JP4730496B2 - 触媒コンバータ用保持シール材及びその製造方法、セラミック繊維集合体、セラミック繊維 - Google Patents

触媒コンバータ用保持シール材及びその製造方法、セラミック繊維集合体、セラミック繊維 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒コンバータ用保持シール材及びその製造方法、セラミック繊維集合体、セラミック繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用、特に自動車の動力源として、ガソリンや軽油を燃料とする内燃機関が百年以上にわたり用いられてきた。しかしながら、排気ガスが健康や環境に害を与えることが次第に問題となってきている。それゆえ、最近では排気ガス中に含まれているCO、NOx、HC等を除去する排気ガス浄化用触媒コンバータや、PM等を除去するDPFが各種提案されるに至っている。通常の排気ガス浄化用触媒コンバータは、触媒担持体と、前記触媒担持体の外周を覆う金属製シェルと、両者間のギャップに配置される保持シール材とを備えている。触媒担持体としてはハニカム状に成形したコージェライト担体が用いられており、それには白金等の触媒が担持されている。
【0003】
また最近では、石油を動力源としない次期のクリーンな動力源の研究が進められており、そのうち特に有望なものとして例えば燃料電池がある。燃料電池とは、水素と酸素とが反応して水ができる際に得られる電気を、動力源として用いるものである。酸素は空気中からじかに取り出される反面、水素についてはメタノール、ガソリン等を改質して用いている。この場合、メタノール等の改質は触媒反応によって行われる。そして、このような燃料電池にも、触媒担持体と、触媒担持体の外周を覆う金属製シェルと、両者間のギャップに配置される保持シール材とを備える燃料電池用触媒コンバータが用いられている。触媒担持体としてはハニカム状に成形したコージェライト担体が用いられており、それには銅系の触媒が担持されている。
【0004】
上記の触媒コンバータを製造する方法をここで簡単に説明しておく。
まず、熔融法等によりセラミック繊維を紡糸した後、そのセラミック繊維をマット状に集合させてなる材料を作製する。この材料を金型で打ち抜くことによって、帯状の保持シール材を作製する。次に、この保持シール材を触媒担持体の外周面に巻き付けた後、金属製シェル内に前記触媒担持体を収容する。その結果、所望の触媒コンバータが完成する。このような収容状態において保持シール材は厚さ方向に圧縮されるため、保持シール材にはその圧縮力に抗する反発力(面圧)が生じる。そして、この反発力が作用することにより、触媒担持体が金属製シェル内に保持されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の保持シール材は使用時に振動や排気ガス等の高温に晒されることから、時間が経つにつれて次第に面圧が低下し、比較的早期のうちに触媒担持体の保持性やシール性が悪くなるという欠点があった。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、面圧の経時劣化が起こりにくい触媒コンバータ用保持シール材を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上記の触媒コンバータ用保持シール材に好適な製造方法、セラミック繊維集合体、セラミック繊維を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決すべく本願発明者らは鋭意研究を行った。
その結果、繊維集合体を圧縮するような外部荷重を長時間加えた場合、繊維集合体を構成するセラミック繊維同士に滑り・ズレが生じ、それが繊維集合体の面圧の低下を引き起こすという知見を得た。そこで、本願発明者らは、繊維同士の滑り・ズレという問題を何らかの手段により解消すれば好結果が得られるであろうとの予測のもとに、繊維同士が近接して重なり合う部位について着目した。そして、かかる部位に改良を加えるべくさらに鋭意研究を行い、最終的に本願発明を想到するに至ったのである。
【0008】
即ち、請求項1に記載の発明では、マット状に集合したセラミック繊維を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャップに配置される保持シール材であって、前記セラミック繊維同士がセラミック接着材で部分的に接着されていることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材をその要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記セラミック接着材は前記セラミック繊維を構成している物質からなるとした。
請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記セラミック繊維はアルミナ−シリカ系繊維であり、前記セラミック接着材はアルミナを主成分とするとした。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記セラミック接着材は1重量%〜8重量%含まれているとした。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4に記載の触媒コンバータ用保持シール材を製造する方法であって、セラミック繊維紡糸原液を材料として前駆体繊維を得る紡糸工程と、前記前駆体繊維を加熱して焼結させる焼成工程と、得られたセラミック繊維を三次元的に集合させてマット状の集合体にする成形工程と、前記集合体を構成するセラミック繊維同士をセラミック接着材で接着する接着工程とを含むことを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材の製造方法をその要旨とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記接着工程では、前記セラミック接着材の原料溶液を前記集合体を構成するセラミック繊維間に供給した後、前記集合体を加熱することにより前記原料溶液中の特定成分を焼結させてセラミック化することを行うとした。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項5において、前記接着工程では、前記原料溶液である低粘性の水溶性金属溶液を前記集合体に含浸させた後、前記集合体を乾燥させ、さらに同集合体を加熱することにより前記溶液中の金属成分を焼結させてセラミック化することを行うとした。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7において、前記水溶性金属溶液は、前記集合体の1重量%〜10重量%供給されるとした。
請求項9に記載の発明は、請求項6乃至8のいずれか1項において、前記セラミック繊維紡糸原液は、無機塩法により作製されたアルミナ−シリカ系繊維紡糸原液であり、前記水溶性金属溶液は、アルミニウムイオンを含む水溶液であるとした。
【0014】
請求項10に記載の発明では、請求項1乃至4に記載の触媒コンバータ用保持シール材を製造する方法であって、セラミック繊維紡糸原液を材料として前駆体繊維を得る紡糸工程と、前記前駆体繊維を三次元的に集合させてマット状の集合体にする成形工程と、前記集合体を構成する前駆体繊維同士が近接して重なり合う部位に、後にセラミック接着材となりうる液状物質を付着させる液状物質供給工程と、前記集合体を加熱して前記前駆体繊維及び前記液状物質を焼結させる焼成工程とを含むことを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材の製造方法をその要旨とする。
【0015】
請求項11に記載の発明は、請求項10において、前記液状物質供給工程では、アルミナ−シリカ系繊維の繊維前駆体からなる集合体を、水分の多い高湿環境下に置くこととした。
【0016】
請求項12に記載の発明は、請求項10において、前記液状物質供給工程では、アルミナ−シリカ系繊維の繊維前駆体からなる集合体に対し、前記アルミナ−シリカ系繊維に含まれる無機元素を含む非水系液状物質を噴霧して供給することとした。
【0017】
請求項13に記載の発明は、請求項10乃至12のいずれか1項において、前記紡糸工程と前記成形工程との間において、前記前駆体繊維の長繊維を所定長さにチョップして短繊維を得る切断工程を実施することとした。
【0018】
請求項14に記載の発明では、三次元的に集合したセラミック繊維同士がセラミック接着材で部分的に接着されていることを特徴とするセラミック繊維集合体をその要旨とする。
【0019】
請求項15に記載の発明では、分岐構造を有するセラミック繊維を含んで構成されていることを特徴とするセラミック繊維集合体をその要旨とする。
請求項16に記載の発明では、分岐構造を有するセラミック繊維をその要旨とする。
【0020】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、セラミック繊維同士が近接して重なり合う部位にいわば架け橋が設けられた状態となるため、繊維同士の滑り・ズレが生じにくくなる。従って、保持シール材を圧縮するような外部荷重を長時間加えた場合であっても、面圧の低下を引き起こしにくくなる。また、本発明の保持シール材では、繊維同士を部分的に接着しているため、保持シール材内の空隙が全部埋められることにはならず、保持シール材に本来要求される物性(弾力性や断熱性等)が保たれる。しかも、耐熱性に優れるセラミック接着材を用いているので、保持シール材が使用時に高温に遭遇したとしても、接着部分の強度が低下しにくい。
【0021】
請求項2に記載の発明によると、セラミック接着材はセラミック繊維を構成している物質からなるため、繊維との親和性が高く、接着部分の強度が高くなる。
ゆえに、面圧の経時劣化を確実に防止することができる。
【0022】
請求項3に記載の発明によると、非晶質成分の少ないアルミナ−シリカ系繊維を用いているため、繊維自体の耐熱性が向上し、高温での面圧の経時劣化を少なくすることができる。また、アルミナを主成分とするセラミック接着材はアルミナ−シリカ系繊維に対する親和性が極めて高いため、接着部分のさらなる高強度化を図ることができる。
【0023】
請求項4に記載の発明によると、セラミック接着材の含有量を上記好適範囲内に設定することにより、保持シール材の好適な物性を維持しつつ接着部分の高強度化を図ることができる。
【0024】
上記含有量が1重量%未満であると、繊維同士を強固に接着することができない場合がある。逆に、上記含有量が8重量%を超えると、接着強度に関する問題は解消される反面、保持シール材内の空隙が埋まりやすくなり、保持シール材の好適な物性が損なわれるおそれがある。
【0025】
請求項5に記載の発明によると、前駆体繊維の焼成工程と接着工程とを別個に行っているため、これを同時に行う場合に比べて、形状のよいセラミック繊維を確実に得ることができ、かつ前記好適形状の繊維同士を確実に接着することができる。従って、面圧の経時劣化が起こりにくい保持シール材を簡単にかつ確実に製造することができる。
【0026】
請求項6に記載の発明によると、液状のセラミック接着材の原料溶液には表面張力が働くことから、これを集合体に供給した場合、当該原料溶液は繊維同士が近接して重なり合う部位に確実に付着する。この状態で加熱を行うことにより、当該部位に付着した原料溶液中の特定成分がセラミック化し、繊維同士の間に架け橋が形成される。
【0027】
請求項7に記載の発明によると、低粘性の水溶性金属溶液には表面張力が働くことから、これを集合体に含浸した場合、当該溶液は繊維同士が近接して重なり合う部位に確実に付着する。なお、含浸によれば、溶液を集合体の内部にまで確実にかつ均一に入り込ませることができる。この状態でまず集合体を乾燥させてある程度水分を除去した後、加熱を行うことにより、当該部位に付着した溶液中の金属成分が酸化してセラミックとなり、繊維同士の間に架け橋が形成される。
【0028】
請求項8に記載の発明によると、水溶性金属溶液の供給量を上記好適範囲内に設定することにより、保持シール材の好適な物性を維持しつつ接着部分の高強度化を図ることができる。
【0029】
上記供給量が1重量%未満であると、繊維同士が近接して重なり合う部位に付着する溶液量が不足し、繊維同士を強固に接着することができない場合がある。逆に、上記供給量が10重量%を超えると、過剰に存在する溶液によって保持シール材内の空隙が埋まりやすくなり、保持シール材の好適な物性が損なわれるおそれがある。
【0030】
請求項9に記載の発明によると、アルミナ−シリカ系繊維の繊維同士の間に、同繊維との親和性の高いアルミナからなる架け橋を形成することができる。よって、接着部分の強度が高くなり、面圧の経時劣化を確実に防止することができる。しかも、無機塩法により得られる繊維は結晶体であるため、熔融法により得られる非結晶質の繊維に比べて、高温における強度が高くなるという利点がある。よって、高温での面圧の経時劣化が少ない保持シール材を得ることができる。
【0031】
請求項10に記載の発明によると、焼成工程を経ることにより、前駆体繊維がセラミック化してアルミナ−シリカ系繊維になる。このとき、当該繊維同士が近接して重なり合う部位は、セラミック化した液状物質(即ちセラミック接着材)を介して接着される。このように本発明では前駆体繊維の焼成工程と接着工程とを同時に行っているため、これを別個に行う場合に比べて加熱回数が少なくて済む。よって、製造コストの低減を図ることができる。従って、面圧の経時劣化が起こりにくい保持シール材を効率よく低コストで製造することができる。
【0032】
請求項11に記載の発明によると、集合体を水分の多い高湿環境下に置いた場合、水蒸気は集合体の内部にまで確実に入り込んだ後、凝結して水分になる。また、当該水分は、表面張力の働きによって、繊維同士の近接重合部位に選択的に付着する。アルミナ−シリカ系繊維の前駆体繊維は水溶性であるため、水分の付着に起因して前記近接重合部位が幾分か溶解される。そして、このような溶解によって発生した液状物質はアルミナ−シリカ系繊維とほぼ同組成であることから、実質上、後にセラミック接着材となりうる。即ち、本発明によると、後にセラミック接着材となりうる液状物質を近接重合部位に確実に付着させることができる。しかも、前記液状物質は基本的にアルミナ−シリカ系繊維とほぼ同組成であることから、前駆体繊維との親和性が高く、繊維同士を高い強度で確実に接着することができる。ゆえに、面圧の経時劣化を確実に防止することができる。
【0033】
請求項12に記載の発明によると、非水系液状物質を噴霧して供給することにより、当該液状物質は集合体の内部にまで確実に入り込むとともに、表面張力の働きによって繊維同士の近接重合部位に選択的に付着する。即ち、本発明によると、後にセラミック接着材となりうる液状物質を近接重合部位に確実に付着させることができる。また、前記液状物質は非水系であるため、水溶性を示すアルミナ−シリカ系繊維の前駆体繊維に付着したとしても、繊維を溶解するようなことがない。よって、前駆体繊維が溶解しすぎて繊維自体の強度低下につながるという心配がなく、過溶解防止のために綿密な条件を設定する必要も特にない。ゆえに、比較的簡単に保持シール材を製造することができる。しかも、前記液状物質はアルミナ−シリカ系繊維に含まれる無機元素を含んでいるため、前駆体繊維との親和性が高く、繊維同士を高い強度で確実に接着することができる。ゆえに、面圧の経時劣化を確実に防止することができる。
【0034】
請求項13に記載の発明によると、次のような作用を奏する。即ち、前駆体繊維は未焼結であって比較的軟質であるため、切断時に衝撃を受けたとしても切断部位にヒビ等が入りにくい。従って、これを焼成して得たアルミナ−シリカ系繊維は、端部形状が安定していて機械的強度に優れたものとなる。ゆえに、初期面圧の向上を図ることができる。それに対し、前駆体繊維を焼結させた後に切断工程を実施した場合には、切断時の衝撃によってアルミナ−シリカ系繊維の切断部位にヒビが入りやすくなる。一般に前駆体繊維を焼結させてセラミック化すると、硬質になる反面、脆くなるからである。よって、アルミナ−シリカ系繊維の端部形状が不安定になるばかりでなく、繊維自体の機械的強度の低下につながってしまう。
【0035】
請求項14に記載の発明によると、三次元的に集合したセラミック繊維同士がセラミック接着材で部分的に接着されているため、繊維同士の滑り・ズレが生じにくく、面圧の低下を引き起こしにくい。また、本発明の繊維集合体では、繊維同士を部分的に接着しているため、内部の空隙が全部埋められることにはならず、弾力性や断熱性等を保持している。しかも、耐熱性に優れるセラミック接着材を用いているので、高温に遭遇したとしても接着部分の強度が低下しにくい。
【0036】
請求項15に記載の発明によると、分岐構造を有するセラミック繊維を含んで構成されているため、分岐構造を有するセラミック繊維を含んでいないものに比べて繊維同士の滑り・ズレが生じにくく、面圧の低下を引き起こしにくい。
【0037】
請求項16に記載の発明によると、分岐構造を有するセラミック繊維と分岐構造を有するセラミック繊維を含んでいないものとを比較した場合、三次元的に集合させたときに、前者のほうが後者に比べて繊維同士の滑り・ズレが生じにくい。このため、面圧の低下を引き起こしにくい繊維集合体を得ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明を具体化した第1の実施形態の自動車排気ガス浄化装置用触媒コンバータを図1〜図6に基づき詳細に説明する。
【0039】
図3に示される本実施形態の触媒コンバータ1は、自動車の車体において、エンジンの排気管の途中に設けられる。エンジンから触媒コンバータ1までの距離は比較的短いため、触媒コンバータ1には約700℃〜900℃の高温の排気ガスが供給されるようになっている。エンジンがリーンバーンエンジンである場合には、触媒コンバータ1には約900℃〜1000℃という、さらに高温の排気ガスが供給されるようになっている。
【0040】
図3に示されるように、本実施形態の触媒コンバータ1は、基本的に、触媒担持体2と、触媒担持体2の外周を覆う金属製シェル3と、両者2,3間のギャップに配置される保持シール材4とによって構成されている。
【0041】
前記触媒担持体2は、コージェライト等に代表されるセラミック材料を用いて作製されている。この触媒担持体2は断面円形状をした柱状部材となっている。また、触媒担持体2は、軸線方向に沿って延びる多数のセル5を有するハニカム構造体であることが好ましい。セル壁には排気ガス成分を浄化しうる白金やロジウム等の貴金属系触媒が担持されている。なお、触媒担持体2として、上記のコージェライト担体のほかにも、例えば炭化珪素、窒化珪素等のハニカム多孔質焼結体等を用いてもよい。
【0042】
前記金属製シェル3としては、例えば組み付けに際して圧入方式を採用する場合には、断面O字状の金属製円筒部材が用いられる。なお、円筒部材を形成するための金属材料としては、耐熱性や耐衝撃性に優れた金属(例えばステンレス等のような鋼材等)が選択されることがよい。圧入方式に代えていわゆるキャニング方式を採用する場合には、前記断面O字状の金属製円筒部材を軸線方向に沿って複数片に分割したもの(即ちクラムシェル)が用いられる。
【0043】
そのほか、組み付けに際して巻き締め方式を採用する場合には、例えば断面C字状ないしU字状の金属製円筒部材、言い換えるといわば軸線方向に沿って延びるスリット(開口部)を1箇所にのみ有する金属製円筒部材が用いられる。この場合、触媒担持体2の組み付けに際し、触媒担持体2に保持シール材4を固定したものを金属製シェル3内に収め、その状態で金属製シェル3を巻き締めた後に開口端が接合(溶接、接着、ボルト締め等)される。溶接、接着、ボルト締め等といった接合作業は、キャニング方式を採用したときにも同様に行われる。
【0044】
図1に示されるように、この保持シール材4は長尺状のマット状物であって、その一端には凹状合わせ部11が設けられ、他端には凸状合わせ部12が設けられている。図2に示されるように、触媒担持体2への巻き付け時には、凸状合わせ部12が凹状合わせ部11にちょうど係合するようになっている。
【0045】
本実施形態の保持シール材4は、マット状に集合したセラミック繊維(即ち繊維集合体)を主要な要素として構成されたものである。前記セラミック繊維として、本実施形態ではアルミナ−シリカ系繊維6が用いられている。この場合、ムライト結晶含有量が0重量%以上かつ10重量%以下のアルミナ−シリカ系繊維6を用いることがより好ましい。このような化学組成であると、非晶質成分が少なくなることから耐熱性に優れたものとなり、かつ圧縮荷重印加時の反発力が高いものとなるからである。従って、ギャップに配置された状態で高温に遭遇したときであっても、発生する面圧の低下が比較的起こりにくくなる。
【0046】
アルミナ−シリカ系繊維6の化学組成は、アルミナ68重量%〜83重量%かつシリカ32重量%〜17重量%であることがよく、具体的にはAl23:SiO2=72:28であることがなおよい。
【0047】
アルミナが68重量%未満の場合またはシリカが32重量%を超える場合には、耐熱性の向上及び圧縮荷重印加時の反発力の向上を十分に達成できなくなるおそれがある。アルミナが83重量%を超える場合またはシリカが17重量%未満の場合についても同様に、耐熱性の向上及び圧縮荷重印加時の反発力の向上を十分に達成できなくなるおそれがある。
【0048】
図4にて概略的に示されるように、この保持シール材4を構成するアルミナ−シリカ系繊維6の場合、繊維同士がセラミック接着材7で部分的に接着されている。繊維同士が近接して重なり合う部位に、いわば架け橋が設けられていると把握することもできる。別の見方をすると、この保持シール材4は分岐構造を有するアルミナ−シリカ系繊維6を含んで構成されていると把握することもできる。なお、この保持シール材4内には空隙が存在している。
【0049】
前記セラミック接着材7としては、セラミック繊維を構成している物質からなることが好ましい。上記セラミック接着材7であれば、当該繊維との親和性が高く、接着部分の強度が高くなるため、面圧の経時劣化を確実に防止することができるからである。このような事情のもと、本実施形態では、アルミナを主成分とするセラミック接着材7を選択している。
【0050】
前記セラミック接着材7は1重量%〜8重量%、特には3重量%〜7重量%含まれていることが好ましい。
上記含有量が1重量%未満であると、繊維同士を強固に接着することができない場合がある。逆に、上記含有量が8重量%を超えると、接着強度に関する問題は解消される反面、保持シール材4内の空隙が埋まりやすくなり、保持シール材4の好適な物性、即ち弾力性や断熱性等が損なわれるおそれがある。
【0051】
アルミナ−シリカ系繊維6の平均繊維径は、3μm〜25μm程度であることがよく、さらには5μm〜15μm程度であることがなおよい。平均繊維径を小さくしすぎると、呼吸器系に吸い込まれやすくなるという不都合が生じるからである。アルミナ−シリカ系繊維6の平均繊維長は、0.1mm〜100mm程度であることがよく、さらには2mm〜50mm程度であることがなおよい。また、アルミナ−シリカ系繊維6の繊維自体の引っ張り強度(相対強度)は、0.1GPa以上、特には0.5GPa以上であることがよい。アルミナ−シリカ系繊維6の断面形状は、図4にて示されたもののような真円形状でもよいほか、異形断面形状(例えば楕円形状、長円形状、略三角形状等)でも構わない。
【0052】
組み付け前の状態における保持シール材4の厚さは、触媒担持体2と金属製シェル3とがなすギャップの1.1倍〜4.0倍程度、さらには1.5倍〜3.0倍程度であることが望ましい。前記厚さが1.1倍未満であると、高い担持体保持性を得ることができず、触媒担持体2が金属製シェル3に対してズレたりガタついたりするおそれがある。勿論、この場合には高いシール性も得られなくなるため、ギャップ部分からの排気ガスのリークが起こりやすくなり、高度な低公害性を実現できなくなってしまう。また、前記厚さが4.0倍を超えると、特に圧入方式を採用した場合には、触媒担持体2の金属製シェル3への配置が困難になってしまう。よって、組み付け性の向上を達成できなくなるおそれがある。
【0053】
また、組み付け後における保持シール材4のGBD(嵩密度)は、0.10g/cm3〜0.30g/cm3、さらには0.10g/cm3〜0.25g/cm3となるように設定されることが好ましい。GBDの値が極端に小さいと、十分に高い初期面圧を実現することが困難になる場合がある。一方、GBDが大きすぎると、材料として使用すべきアルミナ−シリカ系繊維6の量が増え、コスト高を招きやすくなる。
【0054】
組み付け状態における保持シール材4の初期面圧は50kPa以上、さらには70kPa以上であることが好ましい。初期面圧の値が高ければ、面圧の経時劣化が起こったとしても、触媒担持体2の好適な保持性を維持することができるからである。
【0055】
なお、保持シール材4に対し必要に応じて、ニードルパンチ処理や樹脂含浸処理等を施してもよい。これらの処理を施すことにより、保持シール材4を厚さ方向に圧縮して肉薄化することが可能となるからである。
【0056】
次に、触媒コンバータ1を製造する手順を説明する。
まず、アルミニウム塩水溶液、シリカゾル及び有機重合体を混合し、紡糸原液を作製する。言い換えると、無機塩法により紡糸原液を作製する。アルミナ源であるアルミニウム塩水溶液は、紡糸原液に粘性を付与するための成分でもある。なお、このような水溶液として、塩基性アルミニウム塩の水溶液を選択することがよい。シリカ源であるシリカゾルは、繊維に高い強度を付与するための成分でもある。有機重合体は紡糸原液に曳糸性を付与するための成分である。
【0057】
紡糸原液には消泡剤等が添加されていてもよい。なお、アルミニウム塩及びシリカゾルの比率を変更することにより、アルミナ−シリカ系繊維6の化学組成をある程度コントロールすることができる。
【0058】
次いで、得られた紡糸原液を減圧濃縮することにより、紡糸に適した濃度・温度・粘度等に調製した紡糸原液とする。ここでは、20重量%程度であった紡糸原液を濃縮して30重量%〜40重量%程度にすることがよい。また、粘度を10ポアズ〜2000ポアズに設定することがよい。
【0059】
さらに、調製後の紡糸原液を紡糸装置のノズルから空気中に連続的に噴出するとともに、形成された前駆体繊維を延伸しながら巻き取るようにする。この場合、例えば乾式圧力紡糸法などが採用されることが好ましい。
【0060】
次に、第1回目の焼成工程を行って前駆体繊維をセラミック化(結晶化)することにより、前駆体繊維を硬化させ、アルミナ−シリカ系繊維6を得る。
前記焼成工程においては、得られるアルミナ−シリカ系繊維6におけるムライト結晶含有量が10重量%以下となるような焼成条件を設定することが望ましい。例えば、焼成工程における焼成温度は1000℃〜1300℃に設定されることがよい。焼成温度が1000℃未満であると、前駆体繊維を完全に乾燥・焼結させることができず、優れた耐熱性及び高い圧縮荷重印加時の反発力を保持シール材4に確実に付与できなくなるおそれがある。逆に、焼成温度が1300℃を超えると、アルミナ−シリカ系繊維6におけるムライト結晶化が進行しやすくなる。このため、ムライト結晶含有量を10重量%以下に抑えることが困難になり、優れた耐熱性及び高い圧縮荷重印加時の反発力を保持シール材4に確実に付与できなくなるおそれがある。
【0061】
続いて、上記の各工程を経て得られたアルミナ−シリカ系繊維6の長繊維を、例えばギロチンカッターを用いて所定長さにチョップし、ある程度短繊維化する。この後、短繊維を集綿、解繊及び積層することにより、あるいは、短繊維を水に分散させて得た繊維分散液を成形型内に流し込んで加圧・乾燥することにより、マット状の繊維集合体を得る。さらに、この繊維集合体を所定形状に打ち抜いて保持シール材4とする。
【0062】
上記の成形工程の後、接着工程を行って繊維集合体を構成する前記短繊維同士をセラミック接着材7で接着する。具体的には以下のように行う。
まず、セラミック接着材7の原料溶液を作製するとともに、それを集合体を構成する短繊維間に供給する。即ち、接着工程における第1のステップでは、集合体を構成する短繊維同士が近接して重なり合う部位に、後にセラミック接着材7となりうる液状物質を付着させる液状物質供給工程を実施する。この場合、前記原料溶液として、例えば塩化アルミニウム水溶液等のような水溶性金属溶液が用いられることがよい。塩化物以外のアルミニウム塩の水溶液、言い換えるとアルミニウムイオンを含む塩化アルミニウム水溶液以外の水溶液を用いることも可能である。なお、アルミニウムイオン以外の金属陽イオンを含む水溶液、例えば塩化ジルコニウム水溶液、塩化チタン水溶液、塩化クロム水溶液等を選択してもよい。
【0063】
前記水溶性金属溶液は低粘性であることが好ましく、具体的には0.1センチポアズ〜10センチポアズ程度であることがよい。低粘性の水溶性金属溶液には表面張力が働きやすく、短繊維同士が近接して重なり合う部位に対する付着性がよくなるからである。また、粘性が高すぎると、溶液を繊維集合体の内部にまで確実にかつ均一に入り込ませることが困難になるからである。
【0064】
水溶性金属溶液は繊維集合体の1重量%〜10重量%、好ましくは2重量%〜8重量%程度供給されることがよい。上記供給量が1重量%未満であると、短繊維同士が近接して重なり合う部位に付着する溶液量が不足し、短繊維同士を強固に接着することができない場合があるからである。逆に、上記供給量が10重量%を超えると、過剰に存在する溶液によって保持シール材4内の空隙が埋まりやすくなり、保持シール材4の好適な物性が損なわれるおそれがあるからである。
【0065】
原料溶液を繊維集合体に供給する手法としては、例えば繊維集合体を溶液に浸漬して内部に含浸させる方法や、スプレー噴霧によりミスト状の溶液を繊維集合体内に供給する方法、溶液を垂らして繊維集合体内に供給する方法等がある。これらのなかでは含浸法が好ましい。含浸法によれば、原料溶液を繊維集合体の内部にまで確実にかつ均一に入り込ませることが可能だからである。
【0066】
含浸の後、繊維集合体を加熱して乾燥することが好ましい。加熱乾燥を行うことにより、原料溶液中の余分な水分がある程度除去されるため、次工程における焼成を安定的に行うことができるからである。
【0067】
次いで、乾燥された繊維集合体を高温下で再び焼成し、短繊維同士の近接部位に付着した原料溶液中の金属成分を焼結させてセラミック化する。その結果、当該部位にセラミック接着材7からなる架け橋が形成され、短繊維同士が接着される。
【0068】
この後、必要に応じて保持シール材4に対する有機バインダの含浸を行った後、さらに保持シール材4を厚さ方向に圧縮成形してもよい。この場合の有機バインダとしては、アクリルゴムやニトリルゴム等のようなラテックス等のほか、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂等が挙げられる。
【0069】
そして、前記繊維集合体を所定形状に打ち抜いて得た保持シール材4を、触媒担持体2の外周面に巻き付けて有機テープ13を固定する。その後、圧入、キャニングまたは巻き締めを行えば、所望の触媒コンバータ1が完成する。
【0070】
以下、上記実施形態をより具体化した実施例及びその比較例について説明する。
【0071】
【実施例及び比較例】
(実施例)
実施例では、以下のようにして保持シール材4の面圧評価用サンプルを作製した。
【0072】
まず、塩基性塩化アルミニウム水溶液(23.5重量%)、シリカゾル(20重量%、シリカ粒径15nm)、ポリビニルアルコール(10重量%)及び消泡剤(n−オクタノール)を混合し、紡糸原液を作製した。次いで、得られた紡糸原液をエバポレータを用いて50℃で減圧濃縮し、濃度38重量%、粘度1000ポアズの紡糸原液に調製した。
【0073】
調製後の紡糸原液を紡糸装置のノズルから空気中に連続的に噴出するとともに、形成された前駆体繊維を延伸しながら巻き取った。
さらに、空気雰囲気に保持された電気炉内で、上記前駆体繊維に対する250℃かつ30分間の加熱(前処理)を行った後、同じく電気炉内で1250℃かつ10分間の焼成を行った。
【0074】
その結果、ムライト結晶含有量が約8重量%、アルミナ/シリカの重量比が72:28、平均繊維径が9μmの真円状アルミナ−シリカ系繊維6を得た。
続いて、アルミナ−シリカ系繊維6の長繊維を5mm長にチョップして短繊維化した。その後、この短繊維(約1.0g)を水に分散させ、得られた繊維分散液を成形型枠内に流し込んで加圧・乾燥することにより、縦横25mm角のマット状繊維集合体を得た。
【0075】
そして、この繊維集合体を5重量%の低粘性塩化アルミニウム水溶液(1センチポアズ)に1秒〜60秒程度含浸した後、繊維集合体を100℃で10分以上加熱乾燥した。さらに、乾燥された繊維集合体を1200℃以上の温度で10分焼成し、短繊維同士の近接部位に、アルミナを主成分とするセラミック接着材7からなる架け橋を形成した。図6のSEM写真は、セラミック接着材7により接着された本実施例のアルミナ−シリカ系繊維6を示すものである。
【0076】
この繊維集合体を面圧評価用サンプルとして用い、そのサンプルをオートグラフの圧縮治具内に収容した。そして、同サンプルに対して厚さ方向から押圧力を加えて3mm厚にしたときの、1,10,100時間後の面圧(MPa)を測定した。その結果を図5のグラフに示す。
(比較例)
比較例では、接着工程を実施しないことを除き、基本的には実施例に準じて面圧評価用サンプルを作製した。そして、オートグラフを用いて実施例と同じく面圧測定試験を行った。その結果を図5のグラフに示す。
(試験結果)
図5のグラフによると、初期面圧値については、実施例のほうが比較例に比べて高かった。しかも、100時間経過後における面圧の低下度合いは、実施例のほうが比較例に比べて明らかに小さかった。
【0077】
そして、前記実施例については、さらに上記繊維集合体を所定形状に打ち抜いて保持シール材4を作製した後、これを触媒担持体2に巻き付けて金属製シェル3内に圧入した。触媒担持体2としては、外径130mmφ、長さ100mmのコージェライトモノリスを用いた。金属製シェル3としては、肉厚1.5mmかつ内径140mmφであって断面O字状のSUS304製円筒部材を用いた。このようにして組み立てられた触媒コンバータ1を、3リットルのガソリンエンジンに実際に搭載して連続運転するという試験を行った。その結果、走行時における異音の発生も触媒担持体2のガタつきも認められなかった。
【0078】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の保持シール材4では、アルミナ−シリカ系繊維6の短繊維同士が近接して重なり合う部位に、セラミック接着材7によっていわば架け橋が設けられた状態となる。このため、短繊維同士の滑り・ズレが生じにくくなる。従って、保持シール材4を圧縮するような外部荷重を長時間加えた場合であっても、面圧の低下を引き起こしにくくなる。また、この保持シール材4では、短繊維同士を部分的に接着しているため、保持シール材4内の空隙が全部埋められることにはならない。従って、保持シール材4に本来要求される物性(弾力性や断熱性等)が保たれる。しかも、架け橋として使用しているセラミック接着材7は耐熱性に優れたものである。ゆえに、保持シール材4が使用時に1000℃程度の高温に遭遇したとしても、接着部分の強度が低下しにくく、この点からしても面圧の低下を引き起こしにくい。
【0079】
(2)本実施形態では、アルミナ−シリカ系繊維6を選択するとともに、アルミナを主成分とするセラミック接着材7を選択している。即ち、前記セラミック接着材7は、アルミナ−シリカ系繊維6を構成している物質からなる。このため、当該繊維との親和性が極めて高く、接着部分の強度が高い。ゆえに、この組み合わせによれば、面圧の経時劣化を確実に防止することができる。しかも、耐熱性に優れたアルミナ−シリカ系繊維6を用いているため、高温での面圧の経時劣化を少なくすることができる。
【0080】
(3)本実施形態では、セラミック接着材7の含有量を上記好適範囲内に設定している。従って、保持シール材4の好適な物性を維持しつつ接着部分の高強度化を図ることができる。
【0081】
(4)本実施形態では、保持シール材4の製造にあたって、前駆体繊維の焼成工程と接着工程とを別個に行っている。より詳細にいうと、前駆体繊維の焼成工程の後に接着工程を行っている。このため、仮に両工程を同時に行う場合に比べ、形状のよいアルミナ−シリカ系繊維6を確実に得ることができ、かつ前記好適形状のアルミナ−シリカ系繊維6同士を確実に接着することができる。従って、面圧の経時劣化が起こりにくい保持シール材4を簡単にかつ確実に製造することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を説明する。ここでは第1の実施形態と相違する点を主に述べ、共通する点については同一部材番号を付すのみとしてその説明を省略する。
【0082】
ここでは、上記構成の保持シール材4を下記のような手順を経て作製している。まず、前記実施形態に準じて紡糸工程を行うことにより、アルミナ−シリカ系繊維6の紡糸原液を材料として前駆体繊維の長繊維を得る。次に切断工程を行い、長繊維をギロチンカッターでチョップしてある程度短繊維化する。次に成形工程を行って、短繊維を集綿、解繊及び積層することにより、あるいは、短繊維を水に分散させて得た繊維分散液を成形型内に流し込んで加圧・乾燥することにより、マット状の繊維集合体を得る。次に液状物質供給工程を行うことにより、繊維集合体を構成する前駆体繊維同士が近接して重なり合う部分に、後にセラミック接着材7となりうる液状物質を付着させる。次に焼成工程を行って、繊維集合体を加熱して前駆体繊維及び液状物質を同時に焼結させる。最後に繊維集合体の打ち抜き等を行って、保持シール材4を得る。
【0083】
つまり、前記実施形態では液状物質供給工程を焼成後の段階(繊維がセラミック化した後)で行っているのに対し、本実施形態ではこれを焼成前の段階(未焼結の前駆対繊維の状態)で行っている点が大きく相違する。
【0084】
そして、液状物質供給工程の具体例としては次の2つの手法が挙げられる。
第1の手法では、アルミナ−シリカ系繊維6の繊維前駆体からなる繊維集合体を、水分の多い高湿環境下に置くことにより、液状物質を供給することを特徴とする。この場合、高湿環境下に存在する水蒸気は、繊維集合体の内部にまで確実に入り込んだ後、凝結して水分になる。また、当該水分は、表面張力の働きによって、繊維同士の近接重合部位に選択的に付着する。ここで、アルミナ−シリカ系繊維6の前駆体繊維は水溶性である。そのため、水分の付着に起因して、前記近接重合部位における前駆体繊維の表面が幾分か溶解される。そして、このような溶解によって発生した液状物質はアルミナ−シリカ系繊維6とほぼ同組成であることから、実質上、後にセラミック接着材7となりうる。従って、1000℃〜1300℃にて焼成を行うと、前駆体繊維及び液状物質が同時に焼結してセラミック化し、アルミナ−シリカ系繊維6同士の間にセラミック接着材7からなる架け橋が形成された状態となる。なお、この方法においては、前駆体繊維の過溶解が起こらない程度の条件(例えば水蒸気量、処理温度、処理時間等)を設定する必要がある。従って、噴霧等により水分を直接供給するような場合には過溶解に留意する必要がある。
【0085】
第2の手法では、アルミナ−シリカ系繊維6の前駆体繊維からなる繊維集合体に対し、アルミナ−シリカ系繊維6に含まれる無機元素を含む非水系液状物質を噴霧することにより、当該物質を供給することを特徴とする。この場合、噴霧された非水系液状物質は、繊維集合体の内部にまで確実に入り込むとともに、表面張力の働きによって繊維同士の近接重合部位に選択的に付着する。非水系液状物質としては、例えば市販の非水系シリコーンオイル等が挙げられる。シリコーンオイルは、アルミナ−シリカ系繊維6に含まれる無機元素であるシリコン(Si)を含んでいるため、実質上、後にセラミック接着材7となりうるからである。従って、1000℃〜1300℃にて焼成を行うと、前駆体繊維及び非水系液状物質が同時に焼結してセラミック化し、アルミナ−シリカ系繊維6同士の間にセラミック接着材7からなる架け橋が形成された状態となる。この場合のセラミック接着材7は、シリコンの酸化物(シリカ:SiO2)である。なお、非水系シリコーンオイルのほかに、例えばTEOS(けい酸エチル)をオイルに溶かしたもの等を用いることも可能である。
【0086】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(5)本実施形態の製造方法では、いわば前駆体繊維の焼成工程と接着工程とを同時に行っているため、これを別個に行う第1実施形態の製造方法に比べて、加熱回数が少なくて済む。よって、投入する熱エネルギーが少なくて済み、製造コストの低減を図ることができる。従って、面圧の経時劣化が起こりにくい保持シール材4を効率よく低コストで製造することができる。
【0087】
(6)上記第1の手法を採用した場合、後にセラミック接着材7となりうる液状物質を近接重合部位に確実に付着させることができる。しかも、繊維溶解物である前記液状物質は、基本的にアルミナ−シリカ系繊維6とほぼ同組成である。このため、前記液状物質は前駆体繊維との親和性が高く、繊維同士を高い強度で確実に接着することができる。ゆえに、面圧の経時劣化を確実に防止することができる。
【0088】
(7)上記第2の手法を採用した場合であっても、後にセラミック接着材7となりうる液状物質を近接重合部位に確実に付着させることができる。しかも、ここでは非水系の液状物質を用いている。このため、水溶性を示すアルミナ−シリカ系繊維6の前駆体繊維に付着したとしても、前駆体繊維を溶解するようなことがない。よって、前駆体繊維の溶解しすぎに起因してアルミナ−シリカ系繊維6自体の強度低下につながるという心配がなく、過溶解防止のために綿密な条件を設定する必要も特にない。ゆえに、比較的簡単に保持シール材4を製造することができる。しかも、前記液状物質はアルミナ−シリカ系繊維6に含まれる無機元素を含んでいるため、前駆体繊維との親和性が高く、繊維同士を高い強度で確実に接着することができる。ゆえに、面圧の経時劣化を確実に防止することができる。
【0089】
(8)本実施形態の製造方法では、紡糸工程と成形工程との間において切断工程を実施し、前駆体繊維の長繊維を所定長さとなるように機械的に切断して短繊維を得ている。言い換えると、本実施形態の製造方法は、焼成工程前に切断工程を実施する点において、焼成工程後に切断工程を実施する第1実施形態の製造方法と相違する。
【0090】
第1実施形態の製造方法のように、前駆体繊維を焼結させた後に切断工程を実施した場合には、切断時の衝撃によってアルミナ−シリカ系繊維6の切断部位にヒビが入ったり、ササクレが生じやすくなる。その理由は、一般に前駆体繊維を焼結させてセラミック化すると、硬質になる反面、脆くなるからである。よって、アルミナ−シリカ系繊維6の端部形状が不安定になるばかりでなく、繊維自体の機械的強度の低下につながってしまう。
【0091】
それに対して、前駆体繊維は未焼結であって比較的軟質であるため、切断時に機械的な衝撃を受けたとしても切断部位にヒビ等が入りにくい。従って、これを焼成して得たアルミナ−シリカ系繊維6は、端部形状が安定していて機械的強度に優れたものとなる。ゆえに、本実施形態によれば初期面圧の向上を図ることができる。ヒビ等の発生防止は、面圧の経時劣化防止にもある程度貢献しているものと考えられる。
【0092】
ちなみに、本実施形態の製造方法を経て得られたアルミナ−シリカ系繊維6、及び、第1実施形態における実施例の製造方法を経て得られたアルミナ−シリカ系繊維6の繊維径及び機械的強度を比較する試験を行った。具体的な試験方法は以下のとおりである。
【0093】
前者については、所定長さに切断された短繊維の中から任意に10本採取し、これを焼成してアルミナ−シリカ系繊維6とした。そして、かかる10本のアルミナ−シリカ系繊維6の繊維径の平均値及び標準偏差を求めた。その結果、平均値は7.1μm、標準偏差は0.74μmであった。さらに、10本のアルミナ−シリカ系繊維6について従来公知の引っ張り強度試験を行い、絶対強度の平均値及び標準偏差を求めた。その結果、平均値は6.19gf、標準偏差は1.88gfであった。また、上記引っ張り強度試験のデータから相対強度の平均値及び標準偏差を求めた。その結果、平均値は1.40GPa、標準偏差は0.45GPaであった。
【0094】
後者については、焼成されたアルミナ−シリカ系繊維6の長繊維を所定長さに切断して得た短繊維の中から任意に10本採取した。そして、かかる10本のアルミナ−シリカ系繊維6の繊維径の平均値及び標準偏差を求めた。その結果、平均値は7.2μm、標準偏差は0.52μmであった。さらに、10本のアルミナ−シリカ系繊維6について従来公知の引っ張り強度試験を行い、絶対強度の平均値及び標準偏差を求めた。その結果、平均値は4.86gf、標準偏差は2.16gfであった。また、上記引っ張り強度試験のデータから相対強度の平均値及び標準偏差を求めた。その結果、平均値は1.22GPa、標準偏差は0.61GPaであった。
【0095】
以上の結果を総合すると、本実施形態のアルミナ−シリカ系繊維6は、第1実施形態の実施例に比べて機械的強度に優れるばかりでなく、そのバラツキも小さいことがわかる。ゆえに、このようにして得られたアルミナ−シリカ系繊維6を用いれば、品質的に揃った保持シール材4を得ることができる。
【0096】
(10)しかも、本実施形態の製造方法によると、被切断物がそれほど硬質ではない前駆体繊維であることから、機械的切断装置であるギロチンカッターのブレードの傷みや磨耗が少なくなる。よって、劣化したブレードの交換を頻繁に実施しなくてもよくなり、ランニングコストの増大を防止することができる。また、ブレードをそれほど硬質なものにしなくてもよくなるため、汎用のブレードを用いることが可能となり、設備コストの増大を防止することができる。
【0097】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 上記実施形態にて例示したアルミナ−シリカ系繊維6の代わりに、例えば結晶質アルミナ繊維、シリカ繊維等のような他のセラミック繊維を用いて、保持シール材4を作製してもよい。
【0098】
・ セラミック接着材7として、セラミック繊維を構成していない物質からなるものを用いてもよい。例えば、アルミナ−シリカ系繊維6を選択した場合において、ジルコニア、チタニア、イットリア、セリア、カルシア、マグネシア等からなるセラミック接着材7を用いてもよい。
【0099】
・ 第1の実施形態の上記実施例にて用いた塩基性塩化アルミニウム水溶液に代え、例えば当該実施例において使用したアルミナ−シリカ系繊維紡糸原液そのものを流用して接着工程を行うことも可能である。この場合であっても、繊維構成物質からなるセラミック接着材7とすることができる。
【0100】
・ 触媒担持体2としては、実施形態のようなハニカム状に成形したコージェライト担体が用いられるほか、例えば炭化珪素、窒化珪素等のハニカム多孔質焼結体などが用いられてもよい。
【0101】
・ 第2の実施形態において第2の手法を採用した場合、非水系液状物質の供給に際して噴霧に代わる方法、例えばディッピング等を採用してもよい。勿論、非水系液状物質を気化して供給することも許容される。
【0102】
・ 実施形態では、本発明の保持シール材4を排気ガス浄化装置用触媒コンバータ1に使用した例を示した。勿論、本発明の保持シール材4は、排気ガス浄化装置用触媒コンバータ1以外のもの、例えばディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)や、燃料電池改質器用触媒コンバータ等に使用することも許容される。
【0103】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 請求項9において、前記アルミニウムイオンを含む水溶液は、塩基性塩化アルミニウム水溶液または前記アルミナ−シリカ系繊維紡糸原液であること。
【0104】
(2) 請求項7または8において、前記水溶性金属溶液は、塩化アルミニウム、塩化ジルコニウム、塩化チタン及び塩化クロムのうちから選択される少なくとも1種を含む水溶液であること。
【0105】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜4に記載の発明によれば、面圧の経時劣化が起こりにくい触媒コンバータ用保持シール材を提供することができる。
【0106】
請求項5〜13に記載の発明によれば、上記の優れた保持シール材を製造するのに好適な製造方法を提供することができる。
請求項14,15に記載の発明によれば、上記の優れた保持シール材等に好適なセラミック繊維集合体を提供することができる。
【0107】
請求項16に記載の発明によれば、上記の優れた保持シール材等に好適なセラミック繊維を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1の実施形態の触媒コンバータ用保持シール材の斜視図。
【図2】前記実施形態の触媒コンバータの製造工程を説明するための斜視図。
【図3】前記実施形態の触媒コンバータの部分断面図。
【図4】前記実施形態のセラミック繊維の要部拡大断面図。
【図5】実施例及び比較例についての比較試験の結果を示すグラフ。
【図6】保持シール材を構成するセラミック繊維のSEM写真。
【符号の説明】
1…触媒コンバータ、2…触媒担持体、3…金属製シェル、4…触媒コンバータ用保持シール材、6…セラミック繊維としてのアルミナ−シリカ系繊維、7…セラミック接着材。

Claims (5)

  1. マット状に集合したセラミック繊維を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャップに配置され、前記セラミック繊維同士がセラミック接着材で部分的に接着されている触媒コンバータ用保持シール材の製造方法であって、
    セラミック繊維紡糸原液を材料として前駆体繊維を得る紡糸工程と、前記前駆体繊維を三次元的に集合させてマット状の集合体にする成形工程と、前記集合体を構成する前駆体繊維同士が近接して重なり合う部位に、後にセラミック接着材となりうる液状物質を付着させる液状物質供給工程と、前記集合体を加熱して前記前駆体繊維及び前記液状物質を焼結させる焼成工程とを含み、
    前記液状物質供給工程では、アルミナ−シリカ系繊維の繊維前駆体からなる集合体を、水分の多い高湿環境下に置くことを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材の製造方法
  2. 前記セラミック接着材は前記セラミック繊維を構成している物質からなることを特徴とする請求項1に記載の触媒コンバータ用保持シール材の製造方法
  3. 前記セラミック繊維はアルミナ−シリカ系繊維であり、前記セラミック接着材はアルミナを主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の触媒コンバータ用保持シール材の製造方法
  4. 前記セラミック接着材は1重量%〜8重量%含まれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の触媒コンバータ用保持シール材の製造方法。
  5. 前記紡糸工程と前記成形工程との間において、前記前駆体繊維の長繊維を所定長さにチョップして短繊維を得る切断工程を実施することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の触媒コンバータ用保持シール材の製造方法。
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