JP2002349468A - カスケードポンプ - Google Patents

カスケードポンプ

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JP2002349468A
JP2002349468A JP2001155560A JP2001155560A JP2002349468A JP 2002349468 A JP2002349468 A JP 2002349468A JP 2001155560 A JP2001155560 A JP 2001155560A JP 2001155560 A JP2001155560 A JP 2001155560A JP 2002349468 A JP2002349468 A JP 2002349468A
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impeller
passage
dynamic pressure
working
pump
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Withdrawn
Application number
JP2001155560A
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English (en)
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Masakazu Uesugi
正和 上杉
Masahiro Kadofuri
正浩 角振
Atsushi Nagano
淳 長野
Shotaro Mizobuchi
庄太郎 溝渕
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THK Co Ltd
Original Assignee
THK Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作用通路の吐き出し域側から吸い込み域側への
液体の漏れを防止し、ポンプ効率を著しく高めることが
可能であると共に、シール機構のメインテナンスを行な
うことなく、半永久的に運転することが可能なカスケー
ドポンプを提供する。 【解決手段】ハウジングには作用通路よりも内径側にお
ける羽根車との対抗面に動圧溝が形成されており、上記
作用通路を吸い込み通路側から吐き出し通路側にかけて
吸い込み域、中間域、吐き出し域に区分した場合に、か
かる吸い込み域における動圧溝はポンプイン状に、中間
域における動圧溝はヘリングボーン状に、吐き出し域に
おける動圧溝はポンプアウト状に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、別名「渦流ポン
プ」とも呼ばれ、小さい駆動力で高い揚程を得ることが
でき、例えば家庭用電気井戸ポンプや化学薬品の輸送用
ポンプ等に利用されるカスケードポンプの改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、カスケードポンプは、周辺に多
数の作用溝が形成された円盤状の羽根車と、この羽根車
を収容するケーシングと、上記羽根車の円周の約8割を
取り囲むようにして上記ケーシング内に設けられた作用
通路と、この作用通路の一端に対して液体を導入する吸
い込み通路と、作用通路の他端から液体を送り出す吐き
出し通路と、これら吸い込み通路と吐き出し通路との間
で作用通路を隔てる隔壁とから構成されている。
【0003】図8は作用溝101が形成された羽根車1
02の先端と作用通路103との関係を示す断面図であ
る。カスケードポンプでは羽根車102の周辺を囲む作
用通路103の断面が該羽根車102の作用溝101の
外側を広く囲んでおり、その幅は羽根車102の厚さよ
りも大きくなっている。羽根車102を回転させた場
合、作用通路103を流れる液体の円周方向の速度は羽
根車102の円周速度よりも小さくなるので、羽根車1
02の作用溝101中の液体は遠心力の差によって該羽
根車102の外周から作用通路103内に流出し、逆
に、作用通路103内の液体は羽根車102の側面から
作用溝101内に吸い込まれることになり、液体は作用
溝101の出入りによって渦を形成しながら作用通路1
03内を進行する。このため、羽根車102の運動エネ
ルギが渦の運動エネルギに変換され、これを作用通路1
03の長さだけ繰り返すことによって、最終的に吐き出
し通路から流出する液体に対して高ヘッドを与えること
ができるようになっている。
【0004】このように構成されるカスケードポンプで
は、吸い込み流路と吐き出し流路とが隔壁によって隔て
られており、隔壁と羽根車との間には必ず隙間が存在す
ることから、吐き出し通路に達した高圧液体の一部が該
隙間を介して低圧の吸い込み通路側へ漏れるといった現
象が存在する。また、作用通路内の吐き出し通路に近い
区間(以下、「吐き出し域」という)は高圧なので、か
かる吐き出し域の液体が羽根車の側面とケーシングとの
隙間を通って該羽根車の中心に向かって漏れ、吸い込み
通路に近い区間(以下、「吸い込み域」という)で作用
通路に戻るといった現象も存在する。このため、吐き出
し量が一定であれば、これらの漏れ量が増すほど全揚程
は低下する傾向にあり、小さい動力で大きな揚程を確保
するためには、前記漏れ量を如何にして小さくするかが
重要な課題である。
【0005】一方、液体の漏れを防止するシール機構と
しては、固定側のケーシングと回転側の羽根車との間に
設けるグランドパッキンやメカニカルシールが知られて
いるが、摺接を伴うため、経時的な摩耗による漏れの増
大を避けることができず、長期の使用においてはシール
機構のメインテナンスが必要になるといった問題点を有
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、作用通路の吐き出し域側から吸い込み域側への液体
の漏れを防止し、ポンプ効率を著しく高めることが可能
であると共に、シール機構のメインテナンスを行なうこ
となく、半永久的に運転することが可能なカスケードポ
ンプを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のカスケードポンプは、周辺に多数の作用溝
が形成された羽根車と、この羽根車を収容するケーシン
グと、上記羽根車における作用溝の形成領域を収容する
ようにして上記ケーシング内に形成された作用通路と、
この作用通路に対して液体を導入する吸い込み通路と、
この吸い込み通路と羽根車の円周方向に隣接して設けら
れ、上記作用通路から液体を送り出す吐き出し通路と、
上記吸い込み通路と吐き出し通路との間で作用通路を隔
てる隔壁とから構成され、上記ハウジングには作用通路
よりも内径側における羽根車との対抗面に動圧溝が形成
されており、上記作用通路を吸い込み通路側から吐き出
し通路側にかけて吸い込み域、中間域、吐き出し域に区
分した場合に、かかる吸い込み域における動圧溝はポン
プイン状に、中間域における動圧溝はヘリングボーン状
に、吐き出し域における動圧溝はポンプアウト状に形成
されていることを特徴とするものである。
【0008】カスケードポンプにおいては、液体が作用
通路から漏れだすのを極力防止するために、かかる作用
通路よりも内径側の部位では羽根車とこれを収容するケ
ーシングとが極めて狭い隙間を介して対向している。従
って、羽根車と対向するハウジングの内面に対して動圧
溝を形成すれば、作用通路から該隙間に漏れだしてきた
液体が羽根車の回転によって加圧され、羽根車とハウジ
ングとの間に高圧の流体潤滑膜が形成される。つまり、
本発明においては、羽根車とハウジングとがスラスト動
圧軸受を構成していることになる。
【0009】このとき、作用通路を吸い込み通路側から
吐き出し通路側にかけて吸い込み域、中間域、吐き出し
域に区分し、かかる吸い込み域における動圧溝は羽根車
の回転に伴って液体を回転中心へ向けて加圧するポンプ
イン状に、吐き出し域における動圧溝は液体を作用通路
へ向けて加圧するポンプアウト状に、中間域における動
圧溝は吸い込み域におけるポンプインパターンと吐き出
し域におけるポンプアウトパターンが重なったヘリング
ボーン状に形成すれば、作用通路内の液体は低圧の吸い
込み域において羽根車とハウジングとの隙間に吸引さ
れ、中間域において該隙間内で加圧された後、吐き出し
域において該隙間から作用通路へ吐き出されることにな
る。このため、吐き出し域においては高圧の液体が羽根
車とハウジングとの隙間から作用通路内に噴き出すの
で、作用通路から該隙間に液体が漏れ出すのを積極的に
防止することが可能となる。
【0010】一方、羽根車の外周面とハウジングに設け
られた隔壁の内周面との間にも極僅かな隙間が存在し、
かかる隙間を介して吐き出し域側の高圧液体が吸い込み
域側に漏れ出すのを防止するという観点からすれば、羽
根車の外周面とこれに対向する隔壁の内周面との間でラ
ジアル動圧軸受を構成するのが好ましい。このように構
成すれば、羽根車と隔壁の隙間を該羽根車の回転によっ
て生じる高圧の流体潤滑膜によってシールすることがで
きるので、かかる隙間を介して吐き出し通路側の高圧液
体が吸い込み通路側へ漏れ出すのを積極的に防止するこ
とが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
のカスケードポンプを詳細に説明する。図1は本発明が
適用されたカスケードポンプの第1実施例を示すもので
ある。このカスケードポンプは、ハウジング1内に収容
された羽根車2を回転させ、かかるハウジング1内に形
成された作用通路3において液体にポンプ作用を行なう
ように構成されており、小型化のために羽根車2を駆動
するモータ4がハウジング1と一体に設けられている。
すなわち、モータロータ4aは羽根車2が固定された回
転軸40に対して直接固定される一方、上記羽根車2及
び回転軸40を収容するハウジング1にはモータステー
タ4bが固定され、これらモータロータ4a及びモータ
ステータ4bから構成される駆動モータ4によって羽根
車2が直接回転駆動されるようになっている。尚、図1
では回転軸40の回転中心を一点鎖線で示し、かかる回
転中心よりも下側を省略して描いている。
【0012】上記羽根車2の外周には円周方向に沿って
複数の作用溝20が配列されている。この作用溝20は
羽根車2の側面と外周面とが交わる両角部に対して形成
されており、羽根車2の角部を扇状に切り欠くようにし
て形成されている。一方、上記作用通路3は羽根車2の
幅よりも広い幅で、しかも羽根車2の作用溝20の形成
領域を収容するようにして形成されており、かかる作用
通路3の断面が羽根車2の作用溝20の外側を広く囲ん
でいる。
【0013】図2は上記ハウジング1内に形成した作用
通路3と上記羽根車2との関係を示す断面図である。作
用通路3は羽根車2の外周の8割程度を取り巻くように
して設けられており、その一端には液体を作用通路3に
導く吸い込み通路5が、他端にはポンプ作用を受けた液
体を送り出す吐き出し通路6が接続されている。また、
吸い込み通路5と吐き出し通路6との間には隔壁7が形
成されており、この隔壁7は羽根車2の外周面と極僅か
な隙間(例えば、20μm程度)を介して対向してい
る。これにより、作用通路3の吸い込み側と吐き出し側
は離隔されており、吐き出し通路5側の液体が吸い込み
通路6側へ戻ってしまうのを防止している。
【0014】作用通路3内の液体が羽根車2の両側面か
らロータ4aの回転中心へ向けて漏れ出すのを防止する
ため、作用通路3よりも内径側においては、羽根車2と
ハウジング1が極僅かな隙間を介して対向している。本
実施例ではこの隙間を軸受隙間として、羽根車2の両側
面とハウジング1との間で一対のスラスト動圧軸受を構
成し。これらスラスト動圧軸受8によって羽根車2及び
ロータ4aの回転軸方向への移動を規制している。この
スラスト動圧軸受8の潤滑流体としては、作用通路3に
おいてポンプ作用を受ける液体がそのまま使用される。
作用通路3から軸受隙間に漏れ出してきた液体を加圧し
て高圧の流体潤滑膜を形成するため、羽根車2と対向す
るハウジング1の内面には動圧溝9が形成されている。
この動圧溝9は後述する特定のパターンに形成されてお
り、羽根車2が回転すると、かかる羽根車2に連れ回さ
れた液体がこの動圧溝9によって一定の方向へ流動して
加圧され、上記軸受隙間に高圧の流体潤滑膜が形成さ
れ、羽根車2をハウジング1に対して非接触で支承する
ことができるようになっている。
【0015】また、上記回転軸40にはモータロータ4
aを軸方向から挟むようにして一対の軸受リング41が
固定されており、これらの軸受リング41はハウジング
1と僅かな軸受隙間を介して対向してラジアル動圧軸受
を構成している。モータロータ4aの回転はこれらラジ
アル動圧軸受10によってハウジングに支承されてい
る。このラジアル動圧軸受10の軸受隙間は前述のスラ
スト動圧軸受8の軸受隙間と連通しており、かかるラジ
アル動圧軸受10の潤滑流体としてはスラスト動圧軸受
8の軸受隙間から流動してきた液体、すなわち作用通路
3から漏れ出した液体がそのまま使用される。各軸受リ
ング41には回転軸40の回転によって軸受隙間の液体
を加圧するための動圧溝11が形成されているが、かる
動圧溝11は液体をモータロータ4aの方向に向けて流
動させるパターンに形成されている。その結果、回転軸
40の回転中には、譬えモータロータ4aの近傍で液体
中に汚れが混じるようなことがあっても、かかる汚れが
ラジアル動圧軸受10の軸受隙間内を作用通路3の方へ
流動することがないようになっている。
【0016】このように構成された本実施例のカスケー
ドポンプでは、モータ4によって回転軸40と共に羽根
車2を図2中の矢線A方向へ回転させると、作用通路3
内の液体はこの羽根車2の回転に連れ回されるようにし
て吸い込み通路5側から吐き出し通路6側へと流動す
る。このとき、作用通路3内における円周方向の液体の
流動速度は羽根車2の周速度よりも遅いことから、羽根
車2の各作用溝20内の液体に作用する遠心力は作用通
路3内の液体に作用するそれよりも大きく、作用溝20
内の液体はこの遠心力の差によって羽根車2の外周から
作用通路3内に流出し、逆に作用通路3内の液体は羽根
車2の側面から作用溝20内に吸い込まれることにな
る。これにより、液体は羽根車2の作用溝20に対する
出入りに伴って渦を形成し、かかる渦の形成を各作用溝
20毎に繰り返しながら作用通路3を進行する。その結
果、羽根車2の運動エネルギが渦の運動エネルギに変換
され、最終的に吐き出し通路6から送り出される液体に
対して高ヘッドが与えられるようになっている。
【0017】このような構造のカスケードポンプでは羽
根車2の側面とハウジング1との間に隙間が形成されて
しまうことから、作用通路3内で高圧となって吐き出し
通路6に達した液体が上記隙間から羽根車2の中心に向
けて漏れだし、比較的低圧である吸い込み通路5の近傍
で作用通路3に戻ってしまうといった現象が存在し、こ
のような作用通路3の高圧側から低圧側への液体の漏れ
がポンプ効率を低下させる一因となっている。
【0018】このため、本実施例のカスケードポンプで
はスラスト動圧軸受8の動圧溝9の形状を工夫し、作用
通路3内の液体が羽根車2の側面とハウジング1との隙
間を伝い、高圧の吐き出し通路6側から低圧の吸い込み
通路5側へ漏出するのを可及的に防止している。
【0019】図3はハウジング1に形成された上記動圧
溝9を示すものである。かかる動圧溝9は、作用通路3
を吸い込み通路5側から吐き出し通路6側へかけて3つ
の領域に区分し、かかる領域毎に異なったパターンで形
成されている。すなわち、最も吸い込み通路5に近い吸
い込み域では上記動圧溝9aがスパイラル状のポンプイ
ンパターンに形成され、作用通路3から軸受隙間に流入
した液体が羽根車2の回転に伴って該羽根車2の回転中
心に向けて加圧されるようになっている。また、最も吐
き出し通路6に近い吐き出し域では動圧溝9cがスパイ
ラル状のポンプアウトパターンに形成され、軸受隙間内
の液体が羽根車2の回転に伴って該羽根車2の外径側へ
加圧されるようになっている。更に、これら吸い込み域
と吐き出し域に挟まれた中間域では、吸い込み域のポン
プインパターンと吐き出し域のポンプアウトパターンと
が重なり合ってヘリングボーン状の動圧溝9bが形成さ
れており、ポンプインパターンとポンプアウトパターン
の境界に向けて軸受隙間の液体が加圧されるようになっ
ている。尚、図3中の二点鎖線は羽根車2の外径を示し
ている。
【0020】図4は上記スラスト動圧軸受8の軸受隙間
内における液体の流動の様子を示したものでり、図中の
網点領域は軸受隙間内における高圧域を示している。こ
の図に示されるように、ポンプインパターンの動圧溝9
aが形成された吸い込み域では、軸受隙間内の液体が羽
根車2の中心に向けて流動し、羽根車2の中心に近い位
置に高圧域が形成されるが、中間域ではヘリングボーン
状の動圧溝9bによってポンプインパターンとポンプア
ウトパターンの境界に対応した狭い領域に液体が流動
し、かかる液体は吸い込み域よりも更に加圧された状態
となる。そして、吐き出し域ではポンプインパターンの
動圧溝9aが途絶え、ポンプアウトパターンの動圧溝9
cのみとなることから、中間域において加圧された液体
は羽根車2の外径側に向けて解放され、軸受隙間から作
用通路3に噴出することになる。
【0021】このため、羽根車2の回転中は、吐き出し
域において作用通路3内の液体が軸受隙間に流入するの
を防止することができ、作用通路3内の液体が羽根車2
の側面とハウジング1との隙間を伝い、高圧の吐き出し
通路6側から低圧の吸い込み通路5側へ漏出するのを可
及的に防止することができるものである。
【0022】図5は、液体の漏れ防止策を施した本発明
のポンプと、かかる防止策を施していない従来のポンプ
との双方に関し、これらのポンプ効率と揚程とを比較し
たポンプ性能曲線である。いずれのポンプも作用通路の
断面積及び長さは同程度である。また、羽根車は外径4
0mmのものを9000rpmで回転させて使用した。
漏れ防止策を施した本発明のポンプは従来品に比べ、弁
開放側及び弁締め切り側共にポンプ効率及び揚程を10
%程度改善することができた。
【0023】一方、羽根車2の外周面とハウジング1の
隔壁7との間にも隙間が存在し、やはり液体がこの隙間
を伝わって高圧の吐き出し通路6側から低圧の吸い込み
通路5側へ漏出し易い。このため、図6に示すように、
本実施例では羽根車2の外周面と対向する隔壁7の内周
面にも動圧溝12を設け、羽根車2の回転に伴ってこれ
ら隔壁7と羽根車2との隙間で高圧の流体潤滑膜が形成
されるように構成している。すなわち、羽根車2と隔壁
7がラジアル動圧軸受を構成していることになり、これ
ら両者の隙間を従来に比して著しく狭く設定しても、両
者が干渉することなく、羽根車2を回転させることがで
き、その分だけ吐き出し通路6側から吸い込み通路5側
へ液体が漏れ出すのを防止することができるようになっ
ている。このような構成によれば、従来は0.3mm程
度設けていた羽根車2と隔壁7との隙間を約20μmま
で狭めることができ、ポンプ効率を約5%程度アップす
ることができた。尚、図6中の矢線は隔壁7に対する羽
根車2の回転方向を示している。
【0024】次に、図7は本発明を適用したカスケード
ポンプの第2実施例を示すものである。この第2実施例
のポンプでは羽根車2が外周の一方の角部にのみ作用溝
20を有しており、片羽根構造となっている。そして、
作用溝20の形成されていない羽根車2の裏面にはモー
タロータ4aが固定されており、ハウジング1に固定さ
れたモータステータ4bと対向している。作用通路3の
断面形状は片羽根である羽根車2の形状に対応したもの
になっているが、かかる作用通路3の円周方向の構造は
第1実施例と全く同じである。
【0025】第1実施例と同様、作用溝20が形成され
た羽根車2の表面はハウジング1と僅かな隙間を介して
対向し、かかる隙間を軸受隙間とするスラスト動圧軸受
8を構成している。羽根車2の表面には作用溝20の内
径側に第1実施例と同じ動圧溝9が形成され、やはり、
かかる動圧溝9は作用通路3の吸い込み域、中間域、吐
き出し域に応じて異なったパターンを有している。
【0026】一方、羽根車2の裏面もハウジング1と僅
かな隙間を介して対向しており、かかる隙間を軸受隙間
とするスラスト動圧軸受14を構成している。羽根車2
の外周縁及び内周縁にはモータロータ4aを挟むように
してスパイラル状の動圧溝15が形成されており、羽根
車2が回転すると、これら動圧溝15によって軸受隙間
の潤滑流体が加圧され、かかる軸受隙間に高圧の流体潤
滑膜が形成される。潤滑流体としては、作用通路3から
漏れ出した液体がそのまま利用される。ここで、上記動
圧溝15は軸受隙間の潤滑流体をモータロータ4aへ向
けて加圧するパターンに形成されており、前記第1実施
例と同様、羽根車2の回転時にモータロータ4aの近傍
で生じた汚れが作用通路3内に流出しない工夫がなされ
ている。
【0027】また、ハウジング1にはこれを貫通する固
定軸16が設けられており、この固定軸16には上記羽
根車2が遊嵌する軸受リング17が固定されている。羽
根車2の内周面と軸受リング17の外周面は僅かな隙間
を介して対向しており、かかる隙間を軸受隙間とするラ
ジアル動圧軸受を構成している。軸受リング17には軸
受隙間の潤滑流体を加圧する動圧溝18が形成されてお
り、羽根車2が回転を開始すると、かかる軸受隙間に高
圧の流体潤滑膜が形成され、羽根車2の回転が軸受リン
グ17に対して非接触の状態で支承される。ここでも、
潤滑流体としては作用通路3から漏れ出した液体がその
まま使用される。
【0028】そして、このように構成された第2実施例
のカスケードポンプにおいても、第1実施例のポンプと
同様、羽根車の表面と対向したハウジング面に形成した
動圧溝9の働きにより、作用通路3内の液体が羽根車2
の側面とハウジング1との隙間を伝い、高圧の吐き出し
通路6側から低圧の吸い込み通路5側へ漏出するのを可
及的に防止することができ、ポンプ効率及び揚程を著し
く改善することができるものである。
【0029】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のカス
ケードポンプによれば、羽根車とハウジングとの対抗面
に動圧溝を形成し、かかる動圧溝のパターン形状を作用
通路の吸い込み域、中間域及び吐き出し域に応じて異な
るパータンとしているので、羽根車の回転中は作用通路
の吐き出し域側から吸い込み域側への液体の漏れを防止
することができ、ポンプ効率を著しく高めることが可能
である。また、かかる漏れの防止は、動圧軸受を利用し
た接触タイプのシール機構によって行なわれるので、シ
ール機構のメインテナンスを行なう必要がなく、何らメ
インテナンスを行なわずとも、高効率の運転を半永久的
に持続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したカスケードポンプの第1実
施例を示す断面図である。
【図2】 第1実施例に係るカスケードポンプの作用通
路と羽根車との関係を示す断面図である。
【図3】 第1実施例に係るスラスト動圧軸受の動圧溝
のパターンを示す図である。
【図4】 図3に示した動圧溝によって得られる潤滑流
体の圧力分布を示す図である。
【図5】 第1実施例に係るカスケードポンプのポンプ
効率及び揚程を従来のカスケードポンプのポンプ効率及
び揚程と比較したグラフである。
【図6】 第1実施例に係る隔壁に形成された動圧溝の
パータンを示す図である。
【図7】 本発明を適用したカスケードポンプの第2実
施例を示す断面図である。
【図8】 一般的なカスケードポンプにおける羽根車と
作用通路との関係を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ハウジング、2…羽根車、3…作用通路、5…吸い
込み通路、6…吐き出し通路、7…隔壁、20…作用溝
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04D 5/00 F04D 5/00 L 23/00 23/00 A E 29/08 29/08 A B 29/16 29/16 29/44 29/44 B E F16C 17/04 F16C 17/04 A (72)発明者 長野 淳 山梨県中巨摩郡玉穂町中楯754、テイエチ ケー株式会社甲府工場内 (72)発明者 溝渕 庄太郎 山梨県中巨摩郡玉穂町中楯754、テイエチ ケー株式会社甲府工場内 Fターム(参考) 3H022 AA01 BA01 BA02 BA03 BA04 CA32 CA35 CA41 CA50 DA00 DA08 DA13 DA15 DA16 3H034 AA01 AA12 BB04 BB13 CC01 CC03 CC04 CC05 DD01 DD30 EE09 EE10 EE13 EE17 EE18 3J011 BA02 BA08 CA03 KA02 KA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周辺に多数の作用溝が形成された羽根車
    と、この羽根車を収容するケーシングと、上記羽根車に
    おける作用溝の形成領域を収容するようにして上記ケー
    シング内に形成された作用通路と、この作用通路に対し
    て液体を導入する吸い込み通路と、この吸い込み通路と
    羽根車の円周方向に隣接して設けられ、上記作用通路か
    ら液体を送り出す吐き出し通路と、上記吸い込み通路と
    吐き出し通路との間で作用通路を隔てる隔壁とから構成
    されるカスケードポンプにおいて、 上記ハウジングには作用通路よりも内径側における羽根
    車との対抗面に動圧溝が形成されており、上記作用通路
    を吸い込み通路側から吐き出し通路側にかけて吸い込み
    域、中間域、吐き出し域に区分した場合に、かかる吸い
    込み域における動圧溝はポンプイン状に、中間域におけ
    る動圧溝はヘリングボーン状に、吐き出し域における動
    圧溝はポンプアウト状に形成されていることを特徴とす
    るカスケードポンプ。
  2. 【請求項2】 上記羽根車の外周面とこれに対向する上
    記隔壁の内周面とでラジアル動圧軸受を構成したことを
    特徴とする請求項1記載のカスケードポンプ。
  3. 【請求項3】 上記羽根車又は該羽根車が固定された回
    転軸にモータロータを設けると共に、上記ハウジングに
    はモータロータと対向するモータステータを設け、これ
    らモータロータ及びモータステータで羽根車の駆動モー
    タを構成する一方、 上記羽根車の回転を支承する一対の動圧軸受を上記モー
    タロータを挟むようにして設け、これら動圧軸受が軸受
    隙間に介在する潤滑流体を羽根車の回転に伴ってモータ
    ロータ側へ向けて加圧するように構成したことを特徴と
    する請求項1記載のカスケードポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7748964B2 (en) 2004-03-24 2010-07-06 Terumo Kabushiki Kaisha Blood pump apparatus
US8523513B2 (en) 2006-09-15 2013-09-03 Aisan Kogyo Kabushiki Kaisha Fuel pump
CN110985527A (zh) * 2019-12-30 2020-04-10 江苏毅合捷汽车科技股份有限公司 一种止推空气动压轴承

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