JP2002349604A - 駆動力伝達制御装置、プログラム、記録媒体 - Google Patents

駆動力伝達制御装置、プログラム、記録媒体

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JP2002349604A JP2001158241A JP2001158241A JP2002349604A JP 2002349604 A JP2002349604 A JP 2002349604A JP 2001158241 A JP2001158241 A JP 2001158241A JP 2001158241 A JP2001158241 A JP 2001158241A JP 2002349604 A JP2002349604 A JP 2002349604A
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良平 繁田
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  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動系部材の温度が上昇してもトルク伝達が不
要に増大するのを防止することが可能で且つ低コストな
駆動力伝達制御装置を提供する。 【解決手段】駆動系部材の周囲の雰囲気温度Tを演算
して求め、リヤディファレンシャルの伝達トルクロスT
lossを演算して求め、リヤディファレンシャルの発
熱量Qdifを演算して求め、これらの値(T,Tl
oss,Qdif)などからリヤディファレンシャルの
温度Tdifを演算して求め、この温度Tdifが所定
温度Tw以上の場合は、伝達トルク補正指令値T4をゼ
ロに設定する。すると、電磁石13の電磁コイル13a
への通電電流もゼロになり、アウタケース10aとイン
ナシャフト10bとの間のトルク伝達は、カップリング
オイル室Dに封入されたカップリングオイルの粘性によ
り伝達される引きずりトルクT5のみによってなされ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は駆動力伝達制御装
置、プログラム、記録媒体に係り、詳しくは、トランス
ミッション,トランスファ,ディファレンシャルなどに
適用される駆動力伝達制御装置、その駆動力伝達制御装
置を実現するようにコンピュータシステムを機能させる
ためのプログラム、そのプログラムが記録されたコンピ
ュータで読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両のトランスミッション,
トランスファ,ディファレンシャルなどに適用される駆
動力伝達装置が種々提案されている。本出願人も、この
種の駆動力伝達装置の一例として、特開平10−231
861号公報に開示されるように、相対回転可能に配置
された第1回転部材および第2回転部材と、前記第1回
転部材と第2回転部材とのトルク伝達を制御する電磁石
を備えた駆動力伝達装置を提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公報に記載の駆動
力伝達装置では、駆動力伝達装置および他の駆動系部材
の温度が上昇すると、第1回転部材と第2回転部材との
トルク伝達が不要に増大し、駆動力伝達装置および他の
駆動系部材に故障(例えば、焼き付きなど)が起こるこ
とがある。そこで、駆動力伝達装置および他の駆動系部
材の温度を温度センサを用いて計測し、その計測した温
度が所定温度以上の場合には、第1回転部材と第2回転
部材とのトルク伝達が小さくなるように制御する方法が
提案されている。しかし、この方法には、温度センサに
要する部品コスト分だけ、駆動力伝達装置を含む駆動系
部材の設計・製造に関するコストが増大するという問題
がある。
【0004】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、以下の目的を有するものである。 (1)駆動力伝達装置の温度が上昇してもトルク伝達が不
要に増大するのを防止することが可能で且つ低コストな
駆動力伝達制御装置を提供する。 (2)上記(1)の駆動力伝達制御装置を実現するようにコン
ピュータシステムを機能させるためのプログラムを提供
する。 (3)上記(2)のプログラムが記録されたコンピュータで読
み取り可能な記録媒体を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段・作用および発明の効果】
係る目的を達成するためになされた請求項1に記載の発
明は、車両の駆動系中に配置され、相対回転可能に配置
された第1回転部材および第2回転部材と、前記第1回
転部材と第2回転部材とのトルク伝達を制御する電磁石
とを有する駆動力伝達装置と、その駆動力伝達装置の前
記電磁石の動作を制御する制御装置とを備えた駆動力伝
達制御装置において、前記制御装置は、前記第1回転部
材と第2回転部材とのトルク伝達を指令するための伝達
トルク指令値を演算する伝達トルク指令値演算手段と、
前記駆動力伝達装置の表面温度に基づいて、前記伝達ト
ルク指令値演算手段が演算した伝達トルク指令値を補正
した伝達トルク補正指令値を演算する伝達トルク補正指
令値演算手段と、前記駆動系中に配置された駆動系部材
の温度を推定する温度推定手段と、その温度推定手段が
推定した前記駆動系部材の温度が所定温度以上の場合
に、前記伝達トルク補正指令値を所定の小さな値に決定
する伝達トルク補正指令値決定手段と、その伝達トルク
補正指令値決定手段が決定した伝達トルク補正指令値に
従い、前記電磁石の動作を制御する制御手段とを備えこ
とをその要旨とする。
【0006】従って、請求項1に記載の発明によれば、
駆動系部材の温度が上昇しても、第1回転部材と第2回
転部材との間のトルク伝達が不要に増大するのを防止す
ることが可能になり、駆動系部材に故障(例えば、焼き
付きなど)が起こる事態を未然に回避できる。尚、前記
所定温度を最適に設定するには、駆動系部材の温度を上
昇させる実験を行い、駆動系部材に故障が起こる温度を
求め、この温度から実験的に求めた十分なマージン分を
差し引いた値を所定温度とすればよい。
【0007】そして、請求項1に記載の発明において
は、駆動系部材の温度を温度センサを用いて実際に計測
するのではなく、温度推定手段が演算によって推定して
いる。そのため、請求項1に記載の発明によれば、温度
センサを用いる場合に比べて、その温度センサに要する
部品コストを削減することが可能になり、その温度セン
サを取り付けるために駆動系部材の設計変更を行う必要
がなく、従来の駆動系部材をそのまま使用可能なため、
設計・製造に関するコストを低減できる。
【0008】ところで、請求項2に記載の発明のよう
に、請求項1に記載の駆動力伝達制御装置において、前
記温度推定手段は、前記駆動系部材の周囲の雰囲気温度
を演算する雰囲気温度演算手段と、前記駆動系部材の発
熱量を演算する発熱量演算手段と、前記雰囲気温度演算
手段が演算した雰囲気温度と、前記発熱量演算手段が演
算した前記駆動系部材の発熱量とに基づいて、前記駆動
系部材の温度を演算する温度演算手段とを備えるように
すればよい。
【0009】また、請求項3に記載の発明のように、請
求項1または請求項2に記載の駆動力伝達制御装置にお
いて、前記温度演算手段は、予め設定しておいたサンプ
リング時間毎に以下の式を積分することにより、前記駆
動系部材の温度を演算するようにすればよい。 Tdif=(Δt/Cdif)(Qdif−λ4(Td
if0−T))+Tdif0
【0010】但し、 Cdif:駆動系部材の比熱[J/K・g] Qdif:駆動系部材の発熱量[J] Tdif:今回のサンプリングで演算した駆動系部材の
温度[K] Tdif0:前回のサンプリングで演算した駆動系部材
の温度[K] T:駆動系部材の周囲の雰囲気温度[K] λ4:駆動系部材から電磁石への熱伝達係数 Δt:サンプリング時間[min]
【0011】また、請求項4に記載の発明のように、請
求項3に記載の駆動力伝達制御装置において、最初のサ
ンプリングでは、前回のサンプリングで演算した駆動系
部材の温度Tdif0として、予め設定しておいた値を
用いるようにすればよい。
【0012】次に、請求項5に記載の発明は、請求項1
〜4のいずれか1項に記載の駆動力伝達制御装置におけ
る前記制御装置の各手段として、コンピュータシステム
を機能させるためのプログラムを提供するものである。
つまり、請求項1〜4のいずれか1項に記載の駆動力伝
達制御装置における前記制御装置の各手段を実現するた
めの機能は、コンピュータシステムで実行されるプログ
ラムとして備えることができる。次に、請求項6に記載
の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の駆動力
伝達制御装置における前記制御装置の各手段として、コ
ンピュータシステムを機能させるためのプログラムが記
録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供
するものである。このようなプログラムの場合、例え
ば、ROMやバックアップRAMをコンピュータで読み
取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録してお
き、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュ
ータシステムに組み込んで用いることができる。この
他、半導体メモリ(スマートメディア,メモリスティッ
クなど),ハードディスク,フロッピー(登録商標)デ
ィスク,データカード(ICカード,磁気カードな
ど),光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−R
W,DVDなど),光磁気ディスク(MOなど),相変
化ディスク,磁気テープなどのコンピュータで読み取り
可能な記録媒体に前記プログラムを記録しておき、その
プログラムを必要に応じてコンピュータシステムにロー
ドして起動することにより用いてもよい。
【0013】尚、上述した[特許請求の範囲]および
[課題を解決するための手段および発明の効果]に記載
した構成要素と、後述する[発明の実施の形態]に記載
した構成部材との対応関係は以下のようになっている。
「駆動系部材」は、駆動力伝達装置10、トランスアク
スル21の備えるトランスファ、各ディファレンシャル
23,27、各プロペラシャフト25,26などに該当
する。「第1回転部材」は、アウタケース10aおよび
リヤカバー11bに該当する。「第2回転部材」は、イ
ンナシャフト10bに該当する。「制御装置」は、電子
制御装置(ECU)18に該当する。
【0014】「伝達トルク指令値演算手段」は、CPU
18gにおけるS3〜S8の処理に該当する。「伝達ト
ルク補正指令値演算手段」は、CPU18gにおけるS
9,S10の処理に該当する。「温度推定手段」は、C
PU18gにおけるS9,S62〜S68の処理に該当
する。「伝達トルク指令値決定手段」は、CPU18g
におけるS72,S74の処理に該当する。「制御手
段」は、CPU18gにおけるS12の処理および駆動
回路18dにおけるS13の処理に該当する。「雰囲気
温度演算手段」は、CPU18gにおけるS62の処理
に該当する。「発熱量演算手段」は、CPU18gにお
けるS64,S66の処理に該当する。「プログラム」
は、CPU18gが実行する図4〜図6,図12に示す
フローチャートの処理に該当する。「記録媒体」は、R
OM18hに該当する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図面と共に説明する。 [本実施形態の主要構成]図1は、本実施形態の駆動力
伝達装置(カップリング)10の要部概略断面図であ
る。図2は、駆動力伝達装置10を搭載した四輪駆動車
の概略構成図である。図2に示すように、駆動力伝達装
置10は、四輪駆動車における後輪側への駆動力伝達経
路に搭載されている。尚、図1に示すように、駆動力伝
達装置10の主要部は回転軸線Lに対して略対称の構成
であるため、図1には駆動力伝達装置10の略半分の部
位を示し、他の略半分の部位は省略してある。
【0016】図2に示すように、四輪駆動車において、
トランスアクスル21はトランスミッション,トランス
ファ,フロントディファレンシャルを一体に備えるもの
で、エンジン22の駆動力をトランスアクスル21のフ
ロントディファレンシャル23を介して、両アクスルシ
ャフト24a,24aに出力して左右の前輪24b,2
4bを駆動させると共に、第1プロペラシャフト25側
に出力させる。第1プロペラシャフト25は、駆動力伝
達装置10を介して第2プロペラシャフト26に連結さ
れている。第1プロペラシャフト25と第2プロペラシ
ャフト26がトルク伝達可能に連結された場合、エンジ
ン22の駆動力は、リヤディファレンシャル27に伝達
され、リヤディファレンシャル27から両アクスルシャ
フト28a,28aへ出力されて左右の後輪28b,2
8bを駆動させる。
【0017】各車輪24b,24b,28b,28bに
は各車輪の回転速度を検出する各回転センサ5〜8が備
えられており、各回転センサ5〜8からは各車輪速(車
輪回転速度)N1〜N4の信号が出力される。各車輪速
N1〜N4は、各車輪の回転数〔rpm〕に一致または
比例したデータである。エンジン22のスロットルバル
ブ(図示略)にはスロットルバルブの開度を検出するス
ロットルバルブ開度センサ2が備えられており、スロッ
トルバルブ開度センサ2からはスロットルバルブ開度m
の信号が出力される。そして、各車輪速N1〜N4およ
びスロットルバルブ開度mの信号と、イグニッションス
イッチ(IG)3の出力信号と、後述する駆動モード切
換スイッチ1の出力信号とが、電子制御装置(ECU)
18に入力される。駆動力伝達制御装置19は、駆動力
伝達装置10およびECU18から構成されている。
【0018】図2に示すように、駆動力伝達装置10
は、第1プロペラシャフト25と第2プロペラシャフト
26との間に配設されており、図1に示すように、アウ
タケース10a、インナシャフト10b、メインクラッ
チ機構10c、パイロットクラッチ機構10d、カム機
構10eを備えている。
【0019】図1に示すように、アウタケース10a
は、有底筒状のハウジング11aと、ハウジング11a
の後端開口部に嵌合螺着されて同開口部を覆蓋するリヤ
カバー11bとにより形成されている。インナシャフト
10bは、リヤカバー11bの中央部を液密的に貫通し
てアウタケース10a内に同軸的に挿入されており、軸
方向を規制された状態で、ハウジング11aとリヤカバ
ー11bとに回転可能に支持されている。インナシャフ
ト10bには、図2に示す第2プロペラシャフト26の
先端部がトルク伝達可能に連結されている。また、アウ
タケース10aを構成するハウジング11aの前端部に
は、図2に示す第1プロペラシャフト25の末端部がト
ルク伝達可能に連結されている。
【0020】メインクラッチ機構10cは湿式多板式の
摩擦クラッチであり、複数のクラッチプレート(インナ
クラッチプレート12a、アウタクラッチプレート12
b)を備え、ハウジング11a内に配設されている。各
インナクラッチプレート12aは、インナシャフト10
bの外周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組み
付けられている。また、各アウタクラッチプレート12
bは、ハウジング11aの内周にスプライン嵌合して軸
方向へ移動可能に組み付けられている。各インナクラッ
チプレート12aと各アウタクラッチプレート12bと
は交互に配置され、互いに当接して摩擦係合すると共
に、互いに離間して自由状態となる。
【0021】パイロットクラッチ機構10dは電磁クラ
ッチであり、電磁石13、摩擦クラッチ14、アーマチ
ャ15、ヨーク16から構成されている。環状の電磁石
13は、回転軸線L周りに巻回された電磁コイル13a
から構成され、ヨーク16に嵌着された状態でリヤカバ
ー11bの環状凹所11dに所定の隙間を介して嵌合さ
れている。ヨーク16は、リヤカバー11bの後端部の
外周に回転可能に支持された状態で車体側に固定されて
いる。リヤカバー11bは、半径方向の断面形状が略L
字形の磁性材料から成る内筒部と、その内筒部の外周に
設けられた略環状の磁性材料から成る外筒部と、その内
筒部と外筒部との間に固定された略環状の非磁性材料か
ら成る遮断部材11cとから形成されている。
【0022】摩擦クラッチ14は、複数のクラッチプレ
ート(アウタクラッチプレート14a、インナクラッチ
プレート14b)を備えた湿式多板式の摩擦クラッチで
ある。各アウタクラッチプレート14aは、ハウジング
11aの内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に
組み付けられている。また、各インナクラッチプレート
14bは、後述するカム機構10eを構成する第1カム
部材17aの外周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可
能に組み付けられている。環状のアーマチャ15は、ハ
ウジング11aの内周にスプライン嵌合して軸方向へ移
動可能に組み付けられており、摩擦クラッチ14の前側
に配置されて摩擦クラッチ14と対向している。
【0023】このように構成されたパイロットクラッチ
機構10dでは、電磁石13の電磁コイル13aへの通
電により、電磁石13を基点としてヨーク16→リヤカ
バー11b→摩擦クラッチ14→アーマチャ15の経路
で循環する磁束が通るループ状の循環磁路が形成され
る。電磁石13の電磁コイル13aへの通電電流(励磁
電流)は、ECU18におけるデューティ制御により設
定された所定の電流値に制御される。電磁石13の電磁
コイル13aヘの通電の断続は、図2に示す駆動モード
切換スイッチ1の切換操作によりなされ、後述する3つ
の駆動モードを選択できるようになっている。駆動モー
ド切換スイッチ1は、車室内(図示略)の運転席の近傍
に配設されており、運転者が容易に操作できるようにな
っている。尚、駆動力伝達制御装置19を後述する第2
の駆動モード(AUTOモード)のみの構成とした場合
には、駆動モード切換スイッチ1を省略することができ
る。
【0024】変換機構であるカム機構10eは、第1カ
ム部材17a、第2カム部材17b、カムフォロアー1
7cから構成されている。第1カム部材17aは、イン
ナシャフト10bの外周に回転可能に嵌合され、且つ、
リヤカバー11bに回転可能に支承されており、その外
周に摩擦クラッチ14のインナクラッチプレート14b
がスプライン嵌合している。第2カム部材17bは、イ
ンナシャフト10bの外周にスプライン嵌合されて一体
回転可能に組み付けられており、メインクラッチ機構1
0cのインナクラッチプレート12aの後側に対向して
配置されている。第1カム部材17aと第2カム部材1
7bとの互いに対向するカム溝には、ボール状のカムフ
ォロアー17cが嵌合されている。
【0025】リヤカバー11bとインナシャフト10b
の外周との間にはゴム状弾性体によって形成されたXリ
ング11eが装着され、Xリング11eによりリヤカバ
ー11bとインナシャフト10bとの間が液密にシール
されている。また、リヤカバー11bとハウジング11
aの内周との間にはゴム状弾性体によって形成されたO
リング11fが装着され、Oリング11fによりリヤカ
バー11bとハウジング11aとの間が液密にシールさ
れている。そして、ハウジング11aとリヤカバー11
bとインナシャフト10bとによって取り囲まれた空間
が、Xリング11eとOリング11fとにより液密にシ
ールされてカップリングオイル室Dが形成されている。
【0026】カップリングオイル室Dには、メインクラ
ッチ機構10cおよびパイロットクラッチ機構10dの
各インナクラッチプレート12a,14bおよび各アウ
タクラッチプレート12b,14aの耐摩耗性,切れ
性,ジャダー性を良好に維持する特性を備えたカップリ
ングオイル(例えば、鉱油系の潤滑油に各種の添加剤を
添加したもの)が封入されている。そして、各インナク
ラッチプレート12a,14bおよび各アウタクラッチ
プレート12b,14aは当該カップリングオイルに浸
漬されている。
【0027】このように構成された駆動力伝達装置10
において、パイロットクラッチ機構10dを構成する電
磁石13の電磁コイル13aが非通電状態にある場合に
は磁路は形成されず、摩擦クラッチ14は非係合状態に
なり、パイロットクラッチ機構10dは非作動状態にな
る。すると、カム機構10eを構成する第1カム部材1
7aはカムフォロアー17cを介して第2カム部材17
bと一体回転可能になり、メインクラッチ機構10cは
非作動状態になるため、車両は、二輪駆動である第1の
駆動モード(2WDモード)となる。
【0028】また、電磁石13の電磁コイル13aへの
通電がなされると、パイロットクラッチ機構10dには
電磁石13を基点とするループ状の循環磁路が形成され
て磁力が発生して、電磁石13はアーマチャ15を吸引
する。そのため、アーマチャ15は摩擦クラッチ14を
押圧し摩擦係合してトルクを発生させ、カム機構10e
の第1カム部材17aをアウタケース10a側へ連結さ
せて、第2カム部材17bとの間に相対回転を生じさせ
る。すると、カム機構10eでは、カムフォロアー17
cが両カム部材17a,17bを互いに離間する方向ヘ
移動させるスラスト力が発生する。
【0029】そのため、第2カム部材17bはメインク
ラッチ機構10c側へ押動され、ハウジング11aの奥
壁部と第2カム部材17bとでメインクラッチ機構10
cを押圧し、摩擦クラッチ14の摩擦係合力に応じてメ
インクラッチ機構10cを摩擦係合させる。これによ
り、アウタケース10aとインナシャフト10bとの間
でトルク伝達が生じ、車両は、第1プロペラシャフト2
5と第2プロペラシャフト26とが非連結状態とロック
状態との間で四輪駆動である第2の駆動モード(AUT
Oモード)となる。
【0030】この第2の駆動モードでは、車両の走行状
態に応じて、前後輪間の駆動力分配比を100:0(二
輪駆動状態)からロック状態の範囲で制御することがで
きる。また、第2の駆動モードでは、各回転センサ5〜
8、スロットルバルブ開度センサ2などの各種のセンサ
からの信号に基づいて、車両の走行状態や路面状態に応
じて電磁石13の電磁コイル13aへの通電電流をデュ
ーティ制御することにより、摩擦クラッチ14の摩擦係
合力(すなわち、後輪側への伝達トルク)を制御する。
【0031】そして、電磁石13の電磁コイル13aへ
の通電電流を一定値である所定のロック電流まで高める
と、電磁石13のアーマチャ15に対する吸引力が増大
し、アーマチャ15は強く吸引されて摩擦クラッチ14
の摩擦係合力を増大させ、両カム部材17a,17b間
の相対回転を増大させる。その結果、カムフォロアー1
7cは第2カム部材17bに対する押圧力を高めて、メ
インクラッチ機構10cを結合状態とする。そのため、
車両は、第1プロペラシャフト25と第2プロペラシャ
フト26がロック状態の四輪駆動である第3の駆動モー
ド(LOCKモード)となる。
【0032】図3は、ECU18の内部構成を示すブロ
ック回路図である。ECU18は、マイクロコンピュー
タ18a、駆動回路18d、トランジスタ(Tr)18
f、シャント抵抗18k、差動増幅器18b,18c、
フライホイールダイオードDaから構成されている。差
動増幅器18bは、シャント抵抗18kの両端にかかる
電圧Vaを検出し、その電圧Vaをマイクロコンピュー
タ18aに出力する。差動増幅器18cは、直列に接続
された電磁コイル13aおよびシャント抵抗18kに対
して並列に接続されたフライホイールダイオードDaの
両端にかかる電圧(電磁コイル13aへの印加電圧)V
bを検出し、その電圧Vbをマイクロコンピュータ18
aに出力する。マイクロコンピュータ18aは、CPU
18g,ROM18h,RAM18i,入出力回路(I
/O)18jなどを有する周知のマイクロコンピュータ
から構成されている。そして、CPU18gは、ROM
18hに記録(記憶)されているプログラムに従い、コ
ンピュータによる各種演算処理によって、入出力回路1
8jから入力された各信号(駆動モード切換スイッチ1
の出力信号、イグニッションスイッチ3の出力信号、ス
ロットルバルブ開度センサ2からのスロットルバルブ開
度mの信号、各回転センサ5〜8からの各車輪速N1〜
N4の信号、電圧Va,Vb)に基づいて、後述する伝
達トルク補正指令値T4を決定し、その伝達トルク補正
指令値T4に応じて、電磁石13の電磁コイル13aへ
の通電電流をデューティ制御するためのデューティ比を
演算し、そのデューティ比に応じた制御信号を生成し、
その制御信号を入出力回路18jを介して駆動回路18
dへ出力する。
【0033】駆動回路18dは、CPU18gから出力
された制御信号に従い、トランジスタ18fのベース電
流を制御することにより、トランジスタ18fのオンオ
フ(ON/OFF)動作を制御する。トランジスタ18
fがオンすると、車載バッテリEからシャント抵抗18
kを介し電磁石13の電磁コイル13aを通ってアース
側へ通電電流が流れる。尚、電磁コイル13aには並列
にフライホイールダイオードDaが接続されている。ま
た、トランジスタ18fには、どのような形式のトラン
ジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、FETな
ど)を用いてもよく、トランジスタ18fを各種スイッ
チング素子(例えば、サイリスタなど)に置き代えても
よい。
【0034】[本実施形態の動作]図4は、本実施形態
においてECU18が実行する処理の流れを示すフロー
チャートである。ECU18を構成するマイクロコンピ
ュータ18aのCPU18gは、ROM18hに記録
(記憶)されているプログラムに従い、コンピュータに
よる各種演算処理によって、以下の各ステップ(以下、
「S」と記載する)の処理を実行する。尚、前記プログ
ラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体(半導体
メモリ(スマートメディア,メモリスティックなど)、
ハードディスク、フロッピーディスク、データカード
(ICカード,磁気カードなど)、光ディスク(CD−
ROM,CD−R,CD−RW,DVDなど)、光磁気
ディスク(MOなど)、相変化ディスク、磁気テープな
ど)を備えた外部記録装置(外部記憶装置)に記録して
おき、当該プログラムを必要に応じて外部記録装置から
CPU18gにロードして起動することにより用いるよ
うにしてもよい。
【0035】まず、CPU18gは、駆動モード切換ス
イッチ1の出力信号に基づいて、第1の駆動モード(2
WDモード)かどうかを判断し(S1)、第1の駆動モ
ードの場合(S1:Yes)は車両を二輪駆動とし(S
14)、第1の駆動モードでない場合(S1:No)は
第3の駆動モード(LOCKモード)であるかどうかを
判断し(S2)、第3の駆動モードの場合(S2:Ye
s)は車両を第1プロペラシャフト25と第2プロペラ
シャフト26がロック状態の四輪駆動とする(S1
5)。
【0036】そして、CPU18gは、第2の駆動モー
ド(AUTOモード)の場合は(S2:NO)、スロッ
トルバルブ開度mおよび各車輪速Nl〜N4を入力し
(S3)、各車輪速N3,N4に基づいて車速を演算す
る(S4)。尚、車速は、スリップの少ない従動輪であ
る後輪28b,28bの車輪速N3,N4の平均値(=
(N3+N4)/2)とする。
【0037】続いて、CPU18gは、ROM18hに
記録(記憶)されているマップを参照し、スロットルバ
ルブ開度mに対応した伝達トルクT1と、車速に対応し
たゲインG1とを決定する(S5)。尚、ROM18h
に記録されているマップでは、スロットルバルブ開度m
が大きいほど伝達トルクT1は大きくなり、車速が高速
であるほどゲインG1は小さくなるように設定されてい
る。
【0038】次に、CPU18gは、各車輪速Nl〜N
4に基づいて、前後輪間の差動回転速度ΔN(=(Nl
+N2−N3−N4)/2)[min-1]を演算する
(S6)。そして、CPU18gは、ROM18hに記
録(記憶)されているマップを参照し、S6の処理で演
算した差動回転速度ΔNに対応した伝達トルクT2と、
車速に対応したゲインG2とを決定する(S7)。尚、
ROM18hに記録されているマップでは、差動回転速
度ΔNが大きいほど伝達トルクT2は大きくなり、車速
が高速であるほどゲインG2は小さくなるように設定さ
れている。
【0039】続いて、CPU18gは、S5,S7の各
処理で決定した各伝達トルクT1,T2および各ゲイン
G1,G2に基づいて、伝達トルク指令値T3(=G1
・T1+G2・T2)[Nm]を演算する(S8)。
【0040】次に、CPU18gは、後述するように、
駆動力伝達装置10の表面温度Tcoupを演算する
(S9)。続いて、CPU18gは、S9の処理で演算
した表面温度Tcoupに基づいて、後述するように、
S8の処理で演算した伝達トルク指令値T3を補正した
伝達トルク補正指令値T4を演算する(S10)。
【0041】次に、CPU18gは、後述するように、
伝達トルク補正指令値T4を決定する(S11)。続い
て、CPU18gは、S11の処理で決定した伝達トル
ク補正指令値T4に応じたデューティ比を演算し、その
デューティ比に応じた制御信号を生成し、その制御信号
を入出力回路18jから出力する(S12)。そして、
駆動回路18dは、CPU18gから入出力回路18j
を介して出力された制御信号に従い、S12の処理で演
算されたデューティ比に基づいた電圧を電磁石13の電
磁コイル13aに印加するように、トランジスタ18f
のオンオフ動作を制御する(S13)。その結果、電磁
石13の電磁コイル13aにおける印加電圧と通電電流
および磁力がデューティ制御される。
【0042】[表面温度Tcoupの演算処理]図5
は、駆動力伝達装置10の表面温度Tcoupの演算処
理(図4に示すS9)の流れを示すフローチャートであ
る。まず、CPU18gは、電磁石13の電磁コイル1
3aの温度Tcoilを演算する(S22)。すなわ
ち、CPU18gは、シャント抵抗18kの抵抗値と、
シャント抵抗18kの両端にかかる電圧Va[V]とに
基づいて、電磁コイル13aへの通電電流I[A]を演
算する。次に、CPU18gは、通電電流Iおよび電磁
コイル13aへの印加電圧Vb[V]の時間平均値(デ
ューティ制御による通電電流Iおよび印加電圧Vbの変
動を平滑した値)に基づいて、電磁コイル13aの抵抗
値R(=Vb/I)[Ω]を演算する。
【0043】ここで、温度Tcoilに対する電磁コイ
ル13aの抵抗値Rは、0℃における抵抗値R0と、電
磁コイル13aの材質や形状などによって規定される温
度係数αとにより、以下の式(1)により演算される。
また、基準温度Tsのときの電磁コイル13aの抵抗値
Rsは、以下の式(2)により演算される。これら式
(1)(2)により以下の式(3)が成り立つ。そのた
め、基準温度Tsのときの抵抗値Rsを実験的に求めて
おき、CPU18gは、式(3)により、電磁コイル1
3aの抵抗値Rに対する温度Tcoilを演算する。
尚、温度係数α,基準温度Ts,抵抗値Rsは、ROM
18hに予め記録(記憶)させておく。
【0044】 R=R0(1+α・Tcoil) ………式(1) Rs=R0(1+α・Ts) ………式(2) Rs/R=(1+α・Ts)/(1+α・Tcoil) ………式(3)
【0045】次に、CPU18gは、イグニッションス
イッチ3が投入直後かどうかを判定し(S24)、投入
直後の場合は(S24:Yes)、前回のルーチン(前
回のサンプリング)で演算した駆動力伝達装置10の表
面温度Tcoup0および電磁コイル13aの温度Tc
oil0を共通の初期設定値とする(S26)。尚、こ
の初期設定値は実験的に求めて予めROM18hに記録
(記憶)させておく。
【0046】続いて、CPU18gは、図4に示すS6
の処理で演算した差動回転速度ΔNと、図4に示すS8
の処理で演算した伝達トルク指令値T3とに基づいて、
メインクラッチ機構10cの発熱量とパイロットクラッ
チ機構10dの発熱量とを合わせたクラッチ部発熱量
(発生エネルギー)Qcoup(=ΔN・T3)を演算
する(S28)。
【0047】次に、CPU18gは、電磁石13の電磁
コイル13aへの通電電流Iと印加電圧Vbとに基づい
て、電磁コイル13aの発熱量(コイル部発熱量)Qc
oil(=Vb・I)を演算する(S30)。
【0048】そして、CPU18gは、サンプリング時
間Δt毎に図5に示すルーチンを繰り返す度に、以下の
式(4)を積分することにより、駆動力伝達装置10の
表面温度Tcoupを演算する(S32)。尚、サンプ
リング時間Δtは実験的に求めて予め設定しておく。ま
た、各比熱Ccoup,Ccoilおよび各熱伝達係数
λ1〜λ3は実験的に求めて予めROM18hに記録
(記憶)させておく。
【0049】
【数1】 ………式(4)
【0050】但し、 Qcoup:クラッチ部発熱量[J] Qcoil:コイル部発熱量[J] Ccoup:メインクラッチ機構10cおよびパイロッ
トクラッチ機構10dの比熱[J/K・g] Ccoil:電磁石13の電磁コイル13aの比熱[J
/K・g] Tcoup0:RAM18iに記録されている前回のル
ーチン(前回のサンプリング)で演算した駆動力伝達装
置10の表面温度[K] Tcoil0:RAM18iに記録されている前回のル
ーチン(前回のサンプリング)で演算した電磁コイル1
3aの温度[K] Tcoup:今回のルーチン(今回のサンプリング)で
演算した駆動力伝達装置10の表面温度[K] Tcoil:今回のルーチン(今回のサンプリング)で
演算した電磁コイル13aの温度[K] λ1:駆動力伝達装置10から外部への熱伝達係数 λ2:駆動力伝達装置10から電磁コイル13aへの熱
伝達係数 λ3:電磁コイル13aから外部への熱伝達係数 Δt:サンプリング時間[min]
【0051】ここで、駆動力伝達装置10の周囲の雰囲
気温度Tとすると、以下の式(5)(6)が得られ
る。そして、二つの式(5)(6)から雰囲気温度T
の項を消去すると、以下の式(7)が得られる。この式
(7)を差分化すると上記式(4)が得られる。
【0052】
【数2】 ………式(5)
【0053】
【数3】 ………式(6)
【0054】
【数4】 ………式(7)
【0055】そして、CPU18gは、S22の処理で
演算した電磁石13の電磁コイル13aの温度Tcoi
lと、S32の処理で演算した駆動力伝達装置10の表
面温度Tcoupとを、次回のルーチン(次回のサンプ
リング)の演算で使用するために、「Tcoil0」
「Tcoup0」としてRAM18iに書き込んで記録
保存(記憶保存)させ(S34)、その後に伝達トルク
補正指令値T4の演算処理(図4に示すS10)へ移行
する。
【0056】[伝達トルク補正指令値T4の演算処理]
図6は、伝達トルク補正指令値T4の演算処理(図4に
示すS10)の流れを示すフローチャートである。ま
ず、CPU18gは、ROM18hに記録(記憶)され
ているマップを参照し、図4に示すS9の処理(図5に
示すS32の処理)で演算した駆動力伝達装置10の表
面温度Tcoupに基づいて、電磁石13の電磁コイル
13aへの通電電流Iと伝達トルク指令値T3との関係
を補正するための補正係数Ktempを決定する(S4
2)。図7は、表面温度Tcoupに基づいて決定され
る補正係数Ktempの一例を示すグラフである。
【0057】次に、CPU18gは、ROM18hに記
録(記憶)されているマップを参照し、駆動力伝達装置
10の表面温度Tcoupに基づいて、図4に示すS6
の処理で演算した差動回転速度ΔNと伝達トルク指令値
T3との関係を補正するための補正係数Kdnを決定す
る(S44)。図8は、表面温度Tcoupに基づいて
決定される補正係数Kdnの一例を示すグラフである。
【0058】続いて、CPU18gは、S44の処理で
決定した補正係数Kdnに、図4に示すS6の処理で演
算した差動回転速度ΔNを乗算することにより、カップ
リングオイル室Dに封入されたカップリングオイルの粘
性により伝達される引きずりトルクT5(=Kdn・Δ
N)を演算する(S46)。次に、CPU18gは、図
4に示すS8の処理で演算した伝達トルク指令値T3
が、S46の処理で演算した引きずりトルクT5(=K
dn・ΔN)以上であるかどうかを判定する(S4
8)。
【0059】そして、CPU18gは、伝達トルク指令
値T3が引きずりトルクT5(=Kdn・ΔN)以上の
場合は(T3≧T5(=Kdn・ΔN)。S48:Ye
s)、S42,S44の各処理で決定した各補正係数K
temp,Kdnに基づいて、以下の式(8)により、
伝達トルク補正指令値T4[Nm]を演算し(S5
0)、伝達トルク補正指令値T4の決定処理(図4に示
すS11)へ移行する。
【0060】 T4=(T3−T5)/Ktemp=(T3ーKdn・ΔN)/Ktemp ………式(8)
【0061】また、CPU18gは、伝達トルク指令値
T3が引きずりトルクT5(=Kdn・ΔN)より小さ
い場合は(T3<T5(=Kdn・ΔN)。S48:N
o)、伝達トルク補正指令値T4をゼロに設定(決定)
し(T4=0。S52)、伝達トルク補正指令値T4の
決定処理(図4に示すS11)へ移行する。
【0062】尚、各補正係数Ktemp,Kdnは、以
下のように、駆動力伝達装置10の伝達トルク指令値T
3および引きずりトルクT5が駆動力伝達装置10の表
面温度Tcoupに対して温度依存特性を有することか
ら、その温度依存特性を実験的に測定することにより求
めた。図9は、差動回転速度ΔNと駆動力伝達装置10
の表面温度Tcoupと引きずりトルクT5との関係
(引きずりトルクT5の温度依存特性)を実験的に求め
たグラフである。図9に示すように、任意の表面温度T
coupにおいて、引きずりトルクT5は差動回転速度
ΔNにほぼ正比例している。この正比例の関係から、図
8に示すような補正係数Kdnが得られ、引きずりトル
クT5は差動回転速度ΔNに補正係数Kdnを乗算した
値(Kdn・ΔN)になる。
【0063】図10は、大きくも小さくもない所定の差
動回転速度ΔNにおいて、通電電流Iと駆動力伝達装置
10の表面温度Tcoupと伝達トルク指令値T3との
関係(伝達トルク指令値T3の温度依存特性)を実験的
に求めたグラフである。ところで、図4に示すS8の処
理で演算した伝達トルク指令値T3には、引きずりトル
クT5(=Kdn・ΔN)が加味されていない。従っ
て、伝達トルク補正指令値T4を求めるには、伝達トル
ク指令値T3から引きずりトルクT5(=Kdn・Δ
N)を差し引いた第1補正トルクT6(=T3−T5)
を、駆動力伝達装置10の表面温度Tcoupに基づい
て補正(温度補正)する必要がある。
【0064】図11は、図10と同じ大きくも小さくも
ない所定の差動回転速度ΔNにおいて、通電電流Iと駆
動力伝達装置10の表面温度Tcoupと第1補正トル
クT6との関係(第1補正トルクT6の温度依存特性)
を実験的に求めたグラフである。図11に示すように、
任意の通電電流Iにおいて、第1補正トルクT6と表面
温度Tcoupとの間には、ほぼ一次関数的(線形)な
関係が認められる。このほぼ一次関数的(線形)な関係
から、図7に示すような補正係数Ktempが得られ、
伝達トルク補正指令値T4は、第1補正トルクT6を補
正係数Ktempで除算した値(T6/Ktemp=
(T3−T5)/Ktemp)、すなわち式(8)に示
す値になる。
【0065】[伝達トルク補正指令値T4の決定処理]
図12は、伝達トルク補正指令値T4の決定処理(図4
に示すS11)の流れを示すフローチャートである。ま
ず、CPU18gは、前記二つの式(7)(8)から熱
伝達係数λ2の項を消去して得られた以下の式(9)を
差分化して得られた以下の式(10)により、駆動系部
材の周囲の雰囲気温度T[K]を演算する(S6
2)。
【0066】 T=(1/(λ1+λ3))(Ccoup(dTcoup/dt)+Cc oil(dTcoil/dt)−Qcoup−Qcoil+λ1Tcoup+λ 3Tcoil) ………式(9)
【0067】 T=(1/(λ1+λ3))(Ccoup(TcoupーTcoup0) +Ccoil(Tcoil−Tcoil0)−Qcoup−Qcoil+λ1T coup+λ3Tcoil) ………式(10)
【0068】次に、CPU18gは、図6に示すS10
(S50またはS52)の処理で演算した伝達トルク補
正指令値T4と、駆動系部材であるリヤディファレンシ
ャル27のトルク伝達効率ηとに基づいて、以下の式
(11)より、リヤディファレンシャル27の伝達トル
クロスTloss[Nm]を演算する(S64)。尚、
リヤディファレンシャル27のトルク伝達効率ηは実験
的に求めて予めROM18hに記録(記憶)させてお
く。 Tloss=T4(1−η) ………式(11)
【0069】続いて、CPU18gは、リヤディファレ
ンシャル27の伝達トルクロスTloss[Nm]と、
車速に比例するリヤディファレンシャル27の回転数N
dif〔rpm〕とに基づいて、以下の式(12)によ
り、リヤディファレンシャル27の発熱量Qdif
[J]を演算する(S66)。 Qdif=Tloss×Ndif ………式(12)
【0070】次に、CPU18gは、サンプリング時間
Δt毎に図12に示すルーチンを繰り返す度に、以下の
式(13)を積分することにより、リヤディファレンシ
ャル27の温度Tdif[k]を演算する(S68)。
尚、比熱Cdifおよび熱伝達係数λ4は実験的に求め
て予めROM18hに記録(記憶)させておく。
【0071】 Tdif=(Δt/Cdif)(Qdif−λ4(Tdif0−T))+ Tdif0=(Δt/Cdif)(T4(1−η)Ndif−λ4(Tdif0 −T))+Tdif0 ………式(13)
【0072】但し、 Cdif:リヤディファレンシャル27の比熱[J/K
・g] Qdif:リヤディファレンシャル27の発熱量[J] Tdif:今回のルーチン(今回のサンプリング)で演
算したリヤディファレンシャル27の温度[K] Tdif0:RAM18iに記録されている前回のルー
チン(前回のサンプリング)で演算したリヤディファレ
ンシャル27の温度[K] T:駆動系部材の周囲の雰囲気温度[K] Ndif:車速に比例するリヤディファレンシャル27
の回転数〔rpm〕 η:リヤディファレンシャル27のトルク伝達効率 λ4:リヤディファレンシャル27から電磁石13への
熱伝達係数 Δt:サンプリング時間[min]
【0073】ここで、リヤディファレンシャル27の温
度変化は以下の式(14)により得られる。この式(1
4)を差分化すると上記式(13)が得られる。
【0074】 Cdif(dTdif/dt)=Qdif−λ4(Tdif−T) ………式(14)
【0075】尚、初回のルーチン(初回のサンプリン
グ)では、前回のルーチン(前回のサンプリング)で演
算したリヤディファレンシャル27の温度Tdif0
を、初期設定値とするか、または、S34の処理でRA
M18iに記録保存させた電磁コイル13aの温度Tc
oil0とする。ちなみに、この初期設定値は実験的に
求めて予めROM18hに記録(記憶)させておく。
【0076】そして、CPU18gは、S66の処理で
演算したリヤディファレンシャル27の温度Tdif
を、次回のルーチン(次回のサンプリング)の演算で使
用するために、「Tdif0」としてRAM18iに書
き込んで記録保存(記憶保存)させる(S70)。次
に、CPU18gは、リヤディファレンシャル27の温
度Tdifが所定温度Tw以上であるかどうかを判定す
る(S72)。そして、CPU18gは、温度Tdif
が所定温度Tw以上の場合は(Tdif≧Tw。S7
2:Yes)、図6に示すS10(S50またはS5
2)の処理で演算した伝達トルク補正指令値T4をゼロ
に設定(決定)し(T4=0。S74)、その後にデュ
ーティ比の演算・出力処理(図4に示すS12)へ移行
する。また、CPU18gは、温度Tdifが所定温度
Twより小さい場合は(Tdif<Tw。S72:N
o)、S10の処理で演算した伝達トルク補正指令値T
4に設定(決定)してデューティ比の演算・出力処理へ
移行する。
【0077】[本実施形態の作用・効果]以上詳述した
ように、本実施形態によれば、以下の作用・効果を得る
ことができる。 [1]駆動力伝達装置10の表面温度Tcoupの演算
処理(図4に示すS9および図5参照)において、EC
U18を構成するマイクロコンピュータ18aのCPU
18gは、パイロットクラッチ機構10dを構成する電
磁石13の電磁コイル13aの温度Tcoilを演算し
て求め(S22)、メインクラッチ機構10cの発熱量
とパイロットクラッチ機構10dの発熱量とを合わせた
クラッチ部発熱量Qcoup(=ΔN・T3)を演算し
て求め(S28)、電磁コイル13aの発熱量(コイル
部発熱量)Qcoil(=Vb・I)を演算して求め
(S30)、これらの値(Tcoil,Qcoup,Q
coil)などから式(4)により表面温度Tcoup
を演算して求めている(S32)。
【0078】つまり、本実施形態では、駆動力伝達装置
10の表面温度Tcoupを温度センサを用いて実際に
計測するのではなく、上記のように演算によって推定し
ている。従って、本実施形態によれば、表面温度Tco
upを計測する温度センサを用いる場合に比べて、その
温度センサに要する部品コストを削減することが可能に
なり、その温度センサを取り付けるために駆動力伝達装
置10の設計変更を行う必要がなく、従来の駆動力伝達
装置10をそのまま使用可能なため、設計・製造に関す
るコストを低減できる。
【0079】ところで、駆動力伝達装置10の周囲の雰
囲気温度Tを計測する温度センサを設け、前記式
(5)および式(6)から表面温度Tcoupを演算し
て求める方法が考えられる。しかし、同方法では、雰囲
気温度Tを計測する温度センサが必要になるため、本
実施形態に比べて、温度センサに要する部品コスト分だ
け設計・製造に関するコストが増大することになる。そ
して、同方法では二つの熱伝達式(5)(6)を用いる
ため、一つの熱伝達式(4)しか用いない本実施形態に
比べて、表面温度Tcoupの演算に要する時間が長く
なり、CPU18gに対する負荷が増大することから、
ECU18の実行する車両の他の制御に悪影響を及ぼす
おそれがある。つまり、本実施形態によれば、同方法に
比べて、低コストで優れた性能の駆動力伝達制御装置1
9を得ることができる。
【0080】[2]上記[1]において、電磁石13の
電磁コイル13aの温度Tcoilの演算処理(S2
2)では、電磁コイル13aへの印加電圧Vbと通電電
流Iとにより電磁コイル13aの抵抗値Rを演算し、予
め設定しておいた抵抗値Rと温度Tcoilとの関係に
基づいて、抵抗値Rから温度Tcoilを演算してい
る。つまり、本実施形態では、電磁コイル13aの温度
Tcoilを温度センサを用いて実際に計測するのでは
なく、上記のように演算によって推定している。従っ
て、本実施形態によれば、温度Tcoilを計測する温
度センサを用いる場合に比べて、その温度センサに要す
る部品コストを削減することが可能になり、その温度セ
ンサを取り付けるために駆動力伝達装置10の設計変更
を行う必要がなく、従来の駆動力伝達装置10をそのま
ま使用可能なため、設計・製造に関するコストを低減で
きる。
【0081】[3]上記[1]において、イグニッショ
ンスイッチ3が投入直後の場合は(S24:Yes)、
駆動力伝達装置10の表面温度Tcoup0および電磁
コイル13aの温度Tcoil0として、実験的に求め
た初期設定値を用いるようにしている(S26)。これ
は、イグニッションスイッチ3の投入直後には、図5に
示すS34の処理において、前回のルーチン(前回のサ
ンプリング)で演算した駆動力伝達装置10の表面温度
Tcoup0および電磁コイル13aの温度Tcoil
0がRAM18iに記録(記憶)されていないためであ
る。尚、駆動力伝達装置10の表面温度Tcoup0の
初期設定値と、電磁石13の電磁コイル13aの温度T
coil0の初期設定値とを共通の値ではなく異なる値
に設定してもよい。しかし、イグニッションスイッチ3
の投入直後には各温度Tcoup0,Tcoil0はほ
ぼ等しいため、共通の初期設定値を用いることができ
る。
【0082】[4]伝達トルク補正指令値T4の演算処
理(図4に示すS10および図6参照)において、EC
U18を構成するマイクロコンピュータ18aのCPU
18gは、駆動力伝達装置10の表面温度Tcoupに
基づいて各補正係数Ktemp,Kdnを決定し(S4
2,S44)、引きずりトルクT5(=Kdn・ΔN)
を演算して求め(S46)、この引きずりトルクT5が
伝達トルク指令値T3以下の場合は各補正係数Ktem
p,Kdnに基づいて式(8)により伝達トルク補正指
令値T4を演算して求め(S50)、引きずりトルクT
5が伝達トルク指令値T3より大きい場合は伝達トルク
補正指令値T4をゼロに設定(決定)している(S5
2)。
【0083】ここで、補正係数Ktempは、駆動力伝
達装置10の表面温度Tcoupに基づいて、電磁石1
3の電磁コイル13aへの通電電流Iと伝達トルク指令
値T3との関係(I−T3特性)を補正するための係数
である。また、補正係数Kdnは、駆動力伝達装置10
の表面温度Tcoupに基づいて、差動回転速度ΔNと
伝達トルク指令値T3との関係(ΔN−T3特性)を補
正するための係数である。そして、前記式(8)は以下
の式(15)に示すように変形できる。 T3=Ktemp・T4+Kdn・ΔN ………式(15)
【0084】ところで、メインクラッチ機構10cおよ
びパイロットクラッチ機構10dの各インナクラッチプ
レート12a,14bおよび各アウタクラッチプレート
12b,14aは、カップリングオイル室Dに封入され
たカップリングオイルに浸漬されている。このカップリ
ングオイルの粘性抵抗は温度によって大きく変化し、温
度が低くなるほど粘性抵抗は大きくなる。そして、カッ
プリングオイルの温度は、駆動力伝達装置10の表面温
度Tcoupとほぼ相関関係を有する。
【0085】ここで、パイロットクラッチ機構10dを
構成する電磁石13の電磁コイル13aへの通電電流I
と伝達トルク指令値T3との関係(I−T3特性)は、
カップリングオイルの粘性抵抗によって変化する。そこ
で、本実施形態では、このI−T3特性を補正係数Kt
empによって補正することで、伝達トルク補正指令値
T4をカップリングオイルの温度変化による粘性抵抗の
変化に応じた値にしている。従って、本実施形態によれ
ば、カップリングオイルの温度変化による粘性抵抗の変
化に応じて、伝達トルク指令値T3を補正した伝達トル
ク補正指令値T4を得ることが可能になり、この伝達ト
ルク補正指令値T4に基づいて電磁石13の電磁コイル
13aへの通電電流Iを最適にデューティ制御すること
ができる。
【0086】[5]上記[4]において、カップリング
オイルの粘性抵抗が大きい場合、電磁石13の電磁コイ
ル13aへの通電電流Iがゼロであってもパイロットク
ラッチ機構10dの摩擦クラッチ14間に粘性抵抗が生
じ、その摩擦クラッチ14間の粘性抵抗に応じてメイン
クラッチ機構10cが摩擦係合され、アウタケース10
aとインナシャフト10bとの間でトルク伝達が生じる
ことがある。このように、通電電流Iがゼロの場合に生
じるアウタケース10aとインナシャフト10bとの間
のトルク伝達は、引きずりトルクと呼ばれる。この引き
ずりトルクは、アウタケース10aとインナシャフト1
0bとの回転速度の差である差動回転速度ΔNと、カッ
プリングオイルの粘性抵抗との影響を受けて変化する。
そのため、差動回転速度ΔNと伝達トルク指令値T3と
の関係(ΔN−T3特性)は、カップリングオイルの粘
性抵抗によって変化する。そこで、本実施形態では、差
動回転速度ΔNと補正係数Kdnとの乗算値を引きずり
トルクT5とし、このΔN−T3特性を補正係数Kdn
によって補正することで、引きずりトルクT5(=Kd
n・ΔN)をカップリングオイルの温度変化による粘性
抵抗の変化に応じた値にしている。
【0087】[6]上記[5]において、伝達トルク指
令値T3が引きずりトルクT5以上の場合は(S48:
Yes)、伝達トルク指令値T3から引きずりトルクT
5(=Kdn・ΔN)を減算して伝達トルク補正指令値
T4を求めるようにしている(S50)。従って、本実
施形態によれば、引きずりトルクT5分により伝達トル
ク補正指令値T4が不要に増大するのを防止して、最適
な伝達トルク補正指令値T4を得ることが可能になり、
この伝達トルク補正指令値T4に基づいて電磁石13の
電磁コイル13aへの通電電流Iを最適にデューティ制
御することができる。そして、引きずりトルクT5(=
Kdn・ΔN)をカップリングオイルの温度変化による
粘性抵抗の変化に応じた値にしているため、特に、カッ
プリングオイルの粘性抵抗が大きな低温時において、最
適な伝達トルク補正指令値T4を得ることができる。そ
のため、低温時に伝達トルク補正指令値T4が不要に増
大して駆動力伝達装置10および他の駆動系部材(トラ
ンスアクスル21の備えるトランスファ、各ディファレ
ンシャル23,27、各プロペラシャフト25,26な
ど)に故障が起こるのを未然に防止できる。
【0088】[7]上記[5]において、伝達トルク指
令値T3が引きずりトルクT5より小さい場合は(S4
8:No)、伝達トルク補正指令値T4をゼロに設定
(決定)している(S52)。そのため、パイロットク
ラッチ機構10dを構成する電磁石13の電磁コイル1
3aへの通電電流Iもゼロになり、前記磁路は形成され
なくなることから、アウタケース10aとインナシャフ
ト10bとの間のトルク伝達は引きずりトルクT5のみ
によってなされる。従って、本実施形態によれば、アウ
タケース10aとインナシャフト10bとの間のトルク
伝達が不要に増大するのを防止することが可能になり、
駆動力伝達装置10および他の駆動系部材(トランスア
クスル21の備えるトランスファ、各ディファレンシャ
ル23,27、各プロペラシャフト25,26など)に
故障が起こる事態を未然に回避できる。
【0089】[8]本実施形態では、前記I−T3特性
およびΔN−T3特性をカップリングオイルの温度変化
による粘性抵抗の変化に応じて、前記式(15)に示す
ように、線形にモデル化している。そのため、CPU1
8gにおける伝達トルク補正指令値T4の演算は簡単か
つ容易であり、CPU18gに対する負荷はほとんど増
大しないことから、ECU18の実行する車両の他の制
御に悪影響を及ぼすおそれはない。
【0090】[9]伝達トルク補正指令値T4の決定処
理(図4に示すS11および図12参照)において、E
CU18を構成するマイクロコンピュータ18aのCP
U18gは、駆動系部材の周囲の雰囲気温度Tを演算
して求め(S62)、リヤディファレンシャル27の伝
達トルクロスTlossを演算して求め(S64)、リ
ヤディファレンシャル27の発熱量Qdifを演算して
求め(S66)、これらの値(T,Tloss,Qd
if)などからリヤディファレンシャル27の温度Td
ifを演算して求め(S68)、この温度Tdifが所
定温度Tw以上の場合は(S72:Yes)、伝達トル
ク補正指令値T4をゼロに設定(決定)している(S7
4)。そのため、パイロットクラッチ機構10dを構成
する電磁石13の電磁コイル13aへの通電電流Iもゼ
ロになり、前記磁路は形成されなくなることから、アウ
タケース10aとインナシャフト10bとの間のトルク
伝達は引きずりトルクT5のみによってなされる。
【0091】従って、本実施形態によれば、リヤディフ
ァレンシャル27の温度Tdifが上昇しても、アウタ
ケース10aとインナシャフト10bとの間のトルク伝
達が不要に増大するのを防止することが可能になり、駆
動力伝達装置10および他の駆動系部材(トランスアク
スル21の備えるトランスファ、各ディファレンシャル
23,27、各プロペラシャフト25,26など)に故
障(例えば、焼き付きなど)が起こる事態を未然に回避
できる。尚、所定温度Twを最適に設定するには、リヤ
ディファレンシャル27の温度Tdifを上昇させる実
験を行い、駆動力伝達装置10および他の駆動系部材
(トランスアクスル21の備えるトランスファ、各ディ
ファレンシャル23,27、各プロペラシャフト25,
26など)に故障が起こる温度Tbを求め、この温度T
bから実験的に求めた十分なマージンTm分を差し引い
た値を所定温度Twとすればよい(Tw=Tb−T
m)。
【0092】[10]本実施形態では、リヤディファレ
ンシャル27の温度Tdifを温度センサを用いて実際
に計測するのではなく、上記のように演算によって推定
している。従って、本実施形態によれば、温度Tdif
を計測する温度センサを用いる場合に比べて、その温度
センサに要する部品コストを削減することが可能にな
り、その温度センサを取り付けるために駆動系部材の設
計変更を行う必要がなく、従来の駆動系部材をそのまま
使用可能なため、設計・製造に関するコストを低減でき
る。
【0093】[別の実施形態]ところで、本発明は上記
実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体
化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等もし
くはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
【0094】上記実施形態では、電磁石13を一つの
電磁コイル13aによって構成している。しかし、電磁
石13を二つ以上の電磁コイルによって構成してもよ
い。例えば、電磁コイルを二つにした場合は、それぞれ
に印加する電圧の位相をそれぞれほぼ180度ずつずら
すようにする。また、電磁コイルを4つにした場合は、
それぞれに印加する電圧の位相をそれぞれほぼ90度ず
つずらすようにするか、または、2つずつの電磁コイル
に同じ位相の電圧を印加し、この位相をそれぞれ180
度ずつずらすようにする。つまり、電磁石13をn個の
電磁コイルによって構成した場合、デューティ制御する
電圧の位相をそれぞれほぼ360/n度の自然数倍ずら
すことにより、上記実施形態と同様の作用・効果が得ら
れる。また、n個の電磁コイルに印加する電圧の位相を
少しずつでもずらせば、電磁石13を一つの電磁コイル
によって構成した場合に比べて、磁力が平滑化され、ト
ルク変動を低減することができる。
【0095】上記実施形態では、図6に示すS52お
よび図12に示すS74の処理において、伝達トルク補
正指令値T4をゼロに設定(決定)している。しかし、
上記実施形態において、伝達トルク補正指令値T4をゼ
ロではなく、アウタケース10aとインナシャフト10
bとの間のトルク伝達が不要に増大しない程度の小さな
値に決定してもよい。
【0096】上記実施形態では、伝達トルク補正指令
値T4の決定処理(図12に示すS11)において、リ
ヤディファレンシャル27の温度Tdifを演算してい
る。しかし、リヤディファレンシャル27の温度Tdi
fではなく、他の駆動系部材(トランスアクスル21の
備えるトランスファ、フロントディファレンシャル2
3、各プロペラシャフト25,26など)の温度を同様
にして演算し、その駆動系部材の温度が所定温度以上の
場合は伝達トルク補正指令値T4をゼロに設定してもよ
い。 上記実施形態では、駆動力伝達装置10に電磁クラッ
チを用いている。しかし、駆動力伝達装置10に油圧ク
ラッチを用いてもよい。この場合には、上記補正係数K
tempを、駆動力伝達装置10の表面温度Tcoup
に基づいて、油圧クラッチの油圧が発生機構の押圧力と
伝達トルク指令値T3との関係を補正するための係数に
置き代えればよい。ここで、当該油圧クラッチのカップ
リングオイル室内の作動オイルの温度は駆動力伝達装置
10の表面温度Tcoupとほぼ相関関係を有するた
め、前記係数を表面温度Tcoupに基づいて設定すれ
ば、前記作動オイルの温度変化による粘性抵抗の変化を
も補正することができる。
【0097】上記実施形態では、各車輪24b,24
b,28b,28bに各回転センサ5〜8を設け、各回
転センサ5〜8から出力される各車輪速N1〜N4に基
づいて差動回転速度ΔN(=(Nl+N2−N3−N
4)/2)を演算している。しかし、各プロペラシャフ
ト25,26にそれぞれ回転センサを設け、各回転セン
サから出力される各プロペラシャフト25,26の回転
速度の差を演算し、その差を差動回転速度ΔNとしても
よい。
【0098】上記実施形態では、電磁石13の電磁コ
イル13aへの通電電流を一定値である所定のロック電
流まで高めることにより、第3の駆動モード(LOCK
モード)にしている。しかし、伝達トルク補正指令値T
4と同様に、当該ロック電流を駆動力伝達装置10の表
面温度Tcoupに基づいて補正するようにしてもよ
い。 上記実施形態は、前輪駆動をベースとした四輪駆動車
に適用したものであるが、後輪駆動をベースとした四輪
駆動車や、センタディファレンシャル式四輪駆動車など
に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態の駆動力伝達装
置の要部概略断面図。
【図2】一実施形態の駆動力伝達装置を搭載した四輪駆
動車の概略構成図。
【図3】一実施形態の駆動力伝達装置の電子制御装置
(ECU)の内部構成を示すブロック回路図。
【図4】一実施形態においてECUが実行する処理の流
れを示すフローチャート。
【図5】図4に示すS9の処理(駆動力伝達装置の表面
温度Tcoupの演算処理)の詳細な流れを示すフロー
チャート。
【図6】図4に示すS10の処理(伝達トルク補正指令
値T4の演算処理)の詳細な流れを示すフローチャー
ト。
【図7】表面温度Tcoupに基づいて決定される補正
係数Ktempの一例を示すグラフ。
【図8】表面温度Tcoupに基づいて決定される補正
係数Kdnの一例を示すグラフ。
【図9】差動回転速度ΔNと駆動力伝達装置10の表面
温度Tcoupと引きずりトルクT5との関係の一例を
示すグラフ。
【図10】通電電流Iと駆動力伝達装置10の表面温度
Tcoupおよび伝達トルク指令値T3の関係の一例を
示すグラフ。
【図11】通電電流Iと駆動力伝達装置10の表面温度
Tcoupと第1補正トルクT6との関係の一例を示す
グラフ。
【図12】図4に示すS11の処理(伝達トルク補正指
令値T4の決定処理)の詳細な流れを示すフローチャー
ト。
【符号の説明】
10…駆動力伝達装置 10a…アウタケース 10b…インナシャフト 10c…メインクラッチ機構 10d…パイロットクラッチ機構 10e…カム機構 11a…リヤカバー 13…電磁石 13a…電磁コイル 18…電子制御装置 19…駆動力伝達制御装置 18a…マイクロコンピュータ 18d…駆動回路 18f…トランジスタ 18g…CPU 18h…ROM 18i…RAM 18j…入出力回路 D…カップリングオイル室
フロントページの続き (72)発明者 児玉 明 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 井戸 勇作 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 Fターム(参考) 3J057 AA01 BB04 GA02 GB03 GB04 GB36 GE07 GE08 GE13 HH01 JJ01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の駆動系中に配置され、相対回転可
    能に配置された第1回転部材および第2回転部材と、 前記第1回転部材と第2回転部材とのトルク伝達を制御
    する電磁石とを有する駆動力伝達装置と、 その駆動力伝達装置の前記電磁石の動作を制御する制御
    装置とを備えた駆動力伝達制御装置において、 前記制御装置は、 前記第1回転部材と第2回転部材とのトルク伝達を指令
    するための伝達トルク指令値を演算する伝達トルク指令
    値演算手段と、 前記駆動力伝達装置の表面温度に基づいて、前記伝達ト
    ルク指令値演算手段が演算した伝達トルク指令値を補正
    した伝達トルク補正指令値を演算する伝達トルク補正指
    令値演算手段と、 前記駆動系中に配置された駆動系部材の温度を推定する
    温度推定手段と、 その温度推定手段が推定した前記駆動系部材の温度が所
    定温度以上の場合に、前記伝達トルク補正指令値を所定
    の小さな値に決定する伝達トルク補正指令値決定手段
    と、 その伝達トルク補正指令値決定手段が決定した伝達トル
    ク補正指令値に従い、前記電磁石の動作を制御する制御
    手段とを備えことを特徴とする駆動力伝達制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の駆動力伝達制御装置に
    おいて、 前記温度推定手段は、 前記駆動系部材の周囲の雰囲気温度を演算する雰囲気温
    度演算手段と、 前記駆動系部材の発熱量を演算する発熱量演算手段と、 前記雰囲気温度演算手段が演算した雰囲気温度と、前記
    発熱量演算手段が演算した前記駆動系部材の発熱量とに
    基づいて、前記駆動系部材の温度を演算する温度演算手
    段とを備えたことを特徴とする駆動力伝達制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の駆動力
    伝達制御装置において、 前記温度演算手段は、予め設定しておいたサンプリング
    時間毎に以下の式を積分することにより、前記駆動系部
    材の温度を演算することを特徴とする駆動力伝達制御装
    置。 Tdif=(Δt/Cdif)(Qdif−λ4(Td
    if0−T))+Tdif0 但し、 Cdif:駆動系部材の比熱[J/K・g] Qdif:駆動系部材の発熱量[J] Tdif:今回のサンプリングで演算した駆動系部材の
    温度[K] Tdif0:前回のサンプリングで演算した駆動系部材
    の温度[K] T:駆動系部材の周囲の雰囲気温度[K] λ4:駆動系部材から電磁石への熱伝達係数 Δt:サンプリング時間[min]
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の駆動力伝達制御装置に
    おいて、 最初のサンプリングでは、前回のサンプリングで演算し
    た駆動系部材の温度Tdif0として、予め設定してお
    いた値を用いることを特徴とする駆動力伝達制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の駆
    動力伝達制御装置における前記制御装置の各手段として
    コンピュータシステムを機能させるためのプログラム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の駆
    動力伝達制御装置における前記制御装置の各手段として
    コンピュータシステムを機能させるためのプログラムが
    記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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