JP2002356380A - アルミナ繊維集合体の製造方法 - Google Patents
アルミナ繊維集合体の製造方法Info
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Abstract
らつきも小さいため、初期面圧が充分に高く、経時劣化
を起しにくいアルミナ繊維集合体の製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 無機塩法に用いられるアルミナ繊維原液
を材料として連続長繊維前駆体を得る紡糸工程と、上記
連続長繊維前駆体を短繊維前駆体となるように切断する
チョップ工程と、得られた上記短繊維前駆体を用いてマ
ット状短繊維前駆体を作製するマット作製工程と、上記
マット状短繊維前駆体を焼成してアルミナ繊維集合体を
製造する焼成工程とを含むことを特徴とするアルミナ繊
維集合体の製造方法
Description
マット状に成形したアルミナ繊維集合体の製造方法に関
する。
内燃機関から排出される排気ガス中に含有されるパティ
キュレートが環境や人体に害を及ぼすことが最近問題に
なっている。この排気ガスを多孔質セラミックを通過さ
せることにより、排気ガス中のパティキュレートを捕集
して排気ガスを浄化するセラミックフィルタが種々提案
されている。
えば、図1に示したような多孔質セラミック部材20が
接着層14を介して複数個結束されて円柱状のセラミッ
クブロック15を構成し、その外周にシール材層13が
形成されたハニカムフィルタ10が使用されている。ま
た、この多孔質セラミック部材20は、図2に示したよ
うに、長手方向に多数の貫通孔22が並設され、貫通孔
22同士を隔てる隔壁23がフィルタとして機能するよ
うになっている。
れた貫通孔22は、図2(b)に示したように、排気ガ
スの入り口側又は出口側の端部のいずれかが充填材21
により目封じされ、一の貫通孔22に流入した排気ガス
は、必ず貫通孔22を隔てる隔壁23を通過した後、他
の貫通孔22から流出するようになっており、排気ガス
がこの隔壁23を通過する際、パティキュレートが隔壁
23部分で捕捉され、排気ガスが浄化される。また、シ
ール材層13は、外周部分に形成され、その一部が切断
された多孔質セラミック部材20の外部に露出した貫通
孔22から排気ガスが漏れ出すことを防止するために形
成されている。
成する非酸化物系セラミック材料として、炭化珪素は、
極めて耐熱性に優れ、再生処理等も容易であるため、種
々の大型車両やディーゼルエンジン搭載車両等に使用さ
れている。
ュレートのほかに、CO、NOx及びHC等も含有され
ており、これらの物質を排気ガス中から除去するため
に、上述したハニカムフィルタ10と略同形状で、その
内部に白金等の触媒を担持させた排気ガス浄化用触媒コ
ンバータも提案されている。
次期のクリーンな動力源の研究が進められており、その
うち特に有望なものとして、例えば、燃料電池がある。
燃料電池とは、水素と酸素とが反応して水ができる際に
得られる電気を、動力源として用いるものであるが、酸
素は空気中から直に取り出される反面、水素については
メタノール、ガソリン等を改質して用いており、このメ
タノール、ガソリン等の改質を行う際には、上述したハ
ニカムフィルタ10と略同形状で、銅系の触媒が担持さ
れた燃料電池用触媒コンバータが使用されている。
ス浄化用触媒コンバータ及び燃料電池用触媒コンバータ
等は、通常、筒状の金属製のシェル内に配置して使用す
るのであるが、ハニカムフィルタ10、排気ガス浄化用
触媒コンバータ及び燃料電池用触媒コンバータと、上記
金属製シェルとの間には、ギャップが存在し、このギャ
ップを埋めるために、図3に示したような保持シール材
30が介装されている。
略矩形状の基材部31の一方の短辺に凸状合わせ部32
が設けられ、他方の短辺に凹状合わせ部33が設けられ
ている。凸状合わせ部32と凹状合わせ部33とは、保
持シール材30をハニカムフィルタ10等の外周に巻き
付けた際、丁度嵌合するようになっており、これによ
り、保持シール材30にズレが発生しないようになって
いる。
熔融法によりアルミナ繊維原液(アルミナ−シリカ繊維
原液)を紡糸して連続長繊維前駆体を作製し、この連続
長繊維前駆体を焼成することで、アルミナ長繊維を製造
する。次に、このアルミナ長繊維を切断してアルミナ短
繊維とした後、このアルミナ短繊維を集綿、開繊及び積
層した後、加圧することにより、マット状のアルミナ繊
維集合体を作製する。そして、このマット状の繊維集合
体を所定形状に打ち抜くことで、保持シール材30を製
造していた。
を、上述したハニカムフィルタ10、排気ガス浄化用触
媒コンバータ及び燃料電池用触媒コンバータ等の外周面
に巻き付けた後、金属製シェル内に収容するのである
が、このような収容状態において、保持シール材30
は、厚さ方向に圧縮されるため、保持シール材30には
その圧縮力に抗する反発力(面圧)が生じる。そして、
この反発力が作用することにより、ハニカムフィルタ1
0、排気ガス浄化用触媒コンバータ及び燃料電池用触媒
コンバータ等が、上記金属製シェル内に保持されるよう
になっている。
0、排気ガス浄化用触媒コンバータ及び燃料電池用触媒
コンバータ等を圧入方式によりその内部に収容する場
合、断面O字状の金属製円筒部材が用いられ、キャニン
グ方式によりその内部に収容する場合、断面O字状の金
属製筒状部材を軸線方向に沿って複数片に分割したクラ
ムシェルが用いられる。また、その他、断面C字状又は
U字状の金属製筒状部材を用いて、溶接、接着、ボルト
等で締め付ける方式の金属製シェルも用いられている。
来の製造方法で製造されたアルミナ繊維集合体は、該ア
ルミナ繊維集合体に用いられるアルミナ短繊維の機械的
強度が充分に高いものではなく、また、そのばらつきも
比較的大きかったため、上記アルミナ繊維集合体の初期
面圧は充分なものとは言えず、さらに、上記アルミナ繊
維集合体の面圧の経時劣化も比較的大きいことがあり、
未だ改善の余地があった。ここで、「初期面圧」とは、
製造したばかりのアルミナ繊維集合体であって、負荷や
熱を与えていない状態でのアルミナ繊維集合体の面圧を
意味する。
れたものであり、アルミナ短繊維の強度が高く、また、
そのばらつきも小さいため、初期面圧が充分に高く、経
時劣化を起しにくいアルミナ繊維集合体の製造方法を提
供することを目的とするものである。
合体の製造方法は、無機塩法に用いられるアルミナ繊維
原液を材料として連続長繊維前駆体を得る紡糸工程と、
上記連続長繊維前駆体を短繊維前駆体となるように切断
するチョップ工程と、得られた上記短繊維前駆体を用い
てマット状短繊維前駆体を作製するマット作製工程と、
上記マット状短繊維前駆体を焼成してアルミナ繊維集合
体を製造する焼成工程とを含むことを特徴とする。以
下、本発明を実施の形態により、具体的に説明する。
造方法は、無機塩法に用いられるアルミナ繊維原液を材
料として連続長繊維前駆体を得る紡糸工程と、上記連続
長繊維前駆体を短繊維前駆体となるように切断するチョ
ップ工程と、得られた上記短繊維前駆体を用いてマット
状短繊維前駆体を作製するマット作製工程と、上記マッ
ト状短繊維前駆体を焼成してアルミナ繊維集合体を製造
する焼成工程とを含むことを特徴とする。
は、紡糸工程、チョップ工程及びマット作製工程を経た
後に焼成工程を行うことで、製造するアルミナ繊維集合
体に用いられるアルミナ短繊維の機械的強度を充分に高
くするとともに、ばらつきも小さくし、高い初期面圧を
有し、また、面圧の経時劣化の小さいアルミナ繊維集合
体を製造するのである。これは、以下のような理由によ
るものと考えられる。
繊維集合体に用いられるアルミナ短繊維は、アルミナ繊
維原液を紡糸して得られた連続長繊維前駆体を焼成して
アルミナ長繊維を製造した後、このアルミナ長繊維を、
カッター等の機械的な手段によって切断することで作製
されるのであるが、このようにして作製されたアルミナ
短繊維には、その切断面にばりが発生しているものがあ
った(図4(b)参照)。なお、図4(a)は、本発明
のアルミナ繊維集合体の製造方法により製造したアルミ
ナ繊維集合体に用いられているアルミナ短繊維の切断面
のSEM写真であり、(b)は、従来の方法で製造した
アルミナ繊維集合体に用いられているアルミナ短繊維の
切断面のSEM写真である。
ー等がアルミナ長繊維を完全に切断してしまう前に、切
断面近傍のアルミナ長繊維の一部が欠けてしまうことが
あり、この欠けた破片が切断面に付着することで、図4
(b)に示したような、アルミナ短繊維の切断面におけ
るばりになるのである。
を切断すると、その切断面には大きな剪断応力が作用す
る。しかしながら、上記アルミナ長繊維は、ある程度の
強度を有する硬くて脆いセラミックからなるため、この
切断面に作用する剪断応力に起因して、アルミナ長繊維
の一部に欠けが発生し、この欠けの破片が切断面に付着
した状態が図4(b)に示したようなばりであると考え
られる。
数のアルミナ短繊維は、互いに複雑に絡み合った状態と
なっているのであるが、アルミナ短繊維の切断面にばり
が発生していると、上記アルミナ短繊維が互いに複雑に
絡み合うことで、他のアルミナ短繊維を傷付けてしま
う。
すると、上記欠けやばりに起因したマイクロクラックが
発生している部分があり、また、その他の部分にも、切
断時の繊維に加わる力によりマイクロクラックが発生し
ている部分がある。従って、このような、欠け、ばり及
びマイクロクラック等に起因して、アルミナ短繊維の機
械的強度が充分に高いものとならず、また、そのばらつ
きも大きくなるものと考えられる。
面圧の経時劣化は、アルミナ繊維集合体に用いられるア
ルミナ短繊維の機械的強度に依存するものであり、アル
ミナ短繊維の機械的強度が優れたものであれば、アルミ
ナ繊維集合体の初期面圧は充分に高く、また、面圧の経
時劣化も小さなものとなる。しかしながら、上述した通
り、従来のアルミナ繊維集合体においては、該アルミナ
繊維集合体に用いられるアルミナ短繊維の機械的強度は
充分に高いものではなく、また、そのばらつきも大きな
ものであったため、アルミナ繊維集合体の初期面圧が充
分に高くならず、また、面圧の経時劣化も比較的大きな
ものとなっていたと考えられる。
は、紡糸工程で得られた連続長繊維前駆体に焼成処理を
施すことなくカッター等で切断して短繊維前駆体を作製
する。即ち、上記連続長繊維前駆体は、紡糸した後延伸
処理を施しただけであるため、柔らかく、連続長繊維前
駆体をカッター等で切断しても、その切断面に作用する
剪断応力に起因して、該切断面近傍に欠けが発生するこ
とはない(図4(a)参照)。また、切断面にマイクロ
クラックが発生することも殆どない。従って、その後製
造するアルミナ繊維集合体に用いられるアルミナ短繊維
は、従来の方法で製造されたアルミナ繊維集合体に用い
られるアルミナ短繊維に比べて、その機械的強度が充分
に高いものとなり、また、そのばらつきも小さなものと
なる。そのため、本発明のアルミナ繊維集合体の製造方
法により製造されたアルミナ繊維集合体は、初期面圧が
高く、経時劣化を起しにくくなると考えられる。
方法について、さらに詳しく説明する。本発明のアルミ
ナ繊維集合体の製造方法では、まず、無機塩法に用いら
れるアルミナ繊維原液を材料として連続長繊維前駆体を
得る紡糸工程を行う。
機塩法に用いられるアルミナ繊維原液を調製する。上記
アルミナ繊維原液は、無機塩法により調製する。具体的
には、アルミニウム塩水溶液にシリカゾルを混合して調
製することが望ましい。高い強度を有するアルミナ繊維
を得ることができるからである。
ば、塩基性アルミニウム塩の水溶液を選択することがで
きる。また、アルミナ源であるアルミニウム塩水溶液
は、上記アルミナ繊維原液に粘性を付与するための成分
でもある。
ルミニウム塩水溶液と、シリカゾルとの混合比は、アル
ミナ及びシリカ換算量で、アルミナが40〜100重量
%、シリカが0〜60重量%であることが望ましい。
必要に応じて有機重合体を添加してもよい。アルミナ繊
維原液に曳糸性を付与することができるからである。
ニルアルコール)等のように炭素を含む鎖状高分子を挙
げることができるが、その他、炭素を含む化合物であれ
ば、鎖状構造を有しない比較的低分子のもの(重合体で
ないもの)であってもよい。
とにより、紡糸に適した濃度、温度、粘度等に調整した
アルミナ繊維原液とする。上述したような方法で調製し
たアルミナ繊維原液は、通常20重量%程度の濃度とな
るが、これを濃縮して30〜40重量%程度にすること
が望ましい。また、減圧濃縮後のアルミナ繊維原液の粘
度としては、1〜200Pa・s(10〜2000P)
であることが望ましい。
たアルミナ繊維原液を紡糸装置のノズルから高速気流中
に吐出することで、ノズルの開口形状に相似の断面形状
を有する原料繊維が連続的に得られる。このようにして
紡出された原料繊維を延伸しながら順次巻き取ること
で、連続長繊維前駆体を得る。
ず、例えば、真円、三角形、Y型、星型等任意の形状の
ものを選択することができる。また、上記紡出された状
態の原料繊維は100〜200倍程度延伸して連続長繊
維前駆体とすることが望ましい。好適な強度を有するア
ルミナ繊維を製造することができる範囲だからである。
このときの連続長繊維前駆体の断面形状が真円である場
合、その平均繊維径は3〜25μmであることが望まし
く、5〜15μmであることがより望ましい。
ンプ)を付与する捲縮加工を行うことが望ましい。その
後のマット作製工程においてアルミナ短繊維をマット状
に成形する際、アルミナ短繊維同士を好適に絡み合わせ
ることができるからである。
体となるように切断するチョップ工程を行う。このチョ
ップ工程では、上記連続長繊維前駆体を0.1〜100
mm、望ましくは2〜50mmの長さの短繊維前駆体と
なるように切断する。具体的には、上記連続長繊維前駆
体を複数本引き揃え、矩形状のカッター等により切断す
るのであるが、その切断面が平坦になるように切断する
ことが望ましい。短繊維前駆体の切断面が尖頭状である
と、その後に製造するアルミナ短繊維の切断面も尖頭状
となり、このような短繊維前駆体やアルミナ短繊維を吸
引すると人体に重大な悪影響を及すことがある。
ト状短繊維前駆体を作製するマット作製工程を行う。
前駆体を集綿、開繊及び積層した後、加圧することによ
り、マット状短繊維前駆体を作製する。このマット状短
繊維前駆体において、上記短繊維前駆体は、ある程度絡
み合った状態となっている。
特に限定されるものではないが、通常、矩形状である。
また、その大きさは、アルミナ繊維集合体の使用目的に
合わせて適宜決定される。
ルパンチ処理を施すことが望ましい。このニードルパン
チ処理は、上記マット状短繊維前駆体にニードル(針)
を刺すことで、上下の短繊維前駆体を好適に絡ませるこ
とができ、嵩高性及び弾力性に富んだマット状短繊維前
駆体とすることができる。
してアルミナ繊維集合体を製造する焼成工程を行うこと
で、アルミナ繊維集合体を製造し、本発明のアルミナ繊
維集合体の製造方法を終了する。
ト状短繊維前駆体を酸素含有雰囲気下で400〜600
℃、10〜60分の条件で加熱(前処理)することが望
ましい。マット状短繊維前駆体に用いられている短繊維
前駆体に含まれる有機成分を燃焼除去するためである。
前駆体を、例えば、大気雰囲気下で1000〜1300
℃、望ましくは1050〜1250℃に加熱して短繊維
前駆体を焼結させる。加熱温度が1000℃未満である
と、短繊維前駆体の焼結が不充分になりやすく、高強度
のアルミナ繊維集合体を得ることが困難となる。一方、
加熱温度が1300℃を超えると、アルミナ繊維集合体
の顕著な高強度化にはつながらず、生産性及び経済性が
不利になる。
駆体に用いられていた短繊維前駆体は焼成されることで
アルミナ短繊維となるのであるが、上記短繊維前駆体
は、上述したニードルパンチ処理等により複雑に絡みあ
っており、この絡み合った短繊維前駆体は焼成されるこ
とで、互いに接着される。従って、製造するアルミナ繊
維集合体は、その機械的強度が非常に優れたものとな
る。また、このような条件で焼成されたマット状短繊維
前駆体は、有機成分が焼失するため、その体積が収縮す
る。
びシリカを主成分とするものであるが、このアルミナ短
繊維は、ムライト結晶含有量が0〜10重量%以下であ
ることが望ましい。このような化学組成のアルミナ短繊
維は、非晶質成分が少なくなることから耐熱性に優れた
ものとなり、かつ、圧縮荷重印加時の反発力が高いもの
となる。従って、本発明に係るアルミナ繊維集合体を、
従来の技術において説明したようなハニカムフィルタ1
0等の保持シール材として使用した場合、金属製シェル
とハニカムフィルタ10等との間のギャップに配置され
た状態で高温に遭遇したときであっても、発生する面圧
の低下が比較的起こりにくくなる。
は1.2GPa以上、特には1.5GPa以上であるこ
とが望ましい。また、アルミナ短繊維の繊維曲げ強度は
1.0GPa以上、特には1.5GPa以上であること
が望ましい。さらに、アルミナ短繊維の破壊靭性値は
0.8MN/m3/2以上、特には1.3MN/m
3/2以上であることが望ましい。これは、繊維引張強
度、繊維曲げ強度及び破壊靭性値が大きくなると、引っ
張りや曲げに対して極めて強く、しなやかで破壊しにく
いアルミナ短繊維となるからである。
き等により、図3に示した保持シール材30と略同形状
の保持シール材に加工する。
的に合わせて適宜決定するが、上記保持シール材の厚さ
は、例えば、図1に示したハニカムフィルタ10の外周
に巻き付ける保持シール材として使用する場合、ハニカ
ムフィルタ10の外径と、ハニカムフィルタ10を収容
する金属製シェルの内径とが形成するギャップの1.1
〜4倍程度、さらには、1.5〜3倍程度であることが
望ましい。保持シール材の厚さが上記ギャップの1.1
倍未満であると、ハニカムフィルタ10を金属製シェル
内に収容した際、ハニカムフィルタ10の保持性を高く
することができず、ハニカムフィルタ10が金属製シェ
ルに対してズレたりガタついたりすることがある。ま
た、この場合には高いシール性も得られないため、上記
ギャップ部分からの排気ガスのリークが発生しやすくな
り、排気ガスの浄化が不完全なものとなる。一方、保持
シール材の厚さが上記ギャップの4倍を超えると、ハニ
カムフィルタ10を金属製シェル内に収容する際、特
に、圧入方式を採用した場合には、ハニカムフィルタ1
0の金属製シェル内への配置が困難となる。
保持シール材の嵩密度は、0.1〜0.3g/cm3で
あることが望ましく、0.1〜0.25g/cm3であ
ることがより望ましい。嵩密度が0.1g/cm3未満
であると、上記保持シール材の初期面圧を充分に高いも
のとすることができず、一方、嵩密度が0.3g/cm
3を超えると、材料として使用すべきアルミナ短繊維の
量が増え、製造コストの高騰を招く。
ニードルパンチ処理を施してもよく、上記保持シール材
に対して有機バインダの含浸を行った後、さらに、保持
シール材の厚さ方向に圧縮成形してもよい。保持シール
材を厚さ方向に圧縮して肉薄化することができるからで
ある。上記有機バインダとしては、アクリルゴムやニト
リルゴム等のラテックス、PVAやアクリル樹脂等を挙
げることができる。
集合体の製造方法は、アルミナ繊維原液を紡糸、延伸し
て作製した連続長繊維前駆体を切断して短繊維前駆体を
作製し、その後、マット前駆体を作製し、このマット前
駆体を焼成することでアルミナ繊維集合体を製造するの
である。本発明のアルミナ繊維集合体の製造方法による
と、上記短繊維前駆体の切断面に欠け、ばり、マイクロ
クラックが発生することはなく、その後、焼成工程を経
ることで、機械的強度に優れたアルミナ短繊維を製造す
ることができる。即ち、アルミナ繊維集合体に用いられ
るアルミナ短繊維の機械的強度を優れたものとすること
ができるため、充分に高い初期面圧を有するとともに、
面圧の経時劣化も小さなアルミナ繊維集合体を製造する
ことができる。
発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
%)、シリカゾル(20重量%、シリカ粒径15nm)
及び曳糸性付与剤であるポリビニルアルコール(10重
量%)を混合して紡糸原液を作製し、得られた紡糸原液
をエバポレータを用いて50℃で減圧濃縮し、濃度38
重量%、粘度150Pa・s(1500P)のアルミナ
繊維原液を調製した。
ル(断面真円状)から空気中に連続的に噴出するととも
に、延伸しながら巻き取って連続長繊維前駆体を形成し
た。
ッターを用いて7.5mm長に切断して作製した短繊維
前駆体を、開繊、集綿及び積層した後、加圧することに
より、マット状短繊維前駆体を作製した。
内で、上記マット状短繊維前駆体に対する500℃、3
0分間の加熱(前処理)を行って有機成分を燃焼除去し
た後、大気雰囲気下かつ常圧に保持された電気炉内で1
250℃、10分間の焼成を行ってアルミナ繊維集合体
を製造した。
リカの重量比は72:28であり、アルミナ短繊維の平
均繊維径は7.3μmであり、その断面形状は真円であ
った。
実施例1の焼成条件と同条件で、上記連続長繊維前駆体
に焼成処理を施してアルミナ長繊維を製造した。このア
ルミナ長繊維の平均繊維径は7.2μmであった。そし
て、製造したアルミナ長繊維を矩形状のカッターを用い
て5mm長に切断して作製したアルミナ短繊維を、開
繊、集綿及び積層した後、加圧することにより、マット
状のアルミナ繊維集合体を作製した。
集合体の各物性について、以下の方法により評価し、そ
の結果を下記表1に示す。
られているアルミナ短繊維の引張強度を、引張試験機に
より測定した。測定は、任意に取り出した10本のアル
ミナ短繊維について測定し、その平均値を実施例1及び
比較例1に係るアルミナ短繊維の強度とし、また、その
ばらつきを標準偏差により評価した。
mm角に打ち抜いて面圧測定用サンプルとし、この面圧
測定用サンプルの無挟持、無加熱のままの面圧を「初期
面圧」として測定し、また、上記面圧測定用サンプルを
専用の治具にて挟持し、嵩密度が0.3g/cm3とな
るようにした後、1000℃の大気中に保持し、100
時間経過後の面圧を「耐久後面圧」として測定した。ま
た、〔100−(耐久後面圧/初期面圧)×100〕
(%)を計算し、面圧経時劣化率を計算した。
状態を、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、欠
け、ばり、マイクロクラックの有無等を調べた。
施例1に係るアルミナ短繊維の平均強度は6.3×10
−4Nであり、その標準偏差は1.88であるのに対
し、比較例1に係るアルミナ短繊維の平均強度は5.0
×10−4Nであり、その標準偏差は2.16であっ
た。即ち、実施例1に係るアルミナ短繊維の平均強度及
びばらつきは、共に比較例1に係るアルミナ短繊維の平
均強度及びばらつきよりも優れたものであった。
の初期面圧は145kPa、耐久後面圧は102kPa
であるのに対し、比較例1に係る面圧測定用サンプルの
初期面圧は140kPaであり、耐久後面圧は91kP
aであり、いずれの面圧も、実施例1に係るサンプルの
方が好適な結果であった。また、面圧測定用サンプルの
経時劣化率も実施例1に係るサンプルの方が良好な結果
を示した。
切断面には欠け、ばり及びマイクロクラックは観察され
なかったが、比較例1に係るアルミナ短繊維の切断面に
は多数の欠け、ばり及びマイクロクラックが観察され
た。
繊維集合体の製造方法によると、アルミナ繊維集合体に
用いられるアルミナ短繊維の強度は優れたものとなり、
そのばらつきも小さなものとなる。従って、初期面圧が
高く、経時劣化を起しにくいアルミナ繊維集合体を製造
することができる。
図である。
成する多孔質セラミック部材の一例を模式的に示した斜
視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。
ある。
方法により製造したアルミナ繊維集合体に用いられてい
るアルミナ短繊維の切断面のSEM写真であり、(b)
は、従来の方法により製造したアルミナ繊維集合体に用
いられているアルミナ短繊維の切断面のSEM写真であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 無機塩法に用いられるアルミナ繊維原液
を材料として連続長繊維前駆体を得る紡糸工程と、前記
連続長繊維前駆体を短繊維前駆体となるように切断する
チョップ工程と、得られた前記短繊維前駆体を用いてマ
ット状短繊維前駆体を作製するマット作製工程と、前記
マット状短繊維前駆体を焼成してアルミナ繊維集合体を
製造する焼成工程とを含むことを特徴とするアルミナ繊
維集合体の製造方法。
Priority Applications (24)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001164915A JP4878699B2 (ja) | 2001-05-31 | 2001-05-31 | アルミナ繊維集合体の製造方法 |
EP20020728161 EP1418317A4 (en) | 2001-05-25 | 2002-05-27 | FIBERS ON ALUMINUM OXIDE SILICON DIOXIDE BASE, CERAMIC FIBERS; CERAMIC FIBER COMPLEX; RETAINING SEAL MATERIAL; PREPARATION METHOD AND METHOD FOR PRODUCING AN ALUMINUM OXIDE FIBER COMPLEX |
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