JP2002354595A - サラウンド再生回路 - Google Patents
サラウンド再生回路Info
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Abstract
な広がりのあるサラウンド効果を実現する。 【解決手段】 入力するL信号とR信号の差信号を生成
する加算器5と、その加算器5の出力側に接続されるロ
ーパスフィルタ6と、そのローパスフィルタ6の出力信
号をL信号およびR信号に各々ミキシングする加算器
8、9とを具備する。ローパスフィルタ6にはカットオ
フ周波数が900Hzで、−6dB/octの減衰特性を持た
せる。
Description
とR信号(右信号)の2チャンネルのステレオ信号を入
力して、2つのスピーカでサラウンド効果を生成するた
めのサラウンド再生回路に関するものである。
の大半が300Hz〜3.5KHz付近に集中している。会
話での明瞭度に重要とされているのは1KHzであり、そ
の波長は約30cmである。よって、仮に音声が頭の左横
方向から到達すると、左耳に比べて右耳は約15cm離れ
ているので、右耳には左耳と逆位相で到達することにな
る。つまり、左側と右側から同じ音響が到達する場合、
聴取者は音像が正面にあると感じる。
対して位相の変化と音量の差を生じているため、人間は
そのL−R信号の音像を左180度の範囲の中で左横に
定位することになり、左真横からくるように感じる。同
様に、R−L信号については、人間はR−L信号の音像
を右180度の範囲の中で右横に定位することになり、
右真横からくるように感じる。
と耳穴によって音声周波数帯域(300Hz〜5KHz)が
強調されるが、音が真横から来る場合はフラットに近い
周波数特性となる。
左横からきた音響に見せかけるためには、L−R信号の
音声周波数帯域(300Hz〜5KHz)のレベルを所定量
だけ下げる必要がある。同様に、前方から来たR−Lの
音響を右横からきた音響に見せかけるためには、R−L
信号の音声周波数帯域(300Hz〜5KHz)のレベルを
所定量だけ下げる必要がある。
配置する従来のサラウンド再生回路は、図8に示すよう
に、入力端子21、22から入力するステレオのL信号
とR信号から、加算回路23によりL−R信号であるL
側サラウンド信号を作成し、この差信号を図9の周波数
特性を有するバンド除去フィルタ24に入力させて音声
周波数帯域(300Hz〜5KHz)のレベルを下げてい
た。
L側サラウンド信号をさらに演算増幅器25と抵抗R
7,R8からなる利得可変増幅器で利得を調整してか
ら、L信号ラインには加算器26でそのまま加算し、R
信号ラインには加算器27で位相反転してR側サラウン
ド信号に変換してから加算して、出力端子28、29に
出力していた。30、31、32、33はバッファであ
る。
が判りやすい音声信号成分を除去し、方向感の判りにく
い周波数帯の残響音や反射音を増強してL信号やR信号
にミキシングし、位相の変化と音量の差を強調して、サ
ラウンド効果を実現していたのである。
示す図であり、ここでは演算増幅器34と、その演算増
幅器34の出力端子と反転入力端子の間に接続した抵抗
R9およびキャパシタC3の並列回路と、その反転入力
端子と接地間に接続した抵抗R10およびキャパシタC
4の直列回路により、高次のバンド除去フィルタを構成
して、このバンド除去フィルタにより、図8のバンド除
去フィルタ24と同様に音声周波数帯域(300Hz〜5
KHz)のレベルを下げている。
複数のフィルタを使用しサラウンド効果を上げる回路で
は、位相の変化が大きくなり音像の定位が不明瞭となっ
て、歪感のあるサラウンドになってしまう問題があっ
た。
回路では、バンド除去フィルタ24を構成するためにキ
ャパシタが少なくとも2個必要になり、図10に示した
サラウンド再生回路でも同様である。これらのキャパシ
タには一般的に大きな容量が要求され、全体をIC化し
た場合にIC内部に構成することが困難であるところか
ら、外付けとする必要があり、ICのピン数が多くなっ
てしまうという問題があった。
ウンド再生回路では、スピーカ間隔が20cm以下と狭い
場合には、加算器26、27で互い逆位相で加算された
サラウンド信号が空間で相殺されてしまい、充分なサラ
ウンド効果が得られないという問題もあった。
ず、音像の定位が明確になり、またフィルタも簡単なも
ので済み、さらにスピーカ間隔が狭い場合でも良好なサ
ラウンド効果が得られるようにしたサラウンド再生回路
を提供することである。
入力するL信号とR信号の差信号を生成する第1の加算
器と、該第1の加算器の出力側に接続されるローパスフ
ィルタと、該ローパスフィルタの出力信号をサラウンド
信号として互いに逆相関係で前記L信号および前記R信
号に各々ミキシングする第2、第3の加算器と具備する
ことを特徴とするサラウンド再生回路とした。
明において、前記第2又は第3の加算器の出力側に、ゲ
インが前記入力信号の全周波数帯域においてほぼ一定
で、且つ前記入力信号の周波数の増大に応じて0度〜1
80度に変化する位相シフトを行う移相回路を接続した
ことを特徴とするサラウンド再生回路とした。
明において、前記第2又は第3の加算器の出力側に、増
幅器又は減衰器を接続し、前記L信号のチャンネルと前
記R信号のチャンネルの間のゲイン差を3dB以上に設定
したことを特徴とするサラウンド再生回路とした。
3に係る発明において、前記ローパスフィルタは、カッ
トオフ周波数が700Hz乃至2KHzで、且つ−6dB/oc
tの減衰特性を有することを特徴とするサラウンド再生
回路とした。
又は4に係る発明において、前記ローパスフィルタの出
力側に利得可変増幅器を挿入し、該利得可変増幅器の出
力信号を前記第2、第3の加算器に互いに逆相関係で入
力させるようにしたことを特徴とするサラウンド再生回
路とした。
係る発明において、前記移相回路を、ゲインが前記入力
信号の全周波数帯域においてほぼ一定で、且つ300Hz
〜3.5KHzの周波数帯において90度〜175度に変
化する位相シフトを行う移相回路に置換したことを特徴
とするサラウンド再生回路とした。
係る発明において、前記移相回路を、ゲインが前記入力
信号の全周波数帯域においてほぼ一定で、且つ1KHzの
周波数において120度〜170度の位相シフトを行う
移相回路に置換したことを特徴とするサラウンド再生回
路とした。
いてサラウンド効果の実験を繰り返した結果、L−Rや
R−Lの信号成分には、ボーカル成分はほとんど含まれ
ず、反響音しか聞こえないことを確認した。すなわち、
L−RやR−Lの信号成分には300Hz以下の周波数成
分は少なく、僅かのボーカルの高い周波数の「サシスセ
ソ」の成分と約5KHz以下の反響音が主であった。
は音声周波数成分はあまり含まれておらず、主に高い周
波数成分しか含まれていないので、L−RやR−Lの信
号成分の音声周波数成分(300Hz〜3KHz)のレベル
を大きく下げることは不要であることが確認できた。
波数成分には、耳障りな信号成分が含まれるので、僅か
に含まれるボーカル帯域の1KHz付近の信号に影響を与
えないようにフィルタで除去する必要があるが、カット
オフ周波数が900Hzで−12dB/oct以上の急峻な減
衰特性をもつローパスフィルタでは約3KHz以下の反響
音も減衰されて少なくなり、充分なサラウンド効果を得
ることができなかった。
減衰量に抑えるために、カットオフ周波数が700Hz〜
2KHzの範囲内で−6dB/octの緩やかな減衰特性を有
するローパスフィルタを使用してみた。ちなみに、周波
数3KHzの減衰量は、カットオフ周波数が2KHzのロー
パスフィルタで約−6dB、900Hzで−10dB、700
Hzで−12dBであった。
ウンド効果を得ることができたが、特にカットオフ周波
数が900Hzで−6dB/octの緩やかな減衰特性を有す
るローパスフィルタを使用することで、20Hz〜20K
Hzの周波数帯域内での位相の変化が少なくなって定位が
明確になり、また耳障りな高域成分も少なくなるので、
自然の広がり感のあるサラウンド効果を実現できた。
dB/octの緩やかな減衰特性を有するローパスフィルタ
は、抵抗とキャパシタが各1個で構成できるので、従来
の2次以上の複数のフィルタを使用する場合に比べてキ
ャパシタ個数が少なくなる。
して構成した本発明の第1の実施形態のサラウンド再生
回路を示す図である。1はL信号入力端子、2はR信号
入力端子、3、4はバッファ、5はL−R信号を生成す
る加算器、6はカットオフ周波数が900Hzで−6dB/
octの緩やかな減衰特性を有するローパスフィルタ、7
は抵抗R1,R2と共に可変利得増幅器を構成する演算
増幅器、8、9は加算器、10、11はバッファ、12
はL信号出力端子、13はR信号出力端子である。
行い、センターに音像を定位させる信号成分を除去して
L側のサラウンド信号成分を抽出するが、そこで得られ
るL−R信号成分には、300Hz以下の低い周波数成分
は少なく、僅かのボーカルの高い周波数の「サシスセ
ソ」の成分と反響音が主である。
力し、900Hzを超える高域成分が除去される。L−R
信号成分の内の3KHz以上の周波数成分には耳障りな信
号成分が含まれるが、ローパスフィルタ6でこれが除去
される。なお、ローパスフィルタ6は、図2に示すよう
に、カットオフ周波数が900Hzで−6dB/octの緩や
かな減衰特性を有するので、ボーカル帯域である1KHz
付近の信号は、大きな影響を受けない。
利得増幅器は、ローパスフィルタ6から出力するL−R
信号成分の利得を調整する。このとき、抵抗R1,R2
のいずれか一方又は両方の値を可変することにより、L
−R信号成分を元のL信号にL側サラウンド信号として
加算し、L−R信号成分を反転して元のR信号にR側サ
ラウンド信号として加算するときの加算量を調整でき
る。
に、1個の抵抗R3と1個のキャパシタC1で構成でき
る。このように、1個のキャパシタで構成できるが、そ
の容量値が大きくなるので、全体をIC化するときはI
Cに外付けとする。この場合、ICのピンは1個増加す
るのみとなる。出力インピーダンスの大きなgm増幅器
を使用して低容量のキャパシタを使用しローパスフィル
タを構成することもできるが、IC内部にキャパシタを
作り込んでローパスフィルタを構成することはS/Nの劣
化を招くおそれがあるので、上記のような外付けが好ま
しい。
タ6の特性として、カットオフ周波数が900Hzで−6
dB/octの緩やかな減衰特性を有するようにしたが、カ
ットオフ周波数は700Hz〜2KHzの範囲内であれば、
所望のサラウンド効果を得ることができる。
たが、R−L信号を取り出してもよい。この場合は、元
のL信号にはそのR−L信号の位相を反転して加算器8
で加算し、元のR信号にはそのままの位相で加算器9で
加算すればよい。
の全周波数範囲において両チャンネル間のゲイン差がほ
ぼほぼ一定で、且つその周波数の増大に応じて両チャン
ネル間で0度〜180度に位相がシフトするようにすれ
ば音像を正面に定位させることができること、特に30
0Hz〜3.5KHzの周波数帯内において位相差が90度
〜175度(300Hzで90度、3.5KHzでは175
度)であれば音像を正面に定位させることができるこ
と、さらに、周波数1KHzで両チャンネル間の位相差が
120度〜170度になる位相シフト量に収めると音像
の定位が良くなり広がり感のあるステレオ効果を得るこ
とを確認した。また、周波数が1KHz付近で位相差が1
20度より少なくなると広がり感が無くなり、170度
を超えると音像が一方に定位することも確認した。
本発明の第2の実施形態のサラウンド回路を示すブロッ
ク図である。図1に示したサラウンド回路と同じものに
は同じ符号を付けた。本実施形態では、加算器8とバッ
ファ10との間に、位相シフト用の移相回路14を挿入
している。
周波数特性図であり、上記した確認結果に基づいてその
特性を決めたもので、ゲインは全周波数範囲に亘ってほ
ぼ一定で、位相は周波数増大に応じて0度〜180度に
変化するシフトを行うが、特に周波数300Hzでは90
度シフトしている。そして、300Hz〜3.5KHzの周
波数帯において90度〜175度に変化する位相シフト
を行い、とりわけ1KHzの周波数においては120度〜
170度(例えば147度)の位相シフトを行う。図6
はこの移相回路14の内部構成を示す回路図であり、抵
抗R4〜R6、コンデンサC2、および演算増幅器15
からなる。
移相回路14を、Lチャンネルに挿入することにより、
サラウンド効果をさらに拡大し、20cm程度の狭い間隔
で配置されたスピーカであっても、充分なサラウンド効
果が発揮できるようになる。なお、この移相回路14は
Rチャンネル側に挿入することもできる。
実施形態のサラウンド再生回路を示すブロック図であ
る。ここでは、図4に示した第2の実施形態のサラウン
ド再生回路の移相回路14とバッファ10との間に増幅
器16を挿入して、この増幅器16に3dB以上のゲイン
を持たせるように構成した。この結果、両チャンネル間
で全周波数帯域に亘って3dB以上のゲイン差が生じるの
で、スピーカ間隔が20cm以下とさらに狭い場合であっ
ても、所望のサラウンド効果を発揮できるようになる。
路14との間や、Rチャンネル側の加算器9とバッファ
11との間に挿入することもでき、また増幅器16の代
わりに3dB以上の減衰率をもつ減衰器を挿入することも
でき、いずれの場合も、同様な効果が得られる。
ルタによりL信号とR信号の差信号成分の中域から高域
の周波数成分を減衰させるので、従来のバンド除去フィ
ルタを使用する場合に比較して、20Hz〜20KHzの周
波数帯域内での位相の変化が少なくなって、定位が明確
となり、また耳障りな高域も少なくなり、自然な広がり
のあるサラウンド効果を実現できる。また、必要なキャ
パシタの数も少なくできる。
一定で、位相が周波数増大に応じて0度〜180度に変
化する特性の移相回路を一方のチャンネルに挿入するこ
とにより、スピーカの間隔が20cm程度と狭い場合であ
っても、お互い逆位相で加算されたサラウンド信号が空
間で相殺されないようにすることができる。
以上となるように一方のチャンネルに増幅器や減衰器を
挿入することにより、スピーカ間隔が20cm以下となる
場合であっても、良好なサラウンド効果を発揮させるこ
とができる。
路の回路図である。
る。
路の回路図である。
図である。
路の回路図である。
ある。
ある。
ッファ、5:加算器、6:ローパスフィルタ、7:演算
増幅器、8、9:加算器、10、11:バッファ、1
2:L信号出力端子、13:R信号出力端子、14:移
相回路、15:演算増幅器、16:増幅器。
Claims (7)
- 【請求項1】入力するL信号とR信号の差信号を生成す
る第1の加算器と、該第1の加算器の出力側に接続され
るローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力信号
をサラウンド信号として互いに逆相関係で前記L信号お
よび前記R信号に各々ミキシングする第2、第3の加算
器と具備することを特徴とするサラウンド再生回路。 - 【請求項2】請求項1において、 前記第2又は第3の加算器の出力側に、ゲインが前記入
力信号の全周波数帯域においてほぼ一定で、且つ前記入
力信号の周波数の増大に応じて0度〜180度に変化す
る位相シフトを行う移相回路を接続したことを特徴とす
るサラウンド再生回路。 - 【請求項3】請求項2において、 前記第2又は第3の加算器の出力側に、増幅器又は減衰
器を接続し、前記L信号のチャンネルと前記R信号のチ
ャンネルの間のゲイン差を3dB以上に設定したことを特
徴とするサラウンド再生回路。 - 【請求項4】請求項1、2又は3において、 前記ローパスフィルタは、カットオフ周波数が700Hz
乃至2KHzで、且つ−6dB/octの減衰特性を有するこ
とを特徴とするサラウンド再生回路。 - 【請求項5】請求項1、2、3又は4において、 前記ローパスフィルタの出力側に利得可変増幅器を挿入
し、該利得可変増幅器の出力信号を前記第2、第3の加
算器に互いに逆相関係で入力させるようにしたことを特
徴とするサラウンド再生回路。 - 【請求項6】請求項2又は3において、 前記移相回路を、ゲインが前記入力信号の全周波数帯域
においてほぼ一定で、且つ300Hz〜3.5KHzの周波
数帯において90度〜175度に変化する位相シフトを
行う移相回路に置換したことを特徴とするサラウンド再
生回路。 - 【請求項7】請求項2又は3において、 前記移相回路を、ゲインが前記入力信号の全周波数帯域
においてほぼ一定で、且つ1KHzの周波数において12
0度〜170度の位相シフトを行う移相回路に置換した
ことを特徴とするサラウンド再生回路。
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