
ノシン、キュエオシン(queosine)、及びワイブトシン(wybutosine)のような
従来あまり用いられなかった塩基を含めることによって、これら分子全てにこの
方式を拡張することができる。
【0148】 細胞或いは組織内にベクターを導入するための多くの方法が利用可能であり、
それらの方法は、in vivoin vitro、及びex vivoでの使用についても同様に適
している。ex vivo治療の場合には、患者から採取された幹細胞にベクターを導
入し、自家移植用にクローンとして増殖して同じ患者に戻す方法がある。またト
ランスフェクションによるデリバリー、リポソーム注入またはポリカチオンアミ
ノポリマーによるデリバリー(Goldman, C.K.他(1997) Nature Biotechnology 1
5:462-66; 引用により本明細書の一部とする)は、当分野で周知の方法を用いて
実施することができる。
【0149】 上述の治療法の何れも、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サル、及び
最も好ましくはヒトのような哺乳動物を含む、任意の適切な被験体に適用するこ
とができる。
【0150】 本発明の更に別の実施例では、上述の治療効果をあげるために、医薬品組成物
を医薬上許容される担体とともに投与する。このような医薬品組成物は、REC
、RECに対する抗体、RECの模擬体(mimetics)、アゴニスト、アンタゴニ
スト、又はインヒビターからなるものであり得る。この医薬品組成物は、単独で
、或いは例えば安定化剤のような1種以上の他の薬剤とともに、滅菌した生体適
合性の医薬用担体を用いて投与する。このような担体としては、限定はしないが
、生理食塩水、緩衝食塩水、ブドウ糖或いは水等が挙げられる。このような組成
物は、単体で、或いは他の薬剤やホルモンと組み合わせた形で患者に投与するこ
とができる。
【0151】 本発明で用いられる医薬品組成物の投与経路としては、以下に限定するもので
はないが、経口投与、静脈内投与、筋内投与、動脈内投与、髄内投与、髄腔内投
与、心室内投与、経皮投与、皮下投与、腹腔内投与、鼻腔内投与、経腸投与、局
所投与、舌下投与、或いは直腸内投与等が挙げられる。
【0152】 これらの医薬品組成物は、主成分に加えて、作用物質を医薬上使用可能な製剤
にするための処理を容易にする、賦形剤及び添加剤のような適切な医薬上許容さ
れる担体を含み得る。調合或いは投与に関する技術の詳細は、Remington's Phar maceutical Sciences (Maack Publishing Co, Easton PA)の最新版において見
ることができる。
【0153】 経口投与用の医薬品組成物は、当分野で周知の医薬上に許容される担体を用い
て適切な剤形に製することができる。このような担体により、この医薬品組成物
を、患者が服用するための、錠剤、丸剤、糖衣剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、
シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤等に製することができる。
【0154】 経口投与するための医薬製剤は、主成分と固形の賦形剤とを組み合わせた上で
、所望に応じて得られた混合物を粉砕し、錠剤或いは糖衣剤コア(dragee core
)を作るために、(所望に応じて粉砕した後に)顆粒の混合物を加工することに
よって得られる。必要ならば適切な添加剤を添加することができる。適切な添加
剤としては、ラクトース、スクロース、マンニトール或いはソルビトールを含む
砂糖のような糖質或いはタンパク質の賦形剤(filler)、トウモロコシ、コムギ
、コメ、ジャガイモ等のデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース或いはカルボキシルメチルセルロースナトリウムのようなセルロー
ス、アラビアゴム或いはトラガカントのようなゴム、並びにゼラチン或いはコラ
ーゲンのようなタンパク質がある。必要ならば、崩壊剤または可溶化剤、或いは
橋かけ結合したポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸ナトリウムのようなア
ルギン酸或いはアルギン酸ナトリウムのようなその塩を加えてもよい。
【0155】 糖衣剤コアは、濃縮砂糖溶液等により適切な錠皮を塗布して用いられる。錠皮
を作るための溶液としては、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カ
ルボポルゲル剤、ポリエチレングリコール、及び/または二酸化チタン、ラッカ
ー溶液及び適切な有機溶剤或いは溶剤混合物等が挙げられる。錠剤の識別のため
、或いは主成分の量即ち投与量を表示するために染料或いは色素を錠剤或いは錠
皮に加えてもよい。
【0156】 経口投与可能な製剤は、ゼラチンからなるプッシュフィットカプセル、ゼラチ
ンからなる柔軟な密封されたカプセル、並びにグリセロール或いはソルビトール
のような錠皮を有する。プッシュフィットカプセルは、ラクトース或いはでんぷ
んのような賦形剤或いは結合剤、タルク或いはステアリン酸マグネシウムのよう
な潤滑剤、並びに所望に応じて安定化剤と混合された主成分を含み得る。柔軟な
カプセルでは、主成分が、安定化剤とともに或いは安定化剤なしで、脂肪油、液
体パラフィン、液体ポリエチレングリコールのような適切な液体に溶解或いは懸
濁されている。
【0157】 非経口投与用の医薬製剤は、水溶液、好ましくはハンクス溶液、リンゲル溶液
或いは生理緩衝食塩水のような生理学的に適合性の緩衝液において配合すること
ができる。水性の注射用懸濁剤には、 例えばカルボキシルメチルセルロースナ
トリウム、ソルビトール或いはデキストランのような懸濁剤の粘性を高める物質
を含めることができる。更に、主成分の懸濁液は、適切な油性注射用懸濁剤とし
て調製することができる。適切な親油性の溶媒或いは担体としては、胡麻油のよ
うな脂肪油や、オレイン酸エチル、トリグリセリド或いはリポソームのような合
成脂肪酸エステルがある。脂質でないポリカチオンのアミノポリマーをデリバリ
ーのために用いることもできる。懸濁剤には、溶解度を高め濃縮度の高い溶液の
調製を可能にする適切な薬剤または安定剤を、所望に応じて加えることができる
【0158】 局所適用または経鼻粘膜投与用には、浸透される特定の障壁に対して適切な浸
透剤を用いて製する。このような浸透剤は、当技術分野において周知である。
【0159】 本発明の医薬品組成物は周知の方法、例えば従来通りの混合、溶解、顆粒化、
糖衣形成、微粒子化(levigating)、乳化、カプセル化、捕捉(entrapping)、
或いは凍結乾燥により製造される。
【0160】 この医薬品組成物は塩として提供することもでき、限定するものではないが塩
酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等を含む種々の酸とともに
形成することができる。塩は、水性或いはプロトニック溶剤において、対応する
フリーの塩基形態より可溶性が高くなる傾向がある。この他、好ましい製剤には
、pH4.5〜5.5の範囲にあって、使用前に緩衝剤を配合した、1mM〜5
0mMのヒスチジン、0.1%〜2%のショ糖、及び2%〜7%のマンニトール
の全てまたは何れかを含む凍結乾燥粉末がある。
【0161】 医薬品組成物は、調製した後に適切な容器内に入れ、さらに提示した状態の処
置に用いられるようにラベル付けすることができる。RECの投与の場合、この
ようなラベルには、投与の量、頻度、及び方法が表示される。
【0162】 本発明において使用するために適切な医薬品組成物は、有効成分を所望の目的
を達成するために有効な量含む組成物である。有効な量の決定は、当業者の能力
の範囲内で十分行うことができる。
【0163】 あらゆる化合物について、治療上有効な量は、初めに、新生物細胞、或いは通
常マウス、ウサギ、イヌ、ブタのような動物モデルの何れかの細胞培地のアッセ
イから推定することができる。この動物モデルを、適切な濃度範囲や投与経路を
決定するために用いることもできる。次に、このような情報を利用して、ヒトに
おける有効な量や投与経路を決定することができる。
【0164】 治療上有効な量とは、症状や状態を改善する有効成分、例えばRECまたはそ
の断片、RECの抗体、RECのアゴニスト、アンタゴニスト、またはインヒビ
ターの量である。そのような化合物の治療上の有効性及び毒性は、細胞培地にお
ける或いは実験動物を用いた標準的な薬学的手順によって、例えばED50(集
団の50%における治療上の有効量、50%有効量)及びLD50(集団の50
%の致死投与量)として決定することができる。毒性と治療有効性との間の投与
量の比は治療指数であり、LD50/ED50の比として表すことができる。大
きな治療指数を示す医薬品組成物が好ましい。これらの細胞培地のアッセイ及び
動物研究から得られるデータは、ヒトでの使用における投与量の範囲を決める際
に利用することができる。そのような化合物の投与量は、毒性がほとんど或いは
全くなく、ED50を達成する循環濃度の範囲内にあることが望ましい。投与量
は、用いられる剤形、患者の感受性並びに投与経路に応じてこの範囲内で変わっ
てくる。
【0165】 正確な投与量は、処置が必要な患者に関連する要因を考慮して担当医師が選択
する。用量及び投与は、主成分を十分なレベルだけ与え、かつ所望の効果を維持
するべく調節する。考慮すべき要素としては、疾病状態の重症度、患者の全身の
健康状態、患者の年齢、体重、並びに性別、食事、投与の時間及び頻度、併用す
る薬剤、反応感受性、並びに治療に対する耐性/反応等が挙げられる。長期的に
作用する医薬品組成物は、その特定の製剤のクリアランス率に応じて、3〜4日
毎に、1週間毎に、或いは2週間に1度投与することができる。
【0166】 通常の投与量は0.1〜100,000μgの範囲にあって、全投与量は最大
約1gであり、投与経路に応じて変わってくる。特定の投与量或いはデリバリー
方法に関する手引きは、当分野の実施者が通常入手できる文献に見出すことがで
きる。当業者であれば、ヌクレオチドでは、タンパク質やインヒビター用の剤形
とは異なる剤形を採用するであろう。同様に、ポリヌクレオチドまたはポリペプ
チドのデリバリーの方式は、特定の細胞、状態、位置等によって決まってくる。
【0167】 (診断) 別の実施例では、RECに特異的に結合する抗体を、RECの発現によって特
性化される疾病の診断、或いは、RECやRECのアゴニスト、アンタゴニスト
、またはインヒビターで治療を受けている患者のモニタリングのためのアッセイ
において用いることができる。診断のために有用な抗体は、上述の治療用のもの
と同一の方法で作り出すことができる。RECの診断アッセイとして、ヒトの体
液、細胞或いは組織の抽出物においてRECを検出するために抗体或いは標識を
利用する方法がある。この抗体は、修飾して用いても、修飾なしで用いてもよく
、共有結合または非共有結合の何れかでリポーター分子と結合させることにより
標識することができる。幾つかは上記したが種々のリポーター分子が知られてお
り、それを用いることができる。
【0168】 例えばELISA(酵素結合免疫測定法)、RIA(ラジオイムノアッセイ)
並びにFACS(蛍光表示式細胞分取器法)のようなRECを測定するための種
々のプロトコルが当分野では周知であり、これによってREC発現の変化や異常
を診断するための基礎が得られる。RECの発現の正常値、即ち標準値は、哺乳
動物、好ましくはヒトの正常な被験者から得られる体液或いは細胞抽出物とRE
Cの抗体とを、複合体形成に適した条件の下で結合させることによって確立する
。標準の複合体形成量は、様々な方法、好ましくは測光手段を用いることにより
定量することができる。被験者の生検組織の患部組織サンプル及び対照サンプル
において発現されたRECの量を、標準値と比較する。標準値と被験者の値との
偏差から、疾病の診断のためのパラメータを確立する。
【0169】 本発明の別の実施例では、RECをコードするポリヌクレオチドを診断目的で
用いることができる。使用できるポリヌクレオチドとしては、オリゴヌクレオチ
ド配列、相補的RNA及びDNA分子、及びPNA等がある。このポリヌクレオ
チドは、RECの発現が疾病と関係がある可能性がある生検組織における遺伝子
発現を検出し、定量するために用いられる。診断アッセイは、RECが存在する
状態か、存在しない状態か、過剰発現している状態の何れの状態にあるかを区別
したり、治療的な介入においてRECレベルの調節をモニタリングするために利
用することができる。
【0170】 或る実施態様では、RECまたは近縁な分子をコードする、ゲノム配列を含む
ポリヌクレオチド配列を検出できるPCRプローブとのハイブリダイゼーション
を利用して、RECをコードする核酸配列を同定することができる。そのプロー
ブの特異性、即ちそのプローブが非常に高度に特異的な領域(例えば5′調節領
域における10個の独特のヌクレオチド)、或いは特異性の低い領域(例えば特
に3′コーディング領域)の何れに由来するのかということ、及びハイブリダイ
ゼーション或いは増幅の(高い、中程度の或いは低い)ストリンジェンシーによ
り、そのプローブが自然発生RECのみを同定するものであるか、或いはアレル
配列や近縁な配列も同定するものであるかが決まる。
【0171】 プローブは、近縁な配列を検出するためにも用いることができ、好ましくは、
RECをコードする任意の配列に基づくヌクレオチドを少なくとも50%含むべ
きである。本発明のハイブリダイゼーションプローブは、DNAまたはRNAで
あり得、また配列番号:17〜32の配列か、自然発生REC遺伝子のイントロ
ン、プロモータ、及びエンハンサーエレメントを含むゲノムの配列に由来するも
のであり得る。
【0172】 RECをコードするDNAに対して特異的なハイブリダイゼーションプローブ
を作製するための手段としては、RECやREC誘導体をコードする核酸配列を
、mRNAプローブ生成のためのベクターにクローン化する方法がある。このよ
うなベクターは周知で市販されており、適切なRNAポリメラーゼや適切な標識
ヌクレオチドを付加することによりin vitroでのRNAプローブ合成のために用
いることができる。ハイブリダイゼーションプローブは様々なリポータ分子によ
り標識することができる。例えば、32Pや35Sのような放射性核種により、アビ
ジン/ビオチン結合系を介してプローブに結合するアルカリホスファターゼのよ
うな酵素標識等により標識することができる。
【0173】 RECをコードするポリヌクレオチド配列を、RECの発現に関連する疾患の
診断のために用いることができる。そのような疾患の例としては、以下に限定す
るものではないが、 例えば、腺癌、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫、奇形癌腫、具体的
には、副腎、膀胱、骨、骨髄、脳、***、子宮頚、胆嚢、神経節、胃腸管、心臓
、腎臓、肝臓、肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚
、脾臓、精巣、胸腺、甲状腺、及び子宮の癌等の新生物疾患; 例えば、後天性免疫不全症候群(AIDS)、アジソン病、成人呼吸窮迫症候
群、アレルギー、強直性脊椎炎、アミロイド沈着症、貧血症、喘息、アテローム
性硬化症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、気管支炎、胆嚢炎、接
触性皮膚炎、クローン病、アトピー性皮膚炎、皮膚筋炎、糖尿病、肺気腫、リン
パ球毒素性一時性リンパ球減少症、胎児赤芽球症、結節性紅斑、萎縮性胃炎、腎
炎、グッドパスチャー症候群、痛風、グレーブス病、橋本甲状腺炎、過好酸球増
加症、過敏性腸症候群、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋炎又は心膜炎、変形
性関節炎、骨粗鬆症、膵炎、多発性筋炎、乾癬、ライター症候群、リウマチ性関
節炎、強皮症、シェーグレン症候群、全身性アナフィラキシー、全身性エリテマ
トーデス、全身性硬化症、血小板減少性紫斑病、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、ウ
ェルナー症候群、及び癌と血液透析と体外循環の合併症;ウイルス感染、細菌感
染、真菌感染、寄生虫感染、原虫感染、及び蠕虫感染;及び外傷等の免疫学的疾
患; 例えば、プロラクチン産生の異常;卵管の異常、***障害、及び子宮内膜症を
含む不妊症;性周期の異常、月経周期の異常、多嚢胞卵巣症候群、卵巣過剰刺激
症候群、子宮内膜及び卵巣の腫瘍、子宮筋腫、自己免疫異常、異所性妊娠、及び
奇形発生;乳癌、繊維嚢胞製乳腺症、及び乳汁漏出;***形成の異常、***の異
常、精巣の癌、前立腺癌、良性前立腺肥大症、前立腺炎、ペーロニー病、男性の
***の癌、及び女性化***症等の生殖傷害; 例えば、嚥下困難、消化性食道炎、食道痙攣、食道狭窄症、食道癌、消化不良
、消化障害、胃炎、胃癌、食欲不振、悪心、嘔吐、胃不全麻痺、洞部又は幽門部
の浮腫、腹部アンギナ、胸焼け、胃腸炎、腸閉塞、腸管の感染症、消化性潰瘍、
胆石症、胆嚢炎、胆汁うっ滞、膵炎、膵臓癌、胆道疾患、ヘパトーム、感染性大
腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、ウィップル病、マロリー‐ヴァイス症候群、
結腸癌、結腸閉塞、過敏性腸症候群、下痢、便秘症、胃腸出血、及び後天性免疫
不全症候群(AIDS)腸症、硬変、黄疸、胆汁うっ滞、遺伝性高ビリルビン血
症、肝性脳症、肝腎症候群、肝炎、肝脂肪症、ヘモクロマトーシス、ウィルソン
病、α1-アンチトリプシン欠損症、ライ症候群、原発性硬化性胆管炎、肝梗塞
、門脈循環閉塞及び血栓、受動性うっ血、小葉中心壊死、肝静脈血栓、静脈閉塞
症、子癇前症、子癇、妊娠性急性脂肪肝、妊娠性肝臓内胆汁うっ滞、及び小結節
過形成、腺腫、及び癌腫を含む肝癌等の胃腸疾患; 例えば、静座不能、アルツハイマー病、健忘症、筋萎縮性側索硬化症、双極性
障害、カタトニー、脳新生物、痴呆、うつ病、糖尿病性腎障害、ダウン症候群、
遅発性ジスキネジア、ジストニー、てんかん、ハンチントン舞踏病、末梢神経疾
患、多発性硬化症、神経線維腫症、パーキンソン病、妄想性精神病、帯状疱疹後
神経痛、精神***病、トゥーレット症状群等の神経障害; 例えば、口峡炎、アナフィラキシー性ショック、不整脈、喘息、心血管ショッ
ク、クッシング症候群、高血圧症、低血糖症、心筋梗塞、片頭痛、クロム親和性
細胞腫、及び心筋障害、脳障害、てんかん、カーンズ‐セイヤ症候群、乳酸性ア
シドーシス、ミオクロニー性障害、及び眼筋麻痺等の筋障害等の平滑筋異常;及
び、 例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、筋
緊張性ジストロフィー、筋中心軸病、ネマリンミオパシー、中心核ミオパシー、
脂質ミオパシー、ミトコンドリアミオパシー、感染性節炎、多発性筋炎、皮膚筋
炎、封入体筋炎、甲状腺中毒性ミオパシー、及びエタノールミオパシー等の筋骨
格異常を挙げることができる。RECをコードするポリヌクレオチド配列を、患
者の組織や体液を利用する、サザンブロット法或いはノーザンブロット法、ドッ
トブロット法或いは他の膜をベースにした技術や、PCR技術、ディップスティ
ック試験法(試験紙法)、ピン技術、及びELISAアッセイや、或いはマイク
ロアレイにおいて用いることによって、REC発現の変化を検出することができ
る。このような定性的或いは定量的試験法は当分野では公知である。
【0174】 特定の実施態様では、特に上に列挙したもののような関連疾患の存在を検出す
るアッセイにおいてRECをコードするヌクレオチド配列が有用であり得る。R
ECをコードするヌクレオチド配列を標準的な方法で標識し、ハイブリダイゼー
ション複合体の形成に適した条件の下で患者の体液や組織サンプルに加えること
ができる。適当なインキュベーション時間の経過後、このサンプルを洗浄し、シ
グナルを定量して標準値と比較する。生検サンプルまたは抽出サンプルにおける
シグナルの量が、比較できる対照サンプルのシグナル量と有意に異なっている場
合、このヌクレオチド配列はサンプルのヌクレオチド配列とハイブリダイズして
おり、サンプルのなかのRECをコードするヌクレオチド配列のレベルの変化が
生じていることは、関連する疾患の存在を示している。このようなアッセイは、
動物実験、臨床試験、または個々の患者の治療のモニタリングにおいて特定の治
療上の処置の有効性を評価するために用いることもできる。
【0175】 RECの発現に関連する疾病の診断の基礎とするために、正常な、即ち標準の
発現プロフィールを確立する。この標準プロフィールは、動物或いはヒト何れか
の正常な被験者から採取された体液或いは細胞の抽出物を、ハイブリダイゼーシ
ョン或いは増幅に適した条件下でRECをコードする配列又はその断片と結合す
ることにより確立し得る。標準のハイブリッド形成量は、既知の量の実質的に精
製されたRECが用いられる実験で得られる値と、正常被験者で得られる値とを
比較することにより定量することができる。正常なサンプルから得られた標準値
は、疾病の症状を呈する患者のサンプルから得られる値と比較することができる
。標準値と被験者値との偏差を用いて疾病の存在を確認する。
【0176】 一旦疾患が確認され、治療プロトコルが開始されると、ハイブリダイゼーショ
ンアッセイを定期的に反復して行って、患者における発現のレベルが正常な患者
において観察されるレベルに近づき始めたか否かを評価することができる。継続
的なアッセイから得られる結果を用いて、数日間或いは数ヶ月にわたる期間での
治療の効果を知ることができる。
【0177】 癌については、患者の生検組織において転写物が比較的多量に存在することが
、疾病の発生の素因を示す。つまり実際の臨床的症状が現れる前に疾病を検出す
る手段となり得る。このタイプの確定診断により、医療従事者が予防的処置を講
じたり、より早期に積極的な治療を開始し、癌の発生や更なる進行を予防するこ
とが可能となる。
【0178】 RECをコードする配列から設計されたオリゴヌクレオチドの別の診断目的の
使用法では、PCR法での利用があり得る。このようなオリゴマーは化学的に合
成したり、酵素を用いて作製したり、或いはin vitroで作製することができる。
オリゴマーは、好ましくは、RECをコードするポリヌクレオチドの断片又はR
ECをコードするポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドを含み、特定の
遺伝子或いは状態を特定するために最適な条件下で用いられる。また、オリゴマ
ーは、近縁なDNAまたはRNA配列の検出または定量のため低い厳密さ条件の
下で用いることもできる。
【0179】 RECの発現を定量するために用いることができる方法として、放射標識(ra
diolabeling)或いはビオチン標識したヌクレオチドの利用、対照の核酸の同時
増幅(coamplification)の利用、並びに実験結果を補完して引かれた標準のグ
ラフ曲線の利用等がある(例えば、Melby, P.C.他(1993) J. Immunol. Methods,
159:235-44;Duplaa, C.他(1993) Anal. Biochem. 229-236参照)。多数のサン
プルの定量では、目的のオリゴマーが複数の希釈溶液中に存在し、分光光度計を
用いたり比色定量により迅速に定量することができるようなELISA形式のア
ッセイを行うことによって一層定量のスピードを上げることができる。
【0180】 別の実施例では、ここに開示するポリヌクレオチド配列の何れかに由来するオ
リゴヌクレオチドまたはより大形の断片を、マイクロアレイにおけるターゲット
(標的)として用いることができる。マイクロアレイを用いることにより、多く
の遺伝子の発現レベルを同時にモニタし(転写物イメージを生成する)、また遺
伝子の変異体、変異及び多型を同定することができる。この情報は、遺伝子の機
能の決定や、疾病の遺伝的な基礎の理解、疾病の診断、及び治療薬の開発やその
活性のモニタリングのために利用することができる。
【0181】 マイクロアレイを準備し、周知の方法を用いて解析してもよい(例えば、Bren
nan, T.M.ら(1995)米国特許No. 5,474,796; Schena, M.ら (1996) Proc. Natl.
Acad. Sci. 93: 10614-10619; Baldeschweilerら, (1995) PCT出願WO95/251116;
Shalon, Dら(1995) PCT出願WO95/35505; Heller, R.A.ら(1997) Proc. Natl. A
cad. Sci. 94:2150-2155; Heller, M.J.ら(1997)米国特許No. 5,605,662参照)
【0182】 本発明の別の実施例では、RECをコードする核酸配列を用いて、自然発生の
ゲノム配列マッピングのために有用なハイブリダイゼーションプローブを作り出
すこともできる。この配列は、特定の染色体、染色体の特定の領域、又は人工染
色体作製物にマッピングし得る。人工染色体作製物としては、例えばヒト人工染
色体(HACs)、酵母菌人工染色体(YACs)、細菌人工染色体(BACs
)、細菌性P1作製物又は単染色体cDNAライブラリー等がある(例えば、Pr
ice, C.M. (1993) Blood Rev. 7:127-134, 及びTrask, B.J. (1991) Trends Gen
et. 7:149-154参照)。
【0183】 蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)は、他の物理的染色体マッ
ピング技術及び遺伝子地図データと相互関係を有し得る(Meyers, R. A. (ed.)
Molecular Biology and Biotechnology, VCH Publishers New York, NY, pp. 96
5-968に記載のHeinz-Ulrichら (1995)参照)。遺伝子地図データの例は、種々の
科学誌や、Online Mendelian Inheritance in Man(OMIM)に見ることができる
。物理的染色体地図上でのRECをコードする配列の位置と特定の疾病(または
特定の疾病の素因)との相関関係を助けとして、或る遺伝病に関連するDNAの
領域を決定することができる。本発明のヌクレオチド配列を用いて、正常者、キ
ャリア、または患者の遺伝子配列の違いを検出することができる。
【0184】 染色体調製物のin situハイブリダイゼーションや、確立された染色体マーカ
ーを用いる連鎖解析のような物理的マッピング技術を、遺伝子地図を拡大するた
めに用いることができる。多くの場合、特定のヒト染色体の数やアームが未知で
あっても、マウスのような別の哺乳動物の染色体上の遺伝子配置から、関連する
マーカーがわかる。新たな配列は、物理的マッピングにより染色体のアームまた
はその一部へ割当てることができる。これにより、位置クローニング或いは他の
遺伝子発見技術を用いて疾病遺伝子を調査する研究者に貴重な情報を提供するこ
とができる。例えば毛細血管拡張性運動失調(AT)が11q22-23に位置決定された
ように(例えば、Gatti, R.A.他(1988)Nature 336:577-580参照)、一旦疾患
或いは症候群が特定のゲノム領域に粗く位置決定されたならば、その領域にマッ
ピングされる任意の配列は、さらなる研究のための関連する遺伝子、或いは調節
遺伝子を表し得ることになる。本発明のヌクレオチド配列を、転座、逆位等によ
って生じた、正常者、キャリア、及び患者の間の染色体の位置の違いを検出する
ために用いることもできる。
【0185】 本発明の別の実施例では、RECや、その触媒作用性または免疫原性断片、オ
リゴペプチドを、様々な薬物スクリーニング技術において化合物のスクリーニン
グのために用いることができる。このようなスクリーニングにおいて用いられる
断片は、溶液に遊離した形態で存在するか、固体支持体へ付着した形態で存在す
るか、細胞表面へ付着した形態で存在するか、或いは細胞内に存在するものであ
り得る。RECと試験対象の薬剤との結合複合体形成を測定することができる。
【0186】 別の薬物スクリーニング技術によって、対象のタンパク質に対する適切な結合
親和性を有する化合物の高スループットのスクリーニングを行うことができる(
例えば、Geysenら (1984) PCT出願WO84/03564参照)。この方法では、RECに
適用する場合、多数の異なる小形の試験対象の化合物を、プラスチックピン或い
は他の表面のような固体基板上で合成する。この試験対象の化合物をREC又は
その断片と反応させ、洗浄する。次に結合したRECを当分野で周知の方法によ
り検出する。また、前述の薬物スクリーニング技術において使用するために、精
製したRECをプレート上に直接コーティングすることもできる。或いは、非中
和抗体を用いてペプチドを捕捉し、固体支持体上に固定することができる。
【0187】 別の実施例では、RECに結合し得る中和抗体が、RECとの結合について試
験対象の化合物と特異的に競合する競合的薬物スクリーニングアッセイを用いる
ことができる。この方法では、抗体を用いて、RECの1または2以上の抗原決
定基を共通に有する任意のペプチドの存在を検出することができる。
【0188】 更に別の実施例では、現在までに開発されていない分子生物学上の技術であっ
ても、その新技術がヌクレオチド配列の現在までに知られている特性(例えば、
以下に限らないが、トリプレット遺伝暗号及び特異的塩基対合のような特性)に
基づく技術であるならば、その技術においてRECをコードするヌクレオチド配
列を用いることができる。
【0189】 以下の実施例は、本発明の単なる例示であり、本発明をこの実施例に限定しよ
うとするものではない。
【0190】
【実施例】
1 cDNAライブラリーの作製組織の説明) TBLYNOT01ライブラリーを、白血病細胞系を起源とするT−Bリンパ芽球のハ
イブリッドから単離されたRNAを用いて、Stratagene社において作製(STR937
214)した。
【0191】 HNT2NOT01ライブラリーを、発達の初期段階における委任ニューロン前駆体(c
ommitted neuronal precursor)の特性を示すヒト奇形癌腫に由来するhNT2細胞
系から単離されたRNAを用いて、Stratagene社において作製(STR937230)し
た。
【0192】 PROSTUT05ライブラリーを、年齢69歳の白人男性から採取された前立腺癌組
織から単離されたポリA RNAを用いて作製した。病変は、腺線維筋腫性過形
成及び腺癌(グリーソングレード3及び4)を示していた。腫瘍は皮膜に浸潤し
ていたが、それを越えて伸びてはいなかった。即ち、神経周囲浸潤が存在した。
この患者は、前立腺特異的抗原濃度の上昇を示していた。患者の既往症には、脚
静脈の閉塞、結腸の憩室、部分的結腸切除術が含まれていた。家族歴には、心血
管疾患、多発性骨髄腫、高脂血症、及びリウマチ性関節炎が含まれていた。
【0193】 BRSTNOT05ライブラリーを、年齢58歳の白人女性から採取した非腫瘍性***
組織から単離されたポリA RNAを用いて作製した。関連腫瘍組織の病変は、
多中心性浸潤性グレード4小葉癌を示していた。患者の既往症には、皮膚癌、リ
ウマチ性心疾患、変形性関節炎、及び結核が含まれていた。家族歴には、脳血管
及び心血管疾患、乳癌及び前立腺癌、及びI型糖尿病が含まれていた。
【0194】 THYRNOT03ライブラリーを、年齢28歳の白人女性から採取した甲状腺組織か
ら単離されたポリA RNAを用いて作製した。病変は、小胞状腺種に関連する
腺腫状過形成を示していた。患者の既往症には、非閉塞性乳汁漏出症、貧血症、
及び単純高コレステロール血症が含まれていた。家族歴には、高脂血症、皮膚癌
、及び神経症性うつ病が含まれていた。
【0195】 LUNGNOT14ライブラリーを、肺区域切除術の際に年齢47歳の白人男性から採
取された非腫瘍性肺組織から単離されたポリA RNAを用いて作製した。関連
する腫瘍の病変は、グレード4腺癌及び石灰化肉芽腫性炎を示していた。患者の
既往症には、良性高血圧症及び慢性閉塞性肺疾患が含まれていた。家族歴には、
心血管疾患及びII型糖尿病が含まれていた。
【0196】 CONNNOT01ライブラリーを、部分的結腸切除術の際に年齢71歳の白人男性か
ら採取された腸間膜脂肪から単離されたポリA RNAを用いて作製した。患者
の既往症には、憩室症及び憩室炎、胆嚢摘出術、ウイルス性肝炎、及び血管腫が
含まれていた。この患者はTegretol(カルバマゼピン)を服用していた。家族歴
には、心血管疾患及び外因性喘息が含まれていた。
【0197】 KERANOT02ライブラリーを、ヒト***ケラチノサイト細胞系(NHEK, Clontech
)から単離されたポリA RNAを用いて作製した。
【0198】 BEPINOT01ライブラリーを、年齢54歳の白人男性に由来する気管支上皮初代
細胞系(primary cell line)(NHBE, Clontech)から単離されたポリA RN
Aを用いて作製した。
【0199】 BRSTNOT07ライブラリーを、年齢43歳の白人女性から採取された非腫瘍性乳
房組織から単離されたポリA RNAを用いて作製した。病変は、上皮過形成、
乳頭腫症、及び管拡張と共に軽度の増殖性線維形成の変化を示していた。関連腫
瘍組織は、広範な面疱壊死を伴う浸潤性・グレード4乳腺癌を示していた。家族
歴には、心血管疾患;てんかん、及びII型糖尿病が含まれていた。
【0200】 OVARNOT03ライブラリーを、年齢43歳の白人女性から採取された非腫瘍性卵
巣組織から単離されたポリA RNAを用いて作製した。関連腫瘍組織の病変は
、グレード2免疫性嚢胞腺癌を示していた。患者の既往症には、僧帽弁障害、肺
炎、及びウイルス性肝炎が含まれていた。家族歴には、脳血管及び心血管疾患、
及び膵臓癌、乳癌及び子宮癌が含まれていた。
【0201】 OVARNOT02ライブラリーを、心筋梗塞で死亡した年齢59歳の白人女性から採
取された卵巣組織から単離されたポリA RNAを用いて作製した。患者の既往
症には、心血管疾患、高コレステロール血症、高血圧症、及び関節炎が含まれて
いた。
【0202】 ADRETUT06ライブラリーを、年齢57歳の白人女性から採取された副腎腫瘍組
織から単離されたポリA RNAを用いて作製した。病変は、クロム親和性細胞
腫を示していた。患者の既往症には、脳血管及び心血管疾患、I型糖尿病、逆流
性食道炎、及び関節痛が含まれていた。家族歴には、心血管疾患、I型糖尿病、
腎不全、及び皮膚癌が含まれていた。
【0203】 THYMFET02ライブラリーを、妊娠17週目に無脳症で死亡した白人女子の胎児
から採取された胸腺組織から単離されたポリA RNAを用いて作製した。
【0204】 SKINNOT04ライブラリーを、生検及び切除の際に年齢70歳の白人女性から採
取された***皮膚組織から単離されたポリA RNAを用いて作製した。関連腫
瘍の病変は、浸潤性グレード3腺癌を示していた。
【0205】 (mRNAの単離及びライブラリーの作製) RNAはClontech(Palo Alto, CA)から購入したか、或いは上述の組織から
インサイト社において単離した。この組織をフェノール、グアニジンイソチオシ
アネート、又は適切な変性剤の混合物、例えばTrizol試薬(Life Technologies
)、フェノールとグアニジンイソチオシアネートの単一組成細胞の溶液において
ホモジナイズし、溶解し、抽出した。RNAを単離するため、溶解物を塩化セシ
ウムクッション上で遠心分離にかけ、クロロホルムと混合し(1:5 v/v)、水相
において回収し、イソプロパノールで沈殿させた。或いは、溶解物をアガロース
ゲルを通して電気泳動し、そのRNAをWhitman P81ペーパー(Whitman, Lexing
ton MA)を用いて回収し、溶出させた。溶出したRNAを酢酸ナトリウム及びエ
タノールを用いて沈殿させた。沈殿物をRNアーゼの無い水に再懸濁した。幾つ
かのライブラリーについてはRNAをDNアーゼで処理した。他のライブラリー
については、フェノールによる抽出及び沈殿を反復した。大部分のライブラリー
について、ポリ(A+)RNAを、オリゴd(T)が結合した常磁性粒子(Prom
ega)、Oligotex resin又はOligotex kit(QIAGEN Inc. Chatsworth, CA)、又
はStratagene RNA Isolation kitを用いて単離した。或いは、Ambion PolyA Qui
ck kit(Ambion. Austin, TX)を用いてRNAを組織の溶解物から直接単離した
【0206】 これらのcDNAライブラリーはUNIZAPベクター(Stratagene)又はSUPERSCR
IPTプラスミドシステム(Life Technologies)における、公知の方法(Ausubel,
前出, units 5.1-6.6)に基づく推奨された手順に従ってStratagene又はインサ
イト社において合成し作製した。或いは、cDNAライブラリーを、インサイト
社によって提供されたRNAを用いてStratagene社が作製した。逆転写は、オリ
ゴd(T)又はランダムプライマーを用いて開始させた。2本鎖のcDNAに合
成オリゴヌクレオチドアダプターを連結し、そのcDNAを適切な制限酵素で消
化した。大部分のライブラリーについて、cDNAを、Sephacryl S 1000又はSe
pharose CL2B又はCL4Bカラムクロマトグラフィー(Amersham Pharmacia Biotech
)又は分離用アガロースゲル電気泳動法を用いてサイズ選択した(300〜10
00bp)。cDNAを、適切なプラスミド、例えばpBLUESCRIPT(Stratagene
)、pSPORT 1(Life Technologies)、pINCY1(Incyte Pharmaceuticals Inc. P
alo Alto, CA)のポリリンカーの適合性の制限酵素部位に連結した。pINCY1はJM
109細胞において増幅し、QiaQuickカラム(QIAGEN Inc)を用いて精製した。組
み換えたプラスミドは、コンピテントな大腸菌細胞、例えばXL1-Blue、XL1-Blue
MRF、又はSOLR(Stratagene)又はDH5α、DH10B、又はElectroMAX DH10B (Life Technologies)に形質転換した。
【0207】 2 cDNAクローンの単離及び配列決定 プラスミドは、in vivo切除(UniZAP vector system, Stratagene)により、
若しくは細胞の溶解により宿主細胞から回収した。プラスミドはMAGIC MINIPREP
S DNA purification system(Promega, Madison, WI);Miniprep kit(Advance
d Genetic Technologies Corporation, Gaithersburg, MD);QIAwell-8 Plasmi
d、QIAwell PLUS DNA、又はQIAwell ULTRA DNA purification systems;又はREA
L Prep 96 plasmid kit(QIAGEN Inc)を推奨プロトコルに従って用いて精製し
た。沈殿させた後、プラスミドを0.1mLの蒸留水に再懸濁し、凍結乾燥して
或いは凍結乾燥しないで4℃で保管した。
【0208】 或いは、プラスミドDNAを、高スループット形式でダイレクトリンクPCR
(Rao, V.B. (1994) Anal. Biochem. 216:1-14)を用いて宿主細胞溶液から増幅
した。宿主細胞の溶解及びサーマルサイクリングステップは、1つの反応混合物
において行った。サンプルを処理し、384穴プレート(Genetix Ltd, Christc
hurch UK)に保管し、増幅したプラスミドDNAの濃度は、Pico Green Dye(Mo
lecular Probes, Eugene OR)及びFluoroscan II蛍光スキャナ(Labsystems Oy,
Helsinki, Finland)を用いて蛍光定量的に定量した。
【0209】 3 配列決定及び解析 このcDNAは、ABI Catalyst 800(Perkin Elmer)又はHamilton Micro Lab
2200(Hamilton, Reno, NV)の何れかを、Peltier Thermal Cyclers(PTC200;
MJ Research, Watertown MA)と組合わせて用いて配列決定するために調製した
。このDNAの配列決定は、標準的なABI protocols及びキットを用いてSanger
ら(1975; J. Mol. Biol. 94:441f)の方法によってABI373又は377 DNA Sequenc
ing systems(Perkin Elmer)上で行った。別の方法として、cDNAを、Amers
ham Pharmacia Biotech製の溶液及び色素を用いて配列決定することができた。
リーディングフレームは標準的な方法(Ausubel, 前出)を用いて決定した。
【0210】 これらのcDNAの配列は、表1の最終列のインサイト社クローン番号によっ
て示されており、配列表に開示された完全長ヌクレオチド及びアミノ酸配列は、
以下のプログラム(又はアルゴリズム)及びデータベースの幾つかを用いて解析
し特性化した。PFAMについては、スコア>11が有意な相関度を示し、この値が
大きくなるほど、問い合わせ配列のタンパク質ファミリーのメンバーに対する相
同性はより大きくなる。配列表に開示されたシグナル配列(SIGPEPT)、膜貫通
ドメイン(TM)及び受容体を特定及び確認するために用いられたHMMモデルは
、LIFESEQデータベース(Incyte Pharmaceuticals, Palo Alto CA)及びSwissPr
otデータベースからの注釈付きの配列を用いて開発された。BLAST及び積スコア
の導出法は後述の実施例4に記載されている。
【0211】
【表1】
【0212】 4 ノーザン法による解析 ノーザン法解析は、遺伝子の転写物の存在を検出するために用いられる実験技
術であり、標識されたヌクレオチド配列と、特定の細胞タイプまたは組織のRN
Aが結合しているメンブランとのハイブリダイゼーションを行う(Sambrook, 前
出, ch. 7)。
【0213】 BLASTに適用する類似のコンピュータ技術を用いて、GenBank又はLIFESEQTM
ータベース(インサイト社)のようなヌクレオチドデータベースにおいて同一の
又は近縁な分子を検索する。この解析にかかる時間は、複数回の膜をベースにし
たハイブリダイゼーションより非常に短時間である。加えて、特定の一致が正確
な一致に分類されるか、或いは類似なものに分類されるかを決定するべく、コン
ピュータ検索の感度を変えることができる。
【0214】 検索の基準値は、積スコア(product score)であり、これは以下の式で定義
されるものである。 (配列の一致(%)×最大BLASTスコア(%))/100 この積スコアでは、2つの配列間の類似性の程度、及び配列の長さの一致の双方
が考慮される。例えば、積スコアが40の場合は、一致は誤差が1〜2%の範囲
で正確であり、スコアが70の場合は正確に一致している。類似な分子は、通常
積スコアとして15〜40を示すものを選択することにより同定されるが、これ
よりスコアの低いものは近縁な分子として同定される。
【0215】 ノーザン法による解析の結果は、RECをコードする転写物が発生するライブ
ラリーのリストとして報告される。存在量(abundance)及びパーセント存在率
(percent abundance)も報告される。存在量は、cDNAライブラリーに特定
の転写物が存在する回数を直接的に反映し、パーセント存在率は、存在量をcD
NAライブラリーにおいて検出された配列の総数で除したものである。
【0216】 5 RECをコードする配列の延長 インサイト社クローンNo. 044150、266775、843183、965938、1441620、15109
11、2022379、2024312、2057886、2121924、2122815、2132179、2326441、28258
26、2936050、及び3428945の核酸配列を用いて、部分的ヌクレオチド配列を完全
長まで伸長させるためのオリゴヌクレオチドプライマーを設計した。一方のプラ
イマーはアンチセンス方向の延長を開始するために合成し、他方のプライマーは
センス方向に配列を延長するために合成した。これらのプライマーを用いて、既
知のREC配列を「外側に」延長し、興味の対象の領域の新しい未知のヌクレオ
チド配列を含むアンプリコンを生成した。初めのプライマーは、OLIGO 4.06(Na
tional Biosciences, Plymouth, MN)、或いは他の適切なプログラムを用いて設
計したもので、約22個から約30個のヌクレオチドからなる長さで、50%以
上のGC含量を有し、かつ約68〜約72℃の温度で標的配列にアニールするよ
うに設計した。ヘアピン構造及びプライマー−プライマー二量体化を生じるよう
なあらゆるヌクレオチドのストレッチは除いた。
【0217】 選択されたヒトcDNAライブラリー(Life Technologies)を用いて、この
配列を延長した。2段階以上の延長が必要または望ましい場合は、既知領域をさ
らに延長するための追加のプライマーの組を設計する。
【0218】 XL-PCRキット(Perkin Elmer)の説明書の指示に従って、酵素と反応混合物と
を徹底的に混合することにより、高い忠実度の増幅がなされる。40pmolの
各プライマーと、推奨された濃度のキットの他の全ての成分とから増幅を開始す
る場合、Peltier Thermal Cycler(PTC200;M.J. Reserch, Watertown MA)を用
いて、以下のパラメータ、即ち ステップ1 94℃で1分間(初期変性) ステップ2 65℃で1分間 ステップ3 68℃で6分間 ステップ4 94℃で15秒間 ステップ5 65℃で1分間 ステップ6 68℃で7分間 ステップ7 ステップ4〜6をさらに15サイクル反復 ステップ8 94℃で15秒間 ステップ9 65℃で1分間 ステップ10 68℃で7分15秒間 ステップ11 ステップ8〜10を12サイクル反復 ステップ12 72℃で8分間 ステップ13 4℃(その温度を保持) でPCRを行った。
【0219】 反応混合物の5〜10μlのアリコットを、低濃度(約0.6〜0.8%)ア
ガロースミニゲル上での電気泳動で解析して、配列を延長する反応が成功したか
否かを決定した。最も大きな生成物即ちバンドを選択して、ゲルから切り出し、
QIAQuickTM(QIAGEN Inc., Chatsworth, CA)を用いて精製し、Klenow酵素を用
いて一本鎖ヌクレオチドの延び出し(overhang)を切り取って、再結合及びクロ
ーニングを容易にする平滑末端を作った。
【0220】 エタノール沈殿の後、生成物を13μlの連結バッファーに再溶解し、1μl
のT4−DNAリガーゼ(15単位)及び1μlのT4ポリヌクレオチドキナー
ゼを加えて、その混合物を室温で2〜3時間、或いは16℃で終夜インキュベー
トした。コンピテントな大腸菌細胞(40μlの適切な培養液内にある)を、3
μlのライゲーション混合物を用いて形質転換し、80μlのSOC培地で培養
した(例えば、Sembrook他, 前出, Appendix A, p. 1)。37℃で1時間のイン
キュベーションの後、全ての形質転換混合物を、2xCarbを含むLuria Bertani(L
B)寒天(例えば、Sembrook他, 前出, Appendix A, p. 2)上にのせた。後日、
いくつかのコロニーを各プレートから無作為に選択し、適切な市販の無菌の96
穴マイクロタイタープレートの各のウェル内に入れられた150μlの液状LB
/2xCarb培地で培養した。さらに後日、各5μlの終夜の培養物を非滅菌
96穴プレート内に移し、水で1:10に希釈した後、それぞれ5μlのサンプ
ルをPCRアレイに移した。
【0221】 PCR増幅のため、4単位のrTth DNAポリメラーゼを含む18μlの濃縮
PCR反応混合物(3.3x)、ベクタープライマー、並びに延長反応に用いら
れる遺伝子に特異的なプライマーの一方或いは両方を各ウェルに加えた。増幅は
、以下の条件、即ち ステップ1 94℃で60秒間 ステップ2 94℃で20秒間 ステップ3 55℃で30秒間 ステップ4 72℃で90秒間 ステップ5 ステップ2〜4をさらに29サイクル反復 ステップ6 72℃で180秒間 ステップ7 4℃(そのまま保持) で行った。
【0222】 PCR反応物のアリコットを、分子量マーカーと共にアガロースゲル上を走ら
せた。PCR生成物のサイズを元の部分的cDNAと比較して、適切なクローン
を選択し、プラスミドに結合して、配列決定を行った。
【0223】 同様に、配列番号:17〜32のヌクレオチド配列を用いて、上述の手順を用
いて5′調節配列を得ること、5′方向の延長のために設計されたオリゴヌクレ
オチドを得ること、及び適切なゲノムライブラリーを得ることが可能である。
【0224】 6 ハイブリダイゼーションプローブの標識及び使用 配列番号:17〜32から作られたハイブリダイゼーションプローブを用いて
、cDNA、mRNA並びにゲノムDNAをスクリーニングする。約20の塩基
対からなるオリゴヌクレオチドの標識について特に記すが、より大きなcDNA
フラグメントの場合でも概ね同じ手順を用いる。OLIGO4.06(National Bioscien
ce)のような最新式のソフトウェアを用いてオリゴヌクレオチドを設計し、それ
ぞれ50pmolのオリゴマーと、250μCiの[γ‐32P]アデノシン三リン
酸(Amersham, Chicago, IL)及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ(DuPont NEN,
Boston, MA)とを結合することによって標識する。標識されたオリゴヌクレオ
チドを、Sephadex G-25超微粒子樹脂カラム(Pharmacia & Upjohn)を用いて精
製する。毎分107カウントの標識されたプローブを含むアリコットを、エンド
ヌクレアーゼAseI,Bgl II,EcoRI,Pst I,Xba1或いはPvuII(DuPont NEN, Bos
ton, MA)の1つを用いて消化したヒトゲノムDNAの一般的な膜を用いるハイ
ブリダイゼーション解析において用いる。
【0225】 各消化物からのDNAを、0.7%アガロースゲル上で分画化して、ナイロン
膜(Nytran Plus, Schleicher & Schuell, Durham NH)にトランスファーする。
ハイブリダイゼーションは40℃で16時間かけて行う。非特異的シグナルを取
り除くため、ブロットを、0.1xクエン酸ナトリウム水及び0.5%ドデシル
硫酸ナトリウムまでの、段階的にストリンジェンシーが増す条件下で室温にて順
次洗浄する。XOMAT ARTMフィルム(Kodak, Rochester, NY)を、Phosphoimager
カセット(Molecular Dynamics, Sunnyvale, CA)においてブロットに数時間露
光した後、ハイブリダイゼーションパターンを視覚的に比較する。
【0226】 7 マイクロアレイメンブランの準備) 標準的なハイブリダイゼーションのプロトコルに適した一枚の22×22cm
のナイロンメンブランに、植物のcDNAクローンを、以下のようにスポッティ
ングトする。クローンをロボットを用いて取り出し、384ウェルの培養皿に配
列(アレイ)をなすように配置する。培養物は、Q-Botロボット(Genetix Ltd)
を用いてナイロンメンブラン上に格子状に配置するが、メンブラン1枚につき36
864スポットの密度、即ち18394種の個々の遺伝子及び38種の対照を二重にスポッ
トする形で配置する。これらのメンブランは、以下に説明する標準的なハイブリ
ダイゼーションプロトコルで用いる。
【0227】 数枚のメンブランを、生物検定用トレイにおいてカルベニシリンを含むLBプ
レート上に配置し、42℃で約46時間増殖させた後、前もって予熱した(95
〜100℃)変性バッファー(1.5M NaCl、0.5M NaOH)を飽和させたWhatmanフ
ィルタペーパー(Whatman Inc, Lexington MA)の上に(コロニーの側を上にし
て)4分間置く。過剰な変性バッファーを除去し、メンブランを、前もって中和
バッファー(1.5M NaCl、1Mトリス(トリス−ハイドロキシメチルアミノメタン
)、pH 8.0)を飽和させたWhatmanフィルタペーパー(Whatman Inc, Lexington
MA)の上に(コロニーの側を上にして)置くことによって、4分間かけて中和バ
ッファーを飽和させる。そのメンブランを、その表面上に液体が見えなくなるま
で乾燥する。
【0228】 次にそのメンブランを、100mlの予熱した(42℃)プロテイナーゼKバ
ッファーのなかにコロニーの側を下にして沈める。前記プロテイナーゼKバッフ
ァーは、0.1M NaCl、50mM EDTA pH8.5、50mMトリスpH8.0、Sarkosyl(1% Nラウ
ロイルサルコシン)、及び1mg/mlプロテイナーゼK(Sigma)からなる。1時間
後、メンブランを取り出し、Whatmanフィルタペーパー(Whatman Inc, Lexingto
n MA)の上に置いて、終夜乾燥させる。最後に、メンブランをGS Gene Linker U
Vチャンバ(Bio-Rad Laboratories, Hercules CA)においてUV光(波長254
nmを40秒間)に曝し、DNAをメンブランにクロスリンクさせる。
【0229】 (プローブの準備) 5μgのmRNA及び2μlのランダム六量体(0.5mg/ml; Life Technologie
s)を、1.5mlのRNアーゼの無いマイクロ遠心管内で結合させる。サンプ
ルを70℃で10分間インキュベートし、5分間氷冷し、凍結乾燥して、1.6μl
5x第1鎖バッファー、0.8μl 0.1 M DTT、0.4μl 10mM dA/dG/dT混合物、4.0μl
[32P] dCTP(3000 Ci/mmol、10 uCi/μl)、及び1.2 μl SuperScript II RT(
200 U/μl; Life Technologies)からなる溶液に溶解する。
【0230】 サンプルを遠心分離して42℃で1〜2時間インキュベートした後、42μl
の滅菌した水で希釈する。組み入れられなかったヌクレオチドは、ProbeQuant G
-50 Microcolumn(Amersham Pharmacia Biotech)を用いて取り除く。精製され
たサンプルを95℃で3分間煮沸し、次いで氷冷する。mRNAを分解するため
に、サンプルに12.5μlの1N NaOHを加えて、次いでそのサンプルを
37℃で10分間インキュベートする。次に、12.5μlの1MトリスpH6
.8及び10μlの1M HClを加えることによって、そのサンプルを中和す
る。分解されたRNAは、ProbeQuant G-50 Microcolumn(前出)を用いて取り
除く。
【0231】 (ハイブリダイゼーション) Soaresによるハイブリダイゼーションの手順は以下の通りである(SoaresらPr
oc. Natl. Acad. Sci. (1994) 91:9228-9232)。10mlの予熱された(42℃
)ハイブリダイゼーションバッファー(0.75M NaCl、0.1M NaPO4、0.1% (w/v) N
aP2O7、0.15MトリスpH7.5、5xデンハート溶液(Ausbel, 前出)、2%ドデシル硫
酸ナトリウム(SDS)、同じ長さに切り揃えたサケ***DNA(100μg/ml)、50
%ホルムアミド)を、ハイブリダイゼーションダーゼーションバッグ中のメンブ
ランに加えて、プレハイブリダイゼーションのため2時間以上〜終夜置く。放射
標識したプローブ(32P)を、予熱したハイブリダイゼーションバッファーの新
たな10mlのアリコットに加えて、42℃で14〜16時間かけてハイブリダイゼ
ーションが進行できるようにする。
【0232】 ハイブリダイゼーションの後、メンブランを、200mlの2xSSCで室温で5分間か
けてリンスし、予熱した2xSSC+1% SDSで68℃で20分間かけて1回洗浄し、
更に予熱した0.6xSSC+1% SDSで68℃で30分間かけて2回以上洗浄する。湿
ったメンブランを、Phosphoimagerカセット(Molecular Dynamics)において二
晩、X-OMATオートラジオグラフィーフィルム(Kodak)に露光し、現像する。
【0233】 8 相補的ポリヌクレオチド RECをコードする配列或いはその任意の一部分に相補的な配列は、自然発生
のRECの発現を低下、即ち阻害するために用られる。約15〜約30塩基対か
らなるオリゴヌクレオチドの使用について特に記すが、より小さな或いはより大
きな配列フラグメントの場合でも基本的に同じ方法を用いることができる。OLIG
O4.06ソフトウェア及びRECのコーディング配列を用いて、適切なオリゴヌク
レオチドを設計する。転写を阻害するためには、最も独特な5′配列から相補的
なオリゴヌクレオチドを設計し、これを用いてプロモーターが結合しないように
する。翻訳を阻害するためには、相補的なオリゴヌクレオチドを設計して、リボ
ソームがRECをコードする転写物に結合しないようにする。
【0234】 9 RECの発現 RECの発現及び精製は、細菌又はウイルスをベースにした発現系を用いて達
成される。細菌におけるRECの発現のためには、cDNAを、高いレベルのc
DNAの転写を誘導する誘導性プロモーターや構成物質耐性遺伝子を含む適切な
発現ベクター内にサブクローニングする。そのようなプロモーターの例としては
、以下に限定するものではないが、trp-lac(tac)ハイブリッドプロモーター及
びT5又はT7バクテリオファージプロモーターや、lacオペレーター制御配列等が
挙げられる。組換えベクターを、例えばBL21(DE3)のような適切な細菌のホス
トに形質転換する。イソプロピル-1-チオ‐β-D-ガラクトシド(IPTG)で誘
導すると、構成物質耐性の細菌がRECを発現する。真核細胞におけるRECの
発現は、バキュロウイルスとしてよく知られている、組換えAutographica calif ornica 多核体病ウイルス(AcMNPV)を、昆虫または哺乳動物の細胞系に感染させ
ることによって達成される。バキュロウイルスの非必須のポリへドリン遺伝子を
、相同的組換えか、転移プラスミドによる媒介を用いる細菌媒介遺伝子転移の何
れかによってRECをコードするcDNAで置換する。ウイルスの感染力は維持
され、かつ強力なポリヘドリンプロモーターが、高レベルのcDNAの転写を誘
導する。組換えバキュロウイルスを用いて、大抵の場合はSpondoptera frugiper da (Sf9)昆虫細胞に、場合によってはヒト肝細胞に感染させる。後者の場合に
は、バキュロウイルスに追加の遺伝子の修飾を加えることが必要である(Engelh
ard, E. K.ら (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 3224-3227; Sandig, V.
ら (1996) Hum. Gene Ther. 7:1937-1945参照)。
【0235】 大部分の発現系においては、例えば、粗製の細胞溶解物からの速やかな1ステ
ップでの組換え融合タンパク質のアフィニティ精製を可能にする、FLAG又は6-Hi
sのようなペプチドエピトープタグまたはグルタチオンSトランスフェラーゼ(
GST)を用いて、融合タンパク質が合成される。日本住血吸虫(Schistosoma japonicum )に由来する26キロダルトンの酵素であるGSTによって、タンパ
ク質の活性及び抗原性を維持する条件の下で固定化グルタチオン(Pharmacia, P
iscataway, NJ)上での融合タンパク質の精製が可能となる。精製の後、GST
分子を、特異的に組換えられた部位において、タンパク分解によりRECから切
り離すことができる。8個のアミノ酸からなるペプチドであるFLAGによって
、市販のモノクローナル及びポリクローナル抗FLAG抗体(Eastman Kodak, R
ochester, NY)を用いるイムノアフィニティ精製が可能となる。6個の連続した
ヒスチジン残基のストレッチである6-Hisによって、金属キレート樹脂(QIAGEN
Inc, Chatworth, CA)上での精製が可能となる。タンパク質の発現及び精製のた
めの方法は、Ausubel. F. M.ら(1995及び定期的な補遺) Current Protocols in Molecular Biology , John Wiley & Sons, New York, NY, ch 10, 16に記載され
ている。これらの方法によって得られた精製RECを、以下の活性のアッセイに
おいて直接用いることができる。
【0236】 10 RECの活性の立証 RECの活性のアッセイは、プロトタイプのリガンド−受容体活性のアッセイ
をベースにしたものである。このアッセイでは、Swissマウス3T3細胞に
おけるDNA合成の促進を測定する。RECをコードするポリヌクレオチドを含
むプラスミドを、公知のトランスフェクション方法を用いて静止状態の3T3培
養細胞に加え、次に[3H]チミジン、放射性DNA前駆体の存在下でトランスフェ
クト細胞をインキュベートする。次に様々な量のRECリガンドを培養細胞に加
える。ラジオアイソトープカウンタを用いて、適切な時間をおい他後の酸不溶性
DNAへの[3H]チミジンの組み入れを測定するが、組み入れられた量は新たに合
成されたDNAの量に正比例する。少なくとも100倍のRECリガンドの濃度
範囲における直線的な添加量−応答量曲線は、受容体の活性を表している。1m
l当たりの活性の1単位を50%応答レベルを生じさせるREC濃度として定義
し、ここで100%の応答レベルは、酸不溶性DNAへの[3H]チミジンの最大限
の組み入れを表す(McKay, I及びLeigh, I., eds (1993) Growth Factors: A Pr actical Approach , Oxford University Press, New York, NY, page 73)。
【0237】 11 機能分析アッセイ(Functianl assays) RECの機能を、哺乳動物細胞培養系において、RECをコードする配列を生
理学的に高いレベルで発現させることによって評価する。cDNAを、それを高
レベルで発現させる強力なプロモーターを有する哺乳動物の発現ベクターにサブ
クローニングする。選択されるベクターとしては、pCMV SPORT(Life Technolog
ies, Gaithersburg, MD)及びpCR 3. 1(Invitrogen, Carlsbad, CA)等があり
、両ベクターは共にサイトメガロウイルスのプロモーターを有している。5〜10
μgの組換えベクターをリポソーム製剤又はエレクトロポレーションの何れかを
利用してヒトの細胞系、好ましくは内皮細胞又は造血細胞を起源とする細胞系に
一時的にトランスフェクトする。またマーカータンパク質をコードする配列を有
する別のプラスミドを1〜2μg同時感染させる。マーカータンパク質の発現は、
トランスフェクト細胞を非トランスフェクト細胞から区別するための手段となり
、組換えベクターからのcDNAの発現の信頼できる予測が可能となる。選択で
きるマーカータンパク質としては、例えばGreen Fluorescent Protein(GFP)(
Clontech, Palo Alto, CA)、CD64又はCD64-GFP融合タンパク質等が挙げられる
。GFP又はCD64−GFPを発現するトランスフェクト細胞を特定し、その特性、例え
ばそのアポトーシス状態を評価するために、自動式のレーザー光を用いる技術で
あるフローサイトメトリー(流動細胞計測法)(FCM)を用いる。FCMによ
って蛍光分子の取込みを検出し、定量細胞死の前又は細胞死と同時におこる事象
を診断する。このような事象としては、ヨウ化プロピジウムでDNAを染色する
ことによって測定される核のDNA含量の変化、散乱光及び90度横向きの散乱
光を当てることによって測定される細胞のサイズ及び粒状度の変化、ブロモデオ
キシウリジンの取込みの低下によって測定されるDNA合成のダウンレギュレー
ション、特異的抗体との反応性によって測定される細胞表面及び細胞内のタンパ
ク質の発現の変化、及びフルオレセイン結合アレキシンVタンパク質と細胞表面
との結合によって測定される原形質膜の組成の変化等がある。フローサイトメト
リーの方法は、Ormerod, M. G. (1994) Flow Cytometry, Oxford, New York, NY
に記載されている。
【0238】 遺伝子の発現に対するRECの影響は、RECをコードする配列及びCD64又は
CD64-GFPの何れかをトランスフェクトした高度に精製された細胞の集団を用いて
評価することができる。CD64及びCD64-GFPはトランスフェクト細胞の表面で発現
され、ヒト免疫グロブリンG(IgG)の保存領域に結合する。トランスフェクト
細胞は、ヒトIgG又はCD64に対する抗体の何れかでコーティングされた磁性ビー
ズ(DYNAL, Lake Success, NY)を用いて非トランスフェクト細胞から効率的に
分離する。mRNAの細胞からの精製は、当業者に周知の方法を用いて行うこと
ができる。RECをコードするmRNA及び目的の他の遺伝子の発現は、ノーザ
ンブロット法による解析又はマイクロアレイ技術によって解析することができる
【0239】 12 RECに特異的な抗体の産生 ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PAGE)(例えば、Harrington, M.G. (19
90) Methods Enzymol. 182:488-495参照)、又は他の精製技術を用いて実質的に
精製したRECを用いて、標準的なプロトコルに従ってウサギを免疫化し、抗体
を作り出す。
【0240】 或いは、RECのアミノ酸配列をLASERGENE NAVIGATORソフトウエア(DNASTAR
Inc.)を用いて解析して免疫原性の高い領域を決定し、対応するオリゴペプチ
ドを合成し、当業者に周知の方法でこれを用いて抗体を産生させる。適切なペプ
チド配列の選択及び抗体の産生の技術は当業者に周知である。C末端付近のエピ
トープ或いは親水性領域内のエピトープのような適切なエピトープの選択につい
ては、文献に記載されている(例えば、Ausubelら, 前出, ch. 11参照)。
【0241】 一般的に、15残基の長さを有するオリゴペプチドを、Applied Biosystemsの
ペプチドシンセサイザModel 431Aを用いてfmoc法のケミストリにより合成し
、M−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS
)を用いる反応によってキーホールリンペットヘモシニアン(KLH、Sigma, S
t. Louis, MO)に結合する(例えば、Ausubel他 (前出)参照)。フロイントの完
全アジュバント中のオリゴペプチド−KLH複合体を用いてウサギを免疫化する
。得られた抗血清の抗ペプチド活性を試験するには、例えばペプチドをプラスチ
ックに結合し、1%BSAでブロックし、ウサギ抗血清と反応させて洗浄し、さ
らに放射性ヨウ素標識したヤギ抗ウサギIgGと反応させる。
【0242】 13 特異的抗体を用いる自然発生RECの精製 自然発生のREC或いは組換えRECを、RECに特異的な抗体を用いるイム
ノアフィニティークロマトグラフィにより実質的に精製する。イムノアフィニテ
ィーカラムは、CnBr-活性化 Sepharose(Pharmacia & Upjohn)のような活性化
クロマトグラフィーレジンとREC抗体とを共有結合で結合させることにより構
築する。結合の後、そのレジンを使用説明書の指示に従って、ブロックし洗浄す
る。RECを含む培養液をイムノアフィニティーカラムに通し、そのカラムをR
ECを優先的に吸着できる条件下で(例えば界面活性剤の存在下において高イオ
ン強度バッファーで)洗浄する。このカラムを、抗体とRECとの結合を切るよ
うな条件下(例えばpH2〜3のバッファー、或いは高濃度の尿素またはチオシ
アン酸塩イオンのようなカオトロピックイオン)で溶出させ、RECを回収する
【0243】 14 RECと相互作用する分子の同定 REC又は生物学的に活性なその断片を、125Iボルトンハンター試薬(例え
ば、Bolton 他 (1973) Biochem. J. 133:529参照)で標識する。マルチウェルプ
レートのウェルに予め配列しておいた候補の分子を、標識したRECとともにイ
ンキュベートし、洗浄して、標識REC複合体を有するウェルをアッセイする。
異なる濃度のRECを用いて得られたデータを用いて、候補の分子とRECの会
合、親和性、数の数値を計算する。
【0244】 本発明の範囲及び精神から逸脱しない本明細書に記載した本発明の方法及びシ
ステムの様々な改変は、当業者には明らかであろう。本発明は、特に好適な実施
例に関連して説明されているが、本発明の真の範囲は、そのような特定の実施例
に不当に制限されるべきではないことを理解されたい。実際に、分子生物学或い
は関連分野の専門家には明らかな本発明の実施形態の様々な改変は、請求の範囲
内に含まれるものである。
【0245】 (表の簡単な説明) 表1の第1列は、タンパク質の配列ID番号、配列番号:1〜16を示す。第
2列は、配列番号:1〜16をコードするコンセンサス配列のヌクレオチド配列
ID番号、配列番号:17〜32を示す。第3列は、配列ID番号に関連するイ
ンサイト社クローンID番号のリストを示している。第4列は、インサイト社ク
ローンが単離された起源の組織のライブラリーのリストを示している。第5列は
、コンセンサス配列の配列番号:17〜32を導き出すために用いられた重複及
び/又は延長された核酸配列のリストを示している。
【0246】 表2の第1列は、タンパク質の配列ID番号を示している。第2列は、配列番
号:1〜16のアミノ酸の番号を示す。第3列は、配列番号:1〜16に存在す
る、cAMP−及びcGMP−依存性プロテインキナーゼ、カゼインキナーゼI
I、プロテインキナーゼC、及び/又はチロシンキナーゼが利用可能なリン酸化
部位のリストを示している。第4列は、配列番号:1〜16に存在する、Nグリ
コシル化可能部位のリストを示している。第5列は、配列番号:1〜16に存在
する、あらゆる有意なタンパク質ファミリーシグネチャ又はリガンド/基質結合
モチーフのリストを示している。第6列は、配列番号:1〜16の、最も高いl
og尤度スコアを有するGenBankデータベースにおけるホモログの名称を記載し
ている。第7列は、配列番号:1〜16を特定するための用いられた解析方法又
はアルゴリズムを記載している。
【0247】 表3の第1列は、配列ID番号(配列番号:1〜16)を示している。第2列
は、配列番号:1〜16を発現する組織及び組織の割合を示している。第3列は
、配列番号:1〜16を発現する疾病のクラス及び全疾病の内の割合を示してい
る。第4列は、cDNAライブラリーをサブクローニングするために用いられた
ベクターを示している。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 1/00 A61P 25/00 4H045 15/00 35/00 25/00 37/02 35/00 43/00 37/02 C07K 14/705 43/00 16/28 C07K 14/705 C12P 21/02 C 16/28 C12Q 1/68 A C12P 21/02 C12P 21/08 C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA // C12P 21/08 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH,G M,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 バンドマン、オルガ アメリカ合衆国カリフォルニア州94043・ マウンテンビュー・アンナアベニュー 366 (72)発明者 タング、ワイ・トム アメリカ合衆国カリフォルニア州95118・ サンノゼ・ランウィックコート 4230 (72)発明者 ユエ、ヘンリー アメリカ合衆国カリフォルニア州94087・ サニーベイル・ルイスアベニュー 826 (72)発明者 ラル、プリーティ アメリカ合衆国カリフォルニア州95054・ サンタクララ・ラスドライブ 2382 (72)発明者 コーレイ、ニール・シー アメリカ合衆国カリフォルニア州94040・ マウンテンビュー・#30・デールアベニュ ー 1240 (72)発明者 ゲグラー、カール・ジェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94025・ メンロパーク・オークランドアベニュー 1048 (72)発明者 パターソン、チャンドラ アメリカ合衆国カリフォルニア州94040・ レランドアベニュー 2189 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA44 BA63 CA04 CA11 DA02 DA05 DA11 EA02 EA04 FA02 GA03 GA11 HA01 HA03 HA12 4B063 QA01 QA19 QQ01 QQ42 QQ52 QR08 QR42 QR55 QR62 QS25 QS34 QS36 QX02 QX07 4B064 AG20 AG27 CA01 CA19 CA20 CC24 DA01 DA13 4C084 AA02 AA16 NA14 ZA011 ZA012 ZA661 ZA662 ZA811 ZA812 ZA941 ZA942 ZA961 ZA962 ZB071 ZB072 ZB261 ZB262 4C085 AA13 AA14 4H045 AA10 AA11 AA20 BA10 CA40 DA50 DA76 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号(SEQ ID NO):1、配列番号:2、配列番号:
    3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8
    、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:11、配列番号:12、配列番号
    :13、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16、及びそれらの断片
    からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、実質的に精製されたポリペプチ
    ド。
  2. 【請求項2】 請求項1のアミノ酸配列と少なくとも90%のアミノ酸配
    列同一性を有する、実質的に精製された変異体。
  3. 【請求項3】 請求項1のポリペプチドをコードする、単離され精製され
    たポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 請求項3のポリヌクレオチドと少なくとも90%のポリヌ
    クレオチド配列同一性を有する、単離され精製されたポリヌクレオチド変異体。
  5. 【請求項5】 請求項3のポリヌクレオチドとストリンジェントな条件の
    下でハイブリダイズする、単離され精製されたポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 請求項3のポリヌクレオチド配列に相補的な配列を有する
    、単離され精製されたポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 配列番号:17、配列番号:18、配列番号:19、配列
    番号:20、配列番号:21、配列番号:22、配列番号:23、配列番号:2
    4、配列番号:25、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28、配列
    番号:29、配列番号:30、配列番号:31、配列番号:32、及びそれらの
    断片からなる群から選択されたポリヌクレオチド配列を含む、単離され精製され
    たポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 請求項7のポリヌクレオチドに対して少なくとも90%の
    ポリヌクレオチド配列同一性を有する、単離され精製されたポリヌクレオチド変
    異体。
  9. 【請求項9】 請求項7のポリヌクレオチドに相補的な配列を有する、単
    離され精製されたポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 請求項3のポリヌクレオチドの少なくとも断片を含む発
    現ベクター。
  11. 【請求項11】 請求項10の発現ベクターを含む宿主細胞。
  12. 【請求項12】 配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号
    :4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:
    9、配列番号:10、配列番号:11、配列番号:12、配列番号:13、配列
    番号:14、配列番号:15、配列番号:16、及びそれらの断片からなる群か
    ら選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドの製造方法であって、 (a)前記ポリペプチドの発現に適した条件の下で、請求項11の宿主細胞を
    培養する過程と、 (b)前記宿主細胞の培地から前記ポリペプチドを回収する過程とを含む、ポ
    リペプチドの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1のポリペプチドを、適切な医薬用担体と共に含
    む医薬品組成物。
  14. 【請求項14】 請求項1のポリペプチドに特異的に結合する精製された
    抗体。
  15. 【請求項15】 請求項1のポリペプチドの、精製されたアゴニスト。
  16. 【請求項16】 請求項1のポリペプチドの、精製されたアンタゴニスト
  17. 【請求項17】 新生物疾患の処置又は予防方法であって、 そのような処置が必要な患者に、請求項16のアンタゴニストを有効な量投与
    する過程を含む、新生物疾患の処置又は予防方法。
  18. 【請求項18】 免疫学的疾患の処置又は予防方法であって、 そのような処置が必要な患者に、請求項16のアンタゴニストを有効な量投与
    する過程を含む、免疫学的疾患の処置又は予防方法。
  19. 【請求項19】 生殖障害の処置又は予防方法であって、 そのような処置が必要な患者に、請求項16のアンタゴニストを有効な量投与
    する過程を含む、生殖障害の処置又は予防方法。
  20. 【請求項20】 胃腸疾患の処置又は予防方法であって、 そのような処置が必要な患者に、請求項16のアンタゴニストを有効な量投与
    する過程を含む、胃腸疾患の処置又は予防方法。
  21. 【請求項21】 神経障害の処置又は予防方法であって、 そのような処置が必要な患者に、請求項16のアンタゴニストを有効な量投与
    する過程を含む、神経障害の処置又は予防方法。
  22. 【請求項22】 平滑筋異常の処置又は予防方法であって、 そのような処置が必要な患者に、請求項16のアンタゴニストを有効な量投与
    する過程を含む、平滑筋異常の処置又は予防方法。
  23. 【請求項23】 筋骨格異常の処置又は予防方法であって、 そのような処置が必要な患者に、請求項16のアンタゴニストを有効な量投与
    する過程を含む、筋骨格異常の処置又は予防方法。
  24. 【請求項24】 生物学的サンプルにおいて、配列番号:1、配列番号:
    2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7
    、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:11、配列番号:
    12、配列番号:13、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16、及
    びそれらの断片からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコ
    ードするポリヌクレオチドを検出する方法であって、 (a)請求項6のポリヌクレオチドと、前記生物学的サンプルにおける核酸の
    少なくとも1つとをハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーション複合体を形成
    する過程と、 (b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過程であって、前記複合
    体の存在が、前記生物学的サンプルにおける前記ポリペプチドをコードするポリ
    ヌクレオチドの存在と相互関係を有する、該過程とを含む、ポリヌクレオチドの
    検出方法。
  25. 【請求項25】 ハイブリダイゼーションを行う前記過程の前に、前記生
    物学的サンプルの核酸をポリメラーゼ連鎖反応法により増幅することを特徴とす
    る請求項24に記載の方法。
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