JP2002371460A - 絹織物に水洗い可能なプリーツをつける加工方法並びに水洗い可能なプリーツをつけた絹織物 - Google Patents

絹織物に水洗い可能なプリーツをつける加工方法並びに水洗い可能なプリーツをつけた絹織物

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JP2002371460A
JP2002371460A JP2002104866A JP2002104866A JP2002371460A JP 2002371460 A JP2002371460 A JP 2002371460A JP 2002104866 A JP2002104866 A JP 2002104866A JP 2002104866 A JP2002104866 A JP 2002104866A JP 2002371460 A JP2002371460 A JP 2002371460A
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Masahito Shiraiwa
雅人 白岩
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FIVE FOXES CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、水洗い可能なプリーツ加工を施し
たシルク100パーセントの生地に対する加工方法及び
水にあたっても崩れないプリーツ加工を施した絹織物に
関するものである。 【解決手段】シルクの風合いを損なわずに撥水加工を施
したシルク100パーセントの生地を、プリーツを折り
込み、窯に入れて95℃から105℃の蒸気を約40分
間あてて、水に当たっても崩れない、水洗い可能なプリ
ーツを付けた絹織物の加工方法並びにプリーツをつけた
絹織物の加工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シルク100パー
セントの生地に対して水にあたっても崩れないプリーツ
加工を施こす方法、並びに水にあたっても崩れないプリ
ーツをつけた絹織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平成13年3月1日付の繊研新聞によれ
ば、「天然繊維のプリーツ開発」と題して、「これまで
不可能とされてきた天然繊維でのプリーツが可能とな
り、発売以来、大きな反響で対応に負われている」と出
ており、「素材は、ウール、綿、麻、シルク。ヨーロッ
パへの輸出の話も具体的に進んでいる」とされている。
しかしながら、但し書きが付されており、「シルクに関
してはドライクリーニングでの対応」となっている。す
なわち、この記事からもうかがえるが、シルクに関して
は、水を使わないドライクリーニングであれば、プリー
ツ加工は落ちないが、水につければ落ちてしまうのであ
る。シルク以外の天然繊維に関しては、水につけても大
丈夫な加工方法は開発されてはいるが、シルクについて
は、依然として、水にあたっても崩れないプリーツ加工
方法は開発されていないのが、現状である。
【0003】従来、シルク100パーセントの生地にプ
リーツ加工を施したものには、スカート、スカーフ等が
数多くあり、世界各地で販売されている。しかし、これ
らのプリーツ加工を施したシルク製品はすべて水に弱
く、水につけるとプリーツが落ちてしまうものであり、
止むを得ず、水洗い禁止の品質表示をつけて販売されて
いるのが実情である。シルクが水に弱いという欠点を持
つということは周知であり、絹織物にプリーツを施して
も、水に当てただけでとれてしまうことは常識であっ
た。従来、水にあたっても、プリーツの折山等が崩れな
い、シルク100パーセントのプリーツ加工製品はなか
った。しかも、なぜシルクは水に弱いのか、現在までそ
の原因は解明されていない。
【0004】絹に限らず、一般的に、プリーツ加工は、
それぞれの素材に応じた加工方法により加工をおこなっ
てきた。合成繊維の場合には、その熱可塑性を利用し
て、すなわち、加熱によって軟化し、冷やすと固定する
という加工が容易な性質を利用してプリーツ加工がなさ
れていた。また、縦糸にシルク糸、横糸にポリエステル
糸のような半合成繊維の場合も同様に、合成樹脂糸部分
の熱可塑性を利用しての加工がおこなわれていた。しか
し、シルク100パーセントの生地に対しては、合成繊
維や半合成繊維と同じようにプリーツ加工を施しても、
水に当たっても崩れないプリーツをつけることは不可能
であった。
【0005】一般的に、生地にプリーツを付けるプリー
ツ加工方法は、加熱によりプリーツの型をつけ、生地に
よっては、さらに、窯に入れて蒸気を当て、その後乾燥
させて加工を完成させていた。ポリエステルのような合
成繊維の場合には、窯に入れなくともプリーツ加工が可
能であるが、大部分の生地は、窯に入れ、蒸気熱を生地
の奥まで均一にあてて、その後乾燥するという加工方法
をおこなっている。しかし、シルク100パーセントの
生地に対して、合成繊維や、半合成繊維と同じようなプ
リーツ加工方法では、水にあたっても落ちないプリーツ
を付けることはできなかった。
【0006】シルク100パーセントの生地に、プリー
ツ加工を施しても、窯から出して1時間でプリーツはゆ
るんでしまう。また、スチームをさっとかけた場合には
数秒でプリーツは落ちてしまっていた。水洗い禁止の品
質表示をせずに販売することが可能な、水にあててもプ
リーツがとれない製品を生むことはできなかった。この
理由については、従来から明確ではなかった。
【0007】第1の問題点として、なぜ、シルクに施し
たプリーツは水にあてると、とれてしまったか、なぜシ
ルクは水に弱いのか、という問題があった。本出願人
は、この問題について研究を進め、シルクは水分を含む
と糸が太くなり、その部分が重くなってたるみ、型崩れ
を起こすことが原因であるという結論を得た。一般的な
プリーツ加工を施す過程で、吸水性の低い生地の場合に
は、吸水性が低いため問題にならないことが、シルクの
場合には大問題となる。プリーツ加工工程の蒸気熱をあ
てる段階に問題が発生する。シルクが水を吸うと、シル
クにプリーツの型をつけようとしても、シルクの生地が
太ってしまい、型の付けようが無い。いわば、水の入っ
た水枕にプリーツの型をつけようとしているようなもの
で、ふにゃふにゃして、型は付かない。水を吸収させな
いようにしない限り、プリーツの型はつかないか、付い
ても崩れてしまうのである。シルク100グラムに対
し、水分を約30グラム吸収する吸水性の高さが、シル
ク100パーセントの生地の場合、プリーツ加工ができ
ない原因であった。
【0008】次に、第2の問題点として、シルクの水に
弱い性質をいかに克服するかという問題があった。水に
あたると吸収してしまうのが絹織物の特性であるなら
ば、水を吸収しないようにすればよい。とすれば、水を
弾いて寄せ付けない絹の生地を作ればよいというのが、
本出願人の結論であり、シルク100パーセントの生地
に対して、完全な撥水加工を施すことはできないもの
か、研究をすすめた。
【0009】従来から織物地に撥水加工することは広く
行われている。撥水加工は、主としてフッ素系樹脂を使
用している例が多い。フッ素系樹脂を使用した場合、糸
の表面に付着したフッ素系樹脂は、表面のフッ素密度が
高くなり、水分子との付着力が小さくなり、水で濡れて
も水滴は球状になって、流れ落ちる現象が起こると考え
られている。撥水性が発揮されるのは、フッ素系樹脂の
フッ素が、生地表面に整然と、並んでいるときである。
【0010】フッ素が、生地表面に整然と並んでいない
場合はどういう現象が起こるか。撥水加工傘が具体的な
問題点を明らかにしている。ナイロン、ポリエステル、
綿、シルク等の素材の撥水加工傘が流通しているが、天
然素材については、生地の毛羽がこすられる折り目の部
分の撥水性が低下することが指摘されていた。傘の撥水
加工ではフッ素系樹脂を使うことが主流で、生地の表面
にフッ素が整然と並んだときに、撥水性が発揮されるの
であるが、傘の折りたたみの際に、折り目の部分の生地
がこすられて、この部分のフッ素の並び方が乱れるため
に、撥水機能の低下、すなわち水を弾く機能の低下が起
こるからである。撥水機能が低下した傘は、フッ素がと
れてしまったと一般的には考えがちであるが、フッ素樹
脂は並び方に乱れが生じただけで残っているので、温風
をあてると、フッ素樹脂が熱で柔らかくなりフッ素の配
列がもとに戻り、撥水性が長持ちすることが証明されて
いる。摩擦されても、生地の表面部分に付着したフッ素
系樹脂のフッ素の並び方に乱れが生じないようにするこ
と、特に生地に毛羽がある天然繊維の場合は、水にあた
ってもとれない加工方法が必要であった。傘の場合に
は、強力な接着力を持つ加工方法で、この問題を解決し
ているが、シルクの風合いは大きく損なわれていた。シ
ルクの風合いを損なわずに撥水加工をかける方法はまだ
存在していなかった。
【0011】上記のように撥水性を有するものには傘が
あるが、傘は水を一滴も漏らさないことが必須条件であ
るため、非常に強い撥水加工をかけていた。シルク生地
の表面にあるシボ感(織物表面につくられる細かい凹凸
のこと。表面にシボをつくることにより、またそのシボ
の大小によって、ざらざらした感じ、立体感、柔らかい
肌触り、つや消し効果、外観の面白さなどの効果が得ら
れる)がほとんどなくなるほど、撥水剤を付与してお
り、しなやかさが半減して、ごわごわしており、シルク
の風合いを損なってしまっている。それでも絹の傘は、
その軽さ・しなやかさが珍重されているが、防水膜を生
地の上に形成する完全防水型のものであり、空気のとお
る微細な穴である通気穴までつぶしてしまっていた。
【0012】シルクの風合いを損なわずに、撥水加工を
施すにはどのようにしたらよいか。シルクの特性とし
て、シボ感が、シルクの風合いに大きな影響を及ぼして
いることは周知である。シルクのシボ感がなくなり、光
沢がなくなると、シルクの優雅さが損なわれるため、撥
水加工をかける前と撥水加工後のシボ感が同一であるこ
とが、シルク100パーセントの生地による被服の場
合、必須の条件である。
【0013】従来技術における最大の問題点は、シルク
100パーセントの生地の被服に対して施した防水加工
の場合、合成繊維や半合成繊維と同じように撥水加工を
施しても、生地がごわごわしてしまい、シルク独特の風
合い、光沢等の官能性が損なわれてしまうという点であ
った。これが、第3の問題点である。
【0014】従来の撥水加工技術には、以下のものがあ
る。繊維素材に、フッ素系樹脂、塩素系樹脂、シリコン
系樹脂、石油系樹脂、ケトン系樹脂を使用した撥水剤で
処理することによって、撥水撥油性能を付与できること
は広く知られている。塩素系樹脂は労働安全法を遵守す
るための管理問題が難しく、シリコン系樹脂は生地の変
色をともなうことが多い。現在、最も多く使われている
のは、溶液中のアルカリ性・酸性の管理の必要が無く、
また生地の変色をもたらさないフッ素系樹脂である。し
かし、何度か洗濯した後に自然乾燥した場合、著しく撥
水性能が低下するという問題点があり、この問題点を解
決して、長期にわたり撥水性能を維持できる製造方法が
いくつか提案されている。
【0015】(従来の撥水加工No.1)例えば、特開
平5−302271号公報は、従来の撥水撥油剤溶液中
に一定割合の極性溶剤を混合させる方法を開示してい
る。撥水撥油性を発揮しうるポリフルオロアルキル基含
有の含フッ素ポリマー、およびこの含フッ素ポリマーに
対して10重量%以上の炭素数4〜8の2級アルコール
およびプロピレン、グリコール、モノアルキルエーテ
ル、アセテートから選ばれた少なくとも1種の溶剤を含
有する溶剤型撥水撥油剤組成物を用いるものである。
【0016】まず、撥水撥油剤を繊維素材に塗布し、含
浸の後、乾燥して溶剤を除去する。その後、乾燥は通常
加熱乾燥が採用されるが、室温で乾燥されることもあ
り、およそ60℃以下、通常40℃以下の温度で行う。
これらの工程を経て、繊維素材に撥水加工が施されてい
た。従来、室温乾燥で天然繊維、特に綿に対して高い撥
水撥油性を付与することが困難であったが、この方法に
より、室温乾燥しても天然繊維、特に綿に対する撥水撥
油性能を著しく改善できるようになった。
【0017】しかしながら、上記方法では、有機溶剤を
溶媒とした含フッ素撥水撥油剤を用いた処理液で、繊維
を処理すると、処理液に多量の泡が発生し、その泡が生
地に付着乾燥することで、含フッ素撥水撥油剤の付着量
が部分的に多くなりスポット状の汚れが発生し、繊維素
材の表面品位を著しく低下させるという問題があった。
【0018】(従来の撥水加工No.2)有機溶媒を溶
媒とした撥水撥油剤を用いる方法で泡の発生を抑える方
法としては、一般に消泡剤が併用されている。消泡剤と
しては、長鎖アルコール類、炭化水素、植物油、アルキ
ルポリシロキサンなどが挙げられる。しかし、長鎖アル
コール類、炭化水素、植物油は、消泡効果が小さく、効
果を出すためには添加量のアップが必要で、撥水撥油性
能の低下を免れない。また、アルキルポリシロキサン
は、一般に消泡効果は高いが、有機溶媒を溶媒とした撥
水撥油剤を用いた処理液中では消泡効果は小さく、効果
を出すためには多量の添加が必要で、撥水撥油性能の低
下を免れないだけでなく、生地の縫い目滑脱や抗スナッ
グ性を低下させ、風合いもシリコーン独特のぬめり性を
生じるという問題点があった。
【0019】(従来の撥水加工No.3)この繊維素材
の表面品位を低下させるスポット状の汚れを解決するた
めに、特開平9−302583号公報では、布帛の繊維
質素材の少なくとも片面を、有機溶剤を溶媒とした含フ
ッ素撥水撥油剤とフッ素化合物を含有する消泡剤とから
なる処理液で処理する撥水撥油剤を有する布帛の製造方
法を開示している。
【0020】(従来の撥水加工No.4)また、熱可塑
性合成繊維を50%以上含有する布帛に耐洗濯性の優れ
た撥水耐水性能を付与する加工方法が知られている。特
公平6−94626では、熱可塑性合成繊維を50%以
上含有する布帛に、フッ素系撥水剤単独またはフッ素系
撥水剤とシリコン系撥水剤を配合した水分散液またはエ
マルジョンを付与し、乾燥、熱処理する撥水処理工程、
および通気度が10cc/平方センチメートル以下にな
るようにカレンダー加工後に40〜100℃で温水処理
するカレンダー・温水処理工程を行い、布帛の通気性を
有する耐久性、撥水耐水加工方法を開示している。撥水
加工は、カレンダー・温水処理工程の前後いずれに行っ
てもよいが、カレンダー加工後に温水処理工程を行う点
に特色がある。カレンダー加工によってペーパーライク
になった外観を改善するとともに、布帛に耐久性のある
耐水性を与え、洗濯による耐水性の変化を少なくしてい
る。温水処理で、あらかじめ布帛の繊維間、組織間の潜
在的ずれを顕在化せしめて安定化させ、消費者の洗濯時
には、耐水性の低下を最小限にとどめることが可能にな
った。
【0021】(従来の撥水加工No.5)さらに、近
年、スポーツ衣料分野、ユニホーム衣料分野を中心に撥
水性に対する要求が高まっており、これにともない、撥
水性を有する衣料のドライクリーニング、洗濯に対する
耐久性のレベルアップが強く望まれるようになった。特
許第3079766号公報では、高い撥水性、深色性を
有し、かつ、洗濯あるいはドライクリーニングに対する
耐久性に優れた布帛を製造する方法を開示している。繊
維構造物をフッ素系およびシリコーン系の撥水加工剤の
少なくとも1種を、エマルジョンあるいは溶剤に溶解し
た状態で処理した後、乾燥することなく湿潤状態のま
ま、オゾン雰囲気で処理、もしくはコロナ放電処理し
て、次いで乾燥する方法である。従来のフッ素樹脂、も
しくはシリコーン樹脂による撥水加工品は、洗濯やドラ
イクリーニングを行うと、撥水性に寄与するメチル基や
フッ素含有基などが樹脂膜内にもぐりこみ、撥水性能が
大幅に低下するという重大な欠点があったが、この発明
の特色は、加工剤の耐久性が飛躍的に向上したことであ
る。
【0022】(従来の撥水加工No.6)一方、絹繊維
製品では、絹繊維が本来有する優れた感触・風合及び光
沢・艶などの外観に由来する官能特性を維持したまま、
イージーケア性を付与するための改質加工技術は、次の
三つのグループに区分されて発展してきた。第一は、錫
及びタンニン酸などにより絹繊維製品に重厚な感触と独
特の光沢を付与する、絹繊維製品の価格対策を主眼とす
るビニルモノマーによるグラフト加工と呼ばれる繊維内
重合である。第二は、繊維素繊維製品の加工に応用され
る熱硬化樹脂初期縮合物または繊維素反応型樹脂ないし
反応剤などによる改修された条件下での改質加工方法で
ある。第三は、主としてエポキシ化合物などの多官能性
化合物による架橋化効果を付与することを目的とした化
学加工の方法である。
【0023】しかし、これらはいずれも以下の欠点を有
することが指摘されている。第一の方法は、一般のアパ
レル用途に用いられる機能性の付与という観点からは著
しく逸脱し、第二の方法は、高温熱処理による絹繊維自
体の風合い低下、黄変化傾向があり、また防皺性の改善
は必ずしも予期した効果を得られていない。よって、残
った第三の方法に活路を見出すことになり、特公平2−
53544号公報では、エポキシ化合物で処理する第一
工程と、セルロース反応型架橋剤で処理する第二工程と
からなる処理方法を開示している。
【0024】しかしながら、この生産方式も、量産過程
を通じて、処理時間の短縮が、一本化した工程でないた
めに促進できず、それが生産性の難点となっている。さ
らに、難燃性から推奨されるエポキシ化合物溶液として
利用される塩素系溶剤が、反応終結後の水洗に伴って、
微量ではあるがシステム系外に流出するという問題も指
摘されている。
【0025】(従来の撥水加工No.7)量産体制下で
の欠点を解消する方法として、さまざまな方法が開示さ
れてきたが、特開平5―195431号公報では、以下
のように開示されている。ポリエチレングリコールを含
浸、乾燥した絹繊維製品に多官能性エポキシ化合物水系
反応液を絹繊維製品に対して反応液中の水分量が40な
いし100重量%の範囲で含有されるように飽充した
後、処理液含有絹繊維製品を密閉系処理装置の反応室内
において熱風を挿入することにより加熱し、絹繊維製品
内に含有された水分により発生する飽和蒸気によって湿
熱処理する方法である。この工法により、従来から絹繊
維の欠点として指摘されてきた耐磨耗性、耐黄褐色性、
湿潤防皺性、洗濯収縮性などは大幅に改善されたのであ
るが、水に弱いという絹繊維の弱点を克服することはで
きない。そのため、この公報では、絹繊維の撥水加工に
ついては、なんら触れられていない。
【0026】シルク独特の官能性を損なわないために
は、防水加工について開示したものではないが、タンパ
ク繊維製品の改質方法を示した特開昭62−23107
9号で開示されているように、タンパク繊維中のアミノ
基、カルボキシル基、アルコール性水酸基、フェノール
水酸基などの官能基を封鎖することが必要となる。すな
わち、シルクの風合いを保つために、その特徴となるア
ミノ基、カルボキシル基、アルコール性水酸基、フェノ
ール水酸基などの官能基が、他の物質と結合して官能基
の型が崩れることが無いようにすることである。ここで
は、分子末端に反応しやすいエポキシ基を持つエポキシ
化合物を含有する組成物を含浸させる処理方法を挙げて
いる。
【0027】上記は撥水加工についての従来技術である
が、シルク100パーセントの生地にプリーツを付ける
という技術も、困難性の多い課題であった。従来から、
合成繊維や半合成繊維、毛織物などに対しては、プリー
ツ加工は容易に行われていた。合成繊維や半合成繊維の
場合は、型を折り込み熱を加えて、繊維の熱可塑性部分
を熱により変形させ、その後、一気に冷却してプリーツ
の型を付けていた。プリーツの付け方には、ハンドプリ
ーツ加工とマシンプリーツ加工がある。ハンドプリーツ
加工の場合には、手でプリーツの型を付けた後、窯に入
れ、合成繊維の場合には約110℃で約30分蒸気をあ
てていた。窯の大きさにより、多少の温度の差がある。
また、マシンプリーツ加工の場合には、紙の間にはさま
れた生地を機械により折り込んでいき、この時190℃
〜200℃の熱が加わっているため、合成繊維の場合こ
の状態でプリーツが付いている。また、毛織物の場合に
は、シロセット加工があった。これは、半永久的に襞を
つける方法で、スラックス、スカートにあらかじめ折り
目をつけ、2〜4%のチオグリコール酸アンモン水溶液
を噴霧してからホフマン・プレスにはさみ、水蒸気を通
し、さらに真空ポンプで外気を吸引して冷却する加工方
法である。しかし、撥水加工を施したシルク100パー
セントの生地に、合成繊維や半合成繊維、毛織物と同じ
ようにプリーツもしくは折り目をつけようとしても、プ
リーツは付かなかった。従来のプリーツ加工の温度設定
や加工時間では、生地の色が変化し、シルクの風合いを
損なっていた。撥水加工を施さない生地のプリーツ加工
は上述のように不可能であった。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】シルクの風合いを損な
わず、シルク100パーセントの生地に、撥水加工を施
し、その生地に水をあてても崩れないプリーツ加工を施
すために、解決しなければならない条件として、以下の
7点が考えられる。 (1)シルクの吸水性を止めるために、撥水性をシルク
に施す加工方法。 (2)そのような加工方法を施しても、シルク特有の風
合いを保つ加工方法。 (3)撥水剤が部分的に多くなることによって発生する
スポット状の汚れを解決し、均一に撥水剤を付着させる
加工方法。 (4)フッ素系樹脂を使用する場合には、撥水性が発揮
されるように、樹脂のフッ素が、生地表面に整然と並ん
でいるようにする加工方法。また、摩擦されても、生地
の表面部分に付着したフッ素系樹脂のフッ素の並び方に
乱れが生じないようにする加工方法。 (5)さらに、シルク100パーセントの生地の表面に
あるシボ感と風合いが、撥水加工前と加工後が同じにな
るようにする加工方法。 (6)撥水加工を施したシルク100パーセントの生地
に適したプリーツをつける加工方法。 (7)そのようにプリーツ加工をしても、シルクのシボ
感や風合いがなくならないように、また、水にあてても
崩れないしっかりしたプリーツをつける加工方法。
【0029】シルク100パーセントの生地に、水に強
いプリーツ性を保持するための撥水加工方法は存在せ
ず、また、水に強い耐久性のあるプリーツ加工を施した
絹織物も存在しなかった。上記の問題点を解決し、シル
ク100パーセントの生地にプリーツ性を保持する撥水
加工方法と、従来、不可能とされていたシルク100パ
ーセントの生地に、水に強いプリーツ加工を施した絹織
物が、求められていた。本発明は、前記の欠点を解決し
た水に当たっても崩れない、水洗い可能なプリーツを付
ける絹織物の加工方法と、水洗い可能なプリーツを付け
る絹織物の提供を目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明の絹織物に水に当
たっても崩れない、水洗い可能なプリーツを付ける加工
方法は、フッ素系樹脂液に浸漬して、撥水加工を施した
シルク100パーセントの生地に、プリーツを折り込
み、窯に入れて95℃から105℃の蒸気を約40分間
あてたことを特徴とする。
【0031】さらに、本発明の絹織物に水洗い可能なプ
リーツを施す加工方法は、シルク100パーセントの生
地を、FA共重合体とアセトンと水の混合溶液をメイン
とするエマルジョン化した混合樹脂液槽に浸漬し、次
に、ゴムロールで加圧して生地全体に前記混合樹脂液を
均等に含浸させ、その後予備乾燥を施してから本乾燥
し、このシルクの風合いを損なわない撥水性を施した生
地をハンドプリーツ加工もしくはマシンプリーツ加工に
より生地を折込み、そのあとに窯に入れて95℃から1
05℃の蒸気に約40分間あて、いったん窯の中を真空
にしてから再度絹織物に蒸気をあてることによってプリ
ーツセットすることを特徴とする。
【0032】本発明の絹織物に水洗い可能なプリーツを
つける加工方法は、前記混合樹脂液が、シルクの風合い
を保ったまま、シルク100%の生地に撥水加工を施す
ために、絹織物のタンパク繊維中のアミノ基、カルボキ
シル基、アルコール性水酸基、フェノール水酸基などの
シルクの官能基の封鎖を行い、かつ生地の表面でのフッ
素系樹脂の並び方が崩れないように作用する、FA共重
合体20%,アセトン12%,水68%の混合溶液をメ
インとするものであり、さらに、撥水剤が部分的に多く
付着するために発生するスポット状の汚れを防止するた
めに、溶液を流動化させてエマルジョン化させる役割を
果たすアセトン系浸透剤を、前記混合樹脂液槽にその容
量の1%程度添加することを特徴とする。
【0033】また本発明の、絹織物に水洗い可能なプリ
ーツをつける加工方法は、シルク100パーセントの生
地の前記混合樹脂液への浸漬が、第1回目の浸漬時間を
3〜4秒とし、1〜2秒後に第2回目の浸漬を3〜4秒
間行なうものであり、浸漬後の前記ゴムロールによる加
圧が、加圧時間0.5秒、加圧圧力2000KPa〜3
000KPaで行なうものであり、前記予備乾燥が約1
20度の熱風に20秒〜30秒当てるものであり、前記
本乾燥が120度〜150度の熱風処理を15秒〜30
秒行なうものであることを特徴とする。
【0034】水に当たっても崩れない、水洗い可能なプ
リーツを付けた絹織物は、フッ素系樹脂液に浸漬して、
撥水加工を施したシルク100パーセントの生地に、プ
リーツを折り込み、窯に入れて95℃から105℃の蒸
気を約40分間あてたことを特徴とする。
【0035】本発明の水に当たっても崩れない、水洗い
可能なプリーツを施した絹織物は、シルク100パーセ
ントの生地を、FA共重合体とアセトンと水の混合溶液
をメインとするエマルジョン化した混合樹脂液槽に浸漬
し、次に、ゴムロールで加圧して生地全体に前記混合樹
脂液を均等に含浸させ、その後予備乾燥を施してから本
乾燥し、このシルクの風合いを損なわない撥水性を施し
た生地をハンドプリーツ加工もしくはマシンプリーツ加
工により生地を折込み、そのあとに窯に入れて95℃か
ら105℃の蒸気に約40分間あて、いったん窯の中を
真空にしてから再度絹織物に蒸気をあてることによって
プリーツセットすることを特徴とする。
【0036】本発明の、水洗い可能なプリーツをつけた
絹織物は、前記混合樹脂液が、シルクの風合いを保った
まま、シルク100%の生地に撥水加工を施すために、
絹織物のタンパク繊維中のアミノ基、カルボキシル基、
アルコール性水酸基、フェノール水酸基などのシルクの
官能基の封鎖を行い、かつ生地の表面でのフッ素系樹脂
の並び方が崩れないように作用する、FA共重合体20
%,アセトン12%,水68%の混合溶液をメインとす
るものであり、さらに、撥水剤が部分的に多く付着する
ために発生するスポット状の汚れを防止するために、溶
液を流動化させてエマルジョン化させる役割を果たすア
セトン系浸透剤を、前記混合樹脂液槽にその容量の1%
程度添加することを特徴とする。
【0037】本発明の水洗い可能なプリーツをつけた絹
織物は、シルク100パーセントの生地の前記混合樹脂
液への浸漬が、第1回目の浸漬時間を3〜4秒とし、1
〜2秒後に第2回目の浸漬を3〜4秒間行なうものであ
り、浸漬後の前記ゴムロールによる加圧が、加圧時間
0.5秒、加圧圧力2000KPa〜3000KPaで
行なうものであり、前記予備乾燥が約120度の熱風に
20秒〜30秒当てるものであり、前記本乾燥が120
度〜150度の熱風処理を15秒〜30秒行なうもので
あることを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を、図
1に示す撥水加工工程図、図2に示すプリーツ加工工程
図・縫製工程図にしたがって、詳しく説明する。
【0039】本発明は、本発明の撥水加工工程と、本発
明のプリーツ加工工程を組み合わせた点に、従来全くな
かった大きな特徴がある。
【0040】<実施例1> (撥水加工工程について)混合樹脂液配合工程は以下の
ように行なわれる「アサヒガード AG480」(商品
名)をメインとして、水を溶剤とし、帯電防止剤を添加
する。撥水性や撥油性に富んだフッ素系樹脂をメインに
使用した混合樹脂液を配合する。本実施例では、取り扱
いがしやすいフッソ系樹脂をメインに使用している。フ
ッソ系樹脂には、以下の特長があるためである。 (1)優れた撥水性を示す。 (2)炭化水素系やシリコン系に比べ、撥油性を示し、
防汚性に優れている。 (3)少量で効果があるので、染色摩擦堅牢度がほとん
ど低下せず、風合い等を変化させない。 (4)耐久性を有し、洗濯、ドライクリーニングによっ
ても性能が落ちにくい。 (5)プリーツ加工工程や、製品として市場に出た後
に、生地が加熱された場合に、フッ素樹脂が、シルクと
の間にワンクッションおく役目を果たすことになり、耐
熱性が向上する。また、帯電防止剤も併用する。
【0041】シルクの吸水性を止めるために、撥水加工
を施す物質として、フッ素系樹脂には、大原パラジウム
のパラガード、住友化学のスミフロイル、ダイキン工業
のテックスガード等があるが、本発明では、旭硝子株式
会社販売の「アサヒガードAG480」をメインに用い
る。溶剤には、石油系ではなく、水を用いている。繊維
質基材に水を分散媒として処理している。「アサヒガー
ド AG480」の組成成分は、FA(フルオロ アク
リレート)共重合体20%、アセトン12%、水68%
である。
【0042】次に、アセトン系浸透剤もしくはアルコー
ル系浸透剤を添加し、エマルジョン化する。撥水剤が部
分的に多く付着するために発生するスポット状の汚れを
解決するには、アセトン系浸透剤やアルコール系浸透剤
を添加して、エマルジョン(乳濁液)化している。これ
により、溶液は流動化し、部分的に多く付着することが
防止され、またフッ素樹脂の安定剤としての効果を高め
ている。本発明では、添加剤としてアセトンのみを使用
している。添加する量は、混合樹脂液槽内の溶液の1%
である。
【0043】シルクの風合いを保ったまま撥水加工を施
すために、タンパク繊維中のアミノ基、カルボキシル
基、アルコール性水酸基、フェノール水酸基などの官能
基の封鎖を行う物質が必要である。本発明では、取り扱
いがしやすいフッ素系樹脂をメインとして、シルクの官
能基の封鎖を行っている。ただ単に、フッ素系樹脂を付
着したのでは、洗濯やドライクリーニングによって、撥
水性に寄与するフッ素含有基が樹脂膜内にもぐりこんで
しまい、撥水性の低下をまねくため、添加剤としてアセ
トンを溶剤に加え、処理をおこなう。フッ素系樹脂によ
る撥水加工布の場合、洗濯前後での加工布のフッ素樹脂
の付着量は変わっていないにもかかわらず、初期性能よ
り低い撥水性しか得られない。耐洗濯性の向上のために
は、フッ素含有基をしっかりと生地の表面に固定配向
し、かつ繊維表面に接着させる必要がある。このため、
以下のような樹液槽への生地の2度漬けにおける時間の
管理、ゴムロールによる加圧力と加圧時間の管理を行な
っている。
【0044】混合樹脂液浸漬から予備乾燥までのベルト
コンベアー工程は以下のように行なわれる。 1.生地をベルトコンベア−にかける 2.混合樹脂液浸漬 3.混合樹脂液から一旦引き上げる 4.再度、混合樹脂液浸漬 5.混合樹脂液から引き上げる 図3に示すように、シルク100パーセントの生地1
を、前記混合樹脂液2を満たした槽に浸漬させる。ゴム
ロールを随所に配し、ロールの回転によって、生地をコ
ンベアーによって、加工工程を進ませる。この際、いっ
たん、混合樹脂液から引き上げた生地を、もう一度混合
樹脂液につけ、フッ素系樹脂を生地に付着させる。混合
樹脂をしっかりと生地に浸透させるため、2度漬けを行
う。
【0045】ゴムロールで生地に加圧、圧着させる。最
後に2本のゴムロール3の間を通し、このゴムロール3
を1平方センチメートルに対し4気圧で2000KPa
で、加圧、圧着させ、生地の繊維のすみずみまでこの混
合樹脂を浸透させる。なお、ゴムロール3を通す時間
は、第1回目も第2回目も共に3秒から4秒間であり、
その間の時間は1秒から2秒間である。樹脂液槽の温度
は、常温である。これよりも長い時間になると、生地の
風合いを損ない、これより短い時間であると、生地のす
みずみまで混合樹脂が浸透しない。また、樹脂液槽の温
度は、これより高いと生地の風合いを損なうからであ
る。この際、余分な撥水剤を絞り取っている。ゴムロー
ル3を圧縮に用いるのは、生地を圧迫すれば平たくなる
ためで、金属ロールが点の加圧になるのに対し、ゴムロ
ールは面での加圧になるため、能率が良いからである。
【0046】予備乾燥工程は、以下のように行なう。そ
の後、予備乾燥をおこなう。120℃前後の熱風で、2
0秒から30秒間加熱乾燥をおこなう。生地を干すの
に、この温度と時間が必要である。120℃よりも高け
れば光沢や風合いを損ねることになり、また、シルク生
地の変色をもたらす。また、120℃よりも低ければ、
熱風をかける時間が多くなるために生地の表面が磨耗し
やすくなる。予備乾燥により、生地を生乾きの状態にし
て、生地幅、シボ感の調整をやりやすくして、次の本乾
燥の段階へ進ませる。
【0047】本乾燥ベルトコンベアー工程は、以下のよ
うに行なう。生地の両端にピンを立てて、企画の幅にし
て、ベルトコンベアーに載せる。生地幅を調整し、撥水
加工前の生地の風合いになるように、生地の表面のシボ
感を加工前と同じように調整するためにシボ伸ばしをす
るため、生地の両端にピンを立てて、企画の幅にし、ベ
ルトコンベアーで、テンターという本乾燥の機械に入れ
る。加工布の寸法規格を安定させるため、120℃から
150℃の熱風処理を、15秒から30秒おこなう。温
度設定の範囲については、前に述べた理由と同様であ
る。
【0048】生地を、簡単に室温で冷やす。この後、合
成繊維では寸法を安定させるため、急速に冷やすことが
必要であるが、シルク100パーセント等の天然繊維に
は、不要で、簡単に室温で冷やすだけでよい。これは、
合成繊維の場合は、熱可塑性の、熱にあてると柔らかく
なる性質を、急速に冷やして固めることが必要であるの
に対し、シルクの場合には、ただ単に機械的に糸の表面
にフッ素樹脂を付着させているにすぎないためである。
【0049】プリーツ加工工程について 本発明の撥水加工工程を施したシルク100パーセント
生地に、熱処理を行い、プリーツを作るが、熱処理に
は、ハンドプリーツ加工とマシンプリーツ加工の2通り
がある。ハンドプリーツ加工の場合は、プリーツの型紙
を生地の上下に当て、手で折込む。場合により、途中に
ダンボール等の厚紙を入れて、生地がひよらないように
固定してもよい。プリーツの部分をたたみ、アコーディ
オンプリーツの場合は、扇子を閉じたような形にして、
動かないように紐等で固定し、窯に入れる。マシンプリ
ーツ加工の場合は、紙の間にはさまれた機械により折り
込んでいく。このとき、190℃から200℃の熱が加
わっているため、ポリエステルのような合成繊維の場合
は、この状態でプリーツをセットできるが、シルク10
0パーセントの生地の場合は、ハンドプリーツ同様に窯
に入れる。
【0050】次に、セッター本体にプリーツを折り込ん
だものを、運搬車により搬入する。プリーツ加工工程で
の窯を、正面図の図4、側面図の図5、平面図の図6に
よって、説明する。プリーツをセットした状態の生地
を、プリーツを閉じた状態で動かないように固定して、
運搬車24に載せ、その上を毛布で覆って、プラットホ
ーム18上を転がして、セッター本体(窯本体)11に
入れ、缶体扉17を閉める。生地を毛布に覆う理由は、
直接蒸気が生地に当たらないようにし、セッター本体
(窯本体)11の中のどの部分においた生地のどの部分
にも、均一に蒸気が当たるようにするためである。
【0051】蒸気入れは以下のように行なう。まず、セ
ッター本体の中で、蒸気を入れる。次に、一度、セッタ
ー全体を真空にする。さらに、再度、蒸気を入れる。そ
の後、セッター本体から生地を取り出す。窯の大きさに
よって多少の誤差はあるが、窯に95℃から105℃の
蒸気を入れ、次に一度真空にしてから再度蒸気を入れ
る。真空にすることにより、窯の中はどこの場所でも同
じように蒸気が入るようになる。時間は約40分間行
う。窯が小さい場合には、95℃の設定であるが、これ
より温度が低いとプリーツの開く率が多くなり、製品と
して不適格となる。シルク100パーセント生地の場合
は95℃から105℃で約40分おこなう。合成繊維の
場合が、約110℃で約30分であるのに比べると、温
度を低くして時間を要している。いずれにしても、合成
繊維の場合よりも低い温度設定と長い時間をかけて加工
をおこなっている。合成繊維や半合成繊維を扱うときの
ような高温でおこなうと、シルクの風合いを損ね、また
変色するため、シルク100パーセントの生地用の温度
設定が必要になる。これは、シルクの薄い生地であるシ
フォン素材の衣服は、たいへん熱に弱いため、通常、家
庭でおこなうアイロンかけを、直接アイロンをあてるこ
とはせずに、スチームの熱気でおこなうことからもわか
る。窯の中の蒸気から出る熱を利用することだけに限定
して、シルクが水分を吸収しないことが重要であり、こ
の蒸気熱によりプリーツをセットする。設定した時間が
くるとアラームがなるので、運搬車24ごと取り出す。
【0052】この一連の過程は、操作盤12によって行
い、温度・時間等を設定する。なお、セッター本体(窯
本体)11を真空にするために、水封式真空ポンプ1
3、真空ポンプ用セパレートタンク14が取り付けてあ
る。扉の開閉のために、扉締付装置15及び扉開閉装置
16を、セッター本体(窯本体)11に取り付けてい
る。セッター本体(窯本体)11の蒸気を処理するため
に、スチームセパレーター20、ドレンタンク21、冷
却水貯槽22、冷却水給水ポンプ23、缶体口部ドレン
受26を設置している。また、圧力計取付盤19、エア
ーコンプレッサー26を取り付けている。
【0053】最後に縫製をおこない、製品に縫い上げ
る。従来、シルク100パーセントの生地を縫製する場
合は、縫製のベテランであっても、糸ずれ、糸撚れがし
て、縫いにくく、手間のかかる素材であった。しかし、
本実施例を経たシルク100パーントの生地の場合、フ
ッ素系樹脂がシルク生地の表面に付着することによっ
て、絹の風合いは損なわれないものの、生地が、若干腰
が強くなるが、むしろこれは以下のように、長所となっ
ている。すなわち。糸ずれ、糸撚れがせず、スリップ防
止になり、今まで、シルクを取り扱う際には、爪をひっ
かけないように、擦れを生じさせないように、慎重に取
り扱うことが必要であったが、この負担が大幅に軽減さ
れる。また、ミシンをかける際にも、シルクの生地は動
きやすく、縫い目をパターンどおりに縫うのに手間がか
かっていたが、かなり縫いやすくなった。
【0054】本実施例では、アコーディオンプリーツで
説明したが、プリーツの種類は限定されるものではな
い。なお、シエルの形を模したソフトなプリーツの場合
は、生地を折り込む際に、スポンジ等の柔らかな素材を
併用する。また、窯に入れる際の形は、プリーツの種類
により違うため、扇型に限定されるものではない。
【0055】本実施例によって製作した製品に対して、
本出願人は種々の実験を行った。以下にその結果を記述
する。製品は、本実施例にしたがって製作した、スカー
ト部分にアコーディオンプリーツの入ったシルク100
パーセントの薄い生地の柄物ワンピースである。
【0056】(実験例1)水温18℃で、洗剤(花王エ
マール)を水5リットルに対し12ミリリットルを入
れ、以下の手順で洗濯を行った。 (1)30回軽く手押し洗い。 (2)ネットに入れて脱水機で20〜30秒脱水。 (3)水をかえて、2回すすぐ。 (4)ネットに入れて脱水機で20〜30秒脱水。 その結果、洗濯後の状態は、プリーツが若干広がった程
度であり、着用可能な状態であった。
【0057】さらに、同じ手順で2度目を行った。洗濯
後の状態は、プリーツは、かなりとれかかっているが、
プリーツの折山はしっかり残っている。プリーツの折山
がしっかり残っているので、仕上げ時にプリーツが元通
りになり、着用可能なレベルに戻った。
【0058】一方、比較例として、 本実施例によるプ
リーツ加工工程を経ていないプリーツ加工製品に対し
て、水をあてた。この製品は、単に水にあてただけで、
プリーツの折山はとれてしまい、ぐしゃぐしゃの状態に
なってしまい、元通りにはならなかった。
【0059】(実験例2)水温18℃で、水量10リッ
トルに5分間つけこむ。つけこみ後の状態は、つけこみ
前と、さほど変化はみられないが、プリーツが若干広が
っているところがあるが、折山のラインはしっかりのこ
っている。
【0060】同じ手順で2度目をおこなう。つけこみ後
の状態は、プリーツの広がっているところが部分的にみ
られるが、折山のラインはしっかり残っているので、上
記のとおり、元通りになった。
【0061】(実験例3)ドライクリーニングによる外
観変化は、JISL1096 J−2法で5回処理して
も、無地・柄物ともに外観変化は全くみられなかった。
【0062】
【発明の効果】本願発明は、以下のような効果を奏す
る。
【0063】従来のシルク100パーセントの生地は、
プリーツの工程を施しても、窯から出して1時間もすれ
ばプリーツがゆるんでしまっていた。また、窯から出し
て、スプレーをさっとかけた場合には、数秒でプリーツ
は落ちてしまっていた。本発明の撥水加工工程を経た生
地にプリーツ加工工程を施すと、プリーツの落ちない製
品がつくりだされた。シルク100パーセントの生地に
対して、合成繊維と同様に、雨等、水に濡れても形崩れ
しない製品が可能となった。これにより、従来不可能と
されていたシルク100パーセントの生地に対して、プ
リーツを施すデザインが可能になった。本発明による生
地を使用して、プリーツ加工をすると、水にあててもと
れないプリーツが可能である。
【0064】従来、薄い生地にプリーツ加工を施した製
品としては、絹製品に似せて織った薄い生地の合成繊維
があり、主に婦人物のスカート、ワンピース、ブラウス
等で製品化されていた。しかし、絹特有の風合い・手触
り・真珠のような美しさは表現できなかった。本願発明
により、絹特有の美しさに、プリーツのデザイン的な美
しさを兼ね備えた製品を生み出すことが可能になった。
【0065】フッ素系樹脂が表面に付着したことによ
り、生地が若干、腰が強くなるが、アパレル製品として
の品質に影響を与えるほどのことはなく、これは、むし
ろ、糸ずれ、糸撚れがせず、またスリップ防止になり、
縫製しやすくなるという利点を生む。また、製品価格の
面でも、大幅にコストを引き下げることができた。シル
ク100パーセントの生地は、柔らかく、縫製の際、縫
い目が動いてしまうため、他の繊維に比べると、高い縫
製技術と他の素材よりも多くの時間を要していたが、本
発明の撥水加工を施すことにより、縫いやすくなり縫製
時間の短縮を図れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】撥水加工工程図
【図2】プリーツ加工工程図・縫製工程図
【図3】撥水加工工程での混合樹脂液に浸す工程図
【図4】プリーツ加工工程での窯の正面図
【図5】プリーツ加工工程での窯の側面図
【図6】プリーツ加工工程での窯の平面図
【符号の説明】
1. 生地 2. 混合樹脂液 3. ゴムロール 11.セッター本体(窯本体) 12.操作盤 13.水封式真空ポンプ 14.真空ポンプ用セパレートタンク 15.扉締付装置 16.扉開閉装置 17.缶体扉 18.プラットホーム 19.圧力計取付盤 20.スチームセパレーター 21.ドレンタンク 22.冷却水貯槽 23.冷却水給水ポンプ 24.運搬車 25.エアーコンプレッサー 26.缶体口部ドレン受
フロントページの続き Fターム(参考) 3B154 AA01 AB20 BA14 BA16 BA36 BB02 BB03 BB05 BB12 BB32 BC01 BC16 BC24 BD08 BE02 BE05 BE06 BE07 BF01 BF02 BF04 DA13 DA16 DA18 4L033 AA03 AB05 AC03 CA17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素系樹脂液に浸漬して、撥水加工を
    施したシルク100パーセントの生地に、プリーツを折
    り込み、窯に入れて95℃から105℃の蒸気を約40
    分間あて、水に当たっても崩れない、絹織物に水洗い可
    能なプリーツを付ける加工方法。
  2. 【請求項2】 シルク100パーセントの生地を、FA
    共重合体とアセトンと水の混合溶液をメインとするエマ
    ルジョン化した混合樹脂液槽に浸漬し、次に、ゴムロー
    ルで加圧して生地全体に前記混合樹脂液を均等に含浸さ
    せ、その後予備乾燥を施してから本乾燥し、このシルク
    の風合いを損なわない撥水性を施した生地をハンドプリ
    ーツ加工もしくはマシンプリーツ加工により生地を折込
    み、そのあとに窯に入れて95℃から105℃の蒸気に
    約40分間あて、いったん窯の中を真空にしてから再度
    絹織物に蒸気をあてることによってプリーツセットする
    ことを特徴とする、絹織物に水洗い可能なプリーツをつ
    ける加工方法。
  3. 【請求項3】 前記混合樹脂液が、シルクの風合いを保
    ったまま、シルク100%の生地に撥水加工を施すため
    に、絹織物のタンパク繊維中のアミノ基、カルボキシル
    基、アルコール性水酸基、フェノール水酸基などのシル
    クの官能基の封鎖を行い、かつ生地の表面でのフッ素系
    樹脂の並び方が崩れないように作用する、FA共重合体
    20%,アセトン12%,水68%の混合溶液をメイン
    とするものであり、さらに、撥水剤が部分的に多く付着
    するために発生するスポット状の汚れを防止するため
    に、溶液を流動化させてエマルジョン化させる役割を果
    たすアセトン系浸透剤を、前記混合樹脂液槽にその容量
    の1%程度添加することを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の絹織物に水洗い可能なプリーツをつける加
    工方法。
  4. 【請求項4】 シルク100パーセントの生地の前記混
    合樹脂液への浸漬が、第1回目の浸漬時間を3〜4秒と
    し、1〜2秒後に第2回目の浸漬を3〜4秒間行なうも
    のであり、浸漬後の前記ゴムロールによる加圧が、加圧
    時間0.5秒、加圧圧力2000KPa〜3000KP
    aで行なうものであり、前記予備乾燥が約120度の熱
    風に20秒〜30秒当てるものであり、前記本乾燥が1
    20度〜150度の熱風処理を15秒〜30秒行なうも
    のであることを特徴とする、請求項1、2又は3のいず
    れかに記載の絹織物に水洗い可能なプリーツをつける加
    工方法。
  5. 【請求項5】 フッ素系樹脂液に浸漬して、撥水加工を
    施したシルク100パーセントの生地に、プリーツを折
    り込み、窯に入れて95℃から105℃の蒸気を約40
    分間あて、水に当たっても崩れない、絹織物に水洗い可
    能なプリーツを付けた絹織物。
  6. 【請求項6】 シルク100パーセントの生地を、FA
    共重合体とアセトンと水の混合溶液をメインとするエマ
    ルジョン化した混合樹脂液槽に浸漬し、次に、ゴムロー
    ルで加圧して生地全体に前記混合樹脂液を均等に含浸さ
    せ、その後予備乾燥を施してから本乾燥し、このシルク
    の風合いを損なわない撥水性を施した生地をハンドプリ
    ーツ加工もしくはマシンプリーツ加工により生地を折込
    み、そのあとに窯に入れて95℃から105℃の蒸気に
    約40分間あて、いったん窯の中を真空にしてから再度
    絹織物に蒸気をあてることによってプリーツセットする
    ことを特徴とする、絹織物に水洗い可能なプリーツをつ
    けた絹織物。
  7. 【請求項7】 前記混合樹脂液が、シルクの風合いを保
    ったまま、シルク100%の生地に撥水加工を施すため
    に、絹織物のタンパク繊維中のアミノ基、カルボキシル
    基、アルコール性水酸基、フェノール水酸基などのシル
    クの官能基の封鎖を行い、かつ生地の表面でのフッ素系
    樹脂の並び方が崩れないように作用する、FA共重合体
    20%,アセトン12%,水68%の混合溶液をメイン
    とするものであり、さらに、撥水剤が部分的に多く付着
    するために発生するスポット状の汚れを防止するため
    に、溶液を流動化させてエマルジョン化させる役割を果
    たすアセトン系浸透剤を、前記混合樹脂液槽にその容量
    の1%程度添加することを特徴とする請求項5又は請求
    項6のいずれかに記載の絹織物に水洗い可能なプリーツ
    をつけた絹織物。
  8. 【請求項8】 シルク100パーセントの生地の前記混
    合樹脂液への浸漬が、第1回目の浸漬時間を3〜4秒と
    し、1〜2秒後に第2回目の浸漬を3〜4秒間行なうも
    のであり、浸漬後の前記ゴムロールによる加圧が、加圧
    時間0.5秒、加圧圧力2000KPa〜3000KP
    aで行なうものであり、前記予備乾燥が約120度の熱
    風に20秒〜30秒当てるものであり、前記本乾燥が1
    20度〜150度の熱風処理を15秒〜30秒行なうも
    のであることを特徴とする、請求項5、6又は7のいず
    れかに記載の絹織物に水洗い可能なプリーツをつけた絹
    織物。
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