JP2002350915A - 波長変換素子、波長変換用光導波路デバイス、高調波発生装置および波長変換素子の製造方法 - Google Patents

波長変換素子、波長変換用光導波路デバイス、高調波発生装置および波長変換素子の製造方法

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JP2002350915A
JP2002350915A JP2001161750A JP2001161750A JP2002350915A JP 2002350915 A JP2002350915 A JP 2002350915A JP 2001161750 A JP2001161750 A JP 2001161750A JP 2001161750 A JP2001161750 A JP 2001161750A JP 2002350915 A JP2002350915 A JP 2002350915A
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optical waveguide
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wavelength
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Shoichiro Yamaguchi
省一郎 山口
Takatomo Nehagi
隆智 根萩
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NGK Insulators Ltd
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  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】特定周期の周期分極反転構造を用いて、複数の
励起光波長に対応可能な疑似位相整合方式の波長変換素
子を提供する。 【解決手段】波長変換素子14Aは、光導波路3と、光
導波路3内に形成されている周期分極反転構造2a、2
b、12Aとを備えている。光導波路中の光の伝搬方向
B、Cと、周期分極反転構造において分極反転部が配列
されている配列方向Aとが交差している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、疑似位相整合方式
の高調波発生デバイスに使用できる波長変換素子、およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ピックアップ等に用いられる青色レー
ザー用光源として、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチ
ウム単結晶に周期的な分極反転構造を形成した光導波路
を使用した疑似位相整合(Quasi-Phase-Matched :QP
M)方式の第二高調波発生(Second-Harmonic-Generati
on:SHG)デバイスが期待されている。こうしたデバイス
は、光ディスクメモリー用、医学用、光化学用、各種光
計測用等の幅広い応用が可能である。
【0003】例えば、「Electronics Le
tters、24thApril,1997年.Vo
l.33,No.9」の806−807頁の記載によれ
ば、MgOをドープしたニオブ酸リチウム基板に周期分
極反転構造を形成し、この構造に対して直交する方向へ
と向かってプロトン交換光導波路を形成することによっ
て、光導波路型の第二高調波発生装置を実現している。
また、総説として、「LiNbO3 疑似位相整合SH
Gデバイス」(栖原 敏明、西原浩、「レーザー研究」
第21巻第11号21〜28頁)が挙げられる。
【0004】第二高調波の波長は、分極反転部分の周期
Λに依存しており、以下の関係が成り立つ。 λ=1×Λ/(N(2ω)−N (1ω)・・(1)
【0005】ここで、λは励起光の波長であり、Λは分
極反転部分の周期であり、N (1ω)は励起光の実効屈
折率であり、N(2ω)は第二高調波(SHG)の実効
屈折率である。SHG光の波長はλ/2である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上式(1)から分かる
ように、分極反転の周期Λを決定すると、発光されるS
HGの波長値λ/2が決定されるという関係にある。そ
して、Λが一定値であるとき、SHGを高効率で発生さ
せ得るような励起光の波長λの裕度はきわめて小さい。
【0007】励起光波長λが任意に可変であるものとす
れば、(1)式を満足するように励起光λを変更するこ
とによって、SHGを発現させることができる。しか
し、励起光の可変波長範囲が制限されていたり、変更不
能の場合が多い。こうした場合には、所定の励起光波長
λに合わせて、(1)式を満足するように、分極反転周
期Λを決定して、QPM-SHG デバイスを構成しなければ、
SHGを発現させることができない。
【0008】ここで、現実のレーザー発光装置において
は、励起光の波長λは厳密に一定ではなく、温度などの
周囲環境変化で1nm程度の変動が見られる。また、レ
ーザの作製誤差により、±5nm程度の発振波長のバラ
ツキが生じる場合がある。これに対して、SHGを高効
率で発生させ得る励起光の波長λの裕度は、例えば0.
1nm程度である。従って、この場合には、励起光波長
λが若干変動するときに、複数の周期のQPM-SHG デバイ
スを用意し、調節しなければならない。複数の周期の分
極反転部分を用意するためには、各周期に対応した各フ
ォトリソグラフィー用マスクを用意しなければならない
ことになる。
【0009】「LiNbO3 疑似位相整合SHGデバ
イス」(栖原 敏明、西原 浩、「レーザー研究」 第
21巻第11号21〜28頁)の27頁右欄によれば、扇型
の分極反転格子を形成し、この分極反転格子に対して垂
直に光導波路を形成している。これによって、周期が互
いにわずかずつ異なる多数の光導波路を形成し、多数の
光導波路の中から少なくとも数本が、励起光の波長λに
対して式(1)を満足するようにする。そして、扇形の
周期分極反転構造を形成した後に、多数の光導波路の中
から、励起光の波長に合う複数本の光導波路を選択す
る。しかし、これでは、わずかの本数のSHG発光用の
光導波路を形成するために、多数の光導波路を形成する
必要がある。このため、基板全体が大型化する。
【0010】特開平5−273623号公報には、励起
光波長の許容度を向上させるデバイスの発明が提案され
ている。これはデバイスの中に、それぞれ相異なる複数
の周期を有する複数の分極反転構造を形成し、各分極反
転構造を離間したものである。光導波路は複数の分極反
転構造を順番に通過する。この際、各分極反転構造の各
周期が異なることから、励起光波長に対するSHG発光
範囲が広くなる。しかし、光導波路を光が通過すると、
光損失が発生し、光が減衰する。従って、特開平5−2
73623号公報の構成では、1段目の周期分極反転構
造から射出した光が、2段目の周期分極反転構造に入射
するときに、1段目に入射したときよりも励起光の出力
が減衰している。このため、SHGの強度分布の波長依
存性が大きくなる場合が生じる。
【0011】本発明の課題は、特定周期の周期分極反転
構造を用いて、複数の励起光波長に対応可能な疑似位相
整合方式の波長変換素子を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、光導波路と、
この光導波路内に形成されている周期分極反転構造とを
備えている波長変換素子であって、光導波路中の光の伝
搬方向と、周期分極反転構造において分極反転部が配列
されている配列方向とが交差していることを特徴とす
る。
【0013】また、本発明は、前記波長変換素子と、強
誘電性材料からなる基板とを備えており、基板に光導波
路と周期分極反転構造とが形成されていることを特徴と
する、波長変換用光導波路デバイスに係るものである。
【0014】また、本発明は、光導波路と、この光導波
路内に形成されている周期分極反転構造とを備えている
波長変換素子を製造する方法であって、強誘電性材料か
らなり、周期分極反転構造が形成されている基板に光導
波路を形成するのに際して、光導波路内での光の伝搬方
向と周期分極反転構造において分極反転部が配列されて
いる配列方向とが交差するように光導波路を形成するこ
とを特徴とする。
【0015】本発明者は、光導波路中の光の伝搬方向
と、周期分極反転構造において分極反転部が配列されて
いる配列方向とが交差するように、光導波路を形成する
ことを想到した。これによって、光導波路内において、
分極反転部の配列方向が光の進行方向と交差しているこ
とから、分極反転部の間隔(周期)をΛとしたとき、光
が実際に感ずる周期はΛよりも大きくなる。即ち、光の
伝搬方向と分極反転部の配列方向との交差角度をαとす
ると、光導波路内を伝搬する光に対する分極反転部の周
期はΛ/cosαとなる。従って、前記式(1)は、以
下のように書き直すことができる。
【0016】 λ=1×Λ/cosα・(N(2ω)−N(1ω))・・(2)
【0017】ここで、λは励起光の波長であり、Λは分
極反転部分の周期であり、N(1ω)は励起光の実効屈
折率であり、N(2ω)は第二高調波(SHG)の実効
屈折率である。SHG光の波長はλ/2である。
【0018】従って、前記交差方向を変更することによ
って(αを変更することによって)、光導波路に入力さ
れてくる励起光の波長λの変動に対応し、高出力の高調
波を発生させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
を更に詳細に説明する。図1は、本発明の1実施形態に
係るQPM-SHG デバイスの一形態を示す。図2は、図1の
デバイスの横断面図である。図2に示すように、固定用
基板6の表面6a上に接着剤層5を介して波長変換用基
板7の背面7bが接着されている。基板7は強誘電性材
料からなる。基板7の表面7a側には、図1に示すよう
に、周期分極反転構造2と光導波路3とが形成されてい
る。周期分極反転構造2は、一定周期λをもって周期的
に多数形成された分極反転部16からなる。多数の分極
反転部16と非反転部15とが交互に形成されている。
17は両者の境界面である。多数の分極反転部16は、
互いに平行に形成されており、矢印Aの方向に向かって
伸びるように配列されている。
【0020】基板7の表面7a側には一対の溝4A、4
Bを形成し、溝4Aと4Bとの間にリッジ型の光導波路
3を形成する。光導波路3は、略真っ直ぐに伸びる直線
状部分3a、3bを備えている。直線状部分3a中にお
いては、周期分極反転構造2aが、光導波路の長手方向
とは交差するように配列されている。直線状部分3aの
長手方向Bが光の伝搬方向である。ここで、直線状部分
3aにおける光の伝搬方向をBとし、周期分極反転構造
2における分極反転部の配列方向をAとする。分極反転
部16の配列方向とは、分極反転部16が配列されてい
る方向のことであり、周期分極反転構造が延びている方
向のことである。あるいは、配列方向Aは、境界面17
に対して略垂直な方向である。分極反転部の配列方向A
と、直線状部分3aにおける光の伝搬方向Bとの交差角
度をα1とする。この場合には、周期分極反転構造2に
おける周期をΛとすると、直線状部分3a内における周
期分極反転構造2aの周期はΛ/cosα1である。
【0021】これと同様に、分極反転部の配列方向A
と、直線状部分3bにおける光の伝搬方向Cとの交差角
度をα2とする。この場合には、周期分極反転構造2に
おける周期をΛとすると、直線状部分3b内における周
期分極反転構造2bの周期はΛ/cosα2である。
【0022】直線状部分3aと3bとは、曲がり部分1
1Aによって連結されている。曲がり部分11Aは、直
線状部分3aと3bとの間で線型的に(リニアに)屈
曲、湾曲している。曲がり部分11A内の周期分極反転
構造12Aの周期は、当然、Λ/cosα1からΛまで
滑らかに減少し、かつΛからΛ/cosα2まで滑らか
に増大する。
【0023】この波長変換素子14A(または波長変換
用光導波路デバイス1A)は、第一の変換部10A、第
二の変換部10Bおよび曲がり部分を備えている。変換
部10A、10Bにおける各位相整合条件は前述した。
【0024】このような素子によれば、励起光の波長λ
が若干変化ないし変動したときに、その変動に応じて交
差角度α1、α2を変動させ、調節することによって、
特定周期の周期分極反転構造2を用いて位相整合条件を
満足することができる。
【0025】本発明の好適な実施形態においては、光導
波路の全長にわたって、分極反転部の配列方向を略一定
とする。つまり、これによって、一種類の周期分極反転
構造から、前記交差角度αを変更することによって複数
種類の励起光波長λに対して位相整合条件を高効率で満
足させることができる。
【0026】好適な実施形態においては、光導波路が、
光の伝搬方向が変化する曲がり部分を備えている。
【0027】好適な実施形態においては、曲がり部分の
曲率半径が1mm以上である。即ち、曲がり部分の曲率
半径が小さいと(つまり湾曲がきついと)、曲がり部分
から光の一部が放射され、光損失となる。こうした光の
放射を抑制するためには、曲がり部分の曲率半径を大き
くし、曲がり部分の湾曲を緩やかにすることが効果的で
ある。
【0028】また、素子の大型化を抑制するという観点
からは、曲がり部分の曲率半径は50mm以下とするこ
とが好ましい。
【0029】好適な実施形態においては、光導波路が複
数の直線状部分を備えており、隣接する直線状部分が曲
がり部分によって連結されている。図1はこの実施形態
に該当する。
【0030】こうした実施形態において、各直線状部分
における交差角度αが略同一である場合には、光導波路
の全長を通してほぼ一つの励起光波長に対して位相整合
条件を満足する。しかし、複数の互いにある程度離れた
励起光波長に対しては位相整合条件を満足させることは
できない。
【0031】一方、各直線状部分における交差角度αを
ずらすことができる。この場合には、各直線状部分にお
いて位相整合条件を満足する励起光波長λは若干異なっ
てくるので、裕度は向上する。
【0032】図1の実施形態においては、2つの直線状
部分を設けた。しかし、直線状部分の個数は特に限定さ
れない。例えば、図3の実施形態においては、合計で4
つの直線状部分を設けた。即ち、図3の波長変換素子素
子14B(波長変換用光導波路デバイス1B)は、4つ
の波長変換部10A、10B、10C、10Dを備えて
いる。各波長変換部内にはそれぞれ直線状部分3a、3
b、3c、3dが設けられている。隣接する各直線状部
分の間には、それぞれ曲がり部分11A、11B、11
Cが設けられている。各曲がり部分は、それぞれ線型的
に(リニアに)湾曲している。各直線状部分3a、3
b、3c、3d内には、それぞれ周期分極反転構造2
a、2b、2c、2dが形成されている。また、各曲が
り部分11A、11B、11C内には、それぞれ周期分
極反転構造12A、12B、12Cが形成されている。
各直線状部分3a、3b、3c、3dにおいて、光の伝
搬方向と分極反転部の配列方向との交差角度は、α1、
α2、α3、α4とする。
【0033】各直線状部分における交差角度αの上限は
特にないが、変換効率を高く保持するという観点からは
45°以下が好ましい。
【0034】また、好適な実施形態においては、光導波
路における光の伝搬方向と分極反転部の配列方向との交
差角度を線型的に変化させることができる。この場合に
は、前述したように、励起光波長に対する位相整合条件
の裕度を高めることができる。
【0035】この実施形態において、光導波路の平面的
形態は特に限定されない。しかし、光導波路を線型的に
湾曲させることが好ましい。こうした湾曲形態は特に限
定されず、二次関数や三次関数以上の高次関数であって
よく、双曲線であってよい。特に好ましくは、光導波路
の形状がほぼ正弦曲線をなしている。ここで言う正弦曲
線は、余弦曲線と同義である。
【0036】図4は、この実施形態に係る波長変換素子
14C(波長変換用光導波路デバイス1C)を示す平面
図である。基板7の表面側には、周期Λの周期分極反転
構造2が形成されている。分極反転部は一定方向(A方
向)に向かって配列されている。基板7上には、一対の
溝4C、4Dが形成されており、一対の溝4Cと4Dと
の間にリッジ型の光導波路3Bが形成されている。光導
波路3Bは、平面的に見て略正弦形状をなしている。
【0037】従って、図4の下段に概略的に示すよう
に、光導波路3Bの各部分において、それぞれ光の伝搬
方向B、C、Dと、分極反転部の配列方向Aとの交差角
度αは滑らかに変化する。具体的には、交差角度αは、
図4の左側から右側へと向かって(例えば励起光の入力
側から出力側へと向かって)、0から所定の最大値αm
axへと向かって増大し、次いで0に向かって減少し、
次いで0から所定の最大値αmaxへと向かって増大
し、再び0へと向かって減少する。
【0038】最大値αmaxの値も特に限定されない
が、変換効率を高く保持するという観点からは45°以
下が好ましい。
【0039】本発明の波長変換素子は、最低でも光導波
路と、光導波路内の周期分極反転構造のみを含んでいれ
ば成立する。従って、基板7の光導波路以外の部分は必
須要件ではない。
【0040】また、本発明の高調波発生装置は、少なく
とも前記波長変換素子と、この波長変換素子に対して励
起光を入力する入力手段とを備えていれば成立する。こ
うした入力手段としては、例えば半導体レーザーがある
が、限定はされない。
【0041】前述したようなリッジ型の光導波路を形成
するための溝の加工は、レーザーアブレーション法、ド
ライエッチング法、機械加工法によって行うことができ
る。レーザーアブレーション法を実施する場合には、通
常、自動ステージ上に基板7を載せてから加工を行う。
【0042】重要な問題として、励起光の波長λを確認
した後に、λの正確な測定値に対応して交差角度αを設
定し、溝を加工する必要がある。この際、レーザーアブ
レーション法によれば、励起光の波長λを確認した後
に、移動ステージの移動パターンを設定することによっ
て、前記交差角度αを容易に変更できるので、対応が容
易である。この点で、レーザーアブレーション法が特に
優れている。
【0043】これに対して、エッチング法の場合には、
各交差角度に対応して各マスクパターンを逐一製造する
必要がある。しかし、励起光の波長λを確認した後に、
λの正確な測定値に対応して交差角度αを設定し、これ
に対応したマスクパターンを逐一製造することは困難で
ある。
【0044】上記のような実施形態においては、基板7
を接着剤層5によって固定用基板6に対して接着してい
る。この場合には、接着剤層の屈折率は基板7の屈折率
よりも低いことが好ましく、また接着剤層が非晶質であ
ることが好ましい。接着剤層の屈折率と基板7の屈折率
との屈折率差は、5%以上であることが好ましく、10
%以上であることが更に好ましい。接合層の材質は、有
機樹脂やガラス(特に好ましくは低融点ガラス)が好ま
しい。有機樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ系
樹脂、シリコーン樹脂等を例示できる。ガラスとして
は、酸化珪素を主成分とする低融点ガラスが好ましい。
【0045】光導波路の形成方法としては、以下の方法
もある。 (1)非線形光学結晶からなる基板の表面領域を変質さ
せ、その組成を部分的に変化させることによって、基板
の表面領域に屈折率の高い変質層、例えばチタン拡散層
やプロトン交換層を設ける。 (2)非線形光学結晶からなる基板の表面に、基板より
も屈折率が高い単結晶膜を形成し、この単結晶膜を細長
い平面形状に加工する。
【0046】本発明の素子を第二高調波発生装置として
使用した場合には、高調波の波長は330−1600n
mが好ましく、400−430nmが特に好ましい。
【0047】光導波路を構成する非線形光学結晶は特に
限定されないが、周期分極反転構造を形成しやすい強誘
電体単結晶が好ましく、ニオブ酸リチウム(LiNbO
)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、ニオブ酸
リチウム−タンタル酸リチウム固溶体、KLiNb
15の各単結晶が特に好ましい。
【0048】こうした結晶中には、三次元光導波路の耐
光損傷性を更に向上させるために、マグネシウム(M
g)、亜鉛(Zn)、スカンジウム(Sc)及びインジ
ウム(In)からなる群より選ばれる1種以上の金属元
素を含有させることができ、マグネシウムが特に好まし
い。
【0049】本発明においては、周期分極反転構造を光
導波路内に形成するので、分極反転特性(条件)が明確
であるとの観点から、ニオブ酸リチウム単結晶、ニオブ
酸リチウムータンタル酸リチウム固溶体単結晶、又はこ
れらにマグネシウムを添加したものが特に好ましい。
【0050】前記した結晶中には、ドープ成分として、
希土類元素を含有させることができる。この希土類元素
は、レーザー発振用の添加元素として作用する。この希
土類元素としては、特にNd、Er、Tm、Ho、D
y、Prが好ましい。
【0051】前記固定用基板の材質は特に限定されず、
所定の構造強度を有していればよい。ただし、光導波路
と熱膨張係数等の物性値が近い方が好ましく、ニオブ酸
リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(Li
TaO)、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固
溶体、KLiNb15の各単結晶が特に好まし
い。
【0052】周期分極反転構造の形成法は限定されな
い。電気光学結晶基板、例えばニオブ酸リチウム基板に
周期分極反転構造を形成する方法としては、Ti内拡散
法、LiO外拡散法、SiO装荷熱処理法、Ti熱
酸化法、プロトン交換熱処理法、電子ビーム走査照射
法、電圧印加法、コロナ帯電法が好ましい。これらの方
法の中で、深い周期分極反転構造を精度良く形成すると
いう観点から、XカットまたはYカット、あるいはその
オフカット基板を使用する場合には、電圧印加法が特に
好ましい。また、Zカット基板を使用する場合にはコロ
ナ帯電法あるいは電圧印加法で行うことが特に好まし
い。
【0053】周期分極反転構造を形成するための前記の
マスクパターンを形成する材質としては、レジスト、S
iO、Ta等を例示でき、マスクパターンを形成する
方法としては、フォトリソグラフィー法を例示できる。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、特
定周期の周期分極反転構造を用いて、複数の励起光波長
に対応可能な疑似位相整合方式の波長変換素子を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る波長変換素子14A
(波長変換用光導波路デバイス1A)を概略的に示す平
面図である。
【図2】図1の基板1Aの横断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る波長変換素子14
B(波長変換用光導波路デバイス1B)を概略的に示す
平面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る波長変換素子14
C(波長変換用光導波路デバイス1C)を概略的に示す
平面図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C 波長変換用光導波路デバイス
2 基板7上の周期分極反転構造 2a、2
b、2c、2d 直線状部分内の周期分極反転構造
2e 正弦曲線状の湾曲部分内の周期分極反転構造 3、3A、3B 光導波路 4A、4B、4C、
4D 溝 5 接着剤層 6 固定用基板
7 強誘電性材料からなる基板 10A、10B、10C、10D 波長変換部
11A、11B、11C光導波路の曲がり部分
12A、12B、12C 曲がり部分内の周期分極反転
構造 14A、14B、14C 波長変換素子
15 非分極反転部 16 分極反転部
A 周期分極反転構造2内の分極反転部16の配
列方向 B、C、D,E 直線状部分における光
の伝搬方向 α 光導波路内の光の伝搬方向と前
記配列方向Aとの交差角度 α1、α2、α3、α4 光導波路の各直線状部分内の
光の伝搬方向と前記配列方向Aとの交差角度 Λ
周期分極反転構造の周期 Λ/cosα 光導
波路内の周期分極反転構造の周期 Λ/cosα
1、Λ/cosα2、Λ/cosα3、Λ/cosα4
直線状部分内の周期分極反転構造の周期
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H047 KA05 KA12 LA00 NA08 PA24 QA03 RA00 TA12 2K002 AA05 AB12 CA03 DA06 EA04 FA19 FA26 FA27 GA04 HA20

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光導波路と、この光導波路内に形成されて
    いる周期分極反転構造とを備えている波長変換素子であ
    って、 前記光導波路中の光の伝搬方向と、前記周期分極反転構
    造において分極反転部が配列されている配列方向とが交
    差していることを特徴とする、波長変換素子。
  2. 【請求項2】前記光導波路の全長にわたって前記配列方
    向が略一定であることを特徴とする、請求項1記載の波
    長変換素子。
  3. 【請求項3】前記光導波路が曲がり部分を備えているこ
    とを特徴とする、請求項1または2記載の波長変換素
    子。
  4. 【請求項4】前記曲がり部分の曲率半径が1mm以上で
    あることを特徴とする、請求項3記載の波長変換素子。
  5. 【請求項5】前記光導波路が複数の直線状部分を備えて
    おり、隣接する前記直線状部分が前記曲がり部分によっ
    て連結されていることを特徴とする、請求項3または4
    記載の波長変換素子。
  6. 【請求項6】前記光導波路における前記伝搬方向と前記
    配列方向との交差角度が線型的に変化することを特徴と
    する、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の波
    長変換素子。
  7. 【請求項7】前記光導波路が線型的に湾曲していること
    を特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に
    記載の波長変換素子。
  8. 【請求項8】前記光導波路の形状がほぼ正弦曲線をなし
    ていることを特徴とする、請求項7記載の波長変換素
    子。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか一つの請求項に記
    載の波長変換素子と、強誘電性材料からなる基板とを備
    えており、前記基板に前記光導波路と前記周期分極反転
    構造とが形成されていることを特徴とする、波長変換用
    光導波路デバイス。
  10. 【請求項10】前記光導波路の幅方向の両側を輪郭づけ
    るための一対の溝が前記基板に形成されていることを特
    徴とする、請求項9記載の光導波路デバイス。
  11. 【請求項11】前記溝がレーザーアブレーション法によ
    り形成されていることを特徴とする、請求項10記載の
    光導波路デバイス。
  12. 【請求項12】請求項1〜8のいずれか一つの請求項に
    記載の波長変換素子と、この波長変換素子に対して波長
    変換前の光を入力する入力手段とを備えていることを特
    徴とする、高調波発生装置。
  13. 【請求項13】光導波路と、この光導波路内に形成され
    ている周期分極反転構造とを備えている波長変換素子を
    製造する方法であって、強誘電性材料からなり、周期分
    極反転構造が形成されている基板に光導波路を形成する
    のに際して、前記光導波路内での光の伝搬方向と前記周
    期分極反転構造において分極反転部が配列されている配
    列方向とが交差するように前記光導波路を形成すること
    を特徴とする、波長変換素子の製造方法。
  14. 【請求項14】前記基板において前記配列方向が略一定
    であることを特徴とする、請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】前記光導波路に曲がり部分を形成するこ
    とを特徴とする、請求項13または14記載の方法。
  16. 【請求項16】前記曲がり部分の曲率半径が1mm以上
    であることを特徴とする、請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】前記光導波路に複数の直線状部分を設
    け、隣接する前記直線状部分を前記曲がり部分によって
    連結することを特徴とする、請求項15または16記載
    の方法。
  18. 【請求項18】前記光導波路における前記伝搬方向と前
    記配列方向との交差角度を線型的に変化させることを特
    徴とする、請求項13〜16のいずれか一つの請求項に
    記載の方法。
  19. 【請求項19】前記光導波路を線型的に湾曲させること
    を特徴とする、請求項13〜16のいずれか一つの請求
    項に記載の方法。
  20. 【請求項20】前記光導波路の形状がほぼ正弦曲線をな
    していることを特徴とする、請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】前記光導波路の幅方向の両側を輪郭づけ
    るための一対の溝を前記基板に形成することを特徴とす
    る、請求項13〜20のいずれか一つの請求項に記載の
    方法。
  22. 【請求項22】前記溝をレーザーアブレーション法によ
    り形成することを特徴とする、請求項21記載の方法。
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