JP2002500008A - 哺乳動物edg−5受容体相同体 - Google Patents

哺乳動物edg−5受容体相同体

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JP2002500008A JP2000526629A JP2000526629A JP2002500008A JP 2002500008 A JP2002500008 A JP 2002500008A JP 2000526629 A JP2000526629 A JP 2000526629A JP 2000526629 A JP2000526629 A JP 2000526629A JP 2002500008 A JP2002500008 A JP 2002500008A
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hedg
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ムンロー、ドナルド、ジー.
グプタ、アシュワニ、ケー.
ヴヤス、テジャル、ビー.
チュン、ジェロルド、ジェイ.、エム.
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エヌピーエス アレリックス コーポレーション
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳動物EDG-5受容体相同体、特にヒトEDG-5受容体相同体の核酸配列およびアミノ酸配列に関する。また本発明は、EDG-5受容体に対するアゴニストおよびアンタゴニストを決定する方法、ならびにアッセイ、発現ベクター、宿主細胞およびEDG-5の異常発現または活性に関連した疾患の治療方法も提供する。SIPおよびSPCはEDG-5受容体に対するアゴニストである。

Description

【発明の詳細な説明】発明の分野 本発明は、分子生物学の分野に関し、より具体的には、本発明は、ヒトなどの
哺乳動物の新規EDG-5受容体相同体についての核酸配列およびアミノ酸配列を記 載するものである。
【0001】発明の背景 edg受容体のファミリーは、その内因性リガンドが知られていないことから一 般にオーファン受容体に分類される(例えばHla TおよびMaciag T(1990)J Biol.
Chem. 265:9308-13; 米国特許第5,585,476号を参照されたい)。しかしながら、 近年、リゾホスファチジン酸がedg-2受容体の内因性リガンドであることが示さ れた(Hechtら(1996)J. Cell. Biol. 135:1071-1083; Anら(1997)Biochem. Bioph
ys. Res. Comm. 213:619-622)。
【0002】 受容体のedgファミリーは、7回膜貫通Gタンパク質結合受容体(T7G)である。T
7Gは、その7個の疎水性ドメインによりそう呼ばれており、形質膜に広がってお り、逆平行αヘリックスの束状構造を形成している。これらの膜貫通セグメント
(TMS)は、ローマ数字I〜VIIで示され、受容体の構造的および機能的特徴の原因 となる。大部分の場合、ヘリックスの束状構造は結合ポケットを形成するが、結
合部位がより嵩張る分子を収容しなければならない場合、細胞外のN-末端セグメ
ントまたは3個の細胞外ループのうちの1個以上が結合に関与し、次いで受容体の
細胞内部分のコンホメーション変化の誘導に関与する。特に、TM-VIIは一般にT7
G受容体の高度に保存された部分であり、しばしばリガンド結合および受容体活 性化に大いに関与する。細胞内カルボキシ-末端は、受容体活性化における細胞 内シグナルを伝達するタンパク質などの細胞内タンパク質との相互作用に関与し
ており、カルボキシ末端は通常親水性であり、受容体ポリペプチド全体と比較し
て非常に抗原性であり、保存性がかなり低い。
【0003】 受容体が活性化されると、受容体はさらに細胞内シグナル伝達活性、一般には
サイクリックAMP(cAMP)、ホスホリパーゼC、イノシトール三リン酸のような第二
メッセンジャーの産生、プロテインキナーゼの活性化、特定の遺伝子の発現の変
更を仲介する細胞内G-タンパク質複合体と相互作用する。
【0004】 T7G受容体は、多くの発育過程および病気過程の間に発現され、活性化される 。新規T7G受容体の同定によってそのような過程における診断または介入の機会 がもたらされ、受容体を生理学的または薬学的分子(これらの分子はかかる受容
体の活性を引き起こし、延長させ、もしくは阻害し、またはT7G受容体とは別個 の制御された細胞内経路を特異的にモジュレートする)を同定するためのスクリ
ーニングアッセイに用いることができる。
【0005】発明の概要 本発明は、マウスEDG-5(MEDG-5)およびヒトEDG-5(HEDG-5-5)を含む新規哺乳動
物受容体相同体EDG-5をコードする単離されたユニークなヌクレオチド配列を提 供する。本明細書では、MEDG-5およびHEDG-5をコードするヌクレオチド配列を、
それぞれmedg-5およびhedg-5と呼ぶ。
【0006】 また本発明は、edg-5 mRNA、特にhedg-5の相補配列である単離されたユニーク
なヌクレオチド配列にも関する。さらに、本発明は、ストリンジェントな条件下
でedg-5、特にhedg-5にハイブリダイズするヌクレオチド配列を特徴とする。
【0007】 さらに、本発明は、そのようなedg-5ヌクレオチド配列を含む発現ベクターお よび宿主細胞に関する。
【0008】 より詳しくは、本発明は、EDG-5に対する抗体として有用な断片、例えばTM-VI
Iおよびカルボキシ末端ドメインにおける断片を提供する。
【0009】 さらに、本発明は、哺乳動物EDG-5の核酸およびアミノ酸配列の使用に関し、 より詳しくはHEDG-5の異常発現に関連した罹患細胞および/または組織の診断ま
たは治療におけるHEDG-5またはその変異体の使用に関する。
【0010】 本発明のさらなる態様は、EDG-5受容体、より詳しくはHEDG-5受容体に関し、e
dg-5/hedg-5のアンチセンスDNA;edg-5/hedg-5を含むクローニングまたは発現ベ
クター;edg-5/hedg-5を含む発現ベクターで形質転換された宿主細胞または生物
;hedg-5の染色体局在化;edg-5/hedg-5の発現および組織分布;宿主細胞からの
精製EDG-5/HEDG-5の製造および回収方法;精製タンパク質EDG-5/HEDG-5(これは
EDG-5/HEDG-5を含むシグナル伝達のダウンレギュレーションに対するインヒビタ
ーを同定するために用いられ得る);ならびに形質転換細胞を用いたedg-5/hedg-
5のリガンドのスクリーニング方法を含む。
【0011】 特に、 (a) 配列番号13(図3A)のヌクレオチド36〜10974を含むヌクレオチド配列 、 (b) 図3Bのヌクレオチド配列、 (c) 図3Cのヌクレオチド配列、 (d) (a)、(b)または(c)に対して少なくとも約70%の配列同一性、より好まし くは約80〜85%の配列同一性、より一層好ましくは少なくとも約90%の配列同一
性、最も好ましくは少なくとも約95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列で
あって、ストリンジェントな条件下でそれぞれ(a)、(b)または(c)のヌクレオチ ド配列にハイブリダイズするもの、またはその一部分、ならびに (e) 図4A(配列番号14)、4Bまたは4Cのアミノ酸配列をコードするヌク
レオチド配列 からなる群から選択される単離されたヌクレオチド配列を提供する。また発現ベ
クター;宿主細胞;精製アミノ酸配列;相補的核酸配列;生物学的に活性な断片
;ならびにそのようなヌクレオチド配列およびそれらにコードされるアミノ酸配
列に対するハイブリダイゼーションプローブも提供する。
【0012】発明の詳細な説明 本発明は、一つには、マウスおよびヒトを含む哺乳動物のEDG-5受容体をコー ドする、単離された形態のポリヌクレオチドに関する。EDG受容体は、7個の膜貫
通領域などのG-タンパク質結合受容体クラスに共通する構造的特徴およびリゾリ
ン脂質を選択的に結合する機能的特性によって特徴付けられる。宿主細胞におい
て機能的に、すなわち反応性第二メッセンジャー系と機能し得るように連結され
た状態で発現する場合、EDG-5受容体はシグナル伝達によってリゾリン脂質結合 に対してさらに応答可能である。この点に関して、EDG-5受容体などのG-タンパ ク質結合受容体の活性は、下記の種々の適切な機能アッセイのいずれかを用いて
測定することができる。
【0013】 本明細書で用いられる場合、大文字の略号で示されているEDG-5は、天然また は合成形態の哺乳動物EDG-5受容体相同体およびその活性断片を意味し、小文字 のedg-5はそのヌクレオチド配列を意味する。哺乳動物受容体EDG-5は、7個の膜 貫通領域などのG-タンパク質結合受容体に共通の構造的特徴、および互いに約56
%以上の配列同一性を有すること、より好ましくは約70%以上の同一性を有する
こと、最も好ましくは約80%以上の同一性を有することにより特徴付けられる。
【0014】 さらに、本明細書で用いられる場合、ヒトEDG-5受容体はHEDG-5と示され、そ のヌクレオチド配列はhedg-5と示され、マウスEDG-5受容体はMEDG-5と示され、 そのヌクレオチド配列はmedg-5と示される。
【0015】 新規マウスhedg-5配列は、Gタンパク質結合受容体(GPCR)スーパーファミリー の膜貫通ドメイン(TM-2)およびTM-7の保存領域に基づいた縮重プライマーを用い
るマウス神経細胞系からのPCR後に単離された。既知の配列との配列比較により 、このマウスクローンはedg-2に関連するが同一ではない遺伝子、オーファンGPC
Rを提示するものであることが分かった。配列同一性はヌクレオチドレベルで49 %であった。本明細書に詳述した研究においてはhedg-5配列を用いたが、本明細
書に詳述したこれらの研究および応用は、本明細書に開示した新規マウスedg-5 配列を用いて着手し得たのである。
【0016】 全長マウス配列は、当業者に公知の方法を用いて得られる。例えば、全長ヒト
edg-5 cDNAを用いてアレイ化された(arrayed)マウスライブラリー(Genome Syste
ms Inc.)をスクリーニングすることにより得られる。まずhedg-5配列を、コドン
プライミング法を用いて放射性標識し、次いでPACフィルターにハイブリダイズ させ、高ストリンジェンシーにて洗浄する(最終洗浄は1×SSC中で65℃にて30分 間行う)。最も強いシグナルをもつクローンから得たゲノムDNA挿入断片は、pBlu
escriptまたはそれに匹敵するクローニングベクターに、4bp認識部位をもつ少な
くとも3個の異なる制限切断物を用いてショットガンサブクローニングすること ができる。各切断物によって異なるサブクローンライブラリーが得られ、次いで
同じストリンジェンシーな条件下で同一cDNAプローブを用いてスクリーニングす
ることができる。陽性体をピックし、増殖させ、制限酵素切断によりマッピング
し、サザンブロッティングを行ってハイブリダイズしている挿入断片の大きさを
同定し、次いでベクター配列またはヒトedg-5配列のいずれかに基づくプライマ ーを用いて配列決定する。ヒトedg-5遺伝子中に見られる1個のイントロンの位置
がマウス遺伝子内に保存されているだろう。したがって、プライマーを高い信頼
度で設計することによりイントロン配列を含ませずにマウスedg-5遺伝子の完全 なコード配列を得ることができる。コード領域が決定されたら、種々の組織およ
び/または細胞系源から直接cDNAを増幅するために新たなPCRプライマーを設計 することができる。この方法のより詳細な説明はManiatisら, Molecular Clonin
g, a Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Press, 1989)に記載されている。
【0017】 本明細書で言及した刊行物および特許出願は全て、特に手法、細胞系およびベ
クターを説明する目的で参照により組み込まれる。しかしながら、ここで、本発
明が、例えば先行発明によるそのような開示に先行する権利を有するものではな
いことを認めるものと解釈されるべきものはない。
【0018】定義 下記の定義は、本明細書において、本出願で用いられる特定の用語を説明する
目的で用いられる。特に定義されていない用語にはどれも本発明が属する技術分
野の当業者によって一般に理解された意味が付与されるべきである。
【0019】 本明細書で用いられる場合、「単離された」とは、その他のタンパク質をコー
ドするポリヌクレオチドから分離されていることを意味する。ポリヌクレオチド
ライブラリーに関して、例えば、EDG-5受容体コードポリヌクレオチドは、それ が選択された場合に「単離された」とみなされ、よってライブラリー内の他のポ
リヌクレオチドとの関係が解除される。そのようなポリヌクレオチドは、RNAの 形態またはcDNA、ゲノムDNA、合成DNAなどのDNAの形態で存在し得る。
【0020】 本明細書で用いられる場合、「精製された」とは、その天然環境から取り出さ
れ、そして単離または分離された配列を意味し、それらが天然で関連している他
の成分を少なくとも60%含まない、好ましくは75%含まない、最も好ましくは90
%含まないものを意味する。
【0021】 「オリゴヌクレオチド」は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)においてオリゴマー 、アンプライマー(amplimer)またはプローブとして用いるのに十分な数の塩基を
有するヌクレオチド残基のストレッチである。オリゴヌクレオチドは、ゲノムま
たはcDNA配列から調製され、特定の細胞または組織における類似のDNAもしくはR
NAを増幅し、その存在を明らかにし、または確認するために用いられる。オリゴ
ヌクレオチドまたはオリゴマーは、少なくとも約10個のヌクレオチド、約35個の
ヌクレオチド、好ましくは約25個のヌクレオチドを有するDNA配列の一部分を含 む。
【0022】 「プローブ」は、天然または組換え1本鎖または2本鎖核酸から誘導され得るか
、化学的に合成され得る。プローブは同一または類似の配列の存在を検出するの
に有用である。
【0023】 ポリヌクレオチドまたは核酸の「一部分」または「断片」には、約6kb以下、 好ましくは約1kb以下のヌクレオチドを含むヌクレオチド配列の全部分または任 意の部分が含まれる。一部分または断片はプローブとして用いることができる。
そのようなプローブは、ニックトランスレーション、クレノウフィルイン(fill-
in)反応、PCRまたは当技術分野で公知のその他の方法を用いてレポーター分子で
標識し得る。反応条件を最適化し、偽陽性体を排除するために、核酸プローブを
サザン、ノーザンまたはin situハイブリダイゼーションに用いてHEDG-5をコー ドするDNAまたはRNAが細胞型、組織または器官に存在するかどうかを確認するこ
とができる。
【0024】 「レポーター」分子は、特定のヌクレオチドまたはアミノ酸配列と関連し、そ
の存在を証明し、その定量を可能にし得る放射性核種、酵素、蛍光物質、化学発
光物質または色素物質である。
【0025】 HEDG-5をコードする「組換えヌクレオチド変異体」は、遺伝子コード中の「重
複性」を用いることにより合成され得る。特定の制限部位またはコドン利用特異
的突然変異をもたらすサイレント変異などの種々のコドン置換を、プラスミドも
しくはウイルスベクターへのクローニング、または特定の原核宿主系もしくは真
核宿主系における発現を最適化するために導入することができる。
【0026】 「キメラ」分子は、HEDG-5特性、すなわち細胞位置、分布、リガンド結合親和
性、鎖間親和性、分解/代謝回転速度、シグナル伝達などのいずれか1つ(また は2以上)を変化させると考えられる追加の核酸配列を含むベクターに、本発明
のヌクレオチド配列の全部または一部分を導入することにより構築し得る。
【0027】 「生物学的に活性なまたは活性な」とは、任意の天然HEDG-5の生物活性および
/または抗原活性の少なくとも一部を維持する任意のHEDG-5ポリペプチドの形態
、断片またはドメインを意味する。
【0028】 「天然HEDG-5」とは、遺伝子工学的に操作されていない細胞により産生された
ポリペプチドを意味し、特に、ポリペプチドの翻訳後修飾、例えば限定するもの
ではないがアセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化(lip
idation)およびアシル化などから生じる種々のポリペプチドを意図するものであ
る。
【0029】 「誘導体」とは、化学的に修飾されたアミノ酸およびヌクレオチド配列を意味
する。アミノ酸誘導体についてのそのような技術としては、ユビキチン化;標識
化(上記参照);peg化(ポリエチレングリコールを用いた誘導体化);および ヒトタンパク質では通常生じないオルニチンなどのアミノ酸の化学的挿入または
置換が挙げられる。ヌクレオチド配列誘導体は、天然分子のその本質的な生物学
的特性を維持するアミノ酸をコードするであろう。
【0030】 「組換えポリペプチド変異体」とは、組換えDNA技術を用いて作製された、ア ミノ酸の挿入、欠失および/または置換によって天然HEDG-5とは異なる任意のポ
リペプチドを意味する。対象となる活性を破壊せずにどのアミノ酸残基を置換、
付加または欠失し得るかを決定するガイダンスは、HEDG-5の配列と関連ポリペプ
チドの配列とを比較し、高度に保存された領域でなされるアミノ酸配列の変異の
数を最小化することにより見出すことができるであろう。
【0031】 アミノ酸「置換」は、1個のアミノ酸を、類似の構造特性および/または化学 特性をもつ別のアミノ酸で置換すること、例えばロイシンのイソロイシンまたは
バリンによる置換、アスパルテートのグルタメートによる置換、またはトレオニ
ンのセリンによる置換などにより生じる場合、性質が保存される。
【0032】 「挿入」または「欠失」は、典型的には約1〜5個のアミノ酸の範囲である。
許容される変化は、ペプチドを合成的に製造するか、または組換えDNA技術を用 いてhedg-5配列内にヌクレオチドの挿入、欠失もしくは置換を系統的に行うこと
により、実験的に決定し得る。
【0033】 所望により「シグナルまたはリーダー配列」を用いてポリペプチドを細胞の膜
を通して誘導することができる。そのような配列は本発明のポリペプチド上に天
然に存在し得るか、または組換えDNA技術によって異種起源から得ることができ る。
【0034】 「オリゴペプチド」は、アミノ酸残基の短いストレッチであり、オリゴヌクレ
オチドから発現され得る。オリゴペプチドは、ポリペプチドの「断片」、「一部
分」または「セグメント」と機能的に等価であり、長さが同一(またはかなり短
い)ものであり得る。そのような配列は、少なくとも約5個、多くの場合約17個 以上のアミノ酸、典型的には少なくとも約9〜13個のアミノ酸からなり、生物活 性および/または抗原活性を示すのに十分な長さをもつアミノ酸残基のストレッ
チを含む。
【0035】 「インヒビター」は、生化学的、細胞性、または生理学的反応または応答を遅
らせるかまたは妨害する任意の物質である。一般的なインヒビタ−としては、限
定するものではないが、アンチセンス分子、抗体およびアンタゴニストが挙げら
れる。
【0036】 「標準」とは、比較のための定量的または定性的測定値である。これは、統計
学的に適切な数の標準サンプルに基づくものであり、診断アッセイを行う場合、
臨床試験を行う場合、または患者の治療プロフィールを追跡する場合の比較の基
礎として用いるために作成される。
【0037】 「ストリンジェントな条件」は、本明細書では、実質的に関連のある核酸配列
をハイブリダイズさせる条件を意味するために用いられる。そのようなハイブリ
ダイゼーション条件は、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual
, 第2版, Cold Spring Harbor Press, 1989に記載されている。一般に、ストリ ンジェンシーは、プローブの融解温度よりも約5℃低い温度から該融解温度より も約20〜25℃低い温度までの範囲内で生じる。当業者には理解されるように、ス
トリンジェンシー条件は、同一または関連ヌクレオチド配列を同定または検出す
るために変更することができる。配列の長さおよび性質(DNA、RNA、塩基組成)、
標的の性質(DNA、RNA、塩基組成、溶液中の存在または固定化など)ならびに塩 およびその他の成分(例えばホルムアミド、硫酸デキストランおよび/またはポ リエチレングリコールの存在または不存在)の濃度のようなファクターが考えら れ、ハイブリダイゼーション溶液を変えることにより低または高ストリンジェン
シーのいずれかの条件を生じさせることができる。
【0038】 「動物」とは、本明細書で用いられる場合、ヒト、家畜(ネコ、イヌなど)、 農業動物(ウシ、ウマ、ヒツジなど)または試験生物種(マウス、ラット、ウサギ
など)を含むものと定義され得る。
【0039】 「核酸配列」は、本明細書で用いられる場合、オリゴヌクレオチド、ポリヌク
レオチド、およびそれらの断片もしくは一部分であり、ゲノムまたは合成起源の
DNAまたはRNA(1本鎖でも2本鎖でもよい)であり、センス鎖または相補鎖もしく
はアンチセンス鎖を示す。
【0040】 「配列同一性」は、当技術分野で知られており、配列を比較することにより、
特に配列のストリング間のマッチ(一致)により決定されるような、2つ以上の
ポリペプチド配列間または2つ以上のポリヌクレオチド配列間の関係である。配
列同一性は、公知の方法(Computational Molecular Biology, Lesk, A.M.編, Ox
ford University Press, New York, 1988; Biocomputing: Informatics and Gen
ome Projects, Smith, D.W.編, Academic Press, New York, 1993; Computer An
alysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M., およびGriffin, H.G.編, H
umana Press. New Jersey, 1994; Sequence Analysis in Molecular Biology, v
on Heinje, G., Academic Press, 1987; およびSequence Analysis Primer, Gri
bskov, M. およびDevereux, J.編, M. Stockton Press, New York, 1991)により
容易に計算することができる。2つの配列間の同一性を測定するための方法が多
数存在すると同時に、この用語は当業者には公知である(例えば、Sequence Anal
ysis in Molecular Biology; Sequence Analysis Primer; Carillo, H.および L
ipman, D., SIAM J. Applied Math, 48:1073(1988)を参照されたい)。配列間の 同一性を決定するのに一般的に用いられる方法としては、限定するものではない
が、Carillo, H.およびLipman, D., SIAM J. Applied Math., 48:1073(1988)ま たは好ましくはNeedlemanおよびWunsch, J. Mol. Biol., 48:443-445, 1970(こ
こで、このパラメータはDNASIS(Hitachi Software Engineering社, San Bruno,
CA)のバージョン2にセットされているとおりである)に開示された方法が挙げら
れる。同一性を決定するためのコンピュータプログラムは公的に入手可能である
。2つの配列間の同一性を決定するための好ましいコンピュータプログラム法と
しては、限定するものではないが、GCGプログラムパッケージ(Devereux, J.ら,
Nucleic Acids Research 12(1): 387(1984))、BLASTP、BLASTNおよびFASTA(Atsc
hul, S.F.ら, J. Molec. Biol. 215: 403-410(1990))が挙げられる。BLASTXプロ
グラムは、NCBI([email protected])およびその他の供給源(BLAST Manual,
Altschul, S.ら, NCBI NLM NIH Bethesda, MD 20894; Altschul, S.ら, J. Mol
. Bio. 215: 403-410(1990))から公的に入手可能である。コンピュータ分子生物
学, Lesk, A.M.編。特許請求の範囲に特に記載しない限り、特許請求の範囲を解
釈する目的での同一性のパーセンテージは、DNASISのバージョン2にセットされ たパラメータを用いてNeedlemanおよびWucnschアルゴリズムにより計算されるで
あろう。
【0041】 本発明は、新規の哺乳動物由来7回膜貫通受容体(T7G)即ちEDG-5、例えばマ
ウス由来のもの(MEDG-5)及びヒト由来のもの(HEDG-5)、を唯一識別するヌク
レオチド配列を提供する。
【0042】 HEDG-5とヒトedg-2との相同性(下記の表2参照)に基くと、HEDG-5は同じ種 類の化学物質リガンドを結合するようである。edg-2は、リン脂質であるリソホ スファチジン酸(LPA)を特異的に結合する。本明細書では、HEDG-5がLPAを機能性
アゴニストとして認識することが決定された。
【0043】 リン脂質は細胞活性の重要な調節物質であることが示されており、そのような
細胞活性には、有糸***誘発(Xuら(1995) J. Cell Physiol., 163:441-450)やア
ポトーシス、細胞接着、並びに遺伝子発現の調節が含まれる。例えば具体的には
、LPAは細胞増殖に対する成長因子様作用を誘発(Moolenar (1996) J. Biol. Che
m., 270:12949-12952)したり、細胞移動に対する成長因子様作用を誘発(Imamura
ら(1993) Biochem. Biophys. Res. Comm., 193:497-503)する。またLPAが創傷治
癒や再生(Tigyiら(1992) J. Biol. Chem., 267:21360-21367)に役割を果たす ことが示唆されている。さらに、かなりの情況証拠により、リン脂質が癌(Imam
uraら (1993) Biochem. Biophys. Res. Comm., 193:497-503)、炎症性成分を有
する疾患(Fourcadeら(1995), Cell, 80(6):919-927;成人呼吸困難症を含む) 、神経変性(Jalinkら(1993) Cell Growth Differ., 4:247-255)、関節リュウ マチ(Natiarajanら(1995) J. Lipid Res., 36(9):2005-2016)、乾癬、及び炎症 性腸疾患を含む種々の疾病状態に関与している可能性があることが指摘されてい
る。従って、LPAを含むHEDG-5リガンドは細胞活性の生物学的に重要な調節物質 であると考えられ、それ故HEDG-5の異常な発現又は活性は慢性若しくは急性の疾
病状態と関連しているようである。さらにHEDG-5活性のモジュレーターは、上記
疾病状態の治療又は予防に有用であると考えられる。
【0044】 LPA以外のHEDG-5リガンドは、リン脂質クラスの化合物間で見出されると考え られる。従って一実施形態において、リン脂質分子は好ましくはHEDG-5リガンド
を同定するためにスクリーニングされるべきである。より好ましくはリソグリセ
ロリン脂質、例えばリソフォスファチジルエタノールアミン(LPE)、リソフォスフ
ァチジルセリン(LPS)、リソフォスファチジルイノシトール(LPI)、リソフォス
ファチジルコリン(LPC)、リソ−血小板活性化因子(lyso-PAF)及びフォスファ チジン酸、でさえスクリーニングされるべきである。これらのリガンドは、例え
ばSn-1にあるエステル結合を、メトキシ若しくはアセチルエステルで遊離ヒドロ
キシル基をブロックしてエーテルに変換することによって代謝安定性が改善する
ように改変しうる。さらなる医療化学における利点は、脂肪酸鎖を短くしたり、
あるいは、リン酸基の位置を変更することによっても得ることができる。LPA及 び関連リン脂質は水溶液中での溶解性に限界があるし、また粘着性になりがちで
ある。こういった問題は多数の方法で軽減可能である。例えば、リン脂質をカル
シウム非含有のPBSと脂肪酸非含有のBSA中に溶解することによる新鮮な貯蔵溶液
(例えば10mM)の調製が挙げられる。他の関連リン脂質は例えば100%エタノール若
しくはDMSO中で調製できる。
【0045】 HEDG-5の異常発現の診断検査は、例えば心臓、腎臓、肺及び精巣の異常症状の
診断や適正な治療の促進を可能にする。HEDG-5の異常発現が関与する症状の具体
例には、成人呼吸困難症、喘息、関節リュウマチ、心虚血、急性膵炎、肺血症性シ ョック、乾癬、急性シクロスポリン腎毒性、初期糖尿病糸球体症、並びにタバコ
の煙、アスベスト又はシリカに暴露した後の肺損傷が含まれる。
【0046】 EDG-5をコードするヌクレオチド配列(又はその相補体)は、分子生物学の当 業者に知られる技術において多数の応用を有している。これらの技術には、ハイ
ブリダイゼーションプローブとしての使用、PCR用オリゴマーの構築のための使 用、染色体及び遺伝子地図作成への使用、EDG-5の組換えによる製造への使用、並
びにアンチセンスDNA若しくはRNA、それらの化学類似体などの作製への使用が挙
げられる。本明細書に開示されるEDG-5をコードするヌクレオチドの使用は公知 の技術例であり、当業者に公知の技術へのそれらの使用を制限するものではない
。さらに本明細書に開示されるヌクレオチド配列は未だ未開発の分子生物学技術
に使用することも可能であるが、但しその新規の技術は例えばトリプレットの遺 伝暗号、特定の塩基対相互作用などの現在知られているヌクレオチド配列の性質
に依存するものとする。
【0047】 遺伝暗号の縮重の結果、複数のEDG-5をコードするヌクレオチド配列が作成可 能であることは当業者には理解されるだろう。これらのなかには公知の及び天然
のEDG-5のヌクレオチド配列と最小の相同性しかもたないものもあるだろう。本 発明は特に、可能なコドン選択に基いて組合せを選択することによって為しうる
ヌクレオチド配列の可能な変異の各々及び全てを意図している。これらの組合せ
は、天然edg-5のヌクレオチド配列に適用される標準トリプレット遺伝暗号にし たがって作成され、そのような全ての変異は特定的に開示されているものと考え
られるべきである。
【0048】 EDG-5をコードするヌクレオチド配列、その誘導体又はその変異体は好ましく はストリンジェントな条件下で天然edg-5のヌクレオチド配列とハイブリダイズ 可能であるが、実質的に異なるコドン使用を有する、EDG-5若しくはその誘導体 をコードするヌクレオチド配列を作成することは有益かもしれない。特定のコド
ンが宿主によって利用される頻度にしたがって特定の真核若しくは原核発現宿主
において前記ペプチドの発現が起こる割合が高まるように、コドンを選択するこ
とができる。コードされるアミノ酸(aa)配列を変えずに、EDG-5及び/又はその誘
導体をコードするヌクレオチド配列を実質的に変更する他の理由として、天然配
列から産生された転写体と比べてより望ましい性質(例えば、より大きい半減期
)を有するRNA転写体の産生が挙げられる。
【0049】 ヒト遺伝子はしばしば、無視できない実際的多型、即ち全ヒト人口のほんの一
部におけるヌクレオチド配列の変異、を示す。多くの場合、この多型の結果、1個
以上のアミノ酸置換が生じる。これらの置換のなかにはタンパク質機能の立証可
能な変化を全く示さないものもあるが、それ以外のものでは機能的作用の度合い
が変化する可能性がある。実際、多くの天然の又は人工的に作られた突然変異に
よって発現可能なHEDGタンパク質に導くことができる。天然に産生されても又は
人工的に作製されてもいずれの場合にも、これらの変異体の各々は等価物とみな
され、特に本発明に包含される。
【0050】 EDG-5をコードするヌクレオチド配列は、十分に確立された組換えDNA技術(Sam
brookら(1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor
Laboratory, Cold Spring Harbor NY;又はAusubel FMら(1989) Current Protoc
ols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York City)によって種々 の他のヌクレオチド配列と結合させることができる。edg-5と結合させるのに有 用なヌクレオチド配列には、各種のクローニングベクター、例えばプラスミド、 コスミド、ラムダファージ誘導体、ファージミドなどが含まれる。対象となるベ
クターには、発現用ベクター、複製用ベクター、プローブ作製用ベクター、配列 決定用ベクターなどが含まれる。一般に対象となるベクターは、少なくとも1種 の生物で機能する複製開始点、都合のよい制限エンドヌクレアーゼ感受性部位、 及び1種以上の宿主細胞系用の選択マーカーを含むことができる。
【0051】 本発明の別の態様は、EDG-5をコードする天然のヌクレオチド配列とハイブリ ダイズ可能なedg-5特異的ハイブリダイゼーションプローブを提供することであ る。このようなプローブはまた、類似のT7Gをコードする配列の検出のために使 用可能であり、edg-5配列に対し好ましくは少なくとも56%のヌクレオチド同一性
、より好ましくは少なくとも70%の同一性を含むべきである。本発明のハイブリ ダイゼーションプローブは、配列番号12として示されるヌクレオチド配列、又は 天然遺伝子のプロモーター、エンハンサー、イントロン若しくは3'非翻訳領域 を含むゲノム配列、から誘導することができる。ハイブリダイゼーションプロー
ブは、当技術分野でよく知られた技術を用いて種々のレポーター分子で標識され
てもよい。好ましくは、ハイブリダイゼーションプローブは、edg-5受容体の、 より好ましくはmedg-5若しくはhedg-5受容体の、少なくとも15ヌクレオチド、好 ましくは少なくとも25ヌクレオチドを含む。適するハイブリダイゼーションプロ
ーブには、コンセンサス断片即ちマウス及びヒトのedg-5受容体において同一の 領域(図5B参照)、受容体の細胞外edg-5結合ドメイン、規定された膜貫通領域、
及びC末端部分が含まれる。
【0052】 EDG-5の核酸配列の多くの欠失又は変異類似体はEDG-5核酸用の有効なハイブリ
ダイゼーションプローブである。従って、本発明はストリンジェントな条件下で
EDG-5をコードする核酸配列とハイブリダイズする核酸配列に関する。
【0053】 「ストリンジェントな条件」は、実質的に関連のある核酸配列のハイブリダイ
ゼーションを可能にする条件を意味する。例えばそのような条件は一般に、少な
くとも約70%同一性をもつ配列、好ましくは少なくとも80〜85%配列同一性をも
つ配列、より好ましくは少なくとも約90%配列同一性をもつ配列、より好ましく
は少なくとも約95%配列同一性をもつ配列のハイブリダイゼーションを可能にす
るだろう。このようなハイブリダイゼーション条件は、Sambrookら(Molecular
Cloning, A Laboratory Manual, 2版, Cold Spring Harbor Press, 1989)によ って記載されている。ハイブリダイゼーション条件及びプローブは十分に特徴付
けられた方法で調整してヒト由来プローブの選択的ハイブリダイゼーションを達
成することができる。ストリンジェントな条件下でEDG-5をコードする核酸とハ イブリダイズするであろう核酸分子は、上で概説した方法を用いるか、あるいは
、Sambrookら, Molecular Cloning. A Laboratory Manual, 2版, Cold Spring H
arbor Press, 1989に総説されている例えばハイブリダイゼーション則を用いる ことによって、機能的に同定可能である。ハイブリダイゼーションプローブの使
用例には、EDG-5を発現する組織を同定することなどの組織化学的使用、例えば 異常な量のEDG-5を発現する細胞を同定したりあるいはサンプルの組織型を同定 するためのmRNA量の測定、並びにEDG-5における多型性の検出が挙げられるが、 これらに限定されない。RNAハイブリダイゼーション手順は、Maniatisら, Molec
ular Cloning, A Laboratory Manual (Cold Spring Habor Press, 1989)に記載 されている。米国特許第4,683,195号明細書、米国特許第4,800,195号明細書及び
米国特許特許第4,965,188号明細書に記載されるようなPCRは、本発明のedg-5配 列をコードするヌクレオチド配列に基いたオリゴヌクレオチドのさらなる使用を
提供する。PCRに使用される上記のようなプローブは、組換え起源のもの、化学 合成されたもの、又はその両者の混合物でありうる。オリゴマーは、特定の組織
又は診断用途でのedg-5の同定のための最適条件下で使用する別々のヌクレオチ ド配列を含むことができる。同一の2つのオリゴマー又はネステッド組のオリゴ
マー、あるいはオリゴマーの縮重プールでさえも、近縁のDNA若しくはRNAの同定
のために、より低いストリンジェント条件下で使用できる。PCRプライマーを設 計するための規則は、PCR Protocols, Cold Spring Harbor Press, 1991によっ て総説されているように、現在確立されている。縮重プライマー、即ち所与の配 列位置に異種性があるプライマー調製物は、edg-5と同一ではないが高度に相同 である核酸配列を増幅するために設計することができる。現在、プライマーのう
ちの1つのみが既知の配列と特異的にハイブリダイズするように要求できる戦略 を利用できる。Fromanら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:8998, 1988及びLoh ら, Science 243:217, 1989を参照のこと。例えば、適切な核酸プライマーを、 増幅され且つ探し求める核酸に連結させてプライマーの1つに対するハイブリダ
イゼーション相手を得ることができる。このように、必要なプライマーのうちの
1つのみが、増幅され且つ探し求める核酸の配列に基づくべきである。核酸を増 幅するPCR法は少なくとも2つのプライマーを利用することになる。これらのプ ライマーの1つは、増幅される核酸の第1鎖にハイブリダイズすることが可能で あり、また第1方向に酵素誘導の核酸合成を開始することが可能である。他のプ ライマーは、第1鎖の逆方向配列とハイブリダイズすることが可能であり(増幅 される配列が一本鎖である場合、この配列は初め仮想的であるが第1の増幅サイ クルにおいて合成されるだろう。)、また、第1方向と反対の且つ第1プライマー
のハイブリダイゼーション部位に向く方向にある鎖から核酸合成を開始すること
が可能である。特に好適なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で
このような増幅を行うための条件はよく知られている。例えばPCR Protocols, C
old Spring Habor Press, 1991を参照のこと。
【0054】 edg-5用の特異的ハイブリダイゼーションプローブを作製するための他の手段 には、mRNAプローブの作製のためのベクター中にEDG-5又はEDG-5誘導体をコード
する核酸配列をクローニングすることが含まれる。このようなベクターは当技術
分野で知られており、市販されているし、これを用いて、適切なRNAポリメラー ゼ(例えばT7又はSP6 RNAポリメラーゼ)及び適切なレポーター分子の添加によ
りin vitroでRNAプローブを合成することができる。
【0055】 さらに具体的には、hedg-7とハイブリダイズするポリヌクレオチドの検出法は
実施例4に例示されるが、ここにおいて陽性試験はおおよそ少なくとも70%同一
性、より好ましくは少なくとも80〜85%配列同一性に相関する。
【0056】 合成化学によって完全にDNA配列又はその一部を製造することができる。合成 後、当技術分野で公知の技術を用いて、核酸配列を多くの入手し得るDNAベクタ ーやそれらの個々の宿主細胞中に挿入することができる。さらに、合成化学を用
いて、ヌクレオチド配列中に突然変異を導入することができる。あるいは、突然
変異を望む配列部分を合成し、存在するゲノム又は組換え配列のより長い部分と
組換えることができる。
【0057】 hedg-5のヌクレオチド配列をアッセイに用いて、異常なレベルのHEDG-5発現に
関わる炎症又は疾患を検出することができる。そのcDNAを当技術分野で公知の方
法で標識し、患者からの体液、細胞若しくは組織サンプルに加え、ハイブリダイ
ゼーション条件下でインキュベートすることができる。インキュベーション期間
の後、サンプルを、場合によりレポーター分子を含む相容性液体で洗浄する。相 容性液体を濯いで除いた後、レポーター分子を定量し、予め規定しておいた標準
と比較する。
【0058】 hedg-5のヌクレオチド配列を用いて、天然遺伝子の地図作成のためのハイブリ
ダイゼーションプローブを構築した。edg-5遺伝子は、実施例16で詳述されるよ うに、単離された細菌性人工染色体(BAC)を用いることによって第1染色体のp22.
3バンドにマッピングされた。従って、本発明は、ストリンジェントな条件下でhe
dg-5(配列番号12)とハイブリダイズする、この遺伝子座に由来する発現産物を
提供する。確立された染色体マーカーを使用する染色体調製物のin situハイブ リダイゼーションや物理地図作成法(例えば連鎖(linkage)分析)は、遺伝子地 図を拡張することには価値がない。遺伝子地図データの例はScienceの"yearly g
enome issue"(例えば1994, 265:1981f)に見ることができる。
【0059】 新規のヌクレオチド配列は、物理地図作成によって染色体のサブ領域に帰属さ せることができる。新規の遺伝子若しくはヌクレオチド配列の地図作成により、
ポジッショナルクローニング又は他の遺伝子発見法を用いて疾患遺伝子を検索す
る研究者に対し有用な標識点(landmark)が提供される。例えば毛細血管拡張性
運動失調(AT)などの疾患又は症候群が特定のゲノム領域への遺伝子連鎖(例え
ば1 1q22-23に対するAT;Gattiら(1988) Nature 336:577-580)によって一旦大 雑把に位置決めされると、その領域にマッピングする全ての配列は、さらなる調
査のための遺伝子を表すか又はその遺伝子を明らかにすることができる。本発明
のヌクレオチド配列を用いてさらに、正常個体とキャリア又は疾病に冒された個
体との間で遺伝子配列の差異を検出することができる。
【0060】 edg-5をコードするヌクレオチド配列を用いて、組換えDNA技術の公知方法を用
いて精製オリゴペプチド若しくはポリペプチドを製造することができる。Goedde
l(1990, Gene Expression Technology, Methods and Enzymology, Vol. 185, A
cademic Press, San Diego CA)は、単離ヌクレオチド配列の発現を教示する多 数の刊行物のうちの1つである。このオリゴペプチドは種々の宿主細胞(真核又 は原核のいずれか一方)内で発現させうる。宿主細胞はヌクレオチド配列が由来
する同じ種か又は異なる種に由来しうる。組換えDNA技術によってオリゴヌクレ オチドを製造する利点には、精製のために適当量の該タンパク質を得ること、及 び簡易な精製法の入手容易性が含まれる。
【0061】 EDG−5をコードするDNAを用いてトランスフェクトした細胞をT7G、それらの細
胞外、膜貫通または細胞内ドメインの発現および細胞培養物からのそのようなペ
プチドの回収に適した条件において培養しうる。組換え細胞により産生されるED
G−5(またはその任意のドメイン)は、用いられる特定の遺伝子構築法に依り、
細胞膜上で発現、分泌されるか、または細胞内に含まれうる。一般的に、分泌形
態で組換えタンパク質を調製するのがより便利である。精製工程は製造方法およ
び製造される特定のタンパク質で異なる。しばしば、オリゴペプチドはキメラの
ヌクレオチド配列から製造しうる。これは、edg−5またはそのポリペプチドの所
望の部分に由来するヌクレオチドを、タンパク質精製を容易にするポリペプチド
ドメインをコードする核酸配列にライゲートすることにより達成される(Kroll
DJら(1993) DNA Cell Biol. 12:441-53)。
【0062】 組換え法による製造に加え、EDG−5の断片を固相法(例えば、Stewartら(1969
) Solid-Phase Peptide Synthesis, WH Freeman Co., San Francisco QA; Merri
field J(1963) J Am Chem. Soc. 85:2149-2154)を用いる直接ペプチド合成によ
り製造しうる。例えばApplied Biosystems 431Aペプチド合成器(Foster City, C
A)を製造業者により与えられる指示に従って用いて、自動合成を達成しうる。更
に、EDG−5の特定の部分を直接合成の間に変異させ、化学的方法を用いてペプチ
ドの他の部分と結合させることができる。
【0063】 抗体を誘導するためのEDG−5は生物学的活性を必要としないが、タンパク質は
抗原性でなければならない。特異の抗体を誘導するのに用いられるペプチドは、
少なくとも5個のアミノ酸、好ましくは少なくとも10個のアミノ酸からなるアミ ノ酸配列を有しうる。ペプチドは該タンパク質のアミノ酸配列の一部分を模倣す
べきであるが、EDG−5などの小さな天然分子のアミノ酸配列の全体を含んでもよ
い。EDG−5の抗原性部分をキーホールリンペットヘモシアニンなどの他のタンパ
ク質、および抗体産生に用いられるキメラ分子に融合しうる。
【0064】 EDG−5に特異的な抗体を、該ポリペプチドまたは抗原性断片を用いて適当な動
物に接種することにより産生しうる。抗体が該ポリペプチドのエピトープに対し
て産生され、天然または組換えタンパク質の少なくとも一部に結合する場合、抗
体はEDG−5に特異的である。抗体産生には、動物に注射することによる免疫応答
の刺激だけでなく、合成抗体の作製、特異的に結合する分子についての組換え免
疫グロブリンライブラリーのスクリーニング(例えば、Orlandi Rら(1989) PNAS
86:3833-3837、またはHuse WDら(1989) Science 256:1275-1281)、またはリン
パ球集団のin vitro刺激などの類似の方法も含まれる。現在の技術(Winter Gお
よびMIstein C(1991) Nature 349:293-299)により、抗体形成の原理に基づいて
、いくつかの非常に特異的な結合試薬が得られる。これらの技術を適用し、EDG −5を特異的に結合する分子を産生しうる。
【0065】 本発明の更なる実施形態は、HEDG−5に特異的な抗体、インヒビター、リガン ドまたはそれらの類似体を生物活性試薬として用いて、ウイルス性、細菌性若し
くは真菌性感染症;アレルギー反応;外傷に関連する機械的傷害;遺伝病;リン
パ腫若しくは癌;または腎臓、肺、心臓、リンパ若しくは神経系の組織の遺伝子
を活性化する他の病状を含むがこれらに限定されない疾患あるいは炎症を治療す
ることである。
【0066】 HEDG−5のアゴニスト、アンタゴニスト、受容体またはインヒビターを含む生 物活性組成物を、哺乳動物種における最大許容用量を決定する臨床試験または正
常ヒト被験体における安全用量を決定する臨床試験を含む数種の方法のいずれか
によって決定した適当な治療用量で投与しうる。更に、該生物活性試薬を、半減
期などの薬理学的特性または安定性を強化する、十分に確立された多様な組成物
または化合物と共に複合体形成することもできる。治療学的および生物活性組成
物を、血流に静脈内注入することにより、あるいはEdg−5遺伝子の異常発現に関
係する問題を治療するために用いることのできる任意の他の有効手段により送達
しうる。
【0067】 本発明を証明するために以下に実施例を示す。これらの実施例は例示により示
されるものであって、本発明を限定するためのものではない。
【0068】実施例 実施例1:マウスedg-5 cDNAのPCRクローニング TR及びTSMマウス神経細胞系から、オリゴdTセルロース(Pharmacia, カタログ 番号27-5649-01)上での2回選択により、ポリA+ RNAを単離した。このRNAの10.5
μgを、RT反応を開始するものとしてオリゴdTまたはランダムヘキサマーを用い て逆転写した。RNA及びプライマーを、65℃で5分間加熱し、その後、室温まで冷
却した。追加試薬を添加し、以下の最終濃度を得た:50 mMトリス−Cl、pH 8.3 、6 mM MgCl2、40 mM KCl、1 mM DTT、1 mM 各dNTP及び1 ユニット/μlのモロ ニーマウスウイルスRT酵素。
【0069】 縮重プライマーA1(配列番号1)及びB1(配列番号2)を用いてPCR反応を以下 のように行って、第1鎖cDNAを増幅した。PCR反応には、10 mMトリス−Cl、pH 8
.3、50 mM KCl、2μMの各プライマー、1.5 mM MgCl2、0.2μMの各dNTP及び2.5ユ
ニットのTaq DNAポリメラーゼ中に溶解した40 ngの第1鎖cDNAを用いた。30組の プライマー対を用いた。反応物をPerkin-Elmer 480サーマルサイクラーに入れ、
変性を94℃で3分間、次いで、6秒/サイクル増加しながら、初めは96℃で45秒間
、47℃で144秒間または53℃で216秒間及び72℃で3分間で行い、25〜40サイクル 繰り返した。TA PCRクローニングベクター(Invitrogen,カタログ番号K2000-40 )を用いてPCR産物をクローニングした。得られたedg-5クローン501(配列番号3
)の塩基配列をジデオキシ鎖終止法により決定した。 A1: 5'-AAYTRSATIMTISTIAAYYTIGCIGTIGCIGA-3' (配列番号1) B1: 5'-CTGIYKWTTCATIAWIMMRTAIAYIAYIGGRTT-3' (配列番号2) クローン501(配列番号3)の塩基配列を図1Aに示した。Genbankの検索により
、クローン501(配列番号3)がLPA受容体に最も密接に関与していることが示さ れ、また、GPCRオーファンedg-5(Genbank MMU70622)と同定された。クローン501
(配列番号3)とedg-2との間の配列の同一性は、クローン501(配列番号3)の63
9塩基長にわたって60.5%であった。このヌクレオチドのアミノ酸配列は、図2に 示されている(配列番号15)。
【0070】 胚性15日目の全胚ラムダZAP cDNAライブラリー(Clontech)からの約5×105ファ
ージを、このPCR産物の一部である501AB(PCRプライマーA及びBを用いた、縮重P
CRスクリーニングからの元のPCRプローブ)を用いて、32P標識されたプローブと
共に従来のナイロンフィルターリフト上でスクリーニングし、高ストリンジェン
トに洗浄した。2個のクローンを単離し、pBluescriptのEcoRI部位にサブクロー ニングした。それらのクローンのうちの1個の塩基配列を決定して図1Bに示し、
そのアミノ酸配列を図5Bに示した。
【0071】実施例2:ヒトゲノムDNA由来の部分hedg-5遺伝子の、hedg-5 cDNA PCR増幅物の 単離 PCRプライマーJC501-F2(配列番号4)およびJC501-R(配列番号5)を、クロ
ーン501(配列番号3)の配列を用いて設計し、hedg-5 PCR断片を得るために、 以下に詳述するように、Boehringer Mannheim(Cat. 1681-842)からのExpand(
登録商標) PCRシステムを使用した。ヒトゲノムDNAは、Promega(Cat. G304A)
から入手した。 JC501-F2: 5'-TTTTTACTCGAGATTTGCTGGTTATTGCTGTGGAAAG-3'(配列番号4) JC501-R: 5'-TTTTTTCTAGACGGTCATCACTGTCTTCATTAGCTTC-3'(配列番号5) 各々の反応は以下の試薬を含有していた: 30.25 μl 水 10 μl 2.5 mM dNTP 混合物 5 μl 10× Expand(登録商標)バッファー3 1.5 μl 10μM JC501-F2 プライマー 1.5 μl 10μM JC501-R プライマー 0.75 μl Expand PCR 酵素(3.5ユニット/μl) 1 μl ヒトゲノムDNA(0.272μg/μl) PCR 条件: インキュベート: 94℃ 2分間 30サイクル : 92℃ 1分間 45℃ 5分間 68℃ 1分間 保持 : 4℃ エチジウムブロマイド(EtBr)染色されたアガロースゲル上で、約390bpの強い 強度を有するPCR産物がみられた。この産物を以下のPCR反応により再増幅した: 30.25 μl 水 10 μl 2.5 mM dNTP 混合物 5 μl 10× Expand(登録商標)バッファー3 1.5 μl 10μM JC501-F2 プライマー 1.5 μl 10μM JC501-R プライマー 0.75 μl Expand PCR 酵素(3.5ユニット/μl) 1 μl 前回のPCR反応に由来するPCR産物 PCR 条件: インキュベート: 94℃ 2分間 30サイクル : 92℃ 1分間 45℃ 5分間 68℃ 1分間 保持 : 4℃ この強い強度の390bpのPCR再増幅産物をアガロースゲルから切り出した。30μ
lのPCR反応物からのPCR産物を、プールしたゲル切断断片から、Qiaquick Gel抽
出キット(Qiagen Inc.;Cat.28706)を使用して精製し、20μlの10mM Tris-Cl 、pH 8.5を用いて溶出した。溶出したDNAを定量し、PCR産物の配列を、自動化さ
れた配列決定によって、Allelix's in-house facilityにおいてABI 377 シーク エンサーおよび蛍光ジデオキシターミネーターを用いて、上記のPCR反応由来の 各々のプライマーを使用して決定した。
【0072】 配列決定の結果は、マウスクローン501配列とのヌクレオチドレベルで81.5%の
同一性が、プライマー配列を除いた312bpのオーバーラップにわたって示された 。
【0073】ラージedg-5 cDNA断片のPCR増幅と配列決定 プライマーH501-20F(配列番号6)およびH501-246R(配列番号7)はhedg-5 に特異的であり、これらを使用してhedg-5のより大きな(larger)部分をコード
するcDNAを、λgt10胎児心臓cDNAライブラリーから下記のように増幅した。 H501-20F: 5'-ATGCGGCTGCATAGCAACCTGACCAAAAAG-3'(配列番号6) H501-246R: 5'-ATCCGCAGGTACACCACAACCATGATGAGG-3'(配列番号7) 各々の反応物は以下の試薬を有していた: 30.25 μl 水 10 μl 2.5 mM dNTP 混合物 5 μl 10× Expand(登録商標)バッファー3 1.5 μl 10μM H501-20F プライマー 1.5 μl 10μM H501-246R プライマー 0.75 μl Expand PCR 酵素(3.5ユニット/μl) 1 μl 胎児心臓cDNAライブラリー (≧1ライブラリー等量/μl;Clontech;Cat.HL5017a) PCR 条件: インキュベート: 94℃ 2分間 30サイクル : 92℃ 1分間 45℃ 5分間 68℃ 1.5分間 インキュベート: 68℃ 8分間 保持 : 4℃ EtBr-染色したアガロースゲル上で、250bpの中程度の強度のPCR産物が胎児心 臓ライブラリー中にみられた。これはプライマーの位置から期待される適正なサ
イズである。試験された13の、他のどのcDNAライブラリーにおいても、特異的PC
R産物はみられなかった。
【0074】 追加のedg-5配列を得るために、および可能であれば胎児心臓cDNAライブラリ ー由来の全長cDNAを増幅するために、PCR反応を、JC501-F2(配列番号4)また はJC501-R(配列番号5)プライマーを、このcDNAライブラリーがその中に構築 されているlgt10ベクター由来のプライマーに対して使用して行った。cDNA挿入 断片は、方向的(directionally)にはlgt10ベクター中にはクローン化されてい
ないが、本発明者らは1つの方向からのみ産物を増幅することを選択した。この ベクターをベースとしたプライマーの配列は下記のものである: GT10-F: 5'-TTTTGAGCAAGTTCAGCCTGGTTAAGT-3'(配列番号8) GT10-R: 5'-TGGCTTATGAGTATTTCTTCCAGGGTA-3'(配列番号9) 1つのPCR反応を、JC501-F2(配列番号4)対GT10-R(配列番号9)プライマー
を用いて行い、edg-5 cDNAクローンの3'末端を増幅した。そして別のPCR反応を 、GT10-F(配列番号8)対JC501-R(配列番号5)プライマーとともに行い、edg
-5 cDNAクローンの5'末端を増幅した。各々40μlの反応物は、以下の試薬を有 していた: 23.6 μl 水 8.0 μl 2.5 mM dNTP 混合物 4 μl 10× Expand(登録商標)バッファー3 2.0 μl 10μM edg-5 特異的プライマー 0.8 μl 10μM ベクタープライマー 0.6 μl Expand PCR 酵素(0.4ユニット) 1 μl cDNAライブラリーストック (≧1ライブラリー等量/μl;Clontech;Cat.HL5017a) PCR 条件: インキュベート: 94℃ 2分間 30サイクル : 92℃ 30秒間 55℃ 2分間 68℃ 3分間 インキュベート: 68℃ 8分間 保持 : 4℃ 結果は、3'-末端PCR反応(JC501-F2(配列番号4)/GT10-R(配列番号9)) に由来する2つのかすかなPCR産物(510-5-1および510-5-2と命名)を示していた
。5'-末端PCR反応(GT10-F(配列番号8)/JC501-R(配列番号5))からは、ま
た2つのかすかなPCRバンド(510-6-1および510-6-2と命名)がみられた。各々の
バンドをゲルから、ピペットマンに差し込んだ未使用の(fresh)チップでバン ドを刺し通すことによりチップ溶出させ、続いて50μlのTE、pH8中ですすいだ 。この溶液をストックとして使用し、この溶液から、同じベクタープライマー対
ネステッドヒト特異的プライマーを使用して以下のようにネステッド再増幅を行
った: 11.5 μl 水 4.0 μl 2.5 mM dNTP 混合物 2 μl 10× Expand(登録商標)バッファー1 0.6 μl 10μM edg-5 特異的プライマー 0.6 μl 10μM ベクタープライマー 0.3 μl Expand PCR 酵素(0.4ユニット) 1 μl チップ溶出PCR DNAストック PCR 条件: インキュベート: 94℃ 2分間 30サイクル : 92℃ 30秒間 55℃ 40秒間 68℃ 3分間 インキュベート: 68℃ 8分間 保持 : 4℃ ネステッド再増幅物の各々の、最も強度の強いバンドに由来するDNAを、QIAqu
ick Gel抽出キットを使用して精製し、50μlの10mM Tris-Cl、pH 8.5に溶出し た。
【0075】pcDNA3ベクターへのhedg-5 cDNAの全長クローニング 伸長PCR(プライマー無しのサイクル)を用いて、オーバーラップ部分〜1.0kb
3'断片(511-5と命名:510-5-2より再増幅)および700bp 5'断片(511-14と命 名:510-6-2より再増幅)を以下のように伸長させた: 伸長PCR: 19.8 μl 水 5.6 μl 2.5 mM dNTP 混合物 4.0 μl 10× Expand(登録商標)バッファー1 5 μl 10μM edg-5 3' PCR DNA断片(511-5) 5 μl 10μM edg-5 5' PCR DNA断片(511-14) 0.6 μl Expand PCR 酵素(3.5ユニット/μl) PCR 条件: インキュベート: 94℃ 2分間 15サイクル : 92℃ 1分間 60℃ 10分間 68℃ 3.5分間 インキュベート: 68℃ 8分間 保持 : 4℃ 2μlの伸長PCR反応物を、続いて2つのベクタープライマー(GT10-F(配列番 号8)およびGT10-R(配列番号9))を使用して再増幅し、全長伸長産物を選択
した。
【0076】 32.25 μl 水 7.0 μl 2.5 mM dNTP 混合物 5.0 μl 10× Expand(登録商標)バッファー1 1.5 μl 10μM GT10-F プライマー 1.5 μl 10μM GT10-R プライマー 0.75 μl Expand PCR 酵素(3.5ユニット/μl) PCR 条件: インキュベート: 94℃ 2分間 30サイクル : 92℃ 40秒間 50℃ 40秒間 68℃ 3分間 インキュベート: 68℃ 8分間 保持 : 4℃ PCR産物のゲル電気泳動の後、強い強度の約1.4kbのDNAバンドがみられた。PCR
産物をQIAquick PCR精製キット(QIAGEN Inc.;Cat.28106)で精製し、50μlの1
0mM Tris-Cl、pH 8.5に溶出した。続いてゲル精製PCR断片を、Allelix's in-hou
se facilityでの上記のような自動化された配列決定のために送付した。配列決 定の結果により、増幅されたバンドのedg-5としての同一性が確認され、伸長PCR
によってedg-5の全長クローンが再構築されたことを示唆していた。
【0077】 pcDNA3中にサブクローン化するために、上記のDNAを改変ベクタープライマーG
T10-5KXb(配列番号10)およびGT10-3BXh(配列番号11)を用いて再増幅し た。 GT10-5KXb: 5'-GGGTAGTCGGTACCTCTAGAGCAAGTTCAGCC-3'(配列番号10) GT10-3BXh: 5'-ATAACAGAGGATCCTCGAGTATTTCTTCCAG-3'(配列番号11) 再増幅PCR: 67.5 μl 水 14 μl 2.5 mM dNTP 混合物 10 μl 10× Expand(登録商標)バッファー1 3 μl 10μM GT10-5KXb プライマー 3 μl 10μM GT10-3BXh プライマー 1.5 μl Expand PCR 酵素(3.5ユニット/μl) 1 μl 前回のPCR反応由来のDNA PCR 条件: インキュベート: 94℃ 2分間 5サイクル : 92℃ 1分間 50℃ 1分間 68℃ 2分間 25サイクル : 92℃ 1分間 60℃ 1分間 68℃ 2分間 インキュベート: 68℃ 8分間 保持 : 4℃ PCR産物をQIAquick PCRで精製し、50μlの10mM Tris-Cl、pH 8.5に上記のよ うに溶出し、KpnIおよびXhoIで制限分解した。
【0078】 PCRサンプルのKpnIおよびXhoIによる制限消化: 2回の逐次的な制限消化を、精製された伸長PCR産物に対し、以下のように行っ
た: 38 μl 伸長PCR DNA 5 μl 10× NEBuffer 1(New England Biolabs [NEB]) 2 μl KpnI制限エンドヌクレアーゼ(10ユニット; NEB, Cat #142S) 5 μl 10× アセチル化BSAストック(NEB) 制限消化物を1時間、37℃のウォーターバス中でインキュベートし、続いて以 下の試薬および酵素を添加した: 10 μl 10× NEBuffer 2(NEB) 1 μl XhoI制限エンドヌクレアーゼ(20ユニット; NEB, Cat #146S) 5 μl 10× アセチル化BSAストック(NEB) 43 μl 水 反応産物ををQIAquick PCR精製キットを使用して精製し、50μlの10mM Tris-
Cl、pH 8.5に溶出した。
【0079】 pcDNA3クローニングベクターのKpnIおよびXhoIによる調製: 4 μl 1.8kbのcDNA挿入断片を有するpcDNA3プラスミドDNA (Invitrogen; Cat. V790-20) 10 μl 10× NEBuffer 2(NEB) 3 μl KpnI制限エンドヌクレアーゼ(NEB, 1:10希釈; 3ユニット) 3 μl XhoI制限エンドヌクレアーゼ(NEB, 1:20希釈; 3ユニット) 10 μl 10× アセチル化BSAストック(NEB) 64 μl 水 ベクターDNAを1時間、37℃で消化した。続いて、3ユニットより多い、各々の 酵素を添加し、チューブをさらに2時間インキュベートした。消化物をゲル上で 泳動させ、cDNA挿入断片のないベクターバンドを切り出し、GeneClean IIキット
(BIO101)を用いて精製し、40μlの10mM Tris-Cl、pH 8.5に溶出した。
【0080】 二重消化し、ゲル精製したPCR DNAを、調製されたpcDNA3プラスミドベクター 中に、T4 DNAリガーゼキット(NEB、Cat.202CS)を使用して連結し、Epicurean
Coli XL-2 Blue MRF'Ultracompetent 細胞(Stratagene, Cat.200150)中へ形質
転換した。この形質転換体を2×YT/アンピシリンプレートにプレーティングし、
シングルコロニーをピッキングした。DNAミニプレップをQIAGEN QIA-Prep8ミニ プレップキット(Cat.27144)を使用して作成し、好適な挿入断片を有するクロ ーンを、in-house ABI自動化配列決定システムによる配列決定により同定した。
この分析から、pC3-hedg-5-3(配列番号13)と命名されたクローンを、cDNA挿
入断片の完全配列決定のために選択した。
【0081】hedg-5 cDNAの特徴 EMBL、dbEST、GSSおよびSTSゲノム配列決定データベース、およびGenbankのBL
ASTサーチにより、hedg-5配列は新規であることが示唆された。ウシLPAレセプタ
ーedg-2は、Genbank/EMBLデータベースの組合せから見出された最も高いスコア の全長cDNA配列であった(Genbank BTU48236: 55%同一性)。
【0082】 この配列は、5'-非翻訳配列の10bp、1059bpのedg-5オープンリーディングフレ
ーム、および204bpにわたる3'-非翻訳領域を含んでいる。edg-5のコード領域は 、最初のメチオニンコドン(nt 36-38)で始まり、停止コドン(nt 1095-1097)
で終わる。このオープンリーディングフレームの予報は、cDNA配列の5'末端に隣
接しているゲノムDNAによって支持されている(下記参照)。250bpの5'隣接配列
を、実施例16に記載のとおりにBACゲノムクローンから得た(図4A、配列番号1 2)。予報される(proposed)翻訳開始部位の24bp上流に、フレーム内停止コドン
が先行している。異なるクローンの配列決定により、いくつかの配列多型性の存
在が明らかとなった。この多型性は、ヒト集団内でのedg-5配列の、天然の多様 性のサンプルを提示するものであろう。edg-5オープンリーディングフレーム内 で観察された15の多型性を以下に列挙する。これらの置換のうちの9つは、コー ドされるアミノ酸の置換という結果にはなっていないが、一方で3つは保存的置 換、および3つは非保存的置換という結果となっていた。
【0083】
【表1】 pC3-hEdg5-3のedg-5オープンリーディングフレーム(配列番号13;図3A)ク
ローンは353アミノ酸のポリペプチド(配列番号14;図4A)を、多数の典型的 なGPCRの特徴とともに予報している。これらには、下記のものが含まれる: 1. GPCRの7つの膜貫通構造に一致するハイドロパシー特性:・ N-末端細胞外ドメイン:1-30・ TM-1:31-56・ IL-1:57-63・ TM-2:64-92・ EL-1:93-106・ TM-3:107-125・ IL-2:126-144・ TM-4:145-170・ EL-2:171-186・ TM-5:187-207・ IL-3:208-239・ TM-6:240-261・ EL-3:262-276・ TM-7:277-297・ C-末端細胞質ドメイン:298-353 2. 細胞外N-末端ドメイン中の残基15での潜在性N-グリコシル化部位 3. 残基141、229および303での潜在性プロテインキナーゼCリン酸化部位 4. 残基217、233および321での潜在性cAMP-依存性キナーゼリン酸化部位および 潜在性cGMP-依存性キナーゼリン酸化部位 5. 残基329での潜在性カゼインキナーゼ-IIリン酸化部位 ヒトedg-5レセプターのアミノ酸配列、配列番号14(図4A)はまた、GPCRのe
dgサブファミリーの他のメンバーに対しても高いホモロジーを示している。ペア
での(pairwise)同一性%および類似性%を下の表2に示す。
【0084】
【表2】 複数の配列を並列させると、DNA配列によって提案された通り、edg-2は、アミ
ノ酸配列レベルでedg-5と最も密接な公知の関連性を有することが指示された。e
dg-5遺伝子産物は、edg-6(共係属している米国特許出願第08/763,938号に記載 された新規edg遺伝子)とも密接に関連している。edg-2、edg-5およびedg-6は、
より大きな(larger)edg遺伝子ファミリー内で、edg-1、edg-3およびedg-4とは
区別されるサブファミリーを形成していると見受けられる。
【0085】 別のマウスedg-2スプライシング変異体が発見された。その変異体は、N-末端 コード領域内部の長さが異なるものである。より長いオープンリーディングフレ
ーム(Genbank、受託番号:MMU70622)は、より短いオープンリーディングフレ ーム(Genbank、受託番号:MMU48235)の18アミノ酸のN-末端伸長をコードし、 より短い産物の開始メチオニンコドンをより長い産物のアミノ酸19としてコード
している。edg-2およびedg-5の配列関連性、およびより短いedg-2産物のメチオ ニンコドンがhedg-5の開始コドンに近接して並列しているという事実により、ed
g-5オープンリーディングフレームhedg-5は、配列番号14のHEDG-5ペプチドに 類似したN-末端伸長をコードしている可能性がある。このような伸長は、本明細
書に示されたhedg-5配列の上流にみられる配列のスプライシングの結果であろう
し、N-末端伸長に関してスプライシングされたmRNA変異体を1以上生産するであ ろう。簡潔に説明すると、本開示が供与されると、当業者は、市販の5'RACEキッ
ト(Life Technologies, Cat. No:18374-041)を使用し、Molecular Biology(2
nd edition, 15-27)中の開始手順に詳述されたアプローチを使用する5'RACEに より、このようなスプライス変異体を発見できるであろう。簡潔に言うと、第一
の鎖のcDNAは、hedg-5に特異的な(理想的には公知のhedg-5配列の5'末端から約
500ヌクレオチドの配列を標的とした)アンチセンスオリゴヌクレオチドを用い てプライミングされる(腎臓RNAおよび肺RNAが、cDNA合成のための好ましいテン
プレートである)。その後、続いて、第一の鎖のcDNAはターミナルトランスフェ
ラーゼを用いて、例えばデオキシグアニン残基でテイリングされる。PCR増幅で は、このポリグアニンテイルに相補的なアンカープライマーおよびhedg-5特異的
ネステッドプライマーを用いてプライミングされる。
【0086】実施例3 真核細胞中の発現および機能的分析のためのhedg5コード領域の分子ク ローニング 種々のcDNAライブラリーおよび第1鎖cDNA調製物を探査したが、本発明者等は 全長クローンを得ることができなかった。cDNAライブラリーにedg-5がまれなこ とは、何百万もの個々のESTを含むDBESTデータベース内のedg-5をコードする領 域におけるESTの完全な欠失にさらに裏付けられている。従って、代わりの方法 を設計した。この方法においては、コード領域をゲノムDNA由来の2つの断片で増
幅する。そのため本発明者等は、HEDG5をコードするゲノムDNAに生じる(配列番
号13のnt 771/772間)シングルスプライシング部位の位置を予め決定した。次に
2つの断片を、プライマーが2つの断片間で30bpの重複を有するように設計されて
いる伸長PCRにより連結して、機能的な全長edg-5 cDNAを得た。nt 996/997に位 置するイントロンに隣接する2つのエキソン由来のDNA断片を、次のプライマーを
使用して30ntの重複を有するようにPCR増幅した。 5'エキソン断片 HE5-261F: [5'-ATGAATGAGTGTCACTATGACAAG-3'] HE5-1011R: [5'-ATACCACAAACGCCCCTAAGACAGTCATCACCGTCTTC-3'] 3'エキソン断片 HE5-982F: [5'-TGATGACTGTCTTAGGGGCGTTTGTGGTATGCTGGACC-3'] HE5-1322R: [5'-TTAGGAAGTGCTTTTATTGCAGACTGC-3'] ヒトゲノムDNA(Clontech,Cat#6550-1)を以下のPCR増幅条件下で、Boehringer
-Mannheim(Cat.1681-842)のExpand(登録商標)PCRシステムを用いて各プライマ
ーの組で増幅した。 各反応は、以下の試薬を含む: 5.0μl 10×PCR バッファー 3 1.0μl 25mM dNTP mix 1.5μl プライマーHE5-261FまたはHE5-982F(10 pmol/μl) 1.5μl プライマーHE5-1011RまたはHE5-1322R(10 pmol/μl) 0.75μl Expand(登録商標)酵素(7.5ユニット) 38.25μl 水 2.0μl DNA PCR条件: インキュベート: 94℃、2分 30サイクル: 94℃、1分 55℃、2分 68℃、1分 インキュベート: 68℃、8分 保持: 4℃ 約700bp(5'エキソン)および350bp(3'エキソン)のDNAフラグメントを増幅 した。二つのDNA断片をQiaquickゲル抽出キット(Qiagen, Cat. 28706)を用いて 精製し、50μlの10mM Tris、pH8.5に溶出した。次に、伸長PCR(プライマーなし
のサイクル)を用いて、互いに30bp重複している5'エキソンおよび3'エキソン断
片を連結した。 伸長PCR: 各反応は次の試薬を含む: 2.0μl 10×PCR バッファー 3 0.4μl 25mM dNTP mix 0.3μl Expand(登録商標)酵素(2.5ユニット) 13.8μl 水 1.0μl 5'エキソンPCR-増幅 DNA 1.0μl 3'エキソンPCR-増幅 DNA PCR条件: インキュベート: 94℃、2分 20サイクル: 94℃、1分 60℃、5分 68℃、1.5分 インキュベート: 68℃、8分 保持: 4℃
【0087】 次に、上記PCRの5μl増幅産物を次のPCR条件で、前記のプライマーHE5-261Fお
よびHE5-1322Rを用いて再増幅した。 各反応は、以下の試薬を含む: 5.0μl 10×PCR バッファー 3 1.0μl 25mM dNTP mix 1.5μl プライマーHE5-261F(10 pmol/μl) 1.5μl プライマーHE5-1322R(10 pmol/μl) 0.75μl Expand(登録商標)酵素(7.5ユニット) 35.25μl 水 5.0μl DNA PCR条件: インキュベート: 94℃、2分 25サイクル: 94℃、1分 55℃、1分 68℃、1分 インキュベート: 68℃、8分 保持: 4℃ 約1.0kbの目的のDNAバンドをQiaquick PCR精製キット(Qiagen)を用いて精製し
、50μlの10mM Tris、pH8.5に溶出し、上記のPCR反応で用いた各プライマーで前
記のように直接のPCR配列決定を行った。得られた配列は、edgをコードする領域
においてヒトegd-5 cDNAと93〜99%の同一性を示した。 pcDNA3.1(Invitrogen;Cat.V795-20)内にサブクローン化するために上記DNAを
、改変したプライマーHE5-KZKFおよびHE5-KpnI322Rで、次の条件で再増幅した: HE5-KZKF: [5'-TTTAAACTCGAGCCACCATGAATGAGTGTCACTATGAC-3'] HE5-KpnI322R: [5'-TATATAGGTACCTTAGGAAGTGCTTTTATTGCAGACTGC-3'] 各反応は、以下の試薬を含む: 5.0μl 10×PCR バッファー 3 1.0μl 25mM dNTP mix 1.5μl プライマーHE5-KZKF (10 pmol/μl) 1.5μl プライマーHE5-KpnI322R (10 pmol/μl) 0.75μl Expand(登録商標)酵素(7.5ユニット) 39.25μl 水 1.0μl DNA PCR条件: インキュベート: 94℃、2分 25サイクル: 94℃、40秒 50℃、1分 68℃、1.5分 25サイクル: 94℃、40秒 65℃、40秒 68℃、1.5分 インキュベート: 68℃、8分 保持: 4℃ PCR産物を前記のように精製し、pcDNA3.1のKpn1およびXho1制限部位中にサブ クローン化した。
【0088】 プラスミドDNAを数種の陽性クローンから調製し、293-EBNA細胞中に、2×SRE-
ルシフェラーゼレポータープラスミドで同時にトランスフェクトした。
【0089】293−EBNAのための一過性トランスフェクションのプロトコル 1日目 1) 約80%の集密度を有する293−EBNAの100mmプレートをトランスフェクション
に用いた。 2) NF−kBレポーター遺伝子共トランスフェクション: 発現プラスミド(3.5μg)とレポータープラスミド(6XNF−kBtk−p4Luc−zeo ;0.5μg)DNAサンプルを合わせ、750μlのDMEM/F12(無血清培地)および20μl のプラス試薬(リポフェクトアミンプラスキット、Life Technologiesカタログ 番号10964-013)中に希釈し、室温で15分間インキュベートした。 3) 30μlのリポフェクトアミン試薬(リポフェクトアミンプラスキット)を750
μlのDMEM/F12に希釈した。その後、希釈したリポフェクトアミンをDNA/プラス 混合物と合わせ、室温で15分間インキュベートした。 4) 293−EBNAプレートをPBSで一回洗浄し、5mlのDMEM/F12を各プレートに添加し
た。 5) DNA/プラス/リポフェクトアミン混合物を293−EBNA細胞の各プレートに添加
した。このプレートを37℃で5%CO2インキュベーター中に3時間放置した。 6) 該トランスフェクション培地を10%FBSを含むDMEM/F12と置換し、一晩回復 させた。2日目 1) トランスフェクトした細胞をトリプシン処理により回収し、ポリD−リシンで
被覆した96ウエルBlackviewプレート(Becton Dickinson Labware、カタログ番 号40640)に1ウエル当り20,000細胞をプレートした。培地は0.5%FBSを含むDME
M/F12であった。96ウエルプレートの外側のウエルには細胞をプレートしなかっ た。該細胞を再び24時間インキュベーターに入れた。3日目 1) 培地を除去し、細胞を、0.15%FBSを含むDMEM/F12培地に希釈した化合物で 処理した。続いて以下の処理を行った:a)未処理(DMEM/F12+0.15%FBS)、b)A
N(10μMアナンダミド)、c)LPA(10μlオレイルリゾホスファチジン酸)。 2) 該細胞をインキュベーター中で一晩処理した。4日目 1) ルクライトキット(Luclite kit;Packard、カタログ番号6016911)をルシ フェラーゼアッセイに用いた。全試薬を使用前に室温に戻した。 2) 培地を各ウエルから除去した。50μlの0.5M HEPES pH7.8、1mM MgCl2、1mM
CaCl2を96ウエルプレートの全ウエルに添加した。 3) ルクライト基質を調製し、50μlの基質をキットに指示されているように各 ウエルに添加した。 4) プレートを室温で30分間インキュベートした。 5) インキュベーション後、プレートをダークディレイ(dark delay)なしのプロ
グラムで12検出器パッカードトップカウント(12-detector Packard Top Count) でカウントした。
【0090】結果 本研究者らが他の文献(発明の名称「炎症性応答に関連するリゾ脂質受容体の
同定」として1998年11月25日に出願したMUNROEによる米国仮特許出願および1998
年12月30日に出願した対応PCT出願を参照されたい)で示しているように、edg−
2、edg−5およびedg−6は、活性化された場合にNF−kBを誘導するedg受容体ファ
ミリーの炎症性LPA受容体サブタイプであると証明された。図6に例示するように
、特に2つのクローン(pc3−hedg5#3−4およびpc3−hedg5#28)により示され るように、HEDG−5は10μMにおいてアナンダミドには応答しないが、LPAには応 答してNF−kBを活性化した(図6を参照)。
【0091】リゾホスファチジン酸(LPA)受容体の3つの炎症性サブタイプ 更なる実験を行い、血清応答配列(SRE)、またはアクチベータータンパク質−
1(AP−1)の誘導性エンハンサー配列を含む約1kbのヒトコラゲナーゼ遺伝子プ ロモーターをedg−2およびedg−6受容体サブタイプと共に含むレポーター遺伝子
構築物におけるクローン#28の応答を試験した。図7に示されるように、pC3−hed
g5#28は10μMのLPAで処理した場合、SRE応答およびAP−1応答を示した。
【0092】 前記の受容体が炎症性応答を媒介しうるかを調べるために、各受容体を、SRE 、NF−kBまたはAP−1レポーター遺伝子を用いて別々に共トランスフェクトした 。AP−1レポーターは約1kbのヒトコラゲナーゼIIプロモーターと、誘導性発現が
AP−1により制御されることが示されている領域である、コラゲナーゼII転写単 位の5'非翻訳領域の最初の50bp(Angel Pら、「ホルボールエステル誘導性遺伝 子はTPA調節トランス作用因子により認識される共通のシスエレメントを含む」 、Cell、1987 Jun19;49(6):729-739)を含んでいた。この転写因子は、NF−kBと
同様に、炎症および新生物のシグナル伝達に関係していると同様に、その作用の
遺伝子標的はNF−kBのものとは大きく異なっている(Adcock IM.、「遺伝子転写
のアクチベーターとしての転写因子:AP−1およびNB−kB」、Monaldi Arch Ches
t Dis、1997 Apr; 52(2):178-86、Review)。
【0093】 293−EBNA細胞を増殖させ、単層培養物中にリポフェクションし、実施例11のア
ッセイ#1に記載のように調製した。ただし、NF−kBおよびAP−1レポーターをト
ランスフェクトした細胞は0.5%FBSを含む培地で6時間前処理し、次いで10μM のLPAを含むまたは含まない同一の培地で一晩処理した。
【0094】結果 : 図7に示されるように、三つの受容体は全て、10μMのLPAの存在下でNF−kBレ
ポーターを強く活性化した(約3〜4倍)が、NF−kBレポーターを空の発現ベクタ
ーpcDNA3を用いて共トランスフェクトした場合、LPAに対する応答は全く見られ なかった。SREおよびAP−1レポーター遺伝子を用いた場合、LPAに対するいくつ かの内因性応答が見られた(未処理対照細胞に対し、約1.5倍)。しかし、edg−6
は両方のレポーターを強く誘導するが、edg−2およびedg−5はLPAによりSREおよ
びAP−1レポーターの誘導を2倍以上引き起こした。従って、ここで試験した三つ
のLPA受容体は全て、NF−kB、およびおそらくAP−1をも介して炎症性遺伝子転写
を誘導できる。
【0095】実施例4:hedg−5を用いたハイブリダイゼーションによるhedg−5ポリヌクレオ チドの検出 edgポリヌクレオチドは、自然または人為の突然変異の誘導により、あるいは クローニングおよび続いて操作することにより、変化しうる。更に、分岐進化の
歴史を通して蓄積されてきたヌクレオチド変化の結果として、特定の遺伝子の哺
乳動物相同染色体は種の間で通常10〜30%異なる。従って、本明細書においては
、hedgの変異体および他の非常に関連する遺伝子を検出および同定するための方
法を提供する。
【0096】 hedg−5のHEDG−5をコードする領域を、適当な制限酵素を用いてpC3−hEdg5−
3またはpC3−hedg5#3.4若しくはpC3−hedg5#28のいずれかを制限することによ
り調製して完全長hedg−5挿入断片を放出させ、続いてアガロースゲル電気泳動 後に標準法を用いて、cDNA挿入断片を精製する。32P−ヌクレオチド末端標識ま たはランダムプライマー法(いくつかのキットが市販製品により入手可能である
)を用いて、あるいは当技術分野で公知の方法による抗体を用いる後の検出のた
めに、非天然ヌクレオチドの取り込みによって、該cDNA挿入断片を標識しうる。
ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの混合物を保持するナイロンフィルタ
ー(例えば、Hybond N+、カタログ番号RPN132B)を標準法により調製する。例 として、サザンブロット法、細菌コロニーまたはバクテリオファージプラークか
らのフィルターリフトなどが含まれる。
【0097】 乾燥フィルターを水中で再び水和させ、その後10mlの(若しくはフィルターを
覆い、バッグを密封するのに十分な)ハイブリダイゼーション溶液(48%脱イオ
ン化ホルムアミド、4.8×SSC[20×SSCは3M NaCl、0.3Mクエン酸ナトリウム、pH7
.0]、1×デンハルド(Denhardt)溶液[50×デンハルドは、1% Ficoll 400、1%ポ
リビニルピロリドン、1% BSA(Pentax Fraction V)]、10%硫酸デキストラン 、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム[SDS])を有する密封可能なバッグ中で、1時間 以上42℃で予めハイブリダイズする。
【0098】 放射性標識プローブをスクリューキャップチューブ中の1mlの超音波処理ニシ ン***DNA(2mg/ml)に添加し、沸騰湯浴中で10分間インキュベートする。該チ ューブを氷に移し、2mlのハイブリダイゼーション溶液を添加し、該プローブ溶 液を密封バッグに注入する。>5×107cpm/μgDNAにおいて、1mlハイブリダイゼー
ションバッファー当り1〜15ngの放射性標識プローブの最終濃度を得るのに十分 なプローブを添加しなければならない。該バッグを再び密封し、十分に混合し、
水浴またはインキュベーターを振とうまたは回転させながら一晩42℃でインキュ
ベートする。
【0099】 前記フィルターを500mlの低ストリンジェントな洗浄バッファー(2×SSC、0.1
%SDS)を用いて、ゆっくりと回転するプラットホーム上で、室温で1回につき15
分間、3回洗浄する。その後、中程度にストリンジェントな洗浄バッファー(1×
SSC、0.1%SDS)を用いて、65℃で1回につき15分間、2回洗浄する。該フィルタ ーを乾燥し、蛍光画像装置カセットまたはオートラジオグラフィーフィルムに暴
露する。陽性スポットまたはDNAバンドを、バックグラウンドまたは適当な陰性 対照サンプルを差し引いた後に同定する(以下を参照)。
【0100】 必要であれば、10pmolのpC3−hEdg5−3の完全長hedg挿入断片を含むDNAスポッ
トをフィルター上で陽性対照(Pos)として用いることができ、また10pmolの完 全長ヒトedg−2挿入断片(edg−2オープンリーディングフレームのみ)を含むDN
Aスポットを陰性対照(Neg)として用いることができる。試験DNA(Test)にハ イブリダイズする放射性プローブの積分した光学密度(IOD)がIODNeg+(IODPos −IODNeg)/2より大きい場合、該試験DNAの完全長オープンリーディングフレー ムまたは部分長オープンリーディングフレーム(同じく10pmol)を陽性として記
録する。そうでない場合は該試験DNAを陰性として記録する。陽性試験は、ほぼ 少なくとも70%の同一性で相関し、より好ましくは少なくとも80〜85%の配列同
一性で相関する。該試験遺伝子の部分長オープンリーディングフレームを用いる
場合、その後edg−5およびedg−2の相同領域をそれぞれ陽性および陰性対照とし
てハイブリダイゼーションに用いる。
【0101】実施例5:アンチセンス分析 HEDG−5の正確で、完全なcDNA配列の知識により、遺伝子機能の研究における アンチセンス技術の手段としての利用が可能となる。hedg−5のアンチセンス鎖 を含むオリゴヌクレオチド、cDNAまたはゲノム断片をin vitroまたはin vivoの どちらかで用いて、mRNAの発現を阻害させる。このような技術は現在当技術分野
で公知であり、ヌクレオチド配列に沿った種々の位置においてアンチセンス分子
を設計しうる。そのようなアンチセンス配列を用いて細胞または試験動物全体を
処理することにより、目的の遺伝子を効率的に停止させる。しばしば、遺伝子の
機能は、細胞内、細胞、組織または生物レベルにおける作用(例えば、致死率、
分化した機能の欠損、形態学における変異など)を観察することにより確認され
る。
【0102】 特定のオープンリーディングフレームの転写を妨害するように構築された配列
を用いることに加え、イントロン領域、プロモーター/エンハンサー配列に、ま
たはトランス作用調節遺伝子に対するアンチセンス配列を設計することにより遺
伝子発現の改変を達成する。同様に、「三重らせん」塩基対合としても知られて
いるフーグブーム(Hoogboom)塩基対合法を用いて阻害を達成する。
【0103】実施例6:HEDG-5の発現 該cDNAを適当な発現ベクターにサブクローニングし、そのベクターを類似の発
現宿主例えば大腸菌などにトランスフェクトして、hedg-5の発現を実施する。特
定の場合においては、クローニング部位の上流にβ−ガラクトシダーゼのプロモ
ーター、次にアミノ末端のMet及びβ−ガラクトシダーゼの続きの7残基を含む 配列を含むように、該ベクターを設計する。これらの8残基の直後に続いている
のは、人為的なプライミング及び転写、並びにクローニングのための多数の特有
のエンドヌクレアーゼ制限部位を提供するのに有用な設計されたバクテリオファ
ージプロモーターである。
【0104】 標準的な方法を用いて、単離され、トランスフェクトされた細菌株をIPTGで誘
導すると、β−ガラクトシダーゼの最初の7残基、「リンカー」の約15残基及び
該cDNA内にコードされたペプチドに対応する融合タンパク質を産生するようにな
る。cDNAクローンの挿入断片は、本質的にはランダムなプロセスにより生成され
るので、含まれるcDNAが適切な翻訳のための正しいフレーム中にある確率は、3 分の1である。cDNAが適切なリーディングフレームにない場合、in vitro突然変 異誘発、エキソヌクレアーゼIII若しくは大豆ヌクレアーゼによる切断、または 適当な長さのオリゴヌクレオチドリンカーの封入などのよく知られた方法を用い
て、適当な数の塩基を欠失させる、または挿入することにより、該cDNAは得られ
る。
【0105】 特定の宿主でタンパク質を発現させるのに有用であると知られた他のベクター
に、該hedg-5 cDNAをシャトルする。クローニング部位と同時に、標的cDNAの両 端のストレッチにハイブリダイズするのに十分なDNAのセグメント(約25塩基) を含むオリゴヌクレオチドプライマーを、標準的な方法を用いて化学的に合成す
る。その後、これらのプライマーを用いて、PCRにより所望の遺伝子セグメント を増幅させる。得られる遺伝子セグメントを、標準的な条件下で適当な制限酵素
で切断し、ゲル電気泳動により単離する。あるいは、類似の遺伝子セグメントを
、適当な制限酵素でcDNAを切断することにより製造する。適当なプライマーを用
いて、1つ以上の遺伝子からのコード配列のセグメントを、共にライゲーション し、適当なベクターにクローニングする。そのようなキメラ配列を構築すること
により、発現を最適化することが可能である。
【0106】 そのようなキメラ分子のための適当な発現宿主としては、限定されるものでは
ないが、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)及びヒト293細胞などの哺乳動物
細胞、Sf9細胞などの昆虫細胞、Saccharomyces cerevisiaeなどの酵母細胞並び に大腸菌などの細菌細胞などが挙げられる。これらの細胞系の各々にとって、有
用な発現ベクターは、細菌を増殖させ得る複製開始点、及び細菌におけるプラス
ミド選択を可能にするβ−ラクタマーゼ抗生物質耐性遺伝子などの選択可能なマ
ーカーをも含む。さらに、該ベクターは、トランスフェクトされた真核宿主細胞
における選択を可能にするネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子などの
第2の選択可能なマーカーを含んでもよい。3'ポリアデニル化配列などのRNAプ ロセシングエレメントが目的のcDNAの一部分でない場合、真核発現宿主に用いる
ためのベクターは、RNAプロセシングエレメントを必要とする。
【0107】 さらに、該ベクターは、遺伝子発現を増進させるプロモーターまたはエンハン
サーを含む。そのようなプロモーターは、宿主特異的であり、CHO細胞のMMTV、S
V40及びメタロチオネインプロモーター;細菌宿主のtrp、lac、tac及びT7プロモ
ーター;並びに酵母のアルファ因子、アルコールオキシダーゼ及びPGHプロモー ターを含む。ラウス肉腫ウイルスエンハンサーなどの転写エンハンサーが、哺乳
動物宿主細胞において用いられる。組換え細胞の相同の培養物が、標準的な培養
法により一度得られれば、大量の組換え産生HEDG-5を条件培地から回収し、当技
術分野で知られたクロマトグラフ法を用いて分析することができる。例えば、本
明細書に例示されたように、発現ベクターpcDNA3中にHEDG-5を発現的にクローニ
ングすることができる。この産物を用いて、当技術分野で標準的な方法論により
、例えばHEK293またはCOS細胞を形質転換することができる。特に、例えば、リ ポフェクトアミン (Gibco BRL カタログ番号18324-020)を介した遺伝子導入を用
いるとよい。
【0108】実施例7:組換えHEDG-5の単離 タンパク質精製を容易にするために付加された1つ以上の付加的なポリペプチ
ドドメインを有するキメラタンパク質としてHEDG-5を発現させる。そのような精
製を容易にするドメインとしては、限定されるものではないが、固定された金属
上での精製を可能にするヒスチジン−トリプトファンモジュールなどの金属キレ
ートペプチド、固定された免疫グロブリン上での精製を可能にするプロテインA ドメイン及びFLAGS伸長/親和性精製システム(Immunex Corp., Seattle WA)で
用いられるドメインなどが挙げられる。精製ドメインとHEDG-5配列との間のXA因
子またはエンテロキナーゼ(Invitrogen)などの切断可能なリンカー配列の封入は
、HEDG-5の発現を容易にするのに有用である。
【0109】実施例8:キメラT7Gの試験 新規なアイソフォームの細胞外及び/または膜貫通のリガンド−受容体配列と
、異なるT7Gの膜貫通及び/または細胞内セグメントとを組み合わせることによ り、試験目的のために機能的なキメラT7Gを構築する。この概念は、Kobilkaら(1
988、Science 240:1310-1316)により実証された。Kobilkaらは、革新的に大量の
α2−ARの膜貫通配列を、β2−ARに挿入することにより、一連のキメラα2−β2
アドレナリン受容体(AR)を作製したのである。公知のアゴニストの結合活性は、
β2コンフォメーションよりもα2コンフォメーションを有する分子からシフトす
るにつれて変化し、中間構築物は混合された特異性を示した。しかし、結合する
アンタゴニストの特異性は、ドメインVIIの源に相関した。キメラにおいては、 リガンドの認識のためにT7GドメインVIIが重要であることも、2種の酵母のα因 子受容体を用いて判明した。その重要性は、酵母受容体は多岐にわたる受容体と
して分類されているので、意義深い。このように、特異的なドメインの機能的役
割は、カテゴリーに関係なくT7Gファミリーを通じて維持されているようである 。
【0110】 同様の方法で、特定のアイソフォームからの内部セグメントまたは細胞質ドメ
インを、公知のT7Gの類似のドメインで置換し、それを用いて受容体を三量体Gタ
ンパク質に結合させるための構造決定因子を同定する(Dohlmanら(1991) Annu Re
v Biochem 60:653-88)。ドメインV、VI及びβ2−ARからの細胞内結合ループがα
2−ARに置換されたキメラ受容体は、α2−AR特異性を有するリガンドに結合する
が、β2−ARの方法でアデニル酸シクラーゼを刺激することが示された。このこ とは、アドレナリン作動型受容体にとって、Gタンパク質の認識がドメインV、VI
及びそれらの結合ループに存在することを示している。α1−ARからのV->VIル ープがβ2−ARの対応するドメインを置換し、得られた受容体がβ2−AR特異性を
有するリガンドに結合し、及びα1−AR の方法でGタンパク質を介したホスファ チジルイノシトール代謝回転を活性化したキメラにおいては、反対の状況が推定
され、観察された。最後に、ムスカリン受容体から構築されたキメラもまた、V-
>VIループがGタンパク質活性の特異性の主要な決定因子であることを示した(B
olander FF、上記)。
【0111】 細胞外及び膜貫通領域に置換を含むキメラの、または修飾されたT7Gは、受容 体のこれらの部分がリガンドの結合特異性を決定することを示した。例えば、あ
らゆるアドレナリン及びDカテコールアミンT7G受容体のドメインVで保存された2
個のセリン残基が、潜在的なアゴニスト活性に必要である。これらのセリンは、
T7G結合部位内でアゴニストのカテコール部分と水素結合を形成すると考えられ る。同様に、生体アミンを結合するあらゆるT7GのドメインIIIに存在するアスパ
ラギン酸残基は、T7G結合部位においてリガンドアミン基とイオン対を形成する と考えられる。
【0112】 異種発現系において、機能的な、クローン化されたT7Gを発現させ、それらの 生物学的活性を評価する(例えば、Marulloら、(1988) Proc Natl Acad Sci 85:
7551-55; Kingら、(1990) Science 250:121-23)。1つの異種系は、哺乳動物T7
G及び哺乳動物Gタンパク質の遺伝子を酵母細胞中に導入する。該T7Gは、適当な リガンド特異性及び親和性を有し、酵母細胞の適当な生物学的活性−増殖停止及
び形態学的変化−の引き金を引くことが示される。
【0113】 キメラ受容体を試験するための別の方法は、Erbら(1993, Proc Natl Acad Sci
90:104411-53)によって公表されたようなP2Uプリン作動性受容体(P2U)を用いる
方法に基づくものである。培養K562ヒト白血病細胞は、P2U受容体を欠損してい るため、この細胞において機能を容易に試験することができる。K562細胞を、正
常またはキメラのどちらかのP2Uを含む発現ベクターでトランスフェクトし、Ca2 + のための蛍光プローブであるfura-aを加える。細胞外UTPまたはATPによる、適 切に集合し、かつ機能的なP2U受容体の活性化は、fura-aと反応する細胞内Ca2+ を可動化し、それを分光蛍光的に測定する。上記のT7G受容体と同様、任意の新 規に発見されたT7Gポリペプチドの細胞外受容セグメントの配列と、既知のP2U
子の膜貫通及び細胞内セグメントのヌクレオチドを組み合わせることにより、キ
メラ遺伝子を作製する。トランスフェクトされたK562細胞を、適当なリガンドを
含有するマイクロウェルに浸すと、T7G分子のエフェクターを定義する蛍光活性 及び結合を引き起こす。一度リガンド及び機能が確立されれば、P2U系は、結合 を遮断し、そのような蛍光反応を阻害するアンタゴニストまたはインヒビターを
定義するのに有用である。
【0114】実施例9:HEDG-5特異的抗体の産生 2つの手法を用いて、HEDG-5に対する抗体を生成させることができる。各手法
は、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体を生成させるのに有用である。1
つの手法では、逆相HPLC分離から最大75 mgまでの変性タンパク質が得られる。 この変性タンパク質を用いて、標準的なプロトコルによりマウスまたはウサギを
免疫する。マウスを免疫するのには、約100μgで十分であるが、一方、ウサギを
免疫するのには、1 mgまで使用することができる。マウスのハイブリドーマを同
定するために、変性タンパク質を放射性ヨウ素化し、それを用いて、抗体を産生
するものについて、潜在的なマウスB細胞ハイブリドーマをスクリーニングする 。この方法に必要なタンパク質は、ほんの少量である。数千クローンを標識し、
スクリーニングするのには、20 mgで十分である。
【0115】 第2の手法では、cDNAの翻訳物から推定されるとおりの適当なHEDG-5ドメイン
のアミノ酸配列を分析して、抗原性の高い領域を決定する。適当な親水性領域を
含むオリゴペプチドを合成し、それを用いて、適当な免疫化のプロトコルで抗体
を産生させる。適当なエピトープを選択するための分析は、Ausubel FMら(上記
)によって記載されている。免疫化するために最適なアミノ酸配列は、通常、C 末端、N末端及びタンパク質がその天然のコンフォメーションにあるときに外部 環境に曝されがちなポリペプチドのそれらの介在する親水性領域にある。
【0116】 典型的には、fmocケミストリーを用いるApplied Biosystems Peptide Synthes
izer Model 431Aを用いて、約15残基の長さの選択されたペプチドを合成し、M−
マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS; Ausubel F
Mら、上記)と反応させることにより、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH;
Sigma, St.Louis MO)に結合させる。必要に応じて、ペプチドのN末端にシステイ
ンを導入して、KLHに結合させる。完全フロイントアジュバント中のペプチド−K
LH複合体を用いてウサギを免疫する。得られる抗血清を、ペプチドをプラスチッ
クに結合させること、1%ウシ血清アルブミンを用いてブロッキングすること、
抗血清と反応させること、洗浄すること及び標識され(放射性または蛍光)、ア
フィニティー精製された、特異的ヤギ抗ウサギIgGと反応させることにより、抗 ペプチド活性について試験する。
【0117】 標準的な手法を用いて、ハイブリドーマを調製し、スクリーニングする。標識
されたHEDG-5を用いてスクリーニングすることにより、目的のハイブリドーマを
検出して、所望の特異性を有するモノクローナル抗体を産生するそれらの融合物
を同定する。典型的なプロトコルでは、インキュベーション中、10 mg/mlのアフ
ィニティー精製された特異的ウサギ抗マウス(または適当な抗種のIg)抗体で プレートのウェル(FAST; Becton-Dickinson, Palo Alto CA)をコーティングする
。コーティングされたウェルを1% BSAでブロッキングし、洗浄し、ハイブリドー
マからの上清を用いてインキュベートする。ウェルを洗浄した後、1 mg/mlの標 識されたHEDG-5を用いてインキュベートする。特異的抗体を有する上清は、バッ
クグラウンドにおいて検出可能なものよりも、標識されたHEDG-5により多く結合
する。その後、特異的抗体を産生するクローンを増殖させ、限界希釈法でクロー
ニングを2サイクル行う。クローン化されたハイブリドーマをプリスタンで処理
したマウスに注入して腹水を生成させ、プロテインA上のアフィニティークロマ トグラフィーにより、マウスの腹水の液体からモノクローナル抗体を精製する。
典型的には、少なくとも108 M-1、好ましくは109〜1010以上に強い親和性を有す
るモノクローナル抗体を、Harlow及びLane(1988) 「抗体:研究室マニュアル」、
Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY並びにGoding (1986)
「モノクローナル抗体:原理と実践」、 Academic Press, New York City(双方 は参照により本明細書に組み入れられる)に記載されるような標準的な方法によ
り作製する。
【0118】実施例10:HEDG-5特異的抗体を使用した診断検査 ある特定のHEDG-5抗体は、シグナル伝達を研究するために、ならびにHEDG-5、
または活性シグナリングカスケードの下流生成物の量または分布の違いによって
特徴づけられる感染性状態または遺伝性状態を診断するために有用である。
【0119】 HEDG-5についての診断検査は、HEDG-5を検出するための抗体および標識を、ヒ
ト体液、膜、細胞、組織またはそれらの抽出物において利用する方法を含む。本
発明のポリペプチドおよび抗体は、改変されて、または改変されずに使用される
。ポリペプチドおよび抗体は、検出可能なシグナルを提供する物質と共有結合的
にまたは非共有結合的に結合されて、標識されることが多い。広範な種類の標識
および結合技術が知られており、科学文献および特許文献の両方で広く報告され
ている。適切な標識としては、放射性核種、酵素、基質、補助因子、インヒビタ
ー、蛍光物質、化学発光物質、発色物質、磁性粒子などが挙げられる。このよう
な標識の使用を教示している特許としては、米国特許第3,817,837号、同第3,850
,752号、同第3,939,350号、同第3,996,345号、同第4,277,437号、同第4,275,149
号および同第4,366,241号が挙げられる。また、組換え免疫グロブリンは、参照 により本明細書に組み入れる米国特許第4,816,567号に示されているように生成 できる。
【0120】 該タンパク質に特異的なポリクローナルまたはモノクローナル抗体を使用して
、可溶性または膜結合型HEDG-5を測定するための様々なプロトコルが、当技術分
野において公知である。例として、固相酵素免疫検定法(ELISA)、ラジオイムノ アッセイ(RIA)および蛍光励起細胞分離捕集(FACS)が挙げられる。HEDG-5上の2 つの非妨害性エピトープと反応するモノクローナル抗体を利用する、2部位モノ
クローナルに基づくイムノアッセイが好ましいが、競合結合アッセイも使用でき
る。これらのアッセイは、特にMaddox, DEら(1983, J Exp. Med. 158:1211f)に 記載されている。
【0121】実施例11:特異的抗体を使用した天然型HEDG-5の精製 HEDG-5に特異的な抗体を用いたイムノアフィニティークロマトグラフィーによ
り、天然型または組換え型HEDG-5を精製する。一般的に、イムノアフィニティー
カラムは、抗TRH抗体を活性化クロマトグラフィー樹脂に共有結合的に結合させ ることによって構築される。
【0122】 ポリクローナル免疫グロブリンを、免疫血清から、硫酸アンモニウム沈殿、ま
たは固定化プロテインA(Pharmacia LKB Biotechnology, Piscataway NJ)上での
精製によって調製する。同様に、モノクローナル抗体を、硫酸アンモニウム沈殿
、または固定化プロテインA上でのクロマトグラフィーによってマウス腹水液か
ら調製する。部分的に精製された免疫グロブリンを、クロマトグラフィー樹脂( 例えば、CnBr活性化セファロース(Pharmacia LKB Biotechnology))に共有結合的
に付着させる。製造元の指示通りに、抗体を樹脂に結合させ、樹脂をブロックし
、誘導体樹脂を洗浄する。
【0123】 このようなイムノアフィニティーカラムは、可溶性形態のHEDG-5を含む細胞か
ら画分を調製して行うHEDG-5の精製に利用されている。この調製は、全細胞、ま
たは分画遠心分離によって(界面活性剤を添加して、もしくは添加せずに)得た細
胞画分の可溶化によって、または当技術分野において公知の他の方法によって行
う。あるいはまた、シグナル配列を含む可溶性HEDG-5は、細胞が増殖する培地に
有用な量で分泌される。
【0124】 可溶性HEDG-5を含む調製物を、イムノアフィニティーカラムにかけ、HEDG-5が
選択的に吸着される条件(例えば、界面活性剤の存在下での高イオン強度バッフ ァーの使用)下でカラムを洗浄する。次に、抗体/タンパク質結合を分断する条件
(例えば、pHが2〜3のバッファーの使用、または尿素もしくはチオシアン酸塩イ オンなどの高濃度カオトロープの使用)下で、カラムを溶出し、HEDG-5を回収す る。
【0125】実施例12:薬物スクリーニング 本発明は、HEDG-5またはその結合断片を様々な薬物スクリーニング技術のうち
の任意のものにおいて使用して治療化合物をスクリーニングするために特に有用
である。HEDG-5は、Gタンパク質結合受容体であるため、当技術分野において一
般的に使用されている方法のうちの任意のものを、HEDG-5リガンドを同定するた
めに使用できるかもしれない。例えば、受容体の活性化によりいくつかのメッセ
ンジャー系(アデニル酸シクラーゼ、グアニリルシクラーゼ、カルシウム動員ま たはイノシトールリン脂質加水分解)のレベルに観察可能な変化が生じるような 様々な適した機能アッセイのうちの任意のものを使用して、EDG-5などのGタン パク質結合受容体の活性が測定できる。より具体的には、EDG-5の活性化は、上 述したように、NF-kB、SREおよび/またはAP-1機能アッセイを使用して測定でき る。1つのアプローチでは、レポーター遺伝子を用いて、細胞内二次メッセンジ
ャー経路の活性化に対するリガンド結合の影響を測定する。典型的に、レポータ
ー遺伝子は、容易に検出可能な遺伝子産物(例えば、CATまたはルシフェラーゼ) の発現を制御する二次メッセンジャーのレベルに応答するプロモーターを有する
。あるいはまた、細胞にレポーター物質(例えば、FURA)を添加して、細胞内カル
シウム濃度の変化により、リガンド結合による受容体のモジュレーションが示さ
れるようにする。従って、本発明は、薬物、またはシグナル伝達に影響をもたら
す他の任意の物質をスクリーニングする方法を提供する。
【0126】 あるいはまた、上記検査に使用されるポリペプチドまたは断片は、溶液中に遊
離状態で存在するか、固体支持体に固定されているか、細胞表面上で担持されて
いるか、細胞内に位置している。薬物スクリーニングの1つの方法では、該ポリ
ペプチドまたは断片を発現する組換え核酸により安定に形質転換される真核生物
または原核生物宿主細胞(またはこれらから得た膜調製物)を利用する。薬物を、
競合結合アッセイにおいて、このような形質転換された細胞に対してスクリーニ
ングする。32P-標識LPAを、HEDG-5についての上記競合結合アッセイに使用して もよい。生存可能な形態または固定形態のいずれかである上記細胞を、標準結合
アッセイにおいて使用する。例えば、HEDG-5と検査する物質との複合体の形成を
測定する。あるいはまた、検査する物質によって生じる、HEDG-5とリガンドとの
複合体形成(例えば、LPA)の減少を試験する。
【0127】実施例13:合理的薬物設計 本明細書中において、合理的薬物設計の目標は、生物学的活性を有する目的の
リン脂質の構造的類似体、またはアゴニスト、アンタゴニストもしくはインヒビ
ターと相互作用する小分子の構造的類似体を製造することである。これらの例の
いずれもが、リン脂質のより活性もしくは安定した形態である薬物、またはin v
ivoでのリン脂質の機能を増強または妨害する薬物を作るために使用される。
【0128】 1つのアプローチでは、目的のタンパク質、またはタンパク質-インヒビター 複合体の三次元構造を、X線結晶学、コンピュータモデリング、または最も一般
的には該2つのアプローチを組み合わせて決定する。ポリペプチドの形状および
電荷の両方を確認して、構造を明らかにし、分子の活性部位を決定しなければな
らない。たまに、ポリペプチドの構造に関する有用な情報が、相同タンパク質の
構造に基づいてモデリングすることによって得られる。両方の場合とも、関連す
る構造情報を用いて、効率的なインヒビターをデザインする。合理的薬物設計の
有用な例としては、参照により本明細書に組み入れられる、Braxton SおよびWel
ls JA(1992, Biochemistry 31:7796-7801)に示されるような活性もしくは安定性
が向上した分子、またはAthauda SBら(1993 J Biochem 113:742-46)に示される ような天然型ペプチドのインヒビター、アゴニストまたはアンタゴニストとして
作用する分子が挙げられる。
【0129】実施例14:抗体、インヒビターまたはアンタゴニストの使用および投与 HEDG-5の抗体、インヒビター、またはアンタゴニスト(またはシグナル伝達を 制限するための他の治療薬(LST))は、治療的に投与される場合に異なる効果を提
供する。LSTは、非毒性、不活性、製薬上許容可能な水性担体媒体(好ましくは、
pHが約5〜8、より好ましくは6〜8であるが、ただし、製剤化される抗体、イ
ンヒビターもしくはアンタゴニストの特性、または治療される症状に応じてpHは
変化してもよい)中で製剤化される。LSTの特性としては、分子の可溶性、半減期
および抗原性/免疫原性が挙げられる。これらおよび他の特徴は、有効な担体を 規定する助けになる。
【0130】 LSTは、公知の投与経路によって送達される。これには、局部クリームおよび ゲル、経粘膜スプレーおよびエーロゾル、経皮パッチおよびバンデージ、注射可
能な静脈内洗浄製剤、ならびに(胃酸および酵素に耐性なように特に処方されて いる)経口投与される液体およびピルが挙げられる。特定の製剤、正確な用量お よび投与経路は医師によって決定され、それぞれの特定の状況に応じて変化する
【0131】 このような決定は、複数の変数(例えば、治療される症状、投与するLST、特定
のLSTの薬物動態学的プロフィールなど)を考慮することによってなされる。さら
に考慮する要因としては、疾患状態の重度、患者の年齢、体重、性別、食事、LS
T投与の時間および頻度、他の薬物との可能性のある組み合わせ、反応感度、な らびに治療に対する耐性/応答が含まれる。長時間作用性LST製剤は、特定のLST の半減期およびクリアランス率に応じて、3〜4日、毎週、または2週間に1度
投与される場合もあろう。
【0132】 通常投与量は、投与経路に応じて、0.1〜100,000マイクログラムの範囲で、合
計投与量は最高約1gである。特定の用量および送達方法に関するガイダンスは
文献に記載されている。米国特許第4,657,760号、同第5,206,344号または同第5,
225,212号を参照のこと。当業者は、異なるLSTに対して異なる製剤を使用する。
神経細胞などの細胞に対する投与は、血管内皮細胞などの他の細胞とは異なる手
法での送達を必要とする。
【0133】 異常シグナル伝達、外傷、またはHEDG-5活性を誘発する疾患は、LSTで治療で きる。これらの症状または疾患は、上述した検査によって明確に診断される。ま
た、そのような検査は、ウイルス、細菌もしくは真菌の感染、アレルギー反応、
外傷に関連する物理的傷害、遺伝性疾患、リンパ腫もしくは癌、またはリンパ組
織またはニューロン組織の遺伝子を活性化する他の症状の疑いのある場合に行わ
れる。
【0134】実施例15:トランスジェニック動物の作製 HEDG-5受容体の生理学的および挙動的役割を解明する動物モデル系は、トラン
スジェニック動物を作製することにより作られ、トランスジェニック動物では、
さまざまな技術によりHEDG-5受容体の活性が増加もしくは減少しているか、また
は発現されたHEDG-5受容体のアミノ酸配列が変化している。これらの技術例は、
限定はされないが:1)トランスジェニック動物を作製するための、マイクロイ
ンジェクション、エレクトロポレーション、レトロウイルストランスフェクショ
ン、または当業者に公知の他の方法による、HEDG-5受容体をコードするDNAの正 常型または変異型の、適切に受精した胚への挿入、または2)発現の調節または
これらHEDG-5受容体配列の構造を変更するための、これらの遺伝子のヒトまたは
動物の変異型または正常型とトランスジェニック動物の天然の遺伝子座との相同
的組換え、とを含む。相同的組換えの技術は、当技術分野で公知である。この技
術は、天然の遺伝子を挿入遺伝子と置き換えて、天然のHEDG-5受容体を発現する
ことはできないが、例えば、組換えにより動物のゲノムの天然HEDG-5受容体と置
き換わって挿入された、変異型HEDG-5受容体を発現し、輸送体が過小発現した動
物を作製するのに有用である。マイクロインジェクションは、遺伝子をゲノムに
追加するが、それらを除去しないので、それ自身および追加したHEDG-5受容体を
発現し、その結果HEDG-5受容体を過剰発現する動物を作製するのに有用である。
【0135】 トランスジェニック動物、例えばマウスを作製するために利用できる1つの手
段は次のとおりである。すなわち、雌マウスを交配させ、生じた受精卵を卵管か
ら解剖して取り出す。卵を、M2培地のような適切な培地中に保存する。HEDG-5を
コードするDNAまたはcDNAを、当技術分野で公知の方法によりベクターから精製 する。導入遺伝子の発現を制御する実験的手段を提供するために、誘導可能なプ
ロモーターをDNAのコード領域と融合してもよい。これとは別に、またはこれに 加えて、導入遺伝子の組織特異的発現を可能とするために、組織特異的制御エレ
メントをコード領域と融合してもよい。適切なバッファ溶液中のDNAをマイクロ インジェクションの注入針(パイパープラー(piper puller)を使って毛細管から
作ることができる)に入れ、注入される卵をディプレッションスライド(depress
ion slide) 中におく。針を卵の前核中に挿入し、DNA溶液を注入する。その後、
注入した卵を、偽妊娠マウス(適切なホルモンにより刺激されて妊娠を維持する
が、実際は妊娠していない)の卵管に移し、そこから子宮に進み、移植してしか
るべき時期まで発育させる。上記のように、マイクロインジェクションは、DNA を卵細胞に挿入する唯一の方法ではなく、本明細書では例示の目的でのみ使用し
た。
【0136】実施例16:hedg-5ゲノムクローンの単離、染色体の位置確認、および部分的配 列決定 hedg-5遺伝子を含むゲノムクローンを同定する目的で、H501-20F(配列番号6)
およびH501-246R(配列番号7)プライマーを用いて、実施例2に記載のようにヒ トゲノムDNAを増幅した。ヒトゲノムDNA(Clontech; Cat #6550-1)の1μlをテ ンプレートとして用いた。PCR産物を精製し、配列決定の反応のためのPCRプライ
マーを用いて組織内で配列決定した。この産物の配列(配列番号12を参照のこ
と)は、あらかじめhedg-5について得られたcDNA配列(配列番号13を参照のこ
と)と一致した。このことは、これらのプライマーは、hedg-5遺伝子のこの領域
を含むゲノムクローンを同定するために利用できたことを示している。
【0137】 ゲノムDNAクローンのアレイ化されたライブラリー(Genome Sciences Inc.) を
、これらのプライマーを用いてPCRによりスクリーニングした。細菌性人工染色 体(BAC)を含んだライブラリーは、120 kbまでのヒトゲノムDNAを挿入して構築す
る。全体で、一倍体ゲノムの約3倍相当量を提示するクローンを、edg-5診断PCR
プライマーを用いてスクリーニングした。2個のクローンがこの方法により同定
された。すなわちBAC-28(1F)およびBAC-236(13M)である。これらのクローンから
いったんDNAが得られると、edg-5診断プライマーを用いて得たPCR産物の配列決 定により、それらの同一性が組織内で確認された。つまり、この分析はどちらの
クローンもhedg-5遺伝子の少なくとも一部に相当することを示した。その後、Ge
nome Systems Inc.において蛍光性in situ ハイブリダイゼーション(FISH)によ り、BAC-28(1F)クローンを用いて、ヒト染色体上での遺伝子の位置確認を行った
。Hedg-5遺伝子の遺伝子座は、ヒト染色体1の バンドp22.3とマッピングされた
【0138】 人類におけるメンデル遺伝(Mendelian Inheritance in Man)のオンラインデー
タベースでの調査により、遺伝的にこの領域に位置する遺伝病(それに関して遺
伝子はまだクローン化されていないが)に2件登録があることが明らかになった
。それらはデータベースエントリー154280(悪性転換抑制1すなわちMTS1)および
157900(Moebiusシンドローム)である。前者は細胞形質転換の優位な抑制遺伝 子(腫瘍抑制遺伝子または抗腫瘍遺伝子と呼ばれる遺伝子類)を提示し、一方後
者は6番目および7番目の脳神経が小さいか或いは欠如していて、顔面神経麻痺を
誘発している遺伝性シンドロームである。edg-5遺伝子の欠陥がこれらの表現型 のいずれかの原因になっているかどうかは判明していない。
【0139】 BAC-28(1F)から調製されたDNAについて配列決定を行い、edg-5遺伝子のコード
領域内でイントロン(もしあれば)の位置を決定した。配列決定の結果から、図
4Aに示される配列のnt996/997間に矢印で示された位置に、hedg-5のコード領域
内にただ1つのイントロンが存在することが示された。このイントロンは、edg-
5のアミノ酸配列のGly-246のコドン内に位置する。更に、pC3-hedg-55由来のedg
-5 のcDNA配列の5'末端に隣接する領域内で配列決定が行われた。このことは、c
DNAの5'末端の上流にあるゲノムDNA配列の250 bpを明らかにした。
【0140】実施例17:ラットにおけるEdg-5 RNAの発現と組織分配 当技術分野で公知の技術により、edg-5の cDNA挿入断片についてノーザンブロ
ッティングを行った。2つの異なる複数組織からのラットRNA ブロット(Origene.
Cat.MB-1005およびMB-1007)を放射標識されたedg-5 cDNAでプローブした。edg-2
または他の関連した転写産物を検出させない高ストリンジェンシー条件下で、洗
浄を行った。それからブロットはオートラジオグラフィーを受けた。ノーザンブ
ロットの結果から、RNAの発現レベルは、肺、腎臓、精巣においてもっとも高い ことが示された。RNAレベルは、皮膚、心臓、小腸および胃においてより低いこ とがわかった。胸腺、脳、脾臓および肝臓においては、検出できるRNAはほとん ど見られなかった。筋組織もedg-5 mRNAを低いレベルで発現しうる。更に、本明
細書中で開示されるhedg-5の配列に基づくアンチセンスオリゴヌクレオチドプロ
ーブは、in situハイブリダイゼーションの発現研究のために当業者により用い られうる。
【0141】 本発明の範囲や精神を逸脱することなく、記載された本明細書の方法やシステ
ムの様々な改変や変形が当業者に明らかになるであろう。本発明は、特定の好ま
しい実施形態に関連して記載されたが、特許請求の範囲に示されるように本発明
はそのような特定の実施形態に不当に限られるべきではないことが理解されなけ
ればならない。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aは、マウスedg-5クローンであるクローン501の部分DNA配列(配列番号3
)を示す図である。 図1Bは、mhedg-5 pBluescriptサブクローンのαサブクローンの全長DNA配列
およびその予測アミノ酸配列を示す図である。
【図2】 図2は、図1AのDNA配列によりコードされるアミノ酸配列(配列番号15)を 示す図である。
【図3】 図3Aは、pcDNA3に挿入されたhedg-5 cDNAのヌクレオチド配列を示す図であ り、そのヌクレオチド36〜1097が全長HEDG-5をコードする。(pC3-hEdg5-3) 図3Bは、クローンpC3-hEdg5#3.4のhedg-5 cDNAのヌクレオチド配列を示す図
であり、これは全長HEDG-5をコードする。 図3Cは、クローンpc3-hEdg5#28のhedg-5 cDNAのヌクレオチド配列を示す図 であり、これは全長HEDG-5をコードする。
【図4】 図4Aは図3AのゲノムDNA (ヌクレオチド251〜1523のpC3-hEdg5-3のcDNAお よびヌクレオチド1〜250の隣接ゲノムDNAに対応)と、その予測アミノ酸配列とを
並べた図である。 図4Bは、図3Bのhedg-5 cDNAの予測アミノ酸配列を示す図である。 図4Cは、図3Cのhedg-5 cDNAの予測アミノ酸配列を示す図である。
【図5】 図5Aは、図4A、4Bおよび4Cにそれぞれ記載したようなクローンpC3-he
dg5-3、pC3-hedg5#4およびpC3-hedg5#28のHEDG5翻訳産物の予測アミノ酸配列を 並べた図である。 図5Bは、マウスedg-5のアミノ酸配列とpC3-hEdg5#3.4クローン由来のヒトed
g-5のアミノ酸配列とを並べた図である。
【図6】 図6は、NF-kB産生の活性化によるアナンダミドおよびLPAに対するpC3-hedg5#
4、pC3-hedg5-3およびpC3-hedg5#28クローンの機能的応答を示す図である。
【図7】 図7は、10μMのLPAで処理した場合のpC3-hedg5#28のSRE応答およびAP-1応答 を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12Q 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/68 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/68 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 グプタ、アシュワニ、ケー. カナダ国 エル5エヌ 6ワイ4 オンタ リオ州、ミシソーガ、ダンロビン ウェイ 7031 (72)発明者 ヴヤス、テジャル、ビー. カナダ国 エル5ビー 3ケー1 オンタ リオ州、ミシソーガ、リエル ドライブ 275 (72)発明者 チュン、ジェロルド、ジェイ.、エム. アメリカ合衆国 92037 カルフォルニア 州、ラ ホヤ、バハ マー、5747 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 AA40 BB20 CB01 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 4B024 AA11 BA63 CA04 CA09 DA02 EA04 FA10 GA11 HA01 4B063 QA01 QQ42 QR32 QR55 QS32 4B065 AA90X AA93Y AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA50 DA76 EA54 FA74

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物EDG-5受容体またはその生物学的に活性な断片をコ ードする単離されたヌクレオチド配列。
  2. 【請求項2】 マウスEDG-5受容体またはその生物学的に活性な断片をコー ドする請求項1に記載の単離されたヌクレオチド配列。
  3. 【請求項3】 図1BのマウスEDG-5受容体またはその生物学的に活性な断 片をコードする請求項2に記載の単離されたヌクレオチド配列。
  4. 【請求項4】 ヒトEDG-5受容体またはその生物学的に活性な断片をコード する請求項1に記載の単離されたヌクレオチド配列。
  5. 【請求項5】 生物学的に活性な断片がLPAにより活性化されるものである 、請求項1に記載の単離されたヌクレオチド配列。
  6. 【請求項6】 (a) 配列番号12のヌクレオチド36〜1907を含むヌクレオチ
    ド配列、 (b) 図3Bのヌクレオチド配列、 (c) 図3Cのヌクレオチド配列、 (d) (a)、(b)または(c)に対して少なくとも約70%の配列同一性を有し、(a)、
    (b)または(c)のヌクレオチド配列それぞれにストリンジェントな条件下でハイブ
    リダイズするヌクレオチド配列、および (e) 図4A、4Bまたは4Cのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列 からなる群から選択される単離されたヌクレオチド配列。
  7. 【請求項7】 ヌクレオチド配列が、 (1) 請求項6の(a)、(b)、(c)または(e)のヌクレオチド配列、および (2) 請求項6の(d)のヌクレオチド配列であって、請求項6の(a)、(b)または(
    c)のヌクレオチド配列に対して少なくとも約80〜85%の配列同一性を有するもの
    からなる群から選択される、請求項6に記載の単離されたヌクレオチド配列。
  8. 【請求項8】 ヌクレオチド配列が、 (1) 請求項6の(a)、(b)、(c)または(e)のヌクレオチド配列、および (2) 請求項6の(d)のヌクレオチド配列であって、請求項6の(a)、(b)または(
    c)のヌクレオチド配列に対して少なくとも約95%の配列同一性を有するもの、 からなる群から選択される、請求項6に記載の単離されたヌクレオチド配列。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のヌクレオチド配列の相補配列。
  10. 【請求項10】 請求項8のヌクレオチド配列を含む発現ベクター。
  11. 【請求項11】 請求項10の発現ベクターを含む宿主細胞。
  12. 【請求項12】 請求項8のヌクレオチド配列によってコードされるHEDG-5
    受容体の単離され、精製されたアミノ酸配列。
  13. 【請求項13】 配列番号13(図4A)、図4Bもしくは図4Cのアミノ
    酸配列またはその生物活性部分を含む、請求項12に記載の単離され、精製され
    たアミノ酸配列。
  14. 【請求項14】 ヌクレオチド配列が、配列番号13(図4A)、図4Bお
    よび図4Cのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列からなる群から選択さ
    れる、請求項6に記載の単離されたヌクレオチド配列。
  15. 【請求項15】 請求項5のヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションプ
    ローブ。
  16. 【請求項16】 化合物をスクリーニングしてHEDG-5リガンドを同定する方
    法であって、 (a) HEDG-5受容体を発現する細胞または該細胞から得られた膜調製物を培養す
    る工程、 (b) 前記化合物を前記細胞または前記膜調製物と接触させる工程、 (c) HEDG-5受容体と候補リガンドの間に結合が生じているか否かを測定する工
    程 を含む、上記方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の方法により同定されたHEDG-5リガンド
  18. 【請求項18】 化合物をスクリーニングしてHEDG-5アンタゴニストを同定
    する方法であって、 (a) HEDG-5受容体を発現する細胞、または該細胞から得られた膜調製物を培養
    する工程、 (b) 前記細胞または前記膜調製物を、アゴニストおよび前記受容体におけるア
    ンタゴニスト活性について試験される前記化合物を含む混合物と接触させる工程
    、および (3) 前記アゴニストと前記受容体との間の結合の程度の指標となる応答を測定
    し、その測定された応答を、アンタゴニストが存在しない場合の前記アゴニスト
    と前記受容体との間の結合についての標準応答と比較することによってアンタゴ
    ニスト活性の程度を測定する工程 を含む、上記方法。
  19. 【請求項19】 前記アゴニストがLPAである、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 請求項18の方法により同定されたアンタゴニスト。
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